JP2000014700A - パンツ型使いすておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収能力を低下させることなく、良好な着用
感と効果的な排泄物の漏れ防止機能を付与したパンツ型
使いすておむつを提供する。 【解決手段】 吸収性本体と、吸収性本体を着用者に押
し当てて保持する外装部材とからなるパンツ型に形成さ
れた使いすておむつであって、前後身頃のそれぞれに、
一方の側縁部から股下部を経て他方の側縁部に至る複数
本の伸縮弾性材料が配置されており、それらのうちの一
部は脚周り開口部に沿って配置され、また、それらは股
下部において１〜３０ｍｍの間隔でかつ不連続に配置さ
れていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、予めパンツ型に形
成されている使いすておむつに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、使いすておむつとしては、例えば
特開昭５７−７７３０４号公報に開示されているよう
な、フラットタイプのおむつのサイドフラップにおいて
着用時に左右の側腹部に当たる部分を予め接合固定させ
てウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部をを設けた
いわゆるパンツ型おむつが提案されている。このような
パンツ型使いすておむつにおいては、例えば、実開平３
−１６９２０号公報、特開平４−２８９２０１号公報、
特開平４−１６６１５０号公報及び特開平４−２８９２
０１号公報に記載されているように、両脚周りの開口
部、ウエスト周り開口部、さらに腰周り両側部に装着者
へのおむつの追随性、フィット性を高めるために伸縮弾
性が付与されている。このようなパンツ型使いすておむ
つは着用者による着脱が可能で幼児のおむつ離れの時期
用、又は失禁者等の成人用としても需要が増大してきて
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】特開平４−１６６１５
０号公報、特開平４−２８９２０１号公報に記載されて
いるようなパンツ型使いすておむつでは、腰周り全周、
又は腰周り側部に伸縮弾性部材を配置することによりお
むつを構成している。しかし、伸縮弾性部材は束になっ
て配置されているため、股下部で吸収体が伸縮弾性部材
によって押さえられる結果、股下吸収体上に防漏性立体
ギャザーが存在していたとしても、伸縮弾性部材の圧迫
する力によって立体ギャザーは押しつぶされて立ち上が
りにくく、ポケット構造が形成されにくい。

【０００４】本発明の目的は、パンツ型使いすておむつ
の股下部における立体ギャザーの立ち上がりを容易と
し、ポケット構造を形成しやすくすることにより吸収能
力を低下させることなく、極めて良好な着用感と排泄物
の漏れ防止機能を有するパンツ型使いすておむつを提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】（１）本発明は、液透過
性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、こ
れら両シートの間に配置された吸収体からなる吸収性本
体と、吸収性本体が接合され、着用者に吸収性本体を当
てて保持する外装部材とからなり、外装部材の前身頃と
後身頃の相対する両側縁部を接合してウエスト周り開口
部と一対の脚周り開口部を形成し、前記開口部に沿って
伸縮弾性部材が配置されたパンツ型使いすておむつにお
いて、前記外装部材の前身頃側には、一方の側縁部から
股下部を経て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料
からなり、そのうちの少なくとも一部が前記脚周り開口
部に沿って配置されている第１伸縮弾性部材が配置さ
れ、前記外装部材の後身頃側には、一方の側縁部から股
下部を経て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料か
らなり、そのうちの少なくとも一部分が前記脚周り開口
部に沿って配置されている第２伸縮弾性部材が配置さ
れ、、かつ、前記第１伸縮弾性部材及び第２伸縮弾性部
材を形成する複数本の伸縮弾性材料は、股下部において
１〜３０ｍｍの間隔で、かつ不連続に配置されているこ
とを特徴とするパンツ型使いすておむつに存する。

