JPH09144636A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JPH09144636A
JPH09144636A JP30286295A JP30286295A JPH09144636A JP H09144636 A JPH09144636 A JP H09144636A JP 30286295 A JP30286295 A JP 30286295A JP 30286295 A JP30286295 A JP 30286295A JP H09144636 A JPH09144636 A JP H09144636A
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Atsufumi Kinoshita
敦文 木下
Akira Shimoyama
明 下山
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02PIGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
    • F02P11/00Safety means for electric spark ignition, not otherwise provided for
    • F02P11/02Preventing damage to engines or engine-driven gearing

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Abstract

(57)【要約】 【課題】機関のアイドリング運転を不安定にすることな
く、機関の逆転を確実に防止できる内燃機関用点火装置
を提供する。 【解決手段】機関の極低速時に、信号コイル4が基準信
号Vs1を発生してから固定点火位置信号Vs2を発生する
までの時間を計測して、計測された時間が許容上限値よ
りも長いときには点火回路2に点火信号Vi が与えられ
るのを禁止することにより機関を失火させる。極低速時
に計測された時間が許容上限値以下のときにのみ固定点
火位置信号Vs2の発生位置で点火回路2に点火信号Vi
を与えて、点火動作を行わせる。固定点火位置信号Vs2
の発生位置は、機関のアイドリング時の点火位置として
適した位置に設定しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いて点火位置を制御する内燃機関用点火装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年内燃機関に対しては、排気ガスの浄
化、燃費の向上、騒音の低減、及び出力の向上等の種々
の要求がされるようになり、これらの要求に応えるため
に、マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火位置
を精密に制御するデジタル制御式の点火装置が多く用い
られるようになった。
【0003】マイクロコンピュータを用いて点火位置を
制御する内燃機関用点火装置は、例えば、点火信号が与
えられたときに点火コイルの一次電流を制御して点火用
の高電圧を発生させる点火回路と、内燃機関の上死点
(ピストンの上死点に相当するクランク軸の回転角度位
置)よりも位相が進んだ回転角度位置に設定された基準
位置と該基準位置よりも位相が遅れた回転角度位置とで
それぞれ基準信号及び固定点火位置信号を発生する信号
発生器と、該信号発生器の出力の発生周期から機関の回
転速度を検出する回転速度検出手段と、検出された回転
速度における点火位置を演算する点火位置演算手段と、
基準信号が発生したときに演算された点火位置の計測を
開始して、演算された点火位置が計測されたときに点火
指令信号を発生する点火指令信号発生手段と、点火指令
信号が発生したとき、または前記固定点火位置信号が発
生したときに点火回路に点火信号を与える点火信号出力
回路とにより構成される。
【0004】上記点火位置演算手段は、基準位置から点
火位置まで機関が回転するのに要する時間の形で各回転
速度における点火位置を演算する。点火指令信号発生手
段は、基準信号が発生したことが検出されたときに演算
された点火位置の計測を開始し、その計測が終了したと
きに点火指令信号を発生する。信号発生器が発生する固
定点火位置信号は、機関の極低速時(アイドリング時)
の点火位置を定めるために用いられ、通常その発生位置
は、機関の上死点前5°ないし13°の範囲に設定され
ている。
【0005】なお本明細書において、点火位置、信号の
発生位置等という場合の「位置」は機関の出力軸(通常
はクランク軸)の回転角度位置を意味し、実際には回転
角度で表現される。
【0006】ところで、2サイクル機関及び4サイクル
機関のいずれの場合も、圧縮比が高いと始動時にピスト
ンが押し戻されて機関が逆回転することがある。この現
象は俗にケッチンと呼ばれており、その発生原因は次の
2つである。
【0007】(a)運転者が始動操作を行う際の操作力
が不足していたり、スタータモータを駆動するバッテリ
の電圧が低下しているために、始動時のクランク軸の回
転に勢いがないときに、ピストンが上死点前に設定され
た点火位置に達する前にシリンダの内圧の上昇により押
し戻されてしまい、機関が逆転する。
