JP2004081368A - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】両側脚回り部の密着性がよく、容易に製造できる使い捨て吸収性物品を提供する。
【解決手段】吸収性物品本体部１６は、透液性表面シート１２、不透液性裏面シート１３、この両シート１２，１３の間に配設した吸収体１４を備え、この吸収体１４の両側に外方に延在するフラップ部１５を有する吸収性物品本体部１６と、この吸収性物品本体部１６の裏面側に外層シート１７を備え積層する。外層シート１７には、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０とを、一端側を背側腰回り部２０側の一側部および他側部から脚回り部２３に沿って、中間部を前記股下回り部２１を傾斜状に横切り、他端側を前記腹側腰回り部２２側の他側部および一端部の脚回り部２３に沿ってそれぞれ配設する。フラップ部１５には長手方向に沿って第３脚回り用弾性体２４を配設する。
【選択図】 図１
【解決手段】吸収性物品本体部１６は、透液性表面シート１２、不透液性裏面シート１３、この両シート１２，１３の間に配設した吸収体１４を備え、この吸収体１４の両側に外方に延在するフラップ部１５を有する吸収性物品本体部１６と、この吸収性物品本体部１６の裏面側に外層シート１７を備え積層する。外層シート１７には、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０とを、一端側を背側腰回り部２０側の一側部および他側部から脚回り部２３に沿って、中間部を前記股下回り部２１を傾斜状に横切り、他端側を前記腹側腰回り部２２側の他側部および一端部の脚回り部２３に沿ってそれぞれ配設する。フラップ部１５には長手方向に沿って第３脚回り用弾性体２４を配設する。
【選択図】 図１
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大人用或いは失禁用の使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性物品としては、透液性表面シート、吸収体、不透液性裏面シートを積層し、背側腰回り部、股下回り部、腹側腰回り部を長手方向に順次一体に形成した使い捨て吸収性物品が一般に知られている。
【０００３】
また、透液性表面シート、吸収体、および不透液性裏面シートにて構成された吸収性物品本体部の裏面側に、背側腰回り部、股下回り部、および腹側腰回り部を長手方向に順次一体的に形成する外層シートを固着した使い捨ておむつが提案（特願２００２−１５８３５９号）されている。この使い捨ておむつの外層シートには、背側腰回り部に背側腰回り用弾性体、腹側腰回り部に腹側腰回り用弾性体、両側脚回り部には脚回り用弾性体がそれぞれ配設されている。
【０００４】
そして、この使い捨ておむつは、図１１に示すように、前記外層シート１に設けられた脚回り用弾性体２，２は、両端部が外層シート１の背側腰回り部側の脚回り部および腹側腰回り部側の脚回り部に沿ってそれぞれ配設されるとともにこの脚回り用弾性体２，２の中間部がそれぞれ離間対向した状態でこの股下回り部を横切って配設されている。
【０００５】
そして、この使い捨ておむつでは、外層シート１に配設された脚回り用弾性体２，２は股下回り部において外層シートの長手方向に離間対向しており、両側脚回り部の長手方向略中央部には弾性体が配設されていないため、前記使い捨ておむつを両側脚回り部略全域において装着者の身体に密着させることはできず、装着時に排泄液の漏泄が起こりやすい。
【０００６】
そのため、図１１に示すように、使い捨ておむつの外層シート１において、両側脚回り部に設けた脚回り用弾性体２，２間に位置して外層シート１の両側脚回り部に沿って脚回り用弾性体２，２を配設し、前記使い捨ておむつの両側脚回り部略全域に伸縮性を持たせることが考えられる。
【０００７】
ところで、図１１に示すように、前記外層シート１はこの外層シート１を幅方向に連続した長尺の外層シート構成材１ａから製造する製造方法が提案（特願２００２−１５８３５９号）されており、この製造方法においては、前記外層シート構成材１ａを長手方向（図１１矢指方向）に移動させながら長尺の腰回り用弾性体（図示せず）と長尺の脚回り用弾性体２，２とを長手方向に連続して配設し、前記外層シート構成材１ａを幅方向に切断して外層シート１を形成する。
【０００８】
そして、このような構成の使い捨ておむつにおいて、外層シート１の両側脚回り部に第３脚回り用弾性体を配設するためには、この使い捨ておむつの製造過程において、長尺の外層シート構成材１ａを長手方向（図１１矢指方向）に移動させながら前記第３脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に高速で移動させて前記第３脚回り用弾性体を前記外層シート構成材１ａに配設しなければならず、外層シート１の製造が難しくなる。
【０００９】
そこで、図１２に示すように、外層シート１に配設する脚回り用弾性体２，２は、両端部が背側腰回り部側および腹側腰回り部側の脚回り部に沿って配設されるとともに中間部が股下回り部でそれぞれ交差してこの股下回り部を傾斜状に横切り配設される構成の使い捨ておむつが考えられる。
【００１０】
この使い捨ておむつでは、長尺の外層シート構成材１ａの製造時において、両脚回り用弾性体２，２は、長尺の外層シート構成材１ａをその長手方向（図１２矢指方向）に移動させながら、前記外層シート構成材１ａの幅方向の中央部において中間部にて互いに交差するように幅方向に屈曲させることにより、使い捨ておむつの股下回り部において、図１２に示す、長手方向に交差して対向した一対の略Ｕ字状に配設される。そして、脚回り用弾性体２，２は、外層シート１の両側脚回り部略全域に配設されるため、この使い捨ておむつは装着時に装着者の股下回り全域にわたって密着する。
【００１１】
しかし、この使い捨ておむつの外層シート１に配設された脚回り用弾性体２，２は股下回り部において長手方向に交差して対向しており、図１１に示す構成に比べ、製造過程における長尺の外層シート構成材１ａにおいて脚回り用弾性体２，２が配設される幅方向寸法が大きくなって、脚回り用弾性体２，２の配設装置を長尺の外層シート１上において幅方向に大きく往復させなければならず、製造が困難である。
【００１２】
また、脚回り用弾性体２，２を外層シート１の長手方向に対向して互いに略Ｕ字状に屈曲して配設する場合、図１２に示す外層シート１の１個分の幅方向寸法にあたる長さ寸法ｌ１を外層シート構成材１ａが移送される間に、前記脚回り用弾性体２，２を屈曲幅寸法ｌ２を往復移動させなければならないので、脚回り用弾性体２，２の屈曲移動量が大きくなり、脚回り用弾性体２，２の配設装置の移動速度が高速になり、外層シート構成材１ａに脚回り用弾性体２，２を配設することが難しくなる。
【００１３】
そこで、図１３に示すとおり、外層シート１に配設する脚回り用弾性体２、２は、一方の前記脚回り用弾性体２を背側腰回り部側の一側部から腹側腰回り部側の他側部に向けて前記股下回り部を傾斜状に横切って配設するとともに、他方の脚回り用弾性体２を背側腰回り部側の他側部から前記腹側腰回り部側の一側部に向けて前記股下回り部を傾斜状に横切って配設し、一対の脚回り用弾性体２，２は股下回り部において互いに交差した略Ｘ字状に形成する構成とすることが考えられる。
【００１４】
この図１３に示す使い捨ておむつでは、製造過程において、前記外層シート１の２個分の幅方向寸法にあたる長さ寸法ｌ２分の長尺の外層シート構成材１ａが移動する間に脚回り用弾性体２，２の配設装置の外層シート１の幅方向の移動を１周期として前記配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に高速移動させる必要がないので、前記脚回り用弾性体２，２の配設は容易に行える。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図１３に示すように、脚回り用弾性体２，２を外層シート１の股下回り部において略Ｘ字状に互いに交差すると、前記外層シート１の前記股下回り部略中央部に配設された脚回り用弾性体２，２は、使い捨ておむつの両側脚回り部を使い捨て吸収性物品の長手方向に伸縮させることができないため、前記使い捨て吸収性物品を装着者の身体に装着した際にこの使い捨て吸収性物品の両側脚回り部から排泄液の漏泄が起こりやすくなる。
【００１６】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、装着者の身体に装着した際に両側脚回り部の密着性がよく、排泄物の漏泄が起こらず、また、製造時において容易に脚回り用弾性体を配設できて容易に製造することができる使い捨て吸収性物品を提供することを目的とする。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明の使い捨て吸収性物品は、透液性表面シートと、この透液性表面シートの裏面側に配設した不透液性裏面シートと、この透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に配設した吸収体と、少なくとも前記不透液性裏面シートの周縁部にて形成し、かつ前記吸収体の幅方向両側部より外方に延在するフラップ部とを有する吸収性物品本体部と、この吸収性物品本体部の不透液性裏面シートの裏面側に配設した外層シートとを備え、かつ背側腰回り部、両側部に脚回り部を有する股下回り部、および腹側腰回り部を長手方向に順次一体的に形成し、前記外層シートの背側腰回り部および腹側腰回り部にはこの外層シートの幅方向に伸縮する背側腰回り用弾性体および腹側腰回り用弾性体をそれぞれ配設するとともに、前記外層シートの前記両側脚回り部にはそれぞれ脚回り用弾性体を配設したものである。
【００１８】
また、前記脚回り用弾性体は、第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とにて形成し、この第１脚回り用弾性体は一端側が背側腰回り部側の一側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記股下回り部を前記腹側腰回り部の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の他側部の脚回り部に沿って配設し、前記第２脚回り用弾性体は、一端側が前記背側腰回り部側の他側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体と交差して前記股下回り部を前記腹側腰回り部の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の一側部の脚回り部に沿って配設し、前記吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って第３脚回り用弾性体を配設したものである。
【００１９】
そして、前記第１脚回り用弾性体、前記第２脚回り用弾性体と、吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って配設した第３脚回り用弾性体とにより使い捨て吸収性物品の脚回り部略全域に脚回り用弾性体が配設されて、脚回り部略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００２０】
また、外層シートを幅方向に連続した長尺の外層シート構成材から製造する際に第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とを外層シート構成材に配設するとき、使い捨て吸収性物品２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材が前記第１および第２脚回り用弾性体の配設位置を移動する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１および第２脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に高速で移動させる必要がないので、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の配設を容易に行える。
【００２１】
さらに、吸収性物品本体部は製造時において、透液性表面シート、不透液性裏面シート、両側フラップ部などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部に沿って配設する第３脚回り用弾性体を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体を前記吸収性物品本体部に容易に配設することができる。
【００２２】
