JP3379328B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

Info

Publication number
JP3379328B2
JP3379328B2 JP07345996A JP7345996A JP3379328B2 JP 3379328 B2 JP3379328 B2 JP 3379328B2 JP 07345996 A JP07345996 A JP 07345996A JP 7345996 A JP7345996 A JP 7345996A JP 3379328 B2 JP3379328 B2 JP 3379328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
circuit
ignition
voltage
angle position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07345996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09264242A (ja
Inventor
秀樹 湯川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kokusan Denki Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP07345996A priority Critical patent/JP3379328B2/ja
Publication of JPH09264242A publication Critical patent/JPH09264242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3379328B2 publication Critical patent/JP3379328B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の過回転
を防止する機能を備えた内燃機関用点火装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃機関用点火装置は、点火信号
が与えられた時に点火用の高電圧を発生させる点火回路
と、点火回路に点火信号を与える回転角度位置を制御す
る点火位置制御回路とを備えている。
【0003】点火位置制御回路は、機関に取り付けられ
た信号発生器から与えられる信号から機関の回転情報
(回転角度情報や回転速度情報)を得て、各回転数にお
ける点火位置を演算し、演算した点火位置で点火回路に
点火信号を与える。
【0004】点火回路は点火コイルと、点火信号が与え
られた時に動作する半導体スイッチとを有し、該半導体
スイッチの動作により点火コイルの一次電流に急激な変
化を生じさせて、該点火コイルの二次コイルに高電圧を
発生させる。この高電圧は機関の気筒に取り付けられた
点火プラグに印加されるため、該点火プラグで火花が生
じて機関が点火される。
【0005】上記の信号発生器は、例えば、機関の回転
軸(クランク軸やカム軸)に取り付けられた回転子と、
機関のケースやカバー等に固定された信号発電子とによ
り構成される。信号発電子は回転子に対向する磁極部を
有する鉄心と、該鉄心に巻回されたパルサコイルと、該
鉄心に磁気結合された磁石とを備えていて、鉄心の磁極
部が回転子に所定のギャップを介して対向させられる。
回転子は所定の極弧角を有するリラクタ(誘導子)を備
えていて、該リラクタが信号発電子の鉄心の磁極部に対
向し始める際及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心に
磁束の変化を生じさせて、パルサコイルに極性が異なる
パルス波形の第1の信号及び第2の信号を発生させる。
【0006】一般には、上記第1の信号が機関の上死点
よりも充分に進んだ第1の回転角度位置(最大進角位
置)で発生し、第2の信号が機関の上死点よりも僅かに
進み、第1の回転角度位置よりは遅れた第2の回転角度
位置(最小進角位置)で発生するように、回転子と信号
発電子との間の位置関係が設定され、これら第1及び第
2の信号が点火位置制御回路に入力される。
【0007】点火位置制御回路は、上記第1の信号の発
生位置(第1の回転角度位置)と第2の信号の発生位置
(第2の回転角度位置)との間の区間を点火が許容され
る区間として各回転数における点火位置を演算し、演算
した点火位置で点火信号を発生させる。
【0008】なお、本明細書において、信号の発生位置
とは、信号のレベルが回路により認識し得るレベル(し
きい値レベル)に達する位置を意味する。
【0009】上記のような点火装置に機関の過回転を防
止する機能を持たせる場合には、機関の回転数が制限値
を超えたことが検出されたときに点火回路が点火動作を
行うのを阻止することにより機関を失火させて機関の回
転数を制限値以下に低下させる過回転防止回路が設けら
れる。
【0010】従来広く用いられていた過回転防止回路
は、点火回路の電源として用いられるエキサイタコイル
に対して並列に接続された過回転防止用スイッチと、パ
ルサコイルの出力信号のレベルから機関の回転数を検出
して該回転数が制限値を超えたことが検出されたときに
過回転防止用イッチを導通させる回路とからなってい
て、機関の過回転が検出されたときにエキサイタコイル
を短絡することにより点火動作を停止させて機関の回転
数を低下させるように構成されていた。
【0011】ところが、上記のように、パルサコイルの
出力信号のレベルから回転数を検出した場合には、信号
発電子と回転子との間のギャップのばらつきにより、過
回転防止動作が開始される回転数の制限値が変動すると
いう問題があった。
【0012】そこで、本発明者は先に、特願平5−24
2418号において、パルサコイルの出力信号の発生間
隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出するこ
とにより、信号発電機のギャップのばらつきの影響を受
けることなく、過回転防止動作を行わせることができる
ようにした内燃機関用点火装置を提案した。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が先に提案し
た点火装置のように、パルサコイルの出力信号の発生間
隔から機関の回転数が制限値を超えたことを検出するよ
うにすれば、信号発電機のギャップのばらつきの影響を
受けることなく、過回転防止動作開始回転数を常に一定
として、過回転防止動作を行わせることができる。
【0014】ところが、先に提案した装置では、点火位
置の進角幅を広く設定したり、過回転防止動作開始回転
数を低く設定したりすると、過回転防止動作時に不正な
点火信号が発生して機関が点火されることがあるため、
用途が制限されるという問題があることが明らかになっ
た。
【0015】また従来の過回転防止機能を有する内燃機
関用点火装置においては、過回転防止回路を点火位置制
御回路とは別個に設けていたため、点火装置全体の回路
構成が複雑になり、コストが高くなるという問題があっ
た。
【0016】本発明の目的は、パルサコイルの出力信号
の発生間隔から内燃機関の回転数が制限値を超えたこと
を検出することにより、過回転防止動作開始回転数がば
らつくのを防止するとともに、過回転防止動作時に不正
な点火信号が発生するのを防止することができるように
した内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0017】本発明の他の目的は、点火位置制御回路と
過回転防止回路とで回路の一部を共用して回路構成の簡
素化を図った内燃機関用点火装置を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1に示した
ように、内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設定され
た第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置よりも
遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそれぞれ
所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生するパ
ルサコイル1と、パルサコイル1の出力により制御され
