JP3422185B2 - 信号発生装置 - Google Patents

信号発生装置

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JP3422185B2
JP3422185B2 JP23681196A JP23681196A JP3422185B2 JP 3422185 B2 JP3422185 B2 JP 3422185B2 JP 23681196 A JP23681196 A JP 23681196A JP 23681196 A JP23681196 A JP 23681196A JP 3422185 B2 JP3422185 B2 JP 3422185B2
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常昭 遠藤
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Kokusan Denki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動装置の回
転角度位置情報や、回転速度情報を含む信号を発生する
誘導子形の信号発生装置に関し、特に多気筒内燃機関の
回転角度位置の情報や回転速度情報を含む信号を得るの
に適した信号発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関等の回転駆動装置において、所
定の制御動作が行われる回転角度位置を、マイクロコン
ピュータを用いて制御する場合には、駆動装置の回転軸
の一定の回転角度位置を基準位置として定めておいて、
制御動作を行わせる動作位置を計測するための計測値
を、基準位置から動作位置まで回転軸が回転するのに要
する時間の形で各種の制御条件に対して演算し、回転軸
の回転角度位置が基準位置に一致したことが検出された
時点から演算された計測値の計測を開始して、その計測
が完了したときに所定の制御動作を行わせる方法が多く
採用されている。
【0003】このような方法により、回転軸の1回転当
り制御動作を複数回行わせる場合には、各制御動作毎に
基準位置を設定して、各基準位置で各制御動作の動作位
置を計測するための計測値の計測を開始させる必要があ
り、回転軸の回転角度位置が基準位置に一致したことを
検出するために、各基準位置でパルス信号を発生する信
号発生装置を設けることが必要になる。この種の目的に
用いる信号発生装置では、各基準位置で発生するパルス
信号がいずれの制御動作に対応する信号であるかを判別
することが必要とされる。
【0004】一例として、多気筒内燃機関の各種の制御
を行う場合について説明する。多気筒内燃機関におい
て、マイクロコンピュータを用いて各気筒毎に点火位置
や、燃料の噴射開始位置などの各種の制御動作を行わせ
る場合には、各気筒に対して予め設定された回転軸の基
準位置(クランク軸等の機関の回転軸の回転角で表
す。)を検出して、検出された基準位置で所定の動作を
行わせる位置の計測を開始している。
【0005】基準位置は、例えば機関の各気筒の上死点
若しくは下死点、または上死点若しくは下死点から所定
の角度離れた特定の位置に設定される。そして一般に
は、機関の回転速度、スロットル開度、機関の温度等の
種々の制御条件に応じて、機関の各回転速度において所
定の動作を行わせるべき位置を、その時の回転速度で各
基準位置から各気筒に対して所定の動作を行わせるべき
位置まで機関が回転するのに要する時間の形で演算し、
各基準位置が検出される毎に演算された時間をタイマに
より計測して、該タイマが時間の計測を完了した時点で
各気筒に対して所定の動作を行わせる。
【0006】例えば内燃機関の点火位置を制御する場合
には、各気筒の点火位置を、その時の回転速度で各気筒
の基準位置から点火位置まで機関が回転するのに要する
時間の形で演算して各気筒の基準位置が検出されたとき
に点火位置計測用タイマをスタートさせ、該タイマが演
算された時間の計測を完了したときに点火装置に点火信
号を与えて各気筒の点火動作を行わせる。
【0007】また各気筒の所定のストローク(例えば吸
気ストローク)で所定の時間の間インジェクタのバルブ
を開いて内燃機関に燃料を供給する制御を行わせる場合
には、インジェクタによる燃料の噴射を開始する位置
を、その時の回転速度で各気筒の基準位置から噴射を開
始する位置まで機関が回転するのに要する時間の形で演
算して、各気筒の基準位置が検出されたときにタイマを
スタートさせ、該タイマが計測動作を完了したときにイ
ンジェクタに駆動電流を与えて燃料の噴射を開始させ
る。
【0008】上記のように、多気筒内燃機関において、
機関の各気筒毎に各種の制御動作を行わせる場合には、
各気筒に対して設定された基準位置で所定の動作を行わ
せる位置の計測を開始させるために、機関に取り付けた
信号発生装置から各気筒の基準位置を示す一連の(気筒
数に等しい数の)基準パルスを発生させるようにしてい
る。この場合、信号発生装置から順次発生する基準パル
スがいずれの気筒の基準パルスであるか、即ち各基準パ
ルスの発生位置がいずれの気筒の基準位置であるのかを
判別する必要がある。
【0009】本出願人は、このような目的に用いる信号
発生装置として、特願平2−223284号において、
回転子の外周に設ける複数のリラクタのうちの1つを、
周方向に沿って幅寸法が2段階に変化する2段リラクタ
とし、他のリラクタを周方向に沿って均一な幅寸法を有
する1段リラクタとしたものを提案した。
【0010】図7(A),(B)は、本出願人が先に提
案した信号発生装置の構成を概略的に示したもので、同
図において1´は2気筒内燃機関の回転軸2に取り付け
られた回転子、3は信号発電子である。
【0011】回転子1´は、鉄などの強磁性材料からな
