JP4412058B2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 Download PDF

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Description

本発明は、発電機の整流出力をDC−DCコンバータで昇圧して得た直流電圧で点火用コンデンサを充電するコンデンサ放電式内燃機関用点火装置に関するものである。
コンデンサ放電式の内燃機関用点火装置は、点火コイルと、点火コイルの一次側に設けられて、点火電源部から得られる二百数十ボルトの電圧で一方の極性に充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときにオン状態になって点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチと、内燃機関の点火時期に放電用スイッチに点火信号を与える点火制御部とにより構成される。
この種の点火装置では、点火電源部から得られる二百数十ボルトの直流電圧で点火用コンデンサが充電された後、内燃機関の点火時期に、点火用コンデンサに蓄積された電荷が放電用スイッチと点火コイルの一次コイルとを通して放電させられる。この放電により点火コイルの一次コイルに誘起した高い電圧が、点火コイルの一次、二次間の昇圧比により昇圧されて、点火コイルの二次コイルに30[kV]程度の点火用高電圧が誘起させられる。この点火用高電圧は機関のシリンダに取り付けられた点火プラグに印加されるため、点火プラグで火花放電が生じ、機関が点火される。
コンデンサ放電式の点火装置で用いる点火電源部としては、内燃機関により駆動される交流発電機内に十分に多くの巻数を持って設けられて点火用コンデンサを充電するために必要な波高値を有する交流電圧を出力するエキサイタコイルと、このエキサイタコイルの交流出力の半波を取り出して点火用コンデンサに印加するダイオードとからなるもの、内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力により充電されるバッテリから得られる12[V]の電圧をDC−DCコンバータ(直流昇圧回路)により昇圧して点火用コンデンサを充電するために必要な大きさの直流電圧を得るようにしたもの、及び機関により駆動される交流発電機内に設けられた比較的巻数が少ない発電コイルの整流出力により充電された電源コンデンサの両端の電圧をDC−DCコンバータにより昇圧するようにしたもの等が用いられている。
本発明では、内燃機関により駆動される交流発電機内に設けられた発電コイルの整流出力により充電された電源コンデンサの両端の電圧をDC−DCコンバータで昇圧することにより得た電圧で点火用コンデンサを充電するようにしたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置(AC−DC−CDI式内燃機関用点火装置)を対象とする。
点火電源部に用いるDC−DCコンバータは、特許文献1に示されているように、一次コイルに直流電圧が印加される昇圧トランスと、昇圧トランスの一次コイルに対して直列に接続されたチョッパ用スイッチと、チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路と、昇圧トランスの二次コイルに誘起する電圧を整流する整流器とを備えていて、チョッパ用スイッチのオンオフにより昇圧トランスの一次電流を断続させることによって昇圧トランスの二次コイルに昇圧された電圧を誘起させ、この誘起電圧を整流器を通して直流電圧として取り出すように構成されている。
特開2002−161839号公報(図1及び図2)
上記のようなDC−DCコンバータにおいては、チョッパ用スイッチをオン状態からオフ状態にする際に昇圧トランスに流れている一次電流の大きさ(一次電流の遮断値)により昇圧性能が決まる。昇圧トランスに大きな一次電流が流れている状態でチョッパ用スイッチをオフ状態にすると昇圧トランスの二次側に高い電圧を得ることができるが、昇圧トランスに小さい一次電流しか流れていない状態では、チョッパ用スイツチをオフ状態にした際に昇圧トランスの二次コイルに十分に高い電圧を誘起させることができない。
