JP3024456U - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関用燃料噴射装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁石発電機を電源として内燃機関の極低速時か
ら動作を行なうことができるようにした内燃機関用燃料
噴射装置を提供する。 【解決手段】内燃機関により駆動される磁石発電機1を
電源とした整流電源部10と、MOSFET F1 ,F
2 により磁石発電機1の出力端子間を短絡するスイッチ
回路2と、整流電源部10の出力が設定値以下のときに
MOSFETをオンオフさせ、整流電源部の出力電圧が
設定値を超えたときにMOSFETをオフ状態に保持す
るFET制御回路5とを設ける。内燃機関の低速時にM
OSFETをオンオフさせることにより磁石発電機1の
出力電圧を昇圧して、ポンプモータ22を含む負荷20
を駆動する電圧を得る。整流電源部10の出力電圧が設
定値を超えたときにMOSFET F1 ,F2 のオンオ
フ動作を停止させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、内燃機関に燃料を供給する内燃機関用燃料噴射装置に関するもので ある。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用燃料噴射装置は、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射するように 設けられたインジェクタと、噴射指令パルスが与えられたときに電源回路からイ ンジェクタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路と、電源回路の出力により 駆動されるポンプモータにより駆動されてインジェクタに燃料を供給する燃料ポ ンプと、燃料ポンプからインジェクタに供給される燃料の圧力と燃料噴射空間の 圧力または大気圧との差圧を設定値に保つように制御するプレッシャレギュレー タと、インジェクタからの燃料噴射量を各回転速度における要求噴射量に等しく するようにインジェクタ駆動回路に噴射指令パルスを与える燃料噴射制御装置と により構成される。
【0003】 燃料ポンプはポンプモータにより駆動されるポンプで、燃料タンク内の燃料を 吸い出してインジェクタに供給する。
【0004】 インジェクタは、先端に噴射口を有するバルブボディと、該バルブボディ内に 設けられて噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動するソ レノイドコイルとを備えていて、バルブボディ内に燃料ポンプから燃料が与えら れている。
【0005】 インジェクタのソレノイドコイルには、噴射指令パルスによりオンオフさせら れるトランジスタ等のスイッチング素子を備えたインジェクタ駆動回路を通して 駆動電流が与えられる。インジェクタ駆動回路に噴射指令パルスが与えられると 、該駆動回路内のスイッチング素子がオン状態になってインジェクタのソレノイ ドコイルに駆動電流を流す。これによりニードルバルブが開いて燃料ポンプから 与えられている燃料を噴射する。インジェクタから噴射される燃料の量(燃料噴 射量)は、噴射口が開かれている時間(噴射時間)と、燃料ポンプからインジェ クタに与えられる燃料の圧力と燃料噴射空間の圧力との差圧とにより決る。噴射 時間は噴射指令パルスのパルス幅により決り、インジェクタに供給される燃料の 圧力はプレッシャレギュレータによりほぼ一定に保たれているため、燃料噴射量 は噴射指令パルスのパルス幅によりほぼ一義的に決る。
【0006】 上記のように、燃料噴射装置は、インジェクタと、燃料ポンプと、インジェク タを制御する制御装置とを必要とし、これらを駆動するために直流電源を必要と するため、従来の燃料噴射装置は、もっぱらバッテリが搭載される乗物を駆動す る内燃機関に適用されていた。しかしながら、最近、バッテリを搭載しない車両 や作業機等を駆動する内燃機関にも燃料噴射装置を適用することが検討されてお り、そのために、機関に取り付けられた磁石発電機を電源とする電源回路により 、燃料ポンプ、インジェクタ及びこれらを制御する制御装置を駆動することが試 みられている。
【0007】 またバッテリを搭載している場合でも、バッテリが過放電状態になった場合に は、燃料噴射装置を動作させることができなくなるため、バッテリを用いずに燃 料噴射装置を動作させ得るようにしておくことが望ましい。特に、船外機の場合 には、洋上で内燃機関を運転することができなくなると帰港することができなく なるため、バッテリを搭載している場合であっても、バッテリを用いずに機関を 運転し得るようにしておくことが望ましい。
【0008】 燃料噴射装置を用いた内燃機関においてその始動性を良好にするためには、始 動回転数を充分に低くする必要があり、そのためには、回転速度が非常に低い状 態でも燃料噴射装置を動作させ得るようにしておく必要がある。その場合、特に 電力を必要とするポンプモータを機関の極低速時にも駆動して、インジェクタに 所定の圧力で燃料を供給することが必要になる。
【0009】 内燃機関により駆動される磁石発電機を電源とした電源回路において、内燃機 関の極低速時にもポンプモータを駆動するために必要な出力を得るために、発電 コイルの巻数を多くしてその出力電圧を高くすることが考えられる。ところが発 電コイルの巻数を多くすると該発電コイルのインダクタンスが増加する上にコイ ルの抵抗が増加するため、発電コイルのインピーダンスが大きくなる。発電コイ ルのインピーダンスが大きくなると、内燃機関の中高速運転時に発電機の出力電 圧が低下し、燃料噴射装置に充分な電力を供給することができなくなる。
【0010】 このように、内燃機関の回転数が低いときに磁石発電機が発生する出力電圧を 高めるという要求と、内燃機関の中高速運転時に負荷に充分な電力を供給すると いう要求は、磁石発電機にとって相反するものであるため、両者を満足させるこ とは困難であった。
【0011】 そこで、特開平5−344798号及び特開平5−344799号に示されて いるように、発電コイルの誘起電圧を整流する全波整流回路と、発電コイルの各 出力端子と全波整流回路の負極側の直流出力端子との間にコレクタエミッタ間回 路を接続した昇圧用スイッチとしてのトランジスタと、各トランジスタをオンオ フさせる制御回路とを備えた電源回路を用いることが考えられる。この電源回路 では、各トランジスタが導通したときに該トランジスタと全波整流回路を構成す るダイオードの内の1つとを通して発電コイルに短絡電流を流し、各トランジス タが遮断したときに該短絡電流を遮断して発電コイルに昇圧された電圧を誘起さ せる。この電圧は全波整流回路により整流されて負荷に供給される。
【0012】 このような構成によれば、機関の低速時にも磁石発電機の発電コイルに高い電 圧を誘起させることができるため、機関の低速運転時にも燃料噴射ポンプを駆動 することができる。また磁石発電機の発電コイルの巻数を少くしてそのインピー ダンスを小さくすることができるため、機関の中高速運転時に発電機の出力電圧 が低下するのを防ぐことができる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】
特開平5−344798号及び特開平5−344799号に示された電源回路 では、昇圧用スイッチを構成するトランジスタが導通した際に、発電コイルを短 絡する回路にダイオードとトランジスタのコレクタエミッタ間回路とが直列に接 続された状態で存在することになるため、磁石発電機の出力電圧がトランジスタ のコレクタエミッタ間飽和電圧VCEとダイオードの順方向電圧降下(ダイオード に順方向の電流が流れた時に該ダイオードの両端に生じる電圧降下)VF との和 VCE+VF に相当するしきい値電圧(threshold voltage)Vt を超えないと発電 コイルの短絡電流を流すことができない。そのため、人力により機関を始動する 際のように、機関の回転数がきわめて低く、発電コイルの誘起電圧が極めて低い ときにトランジスタのオンオフによる昇圧動作を行わせることができず、燃料噴 射装置を動作させることができない。
