JP2007098484A - 磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ガラス基板の端面研磨において、研磨レートを安定させるとともに、回転ブラシの長寿命化を図り、かつガラス基板主表面への研磨剤等の付着を効果的に防止することのできる磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法を提案することを目的としている。
【解決手段】円盤状のガラス基板1を積層して円柱を構成し、該ガラス基板1の端面に回転ブラシ2を接触させ、研磨液15を供給しながらガラス基板1と回転ブラシ2を各々平行な軸心で同方向に回転させてガラス基板1の端面の研磨を行う工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、研磨液温度制御手段33を備え、研磨液15の温度を調節しながら研磨を行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータ等の記録媒体として用いられる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスクの製造方法に関する。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板としては、アルミニウム基板が広く用いられてきた。しかし磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、アルミニウム基板に比べ基板表面の平坦性および基板強度に優れたガラス基板に徐々に置き換わりつつある。
また、磁気記録技術の高密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基板からの浮上量が10nm程度にまで狭くなってきている。このような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドには固有の障害としてサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスク面上の微小な凸あるいは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。したがって磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を形成すると凸部が形成されてしまうため、ガラス基板には、凹凸をなくすことによる発塵の防止、異物の除去する高度な洗浄が求められている。
さらに近年は、携帯機器に大容量の磁気記録媒体を搭載すべく、基板のサイズは縮小化の傾向にある。このため従来の3.5インチ基板や2.5インチ基板から、1.8インチ基板、1インチ基板、もしくはさらに小さな基板が求められるようになってきている。基板が小さくなれば許容される寸法誤差も小さくなり、さらに精密な外形加工が求められている。
上記のような状況において、従来からも、基板端面の平滑性についての重要性が認められていた。特許文献1(特開平10−154321号公報)には、基板の端面に形成された面取部および側壁部の表面性状が粗いとパーティクルの発生および吸着を招き、該パーティクルが基板主表面に付着することにより凸部形成の原因となると説明している(段落0010)。そして特許文献1では、端面を鏡面に到るまで平滑に研磨することにより、上記問題を解決できるとしている。
ガラス基板の外周端面を研磨するための構成としては、特許文献2(特開平11−28649号公報)に記されているような回転ブラシによる研磨方法が知られている。この従来の研磨方法は、円盤状のガラス基板を積層して円柱状とし、その外周端面に接触するように一対の円柱状の回転ブラシを配設して、研磨液(スラリー)を供給しながらガラス基板および回転ブラシをそれぞれ回転させるものである。
特開平10−154321号公報 特開平11−28649号公報
しかしながら、このような従来の回転ブラシによる研磨方法においては、研磨の際に発生するガラス基板と回転ブラシとの間の摩擦熱が様々な悪影響を及ぼす。
第一に、回転ブラシによる従来の研磨方法では、摩擦熱によって回転ブラシの毛が早期に消耗し、曲がりなどが発生することとなる。図4(a)に示すように、回転ブラシ2の毛23が起立した良好な状態であれば、積層されたガラス基板1の隣接した面取部12により形成される溝の奥12aまで毛23が進入することができ、十分にガラス基板1の外周端面10の鏡面研磨を施すことができる。しかし図4(b)に示すように、毛23が消耗すると溝の奥12aに進入することが難しく、研磨が不十分となってしまうおそれがある。
また毛23が損傷すると、研磨レート(時間当たりの研磨量)にばらつきが生じ始めるため、鏡面研磨を行うために必要な時間にばらつきが生じる。研磨時間は直前の3回の研磨における研磨量によって予測しているが、ばらつきが大きくなると予測時間が必要な時間に及ばない場合が生じ、研磨不足を招くおそれがある。研磨不足が生じるとパーティクルの発生および吸着を招くため、再研磨が必要となり、工程数が増大してしまう。一方、研磨不足を回避するために常に多めに研磨することとすれば、作業時間の増大、精度の低下、生産コストの増大を招いてしまう。さらに、消耗に応じて回転ブラシを頻繁に交換すれば、これも生産コストの増大を招くことになる。
第二に、研磨の際にスラリーがガラス基板とガラス基板の間からその主表面にまで入り込むが、摩擦熱によって温められたスラリーは主表面上で容易に乾燥してしまう。その結果、スラリー中に含有された研磨砥粒やスラッジ(研磨屑)がガラス基板の主表面に強固に付着した状態で残留してしまう。そして、後の主表面研磨工程等において研磨不良を生じたり、予定外の大きな研磨傷を生じたりする原因となっていた。