【0008】(b)機関の始動時のクランク軸の回転に
勢いがない状態で上死点前の点火位置で点火が行なわ
れ、その際にに生じる爆発の圧力によりピストンが押し
戻されて機関が逆転する。
【0009】上記(a)の原因により生じる逆転は、燃
料の爆発によるものではないため、逆転時に機関の始動
装置に大きな力が作用することはなく、大きな問題は生
じない。但し、シリンダ内の圧力によりピストンが押し
戻されて逆転が生じた後、その逆転の過程で点火動作が
行なわれると、機関の逆転が維持されるおそれがある。
【0010】上記(b)の原因により生じる逆転は、燃
料の爆発によるものであるため、逆転時に始動装置に大
きな力が作用する。このような逆転が生じると、始動装
置がキックスタータやロープスタータ等の人力を利用し
たものである場合には、運転者に危害を加えるおそれが
ある。また始動装置が電動スタータである場合には、逆
転時にスタータモータとクランク軸とを結合する歯車機
構に大きな力が加わって、該歯車機構が破損するおそれ
がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】機関の逆転を防止する
1つの方法として、機関の極低速時(始動時及びアイド
リング時)の点火位置を上死点よりも遅れた位置に設定
することが考えられる。そのためには、例えば、信号発
生器が固定点火位置信号を発生する位置を上死点よりも
遅れた位置に設定しておいて、機関の回転速度が設定回
転速度以下の時(極低速時)に該固定点火位置信号を点
火信号として点火回路に与えるようにすればよいが、ア
イドリング運転時にも点火位置を機関の上死点より遅ら
せると、機関の回転を安定に維持することができなくな
る。アイドリング運転を安定に行わせるには、点火位置
を上死点前5°ないし13°の範囲の適当な位置に設定
する必要がある。
【0012】そこで、信号発生器が固定点火位置信号を
発生する位置を上死点よりも遅らせて機関の始動時には
該固定点火位置信号を点火信号として点火動作を行わ
せ、機関が始動した後はマイクロコンピュータによりソ
フトウェア上でアイドリング時の点火位置を演算して、
演算した点火位置で点火信号を発生させるようにするこ
とが考えられる。
【0013】この場合、マイクロコンピュータは、基準
位置から点火位置までクランク軸が回転するのに要する
時間の形で各回転速度における点火位置を演算して、信
号発生器が基準信号を発生した時に該点火位置の計測を
開始させ、その計測が完了した時に点火信号を発生させ
ることになる。アイドリング時の機関のクランク軸の回
転速度が一定と見なし得る程度に安定している場合に
は、このような方法によりアイドリング時の点火位置を
一定に保って、機関の回転を安定させることができる。
【0014】しかしながら、機関のアイドリング時にお
いては、シリンダ内の圧力変化の影響を受けて、クラン
ク軸の各回転角度位置における回転速度が変動し、その
変動の程度は一定しないため、信号発生器が基準信号を
発生した位置から演算された点火位置の計測を開始する
方法をとったのでは、各回転毎に点火位置が変動するこ
とになり、アイドリング時の回転を安定させることが困
難になる。
【0015】アイドリング時の回転を安定にするために
は、点火位置を演算により決めるのではなく、信号発生
器が固定点火位置信号を発生する位置を点火位置とする
必要があるが、このようにすると、前述のように、始動
時に機関が逆転するおそれが生じるのを避けられない。
【0016】本発明の目的は、機関の逆転を確実に防止
することができる上に、アイドリング運転を安定に行わ
せることができる内燃機関用点火装置を提供することに
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明においては、信号
発生器が機関の上死点よりも位相が進んだ基準位置と、
該基準位置よりも位相が遅れ上死点よりも位相が進んだ
固定点火位置でそれぞれ基準信号及び固定点火位置信号
を発生するようにしておき、内燃機関の回転速度が設定
回転速度以下になっているとき(極低速時)には、固定
点火位置で点火信号を発生させる。このように構成すれ
ば、アイドリング運転時の点火位置を、上死点前の一定
の位置(通常は上死点前5°ないし13°の範囲に設定
される。)に固定できるため、アイドリング運転を安定
に行わせることができる。
【0018】また、本発明においては、機関の回転速度
が設定回転速度以下であるときに、信号発生器が基準信
号を発生してから固定点火位置信号を発生するまでに要
する時間Tn を計測して、その時間Tn が許容上限値T
nsを超えている場合には、機関が逆転するおそれがある
(クランク軸の回転に十分な勢いがない)ものとして、
点火信号の発生を禁止することにより機関を失火させ、
計測された時間Tn が許容上限値Tns以下の場合にのみ
固定点火位置信号の発生位置で点火信号を発生させる。
【0019】このように構成すると、始動時にクランク
軸の回転に勢いがなく、そのまま点火動作を行わせると
機関が逆転するおそれがある場合には、機関が失火し、
クランク軸の回転に勢いがあって、機関が逆転するおそ
れがない場合にのみ機関が点火されるため、始動時に機
関が逆転するおそれをなくすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係わる内燃機関用点火装