る円柱状の回転体101´の外周に、2つのリラクタ1
02´及び103´を180度間隔で形成したものから
なっている。リラクタは、信号発電子の磁極に対向した
際に、該信号発電子内の磁路の磁気抵抗に変化を生じさ
せる機能を有する部分で、一般には、凸部または凹部に
より形成される。図示の例では、2つのリラクタ102
´及び103´が回転体101´の外周面から突出した
凸部からなっていて、2つのリラクタ102´及び10
3´の突出高さが等しく設定されている。一方のリラク
タ102´は、周方向に沿って幅寸法が2段階に変化す
る2段リラクタで、この2段リラクタ102´は、図7
(B)に示すように、幅が狭い第1のリラクタ形成部1
02a´と、第1のリラクタ形成部102a´の幅寸法
の2倍の幅寸法を有する第2のリラクタ形成部102b
´とからなっている。第1のリラクタ形成部102a´
及び第2のリラクタ形成部102b´は、第1のリラク
タ形成部102a´を第2のリラクタ形成部102b´
の幅方向(回転子の軸線方向)の片側に寄せた状態で周
方向に並ぶように設けられている。
【0012】リラクタ102´及び103´の周方向の
各端面は、回転子1´の中心軸線とリラクタ102´及
び103´のそれぞれの中心線とを結ぶ直線とを含む平
面と平行な面となっていて、各リラクタの周方向の端部
に形成されたエッジ部が同じ速度で信号発電子3の磁極
部301aの位置を通過する際に信号発電子3内で生じ
る磁束の時間的な変化率が等しくなるようになってい
る。
【0013】他のリラクタ103´は周方向に沿って均
一な幅寸法を有する1段リラクタで、このリラクタ10
3´の幅寸法は、2段リラクタの第2のリラクタ形成部
102b´の幅寸法に等しく設定されている。
【0014】信号発電子3は、回転子1´の外周に対向
する磁極部301aを先端に有する鉄心301と、鉄心
301に巻回された信号コイル302と、鉄心301に
磁気結合されて該鉄心に磁束を流す永久磁石303とを
備えたものである。図示の例では、磁石303の一方の
磁極が鉄心301の磁極部301aと反対側の端部に当
接され、磁石303の他端は磁性材料からなるベース板
304に当接されている。信号コイル302を巻いた鉄
心301と磁石303とベース板304とは樹脂モール
ド等の適宜の手段により一体化され、ベース板304が
内燃機関のケース等に設けられた取り付け部に固定され
る。
【0015】この信号発生装置では、2段リラクタ10
2´の第2のリラクタ形成部102b´を幅方向に2等
分する位置(図のO−O線に沿った位置)が回転子1´
の中心位置となっており、信号発電子3は、図7(B)
に示すように、その磁極部301aの中心を回転子1´
の中心位置に一致させた状態で配置される。
【0016】図7に示した信号発生装置においては、磁
石303−鉄心301−回転子1´−漏洩磁路−ベース
板304−磁石303の磁路が形成され、回転子1´の
リラクタによりこの磁路を流れる磁束に変化が生じさせ
られたときに、信号コイル302にパルス状の信号が誘
起する。
【0017】図7(A)において、回転子1´が図示の
矢印C方向に回転して、回転軸の回転角度位置θがθ1
に達し、2段リラクタ102´の第1のリラクタ形成部
102a´が信号発電子3の磁極部301aに対向し始
めると、鉄心301内を流れる磁束が増加するため、図
9(A)に示すように、信号コイル302にパルス信号
Pa1が発生する。本明細書では、このように信号コイル
301に鎖交する磁束が増加する際に発生するパルス信
号の極性を正極性とする。
【0018】またパルス信号の発生位置は、厳密には該
パルス信号が回路により認識されるしきい値レベルに達
する位置であるが、図9の波形図では、パルス信号のピ
ーク位置をその発生位置としている。
【0019】角度θ1 の位置でパルス信号Pa1が発生し
た後、回転子が更に回転して角度θ2 の位置で第2のリ
ラクタ形成部102b´が信号発電子3の磁極部301
aに対向し始めると、リラクタ102´と磁極部301
aとの対向面積が2倍に増加するため、鉄心301内を
流れる磁束が更に増加し、この磁束の変化により、図7
(A)に示すように正極性のパルス信号Pa2が発生す
る。
【0020】回転子が更に回転して角度θ3 の位置で第
2のリラクタ形成部102b´と信号発電子の磁極部3
01aとの対向が終了する際に、鉄心301を流れる磁
束が減少するため、信号コイル302に負極性のパルス
信号Qa が発生する。第2のリラクタ形成部102bが
磁極部301aに対向しているときのリラクタ102´
と磁極部301aとの対向面積は、第1のリラクタ形成
部102a´が磁極部301aに対向しているときのリ
ラクタと磁極部との対向面積の2倍であるため、第2の
リラクタ形成部102b´が信号発電子の磁極部との対
向を終了する際の磁束の変化量は、第1のリラクタ形成
部102a´が磁極部301aに対向し始める際の磁束
の変化量及び第2のリラクタ形成部102b´が磁極部
301aに対向し始める際の磁束の変化量のほぼ2倍に
なり、第2のリラクタ形成部102b´が磁極部301
aとの対向を終了する際に信号コイル302に誘起する
パルス信号Qa の波高値は、パルス信号Pa1,Pa2の波
高値のほぼ2倍になる。
【0021】回転子が更に回転し、角度θ4 の位置でリ
ラクタ103´が信号発電子の磁極部301aに対向し
始めると、鉄心301に流れる磁束が増加するため、信
号コイル302に正極性のパルス信号Pb が発生する。
また角度θ5 の位置でリラクタ103と磁極部301a
との対向が終了する際に、信号コイル302に負極性の
パルス信号Qb が発生する。リラクタ103´と磁極部
301aとの対向面積は、リラクタ102´の第2のリ
ラクタ形成部102b´と磁極部301aとの対向面積