【０００６】（２）本発明は、前記吸収性本体両側縁部
に伸縮弾性部材の収縮によって立ち上がる立体ギャザー
を有することを特徴とする、前記（１）のパンツ型使い
すておむつに存する。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明のパンツ型使いすておむつ
は、排泄物を吸収するための吸収性本体と吸収性本体を
着用者に当てて保持する外装部材からなり、外装部材の
前身頃側と後身頃側には、一方の側縁部から股下部を経
て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料からそれぞ
れ形成されている第１伸縮弾性部材と第２伸縮弾性部材
が配置されており、両伸縮弾性部材は、それらを形成し
ている複数の伸縮弾性材料のうちの少なくとも一部が脚
周り開口部に沿って配置されている。また、股下部にお
いては、両伸縮弾性部材を形成している伸縮弾性材料は
１〜３０ｍｍの間隔で配置され、かつ、不連続（断続
的）に配置されている。このように股下部に複数の伸縮
弾性材料が一定間隔で配置されることによって、おむつ
がずり落ちることなく良好な着用感が得られる。また、
股下部において不連続に配置することによって、立体ギ
ャザーが起立しやすくなり、防漏効果を十分に発揮で
き、かつ吸収能力を低下させることがないようにするこ
とができる。

【０００８】本発明の使いすておむつの吸収性本体に使
用するトップシートとしては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエステル、その他の熱可塑性樹脂等を原料
とした合成繊維や天然繊維からなる液透過性の不織布や
織布が用いられるが、それらは、原料繊維として天然繊
維及び合成繊維を各単独で使用するか、もしくは合成繊
維と天然繊維とを組み合わせて使用して製造されている
不織布や織布であってもよい。いずれにしても、トップ
シートは、直接肌に接触する部分であるため、柔らか
く、肌触りがよく、液透過性であればよい。トップシー
トの中央領域は、吸収体上に配置されるため、速やかに
液を透過させることができるように、親水性繊維である
ことが好ましい。また、トップシートの縦方向両端領域
は、吸収体に吸収された液が外側にしみ出さないように
撥水性であることが好ましい。トップシートは、単一の
シートで構成される必要はなく、中央部トップシートや
側部トップシートといった複数枚のシートで構成されて
もよい。このように複数枚のシートでトップシートを構
成する場合、各シートは別の素材を使ってもよいが、同
一の素材であってもよい。

【０００９】本発明の使いすてにおむつの吸収性本体に
使用するバックシートとしては、ポリエチレン等の液不
透過性フィルム、液不透過性フィルムに不織布又は織布
を貼り合わせてあるシート、防漏性のある不織布、織布
等を使用することができるが、吸収体中の水分がおむつ
外側にしみ出さないものであればよく、特に制限はな
い。また、液不透過性フィルムに布状外観を与えるため
に模様状にエンボス処理したり、さらに艶消し仕上げし
たものであっても構わない。また、液不透過性フィルム
を使用する場合は、液体に対しては不透過性でありなが
ら、水蒸気だけを透過させる公知の透湿性フィルムを使
用することがムレを防止することから好ましい。また、
着用者にフィットするように伸縮性のある素材であって
もよく、ポリウレタン系フィルム、天然ゴムシート、発
泡シート等の素材や、さらにそれらに伸縮性不織布など
を貼りあわせた素材でもよい。

【００１０】本発明の使いすておむつの吸収性本体に使
用する吸収体は、綿状パルプ、高吸水性高分子物質、親
水性シート等によって形成されているものであり、吸水
性の性質をもっている限り、特に制限を受けるものでは
ない。使用できる吸収体は従来の使いすておむつその他
の吸収性物品に通常使用されている公知の吸収性材料か
ら作られているものである。すなわち、綿状パルプ、レ
ーヨン等の吸収性繊維からなる単層もしくは多層のマッ
トから形成され、さらに親水性シートによってくるまれ
ており、そして、高吸水性高分子物質が各マット中に均
一に混合もしくは各マット間に層状に配置されている。
また、高吸水性高分子物質を均一に混合した吸収体は、
綿状パルプに対して３〜６０重量％の熱融着性物質を混
合した後、熱圧着して形成されているものであってもよ
いし、もしくは高吸水性高分子物質のみが親水性シート
によりくるまれているものであってもよい。

【００１１】綿状パルプとしては、化学パルプシート、
古紙パルプシート、機械パルプシートを粉砕機で解繊す
ることにより得られる繊維長５ｍｍ以下のものである。
パルプ原料としては、針葉樹に限らず、広葉樹、わら、
竹及びケナフも適用される。このパルプの使用量は、目
的とする吸収体により、例えば、単独に用いるか、複数
積層して用いるか、他の吸収材を併用するかなどにより
異なるが、一般には、５０〜４００ｇ／ｍ² にされる。

