JP3757789B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源部の出力電圧を昇圧して得た電圧で点火用のコンデンサを充電する直流電圧昇圧式のコンデンサ放電式内燃機関点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンデンサ放電式の内燃機関点火装置(CDI)は、点火コイルと、該点火コイルの一次側に設けられて比較的高い電圧(通常は200[V]以上の電圧)まで充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられた時に導通して該点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチと、点火コイルの二次コイルに接続されて該二次コイルに誘起する点火用高電圧が印加された時に火花放電を生じる点火プラグとを備えた点火回路と、点火用コンデンサを充電する充電用電源部と、内燃機関の点火位置で放電用スイッチに点火信号を与える点火制御部とにより構成される。
【0003】
点火用コンデンサを充電する充電用電源部としては、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けたエキサイタコイルの整流出力により点火用コンデンサを充電するようにしたAC方式のものと、直流電源部の出力電圧を昇圧回路(DC−DCコンバータ回路)により昇圧して得た電圧で点火用コンデンサを充電するようにした直流電圧昇圧式(DC式という。)のものとが用いられている。
【0004】
DC式の充電用電源部は、例えば、特開平9−209893号に示されているように、直流電源部と、該直流電源部の出力を昇圧する昇圧回路とにより構成される。昇圧回路は、直流電源部の出力電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと、昇圧ランスの一次コイルを通して流れる一次電流をオンオフするように設けられたチョッパ用スイッチと、一次電流が設定値未満の時にはチョッパ用スイッチをオン状態に保ち、一次電流が設定された遮断値に達した時にチョッパ用スイッチをオフ状態にして一次電流を遮断するようにチョッパ用スイッチを制御するチョッパ用スイッチ制御回路とにより構成される。
【0005】
このようなDC式の充電用電源部を用いると、磁石発電機内に巻数が多いエキサイタコイルを設ける必要がないため、磁石発電機を小形に構成することができる。
【0006】
DC式の充電用電源部において、昇圧トランスの鉄心を流れる磁束が飽和すると、チョッパ用スイッチに大きな短絡電流が流れるため、一次電流の遮断値は、昇圧トランスの鉄心を流れる磁束を飽和させる値よりも僅かに小さい値に設定する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、DC式の充電用電源部では、昇圧動作を効率よく行わせるために、一次電流の遮断値を、昇圧トランスの鉄心を流れる磁束が飽和する直前の大きな電流値としている。しかしながら、このように、一次電流の遮断値を大きい値に設定すると、直流電源部に設けられているバッテリが消耗していて、電源電圧が低いときに一次電流が遮断値に達することができなくなって、昇圧トランスの一次電流が流れたままの状態になり、昇圧動作を行うことができなくなるため、機関を始動することができなくなるという問題があった。
【0008】
また、スノーモビル等のように、バッテリが搭載されない乗物を駆動する内燃機関を点火するために上記のような直流電圧昇圧式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置(以下DC式CDIともいう。)を用いる場合には、機関に取り付けられた磁石発電機の発電コイルと、該発電コイルの出力を整流する整流器とにより直流電源部を構成して、この直流電源部の出力を昇圧トランスの一次コイルに印加することにより昇圧トランスに一次電流を流すことになるが、この場合、機関の始動時には、発電コイルの誘起電圧が低く、昇圧トランスの一次電流を規定の遮断値に到達させることが困難であるため、昇圧動作を行わせることができず、点火動作を行わせることができない。従って、従来のDC式CDIは、バッテリが搭載されない乗物を駆動する内燃機関には適用することができなかった。
【0009】
本発明の目的は、直流電源部の出力電圧が低いときでも昇圧動作を行わせて、点火動作を行わせることができるようにした、直流電圧昇圧式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直流電源部と、この直流電源部の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、点火コイルと、点火コイルの一次側に設けられて昇圧回路の出力電圧が整流器を通して印加される点火用コンデンサと、点火信号が与えられた時に導通して点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチと、内燃機関の点火位置で放電用スイッチに点火信号を与える点火制御部とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を対象とする。
【0011】
