JP3211511B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3211511B2 JP23511493A JP23511493A JP3211511B2 JP 3211511 B2 JP3211511 B2 JP 3211511B2 JP 23511493 A JP23511493 A JP 23511493A JP 23511493 A JP23511493 A JP 23511493A JP 3211511 B2 JP3211511 B2 JP 3211511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピックアップコイルか
ら得られる信号に基づいて機関の点火位置を決定する内
燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用点火装置においては、内燃機
関に取り付けられた信号発電機内に設けられたピックア
ップコイルの出力から回転角度情報と回転速度情報とを
得て点火位置を演算し、演算された点火位置で点火回路
をトリガして点火動作を行わせるようにしている。
【0003】図8は従来の点火装置の構成例を示したも
ので、同図において1は内燃機関に取り付けられた磁石
発電機内に設けられたエキサイタコイル、2は点火信号
が与えられたときにエキサイタコイル1を電源として、
点火用の高電圧を発生する点火回路で、点火コイル3
と、コンデンサ4と、サイリスタ5と、ダイオード6と
により構成されている。点火回路2の出力は内燃機関の
気筒に取り付けられた点火プラグ7に印加されている。
また8はエキサイタコイルを電源として直流電圧を出力
する電源回路、9は内燃機関に取り付けられた信号発電
機内に設けられたピックアップコイルである。
【0004】ピックアップコイル9が設けられる信号発
電機は、例えば図9に示したように、リラクタ10aを
有して機関の回転軸に取り付けられたロータ10と、信
号発電子11とにより構成される。信号発電子11は、
機関のケースやカバー等に設けられた取付け部に固定さ
れるヨーク12と、ヨーク12に設けられた磁石保持面
12aに一方の磁極面が当接された磁石13と、磁石1
3の他方の磁極面に一端が当接された鉄心14とを備
え、鉄心14にピックアップコイル9が巻回されてい
る。鉄心14はその先端部に磁極部14aを有してい
て、該磁極部がロータ10に所定のギャップを介して対
向させられている。この信号発電機においては、ロータ
10のリラクタ10aが鉄心14の磁極部14aに対向
し始める際、及びその対向を終わる際にそれぞれパルス
波形の第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2を発生する。
ここで第1及び第2の信号Vs1及びVs2の波形は例えば
図10(A)に示す通りで、第1の信号Vs1は機関の上
死点よりも一定の角度位相が進んだ第1の回転角度位置
(通常は最大進角位置)θ1 でスレショールドレベル
(信号が入力される回路が識別し得るレベル)Vt に達
し、第2の信号Vs2は、第1の回転角度位置θ1 よりも
位相が遅れた第2の回転角度位置(通常は最小進角位置
または最大遅角位置)θ2 でスレショールドレベルVt
に達する。本明細書では、信号Vs1及びVs2がそれぞれ
スレショールドレベルに達する位置をそれぞれの信号の
発生位置とする。
【0005】なお図10(A)に示した例では、第1の
回転角度位置θ1 で発生する第1の信号Vs1が負極性で
あり、第2の回転角度位置θ2 で発生する第2の信号V
s2が正極性であるが、回路構成によっては、第1の信号
を正極性とし、第2の信号を負極性とする場合もある。
【0006】上記ピックアップコイル9の出力は点火位
置演算部15に与えられる。点火位置演算部15は、電
源回路8を電源として内燃機関の点火位置を演算し、演
算した位置で点火信号Vi を発生する。点火信号Vi は
ダイオード16を通して点火回路のサイリスタ5のゲー
トに与えられている。またピックアップコイル9が第2
の回転角度位置で発生する第2の信号Vs2がダイオード
17を通してサイリスタ5のゲートに与えられ、この第
2の信号Vs2が低速時用の点火信号として用いられてい
る。
【0007】図8の点火装置において、エキサイタコイ
ル1は内燃機関の回転に同期して交流電圧を発生する。
エキサイタコイル1が図示の実線矢印方向の電圧を誘起
すると、エキサイタコイル1からダイオード6と点火コ
イル3の1次コイルと電源回路8とを通してコンデンサ
2が図示の極性に充電される。点火位置演算部15は、
電源回路8を電源として各回転数における点火位置を演
算し、演算した点火位置で点火信号Vi を発生する。こ
の点火信号がダイオード16を通してサイリスタ5に供
給されると、該サイリスタ5が導通するため、コンデン
サ4の電荷がサイリスタ5と点火コイル3の1次コイル
とを通して放電する。これにより点火コイルの鉄心中で
大きな磁束変化が生じ、該点火コイルの2次コイルに点
火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグ7に
