JP3149755B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JP3149755B2 JP31298495A JP31298495A JP3149755B2 JP 3149755 B2 JP3149755 B2 JP 3149755B2 JP 31298495 A JP31298495 A JP 31298495A JP 31298495 A JP31298495 A JP 31298495A JP 3149755 B2 JP3149755 B2 JP 3149755B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いて点火位置を制御するコンデンサ放電式内燃
機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年内燃機関に対しては、排気ガスの浄
化、燃費の向上、騒音の低減、及び出力の向上等の種々
の要求がされるようになり、これらの要求に応えるため
に、マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火位置
を精密に制御するデジタル制御式の点火装置が多く用い
られるようになった。
【0003】マイクロコンピュータを用いて点火位置を
制御するコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、例
えば、点火コイルと該点火コイルの一次側に設けられた
点火エネルギ蓄積用コンデンサと点火信号が与えられた
ときに導通して前記コンデンサの電荷を点火コイルの一
次コイルに放電させる放電用スイッチとを備えて点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサの放電により点火コイルの二次
コイルに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機
関の上死点(ピストンの上死点に相当する回転角度位
置)よりも位相が進んだ回転角度位置に設定された基準
位置と該基準位置よりも位相が遅れた位置に設定された
極低速時の点火位置とでそれぞれ第1及び第2のパルス
信号を発生する信号発電機と、該信号発電機の出力パル
スの発生周期から機関の回転速度を検出する回転速度検
出手段と、検出された回転速度における点火位置を演算
する点火位置演算手段と、機関の極低速時には信号発電
機が発生する第2のパルス信号の発生位置で点火指令信
号を発生し、機関の定常運転時には信号発電機が基準位
置でパルス信号を発生したことが検出されたときに点火
位置演算手段により演算された点火位置の計測を開始し
て、演算された点火位置が計測されたときに点火指令信
号を発生する点火指令信号発生手段と、点火指令信号が
発生したときに点火回路に点火信号を与える点火信号出
力回路とにより構成される。点火位置演算手段は、各回
転速度における点火位置をその回転速度で基準位置から
点火位置まで機関が回転するのに要する時間の形で演算
する。点火指令信号発生手段は、信号発電機が出力する
第1のパルス信号から基準位置が検出されたときに演算
された点火位置の計測を開始し、点火位置の計測が完了
したときに点火指令信号を発生する。
【0004】なお本明細書において、点火位置、信号の
発生位置等という場合の「位置」は機関の出力軸(通常
はクランク軸)の回転角度位置を意味し、実際には回転
角度で表現される。
【0005】ところで、2サイクル機関及び4サイクル
機関のいずれの場合にも、圧縮比が高いと、始動時にピ
ストンが押し戻されて機関が逆回転することがある。こ
の現象はケッチンと呼ばれている。このケッチンが生じ
る原因としては次の2つがある。
【0006】(a)機関の始動時のクランク軸の回転に
勢いがないときに、シリンダの内圧の上昇により、点火
位置に達する前にピストンが押し戻されてしまい、機関
が逆転する。
【0007】(b)機関の始動時のクランク軸の回転に
勢いがないときに、上死点前の点火位置で点火が行なわ
れ、その際に生じる爆発の圧力によりピストンが押し戻
されて機関が逆転する。
【0008】上記(a)の原因により生じる逆転は、燃
料の爆発によるものではないため、逆転時に機関の始動
装置に大きな力が作用することはなく、大きな問題は生
じない。但し、シリンダ内の圧力によりピストンが押し
戻されて逆転が生じた後、その逆転の過程で点火動作が
行なわれると、機関の逆転が維持されるおそれがある。
【0009】上記(b)の原因により生じる逆転は、燃
料の爆発によるものであるため、逆転時に始動装置に大
きな力が作用する。このような逆転が生じると、始動装
置がキックスタータやロープスタータ等の人力を利用し
たものである場合には、運転者に危害を加えるおそれが
ある。また始動装置が電動スタータである場合には、逆
転時にスタータモータとクランク軸とを結合する歯車機
構に大きな力が加わって、該歯車機構が破損するおそれ
がある。
【0010】このように、機関が逆転した際に点火動作
が行われると、運転者に危害を加えたり、始動装置が破
損したりするおそれがあるため、機関が逆転した際に
は、点火装置による点火動作を停止させて機関を失火さ
せることが必要である。
【0011】機関が逆転した際に点火動作を停止させる
機能を持たせた点火装置として、内燃機関に取り付けら
れた磁石発電機の出力電圧と信号発電機の出力パルスと
の位相関係から機関の回転方向を検出して、機関の全回
転速度領域において、機関が正転していることが検出さ
れているときに点火動作を許容し、機関が逆転したこと
が検出されたときに点火動作を禁止するようにしたもの
(実公平3−11421号)が提案されている。
【0012】この既提案の点火装置においては、内燃機
関により駆動される磁石発電機内に設けられたエキサイ
タコイルを点火電源として動作するコンデンサ放電式の
点火回路を用い、信号発電機としては、例えば点火位置
の計測を開始する基準位置及び該基準位置よりも遅れた
位置に設定された回転角度位置(極低速領域での点火位
置)でそれぞれ負極性のパルス信号及び正極性のパルス
信号を発生するものを用いる。そして、内燃機関の正回
転時に、エキサイタコイルが正の半サイクルの電圧を出
力している間に信号発電機が負極性のパルス信号と正極
性のパルス信号との2つのパルス信号を出力するように
しておき、エキサイタコイルが負の半サイクルの電圧を
出力している間に信号発電機が負極性及び正極性の2つ
のパルス信号を発生する状態が検出されたときに機関が
逆転しているものとして、点火動作を禁止するようにし
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】マイクロコンピュータ
により点火位置を制御するようにした点火装置におい
て、点火位置の計測を開始する基準位置の情報と機関の
低速領域での点火位置の情報と機関の回転速度情報とを
得るために用いる信号発電機としては、通常所定の極弧
角を有するリラクタ(誘導子)を備えて機関のクランク
軸等に取り付けられたロータと、信号発電子とからなる
誘導子形の発電機が用いられる。信号発電子は、ロータ
のリラクタが設けられた面に対向する磁極部を有する鉄
心に巻回された信号コイルと該鉄心に磁気結合された永
久磁石とを有して、リラクタが鉄心の磁極部に対向し始
める際、及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心中で生
じる磁束の変化により信号コイルに極性が異なる第1及
び第2のパルス信号を誘起する。
【0014】上記のような信号発電機が用いられる場
合、機関が1回転する間に信号コイルに誘起する2つの
パルス信号の発生間隔は、リラクタの極弧角にほぼ等し
くなる。信号発電機が発生する第1のパルス信号及び第
2のパルス信号の内、第2のパルス信号の発生位置は、
低速領域の点火位置(固定点火位置)であるため、機関
側の要求により決る。また第1のパルス信号の発生位置
は、マイクロコンピュータが演算した点火位置の計測を
開始する基準位置であるため、少くとも点火位置の最大
進角位置かまたは該最大進角位置よりも更に進んだ位置
であることが必要である。即ちリラクタの極弧角は少く
とも点火位置の進角幅以上に設定する必要がある。多く
の場合、リラクタの極弧角は30度程度に設定され、機
関が1回転する間に信号コイルに誘起する2つのパルス