上記昇圧回路としては、直流電源部の出力電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと、該昇圧ランスの一次コイルを通して流れる一次電流をオンオフするように設けられたチョッパ用スイッチと、昇圧トランスの一次電流が設定された遮断値未満の時にはチョッパ用スイッチをオン状態に保ち、一次電流が遮断値に達した時にチョッパ用スイッチを遮断状態にするようにチョッパ用スイッチを制御するチョッパ用スイッチ制御回路とを備えて、一次電流を遮断した際に昇圧トランスの二次コイルに昇圧された出力電圧を誘起するものを用いる。
【0012】
上記直流電源部は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられた発電コイルと、該発電コイルの整流出力により充電されるバッテリとを備えたものでもよく、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられた発電コイルと、該発電コイルの出力を整流する整流器とにより構成されるもの(バッテリを備えていないもの)でもよい。
【0013】
本発明においては、直流電源部の出力電圧が設定値以上になっている時に一次電流の遮断値を規定値に等しくし、直流電源部の出力電圧が設定値よりも低い時には一次電流の遮断値を規定値よりも低い値とするように、一次電流の遮断値を直流電源部の出力電圧に応じて変化させる遮断値調整手段を設ける。
【0014】
一次電流の遮断値の規定値は、昇圧トランスに一次電流を流したときに該昇圧トランスの鉄心を流れる磁束が飽和するときの一次電流の大きさよりも僅かに小さい値に設定する。
【0015】
上記のように構成すると、直流電源部の出力電圧が低いときでも、一次電流を遮断して昇圧回路に昇圧動作を行わせることができる。従って、機関の始動時に直流電源部に設けられているバッテリが消耗している場合でも、点火動作を行わせて機関の始動を支障なく行わせることができる。
【0016】
また機関が始動して、直流電源部の出力が設定値を超えた後は、昇圧トランスの一次電流の遮断値を該トランスを飽和させる直前の値に設定するので、昇圧回路の昇圧動作を効率よく行わせることができる。
【0017】
更に、上記のDC方式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置は、機関の始動時に直流電源部の出力電圧が低い場合でも点火動作を行うため、スノーモビルのような、バッテリを搭載しない機器を駆動する内燃機関にも適用することができる。
【0018】
上記チョッパ用スイッチ制御部は、チョッパ用スイッチを通して流れる一次電流を検出して、検出した一次電流に相応した大きさの電圧を一次電流検出信号として発生する電流検出手段と、直流電源部の出力を入力として入力された直流電圧が設定値以上になっているときに基準値に等しい一定の直流電圧を出力する定電圧電源回路の出力電圧を分圧して一次電流の遮断値を与える電圧信号を遮断値設定信号として発生する抵抗分圧回路と、一次電流検出信号を遮断値設定信号と比較して、一次電流検出信号が遮断値設定信号未満の時にチョッパ用スイッチをオン状態に保ち、一次電流検出信号が遮断値設定信号に達した時にチョッパ用スイッチを遮断状態にするようにチョッパ用スイッチを制御するスイッチ制御回路とにより構成できる。
【0019】
また点火制御部は、上記定電圧電源回路の出力電圧が電源電圧として与えられて該電源電圧が設定値以上あるときに動作するマイクロコンピュータを備えて、該マイクロコンピュータにより演算した内燃機関の点火位置で放電用スイッチに点火信号を与えるように構成することができる。
【0020】
チョッパ用スイッチ制御部及び点火制御部が上記のように構成される場合には、定電圧電源回路から与えられる電源電圧が基準値に達しているときに該電源電圧に等しい電圧をマイクロコンピュータの一つの出力ポートから出力させ、電源電圧が基準値よりも低いときには該一つの出力ポートからの電圧の出力を停止させようにマイクロコンピュータに実行させるプログラムを構成しておく。
【0021】
そして、マイクロコンピュータの上記一つの出力ポートと抵抗分圧回路の分圧点との間に遮断値調整用抵抗器を接続し、マイクロコンピュータが上記一つの出力ポートからの電圧の出力を停止しているときに抵抗分圧回路が出力する遮断値設定信号が一次電流の遮断値の規定値を与える大きさよりも小さくなり、かつマイクロコンピュータが電源電圧に等しい電圧を出力しているときに抵抗分圧回路が出力する遮断値設定信号が一次電流の遮断値の規定値を与える大きさに等しくなるように、抵抗分圧回路を構成する抵抗器の抵抗値と、遮断値調整用抵抗器の抵抗値とを設定する。
【0022】
