JP3024455U - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関用燃料噴射装置

Info

Publication number
JP3024455U
JP3024455U JP1995011851U JP1185195U JP3024455U JP 3024455 U JP3024455 U JP 3024455U JP 1995011851 U JP1995011851 U JP 1995011851U JP 1185195 U JP1185195 U JP 1185195U JP 3024455 U JP3024455 U JP 3024455U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
circuit
generator
mosfets
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1995011851U
Other languages
English (en)
Inventor
常昭 遠藤
徹也 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusan Denki Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP1995011851U priority Critical patent/JP3024455U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3024455U publication Critical patent/JP3024455U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の回転速度が極めて低い状態でも磁石
発電機の出力によりポンプモータを駆動して燃料の噴射
を行なわせることができる内燃機関用燃料噴射装置を提
供する。 【解決手段】ソースを共通に接続したMOSFET F
1 及びF2 のドレインをそれぞれ磁石発電機1の出力端
子1a及び1bに接続し、両MOSFETのドレインソ
ース間に存在する寄生ダイオードDf1及びDf2と整流用
ダイオードD1 及びD2 とをブリッジ接続して磁石発電
機1の交流出力を整流する整流回路2を構成する。MO
SFET F1 及びF2 を同時にオンオフさせることに
より、磁石発電機の出力電圧を昇圧し、昇圧された電圧
を整流回路2により整流してポンプモータ7を含む負荷
5に供給する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、内燃機関に燃料を供給する内燃機関用燃料噴射装置に関するもので ある。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用燃料噴射装置は、内燃機関の吸気管内やシリンダ内等の燃料噴射空 間に燃料を噴射するように設けられたインジェクタと、噴射指令パルスが与えら れたときに電源回路からインジェクタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動回路 と、電源回路の出力により駆動されるポンプモータにより駆動されてインジェク タに燃料を供給する燃料ポンプと、燃料ポンプからインジェクタに供給される燃 料の圧力と燃料噴射空間の圧力または大気圧との差圧を設定値に保つように制御 する圧力調整器と、インジェクタからの燃料噴射量を各回転速度における要求噴 射量に等しくするようにインジェクタ駆動回路に噴射指令パルスを与える燃料噴 射制御装置とにより構成される。
【0003】 燃料ポンプはポンプモータにより駆動されるポンプで、燃料タンク内の燃料を 吸い出してインジェクタに供給する。
【0004】 インジェクタは、先端に噴射口を有するバルブボディと、該バルブボディ内に 設けられて噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動するソ レノイドコイルとを備えていて、バルブボディ内に燃料ポンプから燃料が与えら れている。
【0005】 インジェクタのソレノイドコイルには、噴射指令パルスによりオンオフさせら れるトランジスタ等のスイッチング素子を備えたインジェクタ駆動回路を通して 駆動電流が与えられる。インジェクタの駆動回路に噴射指令パルスが与えられる と、該駆動回路内のスイッチング素子がオン状態になってインジェクタのソレノ イドコイルに駆動電流を流す。これによりニードルバルブが開いて燃料ポンプか ら与えられている燃料を噴射する。インジェクタから噴射される燃料の量(燃料 噴射量)は、噴射口が開かれている時間(噴射時間)と、燃料ポンプからインジ ェクタに与えられる燃料の圧力と燃料噴射空間の圧力との差圧とにより決る。噴 射時間は噴射指令パルスのパルス幅により決り、インジェクタに供給される燃料 の圧力は圧力調整器によりほぼ一定に保たれているため、燃料噴射量は噴射指令 パルスのパルス幅によりほぼ一義的に決る。
【0006】 上記のように、燃料噴射装置は、インジェクタと、燃料ポンプと、インジェク タを制御する制御装置とを必要とし、これらを駆動するために直流電源を必要と するため、従来の燃料噴射装置は、もっぱらバッテリが搭載される乗物を駆動す る内燃機関に適用されていた。しかしながら、最近、バッテリを搭載しない車両 や作業機等を駆動する内燃機関にも燃料噴射装置を適用することが検討されてお り、そのために、機関に取り付けられた磁石発電機を電源とする電源回路により 、燃料ポンプ、インジェクタ及びこれらを制御する制御装置を駆動することが試 みられている。
【0007】 またバッテリを搭載している場合でも、バッテリが過放電状態になった場合に は、燃料噴射装置を動作させることができなくなるため、バッテリを用いずに燃 料噴射装置を動作させ得るようにしておくことが望ましい。特に、船外機の場合 には、洋上で内燃機関を運転することができなくなると帰港することができなく なるため、バッテリを搭載している場合であっても、バッテリを用いずに機関を 運転し得るようにしておくことが望ましい。
【0008】 燃料噴射装置を用いた内燃機関においてその始動性を良好にするためには、始 動回転数を充分に低くする必要があり、そのためには、回転速度が非常に低い状 態でも燃料噴射装置を動作させ得るようにしておく必要がある。その場合、特に 電力を必要とするポンプモータを機関の極低速時にも駆動して、インジェクタに 所定の圧力で燃料を供給することが必要になる。
【0009】 内燃機関により駆動される磁石発電機を電源とした電源回路において、内燃機 関の極低速時にもポンプモータを駆動するために必要な出力を得るために、発電 コイルの巻数を多くしてその出力電圧を高くすることが考えられる。ところが発 電コイルの巻数を多くすると該発電コイルのインダクタンスが増加する上にコイ ルの抵抗が増加するため、発電コイルのインピーダンスが大きくなる。発電コイ ルのインピーダンスが大きくなると、内燃機関の中高速運転時に発電機の出力電 圧が低下し、燃料噴射装置に充分な電力を供給することができなくなる。
【0010】 このように、内燃機関の回転数が低いときに磁石発電機が発生する出力電圧を 高めるという要求と、内燃機関の中高速運転時に負荷に充分な電力を供給すると いう要求は、磁石発電機にとって相反するものであるため、両者を満足させるこ とは困難であった。
【0011】 そこで、特開平5−344798号及び特開平5−344799号に示されて いるように、発電コイルの誘起電圧を整流する全波整流回路と、発電コイルの各 出力端子と全波整流回路の負極側の直流出力端子との間にコレクタエミッタ間回 路を接続した昇圧用スイッチとしてのトランジスタと、各トランジスタをオンオ フさせる制御回路とを備えた電源回路を用いることが考えられる。この電源回路 では、各トランジスタが導通したときに該トランジスタと全波整流回路を構成す るダイオードの内の1つとを通して発電コイルに短絡電流を流し、各トランジス タが遮断したときに該短絡電流を遮断して発電コイルに昇圧された電圧を誘起さ せる。この電圧は全波整流回路により整流されて負荷に供給される。
【0012】 このような構成によれば、機関の低速時にも磁石発電機の発電コイルに高い電 圧を誘起させることができるため、機関の低速運転時にも燃料噴射ポンプを駆動 することができる。また磁石発電機の発電コイルの巻数を少くしてそのインピー ダンスを小さくすることができるため、機関の中高速運転時に発電機の出力電圧 が低下するのを防ぐことができる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】
特開平5−344798号及び特開平5−344799号に示された電源回路 では、昇圧用スイッチを構成するトランジスタが導通した際に、発電コイルを短 絡する回路にダイオードとトランジスタのコレクタエミッタ間回路とが直列に接 続された状態で存在することになるため、磁石発電機の出力電圧がトランジスタ のコレクタエミッタ間飽和電圧VCEとダイオードの順方向電圧降下(ダイオード に順方向の電流が流れた時に該ダイオードの両端に生じる電圧降下)VF との和 VCE+VF に相当するしきい値電圧Vt を超えないと発電コイルの短絡電流を流 すことができない。そのため、人力により機関を始動する際のように、機関の回 転数がきわめて低く、発電コイルの誘起電圧が極めて低いときにトランジスタの オンオフによる昇圧動作を行わせることができず、燃料噴射装置を動作させるこ とができない。
【0014】 またトランジスタを昇圧用のスイッチとして用いて、磁石発電機の出力電圧を 昇圧する昇圧回路を備えた従来の電源回路を用いた場合には、トランジスタのス イッチング損失が比較的大きいため、該トランジスタからの発熱が多くなり、大 形のヒートシンクが必要になって装置が大形になるのを避けられない。
【0015】 本考案の目的は、磁石発電機を電源として内燃機関の極低速時から動作を行な い得るようにした内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
【0016】 本考案の他の目的は、電源回路に設ける昇圧回路での損失を少くして、該昇圧 回路からの発熱を少くすることができるようにした内燃機関用燃料噴射装置を提 供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本考案は、内燃機関により駆動されて単相または多相の交流出力を発生する磁 石発電機を電源として直流電圧を発生する電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間 に燃料を噴射するインジェクタと、電源回路の出力により駆動されるポンプモー タにより駆動されてインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機 関用燃料噴射装置に係わるものである。
【0018】 本考案においては、ドレイン及びソースをそれぞれ同じ側に位置させた状態で 設けられてドレイン及びソースの一方が共通に接続され、他方が磁石発電機の異 なる出力端子に接続された複数のMOSFETにより磁石発電機の出力端子間を 短絡するスイッチ回路を構成し、該複数のMOSFETのドレインソース間に存 在する寄生ダイオードとともに磁石発電機の交流出力を整流するダイオードブリ ッジ全波整流回路を構成するように複数の整流用ダイオードを設ける。また磁石 発電機の出力端子相互間を短絡して短絡電流を流す状態と該短絡電流を遮断する 状態とを磁石発電機の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期間に 複数回生じさせるように上記複数のMOSFETのゲートに駆動信号を与えるF ET制御回路を設ける。
