JP3089938B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JP3089938B2
JP3089938B2 JP06040045A JP4004594A JP3089938B2 JP 3089938 B2 JP3089938 B2 JP 3089938B2 JP 06040045 A JP06040045 A JP 06040045A JP 4004594 A JP4004594 A JP 4004594A JP 3089938 B2 JP3089938 B2 JP 3089938B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロコンピュータ
を用いて内燃機関の点火位置を制御するコンデンサ放電
式の内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にコンデンサ放電式の内燃機関用点
火装置は、点火コイルの1次側に設けられた点火エネル
ギー蓄積用コンデンサと、該コンデンサを充電する充電
回路と、点火信号が与えられたときに導通してコンデン
サの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる放電用
スイッチとを備えており、点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサの電荷を放電用スイッチを通して点火コイルの1次
コイルに放電させることにより、点火コイルの2次コイ
ルに高電圧を誘起させて、点火動作を行わせる。この種
の点火装置において、内燃機関に取り付けられた磁石発
電機内のエキサイタコイルを点火電源としてコンデンサ
を充電する場合には、該エキサイタコイルが正の半サイ
クルの出力電圧を発生する回転角度区間及び負の半サイ
クルの出力電圧を発生する回転角度区間をそれぞれコン
デンサの充電区間及び非充電区間として、充電区間にお
けるエキサイタコイルの出力電圧によりコンデンサを充
電するようにしている。
【0003】近年内燃機関に対しては、排気ガスの浄
化、燃費の向上、騒音の低減、及び出力の向上等の種々
の要求がされるようになり、これらの要求に応えるため
に、マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火位置
を精密に制御することが必要とされるようになった。
【0004】なお本明細書において、点火位置、信号の
発生位置等という場合の「位置」は機関の出力軸(通常
はクランク軸)の回転角度位置を意味し、実際には回転
角度で表現される。
【0005】マイクロコンピュータを用いて点火位置を
制御する内燃機関用点火装置においては、内燃機関の回
転数を演算する回転数演算手段と、内燃機関の回転数に
対して点火位置を演算する点火位置演算手段とをマイク
ロコンピュータにより実現して、該点火位置演算手段に
より演算された点火位置で点火回路に点火信号を与える
ことにより点火動作を行わせる。このような動作を行わ
せるためには、機関の各回転において、クランク軸の回
転角度位置が演算された点火位置に一致したことを検出
することが必要になる。
【0006】そこで、この種の点火装置においては、内
燃機関のクランク軸の所定の回転角度位置を基準位置と
して定め、各回転数における点火位置を、その回転数で
基準位置から点火位置まで機関が回転するのに要する時
間(この時間を点火位置計測時間と呼ぶことにする。)
の形で演算する。マイクロコンピュータは、基準位置が
検出される毎に演算された点火位置計測時間を例えばカ
ウンタ(またはタイマ)にセットし、該カウンタがセッ
トされた時間の計測(点火位置計測時間を与えるクロッ
クパルス数の計数)を終了したときに点火信号を発生す
る。
【0007】従ってマイクロコンピュータを用いて点火
位置を制御する内燃機関用点火装置においては、機関の
クランク軸の回転角度位置が所定の基準位置に一致した
ことを検出することが必要になる。そのため従来のこの
種の点火装置では、機関のクランク軸と同期して回転す
るロータと信号発電子とを備えた信号発電機(パルサ)
を設けて、該信号発電機により基準位置を検出するパル
スを発生させるようにしている。
【0008】図13はマイクロコンピュータを用いて点
火位置を制御する従来のコンデンサ放電式の内燃機関用
点火装置の構成の一例を示したもので、同図において1
は内燃機関のクランク軸に取り付けられた磁石発電機、
2は発電機1の回転子の一部を利用して構成した信号発
電機、3はコンデンサ放電式の点火回路、4はマイクロ
コンピュータ、5は信号発電機2が発生するパルス信号
をコンピュータが認識し得る所定の波形に変換して、変
換した波形の信号を外部割り込み信号IN1 としてマイ
クロコンピュータ4に与える外部割り込み信号波形整形
回路、6は信号発電機2が発生するパルス信号を所定の
波形に変換してマイクロコンピュータ4に外部割り込み
信号IN2 を与えるとともに、機関の最小進角位置で点
火回路3に最小進角位置信号を与える最小進角位置信号
波形整形回路、7は最小進角位置信号波形整形回路6が
出力する最小進角位置信号を反転させるインバータ、8
はダイオードD3 及びD4 からなるオア回路、9はマイ
クロコンピュータ4が演算点火位置信号(演算された点
火位置が検出されたときに発生する信号、以下同じ。)
を発生したときに、この信号をオア回路8に与える演算
点火位置信号供給回路である。
【0009】磁石発電機1は、カップ状に形成されたフ
ライホイール101の周壁部の内周に永久磁石102を
固定して回転子磁極を構成したフライホイール磁石回転
子1Aと、鉄心103にエキサイタコイル104を巻回
して構成した固定子1Bとを備え、固定子1Bは内燃機
関のケース等に設けられた固定子台板に固定されてい
る。
【0010】フライホイール101の周壁部の外周の一
部を突出させることにより所定の極弧角を有する円弧状
の突起からなるリラクタ201が設けられている。この
リラクタとフライホイールの周壁部とにより信号発電機
のロータ2Aが構成され、このロータと固定子台板等に
固定された信号発電子(磁気ピックアップ)2Bとによ
り信号発電機2が構成されている。
【0011】信号発電子2Bは、信号コイル202を巻
回した鉄心203と、鉄心203に磁気結合された磁石
204とを備えた周知のもので、鉄心203の先端の磁
極部がフライホイールの周壁部の外周に対向させられて
いる。
【0012】内燃機関のクランク軸が回転し、それに伴
ってフライホイール101が回転すると、クランク軸の
回転に同期してエキサイタコイル104に交流電圧が誘
起する。このエキサイタコイルの出力は点火回路3に点
火エネルギーを供給するために用いられる。
【0013】またフライホイールが回転すると、リラク
タ201が信号発電子2Bの磁極の位置を通過する毎に
信号コイル202に鎖交する磁束が変化する。リラクタ
が信号発電子の磁極に対向し始める際及び該対向を終了
する際にそれぞれ生じる磁束変化により、信号コイル2
02に極性が異なるパルス状の信号が誘起する。リラク
タ201が信号発電子の磁極との対向を終了する際に生
じるパルスの発生位置が、内燃機関の最小進角位置に一
致するように信号発電子2Bの取り付け位置が調整さ
れ、リラクタ201が信号発電子の磁極に対向し始める
際に生じるパルスの発生位置が最小進角位置よりも十分
に進んだ位置(例えば最大進角位置)になるように、リ
ラクタ201の極弧角が設定されている。
【0014】コンデンサ放電式の点火回路3は、点火コ
イルIGと、点火プラグPと、ダイオードD1 及びD2
と、点火エネルギー蓄積用コンデンサC1 と、放電用サ
イリスタTh1と、抵抗Ro とからなる周知のものであ
る。この点火回路においては、エキサイタコイル104
→ダイオードD1 →コンデンサC1 →ダイオードD2 及
び点火コイルIGの1次コイル→エキサイタコイル10
4の回路によりコンデンサ充電回路が構成されている。
この充電回路は、エキサイタコイル104が正の半サイ
クルの出力電圧を発生する回転角度区間を充電区間と
し、エキサイタコイル104が負の半サイクルの出力電
圧を発生している回転角度区間を非充電区間として、充
電区間におけるエキサイタコイルの出力電圧によりコン
デンサC1 を図示の極性に充電する。
【0015】点火位置でサイリスタTh1のゲートに点火
信号Vi が与えられると、該サイリスタが導通し、コン
デンサC1 の電荷がサイリスタTh1を通して点火コイル
の1次コイルw1 に放電する。これにより点火コイルの
2次コイルw2 に高電圧が誘起し、点火プラグPに火花
が生じて機関が点火される。
【0016】なお本明細書において、磁石発電機の出力
の正負の極性は相対的なものであって、発電機が発生す
る異なる極性の半サイクルの出力電圧の内、一方の極性
の半サイクルを正の半サイクルとすれば、他の極性の半
サイクルが負の半サイクルとなる。本明細書では、エキ
サイタコイルが発生する出力の両半サイクルの内、点火
エネルギー蓄積用コンデンサの充電を行う半サイクルを
正の半サイクルとし、該コンデンサの充電を行わない半
サイクルを負の半サイクルとする。
【0017】マイクロコンピュータ4は、CPU4a、
割り込み制御回路4b、ランダムアクセスメモリ(RA
M)4c、リードオンリーメモリ(ROM)4d、カウ
ンタ4e、コンパレータ4f、レジスタ4g、ラッチ回
路4h、エッジ検出回路4i及びフリップフロップ回路
4jを備え、外部割り込み信号波形整形回路5及び最小
進角位置信号波形整形回路6の出力がそれぞれ割り込み
信号IN1 及びIN2として割り込み制御回路4bに入
力されている。このマイクロコンピュータの電源電圧
は、エキサイタコイル104、または磁石発電機1内に
配置された他の発電コイルを電源とした直流電源回路
(図示せず。)により与えられる。
【0018】インバータ(反転回路)7はPNPトラン
ジスタTr1と抵抗R1 及びR2 とからなり、トランジス
タTr1のエミッタは図示しない直流電源回路の出力端子
に接続されている。最小進角位置信号波形整形回路6の
出力端子は抵抗R1 を通してトランジスタTr1のベース
に接続され、トランジスタTr1のコレクタが抵抗R2と
オア回路8のダイオードD3 とを通して点火回路3の放
電用サイリスタTh1のゲートに接続されている。
【0019】演算点火位置信号供給回路9は、PNPト
ランジスタTr2と、NPNトランジスタTr3と、抵抗R
3 ないしR6 とからなり、トランジスタTr2のエミッタ
が直流電源回路の出力端子に接続されている。
【0020】マイクロコンピュータ4は、フリップフロ
ップ回路4jの正論理出力端子Qにつながる出力ポート
Aを有していて、該出力ポートAが抵抗R3 を通してト
ランジスタTr3のベースに接続され、トランジスタTr2
のコレクタが抵抗R6 とオア回路8のダイオードD4 と
を通して放電用サイリスタTh1のゲートに接続されてい
る。
【0021】上記の点火装置において、信号コイル20
2は、例えば図14(A)に示すように、最大進角位置
θi2でスレショールドレベル−Vt に達する負極性信号
Vsnと、最小進角位置θi1でスレショールドレベル+V
t に達する正極性信号Vspとをクランク軸の1回転当り
1回だけ発生する。なお、図14において横軸のθは機
関の回転角度を示している。
【0022】負極性信号Vsnは、外部割り込み信号波形
整形回路5により、図14(B)に示すように最大進角
位置θi2で立下る波形の信号に変換され、この信号の立
下りが割り込み信号IN1 として割り込み制御回路4b
に与えられる。この例では、マイクロコンピュータ4
が、入力電圧の立下り(負論理の信号)を信号として認
識し得るようになっている。
【0023】また正極性信号Vspは、最小進角位置信号
波形整形回路6により、図14(C)に示すように最小
進角位置θi1で立ち下がる矩形波状の信号に変換され
る。この信号の立下りが最小進角位置信号として、また
立上りが外部割り込み信号IN2 としてそれぞれ用いら
れる。
【0024】割り込み制御回路4bに割り込み信号IN
2 が与えられると、フリップフロップ回路4jがリセッ
トされて、その正論理出力端子Qの出力が「0」にな
る。また割り込み信号IN1 が発生すると、エッジ検出
回路4iがその立ち下がりを検出してラッチ回路4hを
動作させ、割り込み信号IN1 が発生したときのカウン
タ4eの計数値をラッチさせるとともに、カウンタ4e
をクリアする。カウンタはクロックパルスを計数してお
り、ラッチされた計数値は、機関が1回転するのに要し
た時間に相当している。この計数値から機関の回転数が
演算され、演算された回転数はRAM4cに記憶され
る。
【0025】マイクロコンピュータのROM4d内には
所定のプログラムと点火位置の演算に用いるマップが記
憶されていて、該プログラムにより実現される点火位置
演算手段により、各回転数における点火位置の演算が行
われる。ROM4dに記憶されたマップは回転数と点火
位置との関係を折れ線グラフで表した場合の折れ線の各
屈曲点と回転数との対応関係を与えるもので、点火位置
は、ラッチ回路4hによりラッチされた計数値から演算
された回転数とマップのデータとを用いて補間法により
演算される。演算された点火位置のデータは、基準位置
(この例では割り込み信号IN1 の発生位置)から点火