印加されるため、該点火プラグに火花が生じて機関が点
火される。
【0008】この点火装置においては、機関の始動時の
ように回転数が低く、電源回路8が十分な出力を発生で
きない状態のときに点火位置演算部15が点火位置を演
算することができず、点火信号Vi を発生することがで
きないため、機関の回転数が設定値Ns1に達するまでの
間は、ピックアップコイル9が第2の回転角度位置で発
生する第2の信号Vs2をダイオード17を通してサイリ
スタ5に点火信号として供給している。
【0009】図10(B)は図8の点火装置により得ら
れる点火特性の例を示したもので、同図に実線で示した
例では、始動回転数から設定回転数Ns1までの間は第2
の回転角度位置θ2 で点火が行われ、設定回転数Ns1を
超える領域では第1の点火位置θ1 で点火が行われる。
また同図に破線で示した例では、設定回転数Ns1からN
s2までの領域で点火位置が第2の回転角度位置θ2 から
第1の回転角度位置θ1 まで直線的に進角し、設定回転
数Ns2を超える領域では点火位置が第1の回転角度位置
θ1 に固定される。図示してないが、内燃機関によって
は、機関の高速時に点火位置を遅角させるように制御す
る場合もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図8に示した点火装置
では、内燃機関の回転数が設定回転数Ns1に達するまで
の低速領域でピックアップコイル9が発生する第2の信
号Vs2をそのまま点火信号として点火回路2に供給して
いた。このように、ピックアップコイルの出力をそのま
ま低速時の点火信号として用いた場合には、機関の回転
数が低く、ピックアップコイル9の出力がサイリスタ5
のトリガレベルに達することができないときに機関を点
火することができないため、ピックアップコイルの出力
が点火回路2のトリガレベル(図8の例ではサイリスタ
5のトリガレベル)に達する回転数が機関の始動回転数
になる。そのためピックアップコイルが設けられている
信号発電機の性能のばらつきや点火回路のトリガレベル
のばらつきにより機関の始動回転数が変化するという問
題があった。
【0011】特に、ピックアップコイルの出力は信号発
電機の信号発電子とロータとの間のエアギャップ長によ
り大きく変化するため、エアギャップ長がばらつくと機
関の始動性が大きく影響を受ける。エアギャップ長が広
がり過ぎると機関の始動時にピックアップコイルの出力
が点火回路のトリガレベルに達することができなくなる
ため、機関の始動が困難になることがあり、またエアギ
ャップ長が狭すぎる状態になると機関の始動回転数が低
くなり過ぎていわゆるケッチン(爆発時にピストンが押
し戻される現象)が生じ、手動スタートやキックスター
トにより機関を始動する場合に運転者に怪我をさせるお
それがある。
【0012】本発明の目的は、ピックアップコイルの出
力特性や点火回路のトリガレベルのばらつきにより機関
の始動回転数がばらつくのを防止することができるよう
にした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
り駆動される磁石発電機内に設けられたエキサイタコイ
ルと、内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設定された
第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅
れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ第
1及び第2の信号を発生するピックアップコイルと、エ
キサイタコイルを電源として点火信号が与えられたとき
に点火用の高電圧を発生する点火回路と、磁石発電機を
電源として直流電圧を発生する電源回路と、ピックアッ
プコイルの出力を入力として内燃機関の各回転数におけ
る点火位置を演算して演算した点火位置で点火回路に点
火信号を与える点火位置演算部と、磁石発電機の出力を
整流して点火位置演算部の電源端子に与える直流電圧を
発生する電源回路とを備えている内燃機関用点火装置に
係わるものである。
【0014】本発明においては、点火回路よりもトリガ
レベルが低い半導体スイッチ回路を備えて電源回路から
該半導体スイッチ回路を通して点火回路に点火信号を与
える低速時点火信号供給回路と、内燃機関の回転数に相
応した大きさの回転数検出信号を出力する回転検知回路
と、回転数検出信号の大きさが設定値以上のときに低速
時点火信号供給回路から点火回路に点火信号が与えられ
るのを許容し、回転数検出信号の大きさが設定値未満の
ときには低速時点火信号供給回路から点火回路に点火信
号が与えられるのを阻止する低速時点火解除回路とを
けて、ピックアップコイルが発生する第2の信号を低速
時点火信号供給回路の半導体スイッチにトリガ信号とし
て供給するようにした。上記第1の回転角度位置及び第
2の回転角度位置はそれぞれ機関の最大進角位置及び最
小進角位置であることが多いが、点火位置を演算して演
算した点火位置で点火信号を発生させるためには、機関
の特定の回転角度位置を検出できればよいので、第1及