て第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との間で発
生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制御回路
2と、点火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発
生する点火回路3と、内燃機関の回転数が制限値を超え
たときに点火用の高電圧の発生を阻止することにより機
関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止回路4と
を備えた内燃機関用点火装置に係わるものである。
【0019】図1に示した例では、パルサコイル1が発
生する第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2が制御信号発
生回路5に与えられて、点火位置制御回路2の演算動作
を制御するために都合が良い波形の信号に変換される。
図示の例では、制御信号発生回路5が、第1の回転角度
位置から第2の回転角度位置まで高レベルの状態を保持
する矩形波状の制御信号Vq と、第2の信号Vs2の信号
幅に相応した信号幅を有するパルス状の最小進角位置信
号Vs2´とを出力する。ここで、制御信号Vqの信号幅
は、点火動作が許容される回転角度区間に相当してい
る。また最小進角位置信号Vs2´の発生位置(制御信号
Vq の消滅位置)は、機関の点火位置の最小進角位置
(低速時の点火位置)に相当している。
【0020】点火位置制御回路2は、上記制御信号Vq
及び最小進角位置信号Vs2´を入力として点火位置を演
算し、演算した点火位置、または最小進角位置信号Vs2
´の発生位置で点火信号Vf を出力する。
【0021】なお制御信号発生回路5は、点火位置制御
回路2の演算動作を制御するために都合が良い波形の信
号を発生する回路で、制御信号発生回路5が発生する信
号の波形は必ずしも上記の例に限らない。
【0022】一般に点火回路3は、点火コイルIGの一
次側に半導体スイッチを備えていて、点火信号Vf が与
えられた時に該半導体スイッチ(図示の例ではサイリス
タTh1)を動作させて、点火コイルIGの一次電流を急
激に変化させるように制御することにより、点火コイル
の二次コイルに点火用の高電圧を誘起させるようになっ
ている。点火回路から得られる高電圧は機関の気筒に取
り付けられた点火プラグPに供給され、該高電圧が発生
したときに点火プラグPに火花が生じて機関が点火され
る。
【0023】図1に示した例では、点火回路3がコンデ
ンサ放電式の回路からなっているが、本発明において
は、他の形式の点火回路を用いてもよい。
【0024】図1に示された電源回路6は、点火回路3
及び他の回路に電源電圧を与える回路で、この電源回路
の電源としては、機関に取り付けられた磁石発電機内に
設けられたエキサイタコイルやバッテリが用いられる。
【0025】本発明においては、過回転防止回路4が、
点火信号側路用スイッチ4Aと、基準電圧発生回路4B
と、積分回路4Cと、比較回路4Dと、帰還回路4Eと
により構成される。
【0026】点火信号側路用スイッチ4Aは、導通信号
が与えられている間導通するスイッチで、導通した際に
点火信号を点火回路から側路するように設けられてい
る。
【0027】基準電圧発生回路4Bは、第1の回転角度
位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レベル
を保ち、第2の回転角度位置から次の第2の回転角度位
置までの間第1の基準レベルよりも低い第2の基準レベ
ルを保つ基準電圧Vr を発生する。
【0028】積分回路4Cは、積分コンデンサCi2´を
第1の時定数で充電する充電回路401と、第1の信号
Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまでの間
積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路4
02と、第2の信号Vs2が発生している間駆動信号が与
えられて導通するように設けられた放電用スイッチ40
3aを有して該放電用スイッチが導通している間積分コ
ンデンサCi2´を第1の時定数よりも充分に小さい第2
の時定数で放電させる放電回路403とを備えて、積分
コンデンサCi2´の両端に速度検出用積分電圧V2'を発
生する。
【0029】比較回路4Dは、速度検出用積分電圧V2'
を基準電圧Vr と比較して、積分電圧が第1の基準レベ
ルよりも低いとき及び第2の基準レベルよりも低いとき
に点火信号側路用スイッチに導通信号を与える。
【0030】帰還回路4Eは、比較回路4Dが導通信号
を発生したときに一定時間の間放電用スイッチ403a
に駆動信号を与えて該放電用スイッチを導通させる。
【0031】そして、本発明においては、機関の回転数
が制限値を超えたときに第1の回転角度位置で積分電圧
V2'が第1の基準レベルよりも低くなるように第1の時
定数が設定される。
【0032】上記のように構成すると、機関の回転数が
制限値以下の場合には、点火信号が発生する区間におい
て積分電圧が第1の基準レベル以下になることがないた
め、比較回路が点火信号側路用スイッチに導通信号を与
えることはなく、点火信号側路用スイッチが導通するこ
とがない。そのため、機関の回転数が制限値以下の場合
には、点火回路に点火信号が与えられ、点火動作は支障
なく行われる。
【0033】機関の回転数の上昇に伴って積分コンデン
サを充電する時間(第2の信号が消滅する時刻から第1
の信号が発生する時刻までの時間)が短くなるため、積
分電圧は機関の回転数の上昇に伴って低くなっていく。
機関の回転数が制限値を超えると、第1の回転角度位置
で積分電圧が第1の基準レベル以下になるため、第1の
回転角度位置で比較回路が点火信号側路用スイッチに導
通信号を与え、該点火信号側路用スイッチを導通させ
る。比較回路が導通信号を発生すると、帰還回路を通し
て放電用スイッチに駆動信号が与えられて該放電用スイ
ッチが導通するため、積分コンデンサが放電させられ
る。また第1の回転角度位置から第2の回転角度位置の
間(点火動作が許容される区間の間)は充電阻止回路に
より積分コンデンサの充電が阻止される。従って、機関
の回転数が制限値を超えている状態では、点火動作が許
容される全区間の間、積分電圧が確実に第2の基準レベ
ルよりも低い状態に保たれ、比較回路から点火信号側路
用スイッチに導通信号が継続的に供給される。点火信号
側路用スイッチが導通すると、点火信号が該スイッチを
通して点火回路から側路されるため、点火回路は点火動
作を行なうことができなくなる。これにより機関が失火
してその回転数が低下する。機関の回転数が制限値以下
になると、第1の回転角度位置で積分電圧が第1の基準
レベルを超えている状態になるため、比較回路が導通信
号の発生を停止し、点火信号側路用スイッチは導通する
ことができなくなる。これにより再び点火回路に点火信
号が与えられるようになり、点火動作が再開される。
【0034】上記のように、第1の信号が発生してから
第2の信号が発生するまでの期間積分コンデンサを充電
する積分動作を行う積分回路を設けて、該積分回路から
得られる積分電圧を基準電圧と比較することにより機関
の回転数が制限値を超えたことを検出するようにする
と、第1の信号及び第2の信号の発生間隔から機関の回
転数が制限値を超えたことを検出することになる。第1
の信号及び第2の信号の発生位置は、信号発電機の回転
子と信号発電子との間のギャップの影響を受けないた
め、上記のように構成すると、信号発電機の組み立て精
度の影響を受けることなく、回転数の制限値を常に一定
にすることができる。
【0035】上記のように、過回転防止回路に、第1の
信号Vs1が発生してから第2の信号Vs2が発生するまで
の間積分コンデンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回
路402を設けておくと、機関の回転数が制限値を超え
たときに、点火動作が許容される区間(第1の回転角度
位置から第2の回転角度位置までの区間)の全体に亘っ
て、積分電圧を確実に第2の基準レベルよりも低い状態
に保持することができるため、点火動作が許容される区
間の途中で導通信号がとぎれて、点火回路に不正な点火
信号が与えられるのを防ぐことができ、過回転防止動作
を確実に行わせることができる。
【0036】上記点火位置制御回路として、積分演算に
