JP2004068792A - 内燃機関用燃料噴射・点火装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリを用いずに、発電機を電源としてインジェクタ、燃料ポンプ、点火回路及びこれらを制御する制御装置に電源電圧を与える場合に、電源部の構成を簡素化し、コストの低減を図る。
【解決手段】発電機10を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路11から電源ライン12を通してインジェクタINJと点火コイルIGと制御装置ECUと燃料ポンプFPとに電源電圧を与える。インジェクタ及び点火コイルのそれぞれの最低動作電圧のうちの高い方に相当する電圧より僅かに高く設定した電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】発電機10を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路11から電源ライン12を通してインジェクタINJと点火コイルIGと制御装置ECUと燃料ポンプFPとに電源電圧を与える。インジェクタ及び点火コイルのそれぞれの最低動作電圧のうちの高い方に相当する電圧より僅かに高く設定した電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関への燃料の供給と内燃機関の点火とを行う内燃機関用燃料噴射・点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スノーモビルや船外機、小型の2輪車等の乗り物においては、バッテリを搭載しないことが多い。最近では、バッテリを搭載しない乗り物を駆動する内燃機関においても、排気ガスの浄化や機関の始動性の向上などを図る目的で、燃料を供給する手段として電子制御式の燃料噴射装置(EFI)を用い、機関を点火する手段として、マイクロプロセッサを用いて点火時期を正確に制御する点火装置が用いられるようになってきている。
【0003】
バッテリを搭載しない乗り物を駆動する内燃機関の燃料噴射・点火装置においては、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路及びこれらを制御する制御装置に電源電圧を与える電源システムとして、機関により駆動される磁石発電機(マグネト)を電源として各部に電源を与えるようにしたシステム(MAG電源システムという。)を採用している。
【0004】
MAG電源システムを採用するような小形の乗り物を駆動する内燃機関では、一般に機関の始動をロープスタータやキックスタータ等の人力を利用する始動装置により行っている。
【0005】
ロープスタータやキックスタータ等の人力による始動装置を用いて機関を始動する際には、機関のクランク軸の回転速度を十分に高くすることができないため、機関により駆動される発電機は高い出力を発生することができない。そのため、この種の電源システムを用いる内燃機関では、発電機が発生する限られた電力で機関を始動させるために、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路、及び制御装置にそれぞれ電源電圧を与える電源系統を別々に設けて、各電源系統の出力特性の適正化を図ることにより、始動時の極低速回転でも、制御装置の電力が不足してインジェクタを駆動できなかったり、インジェクタの駆動が可能なのに燃料ポンプの駆動電力の不足により燃料圧力が不足して予定通りの噴射量の燃料が噴射されなかったりするといった不具合を極力なくして、機関の始動性を向上させるようにしている。
【0006】
上記のように、インジェクタや制御装置に別々の電源系統から電源を与えるようにした従来例としては、実用新案登録第2573118号に示されたものがある。実用新案登録第2573118号では、燃料ポンプの電源や点火回路の電源については特に触れられていないが、この考え方を実用化した市販の燃料噴射・点火装置では、燃料ポンプ及び点火回路にもそれぞれ別々の電源系統から電源電圧を与えるようにしている。
【0007】
現在実用化されている電源システムの構成例を図7に示した。図7において1は内燃機関のクランク軸に回転子が取り付けられた磁石発電機で、その固定子側には、燃料ポンプ駆動用発電コイル1a、インジェクタ駆動用発電コイル1b、点火回路駆動用発電コイル1c、制御装置駆動用発電コイル1d及びヘッドランプなどの車体電気負荷を駆動する車体電気負荷駆動用発電コイル1eが設けられている。これらの発電コイルは、それぞれが供給する負荷が必要とする電力量に応じて、電機子鉄心の1つの極(歯部)または複数の極に巻装されている。
【0008】
発電コイル1aないし1eの出力はそれぞれ、電圧調整機能付きの整流回路とその出力端子間に接続された電源コンデンサCdとを備えた電源回路2aないし2eにより直流電圧に変換されて、燃料ポンプFP、インジェクタINJ、点火コイルIGを含む点火回路、制御装置ECU及び車体電気負荷3に供給されている。制御装置ECUは、点火時期や燃料噴射量等を演算するマイクロプロセッサMPUを備えている外、燃料ポンプFPへの通電を制御するスイッチQf、インジェクタINJへの通電を制御するスイッチQj、点火コイルの一次コイルへの通電を制御するスイッチQi等を備えている。図示の例では、点火コイルIGとスイッチQiとにより点火回路が構成されている。
【0009】
なお図7に示した例では、電源回路2aないし2eが制御装置ECUと別体に構成されているが、電源回路2aないし2eと制御装置とが1つのユニットを構成するようにまとめられる場合もある。
【0010】
図7に示したように構成すると、各電源回路の出力特性の適正化を図っておくことにより、機関の極低速時から制御装置を動作させて、燃料噴射と点火動作とを行わせることができるため、機関の始動性を向上させることができる。
【0011】
しかし、図7に示した構成では、1つの発電機内に特性が異なる多数の発電コイルを設けて、各発電コイル毎に電源回路を構成する必要があるため、以下に示すような問題点があった。
【0012】
a.各発電コイル毎に銅線を交換して巻線しなければならないため、発電機の巻線作業が面倒で、発電機の製造コストが高くなる。
【0013】
b.多数の発電コイルのそれぞれの端末処理を行う必要があるため、端末処理に要する工数が多くなり、発電機の製造コストが高くなる。
【0014】
c.発電機から引き出すハーネスの本数が多いため、ハーネスの引き回しが面倒である。
【0015】
d.電源回路の数が多くなるため、電源部のコストが高くなる。
【0016】
スノーモビルやATV(バギー車)のように人里離れたところでの使用が考えられる乗り物や、モータボートのように、機関の運転が停止すると遭難の危険がある乗り物においては、バッテリが使用できない状態でも内燃機関を運転することができるようにしておくのが好ましい。
【0017】
MAG電源システムは、機関の始動時から定常運転時までバッテリに頼ることなく燃料噴射装置及び点火装置を駆動することを可能にするため、バッテリから十分な出力を得ることを保証できない超低温の環境下に機関が置かれる場合や、バッテリが劣化した状態でも機関の運転を継続することが要求される場合にとても優れたシステムである。
【0018】
ところが、従来のMAG電源システムは、図7に示したように多数の電源回路により構成していたため、バッテリを電源として用いる通常の電源システムを用いる場合に比べてかなりコストが高くなるのを避けられなかった。
【0019】
そこで、特開2002−21624号に示されているように、燃料ポンプとインジェクタと点火システムとを発電機を電源とした1つの電源回路により駆動するように電源部を構成するとともに、機関を始動する過程でインジェクタを駆動する際及び点火システムを駆動する際には、燃料ポンプの駆動を停止して、機関の始動時に、燃料ポンプとインジェクタと点火システムとが同時に電源回路の負荷となることがないようにした始動制御装置が提案された。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−21624号に示された始動制御装置によれば、電源部に設ける電源回路の数を減らすことができるため、コストの低減を図ることができる。
しかしながら、この既提案の装置によった場合には、機関の始動過程で燃料噴射を行う際に燃料ポンプの駆動を止めて、燃料噴射前に燃料配管系に蓄積された燃料圧力により燃料を噴射することになるため、蓄積された燃料圧力の大きさによっては、機関の始動過程で噴射される燃料の量が所望の噴射量よりも相当に少なくなって、混合気の空燃比がリーンな値になり、機関の始動性が悪くなるおそれがある。
【0021】
また機関の始動時の燃料噴射及び点火を行う際に燃料ポンプを停止させるようにした場合には、機関の始動時に燃料ポンプが間欠的に運転されることになるため、機関を長時間停止させた状態にした後に始動する際に、インジェクタに与えられる燃料の圧力が正常値に上昇するまでに時間がかかり、これにより機関の始動時の燃料噴射量が不足して機関の始動性が悪くなるおそれがある。
【0022】
本発明の目的は、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図るとともに、機関の始動過程で噴射される燃料の量が不足する状態が生じるおそれをなくして機関の始動性を良好にすることができるようにした内燃機関用燃料噴射・点火装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関に燃料を供給するインジェクタと、該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する点火回路と、少なくともインジェクタ及び点火回路を制御する制御装置と、内燃機関により駆動される交流発電機を電源としてインジェクタと燃料ポンプと点火回路と制御装置とに電源電圧を与える電源部とを備えた内燃機関用燃料噴射・点火装置に係わるものである。
【0024】
本発明においては、上記電源部が、上記発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成されている。また制御装置は、上記電源ラインから電源電圧が与えられる要素のうち、燃料ポンプ以外の要素の最低動作電圧に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段を備えている。
【0025】
上記のように、インジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに対して共通に1つの電源回路を構成するようにすると、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図ることができる。また発電機内に系統を異にして設ける発電コイルの数を少なくすることができるため、発電機の巻線作業工数の削減を図り、発電機から引き出すハーネスの数を少なくして発電機のコストの低減を図ることができる。
