JP2022148501A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】尿の逆戻りによる肌トラブルを軽減することができる吸収性物品を提供すること。【解決手段】上記課題を解決する吸収性物品200は、股間部C2と、前記股間部C2の前側に延在する腹側部F2と、前記股間部C2の後側に延在する背側部B2と、を有し、第1シート層20A及び第2シート層20Bと、前記第1シート層20A及び前記第2シート層20Bの間に介在された弾性シート30と、前記第2シート層20Bの裏側に設けられた吸収体13と、を有し、前記第1シート層20A及び第2シート層20Bは、間隔を空けて配列された多数の接合部40で、前記弾性シート30を貫通する接合孔31を通じて接合されており、前記第1シート層20A、前記第2シート層20B及び前記弾性シート30は、前記背側部B2から前記股間部C2を通って前記腹側部F2に至る領域に設けられ、前記股間部C2に前記弾性シート30の伸縮を抑えた伸縮抑制領域61が設けられ、前記背側部B2に伸縮領域60が設けられている、ことにより解決される。【選択図】図5

Description

本発明は吸収体を有する吸収性物品に関する。特に、肌トラブルを軽減する吸収性物品に関する。
以下の説明では、吸収性物品として使い捨ておむつを例示するが、この吸収性物品は使い捨ておむつに限られるものではなく、生理用ナプキン等の吸収性物品も含むものである。
テープタイプ式使い捨ておむつやパンツタイプ式使い捨ておむつの着用者は、それらのおむつの内側に吸収パッド(「パッドタイプ使い捨ておむつ」ともいう。以下、同じ。)を装着することがある。この吸収パッドを用いると、排尿後におむつを交換せず、吸収パッドを交換するだけで足りるという利点がある。
このようなパッドタイプ使い捨ておむつ等の吸収性物品には、吸収体よりも肌側にあるトップシートやセカンドシートにメッシュシートを用いたものがあり、このメッシュシートによって吸収体に吸収された尿が肌側へ逆戻りすることを抑制し、尿が着用者の肌に触れにくくしている。
しかし、このようなメッシュシートを用いた製品であっても、着用者が寝たきりのような場合は、排尿した尿が臀部へ流れ、流れ着いた臀部の吸収体で尿を吸収することが多い。そのため、着用者の臀部と寝具(布団等)の間に吸収体が挟まれ、尿が吸収体から肌へ逆戻りする結果、着用者の肌がかぶれてしまいやすい。
前述の吸収性物品以外にも、開口部を備えたシートを有する吸収性物品として、下記特許文献に開示されたものがある。
特許文献1に開示された吸収性物品は、少なくとも前記股部に、複数の開口部を有するインレット材料を備え、インレット材料の複数の開口部は、吸収性製品の横方向に延びる複数のスリットから形成されている。前記開口部はスリットから、連続的なインレット材料を吸収性製品の前記長手方向に広げることによって形成されている。吸収性製品の横方向における液体インレット材料は中央領域及び2つの縁部領域を有し、複数の開口部は中央領域中に配置され、それによって複数の開口部を有するインレット材料の中央領域は縁部領域より低度の弾性を有している。このような構成の吸収性物品によれば、インレット材料の縁部領域が収縮する結果、股領域に椀状の形状にすることができるとされている。また、縁部領域に開口部がないため、その縁部が側部漏れに対する危険性を減少させる液体縁部バリアとして機能することも開示されている。
特許文献2に開示された吸収性物品は、トップシートにスリットを多数形成するとともに、このスリットに対して非平行に伸張した状態で弾性伸縮部材を固定している。そして、トップシートにおける弾性伸縮部材を有する部分が弾性伸縮部材の収縮に伴って収縮することにより、スリットを拡幅させ透過孔として開口させる構成となっている。このような構成にすることで、トップシートに撓みや収縮が生じても常に開いた状態を維持することができ、また弾性伸縮部材の収縮で維持された皺による柔らかな凹凸感(クッション性)がもたらされる、との利点が示されている。さらに、弾性伸縮部材の収縮に伴いトップシートが収縮し、収縮方向と直交する方向に皺が形成されるため、液分がトップシート上を拡散するのを防止できるという副次的利点も示されている。
特表2018-516707号公報 特開2009-006002号公報
前述の特許文献1及び2は吸収体に吸収された尿を逆戻りするためのものではなく、逆戻りを防止するために、開口部を備えたシートを如何に利用するかについては何ら開示されていない。
また、特許文献1のようにインレット材料を股間部にのみ設けることは、製造工程や製造設備が複雑になりやすい。
したがって、本発明の主たる課題は、尿の逆戻りによる肌トラブルを軽減することができる吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記股間部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、股間部に弾性シートの伸縮を抑えた(すなわち、弾性シートが伸縮しない、またはほとんど伸縮しない)伸縮抑制領域を設けている。伸縮が抑えられていることで、弾性シートに設けられた接合孔の大きさが小さくならない(またはほとんど小さくならない)ので、排泄された尿を速やかに吸収体へ到達させ、吸収させることができる。排泄された尿が吸収体に到達するまでに時間がかかると、吸収性物品の肌側に尿が滞留して広範囲に広がり、着用者の肌に触れてその広範囲が被れる原因になるが、本態様の構成にすることでこのような不具合の発生を防ぐことができる。
また、伸縮が抑えられた弾性シートであっても、弾性シートを設けない場合と比べれば、吸収体で吸収された尿の肌側への逆戻り量を低減することができる。すなわち、吸収体に吸収された尿は弾性シートに設けられた接合孔を通じてしか逆戻りできないため、ある程度の逆戻り防止効果を得ることもできる。
他方、本態様では、背側部に伸縮領域(弾性シートの伸縮を抑えていない領域)が設けられている。弾性シートの収縮を抑えずに収縮させることによって、弾性シートに設けた接合孔の大きさを小さくすることができ、その結果、吸収体で吸収された尿の肌側へ逆戻りをより効果的に低減させることができる。また、背側部の伸縮領域の弾性シートが収縮することによって、第1シート層に襞が形成されるため、第1シート層と肌の接触面積を少なくすることができ、かつ襞間の隙間に空気が通りやすくなることから、着用者が快適な履き心地であると感じやすい。第1シート層と肌の接触面積が少なくなると、たとえ尿が逆戻りした場合であっても、その尿は第1シート層と肌の接触部分を介して肌に触れるだけであるので、尿が肌に触れる面積が少なくなり、肌トラブルを軽減することができる。
なお、股間部に伸縮抑制領域を設けた本態様は、尿の排泄孔が股間部に位置する女性向けの製品として特に優れたものである。
<第2の態様>
股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記腹側部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、腹側部に伸縮抑制領域を設けたことで、腹側部に排泄された尿を速やかに吸収体へ到達させ、吸収させることができる。他の作用効果は前記第1の態様と同様であるため、記載を省略する。なお、腹側部に伸縮抑制領域を設けた本態様は、尿の排泄孔が腹側部に位置する男性向けの製品として特に優れたものである。
<第3の態様>
股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記腹側部および前記股間部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、腹側部および股間部に伸縮抑制領域を設けたことで、腹側部および股間部に排泄された尿を速やかに吸収体へ到達させ、吸収させることができる。他の作用効果は前記第1の態様と同様であるため、記載を省略する。なお、腹側部および股間部に伸縮抑制領域を設けた本態様は、尿の排泄孔が腹側部に位置する男性と、尿の排泄孔が股間部に位置する女性の両者にとって優れたものである。
<第4の態様>
前記股間部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記股間部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも小さい、前記第1の態様または第3の態様の吸収性物品。
(作用効果)
前記第1の態様や第3の態様に記載したとおり、股間部に伸縮抑制領域が設けられているため、股間部に排泄された尿を迅速に吸収体へ到達させることができる。
しかし、伸縮抑制領域を設けることで、吸収体に吸収された尿が逆戻りしやすいという問題が生じる。特に、股間部の幅方向中央部分の吸収体は、排泄された尿を最も多く吸収しやすいため、当該部分からの逆戻りを防止することが特に重要となる。
本態様では、股間部の幅方向中央部分の接合部の大きさを股間部の幅方向外側部分の接合部の大きさよりも小さくしている。そうすることで、股間部の幅方向中央部分の接合孔の大きさが股間部の幅方向外側部分の接合孔の大きさよりも小さくなり、その結果、股間部の幅方向中央部分の吸収体からの逆戻り量を少なくすることができる。
<第5の態様>
前記腹側部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記股間部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも小さい、前記第2の態様または第3の態様の吸収性物品。
(作用効果)
前述のように、伸縮抑制領域を設けることで、吸収体に吸収された尿が逆戻りしやすいという問題が生じる。特に、腹側部の幅方向中央部分の吸収体は、排泄された尿を最も多く吸収しやすいため、当該部分からの逆戻りを防止することが特に重要となる。
本態様では、腹側部の幅方向中央部分の接合部の大きさを腹側部の幅方向外側部分の接合部の大きさよりも小さくしている。そうすることで、腹側部の幅方向中央部分の接合孔の大きさが腹側部の幅方向外側部分の接合孔の大きさよりも小さくなり、その結果、腹側部の幅方向中央部分の吸収体からの逆戻り量を少なくすることができる。
<第6の態様>
前記背側部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記背側部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも大きい、前記第1~第5の態様のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