より点火位置を演算する回路を用いる場合には、過回転
防止回路で用いる積分回路を点火位置制御回路で利用す
るようにすることもできる。
【0037】この場合、点火位置制御回路は、第1の信
号が発生したときに第1の積分コンデンサを一定の初期
レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサを一定の
時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充電回路
と、第2の信号が発生したときに該第1の積分コンデン
サを放電させるリセット回路とを備えて第1の積分コン
デンサの両端に第1の積分電圧を発生させる第1の積分
回路と、第2の積分コンデンサを第1の時定数で充電す
る充電回路と、第1の信号が発生してから第2の信号が
発生するまでの間第2の積分コンデンサの充電を阻止す
る充電阻止回路と、第2の信号が発生している間駆動信
号が与えられて導通するように設けられた放電用スイッ
チを有して該放電用用スイッチが導通している間第2の
積分コンデンサを第1の時定数よりも充分に小さい第2
の時定数で放電させる放電回路とを備えて第2の積分コ
ンデンサの両端に第2の積分電圧を発生する第2の積分
回路と、第1の積分電圧と第2の積分電圧とを比較し
て、第2の積分電圧が第1の積分電圧よりも低くなった
時に点火位置信号を発生する点火位置信号発生用比較回
路と、第2の信号が発生したときまたは点火位置信号が
発生したときに点火回路に点火信号を与える点火信号供
給回路とにより構成する。
【0038】また過回転防止回路は、導通信号が与えら
れている間導通して点火信号を点火回路から側路するよ
うに設けられた点火信号側路用スイッチと、第1の回転
角度位置から第2の回転角度位置までの間第1の基準レ
ベルを保持し、第2の回転角度位置から次の第2の回転
角度位置までの間第1の基準レベルよりも低い第2の基
準レベルを保持する基準電圧を発生する基準電圧発生回
路と、第2の積分電圧を第1及び第2の基準電圧と比較
して、第2の積分電圧が第1の基準電圧よりも低いとき
及び第2の基準電圧よりも低いときに点火信号側路用ス
イッチに導通信号を与える導通信号発生用比較回路と、
導通信号発生用比較回路が導通信号を発生したときに一
定時間の間放電用スイッチに駆動信号を与える帰還回路
とにより構成できる。この場合、機関の回転数が制限値
を超えたときに第1の回転角度位置で第2の積分電圧が
第1の基準レベルよりも低くなるように第1の時定数を
設定する。
【0039】このように、点火位置制御回路と過回転防
止回路とで積分回路を共用するようにすると、点火装置
の回路構成を複雑にすることなく、過回転防止機能を持
たせることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明に係わる点火装置は、図1
に示すように、パルサコイル1と、パルサコイル1の出
力信号を入力として制御信号Vq 及びVs2´を出力する
制御信号発生回路5と、電源回路6と、制御信号Vq 及
びVs2´を入力として、点火信号Vfを出力する点火位
置制御回路2と、点火回路3と、過回転防止回路4とに
より構成される。
【0041】パルサコイル1は機関に取り付けられた図
示しない信号発電機に設けられていて、図4(A)及び
図5(A)に示したように、機関の上死点よりも充分に
進角した位置に設定された第1の回転角度位置θ1 でパ
ルス波形の第1の信号Vs1を発生し、第1の回転角度位
置よりも遅角し、機関の上死点よりは僅かに進角した第
2の回転角度位置θ2 で第1の信号と極性が異なるパル
ス波形の第2の信号Vs2を発生する。図示の例では、第
1の信号Vs1が負極性の信号からなり、第2の信号Vs2
が正極性の信号からなっている。
【0042】制御信号発生回路5は、第1の信号Vs1の
発生位置(第1の信号Vs1がしきい値レベルVt に達す
る位置)でレベルVq1まで立ち上がり、第2の信号Vs2
の発生位置(第2の信号Vs2がしきい値レベルに達する
位置)θ2 でレベルVq2(<Vq1)まで立ち下がる矩形
波状の制御信号Vq (図4B及び図5B)を出力端子5
aから出力するとともに、第2の信号Vs2が発生してい
る間高レベルの状態を保持する最小進角位置信号Vs2´
(図5D)を出力端子5bから出力する。
【0043】電源回路6は、例えば機関に取り付けられ
た磁石発電機内に設けられたエキサイタコイルを電源と
して、点火回路3に点火エネルギを与えるとともに、エ
キサイタコイルの出力を整流して得た一定の直流電圧E
o を直流出力端子6aと接地間から出力する。
【0044】点火位置制御回路2は、例えば、制御信号
Vq 及び最小進角位置信号Vs2´により制御されて積分
動作を行う複数の積分回路を備えて該複数の積分回路か
ら得た積分電圧を比較する積分演算を行うことにより、
各回転数における点火位置を演算して、演算した点火位
置で点火位置信号を発生する点火位置演算回路と、該点
火位置信号が発生したとき、または最小進角位置信号V
s2´が発生したときに点火信号Vf ´(図4G)を出力
する点火信号出力回路とにより構成される。
【0045】図示の点火回路3は、周知のコンデンサ放
電式の回路で、点火コイルIGと、点火コイルIGの一
次側に設けられて電源回路6内のエキサイタコイルが発
生する正の半サイクルの電圧によりダイオードD1 を通
して図示の極性の充電される点火エネルギ蓄積用コンデ
ンサC1 と、導通した際にコンデンサC1 の電荷を点火
コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられ
た放電用スイッチとしてのサイリスタTh1と、点火コイ
ルIGの一次コイルに並列に接続されたダイオードD2
と、機関の気筒に取り付けられて点火コイルIGの二次
コイルに接続された点火プラグPとを備えており、サイ
リスタTh のゲートが点火位置制御回路2の出力端子に
接続されている。
【0046】図示の例では、点火コイルIGの一次コイ
ル及び二次コイルの一端が接地され、一次コイルの非接
地側端子にコンデンサC1 の一端が接続されている。サ
イリスタTh1はそのカソードを接地側に向けてコンデン
サC1 の他端と接地間に接続され、ダイオードD2 はそ
のカソードを接地側に向けて点火コイルの一次コイルの
両端に接続されている。
【0047】この点火回路においては、電源回路6内の
エキサイタコイルが正の半サイクルの電圧を発生したと
きにダイオードD1 と点火コイルの一次コイル及びダイ
オードD2 とを通してコンデンサC1 が図示の極性に充
電される。サイリスタTh1に点火信号が与えられると、
該サイリスタが導通するため、コンデンサC1 の電荷が
サイリスタTh1と点火コイルIGの一次コイルとを通し
て放電する。この放電により点火コイルの一次コイルに
高い電圧が誘起し、該電圧が更に昇圧されて点火コイル
の二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧
は点火プラグPに印加されるため、該点火プラグに火花
が生じ、機関が点火される。
【0048】過回転防止回路4は、点火信号側路用スイ
ッチ4Aと、基準電圧発生回路4Bと、積分回路4C
と、比較回路4Dと、帰還回路4Eとにより構成され
る。
【0049】点火信号側路用スイッチ4Aはエミッタが
接地され、コレクタが点火位置制御回路2の出力端子に
接続されたNPNトランジスタTR1 と、該トランジス
タのベースに一端が接続された抵抗R1 とからなってい
る。トランジスタTR1 のコレクタと点火位置制御回路
2の出力端子との接続部によりアンド回路7が構成さ
れ、トランジスタTR1 がオフ状態にあってそのコレク
タの電位が高レベルの状態で点火信号Vf が発生したと
きに該点火信号がサイリスタTh1のゲートに与えられる
ようになっている。
【0050】基準電圧発生回路4Bは、制御信号発生回
路5から得られる制御信号Vq が印加された抵抗R3 及
びR4 の直列回路からなっていて、制御信号Vq を抵抗
R3とR4 とにより分圧した基準電圧Vr を抵抗R4 の
両端に出力する。基準電圧Vr は、図4(C)に示した
ように、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位
置θ2 までの間第1の基準レベルVr1を保持し、第2の
回転角度位置から次の第2の回転角度位置までの間第1
の基準レベルVr1よりも低い第2の基準レベルVr2を保
