JPWO2009031401A1 - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

研磨工程後のガラス基板に付着した研磨剤や異物を、洗浄工程を複雑化させることなく確実に除去する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法である。洗浄液として、0.5〜5.0質量%の過酸化水素を添加した水を用いて、前記ガラス基板をスクラブ洗浄する。

Description

本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体用ガラス基板及び磁気記録媒体に関する。
従来、磁気ディスク用基板としては、デスクトップ用コンピュータやサーバなどの据え置き型にはアルミニウム合金が、他方ノート型コンピュータやモバイル型コンピュータなどの携帯型にはガラス基板が一般に使用されていたが、アルミニウム合金は変形しやすく、また硬さが不十分であるため研磨後の基板表面の平滑性が十分とは言えなかった。さらに、ヘッドが機械的に磁気ディスクに接触する際、磁性膜が基板から剥離しやすいという問題もあった。そこで、変形が少なく、平滑性が良好で、かつ機械的強度の大きいガラス基板が、携帯型のみならず据え置き型の機器やその他の家庭用情報機器にも今後広く使用されていくものと予測されている。
ところで、磁気ディスクの記録容量は、磁気ヘッドと磁気ディスク表面との距離を小さくするほど大きくできる。しかし、磁気ヘッドと磁気ディスク表面との距離を小さくした場合、ガラス基板の表面に異常突起があったり、異物の付着があったりすると、磁気ヘッドが磁気ディスク上の突起や異物に衝突する不具合が生じる。したがって、磁気ヘッドと磁気ディスク表面との距離を小さくして、磁気ディスクの記録容量を増大させるためには、ガラス基板の表面の異常突起や異物付着を確実になくす必要がある。そこでガラス基板表面を酸化セリウムなどの研磨剤を用いて研磨して、ガラス基板の平滑性を確保していた。
しかし研磨剤を用いてガラス基板を研磨すると、ガラス基板表面に研磨剤が強固に付着した状態で残留することがあり、研磨後にスクラブ洗浄によってガラス基板表面を洗浄しても、強固に付着した研磨剤を完全に除去することは困難であった。また研磨剤が付着した状態でガラス基板表面に磁気記録層を形成すると、膜にピンホールが発生したり、ヘッドの浮上特性が不安定になるといった磁気記録特性を著しく低下させるという問題が生じる。
そこで例えば特許文献1では、研磨工程後に、洗剤による超音波洗浄、スクラブ洗浄、純水による超音波洗浄と3種類の洗浄を行うことが提案されている。また特許文献2では、スクラブ洗浄と炭酸ガス溶解水洗浄の組合せによりガラス基板を洗浄することが提案されている。
特開2002−74653号公報 特開2003−228824号公報
しかしながら、特許文献1によれば、ガラス基板に付着した研磨剤等はある程度除去できると考えられるが、前者の提案技術では3種類もの洗浄を行うため、洗浄工程が複雑化し生産性が低下するおそれがある。また特許文献2の提案技術も同様に、ガス溶解度の維持管理設備の導入が必要となり、洗浄工程が複雑化し生産性が低下するおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、洗浄工程を複雑化させることなく、ガラス基板に付着した研磨剤や異物を確実に除去する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法及び該製造方法を用いて製造される情報記録媒体用ガラス基板を提供することにある。
また本発明の別の目的は、磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との距離を小さくすることができ、記録容量を大きくできる磁気記録媒体を提供することにある。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1.
ガラス基板をスクラブ部材と洗浄液を用いて洗浄するスクラブ洗浄工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
前記洗浄液として、0.5〜5.0質量%の過酸化水素を添加した水を用いて、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
2.
前記洗浄液として、1.0〜3.0質量%の過酸化水素を添加した水を用いて、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする前記1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
3.
前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、前記ガラス基板を研磨する研磨工程を有し、
該研磨工程の後に、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする前記1又は2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
4.
前記スクラブ部材が表面にスポンジを有する回転ローラであり、該回転ローラを前記ガラス基板の表面に接触させてスクラブ洗浄を行うものであって、
前記洗浄液を前記回転ローラと前記ガラス基板との接触部近傍に滴下することを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
5.
前記スポンジは、空孔率が20〜80%であることを特徴とする前記4に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
6.
前記スポンジは、硬度が30〜70であることを特徴とする前記4又は5に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
7.
前記スポンジが親水性樹脂材料からなることを特徴とする前記4乃至6の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
8.
前記1乃至7の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造されたことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
9.
