JP2008310897A - 磁気記録媒体用基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 基板端面の面ダレを改善した磁気記録媒体が得られ、加工コストを削減可能で、自動化に適した磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板について、研削条件を2段階以上に変えて超砥粒砥石または砥粒により機械研削することにより、研削後の加工面における加工変質層が1μm以下になるようにする工程を含む磁気記録媒体基板の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、磁気記録媒体用基板の製造方法に関する。
磁気記録の記録密度(面密度)の向上は非常に急激で、量産レベルで100Gbit/インチ2の製品が出荷され始めており、実験室レベルではその倍の200Gbit/インチ2以上の面記録密度が報告されている。この記録密度では、通常のデスクトップパソコン(3.5”HDD搭載)やノートブックパソコン(2.5”HDD搭載)の使用用途では、既に充分な容量である。しかし、最近ビデオレコーダーや音楽用小型ハードディスクドライブ[HDD]の普及に伴い、更に高密度化して大容量にする必要性が増えてきている。
記録密度は今後も向上が期待されている。ただ、従来の水平磁気記録方式は熱揺らぎの記録限界にほぼ達しており、100Gbit/インチ2〜200Gbit/インチ2の記録密度に到達するところで、垂直磁気記録に順次切り替わりつつある。垂直磁気記録の記録限界がどの当たりにあるかは現時点では定かではないが、500 Gbit/インチ2以上で、1000 Gbit/インチ2 (1Tbit/インチ2)まで達成可能と考えられている。このような高記録密度が達成できると、2.5” HDD1プラッター当たり600〜700 Gbyteの記録容量が得られることになる。
テレビ録画用途などを除いて、通常の用途では2.5”HDD以下の口径で充分間に合う。2.5” よりも小口径の記録メディアも実用化されており、1.8”HDD、1”HDDがあり、過去には1.3”HDDが発売されたこともある。パソコン(特にノートパソコン)以外に、デジタルカメラ・情報端末や携帯音楽機器・携帯電話など幅広いモバイル用途に使える。
HDDの記録メディアの基板には主に、3.5”基板がAl合金基板、2.5”用にガラス基板が使用されている。ノートブックパソコンのようなモバイル用途ではHDDが衝撃を受ける可能性が高く、これらに搭載される2.5”HDDは、ヘッドの面打ちで記録メディアやヘッドが傷ついたり、データが破壊される可能性が高いので、硬度の高いガラス基板が使用されるようになった。2.5”以下の小口径基板において、主にガラス基板が使用されている。
しかしながら、2”以下の小口径基板はモバイル用途で主に用いられるので、ノートブックパソコンに搭載されている2.5”基板以上に、耐衝撃性が重要である。また、より小型にする必要から基板を含めた部品全体の小型化・薄型化が求められる。2.5”基板の標準厚みである0.635mmより更に薄い板厚が、2”以下の基板では求められる。例えば1”基板厚みは0.381mmである。このような小口径基板に要求される仕様か
ら、ヤング率が高く薄板でも充分な強度が得られ、製作しやすい基板が求められている。ガラス基板はアモルファス強化ガラスで0.381mm厚の1”基板が実用化されている
が、これ以上の薄板化がしにくい。また、ガラス被処理基板は概ね0.8mm台の板厚のものを使用するが、HDD用被処理基板に要求されるガラス組成では製作上これ以上の薄板化はしにくい。そのため、0.8mm台の板厚から0.5mm台や更にそれ以下の板厚まで、ラップ研磨で調厚する必要がある。調厚するため、ラップ時間がかなり長くなり、加工時間や加工コストの上昇を招き望ましくない。
また、ガラス基板は当然非導電体であるので、スパッタ成膜において基板上のチャージアップの問題があるので、磁性膜との良好なコンタクトを確保するため、基板と磁性膜との間にバッファ金属膜を入れる必要がある。この技術課題は基本的に克服されているが、スパッタ成膜過程でガラス基板の使用を難しいものにしている要因の1つである。基板に導電性が付与できるのであればそれに越したことはないが、ガラス基板では難しい。
その他のサファイアガラス、SiC基板、エンジニアリングプラスティック基板、カーボン基板などの代替基板が幾つも提案されたが、強度・加工性・コスト・表面平滑性・成膜親和性などの評価基準から、小口径基板の代替基板としては何れも不充分である。
