JP2004199846A - 磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気記録媒体用ガラス基板は、中心に円孔を有する円盤状に形成され、表面には同心円を描いて延びる尾根状のテクスチャー13が形成されている。原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られる低周波成分のテクスチャー13の幅Wは10〜200nm、テクスチャー13の高さHは2〜10nm、テクスチャー13の自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)は15以下である。低周波成分には高周波成分が重畳的に形成され、その高周波成分のテクスチャーの幅W´は0.1〜20nmで、高さH´は0.1〜1nmであることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばコンピュータのハードディスク等として用いられる磁気ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、ガラス基板表面の磁気データを読み取る磁気ヘッドの充分な低浮上化を図るとともに、浮上安定性を向上させることができる磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の磁気記録媒体用ガラス基板としては、次のような構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、主表面に同心円状の溝が形成された磁気記録媒体用基板において、同心円状の凹凸の高さが基板上に少なくとも磁性膜を形成させたときに円周方向に異方性を持たない大きさのものである。言い換えれば、円周方向の保磁力をHc1、半径方向の保磁力をHc2としたときの保磁力の比(Hc1/Hc2)で表される磁気異方性値が0.90〜1.10の範囲に設定されているものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−32909号公報(第1頁及び第3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、保磁力の比が0.90〜1.10という磁気異方性の小さいテクスチャーを有するガラス基板においては、ガラス基板上の情報を読み取る磁気ヘッドの浮上安定性を図ることができておらず、低浮上特性としていまだ充分ではないという問題があった。低浮上特性では、限界浮上特性(TDHなど)以外に、連続シークテストや定点浮上テストで評価されるような、磁気ヘッドの耐久性や浮上安定性に係わる特性も重要で、両者を満たしてはじめて良好な低浮上特性が得られる。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、磁気ヘッドの充分な低浮上化を図るとともに、浮上安定性を向上させることができる磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、中心に円孔を有する円盤状に形成され、主表面には同心円を描いて延びる尾根状のテクスチャーが形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの中心面における幅Wが10〜200nm、テクスチャーの高さHが2〜10nmであり、テクスチャーの自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が15以下であることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1に記載の発明において、前記テクスチャーの中心面における幅Wが10〜20nmであるものである。
【0009】
請求項3に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記テクスチャーの中心面における幅Wが10〜20nm、テクスチャーの高さHが2〜5nm及びテクスチャーの自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が3以下であるものである。
【0010】
請求項4に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.01〜1.0nmで表されるものである。
【0011】
請求項5に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差が0.15〜0.20nmで表されるものである。
【0012】
請求項6に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.2〜0.7nmで、かつBRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差が0.17〜0.20nmで表されるものである。
【0013】
請求項7に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差は、BRが1.0%のときのBHとBRが15%のときのBHとの差よりも小さくなるように形成されるものである。
【0014】
請求項8に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明において、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの平均尾根凹部深さDが2nm以下で、テクスチャーの平均尾根凹部深さDに対する高さHの比H/Dが10以上であるものである。
【0015】
請求項9に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記テクスチャーは、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られる低周波成分と、その上に重畳的に形成され、原子間力顕微鏡で1μm四方又は0.1μm四方の範囲を測定して得られ、低周波成分より細かな高周波成分とから構成され、高周波成分のテクスチャーの幅W´が0.1〜20nmで、高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.1〜1nmであるものである。
【0016】
請求項10に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項9に記載の発明において、前記高周波成分のテクスチャーの幅W´が1〜5nmで、高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.3〜0.8nmであるものである。
【0017】
請求項11に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明において、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの最大谷深さRvが10nm以下であるものである。
【0018】
請求項12に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、ガラス素板を円盤加工する円盤加工工程と、円盤加工されたガラス基板の主表面を研磨材にて研磨する研磨工程と、ガラス基板の主表面に残る研磨材を洗浄する洗浄工程と、洗浄されたガラス基板の主表面にテクスチャーを形成するテクスチャー加工工程とを備え、洗浄されたガラス基板の主表面の算術平均粗さRaが原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られる値として0.35〜1.0nmであることを特徴とするものである。
【0019】
