JPH09313534A - パンツ型おむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着性が良好で着用感に優れ、ずり落ちを抑
制して漏れ防止効果が高いパンツ型おむつを提供する。 【解決手段】 外装部材１４の腹側部の側縁部と背側部
の側縁部とを相互に接合してウエスト周り開口部１２と
一対の脚周り開口部１３とを形成したパンツ型おむつ１
１であって、外装部材１４には、腹側部の右側縁部から
左側の脚周り開口部に沿い背側部の左側縁部に至る第１
の弾性部材１８と、この第１の弾性部材１８と左右対称
な第２の弾性部材１９と、背側部の右側縁部から左側の
脚周り開口部に沿い腹側部の左側縁部に至る第３の弾性
部材２０と、この第３の弾性部材２０と左右対称な第４
の弾性部材２１とが配置され、第１および第２の弾性部
材１８, １９を構成する複数本の伸縮弾性材料は腹側部
の側縁部ほど間隔を広く設定し、第３および第４の弾性
部材２０, ２１を構成する複数本の伸縮弾性材料は背側
部の側縁部ほど間隔を広く設定した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ウエストの部分に
対応するウエスト周り開口部と、両脚の太股の部分に対
応する一対の脚周り開口部とを有するパンツ型おむつに
関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平５−２４７７０１号公報などに開
示されているウエストの部分に対応するウエスト周り開
口部と、両脚の太股の部分に対応する一対の脚周り開口
部とを有するはかせる型おむつ、すなわちパンツ型おむ
つは、これ以前の例えば特公平６−９３９０１号公報で
開示されているような左右のサイドフラップ部を閉じ合
わせて装着する展開型おむつと比較すると、成人着用者
自身による着脱が容易であることに加え、特に立ち姿勢
での装着を容易かつ迅速に行うことが可能となる。ま
た、パンツ型おむつは、成人着用者にとってはおむつと
いうよりも下着の感覚で装着することが可能となるた
め、展開型おむつよりも比較的抵抗なく受け入れられる
ようである。

【０００３】このようなことから、おむつを必要とする
成人用や離乳時期の幼児用として、パンツ型おむつは、
展開型おむつに代わってその需要が増大しつつある。そ
して、開口部のフィット性を高めると共に全体的な装着
感を良好にするため、伸縮性のある材料が多用される傾
向にある。

【０００４】例えば、脚周り開口部に沿って弾性部材を
配設し、この脚周り開口部からの漏れを防止するレッグ
ギャザーを形成したものが、特開平３−３３２０１号公
報,特開平３−１３９３４９号公報, 実開平３−１６９
２０号公報, 特開平４−２８３６３号公報に開示されて
いる。

【０００５】また、外装部材の腹側部および背側部の両
側縁部に伸縮性のサイドパネルを設けると共に外装部材
のウエスト周り開口部に沿って弾性部材を配置した構成
が特開平２−４３６４号公報に開示されている。

【０００６】一方、外装部材の腹側部の両側縁部とこれ
ら腹側部の両側縁部に接合される背側部の両側縁部とを
非伸縮性の部材で構成し、ここに伸縮性を有する弾性部
材を配置したものが、特開平４−１６６１５０号公報,
特開平４−１６１１５２号公報, 特開平４−２８９２０
１号公報, 特開平４−３６４８４５号公報, 特開平４−
３７１１４７号公報, 特開平４−３７１１４８号公報,
実開平６−４２１号公報に開示されている。

【０００７】さらに、少なくとも３本の弾性部材を組み
合わせて脚周り開口部を連続的に囲むことにより、着用
時における漏れの防止効果を向上させたものが、特開平
５−７６５６７号公報に開示されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】特開平３−１３９３４
９号公報や特開平４−２８３６３号公報に開示されたパ
ンツ型おむつでは、脚周り開口部に沿って配設される一
対の弾性部材が交差状態となっていないため、脚周り開
口部の一部に弾性部材の存在しない領域が発生し、漏れ
の防止効果が必ずしも充分ではなく、着用感にも問題が
あった。

【０００９】特開平３−３３２０１号公報や実開平３−
１６９２０号公報に記載されたパンツ型おむつでは、外
装部材の股間部に位置する吸収性本体の幅方向に弾性部
材が横切って配置されるため、股間部にギャザーが形成
されてしまい、着用感に問題がある。