本発明者らはSi単結晶基板をHDD記録膜基板として使用することを提唱している。Si単結晶基板は基板平滑性や環境安定性や信頼性に優れ、剛性もガラス基板と比較して高いので、HDD基板として優れている(例えば、特許文献1を参照)。ガラス基板とは異なり、導電性は少なくとも半導体特性である。また、通常のウェハでは何等かのP型もしくはN型のドーパントが含まれていることが多いので、導電性は更に高い。したがって、ガラス基板のようなスパッタ成膜時のチャージアップ問題はなく、Si基板上への金属膜の直接スパッタ成膜が可能である。また、熱伝導性も良好であるので、基板加熱も容易で、スパッタ成膜工程との親和性も大変良好である。
Si単結晶基板は半導体IC用に、主に直径150mmから300mmまでのウェハで、特に面方位(100)のものが主に量産されている。現在流通量の多い150mmないし200mmウェハからコア抜きにより、所望の小口径基板を切り抜いてから所定の形状に仕上げている。
図3はSiウェハを被処理基板として使用し、HDD用磁気記録媒体基板を製作する従来から行われている概略工程である。かかる工程ではまず、Siウェハについてコア抜き、芯取りを行い、ラップ加工21、端面研磨、1段研磨23および2段研磨24からなる研磨工程を行う。
まずラップ加工21は、具体的には、基板表面の凸凹を平滑( 1〜 3μ)にし、加工変質層を一定レベル( 4〜 7μm)に抑えることと板厚を所定の厚みに揃えることを目的としてラップ定盤を用いて行っている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら上述のようにSiウェハを加工すると、通常基板表面の結晶が崩れたり、マイクロクラックが入ったりすることにより材質的に変化し、加工変質層が発生しやすいという問題がある。またラップ加工は厚み制御がしにくくバラツキが大きい、自動化がしにくい、廃液の環境性などの問題が発生している。
研磨(ポリッシュ)を行う基板は、上記加工変質層がない状態にあることが望ましく、図3の従来工程ではラップ加工21をした後、研磨工程に先立ち、通常エッチング22によって加工変質層を除去している。しかしながらエッチングしてしまうと精度を出した面が劣化してしまうことになる。
ポリッシュ工程自体についても研磨パッドやスラリーの管理が大変である点や、研磨時間が長く自動化がしづらいなど加工コスト上の問題が起きている。
また半導体ウェハでは問題にならなかった端面の面ダレもHDD磁気記録媒体基板用としては改善が必要である。面ダレが大きいと記録再生ヘッドが基板上の面ダレ部分に追従できなくなり、記録容量が大きく制約されるという問題が起きるからである。
特開平6−68463号公報 特開2005−050506号公報
本発明は、上記現状に鑑み、基板端面の面ダレを改善した磁気記録媒体基板が得られ、加工コストを削減可能で、自動化に適した磁気記録媒体基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明にかかる磁気記録媒体の製造方法は、単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板について、研削条件を2段階以上に変えて超砥粒砥石または砥粒により機械研削することにより、研削後の加工面における加工変質層が1μm以下になるようにする工程を含むものである。
本発明にかかる磁気記録媒体基板の製造方法は、また、単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板についてコア抜きおよび芯取りを行う工程と、前記芯取りにより発生した加工変質層をエッチングにより除去する工程と、前記被処理基板の端面について鏡面化するまで研磨を行い、被研削基板を得る工程と、前記被研削基板について、上記2段階以上の機械研削を行う工程と、前記機械研削を行った基板について研磨を行う工程と、洗浄工程とをこの順に含むものである。
本発明の磁気記録媒体基板の製造方法を用いることにより、磁気記録媒体用シリコン基板の自動化製造が容易となり、寸法のバラツキを少なくすることができる。
本発明の磁気記録媒体基板の製造方法によれば、研磨に先立ちエッチングを行う必要がなくなり、さらに研磨量を低減させることができるので基板の端面における面ダレを改善することができる。
本発明にかかる磁気記録媒体基板の製造方法(以下、「本発明の製法」という)は、特にSiウェハからコア抜き加工により製作した、小口径の磁気記録媒体基板の製造、例えば、直径が65mm以下(ここで記述している口径は呼び径である)の磁気記録媒体基板の製造に好適に用いられる。かかる磁気記録媒体基板は、例えば、ノートブックパソコンのようなモバイル用途のハードディスクドライブ[HDD]の磁気記録媒体基板等に好適に採用することができる。
