JP2007102844A - 磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法、ならびに磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法、ならびに磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、酸性溶液での洗浄処理やテクスチャ処理の後に行なわれる洗浄処理において、ガラス基板に付着した塵埃を確実に除去しながらも、その洗浄時間の短縮により生産性の向上を図ることができる技術を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法の代表的な構成は、ガラス基板3を、酸性溶液を用いて洗浄した後に、さらに炭酸ガス溶液2で洗浄することを特徴とする。これにより、洗浄時間を短縮しながらもガラス基板に付着した塵埃を確実に除去することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンピュータ等の記録媒体として用いられる磁気ディスク用のガラス基板および磁気ディスクの製造方法に関する。
近年、情報化技術の高度化に伴い、情報記録技術、特に磁気記録技術は著しく進歩している。磁気記録媒体のひとつであるHDD(ハードディスクドライブ)等の磁気記録媒体用基板としては、アルミニウム基板が広く用いられてきた。しかし磁気ディスクの小型化、薄板化、および高密度記録化に伴い、アルミニウム基板に比べ基板表面の平坦性および基板強度に優れたガラス基板に徐々に置き換わりつつある。
また、磁気記録技術の高密度化に伴い、磁気ヘッドの方も薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきており、磁気ヘッドの基板からの浮上量が10nm程度にまで狭くなってきている。このような磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドには固有の障害としてサーマルアスペリティ障害を引き起こす場合がある。サーマルアスペリティ障害とは、磁気ディスク面上の微小な凸あるいは凹形状上を磁気ヘッドが浮上飛行しながら通過するときに、空気の断熱圧縮または接触により磁気抵抗効果型素子が加熱されることにより、読み出しエラーを生じる障害である。したがって磁気抵抗効果型素子を搭載した磁気ヘッドに対しては、磁気ディスク表面は極めて高度な平滑度および平坦度が求められる。また塵埃や異物が付着したまま磁性層を形成すると凸部が形成されてしまうため、ガラス基板には、凹凸をなくすことによる発塵の防止、異物の除去する高度な洗浄が求められている。
さらに近年は、携帯機器に大容量の磁気記録媒体を搭載すべく、基板のサイズは縮小化の傾向にある。このため従来の3.5インチ基板や2.5インチ基板から、1.8インチ基板、1インチ基板、もしくはさらに小さな基板が求められるようになってきている。基板が小さくなれば許容される寸法誤差も小さくなり、さらに精密な外形加工が求められている。
上記のような状況において、ガラス基板の平滑度および平坦度を保つためには、製造過程においてガラス基板の主表面に付着した塵埃(コンタミネーション)を除去することが重要である。すなわち、いくら高精度に研磨していても、基板上に異物が付着したままでガラス基板の主表面に磁性層を形成してしまうと、磁気ディスクの主表面に凸部が形成されて適正なグライド・ハイトが得られず、また膜欠陥や上述のサーマルアスペリティを引き起こす原因ともなる。従って、精密研磨後の洗浄方法が大変重要になってきている。このため特開2002−074653(特許文献1)に示されるように、ガラス基板の製造工程の中で、中性洗浄液や純水等を用いてガラス基板をスクラブ洗浄する処理が複数回に分けて行なわれている。
特開2002−074653号公報 特開平11−232642号公報 特開2003−228824号公報
上記ガラス基板の洗浄処理に費やす時間は、生産性向上のためにはできるだけ短い方が好ましい。しかし、これを短縮するとガラス基板の主表面に付着する塵埃を完全には除去しきれなくなるという問題がある。具体的には、図5(a)に示すように塵埃の付着したガラス基板を短時間で洗浄すると、基板全面に塵埃が残留するのではなく、図5(b)に示すように基板の周辺部に塵埃が残留する結果となった。これは、塵埃が遠心力とブラシの摩擦力で周辺部に移動したものと考えられる。このことは、一つにはさらに長時間洗浄すればすべての塵埃を除去することが可能であろうということ(従来の洗浄)、もう一つには基板と塵埃との間に吸着力が存在し、吸着した状態で移動しているのであろうということを示している。