そこで本発明は、ガラス基板の端面研磨において、研磨レートを安定させるとともに、回転ブラシの長寿命化を図り、かつガラス基板主表面への研磨剤等の付着を効果的に防止することのできる磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法を提案することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、円盤状のガラス基板を積層して円柱を構成し、該ガラス基板の端面に回転ブラシを接触させ、研磨液を供給しながら前記ガラス基板と前記回転ブラシを各々平行な軸心で同方向に回転させて前記ガラス基板の端面の研磨を行う工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、研磨液温度制御手段を備え、前記研磨液の温度を調節しながら研磨を行うことを特徴とする。
これにより、ガラス基板の端面研磨処理において、研磨の際に発生する摩擦熱を冷却した研磨液によって抑えて、研磨砥粒のガラス基板の主表面への付着を効果的に防止することができ、生産性の向上を図ることができる。これにより高清浄なガラス基板、ひいては平滑度の高い磁気ディスクを得ることができる。また、回転ブラシとして回転ブラシを用いる場合には、回転ブラシが摩擦熱によって消耗するのを防止して良好な状態に保つことができ、長寿命化による製造コスト低減を図ることができる。
前記回転ブラシは、前記ガラス基板の外周端面または内周端面に接触させることができる。すなわちガラス基板の端面であれば外周も内周も同様に本発明の利益を得ることができる。
前記研磨液を循環して使用する場合には、特に本発明は有益である。研磨液を循環使用すると、研磨の際に生じる摩擦熱によって研磨液の温度が上昇しやすいからである。また、前記研磨液の温度制御は、25℃から35℃の範囲内であることが好ましい。かかる場合に、研磨の際に生じる摩擦熱を十分に吸収することができ、効率よく上述の効果が得られる。特に、回転ブラシを用いる場合には、回転ブラシが摩擦熱によって消耗するのを防止して、回転ブラシを良好な状態に保ち長寿命化を図ることによって、製造コストを低減することができる。
前記ガラス基板は、アルミノシリケートガラスからなることでもよい。かかる場合に、磁気ディスク用として良好なガラス基板を得ることができる。
また、本発明に係る磁気ディスクの製造方法の代表的な構成は、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする。これにより、極めて高度な平滑度および平坦度を備えた磁気ディスクを製造することができる。
本発明によれば、摩擦熱による回転ブラシのブラシ毛の消耗を遅らせることができ、研磨レートを安定させるとともに、回転ブラシの長寿命化を図ることができる。また、ガラス基板主表面への研磨剤等の付着を効果的に防止することができるため、基板主表面の研磨不良や研磨傷を防止し、平坦度および平滑度の高い磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクを得ることができる。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。図1は研磨装置を説明する図、図2はスラリーの循環装置を説明する図である。
図1は基板の端面研磨装置を説明する図である。ガラス基板1は複数枚が積層されて、円柱状に保持されている。本実施形態では、この円柱状のガラス基板1を2つ同時に研磨する構成となっている。積層されたガラス基板1には一対の回転ブラシ2が接触している。これらガラス基板1および一対の回転ブラシ2は各々平行な軸心で同方向(図ではCCW:反時計回り方向)に回転させることにより、ガラス基板1の外周面の研磨を行う。またガラス基板1と一対の回転ブラシ2の接点にはノズル4が近接されており、スラリー15が供給される。
回転ブラシ2、3はナイロン製の繊維を植毛されて構成され、外形が略円柱状であり、かつ外周面が研磨面となっている。回転ブラシ2、3のブラシ毛としては、蛇行形にカールさせたナイロン繊維(直径0.1〜0.3mm、長さ5〜10mm)が使用されているが、ナイロン繊維の代わりに塩化ビニル繊維、豚毛などを用いてもよい。硬度が低い繊維、あるいは柔軟性の高い繊維を利用すれば、ブラシ毛の弾性変形によって擦る力が過大になることを防止でき、スクラッチなどの傷の発生をより良好に防止できる。また、カールさせた繊維は、窪み等に対する接触性がよく、ガラス基板1の面取部12をより効率よく研磨することが可能になる。なお、ブラシ毛として、樹脂に研磨剤を混入しこれを成形してブラシ毛に研磨剤を含有したものを用いれば、研磨速度をさらに高めることができる。
図2に示すように、本実施形態においては、研磨液の例としてのスラリー15を循環して使用するようになっている。ノズル4から吐出されたスラリー15は、ガラス基板1と回転ブラシ2との間で研磨に供された後に、流下して回収槽28によって回収される。そして、回収されたスラリー15は、第1タンク29でいったん貯留された後に、ポンプ30によって濾過装置31へと送られる。そこでスラリー15からスラッジ(研磨屑)等の混入物が除去され、濾過されたスラリー15は第2タンク32に貯留される。
この第2タンク32において、スラリー15は研磨液温度制御手段の例としての冷却機33によって冷却し、一定の温度に保っている。より詳しくは、第2タンク32内には、冷却機本体34に接続された冷却コイル35が設けられており、この冷却コイル35内の冷媒がスラリー15と熱交換することによって、スラリー15を冷却して一定の温度まで下げるようになっている。冷却機33の動力の制御は既知のものでよく、例えば感温筒内の冷媒圧力によって膨張弁の開閉を制御したり、サーモスタットを用いて圧縮機の動作を制御したりすることでよい。
このようにして第2タンク32において冷却され一定の温度とされたスラリー15は、ポンプ36により送出され、再度ノズル4から吐出されて研磨位置に供給されるようになっている。
