JP3351319B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JP3351319B2
JP3351319B2 JP30608797A JP30608797A JP3351319B2 JP 3351319 B2 JP3351319 B2 JP 3351319B2 JP 30608797 A JP30608797 A JP 30608797A JP 30608797 A JP30608797 A JP 30608797A JP 3351319 B2 JP3351319 B2 JP 3351319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサ放電式の
内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車、船外機、スノーモビル等の
内燃機関を点火する点火装置として、交流発電機に設け
られたエキサイタコイルを電源として用いて、該エキサ
イタコイルの出力で点火用コンデンサを充電するように
したコンデンサ放電式の点火装置が用いられている。
【0003】この種の点火装置は、点火コイルと、点火
コイルの1次側に設けられて点火電源部の出力により一
方の極性に充電される点火用コンデンサと、点火信号が
与えられたときに導通して点火用コンデンサの電荷を点
火コイルの1次コイルを通して放電させるように設けら
れた放電用サイリスタと、内燃機関の点火時期にサイリ
スタに点火信号を与える点火制御装置とを備えていて、
機関の点火時期に点火用コンデンサの電荷を放電用サイ
リスタと点火コイルの1次コイルとを通して放電させる
ことにより点火コイルの2次コイルに点火用の高電圧を
誘起させるようになっている。
【0004】この種の点火装置において、交流発電機内
に設けられたエキサイタコイルの出力で直接点火用コン
デンサを充電するようにした場合には、機関の低速時か
ら高速時まで点火用コンデンサを十分高い電圧まで充電
して所定の点火性能を得ようとすると、巻数が多い低速
用のエキサイタコイルと、巻数が比較的少ない高速用の
エキサイタコイルとを用いる必要があり、磁石発電機内
でエキサイタコイルが占めるスペースが大きくなって磁
石発電機が大形化したり、他の発電コイルを設けるスペ
ースが少なくなったりするという問題があった。また巻
数が多い低速用のエキサイタコイルは細い線を用いて多
数回巻回する必要があるため、巻線の作業性が悪い上
に、断線等の事故が発生し易いという問題もあった。
【0005】そこで、内燃機関により駆動される磁石発
電機内に、太い線を用いて巻回した発電コイルを設け
て、該発電コイルの整流出力をDC−DCコンバータで
昇圧することにより、点火用コンデンサを充電するため
の高い電圧を得るようにしたコンデンサ放電式の点火装
置が提案された。この点火装置によれば、磁石発電機内
に巻数が多いエキサイタコイルを設ける必要がないた
め、磁石発電機が大形化したり、巻線の断線が生じたり
するのを防ぐことができる。
【0006】一般にDC−DCコンバータは、昇圧トラ
ンスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるチョッパ
用スイッチと、該チョッパ用スイッチをオンオフさせる
チョッパ用スイッチ駆動回路とにより構成され、チョッ
パ用スイッチがオフ状態になった時に昇圧トランスの二
次コイルに昇圧された電圧を誘起させるようになってい
る。
【0007】この種のDC−DCコンバータにおいて、
昇圧トランスの一次電流が遮断されたときに誘起する二
次電圧はパルス状の電圧であるため、1回の充電で点火
用コンデンサを点火動作に必要な電圧まで充電すること
はできず、昇圧トランスが発生する一連の二次電圧によ
り、点火用コンデンサを段階的に充電していくことにな
る。この場合、機関が1回転する間に点火用コンデンサ
を点火動作に必要な所定の電圧まで充電するためには、
チョッパ用スイッチのオンオフの周波数を適当な値に設
定する必要がある。
【0008】点火用コンデンサの充電電圧が低く、昇圧
トランスの負荷が大きいときには、点火用コンデンサに
充電電流が流れる時間が長いため、チョッパ用スイッチ
のオンオフの周波数を高く設定すると、チョッパ用スイ
ッチの前回の導通時に昇圧トランスのコアに発生した磁
束の一部が残っている状態で該スイッチが導通する状態
が生じ、一次電流がきわめて流れ易くなる。従って昇圧
トランスの一次電流は負荷が小さい場合に比べて相当に
大きくなり、機関の低速時に昇圧トランスの一次側の消
費電力が多くなって昇圧トランスやチョッパ用スイッチ
での発熱が多くなるのを避けられない。従って、点火用
コンデンサの充電電圧が低く、昇圧トランスの負荷が大
きい状態では、チョッパ用スイッチのオンオフの周波数
を低く設定するのが好ましい。
【0009】また点火用コンデンサの充電電圧が高くな
って、昇圧トランスの負荷が小さくなった状態では、該
コンデンサに流れる充電電流が小さく、充電電流が流れ
る時間も短くなるため、チョッパ用スイッチのオンオフ
の周波数を低く設定すると、点火用コンデンサの充電電
圧を所定の値に到達させるために必要な時間が長くかか
り、該コンデンサの充電速度が低下する。点火用コンデ
ンサの充電速度が低下すると、十分な点火性能を得るた
めに必要な値まで点火コンデンサを充電することができ
なくなって点火性能が低下する。従って、点火用コンデ
ンサの充電電圧が高くなって昇圧トランスの負荷が小さ
くなった状態では、チョッパ用スイッチのオンオフの周
波数を高く設定することが好ましい。
【0010】そこで本出願人は先に、特願平6−260
725号において、直流電源回路から直流電圧が一次コ
イルに印加される昇圧トランスと、駆動パルスが与えら
れている間オン状態になって電源回路から昇圧トランス
に一次電流を流し、駆動パルスが消滅した時にオフ状態
になって該一次電流を遮断するチョッパ用スイッチと、
電源回路から充電電流が与えられて一定の時定数で充電
される微分コンデンサを有して該微分コンデンサに充電
電流が流れている時間に相当するパルス幅のパルスを駆
動パルスとしてチョッパ用スイッチに与えるチョッパ用
スイッチ駆動回路と、昇圧トランスにしきい値以上の二
次電流が流れたときに微分コンデンサをほぼ瞬時に放電
させるとともに該二次電流がしきい値以上になっている
期間微分コンデンサの充電を阻止する微分コンデンサ放
電回路とを備えて、チョッパ用スイッチのオンオフによ
り電源コンデンサの両端の直流電圧を昇圧するようにし
たDC−DCコンバータを用いて点火用コンデンサを充
電することを提案した。
【0011】この既提案の点火装置では、昇圧トランス
の二次電流が所定のしきい値未満になったときにチョッ
パ用スイッチに所定の時間幅の駆動パルスを与えて昇圧
トランスに一次電流を流す過程と、駆動パルスの消滅に
より一次電流が遮断したときに昇圧トランスの二次コイ
ルに誘起する電圧で点火用コンデンサを充電する過程と
を繰り返すことにより点火用コンデンサを充電する。
【0012】このように構成すると、昇圧トランスに二
次電流が流れているとき、即ち昇圧トランスの鉄心に磁
束が流れているときに一次電流が流れないため、昇圧ト
ランスの一次電流が大きくなって該トランスでの消費電
力が増大するのを防いでDC−DCコンバータの効率を
高くすることができ、昇圧トランスの発熱が増大した
り、チョッパ用スイッチでの発熱が増大したりするのを
防ぐことができる。
【0013】また上記のように構成すると、二次電流が
しきい値未満になった後直ちに駆動パルスが発生して一
次電流が流れるため、昇圧トランスの負荷が小さくなる
(点火用コンデンサの充電が進んで充電電流が流れる時
間が短くなる)につれて、チョッパ用スイッチのオンオ
フの周波数が高くなっていく。従って機関の高速時に点
火用コンデンサの両端の電圧を直線的に上昇させること
ができ、点火用コンデンサの充電速度を高くして常に満
