JP3326977B2 - 内燃機関用電源装置 - Google Patents

内燃機関用電源装置

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JP3326977B2
JP3326977B2 JP18608594A JP18608594A JP3326977B2 JP 3326977 B2 JP3326977 B2 JP 3326977B2 JP 18608594 A JP18608594 A JP 18608594A JP 18608594 A JP18608594 A JP 18608594A JP 3326977 B2 JP3326977 B2 JP 3326977B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子制御燃料噴射装置
を含む内燃機関用の電装品に電力を供給する内燃機関用
電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用の電子制御燃料噴射装置(以
下EFIともいう。)は、機関の吸気管などに取り付け
られたインジェクタと、噴射指令パルスが与えられたと
きにインジェクタに駆動電流を与えるインジェクタ駆動
回路と、インジェクタに一定の圧力で燃料を供給する燃
料ポンプと、CPUを用いて機関の回転数[rpm]、
スロットルバルブ開度、吸入空気温度、機関の温度、大
気圧、加速度などの各種の制御条件に対して燃料の噴射
時間を演算して、演算された噴射時間に相当するパルス
幅を有するパルス波形の噴射指令パルスを発生する電子
制御装置とにより構成される。
【0003】インジェクタは、燃料の噴射口を開閉する
バルブと、該バルブを駆動する電磁石とからなってい
て、電磁石の駆動コイルがインジェクタ駆動用スイッチ
を介してインジェクタ駆動用の電源に接続される。イン
ジェクタ駆動用スイッチは、トランジスタなどのオンオ
フ制御が可能なスイッチ素子からなっていて、噴射指令
パルスが与えられている間だけ該スイッチが導通してイ
ンジェクタの駆動コイルを励磁する。インジェクタは駆
動コイルが励磁されている間だけその弁を開いて燃料を
噴射する。インジェクタからの燃料の噴射量は、インジ
ェクタに与えられる燃料の圧力と電子制御装置からイン
ジェクタに与えられる噴射指令パルスの時間幅(インジ
ェクタの弁が開いている時間)により決まるが、機関の
定常運転時においてはインジェクタに与えられる燃料の
圧力が一定に保たれるため、燃料の噴射量は噴射指令パ
ルスのパルス幅(時間幅)により決まる。
【0004】従来のEFIは、もっぱらバッテリを搭載
している乗り物を駆動する機関に適用されていたため、
バッテリを電源として動作するように構成されていた
が、最近では、船外機や、スノーモービルなどのバッテ
リを搭載していない乗り物を駆動する内燃機関にもEF
Iを採用することが要望されるようになっている。バッ
テリを搭載しない乗り物等を駆動する内燃機関にEFI
を用いる場合には、機関により駆動される磁石発電機を
電源としてCPUやインジェクタを駆動する必要があ
る。更にバッテリを搭載していない乗り物等を駆動する
内燃機関がガソリン機関である場合には、内燃機関用点
火装置を機関に取り付けた磁石発電機の出力で駆動する
必要があり、EFI及び点火装置以外に更に駆動すべき
他の一般負荷がある場合には、該一般負荷をも磁石発電
機の出力で駆動する必要がある。
【0005】またバッテリが搭載されていない場合に
は、電動スタータを用いることができないため、リコイ
ルスタータやキックスタータ等の人力を利用した始動装
置を用いて機関を始動させる必要がある。
【0006】図11は、EFIと内燃機関用点火装置と
その他の一般負荷とを駆動するために用いる磁石発電機
の提案例の固定子側の構成を示したもので、同図におい
て、1は環状の継鉄部1aと該継鉄部の外周から放射状
に突出した突極部1b1〜1b8及び1c1〜1c3とを有する
多極星形鉄心である。これらの突極部の内、突極部1b1
〜1b8は、12極の鉄心の突極部相互間の角度(360
/12=30度)に等しい角度間隔で設けられ、突極部
1b11 と1b4との間の円弧角150度の範囲に突極部1
c1〜1c3が設けられている。突極部1c2は、突極部1b8
と突極部1b1との間の中央部に配置され、突極部1c2と
その両側の突極部1c1及び1c3との間の角度間隔はそれ
ぞれ360/12=30度に設定されている。また突極
部1c1と突極部1b8との間の角度間隔及び突極部1c3と
突極部1b1との間の角度間隔はともに(150−60)
/2=45度に設定されている。
【0007】図11に示した固定子とともに磁石発電機
を構成する回転子は、機関のクランク軸に取り付けられ
たカップ状のフライホイールの内周に12個の磁石界磁
を30度の極間隔で設けた周知のフライホイール形の磁
石回転子からなっている。固定子の突極部と磁石回転子
の磁石界磁との対応は次のようになっている。即ち、突
極部1c1及び1c3は常に回転子の内周に1つおきに配置
された同極性の磁石界磁に対向し、突極部1c2は突極部
1c1及び1c3が対向している磁石界磁と異なる極性の磁
石界磁に対向して突極部1c1及び1c3に磁束を流す。ま
た突極部1b1〜1b8は、磁石回転子の磁石界磁と同じ極
間隔で設けられているため、隣り合う突極部が異なる極
性の磁石界磁に対向する状態で磁石回転子の各磁石界磁
に対向する。
【0008】突極部1c1及び1c3には、それぞれ第1及
び第2の点火電源用コイルWe1及びWe2が巻回されてい
る。これらの点火電源用コイルは例えば、コンデンサ放
電式点火装置の低速用及び高速用の電源コイルとして用
いられる。低速用の電源コイルとして用いられる第1の
点火電源コイルWe1は、機関の低速時(磁石回転子の低
速回転時)に比較的高い電圧を誘起するように構成され
るもので、多くのターン数をもって巻回されている。ま
た高速用の電源コイルとして用いられる第2の点火電源
コイルWe2は、機関の高速時に高い電圧を誘起するよう
に構成されるもので、比較的少ないターン数をもって巻
回されている。
【0009】他の突極部1b1〜1b8にはそれぞれ発電コ
イルW1 〜W8 が巻回され、これらの発電コイルの内、
発電コイルW1 ないしW3 は、直列に接続されて燃料ポ
ンプ駆動用の発電コイルとして用いられ、発電コイルW
4 ないしW6 が互いに直列に接続されて一般負荷駆動用
の発電コイルとして用いられている。また発電コイルW
7 及びW8 が直列に接続されて、これらの発電コイルが
インジェクタとCPUとを含む電子制御装置とを駆動す
る発電コイルとして用いられる。
【0010】図11に示した磁石発電機の固定子におい
ては、点火電源用コイルWe1及びWe2の巻数が他の発電
コイルの巻数よりも相当に多く設定される。そのため、
この例では、本来12個の突極部を等角度間隔で設ける
スペースの内の4極分のスペースに設ける突極部の数を
3として、突極部1c1と1b8との間の角度間隔及び突極
部1c3と1b1との間の角度間隔(45度)を12極の鉄
心の突極部相互間の角度間隔(30度)よりも大きくす
るとともに、突極部1c2にはコイルを巻回しない構成を
とることにより、突極部1c1及び1c3のコイル巻回スペ
ースの拡大を図っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】磁石発電機の出力でE
FIを駆動する場合、燃料ポンプからの吐出量は、磁石
発電機から燃料ポンプを駆動する電動機に与えられる電
力量により決る。磁石発電機の出力は機関の回転数の上
