JP2855950B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JP2855950B2 JP9666792A JP9666792A JP2855950B2 JP 2855950 B2 JP2855950 B2 JP 2855950B2 JP 9666792 A JP9666792 A JP 9666792A JP 9666792 A JP9666792 A JP 9666792A JP 2855950 B2 JP2855950 B2 JP 2855950B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンデンサ放電式の内
燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃機関においては、機関の定常
運転状態を想定して、各回転速度における燃料の濃度を
調整しているため、機関の急加速時には定常運転時より
も燃料が薄くなる傾向にある。特にモトクロス用の車両
やレース用の車両に用いる内燃機関では、急加速や急減
速が頻繁に行われるが、急加速時や急減速時等の過渡状
態における燃料の濃度は理想の状態からかなりずれてい
る。
【0003】上記のように、燃料の濃度が稀薄になる
と、点火後の燃焼が不完全になり、機関の出力を十分に
引き出すことができない。そのため、ベンチテストでは
低速から高速まで十分な出力が得られる内燃機関であっ
ても、実際に車両に搭載して該車両を走行させてみる
と、急加速時に機関の出力を十分引き出すことができな
いという問題があった。
【0004】特に内燃機関を点火する点火装置として、
点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの
1次コイルに放電させることにより点火用の高電圧を得
るコンデンサ放電式の点火装置を用いる場合には、立上
がりが早い2次電圧を得ることはできるが、放電電流の
継続時間を長くすることができないため、機関の急加速
時に燃料が稀薄になったときに不完全燃焼を起すことが
多かった。
【0005】また最近では、排気ガスの規制が厳しくな
るにつれて稀薄燃焼システムを採用する機関が増えてい
るため、点火コイルの2次電圧の立上がりが早く、しか
も2次放電電流(火花電流)の継続時間が長い点火装置
が必要とされるようになっている。
【0006】そこで、特開昭60−204968号に見
られるように、点火エネルギー蓄積用コンデンサと該コ
ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
放電用スイッチとからなるコンデンサ放電回路を2組設
けて、2重点火を行わせるようにしたコンデンサ放電式
の点火装置が提案された。
【0007】この点火装置では、正規の点火位置で一方
の点火エネルギー蓄積用コンデンサを放電させて第1回
目の点火動作を行わせた後、正規の点火位置から僅かに
遅れた位置で他方の点火エネルギー蓄積用コンデンサを
放電させて2回目の点火動作を行わせることにより見掛
けの放電時間を長くし、燃料が稀薄な場合に不完全燃焼
が生じるのを防ぐようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】2重点火を行わせるよ
うにした従来のコンデンサ放電式点火装置では、コンデ
ンサと該コンデンサの電荷を放電させるスイッチとを2
組必要とするため、装置の構成が複雑になるという問題
があった。
【0009】また2個の点火エネルギー蓄積用コンデン
サを充電する必要があるため、コンデンサ充電用の電源
として容量が大きいものを用いる必要があり、コンデン
サ及びスイッチを2個必要とすることと相俟って装置が
大形化するという問題があった。
【0010】本発明の目的は、装置の大形化を招くこと
なく、多重点火を行わせて、機関の急加速時に出力が低
下するのを防止することができるようにしたコンデンサ
放電式の内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火コイルの
1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデンサ
と、点火エネルギー蓄積用コンデンサを一方の極性に充
電するコンデンサ充電回路と、導通した際に点火エネル
ギー蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイル
に放電させるように設けられた放電用スイッチと、点火