【0019】 なおMOSFETの「駆動信号」とは、MOSFETをオンオフさせるために MOSFETのゲートソース間に印加する信号で、オンレベルとオフレベルとを 有する。駆動信号のオンレベルは、MOSFETをオン状態にするために該MO SFETのゲートソース間に与える電圧のレベルであり、駆動信号のオフレベル はMOSFETをオフ状態にするために該MOSFETのゲートソース間に与え る電圧のレベルである。
【0020】 上記のように構成すると、複数のMOSFETがオン状態になったときに磁石 発電機の発電コイルに短絡電流が流れ、該複数のMOSFETがオフ状態になっ たときに、該短絡電流が遮断される。短絡電流が遮断されると、発電コイルには 今まで流れていた短絡電流を流し続けようとする向きの高い電圧が誘起する。こ の電圧は整流用ダイオードとMOSFETのドレインソース間に存在する寄生ダ イオードとにより構成される全波整流回路により整流されてポンプモータに供給 される。
【0021】 ゲートソース間に駆動信号が与えられているMOSFETは、抵抗と同じよう に働き、MOSFETを導通させるために必要なしきい値電圧は実質的に零とな るため、上記のように構成すると、磁石発電機の発電コイルに誘起する電圧が極 めて低いときでもMOSFETのオンオフにより、発電コイルに昇圧された電圧 を誘起させることができる。
【0022】
【考案の実施の形態】
内燃機関用燃料噴射装置は、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射するインジ ェクタと、ポンプモータにより駆動されてインジェクタに燃料を供給する燃料ポ ンプと、インジェクタを制御する制御装置とにより構成される。
【0023】 本考案においては、内燃機関により駆動される磁石発電機の出力を昇圧整流し て直流電圧を発生する電源回路を設けて、該電源回路の出力で燃料噴射装置の少 くともポンプモータを駆動する。
【0024】 一般に内燃機関により駆動される磁石発電機は、n個(nは2以上の整数)の 出力端子を有していて、該n個の出力端子間に単相または多相の交流出力を発生 する。本考案に係わる燃料噴射装置において用いる電源回路は、ドレイン及びソ ースをそれぞれ同じ側に位置させた状態で設けられてドレイン及びソースの一方 が共通に接続され、他方が磁石発電機のm個(mは2以上n以下の整数)の出力 端子にそれぞれ接続されたm個のMOSFETと、該m個のMOSFETのドレ インソース間に存在する寄生ダイオードとともに磁石発電機の交流出力を整流す るダイオードブリッジ全波整流回路を構成するように設けられた2n−m個の整 流用ダイオードと、磁石発電機のm個の出力端子相互間を短絡して短絡電流を流 す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該m個の出力端子相互間に得られる交流 出力の半サイクルの期間に複数回生じさせるようにm個のMOSFETのゲート に駆動信号を与えるFET制御回路とにより構成できる。
【0025】 上記FET制御回路は、m個のMOSFETのゲートに磁石発電機の出力より も周波数が高い同位相の矩形波状の駆動信号を与える回路により構成することが できる。
【0026】 上記のように構成すると、m個のMOSFETがオン状態になったときに磁石 発電機の発電コイルに短絡電流が流れ、該m個のMOSFETがオフ状態になっ たときに、該短絡電流が遮断される。短絡電流が遮断されると、発電コイルには 今まで流れていた短絡電流を流し続けようとする向きの高い電圧が誘起する。こ の電圧は整流用ダイオードとMOSFETのドレインソース間に存在する寄生ダ イオードとにより構成される全波整流回路により整流されて負荷に供給される。 ゲートソース間に駆動信号が与えられているMOSFETは、その特性上ソー スドレイン間に電圧が与えられると同時にドレイン電流が流れ、ソースドレイン 間電圧がある範囲にある場合には、該ソースドレイン間電圧にほぼ比例してドレ イン電流が流れる。従って駆動信号が与えられているMOSFETは抵抗と同じ ように働き、オン状態にあるMOSFETのソースドレイン間の抵抗値は、ソー スドレイン間電圧とドレイン電流とが比例する領域でほぼ一定の値を示す。その ため、発電コイルの両端に駆動信号が与えられているMOSFETを接続した回 路は、発電コイルの両端に抵抗を接続した回路と等価になる。従って、MOSF ETを導通させるために必要なしきい値電圧は実質的に零となり、磁石発電機の 発電コイルに僅かでも電圧が誘起すると発電コイルからMOSFETを通して短 絡電流が流れる。
【0027】 上記のように、本考案によれば、磁石発電機の発電コイルに誘起する電圧が極 めて低いときでも発電コイルからMOSFETを通して短絡電流を流すことがで きるため、機関を人力でスタートする場合のように、機関の回転数がきわめて低 く、磁石発電機の出力電圧が極めて低い場合でも、MOSFETのオンオフによ り、発電コイルに昇圧された電圧を誘起させることができる。従って、燃料噴射 装置を用いる機関においてバッテリが過放電状態になった際に機関を手動スター トする場合や、バッテリを用いずに磁石発電機の出力だけでポンプモータを駆動 する場合でも機関を支障なく起動することができる。
【0028】 上記FET制御回路はまた、m個のMOSFETの内、ドレインソース間の寄 生ダイオードに逆方向の電圧が印加されているMOSFETのゲートソース間に 該MOSFETをオン状態にするオンレベルと該MOSFETをオフ状態にする オフレベルとの間を磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波 状の駆動信号を与え、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているMOSFE Tのゲートソース間には該順方向電圧が印加されている間オンレベルの状態を保 持する駆動信号を与える回路により構成するのが好ましい。
【0029】 このように、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているMOSFETに与 える駆動信号のレベルをオンレベルに保持するようにすると、該MOSFETの ドレイン電流によるチャンネル損失を少くすることができるため、スイッチ回路 を構成するMOSFETからの発熱を少くすることができる。
【0030】 電源部の構成を簡単にするためには、インジェクタ駆動回路及びインジェクタ 制御装置もポンプモータを駆動する上記の電源回路により駆動するようにするの が好ましい。またインジェクタ駆動回路及びインジェクタ制御装置も上記の電源 回路により駆動するように構成しておけば、燃料噴射装置を磁石発電機の出力だ けで駆動できるため、バッテリを全く使用できない場合でも機関を運転すること ができる。
【0031】 しかしながら、インジェクタ駆動回路やインジェクタ制御装置は僅かな電力で も駆動できるため、必ずしも上記のように昇圧機能を有する電源回路を用いる必 要はない。例えば、磁石発電機の出力を整流して設定値以下の直流電圧を発生す る電圧調整機能付きの整流回路を別途設けて、該整流回路の出力によりインジェ クタ駆動回路及びインジェクタ制御装置を駆動するようにしてもよい。
【0032】 また内燃機関により駆動される乗物や作業機において、乾電池や、ニッケルカ ドミウム電池等の小形の二次電池からなる補助電源を設けることができる場合に は、機関の始動時等の極低速時に該補助電源の出力によりインジェクタ駆動回路 やインジェクタ制御装置を駆動するようにしてもよい。
【0033】
【実施例】
図1は磁石発電機が単相交流出力を発生する場合の内燃機関用燃料噴射装置F ISの実施例を示したものである。同図において1は内燃機関のクランク軸に取 り付けられた磁石回転子と機関のケース等に固定された固定子とからなる磁石発 電機である。磁石発電機1の固定子には発電コイルW1 が設けられ、この発電コ イルW1 には機関の回転に同期して交流電圧Ve が誘起する。本考案においては 、機関の高速時にも発電コイルから大きな電流を取り出すことができるようにす るために、発電コイルW1 としてその巻数が少なく、インピーダンスが低いもの を用いる。
【0034】 2は発電コイルW1 に誘起する交流電圧を昇圧して整流する昇圧整流回路で、 この昇圧整流回路は、カソードが共通接続された整流用の第1及び第2のダイオ ードD1 及びD2 と、該第1及び第2のダイオードD1 及びD2 のアノードにそ れぞれドレインが接続されるとともにソースが共通接続された昇圧用スイッチと しての第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 とを備えている。この昇圧整 流回路においては、ダイオードD1 及びD2 のカソードの共通接続点及びMOS FET F1 及びF2 のソースの共通接続点がそれぞれプラス側直流出力端子2 a及びマイナス側直流出力端子2bとなっている。
【0035】 第1及び第2のダイオードD1 及びD2 のアノードと第1及び第2のMOSF ET F1 及びF2 のドレインとのそれぞれの接続点が交流入力端子2u及び2 vとなっており、これらの交流入力端子2u及び2vにそれぞれ発電機1の発電 コイルW1 の出力端子1a及び1bが接続されている。
【0036】 MOSFET F1 及びF2 としては、ドレインソース間に寄生ダイオードD f1及びDf2を有するNチャンネル形のパワーMOSFETが用いられ、第1及び 第2のMOSFET F1 及びF2 にそれぞれ内在する第1及び第2の寄生ダイ オードDf1及びDf2と第1及び第2のダイオードD1 及びD2 とによりダイオー ドブリッジ単相全波整流回路が構成されている。この例では、MOSFET F 1 及びF2 により、磁石発電機の出力端子1a,1b間をオンオフする昇圧用ス イッチ回路が構成されている。
【0037】 昇圧整流回路2の直流出力端子2a,2b間には、駆動信号VGSを出力するF ET制御回路3が接続されている。この制御回路は出力端子3a及び3bを有し ていて、一方の出力端子3aにMOSFET F1 及びF2 のゲートが共通接続 され、他方の出力端子3bにはMOSFET F1 及びF2 のソースの共通接続 点(マイナス側直流出力端子)2bが接続されている。FET制御回路3は例え ば直流電源電圧が印加されたときに発振して図2(A)に示すような矩形波信号 を発生する発振器からなっていて、該制御回路3から出力される矩形波信号が駆 動信号VGSとして第1及び第2のMOSFETのゲートソース間に印加されてい る。本実施例ではまた、MOSFET F1 及びF2 が遮断状態になった際に発 電コイルW1 に生じるサージを吸収するため、及び昇圧整流回路2の出力電圧を 平滑するために、直流出力端子2a,2b間にコンデンサCo が接続されている 。
【0038】 この例では、磁石発電機1と、昇圧整流回路2と、FET制御回路3と、コン デンサCo とにより電源回路4が構成され、昇圧整流回路2のプラス側直流出力 端子2a及びマイナス側直流出力端子2bにつながる端子4a及び4bがそれぞ れ電源回路4の出力端子として引き出されている。
【0039】 図示の例では、出力端子4a及び4b間に燃料噴射装置FISの電気的構成部 分の全てが負荷5として接続されている。負荷5は、燃料噴射装置の構成部品の 内、電源を必要とする部分であって、内燃機関Engの吸気管内等の燃料噴射空間 に燃料を噴射するインジェクタ6と、ポンプモータ7と、スロットル開度や大気 圧、機関の温度などの各種の制御条件に対してインジェクタ6のバルブが開く時 間(燃料噴射時間)を決定する噴射指令パルスVj を発生するインジェクタ制御 装置8と、噴射指令パルスVj が発生したときにインジェクタ6に駆動電流を流 すインジェクタ駆動回路9とからなっている。
【0040】 燃料噴射装置FISはまた、機械的構成部分として、ポンプモータ7により駆 動されて燃料タンク10から吸い出した燃料をインジェクタ6に与える燃料ポン プ11と、該燃料ポンプ11からインジェクタ6に与えられる燃料の圧力と内燃 機関の燃料噴射空間の圧力または大気圧との差圧を設定値に保つように制御する 圧力調整器12とを有している。
