JP2003212602A - 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体用ガラス基板の製造方法

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JP2003212602A
JP2003212602A JP2002010673A JP2002010673A JP2003212602A JP 2003212602 A JP2003212602 A JP 2003212602A JP 2002010673 A JP2002010673 A JP 2002010673A JP 2002010673 A JP2002010673 A JP 2002010673A JP 2003212602 A JP2003212602 A JP 2003212602A
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glass substrate
texture
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acid
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JP2002010673A
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English (en)
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Yasuhiro Saito
靖弘 斉藤
Kazuishi Mitani
一石 三谷
Tatsuro Umeyama
竜郎 梅山
Koji Okuhata
浩治 奥畑
Toshiaki Hashimoto
敏昭 橋本
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テクスチャー加工の処理効率が良く、テクス
チャー加工時間を短縮できて、製造コストを低減させる
ことができる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提
供する。 【解決手段】 磁気ディスク用ガラス基板は、円盤加工
工程11、内外周端面面取り工程12、主表面研磨工程
13、化学強化工程14、テクスチャー加工工程15及
びアルカリ処理工程16を経て製造される。テクスチャ
ー加工は、ガラス基板の主表面にダイヤモンドスラリー
を供給しながらテープ部材を円周方向に摺接させること
により行われ、円周方向に延びるライン状のテクスチャ
ーが形成される。ダイヤモンドスラリーとしては、酸性
を示す水性スラリー、特にフッ素イオンを含有する水性
スラリーが好ましい。さらに、テクスチャー加工後に、
アルカリ性水溶液によるアルカリ処理を行うことが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク、光
磁気ディスク、光ディスク等の情報記録媒体に用いられ
るガラス基板の製造方法に関するものである。さらに詳
しくは、テクスチャー加工の処理効率が良く、テクスチ
ャー加工時間を短縮できて、製造コストを低減させるこ
とができる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、情報記録媒体用基板としてア
ルミニウム基板やガラス基板が用いられている。アルミ
ニウム基板の場合には、通常基板上にニッケル−リン合
金などのニッケル系合金層が形成された後、研削などの
メカニカルな手法によって円周方向に延びるテクスチャ
ーが形成されている。すなわち、アルミニウム基板の主
表面に研磨材としてダイヤモンドを用いた研磨用スラリ
ーを供給しながら研磨用テープを円周方向に摺接させる
ことにより、円周方向に延びるライン状のテクスチャー
が形成される。
【0003】このようなテクスチャーが形成されたアル
ミニウム基板上にクロム系下地層及びコバルト系磁気記
録層が形成されて磁気ディスクが製造される。得られた
磁気ディスクは、円周方向における磁気の保持力が高く
なる磁気異方性を発揮することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ガラス基板
はアルミニウム基板に比べてその表面が硬いことから、
前述したアルミニウム基板に適用されるメカニカルな手
法だけではテクスチャー加工の処理効率が悪い。従っ
て、所望とする円周方向のテクスチャーを得るための加
工時間が長くなり、製造コストが嵩むという問題があっ
た。
【0005】本発明は、上記のような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、テクスチャー加工の処理効率が良く、テク
スチャー加工時間を短縮できて、製造コストを低減させ
ることができる情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の情報記録媒体用ガラス基
板の製造方法は、円盤状に形成されたガラス基板の主表
面に研磨用スラリーを供給しながらテープ部材を円周方
向に摺接させてライン状のテクスチャーを形成する情報
記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、前記研磨用