請求項13に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、請求項12に記載の発明において、前記テクスチャー加工工程の前にガラス基板を化学的に強化する化学強化工程を備えたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、本実施形態における磁気記録媒体用ガラス基板11(以下、製造工程におけるガラス基板を含めて単にガラス基板とも称する)は中心に円孔12を有する円盤状に形成され、磁気ディスク等の磁気記録媒体として使用されるものである。すなわち、ガラス基板11の主表面15には、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)等の金属又は合金よりなる磁性膜、保護膜、さらに潤滑膜等を形成することにより磁気記録媒体が構成される。ここで主表面15とは、ガラス基板11が磁気記録媒体とされたときに情報が記録される表面のことをいう。
【0021】
図4に示すように、このガラス基板11上には、同心円を描いて延びる複数のテクスチャー13が形成されている。図1に示すように、テクスチャー13は尾根状(山型状)に形成され、その中心面(基準面)Cを基準として、幅がW、高さがHに形成されている。中心面Cは、ガラス基板11の主表面15と平行な断面で表されるテクスチャー13の面積の総和が下記測定範囲の全面積に対して50%に相当する等高面(ベアリングレシオ50)を意味する。該テクスチャー13は、原子間力顕微鏡(略称AFM)で10μm(ミクロンメートル)四方の範囲を測定して得られるもので、テクスチャー13の中心面Cにおける幅Wが10〜200nm(ナノメートル)、テクスチャー13の高さHが2〜10nmのものである。
【0022】
ここで、テクスチャー13の幅Wは、AFMでの測定範囲の長さ/テクスチャーの線密度を表す。テクスチャー13の線密度、すなわちラインデンシティ(Ld)は、テクスチャー13を横切る断面において、テクスチャー13の形状を表す曲線が中心面Cを横切る回数を示す。
【0023】
図8に示すように、テクスチャー13の高さHは、テクスチャー13を横切る断面において、AFMでの測定範囲内でカウントされるテクスチャー13がn本(n=Ld/2)である場合、個々のテクスチャー13(i)についてテクスチャー13の山頂から谷底までの高さをHiとしたとき、次式で表される。
【0024】
H=ΣHi/n、但し、i=1〜n、n=Ld/2
さらに、テクスチャー13の自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が15以下のものである。最大山高さRpは、図1に示すように前記中心面Cから最も高いテクスチャー13の山頂までの高さをいう。また、自乗平均粗さRMSは、JIS B 0601に規定されているパラメータである。このテクスチャー13は、後述する高周波成分に対して低周波成分であり、テクスチャー13の基本形を形成している。
【0025】
そのようなテクスチャー13の幅Wはテクスチャー13の密度に関係し、その変化によって磁気記録媒体とされたガラス基板表面に記録された情報(磁気データ)を読み取る読取り装置としての磁気ヘッドの磨耗やスティッキング(固着)が起こり、磁気ヘッドのクラッシュに到ることもあるため、重要な要素である。
【0026】
テクスチャー13の幅Wが小さくなることは、テクスチャー13の密度が高くなることを意味し、テクスチャー13の幅Wが10nmより小さい場合には磁気ヘッドの磨耗が大きくなり、磁気ヘッドのクラッシュが起こり易くなるため不適当である。一方、テクスチャー13の幅Wが200nmより大きい場合には、磁気ヘッドのスティッキングが起こりやすくなり、磁気ヘッドのクラッシュが起こって不適当である。このテクスチャー13の幅Wは10〜20nmであることが好ましい。テクスチャー13の幅Wがこの範囲であると、磁気ヘッドのスティッキングがより起こり難くなり、72時間にわたる定点浮上テストにおいても磁気ヘッドのクラッシュが起こらずより好ましい。
【0027】
次に、テクスチャー13の高さHは、磁気記録媒体とされたガラス基板の最表面に設けられている潤滑膜の保持力及び磁気ヘッドの浮上(グライド)高さに関係し、磁気ヘッドによる読み取り精度と磁気ヘッドのクラッシュに関わることから重要な要素である。テクスチャー13の高さHが2nmより小さいと、ガラス基板の最表面に設けられている潤滑膜の保持力が低下し(潤滑膜を保持する溝が少なくなる)、磁気ヘッドのクラッシュが起こるようになる。磁気ヘッドの浮上高さはテクスチャー13の高さHとその頂上から磁気ヘッドまでの高さとの和で表されるので、テクスチャー13の高さHが10nmより大きいと、中心面Cから上に突き出るテクスチャー13の高さは、10nmのほぼ半分(5nm)になり、磁気ヘッドの浮上高さを5nmより低くできなくなる。テクスチャー13の高さHが2〜5nmであれば、上記の効果に加え、磁気記録媒体の記録密度30Gbit/in2に充分対応できるので好ましい。
【0028】
また、テクスチャー13の自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)は、磁気ヘッドの浮上高さ及び浮上安定性に関係するものであり、重要な要素である。この比(Rp/RMS)が15より大きい場合には、テクスチャー13には相対的に突出した突起が多くなり、磁気ヘッドの磨耗が大きくなり、良好な浮上特性が得られず、例えば2000時間の連続シークテストや24時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュに到る。さらに、この比が5以下であれば、磁気ヘッドの磨耗が小さくなり、例えば2000時間の連続シークテストや72時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起らず、より好ましい。加えて、この比が3以下で、前記テクスチャー13の幅Wが10〜20nm、高さHが2〜5nmである場合には、例えば96時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起らず、さらに好ましい。
【0029】
次に、テクスチャー13の平均尾根凹部深さDは、図1に示すように、テクスチャー13の円周方向に延びる尾根に形成される凹部14の深さの平均を意味し、この平均尾根凹部深さDは磁気ヘッドの磨耗と磁気ヘッドのクラッシュに関係することから、2nm以下であることが望ましい。テクスチャー13の尾根は一様な高さで連なるのが理想であるが、実際には尾根上にうねりが形成され、凹部14が存在する。平均尾根凹部深さDが2nmより大きいと磁気ヘッドの磨耗が大きくなり、例えば48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起こるが、平均尾根凹部深さDが2nm以下であれば48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起こることはないのでより好ましい。
【0030】
この平均尾根凹部深さDに関連し、平均尾根凹部深さDに対するテクスチャー13の高さHの比(H/D)はテクスチャー13の上下方向における形状を表し、磁気ヘッドのクラッシュを予測できることから10以上であることが望ましい。この比(H/D)が10より小さいと、テクスチャー13には相対的に崩れた尾根を形成する突起が多くなり、例えば48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起こるが、比(H/D)が10以上になると48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起こらないためより好ましい。この比(H/D)の上限は、およそ100である。AFMの測定精度の下限が0.1nm程度ということを考慮すると、高さHが10nm、平均尾根凹部深さDが0.1nmのとき、比(H/D)は100となる。