【0041】 インジェクタ6は、先端に噴射口を有するバルブボディと、該バルブボディ内 に設けられて噴射口を開閉するニードルバルブと、該ニードルバルブを駆動する ソレノイドコイルとを備えていて、バルブボディ内に燃料ポンプ11から燃料が 与えられている。
【0042】 圧力調整器12は、インジェクタの入口側の圧力と内燃機関の燃料噴射空間の 圧力または大気圧とを検出して、インジェクタの入口側の圧力と内燃機関の燃料 噴射空間の圧力または大気圧との差圧が設定値を超えたときに開くバルブを備え ていて、該バルブを通して燃料ポンプからインジェクタに与えられる燃料の一部 を燃料タンク10に戻すことにより、上記差圧を設定値に保つ。
【0043】 インジェクタ6のソレノイドコイルには、インジェクタ駆動回路9を通して駆 動電流が与えられる。インジェクタ駆動回路9は、噴射指令パルスVj によりオ ンオフさせられるトランジスタ等のスイッチング素子を備えていて、噴射指令パ ルスVj が与えられたときに該スイッチング素子がオン状態になってインジェク タ6のソレノイドコイルに駆動電流を流す。これによりニードルバルブが開いて 燃料ポンプ11から与えられている燃料を噴射する。インジェクタから噴射され る燃料の量(燃料噴射量)は、噴射口が開かれている時間(燃料噴射時間)と、 燃料ポンプからインジェクタに与えられる燃料の圧力と燃料噴射空間の圧力また は大気圧との差圧とにより決る。燃料噴射時間は噴射指令パルスVj のパルス幅 により決り、インジェクタに供給される燃料の圧力は圧力調整器によりほぼ一定 に保たれているため、燃料噴射量は噴射指令パルスのパルス幅によりほぼ一義的 に決る。
【0044】 インジェクタ制御装置8をマイクロコンピュータにより構成する場合には、電 源回路4の出力電圧をマイクロコンピュータを駆動するのに適した一定の電圧ま で低下させるレギュレータを該制御装置8内に設ける。
【0045】 図1の実施例において、FET制御回路3は、発電コイルW1 の出力周波数よ りも十分に高い周波数の矩形波信号を発生し、この矩形波信号をMOSFET F1 及びF2 のゲートソース間に同位相の駆動信号VGSとして与えて、両FET が同時に駆動する。MOSFET F1 及びF2 のゲートソース間にゲートがソ ースに対して正電位になる極性の駆動信号VGSが与えられると、両FET F1 及びF2 が導通し得る状態になり、それぞれのドレインソース間にドレインがソ ースに対して正電位になる極性の電圧が僅かでも印加されると両FETにドレイ ン電流が流れて、駆動信号VGSが与えられている期間Tonの間発電コイルW1 に 短絡電流が流れる。駆動信号VGSが零になると、FET F1 及びF2 が遮断状 態になるため、発電コイルW1 を流れていた短絡電流が遮断され、該発電コイル W1 にそれまで流れていた短絡電流を流し続けようとする向きの昇圧された電圧 Vep(図2B参照)が誘起する。この電圧により発電コイルW1 に図2(C)に 示したような電流Ie が流れ、ダイオードD1 及びD2 と寄生ダイオードDf1及 びDf2とにより構成される全波整流回路を通してポンプモータを含む負荷5に図 2(E)に示すような負荷電流IL が流れる。図2(D)は負荷5の両端の電圧 VL の波形を示している。
【0046】 図1に示した電源装置では、図5(A)のように、2つのMOSFET F1 及びF2 により発電コイルW1 の短絡回路(昇圧用スイッチ回路)が構成される 。MOSFETは双方向性を有するため、これら2つのMOSFETにより発電 コイルW1 の短絡回路を構成することにより、発電コイルW1 の出力電圧の正負 の両半サイクルにおいて短絡電流を流すことができる。従って、発電コイルW1 の短絡回路に整流用のダイオードが挿入されることはない。
【0047】 これに対し、発電コイルの誘起電圧を整流する全波整流回路と、発電コイルの 各出力端子と全波整流回路の負極側の出力端子との間にコレクタエミッタ間回路 を接続したトランジスタとにより昇圧整流回路を構成した場合には、発電コイル W1 に短絡電流を流す回路が図5(B)のようになり、発電コイルに短絡電流を 流す回路に、ダイオードDo とトランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路と の直列回路が存在することになる。
【0048】 図5(B)のように、発電コイルW1 の両端にトランジスタTRo のコレクタ エミッタ回路とダイオードDo との直列回路が存在する場合には、磁石発電機の 出力電圧がトランジスタTRo のコレクタエミッタ間飽和電圧VCEとダイオード Do の順方向電圧降下VF との和に相当するしきい値電圧Vt を超えないと短絡 電流を流すことができない。例えば、図5(B)のトランジスタとして株式会社 東芝の製造になる2SC3710を用いると、温度が25℃のときにコレクタエ ミッタ間飽和電圧VCEが0.04[V]以上の値を示す。またダイオードDo と して株式会社東芝の製造になる20DL2C41Aを用いると、温度が25℃の ときに順方向電圧降下が0.6[V]以上の値を示す。この場合、発電コイルW o の誘起電圧がしきい値電圧Vt =VCE+VF =0.64[V]を超えないと発 電コイルに短絡電流を流すことができない。
【0049】 ここで、磁石発電機の極低速時の(100[rpm] 〜300[rpm])の出力電圧 Vo に対する出力電流Io の特性の一例を示すと、例えば図6の通りである。図 6において、Nは内燃機関の回転数[rpm]を示している。このような特性を 有する磁石発電機を用い、トランジスタTRo 及びダイオードDo として上記の ものを用いて、図5(B)に示したような昇圧用スイッチ回路を構成した場合、 発電コイルW1 に接続される負荷の負荷直線は、図6の直線aのようになる。こ の場合、発電コイルW1 からダイオードDo とトランジスタTRo とを通して流 した短絡電流を遮断することにより昇圧動作を行わせるためには、発電機がしき い値電圧Vt =0.64[V]を超える電圧を誘起する必要がある。内燃機関の 回転数が低く、発電機の出力電圧が0.64[V]に達しないときには、発電コ イルW1 に短絡電流を流すことができないため昇圧動作は行われない。
【0050】 これに対し、本考案では、図5(A)に示すように発電コイルW1 を短絡する 回路にダイオードが存在せず、またMOSFETは双方向性を有していて、駆動 信号が与えられている状態では抵抗と同じように働くため、各MOSFETのソ ースドレイン間に僅かでも電圧VSDが与えられるとドレイン電流ID が流れる。 例えば各MOSFETとして、株式会社日立製の2SK1911を用いるものと すると、その導通時のドレインソース間抵抗RDS対ドレイン電流ID 特性は図7 に示す通りであり、逆ドレイン電流IDR対ソースドレイン間電圧VSD特性は図8 に示す通りである。図7及び図8においてVGSはFETのゲートソース間に印加 される駆動信号である。これらより、MOSFETのゲートソース間にソースが ゲートに対して正電位になる極性の駆動信号VGSが印加されている状態では、ド レインソース間抵抗が広い範囲で一定値を示し、ドレイン電流とソースドレイン 間電圧VSDとの間にはほぼ比例関係があること、即ち、FETをほぼ抵抗と見做 し得ることが分かる。
【0051】 そのため、発電コイルW1 の両端を駆動信号が与えられている2つのMOSF ET F1 及びF2 の直列回路(昇圧用スイッチ回路)を通して接続した回路は 、発電コイルの両端を抵抗を介して接続した回路と等価になり、2つのMOSF ETに同時に駆動信号が与えられている状態での発電機の負荷直線は図6の直線 bのように原点(0,0)を通る直線になる。従って、MOSFETを導通させ るために必要なしきい値電圧は実質的に零になり、磁石発電機の発電コイルに僅 かでも電圧が誘起すると2つのMOSFET F1 及びF2 を通して発電コイル W1 に短絡電流が流れることになる。そのため内燃機関をロープスタートする場 合のように、機関の回転数がきわめて低い場合であっても、発電コイルに僅かで も電圧が誘起すればMOSFET F1 及びF2 を導通させて該発電コイルに短 絡電流を流すことができ、MOSFET F1 及びF2 の駆動信号が消滅して該 短絡電流が遮断されたときに発電コイルに昇圧された電圧を誘起させることがで きる。
【0052】 今磁石発電機1が図3に示すような無負荷電圧波形を有する交流電圧Ve を発 生するものとする。図4(A)は図3の時間軸を拡大して発電機の出力電圧の零 点付近(図3のA部)の波形を示したものであり、同図(B)は各MOSFET のゲートに与えられる駆動信号VGSの波形を示したものである。また図4(C) は発電コイルW1 に流れる電流Ie の波形を示している。本考案によれば、電圧 Ve がほとんど零に近くなった状態でも電流Ie が流れる。従って、発電コイル W1 の誘起電圧がきわめて低い状態から該発電コイルに短絡電流を流すことがで き、機関の回転速度が低い状態でも該短絡電流の遮断により電圧を誘起させて負 荷を駆動することができる。
【0053】 これに対し、図5(B)に示したように、発電コイルW1 の短絡回路がダイオ ードDo とトランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路との直列回路により構 成される場合には、図4(D)に示したように、発電機の出力電圧Ve がしきい 値電圧Vt を下回ると発電コイルに電流Ie ´を流すことができなくなるため、 短絡電流を流すことができる期間が短くなり、機関をロープスタートする際等の 極低速時に負荷に供給できる直流電流の総量が減少する。
【0054】 図9に示した曲線は、機関をロープスタートするためにロープを引いた際の機 関のクランキング回転数Nの変化を示したものである。昇圧用のスイッチ回路が 図5(B)で表される電源装置を用いた場合には、図9のT1 の期間しか負荷に 直流電流を供給することができず、期間T1 におけるクランキング回転数の平均 値はN2 となる。即ち、バッテリが設けられていない場合には、ロープを引くこ とによりクランキング回転数の平均値をN2 にすることができないと負荷に電力 を供給することができない。これに対し、本考案によれば、図9のTo ,T1 及 びT2 の全期間に亘って負荷(特にポンプモータ)に電力を供給することができ 、負荷に電力を供給するために必要なクランキング回転数の平均値(To 〜T2 の期間における平均回転数)をN1 (<N2 )に引き下げることができるため、 機関の始動を容易にすることができる。
【0055】 なお本考案においては、MOSFET F1 及びF2 を同時にオンオフさせる ことが重要である。一方のMOSFETの駆動が遅れると、駆動が遅れた方のM OSFETのドレインソース間に存在する寄生ダイオードの順方向電圧降下が短 絡回路のしきい値電圧となるため、上記のような効果を得ることができなくなる 。
【0056】 また上記のように発電コイルの短絡、遮断を行う昇圧用のスイッチング素子と して電圧制御素子であるMOSFETを用いると、発電コイルを短絡する際にス イッチング素子で生じる損失を少なくすることができるため、電源装置からの発 熱を少なくすることができ、スイッチング素子に取り付ける放熱板の小形化を図 ることができる。
【0057】 図10は磁石発電機が3相交流出力を発生する場合の実施例を示したものであ る。この実施例では、磁石発電機1の固定子が3相の発電コイルW1 〜W3 を有 し、これらの発電コイルがスター結線されている。この場合も発電コイルW1 な いしW3 の巻数を少なくしてそれぞれのインピーダンスを十分に低くしておく。 昇圧整流回路2は、カソードが共通接続された第1ないし第3のダイオードD1 〜D3 と、第1ないし第3のダイオードD1 〜D3 のアノードにそれぞれドレイ ンが接続されるとともにソースが共通接続された第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 とを備えていて、第1ないし第3のダイオードD1 〜D3 のカソー ドの共通接続点及び第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のソースの共通 接続点をそれぞれプラス側直流出力端子2a及びマイナス側直流出力端子2bと した回路からなっている。また第1ないし第3のダイオードD1 〜D3 のアノー ドと第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のドレインとのそれぞれの接続 点2u,2v及び2wが交流入力端子となっており、これらの交流入力端子2u ,2v及び2wに発電コイルW1 ,W2 及びW3 の中性点と反対側の出力端子1 a,1b及び1cが接続されている。この例では、MOSFET F1 〜F3 に より、磁石発電機の出力端子1a,1b,1c間をオンオフする昇圧用のスイッ チ回路が構成されている。
【0058】 昇圧整流回路2の出力端子2a,2b間には、第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のゲートに同位相の矩形波状の駆動信号を与えて第1ないし第3の MOSFETを同時にオンオフさせるFET制御回路3が接続され、この制御回 路の出力端子3a,3bにそれぞれMOSFET F1 〜F3 のゲート及びソー スが共通接続されている。各MOSFETとしては、図1の実施例と同様にドレ インソース間に寄生ダイオードを有するNチャンネル形のものが用いられ、第1 ないし第3のダイオードD1 〜D3 と、第1ないし第3のMOSFET F1 〜 F3 の寄生ダイオードDf1〜Df3とにより、3相ダイオードブリッジ全波整流回 路が構成されている。その他の点は図1に示した実施例と同様である。
【0059】 図10に示した実施例では、第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 が、 図11(A)に示すような矩形波状の駆動信号VGSにより同時に駆動される。こ れにより発電コイルW1 〜W3 の短絡と遮断とが繰り返され、MOSFET F 1 〜F3 が遮断した際に発電コイルW1 〜W3 に昇圧された電圧が誘起させられ る。この電圧は、整流用ダイオードD1 〜D3 と寄生ダイオードDf1〜Df3とか らなる全波整流回路を通して負荷5(燃料噴射装置FISの電気的構成部分)に 供給される。図11(B)は負荷5に印加される電圧VL の波形を示しており、 図11(C)は負荷5に流れる電流IL の波形を示している。
【0060】 上記の各実施例において、FET制御回路3の発振周波数及び出力信号のデュ ーティ比は一定であってもよいが、機関の高速回転時に出力電圧が高くなりすぎ るのを防ぐために、出力電圧を設定値以下に抑えるように、出力電圧に応じてF ET制御回路3が出力する駆動信号のデューティ比(=駆動信号の信号幅/駆動 信号の発生周期)及び(または)該駆動信号の周波数を制御することができる。 また機関の高速回転時に駆動信号を零としても出力電圧が過大になる場合には、 磁石発電機の出力を短絡して出力電圧の上昇を抑える電圧調整器を設ければよい 。
【0061】 上記の各実施例では、FET制御回路3が発電機1の整流出力により駆動され るようになっているが、バッテリが搭載される場合には、該バッテリにより制御 回路3を駆動するようにしてもよい。またバッテリが搭載されない場合に、乾電 池等の簡単な電池を用いてFET制御回路3を駆動するようにしてもよい。
【0062】 図10に示した実施例では、3相交流電圧を昇圧、整流する昇圧整流回路を構 成するために、3つのMOSFETを設けて、磁石発電機の3つの出力端子間を それぞれオンオフするようにスイッチ回路を構成しているが、磁石発電機の一部 の出力端子間のみをオンオフするようにスイッチ回路を構成することもできる。 図12はその実施例を示したもので、この例では、第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 と、4つの整流用ダイオードD1 〜D3 及びD3 ´とにより昇圧 整流回路2が構成されている。この昇圧整流回路2の構成は、図10の実施例に おいてMOSFET F3 をダイオードD3 ´で置き換えたものに相当している 。
【0063】 図12のように構成した場合には、MOSFET F1 及びF2 のオンオフに より磁石発電機の一部の発電コイルW1 及びW2 を流れる電流のみが断続させら れるため、磁石発電機の出力電圧は非対称な波形になるが、この出力電圧は整流 回路により整流され、コンデンサCo により平滑されて燃料噴射装置の電気的構 成部分(負荷5)に供給されるため、燃料噴射装置の駆動にはなんら支障を来さ ない。
【0064】 上記の実施例では、MOSFETのソースを共通接続し、ドレインを対応する 整流用ダイオードのアノードに接続して、MOSFETを負の直流出力端子2b 側に位置させて昇圧整流回路を構成しているが、MOSFETはそのドレインソ ース間に存在する寄生ダイオードの向きを整流用ダイオードの向きと同じにする ように接続すればよく、上記実施例の接続のしかたに限定されない。例えば、図 13に示したように、第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 のドレインを 共通接続するとともに、それぞれのソースを、アノードが共通接続されたダイオ ードD1 及びD2 のカソードに接続して、2つのMOSFETを正の直流出力端 子2a側に位置させるようにしてもよい。但しこの場合、MOSFET F1 及 びF2 をオン状態にするためには、図14に示すように、MOSFETのドレイ ンの電位VL よりも高いゲート電圧を与える必要がある。
【0065】 図13に示した例では昇圧整流回路2が単相交流出力を整流するようにしてい るが、3相交流出力を整流する整流回路を構成する場合にも、MOSFETを正 の直流出力端子側に位置させる構成をとることができる。即ち、第1ないし第3 のMOSFET F1 〜F3 と第1ないし第3の整流用ダイオードD1 〜D3 と を設けて、第1ないし第3のMOSFETのドレインを整流回路の正の直流出力 端子に共通に接続し、これら第1ないし第3のMOSFET F1 〜F3 のソー スを、アノードが負の直流出力端子に共通接続された第1ないし第3の整流用ダ イオードD1 〜D3 のカソードにそれぞれ接続する構成をとることもできる。
【0066】 また図12に示すように、多相磁石発電機の出力端子の数よりも少ないMOS FETにより磁石発電機の一部の出力端子間のみをオンオフするスイッチ回路を 構成する場合にも、MOSFETを正の直流出力端子2a側に設ける構成をとる ことができる。
【0067】 一般にn個(nは2以上の整数)の出力端子を有して単相または多相の交流電 圧を出力する磁石発電機の出力を昇圧して整流する昇圧整流回路を構成するため には、磁石発電機の少なくとも2つの出力端子間を短絡するように昇圧用スイッ チ回路を構成すればよい。磁石発電機の2つの発電コイル間を短絡する昇圧用ス イッチ回路を構成するためには、図5(A)に示すように2つのMOSFETが 必要である。従って、Nチャンネル形のMOSFETを負の直流出力端子側に位 置させて磁石発電機の交流出力電圧を昇圧して整流する昇圧整流回路は、ソース が共通接続されドレインが磁石発電機の異なる出力端子に接続されたm個(mは 2以上n以下の整数)のMOSFETと2n−m個の整流用ダイオードとを備え て、該m個のMOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオ ードと2n−m個の整流用ダイオードとにより多相交流電圧を全波整流するダイ オードブリッジ全波整流回路を構成するように、2n−m個の整流用ダイオード とm個のMOSFETとをブリッジ接続した回路により構成できる。この場合、 FET制御回路はm個のMOSFETのゲートに同位相の矩形波状の駆動信号を 与えて該m個のMOSFETを同時にオンオフさせる回路により構成することが できる。
【0068】 またNチャンネル形のMOSFETを正の直流出力端子側に位置させてn個の 出力端子を有する単相または多相の磁石発電機の交流出力電圧を昇圧整流する整 流回路は、ドレインが共通接続されソースが磁石発電機の異なる出力端子に接続 されたm個(mは2以上n以下の整数)のMOSFETと2n−m個の整流用ダ イオードとを備えて、該m個のMOSFETのそれぞれのドレインソース間に存 在する寄生ダイオードと2n−m個の整流用ダイオードとにより多相交流電圧を 全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するように、2n−m個の 整流用ダイオードとm個のMOSFETとをブリッジ接続した回路により構成で きる。
【0069】 上記の実施例では、各MOSFETとして、ゲートのソースに対する電位が0 ボルトのときにオフ状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位にする駆動 信号が与えられたときにオン状態になるNチャンネル形のものを用いたが、ゲー ト電位が0ボルトのときにオン状態にあり、ゲート電位をソースに対して正電位 にする駆動信号が与えられたときにオフ状態になるPチャンネル形のMOSFE Tを用いることもできる。
【0070】 図15はPチャンネル形のMOSFETを用いる場合の実施例を示したもので 、この例では、Pチャンネル形の第1及び第2のMOSFET F1 及びF2 の ソースを共通接続するとともに、第1及び第2の整流用ダイオードD1 及びD2 のアノードを共通接続し、MOSFET F1 及びF2 のドレインをそれぞれダ イオードD1 及びD2 のカソードに接続する。MOSFET F1 及びF2 の寄 生ダイオードと整流用ダイオードD1 及びD2 とにより単相ダイオードブリッジ 全波整流回路が構成されている。
【0071】 この実施例では、MOSFET F1 及びF2 をオフ状態にするために、図1 6に示したようにMOSFET F1 及びF2 のソース(整流回路のプラス側出 力端子)の電位VL 以上のゲート電圧を必要とする。
【0072】 この場合も、アノードが共通接続された第1ないし第3の整流用ダイオードD 1 〜D3 と該第1ないし第3の整流用ダイオードのアノードにそれぞれドレイン が接続されるとともにソースが共通接続されたPチャンネル形の第1ないし第3 のMOSFET F1 〜F3 とにより3相交流出力を昇圧、整流する整流回路を 構成することができる。
【0073】 Pチャンネル形のMOSFETを用いて多相交流出力を整流する整流回路を構 成する場合にも、Nチャンネル形のMOSFETを用いる場合と同様に、磁石発 電機の一部の出力端子間のみをオンオフするように、磁石発電機の出力端子の数 よりも少ない数のMOSFETにより昇圧用スイッチ回路を構成することができ る。
【0074】 一般に、n個(nは2以上の整数)の出力端子間に単相または多相交流電圧を 発生する磁石発電機から得られる交流電圧を昇圧整流して直流電圧を出力する昇 圧整流回路は、ソースが共通接続され、ドレインが前記磁石発電機の異なる出力 端子に接続されたPチャンネル形のm個(mは2以上n以下の整数)のMOSF ETと、2n−m個の整流用ダイオードとを備えて、m個のMOSFETのそれ ぞれのドレインソース間に存在する寄生ダイオードと2n−m個の整流用ダイオ ードとにより多相交流出力を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路を構 成するように、m個のMOSFETと2n−m個の整流用ダイオードとをブリッ ジ接続した回路により構成することができる。
【0075】 上記の説明では、昇圧用スイッチ回路を構成するMOSFETのすべてに同位 相の矩形波信号を与えて、全てのMOSFETを同時にオンオフさせるようにし たが、このようにすると、以下に示すように、駆動信号がオフレベルの状態にな ったときに逆ドレイン電流が流れるMOSFETで比較的大きなチャンネル損失 が生じるため、MOSFETからの発熱が多くなる。
【0076】 図1に示した電源装置において、MOSFET F1 ,F2 に与える駆動信号 を同時にオフレベルにして発電コイルW1 の短絡電流を遮断すると、発電コイル W1 に誘起した電圧により、発電コイルW1 →整流回路2のダイオードD2 →F ET制御回路3、コンデンサCo 及び負荷5→MOSFET F1 の寄生ダイオ ードDf1→発電コイルW1 の経路、または発電コイルW1 →整流回路2のダイオ ードD1 →FET制御回路3、コンデンサCo 及び負荷5→MOSFET F2 の寄生ダイオードDf2→発電コイルW1 の経路で電流が流れ、MOSFET F 1 またはF2 にはそのソース側からドレイン側に向かう極性の電流(逆ドレイン 電流)が流れる。
【0077】 ところがNチャンネル形のMOSFETにおいては、そのドレインソース間の 電圧が寄生ダイオードに順方向電圧を印加する極性であるときに(逆ドレイン電 流が流れるときに)駆動信号がオフレベルの状態にあると、そのチャンネル損失 Pchが大きくなるため、上記のようにMOSFET F1 及びF2 の駆動信号を 同時にオフレベルにすると、スイッチ回路での損失が増大し、MOSFETから の発熱が多くなる。
【0078】 例えば、図8に示したMOSFETの場合、ゲートソース間にオンレベルの駆 動信号VGS=10[V]が与えられている状態で流れる逆ドレイン電流IDRが2 0[A]であるとすると、ソースドレイン間電圧VSDは0.27[V]であるた め、チャンネル損失Pchは、 Pch=VSD×IDR=0.27×20=5.4[W] である。
【0079】 これに対し、駆動信号がオフレベルの状態(VGS=0の状態)にあるMOSF ETに20[A]の逆ドレイン電流が流れた場合には、そのソースドレイン間電 圧VSDが0.91[V]になるため、チャンネル損失Pchは、 Pch=0.91×20=18.2[W] となり、駆動信号がオフレベルの状態にあるときの逆ドレイン電流によるチャン ネル損失は、駆動信号がオンレベルの状態にある場合のチャンネル損失の3倍以 上に達する。
【0080】 図1に示した電源装置において、MOSFET F1 のチャンネル損失に着目 して動作波形を示すと図17(A)〜(E)に示すようになる。図17(A)は 発電コイルW1 に誘起する電圧を示し、同図(B)は各MOSFETのゲートソ ース間に印加される駆動信号VGSを示している。また図17(C)は、MOSF ET F1 のドレインソース間電圧VDSを示し、図17(D)はMOSFET F1 のドレイン電流ID を示している。更に図17(E)はMOSFET F1 のチャンネル損失Pchを示している。
【0081】 図17(E)に見られるように、逆ドレイン電流が流れているときに駆動信号 VGSがオフレベルの状態にあると、チャンネル損失Pchが突出して多くなること が分かる。このようにチャンネル損失が多くなると、MOSFETからの発熱が 多くなり、MOSFETのヒートシングとして大形のものを用いることが必要に なって電源装置の大形化を招くという問題が生じる。
【0082】 上記の説明ではNチャンネル形のMOSFETを例にとったが、Pチャンネル 形のMOSFETの場合にも、そのドレインソース間の電圧が寄生ダイオードに 順方向電圧が印加される極性であるとき(ドレイン側からソース側に電流が流れ る期間)に駆動信号がオフレベルの状態にあるとチャンネル損失が増大する。従 って、Pチャンネル形のMOSFETを用いる場合にも、スイッチ回路を構成す る複数のMOSFETの駆動信号を同時にオフレベルにすると各MOSFETで のチャンネル損失が増大し、MOSFETからの発熱が増大する。
【0083】 上記の問題を解決するためには、スイッチ回路を構成する複数のMOSFET の内、ドレインソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印加されているMO SFETのゲートソース間には該MOSFETをオン状態にするオンレベルと該 MOSFETをオフ状態にするオフレベルとの間を前記磁石発電機の出力周波数 よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動信号を与え、寄生ダイオードに順方 向電圧が印加されているMOSFETのゲートソース間には該順方向電圧が印加 されている間オンレベルの状態を保持する駆動信号を与えるように、FET制御 回路を構成すればよい。
【0084】 前述のように、駆動信号のオンレベルは、MOSFETをオン状態にするため に該MOSFETのゲートソース間に与える電圧のレベルであり、駆動信号のオ フレベルはMOSFETをオフ状態にするために該MOSFETのゲートソース 間に与える電圧のレベルである。Nチャンネル形のMOSFETの場合、駆動信 号のオンレベルは、該MOSFETのドレインをソースに対して所定のレベルだ け正電位にするレベルであり、オフレベルは該MOSFETのドレインをソース に対して零電位または僅かに負電位にするレベルである。またPチャンネル形の MOSFETの場合、駆動信号のオンレベルは、ゲートの電位をソース電位に対 して所定のレベルVg (例えば10[V])だけ低くするレベルであり、駆動信 号のオフレベルは、ゲートの電位をソース電位に等しくするかまたは該ソース電 位よりも僅かに高くするレベルである。
【0085】 また上記のように、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているMOSFE Tに与える駆動信号のレベルをオンレベルに保持するようにすると、該MOSF ETのドレイン電流によるチャンネル損失Pchを少なくすることができるため、 スイッチ回路を構成するMOSFETからの発熱を少なくすることができ、ヒー トシンクを小形にして電源装置の小形化を図ることができる。
【0086】 図18は寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているMOSFETに与える 駆動信号のレベルをオンレベルに保持するようにFET制御回路を構成する場合 の本考案の実施例を示したものである。同図において1は内燃機関に取り付けら れた磁石発電機、2はソースが共通に接続されドレインが磁石発電機の出力端子 1a,1bにそれぞれ接続されたNチャンネル形のMOSFET F1 及びF2 と、カソードが共通に接続され、アノードがMOSFET F1 及びF2 のドレ インにそれぞれ接続された整流用ダイオードD1 及びD2 とからなる昇圧整流回 路、3はFET制御回路である。MOSFET F1 及びF2 のゲートソース間 にはそれぞれ抵抗Rgs1 及びRgs2 が接続されている。
【0087】 昇圧整流回路2の正極性側の直流出力端子2aは正極性側の出力端子4aに接 続され、該昇圧整流回路2の負極側の直流出力端子2bは負極側の出力端子4b に接続されている。昇圧整流回路2の正極側直流出力端子2a及び負極側直流出 力端子2bにそれぞれ駆動信号発生回路3Aの電源端子3a及び3bが接続され 、駆動信号発生回路3Aの出力端子3cがアノードを該出力端子側に向けたダイ オードDa及びDbを通してMOSFET F1 及びF2 のゲートにそれぞれ接 続されている。
【0088】 また発電コイルW1 の出力端子1bとMOSFET F1 のゲートとの間がア ノードを該出力端子1b側に向けたダイオードDcを通して接続され、出力端子 1aとMOSFET F2 のゲートとの間がアノードを該出力端子1a側に向け たダイオードDdを通して接続されている。この例では駆動信号発生回路3Aと ダイオードDa〜DdとによりFET制御回路3が構成されている。
【0089】 駆動信号発生回路3Aは単安定マルチバイブレータ等の矩形波信号を発生する 発振器からなり、図19(B)に示すように、磁石発電機の出力周波数よりも十 分に高い周波数の矩形波信号Vqを発生する。
【0090】 図18に示した実施例において、駆動信号発生回路3Aは、図19(B)に示 したようにオンレベル(図示の例では10[V])の状態とオフレベル(図示の 例では0[V])の状態とを交互に生じる矩形波信号Vqを発生する。この矩形 波信号の周波数は磁石発電機の出力周波数よりも十分に高く設定されている。矩 形波信号VqはダイオードDa及びDbを通してMOSFET F1 及びF2 の ゲートソース間にそれぞれ駆動信号VGS1 及びVGS2 として与えられる。MOS FET F1 及びF2 にオンレベルの駆動信号が与えられると、正極性(ドレイ ンがソースに対して高電位になる極性)のドレインソース間電圧が印加されてい る方のMOSFETが導通して該MOSFETにドレイン電流が流れ、他方のM OSFETには逆ドレイン電流が流れて発電コイルW1 が短絡される。
【0091】 例えば、発電コイルW1 に図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧Veが 誘起している期間においては、駆動信号VGS1 がオンレベルの状態にある期間M OSFET F1 にドレイン側からソース側に向う順方向のドレイン電流が流れ 、MOSFET F2 にソース側からドレイン側に向う逆ドレイン電流が流れて 発電コイルW1 が短絡される。この状態で駆動信号VGS1 がオフレベルになると 、MOSFET F1 がオフ状態になるため、発電コイルW1 を流れていた短絡 電流が遮断され、発電コイルW1 にそれまで流れていた短絡電流を流し続けよう とする向き(図示の実線矢印方向)の昇圧された電圧が誘起する。この電圧によ りダイオードDdを通してMOSFET F1 のゲートソース間にオンレベルの 駆動信号が与えられる。従って、発電コイルW1 に誘起した電圧により発電コイ ルW1 →ダイオードD1 →負荷5→MOSFET F2 →発電コイルW1 の経路 でMOSFET F2 に逆ドレイン電流が流れるとき(寄生ダイオードDf2に順 方向電圧が印加されるとき)に該MOSFET F2 の駆動信号をオンレベルの 状態に保持することができ、該MOSFET F2 のチャンネル損失Pchを少な くすることができる。
【0092】 また発電コイルW1 が図示の破線矢印方向の負の半サイクルの電圧を誘起して いる期間においては、駆動信号VGS2 のレベルがオンレベルの状態にある期間M OSFET F2 に順方向のドレイン電流が流れ、MOSFET F1 に逆ドレ イン電流が流れて発電コイルW1 が短絡される。この状態で駆動信号がオフレベ ルになると、MOSFET F2 がオフ状態になるため、発電コイルW1 を流れ ていた短絡電流が遮断され、発電コイルW1 にそれまで流れていた短絡電流を流 し続けようとする向き(図示の破線矢印方向)の昇圧された電圧が誘起する。こ の電圧によりダイオードDcを通してMOSFET F1 のゲートソース間にオ ンレベルの駆動信号が与えられる。従って、発電コイルW1 に誘起した電圧によ り発電コイルW1 →ダイオードD2 →負荷5→MOSFET F1 →発電コイル W1 の経路でMOSFET F1 に逆ドレイン電流が流れるとき(MOSFET F1 の寄生ダイオードDf1に順方向電圧が印加されているとき)に該MOSF ETF1 にオンレベルの駆動信号を与えた状態に保持することができ、該MOS FETのチャンネル損失を少なくすることができる。
【0093】 図19(C)は、図18のMOSFET F1 のゲートソース間に与えられる 駆動信号VGS1 の波形を示し、同図(D)はMOSFET F1 のドレインソー ス間電圧VDS1 の波形を示している。磁石発電機の出力の負の半サイクルの期間 におけるMOSFET F1 のドレインソース間電圧波形は、該MOSFET F1 の寄生ダイオードDf1の順方向電圧降下である。
【0094】 また図19(E)はMOSFET F1 のドレイン電流ID1を示し、同図(F )はMOSFET F1 のチャンネル損失Pchを示している。なおMOSFET F2 についての動作波形及びチャンネル損失はその図示を省略している。