【００１２】高吸水性高分子物質としては、デンプン
系、セルロース系、合成ポリマー系があげられる。すな
わち、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト重合体、デ
ンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−メタクリル酸メチルグラフト共重合体の
ケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合
体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重
合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリル−２−ア
クリルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸グラフト
共重合体のケン化物、アクリル酸（塩）重合体、アクリ
ル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカ
ルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコ
ール−無水マレイン酸反応物架橋物などである。

【００１３】高吸水性高分子物質は、自重の２０倍以上
の尿、体液及び水を吸収する種類のものであり、中でも
ポリアクリル酸ナトリウム系のものが吸収性能の点から
最も適当である。高吸水性高分子物質の分布量は、乾燥
した綿状パルプ１００重量部に対して１０〜５００重量
部、好ましくは１５〜３００重量部である。かかる量の
高吸水性高分子物質は、綿状パルプに実質的に均一に、
かつ、高吸水性高分子物質が吸水し膨潤したとき、それ
らの粒子の相互の干渉が最小にとどめられ、連続的に接
触して透過障壁を形成することが少なくなるように分布
されており、尿や体液は３次元方向に速やかに透過吸水
される。

【００１４】前記吸収体の形状に特に制限はなく、股下
にフィットする形状であれば砂時計型、矩型、Ｔ字型等
であってよい。一般的には、着用感を向上させるために
砂時計型やＴ字型等のように股下部を狭くした形状であ
ることが特に好ましい。

【００１５】本発明の使いすておむつに使用されている
伸縮弾性部材は、脚周り開口部、ウエスト周り開口部等
に伸長状態で配置され、ホットメルト接着剤により接着
固定されている。伸縮弾性部材は、ウレタンフィルム、
ウレタン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の伸縮弾性材
料が使用される。

【００１６】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の使いすておむ
つをより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらによ
って限定されるものではない。図１は、本発明のパンツ
型使いすておむつの斜視図を示す。図２は、図１で示し
た本発明のパンツ型使いすておむつのサイドシームを解
放展開して伸長した状態の斜視図を示す。図３は、図２
に示した本発明のパンツ型使いすておむつを長手方向に
垂直なＸ−Ｘ’線に沿って切断した状態の断面図を示
す。図４は、本発明のパンツ型使いすておむつの外装部
材に伸縮弾性部材を配置した状態の平面図を示す。図５
は、図４とは異なる例を示し、本発明のパンツ型使いす
ておむつの外装部材に伸縮弾性部材を配置した状態の平
面図を示す。

【００１７】符号１はウエスト周り開口部、２は脚周り
開口部、３は前身頃、４は後身頃、５はサイドシーム、
６は第１伸縮弾性部材、７は第２伸縮弾性部材、８はウ
エスト周り開口部伸縮弾性部材、９は腰回り伸縮弾性部
材、１０は吸収体、１１は液透過性トップシート、１２
は液不透過性バックシート、１３は吸収性本体、１４は
外装シート、１５は外層シート、１６は内層シート、１
７は、立体ギャザー伸縮弾性部材、１８は立体ギャザー
を示している。

【００１８】本発明の使いすておむつは、図１に示した
ようにウエスト周り開口部１、脚周り開口部を有し、ウ
エスト周り開口部１には伸縮弾性材料８が取り付けられ
ており、脚周り開口部２には、第１伸縮弾性部材６と第
２伸縮弾性部材７が配置されて、脚周り開口部に伸縮弾
性が付与されており、さらに前後身頃の腰周りにも腰周
り伸縮弾性部材９が配置されている。また、左右の脚周
り開口部２より伸びた前身頃３と後身頃４の両側縁はサ
イドシーム５により接着閉鎖されている。