請求項２記載の発明の使い捨て吸収性物品は、吸収性物品本体部は裏面側において外層シートに固着され、この外層シートの股下回り部は幅方向内方に向けて略凹状に切り欠かれ、前記吸収性物品本体部のフラップ部に配設された第３脚回り用弾性体は、少なくとも一部分は外層シートの両側脚回り部よりもそれぞれ外方に配設するものである。
【００２３】
そして、第３脚回り用弾性体により、この外層シートの両側の脚回り部よりも外方に配設された吸収性物品本体部は外層シートの厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、フラップ部は装着時に装着者の身体に密着する。
【００２４】
請求項３記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１または２記載の使い捨て吸収性物品において、第３脚回り用弾性体は、少なくとも、第１脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍の間にそれぞれ配設するものである。
【００２５】
そして、第１脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の外側部とが交差する位置近傍との間にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体により、装着時における使い捨て吸収性物品の両側脚回り部略全域における伸縮性は確保されて装着者の脚回り部に密着し、また、第３脚回り用弾性体は前記股下回り部略全域における伸縮性確保に必要な量のみ配設することができる。
【００２６】
請求項４記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし３のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、吸収性物品本体部の第３脚回り用弾性体近傍よりも幅方向外方に位置して両外側部には、吸収性物品体を装着者の身体に装着する際に装着者の身体方向に起立する一対の立体ギャザを相対して形成したものである。
【００２７】
そして、使い捨て吸収性物品を装着する際に立体ギャザが装着者の身体方向に起立することにより、この使い捨て吸収性物品は装着者の身体に確実に密着する。
【００２８】
請求項５記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし４のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の引張り強度は、両側の脚回り部に沿って配設した一端側および他端側よりも、前記股下回り部を横切る方向に配設した中間部を小さくしたものである。
【００２９】
そして、第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体の股下回り部を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、吸収性物品本体部の股下回り部が必要以上に幅方向に収縮することはない。
【００３０】
請求項６記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし５のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、外層シートには、この外層シートの表面側に配設された吸収体の幅方向中央部に位置して中央弾性体を吸収性物品体の長手方向に沿って配設するものである。
【００３１】
そして、一対の吸収体の幅方向の中央部に位置した中央弾性体により、吸収体が長手方向に伸縮可能となり、吸収性物品体を身体に密着させることができる。
【００３２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨て吸収性物品における一実施の形態の構成を図１および図２を参照して説明する。
【００３３】
使い捨て吸収性物品は、大人用或いは失禁用などの吸収性物品体、例えばおむつ体１１を備えている。
【００３４】
そして、このおむつ体１１は、図１および図２に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成されている。また、前記吸収性物品本体部１６の裏面側には外層シート１７が固着されている。
【００３５】
また、前記透液性表面シート１２は、例えば肌着に近い感触を有する織布、不織布、多孔性フィルム、合成繊維などの液透過性および通気性を有するシート材にて形成され、尿などの排泄液を透過させる。そして、この透液性表面シート１２は略細長略矩形形状に形成されている。
【００３６】
そして、前記透液性表面シート１２の裏面側に積層した不透液性裏面シート１３は、尿などの排泄液にて下着などの他の衣類、あるいはシーツなどが汚れるのを防止するために、例えば、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂などの液不透過性および通気性を有したシート材にて形成されている。そして、この不透液性裏面シート１３は略細長略矩形形状に形成され、前記透液性表面シート１２と略同一の大きさに形成されている。
【００３７】
また、前記吸収体１４は、尿などの排泄液を十分に吸収するために、例えばパルプを主とする材料であって一部に高分子吸収体などの物質を含んだ材料からなり、プレス加工によってシート状に形成される。そして、この吸収体１４の両側縁は、長手方向の略中間部が内方に向けて略凹状に切り欠かれた略細長略矩形形状に形成されており、長手方向および幅方向寸法が前記透液性表面シート１２および前記不透液性裏面シート１３よりも小さく、前記透液性表面シート１２および前記不透液性裏面シート１３の略中央部に配設されている。そして、前記透液性表面シート１２の周縁部と不透液性裏面シート１３とは前記吸収体１４の周縁部よりも外方において接着剤などで結合され、前記吸収体１４は前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との周縁部との間に封着される。
【００３８】
そして、前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された不透液性シート１８とによって形成され、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。
【００３９】
また、前記外層シート１７は、通気性かつ液不透過性を有する内側シート片２５と液不透過性を有する外側シート片２６とを重ね合わせて一体的に結合して形成されており、展開状態で背側腰回り部２０、股下回り部２１および腹側腰回り部２２がおむつ体１１の長手方向に順次一体的に形成されるとともに長手方向に沿った中心線にて略線対称な矩形形状に形成され、この外層シート１７の股下回り部２１の両側部は幅方向内方に向けて略凹状に切り欠かれて脚回り部２３が形成されている。
【００４０】
さらに、この外層シート１７の背側腰回り部２０および腹側腰回り部２２は、幅方向寸法が縦方向寸法より長い略矩形形状に形成され、この背側腰回り部２０および腹側腰回り部２２において、前記内側シート片２５と外側シート片２６との間には、複数の細長い紐状の弾性部材から形成される背側腰回り用弾性体２７および腹側腰回り用弾性体２８が伸張した状態で幅方向に固着されている。
【００４１】
そして、前記外層シート１７の股下回り部２１において前記内側シート片２５と外側シート片２６との間には、この外層シート１７の表面側に配設された吸収体１４の幅方向中央部に位置して、中央弾性体２８ａがおむつ体１１の長手方向に沿って伸張した状態で配設され固着されている。この中央弾性体２８ａは、細紐ゴムなどによって形成された数条の弾性体からなり、前記外層シート１７の長手方向に伸縮する。
【００４２】
また、前記外層シート１７の前記両側脚回り部２３には、それぞれ第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０が配設されている。
【００４３】
この第１脚回り用弾性体２９は、前記外層シート１７の内側シート片２５と外側シート片２６との間において、一端側が背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００４４】
また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側が前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体２９とＸ字状に交差して、前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００４５】
そして、この第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０は、両側の脚回り部２３に沿って配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態で配設されている。
【００４６】
また、前記吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体２４は、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成され、前記吸収体１４の長手方向両側部略全域にわたり、前記不透液性裏面シート１３の両側部と不透液性シート１８との間に伸張した状態で固着されている。また、このフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の脚回り部２３において前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方に配設されている。
【００４７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の外側部である前記フラップ部１５が交差する位置近傍において、前記第１脚回り用弾性体２９は、平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００４８】
さらに、前記第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の外側部である前記フラップ部１５とが交差する位置近傍において、前記第２脚回り用弾性体３０は、平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００４９】
そして、このおむつ体１１は、図３に示すように、図１および図２に示す実施の形態における外層シート１７の背側腰回り部２０の一方外側縁部３１と腹側腰回り部２２の一方外側縁部３２と、背側腰回り部２０の他方外側縁部３３と腹側腰回り部２２の他方外側縁部３４とを接着剤などにて結合し、おむつ体１１の透液性表面シート１２が内面側となる状態で、上面に開口形成された腰回り側開口部３５と、下面に開口形成されたと一対の脚回り側開口部３６，３６を有するパンツ形状に形成する。
【００５０】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００５１】
まず、このおむつ体１１の製造工程においては、図４に示すように前記外層シート１７を幅方向に連続した長尺の外層シート構成材１７ａを長手方向に移動させながら長尺の腰回り用弾性体（図示せず）を長手方向に連続して固着する。
【００５２】
次に、前記外層シート構成材１７ａにおいて、前記第１脚回り用弾性体２９は、一端側を背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿わせるとともに、中間部を前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側を前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿わせて配設する。また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側を前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿わせるとともに、中間部を前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側を前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿わせて配設する。
【００５３】
さらに、長尺の第１脚回り用弾性体２９ａと長尺の第２脚回り用弾性体３０ａとが最も離間した部分にて前記外層シート構成材１７ａを幅方向に切断し、外層シート１７を形成する。
【００５４】
