JP3252734B2 - 内燃機関点火装置 - Google Patents

内燃機関点火装置

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JP3252734B2
JP3252734B2 JP35105196A JP35105196A JP3252734B2 JP 3252734 B2 JP3252734 B2 JP 3252734B2 JP 35105196 A JP35105196 A JP 35105196A JP 35105196 A JP35105196 A JP 35105196A JP 3252734 B2 JP3252734 B2 JP 3252734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ放電式
の内燃機関点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関の排気ガスによる大気汚
染が社会的な問題になっており、内燃機関の排気ガスの
清浄化を図ることが強く要請されている。特に2サイク
ル機関においては、吹抜け(掃気の際に新気の一部が排
気ポートに吹き抜ける現象)により排気ガスが汚染され
るため、排気ガスの清浄化を図ることの必要性が強調さ
れており、その対策を図るために各種の研究が進められ
ている。
【0003】2サイクル機関の吹抜けを防ぐ1つの方法
として、機関のシリンダにインジェクタ(燃料噴射弁)
を取り付けて該シリンダ内に直接燃料を噴射する筒内噴
射が行われようとしている。この筒内噴射を行う場合に
は、排気ポートが閉じた後に燃料の噴射を行わせるか、
または噴射された燃料が排気ポートや掃気ポートに到達
しないようなタイミングで燃料を噴射させるように燃料
の噴射タイミングを設定し、所定の点火位置で点火プラ
グに火花を生じさせることにより燃料に着火して燃焼を
行わせる。
【0004】排気ガスの清浄化を図るためには、燃料の
燃焼を完全に行わせることが必要であり、そのために
は、点火が行われる時点で燃料が十分に気化しているこ
とが必要である。
【0005】筒内噴射を行わせる場合には、燃料が噴射
されてから点火が行われるまでの短い時間の間に燃料を
気化させる必要があるため、燃料の気化を完全に行わせ
るためには、気化を促進するための工夫が必要である。
一般に、噴射された燃料の気化を促進するためには、噴
射された燃料の粒径をできるだけ小さくすることが必要
であり、そのためには、例えば燃料ポンプからインジェ
クタに与えられる燃料の圧力を高くすることが有効であ
るとされている。
【0006】しかしながら、燃料の気化を促進するため
にいかなる工夫をしても、実際には、理想通りに行かな
いことが多く、特に機関の高速回転時には、燃料の噴射
が行われてから点火が行われるまでの時間が極めて短く
なるため、噴射された燃料を十分に気化させることが困
難になることが多い。
【0007】燃料の気化が十分に行われない状態で点火
が行われると、燃料が完全に燃焼しないために煤が生
じ、点火プラグの電極部にカーボンが付着する。点火プ
ラグの電極部にカーボンが付着すると、非接地側電極と
接地側電極との間の絶縁耐力が低下するため、点火プラ
グに点火用の電圧が印加された際にリーク電流が流れて
電極間に印加される電圧が低下し、火花の発生に失敗す
ることがある。カーボンが付着した点火プラグを正常な
状態に回復させるためには、点火装置から点火プラグに
大きな電流を流して、点火プラグの電極部に付着したカ
ーボンを焼き切ることが必要である。
【0008】また筒内噴射を行わせて排気ガスの浄化を
図るには、混合気の濃度を薄くして(希薄混合気とし
て)燃焼を行わせる必要がある。希薄混合気の燃焼を完
全に行わせるためには、点火動作時に発生させる火花放
電の持続時間を十分に長くする必要がある。火花放電の
持続時間を長くすると、混合気の燃焼により生じる火炎
核の中心部にエネルギを注入して、火炎核が冷えるのを
防ぐことができるため、希薄混合気でも適正な燃焼を行
わせることが可能になる。
【0009】従って、筒内噴射を行わせる内燃機関点火
装置は、上記2つの要求を満たすために、点火プラグに
十分に大きな電流を流すことができ、しかも放電持続時
間を十分に長くすることができるものであることが望ま
しい。
【0010】内燃機関用の点火装置としては、点火コイ
ルの一次側に設けた点火エネルギ蓄積用コンデンサに蓄
積しておいた電荷を点火位置で点火コイルの一次コイル
を通して放電させることにより点火コイルの二次コイル
に点火用の高電圧を発生させるコンデンサ放電式の点火
装置と、点火コイルの一次コイルまたは該一次コイルに
対して並列に接続した点火電源コイルに流しておいた電
流を点火位置で遮断することにより点火コイルの二次コ
イルに点火用の高電圧を発生させる電流遮断形の点火装
置とが知られている。
【0011】これらのうち、コンデンサ放電式の点火装
置は、点火コイルの二次コイルから点火プラグに流すこ
とができる電流を多くとることができるが、放電持続時
間が短いという問題を有している。これに対し、電流遮
断形の点火装置は、放電持続時間を長くすることができ
るが、点火コイルの二次コイルから点火プラグに流す電
流を大きくすることができないという問題がある。
【0012】そこで、バッテリの出力電圧を1000
[V]ないし1500[V]まで昇圧するDC−DCコ
ンバータをコンデンサ放電式の点火装置の電源として用
いて、該コンバータの出力電圧により点火エネルギ蓄積
用コンデンサを充電するとともに、該コンバータの出力
電圧を点火コイルの二次出力電圧に重畳することによ
り、放電の持続時間を長くするようにした重ね放電式の
コンデンサ放電式内燃機関点火装置が提案された。
【0013】この点火装置によれば、点火コイルの二次
誘起電圧をトリガとして点火プラグに火花を生じさせた
後、DC−DCコンバータの出力電圧により点火プラグ
の放電間隙にエネルギを供給して放電電流を流し続ける
ことができるため、火花放電の持続時間を長くすること
ができ、希薄混合気の燃焼を良好に行わせることができ
る。また点火プラグの電極にカーボンが付着して電極間
にリーク電流が流れる状態になった場合には、DC−D
Cコンバータから点火プラグの電極間を通して大きなリ
ーク電流を流して電極に付着したカーボンを焼き切るこ
とができるため、点火プラグを正常な常態に回復させる
ことができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】コンデンサ放電式の点
火装置の二次コイルの誘起電圧にDC−DCコンバータ
の出力電圧を重畳して重ね放電を行わせるようにした従
来の内燃機関点火装置では、DC−DCコンバータの出
力インピーダンスを小さく設定すると、DC−DCコン
バータから点火プラグに流れる放電電流が何時までも減
衰しないため、点火火花を消滅させることができなくな
る。適当な時期に点火火花を消滅させるためには、DC
−DCコンバータの出力インピーダンスを大きくするこ
とにより、該コンバータから点火プラグに放電電流が流
れたときにコンバータの出力インピーダンスにより生じ
る電圧降下を大きくして、放電電流を抑制する必要があ
る。ところが、DC−DCコンバータの出力インピーダ
ンスを大きくすると、該コンバータにより点火コイルの
一次側に設けられている点火エネルギ蓄積用コンデンサ
を充電する際に時間がかかるようになるため、特に機関
の高速回転時に点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電電
圧が不足して、点火性能が低下するという問題が生じ
る。
【0015】また上記の点火装置では、バッテリを電源
として用いることになるが、点火装置の電源としてバッ
テリを用いると、バッテリが過放電状態になったときに
機関を運転することができなくなるという問題が生じ
る。特に船外機やスノーモビルなどに用いる内燃機関の
場合には、機関を運転することができなくなると、乗員
が遭難するおそれがあるため、バッテリを電源とした点
火装置を用いることは好ましくない。
【0016】本発明の目的は、高速時の点火性能を低下
させることなく、点火動作時に重ね放電を行わせて、放
電の持続時間を長くすることができるようにしたコンデ
ンサ放電式の内燃機関点火装置を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、点火プラグの電極に
カーボンが付着してリーク電流が流れる状態になったと
きに、点火プラグの電極間を通して大きな電流を流して
カーボンを焼き切ることにより、点火プラグを正常な状
態に回復させることができるようにした内燃機関点火装
置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関と同
期回転するように設けられた磁石発電機と、点火コイル
と、該点火コイルの一次側に設けられて磁石発電機内に
設けられたエキサイタコイルの出力電圧で一方の極性に
充電される点火エネルギ−蓄積用コンデンサと、点火信
号が与えられた時に導通して点火エネルギー蓄積用コン
デンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通
して放電させるように設けられた放電用スイッチと、内
燃機関の点火位置で放電用スイッチに点火信号を与える
点火位置制御装置とを備えて、点火エネルギ蓄積用コン
デンサに蓄積された電荷の放電により点火コイルの二次
コイルに点火用高電圧を誘起させるコンデンサ放電式の
内燃機関点火装置に係わるものである。
【0019】本発明においては、磁石発電機内にエキサ
イタコイルと別個に設けられた重ね放電用発電コイル
と、重ね放電用発電コイルに対して並列に接続された昇
圧スイッチと、点火位置よりも位相が進んだ位置で昇圧
スイッチをオン状態からオフ状態にするように制御する
昇圧スイッチ制御装置と、昇圧スイッチがオン状態から
オフ状態になったときに重ね放電用発電コイルに誘起す
る電圧で一方の極性に充電される重ね放電用コンデンサ
とを設け、重ね放電用コンデンサの両端の電圧と点火用
高電圧とが同じ極性で重畳されて点火装置の出力電圧と
して出力されるように、重ね放電用コンデンサと点火コ
イルの二次コイルとを接続する。
【0020】上記の点火装置においては、点火位置より
も進んだ回転角度位置で昇圧スイッチがオン状態からオ
フ状態にされる。昇圧スイッチがオン状態からオフ状態
にされると、それまで重ね放電用発電コイルと昇圧スイ
ッチとを通して流れていた短絡電流が遮断されるため、
重ね放電用発電コイルに高い電圧が誘起する。この電圧
により、重ね放電用コンデンサが一方の極性に充電され
る。点火位置で点火信号が発生すると、放電用スイッチ
が導通するため、点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷
が放電用スイッチと点火コイルの一次コイルとを通して
放電し、点火コイルの二次コイルに点火用高電圧が誘起
する。点火プラグには、この点火用高電圧と重ね放電用
コンデンサの両端の電圧とを重畳した電圧が印加され
る。点火プラグの放電間隙では、点火用高電圧をトリガ
電圧として火花放電が発生し、機関が点火される。点火
プラグの放電間隙に一旦放電が生じると、該放電間隙の
インピーダンスが低下するため、重ね放電用コンデンサ
から点火プラグに大きな放電電流が流れ、放電間隙にエ
ネルギが供給される。従って、点火プラグの放電間隙で
は、点火用高電圧が消滅した後も放電が維持される。重
ね放電用コンデンサから点火プラグの放電間隙に供給さ
れるエネルギが所定量以下になったときに放電が停止す
る。
【0021】このように、本発明によれば、重ね放電用
コイルに流しておいた短絡電流を遮断することにより該
発電コイルに誘起させた高い電圧で重ね放電用コンデン
サを充電して、該コンデンサの両端の電圧と点火用高電
圧とを重畳した電圧を点火プラグに印加するようにした
ので、点火動作時に生じる火花放電の持続時間を長くす
ることができ、希薄混合気の燃焼を良好に行わせること
ができる。重ね放電の持続時間は、重ね放電用コンデン
サの静電容量と点火コイルの二次コイルのインピーダン
スとにより調整することができる。
【0022】また、点火プラグの電極にカーボンが付着
してリーク電流が流れる状態になった時には、重ね放電
用コンデンサに蓄積された電荷を点火プラグの漏洩抵抗
を通して放電させて、該点火プラグに大きなリーク電流
を流すことができるため、点火プラグの電極に付着した
カーボンを焼き切ることができ、点火プラグを正常な状
態に回復させることができる。
【0023】このように、本発明によれば、点火プラグ
にカーボンが付着した場合にカーボンを焼き切って点火
プラグを正常な状態に回復させることができるだけでな
く、火花放電の持続時間を長くして希薄混合気の燃焼を
も良好に行わせることができるため、着火ミスが生じる
確率を少なくするとともに、混合気の燃焼を完全に行わ
せて、排気ガス中の有害物質を減少させることができ、
排気ガスの浄化に寄与することができる。
【0024】なお重ね放電用発電コイルとして巻数が十
分に多いものを用いて、上記のように昇圧スイッチを設
けることなく、重ね放電用発電コイルの出力で直接重ね
放電用コンデンサを充電し、該重ね放電用コンデンサの
両端の電圧を点火用高電圧に同極性で重畳するようにし
ても重ね放電を行わせることができる。しかしながら、
このような構成で、機関の低速時にも重ね放電を行わせ
ようとすると、重ね放電用発電コイルとして巻数が非常
に多いコイルを用いる必要があるため、磁石発電機内の
コイル巻回スペースが大きく犠牲になるという問題が生
じる。また重ね放電用発電コイルの巻数を多くすると、
電機子反作用により、機関の高速時に該発電コイルから
得られる電圧が低下して、重ね放電用コンデンサの充電
電圧が不足するため、機関の高速回転時の点火性能が低
下するという問題が生じる。これに対し、重ね放電用発
電コイルの巻数を少なくして、機関の高速時に該発電コ
イルから得られる電圧を高くすると、機関の低速時に重
ね放電用コンデンサの両端の電圧が不足して、低速時の
点火性能が低下する。
【0025】特に筒内噴射を行わせる2サイクル内燃機
関においては、アイドリング時に燃焼圧力が上がらず、
不整燃焼をし易いため、低速時にエネルギが十分大きい
点火花を得ることが望ましく、また高速回転時には筒内
に噴射された燃料が十分に気化しないうちに点火動作が
行われる傾向になるため、高速回転時にもエネルギが十
分に大きい点火火花を得ることが必要である。重ね放電
用発電コイルの出力で直接重ね放電用コンデンサを充電
するように構成した場合には、上記の要求をすべて満足
させることが難しい。
【0026】これに対し、本発明のように、重ね放電用
コイルに流しておいた短絡電流を遮断することにより該
発電コイルに誘起させた高い電圧で重ね放電用コンデン
サを充電して、該コンデンサの両端の電圧と点火用高電
圧とを重畳した電圧を点火プラグに印加するように構成
すると、重ね放電用発電コイルとして巻数が少ないもの
を用いることができるため、磁石発電機内で該発電コイ
ルが占めるスペースを少なくすることができ、巻線スペ
ースが大きく犠牲になるのを防ぐことができる。また磁
石発電機においては、コイルの巻数を適当に設定するこ
とにより、短絡電流が回転数の影響をほとんど受けない
ようにすることができるため、昇圧スイッチをオフ状態
にした時に重ね放電用コイルに誘起する電圧の大きさを
機関の回転速度の如何に係わりなくほぼ一定の範囲に収
めることができ、機関の低速時から高速時まで、高エネ
ルギの点火火花を得て、満足な点火性能を得ることがで
きる。
【0027】また、重ね放電用コンデンサを設けること
なく、重ね放電用コイルの両端に昇圧スイッチを並列に
接続して、点火位置で該昇圧スイッチをオン状態からオ
フ状態にすることにより、重ね放電用発電コイルに高い
重ね放電用電圧を誘起させ、この重ね放電用電圧を点火
用高電圧に同極性で重畳することによっても重ね放電を
行わせて高エネルギの点火火花を得ることができるが、
このように構成した場合には、磁石発電機の極数などと
の関係で、重ね放電用発電コイルに誘起させる重ね放電
用電圧の位相と点火用高電圧の位相とをうまく合わせる
ことができなくなることがあるため、設計の自由度が小
さくなるのを避けられない。また点火位置の進角幅を広
くとる必要がある場合には、進角時に重ね放電用電圧と
点火用高電圧の位相を合わせることが困難になることが
ある。
【0028】これに対し、本発明では、昇圧スイッチを
オン状態からオフ状態にすることにより重ね放電用発電
コイルに誘起させた高い電圧で重ね放電用コンデンサを
充電して、該コンデンサの両端の電圧を点火用高電圧に
重畳するので、磁石発電機の極数の如何に係わりなく、
点火用高電圧に重ね放電用電圧を重畳して重ね放電を行
わせることができる。
【0029】また、重ね放電用発電コイルに誘起させた
重ね放電用電圧を直接点火用高電圧に重畳するようにし
た場合には、点火プラグに流す電流を大きくするため
に、点火コイルの二次コイルのインピーダンスを小さく
する必要があり、点火コイルの二次側インピーダンスの
設定に制約が生じるが、上記のように重ね放電用コンデ
ンサを設けて、該コンデンサの電荷を二次コイルを通し
て放電させるようにすると、コンデンサは高い周波数の
放電電流に対して低インピーダンスを呈し、該コンデン
サを通して多くの放電電流を流すことができるため、点
火コイルの二次側のインピーダンスを大きくしても、点
火プラグに十分に大きな電流を流すことができる。従っ
て本発明のように構成すると、点火コイルの二次側のイ
ンピーダンスの設定を自由に行うことができるようにな
る。
【0030】本発明において、昇圧スイッチをマイクロ
コンピュータを用いて制御する場合には、内燃機関が微
小角度回転する毎に回転角検出パルスを発生するエンコ
ーダと、内燃機関の基準回転角度位置で基準パルス信号
を発生するパルサコイルとを設けておくのが好ましい。
この場合、昇圧スイッチ制御装置は、基準回転角度位置
から昇圧スイッチをオン状態にするオンタイミング位置
まで内燃機関が回転する間に計数する必要がある回転角
検出パルスの計数値を演算するオンタイミング演算手段