位置まで機関が回転するのに要する時間(点火位置計測
時間)の形で演算される。この点火位置を与えるデータ
はレジスタ4gに記憶される。
【0026】コンパレータ4fはカウンタ4eの計数値
とレジスタ4gの内容とを常に比較しており、カウンタ
4eの計数値がレジスタ4gの内容に一致したときにフ
リップフロップ回路4jのセット端子Sにセット信号を
与える。
【0027】フリップフロップ回路4jにセット信号が
与えられると、マイクロコンピュータ4の出力ポートA
の信号が「0」から「1」の状態に変化する。これによ
りトランジスタTr3にベース電流が与えられて、該トラ
ンジスタTr3が導通するため、トランジスタTr2が導通
し、図示しない電源からトランジスタTr2とオア回路の
ダイオードD4 とを通して点火回路3の放電用サイリス
タTh1に点火信号Vi(図14D)が与えられる。
【0028】即ちこの例では、信号コイル202が発生
する負極性信号Vsnがスレショールドレベルに達して割
り込み信号IN1 が発生した位置を基準位置として、こ
の基準位置から演算された点火位置の計測を開始するよ
うにしている。
【0029】機関に取り付けられた磁石発電機内の発電
コイルを電源とした直流電源回路によりマイクロコンピ
ュータを駆動するようにした場合、機関の始動時には、
マイクロコンピュータ4の電源電圧が確立されず、点火
位置の演算は行われない。このときには、信号コイル2
02から最小進角位置信号波形整形回路6とインバータ
回路7とオア回路のダイオードD3 とを通して点火回路
に点火信号Vi が与えられる。従って、機関の始動は支
障なく行われる。
【0030】なお上記の説明では、機関の1回転に要す
る時間から回転数を演算して、演算した回転数とマップ
のデータとを用いて点火位置を演算するとしたが、機関
の1回転に要する時間そのものを回転数のデータとして
用いてマップを作成し、機関の1回転に要した時間とマ
ップのデータとを用いて点火位置を演算する場合もあ
る。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
点火装置では、クランク軸と同期して回転するロータ
と、信号発電子とを備えた信号発電機(パルサ)2を設
けて、基準位置を検出するパルスを発生させるようにし
ていた。そのため、機関に信号発電機を取り付けること
が必要になり、その分コストが高くなるのを避けられな
かった。特に上記の例に示したように、フライホイール
の外周側に信号発電機2を設けた場合には、磁石発電機
の外径寸法が大きくなるのを避けられなかった。
【0032】また信号発電機を上記のように構成する代
りに、フライホイールのボス部にリラクタを設けて、フ
ライホイールの内側に配置した信号発電子を該リラクタ
に対向させる場合もあるが、この場合には、フライホイ
ール磁石回転子の磁石界磁から生じる磁束によりノイズ
信号が誘起し、このノイズ信号が誤動作の原因になるお
それがある。更に上記の例に示したように、点火回路と
して、高電圧を誘起するエキサイタコイルを必要とする
コンデンサ放電式の回路が用いられる場合には、エキサ
イタコイル104が大形になるため、フライホイールの
内側に信号発電子を配置するスペースを確保することが
困難になる。
【0033】またフライホイール磁石発電機として、磁
石回転子が固定子の内側で回転する回転子内転形のもの
を用いた場合には、信号発電機のリラクタを磁石回転子
の磁石からかなり離れた箇所に設けることが必要になっ
たり、クランク軸とは別の軸に設けることが必要になっ
たりして面倒であった。
【0034】本発明の目的は、内燃機関に取り付けられ
た磁石発電機の出力を利用して基準位置を検出すること
により、信号発電機を省略することができるようにした
コンデンサ放電式内燃機関用点火装置を提供することに
ある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定子側に少
なくともコンデンサ充電用のエキサイタコイルを有し、
内燃機関の回転に同期して交流電圧を誘起する磁石発電
機と、点火コイルの1次側に設けられた点火エネルギー
蓄積用コンデンサと、エキサイタコイルが正の半サイク
ルの出力電圧を発生する回転角度区間及び負の半サイク
ルの出力電圧を発生する回転角度区間をそれぞれコンデ
ンサの充電区間及び非充電区間として該充電区間におけ
るエキサイタコイルの出力電圧によりコンデンサを充電
するコンデンサ充電回路と、点火信号が与えられたとき
に導通してコンデンサの電荷を点火コイルの1次コイル
に放電させる放電用スイッチと、内燃機関の点火位置の
計測を開始する基準位置で基準信号を発生する基準信号
発生回路と、内燃機関の各回転数における点火位置を演
算する点火位置演算手段と、基準信号が発生したときに
点火位置演算手段により演算された点火位置の計測を開
始して該点火位置の計測が完了したときに演算点火位置
信号を発生する演算点火位置信号発生手段とを備えて、
演算点火位置信号が発生したときに放電用スイッチに点
火信号を与えるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置に
係わるものである。
【0036】本発明においては、上記基準信号発生回路
が、非充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベル
が該出力電圧及び出力周波数の変化に伴って大きさが変
化するスレショールドレベルに一致したことを検出して
基準信号を出力する回路からなり、非充電区間における
磁石発電機の出力電圧のピーク値及び周波数の如何に係
わりなく基準信号が発生する位置を一定とするように、
スレショールドレベルの変化割合が調整されている。
【0037】上記基準信号発生回路は、非充電区間にお
ける磁石発電機の出力電圧及び出力周波数の変化に伴っ
てレベルが変化する参照電圧を発生する参照電圧発生回
路と、非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出
する電圧検出回路と、電圧検出回路の出力電圧のレベル
が参照電圧のレベルに一致したときに基準信号を出力す
る基準信号出力回路とにより構成できる。この場合、非
充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク値及び
周波数の如何に係わりなく基準信号が発生する位置を一
定とするように、参照電圧のレベルの変化割合を調整し
ておく。
【0038】上記参照電圧発生回路は、例えば、非充電
区間における磁石発電機の出力電圧により充電されるコ
ンデンサと該コンデンサに対して並列に接続された放電
用抵抗とにより構成できる。
【0039】また上記基準信号出力回路は、非充電区間
における磁石発電機の出力電圧のレベルがピーク値に向
けて上昇していく過程で前記電圧検出回路の出力電圧の
レベルが参照電圧のレベルに一致したときに動作する基
準信号発生用スイッチを備えた回路により構成できる。
この場合は、基準信号発生用スイッチが動作したときの
該スイッチの両端の電圧の変化を基準信号として用い
る。
【0040】上記基準信号出力回路はまた、非充電区間
における磁石発電機の出力電圧のレベルが参照電圧のレ
ベル以下のときと該参照電圧のレベルを超えているとき
とで異なる状態をとる参照レベル検出用スイッチと、該
非充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベルがピ
ークを過ぎて下降していく過程で電圧検出回路の出力電
圧のレベルが参照電圧のレベル以下になる際の参照レベ
ル検出用スイッチの両端の電圧レベルの変化を検出して
基準信号を出力するレベル変化検出回路とにより構成で
きる。
【0041】上記の点火装置において、エキサイタコイ
ルの正の半サイクルの出力電圧で点火エネルギー蓄積用
コンデンサを充電する充電区間においては、点火エネル
ギー蓄積用コンデンサに流れる充電電流により磁石発電
機に大きな電機子反作用が生じる。そのため、この電機
子反作用により充電区間における磁石発電機の出力電圧
のピーク位置が移動する。またこれに伴って充電区間に
おける半サイクルの出力電圧の立下りと非充電区間にお
ける半サイクルの出力電圧の立上りとの境界位置も移動
する。このように、磁石発電機の充電区間においては、
その出力電圧の波形が機関の回転数の変化に伴う磁石発
電機の出力の変動に伴って変化するため、該充電区間に
おける磁石発電機の出力電圧を利用して一定の基準位置
を検出することは困難である。
【0042】これに対し、点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサの充電を行わない非充電区間においては、点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサの充電電流による電機子反作用
が生じないため、該非充電区間における磁石発電機の出
力電圧の波形は、充電区間における電機子反作用の影響
が消滅するそのピーク付近で無負荷時の波形と一致す
る。従って、非充電区間における磁石発電機の出力電圧
のピーク附近の波形は、機関の回転角度位置と一定の関
係を持つ。
【0043】そこで、本発明のように、非充電区間にお
ける磁石発電機の出力電圧及び出力周波数の変化に伴っ
てレベルが変化する参照電圧を発生する参照電圧発生回
路と、非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出
する電圧検出回路と、該電圧検出回路の出力電圧のレベ
ルが参照電圧のレベルに一致したときに基準信号を出力
する基準信号出力回路とを設けて、参照電圧のレベルの
変化割合を適値に調整しておくと、非充電区間における
磁石発電機の出力電圧のピーク値及び周波数の如何に係
わりなく、発生位置がほぼ一定な基準信号を得ることが
でき、信号発電機を省略することができる。
【0044】なお本発明において、基準信号の発生位置
が、点火位置の計測を開始する基準位置として適当な位
置(最大進角位置または最大進角位置より進んだ位置)
になるように、磁石発電機の回転子と固定子との間の位
置関係を設定しておく必要があるのはもちろんである。
【0045】上記の構成において、定常運転時の点火位
置は演算点火位置信号により決り、この演算点火位置信
号は、マイクロコンピュータを用いて発生させる。磁石
発電機の出力を整流して直流電圧を得る直流電源回路の
出力でマイクロコンピュータを駆動する場合には、機関
の始動時に電源回路の出力が確立するまでの間マイクロ
コンピュータが動作しないため、演算点火位置信号が発
生したときにのみ点火信号が与えられるように構成した
場合には、機関の始動回転数が高くなり、機関の始動性
が悪くなるおそれがある。またマイクロコンピュータが
故障して点火位置の演算を行うことができなくなった場
合には、点火動作が停止して機関を運転することができ
なくなる。特に船外機の場合には、点火動作が停止する
と帰港することができなくなるため、危険である。
【0046】機関の始動性を良好にし、かつマイクロコ
ンピュータが故障した場合にも点火動作を行わせること
ができるようにするため、上記演算点火位置信号と基準
信号とを入力とするオア回路と、導通した際に基準信号
をオア回路から側路するように設けられたマスク用スイ
ッチと、内燃機関の回転数が設定値以上になっている領
域でマスク用スイッチをトリガして導通させるマスク用
スイッチトリガ手段とを更に設けて、オア回路の出力を
点火信号として放電用スイッチに与えるようにするのが
好ましい。
【0047】このように構成すると、基準信号検出回路
が基準信号を発生したときに、放電用スイッチに点火信
号が与えられるので、マイクロコンピュータが動作を開
始できない機関の低回転時においても、点火動作を行わ
せることができ、機関の始動性を良好にすることができ
る。またマイクロコンピュータが故障した場合にも、基
準信号により点火信号を与えることができるため、機関
の運転を継続することができる。
【0048】上記のように、機関の低回転時に基準信号
の発生位置で点火信号を与えるようにすると、機関の始
動時の点火位置が進角した位置になるため、機関によっ
てはいわゆるケッチン(点火が早すぎるために機関のシ
リンダが押し戻される現象)が生じるおそれがある。こ
れを防止するためには、低回転時の点火位置を基準信号
の発生位置よりも遅らせることが好ましい。
【0049】そのためには、非充電区間における磁石発
電機の出力電圧がピークに向って上昇していく過程で電
圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに一
致したときに基準信号を発生させるとともに、非充電区
間における磁石発電機の出力電圧のピーク位置を検出し
てピーク検出信号を出力するピーク検出回路と、演算点
火位置信号とピーク検出信号とを入力とするオア回路
と、導通した際にピーク検出信号をオア回路から側路す
るように設けられたマスク用スイッチと、内燃機関の回
転数が設定値以上になっている領域でマスク用スイッチ
をトリガして導通させるマスク用スイッチトリガ手段と
を更に設けて、オア回路の出力を点火信号として放電用
スイッチに与えるようにするのが好ましい。
【0050】この場合、非充電区間における磁石発電機
の出力電圧のピーク位置が、機関の始動時にその位置で