び第2の回転角度位置は必ずしも最大進角位置及び最小
進角位置でなくてもよい。ピックアップコイルが発生す
る2つの出力信号は、機関の回転角度情報(信号の発生
位置により与えられる。)と、回転数情報(2つの信号
の発生間隔または信号の発生周期により与えられる。)
とを点火位置演算部に与え得るものであればよい。但し
第2の回転角度位置は、機関の始動領域での点火位置と
して適当な位置である必要がある。
【0015】ピックアップコイルが設けられる信号発電
機は、図9に例示したようなロータ側にリラクタを有す
るものに限られるものではなく、ロータ側に磁石界磁を
有する信号発電機であってもよい。
【0016】点火回路は、点火信号が与えられたときに
トリガされて動作する半導体スイッチを備えていて、そ
の半導体スイッチの動作により点火コイルの1次電流に
急激な変化を生じさせて点火用の高電圧を誘起させる回
路であればよい。
【0017】点火位置演算部は、ピックアップコイルの
出力から少なくとも回転角度位置の情報を得て点火位置
を演算するものであればよく、回転数の情報は他の手段
により得るようにしてもよい。この点火位置演算部は、
アナログ演算回路を用いたものでもよく、マイクロコン
ピュータを用いたものでもよい。
【0018】電源回路は磁石発電機の出力を半波整流ま
たは全波整流して直流電圧を発生する回路であればよい
が、磁石発電機の出力は回転数により変動するので、こ
の電源回路には、出力電圧を一定値以下に制限する回
路、または出力電圧を一定値に保つ回路を設けておくの
が好ましい。
【0019】なお電源回路の電源として用いる発電コイ
ルは点火回路を駆動するエキサイタコイルでもよく、他
の発電コイルでもよい。
【0020】低速時点火信号供給回路に用いる半導体ス
イッチ回路は、点火回路よりもトリガレベルが低く、か
つピックアップコイルが発生する第2の信号によりオン
オフ制御が可能なものであればよい。この半導体スイッ
チ回路は、単一のスイッチ素子からなっていてもよく、
導通した際に電源回路から点火回路に点火信号を与える
主の半導体スイッチ素子とピックアップコイルが発生す
る第2の信号が与えられたときに動作して該主の半導体
スイッチ素子をトリガするトリガ用のスイッチ素子とを
備えたものでもよい。
【0021】回転検知回路は、機関の少なくとも低速領
域で回転数に相応した大きさの回転数検出信号を出力す
る回路であればよい。従来回転数を検出する回路として
は、機関に取り付けられた発電機の出力電圧が回転数に
相応していることを利用して、該発電機の出力電圧の大
きさから回転数を検出する回路や信号発電機の出力周波
数や磁石発電機内の発電コイルの出力周波数を電圧信号
に変換する回路等種々の回路が用いられているが、本発
明ではこれらいずれの回路を用いてもよい。
【0022】低速時点火解除回路は、回転数検出信号の
大きさが設定値未満のときに低速時点火信号供給回路か
ら点火回路に点火信号が与えられるのを阻止し、回転数
検出信号大きさが設定値以上のときに低速時点火信号供
給回路を通して点火信号が与えられるのを許容する回路
であればよい。点火信号の供給を阻止する回路の構成と
しては、点火回路の点火信号入力端子に対して並列に信
号側路用のスイッチ回路を設けて、該スイッチ回路を導
通させることにより点火信号を点火回路から側路するこ
とにより点火信号の供給を阻止する回路と、低速時点火
信号供給回路と点火回路の点火信号入力端子との間にス
イッチ回路を介在させて、該スイッチ回路を導通させる
ことにより点火信号の供給を許容し、該スイッチ回路を
遮断状態にすることにより点火信号の供給を阻止する回
路とが考えられるが、本発明においてはこれらいずれの
回路を用いてもよい。
【0023】低速時点火解除回路における回転数の設定
値は、ケッチン現象を生じさせることなく機関を始動さ
せることができる回転数の最低値に等しく設定しておく
のが好ましい。なおこの設定値は、当然のことながら、
点火位置演算部15により点火位置を決定することが必
要になる回転数よりも低い値に設定される。
【0024】
【作用】上記のように、低速時にピックアップコイルが
第2の信号を発生したときに、点火回路よりもトリガレ
ベルが低い半導体スイッチ回路を導通させて、電源回路
から半導体スイッチ回路を通して点火信号を供給するよ
うに構成すると、点火動作を開始させるために必要な第
2の信号のレベルを低くすることができるため、機関の
始動回転数を低くすることができ、機関の始動性を高め
ることができる。また上記のように、機関の回転数を検
出する回転検知回路と低速時点火解除回路とを設けて、
回転数検出信号が設定値未満のときに低速時点火信号供
給回路から点火回路に点火信号が与えられるのを阻止す
ようにすると、回転数が設定値に達するまでの間は点
火信号が供給されないため、信号発電機のエアギャップ
が狭すぎて第2の信号電圧の波高値が低速時点火信号供
給回路の半導体スイッチをトリガし得るレベルに達する
回転数が低くなり過ぎる場合でも、回転数が設定値に達
したときに点火動作を開始させることができる。従って
始動回転数が低くなり過ぎてケッチン現象が生じるのを
防ぐことができる。
【0025】