足な点火動作を行なわせることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の既提案のDC−
DCコンバータを用いる場合、機関の始動時に電源回路
の出力電圧が所定の値(点火用コンデンサの充電に必要
な昇圧出力を得るために必要とされる値)に達した際に
微分コンデンサの充電が既に完了した状態にあると、駆
動パルスが発生しないため、DC−DCコンバータを起
動させることができず、点火装置の動作を開始させるこ
とができない。
【0015】そのため、上記のDC−DCコンバータを
用いた従来の点火装置では、内燃機関の点火時期を制御
するマイクロコンピュータの電源が確立した後該マイク
ロコンピュータの各部の初期化が完了するまでの間、該
マイクロコンピュータが動作開始時リセット指令を発生
するようにプログラムを組んでおいて、該動作開始時リ
セット指令が発生している間リセットスイッチを導通状
態に保つことにより、微分コンデンサの充電を阻止する
ようにしていた。
【0016】このように構成すると、マイクロコンピュ
ータの電源が確立した後その各部の初期化が完了してマ
イクロコンピュータが正常に動作し得るようになった時
点で微分コンデンサの充電が開始されて駆動パルスが発
生するため、DC−DCコンバータの昇圧動作を確実に
開始させることができる。
【0017】しかしながら、このように、機関の始動時
にマイクロコンピュータからの指令により微分コンデン
サのリセットを行なうように構成した場合には、マイク
ロコンピュータの電源が確立してその各部の初期化が完
了するまでの間は、DC−DCコンバータの動作が開始
されないため、機関の始動操作が開始され後、実際に点
火動作が開始されるまでに長い時間を要して点火動作開
始回転速度が高くなり、機関の始動性が悪くなるという
問題があった。
【0018】本発明の目的は、チョッパ用スイッチを駆
動するパルスの時間幅を決定する微分コンデンサの充放
電を昇圧トランスの二次電流の検出値に応じて制御する
ことにより、昇圧トランスにしきい値以上の二次電流が
流れているときに該昇圧トランスに一次電流を流さない
ように制御するDC−DCコンバータを用いて点火用コ
ンデンサを充電するコンデンサ放電式の内燃機関用点火
装置において、点火動作開始回転数を引き下げて機関の
始動性を良好にすることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明が対象とする内燃
機関用点火装置は、内燃機関と同期回転する磁石式交流
発電機内に設けられて正負の半サイクルの電圧を誘起す
る発電コイルと、上記発電コイルの出力を整流して設定
値以下の直流電圧を発生する電源回路と、該電源回路が
発生する直流電圧が一次コイルに印加される昇圧トラン
スと、駆動パルスが与えられている間オン状態になって
電源回路から昇圧トランスに一次電流を流し、駆動パル
スが消滅した時にオフ状態になって該一次電流を遮断す
るチョッパ用スイッチと、電源回路から充電電流が与え
られて一定の時定数で充電される微分コンデンサを有し
て該微分コンデンサに充電電流が流れている時間に相当
するパルス幅のパルスを駆動パルスとしてチョッパ用ス
イッチに与えるチョッパ用スイッチ駆動回路と、昇圧ト
ランスにしきい値以上の二次電流が流れたときに微分コ
ンデンサをほぼ瞬時に放電させるとともに該二次電流が
しきい値以上になっている期間微分コンデンサの充電を
阻止する微分コンデンサ放電回路とを備えて、チョッパ
用スイッチのオンオフにより電源回路が発生する直流電
圧を昇圧するDC−DCコンバータと、点火コイルと該
点火コイルの1次側に設けられてDC−DCコンバータ
の出力で一方の極性に充電される点火用コンデンサと、
点火信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサ
の電荷を点火コイルの1次コイルを通して放電させる放
電用サイリスタとを備えて、点火用コンデンサの電荷の
放電により点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧を
発生させる点火回路と、電源回路を電源として動作する
マイクロコンピュータを備えていて該マイクロコンピュ
ータにより演算した内燃機関の点火時期に前記放電用サ
イリスタに点火信号を与える点火制御装置とを備えてい
る。
【0020】本発明においては、上記マイクロコンピュ
ータの電源が確立したときに電源確立確認信号を発生す
る電源確立確認信号発生手段と、導通した際に微分コン
デンサの電荷を放電させるように設けられた始動時放電
用スイッチと、電源確立確認信号が発生していない状態
で磁石発電機が出力電圧を発生した時に、始動時放電用
スイッチを磁石発電機の出力に同期して繰返し導通させ
る始動時放電用スイッチ制御回路とを設けた。
【0021】上記のように構成すると、マイクロコンピ
ュータの電源電圧が確立する前の状態でも、発電コイル
が出力電圧を発生すると微分コンデンサが周期的に放電
させられてチョッパ用スイッチの駆動パルスが発生す
る。従って、マイクロコンピュータの電源が確立する以
前にDC−DCコンバータの昇圧動作を開始させて、点
火用コンデンサを充電することができるので、マイクロ
コンピュータの電源が確立した後に、該マイクロコンピ
ュータから発生させた指令に基づいて微分コンデンサの
電荷を放電させていた従来の点火装置よりも機関の点火
動作開始回転速度を低くすることができ、機関の始動性
を向上させることができる。
【0022】上記始動時放電用スイッチ制御回路は、電
源確立確認信号が発生していない状態で磁石発電機が一
方の半サイクルの出力電圧を発生しているときに始動時
放電用スイッチを導通させ、電源確立確認信号が発生し
ていない状態で磁石発電機が他方の半サイクルの出力電
圧を発生しているときに始動時放電用スイッチを遮断状
態にし、電源電圧確立信号が発生している時には始動時
放電用スイッチを遮断状態に保つように構成することが
できる。
【0023】上記始動時放電用スイッチは、導通した際
に微分コンデンサの充電電流を該微分コンデンサから側
路するように設けられた始動時放電用トランジスタによ
り構成することができる。この場合、始動時放電用スイ
ッチ制御回路は、電圧確立確認信号が発生していない状
態にあるときに導通して電源回路から始動時放電用トラ
ンジスタにベース電流を流し、電圧確立確認信号が発生
した時に遮断状態になって始動時放電用トランジスタへ
のベース電流の供給を停止するリセット制御用トランジ
スタと、磁石発電機が一方の半サイクルの電圧を発生し
ている時には電源回路からリセット制御用トランジスタ
を通して始動時放電用トランジスタにベース電流が与え
られるのを許容し、磁石発電機が他方の半サイクルの電
圧を発生した時にリセット制御用トランジスタを通して
始動時放電用トランジスタに与えられるベース電流を該
始動時放電用トランジスタから側路するベース電流側路
回路とにより構成できる。
【0024】上記のように、磁石発電機の出力波形を利
用して始動時放電用スイッチのオンオフのタイミングを
制御するようにすると、始動時放電用スイッチ制御回路
の構成を簡単にすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるコンデンサ
放電式内燃機関用点火装置の構成例を示したもので、同
図において1は内燃機関と同期回転する磁石式交流発電
機内に設けられて正負の半サイクルの電圧を誘起する発
電コイル、2は発電コイル1の出力を整流して設定値以
下の直流電圧Ec を発生する電源回路、3は電源回路2
が出力する直流電圧を昇圧するDC−DCコンバータ、
4は点火回路である。また5は点火制御装置の主要部を
構成するマイクロコンピュータ、6はリセットスイッ
チ、8は内燃機関に取り付けられた信号発電機内に設け
られたパルサコイル、9はパルサコイル8が発生する信
号を所定の波形の信号に変換する波形整形回路、10は
機関の低速時に点火回路に点火信号を与える低速時点火
信号供給回路、11は本発明で新たに設けられた始動時