持する矩形波状の電圧となる。
【0051】積分回路4Cは、一端が接地された積分コ
ンデンサCi2´と、積分コンデンサCi2´を第1の時定
数で充電する充電回路401と、第1の信号Vs1が発生
してから第2の信号Vs2が発生するまでの間積分コンデ
ンサCi2´の充電を阻止する充電阻止回路402と、第
2の信号Vs2が発生している間駆動信号が与えられて導
通するように設けられた放電用スイッチ403aを有し
て該放電用スイッチが導通している間積分コンデンサC
i2´を前記第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定
数で放電させる放電回路403とにより構成される。
【0052】積分コンデンサCi2´は一端が接地され、
充電回路401は、積分コンデンサCi2´の他端に一端
が接続された抵抗R3 と、抵抗R3 の他端にカソードが
接続されたダイオードD3 と、ダイオードD3 のアノー
ドと電源回路6の直流出力端子6aとの間に接続された
抵抗R4 とからなっている。
【0053】充電阻止回路402は、エミッタが接地さ
れ、コレクタが充電回路のダイオードD3 のアノードに
接続されたNPNトランジスタTR2 と、トランジスタ
TR2 のベースと制御信号発生回路5の出力端子5aと
の間に接続された抵抗R5 とからなっている。
【0054】放電回路403は、エミッタが接地された
NPNトランジスタTR3 と、トランジスタTR3 のコ
レクタと積分コンデンサCi2´の非接地側の端子との間
に接続された抵抗R6 と、トランジスタTR3 のベース
と制御信号発生回路5の出力端子5bとの間に接続され
た抵抗R7 とからなっており、トランジスタTR3 によ
り放電用スイッチ403aが構成されている。
【0055】比較回路4Dは、比較器CP1 と、該比較
器の出力端子と電源回路6の直流出力端子6aとの間に
接続された抵抗R8 とにより構成されている。比較器C
P1の出力端子は抵抗R1 を通してトランジスタTR1
のベースに接続されている。比較器CP1 の反転入力端
子に積分コンデンサCi2´の両端に得られる積分電圧V
2'が入力され、非反転入力端子に基準電圧Vr が入力さ
れている。比較器CP1 の出力端子はまた、帰還回路4
Eを構成するコンデンサC2 を通してトランジスタTR
3 のベースに接続されている。
【0056】上記の過回転防止回路において、積分コン
デンサCi2´は直流電源回路6から出力される一定の直
流電圧Eo により抵抗R4 とダイオードD3 と抵抗R3
とを通して第1の時定数で充電される。第1の回転角度
位置θ1 で制御信号発生回路5が制御信号Vq を発生す
ると、トランジスタTR2 が導通して積分コンデンサC
i2´の充電電流が該コンデンサから側路されるため、積
分コンデンサCi2´の充電が阻止される。第2の回転角
度位置で制御信号発生回路5が最小進角位置信号Vs2´
を発生すると、トランジスタTR3 が導通するため、積
分コンデンサCi2´の電荷が抵抗R6 とトランジスタT
R3 のコレクタエミッタ間とを通して第1の時定数より
も充分に小さい第2の時定数で放電する。第2の信号V
s2が消滅して最小進角位置信号Vs2´が消滅すると、ト
ランジスタTR3 が遮断状態になるため、積分コンデン
サCi2´は再び第1の時定数で充電される。
【0057】以上の動作により、機関の回転数が制限値
以下のときに積分コンデンサCi2´の両端に得られる積
分電圧V2'の波形は、図4(C)の左側に見られるよう
に、第2の信号Vs2が消滅した位置から第1の傾きで上
昇した後、第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度
位置θ2 まで一定のレベルを保持し、第2の回転角度位
置で第1の傾きよりも大きい第2の傾きで下降して零に
なる波形になる。
【0058】比較器CP1 は、積分電圧V2'と基準電圧
Vr とを比較して、積分電圧V2'が基準電圧Vr を超え
ているときにその出力端子の電位を低レベル(ほぼ接地
電位)にし、積分電圧V2'が基準電圧Vr 以下になった
ときにその出力端子の電位を高レベルにする。
【0059】機関の回転数が制限値以下のときには、積
分電圧V2'が第1の回転角度位置θ1 で基準電圧Vr の
第1の基準レベルVr1を超えているように設定されてい
るため、比較回路4Dはその出力端子の電位を低レベル
の状態に保持している。比較器CP1 の出力端子の電位
が低レベルの状態にあるときには、比較回路4Dから導
通信号が出力されず、トランジスタTR1 にベース電流
が与えられないため、該トランジスタTR1 (点火信号
側路用スイッチ)は遮断状態を保持している。この状態
で、図4(G)に示したように点火位置制御回路が点火
信号Vf ´を発生すると、点火回路3に点火信号Vf が
供給されるため、点火動作は支障なく行われる。
【0060】第2の回転角度位置θ2 でパルサコイル1
から第2の信号Vs2が発生すると、積分コンデンサCi2
´が放電させられるため、積分電圧V2'が第2の基準レ
ベルVr2より低くなる。このとき比較器CP1 の出力端
子の電位が高レベルになるため、図4(D)の左半分に
示すように電源回路6から抵抗R8 を通して導通信号V
b が出力される。この導通信号Vb により点火信号側路
用スイッチ4Aを構成するトランジスタTR1 が導通し
て、同トランジスタのコレクタの電位Va が図4(F)
に示すように低下するが、点火動作は既に完了している
ので、このトランジスタTR1 の導通は点火動作に影響
を与えない。導通信号Vb が発生すると、帰還回路4E
を通して図4(E)に示すような電流ib がトランジス
タTR3にベース電流として流れる。第2の信号Vs2が
消滅すると、トランジスタTR3が遮断状態になるた
め、積分コンデンサCi2´は充電されていく。
【0061】機関の回転数が上昇していくと、積分コン
デンサCi2´を充電する時間が短くなっていくため、該
積分コンデンサの両端の電圧が低くなっていく。機関の
回転数が制限値を超えると、第1の回転角度位置で積分
電圧V2'が基準電圧Vr の第1の基準レベルVr1を下回
るようになるため、該第1の回転角度位置θ1 で比較器
CP1 の出力端子の電位が高レベルの状態になる。この
とき帰還回路4Eを通してトランジスタTR3 にベース
電流が与えられるため、トランジスタTR3 が導通し、
積分コンデンサCi2´の電荷が抵抗R6 とトランジスタ
TR3 とを通して放電する。また第1の回転角度位置θ
1 から第2の回転角度位置θ2 までの間、制御信号Vq
がトランジスタTR2 により与えられて、該トランジス
タTR2が導通し、積分コンデンサCi2´の充電を阻止
するため、積分コンデンサCi2´の充電は行われない。
従って、機関の回転数が制限値を超えたときの積分電圧
V2'の波形は、図4(C)の右半分に見られるように、
第2の信号Vs2の消滅位置から第1の傾きで上昇した
後、第1の回転角度位置θ1 から第2の傾きで下降して
零になり、第2の信号Vs2が消滅するまでの間零レベル
の状態(第2の基準レベルよりも低い状態)を保持する
波形になる。そのため、機関の回転数が制限値を超えた
ときには、制御信号Vq が発生している全区間(点火動
作が許容される区間)の間比較器CP1 の出力端子の電
位が高レベルの状態に保持されて、図4(D)の右半分
に示したように、第1の信号Vs1の発生位置から、積分
電圧V2'が基準電圧Vr の第2の基準レベルを超える位
置までの間高レベルの状態を保持する矩形波状の導通信
号Vb が発生する。これによりトランジスタTR1 が導
通するため、点火位置制御回路2から出力される点火信
号Vf ´(図4G)がトランジスタTR1 を通して点火
回路3から側路される。このとき点火回路3は点火動作
を行わないため、機関が失火し、その回転数が低下す
る。導通信号Vb が発生すると、帰還回路4Eを通して
トランジスタTR3 にベース電流ib が与えられるた
め、該トランジスタTR3 が導通して積分コンデンサC
i2´を放電させる。従って、機関の回転数が制限値を超
えたときの積分電圧V2'の波形は、図4(C)の右半分
に示されているように、第2の信号Vs2が消滅する位置
から第1の傾きで上昇した後、第1の回転角度位置θ1
から第2の傾きで下降する波形になる。第1の回転角度
位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 までの区間はトラ