そこで今回、発明者らは、短い洗浄時間で効率よく塵埃を除去すべく研究を重ねた。すると、特に化学強化処理後およびテクスチャ処理後において、塵埃が除去しにくいことがわかった。そしてその原因は、これらの工程によってガラス基板が帯電し、逆極性に帯電した塵埃が強固に付着していることに主な原因があることが判明した。
ガラス基板の化学強化処理は、化学強化溶液にガラス基板を浸漬することによって行なわれる。この化学強化処理後には、主として化学強化用液を除去するために、硫酸等の強い酸性溶液で洗浄している。しかし、この酸性溶液での洗浄の過程において、ガラス基板の中のマイナスイオンが奪われてしまい、ガラス基板がプラスに帯電してしまっていることがわかった。このため、酸性溶液で塵埃を溶かしたにもかかわらず、静電気により周辺に漂う塵埃を再び吸着してしまっていると考えられる。
テクスチャ処理においては、ガラス基板の表面を研磨剤とテクスチャ用テープによって摺擦することにより、基板表面に同心円状の凹凸を形成する。このとき、テープとガラス基板の主表面との摩擦によって、ガラス基板の主表面が帯電してしまう。これにより、化学強化処理の場合と同様に、静電気により塵埃を吸着してしまっていると考えられる。
このように強く帯電したガラス基板の主表面に、逆極性に帯電した塵埃が付着すると、従来の洗浄より短時間でこれを除去することは容易ではない。
ここで従来からも、特開平11−232642号公報(特許文献2)には、静電気が異物の付着の原因であって、除電ブラシまたは炭酸水で洗浄することにより洗浄効果を高められる旨の提案がなされている。さらに特開2003−228824号公報(特許文献3)には、スクラブ洗浄と炭酸ガス溶解水による洗浄を組み合わせることにより、ガラス基板表面の微小異物やスクラブによる発塵異物を該基板表面に再付着させることなく洗浄する旨の構成が開示されている。
しかし上記従来の技術は、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程において積極的な帯電の原因である化学強化処理やテクスチャ処理を考慮したものではなく、また生産性の向上を図るものではない。また、炭酸ガスは常温で抜けやすいため、工程管理が難しいという問題がある。
上記課題を鑑みて、本発明は、化学強化後の酸性溶液での洗浄処理やテクスチャ処理の後に行なわれる洗浄処理において、ガラス基板に付着した塵埃を確実に除去しながらも、その洗浄時間の短縮により生産性の向上を図ることができる技術を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法の代表的な構成は、ガラス基板を、酸性溶液を用いて洗浄した後に、さらに炭酸ガスを溶解した液体で洗浄することを特徴とする。これにより、酸性溶液による洗浄の過程において帯電したガラス基板および塵埃を電気的に中和することができ、静電気により強固に付着した塵埃を確実かつ容易に除去することができる。したがって、洗浄時間を従来よりも短縮することができ、生産性の向上を実現することができる。また、高度な平滑度および平坦度を備えた極めて高品質なガラス基板、ひいては磁気ディスクを得ることを可能とする。
また、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な構成は、イオン交換によりガラス基板を強化した後に、該ガラス基板を、酸性溶液を用いて洗浄し、さらに炭酸ガスを溶解した液体で洗浄することを特徴とする。これにより、磁気ディスクの製造工程において、化学強化処理後のガラス基板に付着した塵埃を確実かつ容易に除去して、上記の効果を得ることができる。
前記酸性溶液は、硫酸または濃硫酸であってもよい。かかる場合に、良好な洗浄効果が得られる。
また、本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の代表的な他の構成は、研磨によりガラス基板の表面にテクスチャを形成した後に、該ガラス基板を炭酸ガスを溶解した液体を用いて洗浄することを特徴とする。これにより、テクスチャ処理において摩擦により帯電したガラス基板および塵埃を電気的に中和することができ、静電気により強固に付着した塵埃を確実かつ容易に除去して、上記の効果を得ることができる。
前記ガラス基板は、アルミノシリケートガラスからなることでもよい。かかる場合に、磁気ディスク用として良好なガラス基板を得ることができる。
また、本発明に係る磁気ディスクの製造方法の代表的な構成は、上記磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする。これにより、極めて高度な平滑度および平坦度を備えた磁気ディスクを製造することができる。