【００１０】また、特開平２−４３６４号公報に開示さ
れたパンツ型おむつでは、伸縮性のサイドパネルを使用
しているため、原料素材および製造工程の何れにおいて
もコスト高の傾向となる。しかも、サイドパネルに大き
な伸縮応力が発生するため、着脱性が容易ではないなど
の問題がある。

【００１１】一方、特開平４−１６６１５０号公報, 特
開平４−１６１１５２号公報, 特開平４−２８９２０１
号公報, 特開平４−３６４８４５号公報, 特開平４−３
７１１４７号公報, 特開平４−３７１１４８号公報, 実
開平６−４２１号公報に開示されたパンツ型おむつで
は、弾性部材をウエスト周り開口部に沿ってこれと平行
に配置した場合、着用者の股間部に対する吸収性本体の
密着性が低く、着用性に問題が発生する。これに対し、
弾性部材を斜めに配置した場合には、かかる不具合を防
止することができるものの、ウエストギャザーとレッグ
ギャザーとを形成する弾性部材がそれぞれ独立している
ため、おむつのずり落ちを防止する機能が充分ではな
く、着用者の姿勢によって脚周り開口部の股間部側で漏
れを発生する虞があった。

【００１２】さらに、特開平５−７６５６７号公報に開
示されたパンツ型おむつの場合、それぞれ線状の弾性部
材を用いているため、着用者に対するおむつ全体の密着
性が充分ではなく、脚周り開口部の締め付け力が強すぎ
て着用者に不快感を与える虞があった。

【００１３】

【発明の目的】本発明の目的は、密着性が良好で着用感
に優れ、ずり落ちを抑制して漏れ防止効果が高い製造が
容易なパンツ型おむつを提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明によるパンツ型お
むつは、腹側部と股間部と背側部とを有する外装部材
と、この外装部材の前記腹側部から前記股間部を通り前
記背側部に亙って配置される吸収性本体とを具え、前記
外装部材の腹側部の両側縁部と前記背側部の両側縁部と
を相互に接合してウエストの部分に対応するウエスト周
り開口部と両脚の太股の部分に対応する一対の脚周り開
口部とを形成したパンツ型おむつであって、前記外装部
材には、前記腹側部の右側縁部から下腹部を通って左側
の前記脚周り開口部に沿い前記背側部の左側縁部に至る
伸縮性を有する第１の弾性部材と、この第１の弾性部材
と前記下腹部で交差するように前記腹側部の左側縁部か
ら右側の前記脚周り開口部に沿い前記背側部の右側縁部
に至る伸縮性を有する第２の弾性部材と、前記第１の弾
性部材と前記股間部にて交差するように前記背側部の右
側縁部から臀部を通って左側の前記脚周り開口部に沿い
前記腹側部の左側縁部に至る伸縮性を有する第３の弾性
部材と、この第３の弾性部材と前記臀部で交差すると共
に前記第２の弾性部材と前記股間部にて交差するように
前記背側部の左側縁部から右側の前記脚周り開口部に沿
い前記腹側部の右側縁部に至る伸縮性を有する第４の弾
性部材とが配置され、これら第１および第２および第３
および第４の弾性部材は、複数本の伸縮弾性材料にてそ
れぞれ構成され、前記第１の弾性部材を構成する複数本
の前記伸縮弾性材料は前記腹側部の右側縁部ほど間隔が
広く設定され、前記第２の弾性部材を構成する複数本の
前記伸縮弾性材料は前記腹側部の左側縁部ほど間隔が広
く設定され、前記第３の弾性部材を構成する複数本の前
記伸縮弾性材料は前記背側部の右側縁部ほど間隔が広く
設定され、前記第４の弾性部材を構成する複数本の前記
伸縮弾性材料は前記背側部の左側縁部ほど間隔が広く設
定されていることを特徴とするものである。

【００１５】本発明によると、腹側部の右側縁部から下
腹部を通って左側の前記脚周り開口部に沿い背側部の左
側縁部に至る第１の弾性部材と、第１の弾性部材と股間
部にて交差するように背側部の右側縁部から臀部を通っ
て左側の脚周り開口部に沿い腹側部の左側縁部に至る第
３の弾性部材とで左側の脚周り開口部を囲むレッグギャ
ザーが形成される。同様に、腹側部の左側縁部から下腹
部を通って右側の前記脚周り開口部に沿い背側部の右側
縁部に至る第２の弾性部材と、第２の弾性部材と股間部
にて交差するように背側部の左側縁部から臀部を通って
右側の脚周り開口部に沿い腹側部の右側縁部に至る第４
の弾性部材とで右側の脚周り開口部を囲むレッグギャザ
ーが形成される。