コイルの1次コイルに並列に接続されたダンパダイオー
ドとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置に係
わるものである。本発明においては、点火エネルギー蓄
積用コンデンサの放電電流を検出する放電電流検出回路
と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段
と、内燃機関の回転速度と点火時期との間のn(nは2
以上の整数)種類の関係を与える第1ないし第nのマッ
プを記憶したマップ記憶手段と、第1ないし第nのマッ
プを用いて、それぞれのマップにより与えられる点火時
期を各回転速度に対して演算する点火時期演算手段と、
点火時期演算手段により演算された各点火時期に点火信
号を発生する点火信号発生手段と、各点火信号が発生し
たときに放電用スイッチを導通させ、放電電流検出回路
により検出された放電電流が設定値に達したときに前記
放電用スイッチを遮断状態にするように前記放電用スイ
ッチを制御する放電用スイッチ制御回路とを設けた。第
1ないし第nのマップは、少なくとも一部の回転速度領
域で、それぞれが与える点火時期が内燃機関の出力にピ
ークを生じさせる点火時期にほぼ一致するように作成さ
れている。第1ないし第nのマップを作成するに当って
は、内燃機関の種々の回転速度について、回転速度を一
定としたときの機関の出力と点火時期との関係を実測
し、その実測結果に基いて、機関の出力にピークを生じ
させる点火時期θ1 ,θ2 ,…,θn と回転数との関係
を求める。或内燃機関ではn=3であり、機関の出力に
ピークを生じさせる点火時期θ1 ,θ2 ,θ3 と回転速
度Nとの関係は例えば図3に示すようになる。このよう
にして実測により求めた関係から各回転速度における点
火時期θ1 ,θ2 ,…θn を決定するための第1ないし
第nのマップを作成する。
【0012】尚点火時期θ1 ,θ2 ,…と回転速度Nと
の関係を求めるに当り、測定を行う回転速度の数を多く
すればするほど、マップは精密なものとなるが、全ての
回転速度について実験データを揃えることは不可能であ
るため、実測しなかった回転速度についてはマップによ
り与えられる点火時期が近似値となるのを避けられな
い。また同じ形式の内燃機関でも、製品により特性にば
らつきが生じるのを避けられないため、製品によっては
機関の出力にピークを生じさせるように設定されたはず
の点火時期に誤差が生じることが当然考えられる。更
に、機関の出力にピークを生じさせる点火時期で多重点
火を行わせるのは全ての回転速度領域でなくてもよく、
機関の出力の低下を防ぐことを特に必要としない領域で
は、回転速度に応じて決定した特定の点火時期で1回だ
け点火動作を行わせるようにしてもよい。また本発明の
目的を達成するためには、機関の出力の低下を防ぐこと
が必要な回転速度領域で必ずしも機関の出力にピークを
生じさせる点火時期に厳密に一致した点火時期において
点火を行わせる必要はなく、機関の出力にピークを生じ
させる点火時期付近で点火を行わせるようにすればよ
い。本発明においては、これらの場合をも包含する趣旨
で、「少なくとも一部の回転速度領域で」点火時期が内
燃機関の出力にピークを生じさせる点火時期に「ほぼ一
致する」としている。
【0013】尚本発明は、特定の回転速度領域で上記第
1ないし第nのマップが与える点火時期が互いに等しい
場合を包含する。
【0014】上記ダンパダイオードは、コンデンサの放
電電流が零になったときに点火コイルの1次コイルに誘
起する電圧が順方向に印加される向きに接続されるダイ
オードで、このダイオード自体は従来のコンデンサ放電
式点火装置で用いられていたものと同様のものである。
【0015】
【作用】点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を点火
コイルの1次コイルに放電させると、点火コイルの2次
側に立上がりの早い誘起電圧が生じる。コンデンサの放
電電流が所定の値に達したときにコンデンサの放電を停
止させると、点火コイルの1次コイルには、それまで流
れていた電流を流し続けようとする極性の高い電圧が誘
起する。
【0016】コンデンサ放電式の点火装置では、点火コ
イルの1次電流がピークに向って立ち上がる過程での電
流の変化によりほぼ点火性能(点火コイルの2次出力)
が決まり、1次電流が十分に大きくなって鉄心の磁束が
飽和してしまうと、それ以降は点火コイルの2次出力は
低下し始める。