点火動作を行なわせた場合にケッチンを生じさせないよ
うな位置に設定するのが好ましい。またこのピーク位置
は、その位置に点火動作を固定した状態で機関を運転で
きるような位置であることが好ましい。
【0051】このように構成すると、マイクロコンピュ
ータが点火位置の演算を行うことができない場合に、基
準位置よりも遅角した位置(非充電区間における出力電
圧のピーク位置)で点火信号を与えることができるた
め、機関の始動時にケッチンが生じるのを防ぐことがで
きる。
【0052】上記ピーク検出回路は、例えば、ピーク検
出用コンデンサと、エキサイタコイルの負の半サイクル
の出力で該ピーク検出用コンデンサを通してベース電流
が与えられて導通する第1のピーク検出用トランジスタ
と、第1のピーク検出用トランジスタが導通状態にある
ときに遮断状態を保持し、第1のピーク検出用トランジ
スタが遮断状態になったときに導通状態になって固定点
火位置信号を出力する第2のピーク検出用トランジスタ
とにより構成できる。
【0053】本発明においてはまた、非充電区間におけ
る磁石発電機の出力電圧及び出力周波数の変化に伴って
レベルが変化する参照電圧を発生する参照電圧発生回路
と、非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出す
る電圧検出回路と、非充電区間における磁石発電機の出
力電圧のレベルがピーク値に向けて上昇する過程で電圧
検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに一致
したときに基準信号を発生し、非充電区間における磁石
発電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎて下降してい
く過程で参照電圧のレベルに一致したときに固定点火位
置信号を発生する基準信号・固定点火位置信号発生回路
と、演算点火位置信号と固定点火位置信号とを入力とし
て、両点火位置信号のいずれかが入力されたときに放電
用スイッチに点火信号を与えるオア回路とを設けること
もできる。この場合も、非充電区間における磁石発電機
の出力電圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく基
準信号が発生する位置を一定とするように、参照電圧の
レベルの変化割合を調整しておくのはもちろんである。
【0054】このように構成した場合にも、マイクロコ
ンピュータが点火位置の演算を行うことができない場合
に、基準位置よりも遅角した固定点火位置で点火信号を
与えることができるため、機関の始動時にケッチンが生
じるのを防ぐことができる。本発明に係わる点火装置に
おいて、放電用スイッチとしては、通常サイリスタが用
いられるが、トランジスタやFET等の他のスイッチが
用いられる場合もある。
【0055】なお一般に、「最小進角位置」は、内燃機
関が決まればほぼ一定の位置に決まるが、「最大進角位
置」は、必要とされる機関の特性や機関の用途などによ
り変更されるものであり、マイクロコンピュータにより
点火位置を制御する場合には、「最大進角位置」をソフ
トウェア上で適宜に変更し得るようになっている。
【0056】
【作用】上記のように、点火エネルギー蓄積用コンデン
サの充電を行わない非充電区間における磁石発電機の出
力電圧及び出力周波数の変化に伴ってレベルが変化する
参照電圧を発生する参照電圧発生回路と、非充電区間に
おける磁石発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路
と、該電圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレ
ベルに一致したときに基準信号を出力する基準信号出力
回路とを設けて、非充電区間における磁石発電機の出力
電圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく基準信号
が発生する位置を一定とするように参照電圧のレベルの
変化割合を調整しておくと、磁石発電機の出力波形を利
用して基準位置を検出できるため、信号発電機を省略し
て磁石発電機の構造を簡単にすることができ、装置の小
形化と、コストの低減とを図ることができる。
【0057】また上記のように、基準信号と演算点火位
置信号とをオア回路を通して放電用スイッチに与えるよ
うにすると、マイクロコンピュータが動作できない状態
にある場合にも、点火動作を行わせることができる。
【0058】更に、非充電区間における磁石発電機の出
力電圧のレベルがピークに向かって上昇していく過程で
電圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに
一致したときに基準信号を発生させ、該磁石発電機の出
力がピークに達したときに放電用スイッチに点火信号を
与えるようにするか、または、非充電区間における磁石
発電機の出力電圧のレベルがピークに向かって上昇して
いく過程で電圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧
のレベルに一致したときに基準信号を発生させ、該磁石
発電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎて下降してい
く過程で参照電圧のレベルに一致したときに放電用スイ
ッチに点火信号を与えるようにすると、マイクロコンピ
ュータが動作できない状態にある場合に点火動作を行わ
せることができるだけでなく、マイクロコンピュータが
動作できない状態での点火位置を遅角させることができ
るため、機関の始動時にケッチン現象が生じるのを防ぐ
ことができる。
【0059】
【実施例】本発明においては、点火エネルギー蓄積用コ
ンデンサの充電が行われない非充電区間における磁石発
電機の出力電圧が、該磁石発電機の出力電圧及び出力周
波数に応じて大きさが変化するスレショールドレベルに
一致したことを検出して基準信号を出力する回路により
基準信号発生回路を構成して、この回路から得た基準信
号の発生位置で演算された点火位置の計測を開始させる
ことを基本とする。ここでスレショールドレベルの変化
割合は、磁石発電機の出力電圧及び出力周波数の如何に
係わりなく、基準信号の発生位置を一定とするように調
整しておく。このような基準信号発生回路を用いること
により、信号発電機を省略することができ、点火装置の
機械的な構成を簡単にすることができる。以下、具体的
な実施例により本発明を詳細に説明する。
【0060】図1の実施例 図1は図13に示した形式の点火装置に本発明を適用し
た実施例を示したもので、同図において、図13に示し
た従来の点火装置の各部と同等の部分にはそれぞれ同一
の符号を付してある。
【0061】図1の実施例では、外周部に180度間隔
で2個の磁極N,Sが形成された2極の内回転形の磁石
回転子1Aと、磁石回転子1Aの磁極に対向する磁極部
103a,103bを両端に有する鉄心103にエキサ
イタコイル104を巻回してなる固定子1Bとにより磁
石発電機1が構成されている。磁石回転子1Aは図示し
ない内燃機関の出力軸に取り付けられており、エキサイ
タコイル104には、機関の回転に同期して1回転当り
1サイクルの交流電圧が誘起する。
【0062】エキサイタコイル104の一端は点火回路
3のダイオードD1 のアノードに接続され、エキサイタ
コイル104の他端と接地間に抵抗R11及びR12の直列
回路からなる分圧回路が接続されている。エキサイタコ
イル104の一端と接地間及びエキサイタコイル104
の他端と接地間にそれぞれアノードを接地側に向けたダ
イオードD5 及びD6 が接続されている。
【0063】エキサイタコイル104の一端と接地間に
はまた、抵抗R10を通して直流電源回路10が接続され
ている。この電源回路は、エキサイタコイル104の一
端に抵抗R10を通してアノードが接続されたダイオード
D7 と、ダイオードD7 のカソードと接地間に接続され
た電源コンデンサC2 と、コンデンサC2 の両端に接続
されたツェナーダイオードZDとからなっている。電源
コンデンサC2 は、エキサイタコイル104が図示の実
線矢印方向の正の半サイクルの出力電圧を誘起したとき
に抵抗R10とダイオードD7 とを通して充電される。コ
ンデンサC2 の両端の電圧はツェナーダイオードZDの
ツェナー電圧により制限される。コンデンサC2 の両端
に得られる直流電圧Eが各部の直流電源電圧として用い
られる。エキサイタコイル104から電源回路10に流
れる電流を、点火エネルギー蓄積用コンデンサの充電に
支障をきたさない大きさに制限するように抵抗R10の抵
抗値を充分大きく設定しておく。
【0064】分圧回路を構成する抵抗R11及びR12の接
続点(分圧回路の出力端子)にはダイオードD8 のアノ
ードが接続され、該ダイオードD8 のカソードにコンデ
ンサC3 と放電用抵抗R13との並列回路からなる参照電
圧発生回路11の一端が接続されている。参照電圧発生
回路11の他端はエミッタが接地されたNPNトランジ
スタTr4のベースに抵抗R14を通して接続され、トラン
ジスタTr4のベースエミッタ間には抵抗R15が接続され
ている。
【0065】この例では、抵抗R11及びR12からなる分
圧回路とダイオードD5 及びD8 とにより、非充電区間
における磁石発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路
20が構成されている。またトランジスタTr4と抵抗R
14及びR15とにより、基準信号発生用スイッチが構成さ
れ、この基準信号発生用スイッチにより、基準信号出力
回路12が構成されている。更に上記電圧検出回路20
と、参照電圧発生回路11と基準信号出力回路12とに
より基準信号発生回路13が構成され、この基準信号発
生回路から得られる基準信号Vd は、マイクロコンピュ
ータ4に割り込み信号INとして与えられるとともに、
トランジスタTr1と抵抗R1a,R1b及びR2 とからなる
インバータ(反転回路)7を通してオア回路8に固定点
火位置信号(演算によらずに常に一定の回転角度位置で
発生する点火位置信号)として入力されている。
【0066】インバータ7のトランジスタTr1のエミッ
タは電源回路10の出力端子に接続され、基準信号発生
回路のトランジスタTr4が導通したときにトランジスタ
Tr1が導通して、電源回路10からトランジスタTr1を
通してオア回路8のダイオードD3 のアノードに固定点
火位置信号が与えられるようになっている。
【0067】またオア回路のダイオードD3 のアノード
に、マスク用スイッチを構成するNPNトランジスタT
r5のコレクタが接続され、該トランジスタTr5のエミッ
タは接地されている。トランジスタTr5のベースは抵抗
R16を通してマイクロコンピュータ4の所定の出力ポー
トに接続されている。この実施例では、マスク用スイッ
チを構成するトランジスタTr5と抵抗R16とにより、固
定点火位置信号マスク回路14が構成されている。
【0068】また本実施例においては、マイクロコンピ
ュータ4の出力ポートAとオア回路8との間に設けられ
る演算点火位置信号供給回路9の抵抗R3 とトランジス
タTr3のベースとの間にコンデンサC4 が挿入され、ト
ランジスタTr3のベースと接地間にアノードを接地側に
向けたダイオードD10が接続されている。コンデンサC
4 は微分要素として働き、トランジスタTr2を通して点
火回路3に供給される演算点火位置信号をパルス波形と
する。
【0069】マイクロコンピュータ4の構成は図13に
示した例と同様であり、CPU4a、割り込み制御回路
4b、ランダムアクセスメモリ(RAM)4c、リード
オンリーメモリ(ROM)4d、カウンタ4e、コンパ
レータ4f、レジスタ4g、ラッチ回路4h、エッジ検
出回路4i及びフリップフロップ回路4jを備えてい
る。マイクロコンピュータ4は、電源回路10により電
源電圧が与えられて動作する。このように、磁石発電機
を電源とする電源回路によりマイクロコンピュータを駆
動するようにすると、バッテリを搭載しない乗り物に用
いる内燃機関の点火装置をマイクロコンピュータを用い
て精密に制御することができる。
【0070】上記の実施例において、機関のクランク軸
が回転すると、エキサイタコイル104は充電区間にお
いて図示の実線矢印方向の正の半サイクルの出力電圧を
発生し、非充電区間において図示の破線矢印方向の負の
半サイクルの出力電圧を発生する。エキサイタコイル1
04が正の半サイクルの出力電圧を発生すると、ダイオ
ードD1 とD2 とを通して点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサC1 が充電される。
【0071】図1の実施例において、ダイオードD1 の
アノードと接地間の電圧Va の無負荷時の波形を回転角
θに対して示すと図9(A)に示すようになり、点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサC1 の両端の電圧Vg の波形
は図9(G)に示すようになる。
【0072】コンデンサC1 が充電された後、放電用サ
イリスタTh1のゲートに点火信号Vi が与えられると該
サイリスタTh1が導通してコンデンサC1 を点火コイル
IGの1次コイルに放電させ、点火動作を行わせる。