置は、点火信号が与えられたときに点火コイルの一次電
流を制御して点火用の高電圧を発生させる点火回路と、
内燃機関の上死点よりも位相が進んだ位置に設定された
基準位置及び該基準位置よりも位相が遅れ前記上死点よ
りも位相が進んだ位置に設定された固定点火位置でそれ
ぞれ基準信号及び固定点火位置信号を発生する信号発生
器と、基準信号の発生周期から内燃機関の回転速度を検
出する回転速度検出手段と、該回転速度検出手段により
検出された回転速度に対して内燃機関の点火位置を演算
する点火位置演算手段と、回転速度検出手段により検出
された回転速度が設定回転速度以下であるか否かを判定
する回転速度判定手段と、回転速度判定手段により回転
速度が設定回転速度を超えていると判定されたときに点
火位置演算手段により演算された点火位置で点火指令信
号を発生する定常運転時点火指令信号発生手段と、回転
速度判定手段により回転速度が設定回転速度以下である
と判定されたときに基準信号の発生位置から固定点火位
置信号の発生位置まで機関が回転するのに要する時間を
計測する極低速時点火制御用計時手段と、回転速度が設
定回転速度以下であると判定されていて計時手段により
計測された時間が許容上限値以下であると判定されたと
きに固定点火位置信号の発生位置で点火指令信号を発生
させ、回転速度が設定回転速度以下であると判定されて
いて計時手段により計測された時間が許容上限値を超え
ていると判定されたときには点火指令信号の発生を停止
する極低速時点火指令信号発生手段と、点火指令信号が
発生したときに点火回路に点火信号を与える点火信号出
力回路とにより構成できる。
【0021】本発明において、点火回路としては、コン
デンサ放電式の点火回路や電流遮断形の点火回路を用い
ることができる。コンデンサ放電式の点火回路は、点火
コイルと、点火コイルの一次側に設けられて磁石発電機
の出力電圧、または磁石発電機の出力電圧を昇圧して得
た電圧により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄積
用コンデンサと、導通した際に該コンデンサの電荷を点
火コイルの一次コイルを通して放電させるように設けら
れた放電用サイリスタとを備えた回路である。この点火
回路においては、サイリスタに点火信号が与えられたと
きに点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷が点火コイル
の一次コイルに放電し、この放電により点火コイルの二
次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は機
関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加されるた
め、該点火プラグに火花が生じ、機関が点火される。
【0022】電流遮断形の点火回路は、点火コイルの一
次側に一次電流制御用スイッチを備えていて、点火位置
よりも進んだ位置で該スイッチを通して電流を流してお
き、点火信号が与えられたときに一次電流制御用スイッ
チを遮断状態にすることにより、点火コイルの二次側に
点火用の高電圧を誘起させる。
【0023】いずれの点火回路においても、点火信号が
与えられたときに半導体スイッチが動作して点火コイル
の一次電流に急激な変化を生じさせ、その一次電流の変
化により点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を誘
起させる。
【0024】信号発生器は、機関の回転に同期して一定
の回転角度位置で基準信号及び固定点火位置信号を1回
転当たり1回ずつ発生するもので、この信号発生器とし
ては、例えば、誘導子形の信号発電機を用いることがで
きる。誘導子形の信号発電機は、リラクタ(誘導子)を
備えたロータと、該ロータのリラクタが設けられた面に
対向配置される信号発電子とにより構成される。信号発
電子は、ロータに対向する磁極部を先端に有する鉄心と
該鉄心に巻回された信号コイルと、該鉄心に磁気結合さ
れた永久磁石とを備えたもので、ロータのリラクタが該
信号発電子の鉄心の磁極部に対向し始める際、及び該対
向を終了する際にそれぞれ鉄心中で生じる磁束の変化に
より、信号コイルに極性が異なる2つのパルス状の信号
が発生する。
【0025】上記のような信号発電機を用いる場合、信
号発電子が発生する極性が異なる2つの信号の内、先に
発生する信号を基準信号として用い、後から発生する信
号を固定点火位置信号として用いればよい。
【0026】回転速度検出手段は、信号発生器が発生す
る基準信号の発生周期から機関の回転速度を検出する。
基準信号の発生周期は、機関が1回転する時間に相当し
ているため、その発生周期から機関の回転速度の情報を
得ることができる。回転速度の情報を得るためには、例
えば、各基準信号が発生したときにマイクロコンピュー
タに設けられているカウンタにクロックパルスの計数を
開始させ、次の基準信号が発生したときにカウンタの計
数値をラッチするとともに、該カウンタをクリアして、
機関が1回転するのに要する時間を計測するようにすれ
ばよい。このようにして求めた時間データをそのまま回
転速度情報として用いてもよく、その時間データから回
転速度を演算してその演算値を回転速度情報としてもよ