【0031】
次に、ベアリングレシオ及びベアリングハイトについて説明する。図9は図1と同様にテクスチャー13の概念を示す図である。この図9に示すようにベアリングレシオ(BR)は、テクスチャー13の形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲においてガラス基板11の主表面15と平行な面で尾根状のテクスチャー13を切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合を表す。ベアリングハイト(BH)は、BRが50%のときのテクスチャー13の高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャー13の高さを表す。図9中には、BRが0.01%のときのBHをBH(0.01)として表し、BRが0.4%のときのBHをBH(0.4)として表す。また、テクスチャー13のBRが小さい部分には相対的に突出した突起としてのばり30が多数突出形成されている。BH(0.01)とBH(0.4)との差は、ばり30の有無及びテクスチャー13先端のばらつきを反映している。また、BH(0.4)とBH(1.0)との差は、テクスチャー13の形状そのものを反映している。
【0032】
図10はBR(%)とBHとの関係を表すグラフであり、このグラフに示したように両者の関係はBRが小さいとBHが大きく、BRが大きくなるとBHは次第に小さくなる関係線(実線)35で表される。この関係線35は良好なテクスチャー13の場合を示すものである。すなわち、テクスチャー13は山型状に形成されているため頂部(BRが小さい)ほどテクスチャー13の高さは高く(BHが大きい)、テクスチャー13の裾野(BRが大きい)ほどテクスチャー13の高さは低くなる(BHが小さい)。従って、異なるBRにおけるBHの差を求めることにより、テクスチャー13の高さの分布を知ることができ、特にBRの小さい部分におけるBHの差はばり30の状態を表している。図10の一点鎖線で示す関係線36は、突出した大きな尾根を含むテクスチャー13の場合を示し、二点鎖線で示す関係線37はばり30を有するテクスチャー13の場合を示している。
【0033】
具体的には、このBRが0.01%のときのBHとBR0.4%のときのBHとの差が0.01〜1.0nmであることが好ましい。この差が1.0nmより大きい場合、テクスチャー13には相対的に突出した突起が多くなり、磁気ヘッドの磨耗が大きくなって良好な浮上特性が得られにくい。例えば、2000時間の連続シ−クテストや24時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュに至る場合がある。一方、この差が0.01nmより小さい場合、実質上測定ばらつき精度以下となる。
【0034】
さらに、テクスチャー13の形状が、BRが0.4%のときのBHとBR1.0%のときのBHとの差が0.15〜0.20nmであることが好ましい。BHの差をこのような範囲に設定することによって、磁気ヘッドのガラス基板に対するスティッキングが起こり難くなり、しかも磁気記録媒体とされたガラス基板の最表面に設けられている潤滑膜の保持力が高まり、磁気ヘッドの良好な浮上特性が得られるからである。例えば2000時間の連続シークテストや48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起らず好ましい。しかも、双方のBHの要件を満たしておれば、テクスチャー13の強度が高く、良好な浮上特性が得られ、48時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュには至らない。
【0035】
加えて、BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.2〜0.7nmで、かつBRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差が0.17〜0.20nmあることが好ましい。BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.2〜0.7nmであれば、テクスチャー13には相対的に突出した突起がより少なくなり、磁気ヘッドの磨耗が更に少なくなり好ましい。その上、BRが0.4%のときのBHとBR1.0%のときのBHとの差が0.17〜0.20nmであると、更に良好な浮上特性が得られ好ましい。つまり、磁気ヘッドのガラス基板に対するスティッキングがより起こり難くなり、磁気記録媒体とされたガラス基板の最表面に設けられている潤滑膜の保持力がより高まるからである。この場合、例えば、2000時間の連続シ−クテストや96時間にわたる定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュは起らない。
【0036】
また、BRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差は、BRが1.0%のときのBHとBRが15%のときのBHとの差よりも小さくなるように設定することが望ましい。この場合、得られるテクスチャー13は、形状の揃ったものとなる。
【0037】
次に、テクスチャー13は、図2に示すように、前述の低周波成分と、その上に重畳的に形成され、原子間力顕微鏡で1μm四方又は0.1μm四方の範囲を測定して得られる低周波成分より細かな高周波成分とから構成されていることが認められる。この高周波成分のテクスチャー13aの幅W´は0.1〜20nmで、高周波成分のテクスチャー13aの高さH´は0.1〜1nmであることが好ましい。テクスチャー13aの幅W´及び高さH´をこれらの範囲に設定することにより、磁気記録媒体用ガラス基板11の表面に設けられる磁性膜の結晶の磁気異方性が高まり、前述した保磁力の比(Hc1/Hc2)で表される磁気異方性値が1.1以上になることから好ましい。この場合、テクスチャー13の尾根の斜面における磁気記録密度を高めることができ、特に垂直磁気記録方式の磁気記録媒体に有効である。なお、テクスチャー13aの幅W´は、テクスチャー13aの底部、つまり低周波成分上における幅を意味する。
【0038】
高周波成分のテクスチャー13aの幅W´が0.1nm未満又は20nmを越えると、磁気異方性値が1.1未満に低下し、磁気異方性が充分に発現されず、好ましくない。高周波成分のテクスチャー13aの高さH´が0.1nm未満又は1nmを越えると、磁気異方性値が1.1未満に低下し、磁気異方性が充分に発現されず、好ましくない。
【0039】
高周波成分のテクスチャー13aの幅W´が1〜5nmで、高周波成分のテクスチャー13aの高さH´が0.3〜0.8nmであることがより好ましい。この場合には、磁気異方性値が1.2以上となり、磁気異方性を充分に発現させることができる。ガラス基板11がこのような高周波成分のテクスチャー13aを有することにより、ガラス基板11上にスパッタリングによって形成される下地膜や磁性膜の結晶成長に好適な場が得られ、結晶配向が促進されるためと考えられる。
【0040】
また、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャー13の最大谷深さRvは、前記中心面Cから最も深い谷の谷底までの深さをいう。最大谷深さRvは、局部的な磁気異方性に関係し、Rvを小さくすることで局部的な磁気異方性の低下を防止することができ、磁気記録媒体用ガラス基板11の表面全体として磁気異方性を発現できることから10nm以下であることが好ましい。この最大谷深さRvは、表面粗さを示す粗さ曲線から最も深い谷底までの深さを表す。最大谷深さRvが10nmより大きいとその部分で測定した局所的な磁気異方性値が1.1より低くなり、充分な磁気異方性を発揮できなくなって好ましくない。さらに、テクスチャー13を形成した後のガラス基板表面に磁性膜を設けるとき、深い溝の部分で結晶配向が乱れて磁気特性が低下し、磁気ヘッドが磁気データの信号を読み取りにくくなるため望ましくない。