昇に伴って上昇するため、アイドリング回転数以上の回
転数で運転する定常運転時においては、磁石発電機から
各負荷を駆動するために十分な出力を取り出すことが可
能であるが、機関の始動時においては大きな出力を取り
出すことはできない。特にリコイルスタータやキックス
タータ等の人力を用いる始動装置により機関を始動させ
る場合には、始動時の機関のクランキング回転数が低
く、始動時に磁石発電機から大きな出力を取り出すこと
ができないため、図11のように、燃料ポンプ駆動用の
発電コイルW1 〜W3 と一般負荷用発電コイルW4 〜W
6 とに分けた場合には、始動時に燃料ポンプを駆動する
ための電力を十分に得ることが困難であり、機関の始動
時にインジェクタに十分な燃料を供給することができな
い。そのため、1回の始動操作で機関に供給できる燃料
の量が少なくなり、始動操作を何回も行わないと機関を
始動させることができないという問題が生じる。機関の
始動は温度が低い場合程困難になり、温度が低い場合程
始動操作の繰り返し回数が多くなる。
【0012】そこで、低回転数領域での磁石発電機の出
力電圧の増大を図るために、発電コイルの巻数を増加さ
せたり発電機の極数を増やしたりすることが考えられる
が、発電コイルの巻数を増加させたり極数を増やしたり
すると磁石発電機が大形化し、機関が大形になるため好
ましくない。また発電コイルの巻数を増加させたり発電
機の極数を増やしたりすると、燃料ポンプ駆動用の発電
コイルの出力が余るようになり、余った電力は捨てられ
ることになるため、定常運転時における発電機の効率が
低下するのを避けられない。
【0013】一方、ヘッドライトの光量の増加や、電装
品の数の増加等により、点灯負荷3等の一般負荷は増加
する傾向にあるため、定常運転時における一般負荷駆動
用の電力は増大させることが望まれている。
【0014】本発明の目的は、内燃機関に取付けられた
磁石発電機の出力で電子制御燃料噴射装置とその他の一
般負荷とを駆動する場合に、磁石発電機を大形にするこ
となく、低速域から燃料ポンプに十分な電力を供給して
機関の始動性を向上させることができるようにした内燃
機関用電源装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
り駆動される磁石発電機を電源として電子燃料噴射装置
と、内燃機関用点火装置と、その他の一般負荷とに電力
を供給する内燃機関用電源装置に係わるものである。
【0016】本明細書においては、EFI及び点火装置
以外の負荷で、機関の始動時に必ずしも駆動する必要が
ない負荷を一般負荷と呼ぶことにする。この一般負荷の
代表的なものは、ヘッドランプやウインカー等の点灯負
荷や、ホーン等の電装品負荷であるが、機関の排気系の
特性を調整するバルブを制御する排気バルブ制御装置が
設けられる場合には、該排気バルブ制御装置を一般負荷
に含めることができる場合もある。またスノーモービル
等の寒冷地での乗り物の場合には、ハンドルグリップを
暖めるためのヒータ等も一般負荷に含めることができ
る。
【0017】本発明に係わる電源装置は、磁石発電機に
設けられた複数負荷駆動用発電コイルと、複数負荷駆動
用発電コイルの出力電圧を昇圧及び整流して少なくとも
電子燃料噴射装置の燃料ポンプに電力を供給する第1の
電力供給回路と、複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧
をオンオフ制御が可能なスイッチ手段を介して一般負荷
に供給する第2の電力供給回路と、燃料ポンプに供給さ
れるポンプ駆動電圧が設定値以下のときにはスイッチ手
段をオフ状態に保持し、ポンプ駆動電圧が設定値を超え
たときにスイッチ手段をオン状態にするスイッチ制御手
段とにより構成できる。
【0018】上記の構成においては、機関の始動が完了
して複数負荷駆動用発電コイルが燃料ポンプと一般負荷
との双方を駆動し得る状態になったときに第2の電力供
給回路のスイッチ手段が閉じるように、ポンプ駆動電圧
の設定値を設定しておく。そのためには例えば、ポンプ
駆動電圧の設定値を、機関がアイドリング回転数で回転
しているときに複数負荷駆動用発電コイルから第1の電
力供給回路を通して燃料ポンプに印加される電圧よりも
僅かに低い値に設定しておけばよい。
【0019】上記の構成では、燃料ポンプに印加されて
いるポンプ駆動電圧を検出して該ポンプ駆動電圧が設定
値以下のときにはスイッチ手段をオフ状態に保持し、ポ
ンプ駆動電圧が設定値を超えたときにスイッチ手段をオ
ン状態にするように、スイッチ制御手段を構成したが、
内燃機関の回転数を検出して該回転数が設定値以下のと
きにスイッチ手段をオフ状態に保持し、該回転数が設定
値を超えたときにスイッチ手段をオン状態にするように
スイッチ制御手段を構成することもできる。
【0020】この場合、機関の始動が完了して複数負荷
駆動用発電コイルが燃料ポンプと一般負荷との双方を駆
動し得る状態になったときに第2の電力供給回路のスイ
ッチ手段が閉じるように、回転数の設定値を設定してお
く。そのためには例えば、回転数の設定値を機関のアイ
ドリング回転数よりも僅かに低い値に設定する。
【0021】上記第1の電力供給回路は、例えば、ソー
スまたはドレインが共通に接続された1対のMOSFE
Tと、該1対のMOSFETのそれぞれのドレインソー
ス間回路に対して直列に接続された1対の整流用ダイオ
ードとを備えて該1対の整流用ダイオードと1対のMO
SFETのドレインソース間の寄生ダイオードとにより
ダイオードブリッジ全波整流回路を構成するとともに、
1対のMOSFETをそれぞれチョッパ用スイッチとし
た昇圧整流回路と、昇圧整流回路の1対のMOSFET
のゲートに同位相の駆動信号を与えて該1対のMOSF
ETをオンオフ制御するFET制御回路とにより構成で
きる。
【0022】なお第1の電力供給回路の構成は上記のよ
うにMOSFETを用いた回路に限定されるものではな
く、トランジスタをチョッパ用スイッチとして用いて、
該スイッチにより発電コイルの短絡電流を断続させるこ
とにより昇圧動作(チョッパ動作)を行わせるようにし
た昇圧回路と、該昇圧回路の出力を整流する整流回路
と、該整流回路の出力電圧を設定値以下に保つように調
整する電圧調整器とにより第1の電力供給回路を構成す
ることもできる。また昇圧回路をトランスにより構成す
ることもできる。
【0023】
【作用】上記の構成において、複数負荷駆動用発電コイ
ルは、従来の電源装置で用いられていたポンプ駆動用発
電コイルと一般負荷駆動用発電コイルとの2つの発電コ
イルの出力を合わせたものに相当する大きな出力を発生
するように構成することができる。
【0024】機関の始動時には、ポンプ駆動電圧が設定
値を超えないか、または機関の回転数が設定値を超えな
いため、第2の電力供給回路のスイッチ手段は開いてい
る。
【0025】そのため、機関の始動時には、複数負荷駆
動用発電コイルから一般負荷が切り離され、該複数負荷
駆動用発電コイルの出力の全てが第1の電力供給回路を
通して燃料ポンプに供給される。
【0026】このように、燃料ポンプ及び一般負荷の双
方に対して共通の複数負荷駆動用発電コイルを設けて、
機関の始動時に該発電コイルから燃料ポンプのみに電力
を供給するようにすると、発電機を大形にすることな
く、機関の始動時に燃料ポンプに十分な電力を供給し
て、燃料ポンプから所定の吐出量を確保することができ
る。
【0027】また第1の電力供給回路に、発電コイルの
出力電圧を昇圧して整流する昇圧整流機能を持たせてお
くと、機関の始動回転数が比較的低い場合でも燃料ポン
プに比較的高い電圧を印加して該燃料ポンプから十分な
量の燃料を吐出させることができる。したがって、人力