信号の発生間隔は約30度となっている。
【0015】従って、信号発電機が出力する2つのパル
ス信号がエキサイタコイルの出力電圧の正の半サイクル
の区間に発生したときに内燃機関が正回転していると判
定し、該2つのパルス信号がエキサイタコイルの出力電
圧の負の半サイクルの区間に発生したときに機関が逆回
転していると判定する方法をとる場合、エキサイタコイ
ルの正負の各半サイクルの区間の角度幅が30度よりも
大きいことが必要である。
【0016】エキサイタコイルを設ける磁石発電機とし
ては、通常4極または8極のものが用いられ、これらの
磁石発電機が用いられる場合、エキサイタコイルの出力
電圧の半サイクルの区間の角度幅は90度または45度
であるため、エキサイタコイルの出力電圧の半サイクル
の区間に信号コイルから2つのパルス信号を発生させる
ことは充分に可能であり、信号コイルの出力とエキサイ
タコイルの出力との位相関係により機関の回転方向を判
別することが可能である。
【0017】ところが、最近では、内燃機関に取り付け
る磁石発電機の小形化と高出力化とを図ることが必要と
されるようになったため、巻数が多く大形になるエキサ
イタコイルを点火電源として用いない傾向にあり、磁石
発電機内の発電コイルは全てバッテリ充電用の発電コイ
ルとして用いて、該バッテリの出力により点火装置やそ
の他の電装品を駆動するようにする傾向がある。この場
合、磁石発電機の高出力化を図るために、該磁石発電機
の極数を8極よりも多くすることが多く、通常は12極
以上の磁石発電機が用いられる。
【0018】磁石発電機内の全ての発電コイルをバッテ
リの充電のために用いる場合、該磁石発電機内の発電コ
イルを3相結線して、その3相出力を電圧調整機能を備
えた全波整流回路からなるバッテリ充電回路を通してバ
ッテリに供給する構成がとられることが多い。
【0019】このような構成がとられる場合に、例えば
3相星形結線された発電コイルの内の2相の発電コイル
の両端から単相交流電圧を取り出して、該単相交流電圧
と信号発電機の出力パルスとの位相関係により機関の回
転方向を検出することが考えられる。
【0020】ところが、12極以上の磁石発電機を用い
る場合、該発電機から得られる単相交流出力電圧の半サ
イクルの区間の角度幅は30度以下になるため、その半
サイクルの区間に信号コイルから2つのパルス信号(3
0度間隔で発生する)を発生させることはできない。こ
の場合、基準位置及び極低速時の点火位置でそれぞれ発
生する2つのパルス信号の発生間隔を30度よりも小さ
くすることが考えられるが、低速領域の点火位置は機関
の上死点よりも僅かに進んだ位置に設定する必要があ
り、また基準位置は点火位置の最大進角位置かそれより
も更に進んだ位置に設定する必要があるため、2つのパ
ルス信号の発生間隔をむやみに小さくすることはできな
い。
【0021】また12極よりも極数が少い磁石発電機が
用いられる場合でも、点火位置の進角幅が30度よりも
大きい場合には、従来の方法により機関の回転方向を検
出することができないことがある。例えば4サイクル機
関の場合には、進角幅を45度以上とることが必要にな
ることがあるが、この場合に8極の磁石発電機を用いる
と、磁石発電機の出力の正の半サイクルの区間に信号発
電機の2つの出力パルスを発生させることができないた
め、従来の方法により機関の回転方向を検出することが
できない。
【0022】そこで、リラクタの極弧角を拡大して、図
6に示したように、機関の正回転時に磁石発電機の出力
の隣り合う2つの正の半サイクルの区間にそれぞれ2つ
のパルス信号を発生させるようにすることが考えられ
る。図6の例では、磁石発電機が12極に構成され、同
図(A)に示したように、1回転当り6サイクルの交流
電圧を出力する。この磁石発電機の出力電圧e1 の半サ
イクルの区間の角度幅は30度である。この例では、図
6(B)に示したように信号発電機のリラクタの極弧角
が60度に拡大され、該信号発電機が基準位置及び極低
速時の点火位置でそれぞれ発生する負極性の第1のパル
ス信号S1 及び正極性の第2のパルス信号S2 の発生間
隔が60度に設定されて、磁石発電機の出力電圧の隣り
合う2つの正の半サイクルの区間に2つのパルス信号S
1 及びS2 が発生するように信号発電機と磁石発電機の
出力の位相関係が設定されている。
【0023】図6に示したように信号発電機の出力パル
スと磁石発電機の出力電圧との位相関係を設定しておく
と、機関の逆転時には磁石発電機の出力電圧が同図
(A)に破線で示したe1 ´のように反転するため、負
極性のパルス信号S1 ´及び正極性のパルス信号S2 ´
がそれぞれ磁石発電機の出力電圧e1 ´の負の半サイク
ルの区間に発生するようになり、機関の逆転を検出する
ことができる。このようにして機関の逆転を検出するこ
とができれば、逆転が検出されたときに点火回路に点火
信号が与えられるのを阻止して点火動作を停止させるこ
とにより機関を失火させることができるため、機関が逆
転するのを防止することができる。
【0024】しかしながら、12極の磁石発電機を用い
る場合のように、磁石発電機の極数が多い場合には、そ
の出力電圧の半サイクルの区間の角度幅が非常に狭く
(30度以下に)なるため、各パルス信号の発生位置を
狭い角度範囲に入れることが必要になる。しかも、バッ
テリの充電に用いる磁石発電機の発電コイルの出力電圧
の位相は、バッテリの負荷変動や電圧調整器の動作に伴
って大幅に変化し、バッテリの負荷変動や回転速度の変
化によりバッテリ充電用発電コイルの出力電圧と信号発
電機の出力パルスとの位相関係が変化するため、機関の
回転速度の全域に亘って信号発電機が出力する2つのパ
ルス信号の発生位置が磁石発電機の出力電圧の隣り合う
2つの正の半サイクルの区間に入るように設定すること
は極めて難しく、点火装置の設計が困難になるという問
題があった。
【0025】本発明の目的は、12極以上の磁石発電機
を用いる場合や、点火位置の進角幅を大きくとる必要が
ある場合でも、信号発電機の出力パルスの位相と磁石発
電機の出力の位相とから機関の逆転を確実に検出して機
関を失火させることができるようにしたコンデンサ放電
式内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、マイクロコン
ピュータにより点火位置を制御するコンデンサ放電式の
内燃機関用点火装置を対象とする。更に詳述すると、本
発明が対象とする点火装置は、内燃機関の回転に同期し
て多相交流電圧を出力する多極の磁石発電機と、該磁石
発電機の出力でバッテリ充電回路を通して充電されるバ
ッテリと、該バッテリの出力電圧を昇圧する直流コンバ
ータ回路と、点火コイルと該点火コイルの一次側に設け
られて直流コンバータ回路の出力電圧で充電される点火
エネルギ蓄積用コンデンサと点火信号が与えられたとき
に導通して点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火
コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとを備
えて点火エネルギ蓄積用コンデンサの放電により点火コ
イルの二次コイルに点火用の高電圧を発生する点火回路
と、内燃機関の上死点よりも位相が進んだ位置に設定さ
れた基準位置及び該基準位置よりも位相が遅れ上死点よ
りも位相が進んだ位置に設定された固定点火位置でそれ
ぞれ第1及び第2のパルス信号を発生する信号発電機
と、内燃機関の回転速度を検出する回転速度検出手段
と、回転速度検出手段により検出された回転速度に対し
て内燃機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、
内燃機関の回転速度が低速領域の上限値以下のときに第
2のパルス信号の発生位置で放電用スイッチに点火信号
を与え、回転速度が低速領域の上限値を超えているとき
には点火位置演算手段により演算された点火位置で放電
用スイッチに点火信号を与える点火信号供給手段とを備
えている。
【0027】本発明においては、磁石発電機の2相の出
力端子間から取り出した単相交流電圧の極性を検出して
該単相交流電圧が正の半サイクルにあるときと負の半サ
イクルにあるときとで状態が異なる極性判別信号を出力
する発電機出力極性判別回路と、内燃機関の回転速度が
設定値以下のときに第1のパルス信号が発生したときの
極性判別信号の状態または第2のパルス信号が発生した
