JP4063060B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の回転速度が設定値以下のときの点火位置を制御する低速時点火位置制御手段と、回転速度が設定値を超えるときの点火位置を制御する定常時点火位置制御手段とを備えた内燃機関用点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関用の点火装置は、点火信号が与えられた時に点火コイルの一次電流を制御して該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を発生させる点火回路と、該点火回路に点火信号を与えるクランク角位置(点火位置)を制御する点火制御装置とにより構成される。
【0003】
点火制御装置は、特許文献1に示されているように、内燃機関のクランク軸の回転角度位置が回転速度に応じて予め定めておいた特定の回転角度位置に一致したことが検出された時に内燃機関を点火するように該内燃機関の点火位置を制御する低速時点火位置制御手段と、少なくとも内燃機関の回転速度を制御条件として演算された点火位置が検出された時に内燃機関を点火するように内燃機関の点火位置を制御する定常時点火位置制御手段とを備えていて、内燃機関の始動時及び該内燃機関が設定値以下の回転速度で回転している時には低速時点火位置制御手段により内燃機関の点火位置を定め、内燃機関が設定値を超える回転速度で回転している時には定常時点火位置制御手段により前記内燃機関の点火位置を定める。
【0004】
内燃機関には、機関の回転情報(回転速度情報及び回転角度情報)を得るために信号発生装置が取り付けられる。信号発生装置は、通常、誘導子形の発電機からなっていて、機関の上死点位置(ピストンが上死点に達した時のクランク軸の回転角度位置)より進角した位置に設定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ第1のパルス信号及び第2のパルス信号を発生する。
【0005】
第1の回転角度位置は、通常機関の点火位置の最大進角位置、または該最大進角位置よりも更に進んだ位置に設定され、この第1の回転角度位置を基準位置として点火位置の計測が行われる。また第2の回転角度位置は、機関の低速時の点火位置として適した位置に設定される。
【0006】
定常時点火位置制御手段は、例えば、内燃機関に取り付けられた信号発生装置が特定の信号を発生する時間間隔(クランク軸が所定の角度回転するのに要した時間)から機関の回転速度情報を得て、該回転速度情報に対して点火位置を演算する点火位置演算手段と、信号発生装置が第1のパルス信号を発生した時に演算した点火位置の計測を開始して、該点火位置の計測が完了した時(機関のクランク角位置が演算した点火位置に一致したことが検出された時)に点火信号を発生する点火信号発生手段とにより構成される。これらの手段は、例えば、マイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させることにより実現される。
【0007】
内燃機関の低速時においても、定常時と同様に、信号発生装置の出力から得た回転情報を用いて点火位置を演算して、演算した点火位置で機関を点火することが考えられる。しかしながら、機関の始動時及び低速回転時には、機関の回転が安定せず、機関の行程変化によりクランク軸の回転速度が細かく変動するため、信号発生装置が発生する信号から正しく回転情報を得ることができない。そのため、機関の低速時には点火位置を的確に演算することが難しく、低速時にも演算した点火位置で機関を点火しようとすると、かえって機関の回転が安定しなくなる。従って、機関の低速時には、演算した点火位置で機関を点火するのではなく、予め定めた一定の回転角度位置で機関を点火するようにしている。
【0008】
内燃機関においては、始動時に点火位置が上死点に対して進角していると、機関が点火した際にピストンが押し戻される現象(ケッチンと呼ばれる。)が生じて機関の始動に失敗することがある。そのため、機関の始動時には上死点に近い十分に遅角した位置で機関を点火する必要がある。始動時の点火位置を定める信号としては、信号発生装置が第2の回転角度位置で発生する第2のパルス信号を用いることができる。
【0009】
しかしながら、機関のケッチンを防止するために、機関の低速時の点火位置を十分に遅角した位置に設定すると、機関が始動した後その回転速度がアイドリング回転速度まで上昇したときに、点火位置が遅れ過ぎていてアイドリングが安定しない場合があった。
【0010】
例えばある内燃機関では、機関の始動時の最適な点火位置は上死点より更に2度遅角した位置であるが、アイドリング状態での最適な点火位置は上死点前10度の位置である。この場合に、低速時の点火位置を、機関の始動性を良好にすることを重視して上死点後2度の位置に設定すると、アイドリングを安定に行なわせることができない。
【0011】
そこで、信号発生装置から異なる位置で3以上の信号を発生させて、該信号発生装置の出力信号を利用して始動時の点火位置及びアイドリング時の点火位置を定めるようにすることも考えられるが、信号発生装置から3以上の信号を発生させようとすると、信号発生装置の構成が複雑になるので好ましくない。
【0012】
そこで、特許文献1に示された点火装置では、内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられた発電コイルの出力が一方の極性の半サイクルから他方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立ち上がり、該発電コイルの出力が他方の極性の半サイクルから一方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立下がる位置検出信号を第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生する位置検出回路を設けて、この位置検出回路が発生する位置検出信号を用いてアイドリング時の点火位置を定めるようにしている。