DC−DCコンバータから得られる電圧は、パルス波形の電圧であるため、DC−DCコンバータの出力により点火用コンデンサを充電して該点火用コンデンサに十分なエネルギを蓄積するためには、点火用コンデンサを充電する回数と、DC−DCコンバータの出力電圧の波高値(DC−DCコンバータの昇圧性能)とを適宜に設定する必要がある。点火コイルの充電に用いることができる期間(充電期間)は、機関の回転速度の上昇に伴って短くなっていくため、点火用コンデンサを充電する回数は、機関の回転速度の上昇に伴って少なくなっていく。機関の高速回転時に十分な点火性能を得るためには、限られた充電回数で、点火用コンデンサを十分に高い電圧まで充電することができるように、DC−DCコンバータの昇圧性能を十分に高くしておく必要がある。即ち、機関の回転速度が最大値に達したときに、限られた充電期間内に点火用コンデンサを十分に高い電圧まで充電することができるように、DC−DCコンバータの昇圧トランスに流す一次電流の大きさを十分に大きく設定して、DC−DCコンバータの昇圧性能を高めておく必要がある。
特許文献1に示されているように、内燃機関により駆動される発電機の出力で充電されるバッテリの電圧をDC−DCコンバータで昇圧する構成をとる場合には、機関の回転速度が最大値に達したときに確保し得る充電期間内に点火用コンデンサを十分に高い電圧まで充電することができるように、DC−DCコンバータの昇圧トランスに流す一次電流の大きさを設定しておくことにより、機関の低速回転時から高速回転時まで点火用コンデンサに十分なエネルギを蓄積して満足な点火性能を得ることができる。
しかしながら、特許文献1(図2)も示されているように、バッテリが搭載されない内燃機関駆動車両や内燃機関駆動発電機等において、機関により駆動される交流発電機内に設けられた発電コイルの整流出力で充電された電源コンデンサの両端の電圧をDC−DCコンバータにより昇圧する構成をとる場合には、機関の低速回転時からDC−DCコンバータの昇圧トランスに大きな一次電流を流すように設定しておくと、以下に示す理由で電源コンデンサとして静電容量が非常に大きいものを用いることが必要になり、点火装置が大形化する上に、そのコストが高くなるという問題が生じる。
即ち、機関の低速回転時には、発電機の出力の1サイクルの期間が長くなるため、電源コンデンサの充電周期(充電間隔)が長くなり、点火用コンデンサを充電するためにDC−DCコンバータが昇圧動作を行う期間に行われる電源コンデンサの充電回数が少なくなるため、電源コンデンサがほとんど充電されない状態で、電源コンデンサからDC−DCコンバータの昇圧トランスに一次電流が供給されることになる。そのため、機関の低速回転時に電源コンデンサからDC−DCコンバータの昇圧トランスに高速回転時と同じ大きな一次電流を流すように設定した場合には、昇圧動作を行う期間(点火用コンデンサを充電する期間)が開始された後、最初の昇圧動作が行われた際に電源コンデンサの両端の電圧が大きく低下してしまい、その後に行われる昇圧動作時に電源コンデンサからDC−DCコンバータの昇圧トランスに十分な一次電流を流すことができなくなる。このような状態が生じると、DC−DCコンバータが昇圧動作を開始した後、最初に発生するDC−DCコンバータの出力電圧は高くても、その後に発生する出力電圧が大きく落ち込むため、点火用コンデンサに蓄積するエネルギが不足し、点火性能が低下する。これを避けるためには、電源コンデンサとして静電容量が非常に大きいものを用いることが必要になり、点火装置が大形化したり、そのコストが高くなったりするのを避けられなかった。
本発明の目的は、機関の低速回転時に電源コンデンサからDC−DCコンバータに流す電流を制限して、DC−DCコンバータの昇圧性能を抑制しつつ昇圧動作を行わせることにより昇圧動作中に電源コンデンサの両端の電圧が大きく落ち込むのを防ぎ、電源コンデンサとして特に静電容量が大きいものを用いなくても、機関の低速回転時に点火用コンデンサに十分なエネルギを蓄積して、満足な点火性能を得ることができるようにしたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、該電源コンデンサの両端の電圧を昇圧するDC−DCコンバータと、点火コイルと、該点火コイルの一次側に設けられてDC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して点火用コンデンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を対象とする。
本発明においては、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流が、内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れる電流の最大値よりも小さく設定された制限値を超えないように制御してDC−DCコンバータの昇圧性能を抑制し、回転速度が設定値以上であるときに電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流が制限値を超えるのを許容してDC−DCコンバータの昇圧性能の抑制を解除するように、内燃機関の回転速度に応じて電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れる電流を制御して、DC−DCコンバータの昇圧性能を切り換えるコンバータ昇圧性能切換制御部を設けた。