上記のように構成すると、マイクロコンピュータの出力ポートと、遮断値設定信号を発生する抵抗分圧回路の分圧点との間を抵抗器を通して接続するだけの簡単な構成で、電源電圧が基準値未満の場合と、基準値以上の場合とで一次電流の遮断値を切り換えることができるため、電源電圧が低いときにも点火動作を行うDC方式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を低コストで実現することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係わるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置の構成例を示したもので、同図において、1は直流電源部、2は直流電源部1の出力電圧が一次コイルに印加される昇圧トランス、3は昇圧ランス2の一次コイル2aを通して流れる一次電流をオンオフするように設けられたチョッパ用スイッチ、4は、昇圧トランスの一次電流が設定された遮断値未満の時にチョッパ用スイッチ3をオン状態にし、一次電流が遮断値に達した時にチョッパ用スイッチ3を遮断状態にするようにチョッパ用スイッチ3を制御するチョッパ用スイッチ制御部である。この例では、昇圧トランス2と、チョッパ用スイッチ3と、チョッパ用スイッチ制御部4とにより、直流電源部1の出力電圧を昇圧する昇圧回路が構成されている。
【0024】
また5は点火コイル、6は点火コイルの一次側に設けられて昇圧トランス2の二次コイルに誘起する電圧が整流器7を通して印加された点火用コンデンサ、8は点火信号が与えられた時に導通して点火用コンデンサ6に蓄積された電荷を点火コイル5の一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチとしてのサイリスタ、9は直流電源部1が出力する直流電圧(12V)を入力として、入力された直流電圧が設定値以上になっているときに一定の基準値Eos(図示の例では5V)に等しい直流電圧Eo を出力する定電圧直流電源回路である。更に、10は、マイクロコンピュータ10Aを備えて、内燃機関の点火位置で放電用スイッチに点火信号を与える点火制御部、11は内燃機関に取り付けられた信号発電機内に設けられた信号コイル、12は信号コイル11が発生するパルス信号をマイクロコンピュータが認識し得る波形の信号に整形する波形整形回路である。
【0025】
更に詳細に説明すると、直流電源部1は、図示しない内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられて一端が接地された発電コイルW1 と、負極が接地されたバッテリBatと、機関の回転に同期して発電コイルW1 に誘起する交流電圧を整流してバッテリBatに供給する整流器D1 と、バッテリBatの端子電圧を設定範囲に保つように制御する電圧調整回路Regと、バッテリBatの両端に並列に接続された平滑用コンデンサC1 と、電源スイッチSWとを備えていて、バッテリBatの正極端子がスイッチSWを通して該直流電源部の正極側出力端子1aに接続されている。
【0026】
昇圧トランス2は一次コイル2aと二次コイル2bとを鉄心に巻回したものからなっていて、その一次コイル2aの一端は直流電源部1の正極側出力端子1aに接続されている。
【0027】
図示の例では、チョッパ用スイッチ3がMOSFETからなっていて、そのドレインは昇圧トランス2の一次コイル2aの他端に接続され、ソースはシャント抵抗器R1 を通して接地されている。この例では、シャント抵抗器R1 により、チョッパ用スイッチを通して流れる昇圧トランスの一次電流を検出して検出した一次電流に相応した大きさの電圧を一次電流検出信号として発生する電流検出手段4aが構成されている。
【0028】
チョッパ用スイッチ3を構成するMOSFETのゲートは抵抗器R2 を通してNPNトランジスタTR1 のエミッタとPNPトランジスタTR2 のエミッタとの共通接続点に接続されている。トランジスタTR1 のコレクタは直流電源部1の出力端子1aに接続され、トランジスタTR2 のコレクタは接地されている。トランジスタTR1 及びTR2 のベースは共通接続され、トランジスタTR1 のベースコレクタ間には抵抗器R3 が接続されている。トランジスタTR1 及びTR2 のベースの共通接続点は、エミッタが接地されたトランジスタTR3 のコレクタに接続されている。
【0029】
トランジスタTR3 のベースは抵抗器R4 を通して直流電源部の正極側の出力端子1aに接続されるとともに、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR4 のコレクタに接続されている。トランジスタTR4 のベース接地間には抵抗器R5 が接続され、該トランジスタTR4 のベースと直流電源部の出力端子1aとの間に抵抗器R6 が接続されている。
【0030】
トランジスタTR4 のベースはまた比較器CP1 の出力端子に接続され、チョッパ用スイッチ3に直列に接続されたシャント抵抗器R1 の両端に得られる一次電流検出信号Vi1が比較器CP1 の反転入力端子に入力されている。また抵抗器R7 とR8 との直列回路からなる抵抗分圧回路4bが設けられ、定電圧直流電源回路9が出力する直流電圧をこの分圧回路により分圧して得た遮断値設定信号Visが比較器CP1 の非反転入力端子に入力されている。
【0031】
更に図示の例では、昇圧トランスの二次コイル2bの一端と接地間にアノードを接地側に向けたダイオードD2 が接続され、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR5 のベースが抵抗器R9 を通してダイオードD2 のカソードに接続されている。トランジスタTR5 のベースとエミッタとの間、及びベースと直流電源部の出力端子1aとの間にそれぞれ抵抗器R10及びR11が接続され、トランジスタTR5 のコレクタはエミッタが接地されたトランジスタTR6 のベースに接続されている。トランジスタTR6 のベースは抵抗器R12を通して直流電源部の出力端子1aに接続され、トランジスタTR6 のコレクタはトランジスタTR4 のベースに接続されている。