【0013】
特許文献1に示された点火装置で用いられている低速時点火位置制御手段は、内燃機関の始動時及び内燃機関の回転速度が第1の設定値よりも低いときには信号発生装置が第2のパルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与え、内燃機関の回転速度が第1の設定値から該第1の設定値よりも高い第2の設定値までの範囲にあるときには、第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で位置検出回路が位置検出信号を発生した時に点火回路に点火信号を与えるように構成されている。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−200776号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示された発明によれば、機関の始動時及び極低速時(回転速度が第1の設定値未満の時)に十分に遅角した第2のパルス信号の発生位置で機関を点火することができるため、機関の始動時にケッチンが生じるのを防ぐことができる。また機関が始動して回転速度が第1の設定値から第2の設定値(通常はアイドリング回転速度)までの範囲にある場合には、第2のパルス信号の発生位置よりも進角した位置検出信号の発生位置で機関を点火することができるため、低速回転時の回転を安定にすることができる。
【0016】
また、信号発生装置は、第1のパルス信号と第2のパルス信号との2つの信号を発生すればよいため、信号発生装置の構成を複雑にすることなく、機関の低速時の回転を安定にすることができる。
【0017】
ところが、特許文献1に示された発明では、機関の逆転時に点火動作を禁止する手段が設けられていなかったため、機関を始動した後、位置検出信号により(進角した位置で)点火動作が行なわれたときに、何らかの原因でピストンが押し戻されて機関が逆回転すると、逆回転時にも点火動作が行なわれるという問題があった。特に2サイクル内燃機関では、機関の逆回転が可能であるため、逆回転時にも点火動作が行なわれるように点火装置が構成されていると、上記のような場合に、機関が逆転したままの状態でアイドリングを行なうおそれがあり、好ましくない。
【0018】
本発明の目的は、始動時及び低速時の点火位置を最適な位置に設定することができるだけでなく、機関の逆転を防止する機能をも持たせることができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の上死点に相当するクランク角位置よりも進角した位置に設定された第1のクランク角位置及び該第1のクランク角位置よりも遅角した位置に設定された第2のクランク角位置でそれぞれ第1のパルス信号及び第2のパルス信号を発生する信号発生装置と、内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられた発電コイルの出力が一方の極性の半サイクルから他方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立ち上がり、該発電コイルの出力が前記他方の極性の半サイクルから一方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立下がる位置検出信号を前記第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生する位置検出回路と、内燃機関の始動時及び内燃機関の回転速度が第1の設定値よりも低いときには信号発生装置が第2のパルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与え、内燃機関の回転速度が第1の設定値から該第1の設定値よりも高い第2の設定値までの範囲にあるときには、第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で位置検出回路が位置検出信号を発生した時に点火回路に点火信号を与える低速時点火位置制御手段と、内燃機関の回転速度が第2の設定値を超えているときには予め定められた制御条件に対して演算された点火位置で点火回路に点火信号を与える定常時点火位置制御手段とを備えた内燃機関用点火装置を対象とする。
【0020】
本発明においては、第2のパルス信号が発生したときに位置検出信号が発生しているか否かを判定して、位置検出信号が発生していると判定されたときに内燃機関の点火動作を許可し、位置検出信号が発生していないと判定されたときに内燃機関の点火動作を禁止する第1の点火動作許否手段と、発電コイルが発生している電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるか他方の半サイクルの電圧であるかを一定の時間間隔で検出する発電コイル出力検出手段と、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火を許可し、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が他方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火動作を禁止する第2の点火動作許否手段とを設ける。
【0021】
そして、内燃機関の正回転時には位置検出信号が発生している間に第2のパルス信号が発生するように信号発生装置の出力と発電コイルの出力との位相関係が設定される。
【0022】