【実施例】図1は本発明の実施例の概略構成を示したも
ので、同図において1は内燃機関に取り付けられた磁石
発電機内に設けられたエキサイタコイル、2はエキサイ
タコイル1を電源として、点火信号が与えられたときに
点火用の高電圧を発生するコンデンサ放電点火回路であ
る。この例では、点火回路2が、図8に示したものと同
様に、点火コイル3と、コンデンサ4と、サイリスタ5
とダイオード6とからなっている。なお一般にコンデン
サ放電式の点火回路は、点火コイルと、点火コイルの1
次側に設けられてエキサイタコイルの出力により一方の
極性に充電されるコンデンサと、コンデンサの電荷を点
火コイルの1次コイルに放電させるためのスイッチ素子
とを備えた回路であればよく、その具体的な構成は図1
に示した例に限らない。例えば、図1に示した例では、
コンデンサ4が点火コイル3の1次コイルに対して直列
に接続され、コンデンサ4と点火コイルの1次コイルと
の直列回路に対して並列にサイリスタ5が接続されてい
るが、コンデンサ4とサイリスタ5との位置を入れ替え
て、サイリスタ5を点火コイル3の1次コイルに対して
直列に接続し、サイリスタ5と点火コイル3の1次コイ
ルとの直列回路の両端にコンデンサ4を並列に接続する
回路構成をとる場合もある。またコンデンサ4の電荷を
放電させるスイッチとしてはサイリスタ5に代えてトラ
ンジスタやFETを用いることもできる。更に、エキサ
イタコイル1に対して並列にトランジスタ等のスイッチ
素子を接続してエキサイタコイルに正の半サイクルの誘
起電圧が発生したときに該スイッチ素子を導通させ、エ
キサイタコイルの正の半サイクルの誘起電圧がピーク付
近に達したときに該スイッチ素子を遮断状態にすること
によりエキサイタコイルに高い電圧を誘起させて、この
誘起電圧でコンデンサ4を充電するようにした回路を用
いる場合もある。
【0026】8はエキサイタコイル1の正の半サイクル
の出力を整流して直流電圧を出力する電源回路、9は内
燃機関に取り付けられた信号発電機内に設けられたピッ
クアップコイルであり、ピックアップコイル9は、内燃
機関の上死点よりも進んだ位置に設定された第1の回転
角度位置及び該第1の回転角度位置よりも遅れた位置に
設定された第2の回転角度位置でそれぞれ第1及び第2
の信号を発生する。本実施例では、第1の回転角度位置
が最大進角位置に等しく設定され、第2の回転角度位置
が最小進角位置(最大遅角位置)に等しく設定されてい
る。15はピックアップコイル9の出力を入力として内
燃機関の各回転数における点火位置を演算して演算した
点火位置で点火回路2のサイリスタ5に点火信号を与え
る点火位置演算部で、電源回路8の出力が点火位置演算
部15の電源端子に与えられている。この実施例の点火
位置演算部15は、ピックアップコイル9が発生する信
号により積分区間が定められる複数の積分回路と、該複
数の積分回路から得られる積分電圧を比較演算して点火
信号を出力する比較回路とを備えたアナログ式の演算回
路からなっている。この点火位置演算部15が出力する
点火信号はダイオード16を通して点火回路2のサイリ
スタ5のゲートに与えられている。
【0027】20は低速時点火信号供給回路で、電源回
路8の出力端子にエミッタが接続されたPNPトランジ
スタTr1と、エミッタが接地され、コレクタが抵抗R1
を通してトランジスタTr1のベースに接続されたNPN
トランジスタTr2と、トランジスタTr1のコレクタに一
端が接続された抵抗R2 とからなり、抵抗R2 の他端が
ダイオード17を通してサイリスタ5のゲートに接続さ
れている。トランジスタTr1及びTr2と抵抗R1 及びR
2 とにより、第2の信号Vs2によりトリガされて電源回
路8から点火回路2に点火信号を与える半導体スイッチ
回路が構成されている。ここでトランジスタTr2として
は、サイリスタ5よりも十分にトリガレベルが低いもの
(hfeが十分に大きいもの)が用いられ、ピックアップ
コイル9から得られる第2の信号Vs2が、サイリスタ5
をトリガするレベルに達しない状態でも、トランジスタ
Tr2のコレクタエミッタ間を通してトランジスタTr1に
十分なベース電流(トランジスタTr1を導通状態にする
のに十分なベース電流)を流すことができるようになっ
ている。
【0028】ダイオード16及び17はオア回路を構成
しており、点火位置演算部15及び低速時点火信号供給
回路20のいずれかが信号を発生したときにダイオード
16またはダイオード17を通して点火回路に点火信号
が与えられるようになっている。
【0029】本発明においてはまた、機関の回転数を検
出して回転数検出信号Vn を出力する回転検知回路21
と、回転数検出信号の大きさが設定値No 以上のときに
低速時点火信号供給回路20から点火回路2に点火信号
が与えられるのを許容し、回転数検出信号の大きさが設
定値No 未満のときには低速時点火信号供給回路から点
火回路に点火信号が与えられるのを阻止する低速時点火
解除回路22とが設けられる。
【0030】本実施例の回転検知回路21は、電源回路
8の一部を通してエキサイタコイル1の出力電圧を検出
することにより回転数を検出して回転数検出信号Vn を