【0032】
この例では、ダイオードD2 と、トランジスタTR5 及びTR6 と抵抗器R9 ないしR12とにより、昇圧トランスの二次電流が零またはしきい値未満のときにチョッパ駆動指令信号を発生するチョッパ駆動指令発生回路4cが構成され、比較器CP1 と、トランジスタTR1 ないしTR4 と、抵抗器R2 ないしR6 とにより、一次電流検出信号Vi1を遮断値設定信号Visと比較して、一次電流検出信号Vi1が遮断値設定信号Vis未満で、かつチョッパ駆動指令信号が発生しているときにチョッパ用スイッチをオン状態にし、一次電流検出信号Vi1が遮断値設定信号Visに達した時にチョッパ用スイッチ3を遮断状態にするようにチョッパ用スイッチ3を制御するスイッチ制御回路4dが構成されている。
【0033】
そして、電流検出手段4aと、抵抗分圧回路4bと、チョッパ駆動指令発生回路4cと、スイッチ制御回路4dとにより、チョッパ用スイッチ制御部4が構成され、このチョッパ用スイッチ制御部4と、昇圧トランス2と、チョッパ用スイッチ3とにより、昇圧回路が構成されている。
【0034】
信号コイル11は、機関のピストンが上死点に達したときのクランク軸の回転角度位置(上死点位置という。)よりも十分に進角した位置に設定された基準位置で負極性のパルス信号Vp1を発生し、上死点位置よりも僅かに進角した位置に設定された機関の始動時の点火位置で正極性のパルス信号Vp2を発生するように設けられている。上記基準位置は、マイクロコンピュータ10Aが演算した点火位置の計測を開始する位置として用いられる。
【0035】
パルス信号Vp1及びVp2は、トランジスタTR7 及びTR8 と、抵抗器R13ないしR18と、コンデンサC2 及びC3 と、ダイオードD3 ないしD5 とからなる波形整形回路12により波形整形されてマイクロコンピュータ10Aに与えられている。
【0036】
即ち、信号コイル11が負極性のパルス信号Vp1を発生すると、信号コイル11からダイオードD3 及びD4 と、抵抗器R13とを通して電流が流れ、ダイオードD3 の両端に順方向電圧降下が生じる。この電圧降下がしきい値以上になるとトランジスタTR7 が遮断状態にされるため、トランジスタTR7 のコレクタには、パルス信号Vp1がしきい値以上になっている時間に等しい信号幅を有するパルス信号Vp1´が得られる。このパルス信号Vp1´はマイクロコンピュータ10Aの入力ポートA1 に与えられている。
【0037】
また信号コイル11が正極性のパルス信号Vp2を発生すると、該パルス信号Vp2がしきい値以上になったときにトランジスタTR8 がオン状態になるため、トランジスタTR8 のコレクタには、パルス信号Vp2がしきい値以上になっている時間に等しい信号幅を有する負極性のパルス信号Vp2´が得られる。このパルス信号はマイクロコンピュータ10Aの入力ポートA2 に与えられるとともに、機関の始動時の点火位置を示す点火位置検出信号として後記する点火信号供給回路15に与えられている。
【0038】
点火制御部10を構成するマイクロコンピュータ10Aには、定電圧電源回路9から一定の直流電圧(5V)が電源電圧として与えられ、該マイクロコンピュータ10AのCPUには発振器10Bからクロックパルスが与えられている。
【0039】
マイクロコンピュータ10Aは、図示しないROMに記憶されたプログラムを実行することにより、信号コイル11が出力するパルス信号の発生間隔から機関の回転速度を演算する回転速度演算手段と、演算した回転速度に対して機関の点火位置(点火動作が行われるときのクランク軸の回転角度位置)を演算する点火位置演算手段と、基準位置で信号コイル11がパルス信号Vp1を発生したことを検出したときに演算した点火位置の計測を開始して、その計測が完了したときに出力ポートB1 の電位を接地電位に低下させて、点火位置検出信号を発生する点火位置検出信号発生手段とを構成する。
【0040】
マイクロコンピュータ10の出力ポートB1 には抵抗器R20を通してPNPトランジスタTR10のベースが接続され、該トランジスタTR10のコレクタベース間には、抵抗器R21が接続されている。トランジスタTR10のコレクタは抵抗器R22を通してサイリスタ8のゲートに接続されている。
【0041】
マイクロコンピュータがその出力ポートB1 の電位を接地電位まで低下させて、点火位置検出信号を発生すると、トランジスタTR10がオン状態になるため、定電圧直流電源回路9からトランジスタTR10のエミッタコレクタ間と抵抗R22とを通してサイリスタ8に点火信号が供給される。この例では、トランジスタTR10と、抵抗器R20ないしR22とにより、点火位置検出信号が発生したときにサイリスタ8に点火信号を与える点火信号供給回路15が構成されている。
【0042】
なお内燃機関の始動時及び極低速時には、機関の行程変化に伴うクランク軸の回転速度の変動が大きいため、信号コイル11の出力パルスの発生間隔から演算した回転速度に基づいて適確な点火位置を演算することが困難である。そのため、マイクロコンピュータ10Aは、内燃機関の始動時及び極低速時には、出力ポートB1 からの点火位置検出信号の出力を停止している。このときマイクロコンピュータの出力ポートB1 の出力インピーダンスはハイインピーダンスの状態にある。この状態では、信号コイル11が機関の上死点よりも僅かに進角した位置(始動時の点火位置として適したクランク軸の回転角度位置)でパルス信号Vp2を発生したときに、波形整形回路12を通して点火信号供給回路15に点火位置検出信号を与える。