【0017】従って、エネルギー効率を高くするために
は、点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電電流が所定
の大きさに達した時にコンデンサの放電を停止させるよ
うにするのがよい。このように点火エネルギー蓄積用コ
ンデンサの第1回目の放電を途中でとめると、該コンデ
ンサには未だ電荷が十分に残留しているため、更に2回
目以降の放電が十分に可能である。
【0018】また内燃機関の回転速度を一定とした場合
の、機関の出力と点火時期との関係を示す実験データに
よると、内燃機関の出力がピークを示す点火時期が3箇
所程度ある場合が多い。即ち、回転速度を一定として、
機関の出力と点火時期との関係を求めた場合、図5に示
すように、3つの点火時期θ1 ,θ2 及びθ3 (θ1〜
θ3 は機関の上死点から進角側に測った角度であると
し、θ1 >θ2 >θ3 とする。)でそれぞれ機関の出力
がピークを示すことが多い。このような場合、3つの点
火時期θ1 〜θ3 でそれぞれ点火動作を行わせるように
しておくと、最も進角した第1回目の点火時期θ1 で点
火に失敗しても、2回目の点火時期θ2 及び3回目の点
火時期θ3 で点火に成功すれば、機関の出力の大幅な低
下を招かなくて済む。
【0019】そこで本発明においては、回転速度と点火
時期との関係を与えるマップをn個用いて、機関の出力
の低下を防ぐ必要がある少なくとも一部の回転速度領域
で、内燃機関の出力にピークを生じさせる点火時期にほ
ぼ一致した複数の点火時期を演算し、該複数の点火時期
においてそれぞれ点火信号を発生させる。各点火信号が
発生したときに放電用スイッチを導通させ、放電電流検
出回路により検出された放電電流が設定値に達したとき
に放電用スイッチを遮断状態にするように放電用スイッ
チを制御することにより、多重点火を行わせる。
【0020】上記のように、各回転速度において機関の
出力にピークを生じさせる点火時期にほぼ一致した複数
の点火時期を演算して、これら複数の点火時期において
それぞれ放電用スイッチを導通させることにより多重点
火を行わせるようにすると、多重点火の各火花を、機関
の出力にピークを生じさせる点火時期にほぼ一致した時
期に発生させることができるため、燃料が稀薄になる急
加速時に機関の出力が低下するのを防ぐことができる。
【0021】
【実施例】図1は本発明の実施例を示したもので、同図
において1は1次コイル1a及び2次コイル1bを有し
て、1次コイル1aの一端が接地された点火コイル、2
は点火コイルの1次コイル1aの非接地側端子に一端が
接続された点火エネルギー蓄積用コンデンサ、3は図示
しない機関の気筒に取付けられて点火コイルの2次コイ
ル1bに接続された点火プラグである。
【0022】4は内燃機関に取り付けられた磁石発電機
内に設けられて一端が接地されたエキサイタコイルで、
エキサイタコイル4の非接地側端子はダイオード5を通
してコンデンサ2の他端に接続されている。6は放電用
スイッチを構成する電界効果トランジスタ(以下FET
という。)で、そのドレインがコンデンサ2とダイオー
ド5との接続点に接続され、ソースが抵抗Ro を通して
接地されている。抵抗Ro はその抵抗値が十分小さく設
定され、該抵抗Ro により放電電流検出回路7が構成さ
れている。
【0023】8は機関の点火時期を決定するための情報
を含む信号Vs を出力する信号源で、この信号源として
は、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられ
た発電コイルや、機関と同期して信号を出力する信号発
生装置内に設けられた信号コイル等が用いられる。信号
源8は、内燃機関の予め定められた複数の回転角度位置
でそれぞれパルス状の信号を発生する。信号源8の出力
は波形整形回路9を通して点火時期制御装置10に入力
されている。
【0024】尚信号源8は、多くの場合、信号コイルと
該信号コイルに鎖交する磁束を発生する永久磁石とを内
蔵した信号発電子と、磁石回転子の回転子ヨークの外周
部またはボス部等に設けられて、信号発電子に対向した
際に信号コイルに鎖交する磁束を変化させて該信号コイ
ルに信号電圧を誘起させるリラクタ(誘導子)とにより
構成されるが、磁石発電機とはまったく別個に設けられ
た信号発電機が用いられる場合もある。また最近では、
信号コイルに代えてホールICを用いて、該ホールIC
により磁束変化を検出することにより信号を発生するよ
うにしたものもある。
【0025】本実施例の点火時期制御装置10は、CP