【００１９】サイドシーム５は、吸収体１０が内側にな
るように股部を介して前身頃３と後身頃４を重ね合わ
せ、両側縁を外側に突き出した状態、又は両側縁を内側
に突きだした状態、又は一方の側縁を外側、他方の側縁
を内側に突き出した状態で両側縁の最外部に沿ってホッ
トメルト接着剤、加圧溶融、超音波溶融等を単独又はそ
れらを組み合わせて接着することによって閉鎖すること
ができる。

【００２０】図２は、図１で示した本発明のパンツ型使
いすておむつのサイドシーム５を解放展開した伸長状態
を示す斜視図で、左右の脚周り開口部２の近傍には、外
装部材１４の前身頃３に設けられた複数本の伸縮弾性材
料からなる第１伸縮弾性部材６と、後身頃４に設けられ
た複数本の伸縮弾性材料からなる第２伸縮弾性部材７に
より伸縮弾性が付与されている。また、ウエスト周り開
口部１の近傍には、ウエスト周り開口部伸縮弾性部材８
により伸縮弾性が付与されている。さらに、必要に応じ
て前身頃３及び後身頃４の腰周りに腰回り伸縮弾性部材
９を配置してもよい。ウエスト周りだけでなく、腰周り
にも伸縮部材を配置することによって、おむつのずり下
がり防止に多大な効果をもたらすので好ましい。

【００２１】図３は、図２に示す本発明のパンツ型使い
すておむつを長手方向に垂直なＸ−Ｘ’に沿って切断し
た状態を示す横断面図である。図３において、吸収体１
０は液透過性トップシート１１と、液不透過性バックシ
ート１２との間に配置されて、吸収性本体１３を形成し
ている。この吸収性本体１３には、吸収体１０の両側縁
から外方に延出している液透過性トップシートと液不透
過性バックシートの間に立体ギャザー伸縮弾性部材１７
を挟み込むことによって立体ギャザー１８を形成しても
よい。立体ギャザーの形成方法は、特にこれに限るもの
でなく、吸収体上からシートが起立して防漏壁を形成で
きるものであればよい。また、外装部材１４は、外層シ
ート１５とその内側表面に積層された内層シート１６か
ら形成されており、外層シート１５と内層シート１６の
間に第２伸縮弾性部材７が配置されている。

【００２２】本発明において、第１伸縮弾性部材６及び
第２伸縮弾性部材７は、単層シートからなる外装部材１
４の外側表面あるいは内側表面に配置することも可能で
あるが、図３に示すように外層シートと内層シートの間
に配置することにより、吸収性本体１３と外装部材１４
の接合状態にかかわらず良好な伸縮弾性を維持すること
ができ、おむつを着用した場合に良好なフィット性を付
与することができるため好ましい。

【００２３】図４は、本発明のパンツ型使いすておむつ
の外装部材に伸縮弾性部材を配置した状態を示す平面図
である。図４において、第１伸縮弾性部材６、第２伸縮
性部材７、ウエスト周り開口部伸縮弾性部材８及び胴回
り伸縮弾性部材９は、それぞれ複数本の糸状伸縮弾性材
料からなり、これらの伸縮弾性作用により吸収性本体１
３を着用者に絶えず密着させる働きを有している。

【００２４】第１伸縮弾性部材６は、前身頃３に位置
し、一方の側縁部から股下部を経て他方の側縁部に至っ
て伸張状態で配置されており、そのうちの少なくとも一
部分が一対の脚周り開口部２に沿って配置され、前身頃
３側の脚周り開口部２にギャザーを形成している。ま
た、第２伸縮弾性部材７は、後身頃４側に位置し、一方
の側縁部から股下部を経て他方の側縁部に至って伸張状
態で配置されており、そのうちの少なくとも一部分が一
対の脚周り開口部２に沿って配置され、後身頃４側の脚
周り開口部２にギャザーを形成している。このように第
１伸縮弾性部材６と第２伸縮弾性部材７が脚周り開口部
全周にわたって配置され、脚周り開口部全周にギャザー
が形成されることによって、脚周りのフィット性が良好
となり、着用者の脚周りとおむつの間からの漏れ防止に
効果的である。

