JP2018083023A - トランクスタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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【課題】歩行時の脚の付け根に対するフィット性を改善する。【解決手段】上記課題は、前側における一方側のサイドシール部21から脚開口の縁29に沿って股間部28に向かい、股間部28を斜め後方に向かい横切って他方側の脚開口に沿う部分に向かい、他方側の脚開口の縁29に沿って後側における他方側のサイドシール部21まで連続的に取り付けられた第1弾性部材26と、前側における他方側のサイドシール部21から脚開口の縁29に沿って股間部28に向かい、股間部28を斜め後方に向かい横切って他方側の脚開口に沿う部分に向かい、他方側の脚開口の縁29に沿って後側における一方側のサイドシール部21まで連続的に取り付けられた第2弾性部材27とを有し、第1弾性部材26及び第2弾性部材27は、外装体20の前側及び後側の少なくとも一方で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過することにより解決される。【選択図】図11

Description

本発明は、脚の付け根に対するフィット性を向上させたトランクスタイプ使い捨ておむつに関する。
パンツタイプ使い捨ておむつは、ウエスト開口及び一対の脚開口を有し、前側のウエスト開口の縁から後側のウエスト開口の縁にわたる外装体と、この外装体における少なくとも股間部に設けられた、吸収体を含む内装体と、外装体における前側の両側部及び後側の両側部を接合するサイドシール部とを有する構造が一般的となっている。
また、パンツタイプ使い捨ておむつの一形態として、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部を有するトランクスタイプ(一分丈形状又はボクサータイプとも呼ばれる)使い捨ておむつも知られている。脚筒部の構造が簡素なトランクスタイプ使い捨ておむつとしては、外装体の股間部に、吸収体の外接矩形よりも幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延び出た一対の内腿接触部分を有し、これら内腿接触部分を含む、脚開口の縁に沿う部分が、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部となっているものが知られている(例えば特許文献1〜5参照)。
このようなトランクスタイプ使い捨ておむつにおいては、他のタイプのパンツタイプ使い捨ておむつと同様に、身体へのフィット性を向上させるために、外装体に、種々の弾性部材を伸長状態で固定することが行われている。特に、外装体の前後両側に、一方のサイドシール部から脚開口の縁に沿って幅方向中央に向かい、幅方向中央を横断して他方の脚開口に向かい、他方の脚開口に沿って他方のサイドシール部に至るパターンで取り付けられた、前脚周り弾性部材及び後脚周り弾性部材は、トランクスタイプ使い捨ておむつの脚筒部のフィット性を左右するため重要なものである。
しかしながら、歩行時において前脚の前側における脚の付け根の溝及び後脚の後側における脚の付け根の溝がそれぞれ深くなるのに対して、従来のトランクスタイプ使い捨ておむつの脚筒部及びその近傍のフィット性には改善の余地があった。
特開2006−230920号公報 特開2007−061335号公報 特開2010−82133号公報 特開2010−227505号公報 特開平9−313534号公報
そこで本発明の主たる課題は、歩行時の脚の付け根に対するフィット性を改善することにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
ウエスト開口及び一対の脚開口を有し、前側のウエスト開口の縁から後側のウエスト開口の縁にわたる外装体と、この外装体における少なくとも股間部に設けられた、吸収体を含む内装体と、外装体における前側の両側部及び後側の両側部を接合するサイドシール部とを有し、
前記外装体の股間部は、前記吸収体の外接矩形よりも幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延び出た一対の内腿接触部分を有し、これら内腿接触部分を含む、前記脚開口の縁に沿う部分が、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部となっている、
トランクスタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記外装体は、
前側における一方側の前記サイドシール部から前記脚開口の縁に沿って股間部に向かい、股間部を斜め後方に向かい横切って他方側の前記脚開口に沿う部分に向かい、前記他方側の脚開口の縁に沿って後側における他方側の前記サイドシール部まで連続的に取り付けられた、細長状の第1弾性部材と、
前側における他方側の前記サイドシール部から前記脚開口の縁に沿って股間部に向かい、股間部を斜め後方に向かい横切って他方側の前記脚開口に沿う部分に向かい、前記他方側の脚開口の縁に沿って後側における一方側の前記サイドシール部まで連続的に取り付けられた、細長状の第2弾性部材と、
を有しており、
