JP3198943B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

Info

Publication number
JP3198943B2
JP3198943B2 JP24969896A JP24969896A JP3198943B2 JP 3198943 B2 JP3198943 B2 JP 3198943B2 JP 24969896 A JP24969896 A JP 24969896A JP 24969896 A JP24969896 A JP 24969896A JP 3198943 B2 JP3198943 B2 JP 3198943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
capacitor
voltage
pulse signal
ignition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24969896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1089215A (ja
Inventor
敦文 木下
修 五十嵐
Original Assignee
国産電機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 国産電機株式会社 filed Critical 国産電機株式会社
Priority to JP24969896A priority Critical patent/JP3198943B2/ja
Publication of JPH1089215A publication Critical patent/JPH1089215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3198943B2 publication Critical patent/JP3198943B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に取り付
けられた信号発電機が発生するパルス信号から得られた
機関の回転情報に基づいて点火時期を制御する内燃機関
用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃機関用点火装置は、点火信号
が与えられたときに点火プラグに印加する点火用の高電
圧を発生する点火回路と、点火信号の発生位置を制御す
る制御部とにより構成される。
【0003】近年、内燃機関の排気ガスの浄化や、燃費
の節約、あるいは機関の出力の向上などを図るために、
機関の点火位置を回転速度などの制御条件に対して正確
に制御することが要求されるようになっている。そのた
め内燃機関用点火装置としては、点火位置を制御する制
御部を、マイクロコンピュータやアナログ演算回路等に
より構成したものが用いられるようになっている。
【0004】マイクロコンピュータやアナログ演算回路
により点火位置の制御部を構成する場合には、該制御部
に機関の回転情報を与える必要がある。ここで回転情報
とは、機関の特定の回転角度位置を示す情報や、機関の
回転速度の情報等である。
【0005】例えば、点火位置を制御する制御部をマイ
クロコンピュータを用いて構成する場合には、機関の特
定の回転角度位置を基準位置として設定しておいて、機
関の各回転速度における点火位置を、機関がその回転速
度で基準位置から点火位置まで回転するのに要する時間
の形で演算して、基準位置が検出されたときに該点火位
置を与える時間の計測を開始させ、その時間の計測が完
了したときに点火回路に点火信号を与えるようにしてい
る。
【0006】この場合、制御部は、機関の回転速度の情
報と、機関の回転角度位置が基準位置に一致したことの
情報とを必要とする。また機関に取り付けられた磁石発
電機の出力でマイクロコンピュータに電源電圧を与える
場合には、マイクロコンピュータが正常に演算を行うこ
とができない機関の低速時の点火位置を定めるために、
機関の回転角度位置が低速時の点火位置に一致したこと
を示す情報を必要とする。
【0007】現在用いられている内燃機関用点火装置に
おいては、上記のような回転情報を得るために機関に誘
導子形の信号発電機を取り付けている。周知のように、
誘導子形の信号発電機は、内燃機関と同期回転するよう
に設けられた回転体にリラクタ(誘導子)を形成してな
るロータと、機関のケースやカバー等に固定された信号
発電子とにより構成される。一般に信号発電子は、リラ
クタに対向する磁極部を先端に有する鉄心と、該鉄心に
巻回されたパルサコイルと、該鉄心に磁束を流す永久磁
石とを有していて、ロータのリラクタが鉄心の磁極部と
の対向を開始する際及び該対向を終了する際にそれぞれ
鉄心内で生じる磁束の変化により、パルサコイルに極性
が異なる第1及び第2のパルス信号を発生する。
【0008】この種の信号発電機では、そのロータを、
内燃機関に取り付けられる磁石発電機の回転子の一部を
利用して構成することが多い。
【0009】図4は、内燃機関に取付けられるフライホ
イール磁石発電機の回転子の一部を利用して信号発電機
のロータを構成した例を示したもので、同図において1
は鉄などの強磁性材料によりカップ状に形成されたフラ
イホイール、2はフライホイール1の周壁部1aの内周
に固定された永久磁石であり、フライホイール1と磁石
2とにより磁石回転子3が構成されている。フライホイ
ール1はその底壁部の中央部にボス部1bを有してい
て、該ボス部1bが内燃機関の回転軸(クランク軸)4
に嵌着されている。
【0010】図示の例では、フライホイール1の周壁部
の内周に固定された永久磁石2が4極の回転界磁を構成
するように着磁され、フライホイール1の内側には、内
燃機関のケースやカバー等に設けられた固定子取付け部
に固定された4極の固定子5が配置されている。
【0011】図示の固定子5は、フライホイールのボス
部1aを間隙を介して取り囲むように形成された環状の
継鉄部601から90度間隔で4つの突極部602a〜