【００２５】股下部においては、第１伸縮弾性部材６及
び第２伸縮弾性部材７を構成する複数本の伸縮弾性材料
が横方向に平行に間隔をおいて配置されている。また、
第１伸縮弾性部材６及び第２伸縮弾性部材７を構成する
それぞれ複数本の伸縮弾性材料は、それぞれが交差して
配置されていてもよいが、交差せずに配置されていても
よい。このように配置されていると、複数本束ねて配置
する場合やそれぞれ１本ずつのみ配置する場合と異な
り、股下部の吸収性本体１３を一部分で強く締め付けて
吸収能力を低下させるようなことがなく、広い領域で吸
収性物品を適度な収縮力で押さえ付けることが可能とな
る。すなわち、股下部にまで第１伸縮弾性部材６及び第
２伸縮弾性部材７を配置することによって、吸収能力を
低下させずに吸収性本体１３が膨らむのを押さえること
となり、フィット性が向上する他、体液を吸収した吸収
体の重みで脚周りギャザーが下方へ引っ張られても脚周
りとおむつに隙間が生じることがなく、漏れが発生する
ことがない。

【００２６】股下部における第１伸縮弾性部材６及び第
２伸縮弾性部材７のそれぞれを構成する複数の伸縮弾性
材料は１〜３０ｍｍに間隔で配置されている。間隔が１
ｍｍ未満であると、第１伸縮弾性部材６及び第２伸縮弾
性部材７を構成する伸縮弾性材料の配置が密になり、伸
縮力が極端に強くなるため、使いすておむつが縮み、著
しく装着感が低下する。逆に３０ｍｍを越えると、股下
部に配置できる伸縮弾性材料の本数が制限され、配置が
粗になるため、股下部の吸収性本体１３が膨らみ、下方
に垂れ下がるのを効果的に防止することができない。上
記伸縮弾性材料の間隔は全てが等間隔でも良いが、全て
異なる間隔でも良く、特に制限はない。

【００２７】第１伸縮弾性部材６と第２伸縮弾性部材７
に使用される伸縮弾性材料の本数は、材料自身の素材に
もよるが、それぞれに２本から１５本使用することが好
ましい。また、第１伸縮弾性部材６と第２伸縮弾性部材
７とで使用する伸縮弾性材料の本数が異なっていてもよ
い。

【００２８】また、本発明のおむつの股下部中央領域で
は、第１伸縮弾性部材６と第２伸縮弾性部材７が切断さ
れた状態となっており、不連続部が形成されている。こ
のような不連続部が存在することによって、吸収体の股
下中央部が伸縮弾性部材によって過度に圧迫されること
がない。すなわち、着用者と吸収体の股下中央部の間に
わずかであるが、空間が形成されやすくなるため、立体
ギャザー１８が起立しやすくなり、ポケット構造が形成
されやすく、漏れの防止に絶大な効果をあげることがで
きる。

【００２９】第１及び第２伸縮弾性部材の上記のような
不連続部は、おむつの股下中央部に位置していて、その
長さ（間隔）は１〜７ｃｍであることが好ましく、２〜
５ｃｍであることがさらに好ましい。不連続部の長さが
１ｃｍ未満であると股下中央部で立体ギャザーが押しつ
ぶされ、ポケット構造が形成されずに漏れが生じること
となる。逆に不連続部が７ｃｍを越えると股下中央部で
立体ギャザーによるポケット構造は形成されやすいもの
の、吸収体を押さえつける力が不足して、水分を吸収し
た吸収体が下方へ垂れ下がるため、装着性が著しく劣る
こととなる。いずれにしても、不連続部の存在と、伸縮
弾性材料を一定間隔以上で配置することが必要であり、
このような構成によって、装着性が良好で、かつ漏れ防
止に効果のあるおむつを構成することが可能となる。

【００３０】また、図４では、第１及び第２伸縮弾性部
材を構成する伸縮弾性材料の間隔が、前後身頃の側縁部
から股下部に向かうに従って徐々に広がるように配置さ
れているが、図５のように、第１伸縮弾性部材６及び第
２伸縮弾性部材７を構成する伸縮弾性材料の間隔が、前
身頃３及び後身頃４のそれぞれの側縁部から股下部に向
かうに従って一旦収縮し、再度股下部において徐々に広
がるように配置されていてもよい。側縁部から股下部に
わたって配置されている伸縮弾性材料によって、腰周り
を締め付ける力も働くために、おむつの下方へのずり落
ち防止やフィット性向上に効果を発揮する。また、特に
後身頃４においては臀部を包み込むように配置されるた
めにさらにずり落ちが少ないパンツ型使いすておむつが
得られる。