背側部の幅方向中央部分は、背側部の幅方向外側部分と比べて、着用者が排尿したときに多くの尿が流れやすい部分である。当該部分の吸収スピードが遅いと、尿が着用者の肌に触れて肌トラブルに発展しやすいため、排尿された尿を迅速に吸収体に吸収させる必要がある。
そこで、本態様では、背側部の幅方向中央部分の接合部の大きさを背側部の幅方向外側部分の接合部の大きさよりも大きくしている。このような構成にすることで、背側部の幅方向中央部分の弾性シートに形成される貫通孔も大きくすることができる。その結果、背側部の幅方向中央部分に尿を滞留させることなく、迅速に吸収体に吸収させることができる。
他方、背側部の幅方向外側部分の接合部の大きさを背側部の幅方向中央部分の接合部の大きさよりも小さくすることで、背側部の幅方向外側部分の貫通孔も小さくすることができる。その結果、背側部の幅方向外側部分における尿の逆戻り量を低減させることができる。背側部の幅方向中央部分から吸収体へ流入した尿は、背側部の幅方向外側部分の吸収体に広がるため、背側部の幅方向外側部分の吸収体から尿が逆戻りすることを防止するのは有効性が高い。
なお、背側部の幅方向中央部分からの尿の逆戻りを防止することも重要ではあるが、当該部分には臀裂部(臀部の割れ目の部分)があり、着用者の肌とおむつが直接接触している面積が少ない。そのため、着用者の肌とおむつが直接接触する背側部の幅方向外側部分からの逆戻りを防ぐことが最も重要であり、当該部分の尿の逆戻りを抑えることで、尿の逆戻りによる肌トラブル(肌が荒れる等)の発生を抑える効果が高い。
また、背側部の幅方向外側部分の接合部の大きさを小さくすると、弾性シートが収縮しやすくなり、背側部の幅方向外側部分の第1シート層に襞が形成されやすくなるため、第1シート層と肌の接触面積を少なくすることができる。また第1シート層の襞間の隙間に空気が通りやすくなることから、着用者が快適な履き心地であると感じやすい。第1シート層と肌の接触面積が少なくなると、尿が逆戻りした場合であっても、その尿は第1シート層と肌の接触部分を介して肌に触れるだけであるので、尿が肌に触れる面積が少なくなり、この点からも肌トラブルを軽減することができる。
<第7の態様>
前記吸収体は、
前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記吸収体の前記股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
前記股間部において、
前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、前記第1の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、吸収体の股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられている。このスリットを設けることで、排出された尿を速やかに吸収体の前後方向に拡散させることができる。
また、本態様では、弾性シートのスリットと重なる部分に伸縮抑制領域が設けられており、弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている構成となっている。吸収体に設けられたスリット部分にはほとんど尿が保持されていないため、スリット部分から逆戻りする尿量は少ない。そのため、弾性シートのスリットと重なる部分に伸縮抑制領域を設け、逆戻りを防止するよりも、尿を迅速に吸収体に到達させることを優先している。他方、スリットに入った尿は、スリットの周辺の吸収体によって吸収される。このように、吸収体のうちのスリットがない部分では保持している尿の量が多いため、当該部分に伸縮領域を設けて尿の逆戻りを防止している。
<第8の態様>
前記吸収体は、
前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記吸収体の前記腹側部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
前記腹側部において、
前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、前記第2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、吸収体の腹側部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられている。このスリットを設けることで、排出された尿を速やかに吸収体の前後方向に拡散させることができる。
また、弾性シートのスリットと重なる部分に伸縮抑制領域を設け、弾性シートのスリットと重ならない部分に伸縮領域を設けたことによる作用効果は、前記第7の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
<第9の態様>
前記吸収体は、
前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
前記吸収体の前記腹側部及び前記股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
前記腹側部及び前記股間部において、
前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、前記第3の態様の吸収性物品。
(作用効果)
本態様では、吸収体の腹側部及び前記股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられている。このスリットを設けることで、排出された尿を速やかに吸収体の前後方向に拡散させることができる。
また、弾性シートのスリットと重なる部分に伸縮抑制領域を設け、弾性シートのスリットと重ならない部分に伸縮領域を設けたことによる作用効果は、前記第7の態様と同様であるため、ここでは記載を省略する。
<第10の態様>
前記股間部において、
前記弾性シートが前記吸収性物品の幅方向端部まで延在している、前記第1~第3の態様のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
股間部の弾性シートを吸収性物品の幅方向端部まで延在させると、当該部分(吸収性物品の股間部の幅方向端部。以下同じ)を弾性シートで伸縮させることができる。吸収性物品の股間部の幅方向端部には前後方向に沿って糸ゴムが配置されることが多いが、弾性シートを当該部分まで延在させることによって、このような糸ゴムを省略することができ、吸収性物品の製造が容易になる。また、当該部分を糸ゴムで伸縮させるよりも、弾性シートで伸縮させる方が、肌当たりが良くなるため、肌トラブルの低減を図ることもできる。
以上のとおり本発明によれば、尿の逆戻りによる肌トラブルを軽減することができる吸収性物品を提供することができる。
本発明に係る吸収性物品(吸収パッド)の展開状態の内面側を示す平面図である。斜線部分はギャザーシートの固定部分である。 図1の要部のみを示す平面図である。 図1のY-Y断面図である。 図1のX-X断面図である。 腹側部に伸縮抑制領域を設け、股間部と背側部に伸縮領域を設けた吸収パッドの要部の平面図である。 股間部に伸縮抑制領域を設け、腹側部と背側部に伸縮領域を設けた吸収パッドの要部の平面図である。 腹側部と股間部に伸縮抑制領域を設け、背側部に伸縮領域を設けた吸収パッドの要部の平面図である。 図7の実施形態の変形例であって、幅方向中央側部分の接合孔と幅方向外側部分の接合孔の大きさが異なる実施形態の要部の平面図である。 股間部にスリットを設けた実施形態の要部の平面図である。 第1シート層、弾性シートおよび第2シート層の幅を広くした実施形態の要部の平面図である。 (a)は伸縮領域の要部平面図、(b)は(a)のD-D断面図、(c)は装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 シート接合部の各種形状を示す平面図である。 展開状態の伸縮領域の平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 自然長状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 (a)は図14のD-D断面図、(b)は自然長状態における断面図である。 展開状態の伸縮領域の平面図である。 展開状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 自然長状態の伸縮領域の要部を拡大して示す平面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 ある程度伸長した外装体の要部断面を概略的に示す断面図である。 (a)第1溶着形態で形成されたシート接合部の平面写真のトレース図、(b )第3溶着形態で形成されたシート接合部の平面写真のトレース図である。 (a)は伸縮抑制領域の要部平面図、(b)は(a)のD-D断面図、(c)は 装着状態における断面図、(d)は自然長状態における断面図である。 伸縮抑制領域の要部平面図である。 超音波シール装置の概略図である。
以下、添付図面を参照しながら吸収性物品の例について詳説する。
(股間部、腹側部、背側部)
用語のうち「股間部」とは使用時に身体の股間と対応させる部分を意味し、製品によって、吸収性物品の前後方向LDの中央若しくはその近傍から前側の所定部位までの範囲であったり、吸収性物品の前後方向LDの中央の所定範囲であったりするものである。吸収性物品の前後方向LDの中間あるいは吸収体の前後方向LDの中間に幅の狭いくびれ部分がある場合は、いずれか一方又は両方のくびれ部分の最小幅部位を前後方向中央とする所定の前後方向範囲を意味する。
図示形態では、吸収パッド(吸収性物品)200の中間部と吸収体23の中間部にくびれ部分を有しており、吸収パッド200のくびれ部分の最小幅となっている前後方向LDの範囲と吸収体23のくびれ部分の最小幅となっている前後方向LDの範囲がほぼ重複している。図示形態では、各くびれ部分の最小幅となっている前後方向LDの重複する範囲を股間部C2としている。
ただし、股間部C2の前後方向LDの範囲は前述の重複部分に限られるものではない。例えば、吸収性物品200と吸収体23の両方がくびれ部分を有している場合であっても、どちらか一方(任意の一方)のくびれ部分の最小幅となっている前後方向LDの範囲を股間部C2としてもよい。
また、股間部C2の前後方向LDの範囲はくびれ部分の最小幅となっている前後方向LDの範囲に限定されるものではない。例えば、吸収性物品200および/または吸収体23のくびれ部分全体の前後方向LDの範囲全体を股間部C2としてもよい。
