JPH0988783A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JPH0988783A
JPH0988783A JP25337895A JP25337895A JPH0988783A JP H0988783 A JPH0988783 A JP H0988783A JP 25337895 A JP25337895 A JP 25337895A JP 25337895 A JP25337895 A JP 25337895A JP H0988783 A JPH0988783 A JP H0988783A
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JP
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circuit
ignition
signal
coil
short
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Application number
JP25337895A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kamimura
清 上村
Hiroyasu Nito
博康 仁藤
Sadaharu Nishimori
貞晴 西森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】点火動作が開始される回転速度を低くして機関
の始動性を良好にすることができる内燃機関用点火装置
を提供する。 【解決手段】パルサコイル5aが正極性信号を発生した
ときにトランジスタT1を通してパルサコイル5aに短
絡電流を流す短絡回路7と、短絡回路7を通して流れる
短絡電流がピークに達したときにトランジスタT1 を遮
断状態にする短絡用スイッチ制御回路8とを備えて、ト
ランジスタT1 の遮断によりパルサコイル5aの出力信
号電圧を昇圧するパルサ出力ブースト回路6を設ける。
パルサ出力ブースト回路6により昇圧された信号電圧で
点火回路1に点火信号を与えて点火動作を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号発電機内に設
けられたパルサコイルの出力信号により点火回路に点火
信号を与えるようにした内燃機関用点火装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用点火装置では一般に、点火コ
イルの1次側に設けた1次電流制御用の半導体スイッチ
を遮断または導通させて点火コイルの1次電流を急変さ
せることにより、該点火コイルの2次コイルに点火用の
高電圧を誘起させるようにしている。また点火位置を定
めるために内燃機関に信号発生装置を取付けて、該信号
発生装置から得られる信号を点火信号として半導体スイ
ッチに供給することにより、該半導体スイッチを遮断ま
たは導通させるようにしている。
【0003】信号発生装置としては種々の形式のものが
実用化しているが、その一つとして、誘導子形の信号発
生装置が知られている。誘導子形の信号発生装置は、内
燃機関と同期回転するように設けられたリラクタ(誘導
子)付きのロータと、該ロータのリラクタに対向する磁
極部を有する鉄心に巻回されたパルサコイルと該鉄心に
磁気結合された磁石とを備えた信号発電子とからなって
いて、リラクタが鉄心の磁極部に対向し始める際、及び
該対向を終了する際にそれぞれ信号発電子の鉄心内で生
じる磁束の変化によりパルサコイルにパルス波形の電圧
を誘起させるようになっている。
【0004】図4はこの種の信号発生装置を用いた従来
の内燃機関用点火装置の回路構成の一例を示したもの
で、同図において、1は点火回路、2は信号発電機、3
は点火信号供給回路である。図示の点火回路1は、コン
デンサ放電式の回路として周知のもので、この種の点火
回路は、点火コイルと、該点火コイルの一次側に設けら
れて内燃機関と同期回転する磁石発電機内に設けられた
エキサイタコイルの正の半サイクルの出力電圧により一
方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサ
と、導通した際に該コンデンサの電荷を点火コイルの一
次コイルを通して放電させるように設けられた放電用サ
イリスタS1 とを備えている。
【0005】図示の例では、点火コイルIGの一次コイ
ルL1 及び二次コイルL2 のそれぞれの一端が接地さ
れ、該点火コイルの一次コイルの非接地側端子に点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサC1 の一端が接続されている。