ときの極性判別信号の状態から内燃機関の回転方向を判
定する回転方向判定手段と、回転方向判別手段により内
燃機関の回転方向が正方向であると判定されたときに点
火信号供給手段が放電用スイッチに点火信号を与えるの
を許容し、回転方向が逆方向であると判定されたときに
点火信号供給手段が放電用スイッチに点火信号を与える
のを禁止する低速時点火制御手段とを設ける。信号発電
機は、内燃機関の回転方向が正方向のときに第1のパル
ス信号及び第2のパルス信号を単相交流電圧の異なる正
の半サイクルの区間に発生させるように構成しておく。
【0028】上記のように、本発明においては、機関を
始動する際に(機関の回転速度が設定値以下のとき
に)、第1のパルス信号または第2のパルス信号が発生
したときに磁石発電機から得られる単相交流電圧が正の
半サイクルにあるか負の半サイクルにあるかを見ること
により機関の回転方向を判定して、機関の逆回転が検出
されたときに点火回路に点火信号が与えられるのを禁止
するようにしたので、機関の始動の際の回転速度が低い
ために上死点付近でピストンが押し戻されて万一機関が
逆転しようとした場合に、点火動作が行なわれるのを阻
止することができる。従って、機関の逆転により始動装
置に大きな力が加わったり、機関の逆転が維持されたり
するのを防ぐことができる。
【0029】上記内燃機関の回転速度の設定値は、例え
ば低速領域の上限値に等しく設定してもよいが、一般に
機関が逆転するおそれがあるのは機関の極低速時のみで
あり、機関が正常に始動した後はもはや機関が逆転する
おそれはなくなるため、不要時に回転方向の判別を行な
う過程を行なう事態が生じるのを避けるために、上記回
転速度の設定値を低速領域の上限値よりも低く設定する
のが好ましい。
【0030】上記低速時点火制御手段は、回転方向判定
手段により内燃機関の回転方向が逆方向であると判定さ
れたときに点火指令信号発生手段が点火指令信号を発生
するのを禁止するとともに、回転速度検出手段が回転速
度を検出するのをも禁止するように構成するのが好まし
い。
【0031】信号発電機が出力する第1のパルス信号及
び第2のパルス信号の発生間隔は、磁石発電機の2相の
出力端子から取り出される単相交流電圧の1サイクルの
区間の角度幅(機械角)に等しく設定するのが好まし
い。例えば磁石発電機として12極のものを用いる場合
には、第1のパルス信号と第2のパルス信号との発生間
隔を機械角で60度とするのが好ましい。
【0032】また第1のパルス信号及び第2のパルス信
号はそれぞれ、内燃機関の回転速度が設定値以下のとき
に磁石発電機の隣り合う2つの正の半サイクルのピーク
位置で発生するようにしておくのが好ましい。
【0033】本発明においては、機関の回転速度が設定
値以下のときに第1のパルス信号及び第2のパルス信号
の発生位置が磁石発電機から得られる単相交流電圧の正
の半サイクルの区間に入るようにすればよく、機関の全
回転速度領域で第1及び第2のパルス信号の発生位置を
交流電圧の正の半サイクルの区間に入れる必要はないた
め、信号発電機の出力の位相設定を容易にすることがで
きる。
【0034】また通常マイクロコンピュータは、パルス
信号の負または正への立ち上がりを認識するため、第1
のパルス信号及び第2のパルス信号は、回転速度が設定
値以下のときにその全体が交流電圧の正の半サイクルの
区間に入るようにする必要はなく、少くともそれぞれの
立上りが交流電圧の正の半サイクルの区間に入るように
すればよい。従って、本発明によれば、第1及び第2の
パルス信号の全体が交流電圧の正の半サイクルの区間に
入るように設定する必要があった従来の点火装置に比べ
て、信号発電機の出力パルスの位相設定の自由度を高く
することができ、装置の設計及び調整を容易にすること
ができる。
【0035】本発明において、磁石発電機から取り出す
単相交流電圧の両半サイクルの正負の極性は相対的なも
のであって、該単相交流電圧の一方の極性の半サイクル
を正の半サイクルとすれば、他方の極性の半サイクルが
負の半サイクルとなる。本発明において、上記単相交流
電圧の出力の極性をどのようにして決めるかは任意であ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態で用い
るハードウェアの構成例を示したもので、同図において
1は内燃機関の回転に同期して3相交流電圧を出力する
磁石発電機、2は磁石発電機1が発生する3相交流出力
を整流する全波整流回路2Aと該整流回路の出力電圧を
所定の調整値以下に保つように制御する電圧調整器2B
とからなるバッテリ充電回路、3は磁石発電機1の出力
によりバッテリ充電回路2を通して充電されるバッテ
リ、4はバッテリ3の出力電圧を昇圧する直流コンバー
タ回路、5はコンデンサ放電式の点火回路、6はマイク
ロコンピュータである。また7は内燃機関の回転に同期
して第1及び第2の信号S1 及びS2 を発生する信号発
電機、8及び9は信号発電機7が発生する第1及び第2
の信号S1 及びS2をそれぞれマイクロコンピュータが
認識し得る形の信号波形に整形して、マイクロコンピュ
ータ6の入力ポートA1 及びA2 にそれぞれ割込み信号
INT1 及びINT2 を与える第1及び第2の波形整形
回路、10はマイクロコンピュータ6の出力ポートBの
電位が高レベルの状態にされたときに点火回路5に点火
信号Si を与える点火信号出力回路、11は発電機出力
極性判別回路、12はバッテリ3に接続されたランプ等
の負荷である。
【0037】磁石発電機1は、カップ状に形成された回
転子ヨークの周壁部の内周に永久磁石を取付けて12極
の磁石界磁を形成した磁石回転子1Aと、12極の固定
子鉄心の各突極部に発電コイルを巻回してなる固定子1
Bとからなっている。固定子側では、同位相の交流電圧
を出力する4つの発電コイルを直列に接続したものを1
つの相の発電コイルとして、合計3相の発電コイルLu
〜Lw が構成されている。これら3相の発電コイルは星
形結線され、星形結線された発電コイルから3相の出力
端子1u,1v及び1wが導出されている。
【0038】バッテリ充電回路2の整流回路2Aは、ダ
イオードDu1,Du2,Dv1,Dv2,Dw1,Dw2を3相ブ
リッジ接続した周知の回路からなり、該整流回路2Aの
直流出力端子間にバッテリ3が接続されている。磁石発
電機の3つの出力端子1u〜1wがそれぞれ接続された
整流回路2Aの3つの交流入力端子と接地(バッテリ3
の負極)との間にそれぞれサイリスタThu〜Thwがカソ
ードを接地側に向けた状態で接続され、電圧調整回路2
B1からサイリスタThu〜Thwのゲートにトリガ信号が与
えられている。電圧調整回路2B1は、整流回路2Aの直
流出力端子間に得られる直流出力電圧を検出して、該直
流出力電圧が所定の調整値を超えたときにサイリスタT
hu〜Thwに同時にトリガ信号を与える。このときサイリ
スタThu〜Thwの内アノードがカソードに対して正電位
になるように電圧が与えられているサイリスタか導通
し、導通したサイリスタと、整流回路のブリッジの下辺
のダイオードDu2,Dv2,Dw2のいずれかとを通して磁
石発電機1の出力端子間が短絡される。これにより磁石
発電機1の出力電圧が低下する。磁石発電機の出力電圧
が調整値以下になると、サイリスタThu〜Thwへのトリ
ガ信号の供給が停止するため、磁石発電機1の出力電圧
が上昇する。これらの動作の繰り返しにより、整流回路
2Aの出力電圧(バッテリ3に印加される電圧)が調整
値を超えないように制御され、機関の回転速度が充分に
上昇した状態では該出力電圧がほぼ一定に保たれる。こ
の例では、サイリスタThu〜Thwと、電圧調整回路2B1
とにより、電圧調整器2Bが構成されている。
【0039】直流コンバータ回路4は、負極が接地され
たバッテリ3の正極に一次コイルの一端が接続されて該
バッテリから一次電流が与えられる昇圧トランス4A
と、昇圧トランス4Aの一次コイルに対して直列に接続
されて該昇圧トランスの一次電流をオンオフするスイッ
チ回路4Bと、スイッチ回路4Bに矩形波状の駆動信号
を与える発振回路4Cと、発振コイル4Cの二次コイル
の出力を半波整流するダイオードD1 とにより構成され
ている。図示の例では、エミッタが接地され、コレクタ
が昇圧トランス4Aの一次コイルの他端に接続されたN
PNトランジスタTRo と、該トランジスタのベースエ
ミッタ間に接続された抵抗Ro とによりスイッチ回路4