による始動装置が用いられる場合のように始動操作時の
クランキング回転数を高くすることができない場合で
も、始動時にインジェクタに供給される燃料の量を従来
よりも多くすることができ、機関の始動性を向上させる
ことができる。
【0028】また機関の始動が完了して、ポンプ駆動電
圧が設定値を超えるか、または機関の回転数が設定値を
超えると、第2の電力供給回路のスイッチ手段が閉じる
ため、一般負荷にも電力が供給されるようになる。ヘッ
ドランプ等の一般負荷は、機関の始動時には駆動する必
要がないため、このように、機関が始動した後に一般負
荷に電力が供給されるように構成しても支障は来さな
い。
【0029】特に第1の電力供給回路を、ソースまたは
ドレインが共通に接続された1対のMOSFETと該1
対のMOSFETのそれぞれのドレインソース間回路に
対して直列に接続された1対の整流用ダイオードとを備
えて該1対の整流用ダイオードと1対のMOSFETの
ドレインソース間の寄生ダイオードとによりダイオード
ブリッジ全波整流回路を構成するとともに、1対のMO
SFETをそれぞれチョッパ用スイッチとした昇圧整流
回路と、該1対のMOSFETのゲートに同位相の駆動
信号を与えて該1対のMOSFETをオンオフ制御する
FET制御回路とにより構成すると、始動回転数を更に
低くすることができる。
【0030】即ち、上記MOSFETを用いた昇圧整流
回路において、1対のMOSFETに駆動信号が与えら
れると、一方のMOSFETにはそのドレイン側からソ
ース側に電流が流れ、他方のMOSFETではそのソー
ス側からドレイン側に電流が流れる。ゲートソース間に
駆動信号(FETをオン状態にするための信号)が与え
られているMOSFETは、その特性上ソースドレイン
間に電圧が与えられると同時にドレイン電流が流れ始
め、ソースドレイン間電圧がある範囲にある場合には、
ソースドレイン間電圧にほぼ比例してドレイン電流が流
れる。従って駆動信号が与えられているMOSFETは
抵抗と同じように動作し、ソースドレイン間電圧とドレ
イン電流とが比例する領域では、ソースドレイン間の抵
抗値がほぼ一定値を示す。そのため発電コイルの両端間
に1対のMOSFETの直列回路を接続した回路は、発
電コイルの両端間に抵抗を接続した回路と等価になり、
1対のMOSFETに駆動信号が与えられている状態で
の発電機の負荷直線は原点を通る直線になる。従って、
MOFETを導通させるために必要なしきい値電圧(M
OSFETにドレイン電流を流すために必要なドレイン
ソース間電圧のしきい値)が実質的に零になり、磁石発
電機の発電コイルに僅かでも電圧が誘起すると1対のM
OSFETを通して短絡電流が流れることになる。従っ
て、機関の回転数が極めて低い場合でも、発電コイルに
僅かでも電圧が誘起しさえすればMOSFETに電流を
流して昇圧動作を行わせることができ、燃料ポンプから
十分な吐出量を確保し得る回転数を低くして始動回転数
を低くすることができる。
【0031】またMOSFETを用いた上記の昇圧整流
回路においては、MOSFETのオンオフにより昇圧さ
れた電圧が、1対の整流用ダイオードと1対のMOSF
ETのドレインソース間の寄生ダイオードとにより構成
されるダイオードブリッジ全波整流回路を通して整流さ
れて負荷に供給されるため、昇圧回路と整流回路とを別
個に設ける必要がなく、構成を簡単にすることができ
る。
【0032】
【実施例】図1に本発明の実施例の全体的な構成を示
し、図2に本実施例で用いる磁石発電機の固定子の構成
を示した。
【0033】図2に示した磁石発電機の固定子の機械的
な構成は図11に示したものと同様であり、突極部1c1
及び1c3にそれぞれ点火装置を駆動する点火電源用コイ
ルWe1及びWe2が巻回されている。突極部1b1〜1b8に
それぞれ発電コイルW1 〜W8 が巻回され、発電コイル
W1 〜W6 が直列に接続されて複数負荷駆動用発電コイ
ルWpが構成されている。また図8に示した例と同様
に、発電コイルW7 及びW8 が直列に接続されて、イン
ジェクタと電子制御装置とを駆動するインジェクタ駆動
用発電コイルWijが構成されている。
【0034】図1に示したように、複数負荷駆動用発電
コイルWpの出力は、第1の電力供給回路10を介して
燃料ポンプ11に供給されるとともに、第2の電力供給
回路12を介して一般負荷13に供給されている。
【0035】第1の電力供給回路10は、発電コイルW
pの出力電圧を昇圧する機能と、昇圧された電圧を整流
する機能とを有する回路からなり、第2の電力供給回路
12は、発電コイルWpと一般負荷13との間に介在す
るオンオフ制御が可能なスイッチ手段14からなってい
る。また燃料ポンプ11はポンプPと該ポンプを駆動す
るポンプ駆動用電動機Mとからなっており、ポンプ駆動
用電動機Mの電源端子に第1の電力供給回路10の出力
電圧が印加されている。本実施例の一般負荷13は、ヘ
ッドランプ等の点灯負荷15と、その他の電装品16と
からなっている。ここで電装品16は例えば機関の排気
系の特性を調整する排気バルブを制御する排気バルブ制
御装置等である。
【0036】スイッチ手段14を制御するため、スイッ
チ制御手段17が設けられている。このスイッチ制御手
段17は、燃料ポンプ11に印加されるポンプ駆動電圧
Vpを検出して、該ポンプ駆動電圧が設定値以下のとき
にスイッチ手段14をオフ状態に保持し、ポンプ駆動電
圧Vpが設定値を超えたときにスイッチ手段14をオン
状態にするように制御する。
【0037】インジェクタ駆動用発電コイルWijの出力
は直流電源回路18を通して直流電圧に変換されて、イ
ンジェクタ19の駆動コイル19aとインジェクタ駆動
用スイッチ20との直列回路の両端に印加されている。
インジェクタ19には、燃料ポンプ11から燃料が供給
され、該インジェクタに与えられる燃料の圧力は、図示
しないプレッシャレギュレータにより設定値以下に保た
れている。
【0038】直流電源回路18の出力電圧はまた直流定
電圧を出力するレギュレータ(電圧調整器)21に入力
され、該レギュレータ21の出力電圧が電子制御装置2
2を構成するCPU(マイクロコンピュータ)の電源端
子に印加されている。
【0039】点火電源用コイルWe1及びWe2は互いに並
列に接続され、両発電コイルの出力が内燃機関用点火装
置23に供給されている。図示の点火装置は、1次コイ
ルL1 及び2次コイルL2 を有する点火コイルIGと、
該点火コイルの1次側に設けられて点火電源用コイルW
e1及びWe2の出力でダイオードD1 を通して図示の極性
に充電される点火エネルギー蓄積用コンデンサC1 と、
コンデンサC1 の電荷を点火コイルIGの1次コイルに
放電させるサイリスタTh1とを備えた周知のコンデンサ
放電式の装置で、点火コイルIGの2次コイルに得られ
る出力は図示しない機関の気筒に取り付けられた点火プ
ラグP1 に印加されている。
【0040】電子制御装置22には、信号コイル24の
出力信号と各種の制御条件を検出するセンサ25の出力
信号とが入力されている。信号コイル24は、内燃機関
に取り付けられた信号発電機内に設けられていて、所定
の回転角度位置でパルス状の信号を出力する。電子制御
装置22は、信号コイル24から与えられる回転角度情
報及び回転数情報と、センサ25から与えられる各種の
制御条件とに基づいて内燃機関の各気筒の点火位置と燃
料の噴射量とを演算し、演算された点火位置で点火回路
のサイリスタTh1に点火信号Viを与えるとともに、演
算された噴射量を得るために必要なパルス幅の噴射指令
パルスVjをインジェクタ駆動用スイッチ20の制御端
子20aに与える。
【0041】電子制御装置22から点火装置23のサイ
リスタTh1に点火信号Viが与えられると、サイリスタ
Th1が導通してコンデンサC1 の電荷を点火コイルIG
の1次コイルを通して放電させる。この放電により点火
コイルの鉄心中に大きな磁束変化が生じるため、該点火
コイルの2次コイルに高電圧が誘起し、この高電圧によ
り点火プラグP1 に火花が生じる。
【0042】なお図1には、点火装置23が、機関の1
つの気筒に取り付けられた点火プラグP1 にのみ高電圧
を供給するように構成されているが、内燃機関が複数の
気筒を有している場合には、該複数の気筒にそれぞれ設
けられた点火プラグに高電圧を供給するように点火装置
が構成されるのはもちろんである。
【0043】また電子制御装置22からインジェクタ駆
動用スイッチ20に噴射指令パルスVjが与えられる
と、該スイッチ20が導通してインジェクタ19の駆動
コイル19aに駆動電流を流す。駆動コイル19aに所
定の駆動電流が流れている間インジェクタ19がその弁
を開いて燃料を噴射する。
【0044】図1の実施例において、機関の始動時に
は、燃料ポンプ11に印加されるポンプ駆動電圧Vpが
設定値以下であるため、スイッチ制御手段17がスイッ
チ手段14をオフ状態に保持している。この状態では、
複数負荷駆動用発電コイルWpの出力電圧が第1の電力
供給回路10により昇圧されるとともに整流されて、燃
料ポンプ11に供給される。このとき発電コイルWpの
出力の全てが昇圧、整流されて燃料ポンプ11に供給さ
れるため、該燃料ポンプに十分な電力が供給され、燃料
ポンプ11からインジェクタ19に十分な燃料が供給さ
れる。したがってインジェクタ19から十分な量の燃料
を噴射させることができ、機関の始動性を向上させるこ
とができる。機関が始動すると、発電コイルの出力電圧
が上昇し、燃料ポンプ11に供給されるポンプ駆動電圧
Vpが設定値を超えるためスイッチ制御手段17がスイ
ッチ手段14をオン状態にする。したがって機関が始動
した後は、発電コイルWpの出力が一般負荷13にも供
給される。
【0045】図1の実施例の各部の内、燃料ポンプ11
と一般負荷13とに電力を供給する部分の具体的な構成
例を図3に示した。図3の例で用いている第1の電力供
給回路10は、複数負荷駆動用発電コイルWpの両端に
それぞれドレインが接続されソースが共通に接続された
1対のNチャンネル形のMOSFET F1 及びF2
と、発電コイルWpの両端にそれぞれアノードが接続さ
れカソードが共通に接続された1対の整流用ダイオード
D21及びD22とを備えて、1対のダイオードD21及びD
22のカソードの共通接続点及び1対のMOSFET F
1 及びF2 のソースの共通接続点をそれぞれプラス側及
びマイナス側の直流出力端子t1 及びt2とした昇圧整
流回路10aと、MOSFET F1 及びF2 のゲート
に同位相の駆動信号Vgを与えて該1対のMOSFET
をオンオフ制御するFET制御回路10bと、出力端子
t1 ,t2 間に接続された平滑用コンデンサCo とから
なっている。FET制御回路10bは、直流出力端子t
1 ,t2 間の電圧を検出して検出した電圧を所定の制限
値以下に保つようにMOSFET F1 及びF2 に与え
る駆動信号のオンデューティ比[=オン時間/(オン時
間+オフ時間)]を制御する。
【0046】昇圧整流回路10aにおいては、整流用ダ
イオードD21及びD22と、MOSFET F1 及びF2
のドレインソース間にそれぞれ存在する寄生ダイオード
Df1及びDf2とがブリッジ接続されて、単相ブリッジ全
波整流回路が構成されている。またMOSFET F1
及びF2 によりそれぞれチョッパ用スイッチが構成され
ている。
【0047】第2の電力供給回路12を構成するスイッ
チ手段14は、常開接点Yaと励磁コイルWaとを備え
たリレーからなり、励磁コイルWaの一端は昇圧整流回
路10aの出力端子t1 に接続されている。励磁コイル
Waの他端は抵抗R1 を通してサイリスタTh2のアノー
ドに接続され、サイリスタTh2のカソードは昇圧整流回
路10aのマイナス側出力端子t2 に接続されている。
昇圧整流回路10aの直流出力端子t1 ,t2 間には抵
抗R2 及びR3 の直列回路からなる電圧検出回路17a
が接続され、抵抗R3 の両端に得られる検出信号電圧が
ツェナーダイオードZD1 を通してサイリスタTh2のゲ
ートカソード間に入力されている。抵抗R3 の両端及び
サイリスタTh2のゲートカソード間にはそれぞれコンデ
ンサC2及び抵抗R4 が並列接続されている。サイリス
タTh2によりリレー励磁制御用スイッチが構成され、該
リレー励磁制御用スイッチと、抵抗R1 ないしR4 と、
コンデンサC2 と、ツェナーダイオードZD1 とによ
り、スイッチ制御手段17が構成されている。
【0048】図3の実施例において、機関の始動操作が
行われると発電コイルWpが交流電圧を誘起する。この
交流電圧はダイオードD21及びD22と寄生ダイオードD
f1及びDf2とからなる全波整流回路により整流されてF
ET制御回路10bの電源端子に供給される。これによ
りFET制御回路10bが動作を開始してMOSFET
F1 及びF2 のゲートに磁石発電機の出力周波数より
も十分に高い周波数の同位相の矩形波状の駆動信号Vg
を与える。MOSFET F1 及びF2 は、それぞれの
ゲートに与えられる駆動信号が高レベルになると同時に
オン状態になり、駆動信号が零レベルになるとオフ状態
になる。MOSFET F1 及びF2 は双方向性を有す
るため、両MOSFETが同時にオン状態になると、発
電コイルWpに短絡電流iが流れる。発電コイルWpに
短絡電流が流れると、該発電コイルWpには(L
)/2[Lは発電コイルのインダクタンス]のエ
ネルギーが蓄積される。駆動信号が零レベルになってM
OSFET F1 及びF2 が同時にオフ状態になると、
発電コイルWpを流れていた短絡電流が遮断されるた
め、発電コイルWpには、今まで流れていた短絡電流を
流し続けようとする極性の高い電圧が誘起する。この電
圧はダイオードD21及びD22と寄生ダイオードDf1及び
Df2とからなる全波整流回路により整流され、コンデン
サCo により平滑されて燃料ポンプ11に供給される。
これにより燃料ポンプ11が動作してインジェクタに
燃料を供給する。インジェクタは噴射指令パルスが与え
られたときに、該指令パルスのパルス幅に相当する時間
だけ燃料を噴射する。
【0049】機関の始動時には、燃料ポンプ11に印加
される電圧が低いため、抵抗R2 及びR3 からなる電圧
検出回路17aの出力電圧はツェナーダイオードZD1
のツェナー電圧(設定値)を超えることができない。そ
のため、サイリスタTh2は導通することができず、スイ
ッチ手段14を構成するリレーの励磁コイルWaには励
磁電流が流れない。したがって接点Yaは開いており、
一般負荷13には電力が供給されない。
【0050】このように、燃料ポンプ及び一般負荷の双
方に対して共通の複数負荷駆動用発電コイルWpを設け
て、機関の始動時に該発電コイルWpから燃料ポンプの
みに電力を供給するようにすると、発電機を大形にする
ことなく、機関の始動時に燃料ポンプに十分な電力を供
給することができる。
【0051】また上記のように、第1の電力供給回路に
昇圧機能を持たせておくと、燃料ポンプを安定に動作さ
せることができる回転数を低くすることができるため、
機関の始動回転数を低くすることができ、人力による機
関の始動を容易にすることができる。
【0052】上記の実施例においては、MOSFET
F1 及びF2 のオンデューティ比を一定とすると、機関