【0041】
次に、上記のような磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。
図5はこの磁気記録媒体用ガラス基板の製造工程を示す工程図である。この図5に示すように、磁気ディスクとして用いられる磁気記録媒体用ガラス基板11は、円盤加工工程21、内外周端面面取り工程22、主表面研磨工程23、研磨後洗浄工程24、化学強化工程25、強化後洗浄工程26、テクスチャー加工工程27、洗浄工程28及び最終洗浄・乾燥工程29を経て製造される。
【0042】
磁気記録媒体用ガラス基板11を形成するガラス材料(ガラス素板)としては、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(CaO)を主成分としたソーダライムガラス、SiO2、酸化アルミニウム(Al2O3)、R2O(R=カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li))を主成分としたアルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、酸化リチウム(Li2O)−SiO2系ガラス、Li2O−Al2O3−SiO2系ガラス、R’O−Al2O3−SiO2系ガラス〔R’=マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム(Ba)〕等のガラス材料に酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化チタン(TiO2)等を添加した化学強化用ガラスであれば特に限定されない。そして、ガラス基板11は、例えば外径が89mm(3.5インチ)、76mm(3.0インチ)又は64mm(2.5インチ)等に形成されるとともに、その厚みは0.63mm等に形成される。
【0043】
円盤加工工程21においては、フロート法などによって得られたシート状のガラス板を四角形状に切断したガラス基板11を超硬合金又はダイヤモンド製のカッターを用いて円盤状に切断することにより、その中心に図2又は図3に示す円孔12を有する形状に賦形される。
【0044】
次に、内外周端面面取り工程22においては、ガラス基板11の外径寸法及び内径寸法が所定長さとなるように内外周端面が研削加工されるとともに、研磨スラリーにより内外周端面の角部が研磨されて面取り加工される。具体的には、ガラス基板はダイヤモンド砥粒等の砥粒が付着した砥石によって、その内外周端面が研削加工されるとともに、内外周端面の角部が面取り加工される。
【0045】
主表面研磨工程23においては、内外周端面の面取りが施されたガラス基板11にラップ研磨加工及び平滑研磨加工を施すことにより、ガラス基板11の主表面15が研磨加工される。ラップ研磨加工は、ガラス基板11の厚みを所定値にするとともに、反りやうねりを取除いて主表面15の平坦性を向上させたり、凹凸やクラック等の大きな欠陥を取除いて表面粗さを細くしたりするために行われる。このラップ研磨加工はガラスの成形時に反りやうねりが許容される範囲であれば、コスト削減などの理由で省略することも可能である。
【0046】
平滑研磨加工は、1次研磨、2次研磨等によって磁気記録媒体として使用する場合に要求される平坦性や平滑性を確保するために行われる。用いる研磨材は特に限定されないが、ガラスに対して高い研磨力を有する酸化セリウム系の研磨材が好ましい。研磨材のサイズも特に限定されないが、平滑性と研磨速度を両立させるために、通常0.1〜3μm程度のものが好ましい。研磨方法も特に限定されないが、人工皮革スエードパッドを上定盤及び下定盤に貼り付けた両面研磨機を用いることにより、低コストで両面を精密に研磨することができる。
【0047】
研磨後洗浄工程は、主表面研磨工程23の後に行われ、ガラス基板11の主表面15に残留する研磨粉を除去するために行われる。具体的には、アルカリ水溶液による洗浄、純水による洗浄及びその後にイソプロピルアルコール(IPA)などによる乾燥が行われる。この場合、アルカリ水溶液による洗浄の前に酸処理を施してもよい。
【0048】
次に、化学強化工程25においては、磁気記録媒体の基板として要求される耐衝撃性、耐振動性、耐熱性等を向上させるために、主表面15に研磨加工が施されたガラス基板11に化学強化処理が施される。この化学強化処理とは、ガラス基板11中に含まれる一部のイオン、例えばリチウムイオンやナトリウムイオン等の一価の金属イオンを、それよりイオン半径が大きいナトリウムイオンやカリウムイオン等の一価の金属イオンにイオン交換することをいう。このようなイオン交換により、ガラス基板11の表面に圧縮応力層が形成され、ガラス基板11が化学強化される。
【0049】
化学強化処理により形成される圧縮応力層(化学強化層)の厚みは、ガラス基板11表面から好ましくは100〜200μmである。100μm未満の場合には、ガラス基板11の化学強化が不充分となって、磁気記録媒体用の基板として要求される性能を発揮することができないときがある。一方、200μmを越える場合には、化学強化処理液の温度を高くしたり、ガラス基板11を化学強化処理液に浸漬する時間を長くしたりする必要があるために、ガラス基板11の生産効率が低下しやすい。
【0050】
化学強化処理が円滑に行われることにより、ガラス基板11全体の強度を確保することができる。ガラス基板11は、このようなイオン交換に基づいてその表面に圧縮応力層が形成されて強度が高められることにより、磁気記録媒体として使用されるときに、高速回転による破損を防止することができる。
【0051】
化学強化工程25の後には、強化後洗浄工程26が行われる。この洗浄工程においては、化学強化されたガラス基板11を温水で洗浄することにより、ガラス基板11表面に残存する化学強化塩などの異物が洗浄除去される。その結果、後述するテクスチャー加工において、異物によるガラス基板11の主表面15の傷の発生を防止することができる。
【0052】
前記強化後洗浄工程26の後には、テクスチャー加工工程27が行われ、図4に示すように、ガラス基板11の主表面15に円周方向に延びるテクスチャー(円周テクスチャー)13が形成される。テクスチャー加工前にガラス基板11の主表面15の清浄性を良好にするために、酸処理やアルカリ処理などを施してもよい。テクスチャー加工に供されるガラス基板11の主表面15の原子間力顕微鏡で10μmの範囲を測定して得られる算術平均粗さRaは0.1〜1.5nmが好ましく、0.1〜1.0nmがさらに好ましく、0.1〜0.6nmが特に好ましい。算術平均粗さRaは、JIS B 0601に規定されているパラメータである。この算術平均粗さRaが0.1nm未満又は1.5nmを越えると、磁気記録媒体用として好適とされる微細なテクスチャー13が形成されにくくなる。
【0053】
ところで、ダイヤモンドスラリーでテクスチャー13を形成する際に、形状が揃った均一なテクスチャー13を形成するためには、ガラス基板11の主表面15に浅い筋状の溝が同じ深さで主表面15の全面に均一に形成されていることが好ましい。そのためには、テクスチャー加工の開始直後から、ダイヤモンドスラリーが主表面15上を滑ることなく(スリップ現象を起こさず)、効果的に主表面15に食い込むことが求められる。そのような要求を満たすために、テクスチャー加工前のガラス基板11の主表面15の算術平均粗さRaが0.35〜1.0nmであると、前記浅い筋状の溝がほぼ同じ深さで、深い溝が形成されることなく主表面15の全面に均一に形成される。Raが0.35nm未満の場合、スリップ現象が起こった部分とそうでない部分とで研削量の差が生じやすく(削れた部分はより削られやすい)、テクスチャーの形状がばらつく原因となりやすい。一方、Raが1.0nmを越える場合、深い溝が形成されやすくなったり、主表面15の元の履歴が残ったりして好ましくない。