【００３１】

【発明の効果】本発明のパンツ型使いすておむつは、排
泄物を吸収するための吸収性本体と吸収性本体を着用者
に当てて保持する外装部材からなり、外装部材の前身頃
側と後身頃側には、それぞれ、一方の側縁部から股下部
を経て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料からな
る第１伸縮弾性部材と第２伸縮弾性部材が配置され、こ
のうちの少なくとも一部分が脚周り開口部に沿って配置
されている。また、股下部における第１伸縮弾性部材と
第２伸縮弾性部材が１〜３０ｍｍの間隔で配置され、か
つ、股下部において不連続に配置されている。このよう
に股下部で一定間隔で伸縮弾性部材が配置されているこ
とによって、吸収体がずり落ちることなく良好な着用感
を有する。また、股下部において不連続に配置されてい
ることによって、立体ギャザーが起立しやすくなり、防
漏効果を十分に発揮でき、吸収能力を低下させるのに効
果的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパンツ型使いすておむつの斜視図を示
す。

【図２】図１で示した本発明のパンツ型使いすておむつ
のサイドシームを解放展開し、伸長した状態の斜視図を
示す。

【図３】図２に示した本発明のパンツ型使いすておむつ
を長手方向に垂直なＸ−Ｘ´線に沿って切断した状態を
示す断面図を示す。

【図４】本発明のパンツ型使いすておむつの外装部材に
伸縮弾性部材を配置した状態の平面図を示す。

【図５】図４とは異なる本発明のパンツ型使いすておむ
つの外装部材に伸縮弾性部材を配置した状態の平面図を
示す。

【符号の説明】

１：ウエスト周り開口部、２：脚周り開口部、３：前身
頃、４：後身頃、５：サイドシーム、６：第１伸縮弾性
部材、７：第２伸縮弾性部材、８：ウエスト周り伸縮弾
性部材、９：腰回り伸縮弾性部材、１０：吸収体、１
１：液透過性トップシート、１２：液不透過性バックシ
ート、１３：吸収性本体、１４：外装部材、１５：外層
シート、１６：内層シート、１７：立体ギャザー伸縮弾
性部材、１８：立体ギャザー

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂野 賀津士 東京都江東区東雲１丁目10番６号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Ｆターム(参考） 3B029 BA04 BA05 BA12 BA17 BA18 BB02 BB07 BB08 BC06 BC07 BD10 BD12 BD13 BD14 4C098 AA09 CC12 CC29 CC39 CE05 DD10 DD13 DD22 DD25 DD26 DD27 DD30

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液透過性のトップシートと、液不透過性
   のバックシートと、これら両シートの間に配置された吸
   収体からなる吸収性本体と、吸収性本体が接合され、着
   用者に吸収性本体を当てて保持する外装部材とからな
   り、外装部材の前身頃と後身頃の相対する両側縁部を接
   合してウエスト周り開口部と一対の脚周り開口部を形成
   し、前記開口部に沿って伸縮弾性部材が配置されたパン
   ツ型使いすておむつにおいて、 前記外装部材の前身頃側には、一方の側縁部から股下部
   を経て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料からな
   り、そのうちの少なくとも一部が前記脚周り開口部に沿
   って配置されている第１伸縮弾性部材が配置され、 前記外装部材の後身頃側には、一方の側縁部から股下部
   を経て他方の側縁部に至る複数本の伸縮弾性材料からな
   り、そのうちの少なくとも一部が前記脚周り開口部に沿
   って配置されている第２伸縮弾性部材が配置され、 かつ、前記第１伸縮弾性部材及び第２伸縮弾性部材を形
   成している複数本の伸縮弾性材料は股下部において１〜
   ３０ｍｍの間隔で、かつ、不連続に配置されていること
   を特徴とするパンツ型使いすておむつ。