【００１６】また、第１および第３の弾性部材と第２お
よび第４の弾性部材とが、外装部材の腹側部および背側
部の両側縁部と股間部との間でたすき掛けの状態となっ
ており、着用者の下腹部と股間部と臀部中央とに亙って
吸収性本体が密着状態で押し当てられる。

【００１７】さらに、各弾性部材をそれぞれ構成する複
数本の伸縮弾性材料の間隔が、外装部材の腹側部および
背側部の両側縁部側ほど広く設定されており、着用者の
下腹部および臀部中央から腰の側方部分にかけての部分
に対し、だぶ付くことなく密着状態となる。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明によるパンツ型おむつにお
いて、ウエスト周り開口部に沿って伸縮性を有する弾性
部材を外装部材に配置することにより、ウエストギャザ
ーを形成することも有効である。

【００１９】また、外装部材との間で第１および第２お
よび第３および第４の弾性部材を保持する内層シートを
さらに設け、この内層シートに吸収性本体を接合するよ
うにしても良い。

【００２０】さらに、吸収性本体は、液透過性のトップ
シートと、外装部材側に位置するバックシートと、これ
らトップシートとバックシートとの間に配置された吸収
体とを有することが望ましい。

【００２１】一方、第１の弾性部材と第３の弾性部材と
の交差部分および第２の弾性部材と第４の弾性部材との
交差部分に、吸収性本体の吸収体を存在させないように
しても良く、これによって股間部における吸収体の密着
性を保持することも可能である。

【００２２】

【実施例】以下、本発明によるパンツ型おむつの一実施
例について、図１〜図６を参照しながら詳細に説明す
る。

【００２３】本実施例におけるパンツ型おむつの外観を
図１に示し、これを展開した状態の外観を図２に示し、
その III−III 矢視断面構造を図３に示す。すなわち、
本実施例におけるパンツ型おむつ１１は、ウエストの部
分に対応するウエスト周り開口部１２と、両脚の太股部
分に対応する左右一対の脚周り開口部１３Ｌ, １３Ｒ
と、これら開口部１２, １３Ｌ, １３Ｒを形成する外装
部材１４と、ウエスト周り開口部１２を絞ることにより
ウエストギャザー１５を形成するためのウエスト周り弾
性部材１６と、脚周り開口部１３Ｌ, １３Ｒを絞ってレ
ッグギャザー１７を形成するための第１の弾性部材１
８, 第２の弾性部材１９, 第３の弾性部材２０, 第４の
弾性部材２１と、左右の脚周り開口部１３Ｌ, １３Ｒの
間の外装部材１４の股間部１４Ｃから腹側部１４Ｆおよ
び背側部１４Ｂにそれぞれ伸びる吸収性本体２２とを有
する。

【００２４】また、外装部材１４の腹側部１４Ｆおよび
背側部１４Ｂの左右両側縁部には、ウエスト周り開口部
１２と脚周り開口部１３Ｌ, １３Ｒとに連通する左右一
対の閉じ合わせ部２３が剥離可能に形成され、この閉じ
合わせ部２３を剥離することにより、図２に示すように
展開可能となっている。

【００２５】つまり、図２に示す展開状態から外装部材
１４の前後の閉じ合わせ部２３を重ね合わせ、これらの
当接部分をホットメルト接着法や、加圧溶融接着法、あ
るいは超音波溶融接着法などを単独または適宜組み合わ
せて接合することにより、図１に示すパンツ型おむつ１
１を得ることができる。

【００２６】本実施例における吸収性本体２２は、吸収
体２４と、この吸収体２４と外装部材１４との間に設け
られたバックシート２５と、吸収体２４を覆う液透過性
のトップシート２６とを具え、バックシート２５および
トップシート２６は、外装部材１４と同形状に重ね合わ
される。

【００２７】なお、この吸収性本体２２のバックシート
２５と、外装部材１４とは、これらの長手方向に沿って
連続した複数本の線状をなす図示しない接着部によって
相互に一体的に接合されている。また、本実施例ではバ
ックシート２５およびトップシート２６を外装部材１４
全体に亙って重ねるようにしているが、例えばトップシ
ート２６を吸収体２４の上面のみ覆うように配置するこ
とも可能である。