前記8に記載の情報記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を有することを特徴とする磁気記録媒体。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法では、洗浄液として、過酸化水素を0.5〜5.0質量%添加した水を用いるので、スクラブ部材の表面の親水性が向上し、スクラブ部材とガラス基板との接触面積が大きくなる。よって、スクラブ洗浄による研磨剤や異物の除去が確実に行われるようになる。
また本発明の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法では、上記洗浄方法によってガラス基板を洗浄するので、ガラス基板表面から研磨剤や異物が除去されると共に、洗浄工程が簡素化され生産性の向上が図れる。
さらに本発明の磁気記録媒体では、前記の製造方法によって製造されたガラス基板上に磁気記録層を形成してなるので、磁気ヘッドと磁気記録媒体表面との距離を小さくすることができ記録容量を大きくできる。
情報記録媒体用ガラス基板の全体構成を示す概略図である。 情報記録媒体用ガラス基板の表主表面の上に磁性膜を備えている磁気記録媒体の例を示す概略図である。 情報記録媒体用ガラス基板の製造における工程を説明する製造工程図である。 ロールスクラブ洗浄装置の一例を示す概略図である。 カップスクラブ洗浄装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 情報記録媒体用ガラス基板(ガラス基板)
2 磁性膜
5 孔
7a 表主表面
7b 裏主表面
10t 外周端面
20t 内周端面
10a,10b、50a、50b スポンジローラ
20 ノズル
30 洗浄液
40 支持ローラ
D 磁気ディスク
本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。
図1は、本発明に係わる情報記録媒体用ガラス基板(以降、ガラス基板とも称する。)1の全体構成を示している。図1に示す様に、ガラス基板1は、中心に孔5が形成されたドーナツ状の円板形状をしている。10tは外周端面、20tは内周端面、7aは表主表面、7bは裏主表面を示している。また、図2は、図1で示したガラス基板1の表主表面7aの上に磁性膜2を備えている磁気記録媒体(以降、磁気ディスクとも称する。)Dの一例を示す図である。磁性膜2は裏主表面7bの上にも設けることができる。
図3に本発明に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の一実施例の製造工程図を示す。
本発明に係る情報記録媒体用ガラス基板の製造方法の大きな特徴の一つは、スクラブ洗浄における洗浄液として、過酸化水素を添加した水を用いてガラス基板を洗浄することにある。これにより、スクラブ部材の表面の親水性が向上し、スクラブ部材とガラス基板との接触面積が大きくなり、ガラス基板表面に強固に付着した研磨剤や異物がガラス基板表面から確実に除去されるようになる。
本発明で使用する洗浄液の過酸化水素の濃度は、0.5〜5.0質量%の範囲である必要がある。より好ましくは、1.0〜3.0質量%である。使用する洗浄液の過酸化水素の濃度が0.5質量%未満であると、スクラブ部材の表面の親水性があまり向上せずに、スクラブ部材とガラス基板との接触面積が十分に大きくならない。よって、効果的なスクラブ洗浄が行えず、ガラス基板表面に付着した研磨剤等の異物を確実に除去できない。また、使用する洗浄液の過酸化水素の添加量が5.0質量%を越えると、スクラブ部材が劣化し、寿命が短くなる。よって、スクラブ部材の交換頻度が多くなり、生産性が低下するとともにコストアップとなる。
情報記録媒体用ガラス基板の製造工程に関して図3の製造工程図を用いて詳しく説明する。
(ガラス溶融工程)
まず、ガラス溶融工程として、ガラス素材を溶融する。ガラス基板の材料としては、例えば、SiO2、Na2O、CaOを主成分としたソーダライムガラス;SiO2、Al23、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス;ボロシリケートガラス;Li2O−SiO2系ガラス;Li2O−Al23−SiO2系ガラス;R’O−Al23−SiO2系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などを使用することができる。中でも、アルミノシリケートガラスやボロシリケートガラスは、耐衝撃性や耐振動性に優れるため特に好ましい。
(プレス工程)
次に、プレス成形工程として、溶融ガラスを下型に流し込み、上型によってプレス成形して円板状のガラス基板前駆体を得る。なお、円板状のガラス基板前駆体は、プレス成形によらず、例えばダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスを研削砥石で切り出して作製してもよい。
ガラス基板の大きさに限定はない。例えば、外径が2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチなど種々の大きさのガラス基板がある。また、ガラス基板の厚みにも限定はなく、2mm、1mm、0.63mmなど種々の厚みのガラス基板がある。