【0073】コンデンサC1 の充電が行われない非充電
区間においてエキサイタコイル104が負の半サイクル
の出力電圧を発生すると、抵抗R11及びR12からなる分
圧回路の分圧点に図9(B)に示すような出力電圧Vb
が得られる。この電圧Vb は非充電区間における磁石発
電機の出力電圧を検出する電圧検出回路20の出力電圧
としてダイオードD8 を通して参照電圧発生回路11に
与えられ、該電圧Vbにより参照電圧発生回路11のコ
ンデンサC3 が充電される。コンデンサC3 の電荷は抵
抗R13を通して一定の時定数で放電する。コンデンサC
3 の両端の電圧のレベルは、磁石発電機の出力周波数が
高くなるに従って(機関の回転数が高くなるに従っ
て)、また磁石発電機の出力電圧が高くなるに従って上
昇していく。本実施例では、コンデンサC3 の両端の電
圧を参照電圧Vr として用いる。この参照電圧Vr の変
化割合は、抵抗R13の抵抗値とコンデンサC3 の静電容
量とにより適宜に調整できる。
【0074】非充電区間における磁石発電機の出力電圧
(この例ではエキサイタコイル104の負の半サイクル
の出力電圧)の検出値Vb がコンデンサC3 の両端に得
られる参照電圧Vr 以下になっている状態では、トラン
ジスタTr4にベース電流が流れることができず、トラン
ジスタTr4が遮断状態にあるため、該トランジスタTr4
のコレクタの電位は高レベルに保たれている。エキサイ
タコイルの負の半サイクルの出力電圧がピーク値に向っ
て上昇していく過程で、電圧検出回路の出力電圧Vb が
角度θs1の位置でコンデンサC3 の両端の電圧(参照電
圧)Vr に一致すると、トランジスタTr4にベース電流
が流れて該トランジスタが導通するため、トランジスタ
Tr4のコレクタの電位が高レベルから低レベル(ほぼ接
地電位のレベル)へと変化する。また、エキサイタコイ
ルの負の半サイクルの出力電圧のレベルがピーク値を超
えて下降していく過程で、角度θs2の位置で電圧Vb が
参照電圧Vr に一致すると、トランジスタTr4が遮断状
態になる。従ってトランジスタTr4のコレクタの電位
は、回転角度θに対して図9(D)に示したように変化
する。
【0075】なお厳密にいえば、電圧Vb が上昇してい
く過程で実際にトランジスタTr4が導通するのは、電圧
Vb が参照電圧Vr を超えたときであるが、トランジス
タTr4は電圧Vb が参照電圧Vf を僅かでも超えれば導
通するので、トランジスタTr4が導通する位置は、電圧
Vb が参照電圧Vf に一致した位置と見做すことができ
る。同様に、電圧Vb がピークから下降していく際にト
ランジスタTr4が遮断する位置も、電圧Vb が参照電圧
Vf に一致した位置と見做すことができる。
【0076】参照電圧発生回路11の抵抗R13の抵抗値
とコンデンサC3 の静電容量とを適当に調整して、エキ
サイタコイルの負の半サイクルの出力電圧及び出力周波
数の変化に対する参照電圧Vr の変化割合を適値に調整
しておくと、エキサイタコイルの負の半サイクルの出力
電圧のレベルがピーク値に向って上昇していく過程で電
圧検出回路の出力電圧Vb のレベルが参照電圧Vr のレ
ベルに一致する位置θs1をほぼ一定にすることができ、
またエキサイタコイルの負の半サイクルの出力電圧のレ
ベルがピークを過ぎて下降していく過程で電圧Vb のレ
ベルが参照電圧Vr のレベルに一致する位置θs2をほぼ
一定にすることができる。
【0077】本発明においては、このように非充電区間
における磁石発電機の出力電圧の検出値Vb が参照電圧
Vr のレベルに一致する位置(θs1またはθs2)を一定
とするように、参照電圧Vr の変化割合を調整して、こ
れら一定の位置θs1またはθs2を基準位置として用い
る。これらいずれの位置を基準位置としてもよいが、本
実施例では、エキサイタコイルの負の半サイクルの出力
電圧のレベルがピーク値に向けて上昇していく過程で参
照電圧のレベルに一致する位置θs1を基準位置として用
いている。
【0078】本実施例で用いているマイクロコンピュー
タは、入力ポートの電位の低下(負論理信号)を信号と
して認識するように構成されているため、本実施例で
は、基準位置θs1において生じるトランジスタTr4のコ
レクタの電位の低下を直接外部割り込み信号INとして
マイクロコンピュータの割り込み制御回路4b及びエッ
ジ検出回路4iに入力している。
【0079】なお本実施例においては、マイクロコンピ
ュータを駆動するために必要な電源電圧よりも十分に低
い電源電圧で基準信号発生回路の動作を可能とするよう
に、トランジスタTr4として十分に感度が高いものを用
いている。
【0080】割り込み制御回路4bに割り込み信号IN
が与えられると、フリップフロップ回路4jがリセット
されて、その正論理出力端子Qの出力が「0」になり、
マイクロコンピュータの出力ポートAの電位が「0」の
状態になる。また割り込み信号INが発生すると、エッ
ジ検出回路4iがその立ち下がりを検出してラッチ回路
4hを動作させる。ラッチ回路4hは、割り込み信号I
Nが発生したときのカウンタ4eの計数値をラッチす
る。割り込み制御回路4bは、ラッチ回路4hによりカ
ウンタ4eの計数値をラッチするとともに、カウンタ4
eをクリアする。カウンタ4eの計数値をラッチした後
すぐに該カウンタをクリアするため、ラッチした計数値
は機関が1回転するのに要した時間に相当している。こ
の計数値そのものまたは該計数値から演算した回転数
を、機関の回転数Ne を示すデータとして用いる。
【0081】マイクロコンピュータのROM4d内には
所定のプログラムと点火位置の演算に用いるマップとが
記憶されていて、該プログラムにより図10に示すメイ
ンルーチン及び図11に示す割り込みルーチンが行われ
る。
【0082】図10に示すメインルーチンでは、電源が
確立したときに先ず各部の初期化を行い、その後各回転
数Ne における点火位置θigを演算して、演算した点火
位置θigをレジスタに記憶させる過程を繰り返す。この
点火位置の演算はROMに記憶されたマップを用いて補
間法により行われる。この点火位置を演算する過程によ
り、点火位置演算手段が実現される。
【0083】割り込み制御回路4bに割り込み信号IN
が与えられると、図11に示す割り込み処理が行われ
て、ラッチ回路4hによりラッチされたカウンタの計数
値(機関が1回転するのに要した時間)から機関の回転
数Ne が演算される。演算された回転数Ne はRAM4
cに記憶され、その後メインルーチンに復帰する。RA
Mに記憶された回転数Neが点火位置の演算に用いられ
る。
【0084】またコンパレータ4fは常時カウンタ4e
の計数値(基準位置が検出された時刻からの経過時間)
とレジスタ4gの内容とを比較しており、点火位置θig
でカウンタの計数値がレジスタの内容に一致したとき
に、コンパレータ4fがフリップフロップ回路4jのセ
ット端子Sにセット信号を与える。
【0085】フリップフロップ回路4jにセット信号が
与えられると、図9(E)に示すように、マイクロコン
ピュータ4の出力ポートAの信号Ve が「0」から
「1」の状態に変化する。これにより抵抗R3 とコンデ
ンサC4 とを通して短時間の間トランジスタTr3にベー
ス電流が与えられて、該トランジスタTr3が瞬時的に導
通するため、トランジスタTr2が導通し、図9(F)に
示すように、電源回路10からトランジスタTr2を通し
てオア回路8にパルス波形の演算点火位置信号Vfが与
えられる。従って点火位置θigで点火回路3の放電用サ
イリスタTh1に点火信号Vi が与えられ、点火動作が行
われる。
【0086】機関の回転速度が低く、電源回路10の出
力電圧が確立しない間はマイクロコンピュータ4が動作
せず、演算点火位置信号は発生しない。この状態では、
基準信号発生回路13のトランジスタTr4(基準信号発
生用スイッチ)が導通して(基準信号が発生して)イン
バータ7のトランジスタTr1が導通したときに、オア回
路8に固定点火位置信号が与えられ、該オア回路8を通
して放電用サイリスタTh1に点火信号Vi が与えられ
る。従って、マイクロコンピュータが動作できない機関
の低回転時には、基準信号の発生位置で点火動作が行わ
れる。
【0087】本実施例では、マイクロコンピュータを動
作させるプログラム中に、内燃機関の回転数が設定値以
上になっているときにマスク用スイッチを構成するトラ
ンジスタTr5をトリガして導通させるマスク用スイッチ
トリガ手段を実現するためのプログラムが含まれてい
る。この内燃機関の回転数の設定値は例えば2000
[rpm ]に設定される。機関の回転数が設定値以上にな
っている状態では、マスク用スイッチを構成する。トラ
ンジスタTr5が導通して、基準信号発生回路13からオ
ア回路8に与えられる固定点火位置信号を側路し、該固
定点火位置信号により点火信号が与えられるのを阻止す
る。従って機関の回転数が設定値以上になっている状態
では、マイクロコンピュータにより演算された点火位置
で点火信号が与えられる。また機関の回転数が設定値未
満になっている状態でも、演算点火位置信号の発生位置
が固定点火位置信号(この実施例では基準信号)の発生
位置よりも進んでいる場合には、演算点火位置信号の発
生位置で点火動作が行われる。更に、マイクロコンピュ
ータ4が破損して動作しなくなった場合には、固定点火
位置信号マスク回路14が働かないため、機関の回転数
が設定値を超えた状態でも、基準信号の発生位置で点火
回路3に点火信号が与えられる。従ってマイクロコンピ
ュータが故障した状態でも機関を運転することができ
る。
【0088】本実施例では、演算点火位置信号供給回路
9のトランジスタTr3のベース回路にコンデンサC4 が
挿入されて微分回路が構成されているため、フリップフ
ロップ回路4jの出力が「1」の状態になったときに、
オア回路8にパルス状の信号しか与えられない。従って
フリップフロップ回路4jのリセットは、次の基準信号
が発生するまでの間の任意の位置で行えばよい。この実
施例では、フリップフロップ回路4jのリセットを外部
割り込み信号INにより行っているが、該フリップフロ
ップ回路のリセットをソフトウェアにより適宜の位置で
行うようにしてもよい。
【0089】磁石発電機の出力電圧波形を利用して基準
信号を得るために、エキサイタコイルの正の半サイクル
の出力の立下りと負の半サイクルの出力の立上りとの境
界位置を検出することも考えられるが、このように構成
した場合には、以下に示すように基準位置を一定とする
ことができない。
【0090】図7(A)はエキサイタコイル104に鎖
交する磁束φの波形を回転角度θに対して示したもの
で、この磁束変化によりエキサイタコイル104に誘起
する無負荷電圧の波形は、同図(B)に実線で示すよう
になる。エキサイタコイルの104の正の半サイクルで
点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電すると、その充
電電流により電機子反作用が生じるため、エキサイタコ
イルの出力電圧の波形は図7(B)に破線で示したよう
になり、そのピークと、正の半サイクルの立下りと負の
半サイクルの立上りとの境界位置とが遅れる。回転数の
上昇に伴ってエキサイタコイルの出力電圧が高くなって
いき、点火エネルギー蓄積用コンデンサの充電電流が増
大していくと、電機子反作用が増大していくため、エキ
サイタコイルの正の半サイクルの出力電圧のピーク及び
正の半サイクルの立下りと負の半サイクルの立上りとの
境界位置の遅れは、回転数の上昇に伴って大きくなって
いく。従って、エキサイタコイルの正の半サイクルの出
力のピーク位置や正の半サイクルの立下りと負の半サイ
クルの立上りとの境界位置を基準位置として用いること
はできない。
【0091】またエキサイタコイル104の正の半サイ
クルの出力電圧が所定のスレショールドレベルに達する
位置を基準位置とすることも考えらるが、エキサイタコ
イルの正の半サイクルの出力電圧の立上がりは電機子反
作用の増大に伴って遅れていくため、このように構成し
た場合にも、基準位置を一定とすることができない。図
8の曲線イは、エキサイタコイル104の正の半サイク
ルの立下りと負の半サイクルの立上りとの境界位置を基
準位置とした場合の、基準位置の回転数Nに対する変化
を示している。
【0092】これに対し、エキサイタコイルの負の半サ
イクルでは、点火エネルギー蓄積用コンデンサの充電が
行われないため、該負の半サイクルにおけるエキサイタ
コイルの負荷をできるだけ小さくしておくと、エキサイ
タコイル104の負の半サイクルの出力電圧の波形は、
該出力電圧のレベルがピーク値に向って上昇していく過
程で無負荷時の波形に一致する。従って、参照電圧Vr
のレベルの変化割合を適当に設定して、エキサイタコイ
ルの負の半サイクルの出力電圧のレベルが所定のスレシ
ョールドレベル(エキサイタコイルの出力電圧及び出力
周波数に応じて変化する)に一致する位置を基準位置と
すると、該基準位置は図8に破線で示した直線ロのよう
に、回転数Nの如何にかかわりなくほぼ一定となる。
【0093】図2の実施例 上記の実施例では、基準信号をインバータ7により反転
させることにより得た固定点火位置信号をオア回路に入
力することにより、マイクロコンピュータが動作できな
いときの点火信号を得るようにしているが、この場合基
準信号は最大進角位置で発生させる必要があるため、基