【0043】
マイクロコンピュータ10Aはまた、機関の回転速度が制限値を超えているか否かを監視して、機関の回転速度が制限値を超えたときに出力ポートB2 の電位を高レベルにして回転速度制限指令を発生する速度制限指令発生手段を構成する。出力ポートB2 には、エミッタが接地されたトランジスタTR11のベースが抵抗器R23を通して接続され、トランジスタTR11のベースエミッタ間に抵抗器R24が接続されている。トランジスタTR11のコレクタはトランジスタTR4 のベースに接続され、トランジスタTR11がオン状態になったときにトランジスタTR4 がオフ状態にされるようになっている。トランジスタTR11と抵抗器R23及びR24とにより、マイクロコンピュータの出力ポートB2 の電位が高レベルになったときに(速度制限指令が発生したときに)チョッパ用スイッチのオンオフ動作を停止させる昇圧動作停止回路16が構成されいる。マイクロコンピュータにより構成される速度制限指令発生手段と、昇圧動作停止回路16とにより、過回転防止手段が構成されている。
【0044】
また図示の例では、点火用コンデンサ6の充電電圧を監視して、コンデンサ6の充電電圧が設定値に達したときに、出力端子17aの電位を接地電位まで低下させる電圧監視回路17が設けられ、この電圧監視回路の出力端子17aはトランジスタTR4 のベースに接続されている。
【0045】
マイクロコンピュータ10Aは更に出力ポートB3 を有していて、この出力ポートB3 と抵抗分圧回路4bの分圧点との間が抵抗器R30により接続されている。この例では、定電圧電源回路9からマイクロコンピュータ10Aに与えられる電源電圧Eo が基準値Eos(この例では5V)に達しているときに、マイクロコンピュータ10Aがその出力ポートB3 から電源電圧Eo に等しい電圧を出力し、電源電圧Eo が基準値Eosよりも低いときには該一つの出力ポートB3 からの電圧の出力を停止して出力ポートB3 の出力インピーダンスをハイインピーダンスとするように、マイクロコンピュータ10Aがプログラムされている。
【0046】
マイクロコンピュータの出力ポートB3 の電位が電源電圧Eo に等しいときには、抵抗分圧回路4bの非接地側の端子の電位と出力ポートB3 の電位とが等しいため、抵抗分圧回路4bの上側のアームの抵抗値は抵抗器R7 とR30との並列合成抵抗値となる。これに対し、出力ポートB3 から電圧が出力されておらず、該出力ポートの出力インピーダンスがハイインピーダンスであるときには、抵抗分圧回路4bの上側のアームの抵抗値は抵抗器R7 の抵抗値に等しい。
【0047】
ここで、抵抗器R7 及びR8 の抵抗値をそれぞれr7 及びr8 とする、直流電源部1の出力電圧が設定値に達していないために、マイクロコンピュータがその出力ポートB3 から電圧を出力していないときの抵抗分圧回路4bの出力電圧Vis(遮断値設定信号)は、
Vis=Vis1 =Eo r8 /(r7 +r8 ) …(1)
となる。また抵抗器R7 と抵抗器R30との並列合成抵抗値をrp とすると、直流電源部1の出力電圧が設定値以上になっていて、マイクロコンピュータ10Aが出力ポートB3 から電源電圧Eo に等しい電圧を出力しているときの抵抗分圧回路4bの出力電圧Visは、下記の式で与えられる。
【0048】
Vis=Vis2 =Eo r8 /(rp +r8 ) …(2)
ここで、rp <r7 であるから、Vis1 <Vis2 となり、直流電源部1の出力電圧が設定値以上になっているときの遮断値設定信号Vis2 の方が、直流電源部1の出力電圧が設定値未満の場合の遮断値設定信号Vis1 よりも高くなる。
【0049】
本発明においては、上記(2)式で与えられる遮断値設定信号Vis2 を、昇圧トランスの鉄心を飽和させる一次電流値よりも僅かに小さい電流値に相応した大きさとし、上記(1)式で与えられる遮断値設定信号Vis1 をVis2 よりも十分に小さくするように、抵抗器R7 ,R8 及びR30の抵抗値を設定しておく。
【0050】
次に図1に示した点火装置の動作を説明する。図1の点火装置において、直流電源部1に設けられた電源スイッチSWが閉じられると、バッテリBatの両端の電圧が昇圧トランス2の一次コイル2aとチョッパ用スイッチ3とシャント抵抗器R1 との直列回路の両端に印加される。最初は、シャント抵抗器R1 の両端に得られる一次電流検出信号Vi1が零であるため、比較器CP1 の出力端子の電位は高レベルの状態にあり、トランジスタTR4 がオン状態にある。このときトランジスタTR3 がオフ状態にされるため、トランジスタTR2 がオフ状態になっている。したがって、トランジスタTR1 がオン状態になり、直流電源部1からトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間を通してチョッパ用スイッチ3を構成するMOSFETのゲートに駆動信号が与えられる。これによりチョッパ用スイッチ3がオン状態になり、昇圧トランス2に一次電流が流れる。この一次電流が遮断値設定信号Visにより与えられる所定の遮断値よりも小さい間は、比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルの状態にあるため、トランジスタTR4 はオン状態に保持され、トランジスタTR2 及びTR3 がオフ状態に保持されて、昇圧トランス2に一次電流が流れ続ける。