【0054】
このようにテクスチャー加工前の主表面15の算術平均粗さRaを0.35〜1.0nmにする場合、主表面15の精密な研磨を必要とせず、しかもテクスチャー加工を短時間のうちに行なうことができて磁気記録媒体用ガラス基板を容易に製造することができる。
【0055】
テクスチャー加工は、ガラス基板11の主表面15にダイヤモンドスラリーを滴下しながらテープ部材をガラス基板11の主表面15に摺接することにより行われる。テクスチャー加工を行う装置は特に限定されず、いわゆるテクスチャーマシンが使用される。その構造の概略を図3に従って説明する。円盤状をなすガラス基板11の直上位置には、ガラス基板11の半径方向に延びるローラ16が回動自在に支持されている。このローラ16の長さはガラス基板11の半径にほぼ等しくなるように設定されている。
【0056】
テクスチャー形成用のテープ部材17は、図3の矢印に示すようにローラ16の一側方からガラス基板11とローラ16の間を通り、ローラ16の他側方へ抜けるように構成されている。このテープ部材17はガラス基板11とローラ16の間を通るときにローラ16の圧力によりガラス基板11の主表面15に押圧されて摺接されるようになっている。テープ部材17としては、織布、不織布、植毛品などをテープ状に形成したものが用いられる。
【0057】
そして、ガラス基板11が図3の矢印方向に回転され、その上方から研磨用スラリーとしてのダイヤモンドスラリー18が滴下されるとともに、テープ部材17が図3の矢印方向に移動される。このような動作によってガラス基板11の主表面15に同心円を描いて延びる尾根状のテクスチャー13が形成される。
【0058】
テクスチャー13の形成に使用されるテープ部材17の材質は特に制限されず、ポリエステルやナイロンなどから構成される繊維の織布、不織布など、この種のテクスチャー13を形成するために使用されるものであればいかなるものも用いることができる。
【0059】
また、ダイヤモンドスラリー18に含まれるダイヤモンド砥粒の粒子径、形状は特に制限されず、要求されるテクスチャー13の線密度等に応じて適宜選定することができる。さらに、研削力を高めるためにダイヤモンドのほかに、酸化セリウムや酸化マンガンなどの砥粒を添加したり、アルカリ剤を添加したりしてもよい。
【0060】
ダイヤモンド砥粒の粒径は、平均粒径(D50)として0.05〜0.5μmであることが好ましい。平均粒径が0.05μm未満の場合、テクスチャー13を形成する能力が低下し、テクスチャー13の形成速度が遅くなってテクスチャー加工コストの増大を招いて好ましくない。一方、0.5μmを越える場合、ガラス基板11の半径方向に小さな尾根を単位長さ当たり多数形成することができず、テクスチャー13の線密度を充分に大きくすることができない。
【0061】
ダイヤモンド砥粒を分散させてスラリーとするための溶媒も特に制限されず、またダイヤモンド砥粒の分散性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。
【0062】
テクスチャー13の具体的な形成条件は、目的とするテクスチャー13の形状、密度、長さに応じて例えば以下のように設定される。
ダイヤモンド砥粒の平均粒径:0.1〜0.5(μm)、ガラス基板11の回転速度:200〜300(rpm)、ローラ16の押圧力:30〜40(N)、テープ部材17の材質:織布又は不織布。
【0063】
このテクスチャー加工工程27では、ダイヤモンドスラリー18でガラス基板11の主表面15を物理的に一方向に削ることで尾根と溝を形成する。このとき、ダイヤモンドスラリー18で削られるガラス基板11の主表面15は、弾性や粘性が小さく剛性が大きいため、微視的なクラックや欠けが発生する。このようなクラックや欠けを発生させながら、ガラス基板11の主表面15をダイヤモンドスラリー18で削ることでテクスチャー13を形成すると、テクスチャー13の尾根から更に突出したばり30が形成されることもある。
【0064】
また、ダイヤモンドスラリー18でテクスチャー13を形成する工程を更に詳細に調べると、ダイヤモンドスラリー18によって主表面15に浅い溝をつける工程と、その溝を深く削る工程とで成り立っている。例えば、テクスチャー加工工程27の初期段階(短時間処理)で加工を止めて主表面15を観察すると、浅い筋状の溝が形成されている。その浅い筋状の溝はダイヤモンドスラリー18がガラスを削りながら移動する際のガイドの役割をするとともに、ダイヤモンドスラリー18を食い込み易くする作用を持つと考えられる。
【0065】
次に、テクスチャー加工工程27の後に行われる洗浄工程28においては、例えばポリウレタン製のスクラブ部材を用い、水にて洗浄することにより行われる。この場合、pH8〜12のアルカリ性水溶液を使用したり、超音波を照射したりしてもよい。この洗浄工程28においては、テクスチャー加工工程27でガラス基板11の表面に残留するダイヤモンドスラリー18などの異物やばり30が除去される。
【0066】
前記スクラブ部材を用いる洗浄方法は特に限定されないが、例えばロ−ルブラシ洗浄、テ−プ洗浄のように円周方向に擦るスクラブ洗浄や、カップブラシを用いて円周方向に交差する方向に擦るスクラブ洗浄を挙げることができる。カップブラシを用いて円周方向に交差する方向に擦るスクラブ洗浄は、テクスチャー13のばりを効果的除去できるのでより好ましい。この洗浄工程28においては、テクスチャー加工工程27で主表面15に残留するダイヤモンドスラリー18などの異物やテクスチャー13のばり30が除去される。
【0067】
テクスチャー加工工程27と洗浄工程28の間に、ダイヤモンドスラリー18を粗落としするための洗浄工程、例えば中性の水溶液及びpH8〜12のアルカリ性の水溶液の少なくとも一方を用いた、超音波(US)洗浄、テ−プ洗浄又はスクラブ洗浄を行なうことが好ましい。その理由は、硬いポリウレタン製のスクラブ部材を用いる場合、残留するダイヤモンド粒子によりテクスチャー13の形状が変化することを抑制できるからである。
【0068】
前記洗浄工程28の後には、最終洗浄・乾燥工程29が行われる。この工程では、アルカリ性水溶液による洗浄、純水による洗浄の後、イソプロピルアルコール(IPA)などの溶剤による乾燥処理が行われる。
【0069】
さて、本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板11は、前記の各製造工程を経て製造される。得られたガラス基板11表面には、低周波成分のテクスチャー13が形成され、そのテクスチャー13の幅W、高さH及びテクスチャー13の自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が所定範囲に設定される。すなわち、磁気ヘッドの低浮上化と浮上安定性のために、テクスチャー13の形状、密度、異常突起などが適切なものとされる。
【0070】
従って、磁気ヘッドはガラス基板11の回転動作時にガラス基板11の表面に対して近接した状態で浮上でき、しかも安定して飛行することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
【0071】
・ 本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板11によれば、低周波成分のテクスチャー13の幅Wが10〜200nm、テクスチャー13の高さHが2〜10nm、テクスチャー13の自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が15以下である。このため、テクスチャー13の形状及び密度が適切で、異常な突起の形成が抑制され、磁気ヘッドの充分な低浮上化を図ることができるとともに、浮上安定性を向上させることができる。