上記のように、コンバータ昇圧性能切換制御部を設けて、機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに、電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流が、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流の最大値よりも小さく設定された制限値を超えないように制御してDC−DCコンバータの昇圧性能を抑制するようにしておくと、電源コンデンサに蓄積されたエネルギをゆっくりと放出させながら昇圧動作を行わせることになるため、昇圧動作が開始された後、電源コンデンサの両端の電圧が大きく落ち込むことがなくなり、各昇圧動作時において昇圧トランスに過不足なく一次電流を流して、DC−DCコンバータから高い電圧を出力させることができる。
上記のように、内燃機関の低速回転時にDC−DCコンバータの昇圧性能を抑制すると、機関の低速回転時にDC−DCコンバータが1回の昇圧動作で出力する電圧は、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときにDC−DCコンバータが出力する電圧よりは低くなるが、機関の低速回転時には点火用コンデンサの充電に使うことができる時間が長いため、電源コンデンサに蓄積されたエネルギをゆっくりと放出させてDC−DCコンバータの昇圧動作を多数回行わせることにより、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができる。従って本発明によれば、電源コンデンサとして特に大容量のものを用いなくても、機関の低速回転時に点火用コンデンサに十分なエネルギを蓄積して、機関の始動性を良好にし、機関の低速回転を安定に行わせるために必要な点火性能を得ることができる。
通常DC−DCコンバータは、内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えていて、昇圧トランスの一次電流を遮断した際に昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるように構成されている。
DC−DCコンバータがこのように構成されている場合、上記コンバータ昇圧性能切換制御部は、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに、昇圧トランスの一次電流の遮断値を内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも低く設定された制限値以下に制限するように制御してDC−DCコンバータの昇圧性能を抑制し、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスの一次電流の遮断値が制限値を超えるのを許容してDC−DCコンバータの昇圧性能の抑制を解除すべく、内燃機関の回転速度に応じて昇圧トランスの一次電流の遮断値を制御してDC−DCコンバータの昇圧性能を切り換えるように構成するのが好ましい。
上記コンバータ昇圧性能切換制御部は、昇圧トランスの一次電流を検出する一次電流検出回路と、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、一次電流検出回路により検出された一次電流が、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスに流れる一次電流の最大値よりも低く設定された第1の制限値を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にすることにより昇圧トランスの一次電流を第1の制限値以下に制限し、内燃機関の回転速度が設定値を超えているときには一次電流検出回路により検出された一次電流が第1の制限値よりも大きい値に設定された第2の制限値を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にして昇圧トランスに流れる一次電流を第2の制限値以下に制限する昇圧トランス一次電流制御回路とにより構成することができる。
上記コンバータ昇圧性能切換制御部はまた、昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスに流れる一次電流の最大値よりも小さく設定された制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生する基準信号発生回路と、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに一次電流検出信号を基準信号と比較して該一次電流検出信号が基準信号を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にするスイッチ遮断回路とを備えた構成とすることもできる。