UとROM及びRAM等を備えたマイクロコンピュータ
により、内燃機関の回転速度と点火時期との関係を与え
るマップを用いて各回転速度における点火時期を演算す
るもので、マイクロコンピュータのCPUの入力ポート
B1 に波形整形回路9の出力信号が入力されている。点
火時期制御装置10は、図2に示したように、内燃機関
の回転速度を検出する回転速度検出手段10aと、内燃
機関の回転速度と点火時期との間のn種類の関係を与え
る第1ないし第n(nは2以上の整数)のマップM1 〜
Mn を記憶したマップ記憶手段10bと、第1ないし第
nのマップを用いて、回転速度検出手段により検出され
た各回転速度に対して第1ないし第nの点火時期を求め
る点火時期演算手段10cと、演算された第1ないし第
nの点火時期にそれぞれ第1ないし第nの点火信号を発
生する点火信号発生手段10dとにより構成される。図
1の実施例ではn=3としている。
【0026】回転速度検出手段10aは、信号源8から
特定の信号が出力される毎に内燃機関が一定の角度(例
えば360度)回転するのに要した時間(タイマにより
計測されている。)を読み込んで内燃機関の回転速度を
演算し、演算した回転速度をRAMに記憶させる。この
RAMの内容は信号源が特定の信号を出力する毎に更新
される。
【0027】マップ記憶手段10bは、マイクロコンピ
ュータに設けられているROMにより構成される。マッ
プ記憶手段10bが記憶している各マップは、内燃機関
の回転速度Nと点火時期との関係をテーブルの形で与え
るものである。第1ないし第nのマップM1 〜Mn は、
少なくとも一部の回転速度領域で、それぞれが与える点
火時期が内燃機関の出力にピークを生じさせる点火時期
に一致するように作成されている。
【0028】図1の実施例では、内燃機関の回転速度を
一定とした場合、機関の出力と点火時期との間に図5に
示すような関係があり、点火時期をθ1 ,θ2 及びθ3
とした時にそれぞれ機関の出力がピークを示す。
【0029】この実施例では、マップM1 ないしM3 が
設けられ、マップM1 は図3の折れ線aのような点火時
期θ1 と回転速度Nとの関係を与えるように作成されて
いる。またマップM2 及びM3 はそれぞれ、図3の折れ
線b及びcのような点火時期θ2 及びθ3 と回転速度N
との関係を与える。これらのマップには、折れ線aの各
屈曲点を与える回転速度、即ち、1000[rpm] ,2000[rp
m] ,6000[rpm] ,9000[rpm] 及び10000[rpm]の各回転
速度と各回転速度における点火時期のデータとが含まれ
ている。既に述べたように、これらのマップは、種々の
回転速度について、機関の出力と点火時期との関係を求
める実験の結果に基いて作成される。
【0030】図3の例では、1000[rpm] 以下の始動及び
アイドリング領域でθ1 =θ2 =θ3 (角度θ1 〜θ3
はそれぞれ機関の上死点から進角側に測っている。)と
なり、それ以外の領域ではθ1 >θ2 >θ3 となってい
る。
【0031】点火時期演算手段10cは、第1ないし第
3のマップM1 〜M3 を用いて、それぞれのマップによ
り与えられる点火時期を各回転速度に対して演算する。
【0032】図3に示した例において、検出された回転
速度が1000[rpm] 以下の始動及びアイドリング回転領域
にある場合、第1ないし第3のマップM1 〜M3 は、互
いに等しい点火時期αo を与える。従ってこのとき点火
時期演算手段により演算される点火時期θ1 〜θ3 はα
o に等しくなる。
【0033】また検出された回転速度が2000[rpm] ない
し6000[rpm] の範囲にある場合、点火時期演算手段10
cは、第1の点火時期θ1 ないし第3の点火時期θ3 を
それぞれα1 ,α2 及びα3 として求める。また1000[r
pm] 〜2000[rpm] の領域、及び6000[rpm] 〜10000[rpm]
の領域のように、回転速度に応じて点火時期が変化する
領域では、マップから読み出した各屈曲点のデータを用
いて補間法により各回転速度における点火時期θ1 〜θ
3 を演算する。これらの点火時期のデータは、内燃機関
の特定の回転角度位置(信号源8が特定の信号を発生す
る位置)からそれぞれの点火時期までの間に点火時期計
測用タイマが計測するクロックパルスの計数値の形でR
AMに記憶される。
【0034】図1の実施例の点火信号発生手段10d
は、第1ないし第3の点火時期計測用タイマ(図示せ
ず。)を備えていて、信号源8が特定の回転角度位置で