Bが構成され、トランジスタTRo のベースに発振回路
4Cから駆動信号が与えられている。昇圧トランス4A
の二次コイルの一端は接地され、該二次コイルの他端に
ダイオードD1 のアノードが接続されている。
【0040】上記の直流コンバータ回路4においては、
発振回路4Cから与えられる駆動信号によりトランジス
タTRo がオンオフさせられる。これにより、昇圧トラ
ンス4Aの一次電流が断続させられるため、該昇圧トラ
ンス4Aの二次コイルに昇圧された電圧が誘起し、該誘
起電圧の正の半サイクルにおいて、ダイオードD1 を通
して点火回路5に電源電圧が供給される。
【0041】コンデンサ放電式の点火回路5は、点火コ
イルIGと、該点火コイルの一次側に設けられた点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサCi と、点火コイルIGの一
次コイルの両端に接続されたダイオードDi と、点火信
号Si が与えられたときに導通してコンデンサCi の電
荷を点火コイルIGの一次コイルを通して放電させる放
電用スイッチとしてのサイリスタThiと、該サイリスタ
Thiのゲートカソード間に接続された抵抗Ri を備えた
周知のもので、点火コイルIGの出力電圧は図示しない
機関の気筒に取り付けられた点火プラグPに印加されて
いる。この点火回路においては、直流コンバータ回路4
→コンデンサCi →ダイオードDi 及び点火コイルIG
の1次コイル→直流コンバータ回路4の回路によりコン
デンサ充電回路が構成され、直流コンバータ回路4の出
力電圧によりコンデンサCi が図示の極性に充電され
る。
【0042】内燃機関の点火位置でサイリスタThiのゲ
ートに点火信号Si が与えられると、該サイリスタが導
通し、コンデンサCi の電荷がサイリスタThiと点火コ
イルの1次コイルとを通して放電する。これにより点火
コイルの2次コイルに高電圧が誘起する。この高電圧は
点火プラグPに印加されるため、該点火プラグPに火花
が生じ、機関が点火される。
【0043】信号発電機7は、リラクタ7aを有して内
燃機関と同期回転するように設けられたロータ7Aと、
該ロータ7Aのリラクタにより磁束の変化が生じさせら
れてパルス信号S1 及びS2 を出力する信号発電子7B
とにより構成されている。図示の例では、磁石発電機1
の回転子ヨークの外周にリラクタ7aが形成されて、該
回転子ヨークにより信号発電機のロータ7Aが構成され
ている。信号発電子7Bは、ロータ7Aに対向する磁極
部を有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイル7b
と、鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えたもので、
リラクタ7aが信号発電子7Bの鉄心の磁極部に対向し
始める際、及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心中で
生じる磁束の変化により、信号コイル7bから第1のパ
ルス信号S1 及び第2のパルス信号S2 を出力する。
【0044】この例では、図6(A)に示したように内
燃機関の上死点TDCよりも位相が進んだ位置に設定さ
れた基準位置(点火位置の最大進角位置または最大進角
位置よりも僅かに位相が進んだ位置)θs1で第1の信号
S1 を発生し、アイドル回転時の点火位置として適した
固定点火位置(上死点よりも5°ないし13°進んだ位
置)θs2で第2の信号S2 を発生する。図示の例では、
第1の信号S1 及び第2の信号S2 がそれぞれ負極性の
パルス信号及び正極性のパルス信号からなっていて、第
1の信号S1 及び第2の信号S2 がそれぞれ第1の波形
整形回路8及び第2の波形整形回路9に入力されてい
る。
【0045】なおここで信号の発生位置とは、信号が所
定のスレショールドレベルに達する位置を意味する。
【0046】波形整形回路8は、エミッタが接地され、
コレクタが抵抗R1 を通して図示しない直流電源の正極
側出力端子に接続されたNPNトランジスタTR1 と、
トランジスタTR1 のベースエミッタ間に接続された抵
抗R2 と、アノードを接地側に向けた状態で抵抗R2 の
両端に並列に接続されたダイオードD3 と、トランジス
タTR1 のベースと図示しない直流電源の正極側出力端
子との間に接続された抵抗R3 と、トランジスタTR1
のベースにアノードが接続されたダイオードD4 と、ダ
イオードD4 のカソードに一端が接続された抵抗R5 及
びコンデンサC2 の並列回路とからなり、抵抗R5 及び
コンデンサC2 の並列回路の他端が信号コイル7bの非
接地側端子に接続されている。
【0047】波形整形回路9は、エミッタが接地され、
コレクタが抵抗R1 ´を通して図示しない直流電源の正
極側出力端子に接続されたNPNトランジスタTR1 ´
と、トランジスタTR1 ´のベースエミッタ間に接続さ
れた抵抗R2 ´と、トランジスタTR1 ´のベースにカ
ソードが接続されたダイオードD4 ´と、ダイオードD
4 ´のアノードに一端が接続された抵抗R5 ´及びコン
デンサC2 ´の並列回路とからなり、抵抗R5 ´及びコ
ンデンサC2 ´の並列回路の他端が信号コイル7bの非
接地側端子に接続されている。
【0048】信号コイル7bに負極性の第1の信号S1
が発生し、基準位置θs1で該信号S1 がコンデンサC2
の両端の残留電圧によりほぼ決まるスレショールドレベ
ルを超えると、信号コイル7bからダイオードD3 及び
D4 と抵抗R5 及びコンデンサC2 の並列回路とを通し
て電流が流れ、ダイオードD3 の両端に電圧降下が生じ
る。信号S1 がスレショールドレベルを超えていて、ダ
イオードD3 の両端に電圧降下が生じている間だけトラ
ンジスタTR1 のベースエミッタ間が逆バイアスされる
ため、それまで導通していたトランジスタTR1 が短時
間の間遮断状態になる。トランジスタTR1 が遮断状態
になると、該トランジスタTR1 のコレクタの電位が低
レベル(ほぼ接地レベル)から高レベルの状態へと変化
するため、該トランジスタTR1 のコレクタにパルス波
形の信号が得られる。この信号が外部割込み信号INT
1 としてマイクロコンピュータ6の入力ポートA1 に与
えられる。
【0049】また信号コイル7bに正極性の第2の信号
S2 が誘起し、該信号S2 がアイドリング時の点火位置
として適した位置に設定された固定点火位置θs2でコン
デンサC2 ´の両端の残留電圧によりほぼ決まるスレシ
ョールドレベルを超えると、信号コイル7bから抵抗R
5 ´及びコンデンサC2 ´の並列回路とダイオードD4
´とトランジスタTR1 ´のベースエミッタ間とを通し
て電流が流れ、信号S2 がスレショールドレベルを超え
ている間、それまで遮断状態にあったトランジスタTR
1 ´が導通状態になる。これにより、トランジスタTR
1 ´のコレクタに高レベルから低レベルへと立ち下がる
パルス波形の信号が得られ、この信号が外部割込み信号
INT2 として、マイクロコンピュータ6の入力ポート
A2 に与えられる。
【0050】マイクロコンピュータ6は、CPU6a、
割込み制御回路6b、ランダムアクセスメモリ(RA
M)6c、リードオンリーメモリ(ROM)6d、カウ
ンタ6e、コンパレータ6f、レジスタ6g、ラッチ回
路6h、エッジ検出回路6i及びフリップフロップ回路
6jを備えていて、波形整形回路8及び9から入力ポー
トA1 及びA2 を通して与えられる外部割込み信号IN
T1 及びINT2 が割込み制御回路6bに入力されてい
る。。
【0051】点火信号出力回路10は、エミッタが接地
されたNPNトランジスタTR2 と、該トランジスタT
R2 のコレクタに抵抗R6 を通してベースが接続された
PNPトランジスタTR3 とを備えている。トランジス
タTR2 のベースは抵抗R7を通してマイクロコンピュ
ータの出力ポートBに接続され、該トランジスタTR2
のベースと接地間には抵抗R8 が接続されている。トラ
ンジスタTR3 のエミッタは図示しない直流電源回路の
正極側出力端子に接続され、該トランジスタTR3 のベ
ースは抵抗R9 を通して直流電源の正極端子に接続され
ている。トランジスタTR3 のコレクタに抵抗R10を通
してダイオードD5 のアノードが接続され、該ダイオー
ドD5 のカソードが点火回路5のサイリスタThiのゲー
トに接続されている。
【0052】発電機出力極性判別回路11は、エミッタ