上記コンバータ昇圧性能切換制御部はまた、昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスの一次コイルに流れる一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を第1の基準信号として発生し、回転速度が設定値以上であるときには回転速度が設定値以上である時に昇圧トランスに流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさよりも更に大きいの信号を第1の基準信号として発生する第1の基準信号発生回路と、一次電流検出信号を第1の基準信号と比較して該一次電流検出信号が第1の基準信号を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第1のスイッチ遮断回路と、第2の制限値に相応する大きさの信号を第2の基準信号として発生する第2の基準信号発生回路と、一次電流検出信号を第2の基準信号と比較して該一次電流検出信号が第2の基準信号を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第2のスイッチ遮断回路とを備えた構成とすることもできる。
上記コンバータ昇圧性能切換制御部はまた、昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときの昇圧トランスの一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生し、回転速度が設定値以上であるときには該回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスの一次コイルに流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生する基準信号発生回路と、一次電流検出信号を基準信号と比較して該一次電流検出信号が基準信号を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にするスイッチ遮断回路とを備えた構成とすることもできる。
以上のように、本発明によれば、コンバータ昇圧性能切換制御部を設けて、機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに、電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流が、内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れ込む電流の最大値よりも小さく設定された制限値を超えないように制御して、DC−DCコンバータの昇圧性能を抑制するようにしたので、機関の回転速度が設定値未満であるときに点火用コンデンサを充電する際に電源コンデンサの両端の電圧が大きく落ち込んでDC−DCコンバータの出力電圧が大きく低下するのを防ぐことができ、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができる。
従って、本発明によれば、電源コンデンサとして特に大容量のものを用いなくても、機関の低速回転時に点火用コンデンサに十分なエネルギを蓄積して、始動時及び低速回転時に必要な点火性能を得ることができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の一構成例を示したもので、この例では、内燃機関が2気筒2サイクル機関であるとしている。図1において1は、内燃機関により駆動される磁石式交流発電機、2は点火コイル、3は電子式制御ユニット(ECU)であり、ECU3内にはマイクロプロセッサ4が設けられている。
交流発電機1は、機関のクランク軸に取付けられた磁石回転子1Aと、発電コイルW1を有する固定子1Bとからなり、機関の回転に同期して発電コイルW1から交流電圧を出力する。磁石回転子1Aの回転子ヨークの外周には、該回転子の周方向に延びる円弧状の突起からなる第1及び第2のリラクタr1及びr2が180°の角度間隔をもって設けられている。磁石回転子1Aの近傍には、リラクタr1及びr2の回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出してパルスを発生するパルサ5が設けられている。
発電コイルW1の出力電圧は、全波整流回路と該整流回路の出力電圧が設定値を超えないように制御するレギュレータとを備えた電圧調整機能付きの整流電源回路6に入力されている。整流電源回路6の負極側の出力端子は接地され、該整流電源回路の正極側出力端子と接地間に電源コンデンサC1が接続されている。電源コンデンサC1は、整流電源回路6の出力電圧により該整流電源回路の出力電圧のピーク値(この例では12[V])まで充電される。
整流電源回路6の出力電圧は定電圧電源回路7に入力されている。定電圧電源回路7は、整流電源回路6のが出力する12[V]の直流電圧をマイクロプロセッサの電源電圧として適した一定の電圧Vcc(この例では5[V])に変換する回路で、定電圧電源回路7の出力端子間にはコンデンサC2が接続されている。コンデンサC2の両端に得られる電圧Vccは、マイクロプロセッサ4の電源端子に与えられると共に、後述するコンバータ昇圧性能切換制御部の電源端子に与えられる。
パルサ5は、磁石回転子のヨークの外周に設けられた第1及び第2のリラクタr1及びr2のそれぞれの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジを検出したときに極性が異なるパルスを発生する。パルサ5が第1のリラクタr1の回転方向の前端側エッジを検出したときに発生するパルスは機関の第1気筒の点火時期の計測を開始する第1気筒用の基準クランク角位置を検出するためのパルスである第1の基準パルスとして用いられ、パルサ5が第2のリラクタr2の回転方向の前端側エッジを検出したときに発生するパルスは機関の第2気筒の点火時期の計測を開始する第2気筒用の基準クランク角位置を検出するためのパルスである第2の基準パルスとして用いられる。
またパルサ5が第1のリラクタr1の回転方向の後端側エッジを検出したときに発生するパルスは機関の始動時における第1気筒の点火時期を定める信号として用いられ、パルサ5が第2のリラクタr2の回転方向の後端側エッジを検出したときに発生するパルスは機関の始動時における第2気筒の点火時期を定めるための信号として用いられる。
即ち、機関のクランク角位置が第1気筒用の基準クランク角位置に一致したとき、及び機関のクランク角位置が第2気筒用の基準クランク角位置に一致したときにそれぞれパルサ5が第1のリラクタr1の回転方向の前端側エッジ及び第2のリラクタr2の回転方向の前端側エッジを検出して第1の基準パルス及び第2の基準パルスを発生し、機関のクランク角位置が第1気筒の始動時の点火時期に相当するクランク角位置及び第2気筒の始動時の点火時期に相当するクランク角位置にそれぞれ一致したときにパルサ5が第1のリラクタr1の回転方向の後端側エッジ及び第2のリラクタr2の回転方向の後端側エッジを検出して機関の始動時における第1気筒及び第2気筒の点火時期を定めるためのパルスを発生するように、リラクタr1及びr2のそれぞれの極弧角と、リラクタr1及びr2に対するパルサ5の配設位置とが設定されている。
パルサ5がリラクタr1及びr2の回転方向の前端側エッジを検出したときに発生する第1及び第2の基準パルスは、波形整形回路8によりマイクロプロセッサが認識し得る波形の信号に変換されてマイクロプロセッサ(MPU)4のポートA1に入力されている。またパルサ5がリラクタr1及びr2の回転方向の後端側エッジを検出したときに発生するパルスは、波形整形回路8によりマイクロプロセッサが認識し得る波形の信号に変換されてマイクロプロセッサ(MPU)4のポートA2に入力されている。
マイクロプロセッサ4は、例えばポートA1に入力されるパルスの発生間隔から機関が1回転するのに要する時間を回転速度検出用計時データとして求め、この計時データから機関の回転速度を演算する。
点火コイル2は、一次コイル2a及び二次コイル2bを有していて、該二次コイル2bの一端及び他端が、内燃機関の第1気筒及び第2気筒にそれぞれ取り付けられた第1及び第2の点火プラグPL1及びPL2の非接地側端子に高圧コードを通して接続されている。点火コイル2の一次コイル2aの一端は接地され、該一次コイルの他端に点火用コンデンサCiの一端が接続されている。点火用コンデンサCiの他端と接地間にカソードを接地側に向けたサイリスタThiが接続され、このサイリスタThiにより放電用スイッチ9が構成されている。点火用コンデンサCiの一端と接地間にはダンパダイオードD1が、そのカソードを接地側に向けて接続されている。ダンパダイオードD1は、点火用コンデンサCiの放電をDC放電(放電電流が正負に交番することがない放電)とするために設けられている。