前記第1弾性部材及び第2弾性部材は、前記外装体の前側及び後側の少なくとも一方で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する、
ことを特徴とするトランクスタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様のトランクスタイプ使い捨ておむつを使用した場合、歩行時の脚の動きに連動して、前脚の前側と後脚の後側とを結ぶ斜め方向に第1弾性部材又は第2弾性部材の収縮力が作用するため、脚筒部及びその近傍が、前脚の前側における脚の付け根の溝及び後脚の後側における脚の付け根の溝に対して良好にフィットし、隙間が生じにくいものとなる。なお、特許文献5記載の弾性部材の配置では、このようなフィット性を得ることはできない。
<第2の態様>
前記第1弾性部材及び第2弾性部材のそれぞれは、互いに交差しないように間隔を空けて複数本設けられており、かつ
前記第1弾性部材及び第2弾性部材のそれぞれは、前記外装体の前側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過し、前記外装体の後側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部よりもウエスト側を通過するものと、前記外装体の後側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過し、前記外装体の前側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部よりもウエスト側を通過するものとを有する、
第1の態様のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様のように第1弾性部材及び第2弾性部材が配置されていると、一方の脚の脚筒部と、他方の脚の脚筒部よりもウエスト側の部分とが前後で連動し、歩行時の脚の動きに対して連動する第1弾性部材及び第2弾性部材の収縮力の作用範囲が広くなり、鼠径部と臀溝及びその近傍とに対するフィット性が良好となる。
<第3の態様>
前記外装体の前側で、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する通過距離は、前記外装体の後側で、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する通過距離よりも長い、
第1又は2の態様のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
鼠径部は臀溝よりも長い範囲にわたり深い溝が形成されるため、第1弾性部材及び第2弾性部材が本態様のように前後非対称配置とされることにより、外装体の前後がより適切に連動し、装着者の鼠径部及び臀溝に対してバランスよくフィットさせることができる。
<第4の態様>
前記第1弾性部材及び第2弾性部材は、それぞれ3本以上設けられており、
前記第1弾性部材及び第2弾性部材における最も脚開口の縁から遠いものと、脚開口の縁との間隔は、脚開口の縁の接線と直交する方向において120〜150mmであり、
前記第1弾性部材及び第2弾性部材における最も脚開口の縁に近いものと、脚開口の縁との間隔は、脚開口の縁の接線と直交する方向において5〜30mmである、
第1〜3のいずれか1つの態様のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第1弾性部材及び第2弾性部材は、脚開口の縁から十分に広い範囲にわたり設けられることが好ましく、通常の場合、本態様の範囲にわたり設けられることが好ましい。
<第5の態様>
前記外装体及び前記内装体の接合領域である内装体接合部は、少なくとも前記第1弾性部材及び第2弾性部材の通過位置には設けられていない、
第1〜4のいずれか1つの態様のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第1弾性部材及び第2弾性部材は股間部で交差し、かつ連続的に取り付けられるものであるため、第1弾性部材及び第2弾性部材の通過位置が、外装体及び内装体の接合領域である内装体接合部の領域内に位置していると、第1弾性部材及び第2弾性部材のうち内装体接合部の領域内に位置する部分は、内装体とともに伸縮することになり、他の部分と比較して伸縮性が乏しくなり、歩行時の足の動きに対する連動性が低下する。よって、本態様のように構成されていることが望ましい。
以上のとおり、本発明によれば、歩行時の脚の付け根に対するフィット性が改善される、等の利点がもたらされる。
展開状態のトランクスタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のトランクスタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 内装体の平面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の2−2断面図である。 図1の3−3断面図である。 トランクスタイプ使い捨ておむつの装着状態の前方斜め下から見た斜視図である。 弾性部材のカットパターンを示す平面図である。 接着剤塗布パターンを示す平面図である。 図2の要部拡大平面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。 展開状態の外装体の要部を拡大して示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、図中の点模様部分はホットメルト接着剤等の接合手段を示している。