が接地されたNPNトランジスタTR4 と、トランジス
タTR4 のベースエミッタ間に接続された抵抗R11と、
トランジスタTR4 のコレクタと図示しない直流電源の
正極端子との間及びトランジスタTR4 のベースと該直
流電源の正極端子との間にそれぞれ接続された抵抗R12
及びR13と、トランジスタTR4 のベースエミッタ間に
カソードをベース側に向けて接続されたダイオードD6
と、トランジスタTR4 のベースと磁石発電機1のU相
の出力端子1uとの間にアノードをトランジスタTR4
のベース側に向けて接続されたダイオードD7 と、磁石
発電機1のV相の出力端子1vと接地間に接続された抵
抗R14とからなり、トランジスタTR4 のコレクタがマ
イクロコンピュータ6の入力ポートA3 に接続されてい
る。
【0053】図示の発電機出力極性判別回路11におい
ては、磁石発電機1のU,V2相の出力端子1u,1v
間から取り出した単相交流電圧e1 が正の半サイクルの
区間にあるときにダイオードD6 及びD7 が逆バイアス
されて、両ダイオードを通して電流が流れないため、ト
ランジスタTR4 が導通状態にあり、該トランジスタT
R4 のコレクタの電位(極性判別信号)はほぼ零の状態
にある。従ってマイクロコンピュータ6の入力ポートA
3 の電位は零(「0」の状態)になっている。磁石発電
機1のU,V2相の出力端子1u,1v間から取り出し
た単相交流電圧e1 が負の半サイクルの区間にあるとき
には、該電圧e1 により、ダイオードD6 及びD7 を通
して電流が流れるため、ダイオードD6 の両端に順方向
電圧降下が生じる。このダイオードD6 の順方向電圧降
下によりトランジスタTR4 のベースエミッタ間が逆バ
イアスされため、該トランジスタTR4 が遮断状態にな
る。これによりトランジスタTR4 のコレクタの電位
(極性判別信号)が高レベルの状態になり、マイクロコ
ンピュータ6の入力ポートA3 の電位が高レベル
(「1」の状態)になる。
【0054】即ち、この例では、磁石発電機1の2相の
出力端子から取り出した単相交流電圧e1 が正の半サイ
クルにあるときに発電機出力極性判別回路11が出力す
る極性判別信号が「0」になり、単相交流電圧e1 が負
の半サイクルにあるときに極性判別信号が「1」にな
る。
【0055】図1に示した例において、磁石発電機1は
12極に構成されているため、その2相の出力端子1
u,1v間から取り出した単相交流電圧e1 の各半サイ
クルの区間の角度幅は30度である。
【0056】図1に示した例では、信号発電機7のロー
タのリラクタ7aの極弧角が60度に設定され、機関の
回転速度が設定値以下のときに、12極の磁石発電機の
2相の出力端子1u,1vから取り出した単相交流電圧
e1 の隣り合う正の半サイクルのピーク位置で第1及び
第2のパルス信号S1 及びS2 が発生する(所定のスレ
ショールドレベルに達する)ように、信号発電機7が設
けられている。
【0057】図1に示した点火装置において、割込み制
御回路6bに外部割込み信号INT1 が与えられると、
フリップフロップ回路6jがリセットされて、その正論
理出力端子Qの出力が「0」になる。このときフリップ
フロップ回路6jの出力が許可されているとマイクロコ
ンピュータの出力ポートBの出力が「0」の状態にな
る。また外部割込み信号INT1 が発生すると、エッジ
検出回路6iがその立ち上りを検出してラッチ回路6h
を動作させる。ラッチ回路6hは、割込み信号INT1
が発生したときのカウンタ6eの計数値(クロックパル
スの計数値)をラッチする。割込み制御回路6bは、ラ
ッチ回路6hによりカウンタ6eの計数値をラッチする
とともに、カウンタ6eをクリアする。カウンタ6eの
計数値をラッチした後すぐに該カウンタをクリアするた
め、ラッチした計数値は機関が1回転するのに要した時
間に相当している。本実施例では、この計数値そのもの
を機関の回転速度Vnを示す速度データNeとして用い
る。従って速度データNeは回転速度Vnが低い場合程
大きな値を示す。
【0058】マイクロコンピュータのROM6d内には
所定のプログラムと点火位置の演算に用いるマップとが
記憶されていて、該プログラムにより図2に示すメイン
ルーチンと、図3ないし図5に示す割込みルーチンとが
実行される。
【0059】図示の例では、内燃機関の回転方向を識別
するためにフラグ1を用い、内燃機関の回転速度が低速
領域にあるか否かを識別するためにフラグ2を用いる。
また点火信号Si が発生しているか否かの識別を行うた
めにフラグ3を用いる。フラグ1は機関が正回転してい
ることが検出されたときに「1」にされ、フラグ2は内
燃機関の回転速度が低速領域の上限値以下のとき(速度
データNeが設定値N1 以上のとき)に「1」にされ
る。またフラグ3は点火信号Si が発生しているときに
「1」にされる。
【0060】図2に示すメインルーチンでは、電源が確
立したときに先ずフラグ1を「0」、フラグ2を「1」
にするとともに、速度データNe(機関が1回転する間
のカウンタ6eの計数値)を記憶するRAMに16進カ
ウンタ6eが計数する計数値の最大値「0FFFFH」
(機関の回転速度が実質的に零であることを示す。)を
読み込む。次いで各部の初期化(イニシャライズ)を行
った後、RAMに記憶されている速度データNeにより
与えられる回転速度における点火位置θigを演算して、
演算した点火位置θigをRAMに記憶させる過程を繰り
返す。この点火位置の演算は、例えば、ROM6dに記
憶されたマップを用いて補間法により行われる。この点
火位置を演算する過程により、点火位置演算手段が実現
される。点火位置θigは、各回転速度で基準位置θs1か
らその点火位置まで機関が回転するのに要する時間(ク
ロックパルスの計数値)の形で演算される。
【0061】割込み制御回路6bに基準位置θs1で外部
割込み信号INT1 が与えられると、図3に示す割込み
処理が行われる。この割込み処理では、先ずフラグ1が
「1」であるか否かを判定する。フラグ1が「1」であ
ると判定されたとき(機関が正回転しているとき)に
は、フラグ1及びフラグ3を「0」の状態にリセットし
た後、ラッチ回路6hによりラッチされたカウンタの計
数値(機関が1回転する間にカウンタが計数したクロッ
クパルスの数)を機関の回転速度を与える速度データN
eとしてRAM6cに記憶させる。この過程により、回
転速度検出手段が実現される。
【0062】次いで、速度データNeが第1の設定値N
1 より小さいか否かを判定する。ここで第1の設定値N
1 は機関の極低速領域(アイドリング領域)の上限Vn1
(例えば2000rpm)を与えるものである。速度デ
ータNeを設定値N1 と比較した結果、Ne≧N1 であ
るとき(回転速度が低速領域の上限値Vn1以下のとき)
には、フリップフロップ回路6jの出力が出力ポートB
から出力されるのを禁止した後、フラグ2を「1」とし
てメインルーチンに復帰する。速度データNeを設定値
N1 と比較した結果、Ne<N1 であるとき(回転速度
が低速領域の上限値Vn1を超えているとき)には、フリ
ップフロップ回路6jの出力が出力ポートBから出力さ
れるのを許可した後フラグ2を「0」とし、演算されて
いる点火位置θigをレジスタ6gに転送した後メインル
ーチンに復帰する。
【0063】信号コイル7bが固定点火位置θs2で第2
の信号S2 を発生して、マイクロコンピュータに割込み
信号INT2 が与えられると、図4の割込みルーチンが
実行される。この割込みルーチンでは、先ず速度データ
Neが第2の設定値N2 よりも小さいか否かを判定す
る。ここで第2の設定値N2 は回転方向の判定を行う速
度領域の設定値Vn2(例えば1000rpm)を与える
もので、この第2の設定値N2 は第1の設定値N1 より
も大きな値に設定される。NeとN2 とを比較した結果
Ne≧N2 である場合(回転速度が設定値Vn2以下のと
き)には、マイクロコンピュータのポートA3 の入力信
号レベルを見て、該ポートA3 の入力信号レベルが
「0」の場合(第2の信号S2 が発生したときに磁石発
電機から取り出した単相交流電圧e1 が正の半サイクル
にあるとき)には、次いでフラグ1が「0」であるか否
かを判定し、その結果フラグ1が「0」である場合に
は、フラグ1を「1」(機関が正回転していることを示
す状態)とする。次いでフラグ2が「1」であるか否か