602dを突出させた形状を有する4極の固定子鉄心6
と、固定子鉄心6の突極部602a〜602dにそれぞ
れ巻回された発電コイルWa〜Wdとからなっている。
【0012】磁石回転子3と固定子5とにより磁石発電
機が構成され、固定子5に設けられた発電コイルWa〜
Wdには、機関の回転に伴って交流電圧が誘起する。発
電コイルWa〜Wdの内、1つの発電コイルWaは、点
火装置に点火エネルギーを供給するエキサイタコイルと
して用いられる。また他の発電コイルWb〜Wdはバッ
テリの充電や、点灯負荷の駆動等に用いられる。
【0013】図4に示した例では、フライホイール1が
信号発電機のロータ8を構成する回転体として用いられ
ていて、該フライホイールの周壁部1aの外周に所定の
円弧長を有する突起からなるリラクタ8aが形成され、
フライホイール1の外側(ロータ8の外側)に、ロータ
8とともに誘導子形の信号発電機を構成する信号発電子
9が配置されている。信号発電子9は、リラクタ8aに
対向する磁極部901aを先端に有する鉄心901と、
該鉄心に巻回されたパルサコイルPCと、鉄心901に
磁束を流す永久磁石902とを有している。磁石902
はその一方の磁極を鉄心901に当接させ、他方の磁極
を強磁性材料からなるベース板903に当接させた状態
で配置されている。鉄心901、パルサコイルPC、磁
石902及びベース板903は、例えば樹脂モールド部
904によりモールドされて一体化される。
【0014】上記の信号発電子9は、そのベース板90
3を機関のケースやカバー等に設けられた取付け部に固
定することにより機関に取り付けられ、鉄心901の先
端の磁極部901aがロータ8の外周に対向させられ
る。信号発電子9とロータ8とにより、誘導子形の信号
発電機10が構成されている。
【0015】上記の信号発電機においては、ロータ8の
リラクタ8aが信号発電子9の鉄心の磁極部901aと
の対向を開始する際及び該対向を終了する際にそれぞれ
鉄心901内で生じる磁束の変化により、パルサコイル
PCに極性が異なる第1及び第2のパルス信号Vp1及び
Vp2が誘起する。これらのパルス信号の波形は例えば図
3(A)に示すようになる。
【0016】上記のように、磁石発電機の回転子の一部
を利用して信号発電機のロータを構成した場合には、パ
ルサコイルPCがフライホイール1の内周に取り付けら
れた磁石2から生じる漏洩磁束の変化を検出して、図3
(A)にVn1及びVn2で示したようなノイズ信号を発生
することが多い。また内燃機関から伝達される振動等に
よりパルサコイルにノイズ信号が誘起することもある。
【0017】パルサコイルPCに誘起する第1及び第2
のパルス信号Vp1及びVp2の発生位置(パルス信号のレ
ベルが回路により認識され得るしきい値レベルに達する
位置)は、点火位置の制御を行うために必要な回転情報
を得るのに都合がよい位置に設定される。例えば、マイ
クロコンピュータを用いて点火位置を制御する場合に
は、第1のパルス信号Vp1を点火位置の計測を開始する
基準位置で発生させ、第2のパルス信号Vp2を機関の低
速時の点火位置で発生させるようにパルス信号Vp1及び
Vp2の発生位置を設定する。このように設定しておけ
ば、第1のパルス信号Vp1が発生したことを検出するこ
とにより基準位置の情報を得ることができ、第2のパル
ス信号が発生したことを検出することにより機関の低速
時の点火位置の情報を得ることができる。またパルス信
号の発生間隔、例えば、第1のパルス信号Vp1が発生し
てから第2のパルス信号Vp2が発生するまでの時間を計
測することにより、機関の回転速度の情報を得ることが
できる。
【0018】上記のような信号発電機により点火位置を
制御するようにした点火装置では、信号発電機から得ら
れるパルス信号を、波形整形回路により制御部で扱うの
に都合がよい波形の位置検出信号に変換して、該位置検
出信号を制御部に与えるようにしている。
【0019】図2は、上記の信号発電機を用いて、マイ
クロコンピュータにより機関の点火位置を制御するよう
にした従来の点火装置の構成を示したもので、同図にお
いて11は点火回路、12は点火回路を制御する制御
部、13´はパルサコイルPCから得られる第1及び第
2のパルス信号Vp1及びVp2をそれぞれ制御部12が認
識し得る波形に変換して第1及び第2の位置検出信号S
1 及びS2 を発生する波形整形回路である。
【0020】図示の点火回路11は、コンデンサ放電式
の回路として周知のもので、点火コイルIGと、点火コ
イルIGの一次側に設けられた点火エネルギ蓄積用コン
デンサCi と、磁石発電機内に設けられたエキサイタコ
イルWaの一方の半サイクルの出力電圧でコンデンサC
i を一方の極性に充電する点火エネルギ蓄積用コンデン
サ充電回路と、導通した際にコンデンサCi の電荷を点
火コイルの一次コイルに放電させるように設けられた放
電用サイリスタThiとを備えている。図示の例では、エ
キサイタコイルWaの一端及び点火コイルIGの一次コ
イルの一端が接地され、該一次コイルの被接地側の端子
にコンデンサCi の一端が接続されている。コンデンサ
Ci の他端はカソードを該コンデンサCi 側に向けた整
流用ダイオードDi1を通してエキサイタコイルWaの非
接地側端子に接続されている。コンデンサCi とダイオ
ードDi1との接続点と接地間にカソードを接地側に向け
た放電用サイリスタThiが接続され、サイリスタThiの
ゲートカソード間には抵抗Ri が接続されている。また
点火コイルの一次コイルの両端にはカソードを接地側に
向けたダイオードDi2が接続されている。点火コイルI
Gの二次コイルの一端は該点火コイルの一次コイルの非
接地側端子に接続され、二次コイルの他端は機関の気筒
に取り付けられた点火プラグPの非接地側端子に接続さ
れている。
【0021】上記の点火回路11においては、エキサイ
タコイルWaが図示の矢印方向の一方の半サイクルの電
圧を誘起したときに、ダイオードDi とコンデンサCi
とダイオードDi2及び点火コイルIGの一次コイルとを