スラリーは酸性を示す水性スラリーであることを特徴と
するものである。
【0007】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法は、請求項1に記載の発明におい
て、前記研磨用スラリーはフッ素イオンを含有するもの
であることを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法は、請求項1に又は請求項2に記載
の発明において、前記テクスチャーを形成した後に、ア
ルカリ性水溶液によるアルカリ処理を行うことを特徴と
するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本実施形態における情報記録
媒体用ガラス基板は中心に円孔を有する円盤状をなし、
磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の情報記
録媒体の基板として使用されるものである。図1はこの
情報記録媒体用ガラス基板の製造工程を示す工程図であ
る。この図1に示すように、磁気ディスク用ガラス基板
は、円盤加工工程11、内外周端面面取り工程12、主
表面研磨工程13、化学強化工程14、テクスチャー加
工工程15及びアルカリ処理工程16を経て製造され
る。
【0010】ガラス基板18を形成するガラス材料(ガ
ラス素板)としては、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化
ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(CaO)を
主成分としたソーダライムガラス、SiO2、酸化アル
ミニウム(Al23)、R2O(R=カリウム(K)、
ナトリウム(Na)、リチウム(Li))を主成分とし
たアルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、
酸化リチウム(Li2O)−SiO2系ガラス、Li2
−Al23−SiO2系ガラス、R’O−Al23−S
iO2系ガラス(R’=マグネシウム(Mg)、カルシ
ウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)又はバリウム
(Ba)を使用することができる。さらに、これらガラ
ス材料に酸化ジルコニウム(ZrO2)や酸化チタン
(TiO2)等を添加した化学強化用ガラスであれば特
に限定されない。そして、ガラス基板18は、例えば外
径が89mm(3.5インチ)、76mm(3.0イン
チ)又は64mm(2.5インチ)等に形成されるとと
もに、その厚みは0.63mm等に形成される。
【0011】円盤加工工程11においては、シート状の
ガラス基板18を超硬合金又はダイヤモンド製のカッタ
ーを用いて切断することにより、その中心に図2又は図
3に示す円孔19を有する円盤状に形成される。このと
き、外周面と内周面とを同時に切断してもよいし、外周
面を切断した後に内周面を切断してもよい。
【0012】次に、内外周端面面取り工程12において
は、ガラス基板18の外径寸法及び内径寸法が所定長さ
となるように内外周端面が研削加工されるとともに、内
外周端面の角部が研磨されて面取り加工される。具体的
には、ガラス基板18はダイヤモンド砥粒等の砥粒が付
着した砥石によって、その内外周端面が研削加工される
とともに、内外周端面の角部が面取り加工される。
【0013】このとき、ガラス基板18の面取り加工
は、例えば#325及び#500(又は#600)等の
ように粗いダイヤモンド砥粒と細いダイヤモンド砥粒と
によって2段階に分けて行うことができる。また、ガラ
ス基板18の外径寸法及び内径寸法が予め所定長さに近
似した寸法に形成されているときには、面取り加工は1
段階のみで行うことができる。さらに、面取り加工が施
されたガラス基板18の内外周端面は、その表面粗さを
細くするために、研磨材によって研磨加工される。
【0014】このときの研磨量は好ましくは5〜20μ
mである。5μm未満では内外周端面の表面粗さを充分
に細くすることができない。一方、20μmを越えて研
磨加工してもそれ以上内外周端面の表面粗さを細くする
ことは困難である。研磨材の具体例としては、酸化セリ
ウムや酸化ランタン等の希土類酸化物、酸化ジルコニウ
ム、二酸化マンガン、酸化アルミニウム、コロイダルシ
リカ等が挙げられる。これらの中でも、研磨効率が優れ
ていることから希土類酸化物が好ましく、酸化セリウム
がより好ましい。
【0015】主表面研磨加工工程13においては、内外
周端面の面取りが施されたガラス基板18にラップ研磨
加工及び平滑研磨加工を施すことにより、ガラス基板1
8の主表面20が研磨加工される。ここで主表面20と
は、ガラス基板18を情報記録媒体用ガラス基板とした
ときに情報が記録される表面のことをいう。ラップ研磨
加工は、ガラス基板18の厚みを所定値にするととも
に、反りやうねりを取除いて主表面20の平坦性を向上
させたり、凹凸やクラック等の大きな欠陥を取除いて表
面粗さを細くしたりするために行われる。このラップ研
磨加工はガラスの成型時に反りやうねりが許容される範
囲であれば、コスト削減などの理由で省略することも可