図1〜図10はトランクスタイプ使い捨ておむつを示している。このトランクスタイプ使い捨ておむつ(以下、単におむつともいう。)は、ウエスト開口及び一対の脚開口を有し、前身頃Fのウエスト開口の縁から後身頃Bのウエスト開口の縁にわたる外装体20と、この外装体20における少なくとも股間部28に設けられた、吸収体13を含む内装体10と、外装体20における前側の両側部及び後側の両側部を接合するサイドシール部21とを有するものである。また、外装体20の股間部28は、吸収体13の外接矩形(展開状態の平面視で吸収体13に外接する仮想矩形を意味し、本形態では、吸収体13の外接矩形の一方の対辺は内装体10の両側縁にほぼ等しい)よりも幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延び出た一対の内腿接触部分31を有し、これら内腿接触部分31を含む、脚開口の縁29に沿う部分が、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部30となっている。製造に際しては、外装体20に対して内装体10がホットメルト接着剤などの接合手段によって接合された後に、内装体10及び外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である前後方向(縦方向)中央で折り畳まれ、その両側部が相互に熱溶着又はホットメルト接着剤などによって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口及び一対の脚開口が形成されたトランクスタイプ使い捨ておむつとなる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図3〜図6に示すように、不織布などからなる液透過性のトップシート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、トップシート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。内装体10の平面形状は特に限定されないが、図示形態のようにほぼ長方形とすることが一般的である。
吸収体13の表側を覆い、肌当接面を形成するトップシート11としては、有孔又は無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。トップシート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。図示形態では、トップシート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在しているが、これに限定されるものではない。
吸収体13の裏側を覆う液不透過性シート12は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートとしては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを挙げることができる。
液不透過性シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。図示形態では、液不透過性シート12は、トップシート11とともに吸収体13の幅方向両側で裏側に折り返されているが、これに限定されるものではない。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。
吸収体13の全体形状は、股間部28を含む前後方向範囲にその前後両側よりも幅の狭い括れ部13Nを有するほぼ砂時計状に形成されているが、長方形状等、適宜の意形状とすることができる。括れ部13Nの寸法は適宜定めることができるが、括れ部13Nの前後方向長さはおむつ全長Yの20〜50%程度とすることができ、その最も狭い部分13mの幅は吸収体13の全幅の40〜60%程度とすることができる。このような括れ部13Nを有する場合において、内装体10の平面形状がほぼ長方形とされていると、内装体10における吸収体13の括れ部13Nと対応する部分に、吸収体13を有しない余り部分が形成される。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されている。この立体ギャザーBSは、図5及び図6に示されるように、内装体10の裏面の側部に固定された固定部と、この固定部から内装体10の側方を経て内装体10の表面の側部まで延在する本体部と、本体部の前後端部が倒伏状態で内装体10の表面の側部に固定されて形成された倒伏部分と、この倒伏部分間が非固定とされて形成された自由部分とが、折返しによって二重としたギャザーシート15により形成されている。ギャザーシート15としては撥水性とされた不織布が好適に用いられる。
また、二重のギャザーシート15の間には、自由部分の先端部等に細長状のギャザー弾性部材16が配設されている。ギャザー弾性部材16は、製品状態において図5に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により自由部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