通して電流が流れて、コンデンサCi が図示の極性に充
電される。制御部12からサイリスタThiのゲートに点
火信号Vi が与えられると、該サイリスタが導通するた
め、コンデンサCi の電荷がサイリスタThiと点火コイ
ルIGの一次コイルとを通して放電する。この放電によ
り点火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、
該点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧Vh が発生
する。この高電圧Vh は点火プラグPに印加されるた
め、該点火プラグに火花が生じ、機関が点火される。
【0022】波形整形回路13´は、パルサコイルPC
の一端に第1の逆流阻止ダイオードD1 を通して一端が
接続された第1のコンデンサC1 及び該第1のコンデン
サの両端に並列に接続された第1の放電用抵抗R1 から
なる第1のバイアス回路13aと、パルサコイルPCの
他端に第2の逆流阻止ダイオードD2 を通して一端が接
続された第2のコンデンサC2 及び該第2のコンデンサ
の両端に並列に接続された第2の放電用抵抗R2 からな
る第2のバイアス回路13bと、パルサコイルPCから
第1のバイアス回路13aを通してベース電流が与えら
れて導通するNPNトランジスタTR1 と、パルサコイ
ルPCから第2のバイアス回路13bを通してベース電
流が与えられて導通するNPNトランジスタTR2 と、
第1及び第2の電流帰還用のダイオードD3 及びD4 と
を備えた回路からなっている。
【0023】制御部12は、マイクロコンピュータ12
aと、点火信号出力回路12bとにより構成され、波形
整形回路13´のトランジスタTR1 及びTR2 のコレ
クタがそれぞれマイクロコンピュータ12aの入力ポー
トA1 及びA2 に接続されている。
【0024】図示の点火信号出力回路12bは、エミッ
タが図示しない直流電源の正極端子に接続され、ベース
が抵抗Ra1を通してマイクロコンピュータ12aの出力
ポートBに接続されたPNPトランジスタTRa と、ト
ランジスタTRa のコレクタに一端が接続された抵抗R
a2と、抵抗Ra2の他端と点火回路のサイリスタThiのゲ
ート(点火回路の点火信号入力端子)との間にアノード
を抵抗Ra2側に向けて接続されたダイオードDa とから
なっている。
【0025】図2に示した波形整形回路13´において
は、パルサコイルPCが第1のパルス信号Vp1を発生し
たときに、第1の逆流阻止ダイオードD1 と第1のバイ
アス回路13aのコンデンサC1 とトランジスタTR1
のベースエミッタ間回路と第1の電流帰還用ダイオード
D3 とを通して電流が流れる。これによりトランジスタ
TR1 にベース電流が与えられるため、該トランジスタ
TR1 が導通し、該トランジスタのコレクタの電位が低
下する。制御部12を構成するマイクロコンピュータ1
2aはこの電位の低下を第1の位置検出信号S1 として
認識する。
【0026】第1のコンデンサC1 の電荷は、放電用抵
抗R1 を通して一定の時定数で放電していく。図2の点
火装置では、機関の低速時においても、次に第1のパル
スVp1が発生したときに、第1のコンデンサC1 に所定
の電圧が残留しているように、コンデンサC1 の放電時
定数が設定されている。したがって、次に第1のパルス
信号Vp1が発生したときには、コンデンサC1 の両端の
電圧がパルサコイルPCにバイアス電圧として印加さ
れ、パルス信号Vp1がこのバイアス電圧を超えたときに
トランジスタTR1 にベース電流が流れる。
【0027】パルサコイルPCが第2のパルス信号Vp2
を発生すると、第2の逆流阻止ダイオードD2 と第2の
バイアス回路13bのコンデンサC2 とトランジスタT
R2のベースエミッタ間回路と第2の電流帰還用ダイオ
ードD4 とを通して電流が流れる。これによりトランジ
スタTR2 にベース電流が与えられるため、該トランジ
スタTR2 が導通し、該トランジスタのコレクタの電位
が低下する。マイクロコンピュータ12aはこの電位の
低下を第2の位置検出信号S2 として認識する。
【0028】第2のコンデンサC2 の電荷は、第2のバ
イアス回路13bの放電用抵抗R2を通して一定の時定
数で放電していくが、この第2のバイアス回路において
も、次に第2のパルスVp2が発生したときに、第2のコ
ンデンサC2 に所定の電圧が残留しているように、コン
デンサC2 の放電時定数が設定されている。したがっ
て、次に第2のパルス信号Vp2が発生したときには、コ
ンデンサC2 の両端の電圧がパルサコイルPCにバイア
ス電圧として印加され、第2のパルス信号Vp2がこのバ
イアス電圧を超えたときにトランジスタTR2 にベース
電流が流れる。
【0029】マイクロコンピュータ12aは、第1の位
置検出信号S1 が発生してから第2の位置検出信号S2
が発生するまでに要する時間、または第1の位置検出信
号S1 が発生してから次に再び第1の位置検出信号S1
が発生するまでに要する時間を計測して、計測した時間
から機関の回転速度を演算し、演算された回転速度にお
ける機関の点火位置をマップや演算式等を用いて演算す
る。マイクロコンピュータ12aはまた、第1の位置検
出信号S1 が発生したときに既に演算されている点火位
置の計測を開始し、その計測が完了した時に出力ポート
Bの電位を接地電位まで低下させる。これによりトラン
ジスタTRa が導通し、図示しない直流電源からトラン
ジスタTRa と抵抗Ra2とダイオードDa とを通して点
火回路11のサイリスタThiに点火信号Vi が与えられ
る。
【0030】上記のように、波形整形回路13´にバイ
アス回路13a及び13bを設けておくと、パルサコイ
ルがパルス信号を発生したときにバイアス回路のコンデ
ンサの両端に生じているバイアス電圧を適当に設定して
おくことにより、ノイズ信号Vn1及びVn2により位置検
出信号が発生して制御部12が誤動作するのを防ぐこと
ができる。
【0031】なお図4に示した例では、リラクタ8aが
突起からなっているが、リラクタをフライホイール(ロ