出力する回路からなっている。また低速時点火解除回路
22は、回転数検出信号Vnを回転数の設定値No を与
える基準信号と比較して、回転数検出信号Vn の大きさ
が基準信号の大き以上になっているときに信号供給回路
20からダイオード17を通して点火信号Vi が与えら
れるのを許容し、回転数検出信号Vn の大きさが基準信
号の大きさよりも小さいときにはダイオード17のアノ
ードの電位Vaを接地電位に保って、ダイオード17を
通して点火回路2に点火信号が与えられるのを阻止する
回路からなっている。低速時点火解除回路22の電源端
子には電源回路8から電源電圧が与えられている。
【0031】なお図1においてダイオード23は、エキ
サイタコイルの負の半サイクルの電圧を短絡するための
ダイオードである。
【0032】図1の実施例において、機関の始動時に回
転数が設定値No に達しない状態では、低速時点火解除
回路22がダイオード17のアノードの電位Va を接地
電位に保持している。そのためこの状態では、低速時点
火信号供給回路20からダイオード17を通して点火回
路に点火信号が与えられることはない。またこの状態で
は、点火位置演算部15が点火信号を発生せず、点火位
置演算部15側から点火信号が与えられることはないた
め、点火動作は行われない。
【0033】機関の回転数が設定値に達すると、低速時
点火解除回路22がダイオード17のアノードの電位を
非接地電位にして該ダイオード17を通して点火信号が
与えられるのを許容するため、ピックアップコイル9が
第2の信号Vs2を発生したときにトランジスタTr2及び
Tr1が導通し、電源回路8からトランジスタTr1のエミ
ッタコレクタ間と抵抗R2 とダイオード17とを通して
点火回路2に点火信号Vi が与えられる。従って、第2
の回転角度位置θ2 でサイリスタ5が導通してコンデン
サ4の電荷を点火コイル3の1次コイルに放電させ、こ
れにより点火コイル3の2次コイルに高電圧を誘起させ
て点火動作を行わせる。
【0034】従来の点火装置による場合には、信号発電
機のロータと信号発電子の磁極部との間のエアギャップ
Gのばらつきによるピックアップコイル9の出力特性の
ばらつきによって、点火動作が開始される回転数Ni が
大きく影響を受ける。ここで機関の点火動作開始回転数
Ni の最適な範囲を図7のN1 ないしN2 の範囲である
とすると、従来の点火装置においては信号発電機のエア
ギャップGと点火動作開始回転数Ni との関係が図7の
直線イのようになり、エアギャップGが大きくなると点
火動作開始回転数Ni が最適の範囲の上限値N2 よりも
高くなって機関の始動性が悪くなる。
【0035】これに対し、低速時点火信号供給回路20
を設け、回転検知回路21及び低速時点火解除回路22
を設けなかったとした場合の点火動作開始回転数Ni と
エアギャップGとの関係を示すと図7の直線ロのように
なり、エアギャップGが大きい場合でも点火動作開始回
転数Ni を低くすることができ、機関の始動性を改善で
きる。
【0036】しかしこの場合には、エアギャップGが狭
くなった場合に、点火動作開始回転数Ni が最適な範囲
の下限N1 よりも低くなり、ケッチンを生じるおそれが
でてくる。
【0037】そこで、上記実施例のように、回転検知回
路21と低速時点火解除回路22とを設けて、機関の回
転数が設定値以上になるまでの間点火回路に点火信号が
与えられるのを阻止するようにすると、図7の直線ハの
ようにエアギャップGの変化に対して始動回転数Ni を
一定(設定値No に等しい。)にすることができ、信号
発電機のエアギャップのばらつきにより始動回転数が変
動するのを防いで、常に良好な始動性を得ることができ
る。
【0038】図1の実施例の各部を具体的にした実施例
を図2に示した。図2において図1の各部に該当する部
分には同一の符号を付してある。図2において、点火回
路2は、保護用の抵抗R3 〜R5 及びコンデンサC2 と
フライホイールダイオードD1 とが追加されている点を
除き、図1に示したものと同様に構成されている。
【0039】電源回路8はダイオードD2 とコンデンサ
C3 ,C4 と、抵抗R6 ,R7 と、ツェナーダイオード
ZD1 とにより構成されている。エキサイタコイル1の
誘起電圧Ve の正の半サイクルが立ち上がるとダイオー
ドD2 を通してコンデンサC3 がエキサイタコイルの誘
起電圧のピークまで充電される。エキサイタコイルの正
の半サイクルの誘起電圧がピークを過ぎるとコンデンサ
C3 の電荷が抵抗R6及びR7 を通してコンデンサC4
に移行し、コンデンサC4 が図示の極性に充電される。
コンデンサC4 の両端にはツェナーダイオードZD1 の
ツェナー電圧に等しい一定の直流電圧Vccが得られる。
この電圧Vccが各部の電源電圧として用いられる。
【0040】電源回路の抵抗R6 とR7 との接続点と接
地間にコンデンサC5 が接続され、ダイオードD2 とコ
ンデンサC3 と抵抗R6 とコンデンサC5 とにより、回
転検知回路21が構成されている。コンデンサC3 の電
荷は、エキサイタコイルの正の半サイクルの誘起電圧が
ピークを過ぎた後に抵抗R6 を通してコンデンサC5に