(コアリング加工工程)
プレス成形したガラス基板前駆体は、コアリング加工工程で、中心部に穴を開ける。穴開けは、カッター部にダイヤモンド砥石等を備えたコアドリル等で研削することで中心部に孔を開ける。
(第1ラッピング工程)
次に、第1ラッピング工程として、ガラス基板の両表面を研磨加工し、ガラス基板の全体形状、すなわちガラス基板の平行度、平坦度および厚みを予備調整する。
(内・外径精密加工工程)
次に、内・外径加工工程として、ガラス基板の外周端面および内周端面を、例えば鼓状のダイヤモンド等の研削砥石により研削することで内・外径加工する。
(端面研磨加工工程)
内・外径加工工程を終えたガラス基板を、複数積み重ねて、積層し、その状態で外周面及び内周面の研磨加工を、端面研磨機を用いて研磨する。
(第2ラッピング工程)
更に、ガラス基板の両表面を再び研磨加工して、ガラス基板の平行度、平坦度および厚みを微調整する。
第1及び第2ラッピング工程にてガラス基板の表裏の表面を研磨する研磨機は、両面研磨機と呼ばれる公知の研磨機を使用できる。両面研磨機は、互いに平行になるように上下に配置された円盤状の上定盤と下定盤とを備えており、互いに逆方向に回転する。この上下の定盤の対向するそれぞれの面にガラス基板の主表面を研磨するための複数のダイヤモンドペレットが貼り付けてある。上下の定盤の間には、下定盤の外周に円環状に設けてあるインターナルギアと下定盤の回転軸の周囲に設けてある太陽ギアとに結合して回転する複数のキャリアがある。このキャリアには、複数の穴が設けてあり、この穴にガラス基板をはめ込んで配置する。上下の定盤、インターナルギア及び太陽ギアは別駆動で動作することができる。
研磨機の研磨動作は、上下の定盤が互いに逆方向に回転し、ダイヤモンドペレットを介して定盤に挟まれているキャリアは、複数のガラス基板を保持した状態で、自転しながら定盤の回転中心に対して下定盤と同じ方向に公転する。このような動作している研磨機において、研削液を上定盤とガラス基板及び下定盤とガラス基板との間に供給することでガラス基板の研磨を行うことができる。
この両面研磨機を使用する際、ガラス基板に加わる定盤の加重及び定盤の回転数を所望の研磨状態に応じて適宜調整する。第1及び第2ラッピング工程における加重は、60g/cm2から120g/cm2とするのが好ましい。また、定盤の回転数は、10rpmから30rpm程度とし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%程度遅くするのが好ましい。定盤による加重を大きくし、定盤の回転数を速くすると研磨量は多くなるが、加重を大きくしすぎると面粗さが良好とならず、また、回転数が速すぎると平坦度が良好とならない。また加重が小さく定盤の回転数が遅いと研磨量が少なく製造効率が低くなる。
第2ラッピング工程を終えた時点で、大きなうねり、欠け、ひび等の欠陥は除去され、ガラス基板の主表面の面粗さは、Rmaxが2μmから4μm、Raが0.2μmから0.4μm程度とするのが好ましい。このような面状態にしておくことで、次の化学強化工程を経て第1ポリッシング工程で研磨を効率よく行うことができる。
尚、第1ラッピング工程では、第2ラッピング工程を効率よく行うことができるように大まかに大きなうねり、欠け、ひびを効率よく除去する。このため、第2ラッピングで使用する粗さ#1300メッシュから#1700メッシュより粗い#800メッシュから#1200メッシュ程度のダイヤモンドペレットを使用するのが好ましい。第1ラッピング工程が完了した時点での面粗さは、Rmaxが4μmから8μmで、Raが0.4μmから0.8μm程度とするのが好ましい。
また、ガラス基板を研磨する方法として、上下の定盤の研磨面にパッドを貼り付け、研磨剤を含む研磨液を供給して研磨する方法を用いることもできる。研磨剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、コロイダルシリカ、ダイヤモンドなどが挙げられる。これらを水で分散化してスラリー状として使用する。パッドは硬質パッドと軟質パッドとに分けられるが、必要に応じて適宜選択して用いることができる。硬質パッドとしては、硬質ベロア、ウレタン発泡、ピッチ含有スウェード等を素材とするパッドが挙げられ、軟質パッドとしては、スウェードやベロア等を素材とするパッドが挙げられる。
パッドと研磨剤を使用する研磨方法は、研磨剤の粒度やパッドの種類を変えて、粗研磨から精密研磨まで対応することができる。よって、第1ラッピング工程と第2ラッピング工程で、効率よく大きなうねり、欠け、ひび等を除去し上記の面粗さを得ることができる様に研磨材、研磨材の粒度、パッドを適宜組み合わせて対応することができる。
また、第1及び第2ラッピング工程の後、ガラス基板の表面に残った研磨剤やガラス粉を除去するための洗浄工程を行うことが好ましい。
尚、第1ラッピング工程及び第2ラッピング工程で使用する研磨機は、同一構成ではあるがそれぞれの工程専用に用意された別の研磨機を用いて研磨加工を行うのが好ましい。これは、専用のダイヤモンドペレットを貼り付けているため交換が大掛かりな作業となり、また、研磨条件を再設定する等の煩雑な作業が必要となり、製造効率が低下するためである。
(化学強化工程)
第2ラッピング工程の次に、化学強化工程として、化学強化液にガラス基板を浸漬してガラス基板に化学強化層を形成する。化学強化層を形成することで耐衝撃性、耐振動性及び耐熱性等を向上させることができる。
化学強化工程は、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬することによってガラス基板に含まれるリチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンをそれよりイオン半径の大きなカリウムイオン等のアルカリ金属イオンによって置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス基板の表面が強化される。
化学強化処理液に特に制限はなく、公知の化学強化処理液を用いることができる。通常、カリウムイオンを含む溶融塩又はカリウムイオンとナトリウムイオンをふくむ溶融塩を用いることが一般的である。カリウムイオンやナトリウムイオンを含む溶融塩としては、カリウムやナトリウムの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩やこれらの混合溶融塩が挙げられる。中でも、融点が低く、ガラス基板の変形を防止できるという観点からは、硝酸塩を用いることが好ましい。
化学強化処理液は、上記の成分が融解する温度よりも高温になるよう加熱される。一方、化学強化処理液の加熱温度が高すぎると、ガラス基板の温度が上がりすぎ、ガラス基板の変形を招く恐れがある。このため、化学強化処理液の加熱温度はガラス基板のガラス転移点(Tg)よりも低い温度が好ましく、ガラス転移点−50℃よりも低い温度とすることが更に好ましい。
なお、加熱された化学強化処理液に浸漬される際の熱衝撃によるガラス基板の割れや微細なクラックの発生を防止するため、化学強化処理液への浸漬に先立って、予熱槽でガラス基板を所定温度に加熱する予熱工程を有していても良い。
化学強化層の厚みとしては、ガラス基板の強度向上とポリッシング工程の時間の短縮との兼ね合いから、5μm〜15μm程度の範囲が好ましい。強化層の厚みがこの範囲の場合、平坦度、機械的強度である耐衝撃性が良好なガラス基板とすることができる。
化学強化工程後の表主表面7a及び裏主表面7bの外周端部の形状は、化学強化工程前とほとんど変わらず、上記の5μm〜15μm程度の化学強化層がガラス基板の表面全体にほぼ一様に載った状態となる。
(研磨工程)
次に、研磨工程としてのポリッシング工程を行う。
ポリッシング工程では、ガラス基板の表面を精密に仕上げると伴に主表面の外周端部の形状を所定の形状に研磨する。ポリッシング工程は1工程でも良いが、2工程の方が好ましい。
まず、第1ポリシング工程では、第2ポリッシング工程で最終的に必要とされる面粗さを効率よく得ることができるように、面粗さを向上させるとともに最終的に本発明の形状を効率よく得ることができる研磨を行う。
研磨の方法は、ラッピング工程で使用したダイヤモンドペレットと研削液に代えて、パッドと研磨液を使用する以外は第1及び2ラッピング工程で使用した研磨機と同一の構成の研磨機を使用する。
パッドは硬度Aで80から90程度の硬質パッドで例えば発泡ウレタンを使用するのが好ましい。パッドの硬度が研磨による発熱により柔らかくなると研磨面の形状変化が大きくなるため硬質パッドを用いるのが好ましい。研磨材は、粒径が0.6μmから2.5μmの酸化セリウム等を水に分散させてスラリー状にして用いるのが好ましい。水と研磨剤との混合比率は、概ね1:9から3:7程度が好ましい。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cm2から110g/cm2とするのが好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、外周端部の形状に大きく影響する。加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。
また、面粗さを向上させるために、定盤の回転数を25rpmから50rpmとし、上の定盤の回転数を下の定盤回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の研磨条件により研磨量を30μmから40μmとするのが好ましい。30μm未満では、キズや欠陥を十分に除去ができない。また40μmを超える場合は、面粗さをRmaxが2nmから60nm、Raが2nmから4nmの範囲とすることができるが、必要以上に研磨を行うことになり製造効率が低下する。
第2ポリッシング工程は、第1ポリッシング工程後のガラス基板の表面を更に精密に研磨する工程である。第2ポリッシング工程で使用するパッドは、第1ポリッシング工程で使用するパッドより柔らかい硬度65から80(Asker−C)程度の軟質パッドで、例えば発泡ウレタンやスウェードを使用するのが好ましい。研磨材としては、第1ポリッシング工程と同様の酸化セリウム等を用いることができるが、ガラス基板の表面をより滑らかにするため、粒径がより細かくバラツキが少ない研磨剤を用いるのが好ましい。粒径の平均粒子径が40nmから70nmの研磨剤を水に分散させてスラリー状にして研磨液として用い、水と研磨剤との混合比率は、1:9から3:7程度が好ましい。
定盤によるガラス基板への加重は、90g/cm2から110g/cm2が好ましい。定盤によるガラス基板への加重は、第1ポリッシング工程と同様に外周端部の形状に大きく影響するが、研磨速度が遅いため第1ポリッシング工程ほど効率的に形状を変化させることはできない。加重の加減による外周端部の形状の変化は、第1ポリッシング工程と同様であり、加重を大きくしていくと、外周端部の内側が下がり外側に向かって上がる傾向を示す。また、加重を小さくしていくと、外周端部は平面に近くなるとともに面ダレが大きくなる傾向を示す。外周端部の形状を得るために、こうした傾向を観察しながら加重を決めることができる。定盤の回転数を15rpmから35rpmとし、上定盤の回転数を下定盤の回転数より30%から40%遅くするのが好ましい。
上記の様に第2ポリッシング工程での研磨条件を調整して外周端部の形状を得ると伴に、面粗さをRmaxが2nmから6nm、Raが0.2nmから0.4nmの範囲とすることができる。
研磨量は2μmから5μmとするのが好ましい。研磨量をこの範囲とすると、表面に発生した微小な荒れやうねり、これまでの工程で生じた微小な傷痕といった微小な欠陥を効率良く除去することができる。
(スクラブ洗浄)
次に、研磨工程であるポリッシング工程を終えた後にスクラブ洗浄を行う。スクラブ洗浄とは、湿式の物理洗浄方法で、被洗浄面(基板面)に洗浄液をかけながらスクラブ部材を押し当て、スクラブ部材と被洗浄面を相対的に移動させて、被洗浄面の汚れをこすり取る洗浄である。スクラブ洗浄装置としては、スクラブ部材が円筒形のロールスクラブ洗浄装置や、スクラブ部材がカップ型のカップスクラブ洗浄装置を用いることができる。
図4にロールスクラブ洗浄装置の一例を示す。図4のロールスクラブ洗浄装置は、圧接する一対の回転ローラであるスポンジローラ10a,10bのニップ部でガラス基板1を挟み込み、上部に配設されたノズル20から洗浄液30をスポンジローラ10a,10bとガラス基板1との接触部近傍に滴下又はスプレー噴霧しながら、前記一対のスポンジローラ10a,10bを互いに逆方向に回転させると同時に、ガラス基板1も支持ローラ40で支持しながら回転させることによりガラス基板1の表裏面全体を洗浄するものである。
スクラブ洗浄の洗浄条件としては、2つのスポンジローラ10a,10bの回転数はそれぞれ同一でもよいし、必要に応じてそれぞれ異なる回転数としても構わない。スポンジローラの回転数としては一般に100〜1000rpmの範囲であり、より好ましくは300〜500rpmの範囲である。またガラス基板1の回転数としては一般に50〜500rpmの範囲であり、より好ましくは100〜300rpmの範囲である。洗浄液30の供給速度は一般に10〜1000ml/分の範囲、より好ましくは50〜500ml/分の範囲である。スクラブ洗浄の時間は一般に5〜150秒の範囲、より好ましくは10〜100秒の範囲である。
また、図5にカップスクラブ洗浄装置の一例を示す。図5のカップスクラブ洗浄装置は、圧接する一対の回転ローラであるスポンジローラ50a,50bのニップ部でガラス基板1を挟み込み、上部に配設されたノズル20から洗浄液30をスポンジローラ50a,50bとガラス基板1との接触部近傍に滴下又はスプレー噴霧しながら、前記一対のスポンジローラ50a,50bを互いに同方向に回転させると同時に、ガラス基板1も支持ローラ40で支持しながら回転させることによりガラス基板1の表裏面全体を洗浄するものである。
なお、スクラブ部材としては、微粒子の補足性が良く、耐摩耗性に優れたスポンジが用いられるが、繊維状のブラシや布状のパッドなどを用いてももちろん構わない。
スポンジ材としては、特に限定されず、例えば、セルローススポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ、ウレタンフォーム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)スポンジ、メラミンフォーム、ポリエチレンフォーム等の樹脂系スポンジ、天然ゴム(NR)スポンジ、クロロプレンゴム(CR)スポンジ、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)スポンジ、ブタジエン−アクリロニトリルゴムスポンジ等のゴム系スポンジ等で構成することができる。この中でも、スポンジ部分は、樹脂系スポンジで構成、すなわち樹脂を主材料として構成されているのが好ましい。また、前記樹脂は、ポリウレタン、メラミン樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール等の親水性樹脂材料であるのが好ましい。これにより、スポンジ部分による汚れ等の保持能力および洗浄液の担持能力をより優れたものとすることができ、また、ガラス基板との接触面積も多くなり、より、汚れの除去能力があがる。さらにスポンジへの過酸化水素水の添加を行なうことで、スポンジ表面の親水性をさらに向上させて、汚れの除去能力を高めることができる。
また、スポンジは、隣接する空孔同士が連通しているのが好ましい。これにより、スポンジを構成する多孔質体の空孔内により多くの汚れや洗浄液等を収容して、スポンジによる汚れ等の保持能力および洗浄液の担持能力をより優れたものとすることができる。