い。機関が1回転するのに要する時間を回転速度情報と
して用いる場合、その回転速度情報のデータの値は機関
の回転速度に反比例することになる。
【0027】点火位置演算手段は、上記回転速度検出手
段により検出された回転速度において、機関が基準位置
から点火位置まで回転するのに要する時間の形で点火位
置を演算する。この点火位置演算手段は、各回転速度に
おける点火位置を数式を用いる演算するようにしてもよ
く、各回転速度における点火位置を、回転速度と点火位
置との関係を与えるマップを用いて、補間法により演算
するようにしてもよい。
【0028】機関の回転速度が設定回転速度を超えてい
ると判定されたときには、定常運転時点火指令信号発生
手段により、基準信号の発生位置で演算された点火位置
の計測を開始し、その計測が完了したときに点火指令信
号を発生させる。この点火指令信号発生手段を実現する
には、例えば、基準信号が発生したときにクロックパル
スを計数するカウンタの計数動作を開始させて、その計
数値が点火位置を与える計数値に一致したときに、点火
指令信号を発生させるようにすればよい。
【0029】回転速度が設定回転速度以下であると判定
されたとき(機関の極低速時)には、極低速時点火制御
用計時手段により基準信号の発生位置から固定点火位置
信号の発生位置まで機関が回転するのに要する時間を計
測して、計測された時間から機関のクランク時の回転に
十分な勢いがあるか否かを判定する。計測された時間が
許容上限値を超えている場合には、クランク軸の回転に
勢いがなく、逆転のおそれがあるとして点火指令信号の
発生を停止させ、計測された時間が許容上限値以下の場
合には、クランク軸の回転に十分な勢いがあるものとし
て、固定点火位置信号の発生位置で点火指令信号を発生
させる。
【0030】定常運転時点火指令信号発生手段または極
低速時点火指令信号発生手段から点火指令信号が発生し
たときに、点火信号出力手段を通して点火回路に点火信
号を与えて点火動作を行わせる。
【0031】
【実施例】図1は本発明の実施例を示したもので、同図
において1は直流コンバータ回路、2はコンデンサ放電
式の点火回路、3はマイクロコンピュータ、4は内燃機
関の回転に同期して第1及び第2の信号Vs1及びVs2を
発生する信号発生器内の信号コイル、5及び6は信号コ
イル4が発生する第1及び第2の信号Vs1及びVs2をそ
れぞれマイクロコンピュータが認識し得る形の信号波形
に整形して、マイクロコンピュータ3の入力ポートA1
及びA2 に割込み信号INT1 及びINT2を与える第
1及び第2の波形整形回路、7はマイクロコンピュータ
3の出力ポートBの電位が高レベルの状態にされたとき
に点火回路2に点火信号Vi を与える点火信号出力回路
である。
【0032】直流コンバータ回路1は、負極が接地され
たバッテリ8の正極に一次コイルの一端が接続されて該
バッテリから一次電流が与えられる昇圧トランス1A
と、昇圧トランス1Aの一次コイルに対して直列に接続
されて該昇圧トランスの一次電流をオンオフするスイッ
チ回路1Bと、スイッチ回路1Bに矩形波状の駆動信号
を与える発振回路1Cと、昇圧トランス1Aの二次コイ
ルの出力を半波整流するダイオードD1 とにより構成さ
れている。図示の例では、ソースが接地され、ドレイン
が昇圧トランス1Aの一次コイルの他端に接続されたM
OSFET F1によりスイッチ回路1Bが構成され、
該MOSFETのゲートに発振回路1Cから駆動信号が
与えられている。昇圧トランス1Aの二次コイルの一端
は接地され、該二次コイルの他端にダイオードD1 のア
ノードが接続されている。
【0033】上記の直流コンバータ回路1においては、
発振回路1Cから与えられる駆動信号によりMOSFE
T F1 がオンオフさせられる。これにより、昇圧トラ
ンス1Aの一次電流が断続させられるため、該昇圧トラ
ンス1Aの二次コイルに昇圧された電圧が誘起し、該誘
起電圧の正の半サイクルにおいて、ダイオードD1 を通
して点火回路2に電圧が供給される。
【0034】コンデンサ放電式の点火回路2は、点火コ
イルIGと、ダイオードD2 と、点火エネルギー蓄積用
コンデンサC1 と、放電用サイリスタTh1と、該サイリ
スタTh1のゲートカソード間に接続された抵抗Ro とを
備えた周知のもので、点火コイルIGの出力電圧は図示
しない機関の気筒に取り付けられた点火プラグPに印加
されている。この点火回路においては、直流コンバータ
回路1→コンデンサC1 →ダイオードD2 及び点火コイ
ルIGの1次コイル→直流コンバータ回路1の回路によ
りコンデンサ充電回路が構成され、直流コンバータ回路
1の出力電圧によりコンデンサC1 が図示の極性に充電
される。
【0035】内燃機関の点火位置でサイリスタTh1のゲ
ートに点火信号Vi が与えられると、該サイリスタが導
通し、コンデンサC1 の電荷がサイリスタTh1と点火コ
イルの1次コイルW1 とを通して放電する。これにより
点火コイルの2次コイルW2に高電圧が誘起する。この
高電圧により点火プラグPに火花が生じ、機関が点火さ
れる。
【0036】信号コイル4は、内燃機関と同期回転する
ように設けられた信号発電機内に設けられていて、図6
(A)に示したように内燃機関の上死点TDCよりも位
相が進んだ位置に設定された基準位置(点火位置の最大
進角位置または最大進角位置よりも僅かに位相が進んだ