【0095】 図19(F)から明らかなように、本考案によれば、発電コイルW1 の短絡電 流が遮断された際に誘起する電圧により、寄生ダイオードに順方向電圧が印加さ れているMOSFETにオンレベルの駆動信号を与えるようにしたことにより、 図1に示した実施例による場合のように逆ドレイン電流によるチャンネル損失が 突出して増大するのを防ぐことができるため、MOSFETの発熱を抑えること ができる。図8の特性を有するMOSFETを用いるものとし、逆ドレイン電流 を20[A]とした場合、図18の電源装置によれば、図1の電源装置による場 合に比べて逆ドレイン電流によるチャンネル損失を1/3以下に抑えることがで きる。
【0096】 図18に示した実施例では、MOSFETの寄生ダイオードに順方向電圧が印 加されている期間該MOSFETに磁石発電機側からダイオードを通してオンレ ベルの駆動信号を与えるようにしたが、駆動信号発生回路3AからMOSFET に全ての駆動信号を与えるようにすることもできる。図20は駆動信号発生回路 3AからMOSFETに全ての駆動信号を与えるようにした本考案の実施例を示 したもので、この実施例では、磁石発電機1の2つの出力端子1a,1bがそれ ぞれ抵抗Ra及びRbを通して比較器CM1 の非反転入力端子(+端子)及び反 転入力端子(−端子)に接続され、比較器CM1 の出力端子は抵抗R1 を通して 整流回路2の正極性側の直流出力端子(ダイオードD1 ,D2 のカソードの共通 接続点)2aに接続されている。この例では、磁石発電機の出力端子1aが出力 端子1bに対して正電位になる図示の実線矢印方向の極性の半サイクルの出力電 圧を正の半サイクルの出力電圧としている。磁石発電機の出力電圧Veの波形は 図21(A)に示す通りである。
【0097】 比較器CM1 は図21(B)に示したような制御信号Vsを出力する。この制 御信号Vsは、磁石発電機1が図示の実線矢印方向の正の半サイクルの出力電圧 を発生している期間高レベルの状態を保持し、磁石発電機1が破線矢印方向の負 の半サイクルの電圧を発生している期間零レベルの状態を保持する。
【0098】 駆動信号発生回路3Aは昇圧整流回路2の出力端子2a,2bにそれぞれ接続 された電源端子3a,3bと、駆動信号VGS1 及びVGS2 をそれぞれ発生する出 力端子3c1,3c2と、制御端子3dとを有していて、制御端子3dに比較器CM 1 が出力する制御信号Vsが入力されている。駆動信号発生回路3Aはその制御 端子3dに高レベルの制御信号Vsが与えられているときに、出力端子3c1から 磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数でオンレベルとオフレベルとの間を変 化する矩形波状の駆動信号VGS1 (図21D)を出力し、出力端子3c2からオン レベルの状態を保持する駆動信号VGS2 (図21C)を出力する。また制御端子 3dに与えられる制御信号Vsが零レベルの期間は、出力端子3c1からオンレベ ルの状態を保持する駆動信号VGS1 を出力し、出力端子3c2から磁石発電機の出 力周波数よりも高い周波数でオンレベルとオフレベルとの間を変化する矩形波状 の駆動信号VGS2 を出力する。これらの駆動信号VGG1 及びVGS2 がそれぞれM OSFET F1 及びF2 のゲートソース間に与えられている。この実施例では 、駆動信号発生回路3Aと比較器CM1 と抵抗R1 ,Ra 及びRb とによりFE T制御回路3が構成されている。その他の構成は図1の実施例と同様であり、図 1の実施例と同様の動作を行う。
【0099】 図22は磁石発電機が3相交流出力を発生するように構成されている場合の実 施例を示したもので、この実施例では発電機の3相の発電コイルW1 〜W3 がス ター結線されている。発電機1は3つの出力端子1u〜1wを有していて、出力 端子1u,1v間、1v,1w間及び1w,1v間にそれぞれ図23(A)に示 すような3相交流電圧Vu,Vv,Vwを出力する。
【0100】 発電機の出力端子1u〜1wにはそれぞれソースが共通に接続されたNチャン ネル形のMOSFET F1 〜F3 のドレインが接続されている。発電機1の出 力端子1u〜1wにまた、カソードが共通に接続された整流用ダイオードD1 〜 D3 のアノードが接続され、MOSFET F1 〜F3 とダイオードD1 〜D3 とにより昇圧整流回路2が構成されている。MOSFET F1 〜F3 の寄生ダ イオードDf1〜Df3とダイオードD1 〜D3 とによりダイオードブリッジ3相全 波整流回路3が構成されている。
【0101】 FET制御回路3は、駆動信号発生回路3Aと、比較器CM1 〜CM3 と、抵 抗Ru〜Rw及びR1 〜R3 とにより構成されている。この例では、発電機1の U相の出力端子1aが抵抗Ruを通して比較器CM1 の非反転入力端子と比較器 CM3 の反転入力端子とに接続され、V相の出力端子1bが抵抗Rvを通して比 較器CM1 の反転入力端子と比較器CM2 の非反転入力端子とに接続されている 。またW相の出力端子1wは、抵抗Rwを通して比較器CM2 の反転入力端子と 比較器CM3 の非反転入力端子とに接続されている。比較器CM1 〜CM3 の出 力端子はそれぞれ抵抗R1 〜R3 を通して昇圧整流回路2の正極性側の出力端子 2aに接続されている。
【0102】 駆動信号発生回路3Aは、昇圧整流回路2の出力端子2a,2bにそれぞれ接 続された電源端子3a,3bと、MOSFET F1 〜F3 のゲートにそれぞれ 接続された出力端子3c1〜3c3と、比較器CM1 〜CM3 の出力端子にそれぞれ 接続された制御端子3d1〜3d3とを有している。駆動信号発生回路3Aの出力端 子3c1〜3c3から出力される駆動信号VGS1 〜VGS3 がそれぞれMOSFET F1 〜F3 のゲートに与えられている。
【0103】 比較器CM1 は出力端子1uの電位と1vの電位とを比較して、U相の電圧V uの正の半サイクルの期間高レベルの状態を保持する制御信号Vs1を出力する。 また比較器CM2 は出力端子1vの電位と出力端子1wの電位とを比較して、V 相の電圧Vvの正の半サイクルの期間高レベルの状態を保持する制御信号Vs2を 出力し、比較器CM3 は、出力端子1wの電位と出力端子1uの電位とを比較し て、W相の電圧Vwの正の半サイクルの期間高レベルの状態を保持する制御信号 Vs3を出力する。駆動信号発生回路3Aは、制御信号Vs1〜Vs3に応じてその出 力端子3c1〜3c3から駆動信号VGS1 〜VGS3 を出力する。駆動信号VGS1 は、 図23(B)に示したように、U相の電圧Vuの正の半サイクルの期間(制御信 号Vs1が高レベルの状態にある期間)磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数 でオンレベルとオフレベルとの間を矩形波状に変化し、U相の電圧の負の半サイ クルの期間(制御信号Vs1が零レベルの状態にある期間)オンレベルの状態を保 持する。また駆動信号VGS2 は、図23(C)に示したように、V相の電圧Vv の正の半サイクルの期間(制御信号Vs2が高レベルの状態にある期間)磁石発電 機の出力周波数よりも高い周波数でオンレベルとオフレベルとの間を矩形波状に 変化し、V相の電圧Vvの負の半サイクルの期間(制御信号Vs2が零レベルの状 態にある期間)オンレベルの状態を保持する。更に駆動信号VGS3 は、図23( D)に示したように、W相の電圧Vwの正の半サイクルの期間(制御信号Vs3が 高レベルの状態にある期間)磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数でオンレ ベルとオフレベルとの間を矩形波状に変化し、W相の電圧Vwの負の半サイクル の期間(制御信号Vs3が零レベルの状態にある期間)オンレベルの状態を保持す る。
【0104】 昇圧整流回路2の直流出力端子2a,2b間には平滑用コンデンサCo が接続 され、直流出力端子2a,2bにそれぞれ接続された出力端子4a,4b間には 、燃料噴射装置FISの電気的構成部分を構成する負荷5が接続されている。
【0105】 図22の実施例においても、寄生ダイオードに逆方向電圧が印加されるMOS FETには矩形波状の駆動信号が与えられ、寄生ダイオードに順方向電圧が印加 されるMOSFETにはオンレベルの状態を保持する駆動信号が与えられて、M OSFETのチャンネル損失の低減が図られる。
【0106】 図22の実施例では、3相交流出力を発生する磁石発電機の全ての出力端子間 をMOSFETにより短絡するように昇圧整流回路2を構成しているが、一部の 出力端子間のみを短絡するようにスイッチ回路を構成することができる。図24 は3相交流出力を発生する磁石発電機1の3つの出力端子1u〜1wの内の2つ の出力端子1u,1v間のみを短絡するようにスイッチ回路を構成した実施例を 示したもので、この実施例では、磁石発電機の出力端子1u及び1vにそれぞれ ソースが共通に接続されたNチャンネル形のMOSFET F1 及びF2 のドレ インが接続され、出力端子1wにアノードをMOSFET F1 及びF2 のソー スに接続したダイオードD3 ´のカソードが接続されている。出力端子1u〜1 wにはまたカソードを共通接続したダイオードD1 〜D3 のアノードが接続され ている。
【0107】 磁石発電機1の出力端子1u及び1vはそれぞれ抵抗Ra及びRbを通して比 較器CM1 の非反転入力端子及び反転入力端子に接続され、比較器CM1 の出力 端子は抵抗R1 を通して昇圧整流回路2の正極性側の出力端子2aに接続される とともに、駆動信号発生回路3の制御端子3dに接続されている。
【0108】 比較器CM1 は、U相の電圧Vuの正の半サイクルの期間高レベルの状態を保 持し、負の半サイクルの期間零レベルの状態を保持する駆動信号Vsを発生する 。
【0109】 駆動信号発生回路3Aは図20の実施例で用いたものと同様のもので、図25 (B)及び(C)に示したように、U相の電圧Vuの正の半サイクルの期間(制 御信号Vsが高レベルの状態にある期間)矩形波状の駆動信号VGS1 及びオンレ ベルを保持する駆動信号VGS2 を発生し、該電圧Vuの負の半サイクルの期間( 制御信号Vsが零レベルの状態にある期間)オンレベルを保持する駆動信号VGS 1 及び矩形波状の駆動信号VGS2 を発生する。これらの駆動信号VGS1 及びVGS 2 はそれぞれMOSFET F1 及びF2 のゲートに与えられている。
【0110】 一般に0石発電機がn個の(nは2以上の整数)出力端子を有して単相または 多相の交流電圧を発生するように構成されている場合には、少なくとも2つの出 力端子間をMOSFETにより短絡するように昇圧整流回路2を構成すればよい 。
【0111】 図26はPチャンネル形のMOSFETを用いた実施例を示したもので、この 例では、単相交流出力を発生するように構成された磁石発電機の出力端子1a, 1bにそれぞれソースが共通に接続されたPチャンネル形のMOSFET F1 及びF2 のドレインが接続されている。発電機の出力端子1a,1bにはまたア ノードを共通に接続した整流用ダイオードD1 及びD2 のカソードが接続され、 ダイオードD1 及びD2 とMOSFET F1 及びF2 の寄生ダイオードDf1及 びDf2とによりダイオードブリッジ単相全波整流回路が構成されている。
【0112】 磁石発電機1の出力端子1a,1bはそれぞれ抵抗Ra及びRbを通して比較 器CM1 の非反転入力端子及び反転入力端子に接続され、比較器CM1 の出力端 子は抵抗R1 を通して昇圧整流回路2の出力端子2aに接続されている。比較器 CM1 は、出力端子1a,1bの電位を比較して、図27(B)に示すような制 御信号Vsを出力する。
【0113】 駆動信号発生回路3Aは、昇圧整流回路2の出力端子2a及び2bにそれぞれ 接続された電源端子3a及び3bと、MOSFET F1 及びF2 のゲートに接 続された出力端子3c1及び3c2と、比較器CM1 の出力端子に接続された制御端 子3dとを有していて、出力端子3c1及び3c2からそれぞれ図27(C)及び( D)に示すような駆動信号VGS1 及びVGS2 を出力する。