また、吸収性物品200および吸収体23にくびれ部分が設けられていない場合、吸収性物品200の前後方向LDの長さを任意に等分して決めてもよい。一般的に、人は臀部の厚みがあるため、背側部B2の前後方向LDの長さを腹側部F2の前後方向LDの長さよりも長くなるように設計する。そのため、股間部C2の位置も腹側に寄ったものとなりやすい。したがって、吸収性物品200の前後方向LDの腹側端縁を0%、背側端縁を100%としたときに、股間部C2を20~60%の範囲に設けることが好ましく、30~50%の範囲に設けることがより好ましい。
股間部C2を20~60%の範囲に設けることが好ましく、30~50%の範囲に設けることがより好ましい、という前述の内容は、吸収性物品200や吸収体23にくびれ部分が設けられている場合においても同様に適用することができる。前述の%で定めた前後方向LDの範囲と、くびれ部分の前後方向LDの範囲が一致しない場合は、原則として、くびれ部分に基づいて股間部C2を定めることが好ましい。図示形態のように、通常は、吸収性物品200の股間部C2を足回りにフィットさせる目的でくびれ部分を形成するが、それ以外の何らかの他の目的でくびれ部分を形成する場合がないともいえない。その場合、通常よりもより腹側の位置またはより背側の位置からくびれ部分が設けられる可能性がある。このような場合は、くびれ部分に基づいて股間部C2を設けるのではなく、前述の%で定めた前後方向LDの範囲に基づいて、股間部C2を設けることが好ましい。
そして、「腹側部」は股間部よりも前側の部分を意味し、「背側部」は股間部よりも後側の部分を意味する。
なお、伸縮領域60や伸縮抑制領域61が、腹側部F2、股間部C2および背側部B2にそれぞれ設けられているか否かについては、基本的に、前述のくびれ部分の前後方向LDの範囲や%で定めた前後方向LDの範囲から考えて、明らかに腹側部F2であると認められる部分、明らかに股間部C2であると認められる部分、明らかに背側部B2であると認められる部分に、伸縮領域60があるか否か、伸縮抑制領域61があるか否かを見て判断することが好ましい。また図示形態では、製造を容易にするために吸収体23がない部分(すなわち、吸収性物品200の腹側端部および背側端部)にも弾性シート30を配置しているが、伸縮領域60や伸縮抑制領域61が腹側部F2、股間部C2および背側部B2にそれぞれ設けられているか否かを判断する際には、吸収体23がある部分の弾性シート30に伸縮領域60があるか否か、伸縮抑制領域61があるか否かを見て判断することが好ましい。
(接合手段)
各構成部材を接合する接合手段としては、接着剤を例示することができ、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
(パッドタイプ使い捨ておむつの基本構造)
図1~図4は、吸収性物品の一例としてのパッドタイプ使い捨ておむつのパッド200を示している。このパッドタイプ使い捨ておむつのパッド200は、股間部C2と、その前後両側に延在する腹側部F2及び背側部B2とを有するものである。各部の寸法は適宜定めることができ、例えば、物品全長(前後方向長さ)Lは350~700mm程度、全幅W1は130~400mm程度とすることができ、この場合における股間部C2の前後方向長さは10~150mm程度、腹側部F2の前後方向長さは50~350mm程度、及び背側部B2の前後方向長さは50~350mm程度とすることができる。また、股間部C2の幅W3は、大人用の場合、100mm以上、特に120~260mm程度とすることができる。
パッドタイプ使い捨ておむつのパッド200は、第1シート層20A及び第2シート層20Bと、第1シート層20A及び第2シート層20Bの間に介在された弾性シート30と、第2シート層20Bの裏側に設けられた吸収体23と、を備えた基本構造を有している。なお、本明細書では、第1シート層20A、第2シート層20Bおよび弾性シート30を含むシートを伸縮シート34という。
(吸収体)
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合又は固着等してなるものを用いることができる。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート26によって包装することができる。
吸収体13の形状は、股間部に前後両側よりも幅の狭い括れ部分を有するほぼ砂時計状に形成されている。括れ部分の寸法は適宜定めることができるが、括れ部分の前後方向長さはおむつ全長の20~50%程度とすることができ、その最も狭い部分の幅は吸収体13の全幅の40~60%程度とすることができる。
(外面シート)
吸収体23の裏側には、外面シート21が吸収体23の周縁より若干はみ出すように設けられている。外面シート21としては、ポリエチレンフィルム等の他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸又は二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。
(外装シート)
外面シート21の外面は、不織布からなる外装シート27により覆われており、この外装シート27は、所定のはみ出し幅をもって外面シート21の周縁より外側にはみ出している。外装シート27としては各種の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。外装シート27は省略することもできる。
(バックシート)
なお、吸収体23の裏側に位置するシートをバックシート10といい、このバックシート10は、外面シート21や外装シート27を含むものである。すなわち、外面シート21や外装シート27の上位概念をバックシート10という。なお、バックシート10には、包装シート26は含まれない。
(エンドフラップ部、サイドフラップ部、立体ギャザー)
パッドタイプ使い捨ておむつのパッド200の前後方向LDの両端部では、外装シート27及び第1シート層20Aが吸収体23の前後端よりも前後両側にそれぞれ延在されて貼り合わされ、吸収体23の存在しないエンドフラップ部EFが形成されている。パッドタイプ使い捨ておむつのパット200の両側部では、外装シート27が吸収体23の側縁よりも外側にそれぞれ延在され、この延在部から第1シート層20Aの側部までの部分の内面には、立体ギャザー24を形成するギャザーシート24sの幅方向WDの外側の部分24xが前後方向LDの全体にわたり貼り付けられ、吸収体23が存在しないサイドフラップ部SFを構成している。これら貼り合わせ部分は、ホットメルト接着剤、ヒートシール、超音波シールにより形成できる。外装シート27を設けない場合、外装シート27に代えて外面シート21をサイドフラップ部SFまで延在させ、サイドフラップ部SFの外面側を形成することができる。
ギャザーシート24sの素材としては、プラスチックシートやメルトブローン不織布を使用することもできるが、肌への感触性の点で、不織布にシリコーンなどにより撥水処理をしたものが好適に使用される。
ギャザーシート24sの幅方向中央側の部分24cはトップシート22上にまで延在しており、その幅方向中央側の端部には、細長状弾性部材24Gが前後方向に沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されている。この細長状弾性部材24Gとしては、糸状、紐状、帯状等に形成された、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコーン、ポリエステル等、通常使用される素材を用いることができる。
また、両ギャザーシート24sは、幅方向外側の部分24xが前後方向全体にわたり物品内面(図示形態では外装シート27の内面(肌側の面))に貼り合わされて固定されるとともに、幅方向中央側の部分24cが、前後方向の両端部では物品内面(図示形態では第1シート層20A内面(肌側の面))に貼り合わされて固定され、かつ前後方向の両端部間では物品内面(図示形態では第1シート層20Aの内面(肌側の面))に固定されていない。この非固定部分は、物品内面(図示形態では第1シート層20A内面(肌側の面))に対して弾力的に起立する漏れ防止壁となる部分であり、その起立基端24bはギャザーシート24sにおける幅方向外側の固定部分24xとその内側の部分24cとの境に位置する。
(第1シート層、第2シート層、弾性シート)
吸収体23の肌側には、第1シート層20A、第2シート層20B、およびそれらの層20A、20B間に介在させた弾性シート30を設けている。そして、図11等に示すように、第1シート層20A及び第2シート層20Bが、間隔を空けて配列された多数の接合部40で弾性シート30を貫通する接合孔31を通じて接合された弾性シート伸縮構造となっている。図示しないが、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部分は、間隔を空けて配列された多数の接合部40で弾性シート30を介して接合されていてもよい。そして、この弾性シート伸縮構造を有する領域は、弾性シート30の収縮により幅方向に収縮しているとともに幅方向に伸長可能である(つまり伸縮方向EDがおむつの幅方向WDとなる)伸縮領域を有している。
図示形態では、第1シート層20A、第2シート層20Bおよび弾性シート30が、パッド200の背側B2端部から腹側F2端部まで連続して配置されている。このように、第1シート層20A、第2シート層20Bおよび弾性シート30を連続して配置することでパッド200の製造が容易になる。例えば、第1シート層20A、第2シート層20Bおよび弾性シート30を股間部C2のみに配置する場合、位置合わせが困難で不良品が発生しやすいが、図示形態のように第1シート層20A、第2シート層20Bおよび弾性シート30を連続して配置させることで、そのような不具合が発生しづらくなる。
(伸縮領域と非伸縮領域)
図5に示した吸収性物品200は、腹側部F2に伸縮抑制領域61を設け、股間部C2と背側部B2に伸縮領域60を設けている。このような構成にすることで、前述したような第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。また、図6に示した吸収性物品200は、股間部C2に伸縮抑制領域61を設け、腹側部F2と背側部B2に伸縮領域60を設けている。このような構成にすることで、前述したような第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。図7に示した吸収性物品200は、腹側部F2と股間部C2に伸縮抑制領域61を設け、背側部B2に伸縮領域60を設けている。このような構成にすることで、前述したような第3の態様と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図5~図7の各実施形態では、背側部B2に設けられた伸縮シート34の全面を伸縮領域60としているが、必ずしもその背側部B2の伸縮シート34の全面を伸縮領域60にしなくても良い。