ータを構成する回転体)の外周に設けた凹部により形成
する場合もある。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】図4に示したような誘
導子形の信号発電機を用いる場合、無負荷時には波高値
が十分に高いパルス信号を得ることができるが、パルサ
コイルに負荷電流を流すとパルス信号の波高値が低下し
てしまう。
【0033】図3(A)は誘導子形の信号発電機が無負
荷状態にあるときに発生する信号の波形を示しており、
この状態では、パルス信号Vp1及びVp2の波高値V1 及
びV2 がノイズ信号Vn1及びVn2の波高値V3 及びV4
よりも十分に高い値を示している。例えば、機関の回転
速度が5000[rpm]のときには、無負荷時のパル
ス信号Vp1及びVp2の波高値V1 及びV2 が55[V]
程度であり、ノイズ信号Vn1及びVn2の波高値V3 及び
V4 は4[V]程度である。
【0034】ところが、パルサコイルPCに図2に示し
たような波形整形回路を接続した場合には、パルス信号
Vp1及びVp2が発生したときにバイアス回路のコンデン
サC1 及びC2 とトランジスタTR1 及びTR2 のベー
ス・エミッタ間とを通して大きな充電電流が流れるた
め、図3(B)に示したようにパルス信号Vp1及びVp2
の波高値が大幅に低下し、パルス信号Vp1及びVp2とノ
イズ信号Vn1及びVn2との差が小さくなってしまう。実
測結果によると、図2の波形整形回路13´を用いた場
合、機関の回転速度が5000[rpm]のときのパル
ス信号Vp1及びVp2の波高値V1 及びV2 は6[V]程
度まで低下し、ノイズ信号の波高値V3 及びV4 (=4
[V])と大差なくなってしまう。これは、パルス信号
Vp1及びVp2が発生している時間が0.2[msec]程度
と極めて短く、コンデンサC1 及びC2 の充電を行って
いる間にパルス信号Vp1及びVp2が消滅してしまうこと
によると思われる。
【0035】上記のように、図2に示したような波形整
形回路を用いた従来の点火装置では、パルス信号の波高
値が相当に低くなるため、バイアス回路13a及び13
bが発生するバイアス電圧を十分に高くすることができ
なかった。そのため、何らかの原因で波高値が高いノイ
ズ信号が発生すると、該ノイズ電圧によっても位置検出
信号が発生して、制御部に誤った情報を与え、点火装置
が誤動作するという問題があった。特に、機関の高速時
には大きな振動が発生するため、その振動の周波数が信
号発電機の機械系の共振周波数と一致すると、パルサコ
イルから大きなノイズ信号が発生することがある。
【0036】従来は、磁石発電機の磁石からの漏洩磁束
を低くする工夫をしたり、機関から信号発電機に伝達さ
れる機械的振動をできるだけ低くしたりする工夫をし
て、上記のような問題が起こるのを防いでいたが、機関
のレイアウト上、信号発電機に伝達される振動を低くす
ることが難しいこともあり、制御部に誤信号が与えられ
るのを完全に防ぐことは難しかった。
【0037】なお図4に示した例では、信号発電機のロ
ータを構成する回転体としてフライホイール1を用い
て、該フライホイールの周壁部1aの外周にリラクタ8
aを形成しているが、フライホイール1のボス部1bの
外周にリラクタを設ける場合もある。フライホイールの
ボス部の外周にリラクタを形成した場合には、パルサコ
イルが、磁石発電機の回転子の磁石から生じる漏洩磁束
の影響を強く受けるため、フライホイールの外周にリラ
クタを設ける場合よりも更にパルサコイルに誘起するノ
イズ信号のレベルが高くなる。
【0038】また磁石発電機の回転子を利用することな
く、信号発電機のロータを構成するために専用に設けた
回転体にリラクタを形成する場合もある。この場合に
は、磁石回転子の磁石から生じる漏洩磁束の影響を少な
くすることができるが、信号発電機の機械系が内燃機関
の振動を受けることに起因するノイズの発生を無くすこ
とはできない。
【0039】本発明の目的は、パルス信号の波高値が低
下するのを防止して、S/N比を十分に大きくし、制御
部に誤信号が与えられるおそれをなくした内燃機関用点
火装置を提供することにある。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回路と、
内燃機関に取り付けられた誘導子形の信号発電機内に設
けられていて内燃機関の第1の回転角度位置及び第2の
回転角度位置でそれぞれ極性が異なる第1のパルス信号
及び第2のパルス信号を発生するパルサコイルと、パル
サコイルの一端に第1の逆流阻止ダイオードを通して一
端が接続されて第1のパルス信号により充電される第1
のコンデンサ及び該第1のコンデンサに並列に接続され
た第1の放電用抵抗からなる第1のバイアス回路と、パ
ルサコイルの他端に第2の逆流阻止ダイオードを通して
一端が接続されて第2のパルス信号により充電される第
2のコンデンサ及び該第2のコンデンサに並列に接続さ
れた第2の放電用抵抗からなる第2のバイアス回路とを
有して第1のパルス信号がしきい値レベルを超えた時及
び第2のパルス信号がしきい値レベルを超えた時にそれ
ぞれ第1の位置検出信号及び第2の位置検出信号を発生
する波形整形回路と、第1及び第2の位置検出信号から
得られる内燃機関の回転情報に基づいて前記点火信号の
発生位置を制御する制御部とを備えた内燃機関用点火装
置に係わるものである。
【0041】本発明においては、上記波形整形回路を、
第1のコンデンサの他端側で第1のバイアス回路に対し
て直列に接続されて第1のパルス信号が発生したときに
第1のコンデンサに流れる充電電流を制限する第1の電
流制限用抵抗と、第1の基準電圧を発生する第1の基準
電圧発生回路と、第1のパルス信号が発生したときに第
1の電流制限用抵抗の両端に生じる第1の信号電圧を第
1の基準電圧と比較して第1の信号電圧が第1の基準電
圧よりも高くなったときに第1の位置検出信号を発生す
る第1の電圧比較器と、第2のコンデンサの他端側で第
2のバイアス回路に対して直列に接続されて第2のパル
ス信号が発生したときに第2のコンデンサに流れる充電