リセット回路である。
【0026】以下各部の構成を詳細に説明する。発電コ
イル1は、図示しない内燃機関に取り付けられた磁石発
電機内に設けられた点火装置専用の発電コイルで、この
発電コイルは大きな電流を流すことができるように十分
に太い導体を用いて巻回されており、機関の回転に同期
して交流電圧を発生する。発電コイル1が発生する交流
電圧の無負荷時の波形を示すと図3(B)の通りであ
る。発電コイル1の一端はアノードが接地されたダイオ
ードD1 のカソードに接続され、他端は電源回路2に接
続されている。
【0027】電源回路2は、発電コイル1の他端にアノ
ードが接続されたサイリスタTh1と、該サイリスタTh1
のアノードゲート間及びゲートカソード間にそれぞれ接
続された抵抗R1 及びR2 と、サイリスタTh1のカソー
ドと接地間に接続された電源コンデンサC1 と、サイリ
スタTh1のゲートと接地間にアノードを接地側に向けた
状態で接続されたツェナーダイオードZD1 とにより構
成されている。
【0028】この電源回路においては、発電コイル1が
図示の矢印方向の正の半サイクルの電圧を発生した時に
抵抗R1 を通してサイリスタTh1にトリガ信号が与えら
れるため、該サイリスタTh1が導通し、電源コンデンサ
C1 を図示の極性に充電する。電源コンデンサC1 の両
端の電圧が設定値を超えると、ツェナーダイオードZD
1 が導通するため、発電コイル1が正の半サイクルの出
力電圧を発生した時に抵抗R1 を通してサイリスタTh1
のゲート側に流れる電流がほとんどツェナーダイオード
ZD1 を通して接地回路に流れる。従ってサイリスタT
h1はトリガされず、電源コンデンサC1 の充電は停止さ
れる。そのため、電源コンデンサC1 の両端には設定値
以下に制限された直流電圧Ec が得られ、発電コイル1
の出力電圧のピーク値が設定値を超える回転速度領域で
は、電源コンデンサC1 の両端の電圧が設定値に保たれ
る。電源コンデンサC1 の両端の電圧の設定値は例えば
14[V]程度である。
【0029】DC−DCコンバータ3は、電源コンデン
サC1 の両端の電圧を昇圧する回路で、電源回路1の電
源コンデンサC1 の両端の直流電圧が一次コイルW1 に
印加される昇圧トランスTsfと、駆動パルスが与えられ
ている間オン状態になって電源回路2から昇圧トランス
Tsfに一次電流を流し、駆動パルスが消滅した時にオフ
状態になって該一次電流を遮断するチョッパ用スイッチ
3Aと、電源回路2から充電電流が与えられて一定の時
定数で充電される微分コンデンサCd を有して該微分コ
ンデンサに充電電流が流れている時間に相当するパルス
幅のパルスを前記駆動パルスとしてチョッパ用スイッチ
3Aに与えるチョッパ用スイッチ駆動回路3Bと、昇圧
トランスTsfにしきい値以上の二次電流が流れたときに
微分コンデンサCd をほぼ瞬時に放電させるとともに該
二次電流がしきい値以上になっている期間微分コンデン
サCd の充電を阻止する微分コンデンサ放電回路3Cと
により構成されている。
【0030】更に詳細に説明すると、昇圧トランスTsf
は、フェライトコアに一次コイルW1 及び二次コイルW
2 を巻装したもので、その一次コイルW1 の一端は電源
コンデンサC1 の非接地側端子に接続されている。
【0031】チョッパ用スイッチ3Aは、ソースが接地
された電界効果トランジスタ(MOSFET)F1 から
なっていて、該FETのドレインが昇圧トランスの一次
コイルW1 の他端に接続され、電源コンデンサC1 の両
端の電圧Ec が一次コイルW1 とチョッパ用スイッチ3
A(FETのドレインソース間回路)との直列回路の両
端に印加されている。FET F1 のドレインソース間
には寄生ダイオードDf が存在する。
【0032】昇圧トランスの二次コイルW2 の一端は点
火回路4にカソードが接続されたダイオードD2 のアノ
ードに接続され、他端はアノードが接地された二次電流
検出用ダイオードD3 のカソードに接続されている。ダ
イオードD3 のカソードには抵抗R3 を通してNPNト
ランジスタTR1 のベースが接続され、該トランジスタ
TR1 のベースと電源コンデンサC1 の非接地側端子と
の間に抵抗R4 が接続されている。またトランジスタT
R1 のベースと接地間に抵抗R5 が接続され、コレクタ
と電源コンデンサC1 の非接地側端子間に抵抗R6 が接
続されている。トランジスタTR1 のエミッタは接地さ
れ、該トランジスタTR1 のコレクタにNPNトランジ
スタTR2 のベースが接続されている。トランジスタT
R2 のエミッタは接地され、該トランジスタのコレクタ
に微分コンデンサCd の一端が接続されている。微分コ
ンデンサCd の一端はまた抵抗R7 を通して電源コンデ
ンサC1 の非接地側端子に接続され、他端は抵抗R8 を
通して接地されている。微分コンデンサCd の他端はま
たエミッタが接地されたNPNトランジスタTR3のベ
ースに接続され、該トランジスタTR3 のベースエミッ
タ間にはアノードを接地側に向けたダイオードD4 が接
続されている。トランジスタTR3 のコレクタはエミッ
タが接地されたNPNトランジスタTR4 のベースに接
続され、該トランジスタTR4 のベースと電源コンデン
サC1 の非接地側端子との間に抵抗R9 が接続されてい
る。この例では、微分コンデンサCd と抵抗R7 及びR
8 とトランジスタTR3 とにより微分回路が構成され、
微分コンデンサCd に充電電流が流れている短い時間の
間トランジスタTR3 が導通して、そのコレクタに高レ
ベルから零レベルに立ち下がる負極性の微分パルスが得
られるようになっている。
【0033】トランジスタTR4 のコレクタにはNPN
トランジスタTR5 のベースとPNPトランジスタTR
6 のベースとが共通接続され、両トランジスタのベース
の共通接続点と電源コンデンサC1 の非接地側端子との
間に抵抗R10が接続されている。トランジスタTR5 の
コレクタは電源コンデンサC1 の非接地側端子に接続さ
れ、トランジスタTR6 のコレクタは接地されている。
トランジスタTR5 及びTR6 のエミッタは共通接続さ
れ、両トランジスタのエミッタの共通接続点とFET
F1 のゲートとの間に抵抗R11が接続されている。この
例では、トランジスタTR4 ないしTR6 と抵抗R9 な
いしR11とにより、微分回路が発生した負極性のパルス
の極性を反転させてFET F1 に正極性の駆動パルス
Vg を与える駆動パルス出力回路が構成されている。
【0034】図1に示した例では、トランジスタTR3
ないしTR6 と、抵抗R7 ないしR11と、微分コンデン
サCd と、ダイオードD4 とにより、チョッパ用スイッ
チ駆動回路3Bが構成され、トランジスタTR1 及びT
R2 と、抵抗R3 ないしR6と、ダイオードD3 とによ
り微分コンデンサ放電回路3Cが構成されている。また
昇圧トランスTsfと、ダイオードD1 と、チョッパ用ス
イッチ3Aと、チョッパ用スイッチ駆動回路3Bと、微
分コンデンサ放電回路3CとによりDC−DCコンバー
タ3が構成されている。
【0035】上記のDC−DCコンバータ3において
は、電源コンデンサC1 の両端の電圧により抵抗R7 と
微分コンデンサCd とトランジスタTR3 のベースエミ
ッタ間とを通して電流が流れ、微分コンデンサCd が充
電される。この充電電流が流れている間トランジスタT
R3 にベース電流が与えられ、該トランジスタTR3 が
導通する。微分コンデンサCd の充電が完了すると、ト
ランジスタTR3 にベース電流が流れなくなるため、該
トランジスタTR3 が遮断状態になる。
【0036】トランジスタTR3 が導通状態にある間は
トランジスタTR4 が遮断状態になるため、トランジス
タTR6 が遮断状態になり、電源コンデンサC1 の両端
の電圧がトランジスタTR5 のコレクタエミッタ間と抵
抗R11とを通してFET F1 のゲートカソード間に印
加される。またトランジスタTR3 が遮断状態にある間