に等しいため、パルス信号Pb 及びQb の波高値は、パ
ルス信号Qa の波高値に等しくなる。
【0022】信号発生装置を上記のように構成すると、
負極性のパルス信号Qa は、波高値が低い2つの正極性
のパルス信号Pa1及びPa2が続いて発生した後に発生
し、他の負極性のパルス信号Qb は、1つの正極性のパ
ルス信号Pb が発生した後に発生する。そのため、負極
性のパルス信号Qa 及びQb を基準パルス信号として用
いる(パルス信号Qa 及びQb がそれぞれ機関の異なる
気筒に対して設定された基準位置で発生するように信号
発電子と回転子との間の位置関係を設定しておく)と、
負極性のパルス信号の前に発生する正極性のパルス信号
の数から、各基準パルス信号が内燃機関のいずれの気筒
に対応するものであるかを判別することができる。
【0023】例えば、図9(A)において、パルス信号
Qa を2気筒内燃機関の第1気筒に対して設定された基
準位置で発生させ、パルス信号Qb を第2気筒に対して
設定された基準位置で発生させるように、回転子1´と
信号発電子3との位置関係を設定した場合には、信号発
電子3から2つの正極性のパルス信号Pa1及びPa2が出
力された後に負極性のパルス信号Qa が出力されたとき
に、その負極性のパルス信号を第1気筒に対応する基準
パルスとして認識することができ、1つの正極性のパル
ス信号が出力された後に負極性のパルス信号Qb が出力
されたときに、その負極性のパルス信号を第2気筒に対
応する基準パルスとして認識することができる。即ち、
図9(A)に示した例では、正極性のパルス信号が続け
て2つ発生するか、1つだけ発生するかを判別すること
により、次に発生する負極性のパルス信号が機関のいず
れの気筒に対応する基準パルスであるかを判別すること
ができる。
【0024】また特定のパルスの発生間隔、例えば、負
極性のパルス信号Qa が発生してから次の負極性のパル
ス信号Qb が発生するまでの時間、または各負極性のパ
ルス信号Qa が発生してから次の負極性のパルス信号Q
a が発生するまでの時間などから、機関の回転速度の情
報を得ることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】図7(A),(B)に
示した信号発生装置において、パルスの判別を確実に行
わせるためには、2段リラクタ102´が信号発電子の
磁極301aに対向する際に発生する2つの同極性のパ
ルス信号Pa1及びPa2を確実に検出し得るようにしてお
く必要があり、そのためには、該パルス信号Pa1及びP
a2がある程度以上の大きさの波高値を有している必要が
ある。そこで、図7に示した信号発生装置においては、
同図(B)に示したように、2段リラクタ102´の中
心位置を信号発電子の磁極部301aの中心に一致させ
た状態で配置することにより、2段リラクタ102´の
第1のリラクタ形成部102a´が磁極部301aに対
向する際の対向面積の変化と、第2のリラクタ形成部1
02b´が磁極部301aに対向する際の対向面積の変
化とをほぼ等しくして、ほぼ同じレベルのパルス信号P
a1及びPa2を発生させるようにしている。
【0026】ところが、実際に信号発生装置を機関に取
り付ける際には、2段リラクタ102´の中心位置を信
号発電子の磁極部301aの中心に常に正確に一致させ
ることは困難であり、回転子及び信号発電子の加工精度
のばらつきや、信号発電子の取付け部の加工精度のばら
つき等により、図8(A)または(B)に示すように、
回転子1´と信号発電子3との間に軸線方向の位置ずれ
が生じることがある。図8(A)に示したように、信号
発電子の磁極部301aと回転子1´との間に、磁極部
301aと2段リラクタの第1のリラクタ形成部102
a´との対向面積を小さくする方向の位置ずれが生じる
と、図9(B)に示したように、2段リラクタ102´
が磁極部301aに対向する際に最初に発生するパルス
信号Pa1の波高値が次に発生するパルス信号Pa2の波高
値に比べて相当に低くなり、パルス信号Pa1の認識を正
確に行うことができなくなるおそれがある。また図8
(B)に示したように、信号発電子の磁極部301aと
回転子1´との間に、磁極部301aと2段リラクタの
第1のリラクタ形成部102a´との対向面積を増加さ
せる方向の位置ずれが生じると、図9(C)に示したよ
うに、2段リラクタ102´が磁極部301aに対向す
る際に2番目に発生するパルス信号Pa2の波高値が最初
に発生するパルス信号Pa1の波高値に比べて相当に低く
なり、パルス信号Pa2の認識を正確に行うことができな
くなるおそれがある。
【0027】本発明の目的は、回転子及び信号発電子の
加工精度のばらつきや、信号発電子の取付け部の加工精
度のばらつきによって、回転子と信号発電子との間に軸
線方向の位置ずれが生じた場合でも、2段リラクタによ
り続けて発生させられる2つの同極性のパルス信号の波
高値を十分に大きくして、パルス信号の認識を確実に行
わせることができるようにした信号発生装置を提供する
ことにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、周方向に沿っ
て幅寸法が2段階に変化する2段リラクタと周方向に沿
って均一な幅寸法を有する1段リラクタとが外周に形成
された回転子と、回転子の外周にギャップを介して対向
する磁極部を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信
号コイルと該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えて
2段リラクタ及び1段リラクタにより生じさせられる磁
束の変化により信号コイルにパルス状の信号を誘起する
信号発電子とを備えた信号発生装置に係わるものであ
る。