このような研磨装置では、回転ブラシ2とガラス基板1とが互いに接触しながら回転することにより、スラリー15を介して回転ブラシ2がガラス基板1の外周端面10を鏡面研磨する。このとき、回転ブラシ2とガラス基板1との間に摩擦熱が生じるため、従来の冷却を行っていなかったときには、研磨を継続することによりスラリー15は約58℃まで温度上昇していた。
そこで本実施形態においては、冷却機33により略25℃〜略35℃の範囲に保つこととしている。この範囲内の温度に、スラリー15を冷却することにより、その摩擦熱を十分吸収することができ、研磨位置付近における温度の上昇を抑えることができる。ただし冷却機33の動作によってはスラリー15の温度に変動があることから、目標温度は30℃程度であることが好ましい。また、あまり温度を下げても効果は変わらないため、エネルギー効率の観点から25℃以上の範囲に設定することが好ましい。
上記説明した如く、スラリー15が冷却されていることから、ガラス基板1と回転ブラシ2との接点である研磨箇所も冷却される。従って回転ブラシ2の温度上昇も押さえることができ、ブラシ毛が早期に消耗することを防止することができる。これにより研磨レートを安定させて手戻りを防止することができる。また回転ブラシが長寿命化することから交換頻度を減少することができ、作業効率の向上、製造コストの低減化を図ることができる。
また、温度が低いことから基板主表面に付着したスラリーやスラッジが乾燥しにくく、主表面に研磨剤等が付着してしまうことを効果的に防止することができ、後に行われる洗浄工程において容易に洗い流すことが可能となる。このため、基板主表面の研磨不良や研磨傷を防止し、平坦度および平滑度の高い磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクを得ることができる。
[実施例]
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法について実施例を説明する。
(1)形状加工工程および第1ラッピング工程
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。得られたディスク状の板状ガラスは、直径が96mm、板厚が1.8mmであった。この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状の磁気ディスク用ガラス基板を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。また、このラッピング加工により、ガラス母材の板厚は、板状ガラスよりも削減され、0.6mmとなった。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から、直径29mmのガラス基板を切り出した。ガラス母材の直径は96mmであり、1枚のガラス母材から、6枚のガラス基板を採取することができた。
次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に円孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
(3)端面研磨工程
次に、ガラス基板の外周端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。ここでの鏡面研磨処理は、上述の図1および図2に示した研磨装置およびスラリー循環装置を用いて行い、冷却機33によって略25℃に温度調節されたスラリー15を供給しながら研磨を行った。また回転ブラシ2の回転速度は略1100rpmとし、回転ブラシ2のブラシ毛にはナイロン繊維(66ナイロン)を用いた。
次に、内周側端面については、磁気研磨法により鏡面研磨を行った。そして、端面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、パーティクル等の発塵を防止できる鏡面状態に加工された。これによりガラス基板の直径は27.4mmとなり、1インチ型磁気ディスクに用いる基板とすることができる。
なお、この端面研磨工程においては、ガラス基板を重ね合わせて端面をポリッシングするが、この際に、ガラス基板の主表面にキズ等が付くことを避けるため、後述する第1研磨工程よりも前、あるいは、第2研磨工程の前後に行うことでもよい。
[評価]
図3は実施例の評価を説明する図であって、図3(a)はブラシ使用時間と研磨レートの関係を説明する図、図3(b)は基板主表面の研磨砥粒残留数を比較する図である。比較対象となる従来の構成では、冷却を行っていないために、研磨を継続することによりスラリー15は約58℃まで温度上昇していた。
図3(a)に示すように、従来の冷却していない構成による研磨では、研磨レートにばらつきが生じており、特に50時間経過あたりからばらつきが大きくなっていることがわかる。これに対し本実施例の構成では、長時間使用してもばらつきがちいさくなっていることがわかる。
また図3(a)から、従来は40時間経過あたりから研磨レートの平均が増大し始め、90時間経過あたりから急激に増大していることがわかる。そして従来は回転ブラシ2の寿命は90時間であるとされていた。これに対し本実施例の構成でも40時間経過当たりから研磨レートの平均が上昇しているが、その増分は少なく、また90時間を経過しても急激な増大はなかった。本実施例では回転ブラシの寿命を100時間とすることができ、回転ブラシの使用耐用時間を延長させることができた。
また図3(b)に示すように、従来の場合の砥粒残留数を100%とすると、本実施例の場合の砥粒残留数はその30%程度となっており、ガラス基板の主表面における酸化セリウム砥粒の残留数が大幅に減少していることが分かる。このことより、本実施例では、研磨砥粒のガラス基板の主表面への付着を効果的に防止する効果が認められた。
(4)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤(1)、中性洗剤(2)、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(6)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400℃に加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を300℃に予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
化学強化処理を終えたガラス基板を、20℃の水槽に浸漬して急冷し、約10分間維持した。そして、急冷を終えたガラス基板を、約40℃に加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行った。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄した。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
上記の如く、第1ラッピング工程、切り出し工程、端面研磨工程、第2ラッピング工程、第1および第2研磨工程、ならびに化学強化工程を施すことにより、平坦、かつ、平滑な、高剛性の磁気ディスク用ガラス基板を得た。
(7)テクスチャー処理工程
テープ式のテクスチャー装置を用いて、研磨、および円周状テクスチャー処理を施した。テクスチャー用テープには織物タイプのテープを、硬質研磨剤には平均粒径0.125μmの多結晶ダイヤモンドが分散剤・潤滑剤(グリセリン)に溶かしてあるスラリーを用いて行った。このテクスチャー処理の後に、前記研磨剤のダイヤモンドスラリーと分散剤(潤滑剤)を洗い流すため、超純水シャワーによる前洗浄を5秒間行った。
(8)精密洗浄工程
次に、テクスチャーを形成したガラスディスクの精密洗浄を行った。これはヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害の原因となる研磨剤残渣や外来の鉄系コンタミなどを除去し、表面が平滑で清浄なガラス基板を得るためのものである。この精密洗浄工程は以下の一連の洗浄工程を含む。
まず、洗浄液による洗浄工程を実施した。この洗浄液は、KOHとNaOHを1:1で混合した薬液を超純水で希釈し、洗浄能力を高めるために非イオン界面活性剤を添加した。洗浄液のPHは、超純水の希釈により12.4となるように調整した。ガラスディスクをこの洗浄液に浸漬させた上で揺動させながら2分間洗浄した。なお、このとき洗浄液の温度は50℃とし、超音波を加えて洗浄効果を高めるようにした。
次に、水リンス洗浄工程を2分間行った。これは、前述の洗浄で用いた洗浄液の残渣を除去するためのものである。
次いで、IPA洗浄工程を2分間行った。これは、ガラスディスクを洗浄するとともに、基板上の水を除去するためのものである。
最後に、IPA蒸気乾燥工程を2分間行った。これは、基板に付着している液状IPAをIPA蒸気により除去しつつ乾燥させるためのものである。
(9)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て精密洗浄されたガラス基板の両面に、枚葉式のスパッタリング装置を用いて、シード層、Cr下地層、CrMo下地層、CoPtCrTa磁性層、水素化カーボン保護層を成膜し、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を形成して磁気ディスクを作製した。
得られた磁気ディスクについて異物により磁性層等の膜に欠陥が発生していないことを確認した。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったところ、サーマルアスペリティによる再生の誤動作は認められなかった。
本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法として利用することができる。
研磨装置を説明する図である。 スラリーの循環装置を説明する図である。 実施例の評価を説明する図である。 従来例に係る回転ブラシのブラシ毛の消耗を説明する図である。
符号の説明
1 …ガラス基板
2 …回転ブラシ
4 …ノズル
10 …外周端面
12 …面取部
12a …溝の奥
15 …スラリー
23 …毛
28 …回収槽
29 …第1タンク
30 …ポンプ
31 …濾過装置
32 …第2タンク
33 …冷却機
34 …冷却機本体
35 …冷却コイル
36 …ポンプ

Claims (6)

  1. 円盤状のガラス基板を積層して円柱を構成し、該ガラス基板の端面に回転ブラシを接触させ、研磨液を供給しながら前記ガラス基板と前記回転ブラシを各々平行な軸心で同方向に回転させて前記ガラス基板の端面の研磨を行う工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    研磨液温度制御手段を備え、前記研磨液の温度を調節しながら研磨を行うことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記回転ブラシは、前記ガラス基板の外周端面または内周端面に接触させることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記研磨液を循環して使用することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記研磨液温度制御手段による研磨液の温度制御を25℃から35℃の範囲内とすることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記ガラス基板は、アルミノシリケートガラスからなることを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られたガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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