を判定し、フラグ2が「1」である場合(回転速度が低
速領域にあるとき)には、マイクロコンピュータの出力
ポートBの出力信号レベルを「1」(高レベルの状態)
とした後、その時のカウンタ6eの計数値に点火信号の
信号幅に相当する数値αを加えた数値をレジスタ6gに
入れる。その後フラグ3を「1」(点火信号Si が発生
していることを示す状態)としてメインルーチンに復帰
する。
【0064】第2のパルス信号S2 が発生したときにポ
ートA3 の信号レベルが「1」であると判定された場合
(機関が逆転していると判定された場合)には、何もし
ないでメインルーチンに戻る。
【0065】またポートA3 の信号レベルが「0」であ
る場合に、フラグ1が既に「1」になっていると判定さ
れた場合、及びフラグ2が「0」であると判定された場
合(機関の回転速度Vnが低速領域の上限値Vn1を超え
ていると判定された場合)にも何もしないでメインルー
チンに戻る。
【0066】図4の割込みルーチンにおいてポートBの
出力が「1」にされると、点火信号出力回路10のトラ
ンジスタTR2 にベース電流が流れて該トランジスタT
R2がオン状態にされるため、トランジスタTR3 がオ
ン状態になり、図示しない直流電源回路からトランジス
タTR3 と抵抗R10とダイオードD5 とを通してサイリ
スタThiに点火信号Si が与えられる。サイリスタThi
に点火信号が与えられた後、カウンタ6eが前記αに相
当する計数値を計数すると、カウンタの計数値がレジス
タ6gの内容に一致するため、コンパレータ6fがフリ
ップフロップ回路6jにセット信号を与えて該フリップ
フロップ回路の出力Qを「1」にするとともに、割込み
制御回路6bに割込み信号INT3 を与える。Ne≧N
1 のとき(回転速度が低速領域にあるとき)には、フリ
ップフロップ回路の出力が禁止されているので、該フリ
ップフロップ回路がセットされたときの出力の変化は出
力ポートBの出力に影響を与えない。
【0067】割込み制御回路6bは、割込み信号INT
3 が発生したときに、図5に示す割込みルーチンを実行
させる。Ne≧N1 であるとき(機関の低速領域)に
は、カウンタ6e の計数値が、図4の割込みルーチンで
レジスタ6g にセットされた計数値に等しくなったとき
(第2の信号S2 が発生した後信号幅αに相当する時間
が経過したとき)に割込み信号INT3 が発生して、図
5の割込みルーチンが実行される。図5の割込みルーチ
ンでは、先ずフラグ3が「0」であるか否かを判定す
る。Ne≧N1 であるとき(回転速度が低速領域にある
とき)には、図4の割込みルーチンにおいてフラグ3が
「1」にされているため、ポートBの出力を「0」にし
てトランジスタTR2 及びTR3 をオフ状態にした後
(点火信号を消滅させた後)メインルーチンに復帰す
る。
【0068】Ne<N1 であるとき(機関の回転速度が
低速領域の上限値Vn1を超えているとき)には、カウン
タ6eの計数値が図3の割込みルーチンにおいてレジス
タ6gにセットされた点火位置θigの計数値に一致した
ときに割込み信号INT3 が発生して図5の割込みルー
チンが実行される。このとき、フラグ3が「0」である
[Ne<N1 (<N2 )であるために図4の割込みルー
チンにおいてフラグ3が「1」にされていない]ため、
カウンタの現在の計数値にα(信号幅)を加えた値をレ
ジスタ6gに転送し、フラグ3を「1」としてメインル
ーチンに復帰する。その後、点火信号の信号幅αに相当
する計数値が計数されて割込み信号INT3 が発生する
と図5の割込みルーチンが再度実行される。このときは
フラグ3が「1」になっているので、マイクロコンピュ
ータのポートBの出力を強制的に「0」として、メイン
ルーチンに戻る。
【0069】上記の例では、図3の割込みルーチンにお
いて、カウンタの計数値をラッチしてラッチした計数値
を取り込む過程により、回転速度検出手段が実現され、
メインルーチンの点火位置θigを演算する過程により点
火位置演算手段が実現される。
【0070】また図3の割込みルーチンにおいて、速度
データNeと低速領域の上限値Vn1を与える第1の設定
値N1 との大小関係を判定する過程により、回転速度検
出手段により検出された回転速度が低速領域の上限値以
下であるか否かを判定する速度領域判定手段が実現され
る。
【0071】更に、図3の割込みルーチンにおいて、フ
リップフロップ回路の出力を許可してレジスタにθigを
転送する過程と、図5の割り込みルーチンとにより、速
度領域判定手段により回転速度Vnが低速領域の上限値
Vn1を超えていると判定されたときに点火位置演算手段
により演算された点火位置で点火指令信号を発生する定
常運転時点火指令信号発生手段が実現される。
【0072】また図4の割込みルーチンにおいて、Ne
とN2 との大小関係を判定する過程により、機関の回転
速度Vnが低速領域の上限値Vn1よりも低く設定された
設定値を超えているか否かを判定する回転速度判定手段
が実現される。
【0073】更に、図4の割込みルーチンにおいて、ポ
ートA3 の信号レベルが「0」であるか否かを判定する
過程により、第2のパルス信号S2 が発生したときの極
性判別信号の状態から内燃機関の回転方向を判定する回
転方向判定手段が実現される。
【0074】更に、図4の割込みルーチンにおいて、フ
ラグ1が「0」であるか否かを判定して、その判定結果
に応じて固定点火位置で放電用スイッチに点火信号が与
えられるのを禁止したり許容したりする過程により、内
燃機関の回転方向が正方向であると判定されたときに点
火信号供給手段が放電用スイッチに点火信号を与えるの
を許容し、回転方向が逆方向であると判定されたときに
点火信号供給手段が放電用スイッチに点火信号を与える
のを禁止する低速時点火制御手段が実現される。
【0075】上記のように、図示の例においては、機関
の回転速度が低速領域の上限値Vn1よりも低く設定され
た設定値Vn2以下である場合(極低速時)に、内燃機関
の回転方向を判定して、機関の逆転が検出されたとき
に、点火回路5の放電用スイッチ(図示の例ではサイリ
スタThi)に点火信号が与えられるのを禁止するととも
に、回転速度検出手段が回転速度の検出を行うのを禁止
する。機関の極低速時に機関が正回転していると判定さ
れたとき、及び機関の回転速度が設定値を超えていると
きには、回転速度の検出を行わせるとともに、放電用ス
イッチに点火信号が与えられるのを許容する。
【0076】このように構成すると、機関の始動の際の
回転速度が低いために上死点付近でピストンが押し戻さ
れて万一機関が逆転しようとした場合に、点火動作が行
なわれるのを阻止することができる。従って、機関の逆
転により始動装置に大きな力が加わったり、機関の逆転
が維持されたりするのを防ぐことができる。
【0077】また上記のように構成すれば、機関の回転
速度Vnが設定値Vn2以下のときに第1のパルス信号及
び第2のパルス信号の発生位置が磁石発電機から得られ
る単相交流電圧の正の半サイクルの区間に入るようにす
ればよく、機関の全回転速度領域で第1及び第2のパル
ス信号の発生位置を交流電圧の正の半サイクルの区間に
入れる必要はないため、信号発電機の出力の位相設定を
容易にすることができる。
【0078】また図1に示したように、マイクロコンピ
ュータ6は、波形整形回路8及び9を通して第1及び第
2のパルス信号S1 及びS2 を入力として、これらのパ
ルス信号の負または正への立上がりを信号として認識す
るため、第1のパルス信号S1 及び第2のパルス信号S
2 は、それぞれの全体が交流電圧の正の半サイクルの区
間に入るようにする必要はなく、少くともそれぞれの立
上りが交流電圧の正の半サイクルの区間に入るようにす
ればよい。従って、本発明によれば、回転速度が設定値
以下のときにのみ、第1及び第2のパルス信号が交流電
圧の正の半サイクルの区間に入るように設定すればよい
ことと相俟って、信号発電機の出力パルスの位相設定の
自由度を高くすることができ、装置の設計及び調整を容
易にすることができる。
【0079】上記の例では、機関の回転方向の判定を行
う速度領域の上限を与える回転速度の設定値Vn2を低速
領域の上限値よりも低く設定しているが、機関の回転方
向の判定を行う速度領域の上限を与える回転速度の設定
値Vn2を低速領域の上限値Vn1に等しくするようにして
もよい。
【0080】上記の例では、固定点火位置で第2のパル
ス信号S2 が発生したときに磁石発電機から取り出した