【００２８】本実施例における吸収体２４は、従来のお
むつその他の吸収性物品の通常使用される公知の吸収性
材料にて作られている。すなわち、綿状パルプやレーヨ
ンなどの吸収性繊維からなる単層もしくは多層のマット
中に高吸収性高分子材料（以下、これをＳＡＰと記述す
る）を均一に混合もしくは各マット間に層状に分散さ
せ、これをティシュ, 吸収紙, 親水性不織布などの親水
性シートによりくるんだものや、綿状パルプに対して３
〜６０重量％の熱融着性物質を混合して熱圧着したもの
や、あるいはＳＡＰのみを親水性シートによりくるんだ
ものが用いられる。この吸収体２４は、均一な密度で平
滑に形成しても良いし、エンボス加工によって表面に凹
凸模様を形成することにより、その密度を変えるように
したものであっても良い。また、本実施例では吸収体２
４を前後両端部の幅を拡げた砂時計形に形成したが、一
定の幅の矩形に形成しても良い。ただし、砂時計形の方
が装着時に良好なフィット性を確保することができる。

【００２９】前記綿状パルプは、化学パルプシートや機
械パルプシートを粉砕機で解繊することにより得られる
５mm以下の繊維長を有するものである。また、パルプ原
料としては、針葉樹に限らず、広葉樹, わら, 竹, ケフ
ナの他に古紙パルプを使用することができる。このパル
プの使用量は、単独で用いるか、複数積層して用いる
か、あるいは他の吸収材を併用するかなどによって異な
るが、一般的には１平方メートル当たり５０〜４００ｇ
程度に設定される。

【００３０】前記ＳＡＰとしては、デンプン系, セルロ
ース系, 合成ポリマー系のものが挙げられる。すなわ
ち、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト共重合体, デ
ンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化
物, デンプン−メタクル酸メチルグラフト共重合体のケ
ン化物, デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体
のケン化物, デンプン−アクリルアミドグラフト共重合
体のケン化物, デンプン−アクリロニトリル−２−アク
リルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸グラフト共
重合体のケン化物, アクリル酸（塩）重合体, アクリル
酸で架橋されたポリエチレンオキシド, ナトリウムカル
ボキシメチルセルローズの架橋物, ポリビニルアルコー
ル−無水マレイン酸反応物の架橋物などである。特に、
自重の２０倍以上の尿などの液体を吸収するポリアクリ
ル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から好適であ
る。このＳＡＰの使用量は、乾燥した綿状パルプ１００
重量部に対して１０〜５００重量部、好ましくは１５〜
３００重量部である。そして、ＳＡＰが液体を吸収して
膨潤したとき、各粒子の相互の干渉が最小に止められ、
連続的に接触して液体の透過障壁を形成することが少な
く、液体を三次元方向に透過吸収することが望ましい。

【００３１】なお、吸収体２４の表面に拡散層を接合す
るようにしても良い。この拡散層を配置したことによ
り、着用者の姿勢などの如何に拘らず、尿などの吸収速
度を低下させることなく漏れを防ぐことが可能となる。
この拡散層としては、ポリプロピレンやポリエチレン,
ポリエステル, レーヨン, パルプの他に、これらの複合
繊維などを用いた親水性かつ液透過性の不織布, 織布,
多孔性プラスチック, 綿状パルプなどで形成することが
できる。

【００３２】また、前記外装部材１４およびバックシー
ト２５は、これらの少なくとも何れか一方が液不透過性
であれば良く、例えばポリエチレンなどの液不透過性の
フィルムや、親水性または疎水性の不織布, 織布などを
単独で使用したり、あるいは液不透過性のフィルムと不
織布あるいは織布とを貼り合わせたものなどを適宜使用
することができる。

【００３３】さらに、前記トップシート２６としては、
ポリプロピレン, ポリエチレン, ポリエステル, ナイロ
ンなどの単繊維、あるいはポリエステル, ポリプロピレ
ン,ポリエチレン, ナイロンなどの二成分以上からなる
複合繊維などにて形成された親水性あるいは疎水性の不
織布や織布あるいは多孔性プラスチッフィルムなどを採
用することができる。特に、ポリエステル／ポリエステ
ルやポリエステル／ポリエチレンあるいはポリプロピレ
ン／ポリエチレンの複合繊維が強度の面から好ましい。
トップシート２６は、バックシート２５と同じか、ある
いは大きくても良い。また、トップシート２６は、単一
シートで構成する必要はなく、吸収体２４の上面を覆う
センタシートと、その幅方向両側に接合される一対のサ
イドシートとで構成したりすることが可能であり、この
場合、センタシートとサイドシートとを異なる材料で形
成しても良い。