以下に、本発明の製法を、図1のフローチャートを参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する形態に制限されるものではない。
本発明者が検討した工程を図1に示す。
図1では、従来のラップ工程21、1段研磨工程23を集約して2段階もしくは2段階以上に分けて研削加工11を行っている。このような工程を採用した場合でも、研削加工を行った基板には加工変質層が残留しているので、本来であればエッチングを行う必要があるが、エッチングしてしまうと上述のように精度を出した面が劣化してしまうことになる。
一方、エッチングを行わず、深い加工変質層を残したまま研磨(ポリッシュ)を行うと加工変質層が取りきれず、ピットなどの表面欠陥となって現れ、歩留を悪くするおそれがある。
本発明者は鋭意検討した結果、加工変質層を1μm以下に抑えることができれば、エッチングをしなくても少量の研磨を行う研磨工程12で該加工変質層を除去できることを発見した。
すなわち、本発明の製法は、2段階以上にわけて機械研削11を行い、該機械研削11に引き続き行われる研磨工程12で除去できる程度に加工変質層を低減させることよりなる。具体的には、該加工変質層の厚さが1μm以下に抑えられるまで研削を行うことよりなる。
本明細書において、2段階以上の機械研削における「研削」とは、超砥粒を結合材に分散させた固定砥粒(砥石)を用い、機械的な定寸切り込みにより、高効率に寸法精度を確保し形状精度、加工変質層をできるだけ小さくすることを意味する。一方、「研磨」とは、コロイダルシリカなどの遊離砥粒と軟らかい研磨パッドを用い、前加工で得られた形状精度を崩さずに、平滑化および加工変質層除去を行い仕上げ加工とすることを意味する点で、「研削」と「研磨」とは概念上明確に区別される用語である。
本発明にかかる機械研削は、まず板厚を従来の1段研磨工程の前の水準の寸法に仕上げる調厚と、加工時間の短縮とを目的として好ましくは#600以上の砥石(25μm以下)で第1機械研削11a(粗研削)を行うことからなる。第1機械研削11aに用いる砥石の粒度を粗くしすぎると加工変質層が深くなり、引き続き行う第2機械研削11bで取り去るためには研削量を多くしなければならないという問題が発生する。
次に厚みバラツキ±1μm調厚をすませたシリコン基板に対して超砥粒砥石により第2機械研削11b(精密研削)を行う。
超砥粒砥石とはダイヤモンド、CBN等の研削力が高い砥粒を指すが、シリコンの研削にはダイヤモンドが有効である。ワークの表面粗さを低減させるためにダイヤモンド粒の微粒化が有効であり、#3000以上(5μm以下)、好ましくは#5000〜#12000の砥石を使用することができる。従来の1段研磨を経た面の面精度(平滑性(Ra)0.2〜0.5nm)に近づけるためにはできるだけ微粒のダイヤモンド粒を使用したほうがよく、できれば#8000以上(平均粒径2μm以下)が望ましい。
結合材については破壊靱性が低く弾性があり自生発刃が活発で目詰まりを起こしにくいビトリファイドボンド、レジンボンド等が表面粗さの低減に有効であるが、研削くずの排出が容易なビトリファイドボンドを使用することが望ましく、ダイヤモンドは結合剤に対し25容積%〜50容積%含まれている。
微粒の超砥粒砥石を用いて主面の第2機械研削11bを行うことにより、従来の1段研磨23を経た面の面精度に近い表面精度を出すことができる。
2段階以上の機械研削の研削条件は、上述したメッシュ(砥粒径)のほかに、砥石回転数、テーブル回転数、送り速度、スパークアウト等を変えることで調整することができる。
2段階の機械研削とは、第1機械研削11aおよび第2機械研削11bを各1段階行うことをいうが、2段階以上の機械研削は、第1機械研削11aもしくは第2機械研削11bのいずれかまたは両方を2段階以上に分けて行うことをいう。機械研削は、2段階以上であれば、加工時間、加工コストの観点から上限を4段階とすることができる。2段階以上に分けて行う場合は、各段階で条件を変えて行ってもよいし、条件を変えないで行ってもよい。
第1機械研削11aは、砥石回転数1000〜4000rpm、テーブル回転数30〜120rpm、送り速度1〜50μm/分、スパークアウト10〜50秒で行う。
第2機械研削11bは、砥石回転数1000〜4000rpm、テーブル回転数30〜120rpm、送り速度1〜50μm/分、スパークアウト10〜50秒で行う。
第2機械研削11bは、第1機械研削11aに比べて砥石回転数を多くすることが好ましく、送り速度を小さくすることが好ましい。