電流を制限する第2の電流制限用抵抗と、第2の基準電
圧を発生する第2の基準電圧発生回路と、第2のパルス
信号が発生したときに第2の電流制限用抵抗の両端に生
じる第2の信号電圧を第2の基準電圧と比較して第2の
信号電圧が第2の基準電圧よりも高くなったときに第2
の位置検出信号を発生する第2の電圧比較器とを備えた
回路により構成した。
【0042】上記第1の基準電圧は、機関が始動回転数
で回転している状態で第1のパルス信号が発生した時に
第1の電流制限用抵抗の両端に生じる第1の信号電圧の
波高値(第1の信号電圧の最小値)よりも低い一定値に
設定しておく。また第2の基準電圧は、機関が始動回転
数で回転している状態で第2のパルス信号が発生した時
に第2の電流制限用抵抗の両端に生じる第2の信号電圧
の波高値(第2の信号電圧の最小値)よりも低い一定値
に設定しておく。
【0043】上記のように構成すると、第1及び第2の
パルス信号が発生したときに、第1及び第2のバイアス
回路のコンデンサを通して流れる充電電流が制限される
ため、第1及び第2のパルス信号の波高値がつぶされる
ことがない。従って、両パルス信号の波高値をノイズ信
号の波高値に比べて十分に高くしてS/N比を大きくす
ることができ、バイアス回路により発生させるバイアス
電圧を十分に高くして、制御部に誤信号が与えられるの
を防ぐことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる点火装置の
構成例を示したものである。同図において、波形整形回
路13以外の部分は図2に示した従来の点火装置と全く
同様に構成されており、図1において、図2に示した点
火装置の各部と同一の部分にはそれぞれ同一の符号を付
してある。
【0045】図1に示した波形整形回路13において
も、パルサコイルPCの一端に第1の逆流阻止ダイオー
ドD1 を通して一端が接続された第1のコンデンサC1
と、該コンデンサC1 の両端に並列に接続された第1の
放電用抵抗R1 とにより第1のバイアス回路13aが構
成され、パルサコイルPCの他端に第2の逆流阻止ダイ
オードD2 を通して一端が接続された第2のコンデンサ
C2 と、該コンデンサC2 の両端に並列接続された第2
の放電用抵抗R2 とにより第2のバイアス回路13bが
構成されている。
【0046】パルサコイルPCの他端と接地間にはアノ
ードを接地に向けた第1の電流帰還用ダイオードD3 が
接続され、該ダイオードD3 の両端には、抵抗値が十分
に大きい抵抗R3 と静電容量が小さいコンデンサC3 と
が並列に接続されている。またパルサコイルPCの一端
と接地間にアノードを接地側に向けた第2の電流帰還用
ダイオードD4 が接続され、該ダイオードD4 の両端に
は、抵抗値が十分に大きい抵抗R4 と静電容量が小さい
コンデンサC4 とが並列に接続されている。
【0047】第1のコンデンサC1 の他端には第1の保
護用抵抗R5 を通して第1の電流制限用抵抗R6 の一端
が接続され、該電流制限用抵抗R6 の他端は接地されて
いる。従って、パルサコイルPCが第1のパルス信号V
p1を発生すると、パルサコイルPCから第1の逆流阻止
ダイオードD1 と第1のコンデンサC1 と第1の保護用
抵抗R5 及び第1の電流制限用抵抗R6 と第1の帰還用
ダイオードD3 とを通して制限された充電電流が流れ、
コンデンサC1 が図示の極性に充電される。この充電電
流により第1の電流制限用抵抗R6 の両端に第1の信号
電圧Vs1が発生する。
【0048】図示の例では、第1の電流制限用抵抗R6
の一端に第1の保護用ダイオードD5 のアノードが接続
され、該ダイオードのカソードは負極が接地された図示
しない直流定電圧電源の正極端子に接続されている。保
護用ダイオードD5 は、第1の信号電圧Vs1が過大にな
った場合に図示しない直流定電圧電源側に電流を流して
該信号電圧Vs1を電源電圧以下に制限するために設けら
れている。
【0049】第2のコンデンサC2 の他端には第2の保
護用抵抗R7 を通して第2の電流制限用抵抗R8 の一端
が接続され、該電流制限用抵抗R8 の他端は接地されて
いる。従って、パルサコイルPCが第2のパルス信号V
p2を発生すると、パルサコイルPCから第2の逆流阻止
ダイオードD2 と第2のコンデンサC2 と第2の保護用
抵抗R7 及び第2の電流制限用抵抗R8 と第2の帰還用
ダイオードD4 とを通して制限された充電電流が流れ、
コンデンサC2 が図示の極性に充電される。この充電電
流により第2の電流制限用抵抗R8 の両端に第2の信号
電圧Vs2が発生する。
【0050】電流制限用抵抗R8 の一端には第2の保護
用ダイオードD6 のアノードが接続され、該ダイオード
D6 のカソードは図示しない直流定電圧電源の正極端子
に接続されている。この保護用ダイオードD6 により第
2の信号電圧Vs2が電源電圧以下に制限される。
【0051】上記第1の電流制限用抵抗R6 の抵抗値及
び第2の電流制限用抵抗R8 の抵抗値は、第1及び第2
のパルス信号Vp1及びVp2の波高値がつぶされるのを防
ぐために十分な程度にコンデンサC1 及びC2 の充電電
流を制限するように、十分大きな値に設定しておく。
【0052】図示しない直流定電圧電源の出力端子間に
はまた、抵抗R9 及びR10の直列回路からなる第1の基
準電圧発生回路13cと、抵抗R11及びR12の直列回路
からなる第2の基準電圧発生回路13dとが接続されて
いる。第1の基準電圧発生回路13cは、直流定電圧電
源の出力電圧Eを分圧して抵抗R10の両端に第1の基準
電圧Vr1を発生する。また第2の基準電圧発生回路13
dは図示しない直流定電圧電源の出力電圧Eを分圧して
抵抗R12の両端に第2の基準電圧Vr2を発生する。第1
の基準電圧Vr1は、機関が始動回転数で回転している状
態で第1のパルス信号Vp1が発生したときに第1の電流
制限用抵抗R6 の両端に発生する第1の信号電圧Vs1の
波高値よりも小さい一定値に設定されている。また第2
の基準電圧Vr2は、機関が始動回転数で回転している状