【００３４】外装部材１４と吸収性本体２２のバックシ
ート２５との間には、第１〜第４の弾性部材１８〜２１
が伸長状態で挟持されている。第１の弾性部材１８は、
腹側部１４Ｆの右側縁部に位置する閉じ合わせ部２３か
ら下腹部を通って左側の脚周り開口部１３Ｌに沿い背側
部１４Ｂの左側縁部に位置する閉じ合わせ部２３に至る
ように配置されている。また、第２の弾性部材１９は、
この第１の弾性部材１８と下腹部で交差するように腹側
部１４Ｆの左側縁部に位置する閉じ合わせ部２３から右
側の脚周り開口部１３Ｒに沿い背側部１４Ｂの右側縁部
に位置する閉じ合わせ部２３に至るように配置されてい
る。一方、第３の弾性部材２０は、第１の弾性部材１８
と股間部にて交差するように背側部１４Ｂの右側縁部に
位置する閉じ合わせ部２３から臀部を通って左側の脚周
り開口部１３Ｌに沿い腹側部１４Ｆの左側縁部に位置す
る閉じ合わせ部２３に至るように配置されている。ま
た、第４の弾性部材２１は、この第３の弾性部材２０と
臀部で交差すると共に第２の弾性部材１９と股間部１４
Ｃにて交差するように背側部１４Ｂの左側縁部に位置す
る閉じ合わせ部２３から右側の脚周り開口部１３Ｒに沿
い腹側部１４Ｆの右側縁部に位置する閉じ合わせ部２３
に至るように配置されている。

【００３５】これら第１および第２および第３および第
４の弾性部材１８〜２１は、それぞれ複数本（図示例で
は５本ずつ）の伸縮弾性材料にて構成され、第１の弾性
部材１８を構成する複数本の伸縮弾性材料は、腹側部１
４Ｆの右側縁部ほど間隔が広く設定され、第２の弾性部
材１９を構成する複数本の伸縮弾性材料は、腹側部１４
Ｆの左側縁部ほど間隔が広く設定され、第３の弾性部材
２０を構成する複数本の伸縮弾性材料は、背側部１４Ｂ
の右側縁部ほど間隔が広く設定され、第４の弾性部材２
１を構成する複数本の伸縮弾性材料は、背側部１４Ｂの
左側縁部ほど間隔が広く設定されている。

【００３６】なお、腹側部１４Ｆの下腹部で交差する第
１および第３の弾性部材１８, ２０を構成する伸縮弾性
材料の数と、背側部１４Ｂの臀部中央で交差する第２お
よび第４の弾性部材１９, ２１を構成する伸縮弾性材料
の数とを相違させるようにしても良い。また、それぞれ
の弾性部材１８〜２１を構成する伸縮弾性材料の隣接す
る間隔をそれぞれ均等に設定する必要はなく、例えばウ
エスト周り開口部１２に近い側ほど間隔が狭くなるよう
に設定するようにしても良い。さらに、ウエスト周り開
口部１２に対し、第１および第２の弾性部材１８, １９
の交差位置が第３および第４の弾性部材２０, ２１の交
差位置よりもウエスト周り開口部１２側により近づくよ
うな配置をとることで、腹側部１４Ｆの密着性を高める
ことができる。

【００３７】このように、第１および第３の弾性部材１
８, ２０と第２および第４の弾性部材１９, ２１とが、
外装部材１４の腹側部１４Ｆおよび背側部１４Ｂの両側
縁部と股間部１４Ｃとの間でたすき掛けの状態となって
いるため、着用者の下腹部と股間部と臀部中央とに亙っ
て吸収体２４が密着状態で押し当てられる。しかも、各
弾性部材１８〜２１をそれぞれ構成する複数本の伸縮弾
性材料の間隔が、外装部材１４の腹側部１４Ｆおよび背
側部１４Ｂの両側縁部側ほど広く設定されているので、
着用者の下腹部および臀部中央から腰の側方部分にかけ
ての部分に対し、だぶ付くことなく密着状態とすること
ができ、良好な着用感が得られる。

【００３８】前記第１の弾性部材１８と第３の弾性部材
２０との交差位置および第３の弾性部材１９と第４の弾
性部材２１との交差位置は、これらと吸収体２４とが重
ならないようにそれぞれ左右の脚周り開口部１３Ｌ, １
３Ｒに近接して設定されている。また、これらの交差位
置は、股間部１４Ｃの腹側部１４Ｆ寄りに設定すること
が望ましい。