位置)θs1で第1の信号Vs1を発生し、アイドル回転時
の点火位置として適した固定点火位置(上死点よりも5
°ないし13°進んだ位置)θs2で第2の信号Vs2を発
生する。この例では、第1の信号Vs1及び第2の信号V
s2がそれぞれ負極性のパルス信号及び正極性のパルス信
号からなっていて、第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2
がそれぞれ第1の波形整形回路5及び第2の波形整形回
路6に入力されている。
【0037】なおここで信号の発生位置とは、信号が所
定のスレショールドレベルに達する位置を意味する。
【0038】波形整形回路5は、エミッタが接地され、
コレクタが抵抗R1 を通して図示しない直流電源の正極
側出力端子に接続されたNPNトランジスタTR1 と、
トランジスタTR1 のベースエミッタ間に接続された抵
抗R2 と、アノードを接地側に向けた状態で抵抗R2 の
両端に並列に接続されたダイオードD3 と、トランジス
タTR1 のベースと図示しない直流電源の正極側出力端
子との間に接続された抵抗R3 と、トランジスタTR1
のベースにアノードが接続されたダイオードD4 と、ダ
イオードD4 のカソードに一端が接続された抵抗R5 及
びコンデンサC2 の並列回路とからなり、抵抗R5 及び
コンデンサC2 の並列回路の他端が信号コイル4の非接
地側端子に接続されている。
【0039】また波形整形回路6は、エミッタが接地さ
れ、コレクタが抵抗R1 ´を通して図示しない直流電源
の正極側出力端子に接続されたNPNトランジスタTR
1 ´と、トランジスタTR1 ´のベースエミッタ間に接
続された抵抗R2 ´と、トランジスタTR1 のベースに
カソードが接続されたダイオードD4 ´と、ダイオード
D4 ´のアノードに一端が接続された抵抗R5 ´及びコ
ンデンサC2 ´の並列回路とからなり、抵抗R5 ´及び
コンデンサC2 ´の並列回路の他端が信号コイル4の非
接地側端子に接続されている。
【0040】信号コイル4に負極性の第1の信号Vs1が
誘起し、基準位置θs1で該信号Vs1がコンデンサC2 の
両端の残留電圧によりほぼ決まるスレショールドレベル
を超えると、信号コイル4からダイオードD3 及びD4
と抵抗R5 及びコンデンサC2 の並列回路とを通して電
流が流れ、ダイオードD3 の両端に電圧降下が生じる。
信号Vs1がスレショールドレベルを超えていて、ダイオ
ードD3 の両端に電圧降下が生じている間だけトランジ
スタTR1 のベースエミッタ間が逆バイアスされるた
め、それまで導通していたトランジスタTR1 が短時間
の間遮断状態になる。トランジスタTR1 が遮断状態に
なると、該トランジスタTR1 のコレクタの電位が低レ
ベル(ほぼ接地レベル)から高レベルの状態へと変化す
るため、該トランジスタTR1 のコレクタにパルス波形
の信号が得られる。この信号が外部割込み信号INT1
としてマイクロコンピュータ3の入力ポートA1 に与え
られる。
【0041】また信号コイル4に正極性の第2の信号V
s2が誘起し、該信号Vs2がアイドリング時の点火位置と
して適した位置に設定された固定点火位置θs2でコンデ
ンサC2 ´の両端の残留電圧によりほぼ決まるスレショ
ールドレベルを超えると、信号コイル4から抵抗R5 ´
及びコンデンサC2 ´の並列回路とダイオードD4 ´と
トランジスタTR1 ´のベースエミッタ間とを通して電
流が流れ、信号Vs2がスレショールドレベルを超えてい
る間、それまで遮断状態にあったトランジスタTR1 ´
が導通状態になる。これにより、トランジスタTR1 ´
のコレクタに高レベルから低レベルへと立ち下がるパル
ス波形の信号が得られ、この信号が外部割込み信号IN
T2 として、マイクロコンピュータ3の入力ポートA2
に与えられる。
【0042】マイクロコンピュータ3は、CPU3a、
割込み制御回路3b、ランダムアクセスメモリ(RA
M)3c、リードオンリーメモリ(ROM)3d、カウ
ンタ3e、コンパレータ3f、レジスタ3g、ラッチ回
路3h、エッジ検出回路3i及びフリップフロップ回路
3jを備えていて、波形整形回路5及び6から入力ポー
トA1 及びA2 を通して与えられる外部割込み信号IN
T1 及びINT2 が割込み制御回路3bに入力されてい
る。。
【0043】点火信号出力回路7は、エミッタが接地さ
れたNPNトランジスタTR2 と、該トランジスタTR
2 のコレクタに抵抗R6 を通してベースが接続されたP
NPトランジスタTR3 とを備えている。トランジスタ
TR2 のベースは抵抗R7 を通してマイクロコンピュー
タの出力ポートBに接続され、該トランジスタTR2の
ベースと接地間には抵抗R8 が接続されている。トラン
ジスタTR3 のエミッタは図示しない直流電源回路の正
極側出力端子に接続され、該トランジスタTR3 のベー
スは抵抗R9 を通して直流電源の正極端子に接続されて
いる。トランジスタTR3 のコレクタに抵抗R10を通し
てダイオードD5 のアノードが接続され、該ダイオード
D5 のカソードが点火回路2のサイリスタTh1のゲート
に接続されている。
【0044】図1に示した点火装置において、割込み制
御回路3bに外部割込み信号INT1 が与えられると、
フリップフロップ回路3jがリセットされて、その正論
