JP2653212B2 - 内燃機関用点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関用点火時期制御装置

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JP2653212B2 JP8685890A JP8685890A JP2653212B2 JP 2653212 B2 JP2653212 B2 JP 2653212B2 JP 8685890 A JP8685890 A JP 8685890A JP 8685890 A JP8685890 A JP 8685890A JP 2653212 B2 JP2653212 B2 JP 2653212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関用点火時期制御装置に関するもの
である。
[従来の技術] マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火時期を
制御する場合には、内燃機関に取り付けた信号発電機が
発生する信号の時間間隔をマイクロコンピュータにより
測定して機関の平均回転速度を検出し、検出された回転
速度で機関が回転しているものとして信号発電機が特定
の信号を発生した位置(基準位置)から目標点火時期
(回転速度やスロットル開度等に応じてマイクロコンピ
ュータにより決定される。)までの時間を点火時期計測
時間(基準位置から点火位置まで機関が回転するのに要
する時間)として求める。そしてこの点火時期計測時間
を点火時期決定用タイマにセットして信号発電機が特定
の信号を発生した時点(基準位置)で該タイマをスター
トさせ、該タイマがタイムアップした時点で内燃機関用
点火装置に点火信号を与えて点火動作を行わせるように
している。
そして内燃機関が2気筒以上の多気筒内燃機関である
場合には、内燃機関用点火装置内に各気筒に対応した点
火回路を設けると共に、信号発電機から各気筒を判別す
るための気筒判別信号を発生させ、該気筒判別信号によ
り判別された気筒の点火回路に点火信号を与えて、各気
筒の点火動作を行わせるようにしている。
信号発電機は、通常内燃機関の最大進角位置や最小進
角位置で信号を発生するが、ほとんどの場合、点火時期
の計測は最大進角位置を基準にして行われる。
ところで内燃機関の回転速度は細かく変動しているた
め、各点火時期を適確に制御するためには、各点火時期
にできるだけ近い時刻の回転速度に基いて点火時期を決
定するのが好ましい。
第17図は2サイクル3気筒内燃機関の回転速度の変動
を示したものである。同図に見られるように、2サイク
ル機関においては、圧縮工程の終期に回転速度が最も低
下し、点火後30度ないし60度の位置で爆発により回転速
度が最大になる。また掃気工程でシリンダ内のガスの置
換が旨く行われないと、その後に行われる爆発工程で燃
焼が良好に行われないため、回転速度の最大値が低くな
る。次の掃気工程でガスの置換が旨く行われると続いて
行われる爆発工程で燃焼が良好に行われ、回転速度が上
昇する。従って回転速度は各回転毎に変動する。
従来の方法では、第17図に示すように、点火直後の時
刻Taから次の点火直後の時刻Tbまでの時間を計測し、時
刻Tbで点火時期計測用のタイマをスタートさせる。そし
て点火時期計測用タイマが計数動作を行っている間に、
時刻TaからTbまでの時間とその間に回転した角度とから
回転速度の平均値を演算してこの回転速度に基いてその
時の点火時期を決定するために必要な目標点火時期計測
時間を演算し、該点火時期計測時間の終了時刻を点火時
期計測用タイマにセットする。点火時期計測用タイマが
タイムアップした時に点火回路に点火信号を与え、点火
動作を行わせる。
このように従来の方法では、各点火時期を決定する際
に用いる回転速度のデータとして、前々回の点火により
生じさせられた回転の速度を用いていたため、各点火時
期とそれを決定するために用いる回転速度のデータとの
間に相関関係が無く、点火時期を適確に制御することが
できなかった。
そこで、本出願人は先に、点火時期のすぐ前に検出さ
れた回転速度に基いて目標点火時期を決定できるように
して点火時期の制御を適確に行うことができるようにし
た点火時期制御装置をいくつか提案した。
先に提案された点火時期制御装置は、第1の極性の信
号と第2の極性の信号とを所定の角度間隔で発生する信
号発生装置と、内燃機関が微小角度回転する毎にパルス
信号を発生するパルス信号発生手段と、信号発生装置か
ら得られる少なくとも第1の極性の信号を基準信号とし
て、該基準信号の発生位置に対して一定の関係を有する
位置からパルス信号の計数を行うパルス信号計数手段
と、内燃機関の目標点火時期を決定する点火時期決定手
段と、パルス信号計数手段により設定された数のパルス
信号が計数されたときの時刻を点火時期計測開始時刻と
して検出する点火時期計測開始時刻検出手段と、パルス
信号計数手段により一定数のパルス信号が計数されるの
に要する時間から内燃機関の回転速度を検出して該回転
速度に基いて点火時期計測開始時刻から目標点火時期ま
での時間に等しい点火時期計測時間を演算する点火時期
計測時間演算手段と、点火時期計測開始時刻から点火時
期計測時間の計測を開始して該点火時期計測時間が計測
されたときに内燃機関用点火装置に点火信号を与える点
火信号供給手段とにより構成される。
例えば特願平2−7306号において提案された点火時期
制御装置においては、第14図(A)に示すように、基準
信号Vp3,Vp1及びVp2がそれぞれ発生する毎に同図(B)
に示すパルス信号を同図(C)に示すように第1の数N1
だけ計数し、続いてパルス信号を第2の数N2だけ計数す
る。また第14図(D)に示すように、パルス信号を第1