能である。
【0016】平滑研磨加工は、情報記録媒体として使用
する場合に要求される平坦性や平滑性を確保するために
行われる。用いる研磨材は特に限定されないが、ガラス
に対して高い研磨力を有する酸化セリウム系の研磨材が
好ましい。研磨材のサイズも特に限定されないが、平滑
性と研磨速度を両立させるために、通常0.1〜3μm
程度のものが好ましい。研磨方法も特に限定されない
が、人工皮革スエードパッドを上定盤及び下定盤に貼り
付けた両面研磨機を用いることにより、低コストで両面
を精密に研磨することができる。また、研磨速度と平滑
性を両立させるために2段階の研磨処理を行ってもよ
い。
【0017】この主表面研磨加工工程13の後には、ガ
ラス基板18表面に残留する研磨粉を除去するために洗
浄を行うことが望ましい。次に、化学強化工程14にお
いては、情報記録媒体の基板として要求される耐衝撃
性、耐振動性、耐熱性等を向上させるために、主表面2
0に研磨加工が施されたガラス基板18に化学強化処理
が施される。この化学強化処理とは、ガラス基板18中
に含まれる一部のイオン、例えばリチウムイオンやナト
リウムイオン等の一価の金属イオンを、それよりイオン
半径が大きいナトリウムイオンやカリウムイオン等の一
価の金属イオンにイオン交換することをいう。このよう
なイオン交換により、ガラス基板18の表面に圧縮応力
層が形成され、ガラス基板18が化学強化される。
【0018】化学強化処理は、化学強化塩を加熱溶融し
た化学強化処理液にガラス基板18を所定時間浸漬する
ことによって行われる。化学強化塩の具体例としては、
硝酸カリウム(KNO3)、硝酸ナトリウム(NaN
3)、硝酸銀(AgNO3)等をそれぞれ単独又は少な
くとも2種を混合したものが挙げられる。また、化学強
化処理液の温度は、ガラス基板18の歪点よりも好まし
くは50〜150℃程度低い温度であり、より好ましく
は化学強化処理液自体の温度が350〜400℃程度で
ある。
【0019】ガラス基板18の歪点よりも150℃程度
低い温度未満では、ガラス基板18を充分に化学強化処
理することができない。一方、ガラス基板18の歪点よ
りも50℃程度低い温度を越えると、ガラス基板18を
化学強化処理18するときに、ガラス基板18に歪みが
発生しやすい。
【0020】この化学強化処理においては、複数枚のガ
ラス基板18が化学強化用ホルダーに保持され、その状
態の複数の化学強化用ホルダーがケージに収容される。
そして、そのようなケージが化学強化槽内の溶融塩が加
熱溶融された化学強化処理液中に浸漬されて化学強化処
理が行われる。
【0021】化学強化処理が施されたガラス基板18の
最表面には、イオン交換によってカリウムイオン
(K+)が増大し、その濃度が最も高くなる。このカリ
ウムイオンの濃度はガラス基板18表面からの深さが深
くなるほど次第に低くなる。一方、リチウムイオン(L
+)の濃度は、イオン交換によって減少するため、ガ
ラス基板18の最表面で最も低く、ガラス基板18表面
からの深さが深くなるほど次第に高くなる。また、ナト
リウムイオン(Na+)の濃度は、カリウムイオンとの
イオン交換により減少し、リチウムイオンとのイオン交
換により増加する。このため、ナトリウムイオンの濃度
は、ガラス基板18の最表面で低く、ガラス基板18表
面からの深さが深くなるにつれて高くなって一定の深さ
でピークを示し、さらに深くなるとその濃度が低くな
る。
【0022】化学強化処理により形成される圧縮応力層
(化学強化層)の厚みは、ガラス基板18表面から好ま
しくは100〜200μmである。100μm未満の場
合には、ガラス基板18の化学強化が不充分となって、
情報記録媒体の基板として要求される性能を発揮するこ
とができないときがある。一方、200μmを越える場
合には、化学強化処理液の温度を高くしたり、ガラス基
板18を化学強化処理液に浸漬する時間を長くしたりす
る必要があるために、ガラス基板18の生産効率が低下
しやすい。
【0023】化学強化処理が円滑に行われることによ
り、ガラス基板18全体の強度を確保することができ
る。ガラス基板18は、このようなイオン交換に基づい
てその表面に圧縮応力層が形成されて強度が高められ、
情報記録媒体として使用されるときに、高速回転による
破損を防止することができる。
【0024】化学強化処理の後に、必要に応じて水によ
る処理、アルカリ性水溶液による処理或いは酸性水溶液
による処理、さらには乾燥処理が実施される。その後
に、テクスチャー加工工程15が行われ、図3に示すよ
うに、ガラス基板18主表面20にテクスチャー21が
形成される。このテクスチャー21は、ガラス基板18
の円周方向に沿って形成される(円周テクスチャー)。
テクスチャー加工に供されるガラス基板18の主表面2
0の平均粗さRaは0.1〜1.5nmが好ましく、
0.1〜1.0nmがさらに好ましく、0.1〜0.6
nmが特に好ましい。この平均粗さRaが0.1nm未
満又は1.5nmを越えると、情報記録媒体用として好
適とされる微細なテクスチャーが形成されにくくなる。
【0025】テクスチャー加工は、ガラス基板18の主
表面20に研磨用スラリーとしてのダイヤモンドスラリ
ーを滴下しながらテープ部材をガラス基板18の主表面
20に摺接することにより行われる。この場合、ダイヤ