の回転数の上昇に伴って昇圧整流回路の出力電圧(ポン
プ駆動電圧)が上昇して燃料ポンプに印加される電圧が
過大になる。これを防ぐためには、昇圧整流回路の出力
電圧を所定の制限値以下に制限する必要がある。そのた
めには例えば、昇圧整流回路10aの出力電圧を検出し
て検出された電圧の上昇に応じてMOSFET F1 及
びF2 のオンデューティ比を小さくしていくようにFE
T制御回路を構成すればよい。
【0053】また機関の始動時に昇圧整流回路の出力電
圧が設定値以下になっているときにはMOSFET F
1 及びF2 に所定のデューティ比の駆動信号を与えて両
MOSFETをオンオフさせ、昇圧整流回路の出力電圧
が設定値を超えたときに両MOSFETへの駆動信号の
供給を停止させて両MOSFETをオフ状態に保持する
ようにFET制御回路を構成するようにしてもよい。
【0054】更に機関の回転数が設定値以下のときにM
OSFET F1 及びF2 に所定のデューティ比の駆動
信号を与えて両MOSFETをオンオフさせ、機関の回
転数が設定値を超えたときに両MOSFETへの駆動信
号の供給を停止させて両MOSFETをオフ状態に保持
するようにFET制御回路を構成してもよい。
【0055】上記の実施例では、サイリスタTh2と、抵
抗R1 ないしR4 と、コンデンサC2 と、ツェナーダイ
オードZD1 とにより、スイッチ制御手段17を構成し
たが、図1に示したように電子制御装置22にCPUが
用いられている場合には、図4に示したように、該CP
Uを用いてスイッチ制御手段を構成することもできる。
【0056】またMOSFET F1 及びF2 への駆動
信号の供給を停止させた状態でも昇圧整流回路10aの
出力電圧が過大になるおそれがある場合には、昇圧整流
回路の出力電圧が所定の制限値を超えたことが検出され
たときに発電コイルWpを短絡して昇圧整流回路の出力
電圧を制限する電圧調整回路を付加するようにすればよ
い。
【0057】図4に示した例では、CPUが抵抗R2 及
びR3 の直列回路からなる電圧検出回路により検出され
た燃料ポンプ11の両端の電圧(ポンプ駆動電圧)を読
み込んで、ポンプ駆動電圧が設定値以下のときにサイリ
スタTh2を遮断状態に保って励磁コイルWaを非励磁状
態に保持し、ポンプ駆動電圧の検出値が設定値を超えた
ときにサイリスタTh2にトリガ信号を与えて該サイリス
タをオン状態にすることにより励磁コイルWaを励磁す
る。その他の点は図3に示した実施例と同様である。
【0058】上記の実施例では、チョッパ用スイッチを
構成するMOSFET F1 及びF2 のドレインを発電
コイルの出力端子に接続し、両MOSFETのソースを
マイナス側直流出力端子t2 に共通接続しているが、本
発明においては、1対のMOSFETのドレインソース
間の寄生ダイオードと1対の整流用ダイオードとにより
ダイオードブリッジ全波整流回路を構成するように、1
対のMOSFETと1対の整流用ダイオードとを接続す
ればよく、図5に示したように、Nチャンネル形のMO
FET F1 及びF2 のソースをそれぞれ発電コイルW
pの両端に接続し、両MOSFETのドレインをプラス
側直流出力端子t1 に接続するようにしてもよい。
【0059】また上記の実施例ではNチャンネル形のM
OSFETをチョッパ用スイッチとして用いているが、
Pチャンネル形のMOSFETを用いることもできる。
【0060】図6はスイッチ制御手段の構成を異ならせ
た本発明の他の実施例を示したもので、この実施例で
は、機関の回転数を検出して、該検出値が設定値以下の
ときに励磁コイルWaを非励磁状態に保ち、該回転数の
検出値が設定値を超えたときに励磁コイルWaを励磁す
るようにしている。
【0061】図6に示した例では、磁石発電機の回転子
を構成するフライホイールFRの外周にリラクタr1 〜
r4 が設けられ、信号発電子30がフライホイールFR
の外周に対向させられている。信号発電子30は、リラ
クタに対向する磁極部を有する鉄心に巻回された信号コ
イルと、該鉄心に磁束を流す永久磁石とを備えたもの
で、信号コイルが巻回された鉄心の磁極部にリラクタr
1 〜r4 が対向し始める際及び該対向を終える際にそれ
ぞれ生じる磁束変化により信号コイルにパルス状の信号
Vsを発生する。
【0062】上記の信号Vsは波形成形回路31に入力
されてパルス信号Vs´に変換され、該パルス信号Vs
´が周波数/電圧変換器32に入力されている。周波数
/電圧変換器32は、パルス信号Vs´の周波数(機関
の回転数に比例する)を速度検出信号(電圧信号)Vn
に変換し、該速度検出信号Vnを比較器33の非反転入
力端子に与える。比較器33の反転入力端子には、一定
の直流電圧Vcを抵抗R5 及びR6 の直列回路からなる
分圧回路により分圧して得た基準信号Vrが入力され、
比較器33の出力がサイリスタTh2のゲートに入力され
ている。直流電圧Vcとしては例えば、図1のレギュレ
ータ21の出力電圧を用いることができる。この実施例
では、フライホイールFRと信号発電子30とにより回
転数検出用の信号発電機が構成され、該信号発電機と、
波形整形回路31と、周波数電圧変換器32と、比較器
33と、抵抗R1 ,R4 ,R5 及びR6 と、サイリスタ
Th2とにより、スイッチ制御手段17が構成されてい
る。
【0063】図6に示した実施例では、機関の回転数が
設定値以下のときに周波数電圧変換器32が出力する速
度検出信号Vnが基準信号Vr以下になっているため、
比較器33の出力が零レベルになっている。このときサ
イリスタTh2にはトリガ信号が与えられないため、該サ
イリスタがオフ状態にあり、励磁コイルWaは励磁され
ない。従って接点Yaが開いており、発電コイルWpの
出力は燃料ポンプ11のみに供給される。機関が始動
し、その回転数が設定値を超えると、速度検出信号Vn
が基準信号Vrを超えるため、比較器33の出力が高レ
ベルになり、サイリスタTh2にトリガ信号が与えられ
る。これにより励磁コイルWaが励磁されるため、接点
Yaが閉じ、発電コイルWpから一般負荷13にも電力
が供給されるようになる。
【0064】図6に示した実施例では、波形整形回路3
1から得られるパルス信号Vs´を周波数電圧変換器3
2に入力して速度検出信号を得るようにしているが、パ
ルス信号Vs´を電子制御装置のCPUに入力して、該
CPUにより機関の回転数を演算し、該回転数が設定値
を超えたときにスイッチ手段14をオン状態にするよう
にしてもよい。
【0065】上記の実施例では、ダイオードとMOSF
ETとを用いた昇圧整流回路と該昇圧整流回路のMOS
FETをオンオフ制御するFET制御回路とにより第1
の電力供給回路10を構成したが、第1の電力供給回路
10の構成はこれに限定されるものではなく、例えば図
7に示したように、昇圧回路10Aと、直流電源回路1
0Bとにより第1の電力供給回路を構成することもでき
る。ここで昇圧回路10Aは、導通した際に発電コイル
Wpを短絡するように設けられたトランジスタやMOS
FET等のチョッパ用半導体スイッチと、該半導体スイ
ッチを発電コイルWpの出力周波数よりも十分に高い周
波数でオンオフさせる制御回路とにより構成できる。ま
た昇圧回路10Aをトランスにより構成することもでき
る。
【0066】図7において直流電源回路10Bは、昇圧
回路10Aにより昇圧された電圧を整流して所定の調整
値以下に制限された直流電圧を出力する回路で、この回
路は例えば、2個のダイオードと2個のサイリスタとを
ブリッジ接続した制御整流回路と、燃料ポンプ11の両
端の電圧を所定の制限値以下に制限するように制御整流
回路のサイリスタを位相制御する位相制御回路とにより