ギャザー弾性部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、伸長率は150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、ギャザー弾性部材16としては、図示形態のような糸状の他、ある程度の幅を有するテープ状のものを用いることもできる。
ギャザーシート15に用いる不織布は特に限定されるものではなく、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維からなるものとすることができ、また、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法により製造することができる。特に、ギャザーシート15としては、尿などの透過を防止するために、シリコーン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(外装体の構造例)
外装体20には、図4にも示されるように、伸縮性を有する付与するための各種弾性部材24〜27が配設されており、少なくとも弾性部材を有する領域(図示形態は全領域)は複数のシート層を有しており、これらシート層の間に弾性部材24〜27が挟まれている。複数のシート層は、各一枚のシート材により形成するほか、一枚のシート材を折り返して形成することもできる。図示形態の外装体20は、それぞれ不織布等からなる押えシート20A及びバックシート20Bからなる2層構造とされ、押えシート20Aとバックシート20Bとの間、及びバックシート20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布間に各種弾性部材24〜27が配設され、伸縮性が付与されている。
外装体20は、前後方向LDの中間が括れたほぼ砂時計形状となっており、この括れの両側縁がそれぞれ脚開口の縁29となっている。そして、図11に示すように、外装体20の股間部22には、吸収体13の外接矩形よりも幅方向WDの一方側及び他方側にそれぞれ延び出た一対の内腿接触部分31を有し、これら内腿接触部分31を含む、脚開口の縁29に沿う部分が、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部30となる。内腿接触部分31の寸法は脚筒部30の長さに応じて適宜定めれば良いが、通常の場合、外装体20の最も幅の狭い部分における内腿接触部分31の幅31xは、おむつ全長Yの1〜5%程度とすることが好ましい。また、図12に示すように、前身頃Fにおいては、脚開口の縁29上の最も幅方向中央側に位置する仮想点P1から、幅方向に対して20度の角度θ1で、幅方向外側かつウエスト側に向かう仮想直線L1を引いたとき、この仮想直線L1と、サイドシール部21を有する前後方向範囲における外装体20の側縁との交点P2を有するのが好ましく、この交点P2から脚開口の縁29までの前後方向間隔30f(この場合、脚筒部30の長さに等しい)は、外装体20の最も幅の狭い部分における内腿接触部分31の幅31x以上であることが好ましく、ほぼ同じであることが好ましい。一方、後身頃Bにおいては、脚開口の縁29上の最も幅方向中央側に位置する仮想点P1から、幅方向に対して30度の角度θ2で、幅方向外側かつウエスト側に向かう仮想直線L2を引いたとき、この仮想直線L2と、サイドシール部21を有する前後方向範囲における外装体20の側縁との交点P3を有するのが好ましく、この交点P3から脚開口の縁29までの前後方向間隔30bは、外装体20の最も幅の狭い部分における内腿接触部分31の幅31x以下であっても、以上であってもよい。
図示形態の外装体20では、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、ウエスト開口近傍23に幅方向WDに沿って配置されたウエスト弾性部材24と、ウエスト弾性部材24より脚開口側に幅方向WDに沿って配置されたウエスト下方部弾性部材25とを有している。
ウエスト弾性部材24は、前身頃Fと後身頃Bとが接合されたサイドシール部21の前後方向範囲のうち、ウエスト開口近傍23に縦方向に間隔をおいて配置された複数本の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、おむつのウエスト開口の近傍23を締め付けてフィットさせるためのものである。このウエスト弾性部材24は、図示例では複数本の糸ゴムを用いたが、これに代えて例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト弾性部材24は、ウエスト部におけるバックシート20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、押えシート20Aとバックシート20Bとの間に挟持しても良い。
ウエスト下方部弾性部材25は、サイドシール部21を有する前後方向範囲のうち、ウエスト弾性部材24より脚開口側の範囲に、縦方向に間隔をおいて配置された複数本の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、おむつの胴周り領域のうちウエスト開口近傍23を除くほぼ全体を締め付けてフィットさせるためのものである。なお、ウエスト弾性部材24とウエスト下方部弾性部材25との境界は、弾性部材の太さや伸長率等、伸縮特性が変化する位置にあるか、又は伸縮特性が変化しない場合には内装体10のウエスト側の縁に位置する。ウエスト下方部弾性部材25は、図示形態のように股間部28には設けないことが望ましく、また、中間領域22の前後両側には図示形態のように設けることもできるが、設けなくてもよい。
