JP2007188611A - 磁気記録媒体用シリコン基板の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用シリコン基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録ヘッドの浮上高さを従来よりも低くすることが可能となり、更に磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られる高記録密度化を実現できるシリコン基板を提供する。
【解決手段】(1)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、(2)異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、(3)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いるとともに、異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工とからなる一群から選ばれるテクスチャー加工を用いて、シリコン基板表面にテクスチャーを形成する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体および磁気記録媒体用シリコン基板の製造方法に関するものである。
磁気記録の記録密度(面密度)の向上は非常に急激で、ここ10年間の間、年率50〜200%の急激な向上が継続的に進んできた。量産レベルで70Gbit/inch2の製品が出荷され、実験室レベルではその倍の160Gbit/inch22の面記録密度が報告されている。量産レベルの面記録密度は、3.5"HDDで1プラッター当たり80Gbyteに相当し、2.5"HDDでいうと1プラッター当たり40Gbyteに相当する。この記録容量は、通常のデスクトップパソコン(3.5"HDD搭載)やノートブックパソコン(2.5"HDD搭載)の使用用途では、1プラッターの記録メディア搭載で十分な容量である。
記録密度は今後も向上が期待されている。ただ、従来の水平磁気記録方式は熱揺らぎの記録限界が迫っており、100〜200Gbit/inch2の記録密度に到達するところで、垂直磁気記録に順次移行していくものと考えられている。垂直磁気記録の記録限界がどの当たりにあるかは現時点では定かではないが、1000Gbit/inch2(1Tbit/inch2)は達成可能と考えられている。このような高記録密度が達成できると、2.5"HDD1プラッター当たり600〜700Gbyteの記録容量が得られることになる。
但し、高密度記録を実現するためには、磁気記録ヘッドの浮上高さを従来の30nmから10nm以下にしなければならなく、基盤面の平滑化が必須となってきている。しかし、最近ミクロレベル(ラフネス)での面粗さが小さすぎると、ヘッドが基板に吸着したり、ヘッド浮上安定性が低下してしまう問題が発生することが判ってきた。つまり、基板のウエビネス、マイクロウエビネスは極力小さくし、ラフネスを0.3〜2.0nm程度有する基板が理想といえる。(磁性膜を有する磁気記録媒体に用いる基板のウエビネスは5〜100mm、マイクロウエビネスは80μm〜5mm、ラフネスは〜80μmの観察範囲の粗さを表すのに用いられる。)
また、磁気記録においては単位面積当たりの記録密度を向上させた場合、当然のことながら磁気記録単位(ビット)の体積を縮小して行く必要がある。しかしながら磁性理論の原理的問題から、記録を担う強磁性材料はそれを発現している磁性体の体積を減少させていった時、どこまでも安定に保たれている訳ではない事が分かっており、室温での熱エネルギーkT(k:ボルツマン定数、T:絶対温度)と強磁性体を一方向に保持している異方性エネルギーKuV(Ku:異方性エネルギー、特に磁気記録の場合は結晶磁気異方性エネルギー、V:単位記録ビット体積)の競合により、磁気記録単位の体積が極端に小さくなりkT〜KuVに近くなると強磁性体の磁化状態が不安定となることが知られている。このように磁化単位が強度に小さい場合、強磁性体が常磁性体のようになる状態を超常磁性と呼び、各材料により超常磁性になる限界寸法(臨界体積)があることが知られている。実際の磁気記録においては記録密度を上げることで記録単位体積が臨界寸法近くまで縮小すると、超常磁性に至る以前に強磁性状態の磁化状態が時間とともに早く減衰し、磁化方位がランダムな方向に向くことで磁気記録情報が変質するという問題が生ずる。磁気記録においてこのような現象が起きると、折角書き込んだ記録情報がある時間経過すると読み出せなくなったり、書き込み自体ができなくなったりするという極めて深刻な問題を生ずる。