上記のように、信号発生装置の出力と発電コイルの出力との位相関係を設定するとともに、信号発生装置が第2のパルス信号を発生したときに位置検出信号が発生しているか否かを判定して、位置検出信号が発生していると判定されたときに内燃機関の点火動作を許可し、位置検出信号が発生していないと判定されたときに内燃機関の点火動作を禁止する第1の点火動作許否手段を設けると、機関の始動時に機関が正回転しているときにのみ、点火動作を行なわせることができるため、機関が逆転するのを防ぐことができる。
【0023】
また上記のように位置検出回路が設けられた点火装置においては、位置検出信号が発生する直前の発電コイルの出力の半サイクルが、機関の正転時には一方の極性の半サイクルになり、機関の逆転時には、他方の極性の半サイクルになるため、上記のように、発電コイルが発生している電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるか他方の半サイクルの電圧であるかを一定の時間間隔で検出する発電コイル出力検出手段を設けるとともに、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火を許可し、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が他方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火動作を禁止する第2の点火動作許否手段を設けると、機関が始動した後、回転速度が第1の設定値と第2の設定値との間にある状態で、何らかの原因で機関が逆転したときに、位置検出信号により点火が行なわれるのを阻止することができるため、機関が逆転するのを防止することができる。
【0024】
このように、本発明によれば、機関の始動時及び低速回転時に機関が逆転するおそれをなくすことができるため、信号発生装置の構成を複雑にすることなく、機関の低速時の回転を安定にすることができるという特許文献1に示された点火装置の特長を活かしつつ、機関の始動時及び低速時の安全性を高めた点火装置を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わる内燃機関用点火装置のハードウェアの構成例を示したもので、同図において1は点火回路、2は2サイクル内燃機関により駆動される磁石式交流発電機、3は、内燃機関の上死点に相当するクランク角位置よりも進角した位置に設定された第1のクランク角位置θ1 及び該第1のクランク角位置よりも遅角した位置に設定された第2のクランク角位置θ2 でそれぞれパルス波形の第1の信号Vp1及び第2の信号Vp2を発生する信号発電機である。
【0026】
4は発電機2内に設けられたバッテリ充電用発電コイルWg の出力電圧によりレギュレータ6を通して充電されるバッテリ、7はバッテリ4の出力電圧を昇圧して点火回路1に与える電源電圧を発生するDC−DCコンバータ、8はマイクロコンピュータのCPUである。
【0027】
また9及び10はそれぞれ信号発電機3が発生する第1の信号Vp1及び第2の信号Vp2をCPU8が認識し得る波形の第1のパルス信号Vs1及び第2のパルス信号Vs2に変換してCPU8のポートA1 及びA2 にを与える第1及び第2の波形整形回路で、この例では、信号発電機3と第1及び第2の波形整形回路9及び10とにより信号発生装置が構成されている。
【0028】
11は発電コイルWg の出力電圧Vg の零クロス点を検出した時に位置検出信号Vs3を発生する位置検出回路で、この位置検出回路は、発電コイルWg の出力が負の極性の半サイクル(一方の極性の半サイクル)から正の極性の半サイクル(他方の極性の半サイクル)に移行する際の零クロス点で立ち上がり、該発電コイルの出力が他方の極性の半サイクルから一方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立下がる位置検出信号Vs3を出力する。本発明においては、位置検出回路が出力する一連の位置検出信号Vs3のうち、1つの位置検出信号Vs3が、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間の特定の位置θ3 で発生するように、発電コイルの出力と信号発生装置の出力との位相関係が設定される。位置検出回路11が発生する位置検出信号Vs3は、CPU8のポートA3 に与えられている。
【0029】
12は信号発電機3が第2の信号Vp2を発生して波形整形回路10が第2のパルス信号Vs2を発生した時に始動時点火信号Vi1を出力する始動時点火信号出力回路、13は機関の回転速度が第1の設定値を超えてCPU8がポートB1 から禁止信号を出力した時に始動時点火信号出力回路12の出力端子間を短絡して始動時点火信号Vi1の出力を禁止する始動時点火信号出力禁止回路である。
【0030】
14はCPU8がアイドリング運転時の点火位置及び定常運転時(アイドリング回転速度を超える速度での運転時)の点火位置でポートB2 から点火指令信号を発生した時に非始動時点火信号Vi2を出力する非始動時点火信号出力回路、15は始動時点火信号Vi1または非始動時点火信号Vi2のいずれかが発生した時に点火回路1に点火信号Vi を与えるオア回路である。
【0031】
また16は、発電コイルWgの出力電圧が負の極性の半サイクルにあるのか、正の極性の半サイクルにあるのかを検出する電圧検出回路であり、この電圧検出回路の出力はCPU8のポートC1 に与えられている。
【0032】
本実施形態のハードウェアの構成は、電圧検出回路16が設けられている点を除き、特許文献1に示されたものと同様である。
【0033】
各部の構成を更に詳細に説明すると、図示の点火回路1は周知のコンデンサ放電式の回路で、一次コイルの一端が接地され、二次コイルの一端が一次コイルの他端に共通接続された点火コイルIGと、該点火コイルの一次コイルの他端に一端が接続された点火用コンデンサC1 と、カソードを接地側に向けた状態でコンデンサC1 の他端と接地間に接続されたサイリスタTh1と、カソードを接地側に向けて点火コイルの一次コイルの両端に並列に接続されたダイオードD1 と、サイリスタTh1のゲートカソード間に接続された抵抗R1 と、図示しない内燃機関の気筒に取り付けられて点火コイルの二次コイルに接続された点火プラグPとからなっている。