特徴的には、図2に全体を、及び図10及び図11に要部を拡大してそれぞれ示すように、前側における一方側のサイドシール部21から脚開口の縁29に沿って股間部28に向かい、股間部28を斜め後方に向かい横切って他方側の脚開口に沿う部分に向かい、他方側の脚開口の縁29に沿って後側における他方側のサイドシール部21まで連続的に取り付けられた、細長状の第1弾性部材26と、前側における他方側のサイドシール部21から脚開口の縁29に沿って股間部28に向かい、股間部28を斜め後方に向かい横切って他方側の脚開口に沿う部分に向かい、他方側の脚開口の縁29に沿って後側における一方側のサイドシール部21まで連続的に取り付けられた、細長状の第2弾性部材27とを有している。
このような第1弾性部材26及び第2弾性部材27を備えたトランクスタイプ使い捨ておむつを使用した場合、歩行時の脚の動きに連動して、前脚の前側と後脚の後側とを結ぶ斜め方向に第1弾性部材26又は第2弾性部材27の収縮力が作用するため、脚筒部30及びその近傍が、前脚の前側における脚の付け根の溝及び後脚の後側における脚の付け根の溝に対して良好にフィットし、隙間が生じにくいものとなる。
第1弾性部材26及び第2弾性部材27は糸ゴム等の細長状弾性部材であり、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例ではそれぞれ互いに交差することなく、間隔をおいて配置された7本の第1弾性部材26及び第2弾性部材27を有している。第1弾性部材26及び第2弾性部材27をそれぞれ複数本設ける場合、間隔を密にして実質的に一束として配置するのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、好ましくは4本以上配置する。
第1弾性部材26及び第2弾性部材27は、外装体20の前側及び後側の少なくとも一方で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過していればよいが、図示形態のように、第1弾性部材26及び第2弾性部材27のそれぞれは、外装体20の前側で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過し、外装体20の後側で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30よりもウエスト側を通過するものと、外装体20の後側で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過し、外装体20の前側で脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30よりもウエスト側を通過するものとを有するのは、一つの好ましい形態である。このように第1弾性部材26及び第2弾性部材27が配置されていると、一方の脚の脚筒部30と、他方の脚の脚筒部30よりもウエスト側の部分とが前後で連動し、歩行時の脚の動きに対して連動する第1弾性部材26及び第2弾性部材27の収縮力の作用範囲が広くなり、鼠径部と臀溝及びその近傍とに対するフィット性が良好となる。
また、第1弾性部材及び第2弾性部材27は前後対称的配置であってもよいが、図11からも分かるように、外装体20の前側で、第1弾性部材26及び第2弾性部材27の脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過する通過距離は、外装体20の後側で、第1弾性部材26及び第2弾性部材27の脚開口の縁29に沿う部分が脚筒部30を通過する通過距離よりも長い、前後非対称配置とするのも一つの好ましい形態である。鼠径部は臀溝よりも長い範囲にわたり深い溝が形成されるため、第1弾性部材26及び第2弾性部材27がこのように前後非対称配置とされることにより、外装体20の前後がより適切に連動し、装着者の鼠径部及び臀溝に対してバランスよくフィットさせることができる。
また、第1弾性部材26及び第2弾性部材27は、脚開口の縁29から十分に広い範囲にわたり設けられることが好ましいため、第1弾性部材26及び第2弾性部材27の本数を、それぞれ3本以上とし、第1弾性部材26及び第2弾性部材27における最も脚開口の縁29から遠いものと、脚開口の縁29とにおける、脚開口の縁29の接線と直交する方向の間隔d1は120〜150mmとし、第1弾性部材26及び第2弾性部材27における最も脚開口の縁29に近いものと、脚開口の縁29とにおける、脚開口の縁29の接線と直交する方向の間隔d2は5〜30mmとするのも好ましい。
第1弾性部材26及び第2弾性部材27はその全体が湾曲していなくても良く、図示形態における幅方向中間部のように、部分的に直線状の部分を有していても良い。
第1弾性部材26及び第2弾性部材27の取り付け方法としては、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術を採用することができる。