移行するため、コンデンサC5 の両端には、機関の回転
数Nに対して図6に示すように変化する回転数検出信号
Vn が得られる。
【0041】ピックアップコイル9は、図9に示したも
のと同様な誘導子形の信号発電機内に設けられていて、
図4(A)に示したように第1の回転角度位置(この実
施例では最大進角位置)θ1 及び第2の回転角度位置
(この例では最小進角位置)θ2 でそれぞれスレショー
ルドレベル以上になる負極性の第1の信号Vs1及び正極
性の第2の信号Vs2を発生する。ピックアップコイル9
の両端にはノイズ吸収用の小容量のコンデンサC6 と抵
抗R8 とが並列に接続されている。ピックアップコイル
9が発生する第2の信号Vs2は、ダイオードD3 と抵抗
R9 及びコンデンサC7 の並列回路からなるバイアス回
路と抵抗R10とを通して低速時点火信号供給回路20の
トランジスタTr2のベースに入力されている。トランジ
スタTr2のコレクタはダイオードD4 と抵抗R1 とを通
してトランジスタTr1のベースに接続され、トランジス
タTr2のベースエミッタ間及びトランジスタTr1のベー
スエミッタ間にはそれぞれ抵抗R11及びR12が接続され
ている。ピックアップコイル9が発生した第2の信号V
s2の電圧値が抵抗R9 とコンデンサC7 との並列回路の
両端の電圧(バイアス電圧)を超えると、トランジスタ
Tr2にベース電流が与えられて該トランジスタTr2及び
トランジスタTr1が導通し、電源回路8からトランジス
タTr1と抵抗R2 とダイオードD17とを通して点火回
路2のサイリスタ5のゲートに点火信号Vi が与えられ
る。
【0042】低速時点火解除回路22は、比較器CP1
と抵抗R13〜R16とからなっていて、比較器CP1 の出
力端子がダイオード17のアノードに接続されている。
比較器CP1 の非反転入力端子には、回転数検出信号V
n を抵抗R13とR14とにより分圧して得た電圧Vn ´が
入力され、比較器CP1 の反転入力端子には、電源電圧
Vccを抵抗R15とR16とにより分圧して得た基準電圧V
r が入力されている。本実施例では、点火位置演算部1
5が、制御信号発生回路25と、第1の積分回路26
と、第2の積分回路27と、前記トランジスタTr2が構
成要素の一部を兼ねているリセット回路28と、比較回
路29とからなっている。
【0043】制御信号発生回路25は、トランジスタT
r3及びTr4と、抵抗R17〜R19と、ダイオードD5 と、
コンデンサC8 とからなっていて、ピックアップコイル
9が発生する第1の信号Vs1が抵抗R20とコンデンサC
9 との並列回路からなるバイアス回路を介してトランジ
スタTr3のベースに入力されている。
【0044】第1の積分回路26は、トランジスタTr5
と、抵抗R21ないしR24と、感温抵抗素子Rt と、可変
抵抗器VR1 と、積分コンデンサC10とからなり、第2
の積分回路27は、抵抗R25と可変抵抗器VR2 と積分
コンデンサC11とからなっている。
【0045】またリセット回路28は、前記トランジス
タTr2とダイオードD6 ないしD8と抵抗R26とからな
り、ピックアップコイル9が第2の信号Vs2を発生して
トランジスタTr1が導通したときに、コンデンサC8 及
びC10がほぼ瞬時に放電させられ、コンデンサC10が抵
抗R26を通して短時間で放電させられるようになってい
る。
【0046】比較回路29は、比較器CP2 と、抵抗R
27とからなり、第1の積分回路26のコンデンサC10の
両端に得られる積分電圧Vc1及び第2の積分回路27の
コンデンサC11の両端に得られる積分電圧Vc2がそれぞ
れ比較器CP2 の非反転入力端子及び反転入力端子に入
力されている。
【0047】図2の実施例において、エキサイタコイル
1は、機関の回転に伴って図5(A)に示すような交流
波形の電圧Ve を発生する。図5(A)において実線で
示した波形は回転数が設定値未満のときの電圧Ve の波
形を示し、破線で示した波形は、回転数が設定値を超え
たときの電圧Ve の波形を示している。エキサイタコイ
ル1が図5(A)に実線で示した波形の電圧を発生して
いるときに比較器CP1 に入力される電圧(回転検知回
路21のコンデンサC5 の両端の電圧Vn に相応してい
る)Vn ´の波形は、図5(B)に実線で示したように
なり、エキサイタコイル1が図5(A)に破線で示した
波形の電圧Ve を発生しているときの電圧Vn ´の波形
は、図5(B)に破線で示したようになる。
【0048】機関の始動時に機関の回転数が設定値より
も低い間は、回転数に相応した大きさの電圧Vn ´が基
準電圧Vr よりも低くなっているため、比較器CP1 の
出力端子の電位はほぼ接地電位になり、図5(C)に実
線で示したようにダイオード17のアノードの電位Va
がほぼ接地電位(厳密には比較器の出力段のスイッチ素
子の両端の電圧降下に相当する残留電圧が存在する)に
保たれる。この状態では、電源回路8からトランジスタ
Tr1を通して与えられる点火信号が殆どすべて接地回路
に流れるため、点火回路2への点火信号の供給が阻止さ
れる。
【0049】回転数が設定値以上になると、電圧Vn ´