【0026】
更に、上記のように構成すると、内燃機関を始動する過程で、燃料噴射や点火動作を行わせる際にも燃料ポンプの運転を継続することができるため、機関を始動する過程で燃料噴射を行わせる際や点火を行わせる際に燃料ポンプを停止させていた従来技術による場合のように、燃料圧力が不足する状態が生じるおそれが生じるのを防ぐことができる。従って、機関を始動する際に燃料噴射量が不足する状態が生じるのを防ぐことができ、常に機関の始動性を良好にすることができる。
【0027】
本発明の好ましい態様では、上記電源部が、発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタと点火回路と制御装置と燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成される。
【0028】
この場合、制御装置のポンプ駆動電流制御手段は、インジェクタ及び点火回路のそれぞれの最低動作電圧のうちの高い方に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【0029】
このように、本発明によれば、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素であるインジェクタと点火回路と制御装置と燃料ポンプとに1つの電源回路から電源電圧を与えることができるため、インジェクタ及び点火回路の一方に他の回路を通して電源を与える場合に比べて更に電源部の構成を簡単にすることができる。
【0030】
本発明において、燃料ポンプ及び制御装置に電源電圧を与える電源回路と同じ電源回路からインジェクタ及び点火回路のいずれか一方のみに電源電圧を与えるようにする場合には、インジェクタ及び点火回路のうちの他方は、上記電源回路とは別系統の回路を通して電源電圧を与えるようにする。このように構成した場合も、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路及び制御装置のそれぞれに対して個別の電源系統を構成していた従来の燃料噴射・点火装置に比べて、電源部の構成をはるかに簡単にすることができる。
【0031】
また本発明の他の好ましい態様では、インジェクタ、点火回路、制御装置及び燃料ポンプ以外の負荷(ランプ負荷など)が通電制御用スイッチ手段を通して上記電源ラインに接続される。この場合制御装置は、上記したポンプ駆動電流制御手段の外に、内燃機関の始動時に通電制御用スイッチをオフ状態にし、内燃機関の始動が完了した後は電源ラインの電圧を基準電圧以上に設定された目標電圧に保つように通電制御用スイッチをPWM制御する通電用スイッチ制御手段を更に備えた構成とする。
【0032】
上記電源回路は、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を備えて該制御整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように構成することができる。この場合、電源ラインの電圧を予め定められた制限値以下に制限するようにサイリスタを制御するサイリスタ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0033】
発電機が磁石発電機からなっている場合には、発電機の出力電圧が過大になったときに、発電機の出力を短絡することにより出力電圧を制限値以下に低下させる電圧調整を行うことができる。従って、発電機が磁石発電機からなっている場合には、発電機の出力電圧を整流する整流回路と、発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチとを備えて整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように電源回路を構成することができる。
【0034】
この場合には、電源ラインの電圧が予め定められた制限値を超えたときに発電機の出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0035】
また上記電源回路は、発電機の出力電流を整流する整流器と発電機の出力電流を断続させるチョッパ用スイッチとを備えて、整流器により整流され、チョッパ用スイッチにより電圧が調整された電圧を電源ラインに出力するように構成することもできる。
【0036】
この場合には、内燃機関の回転速度が低く、電源ラインの電圧が予め定めた制限値よりも低いときに電源ラインの電圧を昇圧し、電源ラインの電圧が制限値を超えたときには電源ラインの電圧を下降させるようにチョッパ用スイッチを制御するチョッパ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0037】
このように構成した場合には、機関の始動時に発電機の出力を昇圧して電源ラインに発電機の出力電圧の波高値よりも高い直流電圧を送り出すことができるため、機関の始動回転速度(燃料噴射や点火動作が開始される回転速度)を低くして、機関の始動性を向上させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図6を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態を示したもので、同図において、10はスノーモービルなどの乗り物を駆動する図示しない内燃機関に取り付けられた磁石発電機である。磁石発電機10は、機関のクランク軸に取り付けられた磁石回転子と、環状の継鉄部の外周から多数の突極部(歯部)を放射状に突出させた構造を有する多極星形電機子鉄心の突極部に発電コイルを巻装してなる固定子とにより構成される公知のもので、内燃機関に取り付けられる発電機として広く用いられているものである。
【0040】
本実施形態では、発電機10の固定子に3相のコイルLuないしLwを星形結線して構成した3相発電コイル10aと、単相発電コイル10bとが設けられていて、3相発電コイル10aが内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素である燃料ポンプFPと、インジェクタINJと、点火コイルIGを含む点火回路と、制御装置ECUとを駆動するための電源として用いられる。また単相発電コイル10bは、車体に搭載されるランプなどの電気負荷(車体電気負荷という。)を駆動するための電源として用いられる。
【0041】
3相発電コイル10aの出力は、出力端子間に平滑用コンデンサCd1が接続された電圧調整機能付きの整流回路11に入力されている。電圧調整機能付きの整流回路11は、例えば、発電コイル10aの出力を整流して直流電圧に変換して電源ライン12に送出する3相ダイオードブリッジ全波整流回路と、オン状態にされたときに発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチと、整流回路の出力電圧が制限値を超えたときに発電コイル10aの出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段とを備えた公知のもので、発電コイル10Aの交流出力を直流出力に変換して、制限値を超えないように調整された直流電圧を電源ライン12,12’に出力する。
【0042】
この例では、電圧調整機能付き整流回路11とコンデンサCd1とにより、発電機10を電源として電圧値が調整された直流電圧を電源ライン12,12’に出力する電源回路13が構成され、発電コイル10aと電源回路13と電源ライン12,12’とにより、1つの電源系統が構成されている。
【0043】
整流回路11から引き出された電源ライン12,12’のうち、整流回路の負極性側の出力端子から引き出された電源ライン12’は接地されている。本明細書において、単に電源ラインというとき、該電源ラインは、非接地側の電源ライン12を指すものとする。
【0044】
整流回路11の正極性側の出力端子から引き出された電源ライン12は、制御装置ECUの非接地側の電源端子14aに接続されるとともに、燃料ポンプFPの一方の電源端子15aと、燃料ポンプFPから燃料が与えられるインジェクタINJの一方の電源端子16aと、点火コイルIGの一次コイルの一端17aとに接続されている。
【0045】
燃料ポンプFPの他方の電源端子15bは、制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRfのコレクタに接続され、インジェクタINJの他方の電源端子16bは同じく制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRjのコレクタに接続されている。また点火コイルIGの一次コイルの他端は制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRiのコレクタに接続され、点火コイルIGの二次コイルには、図示しない機関の気筒に取り付けられた点火プラグ18が接続されている。
【0046】
図示の例では、トランジスタTRfにより、燃料ポンプの駆動電流をオンオフするポンプ駆動スイッチが構成され、トランジスタTRjにより、インジェクタ駆動スイッチが構成されている。またトランジスタTRiにより、点火コイルIGの一次コイルを制御する一次電流制御スイッチが構成され、トランジスタTRiと点火コイルIGとにより周知の電流遮断形の点火回路が構成されている。
【0047】
この点火回路においては、トランジスタTRiが点火時期よりも前の時期にオン状態にされ、点火時期にオフ状態にされる。トランジスタTRiがオン状態にされると、電源ライン12から点火コイルIGの一次コイルとトランジスタTRiとを通して点火コイルの一次電流が流れ、点火コイルにエネルギが蓄積される。トランジスタTRiがオフ状態にされると、それまで点火コイルの一次コイルを流れていた電流が遮断されるため、点火コイルIGの一次コイルに高い電圧が誘起する。この電圧は点火コイルの一次二次間の巻数比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この点火用高電圧は、点火プラグ18に印加されるため、該点火プラグ18で火花放電が生じ、機関が点火される。
【0048】
インジェクタINJは、燃料ポンプFPから燃料が与えられるインジェクタボディと、インジェクタボディの先端に形成された噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動するソレノイドとを備えていて、ソレノイドに所定の駆動電流が与えられている間、噴射口を開いて内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する。
【0049】