本発明によれば、化学強化等の後の酸性溶液での洗浄処理やテクスチャ処理が終わった後に洗浄処理を行う際に、この洗浄時間を短縮しながらもガラス基板に付着した塵埃を確実に除去することが可能になる。これによって、生産性の向上を図りながら、高品質なガラス基板、ひいては磁気ディスクを得ることができる。
本発明に係る磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法、ならびに磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法の実施形態について、図を用いて説明する。図1はスクラブ洗浄装置の構成を説明する模式図、図2は化学強化処理後に行う洗浄工程を説明する図、図3はテクスチャ処理後に行う洗浄工程を説明する図、図4は純水での洗浄と炭酸ガス溶液での洗浄とで、ガラス基板の主表面に残留する塵埃の個数を比較して示した図である。
図1に示すスクラブ洗浄装置は、シャワーノズル1から洗浄液としての炭酸ガス溶液2を噴出しつつ、ガラス基板3の主表面4をスクラブブラシ5によって摺擦して洗浄する装置である。スクラブブラシ5はローラ形状に形成されてガラス基板3を両側から挟み込んでおり、スクラブブラシ5を回転させると共に、ガラス基板3も回転させている。
炭酸ガス溶液2は、本実施形態では超純水(DL水)に炭酸ガスを混入することによって生成する。その構造については、炭酸ガスの流路6が、炭酸ガスを充填するガスタンク7から延設されて、洗浄用の純水の流路8に接続する。炭酸ガスは、接続点において所定の圧力(例えば0.05〜0.15Mpa)によって流路8を流れる純水に混入され、溶解する。こうして生成された炭酸ガス溶液2は、流路8を通ってシャワーノズル1に至り、スクラブ洗浄に供される。なお、流路6、8は、その途中にバルブ9およびバルブ10、11、12がそれぞれ設けられており、流路6、8は開閉自在となっている。これによって、炭酸ガスの混入量や圧力の制御、純水の経路制御が可能となっている。
ここで、炭酸ガスは抜けやすいために、できるだけガラス基板へ吹き付ける直前で純水に混入することが好ましい。特に、あらかじめ炭酸水を準備しておくのではなく、使用時に洗浄液に炭酸ガスを混入することにより、常に所望の濃度の炭酸ガス溶液を得ることができ、工程管理を簡便なものとすることができる。
なお炭酸ガスの混入量は、例えば純水1L(リットル)当たり6.3cc程度であれば足り、炭酸ガス溶液の比抵抗値を例えば0.05〜0.11MΩ・cmとすることにより、良好な洗浄効果を得ることができる。
上記の如く炭酸ガス溶液2を用いて洗浄することにより、帯電したガラス基板および塵埃を電気的に中和して、静電気による吸着力を解除し、効率的で良好な洗浄を行うことができる。すなわち、二酸化炭素を水に混ぜると、化合して炭酸となる(CO+HO→HCO)。そして炭酸が電離して、炭酸水素イオンと水素イオンに分解される(HCO→HCO +H)。この電離したイオンがガラス基板と塵埃の帯電を中和し、静電気による吸着力を解除するものと考えられる。
したがって、従来のように中性洗浄液や純水等を用いてスクラブ洗浄するのに比較して、短時間で確実にガラス基板の表面に付着した塵埃を除去することが可能となる。このため、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程において、洗浄時間を従来より短縮することができ、生産性の向上を実現することができる。また、確実に塵埃を除去することができるので、高度な平滑度および平坦度を備えた極めて高品質なガラス基板、ひいては磁気ディスクを製造することができる。
ここで、磁気ディスク用ガラス基板の製造工程においては、特に化学強化処理後の酸性溶液による洗浄、およびテクスチャ処理においてガラス基板が強く帯電するという特殊性を有する。
化学強化処理は、ガラス基板の耐衝撃性や耐振動性を向上させて、衝撃や振動によってガラス基板が破損するのを防止する目的で、ガラス基板の表層のイオン交換を行う処理である。ガラス基板の表層を構成しているアルカリ金属のイオン、例えば、リチウムイオンをそれよりも大きなイオン半径を有するナトリウムイオンへ、同様に、ナトリウムイオンをカリウムイオンへ、といったように、イオン交換することで、ガラス基板の表層に強い圧縮応力を発生させて抗折強度を増大させるのである。
この化学強化処理は、研磨工程を終えたガラス基板を、化学強化溶液(例えば、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムとを混合した化学強化塩)中に所定時間浸漬することによって行う。この化学強化処理の過程で、ガラス基板の表面に化学強化溶液が付着するため、化学強化処理後にガラス基板を硫酸等の酸性溶液で洗浄して、表面の化学強化溶液を除去する。また、同時にガラス基板の表面に付着した塵埃を酸で溶解することにより除去する。酸性溶液での洗浄処理は、例えば、加熱した濃硫酸で充たした洗浄槽の中にガラス基板を浸漬することによって行う。