態で第2のパルス信号Vp2が発生したときに第2の電流
制限用抵抗R8 の両端に発生する第2の信号電圧Vs2の
波高値よりも小さい一定値に設定されている。
【0053】第1の電流制限用抵抗R6 の両端に得られ
る第1の信号電圧Vs1は、第1の基準電圧Vr1とともに
第1の電圧比較器CP1 に入力されている。図示の例で
は、第1の信号電圧Vs1及び第1の基準電圧Vr1がそれ
ぞれ比較器CP1 の反転入力端子及び非反転入力端子に
入力され、第1の信号電圧Vs1が第1の基準電圧Vr1を
超えた時に比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルの
状態から低レベルの状態に変化するようになっている。
比較器CP1 の出力端子は抵抗R13を通して図示しない
直流定電圧電源の正極端子に接続されるとともに、制御
部12を構成するマイクロコンピュータ12aの入力ポ
ートA1 に接続されている。
【0054】また第2の電流制限用抵抗R8 の両端に得
られる第2の信号電圧Vs2は、第2の基準電圧Vr2とと
もに第2の電圧比較器CP2 に入力されている。図示の
例では、第2の信号電圧Vs2及び第2の基準電圧Vr2が
それぞれ比較器CP2 の反転入力端子及び非反転入力端
子に入力され、第2の信号電圧Vs2が第2の基準電圧V
r2を超えた時に比較器CP2 の出力端子の電位が高レベ
ルの状態から低レベルの状態に変化するようになってい
る。比較器CP2 の出力端子は抵抗R14を通して図示し
ない直流定電圧電源の正極端子に接続されるとともに、
マイクロコンピュータ12aの入力ポートA2 に接続さ
れている。その他の点は図2に示した従来の点火装置と
全く同様に構成されている。
【0055】図1に示した点火装置において、パルサコ
イルPCが機関の第1の回転角度位置で第1のパルス信
号Vp1を発生し、該第1のパルス信号Vp1がコンデンサ
C1の両端の電圧(バイアス電圧)を超えると、パルサ
コイルPCから第1の逆流阻止ダイオードD1 と第1の
コンデンサC1 と抵抗R5 及びR6 と電流帰還用ダイオ
ードD3 とを通して電流が流れ、コンデンサC1 が図示
の極性に充電される。このコンデンサC1 の充電電流に
より第1の電流制限用抵抗R6 の両端に第1の信号電圧
Vs1が発生する。この信号電圧Vs1が第1の基準電圧V
r1を超えると比較器CP1 の出力端子の電位が高レベル
から低レベルへと変化する。マイクロコンピュータ12
aはこの電位の低下を第1の位置検出信号S1 として認
識して、内燃機関の回転角度位置が第1の回転角度位置
に一致したことを検出する。
【0056】第1のコンデンサC1 の電荷は、第1の放
電用抵抗R1 を通して一定の時定数で放電するため、コ
ンデンサC1 の両端に生じるバイアス電圧は次第に低下
していく。コンデンサC1 が放電する時間が長い機関の
低速時においてもバイアス電圧がノイズ信号の波高値よ
りも高い値を保持するように、コンデンサC1 の放電時
定数を十分に大きく設定しておく。
【0057】またパルサコイルPCが機関の第2の回転
角度位置で第2のパルス信号Vp2を発生し、該第2のパ
ルス信号Vp2がコンデンサC2 の両端の電圧(バイアス
電圧)を超えると、パルサコイルPCから第2の逆流阻
止ダイオードD2 と第2のコンデンサC2 と抵抗R7 及
びR8 と電流帰還用ダイオードD4 とを通して電流が流
れ、第2のコンデンサC2 が図示の極性に充電される。
コンデンサC2 の充電電流により第2の電流制限用抵抗
R8 の両端に第2の信号電圧Vs2が発生する。この信号
電圧Vs2が第2の基準電圧Vr2を超えると比較器CP2
の出力端子の電位が高レベルから低レベルへと変化す
る。マイクロコンピュータ12aはこの電位の低下を第
2の位置検出信号S2 として認識して、内燃機関の回転
角度位置が第2の回転角度位置に一致したことを検出す
る。
【0058】第2のコンデンサC2 の電荷は、第2の放
電用抵抗R2 を通して一定の時定数で放電するため、コ
ンデンサC2 の両端に生じるバイアス電圧は次第に低下
していく。コンデンサC2 が放電する時間が長い機関の
低速時においてもバイアス電圧がノイズ信号の波高値よ
りも高い値を保持するように、コンデンサC2 の放電時
定数を十分に大きく設定しておく。
【0059】上記のように、第1のバイアス回路13a
及び第2のバイアス回路13bにそれぞれ直列に抵抗値
が十分に大きい第1及び第2の電流制限用抵抗R6 及び
R8を接続しておくと、第1及び第2のコンデンサC1
及びC2 はそれぞれ、第1及び第2のパルス信号が発生
したときに抵抗値が十分に大きい電流制限用抵抗R6及
びR8 を通して充電されるため、パルス信号Vp1及びV
p2の波高値がつぶされることはなく、図3(C)に示し
たように、第1及び第2のパルス信号Vp1及びVp2の波
高値V1 及びV2 をそれぞれノイズ信号Vn1及びVn2よ
りも十分に大きくすることができる。
【0060】実測結果によれば、図3(C)において、
機関の回転速度が5000[rpm ]のときに、ノイズ信
号Vn1及びVn2の波高値V3 及びV4 は4[V]である
のに対し、第1のパルス信号Vp1及び第2のパルス信号
Vp2の波高値V1 及びV2 は例えば20[V]程度まで
高くすることができ、S/N比を十分に大きくすること
ができることが確認された。パルス信号Vp1及びVp2の
波高値は、電流制限用抵抗R6 及びR8 の抵抗値を調整
することにより、適宜に調整することができる。
【0061】図1に示した波形整形回路13において、
第1及び第2の保護用抵抗R5 及びR7 はそれぞれ比較
器CP1 及びCP2 を保護するために設けられている。
これらの保護用抵抗R5 及びR7 は、それぞれ抵抗R6
の一端(非接地側端子)と比較器CP1 の非反転入力端
子との間、抵抗R8 の一端(非接地側端子)と比較器C
P2 の非反転入力端子との間に接続するようにしてもよ
い。また比較器CP1,CP2 によっては、保護用抵抗
R5 及びR7 を省略することもできる。
【0062】上記の例では、マイクロコンピュータ12