そして、このおむつ体１１の製造工程において、長尺の外層シート構成材１７ａを長手方向に移動させながら長尺の第１脚回り用弾性体２９ａと長尺の第２脚回り用弾性体３０ａを前記外層シート構成材１７ａに配設する際に、前記おむつ体１１の２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材１７ａが前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の配設位置を通過する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１脚回り用弾性体２９の配設装置と前記第２脚回り用弾性体３０の配設装置とを前記外層シート構成材１７ａの幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材１７ａの幅方向に高速で移動させる必要がないので、前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の配設を容易に行える。
【００５５】
さらに、吸収性物品本体部１６は製造時において、透液性表面シート１２、不透液性裏面シート１３、両側フラップ部１５などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部１５に沿って配設する第３脚回り用弾性体２４を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体２４を前記吸収性物品本体部１６に容易に配設することができる。
【００５６】
また、装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように容易に装着する。
【００５７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と、前記第２脚回り用弾性体３０と、吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５に沿って配設した第３脚回り用弾性体２４とによりおむつ体１１の脚回り部２３略全域に前記第１脚回り用弾性体２９、第２脚回り用弾性体３０、第３脚回り用弾性体２４が配設されて、おむつ体１１の脚回り部２３略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００５８】
また、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分が外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設されて、この外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設された吸収性物品本体部１６および第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分は外層シート１７の厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、装着時に装着者の身体に密着する。
【００５９】
そして、前記外層シート１７の表面側に配設された前記吸収体１４の幅方向中央部に位置して、前記中央弾性体２８ａがおむつ体１１の長手方向に沿って伸張した状態で配設されているため、前記吸収体１４は前記外層シート１７の長手方向に伸縮され、このおむつ体１１を身体に密着させることができる。
【００６０】
さらに、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０の前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、前記おむつ体１１の股下回り部２１が必要以上に幅方向に収縮することはなく、前記おむつ体１１は装着者の身体に密着して装着される。
【００６１】
また、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５は、透液性表面シート１２の表面側周縁部に不透液性シート１８を積層して接着結合したことにより、前記おむつ体１１を装着した際前記フラップ部１５は装着者の肌側が不透液性となり、前記股下回り部２１からの排泄液の漏泄が防止される。
【００６２】
なお、この実施の形態においては、前記吸収性物品本体部１６のフラップ部１５は不透液性裏面シート１３の表面側周縁部に不透液性シート１８を積層して形成したが、この不透液性シート１８にかえて、図５に示すとおり、前記透液性表面シート１２の長手方向および幅方向寸法を前記不透液性裏面シート１３と略同一に形成し、この透液性表面シート１２の周縁部を前記不透液性裏面シート１３の周縁部に積層結合して形成することもできる。
【００６３】
そして、前記吸収性物品本体部１６のフラップ部１５の一部を前記透液性表面シート１２の周縁部によって形成することにより、前記吸収性物品本体部１６を形成する構成部材が少なくなり、この吸収性物品本体部１６をより少ない工程で作ることができる。
【００６４】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【００６５】
次に、本発明の使い捨て吸収性物品における他の実施の形態の構成を図６および図７を参照して説明する。
【００６６】
おむつ体１１は、図６および図７に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成され、このフラップ部１５の幅方向両側部よりも幅方向外方に位置して両外側部にはそれぞれ立体ギャザ３７，３７を有している。そして、前記おむつ体１１は、前記透液性表面シート１２と、前記吸収体１４および前記フラップ部１５および前記立体ギャザ３７，３７と、前記不透液性裏面シート１３とを積層して形成した吸収性物品本体部１６と、前記吸収性物品本体部１６の裏面側に配設した外層シート１７を有し、この吸収性物品本体部１６は裏面側において前記外層シート１７に積層され固着されている。
【００６７】
前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合されかつ不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ａとによって、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。このフラップ部１５には、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成された第３脚回り用弾性体２４が、前記吸収体１４の長手方向両側部略全域にわたり、前記不透液性裏面シート１３の両側部と立体ギャザシート１８ａとの間に配設されている。
【００６８】
また、前記立体ギャザシート１８ａ，１８ａは二つ折りされ、この立体ギャザシート１８ａ，１８ａの一方の基端部３９は前記透液性表面シート１２の幅方向両側部近傍に接着剤などで固着結合されるとともに他方の基端部３９は前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部近傍に接着剤などで固着結合され、立体ギャザ３７，３７を形成している。また、立体ギャザシート１８ａ，１８ａの長手方向両端部の互いに対向する内側部は、前記透液性表面シート１２の上面に重ね合わせて貼着結合する。また、この立体ギャザシート１８ａ，１８ａの長手方向両側部間の先端部３８側において、前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３とはそれぞれ非固着部に形成されるとともに先端部３８は自由端に形成されている。
【００６９】
また、前記立体ギャザ３７，３７を形成する立体ギャザシート１８ａ，１８ａの二つ折りした先端部３８近傍には、立体ギャザ形成弾性体３８ａが伸張された状態で前記立体ギャザシート１８ａ，１８ａに挟み込まれて固着されている。この立体ギャザ形成弾性体３８ａは数条の細紐状のゴムなどにて形成され、前記立体ギャザ３７の長手方向両側部略全域にわたって配設されている。
【００７０】
そして、おむつ体１１は、図３に示すようにパンツ形状に形成する。
【００７１】
また、その他の構成は図１および図２に示す実施の形態と同じである。
【００７２】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００７３】
装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように容易に装着する。
【００７４】
そして、おむつ体１１を装着者の身体に装着する際、前記立体ギャザ形成弾性体３８ａが収縮して立体ギャザ３７は装着者の身体方向に起立するので、このおむつ体１１は装着者の身体に確実に密着する。
【００７５】
また、前記立体ギャザ３７は不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ａによって形成することにより、前記おむつ体１１を装着した際前記股下回り部２１からの排泄液の漏泄が防止される。
【００７６】
なお、この実施の形態においては、フラップ部１５の一部と立体ギャザ３７とを形成する立体ギャザシート１８ａを二つ折りし、一方の基端部３９を透液性表面シート１２の幅方向両側部近傍に、他方の基端部３９を不透液性裏面シート１３の幅方向両側部近傍に、それぞれ接着剤などで固着結合する構成としたが、図８に示すように、前記透液性表面シート１２の幅方向両側部位置と前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部位置とを略同一とし、前記透液性表面シート１２の両側部と前記不透液性裏面シート１３の両側部とによってフラップ部１５を形成し、このフラップ部１５の両外側縁部に、不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂを二つ折りして形成した前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂの両基端部３９，３９を固着して立体ギャザ３７，３７を形成する構成とすることもできる。
【００７７】
そして、前記透液性表面シート１２の幅方向両側部位置と前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部位置とは略同一位置とし、前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂと前記両基端部３９，３９とがほぼ重なった状態に二つ折りし、この立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂの両基端部３９，３９を前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３の幅方向両側部に合わせて配設できるので、前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂを前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３の幅方向両側部に容易に固着配設することが可能になり、前記立体ギャザ３７を容易に形成することができる。
【００７８】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【００７９】
次に、本発明の使い捨て吸収性物品における他の実施の形態の構成を図９を参照して説明する。
【００８０】
おむつ体１１は、図９に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成されている。また、前記吸収性物品本体部１６の裏面側には外層シート１７が固着されている。
【００８１】
そして、前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された不透液性シート１８とによって形成され、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。
【００８２】
また、前記外層シート１７の前記両側脚回り部２３には、それぞれ第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０とが配設されている。
【００８３】
前記第１脚回り用弾性体２９は、前記外層シート１７の内側シート片２５と外側シート片２６との間において、一端側が背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００８４】
また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側が前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体２９とＸ字状に交差して、前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００８５】