コンデンサC1 の他端と接地間にカソードを接地側に向
けた状態で放電用サイリスタS1 が接続され、該サイリ
スタS1 のゲートカソード間には抵抗R1 が接続されて
いる。またエキサイタコイルEXの一端は接地され、該
エキサイタコイルEXの非接地側端子とコンデンサC1
の他端との間にカソードをコンデンサC1 側に向けた状
態でダイオードD1 が接続され、エキサイタコイルEX
の両端にはアノードを接地側に向けたダイオードD2 が
接続されている。点火コイルIGの二次コイルL2 の誘
起電圧は、図示しない内燃機関の気筒に取り付けられた
点火プラグPに印加されている。
【0006】信号発電機2は、リラクタ4aを有して内
燃機関と同期回転するように設けられたロータ4と、ロ
ータ4のリラクタに対向する磁極部を備えた図示しない
鉄心に巻回されたパルサコイル5aと該鉄心に磁気結合
された図示しない磁石とを備えた信号発電子5とからな
っていて、ロータ4のリラクタ4aが信号発電子5の鉄
心の磁極部に対向する際、及び該対向を終了する際にそ
れぞれ生じる磁束変化により、パルサコイル5aに極性
が異なるパルス状の信号を誘起するようになっている。
【0007】パルサコイル5aの一端は接地され、該パ
ルサコイルの他端は、コンデンサC2 と抵抗R2 との並
列回路からなるバイアス回路3aとダイオードD3 とを
通してサイリスタS1 のゲートに接続されている。この
例では、バイアス回路3aとダイオードD3 とにより、
点火信号供給回路3が構成されている。バイアス回路3
aのコンデンサC2 は、信号コイル5aが発生する正極
性のパルス信号により図示の極性に充電され、該コンデ
ンサC2 の電荷は抵抗R2 を通して一定の時定数で放電
させられる。コンデンサC2 の両端の電圧はパルサコイ
ル5aに逆バイアス電圧として印加され、パルサコイル
5aが発生する正極性信号がこの逆バイアス電圧を超え
た時にサイリスタS1 に点火信号が与えられるようにな
っている。このように点火信号供給回路にバイアス回路
3aを設けておくと、パルサコイル5aに誘起するノイ
ズ信号によりサイリスタS1 がトリガされて誤点火が行
われるのを防止することができる。
【0008】図4に示した点火装置においては、エキサ
イタコイルEXが機関の回転に同期して交流電圧を誘起
し、この交流電圧の正の半サイクルにおいてエキサイタ
コイルEX→ダイオードD1 →コンデンサC1 →点火コ
イルIGの一次コイルL1 →エキサイタコイルEXの経
路で電流が流れて、点火エネルギ蓄積用コンデンサC1
が図示の極性に充電される。内燃機関の点火時期が到来
すると、パルサコイル5aがパルス信号を発生し、該パ
ルス信号がコンデンサC2 の両端の電圧を超えたときに
サイリスタS1 のゲートに点火信号が与えられる。これ
によりサイリスタS1 が導通するため、コンデンサC1
の電荷がサイリスタS1 と点火コイルIGの一次コイル
L1 とを通して放電し、これにより点火コイルの二次コ
イルL2に点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点
火プラグPに印加されるため、該点火プラグに火花が生
じ、機関が点火される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】内燃機関の始動性を良
好にするためには、点火回路が動作を開始する回転速度
(点火動作開始回転速度)をできるだけ低くしておくこ
とが好ましい。
【0010】上記従来の内燃機関用点火装置において、
パルサコイル5aに誘起する信号電圧の大きさは内燃機
関の回転速度にほぼ比例するので、パルサコイルの出力
信号によって1次電流制御用半導体スイッチをトリガす
ることができる最小回転速度、すなわち点火動作開始回
転速度は、パルサコイルの出力性能によって左右され
る。従って、点火動作開始回転速度を低くして内燃機関
の始動可能回転速度を低くしようとすると、低速時にパ
ルサコイルに誘起する信号電圧の波高値を大きくする必
要がある。ところが、低速時にパルサコイルに誘起する
電圧を高くするためには、パルサコイルを巻く鉄心の断
面積を増大させるとともに、パルサコイルの巻数を増加
させる必要があり、更には、パルサコイルの巻数の増加
に伴うコイル抵抗の増大を防ぐために、コイルの線径を
大きくする必要があるため、パルサコイルが大形になる
という問題があった。
【0011】本発明の主な目的は、パルサコイルの大形
化を招くことなくパルサコイルの出力信号電圧を高くし
て、点火動作開始回転速度を低くすることができるよう
にした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、