すなわち、背側部B2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっていない部分(例えば前後方向LDの背側端部)は伸縮抑制領域61としてもよい。そのほか、背側部B2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分であっても、その大部分が伸縮領域60となっていればよく、一部に伸縮抑制領域61があっても構わない。具体的には、背側部B2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分の全面積を100%とした場合、75%以上を伸縮領域60とすることが好ましく、90%以上を伸縮領域60とすることがさらに好ましい。
同様に、図6の実施形態では、腹側部F2に設けられた伸縮シート34の全面を伸縮領域60としているが、必ずしもその腹側部F2の伸縮シート34の全面を伸縮領域60にしなくても良い。
すなわち、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっていない部分(例えば前後方向LDの腹側端部)は伸縮抑制領域61としてもよい。そのほか、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分であっても、その大部分が伸縮領域60となっていればよく、一部に伸縮抑制領域61があっても構わない。具体的には、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分の全面積を100%とした場合、65%以上を伸縮領域60とすることが好ましく、80%以上を伸縮領域60とすることがさらに好ましい。
同様に、図5の実施形態では、股間部C2に設けられた伸縮シート34の全面を伸縮領域60としているが、必ずしもその股間部C2の伸縮シート34の全面を伸縮領域60にしなくても良い。
すなわち、股間部C2に配置された伸縮シート34のうちの大部分が伸縮領域60になっていればよく、一部に伸縮抑制領域61があっても構わない。具体的には、股間部C2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分の全面積を100%とした場合、70%以上を伸縮領域60とすることが好ましく、85%以上を伸縮領域60とすることがさらに好ましい。
以上のことは、伸縮抑制領域61についても同様である。すなわち、図5や図7の実施形態では、腹側部F2に設けられた伸縮シート34の全面を伸縮抑制領域61としているが、必ずしもその腹側部F2の伸縮シート34の全面を伸縮抑制領域61にしなくても良い。
すなわち、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち吸収体13と重なっていない部分(例えば前後方向LDの腹側端部)は伸縮領域60としてもよい。そのほか、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分であっても、その大部分が伸縮抑制領域61となっていればよく、一部に伸縮領域60があっても構わない。具体的には、腹側部F2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分の全面積を100%とした場合、65%以上を伸縮抑制領域61とすることが好ましく、80%以上を伸縮抑制領域61とすることがさらに好ましい。
同様に、図6や図7の実施形態では、股間部C2に設けられた伸縮シート34の全面を伸縮抑制領域61としているが、必ずしもその股間部C2の伸縮シート34の全面を伸縮抑制領域61にしなくても良い。
すなわち、股間部C2に配置された伸縮シート34のうちの大部分が伸縮抑制領域61になっていればよく、一部に伸縮領域60があっても構わない。具体的には、股間部C2に配置された伸縮シート34のうち、吸収体13と重なっている部分の全面積を100%とした場合、70%以上を伸縮抑制領域61とすることが好ましく、85%以上を伸縮抑制領域61とすることがさらに好ましい。
(伸縮領域の詳解)
各図示形態の伸縮領域60は、主として幅方向WDに伸縮可能になっている。すなわち、伸縮領域60では、弾性シート30の収縮力により幅方向WDに収縮しているとともに、幅方向WDに伸長可能となっている。より具体的には、弾性シート30を幅方向WDに伸長した状態で、幅方向WD及びこれと直交する前後方向LD(伸縮方向と直交する方向LD)にそれぞれ間隔を空けて、弾性シート30の接合孔31を介して第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合し、多数の第1接合部40を形成することにより、弾性シート伸縮構造を形成するとともに、伸縮領域60では弾性シート30が幅方向WDに途切れずに残り、かつこの弾性シート30の収縮力により第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して収縮襞25が形成されるように第1接合部40を配置することによって、このような伸縮性を付与することができる。
伸縮領域60では、図11に示す例のように弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有していてもよいし、図13に示す例及び図17に示す例のように当該部分32を有していなくてもよい。
伸縮領域60は、自然長状態では、図11及び図16(b)に示すように、第1接合部40間の第1シート層20A及び第2シート層20Bが互いに離間する方向に膨らんで、前後方向LDに延びる収縮襞25が形成され、幅方向WDにある程度伸長した装着状態でも、収縮襞25は伸ばされるものの、残るようになっている。また、図示形態のように、第1シート層20A及び第2シート層20Bは、少なくとも第1接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では弾性シート30と接合されていないと、装着状態を想定した図11(c)、及び、第1シート層20A及び第2シート層20Bの展開状態を想定した図11(a)からも分かるように、これらの状態では、弾性シート30における接合孔31の縁が、第1接合部40の外周縁から伸縮方向に離れて通気孔33(隙間)が開口し、弾性シート30の素材が無孔のフィルムやシートであっても、この通気孔33により通気性が付加される。特に、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有している場合には、自然長状態では、弾性シート30のさらなる収縮により接合孔31がすぼまり、接合孔31と第1接合部40との間に隙間がほとんど形成されない形態となり、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有していない場合には通気孔33が残る。
伸縮領域60の幅方向WDの最大伸びは190%以上(好ましくは200~220%)とすることが望ましい。伸縮領域60の最大伸びは、製造時の弾性シート30の伸長率によってほぼ決まるがこれを基本として、幅方向WDの収縮を阻害する要因により低下する。このような阻害要因の主なものは、幅方向WDにおいて単位長さ当たりに占める第1接合部40の長さLの割合であり、この割合が大きくなるほど最大伸びが低下する。通常の場合、第1接合部40の長さLは第1接合部40の面積率と相関があるため、伸縮領域60の最大伸びは第1接合部40の面積率により調整できる。
伸縮領域60の伸長応力は、図11に示す例のように、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32を有している場合には、主に弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分32(図11(a)参照)の直交方向寸法32wの総和(接合孔の間隔31dに等しい)により調整することができる。一方、図13に示す例及び図17に示す例のように、弾性シート30が幅方向WDに沿って直線的に連続する部分を有していない場合には、伸縮領域60の伸長応力は、第1接合部を有しない部分が連続する無接合帯51,52の連続方向と伸縮方向EDとがなす交差角度により調整でき、通常の場合、展開状態で無接合帯51,52の連続方向と伸縮方向EDとがなす鋭角側交差角θ1,θ2がそれぞれ0度より大きく45度以下、特に10~30度の範囲とすることが好ましい。
伸縮領域60におけるシート接合部40の面積率及び個々のシート接合部40の面積は 適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
シート接合部40の面積:0.14~3.5mm2(特に0.14~1.0mm2
シート接合部40の面積率:1.8~19.1%(特に1.8~10.6%)
このように、伸縮領域60の最大伸び及び伸長応力はシート接合部40の面積や面積率によって調整することができる。そのため、伸縮領域60内にシート接合部40の面積や面積率が異なる複数の領域を設け、部位に応じてフィット性や尿の透過性を変えることもできる。
例えば図8に示したように、背側部B2に設けた伸縮領域60において、背側部B2の幅方向中央部分60Aの接合部40の大きさを背側部B2の幅方向外側部分60Bの接合部40の大きさよりも大きくすることができる。このような構成にすることで、前述の第6の態様のような作用効果を得ることができる。
具体的には、背側部B2に設けた伸縮領域60において、背側部B2の幅方向中央部分60Aの接合部40の面積率及び個々の接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
背側部B2に設けた伸縮領域60の幅方向中央部分60Aの接合部40の面積:1.5~3.5mm2(より好ましくは0.5~1.0mm2、さらに好ましくは0.65~1.0mm2
背側部B2に設けた伸縮領域60の幅方向中央部分60Aの接合部40の面積率:10~19.1%(より好ましくは5~19.1%、さらに好ましくは8.5~19.1%)
また、背側部B2に設けた伸縮領域60において、背側部B2の幅方向外側部分60Bの接合部40の面積率及び個々の接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