しかし、酸性溶液で洗浄することにより、ガラス基板の表層のマイナスイオンが抜けていってしまうために、ガラス基板はプラスに帯電する。このため、逆極性のマイナスに帯電した塵埃を吸着してしまう。そして、酸性溶液による洗浄の後に、上記の如く炭酸ガス溶液で洗浄を行うことにより、強固に吸着した塵埃を迅速かつ確実に除去することができる。
テクスチャ処理は、磁性層に磁気異方性を与えて、磁気ディスクとしての磁気特性を向上させ、高記録密度化を図る目的で、ガラス基板の主表面にテクスチャ(凹凸形状)を形成する処理である。例えば、ダイヤモンドスラリーとテクスチャ用テープを用いて、ガラス基板の主表面上を摺擦することによって、ガラス基板の主表面に同心円状のテクスチャを形成する。
このテクスチャ処理の過程においては、摺擦の際に生じるテクスチャ用テープとガラス基板主表面との摩擦によって、ガラス基板の主表面が帯電してしまう(一般に、ガラスはプラスに帯電しやすい)。そしてガラス基板が帯電することにより、その表面に逆極性に帯電した塵埃を吸着してしまう。したがってこの場合も、上記の如く炭酸ガス溶液で洗浄を行うことにより、強固に吸着した塵埃を迅速かつ確実に除去することができる。
[実施例]
以下に、本発明を適用した磁気ディスク用ガラス基板および磁気ディスクの製造方法について実施例を説明する。
(1)形状加工工程および第1ラッピング工程
まず、溶融させたアルミノシリケートガラスを上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスによりディスク形状に成型し、アモルファスの板状ガラスを得た。なお、アルミノシリケートガラスとしては、化学強化用のガラスを使用した。得られたディスク状の板状ガラスは、直径が96mm、板厚が1.8mmであった。この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状の磁気ディスク用ガラス基板を得てもよい。なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiO:58〜75重量%、Al:5〜23重量%、LiO:3〜10重量%、NaO:4〜13重量%を主成分として含有する化学強化ガラスを使用した。
次に、この板状ガラスの両主表面をラッピング加工し、ディスク状のガラス母材とした。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行った。具体的には、板状ガラスの両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液を板状ガラスの主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行った。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス母材を得た。また、このラッピング加工により、ガラス母材の板厚は、板状ガラスよりも削減され、0.6mmとなった。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス母材を切断し、このガラス母材から、直径29mmのガラス基板を切り出した。ガラス母材の直径は96mmであり、1枚のガラス母材から、6枚のガラス基板を採取することができた。
次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に円孔を形成し、円環状のガラス基板とした(コアリング)。そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施した(フォーミング)。
(3)端面研磨工程
次に、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行った。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いた。次に、内周側端面については、磁気研磨法により鏡面研磨を行った。そして、端面研磨工程を終えたガラス基板を水洗浄した。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面は、パーティクル等の発塵を防止できる鏡面状態に加工された。これによりガラス基板の直径は27.4mmとなり、1インチ型磁気ディスクに用いる基板とすることができる。