【0029】本発明においては、上記2段リラクタが、
回転子の周方向に並ぶ第1のリラクタ形成部と第2のリ
ラクタ形成部とにより構成される。第1のリラクタ形成
部は、信号発電子の磁極部の幅寸法よりも小さい第1の
幅寸法を有して回転子の周方向に延びるように形成さ
れ、第2のリラクタ形成部は、信号発電子の磁極部の幅
寸法よりも大きい第2の幅寸法を有して、回転子の周方
向に延びるように形成される。
【0030】上記のように構成すると、回転子及び信号
発電子の加工精度のばらつきや、信号発電子の取り付け
部の加工精度のばらつき等によって、両者間に軸線方向
のずれが生じても、そのずれがリラクタと信号発電子の
磁極部との対向面積に大きな影響を与えないようにする
ことができるため、2段リラクタにより続けて発生させ
られる2つの同極性のパルス信号の波高値が極端に小さ
くなるのを防ぐことができ、信号発生装置の信頼性を高
めることができる。
【0031】上記の構成において、2段リラクタの第1
のリラクタ形成部の幅寸法(第1の幅寸法)は、信号発
電子の磁極部の幅寸法の1/2以下に設定するのが好ま
しい。
【0032】本発明においてはまた、上記第1のリラク
タ形成部を、信号発電子の磁極部の幅寸法よりも小さい
間隔を隔てて周方向に平行に延びる対の部分により構成
することもできる。この場合、第2のリラクタ形成部
は、信号発電子の磁極部の幅寸法よりも大きい幅寸法を
有して回転子の周方向に延びるように形成される。
【0033】この場合、第1のリラクタ形成部を構成す
る対の部分の間隔は、信号発電子の磁極部の幅寸法の1
/2以下に設定するのが好ましい。
【0034】上記リラクタは、回転子の外周面に形成さ
れた凸部により構成してもよく、回転子の外周面に形成
された凹部により構成してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】図1(A),(B)は、2気筒内
燃機関の各気筒に対して設定された基準位置を検出する
ために用いる信号発生装置に本発明を適用した例を示し
たものである。図1(A),(B)において、1は2気
筒内燃機関の回転軸2に取り付けられた回転子、3は信
号発電子である。回転子1は、鉄などの強磁性材料から
なる円柱状の回転体101の外周に、2段リラクタ10
2と1段リラクタ103とを180度間隔で形成したも
のからなっている。2段リラクタ102及び1段リラク
タ103は、回転体101の外周から突出した凸部から
なっていて、両リラクタの各部の突出高さΔhはすべて
等しく設定されている。即ち、各リラクタは、周方向に
沿って均一な突出高さΔhを有するように形成されてい
る。
【0036】図1(B)に示すように、2段リラクタ1
02は、幅が狭い第1のリラクタ形成部102Aと、幅
が広い第2のリラクタ形成部102Bとが周方向に並ぶ
ように形成されている。第1のリラクタ形成部102A
は、第2のリラクタ形成部102Bを幅方向に2等分す
る位置を周方向に延びる中心線O−Oに沿って延びるよ
うに(第2のリラクタ形成部102Bの幅方向の中央部
の延長上に)設けられていて、その一端102Aaが回転
子の周方向の一方の側に向けられている。また第2のリ
ラクタ形成部102Bは、その一端102Baを回転子の
周方向の一方の側に向けた状態で、かつ第1のリラクタ
形成部102Aの他端102Abに連続させた状態で周方
向に延びるように設けられていて、第2のリラクタ形成
部102Bの他端102Bbが回転子の周方向の他方の側
に向けられている。
【0037】本発明においては、第2のリラクタ形成部
102Bの幅寸法W2 を磁極部301aの幅寸法Wo よ
りも大きく設定する。また第1のリラクタ形成部102
Aの幅寸法W1 は、信号発電子3の磁極部301aの幅
寸法Wo の1/2以下に設定するのが好ましい。即ち、
磁極部301aの幅寸法Wo と第1のリラクタ形成部1
02Aの幅寸法W1 と第2のリラクタ形成部102Bの
幅寸法W2 との間に下記の関係が成立するように各部の
幅寸法を設定するのが好ましい。
【0038】 W1 ≦Wo /2 (1) W2 >Wo (2) 図示の例では、W1 =Wo /2、及びW2 >2Wo の関
係が成立するように幅寸法Wo ,W1 及びW2 が設定さ
れている。
【0039】なお本明細書において、信号発電子の各部
の「幅寸法」は、回転子の軸線方向に測った各部の寸法
を意味している。
【0040】1段リラクタ103は、周方向に沿って均
一な幅寸法と突出高さとを有する凸部からなっていて、
このリラクタ103の幅寸法は2段リラクタ102の第
2のリラクタ形成部102Bの幅寸法W2 に等しく設定
され、該1段リラクタ103の一端103a及び他端1
03bがそれぞれ回転子の周方向の一方の側及び他方の
側に向けられている。また1段リラクタ103の極弧角
αは、2段リラクタ102の極弧角αに等しく設定され
ている。
【0041】第1のリラクタ形成部102Aの一端10
2Aa、第2のリラクタ形成部102Bの一端102Ba、
第2のリラクタ形成部102Bの他端102Bb、リラク
タ103の一端103a及びリラクタ103の他端10
3bのそれぞれの端面は、回転子の中心軸線とリラクタ
102及び103の周方向の中心位置を結ぶ直線とを含
む平面A−Aと平行な平面となっていて、それぞれの端
部102Aa,102Ba,103a及び103bのエッジ
部が同じ速度で信号発電子3の磁極部301aの位置を
通過する際に信号発電子3内で生じる磁束の時間的な変
化率が等しくなるようになっている。
【0042】信号発電子3は、図7に示した従来の信号
発生装置で用いられていたものと同様に、回転子1の外
周に対向する磁極部301aを先端に有する鉄心301
と、鉄心301に巻回された信号コイル302と、鉄心
301に磁気結合されて該鉄心に磁束を流す永久磁石3