【0034】
この点火回路においては、点火信号Vi が与えられたときにサイリスタTh1が導通してコンデンサC1 に充電された電荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させる。このコンデンサの放電により点火コイルIGに急激に大きな一次電流が流れるため、点火コイルIGの二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧により点火プラグPで火花が生じ、機関が点火される。
【0035】
磁石式交流発電機2は、機関のクランク軸に取り付けられたフライホイール磁石回転子2Aと、磁石回転子2Aの磁石界磁に対向する磁極部を有する電機子鉄心及び該電機子鉄心に巻回された複数の発電コイルからなる固定子とを備えたもので、図示の例では、固定子側に設けられた1つの発電コイルがバッテリ充電用発電コイルWg として用いられている。発電コイルWg が出力する交流電圧Vg の波形の一例を図2(A)に示した。
【0036】
信号発電機3は、磁石式交流発電機2のフライホイールの外周にリラクタ3aを形成することにより構成したロータと、リラクタ3aの回転方向の前端縁及び後端縁をそれぞれ検出した時に第1及び第2の信号Vp1及びVp2を発生する信号発電子3bとからなっている。
【0037】
信号発電子3bは、リラクタ3aに対向する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルWsと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とからなっていて、リラクタ3aが信号発電子の鉄心の磁極部との対向を開始する際及び該対向を終了する際にそれぞれ信号コイルWsに極性が異なるパルス波形の第1の信号Vp1及び第2の信号Vp2を誘起する。
【0038】
第1の信号Vp1及び第2の信号Vp2の波形の一例を図2(B)に示した。この例では、第1の信号Vp1が負極性のパルスからなり、第2の信号VP2が正極性のパルスからなっている。第1の信号Vp1の発生位置(信号のレベルがしきい値に達する位置)は、機関の点火位置の最大進角位置よりも更に進角した第1の回転角度位置θ1 に設定され、第2の信号Vp2の発生位置は機関の始動時の点火位置として適した第2の回転角度位置θ2 に設定されている。
【0039】
レギュレータ6は、発電コイルWg が出力するほぼ正弦波形の交流電圧Vg を整流する整流器と、該整流器の出力を設定値以下に保つように制御する制御回路とを備えたもので、発電コイルWg からレギュレータ6を通して与えられる電圧によりバッテリ4が充電される。
【0040】
DC−DCコンバータ7は、バッテリ4の出力電圧がダイオードD2 を通して一次コイルに印加された昇圧トランスTsfと、バッテリ4からトランスTsfの一次コイルに供給される一次電流を断続させる発振回路OSCとを備えたもので、バッテリ4の出力電圧(12V)を昇圧してトランスTsfの二次コイルに200[V]以上の電圧を誘起する。昇圧トランスTsfの二次コイルに得られる電圧はダイオードD3 を通して点火用コンデンサC1 と点火コイルIGの一次コイルとの直列回路の両端に印加されている。点火用コンデンサC1 はDC−DCコンバータ7の出力電圧により図示の極性に充電される。
【0041】
第1の波形整形回路9は、NPNトランジスタTR1 と、抵抗R2 ないしR5 と、ダイオードD4 及びD5 と、コンデンサC2 とからなるもので、信号コイルWs が発生する負極性の第1の信号Vp1がコンデンサC2 の両端の電圧(しきい値)を超えた時に信号コイルWs −ダイオードD4 −ダイオードD5 −抵抗R5 −信号コイルWs の経路で電流が流れてダイオードD4 の両端に電圧降下が生じる。この電圧降下によりトランジスタTR1 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、トランジスタTR1 は、第1の信号Vp1がしきい値を超えている間だけオフ状態になり、該トランジスタTR1 のコレクタに、図2(C)に示すように、第1の信号Vp1がしきい値を超えている間だけ高レベルの状態になる第1のパルス信号Vs1が得られる。CPU8は、この第1のパルス信号Vs1が発生した時に、機関のクランク軸の回転角度位置が第1の回転角度位置θ1 に達したことを検出する。
【0042】
第2の波形整形回路10は、NPNトランジスタTR2 と、抵抗R6 及びR7 と、コンデンサC3 と、ダイオードD6 とからなるもので、信号コイルWs が発生する第2の信号Vp2がコンデンサC3 の両端の電圧(しきい値)を超えている間トランジスタTR2 にベース電流が流れて該トランジスタが導通する。トランジスタTR2 のコレクタには、図2(D)に示したように、該トランジスタが導通している間零レベルになる第2のパルス信号Vs2が得られる。CPU8は、この第2のパルス信号Vs2が発生した時に機関のクランク軸の回転角度位置が機関の始動時の点火位置として適した第2の回転角度位置θ2(例えば機関の上死点より2°遅れた位置)に達したことを検出する。
【0043】