【0051】
昇圧トランス2の一次電流が所定の遮断値に達すると、比較器CP1 の出力端子の電位がほぼ接地電位まで低下するため、トランジスタTR4 がオフ状態にされる。これにより、トランジスタTR3 がオン状態になるため、トランジスタTR2 がオン状態になり、トランジスタTR1 がオフ状態になる。したがって、昇圧トランス2の一次電流が所定の遮断値に達すると、MOSFETへの駆動信号の供給が停止され、該MOSFET(チョッパ用スイッチ3)がオフ状態になる。
【0052】
チョッパ用スイッチ3がオフ状態になると、昇圧トランス2の一次電流が遮断されるため、該昇圧トランス2の二次コイル2bに高い電圧が誘起する。この電圧は整流器7と点火コイル5の一次コイル5aとを通して点火用コンデンサ6に印加されるため、該点火用コンデンサ6が図示の極性に充電される。
【0053】
コンデンサ6に充電電流が流れていて、昇圧トランス2にしきい値以上の二次電流が流れているときには、ダイオードD2 の順方向電圧降下により、トランジスタTR5 のベースエミッタ間が逆バイアスされて、該トランジスタTR5 がオフ状態に保たれるため、トランジスタTR6 がオン状態に保たれる。これによりトランジスタTR4 がオフ状態に保たれるため、トランジスタTR2 及びTR3 がオン状態に保たれ、チョッパ用スイッチ3への駆動信号の供給が禁止される。したがって、昇圧トランス2にしきい値以上の二次電流が流れているときには、チョッパ用スイッチ3がオフ状態に保たれる。
【0054】
昇圧トランス2の二次電流がしきい値未満になるか、または零になると、トランジスタTR5 がオン状態になるため、トランジスタTR6 がオフ状態になる。これによりトランジスタTR4 がオン状態になり、トランジスタTR3 及びTR2 がオフ状態になるため、トランジスタTR1 がオン状態になって、チョッパ用スイッチ3に駆動信号が与えられる。これにより再び昇圧トランス2に一次電流が流れ、該一次電流が所定の遮断値に達すると、チョッパ用スイッチ3がオフ状態にされる。これにより昇圧トランス2の二次コイル2bに高電圧が誘起し、この電圧で点火用コンデンサ6が図示の極性に充電される。これらの動作が繰返されて、点火用コンデンサ6が充電されていく。
【0055】
内燃機関の始動時には、マイクロコンピュータ10Aがその出力ポートB1 から点火位置検出信号を発生しない(出力ポートB1 の出力インピーダンスをハイインピーダンスの状態に保持している)ため、信号コイル11が機関の上死点よりも僅かに進角した低速時の点火位置でパルス信号Vp2を発生して波形整形回路12のトランジスタTR8 がオン状態になったときに点火信号供給回路のトランジスタTR10がオン状態になり、これによりサイリスタ8のゲートに点火信号が与えられる。
【0056】
サイリスタ8に点火信号が与えられると、該サイリスタ8がオン状態になるため、点火用コンデンサ6に蓄積され電荷がサイリスタ8と点火コイル5の一次コイル5aとを通して放電する。これにより点火コイル5の二次コイル5bに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグ20に印加されるため、該点火プラグで火花が生じ、機関が点火される。
【0057】
機関が始動し、その回転速度が設定値を超えて、マイクロコンピュータが演算により点火位置を決定し得るよになると、マイクロコンピュータ10Aは、演算した点火位置を検出したときに、その出力ポートB1 の電位を接地電位まで低下させて、点火位置検出信号を発生する。したがって、機関の回転速度が設定値を超えている状態では、マイクロコンピュータ10Aが点火位置検出信号を発生したときに点火信号供給回路15からサイリスタ8に点火信号が与えられ、演算された点火位置で点火動作が行われる。
【0058】
図1に示した点火装置において、抵抗器R30が設けられていなかったとし、抵抗分圧回路4bが出力する遮断値設定信号Visが、昇圧トランスの鉄心に流れる磁束が飽和するときの一次電流値よりも僅かに小さい値の遮断値を与える大きさに設定されていたとすると、機関の始動時にバッテリBatが消耗していて、昇圧トランス2に十分な大きさの一次電流が流れない状態にあるときに、該一次電流が遮断値設定信号Visにより与えられる遮断値に到達することができないため、チョッパ用スイッチ3がオフ動作を行うことができなくなり、昇圧回路が昇圧動作を行うことができなくなる。このような状態が生じると、点火動作が行われないため、機関を始動することができなくなる。
【0059】
これに対し、図1に示したように、定電圧直流電源回路9から与えられる電源電圧Eo が基準値に達しているときには該電源電圧Eo に等しい電圧をマイクロコンピュータ10Aの出力ポートB3 から出力させ、直流電源部1の出力電圧が低いために定電圧直流電源回路9から得られる電源電圧Eo が基準値に達することができないときには、出力ポートB3 からの電圧の出力を停止するようにマイクロコンピュータをプログラムしておいて、マイクロコンピュータ10Aの出力ポートB3 と抵抗分圧回路4bの分圧点との間に遮断値調整用抵抗器R30を接続するようにした場合には、出力ポートB3 からの電圧の出力が停止しているときに抵抗分圧回路4bが出力する遮断値設定信号Visの値を十分に小さくしておくことにより、直流電源部1の出力電圧が低く、昇圧トランス2に十分な大きさの一次電流が流れない状態でも、該一次電流を遮断値に到達させて、昇圧動作を行わせることができる。したがって、機関の始動時にバッテリBatが消耗している場合でも、点火動作を行わせて機関を始動することができる。
【0060】
また機関が始動した後、直流電源部1の出力電圧が高くなって、定電圧直流電源回路9が出力する電源電圧Eo が基準値に達するようになった状態では、マイクロコンピュータの出力ポートB3 から抵抗器R30を通して抵抗分圧回路の分圧点に電源電圧Eo を印加することにより、昇圧トランスの一次電流の遮断値を、該昇圧トランスの鉄心を飽和させる直前の値まで大きくすることができるため、定常運転時には、昇圧回路の昇圧動作を効率よく行わせることができる。
【0061】
また上記のように構成すると、機関の始動時に直流電源部1から大きな出力電圧を得ることができない場合にも昇圧回路に昇圧動作を行わせて、点火動作を行わせることができるため、図2に示したように、バッテリを省略して、発電コイルW1 と整流器D1 とコンデンサC1 とにより直流電源部1を構成する場合にも、機関の始動時から点火動作を行わせることができる。
【0062】
したがって、本発明に係わる点火装置は、スノーモビル等のバッテリを搭載しない機器の内燃機関にも適用することができる。
【0063】
図1に示したように、定電圧電源回路9から与えられる電源電圧Eo が基準値に達しているときにマイクロコンピュータ10Aの出力ポートB3 から電源電圧Eo に等しい電圧を出力させ、電源電圧Eo が基準値よりも低いときには、出力ポートB3 からの電圧の出力を停止するようにしておいて、出力ポートB3 と抵抗分圧回路4bの分圧点との間に遮断値調整用抵抗器R30を接続する構成とすると、簡単な構成で、電源電圧に応じて昇圧トランスの一次電流の遮断値の切換を行うことができるDC式のコンデンサ放電式点火装置を実現することができる。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、抵抗分圧回路4bの分圧点にNPNトランジスタTR12のエミッタを接続するとともに、該トランジスタのコレクタと抵抗分圧回路4bの非接地側の端子との間に遮断値調整用抵抗器R30´を接続することにより、抵抗分圧回路4bの上側のアームの抵抗器R7 両端に遮断値調整用抵抗器R30´とトランジスタTR12のコレクタエミッタ間回路との直列回路を並列接続し、マイクロコンピュータの出力ポートB3 とトランジスタTR12のベースとの間をベース電流調整用抵抗器R31を介して接続することにより遮断調整手段4eを構成するようにしてもよい。この場合には、定電圧直流電源回路9が出力する電源電圧Eo が規定値に達しないときに出力ポートB3 から電圧が出力されず、電源電圧Eo が規定値に達しているときに出力ポートB3 から電圧が出力されるようにマイクロコンピュータをプログラムしておく。
【0064】
このように構成した場合には、直流電源部1の出力電圧が低く、定電圧電源回路9が出力する電源電圧Eo が基準値に達しないときにトランジスタTR12をオフ状態にして抵抗分圧回路4bが出力する遮断値設定信号Visを小さい値とすることができるため、機関の始動時に直流電源部1の出力電圧が低い状態でも点火動作を行わせて機関を始動することができる。また直流電源部1の出力電圧が十分に高く、定電圧電源回路9が出力する電源電圧Eo が基準値に達しているときには、トランジスタTR12がオン状態になって、抵抗分圧回路4bが出力する遮断値設定信号Visを大きな値に切り換えるので、昇圧トランスの一次電流の遮断値を該トランスの鉄心を飽和させる値よりも僅かに小さい値として、昇圧動作を効率よく行わせることができる。
【0065】
上記の各例のように、チョッパ駆動指令発生回路4cを設けて、昇圧トランスにしきい値以上の二次電流が流れているときに該トランスに一次電流を流さないようにすると、昇圧トランスの一次電流が大きくなって該トランスでの消費電力が増大するのを防いで、昇圧回路の効率を高くすることができ、昇圧トランスの発熱が増大したり、チョッパ用スイッチでの発熱が増大したりするのを防ぐことができる。
【0066】
しかしながら、本発明はこのように、チョッパ駆動指令発生回路4cを設ける場合に限定されるものではなく、チョッパ駆動指令発生回路4cを省略して、昇圧トランスの一次電流が所定の遮断値に達したときに該一次電流を遮断するようにしてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、直流電源部の出力電圧が低いときでも、一次電流を遮断して昇圧回路に昇圧動作を行わせることができるため、機関の始動時に直流電源部に設けられているバッテリが消耗している場合でも、点火動作を行わせて機関の始動を支障なく行わせることができる利点がある。
【0068】