そして、この第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０は、両側の脚回り部２３に沿って配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態で配設されている。
【００８６】
また、前記吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体２４は、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成され、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間において、前記不透液性裏面シート１３の両側部と不透液性シート１８との間に伸長した状態で固着されている。また、このフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の脚回り部２３において前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方に配設されている。
【００８７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側外側部である前記フラップ部１５が交差する位置近傍において、前記第１脚回り用弾性体２９は、それぞれ平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００８８】
さらに、前記第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側外側部である前記フラップ部１５とが交差する位置近傍において、前記第２脚回り用弾性体３０は、それぞれ平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００８９】
また、この第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の両側脚回り部２３における部分に位置して一部分が前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方にそれぞれ配設されている。
【００９０】
そして、おむつ体１１は図３に示すようにパンツ形状に形成する。
【００９１】
また、その他の構成は図１および図２に示す実施の形態と同じである。
【００９２】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００９３】
装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように装着する。
【００９４】
そして、おむつ体１１の両側フラップ部１５に沿って、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間にそれぞれ第３脚回り用弾性体２４を配設したので、前記第１脚回り用弾性体２９と、前記第２脚回り用弾性体３０と、吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５に沿って配設した第３脚回り用弾性体２４とによりおむつ体１１の脚回り部２３略全域に前記第１脚回り用弾性体２９、第２脚回り用弾性体３０、第３脚回り用弾性体２４が配設されて、おむつ体１１の脚回り部２３略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００９５】
また、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０の前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、前記おむつ体１１の股下回り部２１が必要以上に幅方向に収縮することはなく、前記おむつ体１１は装着者の身体に密着して装着される。
【００９６】
さらに、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分が外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設されて、この外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設された吸収性物品本体部１６および第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分は外層シート１７の厚みや硬さに影響されることなく収縮し、装着時に装着者の身体に密着する。
【００９７】
そして、第３脚回り用弾性体２４は、吸収性物品本体部１６の両側部のうち、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍との間にのみに配設して、前記吸収性物品本体部１６の前記両側フラップ部１５のうち、前記おむつ体１１の股下回り部２１を装着者の股下回り部に密着させる機能を確保するために必要な箇所にのみ第３脚回り用弾性体２４を配設する。
【００９８】
なお、本実施の形態においては、おむつ体１１の前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方にフラップ部１５のみが延在し、この前記フラップ部１５の第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間に第３脚回り用弾性体２４を配設したが、図１０に示すとおり、おむつ体１１の前記吸収体１４の周縁から延出した透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された立体ギャザシート１８ａとによってフラップ部１５を形成するとともに、前記立体ギャザシート１８ａによって前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部よりも幅方向外方に位置して両外側部において立体ギャザ３７，３７を形成し、このフラップ部１５の第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間に第３脚回り用弾性体２４を配設する構成とすることもできる。
【００９９】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【０１００】
また、前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の両側脚回り部２３に沿ってそれぞれ配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態には、中間部が実質的に伸縮しない状態で配設する構成も含むものとする。
【０１０１】
【発明の効果】
請求項１記載の発明によれば、第１脚回り用弾性体、第２脚回り用弾性体と、吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って配設した第３脚回り用弾性体とにより使い捨て吸収性物品の脚回り部の略全域に脚回り用弾性体が配設されて、脚回り部略全域が装着者の脚回り部に密着し、この吸収性物品本体部の脚回り部から排泄液が漏泄しない。
【０１０２】
また、外層シートを幅方向に連続した長尺の外層シート構成材から製造する際に第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とを外層シート構成材に配設するとき、使い捨て吸収性物品２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材が前記第１および第２脚回り用弾性体の配設位置を移動する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１および第２脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に高速で移動させる必要がないので、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の配設を容易に行え、この使い捨て吸収性物品の製造装置に過剰な負担をかけることなくこの使い捨て吸収性物品を製造できる。
【０１０３】
さらに、吸収性物品本体部は製造時において、透液性表面シート、不透液性裏面シート、両側フラップ部などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部に沿って配設する第３脚回り用弾性体を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体を前記吸収性物品本体部に容易に配設することができる。
【０１０４】
請求項２記載の発明によれば、第３脚回り用弾性体により、この外層シートの両側の脚回り部よりも外方に配設された吸収性物品本体部は外層シートの厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、フラップ部は装着時に装着者の身体に密着するので、使い捨て吸収性物品の脚回り部から排泄液の漏泄が生じない。
【０１０５】
請求項３記載の発明によれば、装着時における使い捨て吸収性物品の両側脚回り部略全域における伸縮性は確保されて装着者の脚回り部に密着し、また、第３脚回り用弾性体は前記股下回り部略全域における伸縮性確保に必要な量のみ配設することができ、弾性体材料の使用を節減して使い捨て吸収性物品の製造コストを下げることができる。
【０１０６】
請求項４記載の発明によれば、立体ギャザが装着者の身体方向に起立することにより、使い捨て吸収性物品は装着者の身体に確実に密着して脚回り部からの排泄液の漏泄は起こらない。
【０１０７】
請求項５記載の発明によれば、吸収性物品本体部の股下回り部が必要以上に幅方向に収縮することはなく、使い捨て吸収性物品は装着者の身体に密着して装着される。
【０１０８】
請求項６記載の発明によれば、一対の吸収体の幅方向の中央部に位置した中央弾性体により、吸収体が長手方向に伸縮可能となり、吸収性物品体を身体に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図２】同上使い捨て吸収性物品の図１におけるＡ−Ａ線部の縦断正面図である。
【図３】同上使い捨て吸収性物品のパンツ形状の斜視図である。
【図４】同上使い捨て吸収性物品の外層シートの製造状態時の平面図である。
【図５】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の縦断正面図である。
【図６】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図７】同上使い捨て吸収性物品の図６におけるＢ−Ｂ線部の縦断正面図である。
【図８】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の断面正面図である。
【図９】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図１０】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の縦断正面図である。
【図１１】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【図１２】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【図１３】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【符号の説明】
１１ 吸収性物品体としてのおむつ体
１２ 透液性表面シート
１３ 不透液性裏面シート
１４ 吸収体
１５ フラップ部
１６ 吸収性物品本体部
１７ 外層シート
２０ 背側腰回り部
２１ 股下回り部
２２ 腹側腰回り部
２３ 脚回り部
２４ 第３脚回り用弾性体
２７ 背側腰回り用弾性体
２８ 腹側腰回り用弾性体
２８ａ 中央弾性体
２９ 第１脚回り用弾性体
３０ 第２脚回り用弾性体
３７ 立体ギャザ
【発明の属する技術分野】
本発明は、大人用或いは失禁用の使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の使い捨ておむつなどの使い捨て吸収性物品としては、透液性表面シート、吸収体、不透液性裏面シートを積層し、背側腰回り部、股下回り部、腹側腰回り部を長手方向に順次一体に形成した使い捨て吸収性物品が一般に知られている。
【０００３】
また、透液性表面シート、吸収体、および不透液性裏面シートにて構成された吸収性物品本体部の裏面側に、背側腰回り部、股下回り部、および腹側腰回り部を長手方向に順次一体的に形成する外層シートを固着した使い捨ておむつが提案（特願２００２−１５８３５９号）されている。この使い捨ておむつの外層シートには、背側腰回り部に背側腰回り用弾性体、腹側腰回り部に腹側腰回り用弾性体、両側脚回り部には脚回り用弾性体がそれぞれ配設されている。
【０００４】