ンジスタTR2 が導通して積分コンデンサCi2´の充電
を阻止するため、積分コンデンサCi2´の両端の積分電
圧V2'は、第2の信号Vs2が消滅する位置まで零の状態
を保つ。
【0062】機関の回転数が制限値以下になると、第1
の回転角度位置θ1 で積分電圧V2'が図4(C)の左半
分に示されているように第1の基準レベルVr1を超える
ようになるため、比較回路4Dは導通信号を発生せず、
点火信号側路用スイッチ4Aは導通しないため、点火動
作は支障なく行われるようになる。
【0063】本発明者が先に提案した点火装置は、図1
の回路から充電阻止回路402を省略したものに相当す
る。図1の点火装置において充電阻止回路402が設け
られていない場合の各部の信号波形を図7(A)ないし
(H)に示した。図7(A)ないし(H)はそれぞれ図
4(A)ないし(H)に対応している。充電阻止回路4
02が設けられていない場合には、図7(C)の右半分
に示すように、機関の回転数が制限値を超えたときに比
較回路4Dから帰還回路4Eを通して与えられる電流i
b により放電回路のトランジスタTR3 が導通して積分
コンデンサCi2´の電荷が放電した後、該積分コンデン
サCi2´が再充電されるため、第1の回転角度位置θ1
と第2の回転角度位置θ2 との間の角度幅(進角幅)が
広い場合には、第2の回転角度位置θ2 で積分電圧V2'
が基準電圧Vr を超えて図7(H)に示すように不正な
点火信号Vfaが発生することがあった。このような点火
信号Vfaが発生すると機関が点火されてしまうため、機
関の回転数を制限値以下に制限する過回転防止動作を正
常に行わせることができなくなる。
【0064】これに対し、本発明のように、充電阻止回
路402を設けておくと、機関の回転数が制限値を超え
ているときに第1の回転角度位置θ1 から第2の回転角
度位置θ2 までの区間積分電圧V2'を基準電圧Vr より
も低い状態に保つことができるため、第2の回転角度位
置θ2 で不正な点火信号が発生するのを防ぐことができ
る。
【0065】図1にブロックで示した制御信号発生回路
5、電源回路6、及び点火位置制御回路2の具体的構成
例を図2に示した。
【0066】図2に示した例では、機関に取り付けられ
た磁石発電機内に設けられたエキサイタコイルEXと、
一端が接地されてエキサイタコイルEXの負の半サイク
ルの出力電圧によりダイオードD4 とD5 とを通して図
示の極性に充電される電源コンデンサC3 と、導通した
際にコンデンサC3 の充電電流を該コンデンサC3 から
側路するように設けられたサイリスタTh2と、コンデン
サC3 の両端の電圧が設定値を超えたときに導通してサ
イリスタTh2にトリガ信号を与えるように、コンデンサ
C3 の非接地側端子とサイリスタTh2のゲートとの間に
接続されたツェナーダイオードZD1 とを備えている。
エキサイタコイルEXの一端はアノードを接地したダイ
オードD6 のカソードに接続され、エキサイタコイルの
他端は点火回路3のダイオードD1 のアノードに接続さ
れている。この例では、サイリスタTh1とツェナーダイ
オードZD1 とによりコンデンサC3 の端子電圧(電源
回路の出力電圧)を一定値以下に制限する定電圧回路が
構成されている。
【0067】この電源回路においては、エキサイタコイ
ルEXが正の半サイクルの電圧を発生したときにエキサ
イタコイルEX→ダイオードD1 →コンデンサC1 →ダ
イオードD2 →ダイオードD6 →エキサイタコイルEX
の経路で点火エネルギ蓄積用コンデンサC1 を充電す
る。またエキサイタコイルEXが負の半サイクルの電圧
を出力したときにエキサイタコイルEX→ダイオードD
4 →コンデンサC3 →ダイオードD5 →エキサイタコイ
ルEXの経路で、電源コンデンサC3 を充電する。コン
デンサC3 の端子電圧が設定値を超えるとツェナーダイ
オードZD1 が導通して該コンデンサC3 の充電を阻止
するため、コンデンサC3 の端子電圧は設定値以下に保
たれる。機関の回転数がある程度上昇してエキサイタコ
イルが十分に高い電圧を出力する定常状態では、コンデ
ンサC3 の端子電圧(電源回路の出力電圧)Eo が一定
に保たれる。
【0068】制御信号発生回路5は、第1の信号Vs1及
び第2の信号Vs2を入力として、第1の回転角度位置θ
1 から第2の回転角度位置θ2 までの間第1のレベルV
q1を保持し、第2の回転角度位置θ2 から次の第1の回
転角度位置θ1 までの間第1のレベルよりも低い第2の
レベルVq2を保持する制御信号Vq を発生する回路で、
トランジスタTR4 ないしTR7 と、抵抗R10ないしR
13と、コンデンサC4ないしC6 と、ダイオードD7 な
いしD9 とにより構成されている。
【0069】この制御信号発生回路5においては、負極
性の第1の信号Vs1が抵抗R11及びコンデンサC5 の両
端の電圧によりほぼ決まるしきい値レベルを超えたとき
にトランジスタTR5 にベース電流が流れて該トランジ
スタTR5 が導通し、これによりトランジスタTR4 に
ベース電流が流れて該トランジスタTR4 が導通する。
従って電源回路6の出力でトランジスタTR4 のエミッ
タコレクタ間を通してコンデンサC4 が図示の極性に瞬
時に充電される。正極性の第2の信号Vs2がコンデンサ
C6 の両端の電圧によりほぼ決まるしきい値を超える
と、ダイオードD8 と抵抗R12及びコンデンサC6 から
なるバイアス回路とを通してトランジスタTR6 にベー
ス電流が流れる。これによりトランジスタTR6 が導通
するため、コンデンサC4 の電荷がダイオードD9 とト
ランジスタTR6 のコレクタエミッタ間とを通して瞬時
に放電する。コンデンサC4 の電荷がダイオードD9 と
トランジスタTR6 とを通して放電する際には、ダイオ
ードD9 の順方向電圧降下とトランジスタTR6 のコレ
クタエミッタ間電圧との和の電圧がコンデンサC4 に残
留するため、コンデンサC4 の両端に得られる制御信号
Vq は零になることはなく、一定の電圧が残留する。従
って、図4(B)または図5(B)に示すように、コン
デンサC4 の両端に、第1の信号Vs1の発生位置から第
2の信号Vs2の発生位置までの間第1のレベルVq1を保
持し、第2の信号Vs2の発生位置から次の第1の信号の
発生位置までの間第1のレベルVq1よりも低い第2のレ
ベルVq2を保持する矩形波状の制御信号Vq が得られ
る。この制御信号Vq を分圧して得た基準電圧Vr は、
第1の基準レベルVr1と第2の基準レベルVr2との間を
変化する矩形波状の電圧となる。
【0070】また第2の信号Vs2が発生してトランジス
タTR6 が導通したときにトランジスタTR7 が導通す
るため、該トランジスタTR7 を通して最小進角位置信
号Vs2´が発生する。この最小進角位置信号Vs2´は第
2の信号Vs2がしきい値を超えている間高レベルの状態
を保持するパルス信号である。
【0071】図2に示した制御信号発生回路5では、ト
ランジスタTR4 及びTR5 と抵抗R10及びR11とバイ
アス用コンデンサC5 とダイオードD7 とにより、第1
の信号Vs1が発生した時に制御信号発生用コンデンサC
4 を瞬時充電する制御信号発生用充電回路が構成され、
ダイオードD8 及びD9 とトランジスタTR6 と抵抗R
12及びバイアス用コンデンサC6 とにより、第2の信号
Vs2が発生した時に制御信号発生用コンデンサC4 を瞬
時放電させる制御信号発生用放電回路が構成されてい
る。またトランジスタTR7 と抵抗R13とにより、第2
の信号Vs2が発生している間最小進角位置信号Vs2´を
発生させる最小進角位置信号発生回路が構成されてい
る。
【0072】点火位置制御回路2は、第1の積分コンデ
ンサCi1、トランジスタTR8 、抵抗R14ないしR16及
びダイオードD10からなる第1の積分回路2Aと、第2
の積分コンデンサCi2、抵抗R17及びダイオードD11か
らなる第2の積分回路2Bと、積分コンデンサCi1及び
Ci2の両端にそれぞれ得られる第1の積分電圧V1 及び
第2の積分電圧V2 が非反転入力端子及び反転入力端子
にそれぞれ入力された比較器CP2 と、抵抗R18,R19
及びダイオードD12,D13からなる点火信号出力回路2
Cとにより構成されている。
【0073】第1の積分回路2Aにおいては、制御信号
Vq が第1のレベルVq1に立上ったときにトランジスタ
TR8 を通して積分コンデンサCi1が瞬時充電される。
積分コンデンサCi1の両端の電圧が、制御信号Vq の第