【００３９】このように、第１の弾性部材１８と第３の
弾性部材２０との交差部分および第２の弾性部材１９と
第４の弾性部材２１との交差部分に、吸収性本体２２の
吸収体２４が存在していないので、着用者の股間部に対
する吸収体２４の密着性を保持することができる。ま
た、第１および第３の弾性部材１８, ２０と、第２およ
び第４の弾性部材１９, ２１とにそれぞれ連続性を持た
せることによって、良好な着用感を得ることができる。

【００４０】前記ウエスト周り弾性部材１６は、外装部
材１４の長手方向両端部に伸長状態で配置されている。
本実施例では、この外装部材１４の長手方向両端部がウ
エスト周り弾性部材１６を挟持するように折り返され、
ウエスト周り開口部１２を形成している。

【００４１】上述した弾性部材１６, １８〜２１は、天
然ゴム, 合成ゴム, ウレタンなどの糸状, ひも状, ネッ
ト状, 平型形状のものを配置位置に応じて用い、澱粉系
またはＣＭＣ（カルボキシメチルセルロース）などの水
溶性糊、または流動性の高い接着剤によって外装部材１
４に固定されるが、ホットメルトや超音波などによって
溶着するようにしても良い。

【００４２】このようなパンツ型おむつ１１の製造過程
を概念的に表す図４に示すように、外装部材の連続体１
４Ｗにウエスト周り弾性部材の連続体１６Ｗおよび第１
〜第４の弾性部材の連続体１８Ｗ〜２１Ｗをそれぞれ伸
長状態で配置する。それぞれ蛇行状態の第１〜第４の弾
性部材の連続体１８Ｗ〜２１Ｗは、大きな曲率半径を有
する大円弧部２７と小さな曲率半径を有する小円弧部２
８とを交互にそれぞれ有する。また、第１および第３の
弾性部材の連続体１８Ｗ, ２０Ｗと、第２および第４の
弾性部材の連続体１９Ｗ, ２１Ｗとは、外装部材の連続
体１４Ｗの長手方向に沿った中央部に対しほぼ対称に配
置され、第１および第２の弾性部材の連続体１８Ｗ, １
９Ｗの位相、ならびに第３および第４の弾性部材の連続
体２０Ｗ, ２１Ｗの位相は、それぞれ半ピッチずれた状
態となっている。

【００４３】そして、この上に吸収性本体の連続体２２
Ｗを重ね合わせて外装部材の連続体１４Ｗと一体化する
が、吸収性本体の連続体２２Ｗは、バックシートの連続
体２５Ｗの上に所定間隔て吸収体２４を載せ、さらにこ
の上にトップシートの連続体２６Ｗを重ねて一体化する
ことにより得られる。

【００４４】さらに、外装部材１４の連続体１４Ｗの両
側縁部を折り返すと共に第１〜第４の弾性部材の連続体
１８Ｗ〜２１Ｗの小円弧部２８で囲まれた部分をほぼ楕
円形にくり抜いてくり抜き部２９を形成する。

【００４５】そして、吸収性本体２２が内側になるよう
に外装部材の連続体１４Ｗをその長手方向に沿った中央
部で二つ折りにし、この外装部材の連続体１４Ｗの両側
縁部に位置する一対のウエスト周り弾性部材の連続体１
６Ｗを相互に重ね合わせ、大円弧部２７および小円弧部
２８の中央部分を外装部材の連続体１４Ｗの幅方向に横
切るように、閉じ合わせ部２３の二倍の幅を有する接着
固定部を所定間隔で形成し、パンツ型おむつの連続体を
得た後、接着固定部の中央部分を切断して個々のパンツ
型おむつ１１を得る。

【００４６】上述した実施例では、吸収性本体２２を吸
収体２４とバックシート２５とトップシート２６とで形
成したが、バックシート２５を省略して吸収体２４およ
びトップシート２６を外装部材１４に直接重ね合わせる
ようにしても良い。このような本発明によるパンツ型お
むつの他の実施例の概略構造を図５に示すが、先の実施
例と同一機能の部材には、これと同一符号を記すに止
め、重複する説明は省略するものとする。