【0014】 またトランジスタを昇圧用のスイッチとして用いて、磁石発電機の出力電圧を 昇圧する昇圧回路を備えた従来の電源回路を用いた場合には、トランジスタのス イッチング損失が比較的大きいため、該トランジスタからの発熱が多くなり、大 形のヒートシンクが必要になって装置が大形になるのを避けられない。
【0015】 本考案の目的は、磁石発電機を電源として内燃機関の極低速時から動作を行な うことができるようにした内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
【0016】 本考案の他の目的は、磁石発電機の出力を昇圧するために電源回路に設けるス イッチ回路でのスイッチング損失を少なくして、電源回路からの発熱を少くする ことができるようにした内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本考案は、内燃機関により駆動されて単相または多相の交流出力を発生する磁 石発電機と、該磁石発電機から得られる交流電圧を整流する整流回路と該整流回 路の出力を設定値以下に保つように制御する電圧調整器とを有する整流電源部を 備えた電源回路と、駆動電流が与えられたときに内燃機関の燃料噴射空間に燃料 を噴射するインジェクタと、電源回路の出力により駆動されるポンプモータによ り駆動されてインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、燃料噴射時間を決定 する噴射指令パルスを発生するインジェクタ制御装置と、噴射指令パルスが発生 したときにインジェクタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備えた内 燃機関用燃料噴射装置に係わるものである。
【0018】 本考案においては、上記電源回路に、MOSFETをスイッチング素子として 磁石発電機の出力端子間を短絡するように設けられたスイッチ回路と、整流電源 部の出力電圧が設定値以下のときにスイッチ回路のMOSFETに矩形波状の駆 動信号を与えて該MOSFETをオンオフさせ、整流電源部の出力電圧が設定値 よりも高いときにはMOSFETをオフ状態に保つように整流電源部の出力電圧 に応じてMOSFETを制御するFET制御回路とを更に設ける。
【0019】 なお本考案において、MOSFETの駆動信号とは、MOSFETをオンオフ させるために該MOSFETのゲートソース間に与える電圧信号を意味し、オン レベルとオフレベルとを有する。駆動信号のオンレベルは、MOSFETをオン 状態にするために該MOSFETのゲートソース間に与える電圧のレベルであり 、駆動信号のオフレベルはMOSFETをオフ状態にするために該MOSFET のゲートソース間に与える電圧のレベルである。
【0020】 MOSFETは、駆動信号が与えられている状態では抵抗と同じように動作し 、該MOSFETを導通させるために必要な印加電圧のしきい値は実質的に零に なるため上記のように、MOSFETを用いたスイッチ回路により磁石発電機の 発電コイルを流れる電流を断続させて磁石発電機の出力電圧を昇圧するようにす ると、磁石発電機が僅かでも電圧を誘起すればMOSFETを通して発電コイル に電流を流して昇圧動作を行わせることができる。従って、機関の極低速時にも 燃料噴射装置に比較的高い電圧を供給することができ、機関の極低速時から燃料 噴射装置を動作させることができる。
【0021】 また上記のように、整流電源部の出力電圧が設定値以下のときにのみMOSF ETのオンオフ動作を行わせるようにすると、MOSFETがオンオフ動作を行 う期間を機関の始動時の短い期間に制限してMOSFETの発熱を少なくするこ とができる。従って、MOSFETのヒートシンクを小形にすることができ、燃 料噴射装置の電源部分が大形化するのを防ぐことができる。
【0022】
【考案の実施の形態】
内燃機関用燃料噴射装置は、駆動電流が与えられたときに内燃機関の燃料噴射 空間に燃料を噴射するインジェクタと、ポンプモータにより駆動されてインジェ クタに燃料を供給する燃料ポンプと、燃料噴射時間を決定する噴射指令パルスを 発生するインジェクタ制御装置と、噴射指令パルスが発生したときにインジェク タに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備えている。
【0023】 本考案においては、内燃機関により駆動される磁石発電機の出力端子間に得ら れる交流電圧を整流して設定値以下に調整された直流電圧を発生する電圧調整機 能付きの整流電源部を備えた電源回路により少なくとも上記ポンプモータを駆動 する。
【0024】 一般に、内燃機関により駆動される磁石発電機は、n個(nは2以上の整数) の出力端子を有していて、出力端子間に単相または多相の交流出力を発生する。 電源回路に設ける整流電源部は、磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流 電圧を整流する整流回路と該整流回路の出力を設定値以下に保つように制御する 電圧調整器とにより構成される。
【0025】 本考案を実施する場合には、上記電源回路に、MOSFETをスイッチング素 子として磁石発電機の出力端子間を短絡するように設けられたスイッチ回路と、 整流電源部の出力電圧が設定値以下のときにスイッチ回路のMOSFETに矩形 波状の駆動信号を与えて該MOSFETをオンオフさせ、整流電源部の出力電圧 が設定値よりも高いときにはMOSFETをオフ状態に保つように整流電源部の 出力電圧に応じてMOSFETを制御するFET制御回路とを更に設ける。
【0026】 本考案においては、ソースが共通に接続された複数のMOSFETにより上記 のスイッチ回路を構成して、該複数のMOSFETのドレインを磁石発電機の複 数の出力端子(異なる出力端子)に接続する構成をとることができる。
【0027】 この場合FET制御回路は、整流電源部の出力電圧が設定値以下のときにスイ ッチ回路の複数のMOSFETに繰り返し発生する同位相の矩形波状の駆動信号 を与えて該複数のMOSFETを同時にオンオフさせ、整流電源部の出力電圧が 設定値よりも高いときには複数のMOSFETをオフ状態に保つように整流電源 部の出力電圧に応じて複数のMOSFETを制御するように構成する。
【0028】 上記スイッチ回路は、磁石発電機の出力端子の数と同数のn個のNチャンネル 形のMOSFETにより構成することができる。この場合には、カソードが共通 に接続されたn個の整流用ダイオードのアノードをそれぞれ磁石発電機のn個の 出力端子に接続して、n個のMOSFETのドレインソース間に存在する寄生ダ イオードとn個の整流用ダイオードとによりダイオードブリッジ全波整流回路を 構成し、該ダイオードブリッジ全波整流回路の出力及び整流電源部の出力を電源 回路の出力端子間に印加するようにする。
【0029】 また上記スイッチ回路をn個のPチャンネル形のMOSFETにより構成する 場合には、アノードが共通接続されたn個の整流用ダイオードのカソードをそれ ぞれ磁石発電機のn個の出力端子に接続して、n個のMOSFETのドレインソ ース間の寄生ダイオードとn個の整流用ダイオードとによりダイオードブリッジ 全波整流回路を構成し、該ダイオードブリッジ全波整流回路及び整流電源部の出 力を電源回路の出力端子間に印加する構成とする。
【0030】 上記FET制御回路は、磁石発電機を電源として動作するように設けることが 好ましい。
【0031】 電源部の構成を簡単にするためには、インジェクタ駆動回路及びインジェクタ 制御装置もポンプモータを駆動する上記の電源回路により駆動するようにするの が好ましい。またポンプモータとインジェクタ駆動回路とインジェクタ制御装置 とを上記の電源回路により駆動するように構成しておけば、燃料噴射装置を磁石 発電機の出力だけで駆動できるため、バッテリを全く使用できない場合でも機関 を運転することができる。
【0032】 しかしながら、インジェクタ駆動回路やその制御装置は僅かな電力でも駆動で きるため、必ずしも上記のように昇圧機能を有する電源回路を用いる必要はない 。例えば、磁石発電機の出力を整流して設定値以下の直流電圧を発生する電圧調 整機能付きの整流回路を別途設けて、該整流回路の出力によりインジェクタ及び その制御装置を駆動するようにしてもよい。