そして、この使い捨ておむつは、図１１に示すように、前記外層シート１に設けられた脚回り用弾性体２，２は、両端部が外層シート１の背側腰回り部側の脚回り部および腹側腰回り部側の脚回り部に沿ってそれぞれ配設されるとともにこの脚回り用弾性体２，２の中間部がそれぞれ離間対向した状態でこの股下回り部を横切って配設されている。
【０００５】
そして、この使い捨ておむつでは、外層シート１に配設された脚回り用弾性体２，２は股下回り部において外層シートの長手方向に離間対向しており、両側脚回り部の長手方向略中央部には弾性体が配設されていないため、前記使い捨ておむつを両側脚回り部略全域において装着者の身体に密着させることはできず、装着時に排泄液の漏泄が起こりやすい。
【０００６】
そのため、図１１に示すように、使い捨ておむつの外層シート１において、両側脚回り部に設けた脚回り用弾性体２，２間に位置して外層シート１の両側脚回り部に沿って脚回り用弾性体２，２を配設し、前記使い捨ておむつの両側脚回り部略全域に伸縮性を持たせることが考えられる。
【０００７】
ところで、図１１に示すように、前記外層シート１はこの外層シート１を幅方向に連続した長尺の外層シート構成材１ａから製造する製造方法が提案（特願２００２−１５８３５９号）されており、この製造方法においては、前記外層シート構成材１ａを長手方向（図１１矢指方向）に移動させながら長尺の腰回り用弾性体（図示せず）と長尺の脚回り用弾性体２，２とを長手方向に連続して配設し、前記外層シート構成材１ａを幅方向に切断して外層シート１を形成する。
【０００８】
そして、このような構成の使い捨ておむつにおいて、外層シート１の両側脚回り部に第３脚回り用弾性体を配設するためには、この使い捨ておむつの製造過程において、長尺の外層シート構成材１ａを長手方向（図１１矢指方向）に移動させながら前記第３脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に高速で移動させて前記第３脚回り用弾性体を前記外層シート構成材１ａに配設しなければならず、外層シート１の製造が難しくなる。
【０００９】
そこで、図１２に示すように、外層シート１に配設する脚回り用弾性体２，２は、両端部が背側腰回り部側および腹側腰回り部側の脚回り部に沿って配設されるとともに中間部が股下回り部でそれぞれ交差してこの股下回り部を傾斜状に横切り配設される構成の使い捨ておむつが考えられる。
【００１０】
この使い捨ておむつでは、長尺の外層シート構成材１ａの製造時において、両脚回り用弾性体２，２は、長尺の外層シート構成材１ａをその長手方向（図１２矢指方向）に移動させながら、前記外層シート構成材１ａの幅方向の中央部において中間部にて互いに交差するように幅方向に屈曲させることにより、使い捨ておむつの股下回り部において、図１２に示す、長手方向に交差して対向した一対の略Ｕ字状に配設される。そして、脚回り用弾性体２，２は、外層シート１の両側脚回り部略全域に配設されるため、この使い捨ておむつは装着時に装着者の股下回り全域にわたって密着する。
【００１１】
しかし、この使い捨ておむつの外層シート１に配設された脚回り用弾性体２，２は股下回り部において長手方向に交差して対向しており、図１１に示す構成に比べ、製造過程における長尺の外層シート構成材１ａにおいて脚回り用弾性体２，２が配設される幅方向寸法が大きくなって、脚回り用弾性体２，２の配設装置を長尺の外層シート１上において幅方向に大きく往復させなければならず、製造が困難である。
【００１２】
また、脚回り用弾性体２，２を外層シート１の長手方向に対向して互いに略Ｕ字状に屈曲して配設する場合、図１２に示す外層シート１の１個分の幅方向寸法にあたる長さ寸法ｌ１を外層シート構成材１ａが移送される間に、前記脚回り用弾性体２，２を屈曲幅寸法ｌ２を往復移動させなければならないので、脚回り用弾性体２，２の屈曲移動量が大きくなり、脚回り用弾性体２，２の配設装置の移動速度が高速になり、外層シート構成材１ａに脚回り用弾性体２，２を配設することが難しくなる。
【００１３】
そこで、図１３に示すとおり、外層シート１に配設する脚回り用弾性体２、２は、一方の前記脚回り用弾性体２を背側腰回り部側の一側部から腹側腰回り部側の他側部に向けて前記股下回り部を傾斜状に横切って配設するとともに、他方の脚回り用弾性体２を背側腰回り部側の他側部から前記腹側腰回り部側の一側部に向けて前記股下回り部を傾斜状に横切って配設し、一対の脚回り用弾性体２，２は股下回り部において互いに交差した略Ｘ字状に形成する構成とすることが考えられる。
【００１４】
この図１３に示す使い捨ておむつでは、製造過程において、前記外層シート１の２個分の幅方向寸法にあたる長さ寸法ｌ２分の長尺の外層シート構成材１ａが移動する間に脚回り用弾性体２，２の配設装置の外層シート１の幅方向の移動を１周期として前記配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材１ａの幅方向に高速移動させる必要がないので、前記脚回り用弾性体２，２の配設は容易に行える。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図１３に示すように、脚回り用弾性体２，２を外層シート１の股下回り部において略Ｘ字状に互いに交差すると、前記外層シート１の前記股下回り部略中央部に配設された脚回り用弾性体２，２は、使い捨ておむつの両側脚回り部を使い捨て吸収性物品の長手方向に伸縮させることができないため、前記使い捨て吸収性物品を装着者の身体に装着した際にこの使い捨て吸収性物品の両側脚回り部から排泄液の漏泄が起こりやすくなる。
【００１６】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、装着者の身体に装着した際に両側脚回り部の密着性がよく、排泄物の漏泄が起こらず、また、製造時において容易に脚回り用弾性体を配設できて容易に製造することができる使い捨て吸収性物品を提供することを目的とする。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の発明の使い捨て吸収性物品は、透液性表面シートと、この透液性表面シートの裏面側に配設した不透液性裏面シートと、この透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に配設した吸収体と、少なくとも前記不透液性裏面シートの周縁部にて形成し、かつ前記吸収体の幅方向両側部より外方に延在するフラップ部とを有する吸収性物品本体部と、この吸収性物品本体部の不透液性裏面シートの裏面側に配設した外層シートとを備え、かつ背側腰回り部、両側部に脚回り部を有する股下回り部、および腹側腰回り部を長手方向に順次一体的に形成し、前記外層シートの背側腰回り部および腹側腰回り部にはこの外層シートの幅方向に伸縮する背側腰回り用弾性体および腹側腰回り用弾性体をそれぞれ配設するとともに、前記外層シートの前記両側脚回り部にはそれぞれ脚回り用弾性体を配設したものである。
【００１８】
また、前記脚回り用弾性体は、第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とにて形成し、この第１脚回り用弾性体は一端側が背側腰回り部側の一側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記股下回り部を前記腹側腰回り部の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の他側部の脚回り部に沿って配設し、前記第２脚回り用弾性体は、一端側が前記背側腰回り部側の他側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体と交差して前記股下回り部を前記腹側腰回り部の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の一側部の脚回り部に沿って配設し、前記吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って第３脚回り用弾性体を配設したものである。
【００１９】
そして、前記第１脚回り用弾性体、前記第２脚回り用弾性体と、吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って配設した第３脚回り用弾性体とにより使い捨て吸収性物品の脚回り部略全域に脚回り用弾性体が配設されて、脚回り部略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００２０】
また、外層シートを幅方向に連続した長尺の外層シート構成材から製造する際に第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とを外層シート構成材に配設するとき、使い捨て吸収性物品２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材が前記第１および第２脚回り用弾性体の配設位置を移動する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１および第２脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に高速で移動させる必要がないので、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の配設を容易に行える。
【００２１】
さらに、吸収性物品本体部は製造時において、透液性表面シート、不透液性裏面シート、両側フラップ部などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部に沿って配設する第３脚回り用弾性体を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体を前記吸収性物品本体部に容易に配設することができる。
【００２２】
請求項２記載の発明の使い捨て吸収性物品は、吸収性物品本体部は裏面側において外層シートに固着され、この外層シートの股下回り部は幅方向内方に向けて略凹状に切り欠かれ、前記吸収性物品本体部のフラップ部に配設された第３脚回り用弾性体は、少なくとも一部分は外層シートの両側脚回り部よりもそれぞれ外方に配設するものである。
【００２３】
そして、第３脚回り用弾性体により、この外層シートの両側の脚回り部よりも外方に配設された吸収性物品本体部は外層シートの厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、フラップ部は装着時に装着者の身体に密着する。
【００２４】
請求項３記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１または２記載の使い捨て吸収性物品において、第３脚回り用弾性体は、少なくとも、第１脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍の間にそれぞれ配設するものである。
【００２５】
そして、第１脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の外側部とが交差する位置近傍との間にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体により、装着時における使い捨て吸収性物品の両側脚回り部略全域における伸縮性は確保されて装着者の脚回り部に密着し、また、第３脚回り用弾性体は前記股下回り部略全域における伸縮性確保に必要な量のみ配設することができる。
【００２６】
請求項４記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし３のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、吸収性物品本体部の第３脚回り用弾性体近傍よりも幅方向外方に位置して両外側部には、吸収性物品体を装着者の身体に装着する際に装着者の身体方向に起立する一対の立体ギャザを相対して形成したものである。
【００２７】
そして、使い捨て吸収性物品を装着する際に立体ギャザが装着者の身体方向に起立することにより、この使い捨て吸収性物品は装着者の身体に確実に密着する。
【００２８】
請求項５記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし４のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の引張り強度は、両側の脚回り部に沿って配設した一端側および他端側よりも、前記股下回り部を横切る方向に配設した中間部を小さくしたものである。
【００２９】
そして、第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体の股下回り部を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、吸収性物品本体部の股下回り部が必要以上に幅方向に収縮することはない。