の数N1だけ計数する計数動作が終了した時刻以降にパル
ス信号を第3の数N3だけ計数する計数動作を開始させ
る。第3の数N3の計数動作が終了するまでの間に、第2
の数N2の計数動作が終了した時刻T2と第1の数N1の計数
動作が終了した時刻T1との差から得た回転速度の情報に
基いて、第3の数N3の計数動作の終了時刻T3から目標点
火時期Tiまでの時間に等しい点火時期計測時間tiを求
め、第3の数のパルス信号の計数が終了した時刻から点
火時期計測時間の計測を開始して該計測時間の計測が終
了したときに内燃機関用点火装置に点火動作を行わせ
る。
上記の各演算を行うマイクロコンピュータは、機関に
取り付けられた発電機を電源とする直流定電圧回路によ
り駆動されるが、機関の始動時においては、最初発電機
の出力電圧が十分高くないため、マイクロコンピュータ
は動作することができず、マイクロコンピュータ側から
点火信号を与えることができない。
そのため通常は、信号発生装置から得られる基準信号
をマイクロコンピュータにより構成される点火時期制御
装置とは別の系統から点火信号として内燃機関用点火装
置に与えて、マイクロコンピュータが動作していない場
合にも点火動作が行われるようにしている。
第14図に示した例では、信号Vp1,Vp2及びVp3がそれぞ
れ機関の第1気筒ないし第3気筒の最小進角位置(例え
ば上死点前5度の位置)で発生するようになっており、
これらの信号を波形整形して得たパルス信号がそれぞれ
第1気筒ないし第3気筒用の点火信号として内燃機関用
点火装置に与えられる。
パルス信号発生手段の信号源としては、例えば内燃機
関を始動させる始動装置のピニオンギアを噛み合わせる
ために機関に取付けられたフライホイールの外周に固定
されたリングギアの歯を誘導子として利用して、該リン
グギアに信号発電子を対向させたものが用いられる。
基準信号を発生する信号発生装置としては通常誘導子
形の信号発電機が用いられる。例えば第14図(A)に示
した信号を発生させる誘導子形の信号発電機は、第16図
に示したように、120度の極弧角をもって突出した誘導
子101と60度の極弧角をもって突出した誘導子102とを有
して内燃機関により回転駆動される回転子103と、磁路
構成体104に信号コイル105を巻装した固定子106とから
なっている。磁路構成体104は、鉄心107と該鉄心に結合
された永久磁石108とを有し、鉄心107の端部に設けられ
た磁極部109が各誘導子に対向し始める際、及び各誘導
子との対向を終了する際にそれぞれ信号コイル105に第
1の極性の信号(第14図に示した例ではVp3,Vpa)及び
第2の極性の信号(第14図に示した例ではVp1,Vp2)が
誘起する。
[発明が解決しようとする課題] 第16図に示したような誘導子形の信号発電機を用いて
基準信号を得るようにした場合、固定子の磁極部109が
誘導子101に対向し始める際に第14図(A)に示したよ
うに第1の極性(この例では正極性)の信号Vp3が発生
し、磁極部109が誘導子101との対向を終了する際に第2
の極性(この例では負極性)の信号Vp1が発生する。ま
た磁極部109が誘導子102に対向し始める際に信号Vpaが
発生し、誘導子102との対向を終了する際に信号Vp2が発
生する。
この種の信号発電機においては、回転子103及び固定
子106が機関に取り付けられるため、機関の振動により
固定子の磁極部109と回転子103との間のギャップが細か
く変化して信号コイル105に鎖交する磁束が変化し、こ
れにより正規の信号以外にノイズ信号が誘起するのを避
けられない。特に固定子の磁極部109が誘導子101または
102に対向していて、磁極部109と回転子との間のギャッ
プが狭くなっている状態で回転子及び固定子が機関の振
動を受けると、該振動によるギャップの変化分が全ギャ
ップに対して占める割合が大きいため、該ギャップ変化
により磁束が相当に変化し、信号コイルに無視できない
大きさのノイズ信号が誘起することになる。第15図にお
いてN1,N2は固定子の磁極部109が誘導子101,102に対向
している期間に振動によるギャップ変化によって発生し
たノイズ信号を示している。
一方固定子の磁極部109が誘導子101,102以外の部分に
対向している状態では、磁極部109と回転子との間のギ
ャップが相当に大きく、振動によるギャップの変化分が
全ギャップに対して占める割合が小さいため、問題にな
るような大きさのノイズは生じない。
第15図において、正極性の信号Vp3を基準信号として
用いた場合、この信号に続いて大きなノイズ信号N1が発
生すると該ノイズ信号も基準信号として認識されるおそ
れがあり、誤動作が生じるおそれがある。
このノイズ信号による誤動作を防止するためには、基
準信号に対するスレショールドレベルを高く設定して、
一定レベル以上の信号のみを基準信号として判定するよ
うにすれば良いが、ノイズ信号の大きさが大きい場合に
スレショールドレベルを高く設定すると、正規の基準信
号をも認識することができなくなり、点火時期制御装置
を正常に動作させることができなくなる。
本発明の目的は、信号発生装置の固定子の磁極部が誘
導子に対向し始める際に発生する第1の極性の信号に続
いて発生するノイズ信号による誤動作を確実に防止でき
るようにした内燃期間用点火時期制御装置を提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係わる点火時期制御装置は、第1図に示した
ように、信号発生装置1と、内燃機関が微小角度回転す
る毎にパルス信号を発生するパルス信号発生手段2と、
信号発生装置から得られる少なくとも第1の極性の信号
を基準信号として、該基準信号の発生位置に対して一定
の関係を有する位置から前記パルス信号の計数を行うパ