モンドスラリーは酸性を示す水性スラリーである。この
ような水性スラリーを用いてテクスチャー加工を行う
と、ガラス成分のうち酸に弱いアルミナ成分、アルカリ
金属成分、アルカリ土類金属成分がガラス基板から溶出
し、シリカ成分(シリカ骨格)を主とするリーチング層
のみが残る。このため、ガラス基板表面の硬度が実質的
に低くなってテクスチャー加工の効率を向上させること
ができる。
【0026】ダイヤモンドスラリーを酸性にするための
酸としては、フッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、フッ
酸、硫酸、硝酸、塩酸、スルファミン酸、酢酸、酒石
酸、クエン酸、グルコン酸、マロン酸及びシュウ酸から
選ばれる少なくとも1種の酸が挙げられる。酸の種類や
濃度は特に限定されず、テクスチャー加工装置に対する
腐食性やガラス基板の耐酸性、必要とする酸の強度など
を考慮して適宜選定される。前記した酸のうち、フッ化
水素酸、ケイフッ化水素酸及びフッ酸は、ガラスに対す
るエッチング作用の最も強い酸であり、ガラス基板から
酸に弱い成分を容易に溶出させることができる。硫酸、
硝酸、塩酸及びスルファミン酸は強酸であり、エッチン
グ作用によって酸に弱い成分を溶解する溶解力に優れて
いる。酢酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、マロン酸
及びシュウ酸は、エッチング作用とキレート作用を有
し、酸に弱い成分を溶解する溶解力が良好である。
【0027】酸性を示す水性スラリーのpHは2〜6で
あることが好ましい。pHが2未満の場合、酸によるエ
ッチング作用が強く、酸に弱い成分の溶出が多くなり過
ぎて好ましくない。一方、pHが6を越える場合、酸に
よるエッチング作用がほとんどなくなり、テクスチャー
加工の効率を充分に向上させることができなくなる。ま
た、酸性を示す水性スラリーはフッ素イオンを含有する
ことが望ましい。前述のように、フッ素を含有する酸
は、酸に弱い成分を選択的に溶出できるうえに、リーチ
ング層のエッチングも同時に行うことができ、テクスチ
ャー加工の効率を容易に高めることができるからであ
る。フッ素イオンの濃度は、10〜300ppmである
ことが好ましい。この濃度が10ppm未満では、フッ
素原子を有する酸によるエッチング作用が弱く、テクス
チャー加工の効率を充分に向上させることができなくな
る。一方、300ppmを越えると、フッ素原子を含有
する酸によるエッチング作用が強く、酸に弱い成分の溶
出が必要以上に多くなり過ぎてしまう。
【0028】テクスチャー加工を行う装置は特に限定さ
れず、アルミニウム基板のテクスチャー処理などで用い
られる、いわゆるテクスチャーマシンが使用される。そ
の構造の概略を図2に従って説明する。円盤状をなすガ
ラス基板18の直上位置には、ガラス基板18の半径方
向に延びるローラ22が回動自在に支持されている。こ
のローラ22の長さはガラス基板18の半径にほぼ等し
くなるように設定されている。
【0029】テクスチャー形成用のテープ部材23は、
図2の矢印に示すようにローラ22の一側方からガラス
基板18とローラ22の間を通り、ローラ22の他側方
へ抜けるように構成されている。このテープ部材23は
ガラス基板18とローラ22の間を通るときにローラ2
2の圧力によりガラス基板18の主表面20に押圧され
て摺接されるようになっている。テープ部材23として
は、織物、不織布、植毛品などをテープ状に形成したも
のが用いられる。
【0030】そして、ガラス基板18が図2の矢印方向
に回転され、その上方から研磨用スラリーとしてのダイ
ヤモンドスラリー24が滴下されるとともに、テープ部
材23が図2の矢印方向に移動される。このような動作
によってガラス基板18の主表面20にテクスチャー2
1が形成される。
【0031】テクスチャー21の形成に使用されるテー
プ部材23の材質は特に制限されず、ポリエチレン繊維
など、この種のテクスチャー形成に使用されるものであ
ればいかなるものも用いることができる。
【0032】また、ダイヤモンドスラリー24に含まれ
るダイヤモンド砥粒の粒子径、形状は特に制限されず、
要求されるテクスチャー21の線密度に応じて適宜選定
することができる。さらに、ダイヤモンド砥粒の結晶性
も制限されず、単結晶のほか、多結晶のものも用いるこ
とができる。加えて、研削力を高めるためにダイヤモン
ドのほかに、酸化セリウムや酸化マンガンなどの砥粒を
添加したり、アルカリ剤を添加したりしてもよい。
【0033】ダイヤモンド砥粒の粒径は、平均粒径(D
50)として0.05〜0.3μmであることが好まし
く、0.08〜0.25μmであることがより好まし
い。平均粒径が0.05μm未満の場合、テクスチャー
21を形成する能力が低下し、テクスチャー21の形成
速度が遅くなってテクスチャー加工コストの増大を招い
て好ましくない。一方、0.3μmを越える場合、ガラ
ス基板18の半径方向に小さな尾根を単位長さ当たり多
数形成することができず、テクスチャー21の線密度を
充分に大きくすることができない。
【0034】ダイヤモンド砥粒を分散させてスラリーと
するための溶媒も特に制限されず、またダイヤモンド砥
粒の分散性を向上させるために界面活性剤を添加しても
よい。