弾性部材24〜27は、それぞれその延在方向に沿って所定の伸長率で伸長された状態で固定され、固定時の伸長状態と自然長状態との間で外装体20とともに伸縮するようになっている。弾性部材24〜27の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の成人用の場合、ウエスト弾性部材24は160〜320%程度、ウエスト下方部弾性部材25は160〜320%程度、第1弾性部材26及び第2弾性部材27は230〜350%程度とすることができる。
ウエスト部弾性部材24、ウエスト下方部弾性部材25、第1弾性部材26及び第2弾性部材27は、バックシートの折り返し部分20Cの間、並びに押えシート20Aとバックシート20Bとの間に挟まれるとともに、それらシート20A,20Bに対してホットメルト接着剤により接着固定されている。ホットメルト接着剤の塗布パターンは適宜定めることができるが、図9に示すように、ウエスト部弾性部材24及びウエスト下方部弾性部材25の固定のための接着部分B1は、ウエスト部弾性部材24の配置部分及びその近傍、腰回り弾性部材25の配置部分及びその近傍のみとするのが好ましい。図9は、製造工程におけるホットメルト接着剤の塗布部位B1を示しており、ウエスト部弾性部材24及びウエスト下方部弾性部材25を両シート20A,20Bに固定するためのホットメルト接着剤B1は、実質的に各弾性部材24,25の配置部位及びその近傍にのみ塗布されている。このような接着剤の塗布は、外周面に接着剤を塗布したウエスト部弾性部材24及びウエスト下方部弾性部材25を両シート20A,20Bで挟むことにより実現することができる。
一方、第1弾性部材26及び第2弾性部材27はを押えシート20A及びバックシート20Bに固定するためのホットメルト接着剤B2は、例えば図9に示すように、第1弾性部材26及び第2弾性部材27はを有する前後方向範囲全体に、幅方向に連続的に塗布するほか、図示しないが脚第1弾性部材26及び第2弾性部材27に沿って階段状に塗布することもできる。
図8に示すように、ウエスト下方部弾性部材25は、製造時に外装体20に対して連続的に固定された後に、内装体接合部18と重なる部分の一部又は全部が、所定の切断パターンCPで細かく切断されて伸縮しない非伸縮領域19(つまり、図8の切断パターンCPと重なる部分)となり、この非伸縮領域19より側方に延在する部分が伸縮領域(つまり、図8の切断パターンCPより側方の、ウエスト下方部弾性部材25が連続的に残された部分)となっていてもよい。この場合、ウエスト下方部弾性部材25は、一方側のサイドシール部21から内装体10を横切って他方(反対)側のサイドシール部21まで連続的に設けた後に、内装体接合部18と重なる部分の一部又は全部が、細かく切断される。これにより、内装体10(特に吸収体13)の幅方向の不必要な収縮を防止することができる。
これに対して、第1弾性部材26及び第2弾性部材27は、外装体の前後連動機能のために切断されることなく連続しており、その連続方向に沿って連続的な伸縮領域が形成される。このため、図示例の切断パターンCPは、前後方向中間における第1弾性部材26及び第2弾性部材27の通過位置には存在せず、その前後両側のみとなっている。
弾性部材を切断し非伸縮領域を形成する方法としては、例えば特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002-273808号公報記載の技術を採用することができる。もちろん、ウエスト下方部弾性部材25を切断せずに、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
第1弾性部材26及び第2弾性部材27は股間部28で交差し、かつ連続的に取り付けられるものであるため、第1弾性部材26及び第2弾性部材27の通過位置が、外装体20及び内装体10の接合領域である内装体接合部18の領域内に位置していると、第1弾性部材26及び第2弾性部材27のうち内装体接合部18の領域内に位置する部分は、内装体10とともに伸縮することになり、他の部分と比較して伸縮性が乏しくなり、歩行時の足の動きに対する連動性が低下する。また、第1弾性部材26及び第2弾性部材27により吸収体13が収縮すると、吸収性能が低下したり、周囲に比べて硬い部分が形成され、装着感が悪化したりするおそれもある。よって、図2及び図10に示すように、外装体20及び前記内装体10の接合領域である内装体接合部18は、少なくとも前記第1弾性部材26及び第2弾性部材27の通過位置には設けられておらず、その前後両側にのみ設けられているのは一つの好ましい形態である。
(前後押えシート)
図1及び図4にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられていても良い。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうち折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうち折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、折り返し部分20Cを、内装体10と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前身頃」「後身頃」は、使い捨ておむつの前後方向中央を境としてそれぞれ前側及び後側の部分を意味する。