ルス信号計数手段3と、内燃機関の目標点火時期を決定
する点火時期決定手段4と、パルス信号計数手段3によ
り設定された数のパルス信号が計数されたときの時刻を
点火時期計測開始時刻として検出する点火時期計測開始
時刻検出手段5と、パルス信号計数手段3により一定数
のパルス信号が計数されるのに要する時間から内燃機関
の回転速度を検出して該回転速度に基いて点火時期計測
開始時刻から目標点火時期までの時間に等しい点火時期
計測時間を演算する点火時期計測時間演算手段6と、点
火時期計測開始時刻から点火時期計測時間の計測を開始
して該点火時期計測時間が計測されたときに内燃機関用
点火装置7に点火信号を与える点火信号供給手段8とを
備えている。
信号発生装置1は、所定の極弧角をもって突出した誘
導子を有し内燃機関により回転駆動される回転子と、磁
路の途中に永久磁石を有する磁路構成体に信号コイルを
巻装してなる固定子とを備え、固定子の磁路構成体に設
けられた磁極部が誘導子に対向し始める際及び該誘導子
との対向を終了する際にそれぞれ信号コイルに第1の極
性の信号及び第2の極性の信号を誘起する。
本発明は、上記のような点火時期制御装置において、
信号発生装置1が第1の極性の信号を発生してから第2
の極性の信号を発生するまでの間ノイズ除去用トリガ信
号を発生するノイズ除去用トリガ信号発生手段9と、ノ
イズ除去用トリガ信号が与えられている間信号発生装置
1の出力信号を無効にするように動作するノイズ除去用
スイッチ回路10とを設けたことを特徴とする。
上記パルス信号発生手段2の信号源としては、機関の
出力軸に取付けられたフライホイールの外周に固定され
たリングギアの歯を誘導子として利用して、該リングギ
アの歯に信号発電子を対向させたもの用いることができ
る。
またリングギアがない場合には、機関の出力軸等にエ
ンコーダを取付けて、該エンコーダからパルス信号を得
るようにしてもよい。この場合、フライホイール等にエ
ンコーダのコード板を取付けると信号源を小形に構成で
きる。
信号発生装置1の回転子は、機関に常備部品として取
付けられる回転体を利用して構成することができる。例
えば機関には通常フライホイール磁石発電機が取付けら
れるが、この場合には、該磁石発電機のフライホイール
の外周部またはボス部等に誘導子を形成することにより
上記信号発生装置の回転子を構成することができる。
[作 用] 上記のように、本発明においては、信号発生装置が第
1の極性の信号を発生してから第2の磁極の信号を発生
するまでの間ノイズ除去用トリガ信号を発生するノイズ
除去用トリガ信号発生手段と、ノイズ除去用トリガ信号
が与えられている間信号発生装置の出力信号を無効にす
るように動作するノイズ除去用スイッチ回路とを設けた
ため、機関の振動により第1の極性の信号に続いてノイ
ズ信号が発生した場合、該ノイズ信号を無効にすること
ができる。従ってノイズ信号がマイクロコンピュータに
与えられるのを防ぐことができ、ノイズによる誤動作を
防止することができる。
尚第2の極性の信号に続いて発生するノイズ信号は除
去されないが、第2の極性の信号が発生した後の期間は
信号発生装置の固定子の磁極部が誘導子に対向しておら
ず、この期間に発生するノイズ信号は正規の信号に比べ
て十分に小さいため、これを除去する手段を講じなくて
も何ら支障を来さない。
[実施例] 以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第2図は本発明の点火時期制御装置の構成を概略的に
示したもので、この実施例では、3気筒の2サイクル内
燃機関を点火するものとする。
内燃機関用点火装置7は、機関の3つの気筒にそれぞ
れ対応する3つの点火コイル15aないし15cと、これらの
点火コイルの1次電流を制御する点火回路16と、機関の
第1ないし第3の気筒にそれぞれ取り付けられて点火コ
イル15aないし15cの2次コイルにそれぞれ接続された点
火プラグ17aないし17cとからなる。点火回路16は、第1
ないし第3の気筒にそれぞれ対応している点火信号入力
端子16aないし16cを有し、これらの点火信号入力端子に
点火信号が入力されたときに対応する点火コイルの1次
電流を急変させるように制御して、その点火コイルの2
次コイルに点火用の高電圧を発生させる。この例では、
点火回路16がコンデンサ放電式の回路からなっているも
のとし、点火回路16を動作させるために必要な信号は点
火時期を決定する点火信号のみであるとする。
パルス信号を得るため、機関の出力軸に取り付けられ
たカップ状のフライホイール18の外周に固定された鉄製
のリングギア19に誘導子形の信号発電子20が対向配置さ
れ、信号発電子20の出力が波形整形回路21に入力されて
いる。
尚リングギア19は機関始動装置の一部を構成するもの
で、スタータモータに取付けられたピニオンギアが該リ
ングギアに噛み合わされて、該ピニオンギアとリングギ
ア19とを介して機関の出力軸にスタータモータの回転力
が伝達される。
信号発電子20は、リングギア19の歯に対向する磁極部
を備えた鉄心20aと、該鉄心に巻回された信号コイル20b
と、該鉄心に磁束を流す永久磁石20cとを備えた周知の
もので、リングギア19の各歯が信号発電子20の鉄心の磁
極部に対向する毎に信号コイル20bにパルス状の信号が
誘起する。
波形整形回路21は抵抗R1ないしR3と、コンデンサC1
と、ダイオードD1及びD2とトランジスタTr1とからなっ
ている。この波形整形回路においては、信号発電子20が
正極性の信号を発生したときにトランジスタTr1が導通
状態になり、信号発電子20が負極性の信号を発生したと
きにトランジスタTr1が遮断状態になるため、該トラン
ジスタTr1のコレクタに第13図(B)に示すように極性
が等しく、1回転当りに発生する数がリングギアの歯数
に等しいパルス信号が得られる。このパルス信号はマイ
クロコンピュータ30の入力ポートa2及びa3に入力されて
いる。
図示してないが、フライホイール18の内周には永久磁
石が取り付けられていて、該フライホイールと永久磁石
とにより磁石回転子が構成され、この磁石回転子と図示
しない固定子とによりフライホイール磁石発電機が構成
されている。このフライホイール磁石発電機の固定子に
はエキサイタコイルが設けられていて、該エキサイタコ
イルが点火回路16の点火電源として用いられる。
信号発生装置1は、フライホイール18のボス部18Aに1
20度の極弧角を有する誘導子101を形成することにより
構成した回転子103と、磁路構成体104に信号コイル105
を巻装した固定子106とからなっている。磁路構成体104
は、鉄心107と該鉄心に結合された永久磁石108とを有
し、鉄心107の端部に設けられた磁極部109が誘導子101
に対向し始める際、及び該誘導子との対向を終了する際
にそれぞれ信号コイル105に第1の極性(この例では正
極性)の信号Vp及び第2の極性(この例では負極性)の
信号Vp′(第13図A参照)が誘起する。本実施例におい
ては、第1の極性の信号Vpが機関の第3気筒の最小進角
位置(この例では上死点前5度の位置)で発生し、第2
の極性の信号Vp′が第1気筒の最小進角位置で発生する
ように設定されている。第1の極性の信号Vpは図示しな
い回路を通して内燃機関用点火装置7の第3気筒用の点
火信号入力端子16cに点火信号として入力され、第2の
極性の信号Vp′はその極性が反転されて内燃機関用点火
装置7の第1気筒用の点火信号入力端子16aに点火信号
として入力されている。
このように信号Vp及びVp′により点火装置に点火信号
が与えられるようにしておくと、機関の始動時に発電機
の電圧が不足してマイクロコンピュータが動作しない状
態でも最小進角位置で信号発生装置1側から点火装置7
の第3及び第1気筒用の点火信号入力端子に点火信号を
与えることができ、これにより3気筒の内の2気筒を点
火することができるため、機関の始動回転速度を低く設
定することができる。
またこのように構成しておくと、後記するマイクロコ
ンピュータが故障した場合でも3気筒の内の2気筒を点
火することができるため、機関の運転を継続することが
できる。特に船外機の場合には、機関が停止すると帰港
することができなくなり、危険であるので、このような
配慮が必要である。
本実施例では、第13図に示す信号の内第1の極性の信
号Vpを基準信号として用いる。基準信号Vpは波形整形回
路24に入力されてパルス信号に変換され、該パルス信号
がオア回路24を通してマイクロコンピュータの入力ポー
トa1に入力されている。また第2の極性の信号Vp′は波
形整形回路13に入力されてパルス信号に変換され、該パ
ルス信号がマイクロコンピュータの入力ポートa4に入力
されている。
この例では、信号発電子20と波形整形回路21とにより
パルス信号発生手段2が構成されている。
波形整形回路22はトランジスタTr2,Tr3と、抵抗R4な
いしR9と、ツェナーダイオードZ1と、ダイオードD3と、
コンデンサC2,C3と、アンド回路AD1とからなっている。
この波形整形回路においては、信号コイル105から信号V
pが発生する毎にトランジスタTr2が導通する。トランジ
スタTr2が導通するとトランジスタTr3が遮断状態にな
り、アンド回路AD1の上側の入力が「1」になる。この
時コンデンサC3は充電されていて、アンド回路AD1の下
側の入力端子も「1」の状態にあるため、アンド回路AD
1の出力は「1」となる。トランジスタTr2が導通した後
僅かな時間が経過するとコンデンサC3が抵抗R8とトラン
ジスタTr2を通して放電を完了するためアンド回路AD1の
出力が「0」になる。従ってアンド回路AD1の出力側に
は基準信号Vpがスレショールドレベルを超えた位置で立
上る幅が狭いパルス状の信号が得られる。
波形整形回路23は、トランジスタTr4と、抵抗R10ない
しR12とダイオードD4及びD5と、コンデンサC4とからな
り、信号コイル105から得られる負極性の信号Vp′をパ
ルス状に整形する。この波形整形回路23の出力信号の波
形は信号Vp′のレベルがスレショールドレベル以上ある
期間零レベルになる負のパルス波形で、この信号はマイ
クロコンピュータ30の入力ポートa4に入力されている。
信号発生装置1から発生するノイズ信号を除去するた
め、マイクロコンピュータ30の出力ポートAo3が抵抗R15
を通してトランジスタTr3のベースに接続されている。
マイクロコンピュータ30はCPU30aと、所定のプログラ
ムを記憶したROM30bと、随時データが書き込まれるRAM3
0cと、点火時期計測時間が入力される第1レジスタ30d
と、クロックパルスを計数しているタイマカウンタ30e
と、第1レジスタ30dの内容とタイマカウンタ30eの計数
値とが一致したときに信号を出する比較器30fと、オア
回路26から入力ポートa1に信号が与えられる毎にタイマ
カウンタ30eの計数値をラッチするラッチ手段30gと、入
力ポートa2に与えられるパルス信号を計数する第1のカ
ウンタ30hと、第1及び第2の計数値N1x及びN2が順次入
力される第2レジスタ30iと、カウンタ30hの計数値が第
2レジスタ30iの内容に一致したときに出力ポートAo1か
らオア回路26に信号を与える比較器30jと、波形整形回
路1Bから入力ポートa3を通して入力されるパルス信号を
計数する第2のカウンタ30mと、第3の数N3が入力され
る第3レジスタ30nと、第2のカウンタ30mの計数値が第
3レジスタ30nの内容に一致したときに出力ポートAo2か
らオア回路26に信号を出力する比較器30pとを備え、こ
れらは内部バスにより相互に接続されている。
マイクロコンピュータ内には後記するアルゴリズムに
従った所定のプログラムにより、第1図に示した各機能
実現手段3ないし8が構成され、機関の第1ないし第3
の気筒の点火時期がそれぞれ計測されたときに入出力
(I/O)インターフェース30kから出力ポートA1ないしA3
にそれぞれ第1ないし第3気筒用の点火信号が出力され
る。これらの出力ポートA1ないしA3に得られる点火信号
はそれぞれ点火回路16の点火信号入力端子16aないし16c
に入力され、点火回路16は、入力端子16aないし16cにそ
れぞれ点火信号が入力されたときに第1ないし第3の気
筒用の点火コイル15aないし15cの1次電流を制御して、
それぞれの点火コイルの2次側に点火用の高電圧を誘起
させる。
マイクロコンピュータのROM内に記憶されたプログラ
ムは、例えば第3図ないし第7図に示した制御アルゴリ
ズムにしたがって作成される。そのメインルーチンは第
3図に示す通りで、プログラムが開始されると先ず各部
の初期設定が行われ、次いで割り込みが許可される。第
13図(A)に示すように第1の極性の信号Vpが発生し、
入力ポートa1に基準信号が入力されると、第4図の割込
みルーチンが実行されてまず出力ポートA03に高レベル
のノイズ除去用トリガ信号が発生する。この信号は波形
整形回路22のトランジスタTr3のベースに与えられるた
め、該ノイズ除去用トリガ信号が発生している間トラン
ジスタTr3が導通状態に保持され、図示のアンド回路AD1
の上側の入力が「0」に保たれる。従って第1の極性の
信号Vpに続いてノイズ信号が誘起しても該ノイズ信号は
全て無効にされ、該ノイズ信号が基準信号として認識さ
れることはない。第4図の割り込みルーチンにおいては
また、第2レジスタ30iに第1の数N1xがセットされると
ともに、タイマカウンタ30eの計数値(入力ポートa1に
基準信号が入力されたときの時刻)がラッチされ、その
値がRAMに記憶される。次いでメインルーチンに戻る。
第2レジスタ30iに第1の数N1xがセットされると同時に
第1のカウンタ30hが第13図(B)に示すパルス信号の
計数を開始する。
機関の始動が確認されない間は、メインルーチンにお
いて目標点火時期が演算されないため、マイクロコンピ
ュータから点火装置に点火信号が与えられることはな
い。この状態では信号コイル105が信号Vp及びVp′をそ
れぞれ発生したときに第3気筒用の点火信号入力端子16
c及び第1気筒用の点火信号入力端子16aに点火信号が与
えられて機関の2つの気筒が点火される。これにより機
関が回転し、その速度が上昇していく。機関の回転速度
がある程度上昇すると機関の始動が確認される。この始
動の確認は、信号コイル105が信号Vp(基準信号)を発
生した時刻から信号Vp′を発生した時刻までの時間の長
さを判別することにより行われる。
機関の始動が確認されると第3図のメインルーチン
で、スロットル開度(スロットル開度が変更されるごと
に検出手段により検出されてデジタル情報としてRAMに
記憶されている。)等に応じて目標点火時期の演算が行
われる。また安全のために機関のオーバヒートや過回転
等の異常の有無の確認が行われ、異常があるときには機
関の回転速度を安全速度以下に抑えるために点火時期を
遅角させたり、点火火花を間引いたり、特定の気筒の点
火を失火させたりするが、この点については本発明の要
旨から外れるので、詳細な説明は省略する。なおこの安
全を図るための過程は省略することもできる。
第13図(C)に示すように時刻T1xで第1のカウンタ3
0hのパルス信号の計数値が第2レジスタ30iに入力され
た第1の数N1xに一致すると、出力ポートA01からオア回
路24を通して入力ポートa1に信号が与えられ、その時の
タイマカウンタ30eの計数値(第1の数N1x個のパルス信
号の計数が終了した時刻T1x)がラッチされる。
また信号コイル105から第2の極性の信号Vp′が発生
し、波形整形回路23からマイクロコンピュータの入力ポ
ートa4に信号が与えられると、第5図の割り込みルーチ
ンが実行される。この割り込みルーチンでは、マイクロ
コンピュータの出力ポートAo3の電位が低レベルとさ
れ、トランジスタTr3のベースへのノイズ除去用トリガ
信号の供給が停止される。
第1の数N1xの計数が終了して第1のカウンタ30hの計
数値が第2レジスタ30iの内容と一致する毎に第6図の
割込みルーチンが実行される。この割込みルーチンで
は、先ず第3の数N3のパルス信号の計数が終了したか否
かの判定がされ、次いで第2の数N2のパルス信号の計数
が終了しているか否かの判定がされるが、第1の数N1x
のパルス信号の計数が終了した段階では、第2の数N2及
び第3の数N3の計数は終了していないため、タイマカウ
ンタ30eの計数値を記憶させるステップに進む。これに
より第1の数N1xの計数が終了した時の時刻T1xが記憶さ
れる。次いで第2レジスタ30iに第2の数N2をセット
し、更に第3レジスタ30nに第3の数N3をセットしてメ
インルーチンに戻る。第2レジスタ30iに第2の数がセ
ットされると第13図(C)に示すように第1のカウンタ
30hが直ちに第2の数N2の計数を開始する。また第3レ
ジスタ30nに第3の数N3がセットされると第13図(D)
に示すように第2のカウンタ30mがパルス信号の計数を
開始する。
第1のカウンタ30hの計数値が第2レジスタ30iに入力
されている第2の数N2に一致するとタイマカウンタ30e
の計数値がラッチされると共に、再び第6図の割込みル
ーチンが実行され、ラッチされているタイマカウンタ30
eの計数値(第2の数N2の計数が終了した時刻T2x)を記
憶する。次いで第2レジスタ30iに次の気筒用の第1の
数N1xをセットした後点火時期計測時間を演算する過程
を行う。この過程では、第2の数N2のパルス信号の計数
が終了した時刻T2xと第1の数N1xのパルス信号の計数が
終了した時刻T1xとの差とその間に回転した角度(リン
グギアの歯数N2により求められる)とから機関の回転速
度の情報を得て、メインルーチンで演算されている点火
時期Tiのデータを、第3の数N3の計数が終了した時刻か
ら点火時期Tiまでの時間に等しい「点火時期計測時間」
tiに変換する。その後メインルーチンに復帰する。
次いでカウンタ30mの計数値が第3レジスタ30nにセッ
トされている第3の数N3に一致するとタイマカウンタ30
eの計数値がラッチされると共に、再び第6図の割込み
ルーチンが実行される。このとき第6図の割込みルーチ
ンでは、先ず点火すべき気筒を示す気筒判別用フラグを
立て、次いで、すでに演算されている点火時期計測時間
を第1レジスタ30dにセットし、メインルーチンに戻
る。
タイマカウンタ30eの計数値が第1レジスタ30dの内容
に一致すると第7図の割込みルーチンが実行され、気筒
判別用フラグにより判別されている気筒(最初は第1の
気筒)の点火信号入力端子に点火信号が与えられる。
第1のカウンタ30hが第2レジスタ30iにセットされて
いる第1の数N1xの計数を終了すると再び第6図の割り
込みルーチンが実行される。以後上記と同様の動作が2
回繰り返され、第2の気筒及び第3の気筒が点火され
る。第3の気筒が点火された後、再び基準信号が発生す
ると、第4図の割り込みルーチンからプログラムが実行
される。
上記の実施例においては、第4図において第1の数N1
xを第2レジスタ30iにセットして第1のカウンタ30hに
パルス信号の計数を行わせる過程と、第6図の割込みル
ーチンで第2の数N2を第2レジスタ30iにセットして第
2の数N2の計数を行わせる過程及び次の気筒用の第1の
数N1xを第2レジスタにセットして再度第1の数N1xの計
数から行わせる過程とにより、第1のパルス計数手段
が、また第6図において第3の数N3を第3レジスタ30i
にセットしてカウンタ30hにパルス信号の計数を行わせ
る過程で第2のパルス計数手段がそれぞれ実現され、こ
れら第1及び第2のパルス計数手段により第1図のパル
ス信号計数手段3が実現される。
また第3図のメインルーチンにおいて点火時期を演算
する過程で点火時期決定手段4が実現され、第6図の点
火時期計測時間を演算する過程で点火時期計測時間演算
手段6が実現される。
更に第6図の割込みルーチンの第3の数N3の計数が終
了したことを判定する過程で点火時期計測開始時刻検出
手段5が実現され、第7図の割込みルーチンにより点火
信号供給手段8が実現される。
また第4図の割込みルーチンのノイズ除去用トリガ信
号を発生させる過程及び第5図の割込みルーチンのノイ
ズ除去用トリガ信号の出力を停止する過程によりノイズ
除去用トリガ信号発生手段が実現され、第2図のトラン
ジスタTr3によりノイズ除去用スイッチ回路が構成され
ている。
上記の実施例においては、第1の数N1xのパルス信号
の計数が終了した時刻T1xから第2の数N2のパルス信号
の計数が終了した時刻T2xまでの時間により回転速度情
報を得ている。この回転速度情報を得る期間は、機関の
瞬時回転速度が比較的安定している(各回転毎の変化が
少ない)期間に設定するのが望ましい。またこの期間は
実際に点火時期の計測を開始する時刻に近い期間である
ことが望ましい。本発明においては、第1の数N1xを適
宜に設定することにより、回転速度の情報を得る期間
(第2の数N2のパルス信号を計数する期間)を任意の位
置に設定することができる。
2サイクル機関では、第2の数N2のパルス信号を計数
する期間を、機関の回転が慣性に頼っていて回転速度が
低下していく領域(圧縮行程)に設定するのが好まし
い。第2の数N2を計数する領域を機関の特性や機関の回
転速度に応じて最適な領域に持っていくように、第1の
数N1xを機関の特性や回転速度(第2の数N2のパルス信
号を計数する時間から求める。)に応じて適宜に変更す
ることもできる。
また1回転当りに発生するパルス信号の数が気筒数で
割り切れない場合には、基準信号が発生する位置をパル
ス信号が発生していない位置に設定すると共に、第1な
いし第nの気筒用の第1の計数動作が終了する位置相互
間の角度間隔がほぼ360/nに等しくなるように各気筒用
の第1の数N1xを設定する。この場合第1の数N1xは気筒
によって異なる値をとる。例えば3気筒内燃機関の点火
時期を制御する場合、第1気筒用の第1の数N1x=N1と
すると、第2気筒用の第1の数N1xは、N1x=N1±αとな
り、第3気筒用の第1の数N1xは、N1x=N1±βとなる。
ここでα及びβは整数(0を含む)である。
上記の実施例では、第1の数N1xの計数が終了した時
刻T1xから第3の数N3の計数を開始させるようにしてい
る。この場合第1の数N1xの計数を行う時間と第3の数N
3の計数を行う時間との和が気筒相互間の点火間隔より
も短いことが必要である。従って機関の低速領域から高
速領域まで正確に点火時期を制御するためには、第1の
数N1x及び第3の数N3を機関の回転速度に応じて適宜に
変化させるのが好ましい。
なお、第3の数N3の計数終了時刻は、第2の数N2の計
数が終了した後、回転速度の演算と点火時期計測時間の
演算とが終了する時刻以降に設定する必要があるのはも
ちろんである。
上記のように、第1の数N1xのパルス信号を計数した
後、更に第3の数N3のパルス信号を計数した時刻T3xか
ら点火時期の計測を開始させるようにすると、その間に
点火時期計測時間の演算を行うことができるだけでな
く、時刻T2xにおいて回転速度の情報を得てから、実際
に点火時期計測時間の計測を開始する時刻T3xまでの間
に生じる速度変動による誤差を修正することができる。
即ち、時刻T2xから時刻T3xまでの間に回転速度が上昇し
たとすると、演算された点火時期計測時間が長すぎるこ
とになるが、この場合点火時期計測時間の計測を開始す
る位置が早まるため、実際の点火時期と目標点火時期と
の間のずれを少なくすることができる。
また時刻T2xから時刻T3xまでの間に回転速度が低下し
た場合には、演算された点火時期計測時間が短すぎるこ
とになるが、この場合点火時期計測時間の計測を開始す
る位置が遅れるため、実際の点火時期と目標点火時期と
の間のずれを少なくすることができる。
上記の実施例では、リングギアを利用してパルス信号
を得ているが、本発明においては、機関の微小回転角度
毎に発生するパルス信号を得ればよく、機関と同期回転
する部材、例えばフライホイールに取付けたコード板と
該コード板に設けられたコードを読み取るセンサとによ
りエンコーダを構成することによって微小回転角度毎に
発生するパルス信号を得るようにしても良い。
上記の実施例では、第1の数N1xの計数が終了した時
刻から第3の数N3の計数を開始しているが、第13図
(D)に破線で示したように、第2の数N2の計数が終了
した時刻から第3の数N3の計数を開始させるようにして
もよい。この場合、第1のカウンタ30hの計数値が第2
レジスタ30iの内容と一致する毎に実行される割込みル
ーチンは第8図のようになる。
上記の実施例では、1回転当り基準信号を1回だけ発
生させるようにしたが、第14図に示すように、各気筒毎
に基準信号を発生させるようにすることもできる。この
場合には第16図に示したように信号発生装置1の回転子
に2つの誘導子磁極部101,102を設けて、機関が1回転
する間に信号Vp3,Vp1,Vpa,Vp2を発生させる。これらの
信号のうち、120度間隔で発生する信号Vp3,Vp1,及びVp2
はそれぞれ第3の気筒、第1の気筒及び第2の気筒の上
死点前5度の位置で発生する信号で、これらの信号がそ
れぞれ第1の気筒、第2の気筒及び第3の気筒の点火時
期を決定するための基準信号として用いられる。また信
号Vp1及びVp2の間で発生する信号Vpaは点火すべき気筒
を判別するために用いられる。すなわち、各回転毎に信
号Vpaが発生したことが検出されたときに次に点火すべ
き気筒が第2気筒であると判別される。
このように気筒毎に基準信号を発生させる場合には、
前記実施例における第4図の割込みルーチンを例えば第
9図に示すように変更し、第6図の割込みルーチンを第
10図に示すように変更する。また第2の極性の信号が発
生したときに実行される第5図の割込みルーチンを第11
図に示すように変更し、第3図のメインルーチンと、第
9図、第10図、第11図及び第7図の割込みルーチンとを
実行させる。
この場合には第1の極性の基準信号Vp3が発生したと
きに先ず第9図の割込みルーチンを実行させ、マイクロ
コンピュータの出力ポートA03からノイズ除去用トリガ
信号を出力させると共に、パルス信号を第1の数N1だけ
計数させる。第1の数N1の計数が終了した後、第10図の
割込みルーチンを実行させ、タイマの計数値をセーブし
た後、第2の数N2を第2レジスタにセットしてパルス信
号を第2の数N2だけ計数させる。第2の数N2の計数が終
了した後、再び第10図の割込みルーチンを実行させ、タ
イマの計数値をセーブすると共に、第3の数N3を第3レ
ジスタにセットして、パルス信号を第3の数N3だけ計数
させる。第3の数の計数を行っている間に、第2の数N2
の計数の終了時刻T2と第1の数N1の計数の終了時刻T1と
の差から機関の回転速度を求め、該回転速度に基いて点
火時期計測時間を演算する。第3の数N3の計数が終了し
た後に、再び第10図の割込ルーチンを実行させて点火す
べき気筒を示すフラグを立て、次いで点火時期計測時間
を第1レジスタにセットする。点火時期計測時間の計測
が終了した後、第7図の割込みルーチンを実行させて第
1の気筒で点火動作を行わせる。
次いで第2の極性の基準信号Vp1が発生したときに第1
1図の割込みルーチンを実行させてノイズ除去用トリガ
信号の出力を停止させる。その後第2レジスタに第1の
数N1をセットし、再び第1の数N1の計数を行わせる。第
1の数N1の計数が終了した後第10図の割込みルーチンを
実行させてタイマの計数値をセーブした後、第2レジス
タに第2の数N2をセットし、第2の数N2の計数を開始さ
せる。第2の数N2の計数が終了したときに再び第10図の
割込みルーチンを実行させ、タイマの計数値をセーブす
ると共に第3レジスタに第3の数N3をセットして、該第
3の数N3の計数を開始させる。第3の数の計数が行われ
ている間に点火時期計測時間を演算し、該演算が終了し
た後メインルーチンに戻る。第3の数N3の計数が終了し
た後第10図の割込みルーチンを実行させ、点火時期計数
時間を第1レジスタにセットして該点火時期計測時間の
計測を開始させる。この点火時期計測時間の計測が終了
したときに第7図の割込みルーチンを実行させ、第1気
筒で点火を行わせる。
信号Vpaが発生したときに図示しない割込みルーチン
で次に点火すべき気筒が第2気筒であることの判別が行
われるが、この割込みルーチンの開始時にもノイズ除去
用トリガ信号を出力させるようにしておく。
次いで第2の極性の基準信号Vp2が発生すると、再び
第11図の割込みルーチンが実行され、以下第10図の割込
みルーチンと第7図の割込みルーチンとが行われて、第
2気筒での点火が行われる。
次に第1の極性の基準信号Vp3が発生すると、再び第
9図の割込みルーチンが実行され、以後第10図の割込み
ルーチン及び第7図の割込みルーチンが実行されて、第
3気筒の点火が行われる。
上記の動作が繰り返されて第1気筒ないし第3気筒の
点火動作が繰り返される。
第10図の割込みルーチンでは、第2の数N2の計数が終
了した後に、第3の数N3の計数を開始するようにした
が、第14図(D)に破線で示したように、第1の数N1の
計数が終了した後に第3の数N3の計数を開始するように
してもよい。この場合には、第10図の割込みルーチンを
第12図のように変更する。
本発明を適用できる点火時期制御装置は上記の例に限
られるものではなく、基準信号により指定された位置か
ら機関の回転角度を計測するためのパルス信号を計数し
て、所定数のパルス信号を計数するために要した時間か
ら機関の回転速度を求めるとともに該回転速度の情報に
基いて点火時期計測時間を演算し、パルス信号の計数に
より求めた点火時期計測開始位置から該点火時期計測時
間を計測することにより点火時期を定めるようにした点
火時期制御装置に本発明を広く適用することができる。
上記の実施例においては、スロットルの操作量に応じ
て点火時期を変化させるようにしたが、機関の回転速度
に応じて点火時期を変化させる場合にも本発明を適用す
ることができる。
本発明における点火時期の決定は、所定の演算式によ
って行ってもよく、またスロットルの操作量や機関の回
転速度の種々の値に対して記憶装置に予め点火時期を記
憶させておいて、検出されたスロットル操作量や機関の
回転速度に応じて記憶装置から点火時期を読み出す方法
によっても良い。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、信号発生装置が第1
の極性の信号を発生してから第2の極性の信号を発生す
るまでの間ノイズ除去用トリガ信号を発生するノイズ除
去用トリガ信号発生手段と、ノイズ除去用トリガ信号が
与えられている間信号発生装置の出力信号を無効にする
ように動作するノイズ除去用スイッチ回路とを設けたた
め、機関の振動により第1の極性の信号に続いてノイズ
信号が発生した場合、該ノイズ信号を無効にすることが
できる。従ってノイズ信号がマイクロコンピュータに与
えられるのを防ぐことができ、ノイズによる誤動作を防
止することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示すクレーム対応図、第2図は
本発明の実施例で用いる装置の構成を概略的に示した構
成図、第3図ないし第12図は本発明の実施例で用いる制
御アルゴリズムを示すフローチャート、第13図は第3図
ないし第8図のフローチャートに従う場合の信号波形と
計数動作とを示した線図、第14図は第9図ないし第12図
のフローチャートに従う場合の信号波形と計数動作とを
示した線図、第15図は信号発生装置から得られる信号の
波形の一例を示した波形図、第16図は信号発生装置の構
成例を示した構成図、第17図は機関の各瞬時の回転速度
変動を示す線図である。 1……信号発生装置、2……パルス信号発生手段、3…
…パルス信号計数手段、4……点火時期決定手段、5…
…点火時期計測開始時刻検出手段、6……点火時期計測
時間演算手段、7……内燃機関用点火装置、8……点火
信号供給手段、9……ノイズ除去用トリガ信号発生手
段、10……ノイズ除去用スイッチ回路。
フロントページの続き (72)発明者 青木 成年 静岡県沼津市大岡3744番地 国産電機株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−8444(JP,A) 特開 平2−173358(JP,A) 特開 平2−7306(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の極弧角をもって突出した誘導子を有
    し内燃機関により回転駆動される回転子と、磁路の途中
    に永久磁石を有する磁路構成体に信号コイルを巻装して
    なる固定子とを備え、前記固定子の磁路構成体に設けら
    れた磁極部が前記誘導子に対向し始める際及び該誘導子
    との対向を終了する際にそれぞれ前記信号コイルに第1
    の極性の信号及び第2の極性の信号を誘起する信号発生
    装置と、 内燃機関が微小角度回転する毎にパルス信号を発生する
    パルス信号発生手段と、 前記信号発生装置から得られる少なくとも第1の極性の
    信号を基準信号として、該基準信号の発生位置に対して
    一定の関係を有する位置から前記パルス信号の計数を行
    うパルス信号計数手段と、 内燃機関の目標点火時期を決定する点火時期決定手段
    と、 前記パルス信号計数手段により設定された数のパルス信
    号が計数されたときの時刻を点火時期計測開始時刻とし
    て検出する点火時期計測開始時刻検出手段と、 前記パルス信号計数手段により一定数のパルス信号が計
    数されるのに要する時間から前記内燃機関の回転速度を
    検出して該回転速度に基いて前記点火時期計測開始時刻
    から目標点火時期までの時間に等しい点火時期計測時間
    を演算する点火時期計測時間演算手段と、 前記点火時期計測開始時刻から前記点火時期計測時間の
    計測を開始して該点火時期計測時間が計測されたときに
    内燃機関用点火装置に点火信号を与える点火信号供給手
    段とを備えた内燃機関用点火時期制御装置において、 前記信号発生装置が第1の極性の信号を発生してから前
    記第2の極性の信号を発生するまでの間ノイズ除去用ト
    リガ信号を発生するノイズ除去用トリガ信号発生手段
    と、 前記ノイズ除去用トリガ信号が与えられている間前記信
    号発生装置の出力信号を無効にするように動作するノイ
    ズ除去用スイッチ回路とを具備したことを特徴とする内
    燃機関用点火時期制御装置。
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