【0033】 また内燃機関により駆動される乗物や作業機において、乾電池や、ニッケルカ ドミウム電池等の小形の二次電池からなる補助電源を設けることができる場合に は、機関の始動時等の極低速時に該補助電源の出力によりインジェクタ駆動回路 やインジェクタ制御装置を駆動するようにしてもよい。
【0034】
【実施例】
図1は磁石発電機が単相交流出力を発生する場合の内燃機関用燃料噴射装置F ISの実施例を示したものである。同図において1は内燃機関により駆動される 磁石発電機、10は磁石発電機1の出力を全波整流して設定値を超えないように 調整された直流電圧を出力する整流電源部、11は磁石発電機1の出力電圧を昇 圧する昇圧回路であり、整流電源部10と、昇圧回路11とにより電源回路4が 構成されている。
【0035】 この実施例の磁石発電機1は、内燃機関の出力軸に取り付けられた磁石回転子 と、機関のケースやカバーに設けられた固定子取付部に固定された固定子とから なる周知のもので、この例では固定子側に設けられた発電コイルW1 が単相の交 流出力を発生するように結線されて、該発電コイルの両端から出力端子1a,1 bが引き出されている。機関の高速時にも発電コイルW1 から大きな電流を取り 出すことができるようにするため、発電コイルW1 としては、その巻数が少なく 、インピーダンスが低いものを用いる。
【0036】 整流電源部10は、磁石発電機1の2つの出力端子1a,1bにそれぞれアノ ードが接続され、カソードが共通接続されたダイオードD21及びD22と、出力端 子1a,1bにカソードが接続され、アノードが共通接続されたダイオードD31 及びD32とからなる周知のダイオードブリッジ単相全波整流回路10Aと、整流 回路10Aの出力電圧を設定値以下に制限するように磁石発電機1の出力電圧を 制御する電圧調整器10Bとからなっており、整流回路10Aの交流入力端子に 磁石発電機1の出力電圧が入力されている。整流電源部10の正極側の直流出力 端子10aはスイッチSWを介してバッテリ7の正極端子に接続され、整流電源 部10の負極側の出力端子10bはバッテリ7の負極端子とともに接地されてい る。
【0037】 電圧調整器10Bは、磁石発電機の出力端子1a,1bにそれぞれアノードが 接続され、カソードが接地されたサイリスタTh1及びTh2と、整流回路10Aの 出力電圧に応じてサイリスタTh1及びTh2へのトリガ信号の供給を制御する制御 回路10B1とからなっている。制御回路10B1は、整流回路10Aの出力電圧が 設定値以下のときにサイリスタTh1及びTh2へのトリガ信号の供給を停止してお り、整流回路10Aの出力電圧が設定値を超えたときにサイリスタTh1及びTh2 にトリガ信号を供給する。したがって磁石発電機の回転数が低く、その出力電圧 が低いときには、サイリスタTh1及びTh2が遮断状態を保持して磁石発電機の出 力電圧がそのまま整流回路10Aを通して負荷に供給されるのを許容し、磁石発 電機の回転数が上昇して整流回路10Aの出力電圧が設定値を超えるようになる とサイリスタTh1及びTh2が導通して磁石発電機1の出力を負荷から側路し、整 流回路の出力電圧を低下させる。これらの動作により整流回路10Aの出力電圧 が設定値以下に制限され、磁石発電機がある程度以上の回転数で回転している状 態では整流回路10Aの出力電圧が設定値に保たれる。
【0038】 昇圧回路11は、ドレインが磁石発電機の出力端子1a及び1bにそれぞれ接 続されたNチャンネル形のパワーMOSFET F1 及びF2 からなるスイッチ 回路2と、アノードが磁石発電機の出力端子1a及び1bに接続された整流用ダ イオードD11及びD12と、FET制御回路5と、平滑用コンデンサCo と、整流 電源部10と昇圧回路11との間の干渉を断つためのダイオードD4 とにより構 成されている。
【0039】 MOSFET F1 及びF2 のソース及び整流用ダイオードD11及びD12のカ ソードがそれぞれ共通に接続されて、MOSFET F1 及びF2 のドレインソ ース間に存在する寄生ダイオードDf1及びDf2と整流用ダイオードD11及びD12 とによりダイオードブリッジ単相全波整流回路3が構成されている。整流回路3 の正極性側の直流出力端子3aは電源回路4の正極性側の出力端子4aに接続さ れ、該整流回路3の負極側の直流出力端子3bは電源回路4の負極側の出力端子 子4bとともに接地されている。整流回路3の正極側直流出力端子3aと電源回 路の出力端子4aとの接続点にダイオードD4 のカソードが接続され、該ダイオ ードD4 のアノードに整流電源部10の正極性側の出力端子10aが接続されて いる。
【0040】 FET制御回路5は、タイマIC5Aと、該タイマICの所定の端子に接続さ れた抵抗R1 ないしR3 及びコンデンサC1 ,C2 とからなる無安定マルチバイ ブレータと、トランジスタTr1、ツェナーダイオードZD1 、抵抗R4 〜R6 、 及びコンデンサC3 からなるリセット回路5Bとにより構成されている。
【0041】 本実施例で用いているタイマIC5Aは、日本電気株式会社が製造しているμ PD5555(商品名)で、図示の端子a及びbはそれぞれアース端子及びトリ ガ端子、c及びdはそれぞれ出力端子及びリセット端子である。またe及びfは それぞれコントロール端子及びスレッシュホールド端子、g及びhはそれぞれデ ィスチャージ端子及び電源端子である。
【0042】 タイマICの電源端子hは整流回路3の出力端子3aに接続されるとともにダ イオードD4 を通して整流電源部10の出力端子10aに接続され、磁石発電機 1から整流回路3及び整流電源部10を通してタイマIC5Aに電源電圧VDDが 与えられている。すなわちタイマICは、磁石発電機を電源として動作するよう になっている。
【0043】 またタイマICのディスチャージ端子gと電源端子hとの間及びデイスチャー ジ端子gとスレシュホールド端子fとの間にそれぞれ抵抗R1 及びR2 が接続さ れ、スレシュホールド端子fと接地間にはコンデンサC1 が接続されている。タ イマICのトリガ端子bはスレシュホールド端子fに接続され、リセット端子d は抵抗R3 を通して電源端子に接続されている。またコントロール端子eと接地 間にはコンデンサC2 が接続されている。
【0044】 リセット回路5BのトランジスタTr1のエミッタは接地され、コレクタはタイ マICのリセット端子dに接続されている。整流電源部10の出力端子10a, 10b間に抵抗R4 及びR5 の直列回路からなる分圧回路が接続され、該分圧回 路の分圧点にツェナーダイオードZD1 のカソードが接続されている。ツェナー ダイオードのアノードはトランジスタTr1のベースに接続され、抵抗R5 の両端 に得られる分圧出力電圧がツェナーダイオードZD1 のツェナー電圧を超えたと きにトランジスタTr1にベース電流が与えられるようになっている。
【0045】 トランジスタTr1のベースエミッタ間には抵抗R6 が接続され、抵抗R5 の両 端にはコンデンサC3 が接続されている。抵抗R4 及びR5 からなる分圧回路に より整流電源部10の出力電圧を検出する電圧検出回路が構成され、整流電源部 10の出力電圧が設定値に達したときに、電圧検出回路の出力電圧がツェナーダ イオードZD1 を導通させ得るレベルに達するようになっている。整流電源部1 0の出力電圧が設定値を超えている状態では、ツェナーダイオードZD1 が導通 してトランジスタTr1にベース電流が与えられるため、該トランジスタが導通し 、これにより、タイマICのリセット端子dの電位を低レベルにして該タイマI Cをリセットする。整流電源部10の出力電圧の設定値(リセット回路がリセッ ト動作を行うときの整流電源部の出力電圧値)は、該整流電源部の調整電圧より も低い値( 例えば10[V])に設定されている。バッテリの電圧が12[V] の場合、整流電源部10の設定値は14.5[V]程度に設定される。
【0046】 平滑用コンデンサCo は電源回路4の出力端子4a,4bの両端に接続されて いる。