03とを備えたもので、ベース板304が内燃機関のケ
ース等に設けられた取り付け部に固定される。
【0043】上記の信号発生装置において、回転子1が
図1(A)において矢印C方向に回転して、2段リラク
タ102の第1のリラクタ形成部102Aの一端102
Aaが角度θ1 の位置で信号発電子3の磁極部301aに
対向すると、鉄心301を通して流れる磁束が増加する
ため、この磁束の変化により図4(A)に示すように、
信号コイル302に正極性のパルス信号Pa1が誘起す
る。次いで、角度θ2 の位置で2段リラクタ102Aの
第2のリラクタ形成部102Bの一端102Baが磁極部
301aに対向すると、鉄心301に流れる磁束が更に
増加するため、信号コイル302に図4に示すように正
極性のパルス信号Pa2が誘起する。図示の例では、第1
のリラクタ形成部102Aの幅寸法W1 が磁極部301
aの幅寸法Wo の1/2に等しく設定され、第2のリラ
クタ形成部102Bの幅寸法W2 が磁極部301aの幅
寸法Wo よりも大きく設定されているため、第2のリラ
クタ形成部102Bの先端部102Baが磁極部301a
に対向する際の磁束の増加量は、第1のリラクタ形成部
102Aの先端部102Aaが磁極部301aに対向する
際の磁束の変化量にほぼ等しくなる。したがって、第1
のリラクタ形成部102Aが磁極部301aに対向する
際の速度と第2のリラクタ形成部102Bが磁極部30
1aに対向する際の速度とが等しいとすると、パルス信
号Pa1及びPa2の波高値は等しくなる。
【0044】回転子が更に回転して、角度θ3 の位置で
第2のリラクタ形成部102Bの他端102Bbが磁極部
301aの位置を通過してリラクタ102と磁極部30
1aとの対向を終了する際に鉄心301に流れる磁束が
減少するため、信号コイル302に負極性のパルス信号
Qa が誘起する。
【0045】次いで角度θ4 の位置でリラクタ103の
一端103aが信号発電子の磁極部301aに対向する
と、鉄心301に流れる磁束が増加するため、信号コイ
ル302に正極性のパルス信号Pb が誘起し、角度θ5
の位置でリラクタ103の後端部103b が磁極部30
1aの位置を通過すると、鉄心301を流れる磁束が減
少するため、信号コイル302に負極性のパルス信号Q
b が誘起する。
【0046】上記のように構成すると、図2(A)及び
(B)に示すように、磁極部301aと回転子1との間
に軸線方向の位置ずれが生じても、信号発電子の磁極部
301aが2段リラクタ102の第1のリラクタ形成部
102Aの全体に対向する状態を維持している限り、第
1及び第2のリラクタ形成部102A及び102Bがそ
れぞれ信号発電子の磁極部301aに対向する際の磁束
の変化量は変わらないため、回転子及び信号発電子の加
工精度のばらつきや、信号発電子の取付け部の加工精度
のばらつきによって、回転子と信号発電子との間に位置
ずれが生じても、2段リラクタが信号発電子の磁極に対
向する際に発生する正極性のパルス信号Pa1及びPa2の
波高値を一定にすることができる。
【0047】この場合、回転子と信号発電子の磁極部と
の間に許容される軸線方向の位置ずれの最大値ΔWmax
は、 ΔWmax =Wo −W1 …(3) で与えられる。
【0048】上記のような信号発生装置を用いる制御装
置においては、ノイズによる誤動作を防止するために、
信号発生装置が出力するパルス信号を受入れる回路の入
力部に、パルス信号により充電されるバイアス用のコン
デンサと該コンデンサの電荷を一定の時定数で放電させ
る抵抗とを備えたバイアス回路を設けて、該バイアス用
コンデンサの両端に得られるバイアス電圧を超える大き
さのパルス信号のみを正規のパルス信号として受入れる
ようにすることが多い。信号発生装置の出力が入力され
る回路にこのようなバイアス回路が設けられている場合
には、第1のリラクタ形成部の幅寸法W1 を信号発電子
の磁極部の幅寸法Wo の1/2よりも小さくして、2段
リラクタが信号発電子の磁極部に対向する際に後から発
生する正極性のパルス信号Pa2の波高値を、先に発生す
る正極性のパルス信号Pa1の波高値よりも高くしておく
のが好ましい。
【0049】図5は、上記のようなバイアス回路を備え
た制御装置の構成の一例を概略的に示したもので、同図
において10は制御装置に設けられて制御に必要な演算
を行うCPU、TR1 及びTR2 はコレクタがCPUの
入力ポートA1 及びA2 に接続され、エミッタが接地さ
れたNPNトランジスタ、R1 〜R6 は抵抗、C1 及び
C2 はバイアス用コンデンサ、D1 〜D4 はダイオード
である。この装置では、コンデンサC1 と抵抗R1 とに
より第1のバイアス回路11が構成され、コンデンサC
2 と抵抗R2 とにより第2のバイアス回路12が構成さ
れている。
【0050】図5の装置において、信号コイル302が
図示の実線矢印方向の正極性のパルス信号を発生する
と、信号コイル302−ダイオードD1 −バイアス回路
11−抵抗R3 −トランジスタTR1 のベースエミッタ
間回路−ダイオードD2 −信号コイル302の経路で電
流が流れる。これによりトランジスタTR1 が導通して
そのコレクタの電位が低下し、CPUの入力ポートA1
の電位が低下する。CPU10は、その入力ポートA1
の電位が低下したときに正極性パルス信号が入力された
ことを認識する。トランジスタTR1 はバイアス用コン
デンサC1 の充電が完了した時点で遮断状態になる。
【0051】上記の経路で電流が流れると、バイアス用
コンデンサC1 が図示の極性に充電されるため、その両
端にバイアス電圧Vc1が発生し、パルス信号の入力回路
のしきい値が上昇する。以後は、このコンデンサC1 の
両端のバイアス電圧Vc1を超える波高値を有する正極性
のパルス信号が発生したときにのみトランジスタTR1