【００３０】
請求項６記載の発明の使い捨て吸収性物品は、請求項１ないし５のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品において、外層シートには、この外層シートの表面側に配設された吸収体の幅方向中央部に位置して中央弾性体を吸収性物品体の長手方向に沿って配設するものである。
【００３１】
そして、一対の吸収体の幅方向の中央部に位置した中央弾性体により、吸収体が長手方向に伸縮可能となり、吸収性物品体を身体に密着させることができる。
【００３２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の使い捨て吸収性物品における一実施の形態の構成を図１および図２を参照して説明する。
【００３３】
使い捨て吸収性物品は、大人用或いは失禁用などの吸収性物品体、例えばおむつ体１１を備えている。
【００３４】
そして、このおむつ体１１は、図１および図２に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成されている。また、前記吸収性物品本体部１６の裏面側には外層シート１７が固着されている。
【００３５】
また、前記透液性表面シート１２は、例えば肌着に近い感触を有する織布、不織布、多孔性フィルム、合成繊維などの液透過性および通気性を有するシート材にて形成され、尿などの排泄液を透過させる。そして、この透液性表面シート１２は略細長略矩形形状に形成されている。
【００３６】
そして、前記透液性表面シート１２の裏面側に積層した不透液性裏面シート１３は、尿などの排泄液にて下着などの他の衣類、あるいはシーツなどが汚れるのを防止するために、例えば、ポリエチレン樹脂などの合成樹脂などの液不透過性および通気性を有したシート材にて形成されている。そして、この不透液性裏面シート１３は略細長略矩形形状に形成され、前記透液性表面シート１２と略同一の大きさに形成されている。
【００３７】
また、前記吸収体１４は、尿などの排泄液を十分に吸収するために、例えばパルプを主とする材料であって一部に高分子吸収体などの物質を含んだ材料からなり、プレス加工によってシート状に形成される。そして、この吸収体１４の両側縁は、長手方向の略中間部が内方に向けて略凹状に切り欠かれた略細長略矩形形状に形成されており、長手方向および幅方向寸法が前記透液性表面シート１２および前記不透液性裏面シート１３よりも小さく、前記透液性表面シート１２および前記不透液性裏面シート１３の略中央部に配設されている。そして、前記透液性表面シート１２の周縁部と不透液性裏面シート１３とは前記吸収体１４の周縁部よりも外方において接着剤などで結合され、前記吸収体１４は前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との周縁部との間に封着される。
【００３８】
そして、前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された不透液性シート１８とによって形成され、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。
【００３９】
また、前記外層シート１７は、通気性かつ液不透過性を有する内側シート片２５と液不透過性を有する外側シート片２６とを重ね合わせて一体的に結合して形成されており、展開状態で背側腰回り部２０、股下回り部２１および腹側腰回り部２２がおむつ体１１の長手方向に順次一体的に形成されるとともに長手方向に沿った中心線にて略線対称な矩形形状に形成され、この外層シート１７の股下回り部２１の両側部は幅方向内方に向けて略凹状に切り欠かれて脚回り部２３が形成されている。
【００４０】
さらに、この外層シート１７の背側腰回り部２０および腹側腰回り部２２は、幅方向寸法が縦方向寸法より長い略矩形形状に形成され、この背側腰回り部２０および腹側腰回り部２２において、前記内側シート片２５と外側シート片２６との間には、複数の細長い紐状の弾性部材から形成される背側腰回り用弾性体２７および腹側腰回り用弾性体２８が伸張した状態で幅方向に固着されている。
【００４１】
そして、前記外層シート１７の股下回り部２１において前記内側シート片２５と外側シート片２６との間には、この外層シート１７の表面側に配設された吸収体１４の幅方向中央部に位置して、中央弾性体２８ａがおむつ体１１の長手方向に沿って伸張した状態で配設され固着されている。この中央弾性体２８ａは、細紐ゴムなどによって形成された数条の弾性体からなり、前記外層シート１７の長手方向に伸縮する。
【００４２】
また、前記外層シート１７の前記両側脚回り部２３には、それぞれ第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０が配設されている。
【００４３】
この第１脚回り用弾性体２９は、前記外層シート１７の内側シート片２５と外側シート片２６との間において、一端側が背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００４４】
また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側が前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体２９とＸ字状に交差して、前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００４５】
そして、この第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０は、両側の脚回り部２３に沿って配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態で配設されている。
【００４６】
また、前記吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体２４は、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成され、前記吸収体１４の長手方向両側部略全域にわたり、前記不透液性裏面シート１３の両側部と不透液性シート１８との間に伸張した状態で固着されている。また、このフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の脚回り部２３において前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方に配設されている。
【００４７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の外側部である前記フラップ部１５が交差する位置近傍において、前記第１脚回り用弾性体２９は、平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００４８】
さらに、前記第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の外側部である前記フラップ部１５とが交差する位置近傍において、前記第２脚回り用弾性体３０は、平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００４９】
そして、このおむつ体１１は、図３に示すように、図１および図２に示す実施の形態における外層シート１７の背側腰回り部２０の一方外側縁部３１と腹側腰回り部２２の一方外側縁部３２と、背側腰回り部２０の他方外側縁部３３と腹側腰回り部２２の他方外側縁部３４とを接着剤などにて結合し、おむつ体１１の透液性表面シート１２が内面側となる状態で、上面に開口形成された腰回り側開口部３５と、下面に開口形成されたと一対の脚回り側開口部３６，３６を有するパンツ形状に形成する。
【００５０】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００５１】
まず、このおむつ体１１の製造工程においては、図４に示すように前記外層シート１７を幅方向に連続した長尺の外層シート構成材１７ａを長手方向に移動させながら長尺の腰回り用弾性体（図示せず）を長手方向に連続して固着する。
【００５２】
次に、前記外層シート構成材１７ａにおいて、前記第１脚回り用弾性体２９は、一端側を背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿わせるとともに、中間部を前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側を前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿わせて配設する。また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側を前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿わせるとともに、中間部を前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側を前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿わせて配設する。
【００５３】
さらに、長尺の第１脚回り用弾性体２９ａと長尺の第２脚回り用弾性体３０ａとが最も離間した部分にて前記外層シート構成材１７ａを幅方向に切断し、外層シート１７を形成する。
【００５４】
そして、このおむつ体１１の製造工程において、長尺の外層シート構成材１７ａを長手方向に移動させながら長尺の第１脚回り用弾性体２９ａと長尺の第２脚回り用弾性体３０ａを前記外層シート構成材１７ａに配設する際に、前記おむつ体１１の２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材１７ａが前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の配設位置を通過する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１脚回り用弾性体２９の配設装置と前記第２脚回り用弾性体３０の配設装置とを前記外層シート構成材１７ａの幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材１７ａの幅方向に高速で移動させる必要がないので、前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の配設を容易に行える。
【００５５】
さらに、吸収性物品本体部１６は製造時において、透液性表面シート１２、不透液性裏面シート１３、両側フラップ部１５などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部１５に沿って配設する第３脚回り用弾性体２４を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体２４を前記吸収性物品本体部１６に容易に配設することができる。
【００５６】
また、装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように容易に装着する。
【００５７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と、前記第２脚回り用弾性体３０と、吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５に沿って配設した第３脚回り用弾性体２４とによりおむつ体１１の脚回り部２３略全域に前記第１脚回り用弾性体２９、第２脚回り用弾性体３０、第３脚回り用弾性体２４が配設されて、おむつ体１１の脚回り部２３略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００５８】
また、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分が外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設されて、この外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設された吸収性物品本体部１６および第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分は外層シート１７の厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、装着時に装着者の身体に密着する。
【００５９】