【0047】 図示の例では、燃料噴射装置FISの電気的構成部分の全てが負荷20として 電源回路4の出力端子4a,4b間に接続されている。負荷20は、燃料噴射装 置の構成部品の内、電源を必要とする部分であって、内燃機関の吸気管内等の燃 料噴射空間に燃料を噴射するインジェクタ21と、ポンプモータ22と、インジ ェクタ21のバルブが開く時間(燃料噴射時間)を決定する噴射指令パルスVj を発生するインジェクタ制御装置23と、噴射指令パルスVj が発生したときに インジェクタ21に駆動電流を流すインジェクタ駆動回路24とからなっている 。
【0048】 燃料噴射装置FISはまた、機械的構成部分として、ポンプモータ22により 駆動されて燃料タンク25から吸い出した燃料をインジェクタ21に与える燃料 ポンプ26と、該燃料ポンプ26からインジェクタ21に与えられる燃料の圧力 と内燃機関の燃料噴射空間の圧力または大気圧との差圧を設定値に保つように制 御する圧力調整器27とを有している。
【0049】 インジェクタ21は、先端に噴射口を有するバルブボディと、該バルブボディ 内に設けられて噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動す るソレノイドコイルとを備えていて、バルブボディ内に燃料ポンプ26から燃料 が与えられている。
【0050】 圧力調整器27は、インジェクタの入口側の圧力と内燃機関の燃料噴射空間の 圧力または大気圧とを検出して、インジェクタの入口側の圧力と内燃機関の燃料 噴射空間の圧力または大気圧との差圧が設定値を超えたときに開くバルブを備え ていて、該バルブを通して燃料ポンプからインジェクタに与えられる燃料の一部 を燃料タンク25に戻すことにより上記差圧を設定値に保つ。
【0051】 インジェクタ21のソレノイドコイルには、インジェクタ駆動回路24を通し て駆動電流が与えられる。インジェクタ駆動回路24は、噴射指令パルスVj に よりオンオフさせられるトランジスタ等のスイッチング素子を備えていて、噴射 指令パルスVj が与えられたときに該スイッチング素子がオン状態になってイン ジェクタ21のソレノイドコイルに駆動電流を流す。これによりニードルバルブ が開いて燃料ポンプ26から与えられている燃料を噴射する。インジェクタから 噴射される燃料の量(燃料噴射量)は、噴射口が開かれている時間(燃料噴射時 間)と、燃料ポンプからインジェクタに与えられる燃料の圧力と燃料噴射空間の 圧力または大気圧との差圧とにより決る。燃料噴射時間は噴射指令パルスVj の パルス幅により決り、インジェクタに供給される燃料の圧力はプレッシャレギュ レータによりほぼ一定に保たれているため、燃料噴射量は噴射指令パルスのパル ス幅によりほぼ一義的に決る。
【0052】 インジェクタ制御装置23をマイクロコンピュータにより構成する場合には、 電源回路4の出力電圧をマイクロコンピュータを駆動するのに適した一定の電圧 まで低下させるレギュレータを該制御装置23内に設ける。
【0053】 タイマICを用いた無安定マルチバイブレータにおいては、タイマICのトリ ガ端子bがスレシュホールド端子fに接続されているため、該タイマICが自己 トリガされて無安定動作を行う。タイマICの出力電圧(出力端子cと接地間の 電圧)が高レベルの状態にあるときには、電源電圧により抵抗R1 及びR2 を通 してコンデンサC1 が充電される。コンデンサC1 の両端の電圧が電源電圧VDD の2/3に達すると、スレシュホールド端子fがオンの状態になって出力電圧を 低レベルの状態にする。このときコンデンサC1 の電荷は抵抗R2 とディスチャ ージ端子gとを通して放電する。この放電によりコンデンサC1 の端子電圧が( 1/3)VDDまで低下すると、トリガ端子bがオン状態になり、出力電圧を高レ ベルの状態にする。これにより再び電源電圧により抵抗R1 及びR2 を通してコ ンデンサC1 が充電される。これらの動作の繰り返しにより、出力端子cと接地 間に矩形波状の電圧が発生する。この矩形波状の電圧がMOSFET F1 及び F2 のゲートに駆動信号VGSとして与えられている。この無安定マルチバイブレ ータの発振は、タイマICの電源端子hに電源電圧VDDが印加されたときに開始 され、整流電源部10の出力電圧が設定値を超えてリセット回路5Bのトランジ スタTr1が導通状態になったときに停止する。
【0054】 上記の無安定マルチバイブレータにおいて、出力電圧が高レベルの状態にある ときのコンデンサC1 の充電時間をt1 とし、出力電圧が低レベルの状態にある ときのコンデンサC1 の放電時間をt2 とすると、 t1 =0.693(R1 +R2 )C1 …(1) t2 =0.693 ・R2 ・C1 …(2) で与えられる。従って出力される矩形波信号の周期Tは、 T=t1 +t2 =0.693(R1 +2R2 )C1 …(3) で与えられ、発振周波数fは、 f=1/T=1.44/(R1 +2R2 )C1 …(4) で与えられる。この発振周波数は発電コイルW1 の出力周波数よりも十分に高く 設定しておく。
【0055】 また矩形波信号のデューティサイクルD(=t2 /T)は、 D=R2 /(R1 +2R2 ) …(5) で与えられる。
【0056】 図1の実施例において、整流電源部10の出力電圧の設定値(リセット回路5 Bがリセット動作を行う電圧値)は、ポンプモータ6を正常に動作させるために 必要な電圧値(例えば10[V])に設定されている。
【0057】 本実施例において、バッテリ7を使用できない状態で、機関の始動操作が行わ れた場合を考える。この場合、機関の始動操作が行われると、磁石発電機1が交 流電圧を発生する。この交流電圧は整流回路10Aにより整流され、該整流回路 10Aの出力がダイオードD4 を通して出力端子4a,4b間に印加される。最 初はこの直流電圧が設定値よりも低いため、抵抗R4 及びR5 からなる分圧回路 の出力電圧がツェナーダイオードZD1 を導通させるレベルに達しない。そのた めトランジスタTr1は導通せず、該トランジスタTr1はタイマIC5Aの動作に 何の影響も与えない。
【0058】 発電機1の出力電圧はまた整流回路3を通して出力端子4a,4bに与えられ るとともに、タイマIC5Aの電源端子に与えられる。タイマIC5Aは3[V ]程度の低電圧で動作を開始するため、該タイマICを用いた無安定マルチバイ ブレータが発振して一定の周波数fの矩形波信号を出力し、この矩形波信号が駆 動信号VGSとしてMOSFET F1 及びF2 のゲートソース間に同時に与えら れる。従ってMOSFET F1 及びF2 が同時にオンオフ動作を行って昇圧動 作が行われる。
【0059】 MOSFET F1 及びF2 からなるスイッチ回路2による昇圧動作は次の通 りである。
【0060】 FET制御回路3は、発電コイルW1 の出力周波数よりも十分に高い周波数の 矩形波信号(図2A)を発生し、この矩形波信号がMOSFET F1 及びF2 のゲートソース間に同位相の駆動信号VGSとして与えられて、両FETが同時に 駆動される。MOSFET F1 及びF2 のゲートソース間にゲートがソースに 対して正電位になる極性の駆動信号VGSが与えられると、両FET F1 及びF 2 が導通し得る状態になり、それぞれのドレインソース間にドレインがソースに 対して正電位になる極性の電圧が僅かでも印加されると両FETにドレイン電流 が流れて、駆動信号VGSが与えられている期間Tonの間発電コイルW1 に短絡電 流が流れる。駆動信号VGSが零になると、FET F1 及びF2 が遮断状態にな るため、発電コイルW1 を流れていた短絡電流が遮断され、該発電コイルW1 に それまで流れていた短絡電流を流し続けようとする向きの昇圧された電圧Vep( 図2B参照)が誘起する。この電圧により発電コイルW1 に図2(C)に示した ような電流Ie が流れ、ダイオードD1 及びD2 と寄生ダイオードDf1及びDf2 とにより構成される全波整流回路を通して負荷20に図2(E)に示すような負 荷電流IL が流れる。図2(D)は負荷20の両端の電圧VL の波形を示してい る。