マイクロプロセッサ4は、パルサ5から得られるパルスの発生間隔から検出した機関の回転速度に対して、機関の点火時期を演算する。そして、パルサ5が第1の基準パルスを発生したとき及び第2の基準パルスを発生したときにそれぞれ機関の第1気筒及び第2気筒の点火時期の計測を開始して、第1気筒の点火時期及び第2気筒の点火時期をそれぞれ検出したときにポートA5から点火指令を発生する。マイクロプロセッサのポートA5には、点火信号出力回路10の入力端子が接続され、該点火指令出力回路10の出力端子がサイリスタThiのゲートに接続されている。点火指令出力回路10は、マイクロプロセッサが点火指令を発生したときにサイリスタThiのゲートに点火信号Vgを与える。
電源コンデンサC1の両端の電圧を昇圧して点火用コンデンサCiを充電するための二百数十ボルトの電圧を得るために、DC−DCコンバータ11が設けられている。図示のDC−DCコンバータ11は、一次コイル12a及び二次コイル12bを有して、一次コイル12aの一端が電源コンデンサC1の正極側端子に接続された昇圧トランス12と、昇圧トランスの一次コイル12aの他端に一端が接続されて該一次コイルに対して直列に接続されたチョッパ用スイッチ13と、チョッパ用スイッチ13をオンオフ制御するスイッチ制御回路14と、昇圧トランスの二次コイル12bの一端にアノードが接続されて、該二次コイルに誘起する電圧から正の半波の電圧を取り出すダイオードD2と、コンバータ昇圧性能切換制御部15とを備えており、ダイオードD2のカソードと接地間に得られるDC−DCコンバータ11の出力電圧が点火用コンデンサCiと点火コイルの一次コイル2aとの直列回路の両端に印加されている。
図示のチョッパ用スイッチ13は、昇圧トランスの一次コイル12aの他端にコレクタが接続されたNPNトランジスタTR1からなり、該トランジスタのベースがスイッチ制御回路14の出力端子14aに接続されている。スイッチ制御回路14は、昇圧トランス12の二次コイル12bの他端に接続された二次電流検出端子14bと、マイクロプロセッサ4のポートA4に接続された制御端子14cとを更に有していて、マイクロプロセッサ4から制御端子14cに昇圧指令が与えられている間、トランジスタTR1をオンオフ制御して、昇圧動作を行わせる。
マイクロプロセッサ4は、所定のプログラムを実行することにより、点火用コンデンサCiの充電電圧(両端の電圧)Vcを検出して、検出した充電電圧が規定値に達するまで点火用コンデンサを充電するように、DC−DCコンバータの昇圧動作を制御する昇圧動作制御手段を構成する。この昇圧動作制御手段は、点火信号によりトリガされたサイリスタThiがオフ状態になった後にポートA4から昇圧指令を出力してDC−DCコンバータの昇圧動作を開始させ、点火用コンデンサCiの充電電圧(サイリスタThiの両端の電圧)が規定値(例えば250[V])に達したときに、昇圧指令の出力を停止させてDC−DCコンバータの昇圧動作を停止させるように構成される。
なお点火用コンデンサCiの充電電圧Vcを検出するために、サイリスタThiの両端の電圧を該充電電圧Vcとして検出する充電電圧検出回路が設けられて、この充電電圧検出回路の出力がA/D変換器を通してマイクロプロセッサに入力されているが、図1においては、この充電電圧検出回路と、その出力をマイクロプロセッサに入力する回路の図示が省略されている。
スイッチ制御回路14は、例えば、チョッパ用スイッチ13がオン状態からオフ状態になったときに昇圧トランス12の二次コイル12bに誘起する電圧でダイオードD2を通して点火用コンデンサCi側に流れる昇圧トランスの二次電流を検出して、該二次電流が零であることを検出したとき、または該二次電流が所定のしきい値よりも低いことを検出したときにチョッパ駆動指令を発生するチョッパ駆動指令発生回路と、チョッパ駆動指令が発生したときに所定の時間幅の駆動パルスをチョッパ用スイッチ13を構成するトランジスタTR1のベースに与えて該トランジスタをオン状態にするパルス発生回路とにより構成され、マイクロプロセッサから昇圧指令が与えられているときに、昇圧トランス12の二次電流が零またはしきい値以下になる毎にトランジスタTR1を一定時間オン状態にした後オフ状態にする動作を繰り返すことにより、昇圧トランス12の二次コイル12bに昇圧されたパルス状の電圧を繰り返し誘起させる。DC−DCコンバータ11の昇圧動作は、点火用コンデンサCiの充電電圧Vcが設定値に達した時点で停止させられる。DC−DCコンバータ11が昇圧動作を開始した後、その昇圧動作を停止するまでの時間(昇圧期間)Tcは、DC−DCコンバータの昇圧トランス12に流す一次電流の大きさにより決まる。
コンバータ昇圧性能切換制御部15は、昇圧トランス12の一次電流を検出する一次電流検出回路15Aと、昇圧トランス一次電流制御回路15Bとにより構成されている。
図示の一次電流検出回路15Aは、トランジスタTR1のエミッタと接地間に接続されて、昇圧トランス12の一次コイルとチョッパ用スイッチ13との直列回路に対して直列に接続されたシャント抵抗器R1からなっていて、該抵抗器R1の両端に昇圧トランス12の一次電流に比例した大きさの一次電流検出信号(電圧信号)Viを発生する。