信号を発生したときに、これらのタイマにそれぞれ第1
ないし第3の点火時期θ1 ないしθ3 を与える計数値を
同時にセットする。第1ないし第3の点火時期計測用タ
イマは、セットされた計数値の計数を完了したときにそ
れぞれCPUの出力ポートA1 ないしA3 の電位を変化
させて第1ないし第3の点火信号を発生させる。図1の
実施例では、点火信号発生手段10dの第1ないし第3
の点火時期計測用タイマがそれぞれ計数を終了したとき
に出力ポートA1 ないしA3 の電位を高レベルにして点
火信号Vg1〜Vg3(図4B〜D)を発生させる。
【0035】上記の点火信号は放電用スイッチ制御回路
11に入力される。放電用スイッチ制御回路11は、点
火時期制御装置が第1の点火信号ないし第nの点火信号
をそれぞれ発生したときにFET(放電用スイッチ)6
を導通させ、放電電流検出回路7により検出された放電
電流が設定値に達したときにFET6を遮断状態にする
ようにFET6を制御する。図1の実施例で用いる放電
用スイッチ制御回路11は、比較器CP1 と、トランジ
スタTr1及びTr2と、プログラマブルユニジャンクショ
ントランジスタPUT1 〜PUT3 と、ダイオードD1
〜D3 と、抵抗R1 ないしR9 とからなっている。
【0036】本実施例ではまた点火コイル1の1次コイ
ルに対して並列にダンパダイオード12が接続されてい
る。このダンパダイオード12は、点火エネルギー蓄積
用コンデンサ2の放電が停止したときに1次コイル1a
に誘起する電圧が順方向に印加される向きにして接続さ
れている。
【0037】図1の回路において符号Eが付された端子
は図示しない直流電源の正極性の出力端子に接続されて
いる。この直流電源は、バッテリにより構成されるか、
またはエキサイタコイル4と該エキサイタコイルの出力
を整流する整流回路と、該整流回路の出力電圧をほぼ一
定に保つように制御する定電圧回路とにより構成され
る。
【0038】次に上記の実施例の動作を説明する。点火
エネルギー蓄積用コンデンサ2は、エキサイタコイルの
半サイクルの出力電圧でダイオード5を通して図示の極
性に充電され、図4(G)に示したように、該コンデン
サ2の端子電圧Vcが上昇していく。尚図4(G)のV
cはコンデンサ2とFET6との接続点の電位を示して
いる。
【0039】信号源8は図4(A)に示すように信号V
s1及びVs2を出力する。この例では信号Vs1が機関の最
大進角位置でスレショールドレベルに達し、信号Vs2が
最小進角位置でスレショールドレベルに達するように設
定されている。点火時期制御装置10はこれらの信号を
用いて機関の回転速度を検出し、いずれか一方の信号の
発生位置で点火時期計測用タイマをスタートさせて、マ
ップにより演算された点火時期に出力ポートA1 〜A3
にそれぞれ第1ないし第3の点火信号Vg1〜Vg3を発生
させる。
【0040】放電用スイッチ制御回路11の比較器CP
1 の反転入力端子には、抵抗Ro の両端に得られる放電
電流検出信号Vi (図4F)が入力され、該比較器の非
反転入力端子には図示しない直流電源の出力電圧を抵抗
R8 及びR9 により分圧して得た基準電圧Vr が入力さ
れている。コンデンサ2が放電を開始する前の状態では
抵抗Ro の両端に得られる放電電流検出信号Vi が零で
あるため、比較器CP1 の出力が高レベルになってお
り、このときPUT1 〜PUT3 は遮断状態にある。
【0041】この状態で点火時期が到来すると、点火時
期制御装置10が出力ポートA1 に先ず第1の点火信号
Vg1(図4B)を発生する。この点火信号Vg1は抵抗R
1 とダイオードD1 と抵抗R4 とを通してトランジスタ
Tr1のベースに供給されるため、該トランジスタTr1が
導通し、トランジスタTr2が導通する。トランジスタT
r2が導通すると、図示しない直流電源からトランジスタ
Tr2と抵抗R6 とを通してFET6のゲートに電圧Vt
(図4E)が印加され、該FET6が導通状態になる。
これによりコンデンサ2の電荷がFET6と抵抗Ro と
点火コイルの1次コイル1aとを通して放電し、該点火
コイルの2次コイル1bに点火用の高電圧が誘起する。
この高電圧は点火プラグ3に印加されるため、該点火プ
ラグに火花が生じ、機関が点火される。
【0042】コンデンサ2が放電すると、抵抗Ro の両
端に得られる放電電流検出信号Viが上昇していき、該
信号Vi が基準電圧Vr を超えると比較器CP1 の出力
が接地レベルになる。比較器CP1 の出力が接地レベル
になると、PUT1 のアノードゲート間に電流が流れ