ここで、「燃料噴射空間」は、機関の吸気管内の空間や、シリンダ内の空間などである。インジェクタから噴射する燃料の量(燃料噴射量)は、インジェクタに与えられる燃料の圧力と燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)とにより決まる。通常インジェクタに与えられる燃料の圧力は圧力調整器により一定に保たれるため、燃料噴射量は燃料噴射時間により管理される。
【0050】
制御装置ECUは、燃料ポンプ、インジェクタ及び点火コイルへの通電を制御するスイッチ(図示の例ではトランジスタTRf,TRj及びTRi)の外にマイクロプロセッサMPUと、電源ライン12の電圧を降圧してマイクロプロセッサを駆動するための電源電圧(5V)を発生する制御電源回路とを備えていて、マイクロプロセッサMPUに所定のタスクを実行させることにより、機関の回転速度を演算する回転速度演算手段、演算された回転速度を含む各種の制御条件に対して機関の点火時期を演算する点火時期演算手段、回転速度、機関の温度、スロットルバルブ開度、大気圧などの各種の制御条件に対して燃料噴射時間を演算する噴射時間演算手段、機関を始動する過程で電源ラインの電圧をインジェクタ及び点火回路の最低動作電圧以上の電圧に保つように燃料ポンプFPの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段等の各種の機能実現制御手段を実現する。
【0051】
発電機10に設けられた他の発電コイル10bの出力は、出力端子間に平滑用コンデンサCd2が接続された電圧調整機能付きの整流回路20に入力され、この整流回路20の出力端子間にランプなどの車体電気負荷21が接続されている。発電コイル10Bと整流回路20とにより他の電源系統が構成されている。
【0052】
電圧調整機能付き整流回路20は電圧調整機能付き整流回路11と同様に構成され、発電コイル10bから整流回路20を通して、車体電気負荷21に、電圧が調整された直流電圧が印加されるようになっている。
【0053】
図1に示した例では、発電機10と、整流回路11及び20とにより、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素と車体電気負荷とに電源電圧を与える電源部が構成され、この電源部には、燃料ポンプ、インジェクタ、点火回路及び御装置に電圧を与える電源系統と、車体電機負荷に電源電圧を与える電源系統との2つの電源系統が設けられている。
【0054】
本発明においては、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素である制御装置ECU、燃料ポンプFP、インジェクタINJ及び点火回路に電力を供給する発電コイル10aが、内燃機関を始動する過程で、少なくとも制御装置ECUと、最も電力を必要とする要素とを同時に駆動し得る出力を発生することができるように、発電コイル10aの出力特性(発電コイルの巻数や導体断面積により決まる)を設定しておく。
【0055】
そして、燃料ポンプFPの駆動電流をオンオフするポンプ駆動用スイッチ(トランジスタTRf)を設けて、このスイッチをオンオフすることにより燃料ポンプFPの駆動電流を可変デューティでPWM制御し得るようにしておき、インジェクタ及び点火回路を動作させるために必要な最低動作電圧のうちの高い方の電圧よりも僅かに高い値に設定された電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で、電源ライン12の電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【0056】
図1に示した制御装置ECUのマイクロプロセッサMPUが実行する一連のタスクのうち、上記のように燃料ポンプの駆動電流を制御するポンプ駆動電流制御手段を実現するためのタスクのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。
【0057】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において電源ラインの電圧Vpを検出し、続いてステップ2で基準電圧Vtとの偏差ΔVを計算し、ステップ3でその偏差ΔVにPID演算を施して、PID制御量CDUTYを算出する。この制御量CDUTYは、比例ゲインをKP、積分ゲインをKI、微分ゲインをKDとすると以下の式により与えられる。
【0058】
CDUTY=KP×ΔVn+KI×(ΔVn+ΔVn −1+…)+KD×(ΔVn−ΔVn −1)
次いでステップ4において、CDUTYが100%を超えているか否かを判定し、その結果CDUTYが100%を超えているときには、ステップ5においてPWMDUTYに100%をセットする。
【0059】
ステップ4において、CDUTYが100%を超えていないと判定されたときには、ステップ6に進んでCDUTYが負であるか否かを判定し、その結果CDUTYが正である場合には、ステップ7においてPWMDUTYにCDUTYをセットする。ステップ6においてCDUTYが負であると判定されたときに、ステップ8に進んでPWMDUTYに0%をセットする。
【0060】
マイクロプロセッサは、PWMDUTYにセットされたデューティ比でトランジスタTRfをオンオフさせて燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。図6に示したルーチンを一定時間間隔毎に繰り返し行う。
【0061】
本実施形態の実際の動作を図5を参照して説明する。この例では、インジェクタ及び点火回路の最低動作電圧が8Vであるとし、前述の基準電圧を10Vに設定している。また電圧調整機能付きの整流回路11は、制限値を14Vとして電圧調整された直流電圧を電源ライン12に出力する。即ち、発電機の出力が十分に高くなる機関の定常運転時には、整流回路11から電源ライン12に14Vの電源電圧が出力される。
【0062】
時刻t1でリコイルスタータ等の始動装置を操作して内燃機関のクランキングを開始すると、回転速度の上昇と共に電源ライン12に出力される電源電圧Vpが上昇していく。時刻t2において電源電圧Vpがマイクロプロセッサの動作電圧を超えると、ECU内のマイクロプロセッサが起動する。マイクロプロセッサは起動後先ず各部のイニシャライズを行い、動作を開始する。この時点では、電源電圧が基準電圧10Vに満たないのでPWMDUTYは初期値0のままである。従ってトランジスタTRfはオフ状態にあり、燃料ポンプFPは駆動されない。
【0063】
回転速度の上昇と共に、電源電圧Vpが立ち上がり、時刻t3において電源電圧Vpが基準電圧10Vを超えると、PWMDUTYも上昇し、トランジスタTRfにデューティ比PWMDUTYで断続する駆動信号Spが与えられるため、ポンプが動作を開始する。これに伴って燃料圧力が上昇していく。
【0064】
続いて予定された噴射タイミングt4が到来すると、マイクロプロセッサがトランジスタTRjのベースに噴射指令Sjを与えて、該トランジスタTRjをオン状態にするため、インジェクタINJに通電され、燃料の噴射が開始される。このとき、発電機の発生電力が充分でないと電源電圧が基準電圧よりも低くなってしまう。電源電圧Vpが降下すると、前述の制御により燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYを減少させて、燃料ポンプFPの駆動電流を減少させるため、発電機の消費電力が減少して、電源電圧が基準電圧に戻る。このとき、燃料ポンプの吐出量が減少するが、燃料ポンプの運転が継続しており、燃料配管中には既に圧力が蓄えられているため、燃料噴射時の燃圧の低下はほとんどなく、インジェクタからはほぼ予定通りの量の燃料が噴射される。時刻t5で噴射指令が消滅すると、トランジスタTRjがオフ状態になるため、インジェクタへの通電が終了し、電源電圧Vpは基準電圧(10V)以上に回復する。このきPWMDUTYも100%となり、燃料ポンプの駆動電流のデューティ比は100%となる。
【0065】
続いて、点火コイルIGの一次コイルに通電するタイミングt6が到来すると、トランジスタTRiに点火指令Siが与えられるため、点火コイルIGの一次コイルへの通電を開始される。一般的に点火コイルの消費電力はインジェクタの消費電力よりも大きく、インジェクタの駆動電流が1A程度であるのに対し、点火コイルの一次電流は飽和時に4A程度に達する。点火コイルにエネルギが蓄積されるにしたがって流れる電流も増加するため、電源電圧が低下しようとするが、その分燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYを減少させるため、電源電圧は基準電圧に戻るように制御される。時刻t7において始動時の点火時期が到来すると、トランジスタTRiに与えられていた点火指令が消滅するため、トランジスタTRiがオフ状態になり、それまで流れていた点火コイルの一次電流が遮断される。これにより点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起して機関が点火されるため、機関が始動する。また、点火コイルへの通電を断ったことで、電源電圧Vpが基準電圧以上に回復するため、燃料ポンプFPの駆動電流のデューティ比PWMDUTYが100%になる。
【0066】
内燃機関が初爆によりその回転速度を一気に高めると、発電機10の出力も上昇し、インジェクタINJ及び点火コイルIGを駆動する際にも、基準電圧以上の電源電圧を確保できるようになるため、燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYは100%のままとなる。
【0067】
図1に示した例では、燃料ポンプFP及び制御装置ECUに電源電圧を与える電源回路によりインジェクタINJ及び点火回路にも電源電圧を与えるようにしているが、インジェクタINJまたは点火回路のいずれか一方のみを電源ライン12に接続し、これらの他方には発電機10から別の電源回路を通して電源電圧を与えるようにしてもよい。例えば、電源ライン12には、制御装置ECUと燃料ポンプFPとインジェクタINJのみを接続し、点火コイルIGとその一次電流を制御する回路とからなる点火回路に対しては発電機10内に別の発電コイルを設けて、その別の発電コイルから点火回路に電源電圧を与えるようにしてもよい。
【0068】
上記の実施形態では、燃料ポンプや制御装置を駆動する電源回路13とは別の回路を通して車体電気負荷21に電源電圧を与えるようにしたが、点火回路及びインジェクタの少なくとも一方と、燃料ポンプFPと、制御装置ECUとに電源電圧を与える電源回路13と同じ電源回路から車体電気負荷に電力を供給するようにしてもよい。この場合には、図2に示したように、電源ライン12にPNPトランジスタTR1などからなる通電制御用スイッチ23を通して車体電気負荷21を接続する。また内燃機関の始動時に通電制御用スイッチ23をオフ状態にし、内燃機関の始動が完了した後は電源ライン12の電圧を、前記基準電圧よりも高く設定された目標電圧に保つように通電制御用スイッチ23をPWM制御する通電用スイッチ制御手段を制御装置ECUに設けておく。
【0069】
図2に示した例では、トランジスタTR1のベースにコレクタが接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR2が制御装置ECU内に設けられ、マイクロプロセッサからトランジスタTR2のベースにPWM変調された駆動信号を与えることにより、通電制御用スイッチ23をPWM制御するようにしている。
【0070】
図2に示した燃料噴射・点火装置において、内燃機関を始動する過程では、電源ライン12の電圧を基準電圧以上に保つように燃料ポンプFPの駆動電流をPWM制御する。また内燃機関が始動した後は、電源ラインの電圧を基準電圧よりも高く設定した目標電圧以上に保つように通電制御用スイッチTR1をPWM制御する。
【0071】
このように構成すると、車体電気負荷が大きすぎ、電源電圧が低下するときに車体電気負荷への電力配分を制限することができるため、制御装置、燃料ポンプ、インジェクタ、点火回路などが動作不能に陥るのを防ぐことができる。
【0072】
図2に示したように、制御装置、燃料ポンプ、インジェクタ及び点火回路を駆動する電源回路13と同じ電源回路で車体電気負荷をも駆動するようにすると、発電機に設ける巻線系統が1系統となり、また電圧調整機能付きの整流回路も1つ設ければよいため、バッテリ電源を用いる場合とのコストの差を最小限に抑えてMAG電源システムを採用することが可能になる。
【0073】
上記の実施形態では、発電機10の出力電圧を整流する整流回路と、発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチとを備えて、電源ラインの電圧が制限値を超えたときに発電機の出力を短絡することにより、電圧調整を行うようにした電源回路を用い、電源ラインの電圧が予め定められた制限値を超えたときに発電機の出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段を電源部に設けるようにしたが、出力短絡用スイッチ制御手段は制御装置ECU内に設けるようにしてもよい。
【0074】
また本発明は、上記のような電源回路を用いる場合に限定されない。例えば、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を備えて該制御整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように構成された電源回路を用いることもできる。この場合は、電源ラインの電圧を予め定められた制限値以下に制限するようにサイリスタを制御するサイリスタ制御手段を電源部または制御装置ECU内に設けておく。
【0075】
図3は本発明の更に他の実施形態を示したもので、この実施形態では、電源回路13’が、発電機10の出力電流を整流する整流器DuないしDwと、発電機の出力電流を断続させるチョッパ用スイッチQuないしQwとを備えていて、整流器により整流され、チョッパ用スイッチにより電圧が調整された電圧を電源ライン12に出力するように構成されている。
【0076】
図示の例では、整流器DuないしDwがブリッジの上辺を構成し、チョッパ用スイッチQuないしQwがブリッジの下辺を構成するように設けられた混合ブリッジ回路により電源回路13’が構成されていて、この電源回路の交流側端子に発電機10内に設けられた3相発電コイル10aの出力が入力されている。また電源回路13’の出力端子間に平滑用コンデンサCd1が接続され、電源回路13’から電源ライン12を通して制御装置ECUと、燃料ポンプFPと、インジェクタINFと、点火コイルIGとに電源電圧が与えられている。
【0077】
図示の例では、チョッパ用スイッチQuないしQwがMOSFETからなっていて、これらのスイッチQuないしQwをそれぞれ構成するFETのゲートが制御装置ECU内に設けられた制御用PNPトランジスタTR3のコレクタに一括して接続されている。トランジスタTR3のエミッタは電源ライン12に接続され、該トランジスタTR3をオンオフさせることにより、スイッチQuないしQwをオンオフさせることができるようになっている。
【0078】
なおDfuないしDfwは、スイッチQuないしQwをそれぞれ構成するMOSFETのドレインソース間に形成された寄生ダイオードである。
【0079】
図3に示した例では、内燃機関の回転速度が低く、電源ライン12の電圧が予め定めた制限値よりも低いときに電源ライン12の電圧を昇圧し、電源ラインの電圧が制限値を超えたときには電源ラインの電圧を下降させるようにチョッパ用スイッチQuないしQwを制御するチョッパ制御手段が制御装置ECU内に設けられている。なおこのチョッパ制御手段は、電源部に(制御装置ECUの外部に)設けるようにしてもよい。
【0080】
チョッパ用スイッチの制御は、ECU内の制御電源回路の出力(5V)が立ち上がってマイクロプロセッサが起動した時点から開始させることができるため、機関の始動操作を開始した直後から発電機の出力電圧を昇圧する昇圧動作を開始させて、電源ライン12に高い電源電圧を出力させることができる。
【0081】
図1及び図2に示した実施形態では、図4に実線で示したように、機関の回転速度Nがある程度(図示の例では900rpm)上昇しないと電源ラインから負荷に電流Iを供給することができないが、上記のようにチョッパ昇圧制御を行うようにすると、図4に波線で示したように、始動時に低速領域から負荷に電流を供給することができるようになるため、機関の始動性の向上を図ったり、発電機の小型化を図ったりすることが可能となる。
【0082】
上記の例では、点火回路として電流遮断形の回路を用いているが、コンデンサ放電式の点火回路を用いることもできる。磁石発電機の交流出力により点火用コンデンサを充電するコンデンサ放電式の点火回路を用いる場合には、点火用コンデンサを充電する発電コイルを発電機10内に設けて、該発電コイルの出力で点火用コンデンサを充電するようにする。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに電源電圧を与えるように電源部を構成したので、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図ることができる。本発明によればまた、発電機内に系統を異にして設ける発電コイルの数を少なくすることができるため、発電機の巻線作業工数の削減を図り、発電機から引き出すハーネスの数を少なくして、発電機のコストの低減を図ることができる。
【0084】
更に本発明によれば、内燃機関を始動する過程で、燃料噴射や点火動作を行わせる際にも燃料ポンプの運転を継続することができるため、機関を始動する過程で燃料噴射を行わせる際や点火を行わせる際に燃料ポンプを停止させていた従来技術による場合のように、燃料圧力が不足する状態が生じるおそれが生じるのを防ぐことができる。従って、機関を始動する際に燃料噴射量が不足する状態が生じるおそれをなくして、常に機関の始動性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示した回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を示した回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を示した回路図である。
【図4】図3に示した実施形態のように構成した場合に得られる効果を説明するためのグラフである。
【図5】本発明に係わる燃料噴射・点火装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】図1の実施形態において制御装置のマイクロプロセッサが実行するプログラムの1つのタスクのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】従来の内燃機関用燃料噴射・点火装置の構成を示した回路図である。
【符号の説明】
10:発電機、10a:3相発電コイル、11:電圧調整機能付き整流回路、12:電源ライン、13:電源回路、ECU:制御装置、FP:燃料ポンプ、INJ:インジェクタ、IG:点火コイル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関への燃料の供給と内燃機関の点火とを行う内燃機関用燃料噴射・点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スノーモビルや船外機、小型の2輪車等の乗り物においては、バッテリを搭載しないことが多い。最近では、バッテリを搭載しない乗り物を駆動する内燃機関においても、排気ガスの浄化や機関の始動性の向上などを図る目的で、燃料を供給する手段として電子制御式の燃料噴射装置(EFI)を用い、機関を点火する手段として、マイクロプロセッサを用いて点火時期を正確に制御する点火装置が用いられるようになってきている。
【0003】
バッテリを搭載しない乗り物を駆動する内燃機関の燃料噴射・点火装置においては、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路及びこれらを制御する制御装置に電源電圧を与える電源システムとして、機関により駆動される磁石発電機(マグネト)を電源として各部に電源を与えるようにしたシステム(MAG電源システムという。)を採用している。
【0004】
MAG電源システムを採用するような小形の乗り物を駆動する内燃機関では、一般に機関の始動をロープスタータやキックスタータ等の人力を利用する始動装置により行っている。
【0005】
ロープスタータやキックスタータ等の人力による始動装置を用いて機関を始動する際には、機関のクランク軸の回転速度を十分に高くすることができないため、機関により駆動される発電機は高い出力を発生することができない。そのため、この種の電源システムを用いる内燃機関では、発電機が発生する限られた電力で機関を始動させるために、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路、及び制御装置にそれぞれ電源電圧を与える電源系統を別々に設けて、各電源系統の出力特性の適正化を図ることにより、始動時の極低速回転でも、制御装置の電力が不足してインジェクタを駆動できなかったり、インジェクタの駆動が可能なのに燃料ポンプの駆動電力の不足により燃料圧力が不足して予定通りの噴射量の燃料が噴射されなかったりするといった不具合を極力なくして、機関の始動性を向上させるようにしている。
【0006】
上記のように、インジェクタや制御装置に別々の電源系統から電源を与えるようにした従来例としては、実用新案登録第2573118号に示されたものがある。実用新案登録第2573118号では、燃料ポンプの電源や点火回路の電源については特に触れられていないが、この考え方を実用化した市販の燃料噴射・点火装置では、燃料ポンプ及び点火回路にもそれぞれ別々の電源系統から電源電圧を与えるようにしている。
【0007】
現在実用化されている電源システムの構成例を図7に示した。図7において1は内燃機関のクランク軸に回転子が取り付けられた磁石発電機で、その固定子側には、燃料ポンプ駆動用発電コイル1a、インジェクタ駆動用発電コイル1b、点火回路駆動用発電コイル1c、制御装置駆動用発電コイル1d及びヘッドランプなどの車体電気負荷を駆動する車体電気負荷駆動用発電コイル1eが設けられている。これらの発電コイルは、それぞれが供給する負荷が必要とする電力量に応じて、電機子鉄心の1つの極(歯部)または複数の極に巻装されている。
【0008】
発電コイル1aないし1eの出力はそれぞれ、電圧調整機能付きの整流回路とその出力端子間に接続された電源コンデンサCdとを備えた電源回路2aないし2eにより直流電圧に変換されて、燃料ポンプFP、インジェクタINJ、点火コイルIGを含む点火回路、制御装置ECU及び車体電気負荷3に供給されている。制御装置ECUは、点火時期や燃料噴射量等を演算するマイクロプロセッサMPUを備えている外、燃料ポンプFPへの通電を制御するスイッチQf、インジェクタINJへの通電を制御するスイッチQj、点火コイルの一次コイルへの通電を制御するスイッチQi等を備えている。図示の例では、点火コイルIGとスイッチQiとにより点火回路が構成されている。
【0009】
なお図7に示した例では、電源回路2aないし2eが制御装置ECUと別体に構成されているが、電源回路2aないし2eと制御装置とが1つのユニットを構成するようにまとめられる場合もある。
【0010】
図7に示したように構成すると、各電源回路の出力特性の適正化を図っておくことにより、機関の極低速時から制御装置を動作させて、燃料噴射と点火動作とを行わせることができるため、機関の始動性を向上させることができる。
【0011】
しかし、図7に示した構成では、1つの発電機内に特性が異なる多数の発電コイルを設けて、各発電コイル毎に電源回路を構成する必要があるため、以下に示すような問題点があった。
【0012】
a.各発電コイル毎に銅線を交換して巻線しなければならないため、発電機の巻線作業が面倒で、発電機の製造コストが高くなる。
【0013】
b.多数の発電コイルのそれぞれの端末処理を行う必要があるため、端末処理に要する工数が多くなり、発電機の製造コストが高くなる。
【0014】
c.発電機から引き出すハーネスの本数が多いため、ハーネスの引き回しが面倒である。
【0015】
d.電源回路の数が多くなるため、電源部のコストが高くなる。
【0016】
スノーモビルやATV(バギー車)のように人里離れたところでの使用が考えられる乗り物や、モータボートのように、機関の運転が停止すると遭難の危険がある乗り物においては、バッテリが使用できない状態でも内燃機関を運転することができるようにしておくのが好ましい。
【0017】
MAG電源システムは、機関の始動時から定常運転時までバッテリに頼ることなく燃料噴射装置及び点火装置を駆動することを可能にするため、バッテリから十分な出力を得ることを保証できない超低温の環境下に機関が置かれる場合や、バッテリが劣化した状態でも機関の運転を継続することが要求される場合にとても優れたシステムである。
【0018】
ところが、従来のMAG電源システムは、図7に示したように多数の電源回路により構成していたため、バッテリを電源として用いる通常の電源システムを用いる場合に比べてかなりコストが高くなるのを避けられなかった。
【0019】
そこで、特開2002−21624号に示されているように、燃料ポンプとインジェクタと点火システムとを発電機を電源とした1つの電源回路により駆動するように電源部を構成するとともに、機関を始動する過程でインジェクタを駆動する際及び点火システムを駆動する際には、燃料ポンプの駆動を停止して、機関の始動時に、燃料ポンプとインジェクタと点火システムとが同時に電源回路の負荷となることがないようにした始動制御装置が提案された。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−21624号に示された始動制御装置によれば、電源部に設ける電源回路の数を減らすことができるため、コストの低減を図ることができる。
しかしながら、この既提案の装置によった場合には、機関の始動過程で燃料噴射を行う際に燃料ポンプの駆動を止めて、燃料噴射前に燃料配管系に蓄積された燃料圧力により燃料を噴射することになるため、蓄積された燃料圧力の大きさによっては、機関の始動過程で噴射される燃料の量が所望の噴射量よりも相当に少なくなって、混合気の空燃比がリーンな値になり、機関の始動性が悪くなるおそれがある。
【0021】
また機関の始動時の燃料噴射及び点火を行う際に燃料ポンプを停止させるようにした場合には、機関の始動時に燃料ポンプが間欠的に運転されることになるため、機関を長時間停止させた状態にした後に始動する際に、インジェクタに与えられる燃料の圧力が正常値に上昇するまでに時間がかかり、これにより機関の始動時の燃料噴射量が不足して機関の始動性が悪くなるおそれがある。
【0022】
本発明の目的は、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図るとともに、機関の始動過程で噴射される燃料の量が不足する状態が生じるおそれをなくして機関の始動性を良好にすることができるようにした内燃機関用燃料噴射・点火装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内燃機関に燃料を供給するインジェクタと、該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する点火回路と、少なくともインジェクタ及び点火回路を制御する制御装置と、内燃機関により駆動される交流発電機を電源としてインジェクタと燃料ポンプと点火回路と制御装置とに電源電圧を与える電源部とを備えた内燃機関用燃料噴射・点火装置に係わるものである。
【0024】
本発明においては、上記電源部が、上記発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成されている。また制御装置は、上記電源ラインから電源電圧が与えられる要素のうち、燃料ポンプ以外の要素の最低動作電圧に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段を備えている。
【0025】
上記のように、インジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに対して共通に1つの電源回路を構成するようにすると、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図ることができる。また発電機内に系統を異にして設ける発電コイルの数を少なくすることができるため、発電機の巻線作業工数の削減を図り、発電機から引き出すハーネスの数を少なくして発電機のコストの低減を図ることができる。
【0026】
更に、上記のように構成すると、内燃機関を始動する過程で、燃料噴射や点火動作を行わせる際にも燃料ポンプの運転を継続することができるため、機関を始動する過程で燃料噴射を行わせる際や点火を行わせる際に燃料ポンプを停止させていた従来技術による場合のように、燃料圧力が不足する状態が生じるおそれが生じるのを防ぐことができる。従って、機関を始動する際に燃料噴射量が不足する状態が生じるのを防ぐことができ、常に機関の始動性を良好にすることができる。
【0027】
本発明の好ましい態様では、上記電源部が、発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタと点火回路と制御装置と燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成される。
【0028】
この場合、制御装置のポンプ駆動電流制御手段は、インジェクタ及び点火回路のそれぞれの最低動作電圧のうちの高い方に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で電源ラインの電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【0029】
このように、本発明によれば、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素であるインジェクタと点火回路と制御装置と燃料ポンプとに1つの電源回路から電源電圧を与えることができるため、インジェクタ及び点火回路の一方に他の回路を通して電源を与える場合に比べて更に電源部の構成を簡単にすることができる。
【0030】
本発明において、燃料ポンプ及び制御装置に電源電圧を与える電源回路と同じ電源回路からインジェクタ及び点火回路のいずれか一方のみに電源電圧を与えるようにする場合には、インジェクタ及び点火回路のうちの他方は、上記電源回路とは別系統の回路を通して電源電圧を与えるようにする。このように構成した場合も、インジェクタ、燃料ポンプ、点火回路及び制御装置のそれぞれに対して個別の電源系統を構成していた従来の燃料噴射・点火装置に比べて、電源部の構成をはるかに簡単にすることができる。
【0031】
また本発明の他の好ましい態様では、インジェクタ、点火回路、制御装置及び燃料ポンプ以外の負荷(ランプ負荷など)が通電制御用スイッチ手段を通して上記電源ラインに接続される。この場合制御装置は、上記したポンプ駆動電流制御手段の外に、内燃機関の始動時に通電制御用スイッチをオフ状態にし、内燃機関の始動が完了した後は電源ラインの電圧を基準電圧以上に設定された目標電圧に保つように通電制御用スイッチをPWM制御する通電用スイッチ制御手段を更に備えた構成とする。
【0032】
上記電源回路は、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を備えて該制御整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように構成することができる。この場合、電源ラインの電圧を予め定められた制限値以下に制限するようにサイリスタを制御するサイリスタ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0033】
発電機が磁石発電機からなっている場合には、発電機の出力電圧が過大になったときに、発電機の出力を短絡することにより出力電圧を制限値以下に低下させる電圧調整を行うことができる。従って、発電機が磁石発電機からなっている場合には、発電機の出力電圧を整流する整流回路と、発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチとを備えて整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように電源回路を構成することができる。
【0034】
この場合には、電源ラインの電圧が予め定められた制限値を超えたときに発電機の出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0035】
また上記電源回路は、発電機の出力電流を整流する整流器と発電機の出力電流を断続させるチョッパ用スイッチとを備えて、整流器により整流され、チョッパ用スイッチにより電圧が調整された電圧を電源ラインに出力するように構成することもできる。
【0036】
この場合には、内燃機関の回転速度が低く、電源ラインの電圧が予め定めた制限値よりも低いときに電源ラインの電圧を昇圧し、電源ラインの電圧が制限値を超えたときには電源ラインの電圧を下降させるようにチョッパ用スイッチを制御するチョッパ制御手段を電源部または制御装置に設けておく。
【0037】
このように構成した場合には、機関の始動時に発電機の出力を昇圧して電源ラインに発電機の出力電圧の波高値よりも高い直流電圧を送り出すことができるため、機関の始動回転速度(燃料噴射や点火動作が開始される回転速度)を低くして、機関の始動性を向上させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図6を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1の実施形態を示したもので、同図において、10はスノーモービルなどの乗り物を駆動する図示しない内燃機関に取り付けられた磁石発電機である。磁石発電機10は、機関のクランク軸に取り付けられた磁石回転子と、環状の継鉄部の外周から多数の突極部(歯部)を放射状に突出させた構造を有する多極星形電機子鉄心の突極部に発電コイルを巻装してなる固定子とにより構成される公知のもので、内燃機関に取り付けられる発電機として広く用いられているものである。
【0040】
本実施形態では、発電機10の固定子に3相のコイルLuないしLwを星形結線して構成した3相発電コイル10aと、単相発電コイル10bとが設けられていて、3相発電コイル10aが内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素である燃料ポンプFPと、インジェクタINJと、点火コイルIGを含む点火回路と、制御装置ECUとを駆動するための電源として用いられる。また単相発電コイル10bは、車体に搭載されるランプなどの電気負荷(車体電気負荷という。)を駆動するための電源として用いられる。
【0041】
3相発電コイル10aの出力は、出力端子間に平滑用コンデンサCd1が接続された電圧調整機能付きの整流回路11に入力されている。電圧調整機能付きの整流回路11は、例えば、発電コイル10aの出力を整流して直流電圧に変換して電源ライン12に送出する3相ダイオードブリッジ全波整流回路と、オン状態にされたときに発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチと、整流回路の出力電圧が制限値を超えたときに発電コイル10aの出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段とを備えた公知のもので、発電コイル10Aの交流出力を直流出力に変換して、制限値を超えないように調整された直流電圧を電源ライン12,12’に出力する。
【0042】
この例では、電圧調整機能付き整流回路11とコンデンサCd1とにより、発電機10を電源として電圧値が調整された直流電圧を電源ライン12,12’に出力する電源回路13が構成され、発電コイル10aと電源回路13と電源ライン12,12’とにより、1つの電源系統が構成されている。
【0043】
整流回路11から引き出された電源ライン12,12’のうち、整流回路の負極性側の出力端子から引き出された電源ライン12’は接地されている。本明細書において、単に電源ラインというとき、該電源ラインは、非接地側の電源ライン12を指すものとする。
【0044】
整流回路11の正極性側の出力端子から引き出された電源ライン12は、制御装置ECUの非接地側の電源端子14aに接続されるとともに、燃料ポンプFPの一方の電源端子15aと、燃料ポンプFPから燃料が与えられるインジェクタINJの一方の電源端子16aと、点火コイルIGの一次コイルの一端17aとに接続されている。
【0045】
燃料ポンプFPの他方の電源端子15bは、制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRfのコレクタに接続され、インジェクタINJの他方の電源端子16bは同じく制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRjのコレクタに接続されている。また点火コイルIGの一次コイルの他端は制御装置ECU内に設けられてエミッタが接地されたNPNトランジスタTRiのコレクタに接続され、点火コイルIGの二次コイルには、図示しない機関の気筒に取り付けられた点火プラグ18が接続されている。
【0046】
図示の例では、トランジスタTRfにより、燃料ポンプの駆動電流をオンオフするポンプ駆動スイッチが構成され、トランジスタTRjにより、インジェクタ駆動スイッチが構成されている。またトランジスタTRiにより、点火コイルIGの一次コイルを制御する一次電流制御スイッチが構成され、トランジスタTRiと点火コイルIGとにより周知の電流遮断形の点火回路が構成されている。
【0047】
この点火回路においては、トランジスタTRiが点火時期よりも前の時期にオン状態にされ、点火時期にオフ状態にされる。トランジスタTRiがオン状態にされると、電源ライン12から点火コイルIGの一次コイルとトランジスタTRiとを通して点火コイルの一次電流が流れ、点火コイルにエネルギが蓄積される。トランジスタTRiがオフ状態にされると、それまで点火コイルの一次コイルを流れていた電流が遮断されるため、点火コイルIGの一次コイルに高い電圧が誘起する。この電圧は点火コイルの一次二次間の巻数比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この点火用高電圧は、点火プラグ18に印加されるため、該点火プラグ18で火花放電が生じ、機関が点火される。
【0048】
インジェクタINJは、燃料ポンプFPから燃料が与えられるインジェクタボディと、インジェクタボディの先端に形成された噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動するソレノイドとを備えていて、ソレノイドに所定の駆動電流が与えられている間、噴射口を開いて内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する。
【0049】
ここで、「燃料噴射空間」は、機関の吸気管内の空間や、シリンダ内の空間などである。インジェクタから噴射する燃料の量(燃料噴射量)は、インジェクタに与えられる燃料の圧力と燃料を噴射する時間(燃料噴射時間)とにより決まる。通常インジェクタに与えられる燃料の圧力は圧力調整器により一定に保たれるため、燃料噴射量は燃料噴射時間により管理される。
【0050】
制御装置ECUは、燃料ポンプ、インジェクタ及び点火コイルへの通電を制御するスイッチ(図示の例ではトランジスタTRf,TRj及びTRi)の外にマイクロプロセッサMPUと、電源ライン12の電圧を降圧してマイクロプロセッサを駆動するための電源電圧(5V)を発生する制御電源回路とを備えていて、マイクロプロセッサMPUに所定のタスクを実行させることにより、機関の回転速度を演算する回転速度演算手段、演算された回転速度を含む各種の制御条件に対して機関の点火時期を演算する点火時期演算手段、回転速度、機関の温度、スロットルバルブ開度、大気圧などの各種の制御条件に対して燃料噴射時間を演算する噴射時間演算手段、機関を始動する過程で電源ラインの電圧をインジェクタ及び点火回路の最低動作電圧以上の電圧に保つように燃料ポンプFPの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段等の各種の機能実現制御手段を実現する。
【0051】
発電機10に設けられた他の発電コイル10bの出力は、出力端子間に平滑用コンデンサCd2が接続された電圧調整機能付きの整流回路20に入力され、この整流回路20の出力端子間にランプなどの車体電気負荷21が接続されている。発電コイル10Bと整流回路20とにより他の電源系統が構成されている。
【0052】
電圧調整機能付き整流回路20は電圧調整機能付き整流回路11と同様に構成され、発電コイル10bから整流回路20を通して、車体電気負荷21に、電圧が調整された直流電圧が印加されるようになっている。
【0053】
図1に示した例では、発電機10と、整流回路11及び20とにより、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素と車体電気負荷とに電源電圧を与える電源部が構成され、この電源部には、燃料ポンプ、インジェクタ、点火回路及び御装置に電圧を与える電源系統と、車体電機負荷に電源電圧を与える電源系統との2つの電源系統が設けられている。
【0054】
本発明においては、内燃機関を動作させるために必要不可欠な基本要素である制御装置ECU、燃料ポンプFP、インジェクタINJ及び点火回路に電力を供給する発電コイル10aが、内燃機関を始動する過程で、少なくとも制御装置ECUと、最も電力を必要とする要素とを同時に駆動し得る出力を発生することができるように、発電コイル10aの出力特性(発電コイルの巻数や導体断面積により決まる)を設定しておく。
【0055】
そして、燃料ポンプFPの駆動電流をオンオフするポンプ駆動用スイッチ(トランジスタTRf)を設けて、このスイッチをオンオフすることにより燃料ポンプFPの駆動電流を可変デューティでPWM制御し得るようにしておき、インジェクタ及び点火回路を動作させるために必要な最低動作電圧のうちの高い方の電圧よりも僅かに高い値に設定された電圧を基準電圧として、内燃機関を始動する過程で、電源ライン12の電圧を基準電圧以上に保つように、燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。
【0056】
図1に示した制御装置ECUのマイクロプロセッサMPUが実行する一連のタスクのうち、上記のように燃料ポンプの駆動電流を制御するポンプ駆動電流制御手段を実現するためのタスクのアルゴリズムを示すフローチャートを図6に示した。
【0057】
図6に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において電源ラインの電圧Vpを検出し、続いてステップ2で基準電圧Vtとの偏差ΔVを計算し、ステップ3でその偏差ΔVにPID演算を施して、PID制御量CDUTYを算出する。この制御量CDUTYは、比例ゲインをKP、積分ゲインをKI、微分ゲインをKDとすると以下の式により与えられる。
【0058】
CDUTY=KP×ΔVn+KI×(ΔVn+ΔVn −1+…)+KD×(ΔVn−ΔVn −1)
次いでステップ4において、CDUTYが100%を超えているか否かを判定し、その結果CDUTYが100%を超えているときには、ステップ5においてPWMDUTYに100%をセットする。
【0059】
ステップ4において、CDUTYが100%を超えていないと判定されたときには、ステップ6に進んでCDUTYが負であるか否かを判定し、その結果CDUTYが正である場合には、ステップ7においてPWMDUTYにCDUTYをセットする。ステップ6においてCDUTYが負であると判定されたときに、ステップ8に進んでPWMDUTYに0%をセットする。
【0060】
マイクロプロセッサは、PWMDUTYにセットされたデューティ比でトランジスタTRfをオンオフさせて燃料ポンプの駆動電流をPWM制御する。図6に示したルーチンを一定時間間隔毎に繰り返し行う。
【0061】
本実施形態の実際の動作を図5を参照して説明する。この例では、インジェクタ及び点火回路の最低動作電圧が8Vであるとし、前述の基準電圧を10Vに設定している。また電圧調整機能付きの整流回路11は、制限値を14Vとして電圧調整された直流電圧を電源ライン12に出力する。即ち、発電機の出力が十分に高くなる機関の定常運転時には、整流回路11から電源ライン12に14Vの電源電圧が出力される。
【0062】
時刻t1でリコイルスタータ等の始動装置を操作して内燃機関のクランキングを開始すると、回転速度の上昇と共に電源ライン12に出力される電源電圧Vpが上昇していく。時刻t2において電源電圧Vpがマイクロプロセッサの動作電圧を超えると、ECU内のマイクロプロセッサが起動する。マイクロプロセッサは起動後先ず各部のイニシャライズを行い、動作を開始する。この時点では、電源電圧が基準電圧10Vに満たないのでPWMDUTYは初期値0のままである。従ってトランジスタTRfはオフ状態にあり、燃料ポンプFPは駆動されない。
【0063】
回転速度の上昇と共に、電源電圧Vpが立ち上がり、時刻t3において電源電圧Vpが基準電圧10Vを超えると、PWMDUTYも上昇し、トランジスタTRfにデューティ比PWMDUTYで断続する駆動信号Spが与えられるため、ポンプが動作を開始する。これに伴って燃料圧力が上昇していく。
【0064】
続いて予定された噴射タイミングt4が到来すると、マイクロプロセッサがトランジスタTRjのベースに噴射指令Sjを与えて、該トランジスタTRjをオン状態にするため、インジェクタINJに通電され、燃料の噴射が開始される。このとき、発電機の発生電力が充分でないと電源電圧が基準電圧よりも低くなってしまう。電源電圧Vpが降下すると、前述の制御により燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYを減少させて、燃料ポンプFPの駆動電流を減少させるため、発電機の消費電力が減少して、電源電圧が基準電圧に戻る。このとき、燃料ポンプの吐出量が減少するが、燃料ポンプの運転が継続しており、燃料配管中には既に圧力が蓄えられているため、燃料噴射時の燃圧の低下はほとんどなく、インジェクタからはほぼ予定通りの量の燃料が噴射される。時刻t5で噴射指令が消滅すると、トランジスタTRjがオフ状態になるため、インジェクタへの通電が終了し、電源電圧Vpは基準電圧(10V)以上に回復する。このきPWMDUTYも100%となり、燃料ポンプの駆動電流のデューティ比は100%となる。
【0065】
続いて、点火コイルIGの一次コイルに通電するタイミングt6が到来すると、トランジスタTRiに点火指令Siが与えられるため、点火コイルIGの一次コイルへの通電を開始される。一般的に点火コイルの消費電力はインジェクタの消費電力よりも大きく、インジェクタの駆動電流が1A程度であるのに対し、点火コイルの一次電流は飽和時に4A程度に達する。点火コイルにエネルギが蓄積されるにしたがって流れる電流も増加するため、電源電圧が低下しようとするが、その分燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYを減少させるため、電源電圧は基準電圧に戻るように制御される。時刻t7において始動時の点火時期が到来すると、トランジスタTRiに与えられていた点火指令が消滅するため、トランジスタTRiがオフ状態になり、それまで流れていた点火コイルの一次電流が遮断される。これにより点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起して機関が点火されるため、機関が始動する。また、点火コイルへの通電を断ったことで、電源電圧Vpが基準電圧以上に回復するため、燃料ポンプFPの駆動電流のデューティ比PWMDUTYが100%になる。
【0066】
内燃機関が初爆によりその回転速度を一気に高めると、発電機10の出力も上昇し、インジェクタINJ及び点火コイルIGを駆動する際にも、基準電圧以上の電源電圧を確保できるようになるため、燃料ポンプの駆動電流のデューティ比PWMDUTYは100%のままとなる。
【0067】
図1に示した例では、燃料ポンプFP及び制御装置ECUに電源電圧を与える電源回路によりインジェクタINJ及び点火回路にも電源電圧を与えるようにしているが、インジェクタINJまたは点火回路のいずれか一方のみを電源ライン12に接続し、これらの他方には発電機10から別の電源回路を通して電源電圧を与えるようにしてもよい。例えば、電源ライン12には、制御装置ECUと燃料ポンプFPとインジェクタINJのみを接続し、点火コイルIGとその一次電流を制御する回路とからなる点火回路に対しては発電機10内に別の発電コイルを設けて、その別の発電コイルから点火回路に電源電圧を与えるようにしてもよい。
【0068】
上記の実施形態では、燃料ポンプや制御装置を駆動する電源回路13とは別の回路を通して車体電気負荷21に電源電圧を与えるようにしたが、点火回路及びインジェクタの少なくとも一方と、燃料ポンプFPと、制御装置ECUとに電源電圧を与える電源回路13と同じ電源回路から車体電気負荷に電力を供給するようにしてもよい。この場合には、図2に示したように、電源ライン12にPNPトランジスタTR1などからなる通電制御用スイッチ23を通して車体電気負荷21を接続する。また内燃機関の始動時に通電制御用スイッチ23をオフ状態にし、内燃機関の始動が完了した後は電源ライン12の電圧を、前記基準電圧よりも高く設定された目標電圧に保つように通電制御用スイッチ23をPWM制御する通電用スイッチ制御手段を制御装置ECUに設けておく。
【0069】
図2に示した例では、トランジスタTR1のベースにコレクタが接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR2が制御装置ECU内に設けられ、マイクロプロセッサからトランジスタTR2のベースにPWM変調された駆動信号を与えることにより、通電制御用スイッチ23をPWM制御するようにしている。
【0070】
図2に示した燃料噴射・点火装置において、内燃機関を始動する過程では、電源ライン12の電圧を基準電圧以上に保つように燃料ポンプFPの駆動電流をPWM制御する。また内燃機関が始動した後は、電源ラインの電圧を基準電圧よりも高く設定した目標電圧以上に保つように通電制御用スイッチTR1をPWM制御する。
【0071】
このように構成すると、車体電気負荷が大きすぎ、電源電圧が低下するときに車体電気負荷への電力配分を制限することができるため、制御装置、燃料ポンプ、インジェクタ、点火回路などが動作不能に陥るのを防ぐことができる。
【0072】
図2に示したように、制御装置、燃料ポンプ、インジェクタ及び点火回路を駆動する電源回路13と同じ電源回路で車体電気負荷をも駆動するようにすると、発電機に設ける巻線系統が1系統となり、また電圧調整機能付きの整流回路も1つ設ければよいため、バッテリ電源を用いる場合とのコストの差を最小限に抑えてMAG電源システムを採用することが可能になる。
【0073】
上記の実施形態では、発電機10の出力電圧を整流する整流回路と、発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチとを備えて、電源ラインの電圧が制限値を超えたときに発電機の出力を短絡することにより、電圧調整を行うようにした電源回路を用い、電源ラインの電圧が予め定められた制限値を超えたときに発電機の出力を短絡するように出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段を電源部に設けるようにしたが、出力短絡用スイッチ制御手段は制御装置ECU内に設けるようにしてもよい。
【0074】
また本発明は、上記のような電源回路を用いる場合に限定されない。例えば、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を備えて該制御整流回路から電源ラインに電源電圧を出力するように構成された電源回路を用いることもできる。この場合は、電源ラインの電圧を予め定められた制限値以下に制限するようにサイリスタを制御するサイリスタ制御手段を電源部または制御装置ECU内に設けておく。
【0075】
図3は本発明の更に他の実施形態を示したもので、この実施形態では、電源回路13’が、発電機10の出力電流を整流する整流器DuないしDwと、発電機の出力電流を断続させるチョッパ用スイッチQuないしQwとを備えていて、整流器により整流され、チョッパ用スイッチにより電圧が調整された電圧を電源ライン12に出力するように構成されている。
【0076】
図示の例では、整流器DuないしDwがブリッジの上辺を構成し、チョッパ用スイッチQuないしQwがブリッジの下辺を構成するように設けられた混合ブリッジ回路により電源回路13’が構成されていて、この電源回路の交流側端子に発電機10内に設けられた3相発電コイル10aの出力が入力されている。また電源回路13’の出力端子間に平滑用コンデンサCd1が接続され、電源回路13’から電源ライン12を通して制御装置ECUと、燃料ポンプFPと、インジェクタINFと、点火コイルIGとに電源電圧が与えられている。
【0077】
図示の例では、チョッパ用スイッチQuないしQwがMOSFETからなっていて、これらのスイッチQuないしQwをそれぞれ構成するFETのゲートが制御装置ECU内に設けられた制御用PNPトランジスタTR3のコレクタに一括して接続されている。トランジスタTR3のエミッタは電源ライン12に接続され、該トランジスタTR3をオンオフさせることにより、スイッチQuないしQwをオンオフさせることができるようになっている。
【0078】
なおDfuないしDfwは、スイッチQuないしQwをそれぞれ構成するMOSFETのドレインソース間に形成された寄生ダイオードである。
【0079】
図3に示した例では、内燃機関の回転速度が低く、電源ライン12の電圧が予め定めた制限値よりも低いときに電源ライン12の電圧を昇圧し、電源ラインの電圧が制限値を超えたときには電源ラインの電圧を下降させるようにチョッパ用スイッチQuないしQwを制御するチョッパ制御手段が制御装置ECU内に設けられている。なおこのチョッパ制御手段は、電源部に(制御装置ECUの外部に)設けるようにしてもよい。
【0080】
チョッパ用スイッチの制御は、ECU内の制御電源回路の出力(5V)が立ち上がってマイクロプロセッサが起動した時点から開始させることができるため、機関の始動操作を開始した直後から発電機の出力電圧を昇圧する昇圧動作を開始させて、電源ライン12に高い電源電圧を出力させることができる。
【0081】
図1及び図2に示した実施形態では、図4に実線で示したように、機関の回転速度Nがある程度(図示の例では900rpm)上昇しないと電源ラインから負荷に電流Iを供給することができないが、上記のようにチョッパ昇圧制御を行うようにすると、図4に波線で示したように、始動時に低速領域から負荷に電流を供給することができるようになるため、機関の始動性の向上を図ったり、発電機の小型化を図ったりすることが可能となる。
【0082】
上記の例では、点火回路として電流遮断形の回路を用いているが、コンデンサ放電式の点火回路を用いることもできる。磁石発電機の交流出力により点火用コンデンサを充電するコンデンサ放電式の点火回路を用いる場合には、点火用コンデンサを充電する発電コイルを発電機10内に設けて、該発電コイルの出力で点火用コンデンサを充電するようにする。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通してインジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、制御装置と、燃料ポンプとに電源電圧を与えるように電源部を構成したので、電源部に設ける電源回路の数を少なくしてコストの低減を図ることができる。本発明によればまた、発電機内に系統を異にして設ける発電コイルの数を少なくすることができるため、発電機の巻線作業工数の削減を図り、発電機から引き出すハーネスの数を少なくして、発電機のコストの低減を図ることができる。
【0084】
更に本発明によれば、内燃機関を始動する過程で、燃料噴射や点火動作を行わせる際にも燃料ポンプの運転を継続することができるため、機関を始動する過程で燃料噴射を行わせる際や点火を行わせる際に燃料ポンプを停止させていた従来技術による場合のように、燃料圧力が不足する状態が生じるおそれが生じるのを防ぐことができる。従って、機関を始動する際に燃料噴射量が不足する状態が生じるおそれをなくして、常に機関の始動性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示した回路図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の構成を示した回路図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の構成を示した回路図である。
【図4】図3に示した実施形態のように構成した場合に得られる効果を説明するためのグラフである。
【図5】本発明に係わる燃料噴射・点火装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】図1の実施形態において制御装置のマイクロプロセッサが実行するプログラムの1つのタスクのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】従来の内燃機関用燃料噴射・点火装置の構成を示した回路図である。
【符号の説明】
10:発電機、10a:3相発電コイル、11:電圧調整機能付き整流回路、12:電源ライン、13:電源回路、ECU:制御装置、FP:燃料ポンプ、INJ:インジェクタ、IG:点火コイル。
Claims (7)
- 内燃機関に燃料を供給するインジェクタと、該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、前記内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する点火回路と、少なくとも前記インジェクタ及び点火回路を制御する制御装置と、前記内燃機関により駆動される交流発電機を電源として前記インジェクタと燃料ポンプと点火回路と制御装置とに電源電圧を与える電源部とを備えた内燃機関用燃料噴射・点火装置において、
前記電源部は、前記発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通して前記インジェクタ及び点火回路の少なくとも一方と、前記制御装置と、前記燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成され、
前記制御装置は、前記電源ラインから電源電圧が与えられる要素のうち、前記燃料ポンプ以外の要素の最低動作電圧に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、前記内燃機関を始動する過程で前記電源ラインの電圧を前記基準電圧以上に保つように、前記燃料ポンプの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段を備えている内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 内燃機関に燃料を供給するインジェクタと該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、前記内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する点火回路と、少なくとも前記インジェクタ及び点火回路を制御する制御装置と、前記内燃機関により駆動される交流発電機を電源として前記インジェクタと燃料ポンプと点火回路と制御装置とに電源電圧を与える電源部とを備えた内燃機関用燃料噴射・点火装置において、
前記電源部は、前記発電機を電源とする1つの電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通して前記インジェクタと点火回路と前記制御装置と前記燃料ポンプとに電源電圧を与えるように構成され、
前記制御装置は、前記インジェクタ及び点火回路のそれぞれの最低動作電圧のうちの高い方に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、前記内燃機関を始動する過程で前記電源ラインの電圧を前記基準電圧以上に保つように、前記燃料ポンプの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段を備えている内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 内燃機関に燃料を供給するインジェクタと該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、前記内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する点火回路と、少なくとも前記インジェクタ及び点火回路を制御する制御装置と、前記内燃機関により駆動される交流発電機を電源として前記インジェクタと燃料ポンプと点火回路と制御装置とに電源電圧を与える電源部とを備えた内燃機関用燃料噴射・点火装置において、
前記電源部は、前記発電機を電源とする電圧調整機能付きの電源回路から電源ラインを通して前記インジェクタ及び点火回路の一方と前記制御装置と前記燃料ポンプとに電源電圧を与え、前記インジェクタ及び点火回路の他方には前記電源回路とは別系統の回路を通して電源電圧を与えるように構成され、
前記制御装置は、前記電源ラインから電源電圧が与えられる要素のうち、前記燃料ポンプ以外の要素の最低動作電圧に相当する電圧以上に定めた電圧を基準電圧として、前記内燃機関を始動する過程で前記電源ラインの電圧を前記基準電圧以上に保つように、前記燃料ポンプの駆動電流をPWM制御するポンプ駆動電流制御手段を備えている内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 前記インジェクタ、点火回路、制御装置及び燃料ポンプ以外の負荷が通電制御用スイッチ手段を通して前記電源ラインに接続され、
前記制御装置は、前記内燃機関の始動時に前記通電制御用スイッチをオフ状態にし、前記内燃機関の始動が完了した後は前記電源ラインの電圧を前記基準電圧以上に設定された目標電圧に保つように前記通電制御用スイッチをPWM制御する通電用スイッチ制御手段を更に備えている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 前記電源回路は、ダイオードとサイリスタとの混合ブリッジ回路からなる制御整流回路を備えて該制御整流回路から前記電源ラインに電源電圧を出力するように構成され、
前記電源ラインの電圧を予め定められた制限値以下に制限するように前記サイリスタを制御するサイリスタ制御手段が前記電源部または前記制御装置に設けられている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 前記発電機は磁石発電機からなり、
前記電源回路は、前記発電機の出力電圧を整流する整流回路と、前記発電機の出力を短絡する出力短絡用スイッチとを備えて前記整流回路から前記電源ラインに電源電圧を出力するように構成され、
前記電源ラインの電圧が予め定められた制限値を超えたときに前記発電機の出力を短絡するように前記出力短絡用スイッチを制御する出力短絡用スイッチ制御手段が前記電源部または前記制御装置に設けられている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射・点火装置。 - 前記電源回路は、前記発電機の出力電流を整流する整流器と前記発電機の出力電流を断続させるチョッパ用スイッチとを備えて、前記整流器により整流され、前記チョッパ用スイッチにより電圧が調整された電圧を前記電源ラインに出力するように構成され、
前記内燃機関の回転速度が低く、前記電源ラインの電圧が予め定めた制限値よりも低いときには前記電源ラインの電圧を昇圧し、前記電源ラインの電圧が前記制限値を超えたときには前記電源ラインの電圧を下降させるように前記チョッパ用スイッチを制御するチョッパ制御手段が前記電源部または前記制御装置に設けられている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射・点火装置。
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