が導通するため、バイアス電圧Vc1を超えるパルス信号
のみが正規のパルス信号として認識され、バイアス電圧
Vc1以下のパルス信号はノイズ信号として排除される。
コンデンサC1 の両端に得られるバイアス電圧Vc1は、
コンデンサC1の電荷が抵抗R1 を通して放電すること
により徐々に低下していく。
【0052】信号コイル302が図示の破線矢印方向の
負極性のパルス信号を発生したときには、信号コイル3
02−ダイオードD3 −バイアス回路12−抵抗R4 −
トランジスタTR2 のベースエミッタ間回路−ダイオー
ドD4 −信号コイル302の経路で電流が流れてトラン
ジスタTR2 が導通し、CPUの入力ポートA2 の電位
を低下させる。CPUはこの入力ポートA2 の電位の低
下を検出することにより負極性のパルス信号が入力され
たことを認識する。トランジスタTR2 は、バイアス回
路12のコンデンサC2 の充電が完了したときに遮断状
態になる。上記の電流が流れることにより、コンデンサ
C2 が充電されるため、該コンデンサC2 の両端にバイ
アス電圧Vc2が発生する。以後は、このバイアス電圧V
c2を超える波高値を有する負極性のパルス信号が発生し
たときにのみ、トランジスタTR2 が導通するため、バ
イアス電圧Vc2を超える波高値を有する負極性のパルス
信号のみがCPUにより認識され、バイアス電圧Vc2以
下の波高値を有するパルス信号はノイズ信号として排除
される。
【0053】図5に示すような制御装置に本発明に係わ
る信号発生装置を用いる場合に、2段リラクタ102の
第1のリラクタ形成部102Aの幅寸法W1 を信号発電
子の磁極部301aの幅寸法Wo の1/2に設定する
と、2段リラクタ102が磁極部301aに対向する際
に発生するパルス信号の波形は、図6(A)のようにな
り、続いて発生する2つの正極性のパルス信号Pa1及び
Pa2の波高値はほぼ等しくなる。図6(A)において、
Vc1は第1のバイアス回路11のコンデンサC1の両端
に得られるバイアス電圧を示し、Vc2は第2のバイアス
回路12のコンデンサC2 の両端に得られるバイアス電
圧を示している。図6(A)に示したように、正極性の
パルス信号Pa1及びPa2の波高値が等しい場合には、先
に発生するパルス信号Pa1が発生したときにバイアス電
圧Vc1が上昇するため、続いて発生するパルス信号Pa2
の波高値がバイアス電圧Vc1のレベルと大差ない状態に
なり、該パルス信号Pa2によりトランジスタTR1 を導
通させることができなくなる(パルス信号Pa2が認識さ
れなくなる)おそれがある。
【0054】これに対し、信号発生装置の2段リラクタ
102の第1のリラクタ形成部102Aの幅寸法W1 を
磁極部301aの幅寸法Wo の1/2よりも小さく設定
した場合には、2段リラクタの第1のリラクタ形成部1
02Aが信号発電子の磁極部301aに対向する際に鉄
心301内で生じる磁束の変化量よりも、第2のリラク
タ形成部102Bが磁極部301aに対向する際の磁束
の変化量の方が多くなるため、図6(B)に示したよう
に、2段リラクタ102が信号発電子3の磁極部301
aに対向する際に先に発生する正極性のパルス信号Pa1
の波高値よりも、後から発生する正極性のパルス信号P
a2の波高値の方が高くなる。そのため、先に発生する正
極性のパルス信号Pa1により、バイアス電圧Vc1が上昇
しても、後から発生する正極性のパルス信号Pa2の波高
値を該バイアス電圧Vc1よりも十分に高くすることがで
き、該パルス信号Pa2の認識を確実に行わせることがで
きる。
【0055】上記の例では、第1のリラクタ形成部10
2Aが、第2のリラクタ形成部102Bを幅方向に2等
分する位置を周方向に延びる中心線O−Oに沿って延び
るように(第2のリラクタ形成部の中心位置の延長上
に)設けられているが、本発明においては、第1のリラ
クタ形成部102Aの全体が信号発電子の磁極部301
aに対向する状態が維持される範囲で、信号発電子の磁
極部301aと回転子1との間に生じる相対的な位置ず
れが最大になった場合でも、信号発電子の磁極部301
aの全体が第2のリラクタ形成部102Bに対向するこ
とができるように(磁極部301aの一部が第2のリラ
クタ形成部102Bと対向しない状態が生じることがな
いように)、第1のリラクタ形成部及び第2のリラクタ
形成部が設けられていればよく、第1のリラクタ形成部
は必ずしも第2のリラクタ形成部の中心位置の延長上に
設けられている必要はない。即ち、第1のリラクタ形成
部102Aの全体が信号発電子の磁極部301aに対向
する状態、及び信号発電子の磁極部301aの全体が第
2のリラクタ形成部102Bに対向する状態が維持され
る範囲で、第1のリラクタ形成部102Aが第2のリラ
クタ形成部に対して偏心した位置に設けられていても差
し支えない。
【0056】本発明に係わる信号発生装置は図3
(A),(B)に示すように構成することもできる。こ
の例においても、2段リラクタ102が、回転子1の周
方向に並ぶ第1のリラクタ形成部102Aと第2のリラ
クタ形成部102Bとからなり、第1のリラクタ形成部
102Aは、相互間に信号発電子3の磁極部301の幅
寸法よりも小さい間隔W1 を隔てた状態で周方向に平行
に延びる対の部分102A1及び102A2からなってい
る。対の部分102A1と102A2との間には、幅寸法W
1 を有する溝部102A3が形成されている。図示の例で
は、対の部分102A1及び102A2相互間の間隔W1 が
磁極部301aの幅寸法Wo の1/2に等しく設定され
ている。
【0057】第2のリラクタ形成部102Bは信号発電
子3の磁極部301aの幅寸法Woよりも大きい幅寸法
W2 を持って周方向に延びるように形成され、第1のリ
ラクタ形成部102Aを構成する対の部分102A1及び