内燃機関と同期回転する信号発電機内に設けられて機関
の所定の回転角度位置で信号を出力するパルサコイル
と、該パルサコイルの出力信号により点火回路に点火信
号を与える点火信号供給回路とを備えた内燃機関用点火
装置の改良に係わるものである。
【0013】本発明においては、パルサコイルが信号を
出力したときに該パルサコイルに電流を流す回路と該電
流を遮断する回路とを備えて、該電流の遮断によりパル
サコイルに昇圧された電圧を誘起させるパルサ出力ブー
スト回路を設けた。
【0014】上記パルサ出力ブースト回路は、パルサコ
イルが正極性信号を出力したときに導通するパルサコイ
ル短絡用スイッチと該短絡用スイッチに対して直列に接
続された短絡電流制限用抵抗とを有して短絡用スイッチ
と短絡電流制限用抵抗との直列回路がパルサコイルに対
して並列に接続されたパルサコイル短絡回路と、パルサ
コイルが出力する正極性信号のピーク位置を検出したと
きにパルサコイル短絡用スイッチを遮断状態にする短絡
用スイッチ制御回路とを備えることにより構成できる。
【0015】なお本明細書においては、パルサコイルが
出力する極性が異なる信号の内、直接点火回路に点火信
号を与えるために用いられる方の信号を「正極性信号」
としている。通常パルサコイルは、機関が1回転する間
に極性が異なる対の信号を所定の角度間隔で発生する
が、これらの信号の内、先に発生する信号のレベルが所
定の閾値に達したときに点火回路に点火信号を与えるよ
うに構成する場合には、該先に発生する信号を正極性信
号とし、後から発生する信号のレベルが所定の閾値に達
したときに点火回路に点火信号を与えるように構成する
場合には、該後から発生する信号を正極性信号とする。
【0016】上記短絡用スイッチ制御回路は、短絡電流
制限用抵抗の両端の電圧がピークに達したことを検出す
るピーク検出回路と、該ピーク検出回路がピークを検出
したときに導通してパルサコイル短絡用スイッチを遮断
状態にする遮断制御用スイッチとを備えることにより構
成することができる。
【0017】上記パルサ出力ブースト回路に用いるパル
サコイル短絡回路は、例えば、パルサコイルの正極性信
号によりベース電流が与えられて導通するパルサコイル
短絡用トランジスタと、該トランジスタのコレクタエミ
ッタ間回路に対して直列に接続された短絡電流制限用抵
抗とにより構成されて、該トランジスタのコレクタエミ
ッタ間回路と短絡電流制限用抵抗との直列回路がパルサ
コイルに対して並列に接続される。
【0018】またパルサ出力ブースト回路に用いるピー
ク検出回路は、短絡電流制限用抵抗の両端の電圧降下に
より充電されるピーク検出用コンデンサと、該ピーク検
出用コンデンサに充電電流が流れている間導通状態にな
るピーク検出用トランジスタと、該ピーク検出用トラン
ジスタが導通しているときに遮断状態を保ち該ピーク検
出用トランジスタが遮断状態になったときに導通状態に
なってピーク検出信号を出力するピーク検出信号出力用
トランジスタとにより構成できる。この場合、遮断制御
用スイッチは、ピーク検出信号によりトリガされてパル
サコイル短絡用トランジスタのベース電流を該トランジ
スタから側路するように構成する。
【0019】上記のように、パルサコイルが信号を出力
したときに該パルサコイルに電流を流す回路と該電流を
遮断する回路とを備えたパルサ出力ブースト回路を設け
ると、電流の遮断によりパルサコイルに高い電圧を誘起
させることができるため、パルサコイルの巻数を同じと
すると、該パルサコイルに1次電流制御用半導体スイッ
チをトリガし得るレベルの信号電圧が誘起する回転速度
を従来よりも低くすることができ、点火動作開始回転速
度を従来より低くして、機関の始動性を良好にすること
ができる。
【0020】また点火動作開始回転速度を従来と同じに
設定できる場合には、パルサコイルの巻数を少なくする
ことができるため、信号発電機の小形化を図ることがで
きる。
【0021】更に、信号発電機の小形化を特に図る必要
がない場合には、パルサコイルの巻数を少なくしてコイ
ル導体の線径を大きくすることができるため、パルサコ
イルの断線を防ぐことができ、信頼性を向上させること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態を示
したもので、同図において、前述の図4の各部と同等の
部分には、同一の符号を付けて示してある。
【0023】図1に示された内燃機関用点火装置は、点
火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生して機
関の気筒に取り付けられた点火プラグPに火花を生じさ
せる点火回路1と、内燃機関と同期回転する信号発電機