が基準電圧Vr 以上になるため、比較器CP1 の出力端
子の電位が高レベルになり、図5(C)に破線で示した
ようにダイオード17のアノードの電位Va が高レベル
になって点火回路2への点火信号の供給が許容される。
従って機関の始動操作を開始した後、回転数が設定値に
達すると、図3(B)に示したように、ピックアップコ
イル9が最小進角位置θ2 で第2の信号Vs2を発生した
ときに、トランジスタTr1が導通し、図3(C)に示す
ように、電源回路8からトランジスタTr1と抵抗R2 と
ダイオード17とを通して点火回路2に点火信号Vi が
与えられる。これにより点火動作が行われ、機関が始動
させられる。
【0050】また点火位置演算部15の動作は次の通り
である。ピックアップコイル9が第1の信号Vs1を発生
すると、制御信号発生回路25のトランジスタTr3及び
Tr4が導通するため、電源回路8からトランジスタTr4
を通してコンデンサC8 が瞬時にほぼ電源電圧Vccまで
充電される。ピックアップコイル9が第2の信号Vs2を
発生すると、コンデンサC8 の電荷がダイオードD6 と
トランジスタTr2とを通して瞬時に放電させられるた
め、コンデンサC8 の両端には図4(B)に示したよう
に、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ
2 まで高レベルの状態を保持する矩形波状の制御信号V
q が得られる。
【0051】コンデンサC8 の両端に制御信号Vq が発
生すると、第1の積分回路26のトランジスタTr5が導
通するため、コンデンサC8 の電荷によりトランジスタ
Tr5を通して積分コンデンサC10が充電される。コンデ
ンサC10の両端の電圧がトランジスタTr5のベース電位
に達するとトランジスタTr5が遮断状態になるため、コ
ンデンサC10はコンデンサC8 の電荷により抵抗R24と
可変抵抗器VR1 とを通して所定の時定数で充電され
る。ピックアップコイル9が第2の信号Vs2を発生する
とコンデンサC10の電荷が放電させられる。従って積分
コンデンサC10の両端には、図4(C)に示したように
第1の回転角度位置θ1 で瞬時に一定電圧まで立ち上が
った後、一定の傾きで上昇して第2の回転角度位置でほ
ぼ零に戻る(厳密にはダイオードD7 の順方向電圧降下
とトランジスタTr2のコレクタエミッタ間の電圧降下と
の和の電圧がコンデンサC10の両端に残留する。)波形
の積分電圧Vc1が得られる。
【0052】また第2の積分回路27においては、電源
回路8の出力により抵抗R25と可変抵抗器VR2 とを通
して積分コンデンサC11が充電され、ピックアップコイ
ル9が第2の信号Vs2を発生してトランジスタTr2が導
通するとコンデンサC11の電荷が小抵抗R26とダイオー
ドD8 とを通して放電させられる。従って、積分コンデ
ンサC11の両端には、図4(C)に示したように、機関
が第2の回転角度位置θ2 で抵抗R26の両端電圧とダイ
オードD8 の順方向電圧降下とトランジスタTr2のコレ
クタエミッタ間の電圧降下との和に相当する残留電圧ま
で下降した後、所定の傾きで上昇する波形の積分電圧V
c2が得られる。
【0053】比較回路29の比較器CP2 は積分電圧V
c1とVc2とを比較して、積分電圧Vc2が積分電圧Vc1以
下になったときにその出力端子の電位を高レベルに変化
させる。比較器CP2 の出力端子の電位が高レベルにな
ると、電源回路8から抵抗R27とダイオード16とを通
して点火回路2に点火信号が与えられる。
【0054】積分コンデンサC11を充電する時間(機関
が1回転するのに要する時間)は回転数の上昇に伴って
短くなっていくため、積分コンデンサC11の両端の電圧
Vc2の波高値は回転数の上昇に伴って低くなっていく。
【0055】図4(D)において、実線で示したVc2の
波形は点火位置の進角が開始される前の低速時の波形を
示しており、鎖線で示した積分電圧Vc2の波形は進角動
作が開始される回転数Ns1(図10B参照)よりも僅か
に高い回転数における波形を示している。また破線で示
した積分電圧Vc2の波形は更に高い回転数における波形
を示している。
【0056】積分コンデンサC10を充電する時間も回転
数の上昇に伴って短くなっていくが、この積分コンデン
サC10の充電区間はもともと短いため、回転数の上昇に
伴う積分コンデンサC10の両端の電圧の下降率は積分コ
ンデンサC11の両端の電圧の下降率に比べて十分に小さ
い。そのため、回転数が上昇していくと、積分電圧Vc2
が積分電圧Vc1以下になる位置が進んでいき、図4
(E)または(F)に示したように、点火信号Vi が発
生する位置θi が進んでいく。
【0057】上記の実施例では、エキサイタコイル1の
出力の正の半サイクルの出力の一部を電源回路8に供給
して直流電圧を得るようにしたが、エキサイタコイル1
の負の半サイクルの出力を電源回路8に供給して直流電
圧を得る構成をとることもできる。なお電源回路8の電
源として用いる発電コイルは必ずしもエキサイタコイル
でなくてもよい。
【0058】図2に示した実施例の点火位置演算部15
は、機関の回転数の所定の領域で進角特性を得るように