シリコン基板の面粗化方法としては、その化学的特性から、塩素によるドライエッチング方法(特許文献1)や水酸化アルカリによる処理方法(特許文献2)などがあるが、この手法では、面粗度をコントロールすることは可能であるが、基板面全体を均一な面粗さ(ラフネス)に仕上げることは出来ていない。つまり、エッチング時の基板が静置された状態で不均一な雰囲気下でエッチングされるため、選択エッチングが発生し、基板に残る加工歪の影響で傷が浮き出てしまう為である。このように単に酸またはアルカリエッチングでは均一な面粗さ(ラフネス)は得られないのが現状である。また、この処理だけでは、磁気記録膜に磁気異方性が得られない。
特開平7−263406号公報 特開昭53−57144号公報
ハードディスク媒体においては基板表面に適切なテクスチャーを施した基板を用いると、上面に形成される記録膜の基板面内方向の磁気異方性が発現し前記Kuの値が大きくなることが経験的に知られており、高記録密度のハードディスク媒体を得る為には基板に適切なテクスチャー処理を施すことが必須となる。ハードディスク基板においてはヘッド浮上安定性のために適度な粗さを維持しつつ、前記磁気異方性を付与する為に基板の周方向に同心円状のテクスチャーを施す処理が必要とされている。
本発明者は、テクスチャリングによって基板面の面粗度(ラフネス)をコントロールし、ヘッド浮上安定性を確保しつつ、磁気記録膜に磁気異方性が得られ、高記録密度が達成できる磁性膜を有する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板とその製造方法を検討してきた。しかし、シリコン基板表面には1〜10nm程度の酸化膜が形成されており、テクスチャリング時にこの酸化膜の影響でテクスチャーが基板に入れることができず、面粗度のコントロールが困難であった。また、テクスチャーが入ったとしても、粗さが不安定で安定したテクスチャリングが難しかった。
本発明者は、このような課題を解決するために、種々検討を重ねた結果、好ましくは、磁気記録媒体シリコン用基板のテクスチャリング時に性質の異なる遊離砥粒スラリーおよびテープを時系列で組み合わせると共に、加工圧力を時系列でコントロールする機械的テクスチャー 加工を行い、周方向および径方向にテクスチャーを施し、均一に基板面の面粗度(ラフネス)が得られると共に、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られできることを見出し、詳細な条件を見極めて本発明を完成したものである。
具体的には、(1)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、(2)異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、(3)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いるとともに、異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工とからなる一群から選ばれるテクスチャー加工を用いて、シリコン基板表面にテクスチャーを形成する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法を提供する。また、この製造方法で得られたシリコン基板を含んでなる磁気記録媒体を提供する。
なお、異なる素材の砥粒は、もととなる材料、原料が異なる砥粒をいい、単に粒径のみが異なる砥粒は素材が異なる砥粒とはいわない。また、材質の異なるテープは、ナイロンやポリエステル等の素材の異なるテープ、素材は同じでも織物や不織物にようにその性質の異なるもの等も含む。
本発明により、磁気記録ヘッドの浮上高さを従来よりも低くすることが可能となり、更に磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られる高記録密度化を実現できる。
本発明で用いられるシリコン基板は、例えば単結晶シリコン、多結晶シリコン等、P型、N型、製造方法については特に制限はない。つまり、シリコン自体の電気的特性には左右されないため、廃棄される再生ウエハーなどを用いて製造することも可能であり、原料コストを低く抑えることができるのも特徴である。
本発明は、特にシリコンを用いた磁気記録媒体基板において、テクスチャリング前に酸化膜を除去した磁気記録媒体用シリコン基板の表面を、テクスチャリングによって周方向および径方向にテクスチャーを施し、均一に基板面の面粗度(ラフネス)が得られる共に、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られるというものである。