構成できる。
【0067】また図8に示すように、昇圧回路10A
と、整流回路10B1と、電圧調整器10B2とにより第1
の電力供給回路を構成することもできる。ここで昇圧回
路10Aは、図7の実施例において説明したものと同様
のものである。整流回路10B1は、ダイオードブリッジ
全波整流回路等の電圧調整機能を有しない整流回路から
なり、電圧調整器10B2は、例えば燃料ポンプ11の両
端の電圧を検出して該電圧が所定の調整値を超えたとき
に整流回路10B1の出力を短絡する回路により構成する
ことができる。
【0068】上記の実施例では、低速用及び高速用の2
つの点火電源用コイルWe1及びWe2を設けているが、点
火電源用コイルは1つだけ設ける場合もある。また上記
の実施例では、点火電源用コイルを多極星形鉄心1の突
極部に巻回しているが、点火電源用コイルを磁石発電機
の回転子の外側に設ける場合もある。
【0069】図9は点火電源用コイルを磁石発電機の回
転子の外側に配置するように構成した例を示したもの
で、この例では、多極星形鉄心1として、環状の継鉄部
1aの外周部から12個の突極部1b1〜1b12 を等角度
間隔で放射状に突出させた構造を有するものが用いられ
ている。またこの例では、円筒状の周壁部100aと該
周壁部の軸線方向の一端側に設けられた底壁部と、該底
壁部の中央に設けられた回転軸取り付け用のボス部10
0bとを有するカップ状のフライホイール100が設け
られている。フライホイール100は、鉄等の強磁性材
料からなっていて、該フライホイールの周壁部100a
の内周に12個の永久磁石m1 〜m12が等角度間隔で取
り付けられている。磁石m1 〜m12はそれぞれ交互に極
性を異ならせてフライホイールの径方向に着磁され、こ
れらの磁石により、12個の磁石界磁が構成されてい
る。フライホイール100と磁石m1 〜m12とにより、
12極のフライホイール磁石回転子FRが構成されてい
る。
【0070】フライホイール100の外周には凹部10
0cが形成され、該凹部100c内の底部に点火用磁石
界磁を構成する永久磁石M1 がネジ止め等により固定さ
れている。磁石M1 は、フライホイールの半径方向に着
磁され、凹部100cの両側に磁石M1 の内側の磁極と
同極性の磁極(図示の例ではS極)が現れている。
【0071】フライホイール100の外側には、コの字
形を呈する点火用電機子鉄心200が配置され、該鉄心
200に1次コイルL1 及び2次コイルL2 からなる点
火コイルIGが巻回されている。点火用電機子鉄心20
0の両端には、フライホイール100の外周面に対向す
る磁極部200a,200bが形成されている。
【0072】図9に示した例では、多極星形鉄心1と発
電コイルW1 〜W12とにより、磁石発電機の主電機子A
M1 が構成され、点火用電機子鉄心200と点火コイル
IGとにより、点火用電機子AM2 が構成されている。
多極星形鉄心1及び点火用電機子鉄心200は、図示し
ない内燃機関のケース等に設けられた取り付け部にネジ
止めされ、フライホイール100は、そのボス部100
bを機関のクランク軸に嵌合させた状態で機関に取り付
けられる。そして多極星形鉄心200の突極部1b1〜1
b12 の先端の極片部が磁石m1 〜m12に所定の空隙を介
して対向させられ、点火用電機子鉄心200の両端の磁
極部200a,200bがフライホイール100の外周
面に対向させられている。
【0073】図9の例では、発電コイルW1 〜W10が直
列に接続されて、これらの発電コイルにより複数負荷駆
動用発電コイルWpが構成され、発電コイルW11及びW
12が直列に接続されてインジェクタ駆動用発電コイルW
ijが構成されている。また点火コイルIGの1次コイル
L1 が点火電源用コイルを構成している。
【0074】図9の磁石発電機において、フライホイー
ル磁石回転子FRが回転すると、発電コイルW1 〜W12
に交流電圧が誘起する。また点火コイルIGの1次コイ
ル(点火電源用コイル)L1 には、1つの負の半サイク
ルの電圧と1つの正の半サイクルの電圧と他の1つの負
の半サイクルの電圧とからなる波形の出力電圧が1回転
当り1回発生する。この点火電源用コイルから得られる
1つの正の半サイクルの出力電圧が点火装置を駆動する
ために用いられる。
【0075】図1に示した例では、内燃機関用点火装置
23として、コンデンサ放電式の点火装置が用いられて
いるが、電流遮断形の点火装置が用いられる場合にも本
発明の電源装置を適用することができる。図10は、図
9に示した磁石発電機に設けられた点火コイルIGを用
いて構成するのに適した電流遮断形の点火装置の構成例
を示したもので、この点火装置は、点火コイルIGの1
次コイルL1 の両端にコレクタエミッタ間回路が並列に
接続されたNPNトランジスタTR1 と、トランジスタ
TR1 のベース及びエミッタにそれぞれコレクタ及びエ
ミッタが接続されたトランジスタTR2 と、トランジス
タTR1 のベースコレクタ間に接続された抵抗Raとか
らなっている。トランジスタTR2 のベースには、点火
時期制御装置300から点火信号が与えられている。点
火時期制御装置300は、機関に取り付けられた図示し
ない信号発電機内に設けられた信号コイルLsから得ら
れる信号を入力として機関の点火位置で点火信号を発生
する。この点火時期制御装置は、EFIの電子制御装置
22を構成するCPUを利用して構成してもよく、電子
回路により構成してもよい。
【0076】図10に示した点火装置においては、機関
の回転に同期して点火コイルIGの1次コイルL1 に電
圧が誘起する。1次コイルL1 に図示の矢印方向の電圧
が誘起すると、抵抗Raを通してトランジスタTR1 に
ベース電流が流れるため、トランジスタTR1 が導通す
る。これにより、点火コイルIGに1次電流が流れる。
機関の点火位置で点火時期制御装置が点火信号を発生す
ると、トランジスタTR2 が導通するため、トランジス
タTR1 が遮断状態になる。これによりトランジスタT
R1 を通して流れていた点火コイルの1次電流が遮断さ
れるため、該点火コイルの2次コイルに高電圧が誘起
し、点火プラグP1 に火花が生じる。
【0077】上記の各実施例では、磁石発電機が12極
に構成されているが、本発明において磁石発電機の極数
は任意である。また上記の各実施例ではスイッチ手段1
4としてリレーを用いたが、該スイッチ手段を半導体ス
イッチにより構成することもできる。
【0078】図1に示した実施例では、点火電源用コイ
ルWe1及びWe2の負の半サイクルの出力電圧(コンデン
サC1 の充電に用いられない半サイクルの電圧)を利用
していないが、点火電源用コイルWe1及びWe2の負の半
サイクルの出力電圧で電源用コンデンサを充電する回路
と、該電源用コンデンサの両端の電圧を一定値以下に制
限するように制御する回路とを備えた補助電源回路を設
けて、該補助電源回路の出力でインジェクタ19と電子
制御装置22とに電力を供給するようにしてもよい。こ
の場合には、インジェクタ駆動用発電コイルWijは省略
できる。
【0079】また点火電源用コイルの出力に余裕がある
場合には、該点火電源用コイルの正の半サイクルの出力
の一部を利用して上記補助電源回路を構成することもで
きる。
【0080】更に、上記のように補助電源回路を設ける
場合、該補助電源回路の出力をインジェクタ駆動用発電
コイルWijの出力側に設けられる直流電源回路18iの
出力に重畳することにより、低速時に不足しがちなイン
ジェクタ駆動用発電コイルWijの出力を補うように構成
することもできる。
【0081】上記の説明では、排気バルブ制御装置を始
動時に駆動する必要がない一般負荷として取り扱った