背側部B2に設けた伸縮領域60の幅方向外側部分60Bの接合部40の面積:0.14~2mm2(より好ましくは0.14~0.6mm2、さらに好ましくは0.14~0.45mm2
背側部B2に設けた伸縮領域60の幅方向外側部分60Bの接合部40の面積率:1.8~12%(より好ましくは1.8~8%、さらに好ましくは1.8~4.5%))
なお、背側部B2に設けた伸縮領域60において、背側部B2の幅方向中央側部分60Aに設けられた複数の接合部40の面積の平均値を、背側部B2の幅方向外側部分60Bに設けられた複数の接合部40の面積の平均値の2.5倍以上にすることが好ましく、2倍以上にすることがより好ましい。
個々の接合部40及び接合孔31の自然長状態での形状は、適宜定めることができるが、真円形、楕円形、三角形、長方形(図11、図13、図17参照)、ひし形(図12(b)参照)等の多角形、あるいは凸レンズ形(図12(a)参照)、凹レンズ形(図12(c)参照)、星形、雲形等、任意の形状とすることができる。個々の第1接合部40の寸法は特に限定されないが、最大長さ40y(接合孔31の直交方向の寸法31yにほぼ等しい)は0.5~3.0mm、特に0.7~1.1mmとするのが好ましく、最大幅40xは0.1~3.0mm、特に伸縮方向と直交する方向XDに長い形状の場合には0.1~1.1mmとするのが好ましい。
伸縮領域60の接合部40の配列パターンは、特に限定されず、あらゆるパターン(例えば特許文献1~8参照)を採用することができるが、特に、図11に示す例、図13に示す例及び図17に示す例のように、接合部40を有しない部分が連続する無接合帯が斜め格子状に存在するものであると好ましい。図示例は、中でも特に好ましい例を示しており、伸縮領域60には、展開状態で、接合部40を有しない部分が連続する無接合帯51,52として、伸縮方向EDに対して鋭角(鋭角側交差角θ1)に交わる第1方向51dに沿って直線的に連続する第1無接合帯51が、第1方向51dと直交する方向に間隔を空けて繰り返し存在する。また、伸縮領域60における隣り合う第1無接合帯51の間には、接合部40及び接合孔31が間隔を空けて多数設けられる。そして特徴的には、第1方向51dと直交する方向の幅として定まる第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む単位構造が、伸縮領域60における第1方向51dと直交する方向に繰り返し存在する。
このように、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む単位構造が、伸縮領域60における第1方向51dと直交する方向に繰り返し存在すると、第1無接合帯51の内部の弾性シート30の連続部にも、同様の大小関係の幅変化が形成される。つまり、第1無接合帯51の幅51wが狭ければ、内部の弾性シート30の連続部の幅も狭くなり、第1無接合帯51の幅51wが広ければ、内部の弾性シート30の連続部の幅も広くなる。そして、第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部に、第1幅51wの変化があると、幅の広い第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部及び幅の狭い第1無接合帯51内の弾性シート30の連続部の双方が視覚的に強調される結果、伸縮領域60が自然長状態(図15及び図19参照)であっても、ある程度伸長した装着状態であっても、斜め縞模様の美しい外観を呈することとなる。すなわち、ある程度収縮した状態では、第1無接合帯51における収縮襞25の大きさが、第1無接合帯51の第1幅51wに応じて変化するため、この収縮襞25の影響により斜め縞模様がよりはっきりと現出するようになる。
上述の単位構造は、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む限り、その幅51wの大小の程度により限定されるものではないが、第1無接合帯51における第1幅51wは、最も近い幅51wの第1無接合帯51に対して、大きい場合には1.2~60倍、小さい場合には0.01~0.8倍であることが好ましい。
また、上述の単位構造は、第1幅51wが異なる複数本の第1無接合帯51を含む限り、すべての第1無接合帯51における第1幅51wが異なっていてもよいし、図示するように一部の複数本の第1無接合帯51における第1幅51wと、他の単数又は複数本の第1無接合帯51の第1幅51wとが異なっていてもよい。
伸縮領域60に、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による第1方向51dに沿う斜め縞模様が現出するとしても、同一の伸縮領域60に他の斜め方向に沿う斜め縞模様がより強く視認されると、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が目立たなくなるおそれがある。これに対して、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値が、傾斜方向が異なる及び共通するすべての無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の幅の最大値となっていると、伸縮領域60内では第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになるため好ましい。この場合における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値は適宜定めることができるが、最も近い幅51wの第1無接合帯51に対して1.2~60倍であることが好ましい。なお、第1無接合帯51を含むすべての無接合帯51,52は、連続方向と直交する方向の幅が限定されるものではないが、通常の場合0.02~5mmの範囲内であることが好ましい。いうまでもないが、無接合帯51,52の連続方向と直交する方向の幅は、第1無接合帯51にあっては第1幅51wのことであり、直線的に連続する部分であるため等幅である。
隣り合う第1無接合帯51における第1方向51dと直交する方向の間隔として定まる第1間隔51sは適宜定めることができる。よって、この第1間隔51sは、隣り合う第1無接合帯51における第1幅51wと同じにしても、より広くしても、より狭くしてもよい。一つの好ましい例としては、単位構造における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値が第1間隔51sの最大値よりも小さい形態を挙げることができる。このように、単位構造に広い間隔部分を形成することにより、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになる。この場合における、第1無接合帯51における第1幅51wの最大値は適宜定めることができるが、第1間隔51sの最大値の0.01~9倍であると好ましい。なお、第1無接合帯51を含むすべての無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の間隔は特に限定されるものではないが、通常の場合0.3~50mmの範囲内であることが好ましい。いうまでもないが、無接合帯51,52における連続方向と直交する方向の間隔は、第1無接合帯51にあっては第1間隔51sのことであり、連続方向に等しくなるものである。
伸縮領域60には、無接合帯51,52として、第1方向51d以外の、伸縮方向EDに対して鋭角(鋭角側交差角θ2)に交わる第2方向52dに沿って直線的に連続する第2無接合帯52が、第2方向52dと直交する方向に間隔を空けて繰り返し存在してもよいし、第2無接合帯52が存在しなくてもよい。第2無接合帯52を有する一つの好ましい形態は、伸縮領域60には、無接合帯51,52が斜め格子状に形成されており、第1無接合帯51は、斜め格子状の無接合帯51,52における一方の方向に連続する部分であり、第2無接合帯52は、斜め格子状の無接合帯51,52における他方の方向に連続する部分であるとものである。この場合、第1方向51d及び第2方向52dは、伸縮方向EDに対する傾きの正負が互いに逆となる。なお、図13に示す例及び図17に示す例のように、幅方向WD(伸縮方向ED)に連続する無接合帯51,52を有しない形態であっても、伸縮領域60の展開状態で、第1方向51d及び第2方向52dの伸縮方向EDに対する鋭角側交差角θ1,θ2がそれぞれ5~45度、特に10~30であることにより、伸縮領域60における伸縮性を十分に確保することができる。
図17に示す例のように第2無接合帯52を有する場合、第2無接合帯52における第2方向と直交する方向の幅として定まる第2幅52wがすべて同一であるか、又は、第2無接合帯52を有しないように第1接合部40を配置すると好ましい。これにより、伸縮領域60内では第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部による斜め縞模様が、より強く視認されるようになる。
他方、隣り合う第1無接合帯51の間には、第1接合部40を第1方向51dに整列させることとなるが、この場合例えば図18に示すように、第1接合部40はすべて、伸縮方向EDと直交する方向に対する長手方向の鋭角側交差角θ3が10度以内、かつ伸縮方向EDの最大寸法40eが0.1~0.4mmの細長状をなしていると、第1無接合帯51の伸縮方向EDの寸法をより大きく確保することができ、伸縮性の低下を抑制することができるため好ましい。
また、図13に示す例のように、単位構造に、第1幅51wが最大となる広幅第1無接合帯51、及びこれよりも第1幅51wが狭い狭幅第1無接合帯51を、それぞれ第1方向51dと直交する方向に隣接して複数本含む場合、隣り合う広幅第1無接合帯51の間には、第2方向52dに対する長手方向の鋭角側交差角が5度以内、かつその長手方向と直交する方向の最大寸法40fが0.1~0.4mmの細長状をなす第1接合部40が、第1方向51dに間隔を空けて整列されていると好ましい。また、隣り合う狭幅第1無接合帯51の間には、第1方向51dに対する長手方向の鋭角側交差角θ3が45度以上、かつその長手方向と直交する方向の最大寸法40gが0.1~0.4mmの細長状をなす第1接合部40が、第1方向51dに間隔を空けて整列されていると好ましい。このような第1接合部40の形状及び配置により、より少ない第1接合部40の面積で、第1無接合帯51の収縮襞25及びその内部の弾性シート30の連続部が特に視覚的に強調されるようになる。
隣り合う無接合帯51,52の間に位置する接合部40の列(無接合帯51,52の連続方向の列)は、一列であっても複数列であってもよい。また、列の方向における接合部40の間隔は規則的であることが好ましいが、すべての間隔が一定である必要はなく、一部の間隔が異なっていてもよい。