【0072】
・ また、テクスチャー13の幅Wは10〜20nmに設定される。さらに、テクスチャー13の平均尾根凹部深さDが2nm以下で、テクスチャー13の平均尾根凹部深さDに対する高さHの比H/Dが10以上に設定される。このため、磁気ヘッドの低浮上化と浮上安定性をより一層向上させることができる。
【0073】
・ 低周波成分のテクスチャー13上には高周波成分のテクスチャー13aが重畳的に形成され、高周波成分のテクスチャー13aの幅W´が0.1〜20nmで、高周波成分のテクスチャー13aの高さH´が0.1〜1nmに設定される。このため、低周波成分のテクスチャー13の形状に加え、高周波成分のテクスチャー13aの形状が適正化され、磁気異方性を向上させることができて、テクスチャー13における磁気記録密度を高めることができる。
【0074】
・ また、テクスチャー13の最大谷深さRvが10nm以下に設定される。このため、テクスチャー13の深い谷部での局部的な磁気異方性の低下を防止することができる。
【0075】
・ テクスチャー加工前のガラス基板11の主表面15の算術平均粗さRaが0.35〜1.0nmである場合、主表面15の全面に浅い筋状の溝がほぼ同じ深さで均一に形成され、形状が揃った均一なテクスチャー13を形成することができる。
【0076】
【実施例】
以下、前記実施形態を具体化した実施例について説明する。
(実施例1)
フロート法によりアルミノシリケートガラス(SiO2 63モル%、Al2O3 16モル%、Na2O 11モル%、Li2O 4モル%、MgO 2モル%、CaO 4モル%)よりなるガラス基板11を得た。このガラス基板11を、円盤加工工程21において、ダイヤモンド製のカッターを用い、厚み1.0mm、外径65mm、内径20mmの円盤状とした。
【0077】
続いて、内外周端面面取り工程22において、ガラス基板11に内外周端面の面取りを施した。主表面研磨工程23では、ガラス基板11の主表面15にラップ研磨加工及び平滑研磨加工を施した。平滑研磨は、酸化セリウムを含有する研磨剤及びアスカーC硬度が70の研磨パッドを用い、ガラス基板11の両面を研磨することによって行った。
【0078】
次いで、研磨後洗浄工程24において、ポリビニルアルコールを用いたスポンジ洗浄及び強アルカリ性の水溶液を用いた超音波洗浄によってガラス基板11表面に付着した研磨粉を除去した後、純水でリンスした。続いて、ガラス基板11をイソプロピルアルコール蒸気中で1分間乾燥させた。
【0079】
次に、化学強化工程25では、350〜400℃に加熱した硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとの混合溶融塩中にガラス基板11を90分間浸漬することによって、ガラス基板11中のリチウムイオンやナトリウムイオンをそれらよりイオン半径の大きいカリウムイオンに置換する化学強化処理を行った。
【0080】
強化後洗浄工程26において、化学強化されたガラス基板11を水中に浸漬し、溶融塩を除去した。
次に、テクスチャー加工工程27にて、テクスチャーマシーンを使用し、ガラス基板11を回転させながらダイヤモンドスラリーを滴下し、次のような条件でガラス基板11の主表面15にテクスチャー加工を行った。
【0081】
ダイヤモンド砥粒の粒子径:0.2(μm)、ガラス基板11の回転速度:300(rpm)、ローラ16の押圧力:30(N)、テープ部材17の材質:織布、ローラ16の硬度50(duro)。
【0082】
テクスチャー加工後の洗浄工程28においては、水酸化カリウム水溶液(pH11)を用い、ポリウレタン製のスクラブ部材で1×10−3Paの圧力にてアルカリ水溶液洗浄を行った。その後、最終洗浄・乾燥工程29において、純水洗浄及びイソプロピルアルコール(IPA)による乾燥を行なった。以上の製造条件を表1にまとめて示した。
【0083】
【表1】
得られた磁気記録媒体用ガラス基板11は、ビーコ社製のAFMを使用し、10μm四方の範囲を測定したところ、テクスチャー13の幅Wが10nm、高さHが2nm及びテクスチャー13の最大山高さRpと自乗平均粗さRMSとの比(Rp/RMS)は1.5であった。このガラス基板11について、動作テスト(ドライブテスト)として連続シークテスト及び定点浮上テストを次のようにして行った。それらの結果を表2に示した。
【0084】
連続シークテスト:2000時間のドライブテストにおける磁気ヘッドのクラッシュの有無を測定した。
定点浮上テスト:減圧下(26.7kPa)に、磁気ヘッド上方の定点にて磁気ヘッドの浮上テスト(24時間後、48時間後、72時間後、96時間後)におけるヘッドクラッシュの有無を測定した。
(比較例1〜6)
ガラス基板11の製造条件を変更し、テクスチャー13の幅W、高さH及びテクスチャー13の最大山高さRpと自乗平均粗さRMSとの比(Rp/RMS)を表2に示すように変える以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板を得た。そのガラス基板について実施例1と同様に連続シークテスト及び定点浮上テストを行った。その結果を表2に示した。
(実施例2〜6)
ガラス基板11の製造条件を変更し、テクスチャー13の幅W、高さH及びテクスチャー13の最大山高さRpと自乗平均粗さRMSとの比(Rp/RMS)を表2に示すように変える以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板11を得た。そのガラス基板11について実施例1と同様に連続シークテスト及び定点浮上テストを行った。その結果を表2に示した。
【0085】
【表2】
表2に示したように、実施例1〜3については、テクスチャー13の幅Wが10〜20nm、テクスチャー13の高さHが2〜5nm及び比(Rp/RMS)が3以下であることから、連続シークテスト及び96時間に及ぶ定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。また、実施例4については、テクスチャー13の幅Wが10〜20nm、テクスチャー13の高さHが2〜10nm及び比(Rp/RMS)が5以下であることから、連続シークテスト及び72時間に及ぶ定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。さらに、実施例5及び6については、テクスチャー13の幅Wが20nmを越えていることから、定点浮上テストにおいて実施例1〜3には劣るものの48時間までは磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。
【0086】
これに対し、比較例1及び2ではテクスチャーの幅Wが200nmを越えていることから、連続シークテスト及び24時間の定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュが発生した。比較例3ではテクスチャーの幅Wが10nmを下回っていることから、連続シークテスト及び24時間の定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起きた。比較例4及び5ではテクスチャーの高さHが2nm未満又は10nmを越えているため、連続シークテスト及び24時間の定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起きた。比較例6においては、比(Rp/RMS)が15を越えているため、連続シークテスト及び24時間の定点浮上テストで磁気ヘッドのクラッシュが起きた。
(実施例7〜10)
ガラス基板11の製造条件を変更し、テクスチャー13の平均尾根凹部深さD及びテクスチャー13の平均尾根凹部深さDに対する高さHの比H/Dを表3に示すように設定する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板11を得た。得られたガラス基板11について実施例1と同様に連続シークテスト及び定点浮上テストを行った。その結果を表3に示した。
【0087】
【表3】
表3に示したように、実施例7及び8では平均尾根凹部深さDが2nm以下で、H/Dが10以上であることから、連続シークテスト及び72時間に及ぶ定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは発生しなかった。実施例9ではDが2nmを越え、実施例10ではH/Dが10未満であるため、実施例7及び8に比べて定点浮上テストで劣るものの24時間までは磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。
(実施例11〜19)
ガラス基板11の製造条件を変更し、高周波成分のテクスチャーの幅W´及び高さH´を表4に示すように設定する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板11を得た。そのガラス基板11について磁気異方性値を測定した。その結果を表4に示した。
【0088】
【表4】
表4に示したように、実施例11〜15においては、高周波成分のテクスチャーの幅W´が0.1〜20nm、高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.1〜1nmの範囲内であることから、磁気異方性は1.15以上で充分な磁気異方性を有している。実施例16及び17は高周波成分のテクスチャーの幅W´が20nmを越えるか又は0.1nm未満であるため、磁気異方性値が1.07〜1.09であり、磁気異方性が低下した。実施例18及び19は高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.1未満又は1nmを越えるため、磁気異方性値が1.03〜1.05であり、磁気異方性が低下した。
(実施例20〜23)
ガラス基板11の製造条件を変更し、テクスチャーの最大谷深さRvを表5に示すように設定する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板11を得た。得られたガラス基板11について磁気異方性値を測定した。その結果を表4に示した。
【0089】
【表5】
表5に示したように、実施例20及び21においては、最大谷深さRvが5nm以下であることから、磁気異方性値が1.21〜1.23を示し、磁気異方性が高いのに比べ、実施例22及び23では最大谷深さRvが10〜15nmであるため磁気異方性値が1.05〜1.08まで下がり、磁気異方性が低下した。
(応用例1〜4)
前記比較例1、比較例5、実施例2及び比較例4のサンプルを用い、雰囲気圧力を表6に示す常圧及び減圧下に磁気ヘッドが受けるガラス基板の接線方向の力を測定した。その測定方法について説明すると、図6に示すように、3000rpmで回転するガラス基板11の定点上方位置には、支持装置本体31から延びる支持金具32に支持された磁気ヘッド33が配置されている。支持金具32の基端部には歪ゲージセンサ34が設けられ、その歪ゲージセンサ34により磁気ヘッド33が受ける接線方向の力を測定し、電圧値(mV)で表した。その結果を表6及び図7に示した。
【0090】
【表6】
表6及び図7に示したように、サンプルが実施例2の場合(応用例3)には雰囲気圧力が下がっても磁気ヘッド33が受ける接線方向の力はほとんど変化しなかった。それに対し、サンプルが比較例1、比較例5及び比較例4の場合には雰囲気圧力が40.1〜80.1(kPa)に低下すると、磁気ヘッド33が受ける接線方向の力は増大し、磁気ヘッド33がガラス基板11表面のテクスチャー13と接触することが明らかになった。
(実施例24〜34)
化学強化工程、円周テクスチャー加工工程及び洗浄工程の条件を表7に示すように変更し、円周テクスチャーの形状を表7に示すように設定する以外は実施例1と同様にして磁気記録媒体用ガラス基板11を得た。得られたガラス基板11について実施例1と同様に連続シークテスト及び定点浮上テストを行った。その結果を表8に示した。
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
表8に示したように、実施例24〜34の全てについて、連続シークテストでは磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。また、実施例26〜28については、96時間に及ぶ定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。実施例25及び29については、72時間に及ぶ定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。実施例24、30及び31については、48時間の定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。実施例32及び33については、24時間の定点浮上テストにおいて磁気ヘッドのクラッシュは起らなかった。
【0093】
なお、前記実施形態又は実施例を次のように変更して構成してもよい。
・ 高周波成分のテクスチャー13の幅W´が0.1〜20nm及び高周波成分のテクスチャー13aの高さH´が0.1〜1nmのいずれか一方が満たされるテクスチャーであってもよい。また、高周波成分のテクスチャー13aは認められなくてもよい。
【0094】
・ テクスチャー13の平均尾根凹部深さDが2nmを越えたり、テクスチャー13の平均尾根凹部深さDに対する高さHの比H/Dが10未満であってもよい。
【0095】
・ 前記実施形態において、化学強化工程25を省略してテクスチャー加工工程27を実施してもよく、化学強化工程25の後に酸化セリウムなどによる研磨工程を施した後にテクスチャー加工工程27を実施してもよい。
【0096】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 半径方向の保磁力Hc2に対する円周方向の保磁力Hc1の比(Hc1/Hc2)が1.1を越え1.3以下である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。このように構成した場合、磁気異方性を高めて磁気記録密度を向上させることができる。
【0097】
・ 前記テクスチャーの自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)は、5以下である請求項1又は請求項2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。このように構成した場合、磁気ヘッドの低浮上化と浮上安定性をさらに向上させることができる。
【0098】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、磁気ヘッドの充分な低浮上化を図るとともに、浮上安定性を向上させることができる。
【0099】
請求項2及び請求項3に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1に記載の発明の効果をさらに向上させることができる。
請求項4から請求項6に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、異常に突出した突起を少なくすることができ、磁気ヘッドの磨耗を減少させて浮上安定性を高めることができる。
【0100】
請求項7に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、テクスチャーの形状を揃えることができ、磁気ヘッドの磨耗を減少させて浮上安定性を高めることができる。
【0101】
請求項8に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明の効果をさらに向上させることができる。
請求項9に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、磁気異方性を向上させて、テクスチャーにおける磁気記録密度を高めることができる。
【0102】
請求項10に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項9に記載の発明の効果をさらに向上させることができる。
請求項11に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板によれば、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、局部的な磁気異方性の低下を防止することができる。
【0103】
請求項12に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板を容易に製造することができ、形状が揃った均一なテクスチャーを得ることができる。
【0104】
請求項13に記載の発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、請求項12に記載の発明の効果に加え、磁気記録媒体用のガラス基板として強度等の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における低周波成分のテクスチャーを示す概念図。
【図2】実施形態における高周波成分のテクスチャーを示す概念図。
【図3】ガラス基板の主表面にテクスチャーを形成する装置の斜視図。
【図4】テクスチャー形成後のガラス基板の主表面を示す平面図。
【図5】磁気記録媒体用ガラス基板の製造工程を示す工程図。
【図6】定点浮上テストのための装置を示す概略平面図。
【図7】雰囲気圧力と磁気ヘッドが受ける接線力との関係を示すグラフ。
【図8】測定範囲内における低周波成分のテクスチャーを示す概念図。
【図9】ベアリングレシオに対するベアリングハイトを示す概念図。
【図10】ベアリングレシオとベアリングハイトとの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11…磁気記録媒体用ガラス基板、12…円孔、13…テクスチャー、13a…高周波成分のテクスチャー、H…テクスチャーの高さ、W…テクスチャーの幅、D…平均尾根凹部深さ、Rp…最大山高さ、Rv…最大谷深さ、BR…ベアリングレシオ、BH…ベアリングハイト。
Claims (13)
- 中心に円孔を有する円盤状に形成され、主表面には同心円を描いて延びる尾根状のテクスチャーが形成された磁気記録媒体用ガラス基板であって、
原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの中心面における幅Wが10〜200nm、テクスチャーの高さHが2〜10nmであり、テクスチャーの自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が15以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。 - 前記テクスチャーの中心面における幅Wが10〜20nmである請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーの中心面における幅Wが10〜20nm、テクスチャーの高さHが2〜5nm及びテクスチャーの自乗平均粗さRMSに対する最大山高さRpの比(Rp/RMS)が3以下である請求項1又は請求項2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.01〜1.0nmで表されるものである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差が0.15〜0.20nmで表されるものである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.01%のときのBHとBRが0.4%のときのBHとの差が0.2〜0.7nmで、かつBRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差が0.17〜0.20nmで表されるものである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーの形状が、原子間力顕微鏡で10μm四方の測定範囲において主表面と平行な面で尾根状のテクスチャーを切断したとき、測定範囲の全面積に対する切断面の面積の割合をベアリングレシオ(BR)とし、そのBRが50%のときのテクスチャーの高さを基準高さとし、各BRにおける基準高さからのテクスチャーの高さをベアリングハイト(BH)とした場合、BRが0.4%のときのBHとBRが1.0%のときのBHとの差は、BRが1.0%のときのBHとBRが15%のときのBHとの差よりも小さくなるように形成されるものである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの平均尾根凹部深さDが2nm以下で、テクスチャーの平均尾根凹部深さDに対する高さHの比H/Dが10以上である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記テクスチャーは、原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られる低周波成分と、その上に重畳的に形成され、原子間力顕微鏡で1μm四方又は0.1μm四方の範囲を測定して得られ、低周波成分より細かな高周波成分とから構成され、高周波成分のテクスチャーの幅W´が0.1〜20nmで、高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.1〜1nmである請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 前記高周波成分のテクスチャーの幅W´が1〜5nmで、高周波成分のテクスチャーの高さH´が0.3〜0.8nmである請求項9に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られるテクスチャーの最大谷深さRvが10nm以下である請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
- 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、ガラス素板を円盤加工する円盤加工工程と、円盤加工されたガラス基板の主表面を研磨材にて研磨する研磨工程と、ガラス基板の主表面に残る研磨材を洗浄する洗浄工程と、洗浄されたガラス基板の主表面にテクスチャーを形成するテクスチャー加工工程とを備え、洗浄されたガラス基板の主表面の算術平均粗さRaが原子間力顕微鏡で10μm四方の範囲を測定して得られる値として0.35〜1.0nmであることを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記テクスチャー加工工程の前にガラス基板を化学的に強化する化学強化工程を備えた請求項12に記載の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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