2内に設けられて機関の所定の回転角度位置で信号を出
力するパルサコイル5と、該パルサコイル5の図示の実
線矢印方向の正極性信号を昇圧するパルサ出力ブースト
回路6と、この昇圧された信号により点火回路1に点火
信号を与える点火信号供給回路3とを備えて構成されて
いる。
【0024】図1の例で用いられている点火回路1は、
図4に示したものと同様なコンデンサ放電式点火回路
で、点火コイルIGと、該点火コイルの一次側に設けら
れて内燃機関と同期回転する磁石発電機内に設けられた
エキサイタコイルEXの正の半サイクルの出力電圧によ
り一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コンデン
サC1 と、導通した際に該コンデンサの電荷を点火コイ
ルの一次コイルを通して放電させるように設けられた放
電用サイリスタS1 とを備えている。
【0025】信号発電機2も図4の従来例で用いられて
いたものと同様のもので、内燃機関と同期回転する回転
体の外周にリラクタ4aを設けて構成したロータ4と、
該ロータ4の外周面に小ギャップを介して対向する磁極
部を有する鉄心に巻回されたパルサコイル5aと該鉄心
に磁気結合された永久磁石とを有する信号発電子5とに
より構成されている。ロータ4を構成する回転体として
は、例えば、内燃機関に取り付けられる磁石発電機のフ
ライホイール磁石回転子のボス部や、該フライホイール
磁石回転子のフライホイールの周壁部等を用いることが
できる。
【0026】この種の信号発電機2においては、機関の
所定の回転角度位置でリラクタ4aが信号発電子5の鉄
心の磁極部に対向する際及び該対向を終了する際にそれ
ぞれパルサコイル5aに鎖交する磁束に変化が生じて、
該パルサコイル5aに極性が異なる信号Vs1及びVs2が
誘起する。図2(A)は信号Vs1及びVs2の波形の一例
を示したもので、これらの信号の大きさはパルサコイル
5の巻数と機関の回転速度[rpm]とに比例する。図
1に示したような点火信号供給回路3が用いられる場合
には、信号Vs1及びVs2の内、先に発生する信号Vs1が
正極性信号として用いられて、この信号Vs1が所定の閾
値(コンデンサC2 の両端の電圧により決まる)に達し
たときに点火回路1に点火信号が与えられる。
【0027】図示の例では、パルサコイル5aの一端が
接地され、該パルサコイルの他端はダイオードD4 と図
4に示したものと同様な点火信号供給回路3とを通して
点火回路1の放電用サイリスタS1 のゲートに接続され
ている。
【0028】本発明においては、パルサコイル5aの出
力信号を昇圧するため、パルサコイル短絡回路7と短絡
用スイッチ制御回路8とからなるパルサ出力ブースト回
路6が設けられている。
【0029】図1に示した例において、パルサコイル短
絡回路7は、コレクタがダイオードD4 のカソードに接
続されたパルサコイル短絡用スイッチとしてのパルサコ
イル短絡用トランジスタT1 と、該トランジスタのコレ
クタエミッタ回路に対して直列に接続された小抵抗値の
短絡電流制限用抵抗R3 と、トランジスタT1 のコレク
タベース間に並列に接続された抵抗R4 とからなり、ト
ランジスタT1 と抵抗R3 との直列回路はパルサコイル
5aに対して並列に接続されている。
【0030】短絡用スイッチ制御回路8は短絡電流制限
用抵抗R3 の両端間に並列に接続されていて、トランジ
スタT1 が導通したときに流れるパルサコイル5の電流
に比例する抵抗R3 の両端間の電圧がピークに達したと
きにピーク検出信号を出力するピーク検出回路9と、ア
ノードがトランジスタT1 のベースに接続されカソード
が接地されていて、導通した際にトランジスタT1 のベ
ース電流を該トランジスタから側路させるように設けら
れた遮断制御用スイッチとしてのサイリスタS2 と、該
サイリスタS2 のゲートと抵抗R3 の非接地側端子及び
接地側端子との間にそれぞれ接続された抵抗R5 及びR
6 と、ピーク検出回路9の出力端子とサイリスタS2 の
ゲートとの間に接続された抵抗R7 とにより構成されて
いる。
【0031】ピーク検出回路9は、短絡電流制限用抵抗
R3 の両端間に接続されたピーク検出用トランジスタT
2 及び抵抗R8 の直列回路と、トランジスタT2 のベー
スと接地間に接続されたピーク検出用コンデンサC3
と、トランジスタT2 のエミッタベース間にアノードを
該トランジスタT2 のベース側に向けて接続したダイオ
ードD5 と、エミッタがトランジスタT2 のエミッタに
接続されベースがトランジスタT2 のコレクタに接続さ
れたピーク検出信号出力用トランジスタT3 とにより構
成され、該ピーク検出回路9の出力端子となるトランジ
スタT3 のコレクタは抵抗R7 を介してサイリスタS2
のゲートに接続されている。
【0032】図1に示した点火装置において、内燃機関
が回転してパルサコイル5aに図示の実線矢印方向の正
極性信号Vs1[図2(A)参照]が誘起すると、パルサ
コイル5a→ダイオードD4 →抵抗R4 →トランジスタ
T1 のベースエミッタ回路→抵抗R3 →パルサコイル5
aの経路でパルサコイル短絡用トランジスタT1 にベー
ス電流が与えられて該トランジスタT1 が導通する。こ
れによりトランジスタT1 及び抵抗R3 を通してパルサ
コイル5aに図2(B)に示すような短絡電流is0が流
れる。この短絡電流is0によって抵抗R3 の両端間に生
ずる電圧により、トランジスタT2 のエミッタベース間
回路を通してコンデンサC3 に充電電流が流れる。これ
によりコンデンサC3 は図示の極性に充電されてその両
端の電圧Vc が図2(C)に示すように上昇していく。
コンデンサC3 に充電電流が流れている間はトランジス
タT2 が導通してトランジスタT3 が遮断状態に保持さ
れる。パルサコイル5aの短絡電流is0の大きさに対応
する抵抗R3 の両端の電圧が機関の回転角度位置θi で
ピークに達すると、コンデンサC3 に充電電流が流れな
くなってトランジスタT2 が遮断される。これによりト
ランジスタT3 が導通すると該トランジスタT3 を通し
てピーク検出信号Vp [図2(D)]が出力される。こ
のピーク検出信号Vp は抵抗R7 を通してサイリスタS
2 のゲートに与えられるためサイリスタS2 が導通す
る。サイリスタS2 が導通すると、該サイリスタを通し
てトランジスタT1 のベース電流が側路されるため、ト
ランジスタT1 が遮断状態になる。従って、内燃機関の
回転角度位置θi (点火位置)でパルサコイル5の短絡
電流is0が急激に遮断されてパルサコイル5aに蓄えら
れていた電磁エネルギが解放され、該パルサコイル5a
の両端に、図2(E)に示すように昇圧された信号電圧
Vt が発生する。
【0033】昇圧された信号電圧Vt は点火信号供給回
路3を通して点火回路1のサイリスタS1 のゲートに与
えられる。これによりサイリスタS1 が導通して点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサC1 の電荷を点火コイルの1次
コイルL1 に放電させるため、点火コイルの2次コイル
L2 に点火用の高電圧が誘起し、点火動作が行われる。
パルサコイル5aの電流が遮断された後は、充電されて
いたピーク検出用コンデンサC3 の電荷がダイオードD
5 と抵抗R3 とを通して急速に放電して元の状態に戻
る。
【0034】上記のように、パルサコイル5aの正極性
の出力信号Vs1をパルサ出力ブースト回路6により昇圧
して、昇圧された信号Vt により点火回路1の1次電流
制御用サイリスタS1 に点火信号を与えるようにする
と、パルサコイル5の出力信号Vs1により直接点火信号
を与える場合にはサイリスタS1 をトリガできない低い
回転速度領域でもサイリスタS1 をトリガして点火動作
を行わせることができる。
【0035】上記の例では、パルサコイル5aを設ける
信号発電子5に永久磁石を設けて、内燃機関と同期回転
するロータ4のリラクタ4aにより信号発電子内で生じ
させた磁束の変化によりパルサコイル5aに信号電圧を
誘起させるようにした誘導子形の信号発電機を用いた
が、点火電源等に用いられる磁石発電機の磁石回転子の
磁石界磁を利用して、パルサコイルに信号電圧を誘起さ
せるようにした信号発電機を用いる場合にも本発明を適
用することができる。
【0036】上記の例では、点火回路1として、コンデ
ンサ放電式の点火回路を用いたが、本発明で用いる点火
回路は、パルサコイルの出力信号により点火信号が与え
られときに点火用の高電圧を発生する回路であればよ
く、他の方式のものであってもよい。例えば、内燃機関
と同期回転する磁石発電機内に設けられた発電コイル
と、該発電コイルを短絡するように設けられた半導体ス
イッチと、パルサコイルの出力信号により点火信号が与
えられたときに該半導体スイッチを導通状態から遮断状
態にする制御回路とを備えて、発電コイルに流しておい
た短絡電流を遮断することにより該発電コイルに高電圧
を誘起させ、この高電圧を更に点火コイルにより昇圧す
ることにより点火用の高電圧を得るようにした電流遮断
形の点火回路を用いることもできる。
【0037】上記の説明では、パルサコイル5aから出
力される正極性信号を昇圧することにより点火信号を発
生させて、機関の全回転速度領域において点火位置をほ
ぼ一定とする点火装置を例にとったが、パルサコイル5
aから機関の最大進角位置及び最小進角位置でそれぞれ
負極性信号及び正極性信号を発生させて、これらの信号