準信号により固定点火位置信号を与えるようにすると、
機関の始動時にケッチンを生じるおそれがある。図2
は、機関の始動時にケッチンが生じるのを防止した実施
例を示したもので、この実施例では、エキサイタコイル
の負の半サイクルの出力電圧(非充電区間における出力
電圧)のピーク位置を検出してピーク検出信号を出力す
るピーク検出回路15と、ピーク検出信号が発生したと
きにフリップフロップ回路4jをリセットするための割
り込み信号を出力する割り込み信号出力回路16とが設
けられている。
【0094】ピーク検出回路15は、第1及び第2のピ
ーク検出用トランジスタTr6及びTr7と、ピーク検出用
コンデンサC5 と、ダイオードD11及びD12と、抵抗R
17及びR18とからなり、割り込み信号出力回路16は、
トランジスタTr8と、抵抗R19及びR20とからなってい
る。
【0095】更に詳細に説明すると、抵抗R11及びR12
の接続点にトランジスタTr6のエミッタ及びトランジス
タTr7のエミッタが共通接続され、トランジスタTr6の
エミッタベース間にダイオードD11が接続されている。
トランジスタTr6のベース接地間にコンデンサC5 が接
続され、該トランジスタTr6のコレクタ接地間には抵抗
R17が接続されている。またトランジスタTr6のコレク
タにダイオードD12を通してトランジスタTr7のベース
が接続され、トランジスタTr7のコレクタに抵抗R18の
一端が接続されている。抵抗R18の他端はエミッタを接
地したトランジスタTr8のベースに接続され、トランジ
スタTr8のベース接地間に抵抗R20が接続されている。
トランジスタTr8のコレクタは抵抗R19を通して電源回
路(図2には図示せず。)の出力端子に接続されるとと
もに、マイクロコンピュータ4の所定の入力ポートを通
して割り込み制御回路4bの入力端子に接続されてい
る。ピーク検出回路15の第2のピーク検出用トランジ
スタTr7のコレクタは抵抗R21を通してオア回路8のダ
イオードD3 のアノードに接続されている。
【0096】またこの実施例においても、図1の実施例
で用いたものと同様な参照電圧発生回路11と基準信号
出力回路12とからなる基準信号発生回路13が設けら
れ、基準信号出力回路12のトランジスタTr4のコレク
タがマイクロコンピュータの所定の入力ポートを通して
割り込み制御回路4bの入力端子に接続されている。そ
の他の点は図1の実施例と同様であり、図示してない
が、電源回路としては図1に示したものと同様のものが
用いられている。
【0097】図2の実施例において、エキサイタコイル
104が負の半サイクルの出力電圧を発生すると、抵抗
R11及びR12からなる分圧回路の分圧点に電圧Vb が現
れ、第1のピーク検出用トランジスタTr6のエミッタ及
びベースとピーク検出用コンデンサC5 とを通して電流
が流れる。この電流が流れている間トランジスタTr6が
導通し、トランジスタTr6が導通している間はトランジ
スタTr7が遮断状態に保持される。エキサイタコイル1
04の負の半サイクルの出力電圧がピークに達すると、
コンデンサC5 の充電が完了し、トランジスタTr6にベ
ース電流が流れなくなるため、トランジスタTr6が遮断
状態になり、トランジスタTr7が導通する。そのため、
エキサイタコイル104からトランジスタTr7を通して
ピーク検出信号が出力され、このピーク検出信号が固定
点火位置信号としてオア回路7のダイオードD3 に入力
される。したがってこの実施例では、マイクロコンピュ
ータが動作できない状態にあるときに、ピーク検出回路
15から得られるピーク検出信号により、放電用サイリ
スタTh1に点火信号が与えられる。
【0098】またエキサイタコイルの負の半サイクルの
出力電圧のピーク位置でトランジスタTr7が導通する
と、割込み信号出力回路16のトランジスタTr8が導通
してそのコレクタの電位が低下するため、マイクロコン
ピュータの割込み制御回路4bに割込み信号IN2 が与
えられる。この割込み信号により、フリップフロップ回
路4jがリセットされる。
【0099】また図1の実施例と同様に、エキサイタコ
イルの負の半サイクルの出力電圧のレベルが上昇してい
く過程で、電圧検出回路20の出力電圧Vb のレベルが
参照電圧Vr のレベルに一致したときにトランジスタT
r4が導通してそのコレクタの電位が低下する。このトラ
ンジスタTr4のコレクタの電位の低下(基準信号)が外
部割込み信号IN1 としてマイクロコンピュータに与え
られる。
【0100】図2の実施例の全体的な動作は、基準信号
の発生のさせ方及び、マイクロコンピュータが動作でき
ない状態での点火信号の発生のさせ方が異なる点を除
き、図13に示した従来の装置の動作と同様である。
【0101】図2の実施例のように構成すると、マイク
ロコンピュータが動作できないときに、基準信号の発生
位置よりも遅れた、エキサイタコイル104の負の半サ
イクルの出力電圧のピーク位置で点火信号を与えること
ができるため、エキサイタコイルの負の半サイクルの出
力電圧のピーク位置を機関の始動時にケッチンを生じさ
せない位置に設定しておくことにより、ケッチンを生じ
させることなく機関の始動を行なわせることができる。
【0102】図3の実施例 図3は本発明の更に他の実施例を示したもので、この実
施例では、図1の実施例で用いたものと同様な基準信号
出力回路12のトランジスタTr4のコレクタに得られる
信号がインバータ17により反転されてマイクロコンピ
ュータ4の割込み制御回路4bに外部割込み信号IN2
として与えられている。またトランジスタTr4のコレク
タの電位の変化がコンデンサC6 と抵抗R22とにより構
成された微分回路からなるレベル変化検出回路18に入
力され、レベル変化検出回路18の出力が固定点火位置
信号としてオア回路8に入力されている。その他の点は
図2の実施例と同様である。
【0103】図3の実施例では、基準信号発生回路13
と、インバータ17と、レベル変化検出回路18とによ
り、非充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベル
がピーク値に向けて上昇する過程で電圧検出回路20の
出力電圧Vb のレベルが参照電圧Vr のレベルに一致し
たときに基準信号を発生し、非充電区間における磁石発
電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎて下降していく
過程で電圧検出回路の出力電圧が参照電圧のレベルに一
致したときに固定点火位置信号を発生する基準信号・固
定点火位置信号発生回路が構成されている。
【0104】図3の実施例では、エキサイタコイル10
4の負の半サイクルの出力電圧がピーク値に向って上昇
していく過程で電圧検出回路20の出力電圧Vb のレベ
ルが参照電圧Vr のレベルに一致するとトランジスタT
r4が導通してそのコレクタの電位が低下するため、マイ
クロコンピュータ4に外部割込み信号IN1 が与えられ
る。
【0105】またエキサイタコイルの負の半サイクルの
出力電圧のレベルがピークを過ぎて下降していく過程で
電圧検出回路20の出力電圧Vb のレベルが参照電圧V
r のレベルに一致し、トランジスタTr4が遮断状態にな
ると、そのコレクタの電位が低レベルから高レベルへと
変化するため、インバータ17の出力電圧のレベルが
「1」の状態から「0」の状態に低下し、マイクロコン
ピュータ4に割込み信号IN2 が与えられる。またトラ
ンジスタTr4が遮断状態になる際のレベルの変化(低レ
ベルから高レベルへの変化)がレベル変化検出回路18
により検出されて、該検出回路18からパルス信号が発
生し、このパルス信号が固定点火位置信号としてオア回
路8に入力される。
【0106】即ち、図3の実施例では、エキサイタコイ
ルの負の半サイクルの出力電圧がピーク値に向けて上昇
していく過程で電圧検出回路20の出力電圧Vb が参照
電圧Vr のレベルに一致したときに基準信号が発生し、
エキサイタコイルの負の半サイクルの出力電圧のレベル
がピークを過ぎて下降していく過程で電圧検出回路の出
力電圧のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに固
定点火位置信号が発生する。またこの固定点火位置信号
の発生位置でマイクロコンピュータに割込み信号IN2
が与えられてフリップフロップ回路4jがリセットされ
る。
【0107】図3の実施例においても、エキサイタコイ
ルの負の半サイクルの出力電圧のレベルがピークを過ぎ
て下降していく過程で参照電圧のレベルに一致する位置
(固定点火位置信号の発生位置)を、機関の始動時にそ
の位置で点火動作を行わせた場合にケッチンを生じさせ
ない位置に設定しておくことにより、ケッチンを生じさ
せることなく、機関の始動を行わせることができる。
【0108】図4の実施例 図4は図3の実施例の変形例を示したもので、この例で
は、演算点火位置信号供給回路9が図1の実施例と同様
に構成されている。この場合には、演算点火位置信号が
パルス波形となるため、フリップフロップ回路4jのリ
セットを次の割込み信号INが入力される基準位置まで
遅らせることができる。フリップフロップ回路4jのリ
セットは割込み信号INが与えられたときに行ってもよ
く、マイクロコンピュータを動作させるソフトウェアに
より、割込み信号INが与えられる前に行ってもよい。
【0109】上記の各実施例では、参照電圧発生回路
を、基準信号出力用のスイッチ(上記の実施例ではトラ
ンジスタTr4)のトリガ信号入力端子に対して直列に接
続して、エキサイタコイルの負の半サイクルの出力電圧
が所定のスレショールドレベルに一致したとき(電圧検
出回路の出力電圧が参照電圧に一致したとき)に基準信
号を発生させるようにしているが、本発明で用いる基準
信号発生回路は、非充電区間で生じる磁石発電機の出力
電圧の検出値を参照電圧と比較して、該出力電圧の検出
値が参照電圧に一致したときに信号を発生する回路であ
ればよく、必ずしも上記の実施例に限定されない。
【0110】図5の実施例 図5は、基準信号発生回路の構成を異ならせた本発明の
更に他の実施例を示したもので、この実施例では、エキ
サイタコイルの負の半サイクルの出力電圧を抵抗R11及
びR12からなる分圧回路により分圧して得た電圧(電圧
検出回路の出力電圧)Vb によりダイオードD8 と抵抗
R23とを通して充電されるコンデンサC3 と、該コンデ
ンサC3 の両端に接続された抵抗R13とにより参照電圧
発生回路11が構成され、コンデンサC3 の両端に得ら
れる参照電圧Vr が、比較器CPの非反転入力端子に入
力されている。比較器CPの反転入力端子には、電圧検
出回路20の出力電圧Vb が入力され、比較器CPの出
力端子は抵抗R24を通して電源回路10の出力端子に接
続されている。この例では、比較器CPにより基準信号
出力回路12が構成され、該基準信号出力回路12と参
照電圧発生回路11とにより基準信号発生回路13が構
成されている。
【0111】比較器CPの出力端子に得られる信号はマ
イクロコンピュータ4の割込み信号入力用ポートに入力
されるとともに、インバータ7´を通してオア回路8に
入力されている。その他の点は図1の実施例と同様であ
る。
【0112】図5に示した実施例では、コンデンサC3
の両端に得られる参照電圧Vr のレベルが、エキサイタ
コイルの負の半サイクルの出力電圧のピーク値の変化及
び周波数変化に伴って変化する。エキサイタコイルの負
の半サイクルの出力電圧がピーク値に向けて上昇してい
く過程で、電圧検出回路20の出力電圧Vb のレベルが
参照電圧Vr のレベルに一致すると、比較器CPの出力
端子の電位が低レベルに立ち下がる。この電位の低下が
割込み信号IN(基準信号)としてマイクロコンピュー
タに与えられる。また比較器CPの出力端子の電位の低
下がインバータ7´により反転されて、固定点火位置信
号としてオア回路8に与えられる。その他の点は図1の
実施例と同様である。
【0113】上記の各実施例では、エキサイタコイルの
負の半サイクルの出力電圧の波形を利用して基準位置を
検出しているが、本発明においては、非充電区間(点火
エネルギー蓄積用コンデンサの充電を行わない回転角度
区間)における磁石発電機の半サイクルの出力電圧の波
形を利用して基準位置を検出すればよく、磁石発電機内
にエキサイタコイル以外の他の発電コイルが設けられて
いる場合には、該他の発電コイルの非充電区間における
半サイクルの出力電圧の波形を利用して、基準信号を得
るようにしてもよい。
【0114】図6の実施例 図6はエキサイタコイル以外の他の発電コイルの出力を
利用して基準信号を発生させるようにした実施例を示し
たもので、この実施例では、磁石発電機1の固定子1B
が、1対の側脚105a及び105bと、両側脚の間を
連結する継鉄部105c及び105dの中央部にそれぞ
れ設けられた突極部105e及び105fとを備えた鉄
心105と、鉄心105の側脚105a及び105bに
それぞれ巻回されたエキサイタコイル104及び発電コ
イル106とからなり、突極部105e及び105fの
先端に形成された極片部105e1及び105f1がそれぞ
れ2極の磁石回転子1Aに対向させられている。
【0115】この磁石発電機では、エキサイタコイル1
04及び発電コイル106が機関の1回転当り1サイク
ルの同位相の交流電圧を出力するようになっている。