理出力端子Qの出力が「0」になる。このときフリップ
フロップ回路3jの出力が許可されているとマイクロコ
ンピュータの出力ポートBの出力が「0」の状態にな
る。また外部割込み信号INT1 が発生すると、エッジ
検出回路3iがその立ち上りを検出してラッチ回路3h
を動作させる。ラッチ回路3hは、割込み信号INT1
が発生したときのカウンタ3eの計数値(クロックパル
スの計数値)をラッチする。割込み制御回路3bは、ラ
ッチ回路3hによりカウンタ3eの計数値をラッチする
とともに、カウンタ3eをクリアする。カウンタ3eの
計数値をラッチした後すぐに該カウンタをクリアするた
め、ラッチした計数値は機関が1回転するのに要した時
間に相当している。本実施例では、この計数値そのもの
を機関の回転速度を示す速度データNe として用いる。
従って速度データNe は回転速度が低い場合程大きな値
を示す。
【0045】マイクロコンピュータのROM3d内には
所定のプログラムと点火位置の演算に用いるマップとが
記憶されていて、該プログラムにより図2に示すメイン
ルーチンと、図3ないし図5に示す割込みルーチンとが
実行される。
【0046】図2に示すメインルーチンでは、電源が確
立したときに先ず各部の初期化(イニシャライズ)を行
い、その後各回転速度における点火位置θigを演算し
て、演算した点火位置θigをRAMに記憶させる過程を
繰り返す。この点火位置の演算はROM3dに記憶され
たマップを用いて補間法により行われる。この点火位置
を演算する過程により、点火位置演算手段が実現され
る。点火位置θigは、各回転速度で基準位置から点火位
置まで機関が回転するのに要する時間(クロックパルス
の計数値)の形で演算される。
【0047】割込み制御回路3bに基準位置θs1で外部
割込み信号INT1 が与えられると、図3に示す割込み
処理が行われる。この割込み処理では、先ずフラグ1を
「0」とした後、ラッチ回路3hによりラッチされたカ
ウンタの計数値(機関が1回転する間にカウンタが計数
したクロックパルスの数)を機関の回転速度を与える速
度データNe としてRAM3cに記憶させる。この過程
により、回転速度検出手段が実現される。次いで、速度
データNe が設定値N1 以上であるか否かを判定する。
ここで設定値N1 は機関の極低速領域(アイドリング領
域)の上限(例えば2000rpm)を与えるものであ
る。速度データNe を設定値N1 と比較した結果、Ne
≧N1 であるとき(回転速度が設定回転速度以下のと
き)には、フリップフロップ回路3jの出力が出力ポー
トBから出力されるのを禁止した後、フラグ2を「1」
としてメインルーチンに復帰する。速度データNe を設
定値N1 と比較した結果、Ne <N1 であるとき(回転
速度が設定回転速度を超えているとき)には、フリップ
フロップ回路3jの出力が出力ポートBから出力される
のを許可した後フラグ2を「0」とし、演算されている
点火位置θigをレジスタ3gに転送した後メインルーチ
ンに復帰する。
【0048】信号コイル4が第2の信号Vs2を発生し
て、割込み信号INT2 が発生すると、図4の割込みル
ーチンが実行される。この割込みルーチンでは、先ずフ
ラグ2が「1」であるか否かを判定し、その結果、フラ
グ2が「1」でない場合(機関の回転速度が設定回転速
度を超えている場合)にはメインルーチンに戻る。フラ
グ2が「1」である場合(回転速度が設定回転速度以下
である場合)には、そのときのカウンタ3eの計数値T
n (基準位置θs1から固定点火位置θs2までクランク軸
が回転するのに要する時間)を取り込んで、取り込んだ
計数値Tn が許容上限値Tnsより大きいか小さいかを判
定する。この計数値の許容上限値Tnsは、機関が極低速
時に基準位置θs1から固定点火位置θs2まで回転する間
の回転速度の許容下限値を与えるものである。計数値T
n と許容上限値Tnsとを比較した結果、計数値Tn が許
容上限値Tnsよりも大きい場合(基準位置から固定点火
位置までクランク軸が回転する間の回転速度が許容下限
値よりも低く、固定点火位置θs2で点火すると機関が逆
転するおそれがある場合)には、何もしないでメインル
ーチンに戻る。
【0049】カウンタ3eの計数値Tn が設定時間を与
える基準値Tnsより大きいか小さいかを判定した結果、
計数値Tn が許容上限値Tns以下である場合(基準位置
から固定点火位置までクランク軸が回転する間の回転速
度が許容下限値以上で、固定点火位置θs2で点火しても
機関が逆転するおそれがない場合)には、マイクロコン
ピュータのポートBの出力を「1」とし、現在のカウン
タ3eの計数値に一定値αを加えた数値をレジスタ3g
に転送する。ここでαは、点火信号の信号幅に相当して
いる。カウンタ3eの計数値に一定値αを加えた数値を
レジスタ3gに転送した後、フラグ1を「1」としてメ
インルーチンに復帰する。
【0050】図4の割込みルーチンにおいてポートBの
出力が「1」にされると、点火信号出力回路7のトラン
ジスタTR2 にベース電流が流れて該トランジスタTR
2 がオン状態にされるため、トランジスタTR3 がオン
状態になり、図示しない直流電源回路からトランジスタ
TR3 と抵抗R10とダイオードD5 とを通してサイリス
タTh1に点火信号が与えられる。サイリスタTh1に点火