aを用いて点火位置を制御するように制御部12を構成
しているが、制御部に用いるマイクロコンピュータ12
aは点火位置のみを制御するのではなく、内燃機関に燃
料を供給するインジェクタや、排気タイミングを制御す
る排気バルブ等の他の制御対象をも併せて制御するもの
であってもよい。また点火位置を制御する制御部12
は、複数の積分回路から得た積分電圧を比較することに
より点火位置を求めるようにしたアナログ式の演算回路
を用いるものでもよい。制御部12でアナログ式の演算
回路を用いる場合には、点火動作を行わせる範囲を定め
るために、機関の最大進角位置と最小進角位置とを検出
する必要があるため、多くの場合、最大進角位置及び最
小進角位置でそれぞれ第1のパルス信号及び第2のパル
ス信号を発生させる。
【0063】図1に示した例において、抵抗R3 ,R4
及びコンデンサC3 ,C4 は、信号発電機が発生するノ
イズ信号の内周波数が高い成分を除去するために設けら
れている。周波数成分が高いノイズ信号が問題にならな
い場合には、これらの抵抗及びコンデンサを省略するこ
とができる。
【0064】上記の例では、点火回路11としてコンデ
ンサ放電式の回路を用いたが、本発明において点火回路
は、点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生
するものであればよく、その形式は問わない。例えば、
点火信号が与えられたときに点火コイルの一次コイルに
流しておいた電流を遮断することにより点火コイルの二
次コイルに点火用の高電圧を発生させる電流遮断形の回
路を用いることもできる。
【0065】上記の例では、第1の信号電圧Vs1及び第
2の信号電圧Vs2がそれぞれ第1の基準電圧Vr1及び第
2の基準電圧Vr2を超えたときに第1及び第2の電圧比
較器CP1 及びCP2 の出力端子の電位を高レベルの状
態から低レベルの状態に変化させて、その電位の低下を
位置検出信号として用いるようにしたが、制御部の構成
によっては、第1の信号電圧Vs1及び第2の信号電圧V
s2がそれぞれ第1の基準電圧Vr1及び第2の基準電圧V
r2を超えたときに第1及び第2の電圧比較器CP1 及び
CP2 の出力端子の電位を低レベルの状態から高レベル
の状態に変化させて、その電位の上昇を位置検出信号と
して用いるようにしてもよい。
【0066】上記の例では、第1のパルス信号が負極性
のパルスからなり、第2のパルス信号が正極性のパルス
からなっているが、第1のパルス信号を正極性とし、第
2のパルス信号を負極性とする場合もある。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、バイア
ス回路に対して直列に電流制限用抵抗を接続して、該電
流制限用抵抗の両端の電圧を基準電圧と比較することに
より位置検出信号を発生させるようにしたので、バイア
ス回路のコンデンサを通して流れる充電電流を制限して
パルス信号の波高値の低下を抑制することができる。従
って、本発明によれば、S/N比を十分に大きくして制
御部に誤信号が与えられるのを防ぐことができ、信号発
電機が発生するノイズ信号により点火装置の誤動作が生
じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を
示した回路図である。
【図2】従来の内燃機関用点火装置の構成例を示した回
路図である。
【図3】信号発電機から得られるパルス信号の波形を示
したもので、(A)は無負荷時の波形を示し、(B)及
び(C)はそれぞれ従来の点火装置及び本発明に係わる
点火装置における負荷時の波形を示している。
【図4】内燃機関用点火装置を駆動するために用いられ
ている発電機の構成例を概略的に示した断面図である。
【符号の説明】
PC パルサコイル 10 信号発電機 11 点火回路 12 制御部 13 波形整形回路 13a 第1のバイアス回路 13b 第2のバイアス回路 13c 第1の基準電圧発生回路 13d 第2の基準電圧発生回路 D1 第1の逆流阻止ダイオード D2 第2の逆流阻止ダイオード C1 第1のコンデンサ C2 第2のコンデンサ R1 第1の放電用抵抗 R2 第2の放電用抵抗 R6 第1の電流制限用抵抗 R8 第2の電流制限用抵抗 CP1 第1の電圧比較器 CP2 第2の電圧比較器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−286181(JP,A) 特開 昭62−85173(JP,A) 特開 昭61−190169(JP,A) 実開 昭61−69478(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 F02D 45/00 362

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、 内燃機関に取り付けられた誘導子形の信号発電機内に設
    けられていて内燃機関の第1の回転角度位置及び第2の
    回転角度位置でそれぞれ極性が異なる第1のパルス信号
    及び第2のパルス信号を発生するパルサコイルと、 前記パルサコイルの一端に第1の逆流阻止ダイオードを
    通して一端が接続されて前記第1のパルス信号により充
    電される第1のコンデンサ及び該第1のコンデンサに並
    列に接続された第1の放電用抵抗からなる第1のバイア
    ス回路と、前記パルサコイルの他端に第2の逆流阻止ダ
    イオードを通して一端が接続されて前記第2のパルス信
    号により充電される第2のコンデンサ及び該第2のコン
    デンサに並列に接続された第2の放電用抵抗からなる第
    2のバイアス回路とを有して、前記第1のパルス信号が
    しきい値レベルを超えた時及び第2のパルス信号がしき
    い値レベルを超えた時にそれぞれ第1の位置検出信号及
    び第2の位置検出信号を発生する波形整形回路と、 前記第1及び第2の位置検出信号から得られる内燃機関
    の回転情報に基づいて前記点火信号の発生位置を制御す