表面酸化膜が存在すると、テクスチャリングが均一にかからず磁気記録膜に均一な磁気異方性およびヘッド浮上安定性が得られなくなる。この原因としては、シリコンの表面に存在する酸化膜は二酸化ケイ素であり、いわゆる石英ガラスが基板表面に存在することになる。シリコンと石英ガラスのモース硬度は7で表されるが、実際は、石英ガラスの方が若干柔らかく、その影響でテクスチャーが均一にかからないと考えられる。
シリコンは、切削や研磨直後から徐々に表面酸化が進み表面に酸化膜を形成する。酸化の進み方は、シリコン中のドーパント(ホウ素、リンなど)の量によって異なるが、大気中放置や化学洗浄(RCA洗浄など)によって形成される。膜厚としては、1〜10nm程度である。膜厚としては、それほど厚いものではないが、テクスチャーのようにナノレベルで表面にテクスチャーをかける場合、この酸化膜が無視できない。酸化膜は、研磨直後は存在せず、洗浄、乾燥、検査、保管の一連の工程で徐々に形成される。
酸化膜の除去方法としては、研磨、化学処理等が挙げられる。本発明は、表面を処理し、スクラブ洗浄後ただちに連続してテクスチャリングすることで、問題を解決できることを見出した。
酸化膜の除去方法としての一方法である化学処理としては、薬液により除去する方法が挙げられるが、具体的には、酸化膜である二酸化珪素に有効な薬剤として、フッ素基を含む化合物が挙げられる。例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウムなど、二酸化珪素を溶かす働きのある薬剤にシリコン基板を1〜60秒程度浸漬し、酸化膜を除去した後、テクスチャリングすることで、問題を解決できることを見出した。
研磨の場合は、基本的に両面研磨機による両面研磨であり、両面には研磨布が貼り付けてあるものを使用し、湿式で砥粒を用いて研磨する。
テクスチャリングの方法としては、遊離砥粒を用いて、内径スピンドルに固定された基板を両面からテープで挟み、スピンドルの回転によって周方向に、スピンドルの揺動により径方向に連続してテクスチャリングを施す。径方向のテクスチャリングについては、テクスチャー機の構造上、径方向に平行では無く、斜めに入るようなテクスチャーとなる。
テクスチャーは基本的には周方向に入るが、揺動および揺動周波数により、径方向に入れることができる。しかし、径方向に真っ直ぐに入ることは、構造上難しく、斜め方向にテクスチャリングが形成される。基板の回転数と揺動の周波数によって角度が決まる。本発明においてテクスチャーは、周方向に溝をつけるとともに径方向にも溝をつけることをいう。
テクスチャリングの具体例を図1に示す。シリコン基板1をaのように回転させながら、各種砥粒スラリー5を滴下し、テープ3を基板両面にローラー4で押付けながらテクスチャリングをシリコン基板面2に行う。このとき、基板をbのように揺動させることで周方向のラインがクロスし、径方向にも溝をつけることができる。周方向の溝は磁気異方性を持たせるためであり、径方向の溝はヘッドに吸着防止に効果があると考えられる。
テクスチャリングに用いるテープは、不織布(電池のセパレーターのようなもの)と織物に大きく分けることができる。織物としては、植毛タイプ(ピアノのカバーのような材質)のもの、不織布はナイロン、ポリエステル等を用いて、テープの材質を変化させてテクスチャリングさせることもできる。
本発明では、テクスチャリング時にこの酸化膜を除去するための研磨モードを取り入れることで、研磨直後と同じく酸化膜のない基板とし、シリコン基板へのテクスチャリングを可能にした。
第一の手法は、研磨時に使用する砥粒(コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、ヒュームドシリカ、酸化セリウムなど)をテクスチャリング機のヘッド部に滴下し研磨した後、テクスチャー用砥粒(アルミナ、ダイヤモンドなど)に切り替えてさらに研磨し、目標の粗さを有するテクスチャー基盤を得るものである。この場合、砥粒ごとにテクスチャー用マガジンを別にして処理しても同等のものが得られることは言うまでも無い。
第二の手法は、砥粒は同一として、テクスチャー時の圧力コントロールにて酸化膜を除去し、目標の粗さを有するテクスチャー基盤を得るものである。
第三の手法は、砥粒の変更および圧力コントロールを組み合わせることにより、酸化膜を除去し、目標の粗さを有するテクスチャー基盤を得るものである。
第一の手法は、砥粒の変更を伴うため、少なくとも二段階のテクスチャーを連絡して行う。
第一段階のテクスチャーは、特に酸化膜除去を目的にして、用いる砥粒はシリコン基板を研磨する時に使用されるコロイダルシリカ、ヒューミイドシリカ、コロイダルアルミナ、酸化セリウム、ダイヤモンドなどで、その平均粒子径は300nm以下であることが好ましい。