(伸縮抑制領域の詳解)
図5~図9に示すように、伸縮シート34の一部に伸縮抑制領域61を設けることができる。前述のように、伸縮抑制領域61の位置は適宜決めることができる。伸縮抑制領域61は、伸縮方向の最大伸びが120%以下を意味する。伸縮抑制領域61の最大伸びは110%以下であると好ましく、100%であるとより好ましい。
伸縮抑制領域61における個々の第1接合部40の形状は、特に限定されず、伸縮領域60の項で述べたものと同様の形状から適宜選択することができる。
伸縮抑制領域61は、弾性シート30の収縮力により第1シート層20A及び第2シート層20Bが収縮して襞が形成されないように接合部40を密に配置すること等によって形成することができる。伸縮抑制領域61の形成手法の具体例としては、例えば特許文献3~6記載のものを挙げることができる。図23及び図24は、特許文献6記載の伸縮抑制領域61の例を示している。この伸縮抑制領域61では、接合孔31がある程度以上密な配置で千鳥状に配列され、弾性シート30が伸縮方向EDに連続するものの、接合孔31の存在により伸縮方向EDに沿って直線的に連続する部分を有しないものである。この場合、図23及び図24に示すように、自然長の状態及び展開状態のいずれでもほぼ変わりない大きさで通気孔33(隙間)が開口する。
また、伸縮抑制領域61における接合部40の面積率及び個々の接合部40の面積は適宜定めることができる。通常の場合、次の範囲にすると、各接合部40の面積が小さくかつ接合部40の面積率が低いことにより、伸縮抑制領域61が硬くなることを防ぐことができるため、好ましい。
接合部40の面積:0.10~0.75mm2(特に0.10~0.35mm2
接合部40の面積率:4~13%(特に5~10%)
以上のように、伸縮抑制領域61の最大伸び及び伸長応力は、シート接合部40の面積や面積率によって調整することができる。そのため、伸縮領域60内にシート接合部40の面積や面積率が異なる複数の領域を設け、部位に応じてフィット性や尿の透過性を変えることもできる。
例えば図8に示したように、腹側部F2および股間部C2の幅方向中央部分61Aの接合部40の大きさを腹側部F2および股間部C2の幅方向外側部分61Bの接合部40の大きさよりも小さくすることができる。このような構成にすることで、前述の第4の態様や第5の態様のような作用効果を得ることができる。
図8の実施形態では、腹側部F2と股間部C2の両方に伸縮抑制領域61を設けているが、図5の実施形態のように、腹側部F2にのみ伸縮抑制領域61を設けた場合は、腹側部F2の幅方向中央部分61Aの接合部40の大きさを腹側部F2の幅方向外側部分61Bの接合部40の大きさよりも小さくするようにしてもよい。このような構成にすることで、前述の第4の態様のような作用効果を得ることができる。
さらに、図6の実施形態のように、股間部C2にのみ伸縮抑制領域61を設けた場合は、股間部C2の幅方向中央部分61Aの接合部40の大きさを股間部C2の幅方向外側部分61Bの接合部40の大きさよりも小さくするようにしてもよい。このような構成にすることで、前述の第5の態様のような作用効果を得ることができる。
以上のように、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61において、腹側部F2および/または股間部C2の幅方向中央部分61Aの接合部40の面積率及び個々の接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向中央部分61Aの接合部40の面積:0.1~0.45mm2(より好ましくは0.1~0.25mm2、さらに好ましくは0.1~0.15mm2
腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向中央部分61Aの接合部40の面積率:4~9%(より好ましくは5~8%、さらに好ましくは5~6.5%)
また、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61において、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向外側部分61Bの接合部40の面積率及び個々の接合部40の面積は適宜定めることができるが、通常の場合、次の範囲内とするのが好ましい。
腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向外側部分61Bの接合部40の面積:0.4~0.75mm2(より好ましくは0.2~0.35mm2、さらに好ましくは0.3~0.35mm2
腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向外側部分61Bの接合部40の面積率:8~13%(より好ましくは7~10%、さらに好ましくは8.5~10%)
なお、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61において、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向外側部分61Bに設けられた複数の接合部40の面積の平均値を、腹側部F2および/または股間部C2に設けた伸縮抑制領域61の幅方向中央部分61Aに設けられた設けた複数の接合部40の面積の平均値の2倍以上にすることが好ましく、1.5倍以上にすることがより好ましい。
(スリット)
図9に示したように、吸収体13が、背側部B2から股間部C2を通って腹側部F2に至る領域に設けられた場合において、吸収体13の股間部C2の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリット62を設けてもよい。このスリット62を設けることで、股間部C2に排出された尿を速やかに吸収体13の前後方向LDに拡散させることができる。
また、図9に示したように、股間部C2において、弾性シート30のスリット62と重なる部分に弾性シート30の伸縮を抑えた伸縮抑制領域61を設け、弾性シート30のスリット62と重ならない部分に伸縮領域60を設けてもよい。吸収体30に設けられたスリット62の部分は、吸収体30が高圧力で押し潰されている(または、はじめから吸収体30を配置しない場合もある)ため、吸収機能がほとんどなく(または、全くなく)、ほとんど尿が保持されない。そのため、スリット62を設けた部分から逆戻りする尿量は少ない。そこで、弾性シート30のスリット62と重なる部分に伸縮抑制領域61を設け、逆戻りを防止するよりも、尿を迅速に吸収体13に到達させることを優先させることが好ましい。他方、スリット62内に入り込んだ尿は、幅方向WDおよび前後方向LDに広がり、スリット62の周囲にある吸収体13に吸収される。したがって、吸収体13のうち、スリット62が存在しない部分では保持している尿の量が多いため、当該部分に伸縮領域60を設けて尿の逆戻りを防止することが好ましい。
なお、吸収性物品の製造は高速で行われるため、スリット62と伸縮抑制領域61の各位置を完全に一致させることは難しい。そこで、図9に示したように、スリット62よりも少し大きい伸縮抑制領域61を設けたり、反対に、スリット62よりも少し小さい伸縮抑制領域61を設けたりしてもよい。具体的には、前述の作用効果を得るために、スリット62の面積を100%としたときに、伸縮抑制領域61の面積を80~120%程度とすることが好ましく、90~110%程度とすることがより好ましい。このとき、スリット62の面積を100%としたときに、スリット62と伸縮抑制領域61が重複する面積を80~100%とすることが好ましく、90~100%とすることがより好ましい。
図9に示す実施形態は、排尿口が股間部C2にある女性向けとして好適である。図示しないが、男性向けの吸収性物品の場合は、排尿口が腹側部F2にあるため、腹側部F2にスリット62を形成することが好ましい。また、男女兼用の吸収性物品の場合は、腹側部F2と股間部C2の両方にスリット62を形成することが好ましい。これらの場合も、スリット62と重なる部分を伸縮抑制領域61とすることが好ましく、スリット62と重ならない部分を伸縮領域60とすることが好ましい。
(弾性シートの幅方向への延長)
図10に示す実施形態のように、股間部C2において、弾性シート30を吸収性物品200の幅方向WD端部まで延在させるようにしてもよい。このような構成にすることで、前述した前記第10の態様と同様の作用効果を得ることができる。
(シート接合部の接合構造)
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合は、弾性シート30に形成された接合孔31を通じて接合される場合、少なくともシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20B間以外では、第1シート層20A及び第2シート層20Bは弾性シート30と接合されていないことが望ましい。
シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合手段は特に限定されない。例えば、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの接合はホットメルト接着剤によりなされていても、ヒートシールや超音波シール等の素材溶着による接合手段によりなされていても良い。
シート接合部40において第1シート層20A及び第2シート層20Bが弾性シート30の接合孔31を通じて接合される場合、シート接合部40が素材溶着により形成される形態は、シート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の大部分又は一部の溶融固化物20mのみにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される第1溶着形態(図20(a)参照)、シート接合部40における弾性シート30の全部若しくは大部分又は一部の溶融固化物30mのみにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される第2溶着形態(図20(b)参照)、及びこれらの両者が組み合わさった第3溶着形態(図20(c)参照)のいずれでも良いが、第2、第3溶着形態が好ましい。