信号が与えられた後、カウンタ3eが前記αに相当する
計数値を計数すると、カウンタの計数値がレジスタ3g
の内容に一致するため、コンパレータ3fがフリップフ
ロップ回路3jにセット信号を与えて該フリップフロッ
プ回路の出力Qを1にするとともに、割込み制御回路3
bに割込み信号INT3 を与える。Ne ≧N1 のとき
(回転速度が設定回転速度以下のとき)には、フリップ
フロップ回路の出力が禁止されているので、該フリップ
フロップ回路がセットされたときの出力の変化は出力ポ
ートBの出力に影響を与えない。
【0051】割込み制御回路3bは、割込み信号INT
3 が発生したときに、図5に示す割込みルーチンを実行
させる。Ne ≧N1 であるとき(機関の極低速時)に
は、カウンタ3e の計数値が、図4の割込みルーチンで
レジスタ3g にセットされた計数値に等しくなったとき
(第2の信号Vs2が発生した後信号幅αに相当する時間
が経過したとき)に割込み信号INT3 が発生して、図
5の割込みルーチンが実行される。図5の割込みルーチ
ンでは、先ずフラグ1が「0」であるか否かを判定す
る。Ne ≧N1 であるときには、図4の割込みルーチン
においてフラグ1が「1」にされているため、ポートB
の出力を「0」にしてトランジスタTR2 及びTR3 を
オフ状態にした後(点火信号を消滅させた後)メインル
ーチンに復帰する。
【0052】機関の回転速度が設定値を超えているとき
には、カウンタ3eの計数値が図3の割込みルーチンに
おいてレジスタ3gにセットされた点火位置θigの計数
値に一致したときに割込み信号INT3 が発生して図5
の割込みルーチンが実行される。このとき、フラグ1が
「0」である(Ne <N1 であるために図4の割込みル
ーチンにおいてフラグ1が「1」にされていない)た
め、カウンタの現在の計数値にα(信号幅)を加えた値
をレジスタ3gに転送し、フラグ1を「1」としてメイ
ンルーチンに復帰する。その後、点火信号の信号幅αに
相当する計数値が計数されて割込み信号INT3 が発生
すると図5の割込みルーチンが再度実行される。このと
きはフラグ1が「1」になっているので、マイクロコン
ピュータのポートBの出力を強制的に「0」として、メ
インルーチンに戻る。
【0053】上記のように、本発明においては、機関の
回転速度が設定回転速度以下である場合(極低速時)
に、クランク軸が基準位置から固定点火位置まで回転す
る間に要する時間が許容上限値以下であるか否かを判定
することにより、固定点火位置付近での機関の回転速度
が許容下限値以上であるか否かを判定し、固定点火位置
付近での機関の回転速度が許容下限値以上である場合に
のみ固定点火位置θs2で点火動作を行なわせる。即ち、
図7の左端に示したように、機関の始動時に、固定点火
位置θs2付近での回転速度が許容下限値よりも低く、基
準位置θs1から固定点火位置θs2まで機関が回転するの
に要する時間Tn が、許容上限値Tnsを超えている場合
には、固定点火位置θs2で点火動作が行なわれず、機関
は失火する。図7の中央部及び右端に示したように、機
関の始動時に固定点火位置付近での回転速度が許容下限
値以上で、基準位置θs1から固定点火位置θs2まで機関
が回転するのに要する時間Tn が許容上限値Tns以下で
ある場合には、固定点火位置θs2で点火動作が行なわれ
て機関が始動する。
【0054】このように構成すると、機関の極低速時
に、上死点に近い固定点火位置付近での機関の回転に十
分な勢いがあって、該固定点火位置で点火を行なわせて
も機関が逆転するおそれがない場合にのみ機関が点火さ
れ、固定点火位置付近での回転に勢いがなく、該固定点
火位置で点火を行なわせると機関が逆転するおそれがあ
る場合には機関が失火するため、機関の逆転を確実に防
ぐことができる。
【0055】本実施例では、図3の割込みルーチンにお
いて、カウンタの計数値をラッチして、ラッチした計数
値を取り込む過程により、回転速度検出手段が実現さ
れ、メインルーチンの点火位置θigを演算する過程によ
り点火位置演算手段が実現される。
【0056】また図3の割込みルーチンにおいて、速度
データNe と設定値N1 との大小関係を判定する過程に
より、回転速度検出手段により検出された回転速度が設
定回転速度以下であるか否かを判定する回転速度判定手
段が実現される。
【0057】更に、図3の割込みルーチンにおいて、フ
リップフロップ回路の出力を許可してレジスタにθigを
転送する過程と、図5の割り込みルーチンとにより、回
転速度判定手段により回転速度が設定回転速度を超えて
いると判定されたときに点火位置演算手段により演算さ
れた点火位置で点火位置信号を発生する定常運転時点火
指令信号発生手段が実現される。
【0058】また図4の割込みルーチンにおいて、カウ
ンタの計数値Tn とその許容上限値Tnsとを比較する過
程を行うのに先立って、計数値Tn を取り込む過程(図
4には特に図示せず。)により、回転速度判定手段によ
り回転速度が設定回転速度以下であると判定されたとき
に基準信号の発生位置から固定点火位置信号の発生位置
まで機関が回転するのに要する時間を計測する極低速時
点火制御用計時手段が実現される。
【0059】更に、図4の割込みルーチンにおいて計数
値Tn と許容上限値Tnsとを比較する過程と、ポートB