第一段階で加えるシリコン基板へのローラー圧は、面圧として50〜200g(0.5〜2N)が好ましい。さらに100〜1000rpm、テクスチャリング時間5〜30秒、スピンドル揺動1〜50Hzで行うとよい。
第一の手法の第二段階のテクスチャリングに用いる砥粒は、シリコンより硬度の大きい、ダイヤモンド、アルミナ、酸化チタン、炭化ケイ素、炭化チタンが粒子を用いることが好ましく、第一段階のテクスチャーで使用した砥粒とは異なる粒子を用いることが好ましく、その平均粒子径が300nm以下である。シリコンの硬度(モース硬度)は7なので、それ以上の硬度を有する材料でその粒度が300nm以下であれば、上記に挙げた砥粒であっても構わない。その際の砥粒の切替は、同じ挿入口から砥粒を挿入して切替えるが、第一段階のテクスチャーの砥粒と第二段階のテクスチャーの砥粒の混合状態でテクスチャーを続けることもできる。
第二の手法は、好ましくは、加工圧力0.5〜2Nの開始段階と、加工圧力0.1〜100Nの最終段階の少なくとも二段階を含み、三段階以上を含むときは、加工圧力を開始段階の圧力と最終段階の圧力との間で連続して段階的に変化させる。
圧力は増加させる場合と、減少させる場合があり、その理由として、砥粒の研削性やテープの材質(不織布、織物布など)によるが、テクスチャーによる目標の面粗さを得るのにコントロールするからである。
圧力が減少方向の場合は、基板の酸化膜が厚いため、酸化膜を除去後、テクスチャーをかける場合であり、目標粗さによっては、三段目で再度圧力を増大させる場合もある。これは、あくまで設定した目標の粗さのためであり、基板の状態によって変化する。圧力増加の場合は、基板の酸化膜が薄いので、最初は低圧で研磨した後、テクスチャーをかける場合であり、目標粗さによっては、三段目で再度圧力を増大させる場合もある。
テクスチャー条件は、第一の手法と同じ条件で行えばよい。
第三の手法は、異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いるとともに、異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工を用いる。テープの切替は、テープ設置前に予め異なる材質のテープを継続させてテープを作成しておくことが望ましい。
また、テクスチャー条件は、第一の手法と同じ条件で行えばよい。
テクスチャリング後に、スクラブ洗浄又はRCA洗浄、その後の乾燥を行うことにより、均一なラフネスを持ちかつ磁気記録膜に磁気異方性が得られる磁気記録媒体用基板が得られる。
スクラブ洗浄は、好ましくは、ブラシもしくはスポンジ系(PVA、ウレタン等)の比
較的軟質な材質を用いると良い。RCA洗浄は、過酸化水素とアンモニアを含む水溶液で洗浄する方法であり、適宜、加温、超音波等を印加し、洗浄することができる。
乾燥は、好ましくは、温風、冷風、またはスピン式の乾燥がよい。
本発明の磁気記録媒体用基板は、ラフネス以外は極力平坦化し(磁性膜を有する磁気記録媒体に用いる基板のウエビネスは5〜100mm、マイクロウエビネスは80μm〜5mm、ラフネスは〜80μmの範囲の粗さを表すのに用いられる。)、情報を記録する面にある半径方向ライン数(密度)を好ましくは1μm当り10〜1000本、より好ましくは20〜300本、突起数を好ましくは1μm2当り10〜1000個、より好ましくは40〜500個とし、最大高さ(Ry)を10nm以下、平均面粗さ(Ra)を0.3〜2.0nmの範囲にすることで、基板面に対し磁気記録ヘッドを10nm以下にしても、吸着が起こらず、安定したヘッド浮上特性を有し、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られる磁気記録媒体用基板を提供できる。
半径方向ライン密度が1μm当り10〜1000本を外れた場合、磁気記録膜に良好な磁気異方性が得られない場合がある。
情報を記録する面にある突起数が1μm2当り40〜1000個から外れた場合、ヘッ
ドの浮上特性が不安定となってしまう場合がある。
図3(A)に本発明の表面処理シリコン基板を用いた磁気記録媒体11とヘッド12との関係、図3(B)に従来のシリコン基板を用いた磁気記録媒体111とヘッド12との関係を概念的に示す。図3(A)では、基板の回転により浮力が発生し、ヘッド浮上性が向上し吸着もしない。一方、図3(B)では、基板の回転により浮力が発生しないため、ヘッド浮上性が不安定となり吸着も発生する。すなわち、図3(A)のように、適度な粗さがあることにより、基板の回転によって生じた空気の層によってヘッドが浮上する現象で、ヘッド浮上特性が安定するものと考えられる。