は、トランジスタTR4 が導通状態になるため、トラン
ジスタTR6 が導通状態になり、FET F1 のゲート
の電位が低下する。これらの動作により、FET F1
のゲートカソード間には、微分コンデンサCd に充電電
流が流れている時間に相当するパルス幅の駆動パルスV
g が与えられる。
【0037】図1の点火装置においては、昇圧トランス
Tsfに一次電流が流れた際に、トランスTsfのコアを流
れる磁束が飽和値に近い大きさになるように(飽和はし
ないように)、FET F1 のゲートに与えられる駆動
パルスVg のパルス幅が設定される。駆動パルスのパル
ス幅は、抵抗R7 の抵抗値と微分コンデンサCd の静電
容量とによりほぼ決まる微分コンデンサの充電時定数を
調整することにより適宜に設定することができる。
【0038】FET F1 は、駆動パルスVg が与えら
れている間オン状態になって昇圧トランスTsfに一次電
流を流す。駆動パルスVg が消滅すると、FET F1
がオフ状態になるため、昇圧トランスの二次コイルW2
に二百ボルト以上のパルス状の高い電圧が誘起する。こ
の電圧により以下に示す点火回路4の点火用コンデンサ
が充電され、昇圧トランスに二次電流が流れる。
【0039】昇圧トランスの二次コイルW2 を通して流
れる充電電流が設定値に達すると、二次電流検出用ダイ
オードD3 の両端の順方向電圧降下によりトランジスタ
TR1 のベースエミッタ間が逆バイアスされるため、ト
ランジスタTR1 が遮断状態になり、トランジスタTR
2 が導通状態になる。従って微分コンデンサCd の電荷
がトランジスタTR2 とダイオードD4 とを通してほぼ
瞬時に放電する。トランジスタTR1 は昇圧トランスの
二次コイルW2 に所定の(しきい値以上の)電流が流れ
ている間遮断状態に保たれ、微分コンデンサCd の充電
を阻止する。昇圧トランスTsfの二次コイルを通して流
れていた電流がしきい値以下になると、トランジスタT
R2 が遮断状態になって、微分コンデンサCd が再び充
電されるため、前述の動作によりFET F1 のゲート
に、微分コンデンサCd の充電電流が流れている時間に
相当するパルス幅の駆動パルスVg が与えられる。この
駆動パルスが与えられている間FETがオン状態にな
り、該駆動パルスが消滅した時にFETがオフ状態にな
って昇圧トランスの二次コイルW2 に高電圧を誘起させ
る。これらの動作の繰り返しにより、昇圧トランスの二
次コイルにパルス状の高い電圧が繰り返し誘起する。
【0040】点火回路4は、点火コイルIGと、点火用
コンデンサCi と、放電用サイリスタThi と、ダンパ
ダイオードDi とを備えたコンデンサ放電式の回路から
なっている。図示の例では、点火コイルIGの一次コイ
ルL1 及び二次コイルL2 の一端が共通接続され、一次
コイルの他端が接地されている。点火コイルIGの一次
コイルの非接地側の端子に点火用コンデンサCi の一端
が接続され、該点火用コンデンサCi の他端がDC−D
CコンバータのダイオードD2 のカソードに接続されて
いる。また点火用コンデンサCi の他端と接地間に放電
用サイリスタThiが、そのカソードを接地側に向けた状
態で接続され、サイリスタThi のゲートカソード間に
は抵抗Ri が接続されている。ダンパダイオードDi は
点火コイルの一次コイルL1 の両端に、そのカソードを
接地側に向けた状態で接続され、点火コイルの二次コイ
ルL2 の他端は、機関の気筒に取り付けられた点火プラ
グPの非接地側の端子に高圧コードを通して接続されて
いる。
【0041】また図示の例では、点火用コンデンサCi
の充電電圧を検出するために該コンデンサの他端と接地
間に抵抗R12及びR13の直列回路が接続され、これらの
抵抗により、充電電圧検出回路12が構成されている。
【0042】点火制御装置の主要部を構成するマイクロ
コンピュータ5は入出力ポートA1〜A6 を有してい
て、ポートA1 には、パルサコイル8が発生する信号が
波形整形回路9を通して入力され、ポートA2 には、充
電電圧検出回路12の出力が抵抗R15を通して入力され
ている。なおC2 は充電電圧検出回路12からマイクロ
コンピュータに入力される充電電圧検出信号を平滑する
コンデンサである。
【0043】パルサコイル8は、機関に取り付けられた
誘導子形の信号発電機に設けられていて、機関の最大進
角位置(最も進角した点火時期に相当するクランク軸の
回転角度位置)か、または該最大進角位置よりも進んだ
回転角度位置に設定された基準位置で第1のパルス信号
Vs1を発生し、該基準位置よりも遅れ、機関の上死点よ
りは進んだ回転角度位置で、第1のパルス信号と極性が
異なる第2のパルス信号Vs2を発生する。これら第1の
パルス信号Vs1及び第2のパルス信号Vs2の波形を機関
のクランク軸の回転角度θに対して示すと例えば図3
(A)に示す通りで、これらの信号が機関の回転角度位
置情報及び回転速度情報を得るための信号として用いら
れる。
【0044】なお図3に示した例では、第1のパルス信
号を負極性のパルス信号として、第2のパルス信号を正
極性のパルス信号としているが、両パルス信号が入力さ
れる回路の構成よっては、第1のパルス信号を正極性の
パルス信号とし、第2のパルス信号を負極性のパルス信
号としてもよい。
【0045】波形整形回路9は、抵抗R16ないしR21と
トランジスタTR7 及びTR8 と、コンデンサC3 及び
C4 と、ダイオードD5 ないしD7 とからなる公知の回
路で、パルサコイル8が発生する信号をマイクロコンピ
ュータ5等の後段の回路が認識し得る波形に変換する。
【0046】即ち、パルサコイル8が発生する負極性の
第1のパルス信号Vs1が基準位置でコンデンサC3 の両
端の電圧(ノイズ信号を阻止するためのバイアス電圧)
を超えると、パルサコイルからダイオードD6 及びD5
と抵抗R16及びコンデンサC3 の並列回路とを通して電
流が流れる。このときダイオードD6 の両端に生じる順
方向電圧降下によりトランジスタTR7 のベースエミッ
タ間が逆バイアスされる。従って、ダイオードD6 に所
定の順方向電流が流れている間トランジスタTR7 が遮
断状態になり、該トランジスタのコレクタエミッタ間に
パルス電圧が得られる。このパルス電圧は、点火時期の
計測を開始する基準位置を示す信号としてマイクロコン
ピュータの入力ポートA1 に与えられる。
【0047】また波形整形回路9においては、パルサコ
イル8が発生する正極性の第2のパルス信号がコンデン
サC4 の両端の電圧(ノイズ信号を阻止するためのバイ
アス電圧)を超えている間トランジスタTR8 が導通し
て、そのコレクタの電位を低下させる。
【0048】トランジスタTR8 のコレクタに得られる
信号は低速時点火信号供給回路10を通して点火回路の
放電用サイリスタThiのゲートに与えられている。図示
の低速時点火信号供給回路10は、エミッタが共通接続
されて電源コンデンサC1 の非接地側端子に接続された
PNPトランジスタTR9 及びTR10を備えていて、ト
ランジスタTR9 のベースが抵抗R22を通して波形整形
回路のトランジスタTR8 のコレクタに接続され、トラ
ンジスタTR9 のコレクタが抵抗R23とダイオードD8
とを通して放電用サイリスタThiのゲートに接続されて
いる。トランジスタTR10のコレクタはトランジスタT
R9 のベースに接続され、トランジスタTR10のコレク
タエミッタ間には抵抗R24が接続されている。トランジ
スタTR10のベースは抵抗R25を通して電源コンデンサ
C1 の非接地側端子に接続されるとともに、抵抗R26を
通してマイクロコンピュータ5のポートA3 に接続され
ている。マイクロコンピュータのポートA3 は抵抗R27
を通して電源コンデンサC1 の非接地側端子に接続され
ている。トランジスタTR9 及びTR10と、抵抗R22な
いしR26とダイオードD8 とにより低速時点火信号供給
回路10が構成されている。
【0049】リセットスイッチ6は、エミッタが接地さ
れたNPNトランジスタTR11と、トランジスタTR11
のベースエミッタ間に接続された抵抗R28と、トランジ
スタTR11のベースとマイクロコンピュータのボートA
4 との間に接続された抵抗R29とからなり、トランジス
タTR11のコレクタが微分コンデンサCd の一端に接続
されている。
【0050】本発明で新たに設けられた始動時リセット
回路11は、エミッタが電源コンデンサC1 の非接地側
端子に接続されたPNPトランジスタからなるリセット
制御用トランジスタTR12と、エミッタが接地されたN
PNトランジスタからなる始動時放電用トランジスタT
R13とを備えていて、トランジスタTR12のコレクタと
接地間に抵抗R30とR31の直列回路が接続され、抵抗R
30とR31との接続点にトランジスタTR13のベースが接
続されている。トランジスタTR12のエミッタベース間
に抵抗R32が接続され、トランジスタTR12のベースと
マイクロコンピュータのポートA5 との間に抵抗R33が
接続されている。トランジスタTR13のベースはアノー
ドを該トランジスタTR13側に向けたダイオードD9 を
通して発電コイル1とダイオードD1 のカソードとの接
続点に接続されている。トランジスタTR12およびTR
13と、抵抗R30ないしR33と、ダイオードD9 とにより
始動時リセット回路11が構成されている。
【0051】マイクロコンピュータのポートA6 は、点
火信号出力回路13を通して点火回路4の放電用サイリ
スタThiのゲートに接続され、この点火信号出力回路1
3とマイクロコンピュータ5とにより点火制御装置が構
成されている。点火信号出力回路13は、エミッタが接
地され、ベースが抵抗R35を通してマイクロコンピュー
タのポートA6 に接続されたNPNトランジスタTR14
と、トランジスタTR14のベースエミッタ間に接続され
た抵抗R36と、エミッタが電源コンデンサC1の非接地
側端子に接続され、ベースが抵抗R37を通してトランジ
スタTR14のコレクタに接続されたPNPトランジスタ
TR15と、トランジスタTR15のベースエミッタ間に接
続された抵抗R38と、トランジスタTR15のコレクタに
抵抗R39を通してアノードが接続されたダイオードD10
とからなり、ダイオードD10のカソードが放電用サイリ
スタThiのゲートに接続されている。
【0052】マイクロコンピュータ5は、電源コンデン
サC1 の両端の電圧を降圧して一定の直流電圧(通常は
5[V]の直流電圧)を発生する電源回路(図示せ
ず。)から電源電圧が与えられて動作する。
【0053】マイクロコンピュータ5は、所定のプログ
ラムを実行することにより、少なくとも、該マイクロコ
ンピュータの電源が確立しているときにポートA5 から
高レベルの電圧を電源確立確認信号として発生する電源
確立確認信号発生手段と、内燃機関の各回転速度におけ
る点火時期を演算して、演算した点火時期が検出された
時にポートA6 から高レベルの電圧を点火時期検出信号
として出力させる点火時期制御手段と、点火用コンデン
サCi の充電電圧が設定値に達した時にポートA4 から
高レベルの電圧を昇圧停止指令として出力させる昇圧停
止指令発生手段とを実現する。
【0054】電源確立確認信号発生手段は、マイクロコ
ンピュータの電源電圧が確立したときにポートA5 を出
力ポートとして働かせて該ポートA5 から高レベルの電
圧を電源確立確認信号として発生させるように構成され
る。マイクロコンピュータの電源が確立していない状態
にあるとき(この例ではマイクロコンピュータの電源端
子に与えられる電圧が5[V]未満のとき)には、ポー
トA5 が入力ポートとして働く状態にあって、該ポート
A5 の入力インピーダンスが大きい状態にある。このよ
うにポートA5 の入力インピーダンスが大きい状態を、
電源確立確認信号が発生していない状態としている。
【0055】点火時期制御手段は、例えば、パルサコイ
ル8から波形整形回路9を通してポートA1 に与えられ
る基準信号の発生間隔から機関の回転速度を検出する回
転速度検出手段と、検出された回転速度に対して機関の
点火時期を演算する点火時期演算手段と、パルサコイル
8が基準位置で第1のパルス信号Vs1を発生したことが
検出されたときに演算された点火時期の計測を開始し
て、演算された点火時期が計測されたときに、ポートA
6 の電位を上昇させて点火時期検出信号を発生させる点
火時期検出信号発生手段とにより構成される。
【0056】ポートA6 の電位が上昇すると(点火時期
検出信号が発生すると)、点火信号出力回路13のトラ
ンジスタTR14及びTR15が導通するため、電源コンデ
ンサC1 からトランジスタTR15のエミッタコレクタ間
と抵抗R39とダイオードD10とを通して放電用サイリス
タThiに点火信号Vi が与えられる。
【0057】昇圧停止指令発生手段は、充電電圧検出回
路12が出力する充電電圧検出信号を所定のサンプリン
グ周期でサンプリングして、サンプリングした充電電圧
検出信号から得られる点火用コンデンサCi の充電電圧
(端子電圧)を制限値と比較し、充電電圧が制限値を超
えたときにポートA4 から高レベルの電圧を昇圧停止指
令信号として発生させる。昇圧停止指令発生手段はま
た、点火動作時にサイリスタThiが転流することができ
なくなるのを防ぐために、放電用サイリスタThiが点火
信号Vi によりトリガされて導通する期間ポートA4 か
ら高レベルの電圧を昇圧停止指令信号として発生させ
る。
【0058】なお放電用サイリスタThiの転流の失敗を
防止するために発生させる昇圧停止指令信号は、点火動
作のために放電用サイリスタが導通している期間発生し
ている信号であればよく、例えば、機関の最大進角位置
よりも僅かに位相が進んだ位置で発生し、最小進角位置
よりも所定の角度遅れた位置で消滅する信号であっても
よい。
【0059】図示の例ではまた、マイクロコンピュータ
の電源電圧が確立したときにポートA3 から高レベルの
電圧を発生させ、機関の回転速度が設定値を超えたとき
に、該ポートA3 の電位を接地電位まで低下させるよう
になっている。
【0060】次に図1に示した内燃機関用点火装置の動
作を説明する。図1の点火装置において、機関の停止時
に微分コンデンサCd の電荷が零であるとし、電源コン
デンサC1 の両端に電圧が発生していないとする。この
状態では、トランジスタTR3 〜TR6 が遮断状態にあ
るため、FET F1 には駆動パルスが与えられない。
従ってFET F1 は遮断状態にあり、昇圧トランスT
sfの二次コイルW2 の両端の電圧は零になっている。
【0061】機関を始動するためにそのクランク軸が回
転させられると発電コイル1が電圧を誘起する。発電コ
イル1に電圧が誘起すると、発電コイル1からサイリス
タTh1を通して電源コンデンサC1 が図示の極性に充電
される。発電コイル1に誘起する電圧の波高値は機関の
回転速度の上昇に伴って高くなっていき、電源コンデン
サC1 の両端の電圧が上昇していく。
【0062】電源コンデンサC1 の両端に電圧が発生す
ると、DC−DCコンバータ3の微分コンデンサCd が
充電され、チョッパ用スイッチ3Aを構成するFETに
駆動パルスが与えられる。FET F1 に駆動パルスV
g が与えられると、該FETが導通して昇圧トランスT
sfに一次電流が流れ、駆動パルスVg が消滅するとFE
T F1 が遮断状態になる。FET F1 の遮断により
昇圧トランスの一次電流が消滅すると、該昇圧トランス
の二次コイルW2 に電圧が誘起するが、電源コンデンサ
の両端の電圧が低いときには、昇圧トランスに僅かな電
流しか流れず、駆動パルスが消滅した時に遮断される一
次電流の電流値が小さいため、昇圧トランスの二次コイ
ルに誘起する電圧は低い状態にある。このとき昇圧トラ
ンスの二次コイルから点火用コンデンサCi に流れる充
電電流は僅かであるため、二次電流検出用ダイオードD
3 の両端に生じる順方向電圧降下は低い値を示す。この
状態では、トランジスタTR1 が遮断状態にならないた
め、トランジスタTR2 は導通することができず、微分
コンデンサCd の放電は行われない。微分コンデンサC
d の放電が行われないと、次の駆動パルスが発生しない
ため、DC−DCコンバータ3は昇圧動作を行うことが
できない。
【0063】従来の点火装置では、点火制御装置5を構
成するマイクロコンピュータの電源が確立した時にその
ポートA4 の電位を高レベルにしてリセットスイッチ6
のトランジスタTR11を導通させることにより微分コン
デンサCd を放電させて駆動パルスの発生を継続させる
ようにしていたが、そのような構成ではマイクロコンピ
ュータの電源が確立するまでDC−DCコンバータ3が
昇圧動作を行わないため、点火動作が開始される回転速
度が高くなり、機関の始動性が悪くなる。
【0064】そこで本発明においては、始動時リセット
回路11を設けて、マイクロコンピュータの電源が確立
する前の状態でも駆動パルスを繰り返し発生させて、D
C−DCコンバータ3に昇圧動作を行わせるようにして
いる。
【0065】即ち、マイクロコンピュータの電源が確立
していない状態では、そのポートA5 の入力インピーダ
ンスが高くなっている(電源電圧確立信号を発生してい
ない)ため、電源コンデンサC1 の両端の電圧によりト
ランジスタTR12のエミッタコレクタ間と抵抗R33及び
R34とを通して電流が流れ、トランジスタTR12が導通
する。発電コイル1が図示の矢印方向と逆方向の負の半
サイクルの電圧を誘起しているときには、トランジスタ
TR12のエミッタコレクタ間を通して流れる電流がトラ
ンジスタTR13のベースに流れるため、該トランジスタ
TR13が導通する。従って微分コンデンサCd の電荷が
トランジスタTR13のコレクタエミッタ間を通して放電
する。発電コイル1が正の半サイクルの発生すると、ト
ランジスタTR12のエミッタコレクタ間と抵抗R30とを
通して流れる電流のほとんどがダイオードD9 と発電コ
イル1とを通して流れるため、トランジスタTR13が遮
断状態になり、微分コンデンサCd の充電を許容する状
態になる。このように、始動時リセット回路11を設け
ておくと、発電コイル1が負の半サイクル(一方の半サ
イクル)の電圧を発生したときにトランジスタTR13が
導通して微分コンデンサCd の電荷を放電させ、発電コ
イル1が正の半サイクル(他方の半サイクル)の電圧を
発生したときに微分コンデンサCd の充電を許容するた
め、機関の始動時に電源コンデンサC1 の両端の電圧が
低く、マイクロコンピュータが動作しない状態にあると
きにも微分コンデンサCd の充放電を繰り返し行わせ
て、チョッパ用スイッチ3Aに駆動パルスを繰り返し与
えることができ、DC−DCコンバータの昇圧動作を行
わせることができる。従って、機関の始動時にマイクロ
コンピュータが発生する指令により微分コンデンサの放
電を行わせてDC−DCコンバータの昇圧動作を開始さ
せる場合に比べて、昇圧動作が開始される回転速度を低
くすることができる。
【0066】マイクロコンピュータの電源電圧が確立す
ると、ポートA5 の電位が高くなるため、トランジスタ
TR12にベース電流が流れなくなり、該トランジスタT
R12が遮断状態になる。従って、トランジスタTR13は
遮断状態に保持され、始動時リセット回路11は働かな
くなる。
【0067】図示の例では、始動時放電用トランジスタ
TR13により始動時放電用スイッチが構成されている。
またダイオードD9 と発電コイル1とにより、磁石発電
機が一方の半サイクルの電圧を発生している時に電源回
路2からリセット制御用トランジスタTR12を通して前
記始動時放電用トランジスタTR13にベース電流が与え
られるのを許容し、磁石発電機が他方の半サイクルの電
圧を発生した時にリセット制御用トランジスタを通して
始動時放電用トランジスタTR13に与えられるベース電
流を該始動時放電用トランジスタから側路するベース電
流側路回路が構成され、このベース電流側路回路とリセ
ット制御用トランジスタTR12とにより始動時放電用ス
イッチ制御回路が構成されている。
【0068】点火用コンデンサCi は、DC−DCコン
バータ3が繰り返し発生する電圧により段階的に充電さ
れていき、点火用コンデンサCi の両端の電圧Vc は図
3(E)のように段階的に上昇していく。
【0069】点火用コンデンサCi の充電が進んでいく
と、該コンデンサCi に充電電流が流れる時間が短くな
っていくため、図3(C)に示すように、FET F1
に与えられる駆動パルスの発生間隔が短くなっていく。
従って、点火用コンデンサCi の充電間隔は充電が進む
に従って短くなっていき、該コンデンサCi の両端の電
圧(充電電圧)が上昇していく。
【0070】点火用コンデンサCi の充電電圧が制限値
に達すると、マイクロコンピュータ5のポートA4 の電
位が高くなって昇圧停止指令信号を発生するため、トラ
ンジスタTR11が導通し、微分コンデンサCd の電荷を
放電させるとともに、該コンデンサの充電を阻止する。
そのためチョッパ用スイッチ3Aに駆動パルスが与えら
れなくなり、昇圧動作が停止する。これにより点火用コ
ンデンサCi の充電が停止し、該コンデンサCi の充電
電圧が制限値を超えるのが防止される。
【0071】機関の回転速度が設定値以下になっている
低速時においては、マイクロコンピュータ5のポートA
3 の電位が高レベルになっているため、低速時点火信号
供給回路10のトランジスタTR10が遮断状態にある。
この状態でパルサコイル8が第2のパルス信号Vs2を発
生して波形整形回路9のトランジスタTR8 が導通する
と、トランジスタTR9 が導通するため、電源コンデン
サC1 からトランジスタTR9 のエミッタコレクタ間と
抵抗R23とダイオードD8 とを通して放電用サイリスタ
Thiのゲートに点火信号Vi が与えられる。
【0072】サイリスタThiに点火信号Vi が与えられ
ると、点火用コンデンサCi の電荷が該サイリスタと点
火コイルの一次コイルとを通して放電し、点火コイルの
二次コイルL2 に点火用の高電圧が誘起する。この高電
圧は点火プラグPに印加されるため、該点火プラグに火
花が生じて機関が点火される。
【0073】上記のようにして、機関の低速時には、パ
ルサコイル8が機関の上死点付近で第2のパルス信号V
s1を発生した時に点火動作が行なわれる。
【0074】機関の回転速度が設定値を超えると、マイ
クロコンピュータ5がそのポートA3 の電位を接地電位
まで低下させ、低速時点火信号供給回路10のトランジ
スタTR10を導通状態に保持する。これにより、トラン
ジスタTR9 の導通が阻止されるため、機関の回転速度
が設定値を超える領域で低速時点火信号供給回路10か
ら点火回路4に点火信号が供給されるのが禁止される。
【0075】機関の回転速度が設定値を超える領域で
は、マイクロコンピュータ5がポートA6 の電位を高レ
ベルにしたときに、点火回路4のサイリスタThiに点火
信号Vi (図3D)が与えられて点火動作が行われ、点
火時期が機関の回転速度等の制御条件に対して制御され
る。
【0076】点火動作が行われる区間においては、マイ
クロコンピュータのポートA4 の電位が高レベルになっ
て昇圧停止指令信号が発生するため、リセットスイッチ
6のトランジスタTR11が導通して微分コンデンサCd
を放電させるとともに、該コンデンサの充電を阻止し、
DC−DCコンバータ3の動作が停止する。従ってサイ
リスタThiのターンオフは確実に行なわれる。
【0077】機関の回転速度の上昇に伴って、発電コイ
ル1の出力電圧が電源コンデンサC1 の両端の電圧の設
定値を超えるようになると、発電コイル1の出力電圧の
波高値が設定電圧を超えた時に電源回路2のツェナーダ
イオードZD1 が導通してサイリスタTh1へのトリガ信
号の供給を阻止するため、電源コンデンサC1 の充電が
停止する。従って、機関がある程度以上の回転速度で回
転している状態では、電源コンデンサC1 の両端の電圧
が設定値に保たれる。
【0078】上記のように、昇圧トランスTsfの二次電
流を検出して該二次電流が所定のしきい値未満であると
き(または該二次電流が零であるとき)にチョッパ用ス
イッチに所定のパルス幅の駆動パルスを与えて、昇圧ト
ランスに一次電流を流す過程と、駆動パルスVd の消滅
により昇圧トランスの一次電流が遮断したときに昇圧ト
ランスの二次コイルに誘起する電圧で点火用コンデンサ
Ci を一方の極性に充電する過程とを繰り返すようにD
C−DCコンバータ3を構成すると、昇圧トランスに二
次電流が流れているとき、即ち昇圧トランスの鉄心に磁
束が流れているときに一次電流が流れないため、昇圧ト
ランスの一次電流が大きくなって該トランスでの消費電
力が増大するのを防いでDC−DCコンバータの効率を
高くすることができ、昇圧トランスの発熱が増大した
り、チョッパ用スイッチでの発熱が増大したりするのを
防ぐことができる。
【0079】上記のように構成すると、昇圧トランスの
二次電流が零になった後直ちに一次電流が流れるため、
昇圧トランスの負荷が小さくなる(点火用コンデンサの
充電が進んで充電電流が流れる時間が短くなる)につれ
て、チョッパ用スイッチのオンオフの周波数が高くなっ
ていく。従って機関の高速時に点火用コンデンサの両端
の電圧をほぼ直線的に上昇させることができ、点火用コ
ンデンサの充電効率を向上させることができる。
【0080】上記の例では、チョッパ用スイッチとして
FETを用いたが、トランジスタ等の他のオンオフ制御
が可能なスイッチ素子を用いて、チョッパ用スイッチを
構成することができるのはもちろんである。
【0081】図1に示した例では、発電コイル1の半波
整流出力で電源コンデンサC1 を充電するように電源回
路2を構成したが、図2に示したように、磁石発電機内
に設けた発電コイル1の出力を全波整流して電源コンデ
ンサC1 を充電するように電源回路2を構成することも
できる。
【0082】図2に示した例では、発電コイル1の出力
電圧がダイオードDa ないしDd からなるダイオードブ
リッジ全波整流回路2Aに入力され、該整流回路の出力
電圧が電源コンデンサC1 に印加されている。発電コイ
ル1の一端と接地間及び他端と接地間にそれぞれカソー
ドを接地側に向けたサイリスタTha及びThbが接続さ
れ、電圧調整回路2BからサイリスタTha及びThbのゲ
ートにトリガ信号が与えられるようになっている。電圧
調整回路2Bは電源コンデンサC1 の両端の電圧を検出
する電圧検出回路と、該電圧検出回路が検出した電圧が
設定値を超えたときにサイリスタTha及びThbにトリガ
信号を与える回路とからなっていて、電源コンデンサC
1 の両端の電圧が設定値を超えたときにサイリスタTha
及びThbにトリガ信号を与える。電源コンデンサの両端
の電圧が設定値を超えたときには、サイリスタTha及び
ダイオードDd の直列回路を通して発電コイルの正の半
サイクルの電圧が短絡され、サイリスタThb及びダイオ
ードDc の直列回路を通して発電コイル1の負の半サイ
クルの電圧が短絡されるため、電源コンデンサC1 の充
電が阻止される。電源コンデンサC1 の両端の電圧が設
定値以下になるとサイリスタTha及びThbへのトリガ信
号の供給が停止されるため、サイリスタTha及びThbの
それぞれのアノードの電位がカソードに対して負になっ
た時にサイリスタTha及びThbが遮断状態になって電源
コンデンサC1 の充電が再開される。これらの動作によ
り電源コンデンサC1 の両端の電圧が設定値以下に保た
れる。
【0083】図2に示した例ではまた、発電コイル1の
ダイオードD9 が接続された端子と反対側の端子と接地
間に抵抗値が十分に小さい抵抗R40が接続され、この抵
抗R40と抵抗R30ないしR33とトランジスタTR12及び
TR13とにより始動時リセット回路11が構成されてい
る。その他の点は図1の点火装置と全く同様に構成され
ている。
【0084】図2に示した点火装置においては、機関の
始動時に発電コイル1が図示の矢印と反対方向の負の半
サイクルの電圧を発生したときにトランジスタTR12を
通してトランジスタTR13にベース電流が与えられて該
トランジスタTR13が導通し、微分コンデンサCd を放
電させる。発電コイル1が正の半サイクルの電圧を発生
すると、トランジスタTR12を通して流れる電流のほと
んどが抵抗R30とダイオードD9 と発電コイル1と抵抗
R40とを通して流れるため、トランジスタTR13が遮断
状態になる。その他の構成及び動作は図1に示した点火
装置のそれと同様である。
【0085】図4は図2に示した点火装置の各部の電圧
波形を機関のクランク軸の回転角度θに対して示したも
ので、同図(A)はパルサコイル8が発生するパルス信
号の波形を示し、同図(B)はFETに与えられる駆動
パルスの波形を示している。また図4(C)は点火制御
装置5から点火回路に与えられる点火信号を示し、同図
(D)は点火用コンデンサの両端の電圧の波形を示して
いる。
【0086】上記の各例では、電源コンデンサC1 の両
端の電圧を直接各部の電源端子(抵抗R7 の微分コンデ
ンサCd と反対側の端子、トランジスタTR9 のエミッ
タ、トランジスタTR11のエミッタ、抵抗R4 のトラン
ジスタTR1 と反対側の端子等)に電源電圧として印加
しているが、電源コンデンサC1 の両端の電圧を更に他
の安定化電源回路に入力して該安定化電源回路の出力を
各部の電源端子に印加するように構成してもよい。
【0087】上記の例では、磁石発電機が一方の半サイ
クルの出力電圧を発生しているときに始動時放電用スイ
ッチ(上記の例ではトランジスタTR13)を導通させ、
電源確立確認信号が発生していない状態で磁石発電機が
他方の半サイクルの出力電圧を発生しているときに始動
時放電用スイッチを遮断状態にし、電源確立確認信号が
発生している時には始動時放電用スイッチを遮断状態に
保つように始動時放電用スイッチを制御するように始動
時放電用スイッチ制御回路を構成したが、始動時放電用
スイッチ制御回路は、電源確立確認信号が発生していな
い状態で磁石発電機が出力電圧を発生した時に、始動時
放電用スイッチを磁石発電機の出力に同期して繰返し導
通させるように構成されればよく、その具体的な構成は
上記した例に限定されない。
【0088】例えば、電源確立確認信号が発生していな
い状態で磁石発電機が出力電圧を発生した時に、磁石発
電機の一方の半サイクルの出力のピークを検出して、該
一方の半サイクルのピーク位置から次の零点の位置まで
始動時放電用スイッチを導通させるように構成してもよ
い。
【0089】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マイク
ロコンピュータの電源が確立しているときに電源確立確
認信号を発生する電源確立確認信号発生手段と、導通し
た際にDC−DCコンバータの発振を制御する微分コン
デンサの電荷を放電させるように設けられた始動時放電
用スイッチと、電源確立確認信号が発生していない状態
で磁石発電機が出力電圧を発生した時に、該磁石発電機
の出力に同期して始動時放電用スイッチを繰返し導通さ
せる始動時放電用スイッチ制御回路とを設けたので、マ
イクロコンピュータの電源電圧が確立する前の状態で
も、発電コイルが出力電圧を発生すると微分コンデンサ
が周期的に放電させられてチョッパ用スイッチの駆動パ
ルスが発生する。従って、マイクロコンピュータの電源
が確立する以前にDC−DCコンバータの昇圧動作を開
始させて、点火用コンデンサを充電することができるの
で、マイクロコンピュータの電源が確立した後に、該マ
イクロコンピュータから発生させた指令に基づいて微分
コンデンサの電荷を放電させていた従来の点火装置より
も機関の点火動作開始回転速度を低くすることができ、
機関の始動性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる点火装置の一構成例を示した回
路図である。
【図2】本発明に係わる点火装置の他の構成例を示した
回路図である。
【図3】図1の点火装置の各部の電圧波形を示した波形
図である。
【図4】図2の点火装置の各部の電圧波形を示した波形
図である。
【符号の説明】
1…磁石発電機の発電コイル、2…電源回路、3…DC
−DCコンバータ、3A…チョッパ用スイッチ、4…点
火回路、5…マイクロコンピュータ、6…リセットスイ
ッチ、8…パルサコイル、9…波形整形回路、10…低
速時点火信号供給回路、11…始動時リセット回路、1
2…充電電圧検出回路、13…点火信号出力回路、 F
1 …FET(チョッパ用スイッチ)、C1 …電源コンデ
ンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と同期回転する磁石式交流発電
    機内に設けられて正負の半サイクルの電圧を誘起する発
    電コイルと、 前記発電コイルの出力を整流して設定値以下の直流電圧
    を発生する電源回路と、 前記電源回路が発生する直流電圧が一次コイルに印加さ
    れる昇圧トランスと、駆動パルスが与えられている間オ
    ン状態になって前記電源回路から昇圧トランスに一次電
    流を流し、前記駆動パルスが消滅した時にオフ状態にな
    って該一次電流を遮断するチョッパ用スイッチと、前記
    電源回路から充電電流が与えられて一定の時定数で充電
    される微分コンデンサを有して該微分コンデンサに充電
    電流が流れている時間に相当するパルス幅のパルスを前
    記駆動パルスとして前記チョッパ用スイッチに与えるチ
    ョッパ用スイッチ駆動回路と、前記昇圧トランスにしき
    い値以上の二次電流が流れたときに微分コンデンサをほ
    ぼ瞬時に放電させるとともに該二次電流がしきい値以上
    になっている期間前記微分コンデンサの充電を阻止する
    微分コンデンサ放電回路とを備えて、前記チョッパ用ス
    イッチのオンオフにより前記電源回路が発生する直流電
    圧を昇圧するDC−DCコンバータと、 点火コイルと、該点火コイルの1次側に設けられて前記
    DC−DCコンバータの出力で一方の極性に充電される
    点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通
    して前記点火用コンデンサの電荷を前記点火コイルの1
    次コイルを通して放電させる放電用サイリスタとを備え
    て、前記点火用コンデンサの電荷の放電により前記点火
    コイルの二次コイルに点火用の高電圧を発生させる点火
    回路と、 前記電源回路を電源として動作するマイクロコンピュー
    タを備えていて該マイクロコンピュータにより演算した
    内燃機関の点火時期に前記放電用サイリスタに点火信号
    を与える点火制御装置とを備えたコンデンサ放電式内燃
    機関用点火装置において、 前記マイクロコンピュータの電源が確立しているときに
    電源確立確認信号を発生する電源確立確認信号発生手段
    と、 導通した際に前記微分コンデンサの電荷を放電させるよ
    うに設けられた始動時放電用スイッチと、 前記電源確立確認信号が発生していない状態で前記磁石
    発電機が出力電圧を発生した時に、前記始動時放電用ス
    イッチを前記磁石発電機の出力に同期して繰返し導通さ
    せる始動時放電用スイッチ制御回路とを具備したことを
    特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関と同期回転する磁石式交流発電
    機内に設けられて正負の半サイクルの電圧を誘起する発
    電コイルと、 前記発電コイルの出力を整流して設定値以下の直流電圧
    を発生する電源回路と、 前記電源回路が発生する直流電圧が一次コイルに印加さ
    れる昇圧トランスと、駆動パルスが与えられている間オ
    ン状態になって前記電源回路から昇圧トランスに一次電
    流を流し、前記駆動パルスが消滅した時にオフ状態にな
    って該一次電流を遮断するチョッパ用スイッチと、前記
    電源回路から充電電流が与えられて一定の時定数で充電
    される微分コンデンサを有して該微分コンデンサに充電
    電流が流れている時間に相当するパルス幅のパルスを前
    記駆動パルスとして前記チョッパ用スイッチに与えるチ
    ョッパ用スイッチ駆動回路と、前記昇圧トランスにしき
    い値以上の二次電流が流れたときに微分コンデンサをほ
    ぼ瞬時に放電させるとともに該二次電流がしきい値以上
    になっている期間前記微分コンデンサの充電を阻止する
    微分コンデンサ放電回路とを備えて、前記チョッパ用ス
    イッチのオンオフにより前記電源回路が発生する直流電
    圧を昇圧するDC−DCコンバータと、 点火コイルと、該点火コイルの1次側に設けられて前記
    DC−DCコンバータの出力で一方の極性に充電される
    点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通
    して前記点火用コンデンサの電荷を前記点火コイルの1
    次コイルを通して放電させる放電用サイリスタとを備え
    て、前記点火用コンデンサの電荷の放電により前記点火
    コイルの二次コイルに点火用の高電圧を発生させる点火
    回路と、 前記電源回路を電源として動作するマイクロコンピュー
    タを備えていて該マイクロコンピュータにより演算した
    内燃機関の点火時期に前記放電用サイリスタに点火信号
    を与える点火制御装置とを備えたコンデンサ放電式内燃
    機関用点火装置において、 前記マイクロコンピュータの電源が確立しているときに
    電源確立確認信号を発生する電源確立確認信号発生手段
    と、 導通した際に前記微分コンデンサの電荷を放電させるよ
    うに設けられた始動時放電用スイッチと、 前記電源確立確認信号が発生していない状態で前記磁石
    発電機が一方の半サイクルの出力電圧を発生していると
    きに前記始動時放電用スイッチを導通させ、前記電源確
    立確認信号が発生していない状態で前記磁石発電機が他
    方の半サイクルの出力電圧を発生しているときに前記始
    動時放電用スイッチを遮断状態にし、前記電源確立信号
    が発生している時には前記始動時放電用スイッチを遮断
    状態に保つように前記始動時放電用スイッチを制御する
    始動時放電用スイッチ制御回路とを具備したことを特徴
    とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記始動時放電用スイッチは、導通した
    際に前記微分コンデンサの充電電流を該微分コンデンサ
    から側路するように設けられた始動時放電用トランジス
    タからなり、 前記始動時放電用スイッチ制御回路は、 前記電圧確立確認信号が発生していない状態にあるとき
    に導通して前記電源回路から始動時放電用トランジスタ
    にベース電流を流し、前記電圧確立確認信号が発生した
    時に遮断状態になって前記始動時放電用トランジスタへ
    のベース電流の供給を停止するリセット制御用トランジ
    スタと、 前記磁石発電機が一方の半サイクルの電圧を発生してい
    る時には前記電源回路から前記リセット制御用トランジ
    スタを通して前記始動時放電用トランジスタにベース電
    流が与えられるのを許容し、前記磁石発電機が他方の半
    サイクルの電圧を発生した時に前記リセット制御用トラ
    ンジスタを通して前記始動時放電用トランジスタに与え
    られるベース電流を該始動時放電用トランジスタから側
    路するベース電流側路回路とを備えている請求項2に記
    載のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
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