て、該PUT1 が導通する。従ってトランジスタTr1が
遮断状態にされ、これによりトランジスタTr2が遮断状
態になるため、FET6のゲートに電圧が印加されなく
なり、該FETが遮断状態になる。従って点火エネルギ
ー蓄積用コンデンサ2の放電は、その放電電流が設定値
に達したときに中断される。該放電電流の設定値は、基
準電圧Vr の大きさにより任意に調整することができ
る。コンデンサ2の放電が中断すると、抵抗Ro の両端
の電圧が零になるため、比較器CP1 の出力が高レベル
になるが、PUT1 は点火信号Vg1が高レベルの状態に
ある間電流を流し続けて、トランジスタTr1を遮断状態
に保持する。
【0043】次に点火時期制御装置10から第2の点火
信号Vg2(図4C)が発生すると、この点火信号Vg2は
抵抗R2 とダイオードD2 と抵抗R4 とを通してトラン
ジスタTr1のベースに供給されるため、該トランジスタ
Tr1が導通し、トランジスタTr2が導通する。これによ
りFET6のゲートに電圧が印加され、該FET6が導
通状態になるため、コンデンサ2の残留電荷がFET6
と抵抗Ro と点火コイルの1次コイル1aとを通して放
電し、第2回目の点火が行われる。
【0044】コンデンサ2が放電すると、抵抗Ro の両
端に得られる放電電流検出信号Viが上昇していき、該
信号Vi が基準電圧Vr を超えると比較器CP1 の出力
が接地レベルになるため、PUT2 が導通してトランジ
スタTr1を遮断状態にする。これによりトランジスタT
r2が遮断状態になり、該FET6が遮断状態になるた
め、コンデンサ2の放電が中断される。コンデンサ2の
放電が中断されると、放電電流検出信号Vi が零になる
ため、比較器CP1 の出力が高レベルになるが、PUT
2 は点火信号Vg2が高レベルの状態にある間電流を流し
続けて、トランジスタTr1を遮断状態に保持する。
【0045】次に第3の点火信号Vg3(図4D)が発生
すると、該点火信号Vg3が抵抗R3とダイオードD3 と
を通してトランジスタTr1に供給され、該トランジスタ
Tr1及びトランジスタTr2が導通して前記と同様にFE
T6が導通する。これによりコンデンサ2の残留電荷が
FET6と抵抗Ro と点火コイルの1次コイルとを通し
て放電し、第3回目の点火が行われる。
【0046】上記のように、図1の実施例では、各点火
動作時に第1ないし第3の点火時期θ1 ないしθ3 にお
いてそれぞれ点火動作が行われて多重点火が行われる。
第1ないし第3の点火時期のそれぞれは、機関の出力に
ピークを生じさせる3つの点火時期に実質的に一致する
ように設定されているため、急加速時に燃料が稀薄にな
った状態で、第1回目の点火で着火に失敗したとして
も、続いて行われる第2回目及び第3回目の点火で着火
に成功すれば機関の出力を十分に引き出すことができ
る。従って、機関の急加速時に出力が大幅に低下するの
を防ぐことができる。
【0047】上記の実施例において、コンデンサ2の放
電電流の設定値(基準電圧Vr により決まる。)は、例
えば点火コイル1の鉄心を磁気的に飽和させる範囲の電
流値の最小値付近の値に設定しておく。このように設定
しておけば、コンデンサ2の放電を途中で停止させても
点火コイルの2次出力が低下することはなく、点火時期
に点火コイルの2次コイルに誘起する高電圧の波高値は
従来のものと同等になる。
【0048】尚点火エネルギー蓄積用コンデンサの反復
放電は、該コンデンサに電荷が残っている限り可能であ
り、1回の点火動作時に行わせる点火回数nは、コンデ
ンサ2の容量に応じて適宜に設定できる。各点火動作時
の点火回数は機関の種類に応じて適宜に設定する。
【0049】上記の実施例では、放電用スイッチをFE
T6により構成したが、この放電用スイッチは制御端子
に所定の信号を与えることにより、強制的に遮断状態に
し得るものであればよく、トランジスタ等の他のスイッ
チ素子を用いても良い。
【0050】上記の実施例では、エキサイタコイル4の
出力で点火エネルギー蓄積用コンデンサ2を充電してい
るが、バッテリの電圧を昇圧するDC−DCコンバータ
を用いて点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電する場
合にも本発明を適用することができる。
【0051】また上記の実施例では、アイドリング時に
第1ないし第3の点火時期を等しくして、点火を1回だ
け行わせるようにしているが、アイドリング時に2次放
電電流を長くする必要がある機関を点火する場合には、
アイドリング時にも多重点火を行わせるようにしてもよ
い。
【0052】また機関によっては、アイドリング領域以
外の特定の領域で1回だけ点火を行わせる場合もあり、
回転速度領域によって点火回数を異ならせる場合もあ
る。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機関の
出力にピークを生じさせる時期にほぼ一致した複数の点
火時期を演算して、これら複数の点火時期においてそれ
ぞれ放電用スイッチを導通させることにより、少なくと
も機関の出力の低下を防ぐ必要がある一部の回転速度領
域で、多重点火を行わせるようにしたので、多重点火の
各火花を、各回転速度において機関の出力にピークを生
じさせる点火時期にほぼ一致した時期に発生させて、燃
料が稀薄になる急加速時に機関の出力が低下するのを防
ぐことができる。
【0054】また本発明では、点火エネルギー蓄積用コ
ンデンサ及び放電用スイッチをそれぞれ1つずつ設けれ
ばよいので、点火回路が複雑になることがなく、また1
個の点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電すれば良い
ので、充電用の電源として容量が小さいものを用いるこ
とができ、点火装置を大形にすることなく点火性能を向
上させて、燃料が稀薄になった場合の燃焼を完全に行わ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す回路図である。
【図2】図1の実施例で用いる点火時期制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図3】図2の点火時期制御装置において各マップが与
える回転速度と点火時期との関係を示す線図である。
【図4】(A)ないし(G)は図1の実施例の各部の電
圧波形を示す波形図である。
【図5】機関の点火時期と出力との関係を示す実験デー
タの一例を示す線図である。
【符号の説明】
1 点火コイル 2 点火エネルギー蓄積用コンデンサ 3 点火プラグ 4 エキサイタコイル 5 ダイオード 6 FET(放電用スイッチ) 7 放電電流検出回路 8 信号源 10 点火時期制御装置 11 放電用スイッチ制御回路 12…ダンパダイオード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 15/10 F02P 3/08 F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火コイルの1次側に設けられた点火エネ
    ルギー蓄積用コンデンサと、前記点火エネルギー蓄積用
    コンデンサを一方の極性に充電するコンデンサ充電回路
    と、導通した際に前記点火エネルギー蓄積用コンデンサ
    の電荷を前記点火コイルの1次コイルに放電させるよう
    に設けられた放電用スイッチと、前記点火コイルの1次
    コイルに並列に接続されたダンパダイオードとを備えた
    コンデンサ放電式内燃機関用点火装置であって、 前記点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電電流を検出
    する放電電流検出回路と、 前記内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段
    と、 内燃機関の回転速度と点火時期との間のn種類の関係を
    与える第1ないし第n(nは2以上の整数)のマップを
    記憶したマップ記憶手段と、 前記第1ないし第nのマップを用いて、それぞれのマッ
    プにより与えられる点火時期を各回転速度に対して演算
    する点火時期演算手段と、 前記点火時期演算手段により演算された各点火時期に点
    火信号を発生する点火信号発生手段と、 各点火信号が発生したときに前記放電用スイッチを導通
    させ、前記放電電流検出回路により検出された放電電流
    が設定値に達したときに前記放電用スイッチを遮断状態
    にするように前記放電用スイッチを制御する放電用スイ
    ッチ制御回路とを具備し、 前記第1ないし第nのマップは、少なくとも一部の回転
    速度領域で、それぞれが与える点火時期が内燃機関の出
    力にピークを生じさせる点火時期にほぼ一致するように
    作成されていることを特徴とするコンデンサ放電式内燃
    機関用点火装置。
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