スポンジの空孔率が、20〜80%であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。これにより、スポンジの強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジによる汚れ等の保持能力および洗浄液の担持能力をより優れたものとすることができる。
スポンジは、その硬度が30〜70°であるのが好ましく、35〜55°であるのがより好ましい。これにより、スポンジの強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジによる汚れ等の保持能力および洗浄液の担持能力をより優れたものとすることができる。なお、ここで、硬度とは、JIS K7312に準拠して測定されたものをいう。
また、ガラス基板表面の研磨剤や異物などを効果的に除去するには、スクラブ洗浄を行う前に前述の洗浄液と同じ液体にガラス基板を接触させておくのが好ましい。接触させておく時間については特に限定はないが、ガラス基板表面に強固に付着した研磨剤や異物を、液体による若干の浸食作用によっては浮き上がらせるためには10分間以上接触させるのが好ましい。一方、ガラス基板の液体への接触時間が長いほど研磨剤や異物のガラス基板表面からの除去は容易となるが、ガラス基板の生産性が低下するので、好ましい接触時間は5〜30分間の範囲である。またガラス基板表面に異物が付着するのを防止する観点からは、スクラブ洗浄直前までガラス基板を液体と接触させておくことが推奨される。
ガラス基板表面を液体と接触させる形態としては、液体を貯溜した容器内にガラス基板を浸漬する形態や、ガラス基板に対して液体を散水する形態、液体を含浸させた布をガラス基板に被覆する形態など従来公知の形態を採用することができる。この中でも、ガラス基板表面全体が確実且つ均一に液体と接触できる点で、ガラス基板を液体に浸漬させる形態が好ましい。
このようにして、本発明に係るスクラブ洗浄がなされ、ガラス基板表面に付着した研磨剤や異物が除去される。
スクラブ洗浄がなされたガラス基板に対して、必要により乾燥処理(不図示)が行われる。乾燥処理は具体的には、ガラス基板をIPA(イソプロピルアルコール)中に浸漬し、IPA中に洗浄液成分を溶け込ませ、基板表面の被覆液体をIPAと置換した後、さらにIPA蒸気中にさらしながら、IPAを蒸発させてガラス基板を乾燥させるものである。そしてその後、必要により検査が行われる。基板の乾燥処理としてはこれに限定されるわけではなく、スピン乾燥、エアーナイフ乾燥などガラス基板の乾燥方法として一般的に知られた方法であってももちろん構わない。
(テクスチャ加工工程)
次に、ガラス基板についてテクスチャ加工が施される。このテクスチャ加工はテープ研磨方法を利用してガラス基板表面に同心円状の筋模様を形成するものである。テクスチャ加工によって、磁気ディスク媒体に磁気異方性が与えられ、磁気記録媒体としての磁気特性が向上すると共に、ハードディスクドライブの非作動時における磁気ヘッドと磁気ディスク表面との吸着が防止される。
テクスチャ加工液としては、砥粒を液中に均一に分散させ、また加工液保管中の砥粒の沈降を防止するため、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系化合物の界面活性剤を約1〜25質量%含有した水溶液中に約0.01〜5質量%の砥粒を分散させたスラリーが使用される。
砥粒としては、単結晶又は多結晶のダイヤモンド粒子が使用される。このダイヤモンド粒子は、その粒子形状が規則正しく、粒子サイズ及び形状にバラツキがなく、硬質であり、耐薬品性及び耐熱性に優れており、特に、多結晶ダイヤモンド粒子は、単結晶のものと比較すると、その粒子形状が角のない丸い形状であるため、超精密研磨加工に用いる砥粒として広く使用されている。
テクスチャ加工後におけるガラス基板の最表面の表面粗さRaは0.3nm以下であるのが望ましい。表面粗さRaが0.3nmより大きいと、磁気ディスクとしたときに、磁気ヘッドと磁気ディスク表面との距離を小さくできず、磁気ディスクの記録容量を増大させることができないからである。
次に、上記のようにして作製したガラス基板を用いた磁気記録媒体について説明する。
以下、図面に基づき磁気記録媒体について説明する。
図2は磁気記録媒体の一例である磁気ディスクの斜視図である。この磁気ディスクDは、円形の情報記録媒体用ガラス基板1の表面に磁性膜2を直接形成されている。磁性膜2の形成方法としては従来公知の方法を用いることができ、例えば磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を基板上にスピンコートして形成する方法や、スパッタリング、無電解めっきにより形成する方法が挙げられる。スピンコート法での膜厚は約0.3μm〜1.2μm程度、スパッタリング法での膜厚は0.04μm〜0.08μm程度、無電解めっき法での膜厚は0.05μm〜0.1μm程度であり、薄膜化および高密度化の観点からはスパッタリング法および無電解めっき法による膜形成が好ましい。
磁性膜に用いる磁性材料としては、特に限定はなく従来公知のものが使用できるが、高い保持力を得るために結晶異方性の高いCoを基本とし、残留磁束密度を調整する目的でNiやCrを加えたCo系合金などが好適である。具体的には、Coを主成分とするCoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPtや、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoCrPtSiOなどが挙げられる。磁性膜は、非磁性膜(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割しノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。上記の磁性材料の他、フェライト系、鉄−希土類系や、SiO2、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、FeCo、CoNiPt等の磁性粒子を分散された構造のグラニュラーなどであってもよい。また、磁性膜は、内面型および垂直型のいずれの記録形式であってもよい。
また、磁気ヘッドの滑りをよくするために磁性膜の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、例えば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
さらに必要により下地層や保護層を設けてもよい。磁気ディスクにおける下地層は磁性膜に応じて選択される。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。Coを主成分とする磁性膜の場合には、磁気特性向上等の観点からCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁性膜の摩耗や腐食を防止する保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、シリカ層などが挙げられる。これらの保護層は、下地層、磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成できる。また、これらの保護層は、単層としてもよく、あるいは、同一又は異種の層からなる多層構成としてもよい。なお、上記保護層上に、あるいは上記保護層に替えて、他の保護層を形成してもよい。例えば、上記保護層に替えて、Cr層の上にテトラアルコキシシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して二酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
上記の様にして得られる本発明の情報記録媒体用ガラス基板を基体とした磁気記録媒体を用いることで、高速回転時の磁気ヘッドの動作を安定にすることができる。
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、磁気記録媒体に限定されるものではなく、光磁気ディスクや光ディスクなどにも用いることができる。
(実施例1〜5、比較例1〜6)
(1)溶融、プレス工程
ガラス材料としてTgが480℃のアルミノシリケートガラスを用い、溶融ガラスをプレス成形してブランク材(外径68mm、厚さ1.3mm)を作製した。
(2)コアリング工程
次に円筒状のダイヤモンド砥石を用いてガラス基板の中心部に円孔(直径18mm)を開けた。
(3)第1ラッピング工程
ガラス基板の両表面を研磨機(HAMAI社製)を用いて研磨した。
研磨条件としては、ダイヤモンドペレットとしては、#1200メッシュを用い、荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。
得られたガラス基板の厚さは、0.9mm、表面粗さはRmaxが1.5μm、Raが1.0μmであった。
(4)内・外径精密加工工程
鼓状のダイヤモンド砥石により内・外径加工をい、内径20mm、外径65mmとした。
(5)端面加工工程
内・外加工工程を終えて得られたガラス基板を100枚重ね、端面研磨機を用いて、内周及び外周の端面を研磨した。
研磨機のブラシ毛は、直径0.2mmのナイロン繊維を用いた。研磨液は、粒径3μmの酸化セリウムを用いた。得られたガラス基板の内周の端面の面粗さは、Rまxが0.3μm、Raが0.03μmであった。
(6)第2ラッピング工程
ガラス基板の両表面を研磨機(HAMAI社製)を用いて研磨した。
研磨条件としては、ダイヤモンドペレットとしては、#1200メッシュを用い、荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが3μm、Raが0.3μmであった。
(7)化学強化工程
次に、ガラス基板を化学強化処理液に浸漬して化学強化工程を行った。化学強化処理液には、硝酸カリウム(KNO3)と硝酸ナトリウム(NaNO3)の混合溶融塩を用いた。混合比は質量比で1:1とした。また、化学強化処理液の温度は400℃、浸漬時間は40分とした。
(8)研磨工程