【0035】次に、テクスチャー21の加工条件は、目
的とするテクスチャー21の形状、密度、長さなどに応
じて適宜設定される。具体的には、次に示す1)及び
2)の2つの加工条件が挙げられる。
【0036】1) テープ部材23の張力 22.1
(N)、テープ部材23の移動速度7.6(cm/min)、
ローラ22の押圧力 30.9(N)、ガラス基板18
の回転速度 300(rpm)、テープ部材23の材質
ポリエステル、ダイヤモンド砥粒の平均粒径0.2
(μm)及びダイヤモンドスラリー24の供給量 20
(ml/min)。
【0037】2) 上記1)の加工条件でダイヤモンド
砥粒の平均粒径を0.1(μm)に変更したもの。上記
のような条件下にテクスチャー加工を行うことにより、
ガラス基板18の円周方向に沿ってライン状のテクスチ
ャー(表面凹凸)21が形成される。その際、テクスチ
ャー21の形成によって除去されるガラス基板18の厚
み、すなわち取り代は、平均0.5〜10nmであるこ
とが好ましく、0.5〜4nmであることがさらに好ま
しい。この取り代が平均0.5nm未満の場合、テクス
チャー21の高さが低いものとなり、磁気の保持力を向
上させるために必要なテクスチャー21を形成しにくく
なる。一方、取り代が平均10nmを越える場合、ガラ
ス基板18表面に存在するカリウムイオンの濃度が高い
圧縮応力層の除去量が増大し、ナトリウムやカリウムな
どの動きやすいアルカリがガラス基板18表面から滲出
しやすくなる。しかも、テープ部材23の表面状態の微
視的なむらや異物の存在などで取り代が部分的に少なく
なった場合、その部位が周辺部に比べて異常に高い尾根
状突起を形成する確率が高くなる。そのため、ガラス基
板18の表面に記録された情報(磁気データ)を読み取
る読取り装置としての磁気ヘッドのクラッシュなどハー
ドディスクドライブの信頼性が低下する。
【0038】次に、テクスチャー加工工程15の後に行
われるアルカリ処理工程16について説明する。この工
程においては、アルカリ性水溶液によりリーチング層の
主たる成分であるシリカを溶解させてリーチング層を確
実に除去することができる。リーチング層を構成するシ
リカは、耐水性が低下していることから水によって除去
されるが、アルカリ水溶液によってさらに簡単に除去さ
れる。リーチング層を除去することによって、ガラス基
板18を例えば磁気記録媒体としたときに磁気記録膜、
特に下地膜のガラス基板に対する密着性を良好にするこ
とができる。
【0039】前記アルカリ性水溶液としては、アンモニ
ア水などの無機アルカリ水溶液、有機アルカリ水溶液な
どが用いられるが、テトラアンモニウムハイドライドの
水溶液が好ましい。このテトラアンモニウムハイドライ
ドの水溶液は、強アルカリであるにもかかわらず、ガラ
スに対するエッチング力が低いためである。
【0040】アルカリ処理は、帯状の摺接部材で摺りな
がら行う方法、スクラブ部材で摺りながら行う方法、超
音波を照射しながら行う方法並びにアルカリ性水溶液を
シャワーして行う方法の少なくとも1種の方法で行われ
ることが好ましい。
【0041】これらの方法のうち、摺接部材で摺りなが
ら行う方法について説明すると、アルカリ性水溶液がガ
ラス基板18の主表面20に供給された状態で摺接部材
がガラス基板18の主表面20に押し付けられ、円周方
向に摺られることにより行われる。この場合、アルカリ
性水溶液に界面活性剤、キレート剤、有機溶剤などを添
加してもよい。アルカリ処理は、前述したテクスチャー
形成のための装置と同様の装置を用いて行うことができ
る。その処理は、例えば次のような条件で実施される。
【0042】摺接部材の張力: 8.8(N)、摺接部
材の移動速度: 7.6(cm/min)、ローラの押圧力:
8.8(N)、ガラス基板の回転速度: 300(r
pm)、摺接部材の材質: ナイロン、アルカリ性水溶
液の供給量: 20(ml/min)。
【0043】このアルカリ処理においては、摺接部材が
円周方向に摺られるため、テクスチャー形状の変化を最
小限に抑制することができる。次いで、スクラブ部材で
摺りながら行う方法について説明すると、スポンジを用
いてガラス基板18の円周方向に摺ることにより行われ
る。スクラブ処理に用いられるスポンジの材質は特に制
限されないが、アスカーC硬度40以上の硬質スポンジ
は尾根状の突起を効率良く除去できる点から好ましい。
ここで、アスカーC硬度は日本ゴム協会標準規格SRI
SO101に規定されている硬度をいう。スクラブ時の
圧力やガラス基板の回転数などのスクラブ条件は特に限
定されず、アルカリ処理後の表面状態に応じて適宜設定
される。
【0044】続いて、超音波を照射しながら行う方法に
ついて説明すると、その条件は特に制限されないが、テ
クスチャー21の形状変化を防ぐため、超音波の周波数
は38kHz以上、出力は1W/cm2以下、照射時間
は2〜20分、温度は70℃以下に設定される。
【0045】最後に、アルカリ性水溶液をシャワーして
行う方法について説明すると、その条件は特に制限され
ないが、テクスチャー21の形状変化を防ぐため、アル
カリ水溶液をガラス基板18の円周方向にシャワーする
ことによって行われる。シャワーの水量、圧力などは、
除去したいリーチング層の量などに応じて適宜設定され
る。
【0046】上記のアルカリ処理の後には、純水でリン