点火信号を発生させるが、本発明において点火位置演算
部15により得られる点火特性は任意である。点火位置
演算部15は積分演算により点火位置を演算するアナロ
グ式のものに限られるものではなく、マイクロコンピュ
ータを用いて点火位置を演算する点火位置演算部が用い
られる場合にも本発明を適用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、低速時
にピックアップコイルが第2の信号を発生したときに、
点火回路よりもトリガレベルが低い半導体スイッチ回路
を導通させて、電源回路から半導体スイッチ回路を通し
て点火信号を供給するように構成したので、点火動作を
開始させるために必要な第2の信号のレベルを低くする
ことができ、機関の始動回転数を低くして機関の始動性
を高めることができる利点がある。
【0060】また本発明においては、機関の回転数を検
出する回転検知回路と低速時点火解除回路とを設けて、
回転数検出信号が設定値未満のときに低速時点火信号供
給回路から点火回路に点火信号が与えられるのを阻止す
るようにしたので、信号発電機のエアギャップが狭すぎ
る場合でも回転数が設定値に達したときに点火動作を開
始させることができ、始動回転数が低くなり過ぎてケッ
チン現象が生じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を概略的に示した構成図
である。
【図2】本発明の更に具体的な実施例を示した回路図で
ある。
【図3】図2の実施例の低速時点火信号供給回路の動作
を説明するための信号波形図である。
【図4】図2の実施例の点火位置演算部の動作を説明す
るための信号波形図である。
【図5】図2の実施例の低速時点火解除回路の動作を説
明するための信号波形図である。
【図6】図2の実施例における回転検知回路の出力信号
と回転数との関係を示した線図である。
【図7】従来の点火装置及び本発明に係わる点火装置に
ついて点火動作開始回転数と信号発電機のエアギャップ
との関係を示した線図である。
【図8】従来の点火装置の構成を示した回路図である。
【図9】内燃機関用点火装置で用いられている信号発電
機の一例を示した構成図である。
【図10】(A)は信号発電機から得られる信号波形を
示した波形図である。(B)は内燃機関用点火装置によ
り得られる点火特性を例示した線図である。
【符号の説明】
1 エキサイタコイル 2 点火回路 3 点火コイル 4 コンデンサ 5 サイリスタ 7 点火プラグ 8 電源回路 9 ピックアップコイル 15 点火位置演算部 16,17 ダイオード 20 低速時点火信号供給回路 21 回転検知回路 22 低速時点火解除回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−138371(JP,A) 特開 昭56−75222(JP,A) 特開 昭61−229972(JP,A) 実開 昭60−180774(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 F02P 3/08 302 F02P 7/067 303

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられたエキサイタコイルと、内燃機関の上死点よ
    りも進んだ位置に設定された第1の回転角度位置及び該
    第1の回転角度位置よりも遅れた位置に設定された第2
    の回転角度位置でそれぞれ第1及び第2の信号を発生す
    るピックアップコイルと、前記エキサイタコイルを電源
    として点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発
    生する点火回路と、前記磁石発電機を電源として直流電
    圧を発生する電源回路と、前記ピックアップコイルの出
    力を入力として内燃機関の各回転数における点火位置を
    演算して演算した点火位置で前記点火回路に点火信号を
    与える点火位置演算部と、前記磁石発電機の出力を整流
    して前記点火位置演算部の電源端子に与える直流電圧を
    発生する電源回路とを備えている内燃機関用点火装置に
    おいて、 前記点火回路よりもトリガレベルが低い半導体スイッチ
    回路を備えて前記電源回路から該半導体スイッチ回路を
    通して前記点火回路に点火信号を与える低速時点火信号
    供給回路と、 内燃機関の回転数に相応した大きさの回転数検出信号を
    出力する回転検知回路と、 前記回転数検出信号の大きさが設定値以上のときに低速
    時点火信号供給回路から点火回路に点火信号が与えられ
    るのを許容し、回転数検出信号の大きさが設定値未満の
    ときには低速時点火信号供給回路から点火回路に点火信
    号が与えられるのを阻止する低速時点火解除回路とを具
    備し、 前記第2の信号が低速時点火信号供給回路の半導体スイ
    ッチにトリガ信号として与えられていることを特徴とす
    る内燃機関用点火装置。
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