特に好ましいのは、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部の溶融固化物20mと、シート接合部40における弾性シート30の全部若しくは大部分の溶融固化物30mとにより第1シート層20A及び第2シート層20Bが接合される形態である。なお、図22(b)に示される第3溶着形態では、黒色に写っている第1シート層20A又は第2シート層20Bの繊維の溶融固化物20m間に、白色に写っている弾性シート30の溶融固化物30mが見られるのに対して、図22(a)に示される第1溶着形態では、第1シート層20A又は第2シート層20Bの繊維の溶融固化物20m間に弾性シート30の溶融固化物は見られない。
第1接着形態や第3接着形態のように、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の大部分又は一部の溶融固化物20mを接着剤として第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する場合、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部は溶融しない方がシート接合部40が硬質化しないため好ましい。
なお、第1シート層20A及び第2シート層20Bが不織布であるときには、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部が溶融しないことには、シート接合部40の全繊維について芯(複合繊維における芯だけでなく単成分繊維の中心部分を含む)は残るがその周囲部分(複合繊維における鞘だけでなく単成分繊維の表層側の部分を含む)は溶融する形態や、一部の繊維は全く溶融しないが、残りの繊維は全部が溶融する又は芯は残るがその周囲部分は溶融する形態を含む。
第2溶着形態及び第3溶着形態のように、弾性シート30の溶融固化物30mを接着剤として第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合すると、剥離強度が高いものとなる。第2溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性シート30の融点及びシート接合部40形成時の加熱温度よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性シート30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、弾性シート30のみを溶融することにより製造することができる。
一方、第3溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方の融点が弾性シート30の融点よりも高い条件下で、第1シート層20A及び第2シート層20B間に弾性シート30を挟み、シート接合部40となる部位を加圧・加熱し、第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性シート30とを溶融することにより製造することができる。
このような観点から、弾性シート30の融点は80~145℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点は85~190℃程度、特に150~190℃程度のものが好ましく、第1シート層20A及び第2シート層20Bの融点と弾性シート30の融点との差は60~90℃程度であるのが好ましい。また、加熱温度は100~150℃程度とするのが好ましい。
第2溶着形態及び第3溶着形態では、第1シート層20A及び第2シート層20Bが不織布であるときには、弾性シート30の溶融固化物30mは、図21(c)に示すようにシート接合部40における第1シート層20A及び第2シート層20Bの厚み方向全体にわたり繊維間に浸透していても良いが、図21(a)に示すように厚み方向中間まで繊維間に浸透する形態、又は図21(b)に示すように第1シート層20A及び第2シート層20Bの繊維間にほとんど浸透しない形態の方が、シート接合部40の柔軟性が高いものとなる。
図25は、第2溶着形態及び第3溶着形態を形成するのに好適な超音波シール装置の例を示している。この超音波シール装置では、シート接合部40の形成に際して、外面にシート接合部40のパターンで形成した突起部60aを有するアンビルロール60と超音波ホーン61との間に、第1シート層20A、弾性シート30及び第2シート層20Bを送り込む。この際、例えば上流側の弾性シート30の送り込み駆動ロール63及びニップロール62による送り込み移送速度を、アンビルロール60及び超音波ホーン61以降の移送速度よりも遅くすることにより、送り込み駆動ロール63及びニップロール62によるニップ位置からアンビルロール60及び超音波ホーン61によるシール位置までの経路で、弾性シート30をMD方向(マシン方向、流れ方向)に所定の伸長率まで伸長する。この弾性シート30の伸長率は、アンビルロール60及び送り込み駆動ロール63の速度差を選択することにより設定することができ、例えば300%~500%程度とすることができる。62はニップロールである。
アンビルロール60と超音波ホーン61との間に送り込まれた、第1シート層20A、弾性シート30及び第2シート層20Bは、この順に積層した状態で、突起部60aと超音波ホーン61との間で加圧しつつ、超音波ホーン61の超音波振動エネルギーにより加熱し、弾性シート30のみを溶融するか、又は第1シート層20A及び第2シート層20Bの少なくとも一方と弾性シート30とを溶融することによって、弾性シート30に接合孔31を形成するのと同時に、その接合孔31を通じて第1シート層20A及び第2シート層20Bを接合する。したがって、この場合にはアンビルロール60の突起部60aの大きさ、形状、離間間隔、ロール長方向及びロール周方向の配置パターンなどを選定することにより、シート接合部40の面積率を選択することができる。
接合孔31が形成される理由は必ずしも明確ではないが、弾性シート30におけるアンビルロール60の突起部60aと対応する部分が溶融して周囲から離脱することにより開孔するものと考えられる。この際、弾性シート30における、伸縮方向EDに並ぶ隣接する接合孔31の間の部分は、図11(a)、図14及び図15に示すように、接合孔31により伸縮方向両側の部分から切断され、収縮方向両側の支えを失うことになるため、収縮方向と直交する方向の連続性を保ちうる範囲で、伸縮方向EDと直交する方向LDの中央側ほど伸縮方向中央側に釣り合うまで収縮し、接合孔31が伸縮方向EDに拡大する。
第1シート層20A及び第2シート層20Bの構成材は、特に限定無く使用できるが、通気性を有することが好ましい。よって、これらの観点及び柔軟性の観点から不織布を用いることが好ましい。不織布を用いる場合、その目付けは10~25g/m2程度とするのが好ましい。また、第1シート層20A及び第2シート層20Bの一部又は全部は、一枚の資材を折り返して対向させた一対の層であっても良い。例えば、図示形態のように、ウエスト端部23では、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとし、かつそのウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cを第1シート層20Aとして、その間に弾性シート30を介在させるとともに、それ以外の部分では内側に位置する構成材を第1シート層20Aとし、外側に位置する構成材を第2シート層20Bとして、その間に弾性シート30を介在させることができる。もちろん、前後方向LDの全体にわたり第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材を個別に設け、構成材を折り返しすることなく、第1シート層20Aの構成材及び第2シート層20Bの構成材間に弾性シート30を介在させることもできる。
弾性シート30は特に限定されるものではなく、それ自体弾性を有する熱可塑性樹脂製のシートであれば、弾性(エラスティック)フィルムの他、伸縮不織布であってもよい。また、弾性シート30としては、無孔のものの他、通気のために多数の孔やスリットが形成されたものも用いることができる。特に、幅方向WD(伸縮方向ED、MD方向)における引張強度が8~25N/35mm、前後方向LD(伸縮方向と直交する方向XD、CD方向)における引張強度が5~20N/35mm、幅方向WDにおける引張伸度が450~1050%、及び前後方向LDにおける引張伸度が450~1400%の弾性シート30であると好ましい。弾性シート30の厚みは特に限定されないが、20~40μm程度であるのが好ましい。
(トップシート)
図示しないが、第1シート層20Aの表側(肌側)を、液透過性を有するトップシートによって覆っても良い。この場合、トップシートの側縁から吸収体23が一部はみ出しても良いし、吸収体23の側縁がはみ出さないようにトップシートの幅を広げることもできる。トップシートとしては各種の不織布を用いることができる。不織布の構成繊維は、短繊維であっても、長繊維(連続繊維)であってもよく、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維(単成分繊維でも、複数の成分からなる芯鞘構造等の複合繊維でもよい)の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いることができる。また、不織布の繊維の結合方法は特に限定されず、接着剤や溶剤などの化学的手段によるほか、又は機械的交絡、熱的接着などの物理的手段を用いることができる。トップシートとして好ましい不織布の一つは、熱可塑性合成繊維を熱風接着してなるエアスルー不織布が好適である。トップシートは省略することもできる。
(中間シート)
また、図示しないが、第2シート層20Bと吸収体23との間に、中間シートを介在させてもよい。この中間シートは、吸収体23により吸収した尿の逆戻りを防止するために設けるものであり、保水性が低く、かつ液透過性の高い素材、例えば各種の不織布やメッシュフィルム等を用いるのが望ましい。パッド200の前端を0%としパッド200の後端を100%としたとき、中間シートの前端は0~11%の範囲に位置しているのが好ましく、中間シートの後端は92~100%の範囲に位置しているのが好ましい。また、中間シートの幅は吸収体23のくびれ部分23nの最小幅W5の50~100%程度であるのが好ましい。この中間シートも省略することもできる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前身頃」「後身頃」は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を境としてそれぞれ前側及び後側の部分を意味する。また、股間部は、パンツタイプ使い捨ておむつの前後方向中央を含む前後方向範囲を意味し、吸収体が括れ部を有する場合には当該括れ部を有する部分の前後方向範囲を意味する。