昇圧トランス一次電流制御回路15Bは、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転している状態で、一次電流検出回路15Aにより検出された一次電流が、内燃機関の回転速度が設定値以上である高速回転時に昇圧トランス12に流れる一次電流の最大値よりも十分に低く設定された第1の制限値を超えたときにチョッパ用スイッチ13を強制的にオフ状態にすることにより昇圧トランス12の一次電流を第1の制限値以下に制限し、内燃機関の回転速度が設定値を超えているときには一次電流検出回路15Aにより検出された一次電流が上記第1の制限値よりも大きい値に設定された第2の制限値を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にして昇圧トランス12に流れる一次電流を第2の制限値以下に制限するように制御する回路である。
図示の昇圧トランス一次電流制御回路15Bは、
(a)内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに、内燃機関の高速回転時(回転速度が設定値以上であるとき)における昇圧トランスの一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を第1の基準信号Vr1として発生し、回転速度が設定値以上であるときには高速回転時に昇圧トランスに流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさよりも更に大きいの信号を第1の基準信号Vr1として発生する第1の基準信号発生回路15B1と、
(b)一次電流検出信号Viを第1の基準信号Vr1と比較して一次電流検出信号Viが第1の基準信号Vr1を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第1のスイッチ遮断回路15B2と、
(c)第2の制限値に相応する大きさの信号を第2の基準信号Vr2として発生する第2の基準信号発生回路15B3と、
(d)一次電流検出信号Viを第2の基準信号Vr2と比較して一次電流検出信号Viが第2の基準信号Vr2を超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第2のスイッチ遮断回路15B4と、
により構成されている。
更に詳細に説明すると、第1の基準信号発生回路15B1は、定電圧電源回路7から得られる定電圧Vccが両端に印加された抵抗R2及びR3の直列回路からなっていて、電圧Vccを分圧して抵抗R3の両端に基準信号Vr1を発生する抵抗分圧回路と、抵抗R2とR3の接続点にコレクタが接続されエミッタが定電圧電源回路7の正極側出力端子に接続されたPNPトランジスタTR2と、トランジスタTR2のベースとマイクロプロセッサ4のポートA3との間に接続された抵抗R4とからなっている。
マイクロプロセッサ4は、機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときにポートA3の電位を高レベルにしてトランジスタTR2をオフ状態に保持し、機関の回転速度が設定値を超えているときにポートA3の電位を接地電位としてトランジスタTR2をオン状態に保持する。従って機関の回転速度が設定値未満のときには抵抗R3の両端に得られる第1の基準信号Vr1が定電圧Vccを抵抗R2とR3とにより分圧した値に保持される。このときの第1の基準信号Vr1の電圧値は、内燃機関の高速回転時における昇圧トランス12の一次電流の最大値よりも十分に小さく設定された第1の制限値に相応する大きさに設定されている。また機関の回転速度が設定値を超えているときには、トランジスタTR2がオン状態に保持されるため、抵抗R3の両端に得られる第1の基準電圧Vr1が電圧Vccまで上昇させられる。このときの第1の基準電圧Vr1は、機関の高速回転時に昇圧トランス12に流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさよりも更に大きい値を示す。
マイクロプロセッサ4がトランジスタTR2をオンオフ制御するために実行するプログラムのアルゴリズムを図8に示した。図8に示した例では、回転速度の設定値を2500[r/min]として、機関の回転速度が2500[r/min]未満のときにポートA3の電位を高レベルとしてトランジスタTR2をオフ状態にし、機関の回転速度が2500[r/min]以上であるときにポートA3の電位を接地電位としてトランジスタTR2をオン状態にする。