そして、前記外層シート１７の表面側に配設された前記吸収体１４の幅方向中央部に位置して、前記中央弾性体２８ａがおむつ体１１の長手方向に沿って伸張した状態で配設されているため、前記吸収体１４は前記外層シート１７の長手方向に伸縮され、このおむつ体１１を身体に密着させることができる。
【００６０】
さらに、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０の前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、前記おむつ体１１の股下回り部２１が必要以上に幅方向に収縮することはなく、前記おむつ体１１は装着者の身体に密着して装着される。
【００６１】
また、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５は、透液性表面シート１２の表面側周縁部に不透液性シート１８を積層して接着結合したことにより、前記おむつ体１１を装着した際前記フラップ部１５は装着者の肌側が不透液性となり、前記股下回り部２１からの排泄液の漏泄が防止される。
【００６２】
なお、この実施の形態においては、前記吸収性物品本体部１６のフラップ部１５は不透液性裏面シート１３の表面側周縁部に不透液性シート１８を積層して形成したが、この不透液性シート１８にかえて、図５に示すとおり、前記透液性表面シート１２の長手方向および幅方向寸法を前記不透液性裏面シート１３と略同一に形成し、この透液性表面シート１２の周縁部を前記不透液性裏面シート１３の周縁部に積層結合して形成することもできる。
【００６３】
そして、前記吸収性物品本体部１６のフラップ部１５の一部を前記透液性表面シート１２の周縁部によって形成することにより、前記吸収性物品本体部１６を形成する構成部材が少なくなり、この吸収性物品本体部１６をより少ない工程で作ることができる。
【００６４】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【００６５】
次に、本発明の使い捨て吸収性物品における他の実施の形態の構成を図６および図７を参照して説明する。
【００６６】
おむつ体１１は、図６および図７に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成され、このフラップ部１５の幅方向両側部よりも幅方向外方に位置して両外側部にはそれぞれ立体ギャザ３７，３７を有している。そして、前記おむつ体１１は、前記透液性表面シート１２と、前記吸収体１４および前記フラップ部１５および前記立体ギャザ３７，３７と、前記不透液性裏面シート１３とを積層して形成した吸収性物品本体部１６と、前記吸収性物品本体部１６の裏面側に配設した外層シート１７を有し、この吸収性物品本体部１６は裏面側において前記外層シート１７に積層され固着されている。
【００６７】
前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合されかつ不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ａとによって、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。このフラップ部１５には、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成された第３脚回り用弾性体２４が、前記吸収体１４の長手方向両側部略全域にわたり、前記不透液性裏面シート１３の両側部と立体ギャザシート１８ａとの間に配設されている。
【００６８】
また、前記立体ギャザシート１８ａ，１８ａは二つ折りされ、この立体ギャザシート１８ａ，１８ａの一方の基端部３９は前記透液性表面シート１２の幅方向両側部近傍に接着剤などで固着結合されるとともに他方の基端部３９は前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部近傍に接着剤などで固着結合され、立体ギャザ３７，３７を形成している。また、立体ギャザシート１８ａ，１８ａの長手方向両端部の互いに対向する内側部は、前記透液性表面シート１２の上面に重ね合わせて貼着結合する。また、この立体ギャザシート１８ａ，１８ａの長手方向両側部間の先端部３８側において、前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３とはそれぞれ非固着部に形成されるとともに先端部３８は自由端に形成されている。
【００６９】
また、前記立体ギャザ３７，３７を形成する立体ギャザシート１８ａ，１８ａの二つ折りした先端部３８近傍には、立体ギャザ形成弾性体３８ａが伸張された状態で前記立体ギャザシート１８ａ，１８ａに挟み込まれて固着されている。この立体ギャザ形成弾性体３８ａは数条の細紐状のゴムなどにて形成され、前記立体ギャザ３７の長手方向両側部略全域にわたって配設されている。
【００７０】
そして、おむつ体１１は、図３に示すようにパンツ形状に形成する。
【００７１】
また、その他の構成は図１および図２に示す実施の形態と同じである。
【００７２】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００７３】
装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように容易に装着する。
【００７４】
そして、おむつ体１１を装着者の身体に装着する際、前記立体ギャザ形成弾性体３８ａが収縮して立体ギャザ３７は装着者の身体方向に起立するので、このおむつ体１１は装着者の身体に確実に密着する。
【００７５】
また、前記立体ギャザ３７は不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ａによって形成することにより、前記おむつ体１１を装着した際前記股下回り部２１からの排泄液の漏泄が防止される。
【００７６】
なお、この実施の形態においては、フラップ部１５の一部と立体ギャザ３７とを形成する立体ギャザシート１８ａを二つ折りし、一方の基端部３９を透液性表面シート１２の幅方向両側部近傍に、他方の基端部３９を不透液性裏面シート１３の幅方向両側部近傍に、それぞれ接着剤などで固着結合する構成としたが、図８に示すように、前記透液性表面シート１２の幅方向両側部位置と前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部位置とを略同一とし、前記透液性表面シート１２の両側部と前記不透液性裏面シート１３の両側部とによってフラップ部１５を形成し、このフラップ部１５の両外側縁部に、不透液性シートにて形成された立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂを二つ折りして形成した前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂの両基端部３９，３９を固着して立体ギャザ３７，３７を形成する構成とすることもできる。
【００７７】
そして、前記透液性表面シート１２の幅方向両側部位置と前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部位置とは略同一位置とし、前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂと前記両基端部３９，３９とがほぼ重なった状態に二つ折りし、この立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂの両基端部３９，３９を前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３の幅方向両側部に合わせて配設できるので、前記立体ギャザシート１８ｂ，１８ｂを前記透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３の幅方向両側部に容易に固着配設することが可能になり、前記立体ギャザ３７を容易に形成することができる。
【００７８】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【００７９】
次に、本発明の使い捨て吸収性物品における他の実施の形態の構成を図９を参照して説明する。
【００８０】
おむつ体１１は、図９に示すとおり、透液性表面シート１２、この透液性表面シート１２の裏面側に配設した不透液性裏面シート１３、この透液性表面シート１２と不透液性裏面シート１３との間に配設した吸収体１４とを有する吸収性物品本体部１６を備え、この吸収性物品本体部１６には前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在するフラップ部１５が形成されている。また、前記吸収性物品本体部１６の裏面側には外層シート１７が固着されている。
【００８１】
そして、前記フラップ部１５は、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３との前記吸収体１４の周縁から延出した部分と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された不透液性シート１８とによって形成され、前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方に延在して形成されている。
【００８２】
また、前記外層シート１７の前記両側脚回り部２３には、それぞれ第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０とが配設されている。
【００８３】
前記第１脚回り用弾性体２９は、前記外層シート１７の内側シート片２５と外側シート片２６との間において、一端側が背側腰回り部２０側の一側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の他側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００８４】
また、前記第２脚回り用弾性体３０は、一端側が前記背側腰回り部２０側の他側部から脚回り部２３に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体２９とＸ字状に交差して、前記股下回り部２１を前記腹側腰回り部２２の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部２２側の一側部の脚回り部２３に沿って配設されている。
【００８５】
そして、この第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０は、両側の脚回り部２３に沿って配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態で配設されている。
【００８６】
また、前記吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５にそれぞれ配設した第３脚回り用弾性体２４は、それぞれ数条の細紐状のゴムなどにて形成され、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間において、前記不透液性裏面シート１３の両側部と不透液性シート１８との間に伸長した状態で固着されている。また、このフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の脚回り部２３において前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方に配設されている。
【００８７】
そして、前記第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側外側部である前記フラップ部１５が交差する位置近傍において、前記第１脚回り用弾性体２９は、それぞれ平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００８８】
さらに、前記第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側外側部である前記フラップ部１５とが交差する位置近傍において、前記第２脚回り用弾性体３０は、それぞれ平面上において前記第３脚回り用弾性体２４と交差する。
【００８９】
また、この第３脚回り用弾性体２４は、前記外層シート１７の両側脚回り部２３における部分に位置して一部分が前記外層シート１７の両側の脚回り部２３よりも外方にそれぞれ配設されている。
【００９０】
そして、おむつ体１１は図３に示すようにパンツ形状に形成する。
【００９１】
また、その他の構成は図１および図２に示す実施の形態と同じである。
【００９２】
次に、この実施の形態の作用について説明する。
【００９３】
装着に際しては、おむつ体１１はパンツのように装着する。
【００９４】