【0061】 図1に示した電源装置では、図5(A)のように、2つのMOSFET F1 及びF2 により発電コイルW1 の短絡回路(昇圧用スイッチ回路)が構成される 。MOSFETは双方向性を有するため、これら2つのMOSFETのみにより 発電コイルW1 の短絡回路を構成することにより、発電コイルW1 の出力電圧の 正負の両半サイクルにおいて短絡電流を流すことができる。従って、発電コイル W1 の短絡回路に整流用のダイオードが挿入されることはない。
【0062】 これに対し、発電コイルの誘起電圧を整流する全波整流回路と、発電コイルの 各出力端子と全波整流回路の負極側の出力端子との間にコレクタエミッタ間回路 を接続したトランジスタとにより昇圧整流回路を構成した場合には、発電コイル W1 に短絡電流を流す回路が図5(B)のようになり、発電コイルに短絡電流を 流す回路に、ダイオードDo とトランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路と の直列回路が存在することになる。
【0063】 図5(B)のように、発電コイルW1 の両端にトランジスタTRo のコレクタ エミッタ回路とダイオードDo との直列回路が存在する場合には、磁石発電機の 出力電圧がトランジスタTRo のコレクタエミッタ間飽和電圧VCEとダイオード Do の順方向電圧降下VF との和に相当するしきい値電圧Vt を超えないと短絡 電流を流すことができない。例えば、図5(B)のトランジスタとして株式会社 東芝の製造になる2SC3710を用いると、温度が25℃のときにコレクタエ ミッタ間飽和電圧VCEが0.04[V]以上の値を示す。またダイオードDo と して株式会社東芝の製造になる20DL2C41Aを用いると、温度が25℃の ときに順方向電圧降下が0.6[V]以上の値を示す。この場合、発電コイルW o の誘起電圧がしきい値電圧Vt =VCE+VF =0.64[V]を超えないと発 電コイルに短絡電流を流すことができない。
【0064】 ここで、磁石発電機の極低速時の(100[rpm] 〜300[rpm])の出力電圧 Vo に対する出力電流Io の特性の一例を示すと、例えば図6の通りである。図 6において、Nは内燃機関の回転数[rpm]を示している。このような特性を 有する磁石発電機を用い、トランジスタTRo 及びダイオードDo として上記の ものを用いて、図5(B)に示したような昇圧用スイッチ回路を構成した場合、 発電コイルW1 に接続される負荷の負荷直線は、図6の直線aのようになる。こ の場合、発電コイルW1 からダイオードDo とトランジスタTRo とを通して流 した短絡電流を遮断することにより昇圧動作を行わせるためには、発電機がしき い値電圧Vt =0.64[V]を超える電圧を誘起する必要がある。内燃機関の 回転数が低く、発電機の出力電圧が0.64[V]に達しないときには、発電コ イルW1 に短絡電流を流すことができないため昇圧動作は行われない。
【0065】 これに対し、本考案では、図5(A)に示すように発電コイルW1 を短絡する 回路にダイオードが存在せず、またMOSFETは双方向性を有していて、駆動 信号が与えられている状態では抵抗と同じように働くため、各MOSFETのソ ースドレイン間に僅かでも電圧VSDが与えられるとドレイン電流ID が流れる。 例えば各MOSFETとして、株式会社日立製の2SK1911を用いるものと すると、その導通時のドレインソース間抵抗RDS対ドレイン電流ID 特性は図7 に示す通りであり、逆ドレイン電流IDR対ソースドレイン間電圧VSD特性は図8 に示す通りである。図7及び図8においてVGSはFETのゲートソース間に印加 される駆動信号である。これらより、MOSFETのゲートソース間にソースが ゲートに対して正電位になる極性の駆動信号VGSが印加されている状態では、ド レインソース間抵抗が広い範囲で一定値を示し、ドレイン電流とソースドレイン 間電圧VSDとの間にはほぼ比例関係があること、即ち、FETをほぼ抵抗と見做 し得ることが分かる。
【0066】 そのため、発電コイルW1 の両端を駆動信号が与えられている2つのMOSF ET F1 及びF2 の直列回路(昇圧用スイッチ回路)を通して接続した回路は 、発電コイルの両端を抵抗を介して接続した回路と等価になり、2つのMOSF ETに同時に駆動信号が与えられている状態での発電機の負荷直線は図6の直線 bのように原点(0,0)を通る直線になる。従って、MOSFETを導通させ るために必要なしきい値電圧は実質的に零になり、磁石発電機の発電コイルに僅 かでも電圧が誘起すると2つのMOSFET F1 及びF2 を通して発電コイル W1 に短絡電流が流れることになる。そのため内燃機関をロープスタートする場 合のように、機関の回転数がきわめて低い場合であっても、発電コイルに僅かで も電圧が誘起すればMOSFET F1 及びF2 を導通させて該発電コイルに短 絡電流を流すことができ、MOSFET F1 及びF2 の駆動信号が消滅して該 短絡電流が遮断されたときに発電コイルに昇圧された電圧を誘起させることがで きる。
【0067】 今磁石発電機1が図3に示すような無負荷電圧波形を有する交流電圧Ve を発 生するものとする。図4(A)は図3の時間軸を拡大して発電機の出力電圧の零 点付近(図3のA部)の波形を示したものであり、同図(B)は各MOSFET のゲートに与えられる駆動信号VGSの波形を示したものである。また図4(C) は発電コイルW1 に流れる電流Ie の波形を示している。本考案によれば、電圧 Ve がほとんど零に近くなった状態でも電流Ie が流れる。従って、発電コイル W1 の誘起電圧がきわめて低い状態から該発電コイルに短絡電流を流すことがで き、機関の回転速度が低い状態でも該短絡電流の遮断により電圧を誘起させて負 荷を駆動することができる。
【0068】 これに対し、図5(B)に示したように、発電コイルW1 の短絡回路がダイオ ードDo とトランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路との直列回路により構 成される場合には、図4(D)に示したように、発電機の出力電圧Ve がしきい 値電圧Vt を下回ると発電コイルに電流Ie ´を流すことができなくなるため、 短絡電流を流すことができる期間が短くなり、機関をロープスタートする際等の 極低速時に負荷に供給できる直流電流の総量が減少する。
【0069】 図9に示した曲線は、機関をロープスタートするためにロープを引いた際の機 関のクランキング回転数Nの変化を示したものである。昇圧用のスイッチ回路が 図5(B)で表される電源装置を用いた場合には、図9のT1 の期間しか負荷に 直流電流を供給することができず、期間T1 におけるクランキング回転数の平均 値はN2 となる。即ち、バッテリが設けられていない場合には、ロープを引くこ とによりクランキング回転数の平均値をN2 にすることができないと負荷に電力 を供給することができない。これに対し、本考案によれば、図9のTo ,T1 及 びT2 の全期間に亘って負荷に電力を供給することができ、負荷に電力を供給す るために必要なクランキング回転数の平均値(To 〜T2 の期間における平均回 転数)をN1 (<N2 )に引き下げることができるため、機関の始動を容易にす ることができる。
【0070】 なお本考案においては、MOSFET F1 及びF2 をオンオフ制御する際に 、両FETを同時に導通させることが重要である。一方のMOSFETの導通が 遅れると、導通が遅れた方のMOSFETのドレインソース間に存在する寄生ダ イオードの順方向電圧降下が短絡回路のしきい値電圧となるため、上記のような 効果を得ることができなくなる。
【0071】 また上記のように発電コイルの短絡、遮断を行う昇圧用のスイッチング素子と して電圧制御素子であるMOSFETを用いると、発電コイルを短絡する際にス イッチング素子で生じる損失を少なくすることができるため、電源装置からの発 熱を少なくすることができ、スイッチング素子に取り付ける放熱板の小形化を図 ることができる。
【0072】 上記のように、図1の実施例で用いる昇圧回路11は、機関をロープスタート する場合のように、始動操作時の機関の回転数が極めて低い場合でも、発電コイ ルが僅かな電圧を誘起したときにMOSFETを通して電流を流して昇圧動作を 開始させる。従って、機関の極低速時にもポンプモータ22、インジェクタ駆動 回路23及びインジェクタ駆動回路24に駆動電圧を与えることができ、機関の 極低速時から燃料噴射装置を動作させて、内燃機関を支障なく起動することがで きる。