1のレベルVq1を抵抗R14及びR15からなる分圧回路に
より分圧した電圧に相当する初期レベルに達すると、ト
ランジスタTR8 が遮断状態になるため、以後は積分コ
ンデンサCi1が抵抗R16を通して一定の時定数で追加充
電される。第2の信号Vs2が発生して制御信号発生回路
のトランジスタTR6 が導通すると積分コンデンサCi1
の電荷がダイオードD10とトランジスタTR6 のコレク
タエミッタ間とを通してほぼ瞬時に放電する。従って、
第1の積分コンデンサCi1の両端には、図5(C)に示
したように、第1の回転角度位置θ1 で初期レベルV1o
まで立上った後第2の回転角度位置θ2 まで一定の傾き
で上昇して該第2の回転角度位置で立ち下がる波形の第
1の積分電圧V1 が得られる。
【0074】図示の第1の積分回路においては、トラン
ジスタTR8 と抵抗R14ないしR16とにより、第1の信
号Vs1が発生したときに第1の積分コンデンサCi1を一
定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデンサ
を一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデンサ充
電回路が構成されている。またダイオードD10と制御信
号発生回路のトランジスタTR6 とにより、第2の信号
Vs2が発生したときに第1の積分コンデンサCi1を放電
させるリセット回路が構成されている。即ち、この例で
は、制御信号発生回路5のリセット用スイッチ(トラン
ジスタTR6 )が第1の積分回路のリセット用スイッチ
を兼ねている。
【0075】第2の積分回路2Bにおいては、第2の積
分コンデンサCi2が電源電圧Eo により抵抗R17を通し
て一定の時定数で充電される。第2の信号Vs2が発生し
てトランジスタTR6 が導通すると、コンデンサCi2の
電荷がダイオードD11とトランジスタTR6 とを通して
ほぼ瞬時に放電する。従って積分コンデンサCi2の両端
には、図5(C)に示したように、第2の回転角度位置
θ2 から一定の傾きで上昇して、1回転後の第2の回転
角度位置θ2 で立ち下がる波形の第2の積分電圧V2 が
得られる。
【0076】図示の第2の積分回路2Bにおいては、電
源回路の出力電圧Eo を抵抗R17を通して第2の積分コ
ンデンサCi2に印加する回路により第2の積分コンデン
サを一定の時定数で充電する第2の積分コンデンサ充電
回路が構成され、ダイオードD11と制御信号発生回路の
トランジスタTR6 とにより第2の信号が発生したとき
に第2の積分コンデンサを放電させるリセット回路が構
成されている。即ち、制御信号発生回路のトランジスタ
TR6 は第2の積分回路のリセット用スイッチをも兼ね
ている。
【0077】第1及び第2の積分電圧V1 及びV2 の波
高値は機関の回転数の上昇に伴って低くなっていくが、
積分区間が長い積分電圧V2 の低下割合の方が積分区間
が短い積分電圧V1 の低下割合よりもはるかに大きいた
め、機関の回転数が上昇して進角開始回転数を超える
と、第1の回転角度位置θ1 と第2の回転角度位置θ2
との間で積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回るようにな
る。図5(C)は、便宜上積分電圧V1 の波形が回転数
により変化しないものとして、回転数の変化に伴う積分
電圧V1 及びV2 の相対的な変化を示している。同図に
おいては、機関の回転数が進角開始回転数よりも低いと
きの積分電圧V2 の波形を実線で示し、機関の回転数が
進角開始回転数を超えた後の積分電圧V2 の波形、及び
回転数が更に上昇したときの積分電圧V2 の波形をそれ
ぞれ鎖線及び破線で示している。
【0078】比較器CP2 は、第1及び第2の積分電圧
V1 及びV2 を比較して、第2の積分電圧V2 が第1の
積分電圧V1 以下になったときにその出力端子の電位を
高レベルにする(点火位置信号を出力する)。
【0079】機関の回転数が進角開始回転数よりも低い
領域では、第2の積分電圧V2 が第1の積分電圧V1 を
下回ることができないように、第1の積分電圧V1 の大
きさが設定されている。第2の積分電圧V2 が第1の積
分電圧V1 を下回ることができない状態では、比較器C
P2 の出力端子の電位が低レベルになっているため、制
御信号発生回路5が最小進角位置信号Vs2´(図5D)
を発生したときに抵抗R19とダイオードD13とを通して
点火信号Vf ´が出力される。
【0080】機関の回転数が上昇して進角開始回転数を
超えると、積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回るように
なり、積分電圧V2 が積分電圧V1 を下回ったときに比
較器CP2 の出力端子の電位が高レベルになるため、両
積分電圧が交差する位置で電源回路6から抵抗R18とダ
イオードD12とを通して定常時点火位置信号V3 が出力
されるようになる。この定常時点火位置信号V3 の発生
位置は、図5(E)及び(F)に示すように回転数の上
昇に伴って進角していく。
【0081】図2において、点火回路3、及び過回転防
止回路4の構成及び動作は、図1に示した例と全く同様
である。
【0082】図2に示した例では、過回転防止回路4を
点火位置制御回路2と別個に設けているが、点火位置制
御回路2として、積分演算により点火位置を演算する形
式の回路を用いる場合には、該点火位置制御回路2と過
回転防止回路4とで積分回路を共用するようにすること
ができる。
【0083】図3は点火位置制御回路と過回転防止回路
とで積分回路を共用するようにした例を示したもので、
同図において、制御信号発生回路5は、トランジスタT
R6のベースと抵抗R12及びコンデンサC6 の並列回路
との間に抵抗R20が挿入されている点を除き図2に示し
たものと同様である。制御信号発生回路5は、図6
(B)に示すように、第1の回転角度位置θ1 から第2
の回転角度位置θ2 までの間高レベルの状態を保持する
矩形波状の制御信号Vq と、第2の信号Vs2が発生して
いる間高レベルの状態を保つ最小進角位置信号Vs2´
(図6D)とを発生する。
【0084】図3において2Aは第1の積分回路で、こ
の積分回路は、図2に示した装置に設けられた第1の積
分回路2Aと全く同様に構成され、第1の積分コンデン
サCi1の両端に第1の積分電圧V1 を発生する。
【0085】また図1及び図2に示した過回転防止回路
に設けられていたものと同様の点火信号側路用スイッチ
4Aと、基準電圧発生回路4Bと、積分コンデンサCi2
´、充電回路401、充電阻止回路402及び放電回路
403からなる積分回路4Cと、比較回路4Dと、帰還
回路4Eとが設けられ、制御信号発生回路5のダイオー
ドD8 と抵抗R12及びコンデンサC6 の並列回路とを通
して与えられる最小進角位置信号Vs2´が抵抗R21とダ
イオードD20とを通して放電回路のトランジスタTR3
のベースに与えられている。この例では、積分コンデン
サCi2´を第2の積分コンデンサと呼ぶことにする。
【0086】図3に示した例では、過回転防止回路の積
分回路4Cが点火位置制御回路の第2の積分回路2Bを
兼ねており、第2の積分コンデンサCi2´の両端に得ら
れる積分電圧V2'が、過回転防止回路の比較器CP1 の
反転入力端子に速度検出用積分電圧として入力されると
同時に、点火位置制御回路の比較器CP2 の反転入力端
子に第2の積分電圧として入力されている。その他の構
成は図2に示した点火装置と同様である。
【0087】即ち、図3に示した点火装置においては、
点火位置制御回路が、第1の信号Vs1が発生したときに
第1の積分コンデンサCi1を一定の初期レベルまで充電
した後該第1の積分コンデンサを一定の時定数で追加充
電する第1の積分コンデンサ充電回路と、第2の信号V
s2が発生したときに該第1の積分コンデンサを放電させ
るリセット回路とを備えて第1の積分コンデンサの両端
に第1の積分電圧V1を発生させる第1の積分回路と、
第2の積分コンデンサCi2´を第1の時定数で充電する
充電回路401と、第1の信号Vs1が発生してから第2
の信号Vs2が発生するまでの間第2の積分コンデンサC
i2´の充電を阻止する充電阻止回路402と、第2の信
号Vs2が発生している間駆動信号が与えられて導通する
ように設けられた放電用スイッチを有して該放電用スイ
ッチが導通している間第2の積分コンデンサを第1の時
定数よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電