が、始動時にも排気バルブ制御装置を駆動する必要があ
る場合には、該排気バルブ制御装置を第1の電力供給回
路10の出力で駆動するようにすればよい。
【0082】以上本発明の好ましい実施例について説明
したが、本明細書に開示した発明の主な態様を以下に挙
げる。
【0083】(1) 内燃機関に燃料を供給するインジ
ェクタと該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと
インジェクタからの燃料の噴射時期及び噴射量を制御す
る電子制御装置とを備えた電子燃料噴射装置と、内燃機
関用点火装置と、その他の一般負荷とに電力を供給する
内燃機関用電源装置において、内燃機関により駆動され
る磁石発電機内に、前記燃料ポンプと一般負荷とに対し
て共通に設けられた複数負荷駆動用発電コイルと、前記
複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧を昇圧及び整流し
て少なくとも前記電子燃料噴射装置の燃料ポンプに直流
電力を供給する第1の電力供給回路と、前記複数負荷駆
動用発電コイルの出力をオンオフ制御が可能なスイッチ
手段を介して前記一般負荷に供給する第2の電力供給回
路と、前記燃料ポンプに印加されているポンプ駆動電圧
を検出して該ポンプ駆動電圧が設定値以下のときには前
記スイッチ手段をオフ状態に保持し、前記ポンプ駆動電
圧が設定値を超えたときに前記スイッチ手段をオン状態
にするスイッチ制御手段とを具備したことを特徴とする
内燃機関用電源装置。
【0084】(2) 内燃機関に燃料を供給するインジ
ェクタと該インジェクタに燃料を供給する燃料ポンプと
インジェクタからの燃料の噴射時期及び噴射量を制御す
る電子制御装置とを備えた電子燃料噴射装置と、内燃機
関用点火装置と、その他の一般負荷とに電力を供給する
内燃機関用電源装置において、内燃機関により駆動され
る磁石発電機内に、前記燃料ポンプと一般負荷とに対し
て共通に設けられた複数負荷駆動用発電コイルと、前記
複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧を昇圧及び整流し
て前記燃料ポンプに直流電力を供給する第1の電力供給
回路と、前記複数負荷駆動用発電コイルの出力をオンオ
フ制御が可能なスイッチ手段を介して前記一般負荷に供
給する第2の電力供給回路と、前記内燃機関の回転数を
検出して該回転数が設定値以下のときには前記スイッチ
手段をオフ状態に保持し、該回転数が設定値を超えたと
きに前記スイッチ手段をオン状態にするスイッチ制御手
段とを具備したことを特徴とする内燃機関用電源装置。
【0085】(3) 前記第1の電力供給回路は、ソー
スが共通に接続された1対のMOSFETと、該1対の
MOSFETのそれぞれのドレインにアノードが接続さ
れカソードが共通に接続された1対の整流用ダイオード
とを備えて該1対の整流用ダイオードと1対のMOSF
ETのドレインソース間の寄生ダイオードとによりダイ
オードブリッジ全波整流回路を構成するとともに、1対
のMOSFETをそれぞれチョッパ用スイッチとした昇
圧整流回路と、前記1対のMOSFETのゲートに前記
磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数の同位相の駆
動信号を与えるFET制御回路とを具備したことを特徴
とする上記1または2項に記載の内燃機関用電源装置。
【0086】(4) 前記第1の電力供給回路は、ドレ
インが共通に接続された1対のMOSFETと、該1対
のMOSFETのそれぞれのソースにカソードが接続さ
れた1対の整流用ダイオードとを備えて該1対の整流用
ダイオードと1対のMOSFETのドレインソース間の
寄生ダイオードとによりダイオードブリッジ全波整流回
路を構成するとともに、1対のMOSFETをそれぞれ
チョッパ用スイッチとした昇圧整流回路と、前記1対の
MOSFETのゲートに前記磁石発電機の出力周波数よ
りも高い周波数の同位相の駆動信号を与えるFET制御
回路とを具備したことを特徴とする上記1または2項に
記載の内燃機関用電源装置。
【0087】(5) 前記第1の電力供給回路は、前記
複数負荷駆動用発電コイルの両端にそれぞれドレインが
接続されソースが共通に接続された1対のNチャンネル
形のMOSFETと、前記発電コイルの両端にそれぞれ
アノードが接続されカソードが共通に接続された1対の
整流用ダイオードとを備えて、1対の整流用ダイオード
のカソードの共通接続点及び1対のMOSFETのソー
スの共通接続点をそれぞれプラス側及びマイナス側の直
流出力端子とした昇圧整流回路と、前記1対のMOSF
ETのゲートに前記磁石発電機の出力周波数よりも高い
周波数の同位相の駆動信号を与えるFET制御回路とを
具備したことを特徴とする上記1または2項に記載の内
燃機関用電源装置。
【0088】(6) 前記第1の電力供給回路は、前記
複数負荷駆動用発電コイルの両端にそれぞれソースが接
続されドレインが共通に接続された1対のNチャンネル
形のMOSFETと、前記発電コイルの両端にそれぞれ
カソードが接続されアノードが共通に接続された1対の
整流用ダイオードとを備えて、1対のMOSFETのソ
ースの共通接続点及び1対の整流用ダイオードのカソー
ドの共通接続点をそれぞれプラス側及びマイナス側の直
流出力端子とした昇圧整流回路と、前記1対のMOSF
ETのゲートに前記磁石発電機の出力周波数よりも高い
周波数の同位相の駆動信号を与えるFET制御回路とを
具備したことを特徴とする上記1または2項に記載の内
燃機関用電源装置。
【0089】(7) 前記FET制御回路は、前記昇圧
整流回路の出力電圧を一定の制限値以下に制限するよう
に該出力電圧の検出値に応じて前記1対のMOSFET
のオンデューティ比を制御するように構成されているこ
とを特徴とする上記3,4,5または6項のいずれかに
記載の内燃機関用電源装置。
【0090】(8) 前記FET制御回路は、前記昇圧
整流回路の出力電圧が設定値以下のときに前記1対のM
OSFETに駆動信号を与え、前記昇圧回路の出力電圧
が設定値を超えたときに前記1対のMOSFETへの駆
動信号の供給を停止させるように構成されていることを
特徴とするように構成されている上記3,4,5または
6項のいずれかに記載の内燃機関用電源装置。
【0091】(9) 前記FET制御回路は、内燃機関
の回転数が設定値以下のときに前記1対のMOSFET
に駆動信号を与え、内燃機関の回転数が設定値を超えた
ときに前記1対のMOSFETへの駆動信号の供給を停
止させるように構成されていることを特徴とするように
構成されている上記3,4,5または6項のいずれかに
記載の内燃機関用電源装置。
【0092】(10) 前記磁石発電機内には、点火電
源用コイルとインジェクタ駆動用発電コイルとが更に設
けられて、点火電源用コイルの出力が内燃機関用点火装
置に供給され、インジェクタ駆動用発電コイルの出力は
インジェクタの電源端子及び該インジェクタを制御する
電子制御装置の電源端子に直流電圧を供給する直流電源
回路に供給されていることを特徴とする上記1,2,
3,4,5,6,7,8または9項のいずれかに記載の
内燃機関用電源装置。
【0093】(11) 前記磁石発電機内には点火電源
用コイルが更に設けられて該点火電源用コイルの出力電
圧が内燃機関用点火装置の電源端子に供給され、前記第
1の電力供給回路の出力電圧は、電子制御燃料噴射装置
のインジェクタの電源端子及び該インジェクタを制御す
る電子制御装置の電源端子にも供給されていることを特
徴とする上記1,2,3,4,5,6,7,8または9