そして、おむつ体１１の両側フラップ部１５に沿って、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間にそれぞれ第３脚回り用弾性体２４を配設したので、前記第１脚回り用弾性体２９と、前記第２脚回り用弾性体３０と、吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５に沿って配設した第３脚回り用弾性体２４とによりおむつ体１１の脚回り部２３略全域に前記第１脚回り用弾性体２９、第２脚回り用弾性体３０、第３脚回り用弾性体２４が配設されて、おむつ体１１の脚回り部２３略全域が装着者の脚回り部に密着する。
【００９５】
また、第１脚回り用弾性体２９と第２脚回り用弾性体３０の前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度を小さくしたことにより、前記おむつ体１１の股下回り部２１が必要以上に幅方向に収縮することはなく、前記おむつ体１１は装着者の身体に密着して装着される。
【００９６】
さらに、吸収性物品本体部１６のフラップ部１５に配設された第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分が外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設されて、この外層シート１７の両側の脚回り部２３より外方に配設された吸収性物品本体部１６および第３脚回り用弾性体２４の少なくとも一部分は外層シート１７の厚みや硬さに影響されることなく収縮し、装着時に装着者の身体に密着する。
【００９７】
そして、第３脚回り用弾性体２４は、吸収性物品本体部１６の両側部のうち、第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍との間にのみに配設して、前記吸収性物品本体部１６の前記両側フラップ部１５のうち、前記おむつ体１１の股下回り部２１を装着者の股下回り部に密着させる機能を確保するために必要な箇所にのみ第３脚回り用弾性体２４を配設する。
【００９８】
なお、本実施の形態においては、おむつ体１１の前記吸収体１４の長手方向両端部および幅方向両側部より外方にフラップ部１５のみが延在し、この前記フラップ部１５の第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間に第３脚回り用弾性体２４を配設したが、図１０に示すとおり、おむつ体１１の前記吸収体１４の周縁から延出した透液性表面シート１２および不透液性裏面シート１３と、前記透液性表面シート１２と前記不透液性裏面シート１３の表面側幅方向両側部に積層して接着結合された立体ギャザシート１８ａとによってフラップ部１５を形成するとともに、前記立体ギャザシート１８ａによって前記不透液性裏面シート１３の幅方向両側部よりも幅方向外方に位置して両外側部において立体ギャザ３７，３７を形成し、このフラップ部１５の第１脚回り用弾性体２９と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍および第２脚回り用弾性体３０と吸収性物品本体部１６の両側フラップ部１５の外側部とが交差する位置近傍の間に第３脚回り用弾性体２４を配設する構成とすることもできる。
【００９９】
また、この実施の形態においては、前記おむつ体１１は図３に示すパンツ形状に形成したが、おむつ体１１を図１に示す長手方向に長い略矩形形状の展開状態に形成することもできる。そして、おむつ体１１を展開状態に形成することにより、たとえば寝たきりの病人のように自分でおむつ体１１を装着することができない装着者に対してもおむつ体１１を容易かつ確実に装着することができる。
【０１００】
また、前記第１脚回り用弾性体２９および第２脚回り用弾性体３０の両側脚回り部２３に沿ってそれぞれ配設した一端側および他端側の引張り強度よりも、前記股下回り部２１を横切る方向に配設した中間部の引張り強度が小さくなるように伸張した状態には、中間部が実質的に伸縮しない状態で配設する構成も含むものとする。
【０１０１】
【発明の効果】
請求項１記載の発明によれば、第１脚回り用弾性体、第２脚回り用弾性体と、吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って配設した第３脚回り用弾性体とにより使い捨て吸収性物品の脚回り部の略全域に脚回り用弾性体が配設されて、脚回り部略全域が装着者の脚回り部に密着し、この吸収性物品本体部の脚回り部から排泄液が漏泄しない。
【０１０２】
また、外層シートを幅方向に連続した長尺の外層シート構成材から製造する際に第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とを外層シート構成材に配設するとき、使い捨て吸収性物品２個分の幅方向寸法にあたる外層シート構成材が前記第１および第２脚回り用弾性体の配設位置を移動する時間を１周期とし、この１周期の間に前記第１および第２脚回り用弾性体の配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に往復移動させればよく、前記配設装置を前記外層シート構成材の幅方向に高速で移動させる必要がないので、第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の配設を容易に行え、この使い捨て吸収性物品の製造装置に過剰な負担をかけることなくこの使い捨て吸収性物品を製造できる。
【０１０３】
さらに、吸収性物品本体部は製造時において、透液性表面シート、不透液性裏面シート、両側フラップ部などを長手方向に連続した長尺の構成材より一体に形成することができるが、この長尺の構成材において前記両側フラップ部に沿って配設する第３脚回り用弾性体を形成する長尺の脚回り用弾性体を、前記長尺の構成材の移動方向に沿って配設することが可能であり、この第３脚回り用弾性体を前記吸収性物品本体部に容易に配設することができる。
【０１０４】
請求項２記載の発明によれば、第３脚回り用弾性体により、この外層シートの両側の脚回り部よりも外方に配設された吸収性物品本体部は外層シートの厚みや硬さに影響されることなく伸縮し、フラップ部は装着時に装着者の身体に密着するので、使い捨て吸収性物品の脚回り部から排泄液の漏泄が生じない。
【０１０５】
請求項３記載の発明によれば、装着時における使い捨て吸収性物品の両側脚回り部略全域における伸縮性は確保されて装着者の脚回り部に密着し、また、第３脚回り用弾性体は前記股下回り部略全域における伸縮性確保に必要な量のみ配設することができ、弾性体材料の使用を節減して使い捨て吸収性物品の製造コストを下げることができる。
【０１０６】
請求項４記載の発明によれば、立体ギャザが装着者の身体方向に起立することにより、使い捨て吸収性物品は装着者の身体に確実に密着して脚回り部からの排泄液の漏泄は起こらない。
【０１０７】
請求項５記載の発明によれば、吸収性物品本体部の股下回り部が必要以上に幅方向に収縮することはなく、使い捨て吸収性物品は装着者の身体に密着して装着される。
【０１０８】
請求項６記載の発明によれば、一対の吸収体の幅方向の中央部に位置した中央弾性体により、吸収体が長手方向に伸縮可能となり、吸収性物品体を身体に密着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図２】同上使い捨て吸収性物品の図１におけるＡ−Ａ線部の縦断正面図である。
【図３】同上使い捨て吸収性物品のパンツ形状の斜視図である。
【図４】同上使い捨て吸収性物品の外層シートの製造状態時の平面図である。
【図５】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の縦断正面図である。
【図６】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図７】同上使い捨て吸収性物品の図６におけるＢ−Ｂ線部の縦断正面図である。
【図８】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の断面正面図である。
【図９】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の展開した状態の一部を切り欠いた平面図である。
【図１０】本発明の他の実施の形態を示す使い捨て吸収性物品の縦断正面図である。
【図１１】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【図１２】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【図１３】先に提案された、使い捨て吸収性物品の外層シートの製造工程における長尺の外層シート構成材に長尺の脚回り用弾性体を配設する状態の説明平面図である。
【符号の説明】
１１ 吸収性物品体としてのおむつ体
１２ 透液性表面シート
１３ 不透液性裏面シート
１４ 吸収体
１５ フラップ部
１６ 吸収性物品本体部
１７ 外層シート
２０ 背側腰回り部
２１ 股下回り部
２２ 腹側腰回り部
２３ 脚回り部
２４ 第３脚回り用弾性体
２７ 背側腰回り用弾性体
２８ 腹側腰回り用弾性体
２８ａ 中央弾性体
２９ 第１脚回り用弾性体
３０ 第２脚回り用弾性体
３７ 立体ギャザ
Claims (6)
- 透液性表面シートと、この透液性表面シートの裏面側に配設した不透液性裏面シートと、この透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に配設した吸収体と、少なくとも前記不透液性裏面シートの周縁部にて形成し、かつ前記吸収体の幅方向両側部より外方に延在するフラップ部とを有する吸収性物品本体部と、この吸収性物品本体部の不透液性裏面シートの裏面側に配設した外層シートとを備え、かつ背側腰回り部、両側部に脚回り部を有する股下回り部、および腹側腰回り部を長手方向に順次一体的に形成し、前記外層シートの背側腰回り部および腹側腰回り部にはこの外層シートの幅方向に伸縮する背側腰回り用弾性体および腹側腰回り用弾性体をそれぞれ配設するとともに、前記外層シートの前記両側脚回り部にはそれぞれ脚回り用弾性体を配設し、
前記脚回り用弾性体は、第１脚回り用弾性体と第２脚回り用弾性体とにて形成し、
この第１脚回り用弾性体は一端側が背側腰回り部側の一側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記股下回り部を前記腹側腰回り部の他側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の他側部の脚回り部に沿って配設し、
前記第２脚回り用弾性体は、一端側が前記背側腰回り部側の他側部から脚回り部に沿うとともに、中間部が前記第１脚回り用弾性体と交差して前記股下回り部を前記腹側腰回り部の一側部に向かって傾斜状に横切り、かつ他端側が前記腹側腰回り部側の一側部の脚回り部に沿って配設し、
前記吸収性物品本体部の両側フラップ部に沿って第３脚回り用弾性体を配設した
ことを特徴とする使い捨て吸収性物品。 - 吸収性物品本体部は裏面側において外層シートに固着され、
この外層シートの股下回り部は幅方向内方に向けて略凹状に切り欠かれ、
前記吸収性物品本体部のフラップ部に配設された第３脚回り用弾性体は、少なくとも一部分は外層シートの両側の脚回り部よりもそれぞれ外方に配設する
ことを特徴とする請求項１記載の使い捨て吸収性物品。 - 第３脚回り用弾性体は、少なくとも、第１脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍と第２脚回り用弾性体と吸収性物品本体部の両側フラップ部の外側部とが交差する位置近傍との間にそれぞれ配設する
ことを特徴とする請求項１または２記載の使い捨て吸収性物品。 - 吸収性物品本体部の第３脚回り用弾性体近傍よりも幅方向外方に位置して両外側部には、吸収性物品体を装着者の身体に装着する際に装着者の身体方向に起立する一対の立体ギャザを相対して形成した
ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品。 - 第１脚回り用弾性体および第２脚回り用弾性体の引張り強度は、両側の脚回り部に沿って配設した一端側および他端側よりも、前記股下回り部を横切る方向に配設した中間部を小さくした
ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品。 - 外層シートには、この外層シートの表面側に配設された吸収体の幅方向中央部に位置して中央弾性体を吸収性物品体の長手方向に沿って配設する
ことを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の使い捨て吸収性物品。
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