【００４７】すなわち、外装部材１４の上には、吸収体
２４およびトップシート２６が直接重ね合わされ、これ
ら吸収体２４およびトップシート２６と外装部材１４と
の間に弾性部材が保持された状態となっている。このよ
うに、先の実施例におけるバックシート２５を省略する
ことによって、製造工程の簡略化および製造コストの削
減を企図することができる。

【００４８】また、外装部材１４に内層シートを重ね合
わせ、この内層シートと外装部材１４との間に弾性部材
を挟み込むようにしても良い。このような本発明による
パンツ型おむつの別な実施例の概略構造を図６に示す
が、先の実施例と同一機能の部材には、これと同一符号
を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。

【００４９】すなわち、外装部材１４には、この外装部
材１４との間で弾性部材１６, １８〜２１を保持する内
層シート３０が重ね合わされており、この内層シート３
０上に吸収性本体２２が接合されるようになっている。
本実施例における吸収性本体２２は、バックシート２５
の幅方向中央部のみが内層シート３０に重ね合わされ、
バックシート２５およびトップシート２６の幅方向両側
縁部が吸収体２４の幅方向両側縁からはみ出した状態と
なっており、この部分に弾性部材３１を挟み込むことで
立体ギャザー３２を形成し、この立体ギャザー３２の先
端部を弾性部材３１の弾性力によりその長手方向に沿っ
て引き縮め、着用者の肌に密着するようにし、特に股間
部１４Ｃからの漏れを防止するように配慮している。

【００５０】前記外装部材１４およびバックシート２５
および内層シート３０は、これらの少なくとも何れか一
つが液不透過性であれば良く、例えば液不透過性のフィ
ルム、あるいは親水性や疎水性の不織布, 織布などを採
用することができる。

【００５１】図６に示す形態のパンツ型おむつ１１を製
造する場合は、先の実施例における吸収性本体の連続体
２２Ｗの製造工程を、例えば以下のように変更すれば良
い。すなわち、吸収体２４の長手方向がバックシート２
５の連続体の長手方向と合致するように、この吸収体２
４の幅寸法よりも大きな幅寸法を有するバックシート２
５の連続体の長手方向に沿った中央部に吸収体２４を所
定間隔で配置し、さらにこのバックシート２５の連続体
の両側縁部に弾性部材３１の連続体を伸長状態で配置す
る。そして、吸収体２４の幅寸法よりも大きな幅寸法を
有するトップシート２６の連続体をこれらバックシート
２５の連続体と吸収体２４との上に重ね、これらを一体
的に接合して吸収性本体の連続体２２Ｗを得る。

【００５２】そして、この吸収性本体の連続体２２Ｗを
所定間隔で切断して個々の吸収性本体２２を得た後、吸
収性本体２２の長手方向が外装部材１４の連続体の幅方
向と合致するように、これら吸収性本体２２を内層シー
ト３０の連続体の上に所定間隔で配置すれば良い。

【００５３】

【発明の効果】本発明のパンツ型おむつによると、第１
および第３の弾性部材と第２および第４の弾性部材と
を、非伸縮性の外装部材の腹側部および背側部の両側縁
部と股間部との間でたすき掛けの状態で配置したので、
着用者の下腹部と股間部と臀部中央とに亙って吸収性本
体が密着状態で押し当てられ、おむつのずり落ちが抑制
される結果、着用感に優れたパンツ型おむつを低コスト
にて製造することができる。

【００５４】また、各弾性部材をそれぞれ構成する複数
本の伸縮弾性材料の間隔を、外装部材の腹側部および背
側部の両側縁部側ほど広く設定したので、着用者の下腹
部および臀部中央から腰の側方部分にかけての部分に対
し、だぶ付くことなく密着して着用性をより向上させる
ことができる。

【００５５】さらに、第１の弾性部材と第３の弾性部材
との交差部分および第２の弾性部材と第４の弾性部材と
の交差部分に、吸収性本体の吸収体を存在させないよう
にした場合、股間部における吸収体の密着性をより一層
保持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるパンツ型おむつの一実施例の外観
を表す斜視図である。