項のいずれかに記載の内燃機関用電源装置。
【0094】(12) 前記磁石発電機内には点火電源
用コイルが更に設けられて該点火電源用発電コイルの出
力電圧が内燃機関用点火装置の電源端子に供給され、前
記点火電源用発電コイルの出力は、電子制御燃料噴射装
置のインジェクタの電源端子及び該インジェクタを制御
する電子制御装置の電源端子に直流電圧を供給する直流
電源回路にも供給されていることを特徴とする上記1,
2,3,4,5または6,7,8または9項のいずれか
に記載の内燃機関用電源装置。
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、内燃機
関により駆動される磁石発電機に複数負荷駆動用発電コ
イルを設けて、機関の始動時には該複数負荷駆動用発電
コイルから一般負荷を切り離すようにしたので、発電機
を大形にすることなく、機関の始動時に燃料ポンプに十
分な電力を供給することができる利点がある。
【0096】また本発明によれば、第1の電力供給回路
に昇圧機能を持たせて、燃料ポンプを安定に動作させる
ことができる回転数を低くしたので、機関の始動回転数
を低くすることができ、人力による機関の始動を容易に
することができる。
【0097】更に本発明によれば、導通を開始させるた
めの印加電圧のしきい値を零にすることができるMOS
FETをチョッパ用のスイッチング素子として用いて発
電コイルの出力電圧を昇圧する昇圧整流回路を用いたの
で、昇圧動作が開始する回転数を低くすることができ、
燃料ポンプが動作を開始する回転数を低くして、機関の
始動回転数を低くすることができる利点がある。
【0098】また本発明によれば、昇圧回路と整流回路
とを兼ねる昇圧整流回路を用いて昇圧された直流電圧を
得るので、第1の電力供給回路の構成を簡単にすること
ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体的な構成を示した構成図
である。
【図2】本発明の実施例で用いる磁石発電機の固定子の
構成を示した正面図である。
【図3】図1の要部の具体的な構成例を示した回路図で
ある。
【図4】図1の要部の他の具体的な構成例を示した回路
図である。
【図5】図1の要部の更に他の具体的な構成例を示した
回路図である。
【図6】図1の実施例の要部の更に他の構成例を示した
構成図である。
【図7】図1の実施例で用いる第1の電力供給回路の変
形例を示したブロック図である。
【図8】図1の実施例で用いる第1の電力供給回路の他
の変形例を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施例で用いることができる磁石発電
機の他の構成例を示した断面図である。
【図10】本発明の電源装置により駆動し得る点火装置
の構成例を示した回路図である。
【図11】既提案の電源装置で用いられる磁石発電機の
固定子の構成を示した正面図である。
【符号の説明】 1 固定子鉄心 10 第1の電力供給回路 11 燃料ポンプ 12 第2の電力供給回路 13 一般負荷 14 スイッチ手段 15 点灯負荷 16 電装品 17 スイッチ制御手段 Wp 複数負荷駆動用発電コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−132877(JP,A) 特開 昭59−39960(JP,A) 特開 平5−344799(JP,A) 特開 平2−7834(JP,A) 実開 平4−109446(JP,U) 実開 平3−71965(JP,U) 実開 平4−137264(JP,U) 実開 平5−83997(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 1/00 H02J 7/14 F02M 37/08 F02P 1/08 F02N 3/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機を
    電源として電子燃料噴射装置と、内燃機関用点火装置
    と、その他の一般負荷とに電力を供給する内燃機関用電
    源装置において、 前記磁石発電機に設けられた複数負荷駆動用発電コイル
    と、 前記複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧を昇圧及び整
    流して少なくとも前記電子燃料噴射装置の燃料ポンプに
    電力を供給する第1の電力供給回路と、 前記複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧をオンオフ制
    御が可能なスイッチ手段を介して前記一般負荷に供給す
    る第2の電力供給回路と、 前記燃料ポンプに供給されるポンプ駆動電圧が設定値以
    下のときには前記スイッチ手段をオフ状態に保持し、前
    記ポンプ駆動電圧が設定値を超えたときに前記スイッチ
    手段をオン状態にするスイッチ制御手段と、 を具備し、前記第1の電力供給回路は、 ソースまたはドレインが共通に接続された1対のMOS
    FETと、該1対のMOSFETのそれぞれのドレイン
    ソース間回路に対して直列に接続された1対の整流用ダ
    イオードとを備えて該1対の整流用ダイオードと1対の
    MOSFETのドレインソース間の寄生ダイオードとに
    よりダイオードブリッジ全波整流回路を構成するととも
    に、1対のMOSFETをそれぞれチョッパ用スイッチ
    とした昇圧回路と、 前記1対のMOSFETのゲートに同位相の駆動信号を
    与えて該1対のMOSFETをオンオフ制御するFET
    制御回路と、 を備えている ことを特徴とする内燃機関用電源装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関により駆動される磁石発電機を
    電源として電子燃料噴射装置と、内燃機関用点火装置
    と、その他の一般負荷とに電力を供給する内燃機関用電
    源装置において、 前記磁石発電機に設けられた複数負荷駆動用発電コイル
    と、 前記複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧を昇圧及び整
    流して少なくとも前記電子燃料噴射装置の燃料ポンプに
    供給する第1の電力供給回路と、 前記複数負荷駆動用発電コイルの出力電圧をオンオフ制
    御が可能なスイッチ手段を介して前記一般負荷に供給す
    る第2の電力供給回路と、 前記内燃機関の回転数を検出して該回転数が設定値以下
    のときには前記スイッチ手段をオフ状態に保持し、該回
    転数が設定値を超えたときに前記スイッチ手段をオン状
    態にするスイッチ制御手段と、を具備し、 前記第1の電力供給回路は、 ソースまたはドレインが共通に接続された1対のMOS
    FETと、該1対のMOSFETのそれぞれのドレイン
    ソース間回路に対して直列に接続された1対の整流用ダ
    イオードとを備えて該1対の整流用ダイオードと1対の
    MOSFETのドレインソース間の寄生ダイオードとに
    よりダイオードブリッジ全波整流回路を構成するととも
    に、1対のMOSFETをそれぞれチョッパ用スイッチ
    とした昇圧回路と、 前記1対のMOSFETのゲートに同位相の駆動信号を
    与えて該1対のMOSFETをオンオフ制御するFET
    制御回路と、 を備えている ことを特徴とする内燃機関用電源装置。
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