【0116】図6の実施例では、発電コイル106の一
端及び他端と接地間にそれぞれダイオードD5 及びD6
が接続され、発電コイル106の一端と接地間に図1に
示したものと異なる構成の電源回路10´が接続されて
いる。この電源回路10´は、発電コイル106の一端
と接地間に接続されたダイオードD1 と電源コンデンサ
C2 との直列回路と、発電コイル106の一端と接地間
にカソードを接地側に向けて接続されたサイリスタTh2
と、コンデンサC2 の両端に接続された抵抗R25及び抵
抗R26の直列回路と、抵抗R25及びR26の接続点とサイ
リスタTh2とのゲートとの間にアノードをサイリスタT
h2のゲート側に向けて接続されたツェナーダイオードZ
Dと、サイリスタTh2のゲートカソード間に接続された
抵抗R27とからなっている。
【0117】この電源回路においては、発電コイル10
6の正の半サイクルの出力電圧によりダイオードD1 を
通してコンデンサC2 が充電される。コンデンサC2 の
両端の電圧が設定値を超えると、ツェナーダイオードZ
Dが導通してサイリスタTh2をトリガするため、該サイ
リスタが導通してコンデンサC2 の充電電流を該コンデ
ンサから側路する。これらの動作により、コンデンサC
2 の両端の電圧が一定に保たれる。
【0118】発電コイル106の他端と接地間に抵抗R
11とR12との直列回路からなる分圧回路が接続され、こ
の分圧回路とダイオードD8 及びD5 とにより電圧検出
回路20が構成されている。電圧検出回路20の出力電
圧Vb は、基準信号発生回路13に入力されている。基
準信号発生回路13の構成は図1の実施例に示したもの
と同様であり、基準信号発生用スイッチを構成するトラ
ンジスタTr4のコレクタが抵抗R1a及びR1bを通して電
源回路10´の出力端子に接続されている。エキサイタ
コイル104の一端はダイオードD1 を通して点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサC1 の一端に接続され、他端は
接地されている。その他の点は図1の実施例と同様であ
る。この図6の実施例の動作は、エキサイタコイルが負
の半サイクルの出力電圧を発生している間に発電コイル
106が発生する負の半サイクルの出力電圧(非充電区
間における磁石発電機1の半サイクルの出力電圧)の波
形を利用して基準信号を発生させる点を除き、図1の実
施例の動作と同様である。
【0119】図1、図4、図5及び図6の実施例では、
基準信号を利用してマイクロコンピュータが動作できな
いときの固定点火位置信号を得ているため、基準信号の
発生位置は、点火動作を行なわせてもよい位置で、しか
も点火位置の計測の基準とする上で支障がない位置に設
定する必要がある。そのため図1、図4、図5及び図6
の実施例では、基準位置を最大進角位置に等しくする必
要がある。
【0120】これに対し、図2及び図3の実施例では、
マイクロコンピュータが動作できないときの固定点火位
置信号を基準信号よりも遅れた位置で発生させるため、
基準信号の発生位置は、点火位置を計測する際に基準と
するのに適当な位置であればよく、必ずしも最大進角位
置である必要はない。従って図2及び図3の実施例で
は、基準信号の発生位置を最大進角位置より更に進んだ
位置に設定することもできる。
【0121】上記の各実施例では、非充電区間における
磁石発電機の出力電圧がピークに向けて上昇していく過
程で、その検出値が参照電圧に一致したときに基準信号
発生回路のトランジスタTr4(基準信号発生用スイッ
チ)の両端に得られる電圧の変化を基準信号として用い
ているが、非充電区間における磁石発電機の出力電圧が
ピークを過ぎて下降していく過程でその検出値が参照電
圧に一致したときに生じるトランジスタTr4の両端の電
圧の変化を基準信号として用いるようにしてもよい。こ
の場合には、例えば図3の実施例のインバータ17の出
力信号、またはレベル検出回路18の出力パルスをイン
バータにより反転させて得た信号を基準信号(外部割り
込み信号IN1 )として用いるようにすればよい。
【0122】図2の実施例で用いるピーク検出回路は、
ピーク検出用コンデンサと、エキサイタコイルの負の半
サイクルの出力で該ピーク検出用コンデンサを通してベ
ース電流が与えられて導通する第1のピーク検出用トラ
ンジスタと、第1のピーク検出用トランジスタが導通状
態にあるときに遮断状態を保持し、第1のピーク検出用
トランジスタが遮断状態になったときに導通状態になっ
て基準信号を出力する第2のピーク検出用トランジスタ
とにより構成することができ、その具体的構成は上記実
施例のものに限定されない。
【0123】例えば図12に示すように、第1のピーク
検出用トランジスタTr6´及び第2のピーク検出用トラ
ンジスタTr7´と、抵抗R17´及びR18´と、ピーク検
出用コンデンサC5 ´とダイオードD12´とによりピー
ク検出回路を構成してもよい。
【0124】図12のピーク検出回路においては、非充
電区間で磁石発電機が半サイクルの出力電圧を発生した
ときにコンデンサC5 ´を通してトランジスタTr6´に
ベース電流が流れ、該トランジスタTr6´が導通する。
トランジスタTr6´が導通している間、トランジスタT
r7´が遮断状態に保持される。エキサイタコイルの負の
半サイクルの出力電圧がピークに達するとコンデンサC
5 ´の充電が停止するためトランジスタTr6´が遮断状
態になり、トランジスタTr7´が導通状態になる。従っ
てエキサイタコイルの負の半サイクルの出力のピーク位
置でトランジスタTr7´のコレクタエミッタ回路と抵抗
R18´とを通して基準信号が出力される。
【0125】本発明において用いる点火回路3は、上記
の実施例に示したものに限定されるものではなく、例え
ば、図1において点火エネルギー蓄積用コンデンサC1
と放電用サイリスタTh1との位置を入れ替えた形式の公
知のコンデンサ放電式の点火回路が用いられる場合にも
本発明を適用できるのはもちろんである。
【0126】本発明においては、非充電区間における磁
石発電機の負荷をできるだけ軽くすることが必要であ
る。そのため電源回路の電源としては、図1ないし図5
の実施例で示したようにエキサイタコイル104の正の
半サイクルの出力を利用するか、または図6の実施例の
ように磁石発電機内に設けられている他の発電コイル1
06の出力を利用するのが好ましい。抵抗R11とR12と
からなる分圧回路のインピーダンスをできるだけ大きく
する等して、エキサイタコイル104または発電コイル
106から基準信号発生回路13やピーク位置検出回路
15に流れ込む電流をできるだけ小さくすることが好ま
しい。
【0127】図6の実施例のように、エキサイタコイル
以外の他の発電コイル106を用いて基準信号を発生さ
せる場合には、発電コイル106がエキサイタコイルが
発生する電圧と逆位相の電圧を発生するように発電機を
構成しておいて(例えば発電コイル106の巻方向をエ
キサイタコイル104の巻方向と逆にしておいて)、該
発電コイル106の正の半サイクルの出力電圧(非充電
区間における磁石発電機の出力電圧)の波形を利用して
基準信号を得るようにしてもよい。
【0128】上記の各実施例では、磁石発電機の回転子
が2極に構成されていて、磁石発電機が機関の1回転当
り1サイクルの交流電圧を誘起するようになっている
が、本発明はこのように回転子が2極の磁石発電機を用
いる場合に限定されるものではなく、更に多極の磁石回
転子を備えた磁石発電機を用いる場合にも本発明を適用
できる。例えば4極の磁石回転子を用いる場合には、磁
石発電機が機関の1回転当り2サイクルの交流電圧を出
力するため、基準信号が2回発生し、1回転当り2回の
点火動作が180度間隔で行われることになるが、2サ
イクル機関では、180度間隔で2回発生する点火火花
の内一方を所定の点火位置で発生させれば、他方の火花
は機関の動作に影響を与えない位置(例えば機関の排気
行程の終期)で発生することになるため、機関の動作に
は支障を来さない。
【0129】なおバッテリが搭載されている場合には、
該バッテリを用いてマイクロコンピュータ等を駆動する
ようにしてもよい。
【0130】車両や船舶等にバッテリが搭載されている
場合に、いわゆるバッテリ上りが生じたときに、マイク
ロコンピュータを動作させて機関を支障なく運転するこ
とができるようにするため、本発明の各実施例のように
マイクロコンピュータを磁石電機の出力で駆動し得るよ
うに構成しておくのが好ましい。
【0131】上記の実施例では、マイクロコンピュータ
が負論理の信号を認識するように構成されているが、正
論理の信号を認識するマイクロコンピュータを用いる場
合には、上記実施例の回路に更に信号の極性を反転する
回路を適宜に付加するか、または信号を取り出す箇所を
異ならせることにより、本発明を実施することができ
る。
【0132】以上本発明の好ましい実施例について説明
したが、本明細書に開示した主な発明の態様を挙げると
下記の通りである。
【0133】(1) 固定子側に少なくともコンデンサ
充電用のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同
期して交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの
1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、前記エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区
間及び非充電区間として該充電区間におけるエキサイタ
コイルの出力電圧により前記コンデンサを充電するコン
デンサ充電回路と、点火信号が与えられたときに導通し
て前記コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放
電させる放電用スイッチと、前記非充電区間における磁
石発電機の出力電圧のレベルが該磁石発電機の出力電圧
及び出力周波数の変化に応じて大きさが変化する所定の
スレショールドレベルに一致したときに基準信号を発生
する基準信号発生回路と、内燃機関の各回転数における
点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記基準信号
が発生したときに点火位置演算手段により演算された点
火位置の計測を開始して該点火位置の計測が完了したと
きに演算点火位置信号を発生する演算点火位置信号発生
手段とを備え、非充電区間における磁石発電機の出力電
圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく前記基準信
号の発生位置を一定とするように前記スレショールドレ
ベルの変化割合が調整され、前記演算点火位置信号が発
生したときに前記放電用スイッチに点火信号を与えるコ
ンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0134】(2) 固定子側に少なくともコンデンサ
充電用のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同
期して交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの
1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、前記エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区
間及び非充電区間として該充電区間におけるエキサイタ
コイルの出力電圧により前記コンデンサを充電するコン
デンサ充電回路と、点火信号が与えられたときに導通し
て前記コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放
電させる放電用スイッチと、前記非充電区間における磁
石発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路と、前記電
圧検出回路の出力電圧のレベルが非充電区間における磁
石発電機の出力電圧及び出力周波数に応じてレベルが変
化する参照電圧のレベルに一致したときに基準信号を発
生する基準信号発生回路と、内燃機関の各回転数におけ
る点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記基準信
号が発生したときに点火位置演算手段により演算された
点火位置の計測を開始して該点火位置の計測が完了した
ときに演算点火位置信号を発生する演算点火位置信号発
生手段とを備え、非充電区間における磁石発電機の出力
電圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく前記基準
信号の発生位置を一定とするように前記参照電圧のレベ
ルの変化割合が調整され、前記演算点火位置信号が発生
したときに前記放電用スイッチに点火信号を与えるコン
デンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0135】(3) 前記基準信号発生回路は、コンデ
ンサと該コンデンサに並列に接続された放電用抵抗とか
らなる参照電圧発生回路と、前記電圧検出回路の出力電