・「前後方向」とは図中に符号LDで示す方向(縦方向)を意味し、「幅方向」とは図中にWDで示す方向(左右方向)を意味し、前後方向と幅方向とは直交するものである。
・「MD方向」及び「CD方向」とは、製造設備における流れ方向(MD方向)及びこれと直交する横方向(CD方向)を意味し、製品の部分によっていずれか一方が前後方向となるものであり、他方が幅方向となるものである。不織布のMD方向は、不織布の繊維配向の方向である。繊維配向とは、不織布の繊維が沿う方向であり、例えば、TAPPI標準法T481の零距離引張強さによる繊維配向性試験法に準じた測定方法や、前後方向及び幅方向の引張強度比から繊維配向方向を決定する簡易的測定方法により判別することができる。
・「表側」とは着用した際に着用者の肌に近い方を意味し、「裏側」とは着用した際に着用者の肌から遠い方を意味する。
・「表面」とは部材の、着用した際に着用者の肌に近い方の面を意味し、「裏面」とは着用した際に着用者の肌から遠い方の面を意味する。
・「最大伸び」とは、伸縮方向EDの伸びの最大値(換言すれば第1シート層及び第2シート層が収縮や弛み無く平坦に展開した展開状態の伸び)を意味し、展開状態の長さを自然長を100%としたときの百分率で表すものである。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば伸縮領域80、非伸縮領域70)における対象部分(例えばシート接合部40、接合孔31の開口、通気孔)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものであり、特に伸縮構造を有する領域における「面積率」とは、展開状態の面積率を意味するものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。例えば、伸長率が200%とは、伸長倍率が2倍であることと同義である。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、100倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J-B(測定範囲0~35mm)又は型式K-4(測定範囲0~50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES-G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「引張強度」及び「引張伸度(破断伸び)」は、試験片を幅35mm×長さ80mmの長方形状とする以外は、JIS K7127:1999「プラスチック-引張特性の試験方法-」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとして測定される値を意味する。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS-G100Nを用いることができる。
・「伸長応力」とは、JIS K7127:1999「プラスチック-引張特性の試験方法-」に準じて、初期チャック間隔(標線間距離)を50mmとし、引張速度を300mm/minとする引張試験により、弾性領域内で伸長するときに測定される引張応力(N/35mm)を意味し、伸長の程度は試験対象により適宜決定することができる。試験片は幅35mm、長さ80mm以上の長方形状とすることが好ましいが、幅35mmの試験片を切り出すことができない場合には、切り出し可能な幅で試験片を作成し、測定値を幅35mmに換算した値とする。また、対象領域が小さく、十分な試験片を採取できない場合であっても、伸長応力の大小を比較するのであれば、適宜小さい試験片でも同寸法の試験片を用いる限り少なくとも比較は可能である。引張試験機としては、例えばSHIMADZU社製のAUTOGRAPH AGS-G100Nを用いることができる。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例のようなパッドタイプ使い捨ておむつの他、テープタイプ使い捨ておむつ、パンツタイプ使い捨ておむつ等、形態を問わず利用でき、また、生理用ナプキン、スイミングや水遊び用の使い捨て着用物品等、使い捨ておむつ以外の吸収性物品にも利用できるものである。
200…吸収性物品(吸収パッド)(パッドタイプ使い捨ておむつ)、10…バックシート、21…外面シート、23…吸収体、23n…吸収体のくびれ部分、24…立体ギャザー、24b…起立基端、24c…ギャザーシートの幅方向の中央側部分、24G…細長状弾性部材、24s…ギャザーシート、24x…ギャザーシートの幅方向の外側部分、26…包装シート、27…外装シート、30…弾性シート、31…接合孔、33… 通気孔、34…伸縮シート、40…シート接合部、51,52…無接合帯、51…第1無接合帯、51d…第 1方向、51s…第1間隔、51w…第1幅、52…第2無接合帯、52d…第2方向、60…伸縮領域、61…伸縮抑制領域、62…スリット、B2…背側部、C2…股間部、F2…腹側部、L…物品全長、LD…前後方向、TW…厚み方向、WD…幅方向、W1…物品全幅、W2…非くびれ部分の幅、W3…股間部の幅、W5…くびれ部分の最小幅、EF…エンドフラップ部、SF…サイドフラップ部

Claims (10)

  1. 股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
    第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
    前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
    前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
    前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記股間部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
    第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
    前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
    前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
    前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記腹側部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
  3. 股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、を有する吸収性物品であって、
    第1シート層及び第2シート層と、前記第1シート層及び前記第2シート層の間に介在された弾性シートと、
    前記第2シート層の裏側に設けられた吸収体と、を有し、
    前記第1シート層及び第2シート層は、間隔を空けて配列された多数の接合部で、前記弾性シートを貫通する接合孔を通じて接合されており、
    前記第1シート層、前記第2シート層及び前記弾性シートは、前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記腹側部および前記股間部に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記背側部に伸縮領域が設けられている、ことを特徴とする吸収性物品。
  4. 前記股間部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記股間部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも小さい、請求項1または3記載の吸収性物品。
  5. 前記腹側部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記股間部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも小さい、請求項2または3記載の吸収性物品。
  6. 前記背側部の幅方向中央部分の前記接合部の大きさが前記背側部の幅方向外側部分の前記接合部の大きさよりも大きい、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記吸収体は、
    前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記吸収体の前記股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
    前記股間部において、
    前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、請求項1記載の吸収性物品。
  8. 前記吸収体は、
    前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記吸収体の前記腹側部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
    前記腹側部において、
    前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、請求項2記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収体は、
    前記背側部から前記股間部を通って前記腹側部に至る領域に設けられ、
    前記吸収体の前記腹側部及び前記股間部の幅方向中央部分に、前後方向に延びるスリットが設けられており、
    前記腹側部及び前記股間部において、
    前記弾性シートの前記スリットと重なる部分に前記弾性シートの伸縮を抑えた伸縮抑制領域が設けられ、
    前記弾性シートの前記スリットと重ならない部分に伸縮領域が設けられている、請求項3記載の吸収性物品。
  10. 前記股間部において、
    前記弾性シートが前記吸収性物品の幅方向端部まで延在している、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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