スが行われ、その後乾燥される。リンスの方法として
は、純水に浸漬する方法、超音波を照射しながら純水に
浸漬する方法、純水をシャワーする方法などが挙げられ
る。また、乾燥方法としては、イソプロピルアルコール
(IPA)による乾燥法、スピン乾燥法などが挙げられ
る。
【0047】以上のようにして形成されるテクスチャー
21は、AFM(原子間力顕微鏡)で測定される最小の
線幅が5〜20nmであることが好ましい。ここで、テ
クスチャー21の最小の線幅とは、テクスチャー21の
線幅分布のうち最も幅の狭いものをいう。最小の線幅が
5nm未満の場合、アルカリ処理などによってテクスチ
ャー21の形状が変化しやすくなる。一方、最小の線幅
が20nmを越える場合、ガラス基板18の半径方向に
おけるテクスチャー数が少なくなって情報記録密度が低
下し好ましくない。
【0048】図4(a)はテクスチャー加工によって形
成されたテクスチャー21を示す概略図であり、テクス
チャー21は凹凸がほぼ同じ周期及び振幅で波状に形成
されている。図4(b)は酸性を示す水性スラリーを用
いたテクスチャー加工後のテクスチャー21aの状態を
示す概略図であり、酸によってガラス基板18中のシリ
カ骨格以外の耐酸性の低いアルミニウムイオン(A
3+)、ナトリウムイオン(Na+)などが溶出し、そ
れによって滲食された位置が二点鎖線で示されている。
【0049】さて、ガラス基板18は円盤加工工程1
1、内外周端面面取り工程12及び主表面研磨工程13
を経て化学強化工程14に送られ、その後テクスチャー
加工工程15が行われる。この工程においては、ガラス
基板18の主表面20に酸性を示すダイヤモンドスラリ
ー24が滴下されると同時に、テープ部材23がガラス
基板18の主表面20に摺接される。
【0050】酸性のダイヤモンドスラリー24を用いて
テクスチャー加工を行うことにより、ガラス基板18中
の酸に弱いアルミナ(Al23)、酸化ナトリウム(N
2O)、酸化リチウム(Li2O)などがガラス基板1
8から溶出し、シリカ(SiO2)を主とするリーチン
グ層のみが残る。従って、ガラス基板18表面の硬度が
低くなって(脆くなって)テクスチャー加工を容易かつ
速やかに行うことができる。特に、フッ素を含有する酸
は、酸に弱い成分を選択的に溶出でき、かつリーチング
層のエッチングも行うことができ、テクスチャー加工を
さらに効率良く進めることができる。
【0051】テクスチャー加工工程15に引き続いてア
ルカリ処理工程16が行われる。このアルカリ処理によ
り、リーチング層を構成するシリカは耐水性が低下して
いることから簡単に溶解され、リーチング層が除去され
る。このような処理によって従来のテクスチャー加工時
間よりも短い時間で目的とする情報記録媒体用のガラス
基板が得られる。
【0052】以上詳述した本実施形態によれば、次のよ
うな効果が発揮される。 ・ 本実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法
によれば、テクスチャー21を形成するためのダイヤモ
ンドスラリー24は酸性を示す水性スラリーである。こ
のため、ガラス成分のうち、アルミナ成分、アルカリ成
分、アルカリ土類成分が溶出し、ガラス基板18表面の
硬度が低くなる。その結果、テクスチャー加工の処理効
率が良くなり、テクスチャー加工時間を短縮できて、製
造コストを低減させることができる。
【0053】・ また、ダイヤモンドスラリー24がフ
ッ素イオンを含有することにより、上記のような酸に弱
い成分の選択的な溶出に加え、その溶出によって残った
リーチング層(シリカ骨格成分)に対するエッチングを
行うことができる。このため、テクスチャー加工の処理
効率を一層向上させることができる。
【0054】・ さらに、テクスチャー21を形成した
後に、アルカリ性水溶液によるアルカリ処理を行うこと
により、リーチング層の主たる成分であるシリカを溶解
させてリーチング層を確実に除去することができる。リ
ーチング層を除去することによって、ガラス基板を例え
ば磁気記録媒体としたときに磁気記録膜、特に下地膜の
ガラス基板に対する密着性を良好にすることができる。
【0055】
【実施例】以下、前記実施形態を具体化した実施例及び
比較例について説明する。 (実施例1)ガラス基板18として、厚み0.6mm、
外径65mm、内径20mmの円盤状をなすアルミノシ
リケートガラス(SiO2 63重量%、Al23
6重量%、Na2O 11重量%、Li2O 4重量%、
MgO 2重量%、CaO4重量%)を使用した。この
ガラス基板18に面取りを施した後、その主表面20に
粗研磨、さらに平滑研磨を施した。平滑研磨は、酸化セ
リウムを含有する研磨剤及びアスカーC硬度が70の研
磨パッドを用い、ガラス基板18の両面を研磨すること
によって行った。
【0056】その後、ポリビニルアルコールを用いたス
ポンジ洗浄、強アルカリ性の水溶液を用いた超音波洗浄
によってガラス基板表面に付着した研磨粉を除去した
後、純水でリンスした。続いて、ガラス基板18をイソ
プロピルアルコール蒸気中で1分間乾燥させた。
【0057】次いで、350〜400℃に加熱した硝酸
カリウムと硝酸ナトリウムとの混合溶融塩中にガラス基
板を90分間浸漬することによって、ガラス基板18中
のリチウムイオンやナトリウムイオンをそれらよりイオ
ン半径の大きいカリウムイオンに置換する化学強化処理
を行った。その後、ガラス基板18を65℃の温水中に
1時間浸漬し、溶融塩を除去した。
【0058】次に、テクスチャーマシーン(EDC社
製)を使用し、ガラス基板18を回転させながらダイヤ
モンドスラリー(水性スラリー)24を滴下し、次のよ
うな条件でガラス基板18の主表面20にテクスチャー
加工を行った。
【0059】テープ部材23の張力: 22.1(N)、
テープ部材23の速度: 7.6(cm/min)、ローラ22
の押圧力: 30.9(N)、スピンドルの速度: 30
0(rpm)、テープ部材23の材質: ポリエステル、
ダイヤモンド砥粒の粒子径: 0.2(μm)、水性ス
ラリーの供給量: 20(ml/min)。
【0060】水性スラリーは、硫酸によってpH3を示
すものを使用した。なお、この水性スラリーにはフッ素
イオンは含まれていない。このテクスチャー加工時間は
23秒であった(テクスチャーのRa=0.5nm以
上、線密度=10000本/mm以上に到達する時
間)。
【0061】テクスチャー加工後には、純水中にガラス
基板を浸漬してリンスを行い、最後にイソプロピルアル
コール洗浄を施した。得られたガラス基板18につい
て、表面分析法(TOF−SIMS)によってリーチン
グ層の厚み(nm)を分析した結果、2nmであった。 (実施例2)水性スラリーのpHを5とした以外は、実
施例1と同様に実施した。テクスチャー加工時間は14
秒であった。その結果、リーチング層の厚みは、1.5
nmであった。 (実施例3)水性スラリーのpHを5とし、水性スラリ
ー中にフッ化水素酸に基づくフッ素イオンを30ppm
含有した以外は、実施例1と同様に実施した。テクスチ
ャー加工時間は15秒であった。その結果、リーチング
層の厚みは、4nmであった。 (実施例4)テクスチャー加工の後に、同じテクスチャ
ーマシーンを用い、pH10に調整した水酸化カリウム
水溶液を供給しながら次のような条件でガラス基板18
の主表面20を円周方向に擦るテープ処理を施し、ガラ
ス基板18表面に付着した水性スラリーを除去した以外
は、実施例3と同様に実施した。
【0062】テープ部材23の張力: 8.8(N)、テ
ープ部材23の速度: 7.6(cm/min)、ローラ22の
押圧力: 8.8(N)、スピンドルの速度: 300
(rpm)、テープ部材23の材質: ナイロン、水酸化
カリウム水溶液の供給量:20(ml/min)。
【0063】その結果、リーチング層の厚みは、検出限
界(1nm)以下であった。 (比較例1)水性スラリーのpHを7(中性)とした以
外は、実施例1と同様に実施した。テクスチャー加工時
間は45秒を要した。リーチング層の厚みは、検出限界
(1nm)以下であった。この比較例1では、水性スラ
リーを中性としたので、実施例1と同じテクスチャー2
1を形成するまでに45秒という長い時間を必要とし
た。 (比較例2)水性スラリーのpHを水酸化カリウム水溶
液により10(アルカリ性)とした以外は、実施例1と
同様に実施した。テクスチャー加工時間は41秒を要し
た。その結果、リーチング層の厚みは、検出限界(1n
m)以下であった。この比較例2では、水性スラリーを
アルカリ性としたので、実施例1と同じテクスチャー2
1を形成するまでに41秒という長い時間を必要とし
た。
【0064】なお、前記実施形態又は実施例を次のよう
に変更して構成してもよい。 ・ 前記化学強化工程14を省略することも可能であ
る。 ・ テクスチャー加工工程15は、化学強化工程14の
前に行ってもよい。また、化学強化工程14を省略した
場合には、主表面研磨工程13の後に行ってもよい。
【0065】・ テクスチャー加工工程15の後には、
アルカリ性水溶液によるアルカリ処理と水処理とを組合
せた処理を行ったり、そのような処理を複数回繰返して
行ったりしてもよい。さらに、水処理に際して有機溶
剤、界面活性剤、キレート剤などを添加してもよい。
【0066】・ 研磨用スラリーを加温した状態で滴下
して使用してもよい。 ・ 研磨用スラリーに、過酸化水素などの酸化剤や、ア
スコルビン酸などの還元剤を含有させてもよい。
【0067】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 ・ 前記研磨用スラリーのpHは2〜6であることを特
徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の
情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。この製造方法に
よれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の
発明の効果を確実に発揮させることができる。
【0068】・ 前記研磨用スラリーは、フッ化水素
酸、ケイフッ化水素酸又はフッ酸によりフッ素イオンを
含有するものであることを特徴とする請求項2又は請求
項3に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。こ
の製造方法によれば、請求項2又は請求項3に記載の発
明の効果を確実に発揮させることができる。
【0069】・ 前記研磨用スラリーは、フッ素イオン
を10〜300ppm含有するものであることを特徴と
する請求項2又は請求項3に記載の情報記録媒体用ガラ
ス基板の製造方法。この製造方法によれば、ガラスを必
要以上に腐食しない状態で請求項2又は請求項3に記載
の発明の効果を発揮させることができる。
【0070】・ 前記円盤状に形成されたガラス基板の
主表面の平均粗さRaは0.1〜1.5nmであること
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記
載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。この製造方
法によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記
載の発明の効果に加え、情報記録媒体用として好適なテ
クスチャーを形成することができる。
【0071】・ 請求項1から請求項3のいずれか一項
に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって
製造される情報記録媒体用ガラス基板。このように構成
した場合、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載
の発明の効果を発揮できるとともに、所望とする円周方
向のテクスチャーが得られ、読み取り装置の動作安定性
を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明
の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、テク
スチャー加工の処理効率が良く、テクスチャー加工時間
を短縮できて、製造コストを低減させることができる。
【0073】請求項2に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法によれば、請求項1に記載の発明の
効果に加え、ガラス基板のシリカ骨格成分に対するエッ
チングを行うことができ、テクスチャー加工の処理効率
を向上させることができる。
【0074】請求項3に記載の発明の情報記録媒体用ガ
ラス基板の製造方法によれば、請求項1又は請求項2に
記載の発明の効果に加え、ガラス基板中の酸に弱い成分
が溶出して残った変質層を確実に除去することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の情報記録媒体用ガラス基板の製造
工程を示す工程図。
【図2】 ガラス基板の主表面にテクスチャーを形成す
る装置の斜視図。
【図3】 テクスチャー形成後のガラス基板の主表面を
示す平面図。
【図4】 (a)はテクスチャーの形状を示す概略図、
(b)は酸性を示すダイヤモンドスラリーを用いたテク
スチャー加工後のテクスチャーの形状を示す概略図。
【符号の説明】
15…テクスチャー加工工程、16…アルカリ処理工
程、18…ガラス基板、20…主表面、21,21a…
テクスチャー、23…テープ部材、24…研磨用スラリ
ーとしてのダイヤモンドスラリー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅山 竜郎 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子 株式会社内 (72)発明者 奥畑 浩治 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子 株式会社内 (72)発明者 橋本 敏昭 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子 株式会社内 Fターム(参考) 4G059 AA09 AB09 AB11 AC01 AC30 5D112 AA02 AA24 BA03 GA02 GA13 GA14 GA30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状に形成されたガラス基板の主表面
    に研磨用スラリーを供給しながらテープ部材を円周方向
    に摺接させてライン状のテクスチャーを形成する情報記
    録媒体用ガラス基板の製造方法であって、 前記研磨用スラリーは酸性を示す水性スラリーであるこ
    とを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記研磨用スラリーはフッ素イオンを含
    有するものであることを特徴とする請求項1に記載の情
    報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記テクスチャーを形成した後に、アル
    カリ性水溶液によるアルカリ処理を行うことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス
    基板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015166312A (ja) * 2013-07-19 2015-09-24 旭硝子株式会社 化学強化ガラス

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