回路403とを備えて第2の積分コンデンサCi2´の両
端に第2の積分電圧V2'を発生する第2の積分回路と、
第1の積分電圧V1 と第2の積分電圧V2'とを比較し
て、第2の積分電圧V2'が第1の積分電圧V1 よりも低
くなった時に点火位置信号V3 を発生する点火位置信号
発生用比較器CP2 と、第2の信号Vs2が発生したとき
または点火位置信号V3 が発生したときに点火信号Vf'
を出力する点火信号出力回路2Cとにより構成されてい
る。
【0088】また過回転防止回路は、導通信号が与えら
れている間導通して点火信号Vf'を点火回路3から側路
するように設けられた点火信号側路用スイッチ4Aと、
第1の信号Vs1及び第2の信号Vs2により制御されて第
1の回転角度位置θ1 から第2の回転角度位置θ2 まで
の間第1の基準レベルVr1を保持し、第2の回転角度位
置θ1 から次の第2の回転角度位置θ2 までの間第1の
基準レベルよりも低い第2の基準レベルVr2を保持する
基準電圧Vr を発生する基準電圧発生回路4Bと、第2
の積分電圧V2'を基準電圧Vr と比較して、第2の積分
電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準
レベルよりも低いときに点火信号側路用スイッチに導通
信号を与える導通信号発生用比較回路4Dと、導通信号
発生用比較回路が導通信号を発生したときに一定時間の
間放電用スイッチ403に駆動信号を与える帰還回路4
Eとにより構成されている。この例においても、機関の
回転数が制限値を超えたときに第1の回転角度位置θ1
で第2の積分電圧V2'が第1の基準レベルVr1よりも低
くなるように第1の時定数が設定される。
【0089】図3に示した点火装置においては、比較器
CP2 が、図6(C)に示したように、過回転防止回路
で用いる積分電圧と同じ波形の積分電圧V2'を第1の積
分電圧V1 と比較して同図(D)に示すように点火位置
信号V3 を発生する。積分電圧V2'の波高値は回転数の
上昇に伴って低くなっていくため、点火位置信号V3の
発生位置は回転数の上昇に伴って進角していく。過回転
防止回路の動作は図1に示した装置と同様である。
【0090】図3に示したように、点火位置制御回路と
過回転防止回路とで積分回路を共用するように構成する
と、点火装置の回路構成の簡素化を図ることができる。
【0091】上記の説明では、パルサコイルが発生する
第1の信号Vs1を負極性の信号とし、第2の信号Vs2を
正極性の信号としたが、これらの信号の極性は上記の例
に限られるものではなく、第1の信号を正極性とし、第
2の信号を負極性としてもよいのはもちろんである。
【0092】図2に示した例では、電源回路6がエキサ
イタコイルEXを電源としているが、バッテリの電圧を
昇圧する直流コンバータ回路を設けて、該コンバータ回
路の出力で点火回路3のコンデンサC1 を充電する場合
にも本発明を適用することができる。
【0093】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、積分コ
ンデンサを第1の時定数で充電する充電回路と、パルサ
コイルが第1の回転角度位置で第1の信号を発生してか
ら第2の回転角度位置で第2の信号を発生するまでの間
積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回路と、第2
の信号が発生している間駆動信号が与えられて導通する
放電用スイッチを通して積分コンデンサを第1の時定数
よりも充分に小さい第2の時定数で放電させる放電回路
とを備えた積分回路を設けて、該積分回路から得られる
積分電圧を基準電圧と比較することにより、機関の回転
数が制限値を超えたことを検出して過回転防止動作を行
わせるようにしたので、信号発電機の回転子と信号発電
子との間のギャップの影響を受けることなく、回転数の
制限値を常に一定にすることができる。
【0094】また本発明によれば、第1の信号が発生し
てから第2の信号が発生するまでの間積分コンデンサの
充電を阻止する充電阻止回路を設けたことにより、機関
の回転数が制限値を超えたときに、点火動作が許容され
る区間の全体に亘って、積分電圧を確実に第2の基準レ
ベルよりも低い状態に保持することができるため、点火
動作が許容される区間の途中で点火信号側路用スイッチ
を導通させる導通信号がとぎれて、点火回路に不正な点
火信号が与えられるのを防ぐことができ、過回転防止動
作を確実に行わせることができる。
【0095】従って本発明によれば、信号発電機の組み
立て精度の影響を受けることなく、過回転防止動作時の
回転数の制限値を一定にすることができ、しかも過回転
防止動作時に不正な点火信号が発生するおそれがない内
燃機関用点火装置を得ることができる利点がある。
【0096】また本発明において、点火位置制御回路と
過回転防止回路とで積分回路を共用する構成をとった場
合には、点火装置の回路構成の簡素化を図り、コストの
低減を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる点火装置の一構成例を示した回
路図である。
【図2】図1の各部を更に具体的にした構成例を示した
回路図である。
【図3】本発明に係わる点火装置の他の構成例を示した
回路図である。
【図4】図1及び図2の点火装置の各部の信号波形を示
した波形図である。
【図5】図2の点火装置の点火位置制御回路の動作を説
明するための信号波形図である。
【図6】図3の点火装置の動作を説明するための信号波
形図である。
【図7】既提案の点火装置の動作を説明する信号波形図
である。
【符号の説明】
1 パルサコイル 2 点火位置制御回路 3 点火回路 4 過回転防止回路 Ci2´ 積分コンデンサ 4A 点火信号側路用スイッチ 4B 基準電圧発生回路 4C 積分回路 401 充電回路 402 充電阻止回路 403 放電回路 4D 比較回路 4E 帰還回路 5 制御信号発生回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設
    定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置
    よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそ
    れぞれ所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生
    するパルサコイルと、前記パルサコイルの出力により制
    御されて第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との
    間で発生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制
    御回路と、前記点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関の回転数が制限値
    を超えたときに前記点火用の高電圧の発生を阻止するこ
    とにより機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防
    止回路とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記過回転防止回路は、 導通信号が与えられている間導通して前記点火信号を点
    火回路から側路するように設けられた点火信号側路用ス
    イッチと、 前記第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの
    間第1の基準レベルを保持し、第2の回転角度位置から
    次の第2の回転角度位置までの間前記第1の基準レベル
    よりも低い第2の基準レベルを保持する基準電圧を発生
    する基準電圧発生回路と、 積分コンデンサを第1の時定数で充電する充電回路と、
    前記第1の信号が発生してから第2の信号が発生するま
    での間前記積分コンデンサの充電を阻止する充電阻止回
    路と、前記第2の信号が発生している間駆動信号が与え
    られて導通するように設けられた放電用スイッチを有し
    て該放電用スイッチが導通している間前記積分コンデン
    サを前記第1の時定数よりも充分に小さい第2の時定数
    で放電させる放電回路とを備えて前記積分コンデンサの