また本発明においては、機関が始動して、直流電源部の出力が設定値を超えた後、昇圧トランスの一次電流の遮断値を該トランスを飽和させる直前の値に設定するので、昇圧回路の昇圧動作を効率よく行わせることができる。
【0069】
更に、本発明によれば、機関の始動時に直流電源部の出力電圧が低い場合でも点火動作を行わせることができるため、スノーモビルのような、バッテリを搭載しない機器を駆動する内燃機関にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置の構成例を示した回路図である。
【図2】本発明に係わるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置の他の構成例を示した回路図である。
【図3】本発明に係わるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置の更に他の構成例を示した回路図である。
【符号の説明】
1…直流電源部、2…昇圧トランス、3…チョッパ用スイッチ、4…チョッパ用スイッチ制御回路、5…点火コイル、6…点火用コンデンサ、8…サイリスタ(放電用スイッチ)、9…定電圧直流電源回路、10…点火制御部、10A…マイクロコンピュータ、11…信号コイル、12…波形整形回路。

Claims (3)

  1. 直流電源部と、
    前記直流電源部の出力を入力として入力された直流電圧が設定値以上になっているときに基準値に等しい一定の直流電圧を出力する定電圧電源回路と、
    前記直流電源部の出力電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと、該昇圧ランスの一次コイルを通して流れる一次電流をオンオフするように設けられたチョッパ用スイッチと、該チョッパ用スイッチを通して流れる昇圧トランスの一次電流を検出して検出した一次電流に相応した大きさの電圧を一次電流検出信号として発生する電流検出手段と、前記定電圧電源回路の出力電圧を分圧して前記一次電流の遮断値を与える電圧信号を遮断値設定信号として発生する抵抗分圧回路と、前記一次電流検出信号を前記遮断値設定信号と比較して、一次電流検出信号が遮断値設定信号未満の時に前記チョッパ用スイッチをオン状態にし、前記一次電流検出信号が前記遮断値設定信号に達した時に前記チョッパ用スイッチを遮断状態にするように前記チョッパ用スイッチを制御するスイッチ制御回路とを備えた昇圧回路と、
    点火コイルと、
    前記点火コイルの一次側に設けられて前記昇圧トランスの二次コイルに誘起する電圧が整流器を通して印加される点火用コンデンサと、
    点火信号が与えられた時に導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイッチと、
    前記定電圧電源回路の出力電圧が電源電圧として与えられて該電源電圧が前記設定値以上あるときに動作するマイクロコンピュータを有して、該マイクロコンピュータにより演算した内燃機関の点火位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火制御部とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記マイクロコンピュータは、前記定電圧電源回路から与えられる電源電圧が基準値に達しているときに該電源電圧に等しい電圧を一つの出力ポートから出力し、前記電源電圧が基準値よりも低いときには該一つの出力ポートからの電圧の出力を停止するようにプログラムされ、
    前記マイクロコンピュータの前記一つの出力ポートと前記抵抗分圧回路の分圧点との間に遮断値調整用抵抗器が接続され、
    前記マイクロコンピュータが前記一つの出力ポートからの電圧の出力を停止しているときに前記抵抗分圧回路が出力する前記遮断値設定信号が前記一次電流の遮断値の規定値を与える大きさよりも小さくなり、かつ前記マイクロコンピュータが前記電源電圧に等しい電圧を出力しているときに前記抵抗分圧回路が出力する前記遮断値設定信号が前記一次電流の遮断値の規定値を与える大きさに等しくなるように、前記抵抗分圧回路を構成する抵抗器の抵抗値と、前記遮断値調整用抵抗器の抵抗値とが設定され、
    前記一次電流の遮断値の規定値は、前記昇圧トランスに一次電流を流したときに該昇圧トランスの鉄心を流れる磁束が飽和するときの前記一次電流の大きさよりも僅かに小さい値に設定されていることを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  2. 前記直流電源部は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられた発電コイルと、該発電コイルの整流出力により充電されるバッテリとを備えている請求項1に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  3. 前記直流電源部は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられた発電コイルと、該発電コイルの出力を整流する整流器とを備えている請求項1に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
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