圧で前記参照電圧発生回路を通してベース電流が与えら
れたときに動作するように設けられたトランジスタスイ
ッチとを備え、前記トランジスタスイッチの両端の電圧
の変化が前記基準信号として用いられる前記2項に記載
のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0136】(4) 固定子側に少なくともコンデンサ
充電用のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同
期して交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの
1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、前記エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区
間及び非充電区間として該充電区間におけるエキサイタ
コイルの出力電圧により前記コンデンサを充電するコン
デンサ充電回路と、点火信号が与えられたときに導通し
て前記コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放
電させる放電用スイッチと、前記非充電区間における磁
石発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路と、前記非
充電区間における磁石発電機の出力電圧及び出力周波数
の変化に応じてレベルが変化する参照電圧を発生する参
照電圧発生回路と、前記電圧検出回路の出力電圧のレベ
ルが前記参照電圧のレベルに一致したときに基準信号を
出力する基準信号出力回路と、内燃機関の各回転数にお
ける点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記基準
信号が発生したときに点火位置演算手段により演算され
た点火位置の計測を開始して該点火位置の計測が完了し
たときに演算点火位置信号を発生する演算点火位置信号
発生手段とを備え、非充電区間における磁石発電機の出
力電圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく前記基
準信号の発生位置を一定とするように前記参照電圧のレ
ベルの変化割合が調整され、前記演算点火位置信号が発
生したときに前記放電用スイッチに点火信号を与えるコ
ンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0137】(5) 前記参照電圧発生回路は、前記電
圧検出回路の出力電圧により充電されるコンデンサと該
コンデンサに対して並列に接続された放電用抵抗とを備
えている上記4項に記載のコンデンサ放電式内燃機関用
点火装置。
【0138】(6) 前記基準信号出力回路は、前記電
圧検出回路の出力電圧が参照電圧を超えたときにベース
電流が与えられて導通するように設けられたトランジス
タを備えている上記5項に記載のコンデンサ放電式内燃
機関用点火装置。
【0139】(7) 前記基準信号出力回路は、前記電
圧検出回路の出力電圧を参照電圧と比較して、電圧検出
回路の出力電圧と参照電圧との大小関係に応じて異なる
出力を生じる比較器からなっている上記4項または5項
に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0140】(8) 固定子側に少なくともコンデンサ
充電用のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同
期して交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの
1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、前記エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区
間及び非充電区間として該充電区間におけるエキサイタ
コイルの出力電圧により前記コンデンサを充電するコン
デンサ充電回路と、点火信号が与えられたときに導通し
て前記コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放
電させる放電用スイッチと、前記非充電区間における磁
石発電機の出力電圧を検出する電圧検出回路と、前記非
充電区間における磁石発電機の出力電圧及び出力周波数
の変化に応じてレベルが変化する参照電圧を発生する参
照電圧発生回路と、前記電圧検出回路の出力電圧のレベ
ルが前記参照電圧のレベルに一致したときに基準信号を
出力する基準信号出力回路と、内燃機関の各回転数にお
ける点火位置を演算する点火位置演算手段と、前記基準
信号が発生したときに点火位置演算手段により演算され
た点火位置の計測を開始して該点火位置の計測が完了し
たときに演算点火位置信号を発生する演算点火位置信号
発生手段と、前記非充電区間における磁石発電機の出力
電圧のピーク位置を検出してピーク検出信号を出力する
ピーク検出回路と、前記演算点火位置信号とピーク検出
信号とを入力とするオア回路と、導通した際に前記ピー
ク検出信号を前記オア回路から側路するように設けられ
たマスク用スイッチと、内燃機関の回転数が設定値以上
になっている領域で前記マスク用スイッチをトリガして
導通させるマスク用スイッチトリガ手段とを具備し、非
充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク値及び
周波数の如何に係わりなく前記基準信号の発生位置を一
定とするように前記参照電圧のレベルの変化割合が調整
され、前記オア回路の出力が前記点火信号として放電用
スイッチに与えられていることを特徴とするコンデンサ
放電式内燃機関用点火装置。
【0141】(9) 前記ピーク検出回路は、ピーク検
出用コンデンサと、エキサイタコイルの負の半サイクル
の出力で該ピーク検出用コンデンサを通してベース電流
が与えられて導通する第1のピーク検出用トランジスタ
と、第1のピーク検出用トランジスタが導通状態にある
ときに遮断状態を保持し、第1のピーク検出用トランジ
スタが遮断状態になったときに導通状態になって基準信
号を出力する第2のピーク検出用トランジスタとからな
っている上記8項に記載のコンデンサ放電式内燃機関用
点火装置。
【0142】(10) 固定子側に少なくともコンデン
サ充電用のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に
同期して交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイル
の1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、前記エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧
を発生する回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区
間及び非充電区間として該充電区間におけるエキサイタ
コイルの出力電圧により前記コンデンサを充電するコン
デンサ充電回路と、点火信号が与えられたときに導通し
て前記コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放
電させる放電用スイッチと、内燃機関の点火位置の計測
を開始する基準位置で基準信号を発生する基準信号発生
回路と、内燃機関の各回転数における点火位置を演算す
る点火位置演算手段と、前記非充電区間における磁石発
電機の出力電圧及び出力周波数の変化に伴ってレベルが
変化する参照電圧を発生する参照電圧発生回路と、前記
非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出する電
圧検出回路と、前記非充電区間における磁石発電機の出
力電圧のレベルがピーク値に向けて上昇する過程で前記
電圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに
一致したときに前記基準信号を発生し、前記非充電区間
における磁石発電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎ
て下降していく過程で前記電圧検出回路の出力電圧が参
照電圧のレベルに一致したときに固定点火位置信号を発
生する基準信号・固定点火位置信号発生回路と、前記基
準信号が発生したときに点火位置演算手段により演算さ
れた点火位置の計測を開始して該点火位置の計測が完了
したときに演算点火位置信号を発生する演算点火位置信
号発生手段と、前記演算点火位置信号と固定点火位置信
号とを入力として、両点火位置信号のいずれかが入力さ
れたときに前記放電用スイッチに前記点火信号を与える
オア回路とを具備し、前記非充電区間における磁石発電
機の出力電圧のピーク値及び周波数の如何に係わりなく
前記基準信号が発生する位置を一定とするように、前記
参照電圧のレベルの変化割合が調整されていることを特
徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
【0143】(11) 前記基準信号・固定点火位置信
号発生回路は、前記電圧検出回路の出力電圧で前記参照
電圧発生回路を通してベース電流が与えられて動作する
トランジスタスイッチと、前記非充電区間における磁石
発電機の出力電圧がピークを過ぎて下降していく過程で
前記電圧検出回路の出力電圧のレベルが参照電圧のレベ
ルに一致したときに前記トランジスタスイッチの両端に
生じる電圧レベルの変化を検出するレベル検出回路とを
備え、前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧が
ピークに向けて上昇していく過程で前記電圧検出回路の
出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに
前記トランジスタスイッチの両端に生じる電圧レベルの
変化を前記基準信号として用い、前記レベル検出回路の
出力を前記固定点火位置信号として用いることを特徴と
する上記10項に記載のコンデンサ放電式内燃機関用点
火装置。
【0144】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサの充電が行われない非充電区
間における磁石発電機の出力電圧が、該磁石発電機の出
力電圧及び出力周波数の変化に伴ってレベルが変化する
スレショールドレベルに一致したときに基準信号を発生
させるように基準信号発生回路を構成するとともに、非
充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク値及び
周波数の如何に係わりなく基準信号が発生する位置を一
定とするようにスレショールドレベルの変化割合を調整
するようにしたので、信号発電機を用いることなく、磁
石発電機の出力波形を利用して基準位置を検出できる。
従って、信号発電機を省略して磁石発電機の構造を簡単
にすることができ、装置の小形化と、コストの低減とを
図ることができる。
【0145】また請求項6ないし8に記載した発明によ
れば、固定点火位置信号を発生させて、マイクロコンピ
ュータが動作できない状態でも放電用スイッチに点火信
号が与えられるようにしたので、マイクロコンピュータ
が動作できない状態でも機関を動作させることができる
利点がある。
【0146】特に請求項7に記載した発明によれば、非
充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベルがピー
クに向かって上昇していく過程で電圧検出回路の出力電
圧のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに基準信
号を発生させ、該磁石発電機の出力がピークに達したと
きに放電用スイッチに点火信号を与えるようにしたの
で、固定点火位置信号を遅角した位置で発生させること
ができ、マイクロコンピュータが動作できない状態での
始動時の点火位置を遅角させて、機関の始動時にケッチ
ン現象が生じるのを防ぐことができる。
【0147】更に請求項8に記載した発明によれば、非
充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベルがピー
クに向かって上昇していく過程で電圧検出回路の出力電
圧のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに基準信
号を発生させ、該磁石発電機の出力電圧のレベルがピー
クを過ぎて下降していく過程で参照電圧のレベルに一致
したときに放電用スイッチに点火信号を与えるようにし
たので、マイクロコンピュータが動作できない状態での
点火位置の遅角幅を請求項7に記載した発明による場合
よりも更に大きくとることができ、機関の始動時にケッ
チン現象が生じるのを更に効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した回路構成図である。
【図2】本発明の他の実施例の構成を示した回路構成図
である。
【図3】本発明の更に他の実施例を示した回路構成図で
ある。
【図4】本発明の更に他の実施例を示した回路構成図で
ある。