を「1」にする過程と、カウンタの計数値にαを加算し
た数値をレジスタに転送する過程と、フラグ1を「1」
にする過程と、図5の割込みルーチンとにより、回転速
度が設定回転速度以下であると判定されていて上記計時
手段により計測された時間Tn が許容上限値Tns以下で
あると判定されたときに固定点火位置信号の発生位置で
点火指令信号を発生させ、回転速度が設定回転速度以下
であると判定されていて計時手段により計測された時間
が許容上限値を超えていると判定されたときには点火指
令信号の発生を停止する極低速時点火指令信号発生手段
が実現される。
【0060】上記の例では、点火回路2が直流コンバー
タ回路1を電源として動作するように構成されている
が、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられ
たエキサイタコイルを電源として点火回路2を動作させ
る場合にも本発明を適用できるのは勿論である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機関の
極低速時に機関の上死点前に設定された固定点火位置で
点火信号を発生させるようにしたため、極低速時に点火
位置を上死点前の一定の位置に固定して機関の運転を安
定に行わせることができる。
【0062】また本発明によれば、機関の回転速度が設
定回転速度以下であるときに、信号発生器が基準信号を
発生してから固定点火位置信号を発生するまでに要する
時間を計測して、その時間が許容上限値以下の場合にの
み固定点火位置信号の発生位置で点火信号を発生させる
ようにしたので、始動時にクランク時の回転に勢いがな
く、そのまま点火動作を行わせると機関が逆転するおそ
れがある場合に機関を失火させて、始動時に機関が逆転
するのを確実に防ぐことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のハードウェアの構成を示した
構成図である。
【図2】本発明の実施例においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンを示したフロー
チャートである。
【図3】本発明の実施例において信号発生器が基準信号
を発生したときにマイクロコンピュータが実行するプロ
グラムの割込みルーチンを示したフローチャートであ
る。
【図4】本発明の実施例において信号発生器が固定点火
位置信号を発生したときにマイクロコンピュータが実行
するプログラムの割込みルーチンを示したフローチャー
トである。
【図5】本発明の実施例においてカウンタの計数値がレ
ジスタの内容に一致したときにマイクロコンピュータが
実行するプログラムの割込みルーチンを示したフローチ
ャートである。
【図6】図1の実施例において、信号発生器が発生する
信号の波形及び波形整形回路の出力信号の波形を示した
波形図である。
【図7】極低速時の点火制御を説明するための波形図あ
る。
【符号の説明】
1 直流コンバータ回路 2 点火回路 3 マイクロコンピュータ 4 信号コイル 5 波形整形回路 6 波形整形回路 7 点火信号出力回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火コイル
    の一次電流を制御して点火用の高電圧を発生させる点火
    回路と、 内燃機関の上死点よりも位相が進んだ位置に設定された
    基準位置及び該基準位置よりも位相が遅れ前記上死点よ
    りも位相が進んだ位置に設定された固定点火位置でそれ
    ぞれ基準信号及び固定点火位置信号を発生する信号発生
    器と、 前記基準信号の発生周期から内燃機関の回転速度を検出
    する回転速度検出手段と、 前記回転速度検出手段により検出された回転速度に対し
    て内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、 前記回転速度検出手段により検出された回転速度が設定
    回転速度以下であるか否かを判定する回転速度判定手段
    と、 前記回転速度判定手段により回転速度が設定回転速度を
    超えていると判定されたときに前記点火位置演算手段に
    より演算された点火位置で点火指令信号を発生する定常
    運転時点火指令信号発生手段と、 前記回転速度判定手段により回転速度が設定回転速度以
    下であると判定されたときに前記基準信号の発生位置か
    ら固定点火位置信号の発生位置まで機関が回転するのに
    要する時間を計測する極低速時点火制御用計時手段と、 前記回転速度が設定回転速度以下であると判定されてい
    て前記計時手段により計測された時間が許容上限値以下
    であると判定されたときに前記固定点火位置信号の発生
    位置で点火指令信号を発生させ、前記回転速度が設定回
    転速度以下であると判定されていて前記計時手段により
    計測された時間が許容上限値を超えていると判定された
    ときには点火指令信号の発生を停止する極低速時点火指
    令信号発生手段と、 前記点火指令信号が発生したときに前記点火回路に点火
    信号を与える点火信号出力回路とを具備したことを特徴
    とする内燃機関用点火装置。
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