    る制御部とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記波形整形回路は、 前記第1のコンデンサの他端側で前記第1のバイアス回
    路に対して直列に接続されて前記第1のパルス信号が発
    生したときに前記第1のコンデンサに流れる充電電流を
    制限する第1の電流制限用抵抗と、 第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧発生回路と、 前記第1のパルス信号が発生したときに前記第1の電流
    制限用抵抗の両端に生じる第1の信号電圧を前記第1の
    基準電圧と比較して第1の信号電圧が第1の基準電圧よ
    りも高くなったときに前記第1の位置検出信号を発生す
    る第1の電圧比較器と、 前記第2のコンデンサの他端側で前記第2のバイアス回
    路に対して直列に接続されて前記第2のパルス信号が発
    生したときに前記第2のコンデンサに流れる充電電流を
    制限する第2の電流制限用抵抗と、 第2の基準電圧を発生する第2の基準電圧発生回路と、 前記第2のパルス信号が発生したときに前記第2の電流
    制限用抵抗の両端に生じる第2の信号電圧を前記第2の
    基準電圧と比較して第2の信号電圧が第2の基準電圧よ
    りも高くなったときに前記第2の位置検出信号を発生す
    る第2の電圧比較器とを具備していることを特徴とする
    内燃機関用点火装置。
JP24969896A 1996-09-20 1996-09-20 内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP3198943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24969896A JP3198943B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 内燃機関用点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24969896A JP3198943B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 内燃機関用点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1089215A JPH1089215A (ja) 1998-04-07
JP3198943B2 true JP3198943B2 (ja) 2001-08-13

Family

ID=17196880

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24969896A Expired - Fee Related JP3198943B2 (ja) 1996-09-20 1996-09-20 内燃機関用点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3198943B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1089215A (ja) 1998-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4095576A (en) Dwell time control system
JP3089946B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3198943B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3832287B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3125587B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3211511B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3198946B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3075095B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3125563B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JPH0430381Y2 (ja)
JPS6124697Y2 (ja)
JP3119120B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3123294B2 (ja) 内燃機関用無接点点火装置
JPS63285265A (ja) 内燃機関点火装置
JP3861407B2 (ja) 内燃機関点火装置
JPH0247262Y2 (ja)
JP3422185B2 (ja) 信号発生装置
JP3125577B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JPS63626B2 (ja)
JP3412458B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS6253714B2 (ja)
JP2894050B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPH0545825Y2 (ja)
JP3379328B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPH045736Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010515

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees