JP3198946B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3198946B2 JP26085296A JP26085296A JP3198946B2 JP 3198946 B2 JP3198946 B2 JP 3198946B2 JP 26085296 A JP26085296 A JP 26085296A JP 26085296 A JP26085296 A JP 26085296A JP 3198946 B2 JP3198946 B2 JP 3198946B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の気筒を有す
る内燃機関の点火位置をマイクロコンピュータを用いて
制御する内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用の点火装置は、点火信号が与
えられた時に点火用の高電圧を発生する点火回路と、点
火回路に点火信号を与える時期を制御する点火時期制御
部とにより構成される。点火時期制御部をマイクロコン
ピュータを用いて構成する場合には、機関と同期回転す
るリラクタ(誘導子)付きのロータと該ロータの回転方
向の前方側及び後方側にそれぞれ位置するリラクタの前
端部及び後端部をそれぞれ検出したときにパルス信号を
発生する信号発電子とを備えた信号発電機を設けて、該
信号発電機の出力信号から機関の回転速度情報や点火位
置の計測を開始する基準位置の情報を得るようにしてい
る。
【0003】マイクロコンピュータは、信号発電機が出
力するパルス信号の発生間隔から機関の回転速度を演算
し、演算した回転速度が点火位置制御領域(点火位置を
機関の回転速度に対して制御する領域)にあるか否かを
判定する。その結果、回転速度が点火位置制御領域にあ
ると判定されたときには、点火位置制御領域の各回転速
度における点火位置を、マップや計算式を用いて演算す
る。この点火位置は、機関の回転軸がその時の回転速度
で基準位置から点火位置まで回転する間に計数すべきク
ロックパルスの数(点火位置計測用計数値)の形で演算
される。マイクロコンピュータは、信号発電機が基準位
置を定めるためのパルス信号を発生した時に演算した点
火位置計測用計数値の計数を開始し、その計数が終了し
た時に制御領域用点火位置信号を発生する。
【0004】上記のように、マイクロコンピュータは、
信号発電機が出力するパルスの発生間隔から機関の回転
速度を演算して、演算した回転速度における点火位置を
演算するが、回転速度が極めて低い領域では、機関の回
転軸が1回転する間に回転速度が細かく変動するため、
信号発電機の出力パルスの発生間隔から求めた回転速度
を用いて点火位置を正確に演算することは困難であり、
演算により求めた点火位置で点火を行わせると機関の動
作が不安定になる。そのため、従来は、信号発電機が出
力する特定のパルス信号の発生位置が機関の低速領域に
適した点火位置となるように信号発電機を設けて、機関
の回転速度が点火位置制御領域よりも低い低速領域にあ
ると判定された時に、該特定のパルス信号の発生位置
で、低速領域の点火位置を定める固定点火位置信号を発
生させるようにしている。
【0005】上記固定点火位置信号は、マイクロコンピ
ュータが発生する制御領域用点火位置信号とともにハー
ドウェア回路からなる点火信号供給回路に与えられる。
点火信号供給回路は、固定点火位置信号または制御領域
用点火位置信号が発生したときに点火回路に点火信号を
与える。
【0006】内燃機関が複数の気筒を有している場合に
は、各気筒ごとに点火回路を設けて、各気筒の点火位置
で各気筒用の点火回路に点火信号を与える必要がある。
この場合、制御領域における点火位置を定めるための基
準位置の情報と、低速領域における固定点火位置の情報
とを各気筒ごとに得る必要がある。そのため、n個(n
は2以上の整数)の気筒を有する多気筒の内燃機関を点
火する場合には、信号発電機のロータに第1ないし第n
の気筒にそれぞれ対応する第1ないし第nの気筒用のリ
ラクタを設けて、各気筒用のリラクタにより発生させら
れるパルス信号から基準位置と固定点火位置の情報とを
得るようにしている。
【0007】上記のように、信号発電機のロータに複数
のリラクタを設けて、各リラクタによりパルス信号を発
生させる場合には、各リラクタにより発生させられるパ
ルス信号がいずれの気筒に対応する信号であるかを判別
し得るようにしておく必要がある。
【0008】信号発電機が発生するパルス信号がいずれ
の気筒用の信号であるかを判別する気筒判別の一方法と
して、ロータに設ける第1ないし第nの気筒用のリラク
タの内の少なくとも1つの円弧長(ロータの回転方向に
測った長さ)を他のリラクタの円弧長よりも長くして、
ロータの回転方向の前方側及び後方側にそれぞれ位置す
る各リラクタの前端部及び後端部がそれぞれ発生させる
パルス信号の発生間隔を判別することにより、第1ない
し第nの気筒用のパルス信号を判別する方法が知られて
いる。
【0009】図3は3気筒内燃機関を点火する場合に用
いる信号発電機の構成例を示したもので、同図において
1はカップ状に形成されて内燃機関の回転軸(通常はク
ランク軸)に取り付けられた鉄製のフライホイールであ
る。この例では、フライホイール1が図示の矢印方向に
(図面上時計方向に)回転するものとする。
【0010】フライホイール1の周壁部1aの外周部に
は内燃機関の第1ないし第3の気筒にそれぞれ対応する
第1ないし第3の気筒用のリラクタ(誘導子)r1 ,r
2 及びr3 が形成され、フライホイール1の外周部によ
り信号発電機のロータ2が構成されている。各リラクタ
は一定の幅寸法をもってフライホイールの回転方向に延
びる突起からなっていて、図示の例では、第1の気筒用
のリラクタr1 の円弧長が他の気筒用のリラクタr2 及
びr3 の円弧長よりも長く設定され、第2及び第3の気
筒用のリラクタr2 及びr3 の円弧長は等しく設定され
ている。第1ないし第3の気筒用のリラクタr1 ないし
r3 は、それぞれの前端部(ロータの回転方向の前方側
に位置する端部)r1a,r2a及びr3a相互間の角度間隔
が120(=360/3)度に等しくなるように設けら
れている。
【0011】ロータ2の外周側には、内燃機関のケース
などに設けられた取り付け部に固定された信号発電子3
が配置され、ロータ2と信号発電子3とにより信号発電
機が構成されている。信号発電子3はリラクタr1 〜r
3 に対向する磁極部3aを先端に有する鉄心と、該鉄心
に巻回されたパルサコイルと、該鉄心に磁気結合された
永久磁石とを備えて、永久磁石から鉄心を通して流れる
磁束の変化をパルサコイルにより検出してパルス信号を
発生する周知のものである。信号発電子3内のパルサコ
イルは、リラクタr1 ないしr3 の回転方向の前端部r
1a〜r3aがそれぞれ磁極部3aとの対向を開始する際に
生じる磁束の変化を検出したときに第1ないし第3の気
筒用の第1のパルス信Pa1ないしPa3を発生し、リラク
タr1 ないしr3 の回転方向の後端部r1b〜r3bがそれ
ぞれ磁極部3aとの対向を終了する際に生じる磁束の変
化を検出したときに第1ないし第3の気筒用の第2のパ
ルス信号Pb1ないしPb3を発生する。これらのパルス信
号の波形を機関の回転軸の回転角度θに対して示すと図
5(B)のようになる。
【0012】図3に示した信号発電機においては、第1
の気筒用のリラクタr1 の円弧長が他の気筒用のリラク
タr2 及びr3 の円弧長よりも長いため、第1の気筒用
のリラクタr1 の前端部r1a及び後端部r1bが検出され
たときにそれぞれ発生する第1のパルス信号Pa1及びP
b1相互間の角度間隔αが、他のリラクタr2 及びr3の
それぞれの前端部及び後端部が検出されたときに発生す
る第1及び第2のパルス信号相互間の角度間隔βよりも
大きくなる。従って、各気筒用の第1のパルス信号が発
生してから第2のパルス信号が発生するまでの時間を計
測して、その時間が所定値(角度βに相当する時間)よ
りも長いことが検出されたときに、今回発生した第1及
び第2のパルス信号Pa1及びPb1が第1気筒用の信号で
あることを判別することができる。一連の気筒用のパル
ス信号が発生する順序は定まっているため、1つの気筒
用のパルス信号を判別できれば、他の気筒用のパルス信
号は全て判別することができる。
【0013】図3に示したフライホイール1の周壁部の
内周には、フライホイールの周方向にN極とS極とが交
互に並ぶように着磁された永久磁石が固定されていて、
該永久磁石とフライホイール1とにより多極の磁石回転
子が構成されている。またフライホイール1の内側に
は、磁石回転子の磁極に対向する磁極部を有する鉄心に
エキサイタコイルや他の発電コイルを巻回して構成した
固定子が配置され、該固定子と磁石回転子とにより磁石
式交流発電機が構成されている。この発電機の固定子側
に設けられたエキサイタコイルが、内燃機関用点火装置
の電源として用いられる。磁石式交流発電機が12極に
構成されているとすると、エキサイタコイルには、図5
(A)に示すように、1回転当り6サイクルの交流電圧
Veが発生する。
【0014】図4は、図3に示した信号発電機及び磁石
式交流発電機を用いる内燃機関用点火装置の構成例を示
したもので、同図において、10Aないし10Cはそれ
ぞれ第1ないし第3の気筒用の点火回路、11はCPU
11a、RAM11b、ROM11c、カウンタ11
d、入力ポート11e、出力ポート11f等を有するマ
イクロコンピュータ、12Aないし12Cはそれぞれマ
イクロコンピュータ11が第1ないし第3の気筒用の点
火位置信号を発生したときに点火回路10Aないし10
Cに点火信号Vi1ないしVi3を与える第1ないし第3の
気筒用の点火信号供給回路である。またWe1及びWe2は
それぞれ磁石式交流発電機の固定子に設けられた第1及
び第2のエキサイタコイル、Wpcは信号発電子3内に設
けられたパルサコイルである。
【0015】図示の点火回路10Aないし10Cは、周
知のコンデンサ放電式の点火回路である。コンデンサ放
電式の点火回路は種々の構成をとり得るが、図示の各点
火回路は、一次コイル及び二次コイルの一端が接地され
た点火コイルIGと、該点火コイルの一次コイルの非接
地側の端子に一端が接続されてエキサイタコイルの出力
により図示の極性に充電される点火エネルギ蓄積用コン
デンサCi と、コンデンサCi の電荷を点火コイルIG
の一次コイルを通して放電させる放電用サイリスタThi
と、点火コイルの一次コイルの両端にカソードを接地側
に向けて接続されたダイオードDi と、サイリスタThi
のゲートカソード間に接続された抵抗Ri とを備えた回
路からなっている。第1ないし第3の気筒用の点火回路
10Aないし10Cのそれぞれの点火コイルIGの二次
コイルに誘起する点火用の高電圧は、第1ないし第3の
気筒に取り付けられた点火プラグPL1 〜PL3 に印加
されている。
【0016】第1のエキサイタコイルWe1は、機関の高
速時に高い電圧を発生するように巻数が少なく設定さ
れ、第2のエキサイタコイルWe2は、機関の低速時に高
い電圧を出力するように巻数が多く設定されている。両
エキサイタコイルはそれぞれの一端を共通に接続するこ
とにより互いに直列に接続されている。第2のエキサイ
タコイルWe2の他端はアノードが接地されたダイオード
D1 のカソードに接続され、両エキサイタコイルの共通
接続点は、アノードが接地されたダイオードD2のカソ
ードに接続されている。また第1のエキサイタコイルW
e1の他端はアノードが接地されたダイオードD3 のカソ
ードに接続されるとともにダイオードD4a〜D4cのアノ
ードに接続され、ダイオードD4a〜D4cのカソードがそ
れぞれ第1ないし第3の気筒用の点火回路10Aないし
10CのコンデンサCi とサイリスタThiとの接続点に
接続されている。
【0017】エキサイタコイルWe1及びWe2は、機関の
回転に同期して同位相の交流電圧を出力する。エキサイ
タコイルWe1及びWe2が図示の実線矢印方向の正の半サ
イクルの電圧を発生すると、エキサイタコイルWe1−ダ
イオードD4a〜D4c−点火回路10Aないし10Cのコ
ンデンサCi −ダイオードDi 及び点火コイルIGの一
次コイル−ダイオードD2 −エキサイタコイルWe1の回
路、及びエキサイタコイルWe2及びWe1−ダイオードD
4a〜D4c−点火回路10Aないし10CのコンデンサC
i −ダイオードDi 及び点火コイルIGの一次コイル−
ダイオードD1−エキサイタコイルWe2及びWe1の回路
を通して電流が流れ、これにより点火回路10Aないし
10CのコンデンサCi が図示の極性に充電される。内
燃機関の第1ないし第3の気筒の点火位置でそれぞれ点
火信号供給回路12Aないし12Cから点火回路10A
ないし10CのサイリスタThiのゲートに点火信号Vi1
〜Vi3が与えられると、各点火回路のサイリスタThiが
導通してコンデンサCi の電荷を点火コイルの一次コイ
ルを通して放電させるため、各点火回路の点火コイルI
Gの鉄心中で大きな磁束変化が生じ、その二次コイルに
点火用の高電圧が誘起する。点火回路10Aないし10
Cのそれぞれの点火コイルIGの二次コイルに誘起した
高電圧は点火プラグPL1 〜PL3 にそれぞれ印加され
るため、これらの点火プラグで火花が生じて機関が点火
される。
【0018】第2のエキサイタコイルWe2の他端は電源
回路13の非接地側の入力端子に接続されている。電源
回路13は、エキサイタコイルWe1及びWe2が図示の破
線矢印方向の負の半サイクルの電圧を誘起したときにダ
イオードD3 を通して一方の極性に充電される電源コン
デンサと、該電源コンデンサの充電電圧を設定値以下に
制限する定電圧回路とを備えていて、該電源コンデンサ
の両端に一定の直流電圧Eを発生する。この直流電圧E
は、マイクロコンピュータ11の電源端子に与えられて
いる。
【0019】パルサコイルWpcが発生する第1のパルス
信号Pa1〜Pa3及び第2のパルス信号Pb1〜Pb3は、そ
れぞれ波形整形回路14及び15を通してマイクロコン
ピュータが認識し得る波形のパルス検出信号Vp1及びV
p2に変換され、これらのパルス検出信号Vp1及びVp2が
マイクロコンピュータ11の入力ポートに入力されてい
る。パルス検出信号Vp1及びVp2は例えば、パルス信号
Pa1〜Pa3及びPb1〜Pb3のレベル(絶対値)が所定の
しきい値レベルに達したときに高レベルから低レベルに
ステップ状に低下する信号であり、マイクロコンピュー
タ11は、これらのパルス検出信号Vp1及びVp2のレベ
ルの低下を検出したときに、パルス信号Pa1〜Pa3及び
Pb1〜Pb3が発生したことを検知する。
【0020】この例では、第1ないし第3の気筒用のリ
ラクタr1 ないしr3 のそれぞれの前端部r1a〜r3aが
信号発電子3の磁極部3aとの対向を開始する位置がそ
れぞれ第1ないし第3の気筒の低速領域での固定点火位
置(通常は上死点に近い最小進角位置)に一致するよう
に、ロータ2と信号発電子3との位置関係が設定されて
いる。従って、信号発電子3は、図5(B)に示したよ
うに、第1ないし第3の気筒の低速領域の固定点火位置
θ1a,θ2a及びθ3aでそれぞれ第1ないし第3の気筒用
の第1のパルス信号Pa1,Pa2及びPa3を発生する。
【0021】マイクロコンピュータ11は、ROM11
cに記憶されたプログラムを実行することにより、機関
の回転速度の演算と、点火位置制御領域の各回転速度に
おける点火位置の演算とを行うとともに、各リラクタが
発生させる第1及び第2のパルス信号の発生間隔から、
パルス信号Pa1〜Pa3及びPb1〜Pb3がそれぞれいずれ
の気筒に対応する信号であるかの判別を行う。各気筒の
点火位置制御領域における点火位置は、点火位置計測用
計数値の形で演算される。図示の例では、各気筒より点
火順位が1つ前の気筒に対応する第1のパルス信号の発
生位置を各気筒の点火位置を定めるための基準位置とし
て用いる。即ち、図5(B)において、第1の気筒用の
第1のパルス信号Pa1が発生する角度θ1aの位置を第2
の気筒用の基準位置として用い、第2の気筒用の第1の
パルス信号Pa2が発生する角度θ2aの位置、及び第3の
気筒用の第1のパルス信号Pa3が発生する角度θ3aの位
置をそれぞれ第3及び第1の気筒用の基準位置として用
いる。
【0022】マイクロコンピュータは、各気筒用の基準
位置を検出したときに、カウンタ11dに各気筒の点火
位置制御領域における点火位置を与える点火位置計測用
計数値をセットして計数を開始させ、その計数が終了し
たときに出力ポート11fから各気筒用の制御領域用点
火位置信号Vs1,Vs2,Vs3を出力する。例えば、図5
(B)において、角度θa1の位置で第1の気筒用の第1
のパルス信号Pa1が発生したときに第2の気筒の点火位
置を与える点火位置計測用計数値をカウンタ11dにセ
ットして、その計数が終了したときに第2の気筒用の制
御領域用点火位置信号Vs2を出力する。制御領域用点火
位置信号Vs1,Vs2及びVs3の発生位置は、機関の回転
速度に応じて、最小進角位置から最大進角位置まで変化
する。各気筒の点火位置制御領域における点火位置が最
小進角位置に近い場合には、約120度の区間を点火位
置の計測区間として、カウンタ11dに計数を行わせる
ことになる。
【0023】マイクロコンピュータはまた、機関の回転
速度が点火位置制御領域よりも低い低速領域にあると判
定したときに、第1ないし第3の気筒用の第1のパルス
信号Pa1〜Pa3の発生位置θ1a,θ2a及びθ3aでそれぞ
れ低速領域における第1ないし第3の気筒の点火位置を
定める固定点火位置信号Vs1´,Vs2´及びVs3´を出
力ポート11fから出力する。
【0024】点火信号供給回路12Aないし12Cはそ
れぞれ、第1ないし第3の気筒用の制御領域用点火位置
信号Vs1,Vs2,Vs3または第1ないし第3の気筒用の
固定点火位置信号Vs1´,Vs2´,Vs3´のいずれかが
発生した時に第1ないし第3の気筒用の点火回路10A
ないし10Cに点火信号Vi1ないしVi3を与える。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した従来の内
燃機関用点火装置では、信号発電子が各気筒用のリラク
タの前端部を検出したときに発生する第1のパルス信号
の発生位置を各気筒の低速領域における固定点火位置
(最小進角位置)とし、各気筒よりも点火順位が1つ前
の気筒用の第1のパルス信号の発生位置を、各気筒の点
火位置制御領域における点火位置を定めるための基準位
置として用いていたため、3気筒の内燃機関では、点火
位置制御領域における点火位置を計測する際に、ほぼ1
20度(n気筒の場合には360/n度)の区間カウン
タに計数を行わせる必要があった。このように広い角度
範囲に亘って点火位置の計測を行わせると、その計測を
行っている間に回転速度の変動が生じて、計測された点
火位置が演算された点火位置からずれる確率が高くなる
ため、機関の回転軸の平均回転速度が同じであっても、
各回転毎に点火位置がばらつくことがあった。特に、機
関の回転速度が低い領域では、機関の回転軸の各回転角
度位置における回転速度が細かく変動するため、点火位
置のばらつきが大きくなり、点火位置を高精度で制御す
ることができないという問題があった。
【0026】なお各気筒用のリラクタの前端部が検出さ
れたときに得られる第1のパルス信号Pa1〜Pa3の発生
位置を各気筒用の基準位置として用い、各気筒用のリラ
クタの後端部が検出されたときに得られる第2のパルス
信号Pb1〜Pb3の発生位置を各気筒用の固定点火位置と
して用いることができれば、各気筒の点火位置制御領域
における点火位置の計測が行われる角度範囲が狭くなる
ため、上記の問題は解決できるが、図3に示したよう
に、特定のリラクタの円弧長を他のリラクタの円弧長よ
りも長くすることにより気筒の判別を行わせる場合に
は、各リラクタの後端部が検出されたときに得られる第
2のパルス信号の発生位置を固定点火位置として用いる
ことはできない。
【0027】本発明の目的は、多気筒内燃機関の各気筒
に対応するリラクタの長さがいかなる場合にも、点火位
置制御領域における点火位置の計測区間を必要以上に長
くすることなく、高精度で点火位置の制御を行わせるこ
とができるようにした内燃機関用点火装置を提供するこ
とにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の気筒を
有する内燃機関の点火位置をマイクロコンピュータを用
いて制御するようにした内燃機関用点火装置に係わるも
のである。
【0029】本発明が対象とする点火装置においては、
点火信号が与えられた時に各気筒の点火プラグに印加す
る点火用の高電圧を発生する点火回路が各気筒毎に設け
られる。また内燃機関の回転速度情報及び回転角度情報
を得るために機関に取り付けられた信号発電機を用い
る。この信号発電機は、内燃機関の各気筒に対応するリ
ラクタを有して内燃機関と同期回転させられるロータ
と、ロータの回転方向の前方側及び後方側にそれぞれ位
置する各気筒用のリラクタの前端部及び後端部をそれぞ
れ検出して各気筒用の第1のパルス信号及び第2のパル
ス信号を発生する信号発電子とにより構成される。マイ
クロコンピュータは、少なくとも、上記信号発電子が発
生するパルス信号から内燃機関の回転角度情報と回転速
度情報とを得て内燃機関の点火位置制御領域における各
気筒の点火位置を演算する点火位置演算手段と、内燃機
関の各気筒に対して設定された低速領域での固定点火位
置で各気筒用の固定点火位置信号を発生する固定点火位
置信号発生手段と、信号発電子が各気筒用の第1のパル
ス信号を発生した時に点火位置演算手段により演算され
た各気筒の点火位置の計測を開始して各気筒の点火位置
が計測された時に各気筒用の制御領域用点火位置信号を
発生する点火位置計測手段とを実現する。各気筒用の制
御領域用点火位置信号及び固定点火位置信号は点火信号
供給回路に与えられ、各気筒用の制御領域用点火位置信
号または固定点火位置信号が発生した時に、点火信号供
給回路から各気筒用の点火回路に点火信号が与えられ
る。
【0030】本発明においては、内燃機関の各気筒の点
火位置の最大進角位置または該最大進角位置よりも位相
が進んだ位置で信号発電子が各気筒用のリラクタの前端
部を検出して各気筒用の第1のパルス信号を発生するよ
うに、ロータと信号発電子との位置関係を設定してお
く。
【0031】また内燃機関に磁石式交流発電機を取り付
けて、各気筒用の第1のパルス信号が発生した直後に該
磁石式交流発電機内に設けられた特定の発電コイルの出
力電圧に現れる零点またはピーク位置が各気筒の固定点
火位置に等しくなるように、該発電機の回転子と固定子
との位置関係を設定しておき、固定点火位置信号発生手
段は、各気筒用の第1のパルス信号が発生した直後に該
発電コイルの出力電圧に現れる零点またはピーク位置を
検出して各気筒用の固定点火位置信号を発生するように
構成する。
【0032】上記のように、内燃機関に取り付けられた
磁石式交流発電機内に設けられた発電コイルの出力電圧
の特定の零点またはピーク位置が各気筒の固定点火位置
に等しくなるように設定しておいて、該発電コイルの出
力電圧の特定の零点またはピーク位置を検出して各気筒
用の固定点火位置信号を発生するように構成すると、各
気筒用のリラクタの長さの如何に係わりなく、各気筒用
の第1のパルス信号の発生位置を、その気筒の点火位置
制御領域における点火位置を定めるための基準位置とし
て用いることができる。
【0033】上記のように構成すると、各気筒の点火位
置を定めるための基準位置(第1のパルス信号の発生位
置)は、その気筒の点火位置の最大進角位置または最大
進角位置よりも僅かに進角した位置に設定すればよいた
め、各気筒の点火位置制御領域における点火位置の計測
区間(各気筒の基準位置から点火位置までの区間)を短
くすることができる。例えば、3気筒の内燃機関を点火
する場合、従来の点火装置では、最大120度の区間に
亘って点火位置の計測を行うことが必要であったが、本
発明による場合には、進角幅を特に広くすることが必要
とされる場合でも、点火位置の計測区間を60度程度と
っておけば十分である。
【0034】上記のように、本発明によれば、点火位置
制御領域における点火位置の計測区間を短くすることが
できるため、内燃機関の回転速度の変動による点火位置
のばらつきを少なくすることができ、点火位置の制御を
従来よりも高精度で行うことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる内燃機関用
点火装置の構成例を示したもので、この例では、図4に
示した3気筒内燃機関用の点火装置に本発明を適用して
いる。図1に示した点火装置において、図4に示した点
火装置の各部と同一の部分にはそれぞれ同一の符号を付
してある。
【0036】図1に示した点火装置においては、エキサ
イタコイルWe1及びWe2の直列回路の両端に得られる電
圧Ve (図2A参照)が負の半サイクルから正の半サイ
クルに移行する際に生じる零点を検出する零点検出回路
16が設けられている。
【0037】図示の零点検出回路16は、第1及び第2
のエキサイタコイルWe1及びWe2の接続点にカソードが
接続されたダイオードD5 と、ダイオードD5 のアノー
ドにベースが接続され、エミッタが接地されたNPNト
ランジスタTR1 と、トランジスタTR1 のベースエミ
ッタ間にアノードを接地側に向けた状態で接続されたダ
イオードD6 と、トランジスタTR1 のベースと電源回
路13の出力端子間、及びトランジスタTR1 のコレク
タと電源回路13の出力端子間にそれぞれ接続された抵
抗R1 及びR2 とからなっており、電源回路13から抵
抗R1 及びR2を通してトランジスタTR1 のベース及
びコレクタに電源電圧Eが印加されている。この零点検
出回路においては、トランジスタTR1 のコレクタが零
点検出信号Vq の出力端子となっており、該零点検出信
号Vq がマイクロコンピュータ11の入力ポート11e
に入力されている。その他の回路構成は、図4に示した
点火装置と同様である。
【0038】図1に示す装置においても、エキサイタコ
イルWe1及びWe2を設ける磁石式交流発電機として、1
2極のものが用いられ、信号発電機としては、図3に示
したものが用いられている。エキサイタコイルは、図2
(A)に示すように機関の回転軸が1回転する間に6サ
イクルの交流電圧を出力する。また信号発電子3は、機
関の回転軸の所定の回転角度位置で図2(C)に示すよ
うに、第1ないし第3の気筒用の第1のパルス信号Pa1
〜Pa3と、第1ないし第3の気筒用の第2のパルス信号
Pb1〜Pb3とを出力する。なお図2(A)に示した波形
は、エキサイタコイルWe1が発生する電圧Veの波形を
示している。エキサイタコイルWe2が発生する電圧はエ
キサイタコイルWe1が発生する電圧と波高値を異にする
が、その波形(パルス信号Pa1〜Pa3及びPb1〜Pb3と
の位相関係)はエキサイタコイルWe1が発生する電圧の
それと同一である。
【0039】図1の点火装置において、エキサイタコイ
ルWe1及びWe2が図示の実線矢印方向の正の半サイクル
の電圧を出力すると、エキサイタコイルWe1−ダイオー
ドD4a〜D4c−点火回路10A〜10CのコンデンサC
i −ダイオードDi 及び点火コイルIGの一次コイル−
ダイオードD2 −エキサイタコイルWe1の回路と、エキ
サイタコイルWe2及びWe1−ダイオードD4a〜D4c−点
火回路10A〜10CのコンデンサCi −ダイオードD
i 及び点火コイルIGの一次コイル−ダイオードD1 −
エキサイタコイルWe2及びWe1の回路と、エキサイタコ
イルWe1−ダイオードD4a〜D4c−点火回路10A〜1
0CのコンデンサCi −ダイオードDi及び点火コイル
IGの一次コイル−ダイオードD6 及びD5 −エキサイ
タコイルWe1の回路とを通して電流が流れて、各点火回
路のコンデンサCi が充電される。この充電が行われる
過程でダイオードD6 の両端に生じる約0.6[V]の
順方向電圧降下がトランジスタTR1 のベースエミッタ
間に逆方向に印加されるため、トランジスタTR1 は、
エキサイタコイルWe1が正の半サイクルの電圧を発生し
たときに遮断状態になる。これによりトランジスタTR
1 のコレクタの電位が高レベルに立ち上がるため、零点
検出信号Vq が高レベルに立ち上がる。エキサイタコイ
ルWe1の正の半サイクルの出力電圧がピーク位置に達す
ると、コンデンサCi の充電が終了するため、ダイオー
ドD6 の両端の電圧降下が零になり、トランジスタTR
1 が導通状態になる。これによりトランジスタTR1 の
コレクタの電位がほぼ接地電位まで低下するため、零点
検出信号Vq が立ち下がる。従って、零点検出信号Vq
の波形は図2(B)に示すようになる。
【0040】図1に示した点火装置においては、内燃機
関の第1ないし第3の気筒用のリラクタr1 〜r3 のそ
れぞれの前端部が検出されたときに生じる第1のパルス
信号Pa1〜Pa3の発生位置が、それぞれ第1ないし第3
の気筒の点火位置制御領域における点火位置を定めるた
めの基準位置(最大進角位置または最大進角位置よりも
僅かに進んだ位置)となるように、信号発電機のロータ
2と信号発電子3との位置関係が設定されている。
【0041】また信号発電子が第1ないし第3の気筒用
の第1のパルス信号Pa1〜Pa3をそれぞれ発生した直後
に生じるエキサイタコイルWe1の出力電圧の零点(図示
の例では、エキサイタコイルWe1の出力電圧が負の半サ
イクルから正の半サイクルに移行する際に生じる零点)
が、それぞれ第1ないし第3の気筒の低速領域における
固定点火位置(一般には最小進角位置)に一致するよう
に、磁石式交流発電機の回転子の磁極と固定子の磁極と
の位置関係が設定されている。この設定は、フライホイ
ールの内周に永久磁石を取り付けた後、磁石の内周に着
磁器を配置して該磁石を所定の極数に着磁する際に、各
磁極の着磁位置を調整することにより容易に行うことが
できる。
【0042】図2に示した例では、第1の気筒用の第1
のパルス信号Pa1の発生位置θa1を、点火位置制御領域
での各回転速度に対する第1の気筒の点火位置を定める
ための基準位置(点火位置の計測を開始する位置)と
し、第1の気筒用の第1のパルス信号Pa1が発生した直
後に零点検出回路が零点検出信号Vq を発生する位置θ
1cを第1の気筒の低速領域の固定点火位置とする。また
第2の気筒用の第1のパルス信号Pa2の発生位置θa2及
び第3の気筒用の第1のパルス信号Pa3の発生位置θa3
をそれぞれ第2の気筒及び第3の気筒の点火位置制御領
域での各回転速度に対する点火位置を定めるための基準
位置とし、第2の気筒用の第1のパルス信号Pa2及び第
3の気筒用の第1のパルス信号Pa3がそれぞれ発生した
直後に零点検出回路が零点検出信号Vq を発生する位置
θ2c及びθ3cをそれぞれ第2の気筒及び第3の気筒の低
速領域の固定点火位置とする。
【0043】図4に示した点火装置と同様に、マイクロ
コンピュータ11は、パルス検出信号Vp1及びVp2の発
生間隔からパルス信号Pa1〜Pa3がいずれの気筒用の信
号であるかを判別する。またパルス信号の発生間隔、例
えば、パルス信号Pa1が発生してからパルス信号Pb1が
発生するまでの間隔や、パルス信号Pa1が発生してから
次に同じパルス信号Pa1が発生するまでの間隔(機関が
1回転するのに要する時間)から機関の回転速度を演算
する。マイクロコンピュータは演算された回転速度が点
火位置制御領域にあるか否かを判定して、回転速度が点
火位置制御領域にあると判定したときに、演算された回
転速度における点火位置を、それぞれの気筒の基準位置
から点火位置まで機関が回転する間に計数すべきクロッ
クパルスの数(点火位置計測用計数値)の形で演算す
る。マイクロコンピュータ11は、各気筒用の第1のパ
ルス信号が発生する毎にカウンタ11dに各気筒用の点
火位置計測用計数値をセットしてその計数を開始させ、
計数が終了した時に各気筒用の制御領域用点火位置信号
Vs1〜Vs3を出力する。マイクロコンピュータはまた、
機関の回転速度が点火位置制御領域よりも低い低速領域
にあると判定したときに、各気筒用の第1のパルス信号
が発生した直後に発生する零点検出信号Vq の発生位置
で各気筒用の固定点火位置信号Vs1´〜Vs3´を出力す
る。点火信号供給回路12A〜12Cは、制御領域用点
火位置信号Vs1〜Vs3が発生した時、または固定点火位
置信号Vs1´〜Vs3´が発生した時に、点火回路10A
〜10Cにそれぞれ点火信号Vi1〜Vi3を与えて点火動
作を行わせる。
【0044】上記の説明では、各気筒用の第1のパルス
信号が発生した直後にエキサイタコイルの出力電圧に現
れる零点が各気筒の固定点火位置に等しくなるように設
定して、該零点を検出することにより低速領域の固定点
火位置を定めるための固定点火位置信号を発生させるよ
うにしたが、各気筒用の第1のパルス信号が発生した直
後にエキサイタコイルの出力電圧に現れるピーク位置が
各気筒の固定点火位置に等しくなるように設定して、該
ピーク位置を検出することにより低速領域固定点火位置
を定めるための固定点火位置信号を発生させるように、
固定点火位置信号発生手段を構成してもよい。
【0045】このように、各気筒用の第1のパルス信号
が発生した直後にエキサイタコイルの出力電圧に現れる
ピーク位置を各気筒用の固定点火位置とする場合には、
エキサイタコイルの出力電圧のピーク位置を検出するピ
ーク位置検出回路を設けて、該ピーク位置検出回路の出
力をマイクロコンピュータの入力ポートに与えるように
すればよい。
【0046】上記ピーク位置の検出は、図1に示した零
点検出回路16をそのまま用いて行うこともできる。即
ち、図1の零点検出回路16から得られる検出信号Vq
はエキサイタコイルのピーク位置で立ち下がる信号であ
るので、マイクロコンピュータでこの検出信号Vq の立
下りを検出することにより、エキサイタコイルの出力電
圧のピーク位置を検出することができる。
【0047】上記の例では、点火回路の電源として用い
るエキサイタコイルの出力電圧の零点またはピーク位置
を各気筒の固定点火位置としたが、本発明においては、
内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられて機
関の回転に同期して交流電圧を発生する発電コイルの出
力電圧の零点またはピーク位置を各気筒用の固定点火位
置とすればよく、エキサイタコイル以外の他の適当な発
電コイルの出力電圧の零点またはピーク位置を各気筒用
の固定点火位置として用いるようにしてもよい。
【0048】上記の例では、3気筒内燃機関を点火する
場合を例にとったが、本発明は、一般にn個(nは2以
上の整数)の気筒を有する内燃機関を点火する点火装置
に適用することができる。内燃機関がn個の気筒を有し
ている場合には、第1ないし第nの気筒用のリラクタを
有するロータと、該ロータの回転方向の前方側及び後方
側にそれぞれ位置する第1ないし第nの気筒用のリラク
タの前端部及び後端部をそれぞれ検出して第1ないし第
nの気筒用の第1のパルス信号及び第2のパルス信号を
発生する信号発電子とにより信号発電機を構成する。
【0049】上記の例では、フライホイールの周壁部の
外周にリラクタを設けることにより信号発電機のロータ
を構成しているが、信号発電機のロータは機関と同期回
転する回転体にリラクタを設けたものであればよく、上
記の例で示したものに限らない。例えば、フライホイー
ルとは別個に設けた回転体にリラクタを設けることによ
り信号発電機のロータを構成してもよい。
【0050】図1に示した例で用いる零点検出回路は図
示の構成のものに限られるものではなく、交流電圧の零
点を検出してマイクロコンピュータが認識し得る信号を
発生するものであればいかなるものでもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、信号発
電機の各気筒用のリラクタの前端部がパルス信号を発生
させた直後に磁石発電機内の特定の発電コイルの出力電
圧に現れる零点またはピーク位置を各気筒用の固定点火
位置とするようにしたので、各気筒用のリラクタの長さ
の如何に係わりなく、各気筒用のリラクタの前端部が発
生させるパルス信号を、その気筒の点火位置制御領域に
おける点火位置を定めるための基準位置を与える信号と
して用いることができる。そのため、各気筒の点火制御
領域における点火位置の計測区間を短くして、回転速度
の変動により生じる点火位置のばらつきを少なくするこ
とができ、点火位置の制御を従来よりも高精度で行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を
示した回路図である。
【図2】図1の点火装置に用いられているエキサイタコ
イルの出力電圧と零点検出回路の出力信号と信号発電機
の出力パルスとの波形を機関の回転角度に対して示した
波形図である。
【図3】本発明の点火装置で用いる信号発電機の構成例
を示した正面図である。
【図4】従来の内燃機関用点火装置の構成例を示した回
路図である。
【図5】図4に示した点火装置で用いられているエキサ
イタコイルの出力電圧と信号発電機の出力パルスとを示
した回路図である。
【符号の説明】
10A〜10C 第1ないし第3の気筒用の点火回路 11 マイクロコンピュータ 12A〜12C 点火信号供給回路 We1,We2 エキサイタコイル Wpc パルサコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−317637(JP,A) 特開 平3−271565(JP,A) 実開 昭55−123672(JP,U) 実開 昭55−167567(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒を有する内燃機関の各気筒に
    対して設けられて点火信号が与えられた時に各気筒の点
    火プラグに印加する点火用の高電圧を発生する各気筒用
    の点火回路と、前記内燃機関の各気筒に対応するリラク
    タを有して前記内燃機関と同期回転させられるロータ
    と、前記ロータの回転方向の前方側及び後方側にそれぞ
    れ位置する各気筒用のリラクタの前端部及び後端部をそ
    れぞれ検出して各気筒用の第1のパルス信号及び第2の
    パルス信号を発生する信号発電子と、前記信号発電子が
    発生するパルス信号から前記内燃機関の回転角度情報と
    回転速度情報とを得て前記内燃機関の点火位置制御領域
    における各気筒の点火位置を演算する点火位置演算手段
    と、前記内燃機関の各気筒に対して設定された低速領域
    での固定点火位置で各気筒用の固定点火位置信号を発生
    する固定点火位置信号発生手段と、前記信号発電子が各
    気筒用の第1のパルス信号を発生した時に前記点火位置
    演算手段により演算された各気筒の点火位置の計測を開
    始して各気筒の点火位置が計測された時に各気筒用の制
    御領域用点火位置信号を発生する点火位置計測手段と、
    前記各気筒用の制御領域用点火位置信号または各気筒用
    の固定点火位置信号が発生した時に各気筒用の点火回路
    に点火信号を与える点火信号供給回路とを備えた内燃機
    関用点火装置において、 前記内燃機関の各気筒の点火位置の最大進角位置または
    該最大進角位置よりも位相が進んだ位置で前記信号発電
    子が各気筒用のリラクタの前端部を検出して各気筒用の
    第1のパルス信号を発生するように、前記ロータと信号
    発電子との位置関係が設定され、 前記内燃機関に磁石式交流発電機が取り付けられてい
    て、各気筒用の第1のパルス信号が発生した直後に該磁
    石式交流発電機内に設けられた特定の発電コイルの出力
    電圧に現れる零点またはピーク位置が各気筒の固定点火
    位置に等しくなるように前記磁石式交流発電機の回転子
    と固定子との間の位置関係が設定され、 前記固定点火位置信号発生手段は、各気筒用の第1のパ
    ルス信号が発生した直後に前記特定の発電コイルの出力
    電圧に現れる零点またはピーク位置を検出して各気筒用
    の固定点火位置信号を発生するように構成されているこ
    とを特徴とする内燃機関用点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101947640B (zh) * 2010-11-03 2013-07-24 西安泵阀总厂有限公司 用于锆及锆合金熔模精密铸造氧化物陶瓷型壳的制备方法

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CN101947640B (zh) * 2010-11-03 2013-07-24 西安泵阀总厂有限公司 用于锆及锆合金熔模精密铸造氧化物陶瓷型壳的制备方法

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