【0114】 なお図27(C)及び(D)においては、MOSFET F1 及びF2 のソー スの電位を0レベルとしている。Pチャンネル形のMOSFETの駆動信号のオ ンレベルは、ゲートの電位をソース電位に対して所定のレベルVg (例えば10 [V])だけ低くするレベルであり、駆動信号のオフレベルは、ゲートの電位を ソース電位に等しくするかまたは該ソース電位よりも僅かに高くするレベルであ る。
【0115】 本実施例の駆動信号発生回路3Aは、比較器CM1 が高レベルの制御信号Vs を発生している期間(磁石発電機1の出力電圧の正の半サイクルの期間)オンレ ベルの状態を保持する駆動信号VGS1 とオンレベルとオフレベルとの間を変化す る矩形波状の駆動信号VGS2 とを出力し、比較器CM1 が零レベルの制御信号V sを発生している期間(磁石発電機の出力電圧の負の半サイクルの期間)オンレ ベルとオフレベルとの間を変化する矩形波状の駆動信号VGS1 とオンレベルの状 態を保持する駆動信号VGS2 とを出力する。
【0116】 Pチャンネル形のMOSFETの場合には、ドレイン側からソース側に向う方 向のドレイン電流が流れる期間(ドレインソース間の寄生ダイオードに順方向電 圧が印加されている期間)に駆動信号がオフレベルであるとドレイン電流による チャンネル損失が増大する。図26の実施例では、MOSFET F1 及びF2 のそれぞれの寄生ダイオードに順方向電圧が印加される期間それぞれのMOSF ETのゲートソース間に与えられる駆動信号がオンレベルの状態に保持されるた め、チャンネル損失の低減を図ることができ、MOSFETからの発熱を少なく することができる。
【0117】 図18、図20、図22、図24及び図26にそれぞれ示した実施例において は、各MOSFETの寄生ダイオードに逆方向電圧が印加される期間該MOSF ETに一定の周波数の矩形波状の駆動信号を与えるとしたが、昇圧整流回路2の 出力電圧に応じてMOSFETに与える矩形波状の駆動信号のデューティサイク ルを制御することにより、負荷に供給される電圧を設定値以下に保つように制御 する電圧調整機能をFET制御回路3に持たせることもできる。
【0118】 また負荷に過大な電圧が印加されるのを防ぐため、磁石発電機の出力電圧を調 整値以下に保つように制御する電圧調整機能を備えた整流電源回路を別途設けて 、負荷に供給される電圧が該整流電源回路の調整値よりも僅かに低く設定された 設定値に達したときにMOSFETのオンオフ動作による昇圧動作を停止させる 機能をFET制御回路3に持たせるようにすることもできる。
【0119】 更にFET制御回路と各MOSFETのゲートとの間にスイッチを介在させて 、内燃機関の始動時に該スイッチを閉じることによりFET制御回路から各MO SFETに駆動信号を与えて昇圧動作を行なわせ、機関が始動した後に該スイッ チを開いて昇圧動作を停止させるように構成することもできる。
【0120】 上記の各実施例では、燃料噴射装置FISの電気的な構成部分の全てを電源回 路4の負荷としたが、駆動するために比較的大きな電力を必要とするポンプモー タ7のみを電源回路4の負荷とし、インジェクタ駆動回路9及びインジェクタ制 御装置8は別途設けた他の電源回路、例えば、磁石発電機に設けられる発電コイ ルの内、電源回路4を構成するために用いる発電コイル以外の他の発電コイルの 出力を整流して一定の直流電圧を出力する電圧調整機能付きの整流回路により駆 動するようにしてもよい。
【0121】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、導通させるために必要なしきい値電圧が実質 的に零で、抵抗と同じように働くMOSFETからなるスイッチ回路により磁石 発電機の発電コイルを流れる短絡電流を断続させて該発電機の出力電圧を昇圧す るように電源回路を構成して、該電源回路の出力で燃料噴射装置の少くともポン プモータを駆動するようにしたので、機関を人力でスタートする場合のように、 機関の回転速度が低く、磁石発電機の発電コイルに誘起する電圧が極めて低いと きでもMOSFETのオンオフにより発電コイルに昇圧された電圧を誘起させて ポンプモータを駆動することができる。従って、燃料噴射装置を用いる機関にお いてバッテリが過放電状態になった際に機関を手動スタートする場合や、バッテ リを用いずに磁石発電機の出力だけでポンプモータを駆動する場合でも機関を支 障なく起動することができる。
【0122】 特に請求項9に記載した考案によれば、スイッチ回路を構成する各MOSFE Tの寄生ダイオードに逆方向電圧が印加される期間該MOSFETの駆動信号を 矩形波状に変化させ、各MOSFETの寄生ダイオードに順方向電圧が印加され る期間は、該MOSFETの駆動信号をオンレベルの状態に保持するようにした ので、MOSFETの寄生ダイオードに順方向電圧が印加される期間に生じるM OSFETのチャンネル損失の低減を図ることができる。従って、MOSFET からの発熱を少なくすることができ、MOSFETのヒートシンクとして小形の ものを用いて、内燃機関燃料噴射装置の電源回路部分の小形化を図ることができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示した回路図である。
【図2】図1の各部の信号波形を示した波形図である。
【図3】磁石発電機の無負荷出力電圧波形の一例を示し
た波形図である。
【図4】発電コイルを短絡するスイッチング素子として
FETを用いた場合とバイポーラトランジスタを用いた
場合の動作の相違を説明するための波形図である。
【図5】(A)は本考案の実施例における発電コイルの
短絡回路を示した回路図である。(B)は昇圧用スイッ
チとしてMOSFETに代えてトランジスタを用いた電
源装置における発電コイルの短絡回路を示した回路図で
ある。
【図6】磁石発電機の出力電圧対出力電流特性を負荷直
線とともに示した線図である。
【図7】MOSFETの導通時のドレインソース間抵抗
対ドレイン電流特性の例を示した線図である。
【図8】図7と同じMOSFETの逆ドレイン電流対ソ
ースドレイン間電圧特性を示した線図である。
【図9】機関を手動スタートさせた場合のクランキング
回転数の変化の一例を示した線図である。
【図10】本考案の他の実施例の構成を示す回路図であ
る。
【図11】図10の各部の信号波形を示した波形図であ
る。
【図12】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図13】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図14】図13の実施例で用いるMOSFETの駆動
信号を示した波形図である。
【図15】本考案の更に他の実施例の構成を示した回路
図である。
【図16】図15の実施例で用いるMOSFETの駆動
信号を示した波形図である。
【図17】図1に示された実施例の各部の電圧,電流及
びチャンネル損失を示した波形図である。
【図18】MOSFETのチャンネル損失の低減を図っ
た本考案の実施例を示した回路図である。
【図19】図18の実施例の各部の電圧、電流及びチャ
ンネル損失を示した波形図である。
【図20】MOSFETのチャンネル損失の低減を図っ
た本考案の他の実施例を示した回路図である。
【図21】図20の実施例の各部の電圧波形を示した波
形図である。
【図22】MOSFETのチャンネル損失の低減を図っ
た本考案の更に他の実施例を示した回路図である。
【図23】図22の実施例の各部の電圧波形を示した波
形図である。
【図24】MOSFETのチャンネル損失の低減を図っ
た本考案の更に他の実施例を示した回路図である。
【図25】図24の実施例の各部の電圧波形を示した波
形図である。
【図26】MOSFETのチャンネル損失の低減を図っ
た本考案の更に他の実施例を示した回路図である。
【図27】図26の実施例の各部の電圧波形を示した波
形図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 2 昇圧整流回路 3 FET制御回路 D1 〜D3 整流用ダイオード Df1〜Df3 寄生ダイオード

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機を電源として直流電圧を発生する
    電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する
    インジェクタと、前記電源回路の出力により駆動される
    ポンプモータにより駆動されて前記インジェクタに燃料
    を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機関用燃料噴射装
    置において、 前記電源回路は、 ドレイン及びソースをそれぞれ同じ側に位置させた状態
    で設けられてドレイン及びソースの一方が共通に接続さ
    れ、他方が前記磁石発電機のm個(mは2以上n以下の
    整数)の出力端子にそれぞれ接続されたm個のMOSF
    ETと、 前記m個のMOSFETのドレインソース間に存在する
    寄生ダイオードとともに前記磁石発電機の交流出力を整
    流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するよう
    に設けられた2n−m個の整流用ダイオードと、 前記磁石発電機のm個の出力端子相互間を短絡して短絡
    電流を流す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該m個
    の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期
    間に複数回生じさせるように前記m個のMOSFETの
    ゲートに駆動信号を与えるFET制御回路とを備えてい
    ることを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記FET制御回路は、前記m個のMO
    SFETのゲートに前記磁石発電機の出力の周波数より
    も高い周波数を有する同位相の矩形波状の駆動信号を与
    えて該m個のMOSFETを同時にオンオフさせる回路
    からなっている請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 前記FET制御回路は、前記m個のMO
    SFETの内、ドレインソース間の寄生ダイオードに逆
    方向の電圧が印加されているMOSFETのゲートソー
    ス間に該MOSFETをオン状態にするオンレベルと該
    MOSFETをオフ状態にするオフレベルとの間を磁石
    発電機の出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波
    状の駆動信号を与え、寄生ダイオードに順方向電圧が印
    加されているMOSFETのゲートソース間には該順方
    向電圧が印加されている間オンレベルの状態を保持する
    駆動信号を与える回路からなる請求項1に記載の内燃機
    関用燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機を電源として直流電圧を発生する
    電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する
    インジェクタと、前記電源回路の出力により駆動される
    ポンプモータにより駆動されて前記インジェクタに燃料
    を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機関用燃料噴射装
    置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれのドレイン
    が接続されソースが共通に接続されたn個のNチャンネ
    ル形のMOSFETと、 アノードが前記n個のMOSFETのドレインにそれぞ
    れ接続されるとともにカソードが共通に接続されてn個
    のMOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在す
    る寄生ダイオードとともに前記磁石発電機の交流出力を
    整流する単相全波整流回路を構成するn個の整流用ダイ
    オードと、 前記磁石発電機のn個の出力端子相互間を短絡して短絡
    電流を流す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該n個
    の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期
    間に複数回生じさせるように前記n個のMOSFETの
    ゲートに駆動信号を与えるFET制御回路とを備えた内
    燃機関用燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機を電源として直流電圧を発生する
    電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する
    インジェクタと、前記電源回路の出力により駆動される
    ポンプモータにより駆動されて前記インジェクタに燃料
    を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機関用燃料噴射装
    置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれのソースが
    接続されドレインが共通に接続されたn個のNチャンネ
    ル形のMOSFETと、 カソードが前記n個のMOSFETのソースにそれぞれ
    接続されるとともにアノードが共通に接続されてn個の
    MOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する
    寄生ダイオードとともに前記磁石発電機の交流出力を整
    流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するn個
    の整流用ダイオードと、 前記磁石発電機のn個の出力端子相互間を短絡して短絡
    電流を流す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該n個
    の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期
    間に複数回生じさせるように前記n個のMOSFETの
    ゲートに駆動信号を与えるFET制御回路とを備えた内
    燃機関用燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機を電源として直流電圧を発生する
    電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する
    インジェクタと、前記電源回路の出力により駆動される
    ポンプモータにより駆動されて前記インジェクタに燃料
    を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機関用燃料噴射装
    置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれのドレイン
    が接続されソースが共通に接続されたn個のPチャンネ
    ル形のMOSFETと、 カソードが前記n個のMOSFETのドレインにそれぞ
    れ接続されるとともにアノードが共通に接続されてn個
    のMOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在す
    る寄生ダイオードとともに前記磁石発電機の交流出力を
    整流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するn
    個の整流用ダイオードと、 前記磁石発電機のn個の出力端子相互間を短絡して短絡
    電流を流す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該n個
    の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期
    間に複数回生じさせるように前記n個のMOSFETの
    ゲートに駆動信号を与えるFET制御回路とを備えた内
    燃機関用燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流出力
    を発生する磁石発電機を電源として直流電圧を発生する
    電源回路と、内燃機関の燃料噴射空間に燃料を噴射する
    インジェクタと、前記電源回路の出力により駆動される
    ポンプモータにより駆動されて前記インジェクタに燃料
    を供給する燃料ポンプとを備えた内燃機関用燃料噴射装
    置において、 前記電源回路は、 前記磁石発電機のn個の出力端子にそれぞれのソースが
    接続されドレインが共通に接続されたn個のPチャンネ
    ル形のMOSFETと、 アノードが前記n個のMOSFETのソースにそれぞれ
    接続されるとともにカソードが共通に接続されてn個の
    MOSFETのそれぞれのドレインソース間に存在する
    寄生ダイオードとともに前記磁石発電機の交流出力を整
    流するダイオードブリッジ全波整流回路を構成するn個
    の整流用ダイオードと、 前記磁石発電機のn個の出力端子相互間を短絡して短絡
    電流を流す状態と該短絡電流を遮断する状態とを該n個
    の出力端子相互間に得られる交流出力の半サイクルの期
    間に複数回生じさせるように前記n個のMOSFETの
    ゲートに駆動信号を与えるFET制御回路とを備えた内
    燃機関用燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記FET制御回路は、前記n個のMO
    SFETのゲートに前記磁石発電機の出力の周波数より
    も高い周波数を有する同位相の矩形波状の駆動信号を与
    えて該n個のMOSFETを同時にオンオフさせる回路
    からなっている請求項4,5,6または7のいずれか1
    つに記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】 前記FET制御回路は、前記n個のMO
    SFETの内、ドレインソース間の寄生ダイオードに逆
    方向の電圧が印加されているMOSFETのゲートソー
    ス間に該MOSFETをオン状態にするオンレベルと該
    MOSFETをオフ状態にするオフレベルとの間を磁石
    発電機の出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波
    状の駆動信号を与え、寄生ダイオードに順方向電圧が印
    加されているMOSFETのゲートソース間には該順方
    向電圧が印加されている間オンレベルの状態を保持する
    駆動信号を与える回路からなる請求項4,5,6または
    7のいずれか1つに記載の内燃機関用燃料噴射装置。
JP1995011851U 1995-11-09 1995-11-09 内燃機関用燃料噴射装置 Expired - Lifetime JP3024455U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995011851U JP3024455U (ja) 1995-11-09 1995-11-09 内燃機関用燃料噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1995011851U JP3024455U (ja) 1995-11-09 1995-11-09 内燃機関用燃料噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3024455U true JP3024455U (ja) 1996-05-21

Family

ID=43159690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1995011851U Expired - Lifetime JP3024455U (ja) 1995-11-09 1995-11-09 内燃機関用燃料噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3024455U (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6111768A (en) Multiple voltage alternator system
CN102468677B (zh) 基于控制策略向负载提供功率的系统和方法
WO2010007771A1 (ja) 電源装置
CN107078663A (zh) 具有混合电池组和在输入侧与电池组连接的npc逆变器的电池组系统和用于运行在输入侧与混合电池组连接的npc逆变器的方法
US7157885B2 (en) Inverter controlled generator set and method for controlling the same
US7498777B2 (en) Electricity production circuit
JPH118910A (ja) ハイブリッド電気自動車の電源装置
JP4381493B2 (ja) 電流共振型スイッチング電源
US8836292B1 (en) Electric power generation system and method
US5808451A (en) Power device for internal combustion engine
Bajec et al. Extending the low-speed operation range of PM generator in automotive applications using novel AC-DC converter control
US7307355B2 (en) Power supply apparatus for fuel injection apparatus
US5714871A (en) Power device for internal combustion engine
US6469476B1 (en) Multi-mode converter for a motor vehicle electrical system
Tolbert et al. A bi-directional dc-dc converter with minimum energy storage elements
JP3024455U (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
JP3161241B2 (ja) 内燃機関用電源装置
JP3303532B2 (ja) 内燃機関用電源装置
JP3024456U (ja) 内燃機関用燃料噴射装置
JP3326977B2 (ja) 内燃機関用電源装置
JP2001157497A (ja) 同期発電機の発電制御装置
RU2743391C1 (ru) Система генерации электроэнергии и способ работы системы генерации электроэнергии
WO2022168289A1 (ja) 発電機
WO2005036297A1 (en) Bi-directional dc-dc converter for voltage level adjustment in a hybrid propulsion system
Bajec et al. Novel AC-DC converter control principle for automotive BLDC generator in low-speed range