【0073】 機関が始動し、その回転数が上昇すると、磁石発電機1の出力電圧が設定値を 超えるためリセット回路5BのトランジスタTr1が導通してタイマICのリセッ ト端子dの電位を低下させ、無安定マルチバイブレータの発振を停止させる。従 って整流電源部10の出力電圧が設定値を超えると、MOSFET F1 及びF 2 に駆動信号が与えられなくなり、昇圧動作は停止する。
【0074】 機関の回転数が更に上昇して整流電源部10の出力電圧が設定値以上になると 、制御回路10B1がサイリスタTh1及びTh2にトリガ信号を与えて両サイリスタ を導通させる。これにより、磁石発電機1の出力がサイリスタTh1及びTh2を通 して出力端子から側路されるため、整流電源部10の出力電圧が設定値まで低下 する。サイリスタTh1及びTh2は、発電コイルW1 を流れる電流の極性が反転し たときに遮断状態になる。
【0075】 整流電源部10の出力電圧が設定値まで低下するとサイリスタTh1及びTh2へ のトリガ信号の供給が停止させられるため、サイリスタTh1及びTh2は導通せず 、発電コイルW1 の出力電圧がそのまま整流回路10Aにより整流されて負荷2 0に供給される。これらの動作により整流電源部10の出力電圧が設定値を超え ないように制御される。
【0076】 次に図1の実施例において、バッテリ7が正常で、スイッチSWを閉じた状態 で機関の始動操作が行われたとする。スイッチSWが閉じているときには、抵抗 R4 及びR5 の直列回路の両端にバッテリ7の電圧(12[V])が印加されて いるため、リセット回路5BのトランジスタTr1が導通している。このときタイ マIC5Aを用いた無安定マルチバイブレータは発振を行わないため、MOSF ET F1 及びF2 はオンオフ動作を行わず、昇圧動作は行われない。
【0077】 機関の始動時に長時間セルモータを駆動するなどしてバッテリ7の両端の電圧 が設定値以下になると、リセット回路5BのトランジスタTr1が遮断状態になる 。これにより無安定マルチバイブレータの発振が開始されるため、MOSFET F1 及びF2 のゲートに一定の周波数fの駆動信号が与えられる。これによりM OSFET F1 及びF2 がオンオフ動作を行って磁石発電機1の出力電圧を昇 圧する。
【0078】 上記のように、本考案においては、整流電源部10の出力電圧が設定値以下の 場合にのみスイッチ回路2を構成するMOSFETのオンオフ動作を行わせるた め、FET制御回路5は一定の周波数の矩形波パルス(駆動信号)を発生すれば よく、MOSFET F1 及びF2 に与える駆動信号のデューティサイクルを制 御することを必要としない。FETに与える駆動信号の周波数を一定とすると、 FET制御回路5の構成を簡単にすることができる。また本考案によれば、MO SFETがオンオフ動作を行う期間を機関の始動時の短い期間に制限することが できるため、MOSFETでの発熱を抑制することができ、MOSFETのヒー トシンクを小形にすることができる。
【0079】 なお上記の実施例ではFET制御回路5が一定の周波数の駆動信号を発生する としたが、整流回路3の出力電圧に応じてデューティサイクルが変化する駆動信 号を発生するようにFET制御回路を構成して、整流回路3の出力電圧を所定の 大きさ以下に制限する制御を行わせるようにしてもよい。
【0080】 図1の実施例では磁石発電機1が単相交流出力を発生するように構成されてい るが、磁石発電機が3相以上の多相交流出力を発生する場合にも本考案を適用で きる。図10は一例として、磁石発電機が3相交流出力を発生するように構成さ れている場合の本考案の実施例を示したもので、この実施例では、磁石発電機1 の固定子が3相の発電コイルW1 〜W3 を有し、これらの発電コイルがスター結 線されている。この場合も発電コイルW1 ないしW3 の巻数を少なくしてそれぞ れのインピーダンスを十分に低くしておく。
【0081】 この例では、磁石発電機1の3つの出力端子1a〜1cにそれぞれNチャンネ ル形のパワーMOSFET F1 〜F3 のドレインが接続され、これらのMOS FETのソースは共通接続されて接地されている。磁石発電機1の3つの出力端 子1a〜1cにはまた整流用ダイオードD11〜D13のアノードが接続され、これ らの整流用ダイオードD11〜D13のカソードは共通接続されている。MOSFE T F1 〜F3 によりスイッチ回路2が構成され、MOSFET F1 〜F3 の 寄生ダイオードDf1〜Df3と整流用ダイオードD11〜D13とによりダイオードブ リッジ3相全波整流回路3が構成されている。MOSFET F1 〜F3 のゲー トソース間には、FET制御回路5Aから同位相の矩形波状の駆動信号が与えら れている。
【0082】 整流電源部10の整流回路10Aは、磁石発電機の出力端子1a〜1cにそれ ぞれアノードが接続され、カソードが共通に接続されたダイオードD21〜D23と 、出力端子1a〜1cにそれぞれカソードが接続され、アノードが共通に接続さ れたダイオードD31〜D33とを備えたダイオードブリッジ3相全波整流回路から なっている。
【0083】 整流電源部10の電圧調整器10Bは、磁石発電機1の出力端子1a〜1cに それぞれアノードが接続されカソードが接地されたサイリスタTh1〜Th3と、整 流回路10Aの出力電圧が設定値を超えたときにサイリスタTh1〜Th3のゲート にトリガ信号を与える制御回路10B1とからなっている。またこの例では、整流 電源部10の正極性側の出力端子10aがスイッチSWを介してダイオードD4 のアノードに接続されて、整流電源部の出力電圧がスイッチSWとダイオードD 4 とを通して出力端子4a,4b間に印加されている。その他の点の構成及び動 作は図1の実施例と同様である。
【0084】 上記の実施例では、各MOSFETとして、ゲートのソースに対する電位が0 ボルトのときにオフ状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位にする駆動 信号が与えられたときにオン状態になるNチャンネル形のものを用いたが、ゲー ト電位が0ボルトのときにオン状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位 にする駆動信号が与えられたときにオフ状態になるPチャンネル形のMOSFE Tを用いることもできる。図11はPチャンネル形のMOSFETを用いる場合 の実施例を示したもので、この例では、Pチャンネル形の第1及び第2のMOS FET F1 及びF2 のソースが共通接続され、ドレインが磁石発電機の出力端 子1a,1bに接続されている。また磁石発電機の出力端子1a,1bに第1及 び第2の整流用ダイオードD11及びD12のカソードが共通に接続され、両ダイオ ードのアノードが共通に接続されて接地されている。MOSFET F1 及びF 2 によりスイッチ回路2が構成され、MOSFETの寄生ダイオードDf1及びD f2とダイオードD11及びD12とによりダイオードブリッジ単相全波整流回路3が 構成されている。またこの実施例でも、整流電源部10の正極性側の出力端子が スイッチSWを通してダイオードD4 のアノードに接続されている。
【0085】 図11の実施例では、FET制御回路5が出力する矩形波状の駆動信号が低レ ベルになっている期間MOSFET F1 及びF2 が導通し、該駆動信号が高レ ベルになっている期間MOSFET F1 及びF2 が遮断状態になる。その他の 点は図1の実施例と同様である。
【0086】 上記の各実施例では、昇圧回路11内に整流回路3が構成されていて、昇圧回 路11側からも出力端子4a,4bに直流電圧が供給されるようになっていたが 、昇圧回路11では昇圧動作のみを行わせるようにしてもよい。昇圧回路11で 昇圧動作のみを行わせるようにした実施例を図12ないし図14に示した。