【図5】本発明の更に他の実施例を示した回路構成図で
ある。
【図6】本発明の更に他の実施例を示した回路構成図で
ある。
【図7】エキサイタコイルに鎖交する磁束とエキサイタ
コイルの誘起電圧とを示した波形図である。
【図8】エキサイタコイルの正の半サイクルの立下りと
負の半サイクルの立上りとの境界位置を利用して基準位
置を定めるようにした場合、及びエキサイタコイルの負
の半サイクルの出力のピーク位置を利用して基準位置を
定めるようにした場合の基準位置の回転数に対する変化
の特性を比較して示した線図である。
【図9】図1の実施例の各部の信号を示した波形図であ
る。
【図10】本発明の実施例においてマイクロコンピュー
タにより実行されるメインルーチンのアルゴリズムを示
すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例においてマイクロコンピュー
タにより実行される割り込みルーチンのアルゴリズムを
示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例で用いるピーク検出回路の一
構成例を示す回路図である。
【図13】従来の点火装置の構成を示した回路構成図で
ある。
【図14】図13の点火装置の各部の信号波形を示した
波形図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 3 点火回路 4 マイクロコンピュータ 8 オア回路 9 演算点火位置信号供給回路 11 参照電圧発生回路 12 基準信号出力回路 13 基準信号発生回路 14 固定点火位置信号マスク回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/08 302 F02P 3/08 301

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子側に少なくともコンデンサ充電用
    のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同期して
    交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの1次側
    に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサと、前記
    エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区間及び非
    充電区間として該充電区間におけるエキサイタコイルの
    出力電圧により前記コンデンサを充電するコンデンサ充
    電回路と、点火信号が与えられたときに導通して前記コ
    ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
    放電用スイッチと、内燃機関の点火位置の計測を開始す
    る基準位置で基準信号を発生する基準信号発生回路と、
    内燃機関の各回転数における点火位置を演算する点火位
    置演算手段と、前記基準信号が発生したときに点火位置
    演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該
    点火位置の計測が完了したときに演算点火位置信号を発
    生する演算点火位置信号発生手段とを備え、前記演算点
    火位置信号が発生したときに前記放電用スイッチに点火
    信号を与えるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記基準信号発生回路は、前記非充電区間における磁石
    発電機の出力電圧のレベルが該出力電圧及び出力周波数
    の変化に伴って大きさが変化するスレショールドレベル
    に一致したことを検出して基準信号を出力する回路から
    なり、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク
    値及び周波数の如何に係わりなく前記基準信号が発生す
    る位置を一定とするように、前記スレショールドレベル
    の変化割合が調整されていることを特徴とするコンデン
    サ放電式内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 固定子側に少なくともコンデンサ充電用
    のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同期して
    交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの1次側
    に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサと、前記
    エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区間及び非
    充電区間として該充電区間におけるエキサイタコイルの
    出力電圧により前記コンデンサを充電するコンデンサ充
    電回路と、点火信号が与えられたときに導通して前記コ
    ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
    放電用スイッチと、内燃機関の点火位置の計測を開始す
    る基準位置で基準信号を発生する基準信号発生回路と、
    内燃機関の各回転数における点火位置を演算する点火位
    置演算手段と、前記基準信号が発生したときに点火位置
    演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該
    点火位置の計測が完了したときに演算点火位置信号を発
    生する演算点火位置信号発生手段とを備え、前記演算点
    火位置信号が発生したときに前記放電用スイッチに点火
    信号を与えるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記基準信号発生回路は、前記非充電区間における磁石
    発電機の出力電圧及び出力周波数の変化に伴ってレベル
    が変化する参照電圧を発生する参照電圧発生回路と、前
    記非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出する
    電圧検出回路と、前記電圧検出回路の出力電圧のレベル
    が前記参照電圧のレベルに一致したときに前記基準信号
    を出力する基準信号出力回路とを備え、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク
    値及び周波数の如何に係わりなく前記基準信号が発生す
    る位置を一定とするように、前記参照電圧のレベルの変
    化割合が調整されていることを特徴とするコンデンサ放
    電式内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記参照電圧発生回路は、前記非充電区
    間における磁石発電機の出力電圧により充電されるコン
    デンサと該コンデンサに対して並列に接続された放電用
    抵抗とを備えている請求項2に記載のコンデンサ放電式
    内燃機関用点火装置。
  4. 【請求項4】 前記基準信号出力回路は、前記非充電区
    間における磁石発電機の出力電圧のレベルがピーク値に
    向けて上昇していく過程で前記電圧検出回路の出力電圧
    のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに動作する
    基準信号発生用スイッチを備え、前記基準信号発生用ス
    イッチが動作したときの該スイッチの両端の電圧の変化
    が前記基準信号として用いられる請求項2または3に記
    載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  5. 【請求項5】 前記基準信号出力回路は、前記電圧検出
    回路の出力電圧のレベルが前記参照電圧のレベル以下の
    ときと該参照電圧のレベルを超えているときとで異なる
    状態をとる参照レベル検出用スイッチと、該非充電区間
    における磁石発電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎ
    て下降していく過程で前記電圧検出回路の出力電圧のレ
    ベルが参照電圧のレベル以下になる際の前記参照レベル
    検出用スイッチの両端の電圧レベルの変化を検出して前
    記基準信号を出力するレベル変化検出回路とを備えてい
    る請求項2または3に記載のコンデンサ放電式内燃機関
    用点火装置。
  6. 【請求項6】 前記演算点火位置信号と基準信号とを入
    力とするオア回路と、 導通した際に前記基準信号を前記オア回路から側路する
    ように設けられたマスク用スイッチと、 内燃機関の回転数が設定値以上になっている領域で前記
    マスク用スイッチをトリガして導通させるマスク用スイ
    ッチトリガ手段とが更に設けられ、 前記オア回路の出力が前記点火信号として放電用スイッ
    チに与えられている請求項2,3,4または5のいずれ
    か1つに記載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  7. 【請求項7】 前記非充電区間における磁石発電機の出
    力電圧のピーク位置を検出してピーク検出信号を出力す
    るピーク検出回路と、 前記演算点火位置信号とピーク検出信号とを入力とする
    オア回路と、 導通した際に前記ピーク検出信号を前記オア回路から側
    路するように設けられたマスク用スイッチと、 内燃機関の回転数が設定値以上になっている領域で前記
    マスク用スイッチをトリガして導通させるマスク用スイ
    ッチトリガ手段とが更に設けられ、 前記オア回路の出力が前記点火信号として放電用スイッ
    チに与えられている請求項4に記載のコンデンサ放電式
    内燃機関用点火装置。
  8. 【請求項8】 固定子側に少なくともコンデンサ充電用
    のエキサイタコイルを有し、内燃機関の回転に同期して
    交流電圧を発生する磁石発電機と、点火コイルの1次側
    に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサと、前記
    エキサイタコイルが正の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間及び負の半サイクルの出力電圧を発生す
    る回転角度区間をそれぞれコンデンサの充電区間及び非
    充電区間として該充電区間におけるエキサイタコイルの
    出力電圧により前記コンデンサを充電するコンデンサ充
    電回路と、点火信号が与えられたときに導通して前記コ
    ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
    放電用スイッチと、内燃機関の点火位置の計測を開始す
    る基準位置で基準信号を発生する基準信号発生回路と、
    内燃機関の各回転数における点火位置を演算する点火位
    置演算手段と、前記基準信号が発生したときに点火位置
    演算手段により演算された点火位置の計測を開始して該
    点火位置の計測が完了したときに演算点火位置信号を発
    生する演算点火位置信号発生手段とを備え、前記演算点
    火位置信号が発生したときに前記放電用スイッチに点火
    信号を与えるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧及び出力
    周波数の変化に伴ってレベルが変化する参照電圧を発生
    する参照電圧発生回路と、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧を検出す
    る電圧検出回路と、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧のレベル
    がピーク値に向けて上昇する過程で前記電圧検出回路の
    出力電圧のレベルが参照電圧のレベルに一致したときに
    前記基準信号を発生し、前記非充電区間における磁石発
    電機の出力電圧のレベルがピークを過ぎて下降していく
    過程で前記電圧検出回路の出力電圧が参照電圧のレベル
    に一致したときに固定点火位置信号を発生する基準信号
    ・固定点火位置信号発生回路と、 前記演算点火位置信号と固定点火位置信号とを入力とし
    て、両点火位置信号のいずれかが発生したときに前記放
    電用スイッチに点火信号を与えるオア回路とを具備し、 前記非充電区間における磁石発電機の出力電圧のピーク
    値及び周波数の如何に係わりなく前記基準信号が発生す
    る位置を一定とするように、前記参照電圧のレベルの変
    化割合が調整されていることを特徴とするコンデンサ放
    電式内燃機関用点火装置。
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