なお、この端面研磨工程においては、ガラス基板を重ね合わせて端面をポリッシングするが、この際に、ガラス基板の主表面にキズ等が付くことを避けるため、後述する第1研磨工程よりも前、あるいは、第2研磨工程の前後に行うことでもよい。
(4)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行った。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができるようになる。
(5)主表面研磨工程
主表面研磨工程として、まず第1研磨工程を施した。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とするものである。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行った。研磨剤としては、酸化セリウム砥粒を用いた。
この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。
次に、主表面研磨工程として、第2研磨工程を施した。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行った。研磨剤としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いた。
この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤(1)、中性洗剤(2)、純水(1)、純水(2)、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄した。なお、各洗浄槽には、超音波を印加した。
(6)化学強化工程
次に、前述のラッピング工程および研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施した。化学強化は、硝酸カリウム(60%)と硝酸ナトリウム(40%)を混合した化学強化溶液を用意し、この化学強化溶液を400°Cに加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を300°Cに予熱し、化学強化溶液中に約3時間浸漬することによって行った。この浸漬の際には、ガラス基板の表面全体が化学強化されるようにするため、複数のガラス基板が端面で保持されるように、ホルダーに収納した状態で行った。
このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。ガラス基板の表層に形成された圧縮応力層の厚さは、約100μm乃至200μmであった。
図2は、化学強化工程の後の洗浄処理について説明する図である。化学強化工程(S11)を終えたガラス基板を、まず20°Cの水槽に浸漬し、約10分間維持して急冷した(S12)。そして、急冷を終えたガラス基板を、約40°Cに加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行ってから(S13)、水リンス洗浄をした。次に、洗剤によるディップ洗浄を行ってから(S14)、水リンス洗浄をした。そして次に、上記した構成によって、炭酸ガス溶液でスクラブ洗浄してから(S15)、純水によるディップ洗浄(S16)、IPA(イソプロピルアルコール)洗浄(S17)、IPAによる蒸気乾燥(S18)を行った。なお、各洗浄槽には超音波を印加した。
なお、本実施例では炭酸ガス溶液による洗浄(S14)の後に純水による洗浄(S15)を行っているが、先に純水による洗浄を行った後に炭酸ガス溶液による洗浄を行ってもよい。
(7)テクスチャ処理工程
テープ式のテクスチャ装置を用いて、研磨、および円周状テクスチャ処理を施した。テクスチャ用テープには織物タイプのテープを、硬質研磨剤には平均粒径0.125μmの多結晶ダイヤモンドが分散剤・潤滑剤(グリセリン)に溶かしてあるスラリーを用いて行った。
(8)精密洗浄工程
次に、テクスチャを形成したガラスディスクの精密洗浄を行った。これはヘッドクラッシュやサーマルアスペリティ障害の原因となる研磨剤残渣や外来の鉄系塵埃などを除去し、表面が平滑で清浄なガラス基板を得るためのものである。この精密洗浄工程は以下の一連の洗浄工程を含む。
図3は、精密洗浄工程の処理について説明する図である。テクスチャ処理工程(S21)を終えたガラス基板に対し、まず研磨剤のダイヤモンドスラリーと分散剤(潤滑剤)を洗い流すため、超純水シャワーによる洗浄を5秒間行った(S22)。
次に、洗剤によるディップ洗浄を行ってから(S23)、水リンス洗浄をした。その後に、上記した構成によって、炭酸ガス溶液でスクラブ洗浄してから(S24)、水リンス洗浄した。水リンス洗浄は、塵埃および前述の洗浄で用いた洗浄液の残渣を除去するためのものである。