【0087】 図12の実施例では、磁石発電機1の出力端子1a,1bにNチャンネル形の MOSFET F1 及びF2 のドレインが接続され、両FETによりスイッチ回 路2が構成されている。MOSFET F1 及びF2 のソースが共通に接続され て接地され、発電機の出力端子1aがダイオードD5 を通してタイマIC5Aの 電源端子hに接続されて、磁石発電機1の半波整流出力によりタイマIC5Aに 電源電圧が与えられるようになっている。ダイオードD5 のカソードと接地間に は平滑用のコンデンサC5 が接続されている。
【0088】 この実施例では、整流電源部10の出力端子が電源回路4の出力端子4a,4 bとなっていて、これらの出力端子間にポンプモータ6が接続され、出力端子4 a,4b間にスイッチSWを介してバッテリ7が接続されている。また出力端子 4a,4b間にリセット回路5Bの抵抗R4 及びR5 の直列回路(分圧回路)が 接続されている。その他の点は図1の実施例と同様に構成されている。
【0089】 図12の実施例では、整流電源部10の出力電圧が設定値以下のときにタイマ IC5Aを用いた無安定マルチバイブレータが矩形波状の駆動信号をMOSFE T F1 及びF2 に与える。これによりMOSFET F1 及びF2 がオンオフ 動作を行い、磁石発電機1の発電コイルに流れる電流を断続させて該発電コイル に高い電圧を誘起させる。この電圧は整流電源部10により整流されて負荷に供 給される。機関の回転数が上昇して整流電源部10の出力電圧が設定値を超える とリセット回路5Bが無安定マルチバイブレータの発振を停止させるため、昇圧 動作が停止する。
【0090】 図13の実施例では、磁石発電機が3つの出力端子1a〜1cを有して3相交 流電圧を発生するように構成され、これらの出力端子1a〜1cの内の2つの出 力端子1b,1cにそれぞれソースが共通接続されて接地されたMOSFET F1 及びF2 のドレインが接続されている。またこの例では、整流電源部10の 出力端子が電源回路の出力端子4a,4bとなっていて、これらの出力端子間に 得られる電圧がスイッチSWを介してポンプモータを含む負荷20に印加されて いる。その他の点は図10の実施例と同様に構成されている。この実施例では、 整流電源部10の出力電圧が設定値以下のときにMOSFET F1 及びF2 が オンオフ動作を行って磁石発電機の2相の出力を昇圧し、整流電源部10の出力 電圧が設定値を超えると該昇圧動作を停止する。
【0091】 図14の実施例では、磁石発電機1が単相交流電圧を出力するように構成され 、その出力端子1a,1bにそれぞれ1つのNチャンネル形のMOSFET F 1 のドレイン及びソースが接続され、該FET F1 のソースは接地されている 。昇圧回路11のその他の構成は図13の実施例と同様である。
【0092】 また整流電源部10は、磁石発電機1の出力電圧をダイオードD6 により半波 整流して出力端子4a,4bに与える半波整流回路10Aと、電圧調整器10B とにより構成され、電圧調整器10Bは、発電機の出力端子1a,1b間に接続 されたサイリスタTh と、出力端子4a,4b間の電圧が設定値を超えたときに サイリスタTh にトリガ信号を与える制御回路10B1とからなっている。
【0093】 図14の実施例では磁石発電機1の半波整流出力が出力端子4a,4bを通し てポンプモータとインジェクタ制御装置とインジェクタ駆動回路とを含む負荷2 0に供給される。整流電源部の出力電圧が設定値以下のときには、FET制御回 路5からMOSFET F1 に駆動信号が与えられるため、該MOSFETのオ ンオフ動作により磁石発電機1の出力電圧が昇圧される。昇圧された電圧は整流 電源部10により半波整流されて負荷に供給される。
【0094】 上記の各実施例では、燃料噴射装置FISの電気的な構成部分の全てを電源回 路4の負荷としたが、駆動するために比較的大きな電力を必要とするポンプモー タ22のみを電源回路4の負荷とし、インジェクタ駆動回路24及びインジェク タ制御装置23は別途設けた他の電源回路、例えば、磁石発電機に設けられる発 電コイルの内、電源回路4を構成するために用いる発電コイル以外の他の発電コ イルの出力を整流して一定の直流電圧を出力する電圧調整機能付きの整流回路に より駆動するようにしてもよい。
【0095】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、駆動信号が与えられている状態で抵抗と同じ ように動作するMOSFETを用いたスイッチ回路により磁石発電機の発電コイ ルを流れる電流を断続させて、磁石発電機の出力電圧を昇圧するようにしたので 、磁石発電機が僅かでも電圧を誘起すればMOSFETを通して発電コイルに電 流を流して昇圧動作を行わせることができる。従って機関の極低速時にもポンプ モータに比較的高い電圧を供給することができ、機関の極低速時からインジェク タに充分な燃料を与えて、燃料の噴射を行なわせることができる。
【0096】 また本考案によれば、整流電源部の出力電圧が設定値以下のときにのみMOS FETのオンオフ動作を行わせるため、MOSFETがオンオフ動作を行う期間 を機関の始動時の短い期間に制限してMOSFETの発熱を少なくすることがで きる。従って、MOSFETのヒートシンクを小形にすることができ、電源部が 大形化するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示した回路図である。
【図2】図1の各部の信号波形を示した波形図である。
【図3】磁石発電機の無負荷出力電圧波形の一例を示し
た波形図である。
【図4】発電コイルを短絡するスイッチング素子として
FETを用いた場合とバイポーラトランジスタを用いた
場合の動作の相違を説明するための波形図である。
【図5】(A)は本考案の実施例における発電コイルの
短絡回路を示した回路図である。(B)は昇圧用スイッ
チとしてMOSFETに代えてトランジスタを用いた電
源装置における発電コイルの短絡回路を示した回路図で
ある。
【図6】磁石発電機の出力電圧対出力電流特性を負荷直
線とともに示した線図である。
【図7】MOSFETの導通時のドレインソース間抵抗
対ドレイン電流特性の例を示した線図である。
【図8】図7と同じMOSFETの逆ドレイン電流対ソ
ースドレイン間電圧特性を示した線図である。
【図9】機関を手動スタートさせた場合のクランキング
回転数の変化の一例を示した線図である。
【図10】本考案の他の実施例の構成を示した回路図で
ある。
【図11】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図12】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図13】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図14】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 3 整流回路 4 電源回路 4a,4b 電源回路の出力端子 5 FET制御回路 10 整流電源部 11 昇圧回路 F1 ,F2 ,F3 MOSFET Df1,Df2,Df3 寄生ダイオード D1 ,D2 ,D3 整流用ダイオード

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を整流する整流回路と該整流
    回路の出力を設定値以下に保つように制御する電圧調整
    器とを有する整流電源部を備えた電源回路と、駆動電流
    が与えられたときに内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴
    射するインジェクタと、前記電源回路の出力により駆動
    されるポンプモータにより駆動されて前記インジェクタ
    に燃料を供給する燃料ポンプと、燃料噴射時間を決定す
    る噴射指令パルスを発生するインジェクタ制御装置と、
    前記噴射指令パルスが発生したときに前記インジェクタ
    に駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備えた内
    燃機関用燃料噴射装置において、 前記電源回路は、 MOSFETをスイッチング素子として前記磁石発電機