と、オンタイミング位置から昇圧スイッチをオフ状態に
するオフタイミング位置まで内燃機関が回転する間に計
数する必要がある回転角検出パルスの計数値を演算する
オフタイミング演算手段と、基準パルス信号が発生した
ときに回転角検出パルスの計数を開始させてその計数値
がオンタイミング演算手段により演算された計数値に等
しくなったときに昇圧スイッチをオン状態にするための
制御信号を発生させ、制御信号を発生させた時に回転角
検出パルスの計数を開始させてその計数値がオフタイミ
ング演算手段により演算された計数値に等しくなったと
きに制御信号を消滅させる制御信号発生手段とにより構
成できる。
【0031】上記オンタイミング位置及びオフタイミン
グ位置は、重ね放電用発電コイルが一方の極性の半サイ
クルの電圧を発生している区間に設定する。オンタイミ
ング位置は、該一方の極性の半サイクルの電圧の立上り
位置でもよく、該一方の極性の半サイクルの電圧の立上
り位置よりも遅れた位置でもよい。オフタイミング位置
は、点火用高電圧により点火プラグに生じた放電を持続
させるために該点火プラグの放電間隙に印加する必要が
ある最低電圧(放電持続可能最低電圧)以上の電圧を重
ね放電用発コイルに誘起させるために必要な遮断電流値
(昇圧スイッチが遮断する電流値)を得ることができる
ように設定する。上記オンタイミング位置及びオフタイ
ミング位置は、重ね放電用発電コイルの無負荷時の誘起
電圧波形から最適の位置を予測して予め求めておく。重
ね放電用発電コイルの無負荷時の誘起電圧波形の各部の
位相は、磁石発電機の回転子と固定子との間の位置関係
から一義的に決まり、重ね放電用発電コイルの無負荷時
の電圧波形の各部が基準回転角度位置に対して如何なる
位置にあるかは予め分かっているのにで、基準回転角度
位置に対する最適のオンタイミング位置及びオフタイミ
ング位置は、容易に計算することができる。
【0032】昇圧スイッチのオンタイミング位置及びオ
フタイミング位置は、機関の回転速度の如何に係わりな
く一定としてもよいが、回転速度の変化に伴う重ね放電
用発電コイルの誘起電圧の変動に合わせて、オンタイミ
ング位置及びオフタイミング位置の少なくとも一方を変
化させるようにしてもよい。例えば、機関の回転速度が
低く、重ね放電用発電コイルの誘起電圧の波高値が低い
ときには、該誘起電圧のピーク位置付近にオフタイミン
グ位置を設定し、機関の回転速度が上昇して重ね放電用
発電コイルの誘起電圧の波高値が高くなったときには、
オフタイミング位置を誘起電圧のピーク位置よりも進め
るように、機関の回転速度に応じてオフタイミング位置
を制御することもできる。
【0033】上記の各手段は、マイクロコンピュータに
所定のプログラムを実行させることにより容易に実現す
ることができる。
【0034】内燃機関を電動機により始動させる場合に
は、始動用電動機により駆動されるピニオンギアを噛み
合わせる鉄製のリングギアを磁石発電機の回転子ヨーク
の外周に取り付けることが多い。この場合には、該リン
グギアの歯を検出してパルス信号を発生する信号発電子
を設けて、該信号発電子とリングギアとにより上記エン
コーダを構成することができる。この場合信号発電子と
しては、リングギアの歯に対向する磁極部を先端に有す
る鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルと、該鉄心に磁
束を流す永久磁石とを備えて、リングギアの各歯が鉄心
の磁極部に対向し始める際、及び該対向を終了する際に
それぞれ極性が異なるパルスを発生する周知の誘導子形
のものを用いることができる。
【0035】上記の構成では、機関の回転角度を検出す
るエンコーダを設けて、該エンコーダから得られる回転
角検出パルスを計数することにより、オンタイミング位
置及びオフタイミング位置を検出するようにしている
が、オンタイミング位置及びオフタイミング位置の検出
は必ずしも上記の方法による必要はない。
【0036】例えば、基準回転角度位置で基準パルス信
号が発生したことが検出されたときに、クロックパルス
の計数を開始させることにより、オンタイミング位置及
びオフタイミング位置の検出を行わせるようにしてもよ
い。この場合、昇圧スイッチ制御装置は、パルサコイル
が出力するパルスの発生間隔から内燃機関の回転速度を
演算する回転速度演算手段と、演算された回転速度で基
準回転角度位置から昇圧スイッチをオン状態にするオン
タイミング位置まで内燃機関が回転する間に計数する必
要があるクロックパルスの計数値を演算するオンタイミ
ング演算手段と、演算された回転速度でオンタイミング
位置から昇圧スイッチをオフ状態にするオフタイミング
位置まで内燃機関が回転する間に計数する必要があるク
ロックパルスの計数値を演算するオフタイミング演算手
段と、基準パルス信号が発生したときにクロックパルス
の計数を開始させてその計数値がオンタイミング演算手
段により演算された計数値に等しくなったときに昇圧ス
イッチをオン状態にするための制御信号を発生させ、制
御信号を発生させた時にクロックパルスの計数を開始さ
せてその計数値がオフタイミング演算手段により演算さ
れた計数値に等しくなったときに制御信号を消滅させる
制御信号発生手段とにより構成することができる。
【0037】上記重ね放電用コンデンサの両端の電圧を
点火用高電圧に重畳するには、該コンデンサを点火コイ
ルの二次コイルと点火プラグとの直列回路に対して並列
に接続すればよい。この場合、重ね放電用コンデンサの
両端に該重ね放電用コンデンサの充電電圧が逆方向に印
加される向きのダイオードを並列接続するのが好まし
い。このように重ね放電用コンデンサの両端にダイオー
ドを接続すると、点火プラグの放電間隙を通して流れる
放電電流のほとんどを該ダイオードを通して流すことが
できるため、放電電流の通電を容易にすることができ、
重ね放電を容易に持続させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明に係わる内燃機関点火装置
の1気筒分の構成の一例を図1に示し、該点火装置に用
いる磁石発電機の構成例を図2に示した。図1におい
て、1は内燃機関と同期回転するように設けられて、機
関の回転に同期して交流電圧を出力するた磁石発電機、
2は機関の基準回転角度位置の情報を与えるパルス信号
を発生するパルサコイルが設けられる信号発電子、3は
磁石発電機の回転子ヨークの外周に取り付けられたリン
グギアの歯を検出して回転角検出パルスを発生するエン
コーダを構成する信号発電子である。また4は一次コイ
ル4a及び二次コイル4bを有する点火コイル、5は点
火コイル4の一次電流を制御する点火回路、6は点火制
御部、7は重ね放電電圧発生回路、8は内燃機関のシリ
ンダに取り付けられた点火プラグである。
【0039】図2に示したように、磁石発電機1は、磁
石回転子1Aと、固定子1Bとからなっている。磁石回
転子1Aは、カップ状に形成された鉄製のフライホイー
ル(回転子ヨーク)100の周壁部の内周に永久磁石1
01を固定したものからなっていて、図示の例では、磁
石101が12極の磁石界磁を構成するように着磁され
ている。フライホイール100の周壁部の外周には、機
関を始動する際に始動用電動機により駆動されるピニオ
ンギアを噛み合わせるためのリングギア102が取り付
けられている。またフライホイール100の外周には、
該フライホイールの周方向に伸びる円弧状の突起からな
るリラクタ103が形成されている。
【0040】固定子1Bは、環状の継鉄部Yから12個
の突極部P1 〜P12を放射状に突出させた12極の星形
鉄心110と、該鉄心の突極部P1 〜P12にそれぞれ巻
回された発電コイルW1 〜W12とからなっている。これ
らの発電コイルの内、発電コイルW1 は点火回路5を駆
動するエキサイタコイルとして用いられ、発電コイルW
2 は重ね放電用発電コイルとして用いられる。エキサイ
タタコイルW1 は、機関の低速時においても200〜3
00[V]の電圧を誘起するように、比較的細いコイル
導体を用いて十分に多くの巻数を有するように巻回され
ている。また重ね放電用発電コイルW2 は、エキサイタ
コイルよりも線径が大きいコイル導体を用いてエキサイ
タコイルよりも少ない巻数をもって巻回されている。重
ね放電用発電コイルW2 の巻数は、該重ね放電用発電コ
イルW2 の短絡電流を遮断した際に、点火コイル4の二
次コイルに誘起する点火用高電圧Vh により点火プラグ
8の放電間隙に生じた火花放電を持続させるために該点
火プラグの放電間隙に印加する必要がある電圧の最低値
(放電持続可能最低レベル)Vdmin以上の波高値の交流
電圧が誘起するように設定される。
【0041】図示の例では、磁石発電機の回転子が12
極に構成されているため、機関が1回転する間にエキサ
イタコイルW1 及び重ね放電用発電コイルW2 に3サイ
クルの交流電圧が誘起する。
【0042】図2に示すように、信号発電子2は、フラ
イホイール100の外周に形成されたリラクタ103に
対向する磁極部201aを先端に有する鉄心201と、
鉄心201に巻回されたパルサコイルWp と、鉄心20
1に磁気結合された永久磁石202とを備えた周知のも