最大高さが10nmを超えてくると、記録密度をアップするためにヘッドの浮上高さを低くした場合に、ヘッドと基板が接触してしまう。さらに、ヘッド浮上高さは10nm以下になってくるので、基板面の凹凸の最大高さを10nm以下にすることが好ましい。
平均面粗さが0.3nm未満だと、ヘッド浮上安定性が低下する上、ヘッドと基板の吸着が起こってしまい、平均面粗さが2.0nmを超えた場合、高記録密度を得るための基板面が得られない場合がある。
特に、周方向の平均粗さは0.1〜2nm、半径方向の平均粗さは0.3〜2.0nmが好ましい。ヘッドの特性によっては、周方向の平均粗さを0.2nm以上とすることが、ヘッドの吸着防止という点では好ましいと考えられる。
半径方向ライン数と突起数は、原子間力顕微鏡(アトミック・フォース・マイクロスコープ、AFM)による観察を行い、目視により測定できる。
平均面粗さと最大高さは、原子間力顕微鏡を用いて、観察エリアを10μm角として測定できる。
周方向の粗さと半径方向の粗さは、それぞれライン分析により測定できる。
周方向の平均粗さは、基板の外周から基板側に1mm以上入った地点(該当する場合には内周からも基板側に1mm以上入った地点)において10μm×10μmの範囲で周方向に向けて測定して得られる。径方向の平均粗さは、基板の外周から基板側に1mm以上入った地点(該当する場合には内周からも基板側に1mm以上入った地点)において10μm×10μmの範囲で径方向に向けて測定して得られる。
このようにして得られたシリコン基板に、磁性層、保護層をスパッタ、鍍金等により積層させることにより、磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、シリコン基板の各評価方法を説明する。
面粗さおよび最大高さの測定および突起の測定
原子間力顕微鏡(走査プローブ顕微鏡D3100 デジタルインスツルメンツ社製)を用いて、AFM観察を行い、面粗さを測定した。観察エリアは10μm角とした。突起およびライン数は、AFM観察を行い、目視により測定した。
工程能力指数
「工程能力指数」とは上記の工程能力を数値化したもので「ある特性において規格幅を6σで割った値」で定義され、1.33以上で工程能力十分と判断され、1以下は不十分と判断される。計算式として、下記式(1)を用いる。
Cp=(USL−LSL)/(6σ) ・・・(1)
上式中、Cpは工程能力指数、USLは上限規格値、LSLは下限規格値を表し、σは標準偏差を表す。
外観検査
テクスチャリング→洗浄→乾燥後のシリコン基板を、集光灯(10万ルクス)にて外観観察を行い、テクスチャーにむらがないか確認した。
実施例1〜4、比較例1〜4
AFM観察によりラフネスが0.15nm以下になる条件で、2.5インチシリコン(厚み0.65mm)基板を研磨し、スクラブ洗浄後、化学洗浄(過酸化水素とアンモニア使用)により洗浄した後、以下の条件で連続してテクスチャリングを行った。2.5インチシリコン基板は、各条件ごとに25枚づつテクスチャリングを行った。方法としては、シリコン基板を回転させながら、各種砥粒スラリーを滴下し、テープを基板両面にローラーで押付けながらテクスチャリングをシリコン基板面に行った。テクスチャリングは、砥粒の素材を固定し、ローラー圧を変更して行った。ローラ圧とテクスチャー時間を表1に示す。
スピンドル回転数:300rpm
ローラー圧:50〜500g
テープ材質:不織布(ナイロン製)
ローラー硬度:50duro
砥粒:ダイヤモンドスラリー
砥粒平均粒径:90nm
テクスチャー時間:10〜20秒(各段階で)
テクスチャリング後、各基板を洗浄、乾燥し、テクスチャリング入りの基板を得た。この基板を、AFMにて観察し、ラフネス(Ra)を測定した。得られたラフネス(Ra)の値より平均値、工程能力(Cp)値をもとめた。
図4及び図5に実施例1及び比較例1のAFMの写真を示すが、テクスチャリングが現れていることが分かった。また、比較例1をXPSにて表面分析を行った結果を図6に示す。これにより、2.5nmの酸化膜の存在が確認できたことから、この酸化膜の影響でテクスチャリングが旨く行えなかった可能性が高いと考えられる。
実施例5〜8
実施例1で用いたと同様なシリコン基板を準備し、ローラー圧を固定し、砥粒を段階的に変えてテクスチャリングを行った。砥粒の素材と各諸条件は、下記および表1の通りである。
スピンドル回転数:300rpm
ローラー圧:100〜200g
テープ材質:不織布(ナイロン製)
ローラー硬度:50 duro
砥粒平均粒径:コロイダルシリカ(40nm)、コロイダルシリカ(100nm)、ダイヤモンドスラリー(90nm)、ダイヤモンドスラリー(200nm)
テクスチャー時間:20秒(各段階で)
実施例9〜13
実施例1で用いたと同様なシリコン基板を準備し、ローラー圧、砥粒を段階的に変えてテクスチャリングを行った。砥粒の素材と各諸条件は、下記および表1の通りである。