位置検出回路11は、NPNトランジスタTR3 と、抵抗R8 ないしR11と、ダイオードD7 及びD8 とからなる零クロス検出回路からなっている。この位置検出回路においては、発電コイルWg が正の半サイクルの電圧を発生した時に、発電コイルWg −抵抗R11−ダイオードD7 −ダイオードD8 −発電コイルWg の経路で電流が流れてダイオードD7 の両端に電圧降下が生じる。この電圧降下によりトランジスタTR3 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、該トランジスタTR3 がオフ状態になる。発電コイルWg が負の半サイクルの電圧を発生している時には、ダイオードD7 を通して電流が流れないため、トランジスタTR3 はバッテリ4を電源として一定の直流電圧を出力する図示しない直流電源回路から抵抗R10を通してベース電流が与えられて導通する。従って、トランジスタTR3 のコレクタには、図2(E)に示すように、発電コイルWg が正の半サイクルの電圧を発生している期間高レベルの状態を保持し、発電コイルWg が負の半サイクルの電圧を発生している期間ほぼ零レベルの状態を保持する矩形波状の位置検出信号Vs3が得られる。この位置検出信号Vs3は、発電コイルWg の出力電圧が負の半サイクルから正の半サイクルに移行する際の零クロス点θ3 で立上がり、発電コイルWg の出力電圧が正の半サイクルから負の半サイクルに移行する際の零クロス点で立下がる信号である。CPU8はこの位置検出信号Vs3の零レベルから高レベルへの各立上がりを検出したときに、該位置検出信号が発生したことを認識して機関の回転角度位置θ3 の情報を得る。
【0044】
本発明においては、内燃機関の正回転時に、位置検出信号Vs3が発生している間に第2のパルス信号Vs2が発生するように信号発生装置の出力と発電コイルWg の出力との位相関係が設定されるとともに、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間で位置検出回路11から出力される位置検出信号Vs3の発生位置θ3 が、機関の回転速度が第1の値から第2の値までの間にあるときの機関の点火位置(通常はアイドリング時の点火位置)として適した位置になるように、発電コイルWg の出力の位相が調整される。機関のアイドリング時の点火位置として適した位置は、例えばピストンの上死点に相応するクランク角位置より10°進角した位置である。発電コイルWg の出力の位相の調整は、磁石式交流発電機2の固定子の取付け位置を調整することにより行なうことができる。
【0045】
始動時点火信号出力回路12は、PNPトランジスタTR4 と、抵抗R12,R13及びR21とからなっていて、機関の始動時の点火位置で第2の信号Vp2が発生して第2の波形整形回路10のトランジスタTR2 がオン状態になった時に(第2のパルス信号Vs2が発生したときに)トランジスタTR4 が導通して、図示しない電源回路から抵抗R13を通して始動時点火信号Vi1を出力する。
【0046】
始動時点火信号出力禁止回路13は、NPNトランジスタTR5 と、抵抗R14及びR15とからなっていて、機関の回転速度が第1の設定値を超えてCPU8がそのポートB1 から禁止信号を出力したときに、トランジスタTR5 が導通して、低速時点火信号出力回路12の出力端子間を短絡することにより、低速時点火信号Vi1の出力を禁止する。
【0047】
非始動時点火信号出力回路14は、PNPトランジスタTR6 及びNPNトランジスタTR7 と、抵抗R16ないしR20とからなっていて、CPU8がアイドリング時の点火位置及び定常運転時の点火位置を検出してそのポートB2 から点火指令信号を出力した時に、トランジスタTR7 及びTR6 が導通して、図示しない直流電源回路からトランジスタTR6 のエミッタコレクタ間と抵抗R20とを通して非始動時点火信号Vi2(アイドリング時または定常時の点火信号)を出力する。
【0048】
オア回路15は、カソードがサイリスタTh1のゲートに共通接続されたダイオードD9 及びD10からなっていて、始動時点火信号Vi1及び非始動時点火信号Vi2がそれぞれダイオードD9 及びD10を通して点火回路1に入力されている。
【0049】
電圧検出回路16は、発電コイルWg の一端にダイオードD10を通して一端が接続された抵抗R21と、抵抗R21の他端と接地間に接続された抵抗R22と、抵抗R22の両端に並列に接続されたツェナーダイオードZ1とからなっている。この電圧検出回路16においては、ダイオードD11と抵抗R21及びR22とにより、発電コイルの負の半サイクルの出力電圧を分圧する分圧回路が構成され、この分圧回路の抵抗R22の両端から検出信号Vv が出力される。電圧検出回路16が抵抗R22の両端から出力する検出信号Vv は、発電コイルWg が負の半サイクルの電圧を発生している間、Hレベルを示し、発電コイルWg が正の半サイクルの電圧を発生している期間Lレベル(0レベル)を示す。検出信号Vv は、CPU8のポートC1に入力されている。
【0050】
図1の点火制御装置のCPU8が実行するプログラムのアルゴリズムの一例を示すフローチャートを図4ないし図7に示した。
【0051】
図4はメインルーチンを示したもので、このメインルーチンは、CPU8に電源が投入された時に開始される。メインルーチンでは、先ずステップ1において各部の初期化を行い、次いでステップ2において、機関の回転速度に対して点火位置を演算する。点火位置の演算は、マイクロコンピュータのROMに記憶された点火位置演算用マップ(回転速度と点火位置との関係を与えるマップ)を回転速度に対して検索することにより行なわれる。
【0052】
また本実施形態では、マイクロコンピュータに設けられたタイマが一定の時間を計測する毎に、図8に示すタイマ割込みが実行されて、ポートC1 の電圧が読み込まれる。
【0053】
第1の波形整形回路9からCPU8のポートA1 に第1のパルス信号Vs1が与えられると、図5に示した割込みルーチン1が実行される。この割込みルーチンでは、先ずステップ1において機関の回転速度を演算する。この回転速度は、前回発生した第1のパルス信号Vs1が入力されてから今回発生した第1のパルス信号Vs1が入力されるまでの時間(クランク軸が1回転するのに要した時間)から機関の回転速度Nを演算する。
【0054】
機関の回転速度を演算した後、ステップ2において演算した回転速度Nが第2の設定値N2 を超えているか否かを判定する。その結果、回転速度がアイドリング領域の上限を与える回転速度に等しく設定された第2の設定値を超えていないと判定された時にはステップ3に進んでマイクロコンピュータによる点火位置の制御を中止してメインルーチンに戻る。またステップ2において回転速度が第2の設定値を超えていると判定されたときには、ステップ4に進んでマイクロコンピュータによる点火位置の制御を開始させてメインルーチンに戻る。
【0055】
第2の波形整形回路10からCPU8のポートA2 に第2のパルス信号Vs2が与えられると、図6の割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンでは、先ずステップ1においてポートA3 に与えられている位置検出信号Vs3がHレベルか否かを判定する。その結果ポートA3 の電圧がHレベルであるとき(位置検出信号Vs3が発生しているとき)には、機関が正転していると判定してステップ2に進み、機関の回転速度Nがアイドリング領域の下限の速度に等しく設定された第1の設定値N1 よりも低いか否かを判定する。その結果、回転速度が第1の設定値N1 よりも低いときには、ステップ3に進んで、ポートB1 からの禁止信号の出力を停止して始動時点火信号出力回路12から点火回路1に点火信号が与えられるのを許可してメインルーチンに戻る。従って、機関の回転速度がアイドリング領域の下限値を与える回転速度よりも低いときには、第2のパルス信号Vs2が発生して、始動時点火信号Vi1が発生したときに点火回路1が点火動作を行う。
【0056】
ステップ2において回転速度Nが第1の設定値N1 以上になっていると判定されたときには、ステップ4に進んでポートB1 から禁止信号を出力する。この禁止信号によりトランジスタTR5 をオン状態にして、始動時点火信号出力回路12からの点火信号の出力を禁止した後メインルーチンに戻る。
【0057】
ステップ1でポートA3 の電圧がHレベルでない(第2のパルス信号Vs2が発生したときに位置検出信号Vs3が発生していない)と判定されたときには、ステップ5に移行して機関が逆転していると判定し、機関を失火させるための処理を行なう。機関を失火させるための処理は、ステップ4で行なう処理と同様に、ポートB1 から禁止信号を出力して、始動時点火信号出力回路12からの点火信号の出力を禁止する処理でよい。
【0058】
位置検出回路11からCPU8のポートA3 に位置検出信号Vs3が与えられると、図7に示す割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンでは、先ずステップ1において、既に読み込まれているCPU8のポートC1 の電圧が0[V]であるか否かを判定する。機関が正転している時には、位置検出信号Vs3が発生するタイミングの直前に、発電コイルWg の出力電圧が負の半サイクルにある。そのため、機関が正回転しているときには、図7の割込みルーチンが開始されたときに、CPU8に読み込まれているポートC1 の電圧(発電コイルの負の半サイクルの電圧を検出している電圧検出回路16の出力)がHレベルになっている。そのため、図7の割込みルーチンが開始された時点で機関が正回転している時には、ポートC1 の電圧が0でないと判定され、ステップ2が実行される。
【0059】
ステップ2では、現在の機関のクランク軸の回転角度位置θが第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間にあるか否かを判定する。この判定は、第1の信号Vs1が発生した後、第2の信号Vs2が発生しているか否かを見ることにより行うことができる。第1の信号Vs1のみが発生し、第2の信号Vs2が未だ発生していないときに現在の機関のクランク軸の回転角度位置θが第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間にあると判定し、それ以外の時には現在の機関のクランク軸の回転角度位置θが第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間にないと判定する。
【0060】
ステップ2において、回転角度位置θが第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間にないと判定された時には、そのままメインルーチンに戻る。ステップ2において、現在の回転角度位置θが第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間にあると判定された時には、次いでステップ3に進んで回転速度Nが第1の設定値N1 と第2の設定値N2 との間にあるか否か(機関の回転速度がアイドリング領域にあるか否か)を判定する。その結果、機関の回転速度がアイドリング領域にあると判定された時には、ステップ4に進んで、機関の点火位置をアイドリング時の点火位置とすることを選択して、ポートB2 から点火指令信号を発生させる。これにより非始動時点火信号出力回路14から点火信号を出力させて、点火動作を行なわせる。即ち、機関が正回転していて、回転速度Nがアイドリング領域にあるときには、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間で発生した位置検出信号Vs3の発生位置θ3(アイドリング時の点火位置)で点火動作が行なわれる。ステップ3において、機関の回転速度Nがアイドリング領域にないと判定された時には、ステップ5に移行してCPU8のポートB2 から点火指令信号を出力させることなく(アイドリング時の点火位置を選択することなく)、メインルーチンに戻る。
【0061】
またステップ1において、ポートC1 の電圧が0であると判定されたとき、即ち位置検出信号が発生して図7の割込みルーチンが開始されるタイミングの直前に発電コイルの出力の半サイクルが正の半サイクルにあって、電圧検出回路16が検出した電圧が0[V]であるときには、ステップ6に移行して機関が逆回転していると認識し、機関を失火させるための処理(ポートB2 からの点火信号の出力を禁止する処理)を行なった後メインルーチンに戻る。
【0062】
本実施形態では、電圧検出回路16と、図8のタイマ割込みルーチンにより、発電コイルが発生している電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるか他方の半サイクルの電圧であるかを一定の時間間隔で検出する発電コイル出力検出手段が実現される。
【0063】
また図6の割込みルーチンのステップ1とステップ5とにより、第2のパルス信号Vs2が発生したときに位置検出信号Vs3が発生しているか否かを判定して、位置検出信号が発生していると判定されたときに内燃機関の点火動作を許可し、位置検出信号が発生していないと判定されたときに内燃機関の点火動作を禁止する第1の点火動作許否手段が実現される。
【0064】
更に、図7の割込みルーチンのステップ1とステップ6とにより、位置検出信号Vs3が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火を許可し、位置検出信号Vs3が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が他方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火動作を禁止する第2の点火動作許否手段が実現される。
【0065】
図1に示した内燃機関用点火装置の動作をまとめて示すと次の通りである。機関の始動時に、機関が正回転しているときには、図6の割込みルーチンのステップ1においてポートA3 の電圧がHレベルであると判定され、ステップ2において、回転速度が第1の設定値よりも低いと判定されるため、同割込みルーチンのステップ3において始動時点火信号の出力が許可され、トランジスタTR5 が遮断状態に保持される。従って、始動時の点火位置として適した位置に設定された第2の回転角度位置θ2 (本実施形態では上死点後2°の位置)で第2のパルス信号Vs2が発生した時に、第2の波形整形回路10から始動時点火信号出力回路12とオア回路15とを通して点火回路のサイリスタTh1に点火信号が与えられる。これによりサイリスタTh1が導通して点火用コンデンサC1 の電荷を放電させ、点火動作を行わせる。
【0066】
内燃機関が始動した後、その回転速度が第1の設定値N1 を超えると、図6の割込みルーチンにより始動時点火位置(第2の回転角度位置θ2 )での点火が禁止される。このときCPU8は、図7のステップ4において位置検出信号Vs3の発生位置θ3 をアイドリング時の点火位置として選択するモードとなり、ポートB2 から点火指令信号を出力する。従って、アイドリング領域では、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2 との間に設定されたアイドリング時に適した回転角度位置θ3 (図示の例では上死点前10°の位置)で位置検出信号Vs3が発生した時に点火動作が行われる。
【0067】
機関の回転速度が第2の設定値N2 を超えると、図7の割込みルーチンのステップ5において、アイドリング時の点火位置θ3 を選択するモードが解除され、図5のステップ4において、マイクロコンピュータにより点火位置を制御するモードが開始されるため、図4のメインルーチンにおいて演算された点火位置で点火動作が行われる。
【0068】
メインルーチンで演算される点火位置は、第1のパルス信号Vs1の発生位置(基準位置)から点火位置まで機関が回転するのに要する時間(点火位置計測時間)ΔTの形で演算される。CPU8は第1のパルス信号Vs1が発生したことを検出したときに演算した点火位置の計測値をマイクロコンピュータ内に設けられた点火用タイマにセットしてその計測を開始させ、点火用タイマが点火位置の計測を完了した時にポートB2 から点火指令信号を出力する。
【0069】
図1の点火制御装置を用いた場合の点火位置θi の回転速度Nに対する特性の一例を図3に示した。
【0070】
上記の例では、バッテリ充電用発電コイルWg の出力の零クロス点を検出して位置検出信号を発生させるようにしたが、他の発電コイルの出力の零クロス点を検出して位置検出信号を発生させるようにしてもよい。
【0071】
上記の例では、信号発電機3が第1の信号Vp1を発生する間隔から機関の回転速度Nを演算しているが、回転速度Nの演算を行うことなく、信号発電機3が出力する信号の発生間隔(機関が1回転するのに要する時間)Tnそのものを機関の回転速度を与える変数として用いて、回転速度の判定や点火位置の演算などを行わせるようにしてもよい。
【0072】
上記の説明では、点火回路1としてコンデンサ放電式の回路を用いるとしたが、電流遮断形の点火回路が用いられる場合にも本発明を適用することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、信号発生装置が遅角した位置で発生する第2のパルス信号と、内燃機関により駆動される磁石式交流発電機の出力の零クロス点を検出することにより発生させた位置検出信号とを用いて、機関の始動時及び低速時の点火位置を定めるようにした内燃機関用点火装置において、信号発生装置が第2のパルス信号を発生したときに位置検出信号が発生しているか否かを判定して、位置検出信号が発生していると判定されたときに内燃機関の点火動作を許可し、位置検出信号が発生していないと判定されたときに内燃機関の点火動作を禁止する第1の点火動作許否手段を設けたので、機関の始動時に機関が逆転するのを防ぐことができる。
【0074】
また本発明においては、発電コイルが発生している電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるか他方の半サイクルの電圧であるかを一定の時間間隔で検出する発電コイル出力検出手段を設けるとともに、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が一方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火を許可し、位置検出信号が発生する直前に発電コイル出力検出手段により検出された電圧が他方の極性の半サイクルの電圧であるときに内燃機関の点火動作を禁止する第2の点火動作許否手段を設けたので、機関が始動した後、回転速度が第1の設定値と第2の設定値との間にある状態で、何らかの原因で機関が逆転したときに、位置検出信号により点火が行なわれるのを阻止することができるため、機関が逆転したままで運転されるのを防止することができる。
【0075】
このように、本発明によれば、機関の始動時及び低速回転時に機関が逆転するおそれをなくすことができるため、信号発生装置の構成を複雑にすることなく、機関の低速時の回転を安定にすることができるという特許文献1に示された点火装置の特長を活かしつつ、機関の始動時及び低速時の安全性を高めた点火装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火制御装置の構成例を示した回路図である。
【図2】図1の各部の電圧の波形図である。
【図3】図1の点火装置により得られる点火特性の一例を示した線図である。
【図4】図1の点火装置のCPUが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図5】図1の点火装置において信号発生装置が第1のパルス信号を出力した時にCPUが実行するプログラムの割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図6】図1の点火装置において信号発生装置が第2のパルス信号を出力した時にCPUが実行するプログラムの割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図7】図1の点火装置において位置検出回路が位置検出信号を出力した時にCPUが実行するプログラムの割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図8】図1の点火装置において、タイマが一定の時間を計測する毎に実行されるタイマ割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…点火回路、2…磁石式交流発電機、3…信号発生装置、4…バッテリ、8…CPU、9…第1の波形整形回路、10…第2の波形整形回路、11…位置検出回路、12…始動時点火信号出力回路、16…電圧検出回路、Wg …発電コイル、Ws …信号コイル。

Claims (1)

  1. 点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の上死点に相当するクランク角位置よりも進角した位置に設定された第1のクランク角位置及び該第1のクランク角位置よりも遅角した位置に設定された第2のクランク角位置でそれぞれ第1のパルス信号及び第2のパルス信号を発生する信号発生装置と、前記内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられた発電コイルの出力が一方の極性の半サイクルから他方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立ち上がり、該発電コイルの出力が前記他方の極性の半サイクルから一方の極性の半サイクルに移行する際の零クロス点で立下がる位置検出信号を前記第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発生する位置検出回路と、前記内燃機関の始動時及び前記内燃機関の回転速度が第1の設定値よりも低いときには前記信号発生装置が第2のパルス信号を発生した時に前記点火回路に点火信号を与え、前記内燃機関の回転速度が前記第1の設定値から該第1の設定値よりも高い第2の設定値までの範囲にあるときには、前記第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で前記位置検出回路が位置検出信号を発生した時に前記点火回路に点火信号を与える低速時点火位置制御手段と、前記内燃機関の回転速度が前記第2の設定値を超えているときには予め定められた制御条件に対して演算された点火位置で前記点火回路に点火信号を与える定常時点火位置制御手段とを備えた内燃機関用点火装置において、
    前記第2のパルス信号が発生したときに前記位置検出信号が発生しているか否かを判定して、前記位置検出信号が発生していると判定されたときに前記内燃機関の点火動作を許可し、前記位置検出信号が発生していないと判定されたときに前記内燃機関の点火動作を禁止する第1の点火動作許否手段と、
    前記発電コイルが発生している電圧が前記一方の極性の半サイクルの電圧であるか他方の半サイクルの電圧であるかを一定の時間間隔で検出する発電コイル出力検出手段と、
    前記位置検出信号が発生する直前に前記発電コイル出力検出手段により検出された電圧が前記一方の極性の半サイクルの電圧であるときに前記内燃機関の点火を許可し、前記位置検出信号が発生する直前に前記発電コイル出力検出手段により検出された電圧が前記他方の極性の半サイクルの電圧であるときに前記内燃機関の点火動作を禁止する第2の点火動作許否手段と、
    を具備し、
    前記内燃機関の正回転時には前記位置検出信号が発生している間に前記第2のパルス信号が発生するように前記信号発生装置の出力と発電コイルの出力との位相関係が設定されている内燃機関用点火装置。
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