単相交流電圧e1 が正の半サイクルにあるか負の半サイ
クルにあるかを判定することにより、機関の回転方向を
判定するようにしているが、第1のパルス信号S1 が発
生したときに単相交流電圧e1 が正の半サイクルにある
か負の半サイクルにあるかを見ることにより、機関の回
転方向を判定するようにしてもよい。
【0081】上記の例のように、回転方向判定手段によ
り内燃機関の回転方向が逆方向であると判定されたとき
に点火指令信号発生手段が点火指令信号を発生するのを
禁止するだけでなく、回転速度検出手段が回転速度の検
出を行うのも禁止するように低速時点火制御手段を構成
しておくと、逆転が生じたときに機関の回転速度の如何
に係わりなく、速度データNeが最大値「0FFFF
H」(回転速度が実質的に零の状態)に保持されるた
め、万一機関が逆転した際に、外力により強制的に回転
させられてその回転速度Vnが設定値Vn2を超えるよう
な事態が生じた場合でも、速度データNeをNe≧N2
の状態を保って、機関を失火状態に保つことができ、機
関の逆転が継続するのを防ぐことができる。しかしなが
ら、機関の逆転時にその回転速度が設定値(例えば10
00rpm)を超える状態になることは、通常はまず起
らないことであるため、必ずしも上記の例のように構成
する必要はなく、機関の逆転が検出された場合に点火信
号の発生のみを禁止し、回転速度の検出は許容するよう
に構成してもよい。
【0082】上記の例では、12極の磁石発電機を用い
ているが、12極よりも極数が多い磁石発電機を用いる
場合にも本発明を適用できるのはもちろんである。また
12極未満の多極の磁石発電機を用いる場合、例えば、
8極の磁石発電機を用いる場合でも、進角幅を磁石発電
機の出力電圧の半サイクルの区間の角度幅よりも広くと
るために、信号発電機のリラクタの極弧角を磁石発電機
の出力電圧の半サイクルの区間の角度幅よりも広くとる
ことが必要な場合には本発明が有用である。
【0083】上記の例では、第1のパルス信号S1 を負
極性のパルス信号とし、第2のパルス信号S2 を正極性
のパルス信号としたが、これらのパルス信号の極性は逆
にしてもよい。
【0084】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機関の
回転速度が設定値以下のときに機関の回転方向を検出し
て、機関の逆転が検出されたときに点火回路に点火信号
が与えられるのを禁止するようにしたので、機関の逆転
時に点火動作が行なわれるのを阻止することができ、機
関の始動装置に大きな反力が作用したり、機関の逆転が
維持されたりするのを防ぐことができる。
【0085】また本発明においては、機関の回転速度が
設定値以下の場合にのみ回転方向の判定を行なうように
したので、信号発電機が発生するパルス信号は、機関の
極低速時にのみ磁石発電機から得られる単相交流電圧の
正の半サイクルの区間に入るようにすればよく、機関の
全回転速度領域で第1及び第2のパルス信号の発生位置
を交流電圧の正の半サイクルの区間に入れる必要があっ
た従来の点火装置に比べて、信号発電機の出力の位相設
定を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で用いるハードウェアの構
成例を示した構成図である。
【図2】図1の実施の形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズ
ムを示したフローチャートである。
【図3】図1の実施の形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムの割込みルーチンのアルゴリズ
ムを示したフローチャートである。
【図4】図1の実施の形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムの他の割込みルーチンのアルゴ
リズムを示したフローチャートである。
【図5】図1の実施の形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムの更に他の割込みルーチンのア
ルゴリズムを示したフローチャートである。
【図6】磁石発電機から取り出した単相交流電圧と信号
発電機が発生するパルス信号とを示した波形図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 2 バッテリ充電回路 3 バッテリ 4 直流コンバータ回路 5 点火回路 6 マイクロコンピュータ 7 信号発電機 8 波形整形回路 9 波形整形回路 10 点火信号供給回路 11 発電機出力極性判別回路 12 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−197668(JP,A) 特開 昭63−277861(JP,A) 特開 平5−195935(JP,A) 実開 平2−50179(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 11/02 303

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に同期して多相交流電圧
    を出力する多極の磁石発電機と、前記磁石発電機の出力
    でバッテリ充電回路を通して充電されるバッテリと、前
    記バッテリの出力電圧を昇圧する直流コンバータ回路
    と、点火コイルと該点火コイルの一次側に設けられて前
    記直流コンバータ回路の出力電圧で充電される点火エネ
    ルギ蓄積用コンデンサと点火信号が与えられたときに導
    通して前記点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火
    コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとを備
    えて点火エネルギ蓄積用コンデンサの放電により点火コ
    イルの二次コイルに点火用の高電圧を発生する点火回路
    と、内燃機関の上死点よりも位相が進んだ位置に設定さ
    れた基準位置及び該基準位置よりも位相が遅れ前記上死
    点よりも位相が進んだ位置に設定された固定点火位置で
    それぞれ第1及び第2のパルス信号を発生する信号発電
    機と、前記信号発電機の出力パルスの発生周期から内燃
    機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回
    転速度検出手段により検出された回転速度に対して内燃
    機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、内燃機
    関の回転速度が低速領域の上限値以下のときに前記第2
    のパルス信号の発生位置で前記放電用スイッチに点火信
    号を与え、前記回転速度が低速領域の上限値を超えてい
    るときには前記点火位置演算手段により演算された点火
    位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火信号
    供給手段とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装
    置において、 前記磁石発電機の2相の出力端子間から取り出した単相
    交流電圧の極性を検出して該単相交流電圧が正の半サイ
    クルにあるときと負の半サイクルにあるときとで状態が
    異なる極性判別信号を出力する発電機出力極性判別回路
    と、 内燃機関の回転速度が設定値を超えているか否かを判定
    する回転速度判定手段と、 前記回転速度判定手段により内燃機関の回転速度が設定
    値以下であると判定されたときに前記第1のパルス信号
    が発生したときの前記極性判別信号の状態または第2の
    パルス信号が発生したときの前記極性判別信号の状態か
    ら内燃機関の回転方向を判定する回転方向判定手段と、 前記回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が正方
    向であると判定されたときに前記点火信号供給手段が放
    電用スイッチに点火信号を与えるのを許容し、回転方向
    が逆方向であると判定されたときに前記点火信号供給手
    段が放電用スイッチに点火信号を与えるのを禁止する低