    両端に積分電圧を発生する積分回路と、 前記積分電圧を前記基準電圧と比較して、前記積分電圧
    が第1の基準レベルよりも低いとき及び第2の基準レベ
    ルよりも低いときに前記点火信号側路用スイッチに導通
    信号を与える比較回路と、 前記比較回路が前記導通信号を発生したときに一定時間
    の間前記放電用スイッチに駆動信号を与える帰還回路と
    を具備し、 機関の回転数が制限値を超えたときに前記第1の回転角
    度位置で前記積分電圧が第1の基準レベルよりも低くな
    るように前記第1の時定数が設定されていることを特徴
    とする内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の上死点よりも進んだ位置に設
    定された第1の回転角度位置及び該第1の回転角度位置
    よりも遅れた位置に設定された第2の回転角度位置でそ
    れぞれ所定の信号幅を有する第1及び第2の信号を発生
    するパルサコイルと、前記パルサコイルの出力により制
    御されて第1の回転角度位置と第2の回転角度位置との
    間で発生位置が変化する点火信号を出力する点火位置制
    御回路と、前記点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、内燃機関の回転数が制限値
    を超えたときに前記点火用の高電圧の発生を阻止するこ
    とにより機関の回転数を制限値以下に制限する過回転防
    止回路とを備えた内燃機関用点火装置において、 前記点火位置制御回路は、 前記第1の信号が発生したときに第1の積分コンデンサ
    を一定の初期レベルまで充電した後該第1の積分コンデ
    ンサを一定の時定数で追加充電する第1の積分コンデン
    サ充電回路と、前記第2の信号が発生したときに該第1
    の積分コンデンサを放電させるリセット回路とを備えて
    前記第1の積分コンデンサの両端に第1の積分電圧を発
    生させる第1の積分回路と、 第2の積分コンデンサを第1の時定数で充電する充電回
    路と、前記第1の信号が発生してから第2の信号が発生
    するまでの間前記第2の積分コンデンサの充電を阻止す
    る充電阻止回路と、前記第2の信号が発生している間駆
    動信号が与えられて導通するように設けられた放電用ス
    イッチを有して該放電用スイッチが導通している間前記
    第2の積分コンデンサを前記第1の時定数よりも充分に
    小さい第2の時定数で放電させる放電回路とを備えて前
    記第2の積分コンデンサの両端に第2の積分電圧を発生
    する第2の積分回路と、 前記第1の積分電圧と第2の積分電圧とを比較して、第
    2の積分電圧が第1の積分電圧よりも低くなった時に点
    火位置信号を発生する点火位置信号発生用比較回路と、 前記第2の信号が発生したときまたは前記点火位置信号
    が発生したときに前記点火信号を出力する点火信号出力
    回路とを備えてなり、 前記過回転防止回路は、 導通信号が与えられている間導通して前記点火信号を点
    火回路から側路するように設けられた点火信号側路用ス
    イッチと、 前記第1の回転角度位置から第2の回転角度位置までの
    間第1の基準レベルを保持し、第2の回転角度位置から
    次の第2の回転角度位置までの間前記第1の基準レベル
    よりも低い第2の基準レベルを保持する基準電圧を発生
    する基準電圧発生回路と、 前記第2の積分電圧を前記基準電圧と比較して、前記第
    2の積分電圧が第1の基準レベルよりも低いとき及び第
    2の基準レベルよりも低いときに前記点火信号側路用ス
    イッチに導通信号を与える導通信号発生用比較回路と、 前記導通信号発生用比較回路が前記導通信号を発生した
    ときに一定時間の間前記放電用スイッチに駆動信号を与
    える帰還回路とを備えてなり、 機関の回転数が制限値を超えたときに前記第1の回転角
    度位置で前記第2の積分電圧が第1の基準レベルよりも
    低くなるように前記第1の時定数が設定されていること
    を特徴とする内燃機関用点火装置。
JP07345996A 1996-03-28 1996-03-28 内燃機関用点火装置 Expired - Fee Related JP3379328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07345996A JP3379328B2 (ja) 1996-03-28 1996-03-28 内燃機関用点火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07345996A JP3379328B2 (ja) 1996-03-28 1996-03-28 内燃機関用点火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09264242A JPH09264242A (ja) 1997-10-07
JP3379328B2 true JP3379328B2 (ja) 2003-02-24

Family

ID=13518866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07345996A Expired - Fee Related JP3379328B2 (ja) 1996-03-28 1996-03-28 内燃機関用点火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3379328B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09264242A (ja) 1997-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0745865B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3379328B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3125587B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3412458B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3075095B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP3211511B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS6132151Y2 (ja)
JPS6124697Y2 (ja)
JP3008746B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS6040870Y2 (ja) 内燃機関点火装置
JPS6132149Y2 (ja)
JP2770602B2 (ja) 内燃機関用点火位置制御方法及び装置
JPS63626B2 (ja)
JP3191697B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP3123294B2 (ja) 内燃機関用無接点点火装置
JP3861407B2 (ja) 内燃機関点火装置
JP3185686B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JPH0350384A (ja) 内燃機関用点火装置
JPS6112115B2 (ja)
JP2570678Y2 (ja) 内燃機関用点火装置
JPS6316868Y2 (ja)
JPH0763147A (ja) 内燃機関用点火装置
JPH0674134A (ja) 内燃機関の点火時期演算用回転角度検出信号発生回路
JPH0650098B2 (ja) コンデンサ放電式内燃機関用点火装置
JP2000120518A (ja) 内燃機関用点火装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021112

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081213

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees