JP2006228409A - 磁気記録媒体用の表面処理シリコン基板の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用の表面処理シリコン基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、テクスチャリングによって基板面の面粗度(ラフネス)をコントロールし、ヘッド浮上安定性を確保しつつ、磁気記録膜に磁気異方性が得られ、高記録密度が達成できる磁性膜を有する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板を提供する。
【解決手段】シリコン基板表面に存在する酸化膜を除去又は減少させるステップと、遊離砥粒スラリーおよびテープを用いて、該酸化膜除去又は減少後のシリコン基板表面にテクスチャー を形成するステップとを含んでなる磁気ディスク用の表面処理シリコン基板の製造方法、および該シリコン基板を用いてなる磁気記録媒体を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気記録媒体用基板および磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
磁気記録の記録密度(面密度)の向上は非常に急激で、ここ10年間の間、年率50〜200%の急激な向上が継続的に進んできた。量産レベルで70Gbit/inch2の製品が出荷され、実験室レベルではその倍の160Gbit/inch2の面記録密度が報告されている。量産レベルの面記録密度は、3.5"HDDで1プラッター当たり80Gbyteに相当し、2.5"HDDでいうと1プラッター当たり40Gbyteに相当する。この記録容量は、通常のデスクトップパソコン(3.5"HDD搭載)やノートブックパソコン(2.5"HDD搭載)の使用用途では、1プラッターの記録メディア搭載で十分な容量である。
記録密度は今後も向上が期待されている。ただ、従来の水平磁気記録方式は熱揺らぎの記録限界が迫っており、100〜200Gbit/inch2の記録密度に到達するところで、垂直磁気記録に順次移行していくものと考えられている。垂直磁気記録の記録限界がどの当たりにあるかは現時点では定かではないが、1000Gbit/inch2(1Tbit/inch2)は達成可能と考えられている。このような高記録密度が達成できると、2.5"HDD1プラッター当たり600〜700Gbyteの記録容量が得られることになる。
但し、高密度記録を実現するためには、磁気記録ヘッドの浮上高さを従来の30nmから10nm以下にしなければならなく、基盤面の平滑化が必須となってきている。しかし、最近ミクロレベル(ラフネス)での面粗さが小さすぎると、ヘッドが基板に吸着したり、ヘッド浮上安定性が低下してしまう問題が発生することが判ってきた。つまり、基板のウエビネス、マイクロウエビネスは極力小さくし、ラフネスを0.3〜2.0nm程度有する基板が理想といえる。なお、磁性膜を有する磁気記録媒体に用いる基板の粗さに関する用語として、ウエビネスは5〜100mm、マイクロウエビネスは80μm〜5mm、ラフネスは〜80μmの観察範囲の粗さを表すのに用いられる。
また、磁気記録においては単位面積当たりの記録密度を向上させた場合、当然のことながら磁気記録単位(ビット)の体積を縮小して行く必要がある。しかしながら磁性理論の原理的問題から、記録を担う強磁性材料はそれを発現している磁性体の体積を減少させていった時、どこまでも安定に保たれている訳ではない事が分かっており、室温での熱エネルギーkT(k:ボルツマン定数、T:絶対温度)と強磁性体を一方向に保持している異方性エネルギーKuV(Ku:異方性エネルギー、特に磁気記録の場合は結晶磁気異方性エネルギー、V:単位記録ビット体積)の競合により、磁気記録単位の体積が極端に小さくなりkT〜KuVに近くなると強磁性体の磁化状態が不安定となることが知られている。このように磁化単位が極度に小さい場合強磁性体が常磁性体のようになる状態を超常磁性と呼び、各材料により超常磁性になる限界寸法(臨界体積)があることが知られている。実際の磁気記録においては記録密度を上げることで記録単位体積が臨界寸法近くまで縮小すると、超常磁性に至る以前に強磁性状態の磁化状態が時間とともに早く減衰し、磁化方位がランダムな方向に向くことで磁気記録情報が変質するという問題が生ずる。磁気記録においてこのような現象が起きると、折角書き込んだ記録情報がある時間経過すると読み出せなくなったり、書き込み自体ができなくなったりするという極めて深刻な問題を生ずる。
シリコン基板の面粗化方法としては、その化学的特性から、塩素によるドライエッチング方法(特許文献1)や水酸化アルカリによる処理方法(特許文献2)などがあるが、この手法では、面粗度をコントロールすることは可能であるが、基板面全体を均一な面粗さ(ラフネス)に仕上げることは出来ていない。つまり、エッチング時の基板が静置された状態で不均一な雰囲気下でエッチングされるため、選択エッチングが発生し、基板に残る加工歪の影響で傷が浮き出てしまう為である。このように単に酸またはアルカリエッチングでは均一な面粗さ(ラフネス)は得られないのが現状である。また、この処理だけでは、磁気記録膜に磁気異方性が得られない。
特開平7−263406号公報 特開昭53−57144号公報
本発明者らは、ハードディスク媒体においては基板表面に適切なテクスチャーを施した基板を用いると、上面に形成される記録膜の基板面内方向の磁気異方性が発現し前記Kuの値が大きくなることを経験しており、高記録密度のハードディスク媒体を得る為には基板に適切なテクスチャー処理を施すことが必須となると考えた。また、ハードディスク基板においてはヘッド浮上安定性のために適度な粗さを維持しつつ、磁気異方性を付与する為に基板の周方向に同心円状のテクスチャーを施す処理が必要と考えた。
従って、本発明は、テクスチャリングによって基板面の面粗度(ラフネス)をコントロールし、ヘッド浮上安定性を確保しつつ、磁気記録膜に磁気異方性が得られ、高記録密度が達成できる磁性膜を有する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板とその製造方法を提供するものである。
本発明では、このような課題を解決するために、種々検討を重ねた結果、好ましくは、磁気記録媒体用シリコン基板の表面酸化膜を除去又は減少させた後、テクスチャリングによって周方向および径方向にテクスチャーを施し、均一に基板面の面粗度(ラフネス)が得られる共に、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られることを見出し、詳細な条件を見極めて本発明を完成したものである。
具体的には、本発明は、シリコン基板表面に存在する酸化膜を除去又は減少させるステップと、遊離砥粒スラリーおよびテープを用いて機械的テクスチャー加工を行い、該酸化膜除去又は減少後のシリコン基板表面にテクスチャーを形成するステップとを含んでなる磁気ディスク用の表面処理シリコン基板の製造方法、および該製造方法によって得られる表面処理シリコン基板を用いてなる磁気記録媒体を提供する。
本発明により、磁気記録ヘッドの浮上高さを従来よりも低くすることが可能となり、更に磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られることができ、高記録密度化を実現できる。
本発明は、特にシリコンを用いた磁気記録媒体用基板において、テクスチャリング前に酸化膜を除去又は減少させた磁気記録媒体用シリコン基板の表面を、テクスチャリングによって周方向および径方向にテクスチャーを施し、均一に基板面の面粗度(ラフネス)が得られる共に、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られるというものである。
表面酸化膜が厚いと、テクスチャリングが均一にかからず磁気記録膜に均一な磁気異方性およびヘッド浮上安定性が得られなくなる。この原因としては、シリコンの表面に存在する酸化膜は二酸化ケイ素であり、いわゆる石英ガラスが基板表面に存在することになる。シリコンと石英ガラスのモース硬度は7で表されるが、実際は、石英ガラスの方が若干柔らかく、その影響でテクスチャーが均一にかからないと考えられる。表面酸化膜は、0〜2nmの厚さに除去又は減少させることが好ましい。
シリコンは、切削や研磨直後から徐々に表面酸化が進み表面に酸化膜を形成する。酸化の進み方は、シリコン中のドーパント(ホウ素、リンなど)の量によって異なるが、大気中放置や化学洗浄(RCA洗浄など)によって形成される。膜厚としては、1〜10nm程度である。膜厚としては、それほど厚いものではないが、テクスチャーのようにナノレベルで表面にテクスチャーをかける場合、この酸化膜が無視できない。
酸化膜の除去方法としては、研磨、化学処理等が挙げられる。本発明は、表面を処理し、スクラブ洗浄後ただちにテクスチャリングすることで、問題を解決できることを見出した。
酸化膜の除去方法としての一方法である化学処理としては、薬液により除去する方法が挙げられるが、具体的には、酸化膜である二酸化珪素に有効な薬剤として、フッ素基を含む酸又はその塩等のフッ素含有化合物が挙げられる。例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウムなど、二酸化珪素を溶かす働きのある薬剤にシリコン基板を1〜60秒程度浸漬し、酸化膜を除去した後、テクスチャリングすることで、問題を解決できることを見出した。
研磨の場合は、基本的に両面研磨機による両面研磨であり、両面には研磨布が貼り付けてあるものを使用し、湿式で砥粒を用いて研磨する。
本発明で用いられるシリコン基板は、例えば単結晶シリコン、多結晶シリコン等が挙げられ、P型、N型、製造方法については特に制限はない。つまり、シリコン自体の電気的特性には左右されないため、廃棄される再生ウエハーなどを用いて製造することも可能であり、原料コストを低く抑えることができるのも特徴である。
テクスチャリングの方法としては、遊離砥粒を用いて、内径スピンドルに固定された基板を両面からテープで挟み、スピンドルの回転によって周方向に、スピンドルの揺動により径方向にテクスチャリングを施す。径方向のテクスチャリングについては、テクスチャー機の構造上、径方向に平行では無く、斜めに入るようなテクスチャーとなる。
テクスチャーは基本的には周方向に入るが、揺動および揺動周波数により、径方向に入れることができる。しかし、径方向真っ直ぐに入ることは、構造上難しく、斜め方向にテクスチャーが形成される。基板の回転数と揺動の周波数によって角度が決まる。本発明においてテクスチャーは、周方向に溝をつけるとともに径方向にも溝をつけることをいう。
テクスチャリングの具体例を図1に示す。シリコン基板1をaのように回転させながら、各種砥粒スラリー5を滴下し、テープ3を基板両面にローラー4で押付けながらテクスチャリングをシリコン基板面2に行う。このとき、基板をbのように揺動させることで周方向のラインがクロスし、径方向にも溝をつけることができる。周方向の溝は磁気異方性を持たせるためであり、径方向の溝はヘッドの吸着防止に効果があると考えられる。得られたシリコン基板表面のテクスチャーの例を図2に示す。
テクスチャリングに用いる砥粒は、シリコンより硬度の大きい粒子で、好ましくは、ダイヤモンドと、アルミナと、酸化チタンと、炭化ケイ素と、炭化チタンとからなる一群から選ばれる粒子であって、その平均粒径が300nm以下である。シリコンの硬度(モース硬度)は7なので、それ以上の硬度を有する材料でその平均粒径が300nm以下であれば、特に限定するものではない。
テクスチャリングに用いるテープは、不織布(電池のセパレーターのようなもの)と織物に大きく分けることができる。織物としては、植毛タイプ(ピアノのカバーのような材質)のものを用いることができる。
テクスチャリングは、基板の大きさにもよるが、好ましくは、スラリーをテープと基板の間に滴下させながらテープを揺動させてテクスチャリングさせる。好ましい条件としては、スピンドルスピードが100〜1000rpm、ロール圧が100g〜10kg、テクスチャリング時間5〜60秒、スピンドル揺動1〜50Hzが挙げられる。
テクスチャリング後に、スクラブ洗浄又はRCA洗浄、その後の乾燥を行うことにより、均一なラフネスを持ちかつ磁気記録膜に磁気異方性が得られる磁気記録媒体用基板が得られる。
スクラブ洗浄は、好ましくは、ブラシもしくはスポンジ系(PVA、ウレタン等)の比較的軟質な材質を用いると良い。RCA洗浄は、過酸化水素とアンモニアを含む水溶液で洗浄する方法であり、適宜、加温、超音波等を印加し、洗浄することができる。
乾燥は、好ましくは、温風、冷風、またはスピン式の乾燥がよい。
本発明の磁気記録媒体用基板は、ラフネス以外は極力平坦化し、情報を記録する面にある半径方向ライン数を好ましくは1μm当り10〜1000本、より好ましくは20〜300本、突起数を好ましくは1μm2当り10〜1000個、より好ましくは40〜500個とし、平均面粗さ(Ra)を好ましくは0.3〜2.0nmの範囲にすることで、基板面に対し磁気記録ヘッドを10nm以下にしても、吸着が起こらず、安定したヘッド浮上特性を有し、磁気記録膜に良好な磁気異方性を得ることができる。突起の最大高さ(Ry)は、好ましくは10nm以下である。
半径方向ライン数が1μm当り10〜1000本を外れた場合、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られない場合がある。
情報を記録する面にある突起数が1μm2当り10〜1000個から外れた場合、ヘッドの浮上特性が不安定となってしまう。
図3(A)に本発明の表面処理シリコン基板を用いた磁気記録媒体11とヘッド12との関係、図3(B)に従来のシリコン基板を用いた磁気記録媒体111とヘッド12との関係を概念的に示す。図3(A)では、基板の回転により浮力が発生し、ヘッド浮上性が向上し吸着もしない。一方、図3(B)では、基板の回転により浮力が発生しないため、ヘッド浮上性が不安定となり吸着も発生する。すなわち、図3(A)のように、適度な粗さがあることにより、基板の回転によって生じた空気の層によってヘッドが浮上する現象で、ヘッド浮上特性が安定するものと考えられる。
最大高さが10nmを超えてくると、記録密度をアップするためにヘッドの浮上高さを低くした場合に、ヘッドと基板が接触してしまう。さらに、ヘッド浮上高さは10nm以下になってくるので、基板面の凹凸の最大高さを10nm以下にすることが好ましい。
平均面粗さが0.3nm未満だと、ヘッド浮上安定性が低下する上、ヘッドと基板の吸着が起こってしまい、平均面粗さが2.0nmを超えた場合、高記録密度を得るための基板面が得られない場合がある。
特に、周方向の平均粗さは0.1〜2nm、径方向の平均粗さは0.3〜2.0nmが好ましいが、ヘッドの特性によっては、0.2nm以上の粗さを有する方が、ヘッドの吸着防止という点では好ましいと考えられる。
全体の平均粗さは、0.3〜2.0nmの範囲が好ましい。
なお、周方向の平均粗さは、さらに好ましくは0.3〜1.0nmであり、半径方向の平均粗さは、さらに好ましくは0.3〜1.5nmである。
半径方向ライン数と突起数は、原子間力顕微鏡(アトミック・フォース・マイクロスコープ、AFM)による観察を行い、目視により測定できる。
平均面粗さと最大高さは、原子間力顕微鏡を用いて、観察エリアを3μm角として測定できる。
周方向の粗さと半径方向の粗さは、それぞれライン分析により測定できる。
周方向の平均粗さは、基板の外周から基板側に1mm以上入った地点(該当する場合には内周からも基板側に1mm以上入った地点)において3μm×3μmの範囲で周方向に向けて測定して得られる。径方向の平均粗さは、基板の外周から基板側に1mm以上入った地点(該当する場合には内周からも基板側に1mm以上入った地点)において3μm×3μmの範囲で径方向に向けて測定して得られる。
このようにして得られたシリコン基板に、磁性層、保護層をスパッタ、鍍金等により積層させることにより、磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜2、比較例1〜2
AFM観察によりラフネスが0.15nm以下になる条件で、2.5インチシリコン(厚み0.65mm)基板を研磨し、スクラブ洗浄後、以下の条件でテクスチャリングを行ったものを実施例1とした。
また、実施例1と同様に研磨された基板を、通常の化学洗浄(過酸化水素とアンモニア使用)により洗浄した後、1質量%のフッ化水素溶液に1分間浸漬し、純水洗浄したシリコン基板を以下の条件でテクスチャリングを行ったものを実施例2とした。
比較例1として、実施例1と同様に研磨された基板を通常の化学洗浄(過酸化水素とアンモニア使用)後のテクスチャー無の基板での評価、および比較例2として、実施例1と同様に研磨された基板を通常の化学洗浄後の基盤にも以下の条件でテクスチャリングを行った。
更に、それぞれのテクスチャリング前の基板の酸化膜厚について、XPSによって膜厚を測定した。比較例1および比較例2は化学洗浄後の状態であり、酸化膜は2.5nmであった。
スピンドル回転数:300rpm
ローラー圧:20N
テープ材質:不織布(ナイロン製)
ローラー硬度:50duro
砥粒:ダイヤモンドスラリー
砥粒平均粒径:100nm
テクスチャー時間:20秒
方法としては、図1と同様に、シリコン基板1を回転させながら、各種砥粒スラリー5を滴下し、テープ3を基板両面にローラー4で押付けながらテクスチャリングをシリコン基板面2に行った。
テクスチャリング後、基板をスクラブ洗浄・乾燥し、テクスチャリング入りの基板を得た。この基板を、AFMにて観察し、表面粗さを測定した。テクスチャリングの条件と結果を表1に示す。
得られた、テクスチャリング入りのシリコン基板に下地層Cr100nm、磁気記録層Co−Cr−Ta60nm、保護層30nmの順に基板温度250℃、アルゴンガス雰囲気中、RFスパッタ成膜を行った。次に、この基板を5mm角に切り出し、VSMによって周方向および径方向のMHループを測定し、磁気異方性の有無を観察した。
その結果、比較例1のテクスチャリング前のシリコン基板には全く磁気異方性がないのに対し、実施例1のテクスチャリング後のシリコン基板には、周方向と径方向で明らかに角型性を有し、周方向に磁気異方性が得られていることが確認できた。また、図4及び図5に実施例1及び比較例1のAFMの写真を示し、テクスチャリングが現れていることが分かった。
更に、ヘッド浮上特性を測定した結果、テクスチャリング後のシリコン基板では、実施例1と実施例2共にヘッド浮上安定性が高く、CSSテストにおいても吸着が起こらなかった。特に実施例2については、安定性が高く良好な結果が得られた。これに対し、比較例1については、ヘッド浮上安定性は悪く、CSSテストでもヘッド吸着が起こってしまった。更に、比較例2については、磁気異方性はあるもののテクスチャーにムラがあり、ヘッドの吸着が起こった。
比較例2をXPSにて表面分析を行った結果を図6に示す。これにより、2.5nmの酸化膜の存在が確認できたことから、この酸化膜の影響でテクスチャリングが旨く行えなかった可能性が高いと考えられる。
実施例3〜6
実施例2で行った、薬液による酸化膜除去シリコン基板を用いて、テクスチャリング時にシリコン基板を揺動させることにより、径方向へのテクスチャーを検討した。揺動の周波数を0〜20Hzで行い、その他条件は実施例1〜2のテクスチャリング条件で行った。テクスチャリングの条件と結果を表1に示す。周方向の粗さが、揺動の周波数によってコントロールできることが判り、ヘッド浮上安定性を更に向上させられることも確認できた。従って、必要に応じてテクスチャリング時に揺動を付加することにより、ヘッド浮上に最適な周方向の粗さを得られることが可能となった。
実施例7〜9
酸化膜が3.0nmの2.5インチシリコン基板を準備した。この基板を、両面にスエード系研磨パッドを配した、研磨装置にて、研磨液をコロイダルシリカとし両面研磨を行った。研磨条件は基板面に対し、50g/cm2(両面研磨機で研磨する際の基板面にかかる定盤圧力を単位面積当たりに換算した圧力)とし、5、10、20分間研磨し、スクラブ洗浄後、以下の条件でテクスチャリングを行ったものを実施例7〜9とした。テクスチャリングの条件と結果を表1に示す。各種テクスチャリング前のシリコン基板において、5分間研磨した基板の酸化膜厚は1.5nm、10分、20分間研磨品はいずれも0.5nmであった。
Figure 2006228409
テクスチャリングの具体例を示す。 シリコン基板表面のテクスチャーの例を示す。 (A)は本発明の表面処理シリコン基板を用いた磁気記録媒体とヘッドの関係を示し、(B)は従来のシリコン基板を用いた磁気記録媒体とヘッドの関係を示す概念図である。 実施例1の表面処理シリコン基板のAFM写真である。 比較例1のシリコン基板のAFM写真である。 比較例2の基板表面のXPS測定結果を示す。
符号の説明
1 シリコン基板
2 シリコン基板面
3 テープ
4 ローラー
5 砥粒スラリー
6 テクスチャー
11a 磁気記録媒体
11b 磁気記録媒体
12 ヘッド

Claims (9)

  1. シリコン基板表面に存在する酸化膜を除去又は減少させるステップと、遊離砥粒スラリーおよびテープを用いて、該酸化膜除去又は減少後のシリコン基板表面にテクスチャーを形成するステップとを含んでなる磁気ディスク用の表面処理シリコン基板の製造方法。
  2. 上記酸化膜を除去又は減少させるステップが、上記酸化膜の膜厚を2nm以下とする磁気ディスク用の請求項1に記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  3. 上記テクスチャーを形成するステップが、シリコン基板の表面において、半径方向のライン密度を1μm当たり10〜1000本とし、突起数を1μm2当り10〜1000個とし、平均面粗さ(Ra)を0.3〜2.0nmの範囲とするものである請求項1又は請求項2に記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  4. 上記テクスチャーを形成するステップが、シリコン基板の表面において、半径方向の平均粗さを0.3〜2.0nmの範囲とし、周方向の平均粗さを0.1〜2.0nmとする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  5. 上記砥粒が、ダイヤモンドと、アルミナと、酸化チタンと、炭化ケイ素と、炭化チタンとからなる一群から選ばれる粒子であって、その平均粒径が300nm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  6. 上記酸化膜を除去又は減少させるステップが、研磨によって行われる請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  7. 上記酸化膜を除去又は減少させるステップが、薬液によって行われる請求項1〜6のいずれかに表面処理シリコン基板の製造方法。
  8. 上記薬液が、フッ素含有化合物である請求項7に記載の表面処理シリコン基板の製造方法。
  9. 請求項1〜8に記載の製造方法によって得られる表面処理シリコン基板を用いてなる磁気記録媒体。
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