ので、パルサコイルWp は、リラクタ103が鉄心20
1の磁極部201aに対向し始める際、及び該対向を終
了する際にそれぞれ極性が異なるパルス信号Vp1及びV
p2を発生する。信号発電子2は、機関の点火位置の最大
進角位置または該最大進角位置よりも更に進んだ位置で
パルス信号Vp1を発生し、機関の上死点よりも僅かに進
んだ位置でパルス信号Vp2を発生するように設けられて
いる。本発明においては、これらのパルス信号の内のい
ずれかが発生する位置を基準回転角度位置とし、該基準
回転角度位置で発生するパルス信号を基準パルス信号と
する。以下の説明では、先に発生するパルス信号Vp1を
正極性のパルス信号(パルサコイルWp の非接地側の端
子が接地側の端子に対して正電位になる極性のパルス信
号)とし、該パルス信号Vp1を基準パルス信号とする。
信号発電子2とリラクタ103が形成されたフライホイ
ール100とにより、信号発電機が構成されている。
【0043】信号発電子3は、リングギア102に対向
する磁極部301aを先端に有する鉄心301と、鉄心
301に巻回された信号コイルWs と、鉄心301に磁
気結合された永久磁石302とを備えたもので、信号コ
イルWs は、リングギア102の各歯が鉄心301の磁
極部301aに対向し始める際、及び該対向を終了する
際にそれぞれ極性が異なるパルスを発生する。これらの
パルスの内、一方の極性のパルスを回転角検出パルスV
a として用いる。以下の説明では、信号コイルWs が発
生する正極性及び負極性のパルスの内、一連の負極性の
パルスを回転角検出パルスVa とする。
【0044】点火回路5は、点火エネルギ蓄積用コンデ
ンサC1 と、放電用スイッチを構成するサイリスタTh
と、ダイオードD1 及びD2 と、抵抗Ro 及びコンデン
サCo とにより構成されている。点火エネルギ蓄積用コ
ンデンサC1 は、点火コイル4の一次コイル4aの一端
と接地間に接続され、サイリスタTh は、一次コイル4
aの他端と接地間に、カソードを接地側に向けた状態で
接続されている。エキサイタコイルW1 の一端は接地さ
れ、該エキサイタコイルの非接地側端子がアノードを該
エキサイタコイル側に向けたダイオードD1 を通してコ
ンデンサC1 と一次コイル4aとの接続点に接続されて
いる。点火コイルの一次コイル4aの両端には、サイリ
スタTh のアノード側にアノードを向けたダイオードD
2 が接続されている。サイリスタTh のゲートカソード
間には、誤トリガ防止用の抵抗Ro とコンデンサCo と
が並列接続されている。
【0045】重ね放電用発電コイルW2 の一端は接地さ
れ、該発電コイルW2 の他端はアノードを該発電コイル
W2 側に向けたダイオードD3 を通して重ね放電用コン
デンサC2 の一端に接続されている。コンデンサC2 の
他端は接地され、コンデンサC2 の非接地側の端子が点
火コイル4の二次コイル4bの一端に接続されている。
また重ね放電用発電コイルW2 の非接地側端子にダイオ
ードD4 のアノードが接続され、該ダイオードD4 のカ
ソードに、エミッタを接地したIGBT(絶縁ゲート形
バイポーラトランジスタ)B1 のコレクタが接続されて
いる。IGBTB1 のゲートと接地間には抵抗R1 が接
続されている。
【0046】点火コイル4の二次コイル4bは、その他
端を高圧コードを通して点火プラグ8の非接地側端子に
接続することにより点火プラグ8に対して直列に接続さ
れる。重ね放電用コンデンサC2 は、点火コイルの二次
コイル4bと点火プラグ8との直列回路に対して並列に
接続され、コンデンサC2 の両端に、該コンデンサC2
の充電電圧が逆方向に印加される向きのダイオードD5
が並列接続されている。
【0047】この例では、IGBT B1 により昇圧ス
イッチ7Aが構成され、該昇圧スイッチと、重ね放電用
コンデンサC2 と、ダイオードD3 ないしD5 と、抵抗
R1とにより、重ね放電用電圧発生回路7が構成されて
いる。IGBT B1 のゲートには、点火制御部6から
制御信号Vg が与えられ、該制御信号Vg によりIGB
T B1 がオンオフ制御される。
【0048】点火制御部6は、マイクロコンピュータ6
Aと、波形整形回路6B及び6Cとを備えていて、該マ
イクロコンピュータに所定のプログラムを実行させるこ
とにより、内燃機関の点火位置で放電用スイッチを構成
するサイリスタTh のゲートに点火信号Vi を与える点
火位置制御装置と、点火位置よりも位相が進んだ位置で
昇圧スイッチをオン状態からオフ状態にするように制御
する昇圧スイッチ制御装置とを構成する。
【0049】波形整形回路6B及び6Cはこの種の点火
装置においてパルス信号をマイクロコンピュータが認識
し得る波形の信号に変換するためによく用いられている
もので、波形整形回路6Bは、トランジスタTR1 と、
抵抗R2 ないしR5 と、コンデンサC3 ないしC5 と、
ダイオードD5 及びD6 とからなり、波形整形回路6C
は、トランジスタTR2 と、抵抗R6 ないしR8 と、コ
ンデンサC6 及びC7と、ダイオードD7 及びD8 とか
らなっている。
【0050】波形整形回路6Bには信号発電子2に設け
られたパルサコイルWp の出力が入力されていて、機関
の上死点よりも進んだ位置に設定された基準回転角度位
置でパルサコイルWp が発生した正極性のパルス信号V
p1がコンデンサC3 の両端の電圧を超えたときに、トラ
ンジスタTR1 が導通状態になって該トランジスタTR
1 のコレクタの電位が高レベルの状態からほぼ接地レベ
ルまで低下する。トランジスタTR1 のコレクタはマイ
クロコンピュータ6Aの所定の入力ポートに接続され、
マイクロコンピュータ6Aは、該トランジスタTR1 の
コレクタの電位の低下を検出したときに、基準パルス信
号Vp1が発生したことを認識する。コンデンサC3 は、
基準パルス信号Vp1のしきい値を高くして、ノイズによ
る誤動作を防止するために設けられている。
【0051】また波形整形回路6Cには、信号発電子3
に設けられた信号コイルWs の出力が入力されている。
信号コイルWs が負極性の回転角検出パルスVa を発生
すると、ダイオードD7 及びD8 と抵抗R6 とを通して
電流が流れる。この時ダイオードD7 の両端に生じる電
圧降下によりトランジスタTR2 のベースエミッタ間が
逆バイアスされるため、抵抗R7 を通してベース電流が
与えられてそれまで導通していたトランジスタTR2 が
遮断状態になり、トランジスタTR2 のコレクタの電位
が接地レベルから高レベルの状態に立ち上がる。トラン
ジスタTR2 のコレクタはマイクロコンピュータ6Aの
所定の入力ポートに接続され、マイクロコンピュータ
は、トランジスタTR2 のコレクタの電位の上昇を検出
する毎に回転角検出パルスVa が発生したことを認識す
る。
【0052】なお図1に示した装置では、磁石発電機1
を電源として一定の直流電圧を出力する電源回路が設け
られていて、該電源回路からマイクロコンピュータ6A
と波形整形回路6B及び6Cとに電源電圧が与えられて
いる。
【0053】点火制御部6が実現する点火位置制御装置
は、例えば、パルサコイルWp が発生するパルス信号の
発生間隔から機関の回転速度を演算する回転速度演算手
段と、演算された回転速度における点火位置をマップま
たは演算式を用いて演算する点火位置演算手段と、演算
された点火位置が検出された時に点火信号Vi を発生す
る点火信号発生手段とにより構成される。
【0054】点火位置演算手段は、例えば、内燃機関が
基準回転角度位置から点火位置まで回転する間にマイク
ロコンピュータ内のカウンタに計数させる回転角検出パ
ルスVa の計数値の形で各回転速度における点火位置を
演算する。
【0055】点火信号発生手段は、パルサコイルWp が
発生する基準パルス信号Vp1により、基準回転角度位置
が検出された時に上記点火位置を計測するための計数値
をカウンタにセットして該計数値の計数を開始させ、カ
ウンタがセットされた計数値の計数を終了した時に点火
信号Vi を発生させる。
【0056】なお内燃機関の点火位置で点火信号を発生
する点火位置制御装置は上記の構成に限られるものでは
ない。例えば、機関が基準回転角度位置から点火位置ま
で回転する間にマイクロコンピュータ内のタイマが計数
すべきクロックパルスの計数値として点火位置を演算し
て、基準パルス信号が発生したときにタイマの計数動作
を開始させ、該計数動作が終了したときに点火信号Vi
を発生させるようにしてもよい。またマイクロコンピュ
ータを用いることなく、ハードウェア回路のみを用いて
点火信号を発生させる場合もある。
【0057】点火制御部6が実現する昇圧スイッチ制御
装置は、例えば、基準回転角度位置から昇圧スイッチ7
Aをオン状態にするオンタイミング位置まで内燃機関が
回転する間に計数する必要がある回転角検出パルスVa
の計数値を演算するオンタイミング演算手段と、オンタ
イミング位置から昇圧スイッチ7Aをオフ状態にするオ
フタイミング位置まで内燃機関が回転する間に計数する
必要がある回転角検出パルスVa の計数値を演算するオ
フタイミング演算手段と、基準パルス信号Vp1が発生し
たときに回転角検出パルスVa の計数を開始させてその
計数値がオンタイミング演算手段により演算された計数
値に等しくなったときに昇圧スイッチ7Aをオン状態に
するための制御信号Vg を発生させ、制御信号Vg を発
生させた時に回転角検出パルスVa の計数を開始させて
その計数値がオフタイミング演算手段により演算された
計数値に等しくなったときに制御信号Vg を消滅させる
制御信号発生手段とにより構成することができる。
【0058】マイクロコンピュータ6Aにはまた、大気
圧を検出する大気圧センサ9、機関の吸気温度を検出す
る吸気温度センサ10、機関の温度を検出する機関温度
センサ11、機関に供給する空気の量を調節するスロッ
トルバルブの開度(スロットル開度)を検出するスロッ
トル開度センサ等の出力が入力されている。マイクロコ
ンピュータ6Aはこれらのセンサから与えられる情報を
用いて、内燃機関のシリンダ内に燃料を噴射するインジ
ェクタのバルブを開く時期(噴射開始時期)と該バルブ
を開いている時間(噴射時間)とを演算し、演算された
噴射開始時期が検出されたときに、所定の噴射時間を定
める矩形波状の噴射指令信号をインジェクタの駆動回路
(図示せず。)に与える。インジェクタはニードルバル
ブ等の噴射バルブと、該噴射バルブを操作する電磁石と
からなっていて、機関により駆動される燃料ポンプから
燃料が与えられている。インジェクタは、その電磁石に
駆動回路から駆動信号が与えられている間だけ噴射バル
ブを開いて燃料を噴射する。燃料ポンプからインジェク
タに与えられる燃料の圧力は一定に制御されているた
め、インジェクタから噴射される燃料の量は、噴射指令
信号の信号幅により制御される。
【0059】上記点火位置制御装置及び昇圧スイッチ制
御装置を実現するためにマイクロコンピュータ6Aが実
行するプログラムのアルゴリズムを示すフローチャート
の一例を図4ないし図7に示した。
【0060】図4に示したメインルーチンでは、まずス
テップ1で各部の初期設定を行ない、ステップ2で各種
センサの検出値の読み込みを行なう。次いでステップ3
で、既に演算されている機関の回転速度に対して点火位
置を演算する。この点火位置は、機関の基準回転角度位
置から点火位置まで機関が回転する間にマイクロコンピ
ュータ内のカウンタに計数させる必要がある回転角検出
パルスVa (図3B)の計数値(以下点火位置計測用計
数値という。)の形で演算する。点火位置の演算は、マ
イクロコンピュータのROMに記憶されたマップ(回転
速度と点火位置との関係を与える折れ線グラフの各折れ
点のデータをテーブルの形で記憶させたもの)を用いて
補間法により行なうか、または所定の演算式を用いて行
なう。
【0061】メインルーチンのステップ4においては、
IGBTをオン状態にする回転角度位置であるオンタイ
ミング位置と、該IGBTをオフ状態にする回転角度位
置であるオフタイミング位置とを演算する。オンタイミ
ング位置は、基準回転角度位置からオンタイミング位置
まで機関が回転する間にマイクロコンピュータ内のカウ
ンタに計数させる必要がある回転角検出パルスの計数値
(以下オンタイミング計数値という。)の形で演算す
る。またオフタイミング位置は、オンタイミング位置で
制御信号を発生させた後、機関がオフタイミング位置ま
で回転する間にカウンタに計数させる必要がある回転角
検出パルスの計数値(以下オフタイミング計数値とい
う。)の形で演算する。
【0062】図5はパルサコイルWp が基準パルス信号
Vp1を発生する毎に実行されるパルサ割込みルーチン
で、このルーチンでは、まずステップ1で、基準パルス
信号Vp1の発生間隔から機関の回転速度を演算する。図
1に示した例では、基準パルス信号Vp1が発生して図1
のトランジスタTR1 のコレクタの電位Vp1´(図3
A)が低下したときに、マイクロコンピュータ6Aが基
準パルス信号Vp1の発生を認識する。マイクロコンピュ
ータは、前回の基準パルス信号が発生してから今回の基
準パルス信号が発生するまでに要した時間を機関が1回
転するのに要した時間として、この時間から機関の回転
速度を演算する。演算された回転速度はマイクロコンピ
ュータのRAMに記憶されて、メインルーチンでの点火
位置の演算に用いられる。
【0063】機関の回転速度を演算した後、ステップ2
において点火位置計測用計数値をマイクロコンピュータ
内のカウンタAにセットして、その計数を開始させ、ス
テップ3において点火信号の発生の有無を識別するため
のフラグF1 を「1」とする。次いでステップ4におい
てオンタイミング計数値をマイクロコンピュータ内のカ
ウンタBにセットしてその計数を開始させ、ステップ5
において制御信号Vgの発生の有無を識別するためのフ
ラグF2 を「1」としてメインルーチンに戻る。
【0064】マイクロコンピュータ内のカウンタAが計
数動作を終了する毎に図6の割込みルーチンが実行さ
れ、カウンタBが計数動作を終了する毎に図7の割込み
ルーチンが実行される。図6に示したカウンタA割込み
ルーチンでは、まずステップ1でフラグF1 が「1」で
あるか否かを判定し、フラグF1 が「1」である場合に
は、ステップ2で点火信号を発生させる。次いでステッ
プ3で点火信号のパルス幅に相当する計数値をカウンタ
Aにセットし、ステップ4でフラグF1 を「0」にした
後メインルーチンに戻る。カウンタAが点火信号のパル
ス幅に相当する計数値の計数を終了したときにも図6の
割込みルーチンが実行される。このときは、フラグF1
が「0」になっているため、ステップ5が行なわれて点
火信号が消滅させられる。
【0065】マイクロコンピュータ内のカウンタBが計
数動作を終了すると図7のカウンタB割込みルーチンが
行なわれ、そのステップ1においてフラグF2 が「1」
であるか否かが判定される。制御信号が発生していない
状態ではフラグF2 が「1」であるため、ステップ2が
実行され、制御信号Vg が発生させられる。次いでステ
ップ3でオフタイミング計数値をカウンタBにセットし
てその計数動作を開始させ、ステップ4でフラグF2 を
「0」としてメインルーチンに戻る。制御信号Vg を発
生させた後、カウンタBがオフタイミング計数値の計数
を終了すると、再び図7の割込みルーチンが実行され
る。このときフラグF2 が「0」になっているため、ス
テップ5が実行され、制御信号Vg が零にされる。
【0066】図4ないし図7に示したアルゴリズムによ
る場合には、図5のステップ1により回転速度演算手段
が実現され、図4のステップ3により点火位置演算手段
が実現される。また図5のステップ2及び3と図6の割
込みルーチンとにより、点火信号発生手段が実現され
る。
【0067】更に、図4のステップ4によりオンタイミ
ング演算手段とオフタイミング演算手段とが実現され、
図5のステップ4と、図7の割込みルーチンとにより、
制御信号発生手段が実現される。
【0068】図1に示した内燃機関点火装置において
は、エキサイタコイルW1 及び重ね放電用発電コイルW
2 がそれぞれ図3(C)及び(F)に示すように、機関
の1回転当り3サイクルの交流電圧を出力する。図示の
例では、重ね放電用発電コイルW2 の出力電圧V2 の一
方の半サイクルが、内燃機関の点火位置よりも位相が進
んだ位置で開始されるように、発電コイルW2 が設けら
れている。昇圧スイッチ制御装置が発生する制御信号V
g は、重ね放電用発電コイルが一方の極性の半サイクル
の電圧を発生している間に高レベルにされた後点火位置
よりも進んだ位置で零レベルにされる信号で、IGBT
B1 は、この制御信号Vg (図3G)により、重ね放
電用発電コイルW2 が一方の半サイクルの電圧を発生し
ている間にオン状態からオフ状態になるように制御され
る。
【0069】重ね放電用発電コイルW2 が一方の半サイ
クル(図示の例では正の半サイクル)の電圧を発生した
後、制御信号Vg が高レベルの状態になって、IGBT
B1 がオン状態になると、重ね放電用発電コイルW2
に短絡電流が流れる。その後制御信号Vg が零レベルに
なって、IGBT B1 がオフ状態にされると、それま
で重ね放電用発電コイルW2 に流れていた短絡電流が遮
断されるため、該発電コイルW2 に高い電圧V2h(図3
H)が誘起する。この電圧V2hはダイオードD3 を通し
て重ね放電用コンデンサC2 に印加されるため、該コン
デンサC2 が図示の極性に瞬時に充電される。このコン
デンサC2 の両端の電圧Vc2が重ね放電用電圧として点
火コイルの二次コイル4bの両端に生じる点火用高電圧
Vh に同極性で重畳されて点火装置の出力電圧として出
力されるように(点火プラグ8に印加されるように)、
コンデンサC2 の両端の電圧の極性と、二次コイル4b
に誘起する点火用高電圧Vh の極性とが設定されてい
る。
【0070】図1に示した内燃機関点火装置において、
エキサイタコイルW1 の出力電圧V1 の一方の半サイク
ルが開始されると、該エキサイタコイルW1 からダイオ
ードD1 を通してコンデンサC1 が図示の極性に充電さ
れ、コンデンサC1 の両端の電圧Vc1が図3(E)のよ
うに段階的に上昇していく。
【0071】点火制御部6が内燃機関の点火位置θi に
おいて点火信号Vi を発生すると、放電用スイッチを構
成するサイリスタTh が導通するため、コンデンサC1
の電荷がサイリスタTh と点火コイルの一次コイル4a
とを通して放電する。この放電により点火コイル4の二
次コイル4bに点火用高電圧Vh が誘起する。この点火
用高電圧は、例えば20[KV]程度(無負荷時)の大
きさの電圧である。
【0072】上記点火用高電圧Vh は、重ね放電用コン
デンサC2 の両端の重ね放電用電圧Vc2に重畳されて点
火プラグ8に印加される。
【0073】点火プラグ8の放電間隙には、点火用高電
圧Vh をトリガ電圧として火花放電が発生し、放電電流
i2 が流れる。点火プラグの放電間隙に一旦放電が生じ
ると、該放電間隙のインビーダンスが低下するため、重
ね放電用コンデンサC2 から点火プラグ8の放電間隙を
通して大きな電流が流れ、コンデンサC2 の端子電圧V
c2は低下していく。重ね放電用コンデンサC2 に蓄積さ
れた電荷の放電により、点火プラグ8の放電間隙にエネ
ルギが供給される。従って、点火プラグの放電間隙に
は、点火用高電圧Vh が消滅した後も放電電流が流れ続
け、火花放電が持続する。火花放電は、コンデンサC2
の放電が進んで、点火プラグの放電間隙に供給されるエ
ネルギが放電を維持するために必要な大きさ以下になっ
たときに消滅する。重ね放電の持続時間は、重ね放電用
コンデンサの静電容量と、点火コイルの二次コイル4b
のインピーダンスとにより適宜に調整することができ
る。
【0074】なお点火用高電圧Vh により点火プラグに
生じた放電を持続させるために点火プラグの放電間隙に
印加する重ね放電用電圧は、例えば1000〜1500
[V]程度が適当である。
【0075】上記のように、本発明によれば、内燃機関
の点火位置で点火プラグに持続時間が長い火花放電を生
じさせることができるため、機関のシリンダ内の混合気
が希薄混合気である場合でも、その燃焼を良好に行わせ
ることができる。
【0076】また点火プラグ2の電極にカーボンが付着
して、該電極間でリークが生じる状態になったときに
は、重ね放電用コンデンサC2 に蓄積された電荷によ
り、点火プラグ2の電極間を通して大きなリーク電流を
流して電極に付着したカーボンを焼き切ることができる
ため、点火プラグの電極を正常な状態に回復させること
ができる。
【0077】図1の点火装置において、昇圧スイッチ7
A(IGBT B1 )を設けずに、重ね放電用発電コイ
ルW2 の出力電圧で直接コンデンサC2 を充電するよう
にした場合の各部の磁束波形または電圧波形の例を図8
(A)ないし(C)に示した。なお図8の例では、磁石
発電機が4極に構成されていて、重ね放電用発電コイル
が機関の1回転当り2サイクルの交流電圧を発生するも
のとしている。図8(A)は重ね放電用発電コイルW2
が巻かれた鉄心中を流れる磁束φの波形を機関の回転角
度θに対して示し、同図(B)は重ね放電用発電コイル
W2 に誘起する無負荷電圧V2 の波形を示している。こ
の電圧V2 の一方の半サイクルの期間にコンデンサC2
が充電されて、該コンデンサC2 の両端の電圧(重ね放
電用電圧)Vc2が図8(C)のように変化する。この場
合、重ね放電用発電コイルW2 の巻数が少いため、重ね
放電用電圧Vc2は、重ね放電を行なわせるために必要な
最低電圧Vdminを超えることができない。この場合も、
点火位置θi で点火用高電圧Vh により点火プラグ8の
放電間隙で火花放電が生じると、該放電間隙のインピー
ダンスが低下するため、コンデンサC2 の電荷が放電間
隙を通して放電するが、電圧Vc2が低いため放電は持続
することができず、重ね放電は行なわれない。
【0078】これに対し、図1のように重ね放電用発電
コイルW2 の両端に昇圧スイッチ7Aを接続して、該ス
イッチをオンオフ制御した場合の各部の波形は図9に示
したようになる。即ち、重ね放電用発電コイルW2 が角
度θ1 の位置で一方の半サイクルの電圧V2 (図9C)
を発生した後、点火位置θi よりも進んだ角度θ2 の位
置で制御信号Vg が高レベルにされてIGBTがオン状
態になると、図9(B)に示すように、重ね放電用発電
コイルW2 からIGBT B1 を通して短絡電流ia が
流れる。この短絡電流が十分に大きくなる角度θ3 の位
置で制御信号Vg が零にされると、IGBT B1 がオ
フ状態になるため、図9(C)に示すように、重ね放電
用発電コイルW2 に高電圧V2hが誘起する。この高電圧
V2hにより、重ね放電用コンデンサC2 が瞬時に充電さ
れるため、該コンデンサC2 の両端の電圧Vc2は図9
(D)に示すように上昇する。次いで角度θ5 の位置で
制御信号Vg が再び高レベルにされてIGBTがオン状
態になると、図9(B)に示すように、重ね放電用発電
コイルW2 からIGBT B1 を通して短絡電流iaが
流れる。この短絡電流が十分に大きくなる角度θ6 の位
置で制御信号Vg が零にされてIGBT B1 がオフ状
態にされると、図9(C)に示すように、重ね放電用発
電コイルW2 に再び高電圧V2hが誘起する。この高電圧
V2hにより、重ね放電用コンデンサC2 が再度充電され
るため、該コンデンサC2 の両端の電圧Vc2が図9
(D)に示すように上昇する。点火位置θi で点火用高
電圧Vh が発生して点火プラグ8の放電間隙に火花放電
が生じると、コンデンサC2 の電荷が点火コイルの二次
コイル4bと点火プラグ8の放電間隙とを通して放電す
るため、コンデンサC2 の両端の電圧が低下する。
【0079】このように、重ね放電用発電コイルW2 に
対して並列に昇圧スイッチ7Aを接続して、該スイッチ
をオンオフ制御すると、発電コイルW2 の巻数が少い場
合でも、該発電コイルW2 に高い電圧V2hを誘起させる
ことができるため、重ね放電用コンデンサC2 の両端
に、重ね放電を生じさせるために点火プラグの放電間隙
に印加する必要がある最低電圧(放電持続可能最低レベ
ル)Vdminよりも高い電圧を得ることができ、重ね放電
を行なわせることができる。磁石発電機においては、短
絡電流の大きさが回転数の影響をあまり受けないように
することができるため、昇圧スイッチ7Aがオフ状態に
なったときに重ね放電用発電コイルW2 に誘起する電圧
V2hの波高値は回転数の如何に係わりなくほぼ一定にす
ることができる。従って、機関の回転数の如何に係わり
なく放電持続可能最低レベルVdmin以上の重ね放電用電
圧Vc2を得て重ね放電を行なわせることができ、機関の
低速時から高速時まで重ね放電を行なわせて、高エネル
ギの点火火花を発生させることができる。
【0080】なお図1に示したように、重ね放電用発電
コイルの両端に昇圧スイッチ7Aを接続して、該スイッ
チをオンオフ制御するようにした場合には、短絡電流に
よる電機子反作用により重ね放電用発電コイルに鎖交す
る磁束φの交番が遅れるため、該磁束φの波形は、図9
(A)に実線で示したように示すように歪んだ波形とな
る。
【0081】図1に示した例では、点火制御部6から昇
圧スイッチ7Aを構成するIGBTに制御信号Vg を与
えるようにしているが、図10に示したように、昇圧ス
イッチ7Aをオンオフ制御する昇圧スイッチ制御装置を
ハードウェア回路により構成することもできる。図10
に示した例では、IGBT B1 のゲートと接地間に、
アノードを接地側に向けたサイリスタS1 が接続され、
該サイリスタS1 のゲートはIGBT B1 のエミッタ
に接続されている。IGBT B1 のエミッタと接地間
には抵抗値が小さい抵抗R10が接続されている。
【0082】サイリスタS1 のアノードとIGBTのゲ
ートとの接続点には抵抗R11の一端が接続され、該抵抗
R11の他端は抵抗R12を通してコンデンサC2 の非接地
側端子に接続されている。また抵抗R11とR12との接続
点と接地間にアノードを接地側に向けたツェナーダイオ
ードZD1 が接続されている。この例では、サイリスタ
S1 と、抵抗R10〜R12と、ツェナーダイオードZD1
とにより、重ね放電用発電コイルW2 が一方の半サイク
ルの電圧を発生したときに昇圧スイッチ7Aをオン状態
にし、重ね放電用発電コイルW2 から昇圧スイッチ7A
を通して流れる短絡電流ia が所定値に達したときに該
昇圧スイッチ7Aをオフ状態にするように、重ね放電用
発電コイルの短絡電流ia に応じて昇圧スイッチ7Aを
オンオフ制御する昇圧スイッチ制御装置7Bが構成され
ている。この場合、点火制御部6は、機関の点火位置で
サイリスタTh に点火信号を与える点火位置制御装置の
みを実現する。その他の点は図1の点火装置と同様に構
成されている。
【0083】図10に示した内燃機関点火装置において
は、重ね放電用発電コイルW2 が一方の半サイクルの電
圧を発生したときに、抵抗R12及びR11を通してIGB
Tにゲート電圧が与えられるため、該IGBTがオン状
態になり、重ね放電用発電コイルW2 からIGBTを通
して短絡電流ia が流れる。この短絡電流ia が設定値
に達すると、抵抗R10の両端に生じる電圧がサイリスタ
S1 をトリガし得るレベルに達するため、該サイリスタ
S1 がオン状態になる。サイリスタS1 がオン状態にな
ると、IGBT B1 のゲート電圧がほぼ零(接地電
位)にされるため、該IGBTがオフ状態になり、重ね
放電用発電コイルW2 を流れていた短絡電流が遮断され
る。これにより重ね放電用発電コイルW2 に高い電圧V
2hが誘起し、該電圧V2hにより重ね放電用コンデンサC
2 が充電される。その他の動作は図1に示した点火装置
の動作と同様である。
【0084】なお図10に示した装置において、ツェナ
ーダイオードZD1 は、IGBTのゲートに過大な電圧
が印加されるのを防ぐために設けられている。
【0085】上記の例では、点火エネルギ蓄積用コンデ
ンサC1 を点火コイルの一次コイル4aの一端と接地間
に接続したが、点火コイルの一次側の回路の構成は上記
した例に限定されない。例えば、図1において、コンデ
ンサC1 を一次コイル4aの一端とダイオードD1 のカ
ソードとの間に接続するとともに、一次コイル4aの他
端を接地し、コンデンサC1 とダイオードD1 との接続
点と接地間にサイリスタTh を接続するようにした周知
の回路を用いることもできる。この場合、ダイオードD
2 はそのカソードを接地側に向けた状態で一次コイル4
aに並列接続する。
【0086】図1に示した例では、磁石発電機が12極
に構成されているが、本発明において磁石発電機の極数
は任意であり、更に多極の磁石発電機を用いる場合にも
本発明を適用することができるのはもちろんである。
【0087】図1に示した例では、エキサイタコイルW
1 を1つだけ設けているが、機関の低速時に高い電圧を
発生する巻数が多い低速用のエキサイタコイルと、機関
の高速時に高い電圧を発生する高速用のエキサイタコイ
ルとの双方を設けて、両エキサイタコイルの出力で点火
エネルギ蓄積用コンデンサC1 を充電する回路を採用す
る場合にも本発明を適用することができる。
【0088】また上記の各例では、昇圧スイッチを構成
するスイッチ素子として、IGBTを用いたが、このス
イッチ素子はオンオフ制御が可能な半導体スイッチ素子
であればよく、バイポーラトランジスタや、MOSFE
T等の他のスイッチ素子を用いることもできる。
【0089】なお点火制御部6は、必ずしもマイクロコ
ンピュータを用いて構成されるものではなく、ハードウ
ェア回路を用いて点火信号を発生させるように構成され
る場合もある。
【0090】図1に示した例でにおいて、ダイオードD
5 を接続しないとすると、点火プラグ8の放電間隙で放
電が生じた際に、放電電流はコンデンサC2 を通して流
れることになるため、該コンデンサに負担がかかり、該
コンデンサの寿命を短くするおそれがある。これに対
し、図示のように重ね放電用コンデンサC2 の両端にダ
イオードD5 を接続しておくと、放電電流のほとんどは
ダイオードD5 を通して流れるため、コンデンサC2 に
かかる負担を少くすることができ、該コンデンサC2 の
寿命を長くすることができる。
【0091】なお本発明は、上記のように重ね放電用コ
ンデンサの両端にダイオードD5 を接続する場合に限定
されるものではなく、該ダイオードD5 は省略すること
もできる。
【0092】図4ないし図7に示したフローチャートに
示した例では、内燃機関を始動させるために設けられて
いるリングギアを利用して発生させた回転角検出パルス
を計数することにより点火位置及び昇圧用スイッチのオ
ンタイミング位置、オフタイミング位置を検出するよう
にしているが、マイクロコンピュータ内に設けられてい
るタイマにより、クロックパルスを計数することによっ
て、点火位置、オンタイミング位置及びオフタイミング
位置を検出するようにすることもできる。
【0093】この場合、昇圧スイッチ制御装置は、パル
サコイルWp が出力するパルスの発生間隔から内燃機関
の回転速度を演算する回転速度演算手段と、演算された
回転速度で基準回転角度位置から昇圧スイッチ7Aをオ
ン状態にするオンタイミング位置まで内燃機関が回転す
る間に計数する必要があるクロックパルスの計数値を演
算するオンタイミング演算手段と、演算された回転速度
でオンタイミング位置から昇圧スイッチをオフ状態にす
るオフタイミング位置まで内燃機関が回転する間に計数
する必要があるクロックパルスの計数値を演算するオフ
タイミング演算手段と、基準パルス信号Vp1が発生した
ときにクロックパルスの計数を開始させてその計数値が
オンタイミング演算手段により演算された計数値に等し
くなったときに昇圧スイッチ7Aをオン状態にするため
の制御信号Vg を発生させ、制御信号Vg を発生させた
時にクロックパルスの計数を開始させてその計数値がオ
フタイミング演算手段により演算された計数値に等しく
なったときに制御信号Vgを消滅させる制御信号発生手
段とにより構成できる。
【0094】上記の例では、磁石回転子に取り付けられ
るリングギアの歯を利用してエンコーダを構成したが、
このエンコーダは、機関の回転軸が微小角度回転する毎
に回転角検出パルスを発生するものであればよく、他の
構成のエンコーダを用いてもよい。
【0095】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火プ
ラグにカーボンが付着した場合にカーボンを焼き切って
点火プラグを正常な状態に回復させることができるだけ
でなく、火花放電の持続時間を長くして希薄混合気の燃
焼をも良好に行わせることができるため、着火ミスが生
じる確率を少なくして排気ガス中の有害物質を減少させ
ることができ、排気ガスの浄化を図ることができる利点
がある。
【0096】また本発明によれば、重ね放電用発電コイ
ルに対して並列に接続した昇圧スイッチをオンオフ制御
することにより誘起させた高い電圧で重ね放電用コンデ
ンサを充電して、該コンデンサの両端の電圧を点火用高
電圧に同極性で重畳するようにしたので、重ね放電用発
電コイルとして巻数が少ないものを用いることができ
る。従って、磁石発電機内で該発電コイルが占めるスペ
ースを少なくすることができ、巻線スペースが大きく犠
牲になるのを防ぐことができる。
【0097】また磁石発電機においては、短絡電流が回
転数の影響をほとんど受けないようにすることができる
ため、昇圧スイッチをオフ状態にした時に重ね放電用コ
イルに誘起する電圧の大きさを機関の回転速度の如何に
係わりなくほぼ一定にすることができ、機関の低速時か
ら高速時まで、高エネルギの点火火花を得て、満足な点
火性能を得ることができる。
【0098】更に本発明によれば、重ね放電用発電コイ
ルに誘起させた電圧で充電された重ね放電用コンデンサ
を点火コイルの二次コイルを通して放電させる構成をと
ることにより、点火コイルの二次側のインピーダンスを
大きくしても、点火プラグを通して十分に大きな電流を
流すことができるようにしたので、点火コイルの二次側
のインピーダンスの設定を自由に行うことができる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関点火装置の構成例を示
した回路図である。
【図2】本発明に係わる内燃機関点火装置で用いる磁石
発電機の構成例を示した構成図である。
【図3】図1の点火装置の各部の信号波形または電圧波
形を示した波形図である。
【図4】図1の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズム
を示したフローチャートである。
【図5】図1の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのパルサ割込みルーチンのアルゴ
リズムを示したフローチャートである。
【図6】図1の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのカウンタA割込みルーチンのア
ルゴリズムを示したフローチャートである。
【図7】図1の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのカウンタB割込みルーチンのア
ルゴリズムを示したフローチャートである。
【図8】本発明に係わる点火装置において、磁石発電機
を4極に構成し、重ね放電用発電コイルの両端に昇圧ス
イッチを接続しなかったとした場合に重ね放電用発電コ
イルに鎖交する磁束の波形と各部の電圧波形とを示した
波形図である。
【図9】本発明に係わる点火装置において磁石発電機を
4極に構成した場合に、重ね放電用発電コイルに鎖交す
る磁束の波形と各部の電圧波形とを示した波形図であ
る。
【図10】本発明に係わる点火装置の他の構成例を示し
た回路図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 4 点火コイル 6 点火制御部 7 重ね放電用電圧発生回路 7A 昇圧スイッチ W1 エキサイタコイル W2 重ね放電用発電コイル C1 点火エネルギ蓄積用コンデンサ C2 重ね放電用コンデンサ Th サイリスタ(放電用スイッチ) D1 〜D5 ダイオード B1 IGBT S1 サイリスタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−85250(JP,A) 実開 昭61−125678(JP,U) 特公 昭40−11762(JP,B1) 実公 昭49−4505(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/00 F02P 1/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と同期回転するように設けられ
    た磁石発電機と、点火コイルと、該点火コイルの一次側
    に設けられて前記磁石発電機内に設けられたエキサイタ
    コイルの出力電圧で一方の極性に充電される点火エネル
    ギ−蓄積用コンデンサと、点火信号が与えられた時に導
    通して前記点火エネルギー蓄積用コンデンサに蓄積され
    た電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させ
    るように設けられた放電用スイッチと、内燃機関の点火
    位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火位置
    制御装置とを備えて、前記点火エネルギ蓄積用コンデン
    サに蓄積された電荷の放電により前記点火コイルの二次
    コイルに点火用高電圧を誘起させるコンデンサ放電式の
    内燃機関点火装置において、 前記磁石発電機内にエキサイタコイルと別個に設けられ
    た重ね放電用発電コイルと、 前記重ね放電用発電コイルに対して並列に接続された昇
    圧スイッチと、 前記点火位置よりも位相が進んだ位置で前記昇圧スイッ
    チをオン状態からオフ状態にするように制御する昇圧ス
    イッチ制御装置と、 前記昇圧スイッチがオン状態からオフ状態になったとき
    に前記重ね放電用発電コイルに誘起する電圧で一方の極
    性に充電される重ね放電用コンデンサとを具備し、 前記重ね放電用コンデンサの両端の電圧と前記点火用高
    電圧とが同じ極性で重畳されて点火装置の出力電圧とし
    て出力されるように、前記重ね放電用コンデンサと点火
    コイルの二次コイルとが接続されていることを特徴とす
    る内燃機関点火装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関と同期回転するように設けられ
    た磁石発電機と、点火コイルと、該点火コイルの一次側
    に設けられて前記磁石発電機内に設けられたエキサイタ
    コイルの出力電圧で一方の極性に充電される点火エネル
    ギ−蓄積用コンデンサと、点火信号が与えられた時に導
    通して前記点火エネルギー蓄積用コンデンサに蓄積され
    た電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させ
    るように設けられた放電用スイッチと、内燃機関の点火
    位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火位置
    制御装置とを備えて、前記点火エネルギ蓄積用コンデン
    サに蓄積された電荷の放電により前記点火コイルの二次
    コイルに点火用高電圧を誘起させるコンデンサ放電式の
    内燃機関点火装置において、 前記磁石発電機内にエキサイタコイルと別個に設けられ
    た重ね放電用発電コイルと、 前記重ね放電用発電コイルに対して並列に接続された昇
    圧スイッチと、 前記点火位置よりも位相が進んだ位置で前記昇圧スイッ
    チをオン状態からオフ状態にするように制御する昇圧ス
    イッチ制御装置と、 前記昇圧スイッチがオン状態からオフ状態になったとき
    に前記重ね放電用発電コイルに誘起する電圧で一方の極
    性に充電される重ね放電用コンデンサと、 前記内燃機関が微小角度回転する毎に回転角検出パルス
    を発生するエンコーダと、 前記内燃機関の基準回転角度位置で基準パルス信号を発
    生するパルサコイルとを具備し、 前記昇圧スイッチ制御装置は、前記基準回転角度位置か
    ら前記昇圧スイッチをオン状態にするオンタイミング位
    置まで内燃機関が回転する間に計数する必要がある前記
    回転角検出パルスの計数値を演算するオンタイミング演
    算手段と、前記オンタイミング位置から前記昇圧スイッ
    チをオフ状態にするオフタイミング位置まで内燃機関が
    回転する間に計数する必要がある前記回転角検出パルス
    の計数値を演算するオフタイミング演算手段と、前記基
    準パルス信号が発生したときに前記回転角検出パルスの
    計数を開始させてその計数値が前記オンタイミング演算
    手段により演算された計数値に等しくなったときに前記
    昇圧スイッチをオン状態にするための制御信号を発生さ
    せ、前記制御信号を発生させた時に前記回転角検出パル
    スの計数を開始させてその計数値が前記オフタイミング
    演算手段により演算された計数値に等しくなったときに
    前記制御信号を消滅させる制御信号発生手段とを備えて
    なり、 前記重ね放電用コンデンサの両端の電圧と前記点火用高
    電圧とが同じ極性で重畳されて点火装置の出力電圧とし
    て出力されるように、前記重ね放電用コンデンサと点火
    コイルの二次コイルとが接続されていることを特徴とす
    る内燃機関点火装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関と同期回転するように設けられ
    た磁石発電機と、点火コイルと、該点火コイルの一次側
    に設けられて前記磁石発電機内に設けられたエキサイタ
    コイルの出力電圧で一方の極性に充電される点火エネル
    ギ−蓄積用コンデンサと、点火信号が与えられた時に導
    通して前記点火エネルギー蓄積用コンデンサに蓄積され
    た電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させ
    るように設けられた放電用スイッチと、内燃機関の点火
    位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火位置
    制御装置とを備えて、前記点火エネルギ蓄積用コンデン
    サに蓄積された電荷の放電により前記点火コイルの二次
    コイルに点火用高電圧を誘起させるコンデンサ放電式の
    内燃機関点火装置において、 前記磁石発電機内にエキサイタコイルと別個に設けられ
    た重ね放電用発電コイルと、 前記重ね放電用発電コイルに対して並列に接続された昇
    圧スイッチと、 前記点火位置よりも位相が進んだ位置で前記昇圧スイッ
    チをオン状態からオフ状態にするように制御する昇圧ス
    イッチ制御装置と、 前記昇圧スイッチがオン状態からオフ状態になったとき
    に前記重ね放電用発電コイルに誘起する電圧で一方の極
    性に充電される重ね放電用コンデンサと、 前記内燃機関の基準回転角度位置で基準パルス信号を発
    生するパルサコイルとを具備し、 前記昇圧スイッチ制御装置は、前記パルサコイルが出力
    するパルスの発生間隔から内燃機関の回転速度を演算す
    る回転速度演算手段と、演算された回転速度で前記基準
    回転角度位置から前記昇圧スイッチをオン状態にするオ
    ンタイミング位置まで内燃機関が回転する間に計数する
    必要があるクロックパルスの計数値を演算するオンタイ
    ミング演算手段と、演算された回転速度で前記オンタイ
    ミング位置から前記昇圧スイッチをオフ状態にするオフ
    タイミング位置まで内燃機関が回転する間に計数する必
    要があるクロックパルスの計数値を演算するオフタイミ
    ング演算手段と、前記基準パルス信号が発生したときに
    前記クロックパルスの計数を開始させてその計数値が前
    記オンタイミング演算手段により演算された計数値に等
    しくなったときに前記昇圧スイッチをオン状態にするた
    めの制御信号を発生させ、前記制御信号を発生させた時
    に前記クロックパルスの計数を開始させてその計数値が
    前記オフタイミング演算手段により演算された計数値に
    等しくなったときに前記制御信号を消滅させる制御信号
    発生手段とを備えてなり、 前記重ね放電用コンデンサの両端の電圧と前記点火用高
    電圧とが同じ極性で重畳されて点火装置の出力電圧とし
    て出力されるように、前記重ね放電用コンデンサと点火
    コイルの二次コイルとが接続されていることを特徴とす
    る内燃機関点火装置。
  4. 【請求項4】 前記重ね放電用コンデンサは、前記点火
    コイルの二次コイルと点火プラグとの直列回路に対して
    並列に接続され、 前記重ね放電用コンデンサの両端に該重ね放電用コンデ
    ンサの充電電圧が逆方向に印加される向きのダイオード
    が並列接続されていることを特徴とする請求項1,2ま
    たは3のいずれかに記載された内燃機関点火装置。
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