【図２】図１に示したパンツ型おむつの閉じ合わせ部を
剥離して展開した状態の外観を表す斜視図である。

【図３】図２中の III−III 矢視断面図である。

【図４】図１に示したパンツ型おむつの製造過程の一部
を表す作業概念図である。

【図５】本発明によるパンツ型おむつの他の実施例にお
ける図３に対応した断面図である。

【図６】本発明によるパンツ型おむつの別な実施例にお
ける図３に対応した断面図である。

【符号の説明】

１１ パンツ型おむつ １２ ウエスト周り開口部 １３Ｌ, １３Ｒ 脚周り開口部 １４ 外装部材 １４Ｆ 腹側部 １４Ｂ 背側部 １４Ｃ 股間部 １４Ｗ 外装部材の連続体 １５ ウエストギャザー １６ ウエスト周り弾性部材 １６Ｗ ウエスト周り弾性部材の連続体 １７ レッグギャザー １８ 第１の弾性部材 １８Ｗ 第１の弾性部材の連続体 １９ 第２の弾性部材 １９Ｗ 第２の弾性部材の連続体 ２０ 第３の弾性部材 ２０Ｗ 第３の弾性部材の連続体 ２１ 第４の弾性部材 ２１Ｗ 第４の弾性部材の連続体 ２２ 吸収性本体 ２２Ｗ 吸収性本体の連続体 ２３ 閉じ合わせ部 ２４ 吸収体 ２５ バックシート ２５Ｗ バックシートの連続体 ２６ トップシート ２６Ｗ トップシートの連続体 ２７ 大円弧部 ２８ 小円弧部 ２９ くり抜き部 ３０ 内層シート ３１ 弾性部材 ３２ 立体ギャザー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 腹側部と股間部と背側部とを有する外装
   部材と、この外装部材の前記腹側部から前記股間部を通
   り前記背側部に亙って配置される吸収性本体とを具え、
   前記外装部材の腹側部の両側縁部と前記背側部の両側縁
   部とを相互に接合してウエストの部分に対応するウエス
   ト周り開口部と両脚の太股の部分に対応する一対の脚周
   り開口部とを形成したパンツ型おむつであって、 前記外装部材には、前記腹側部の右側縁部から下腹部を
   通って左側の前記脚周り開口部に沿い前記背側部の左側
   縁部に至る伸縮性を有する第１の弾性部材と、この第１
   の弾性部材と前記下腹部で交差するように前記腹側部の
   左側縁部から右側の前記脚周り開口部に沿い前記背側部
   の右側縁部に至る伸縮性を有する第２の弾性部材と、前
   記第１の弾性部材と前記股間部にて交差するように前記
   背側部の右側縁部から臀部を通って左側の前記脚周り開
   口部に沿い前記腹側部の左側縁部に至る伸縮性を有する
   第３の弾性部材と、この第３の弾性部材と前記臀部で交
   差すると共に前記第２の弾性部材と前記股間部にて交差
   するように前記背側部の左側縁部から右側の前記脚周り
   開口部に沿い前記腹側部の右側縁部に至る伸縮性を有す
   る第４の弾性部材とが配置され、 これら第１および第２および第３および第４の弾性部材
   は、複数本の伸縮弾性材料にてそれぞれ構成され、前記
   第１の弾性部材を構成する複数本の前記伸縮弾性材料は
   前記腹側部の右側縁部ほど間隔が広く設定され、前記第
   ２の弾性部材を構成する複数本の前記伸縮弾性材料は前
   記腹側部の左側縁部ほど間隔が広く設定され、前記第３
   の弾性部材を構成する複数本の前記伸縮弾性材料は前記
   背側部の右側縁部ほど間隔が広く設定され、前記第４の
   弾性部材を構成する複数本の前記伸縮弾性材料は前記背
   側部の左側縁部ほど間隔が広く設定されていることを特
   徴とするパンツ型おむつ。
2. 【請求項２】 前記外装部材には、前記ウエスト周り開
   口部に沿って伸縮性を有する弾性部材が配置されること
   を特徴とする請求項１に記載のパンツ型おむつ。
3. 【請求項３】 前記外装部材との間で前記第１および第
   ２および第３および第４の弾性部材を保持する内層シー
   トをさらに有し、この内層シートに前記吸収性本体が接
   合されることを特徴とする請求項１または請求項２に記
   載のパンツ型おむつ。
4. 【請求項４】 前記吸収性本体は、液透過性のトップシ
   ートと、前記外装部材側に位置するバックシートと、こ
   れらトップシートとバックシートとの間に配置された吸
   収体とを有することを特徴とする請求項１から請求項３
   の何れかに記載のパンツ型おむつ。
5. 【請求項５】 前記第１の弾性部材と前記第３の弾性部
   材との交差部分および前記第２の弾性部材と前記第４の
   弾性部材との交差部分には、前記吸収性本体の前記吸収
   体が存在しないことを特徴とする請求項４に記載のパン
   ツ型おむつ。