102A2は、第2のリラクタ形成部102Bを幅方向に
2等分する位置を周方向に延びる中心線O−Oの両側に
対称に配置されている。この例においても、幅寸法Wo
,W1 及びW2 の間に前記(1)式及び(2)式の関
係が成立するようになっている。
【0058】図3に示した信号発生装置においても、回
転子1を図示の矢印C方向に回転させることにより、2
段リラクタ102の第1のリラクタ形成部102Aの一
端102Aa が信号発電子の磁極部301aに対向する
際及び第2のリラクタ形成部102Bの一端102Ba
が磁極部301aに対向する際にそれぞれ同じ量の磁束
変化を生じさせることができるため、図4(A)に示す
ように、波高値が等しい正極性のパルス信号Pa1及びP
a2を得ることができる。
【0059】また回転子1と信号発電子3との間に軸線
方向の位置ずれが生じても、磁極部301aが、対の部
分102A1及び102A2の間に形成された溝部102A3
の全体に対向する状態が維持されている限り、第1及び
第2のリラクタ形成部102A及び102Bがそれぞれ
信号発電子の磁極部301aに対向する際の磁束の変化
量は変わらないため、2段リラクタ102が磁極部30
1aに対向する際に発生する2つの正極性のパルス信号
Pa1及びPa2の波高値をほぼ等しくすることができる。
【0060】図3に示した例では、第1のリラクタ形成
部を構成する対の部分102A1及び102A2の間に形成
された溝部102A3の中心線を、第2のリラクタ形成部
102Bの中心線O−Oに一致させているが、図1に示
した例で説明した理由と同様の理由で、該溝部102A3
の中心は、第2のリラクタ形成部102Bの中心からず
れていても差し支えない。
【0061】上記の説明では、回転子1の回転方向を、
図1に示した矢印Cの方向として、回転子1が回転した
際に、2段リラクタ102の第1のリラクタ形成部10
2Aを第2のリラクタ形成部102Bよりも先に信号発
電子の磁極部301aに対向させるようにしたが、本発
明に係わる信号発生装置において、回転子1の回転方向
は任意であり、図1において、回転子1の回転方向を矢
印Cと反対の方向として、回転子1が回転した際に、2
段リラクタ102の第2のリラクタ形成部102Bを第
1のリラクタ形成部102Aよりも先に信号発電子の磁
極部301aに対向させるようにしてもよい。
【0062】図1において、回転子1の回転方向を矢印
Cと反対の方向とした場合には、図4(B)に示したよ
うに、角度θ5 の位置で1段リラクタ103の他端10
3bが信号発電子の磁極部301aに対向したときに信
号コイル302に正極性のパルス信号Pb が発生し、角
度θ4 の位置で1段リラクタ103と信号発電子の磁極
部301aとの対向が終了する際に信号コイル302に
負極性のパルス信号Qb が発生する。
【0063】次いで角度θ3 の位置で、2段リラクタ1
02の第2のリラクタ形成部102Bの他端102Bb
が信号発電子の磁極部301aに対向する際に、正極性
のパルス信号Pa が発生する。角度θ2 の位置で第1の
リラクタ形成部102Aの他端102Ab が磁極部30
1aに対向すると、2段リラクタ102Aと磁極部30
1aとの対向面積が減少するため、負極性のパルス信号
Qa1が発生し、更に、角度θ1 の位置で2段リラクタの
第1のリラクタ形成部102Aが磁極部301aとの対
向を終了する際に負極性のパルス信号Qa2が発生する。
2段リラクタの第1のリラクタ形成部102Aの他端が
磁極部301aに対向する際に信号発電子の鉄心内で生
じる磁束の減少量と該第1のリラクタ形成部102Aが
磁極部301aとの対向を終了する際に信号発電子の鉄
心内で生じる生じる磁束の減少量とは等しいため、負極
性のパルス信号Qa1及びQa2の波高値は等しくなる。
【0064】図3に示した回転子1を、図3(A)の矢
印Cと反対の方向に回転させた場合にも、図4(B)に
示した波形と同じ波形のパルス信号Pb ,Qb ,Pa ,
Qa1及びQa2を得ることができ、続いて発生する負極性
のパルス信号Qa1及びQa2の波高値を十分に大きくする
ことができる。
【0065】図4(B)に示したように、2段リラクタ
が信号発電子の磁極に対向する際に負極性のパルス信号
Qa1及びQa1を続けて発生させるようにした場合にも、
図4(A)に示すように、正極性のパルス信号を続けて
発生させる場合と同様に、基準パルスがいずれの気筒に
対応するものであるかを判別することができる。例え
ば、図4(B)において、パルス信号Pa を2気筒内燃
機関の第1気筒に対して設定された基準位置で発生さ
せ、パルス信号Pb を第2気筒に対して設定された基準
位置で発生させるように、回転子1と信号発電子3との
位置関係を設定した場合には、信号発電子3から2つの
負極性のパルス信号Qa1及びQa2が出力された後に正極
性のパルス信号Pb が出力されたときに、その正極性の
パルス信号Pb を第2気筒に対応する基準パルスとして
認識することができ、1つの負極性のパルス信号Qb が
出力された後に正極性のパルス信号Pa が出力されたと
きに、その正極性のパルス信号Pa を第2気筒に対応す
る基準パルスとして認識することができる。即ち、負極
性のパルス信号が続けて2つ発生するか、1つだけ発生
するかを判別することにより、次に発生する正極性のパ
ルス信号が機関のいずれの気筒に対応する基準パルスで
あるかを判別することができる。
【0066】図3に示した例においも、第1のリラクタ
形成部102Aを構成する対の部分102A1及び102
A2相互間の間隔W1 を信号発電子の磁極部301aの幅
寸法Wo の1/2よりも小さく設定することにより、図
5に示した例のように、パルス信号の入力回路にバイア
ス回路が設けられている場合に、2段リラクタ102に