次いで、IPA洗浄工程を2分間行った(S25)。これは、ガラスディスクを洗浄するとともに、基板上の水を除去するためのものである。最後に、IPA蒸気乾燥工程を2分間行った(S26)。これは、基板に付着している液状IPAをIPA蒸気により除去しつつ乾燥させるためのものである。
(9)磁気ディスク製造工程
上述した工程を経て精密洗浄されたガラス基板の両面に、枚葉式のスパッタリング装置を用いて、シード層、Cr下地層、CrMo下地層、CoPtCrTa磁性層、水素化カーボン保護層を成膜し、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層を形成して磁気ディスクを作製した。
得られた磁気ディスクについて異物により磁性層等の膜に欠陥が発生していないことを確認した。また、グライドテストを実施したところ、ヒット(ヘッドが磁気ディスク表面の突起にかすること)やクラッシュ(ヘッドが磁気ディスク表面の突起に衝突すること)は認められなかった。さらに、磁気抵抗型ヘッドで再生試験を行ったところ、サーマルアスペリティによる再生の誤動作は認められなかった。
[評価]
図4は、従来のように純水で洗浄した場合と本実施例のように炭酸ガス溶液で洗浄した場合とで、ガラス基板の主表面に残留する塵埃の個数を比較して示した図である。本実験に際しては、略5L/min(リットル/分)の純水または炭酸ガス溶液を洗浄液として使用し、この炭酸ガス溶液の炭酸ガス含有量は、略6.3cc/Lとした。図4において示す塵埃の残留個数は、それぞれ同時間(従来の洗浄時間よりも短縮したもの)における洗浄を複数回行って得た結果の平均値である。
図4によれば、純水による洗浄では、ガラス基板の主表面に略33個の塵埃が残留しているのに対し、炭酸ガス溶液による洗浄では、塵埃の残留個数は略16個となっている。すなわち、残留する塵埃は純水の場合と比較して半分以下に減少しており、洗浄時間を短くしても十分な洗浄効果を得られることが確認された。
上記の如く、洗浄時間を短縮しながらもガラス基板に付着した塵埃を確実に除去することができるため、生産性の向上に寄与することができる。また、塵埃の付着のない高清浄なガラス基板を得ることができるため、高度な平滑度および平坦度を備えた極めて高品質なガラス基板、ひいては磁気ディスクを得ることができる。
本発明は、磁気記録媒体用のガラス基板および磁気ディスクの製造方法として利用することができる。
スクラブ洗浄装置の構成を説明する模式図である。 化学強化処理後に行う洗浄工程を説明する図である。 テクスチャ処理後に行う洗浄工程を説明する図である。 ガラス基板の主表面に残留する塵埃の個数を比較した図である。 基板を水で短時間洗浄した場合の残留した塵埃の様子を説明する図である。
符号の説明
1 …シャワーノズル
2 …炭酸ガス溶液
3 …ガラス基板
4 …主表面
5 …スクラブブラシ
6 …(炭酸ガスの)流路
7 …ガスタンク
8 …(純水および炭酸ガス溶液の)流路
9、10、11、12 …バルブ

Claims (7)

  1. ガラス基板を、酸性溶液を用いて洗浄した後に、さらに炭酸ガスを溶解した液体で洗浄することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の洗浄方法。
  2. イオン交換によりガラス基板を化学強化した後に、該ガラス基板を酸性溶液を用いて洗浄し、さらに炭酸ガスを溶解した液体液で洗浄することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記酸性溶液は硫酸または濃硫酸であることを特徴とする請求項2記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 研磨によりガラス基板の表面にテクスチャを形成した後に、該ガラス基板を炭酸ガスを溶解した液体を用いて洗浄することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. ガラス基板を洗浄する液体の流路に炭酸ガスを混入することにより、該液体に炭酸ガスを溶解させることを特徴とする請求項2または請求項4のいずれか1項記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス基板は、アルミノシリケートガラスからなることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法により得られた磁気ディスク用ガラス基板の表面に、少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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