    速時点火制御手段とを具備し、 内燃機関の回転方向が正方向のときに前記第1のパルス
    信号及び第2のパルス信号が前記単相交流電圧の異なる
    正の半サイクルの区間に発生するように前記信号発電機
    が構成されていることを特徴とするコンデンサ放電式内
    燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の回転に同期して多相交流電圧
    を出力する多極の磁石発電機と、前記磁石発電機の出力
    でバッテリ充電回路を通して充電されるバッテリと、前
    記バッテリの出力電圧を昇圧する直流コンバータ回路
    と、点火コイルと該点火コイルの一次側に設けられて前
    記直流コンバータ回路の出力電圧で充電される点火エネ
    ルギ蓄積用コンデンサと点火信号が与えられたときに導
    通して前記点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火
    コイルの一次コイルに放電させる放電用スイッチとを備
    えて点火エネルギ蓄積用コンデンサの放電により点火コ
    イルの二次コイルに点火用の高電圧を発生する点火回路
    と、内燃機関の上死点よりも位相が進んだ位置に設定さ
    れた基準位置及び該基準位置よりも位相が遅れ前記上死
    点よりも位相が進んだ位置に設定された固定点火位置で
    それぞれ第1及び第2のパルス信号を発生する信号発電
    機と、前記信号発電機の出力パルスの発生周期から内燃
    機関の回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回
    転速度検出手段により検出された回転速度に対して内燃
    機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、内燃機
    関の回転速度が低速領域の上限値以下であるときに前記
    第2のパルス信号の発生位置で前記放電用スイッチに点
    火信号を与え、前記回転速度が低速領域の上限値を超え
    ているときには前記点火位置演算手段により演算された
    点火位置で前記放電用スイッチに点火信号を与える点火
    信号供給手段とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点
    火装置において、 前記磁石発電機の2相の出力端子の間から取り出した単
    相交流電圧の極性を判別して該単相交流電圧が正の半サ
    イクルにあるときと負の半サイクルにあるときとで状態
    が異なる極性判別信号を出力する発電機出力極性判別回
    路と、 内燃機関の回転速度が低速領域の上限値よりも低く設定
    された設定値以上であるか否かを判定する回転速度判定
    手段と、 前記回転速度判定手段により内燃機関の回転速度が設定
    値未満であると判定されているときに前記第1のパルス
    信号が発生したときの前記極性判別信号の状態または第
    2のパルス信号が発生したときの極性判別信号の状態か
    ら内燃機関の回転方向が正方向か逆方向かを判定する回
    転方向判定手段と、 前記回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が逆方
    向であると判定されたときに前記回転速度検出手段が回
    転速度を検出するのを禁止するとともに、前記点火指令
    信号発生手段が点火指令信号を発生するのを禁止し、前
    記回転速度が設定値以上のとき及び回転方向判定手段に
    より内燃機関の回転方向が正方向であると判定されてい
    るときに前記回転速度検出手段が回転速度を検出するの
    を許容するとともに前記点火指令信号発生手段が点火指
    令信号を発生するのを許容する低速時点火制御手段とを
    具備し、 内燃機関の回転方向が正方向のときに前記第1のパルス
    信号及び第2のパルス信号が前記単相交流電圧の異なる
    正の半サイクルの区間に発生するように前記信号発電機
    が構成されていることを特徴とするコンデンサ放電式内
    燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 発電コイルが3相結線されて内燃機関の
    回転に同期して3相交流電圧を出力する12極の磁石発
    電機と、前記磁石発電機の3相交流出力によりバッテリ
    充電回路を通して充電されるバッテリと、前記バッテリ
    の出力電圧を昇圧する直流コンバータ回路と、点火コイ
    ルと該点火コイルの一次側に設けられて前記直流コンバ
    ータ回路の出力電圧で充電される点火エネルギ蓄積用コ
    ンデンサと点火信号が与えられたときに導通して前記点
    火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点火コイルの一次
    コイルに放電させる放電用スイッチとを備えて点火エネ
    ルギ蓄積用コンデンサの放電により点火コイルの二次コ
    イルに点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関
    の上死点よりも位相が進んだ位置に設定された基準位置
    及び該基準位置よりも位相が遅れ前記上死点よりも位相
    が進んだ位置に設定された固定点火位置でそれぞれ第1
    及び第2のパルス信号を発生する信号発電機と、前記信
    号発電機の出力パルスの発生周期から内燃機関の回転速
    度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手
    段により検出された回転速度に対して内燃機関の点火位
    置を演算する点火位置演算手段と、内燃機関の回転速度
    が低速領域の上限値以下であるときに前記第2のパルス
    信号の発生位置で前記放電用スイッチに点火信号を与
    え、前記回転速度が低速領域の上限値を超えているとき
    には前記点火位置演算手段により演算された点火位置で
    前記放電用スイッチに点火信号を与える点火信号供給手
    段とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記磁石発電機の3相の出力端子の内の2相の出力端子
    間から取り出した単相交流電圧の極性を判別して該単相
    交流電圧が正の半サイクルにあるときと負の半サイクル
    にあるときとで状態が異なる極性判別信号を出力する発
    電機出力極性判別回路と、 内燃機関の回転速度が低速領域の上限値よりも低く設定
    された設定値以上であるか否かを判定する回転速度判定
    手段と、 前記回転速度判定手段により内燃機関の回転速度が設定
    値未満であると判定されているときに前記第1のパルス
    信号が発生したときの前記極性判別信号の状態または第
    2のパルス信号が発生したときの極性判別信号の状態か
    ら内燃機関の回転方向が正方向か逆方向かを判定する回
    転方向判定手段と、 前記回転方向判定手段により内燃機関の回転方向が逆方
    向であると判定されたときに前記回転速度検出手段が回
    転速度を検出するのを禁止するとともに、前記点火指令
    信号発生手段が点火指令信号を発生するのを禁止し、前
    記回転速度が設定値以上のとき及び回転方向判定手段に
    より内燃機関の回転方向が正方向であると判定されてい
    るときに前記回転速度検出手段が回転速度を検出するの
    を許容するとともに前記点火指令信号発生手段が点火指
    令信号を発生するのを許容する低速時点火制御手段とを
    具備し、 前記第1のパルス信号と第2のパルス信号との発生間隔
    が機械角で60度で、かつ内燃機関の回転方向が正方向
    のときに前記第1のパルス信号及び第2のパルス信号が
    前記単相交流電圧の異なる正の半サイクルの区間に発生
    するように前記信号発電機が構成されていることを特徴
    とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
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