より続けて発生させられる同極性のパルス信号の認識を
確実に行わせることができる。
【0067】上記の例では、リラクタ102及び103
が回転体101の外周に形成された凸部からなっている
が、リラクタは信号発電子の磁極に対向する際、及び該
対向を終了する際に信号発電子内を流れる磁束に変化を
生じさせるものであればよいので、リラクタ102及び
103を回転体101の外周に形成された凹部により形
成することもできる。
【0068】上記の例では、信号発生装置の回転子を構
成するために、専用の回転体101を用いたが、信号発
生装置を取付ける回転駆動装置にその回転軸とともに回
転する円筒状または円柱状の回転部材が設けられてい
て、その回転部材が強磁性材料からなっている場合に
は、その回転部材の外周にリラクタを形成することによ
り回転子を構成することができる。例えば内燃機関に取
付ける信号発生装置を構成する場合には、内燃機関に取
付けられるフライホイールの外周にリラクタを形成する
ことにより、回転子を構成することができる。
【0069】上記の例では、2気筒内燃機関の各気筒に
対して設定された基準位置を検出するために、回転子に
2つのリラクタ102及び103を設けているが、本発
明は、2以上のリラクタが設けられて、そのうちの少な
くとも1つが2段リラクタである場合に広く適用するこ
とができる。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、回転子
及び信号発電子の加工精度のばらつきや、信号発電子の
取り付け部の加工精度のばらつき等によって、両者間に
軸線方向のずれが生じても、そのずれがリラクタと信号
発電子の磁極部との対向面積に影響を与えないようにす
ることができるため、2段リラクタが信号発電子の磁極
部に対向する際に発生する2つの同極性のパルス信号の
波高値がばらついて極端に低くなるのを防ぐことがで
き、信号発生装置の信頼性を高めることができる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる信
号発生装置の一構成例を示した正面図及び側面図であ
る。
【図2】(A)及び(B)はそれぞれ、図1の信号発生
装置において回転子と信号発電子との間に異なる方向の
位置ずれが生じた状態を示した側面図である。
【図3】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる信
号発生装置の他の構成例を示した正面図及び側面図であ
る。
【図4】(A)は図1及び図3に示した信号発生装置に
おいて回転子を一方向に回転させた場合に得られる信号
の波形を示した波形図、(B)は図1及び図3に示した
信号発生装置において回転子を他方向に回転させた場合
に得られる信号の波形を示した波形図である。
【図5】本発明に係わる信号発生装置の応用例を示した
回路図である。
【図6】(A)は図5に示した応用例において信号発生
装置から続けて発生させる同極性の2つのパルス信号の
レベルを同一とした場合の信号波形を示した波形図、
(B)は図5に示した応用例において同極性の2つのパ
ルス信号のうちの後から発生するパルス信号のレベルを
先に発生するパルス信号のレベルよりも高く設定した場
合の信号波形を示した波形図である。
【図7】(A)及び(B)はそれぞれ従来の信号発生装
置の構成を示した正面図及び側面図である。
【図8】(A)及び(B)はそれぞれ、図7の信号発生
装置において回転子と信号発電子との間に異なる方向の
位置ずれが生じた状態を示した側面図である。
【図9】図7の信号発生装置により得られる信号の波形
を示した波形図である。
【符号の説明】
1 回転子 102 2段リラクタ 102A 第1のリラクタ形成部 102A1,102A2 第1のリラクタ形成部を構成する
対の部分 102B 第2のリラクタ形成部 103 1段リラクタ 2 回転軸 3 信号発電子 301 鉄心 301a 磁極部 302 信号コイル 303 永久磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 21/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に沿って幅寸法が2段階に変化す
    る2段リラクタと周方向に沿って均一な幅寸法を有する
    1段リラクタとが外周に形成された回転子と、前記回転
    子の外周にギャップを介して対向させられた磁極部を先
    端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルと該鉄
    心に磁気結合された永久磁石とを備えて前記2段リラク
    タ及び1段リラクタにより生じさせられる磁束の変化に
    より前記信号コイルにパルス状の信号を誘起する信号発
    電子とを備えた信号発生装置において、 前記2段リラクタは、前記回転子の周方向に並ぶ第1の
    リラクタ形成部と第2のリラクタ形成部とからなり、 前記第1のリラクタ形成部は前記信号発電子の磁極部の
    幅寸法よりも小さい間隔を隔てて前記回転子の周方向に
    平行に延びる対の部分からなり、 前記第2のリラクタ形成部は前記信号発電子の磁極部の
    幅寸法よりも大きい幅寸法を有して前記回転子の周方向
    に延びるように形成されていることを特徴とする信号発
    生装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のリラクタ形成部を構成する対
    の部分の間の間隔は、前記信号発電子の磁極部の幅寸法
    の1/2以下に設定されていることを特徴とする請求項
    1に記載の信号発生装置。
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