から得られる最大進角位置及び最小進角位置の情報と回
転速度情報(両信号の発生間隔から得られる)とに基づ
いて機関の各回転速度における点火位置を演算すること
により、最小進角位置と最大進角位置との間で機関の回
転速度に応じて点火位置を制御するようにした電子制御
式の点火装置にも本発明を適用することができる。
【0038】この種の電子制御点火装置では、例えば図
3に示すように、パルサコイル5aが最大進角位置θ1
及び最小進角位置θ2 でそれぞれ信号Vs1及びVs2を発
生し、これらの信号Vs1及びVs2がそれぞれダイオード
D6 及びD7 を通してセット回路10及びリセット回路
11に入力される。セット回路10及びリセット回路1
1は波形整形回路からなっていて、これらセット回路1
0及びリセット回路11からそれぞれ出力されるセット
信号Vs 及びリセット信号Vr はフリップフロップ回路
12に入力されている。フリップフロップ回路12は、
機関の1回転の区間を回転速度検出区間(θ2 〜θ1 )
と点火信号発生区間(θ1 〜θ2 )とに分ける矩形波状
の制御信号Vq を発生し、該制御信号を図示しない点火
信号発生回路に供給する。
【0039】点火信号発生回路は、回転速度検出区間の
時間幅(回転速度検出区間を回転するのに要する時間)
から得られる回転速度情報に基いて点火位置を演算し
て、演算された点火位置で点火信号を発生し、該点火信
号を点火回路(図3には図示せず。)に与える。リセッ
ト信号Vr はまたインバータ13により反転されて、機
関の始動時及び低速時の点火位置(最小進角位置θ2 )
を定める信号Vsoとして点火回路に与えられる。即ちこ
の例では、機関の始動時及び低速時に、パルサコイル5
aが後から発生する信号Vs2により点火回路1に点火信
号が与えられる。従って、点火動作開始回転速度を低く
するためには、パルサコイル5aが後から発生する信号
Vs2を正極性信号として昇圧する必要がある。
【0040】図3に示した制御信号発生回路を用いた電
子制御式の点火装置に本発明を適用する場合には、ダイ
オードD7 のカソードと接地間に図1に示したものと同
様のパルサ出力ブースト回路6をパルサコイル5aに対
して並列に接続する。パルサコイル5aから出力される
正極性信号Vs2はパルサ出力ブースト回路6により昇圧
され、昇圧された信号Vt がリセット回路11に入力さ
れる。従って、パルサコイル5から出力される正極性信
号Vs2が直接リセット回路に入力される場合よりも低い
回転速度からリセット回路11を作動させることがで
き、低速時の点火位置を定める信号Vsoが得られる最小
回転速度、即ち、点火装置の動作開始回転速度を従来の
この種の点火装置よりも低くして、機関の始動性を良好
にすることができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火回
路に点火信号を与える回路にパルサコイルの出力信号を
昇圧するパルサ出力ブースト回路を設けて、該ブースト
回路により昇圧された信号を用いて点火回路に点火信号
を与えるようにしたので、従来の点火装置よりも点火動
作開始回転速度を低くすることができ、内燃機関の始動
可能回転速度を低くして機関の始動性を良好にすること
ができる。
【0042】また点火動作開始回転速度を従来と同じに
設定できる場合には、パルサコイルの巻数を少なくする
ことができるため、信号発電機の小形化を図ることがで
きる。
【0043】更に、信号発電機の小形化を図る必要がな
い場合には、パルサコイルの巻数を少なくしてコイル導
体の線径を大きくすることができるため、パルサコイル
の断線を防ぐことができ、信頼性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示した回路図である。
【図2】図1の各部の波形を示した波形図である。
【図3】本発明の他の実施形態の要部の構成を示したブ
ロック図である。
【図4】従来の点火装置の一例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 点火回路 2 信号発電機 3 点火信号供給回路 4 ロータ 4a リラクタ 5a パルサコイル 6 パルサ出力ブースト回路 7 パルサコイル短絡回路 8 短絡用スイッチ制御回路 9 ピーク検出回路 10 セット回路 11 リセット回路 12 フリップフロップ回路 13 インバータ Ex エキサイタコイル IG 点火コイル L1 点火コイルの1次コイル L2 点火コイルの2次コイル P 点火プラグ S1 サイリスタ(1次電流制御用半導体スイッチ) S2 サイリスタ(遮断制御用スイッチ) T1 パルサコイル短絡用トランジスタ(パルサコイル
短絡用スイッチ) T2 ピーク検出用トランジスタ T3 ピーク検出信号出力用トランジスタ C1 点火エネルギ蓄積用トランジスタ C2 コンデンサ C3 ピーク検出用コンデンサ D1 〜D5 ダイオード R1 抵抗 R3 短絡電流制限用抵抗 R4 〜R8 抵抗

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関と同期回転する信
    号発電機内に設けられて内燃機関の所定の回転角度位置
    で信号を出力するパルサコイルと、前記パルサコイルの
    出力信号により前記点火回路に点火信号を与える点火信
    号供給回路とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記パルサコイルが信号を出力したときに該パルサコイ
    ルに電流を流す回路と該電流を遮断する回路とを備え
    て、該電流の遮断によりパルサコイルに昇圧された電圧
    を誘起させるパルサ出力ブースト回路を具備したことを
    特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関と同期回転する信
    号発電機内に設けられて内燃機関の所定の回転角度位置
    で正極性信号及び負極性信号を出力するパルサコイル
    と、前記パルサコイルが正極性信号を出力したときに前
    記点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とを備
    えた内燃機関用点火装置において、 前記パルサコイルが正極性信号を出力したときに導通す
    るパルサコイル短絡用スイッチと該短絡用スイッチに対
    して直列に接続された短絡電流制限用抵抗とを有してパ
    ルサコイル短絡用スイッチと短絡電流制限用抵抗との直
    列回路が前記パルサコイルに対して並列に接続されたパ
    ルサコイル短絡回路と、前記パルサコイルが出力する正
    極性信号のピーク位置を検出したときに前記パルサコイ
    ル短絡用スイッチを遮断状態にする短絡用スイッチ制御
    回路とを備えたパルサ出力ブースト回路を具備したこと
    を特徴とする内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記短絡用スイッチ制御回路は、前記短
    絡電流制限用抵抗の両端の電圧がピークに達したことを
    検出するピーク検出回路と、前記ピーク検出回路がピー
    クを検出したときに導通して前記パルサコイル短絡用ス
    イッチを遮断状態にする遮断制御用スイッチとを備えて
    いる請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
  4. 【請求項4】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関と同期回転する信
    号発電機内に設けられて内燃機関の所定の回転角度位置
    で正極性信号及び負極性信号を出力するパルサコイル
    と、前記パルサコイルが正極性信号を出力したときに前
    記点火回路に点火信号を与える点火信号供給回路とを備
    えた内燃機関用点火装置において、 前記正極性信号によりベース電流が与えられて導通する
    パルサコイル短絡用トランジスタと該トランジスタのコ
    レクタエミッタ間回路に対して直列に接続された短絡電
    流制限用抵抗とからなっていて、該トランジスタのコレ
    クタエミッタ間回路と短絡電流制御用抵抗との直列回路
    が前記パルサコイルに対して並列に接続されたパルサコ
    イル短絡回路と、前記短絡電流制限用抵抗の両端の電圧
    降下により充電されるピーク検出用コンデンサと該ピー
    ク検出用コンデンサに充電電流が流れている間導通状態
    になるピーク検出用トランジスタと該ピーク検出用トラ
    ンジスタが導通しているときに遮断状態を保ち該ピーク
    検出用トランジスタが遮断状態になったときに導通状態
    になってピーク検出信号を出力するピーク検出信号出力
    用トランジスタとを備えたピーク検出回路と、前記ピー
    ク検出信号によりトリガされて前記パルサコイル短絡用
    トランジスタのベース電流を該トランジスタから側路す
    る遮断制御用スイッチとを備えたパルサ出力ブースト回
    路が設けられていることを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
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