    の出力端子間を短絡するように設けられたスイッチ回路
    と、 前記整流電源部の出力電圧が設定値以下のときに前記ス
    イッチ回路のMOSFETに矩形波状の駆動信号を与え
    て該MOSFETをオンオフさせ、前記整流電源部の出
    力電圧が設定値よりも高いときには前記MOSFETを
    オフ状態に保つように前記整流電源部の出力電圧に応じ
    てMOSFETを制御するFET制御回路とを更に具備
    していることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を全波整流する整流回路と該
    整流回路の出力を設定値以下に保つように制御する電圧
    調整器とを有する整流電源部を備えた電源回路と、駆動
    電流が与えられたときに内燃機関の燃料噴射空間に燃料
    を噴射するインジェクタと、前記電源回路の出力により
    駆動されるポンプモータにより駆動されて前記インジェ
    クタに燃料を供給する燃料ポンプと、燃料噴射時間を決
    定する噴射指令パルスを発生するインジェクタ制御装置
    と、前記噴射指令パルスが発生したときに前記インジェ
    クタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを備え
    た内燃機関用燃料噴射装置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機の複数の出力端子にそれぞれドレインが
    接続されソースが共通に接続された複数のMOSFET
    を備えたスイッチ回路と、 前記整流電源部の出力電圧が設定値以下のときに前記ス
    イッチ回路の複数のMOSFETに繰り返し発生する同
    位相の矩形波状の駆動信号を与えて該複数のMOSFE
    Tを同時にオンオフさせ、前記整流電源部の出力電圧が
    設定値よりも高いときには前記複数のMOSFETをオ
    フ状態に保つように前記整流電源部の出力電圧に応じて
    前記スイッチ回路の複数のMOSFETを制御するFE
    T制御回路とを更に備えていることを特徴とする内燃機
    関用燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を全波整流する整流回路と該
    整流回路の出力電圧を設定値以下に保つように制御する
    電圧調整器とを有する整流電源部を備えた電源回路と、
    駆動電流が与えられたときに内燃機関の燃料噴射空間に
    燃料を噴射するインジェクタと、前記電源回路の出力に
    より駆動されるポンプモータにより駆動されて前記イン
    ジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと、燃料噴射時間
    を決定する噴射指令パルスを発生するインジェクタ制御
    装置と、前記噴射指令パルスが発生したときに前記イン
    ジェクタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路とを
    備えた内燃機関用燃料噴射装置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれドレインが
    接続されソースが共通に接続されたn個のNチャンネル
    形のMOSFETからなるスイッチ回路と、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれアノードが
    接続されカソードが共通に接続されたn個の整流用ダイ
    オードと、 前記整流電源部の出力電圧が設定値以下のときに前記ス
    イッチ回路のn個のMOSFETに繰り返し発生する同
    位相の矩形波状の駆動信号を与えて該n個のMOSFE
    Tを同時にオンオフさせ、前記整流電源部の出力電圧が
    設定値よりも高いときには前記n個のMOSFETをオ
    フ状態に保つように前記整流電源部の出力電圧に応じて
    前記スイッチ回路のn個のMOSFETを制御するFE
    T制御回路とを更に備え、 前記n個のMOSFETのドレインソース間に存在する
    寄生ダイオードと前記n個の整流用ダイオードとにより
    ダイオードブリッジ全波整流回路が構成されて、該ダイ
    オードブリッジ全波整流回路の出力及び前記整流電源部
    の出力が電源回路の出力端子間に印加されていることを
    特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、 前記磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧
    を全波整流する整流回路と該整流回路の出力電圧を設定
    値以下に保つように制御する電圧調整器とを有する整流
    電源部を備えた電源回路と、駆動電流が与えられたとき
    に内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射するインジェク
    タと、前記電源回路の出力により駆動されるポンプモー
    タにより駆動されて前記インジェクタに燃料を供給する
    燃料ポンプと、燃料噴射時間を決定する噴射指令パルス
    を発生するインジェクタ制御装置と、前記噴射指令パル
    スが発生したときに前記インジェクタに駆動電流を与え
    るインジェクタ駆動回路とを備えた内燃機関用燃料噴射
    装置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれドレインが
    接続されソースが共通に接続されたn個のPチャンネル
    形のMOSFETと、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれカソードが
    接続されアノードが共通に接続されたn個の整流用ダイ
    オードと、 前記整流電源部の出力電圧が設定値以下のときに前記n
    個のMOSFETに繰り返し発生する同位相の矩形波状
    の駆動信号を与えて該n個のMOSFETを同時にオン
    オフさせ、前記直流電源回路の出力電圧が設定値よりも
    高いときには前記n個のMOSFETをオフ状態に保つ
    ように前記整流電源部の出力電圧に応じて前記スイッチ
    回路のn個のMOSFETを制御するFET制御回路と
    を更に備え、 前記n個のMOSFETのドレインソース間の寄生ダイ
    オードと前記n個の整流用ダイオードとによりダイオー
    ドブリッジ全波整流回路が構成されて、該ダイオードブ
    リッジ全波整流回路及び前記整流電源部の出力が電源回
    路の出力端子間に印加されていることを特徴とする内燃
    機関用燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記FET制御回路は、前記磁石発電機
    を電源として動作するように設けられている請求項1,
    2,3または4のいずれかに記載の内燃機関用燃料噴射
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3503335B2 (ja) 1996-04-12 2004-03-02 トヨタ自動車株式会社 インジェクタ駆動回路
JP2004068792A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Kokusan Denki Co Ltd 内燃機関用燃料噴射・点火装置

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JP3503335B2 (ja) 1996-04-12 2004-03-02 トヨタ自動車株式会社 インジェクタ駆動回路
JP2004068792A (ja) * 2002-08-09 2004-03-04 Kokusan Denki Co Ltd 内燃機関用燃料噴射・点火装置

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