通常2段階の機械研削11により、加工変質層は1μm以下、好ましくは0.1〜0.3μmとすることができる。加工変質層の厚さは、図2(a)(b)に示すように基板17の中央部18から1×1mm試料を採取し、電子線を照射し透過型電子顕微鏡[TEM]計測により観察された画像において、基板表面に観察された変質部19のうち最も深い変質部の深さT1を計測し求めた値である。
2段階の機械研削で加工変質層の厚さが1μm以下にならなかった場合には、再度第2機械研削を繰り返し、加工変質層の厚さが1μm以下になるようにする。 本発明の製法においては、このように2段階以上の機械研削11をした後の被研磨面の表面粗さがRaで15nm以下、Waで5nm以下、μWaで5nm以下となっていることが好ましい。Raが15nmを超えると、次工程の研磨で研磨のこり(ポリッシュできない部分)が発生する場合があり、Wa、μWaが5nmを超えると、最終研磨で所定の精度が得られない場合がある。
本発明の製法は、被研磨面のRa、Wa及びμWaのすべてを上述の特定数値範囲にすることにより、従来の2段研磨24に相当する後述の少量の仕上げ研磨12のみで目標とする表面精度、具体的にはRaが0.2nm以下、Waが0.25nm以下、μWaが0.25nm以下の表面精度を得ることができる。
上記2段階以上の機械研削工程を含む一連の工程、すなわち、単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板についてコア抜き13および芯取り14を行う工程と、前記芯取り14により発生した加工変質層をエッチング15により除去する工程と、前記被処理基板の端面について研磨16を行い、被研削基板を得る工程と、前記被研削基板について、上述の2段階以上の機械研削11(11a,11b)を行う工程と、前記機械研削を行った基板について少量の仕上げ研磨12を行う工程と、洗浄工程とをこの順に含む磁気記録媒体の製造方法もまた、本発明の一つである。
一連の工程について簡単に説明する。
まずコア抜き13は、円盤状のハードディスク基板をレーザ加工やウォータジェット等により加工する工程である。
その後芯取り14を内外径形状面取加工機を用いて行い、芯取りで発生した加工変質層をエッチング15によって除去する。エッチング15は通常酸やアルカリによって行うが、アルカリの場合はNaOHやKOHの1〜30%水溶液を加温して行い、表面を化学反応によって溶解することで取り除く。
その後に端面研磨16を行う。端面研磨16はコロイダルシリカなどの研磨材を用いて、表面状態が鏡面となるまで研磨を行う。端面の鏡面化は精密研削を行う場合に端面部からSi粒の脱落を起こさせない重要な工程になる。
こうして得られた被研削基板に対し、平面研削盤あるいは両頭研削盤で2段階もしくはそれ以上の段階に分けて上述のように研削加工を行うことになる。
なお、機械研削盤は、凹凸が0.1〜1μmの切削面を有する研削盤であることが望ましい。
以上のように機械研削を終えた後、2段階以上の機械研削によって生じた厚さ1μm以下の加工変質層を除去する目的で研磨処理を行う。片面研磨量としては、1μm〜5μm程度で従来の2段研磨を経た面と同程度の面精度を得ることができる。片面研磨量は、基板の研磨前厚みと研磨後の厚みとをマイクロメータ(ミツトヨ社製)等で測定しその差を2で割って得られた値である。研磨処理は、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシュ)といった従来公知の処理方法を採用することができる。
上記一連の製造工程によれば、ラッピング工程が不要になり、それに伴ってラッピング工程後、研磨に先立ち行っていたエッチング工程が不要となるので、加工コストが削減できる。また、機械研削加工を固定砥粒による加工にすることで磁気記録媒体用シリコン基板の自動化製造が容易とすることができる。
また基板端面と研磨パッドの接触により起こる端面の面ダレは、研磨量を多くするほど大きくなる傾向があるが、2段階以上の機械研削を経た後の端面は面ダレがほとんどない特徴がある。
本発明の製法は、2段階以上の機械研削の後の研磨工程12における研磨量が少ないので、研磨後の面ダレについても改善することができる。
本発明の製法で得られた表面が平滑性を有する磁気記録媒体用基板上に、軟磁性膜や磁性膜である記録膜等の膜をスパッタやメッキ等により積層することにより、垂直磁気記録媒体を製造することができる。
実施例1