次に研磨工程の第1ポリッシング工程として、研磨機(HAMAI社製)を用い、パッドに硬度Aで80度の発泡ウレタンを用いた。研磨材は、平均粒径1.5μmの酸化セリウムを水に分散させてスラリー状にして用いた。水と研磨剤との混合比率は、2:8とした。荷重100g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。研磨量を30μmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが30nm、Raが3nmであった。
次に第2ポリッシング工程として、研磨機(HAMAI社製)を用い、パッドに硬度Aで70度の発泡ウレタンを用いた。研磨材は、平均粒径60nmの酸化セリウムを水に分散させてスラリー状にして用いた。水と研磨剤との混合比率は、2:8とした。荷重90g/cm2とし、上定盤の回転数30rpm、下定盤の回転数10rpmとした。研磨量を3μmとした。
得られたガラス基板の表面粗さはRmaxが5nm、Raが0.3nmであった。
(9)スクラブ洗浄工程
第2ポリッシング工程の終了後、図4に示した洗浄装置でスクラブ洗浄を行った。洗浄液としては、過酸化水素濃度が表1に示すような過酸化水素水を用いて、スクラブ洗浄を行った。洗浄液の供給は、スプレー噴霧によって、スクラブ洗浄開始3秒前からスクラブ洗浄終了時まで連続して、毎分100mlの量を供給した。スクラブ部材のスポンジとしては、ポリビニルアルコールスポンジを用いた。空隙率は、50%で、硬度は、45°(JIS K7312)であった。
このようにして実施例1〜5及び比較例1〜6において、ガラス基板をそれぞれ10000枚づつ作成し、初期の100枚と最後の9900枚目から10000枚までの100枚の汚れの評価を行った。
作製したガラス基板の汚れの検査は、走査型レーザーディスク表面検査装置を用いて行し、ガラス基板表面の微小物付着に関して評価した。100枚の微小付着物の数の合計を比較例1の過酸化水素濃度0%のものを1として相対評価した。ランクは、付着物の数が0〜0.5を◎、0.5を越えて0.7までを○、0.7を越えて0.8までを△、0.8を越えて1までを×とした。なお付着物の数が相対値で0.8を超えると磁気ディスクでのヘッドの読み取りエラーの発生が高くなるので0.8以下が製品として要求される。
評価結果を表1に示す。
表1において、初期の100枚の結果では、比較例1〜3は、洗浄液の過酸化水素濃度が0〜0.4と薄く、スクラブ部材の表面の親水性があまり向上せずに、スクラブ部材とガラス基板との接触面積が不十分のために、効果的な洗浄ができないことが分かる。また、耐久後である9900枚目から10000枚目までの100枚では、比較例4〜6では、洗浄液の過酸化水素濃度が5.6〜10.0と濃く、スクラブ部材の表面が耐久とともに劣化して、効果的な洗浄ができなくなっていることがわかる。
このように実施例1〜5の過酸化水素濃度が0.5〜5.0質量%の範囲であると、初期及び耐久後においても良好な洗浄効果があることがわかる。

Claims (9)

  1. ガラス基板をスクラブ部材と洗浄液を用いて洗浄するスクラブ洗浄工程を有する情報記録媒体用ガラス基板の製造方法において、
    前記洗浄液として、0.5〜5.0質量%の過酸化水素を添加した水を用いて、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記洗浄液として、1.0〜3.0質量%の過酸化水素を添加した水を用いて、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、前記ガラス基板を研磨する研磨工程を有し、
    該研磨工程の後に、前記ガラス基板をスクラブ洗浄することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記スクラブ部材が表面にスポンジを有する回転ローラであり、該回転ローラを前記ガラス基板の表面に接触させてスクラブ洗浄を行うものであって、
    前記洗浄液を前記回転ローラと前記ガラス基板との接触部近傍に滴下することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記スポンジは、空孔率が20〜80%であることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記スポンジは、硬度が30〜70であることを特徴とする請求の範囲第4項又は第5項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  7. 前記スポンジが親水性樹脂材料からなることを特徴とする請求の範囲第4項乃至第6項の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  8. 請求の範囲第1項乃至第7項の何れか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法により製造されたことを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
  9. 請求の範囲第8項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の表面に磁性膜を有することを特徴とする磁気記録媒体。
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