スピンドル回転数:300rpm
ローラー圧:100〜200g
テープ材質:不織布(ナイロン製)、織物布(ポリエステル製)
ローラー硬度:50 duro
砥粒平均粒径:コロイダルシリカ(40nm)、コロイダルシリカ(100nm)、ダイヤモンドスラリー(90nm)、ダイヤモンドスラリー(200nm)
テクスチャー時間:20〜30秒(各段階で)
Figure 2007188611
実施例1〜4および比較例1〜4から、テクスチャリング時のローラー圧を段階的に変化させることで、効率よく、安定した粗さのテクスチャリングが可能であった。工程の能力も十分であると判断できた。これに対し、比較例1〜4については、固定された条件でテクスチャリングされており、規格内の粗さが得られないばかりか、基板間のバラツキが大きく工程能力不十分と判断された。また、外観検査においても、実施例1〜4はテクスチャーが基板全体にむら無く入っているのに対し、比較例1〜4はむらがあり、基板内に置いても安定したテクスチャリングが出来なかった。
実施例5〜13から、テクスチャリング時段階的にローラーを変えると共に砥粒を段階的に変えることで、更に安定した粗さのテクスチャーが可能となった。これは、前段の砥粒により、シリコン基板の酸化膜が効率よく除去され、その後に供給された後段の異なる材質及び粒径からなるダイヤモンドスラリーによって安定した粗さのテクスチャーが得られたと考えられる。
また、実施例5及び6と同条件で、テープ材質を変えた実施例12〜13より、ナイロン製不織布に比べ、ポリエステル製織物布の方が、テクスチャーが強くかかり、粗さが大きくなることが分かった。この結果より、目標粗さに応じてテープ材質を変更することも有効な手段と考えられる。
テクスチャリングの具体例を示す。 シリコン基板表面のテクスチャ−を示す。 (A)は本発明の表面処理シリコン基板を用いた磁気記録媒体とヘッドの関係を示し、(B)は従来のシリコン基板を用いた磁気記録媒体とヘッドの関係を示す概念図である。 実施例1の表面処理シリコン基板のAFM写真である。 比較例1のシリコン基板のAFM写真である。 比較例1の基板表面のXPS測定結果を示す。

Claims (6)

  1. (1)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、
    (2)異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と、
    (3)異なる素材の砥粒を含む遊離砥粒スラリー及び/又は異なる材質のテープを用いるとともに、異なる加工圧力を用いる少なくとも二段階のテクスチャー加工と
    からなる一群から選ばれるテクスチャー加工を用いて、シリコン基板表面にテクスチャーを形成する磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法。
  2. 上記テクスチャー加工が、シリコン基板面の半径方向のライン密度を1μm当たり10〜1000本、突起数を1μm2当り10〜1000個とし、平均面粗さを0.3〜2.0nmの範囲とするテクスチャーを生じさせる請求項1に記載の磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法。
  3. 上記テクスチャー加工が、シリコン基板面の半径方向の粗さを0.3〜2.0nmの範囲とし、周方向の粗さを0.1〜2.0nmとするテクスチャーを生じさせる請求項1又は2に記載の磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法。
  4. 上記砥粒が、ダイヤモンドと、アルミナと、酸化チタンと、炭化ケイ素と、炭化チタンとからなる一群から選ばれ、300nm以下の平均粒径を有する請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板 の製造方法。
  5. 上記テクスチャー加工が、上記(2)又は上記(3)のテクスチャー加工であり、加工圧力0.5〜2Nの開始段階と、加工圧力0.1〜100Nの最終段階の少なくとも二段階を含み、三段階以上を含むときは、加工圧力を開始段階の圧力と最終段階の圧力とのの間で段階的に変化させる請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ディスク用テクスチャー入りシリコン基板の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られたシリコン基板を含んでなる磁気記録媒体。
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