芯取り、NaOHによるエッチング、端面研磨した外径65mm、内径20mm、結晶面方位(100)の単結晶シリコン基板を、第1機械研削として、メッシュ#1000のビトリファイドボンドからなる研削材を用いて砥石回転数2000rpm、テーブル回転数80rpm、送り速度20μm/分、スパークアウト30秒で60μm(片面30μm)研削した。得られた基板についてTEMを用いて加工変質層の厚さを測定したところ、10.5μmであった。
次に第2機械研削として、メッシュ#8000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて砥石回転数3000rpm、テーブル回転数90rpm、送り速度10μm/分、スパークアウト30秒で30μm(片面15μm)研削を行った。得られた基板についてTEMを用いて加工変質層の厚さを測定したところ、0.32μmであった。
2段階の機械研削を経て得られた基板の研削面、および、後述の研磨を経た後の面について表面状態(Ra,Wa,μWa)を下記測定方法によって確認した。結果を表1に示す。
算術平均粗さ[Ra]:接触式表面粗さ計(品番SURFTEST SV−600、ミツトヨ社製)によるJIS B0601(1994)に準拠した粗さ測定
ウェビネス[Wa]:白色光干渉計型凹凸形状測定機(Opti Flat、Phase Shift Technology社製)による基板全面測定
マイクロウェビネス[μWa]:3次元表面構造解析顕微鏡(ZygoNewView5022、Zygo社製)による2mm×2mm視野測定
(加工変質層の厚さ評価)
メッシュ#1000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第1機械研削を経た直後の加工面、および、メッシュ#8000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第2機械研削を経た直後の加工面について、透過型電子顕微鏡[TEM](H9000NAR 日立製)を用いて、加工変質層の厚さを計測した。
結果を表2に示す。
続いて、第2機械研削を経た基板について、両面研磨装置(品番:USP−9B、不二越機械工業社製)を用いてCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシュ)方式で、スエードパッドとコロイダルシリカ研磨剤(フジミ社製、COMPOL50、平均粒径40〜60nm)により、回転数30rpmのもと2μm(片面)基板表面を研磨したところ、従来の2段研磨と同等の面精度(Ra)0.1〜0.2nmを有する基板を得ることができた。
また、加工変質層に起因するピットの発生は起こらなかった。
(面ダレの測定)
上記研磨を経た基板について3次元表面構造解析顕微鏡(ZygoNewView5022、Zygo社製)を用いて、基板中心からの距離がR32〜R30.5(単位mm)の範囲でのPV高低差(最大高低差)を測定した。結果を表3に示す。
比較例1
芯取りをした外径65mm、内径20mm、結晶面方位(100)の単結晶シリコン基板を両面ラップ盤により研磨剤(FO(Al−Zr−O系研磨材)#1200)を用いて面圧:100g/cm2、回転数30rpmで30分間ラップ処理を行い、50質量%NaOHで70℃で15分間エッチングした後、端面研磨を行った。次いで、1段研磨として両面研磨装置にSRIS 0101に準拠して測定された硬度80(Asker−C)のウレタンパットを用いてコロイダルシリカの研磨剤(フジミ社製、COMPOL50、平均粒径40〜60nm)により、定盤回転数30rpmのもと13μm(片面)基板表面を研磨した。
得られた基板の加工面について測定装置を用いて表面状態(Ra,Wa,μWa)を確認した。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1の1段研磨を経た基板について、2段研磨として、両面研磨装置に硬度60のスエードパッドとコロイダルシリカ研磨剤(フジミ社製、COMPOL50、平均粒径40〜60nm)を用い、回転数30rpmのもと2μm(片面)基板表面を研磨した。
得られた基板の加工面について測定装置を用いて表面状態(Ra,Wa,μWa)を確認した。結果を表1に示す。
Figure 2008310897
表1から、2段階の機械研削工程を経た実施例1の加工面の面精度は、最も重要な精度指標であるWaおよびμWaについて、従来の2段研磨を経た面の面精度に近いデータが得られ、超砥粒砥石による精密研削が有効であることが確認された。
また同程度の面精度を得るために従来工程では研磨総量として片面15μmの研磨が必要であったが、本発明では片面2μmの研磨量となり、結果として、面ダレの原因となりうる研磨量を大幅に削減できた。