・「股間部」は、装着者の股間に位置するようになる部分を意味し、通常の場合、図12に示すように前後方向中央を含む、展開状態における脚開口の縁29の接線と前後方向とのなす鋭角側交差角が45°以下となる前後方向範囲28を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法、位置関係は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなトランクスタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
10…内装体、11…トップシート、12…液不透過性シート、13…吸収体、13N…括れ部、14…包装シート、15…ギャザーシート、16…ギャザー弾性部材、18…内装体接合部、19…非伸縮領域、20…外装体、20C…折り返し部分、21…サイドシール部、22…中間領域、24…ウエスト弾性部材、25…ウエスト下方部弾性部材、26…第1弾性部材、27…第2弾性部材、28…股間部、29…脚開口の縁、30…脚筒部、31…内腿接触部分、BS…立体ギャザー、B…後身頃、F…前身頃、LD…前後方向、WD…幅方向。

Claims (5)

  1. ウエスト開口及び一対の脚開口を有し、前側のウエスト開口の縁から後側のウエスト開口の縁にわたる外装体と、この外装体における少なくとも股間部に設けられた、吸収体を含む内装体と、外装体における前側の両側部及び後側の両側部を接合するサイドシール部とを有し、
    前記外装体の股間部は、前記吸収体の外接矩形よりも幅方向一方側及び他方側にそれぞれ延び出た一対の内腿接触部分を有し、これら内腿接触部分を含む、前記脚開口の縁に沿う部分が、腿の付根側を取り囲む一対の脚筒部となっている、
    トランクスタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記外装体は、
    前側における一方側の前記サイドシール部から前記脚開口の縁に沿って股間部に向かい、股間部を斜め後方に向かい横切って他方側の前記脚開口に沿う部分に向かい、前記他方側の脚開口の縁に沿って後側における他方側の前記サイドシール部まで連続的に取り付けられた、細長状の第1弾性部材と、
    前側における他方側の前記サイドシール部から前記脚開口の縁に沿って股間部に向かい、股間部を斜め後方に向かい横切って他方側の前記脚開口に沿う部分に向かい、前記他方側の脚開口の縁に沿って後側における一方側の前記サイドシール部まで連続的に取り付けられた、細長状の第2弾性部材と、
    を有しており、
    前記第1弾性部材及び第2弾性部材は、前記外装体の前側及び後側の少なくとも一方で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する、
    ことを特徴とするトランクスタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記第1弾性部材及び第2弾性部材のそれぞれは、互いに交差しないように間隔を空けて複数本設けられており、かつ
    前記第1弾性部材及び第2弾性部材のそれぞれは、前記外装体の前側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過し、前記外装体の後側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部よりもウエスト側を通過するものと、前記外装体の後側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過し、前記外装体の前側で前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部よりもウエスト側を通過するものとを有する、
    請求項1記載のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記外装体の前側で、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する通過距離は、前記外装体の後側で、前記第1弾性部材及び第2弾性部材の前記脚開口の縁に沿う部分が前記脚筒部を通過する通過距離よりも長い、
    請求項1又は2記載のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記第1弾性部材及び第2弾性部材は、それぞれ3本以上設けられており、
    前記第1弾性部材及び第2弾性部材における最も脚開口の縁から遠いものと、脚開口の縁との間隔は、脚開口の縁の接線と直交する方向において120〜150mmであり、
    前記第1弾性部材及び第2弾性部材における最も脚開口の縁に近いものと、脚開口の縁との間隔は、脚開口の縁の接線と直交する方向において5〜30mmである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記外装体及び前記内装体の接合領域である内装体接合部は、少なくとも前記第1弾性部材及び第2弾性部材の通過位置には設けられていない、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のトランクスタイプ使い捨ておむつ。
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