実施例2
実施例1と同様にしてメッシュ#4000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第1機械研削を経た直後の加工面、および、メッシュ#9000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第2機械研削を経た直後の加工面について、TEMを用いて加工変質層の厚さを計測した。結果を表2に示す。
また第2機械研削を経た基板について、実施例1と同じ条件で研磨を行ったところ、加工変質層に起因するピットの発生は起こらなかった。
実施例3
メッシュ#3000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第1機械研削を経た直後の加工面、および、メッシュ#5000のビトリファイドボンド砥石(ダイヤモンド40容量%)からなる研削材を用いて第2機械研削を経た直後の加工面について、TEMを用いて加工変質層の厚さを計測した。結果を表2に示す。
また第2機械研削を経た基板について、実施例1と同じ条件で研磨を行ったところ、加工変質層に起因するピットの発生は起こらなかった。
Figure 2008310897
表2から、加工変質層の厚みを1μm以下とするためにはメッシュ#3000(5μm以下)の砥粒で第2段階以降の機械研削をする必要があることがわかった。
Figure 2008310897
表3から、2段階の機械研削を経た実施例1は、ラップ加工、エッチング、2段研磨工程を経た比較例1に比べて、面ダレが大幅に減少していることが確認された。
図1は、本発明にかかる磁気記録媒体基板の製造工程を示すフローチャートである。 図2(a)は、本発明にかかる磁気記録媒体基板における加工変質層の厚さ測定位置を示し、図2(b)は、加工変質層の特定方法を示す。 図3は、従来の磁気記録媒体基板の製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
11 2段階以上の機械研削工程
11a 第1機械研削
11b 第2機械研削
12 少量研磨
13 コア抜き
14 芯取り
15 エッチング
16 端面研磨
17 基板
18 中央部
19 変質部
21 ラップ加工
22 エッチング
23 1段研磨
24 2段研磨

Claims (6)

  1. 単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板について、研削条件を2段階以上に変えて超砥粒砥石または砥粒により機械研削することにより、研削後の加工面における加工変質層が1μm以下になるようにする工程を含む磁気記録媒体基板の製造方法。
  2. 前記単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板の直径が、65mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体基板の製造方法。
  3. 機械研削に用いる前記超砥粒砥石または砥粒のメッシュが、第1段階の機械研削において#600以上(25μm以下)であり、第2段階以降の機械研削において#3000以上(5μm以下)の砥粒で機械研削することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体基板の製造方法。
  4. 前記2段階以上の機械研削を経た最終研削面の表面粗さが、Raで15nm以下、Waで5nm以下、μWaで5nm以下となるように機械研削を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気記録媒体基板の製造方法。
  5. 単結晶シリコン被処理基板または多結晶シリコン被処理基板についてコア抜きおよび芯取りを行う工程と、
    前記芯取りにより発生した加工変質層をエッチングにより除去する工程と、
    前記被処理基板の端面について鏡面化するまで研磨を行い、被研削基板を得る工程と、
    前記被研削基板について、請求項1ないし4のいずれかに記載の2段階以上の機械研削を行う工程と、
    前記機械研削を行った基板について仕上げ研磨を行う工程と、
    洗浄工程と
    をこの順に含む磁気記録媒体基板の製造方法。
  6. 前記機械研削を行った後の研磨工程における片面研磨量が、1μm〜5μmである請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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