第1のスイッチ遮断回路15B2は、電圧比較器CM1からなり、該比較器CM1の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ第1の基準信号Vr1及び一次電流検出信号Viが入力されている。比較器CM1の出力端子はチョッパ用スイッチ13を構成するトランジスタTR1のベースに接続されている。
比較器CM1は一次電流検出信号Viが第1の基準信号Vr1よりも低いときにその出力端子の電位を高レベルの状態に保持してトランジスタTR1の導通を許容し、一次電流検出信号Viが第1の基準信号Vr1を超えたときにその出力端子の電位を接地電位としてトランジスタTR1を強制的にオフ状態にする。
また第2の基準信号発生回路15B3は、定電圧電源回路7から得られる定電圧Vccが両端に印加された抵抗R5及びR6の直列回路からなっていて、電圧Vccを分圧して抵抗R6の両端に第2の基準信号Vr2を発生する。
第2のスイッチ遮断回路15B4は、電圧比較器CM2からなっていて、該比較器CM2の非反転入力端子及び反転入力端子にそれぞれ第2の基準信号Vr2及び一次電流検出信号Viが入力されている。比較器CM2の出力端子はチョッパ用スイッチ13を構成するトランジスタTR1のベースに接続されている。トランジスタTR1のベースはプルアップ抵抗R7を通して定電圧電源回路7の正極側出力端子に接続されている。
比較器CM2は一次電流検出信号Viが第2の基準信号Vr2よりも低いときにその出力端子の電位を高レベルの状態に保持してトランジスタTR1の導通を許容し、一次電流検出信号Viが第2の基準信号Vr2を超えたときにその出力端子の電位を接地電位としてトランジスタTR1を強制的にオフ状態にする。
機関の回転速度が設定値未満で、トランジスタTR2がオフ状態にあるときには、第1の基準信号Vr1が第2の基準信号Vr2よりも小さいため、一次電流検出信号Viが第1の基準信号Vr1を超えたときに比較器CM1の出力端子の電位が接地電位になって、チョッパ用スイッチを構成するトランジスタTR1を強制的にオフ状態にする。これに対し、機関の回転速度が設定値以上であるときには、トランジスタTR2がオン状態にされることにより、第1の基準信号Vr1が第2の基準信号Vr2よりも大きくなっているため、比較器CM1はその出力端子の電位を接地電位に反転させる動作を行わず、一次電流検出検出信号Viが第2の基準電圧Vr2を超えたときに比較器CM2がその出力端子の電位を接地電位に反転させて、チョッパ用スイッチを構成するトランジスタTR1を強制的にオフ状態にする。
従って、機関の回転速度が設定値未満であるときには、昇圧トランス12の一次電流が第1の基準電圧Vr1により定まる第1の制限値に達したときにトランジスタTR1が強制的にオフ状態にされ、機関の回転速度が設定値以上であるときには、昇圧トランス12の一次電流が第2の基準電圧Vr2により定まる第2の制限値(>第1の制限値)に達したときにトランジスタTRが強制的にオフ状態にされる。
即ち、機関の回転速度が設定値未満であるときには昇圧トランス12の一次電流の遮断値が、機関の高速回転時(回転速度が設定値以上であるとき)の一次電流の最大値である第2の制限値よりも小さい第1の制限値以下に制限され、機関の回転速度が設定値以上であるときには、昇圧トランスの一次電流の遮断値が第2の制限値まで上昇させられる。
図1に示した点火装置において、機関のクランク軸が回転すると、交流発電機1が図3に示すような正弦波形の交流電圧を出力する。この例では、交流発電機1が12極に構成されているため、発電コイルW1には、図示のように、クランク軸が1回転する間に6サイクルの交流電圧が誘起する。交流発電機1の出力電圧は整流電源回路6により設定値を超えることがないように調整された直流電圧に変換される。整流電源回路6の出力電圧により電源コンデンサC1がそのピーク値Vb(この例では12[V])まで充電される。この電圧Vbは昇圧トランス12の一次コイルに印加されると同時に、定電圧電源回路7にも入力される。このとき定電圧電源回路7は一定の電圧Vcc(この例では5[V])を出力する。この電圧Vccは、マイクロプロセッサ4の電源端子に印加されるため、マイクロプロセッサ4が起動する。マイクロプロセッサ4は、起動した後先ず各部のイニシャライズを行い、次いでポートA4から昇圧指令を発生する。
マイクロプロセッサが昇圧指令を発生しているときには、スイッチ制御回路14がトランジスタTR1のベースに一定の時間幅の駆動パルスを与えて該トランジスタを一定時間オン状態にする。トランジスタTR1がオン状態になると、電源コンデンサC1から昇圧トランスの一次コイル12aとトランジスタTR1のコレクタエミッタ間とシャント抵抗器R1とを通して一次電流が流れる。トランジスタTR1に与えられていた駆動パルスが消滅すると、それまで流れていた昇圧トランスの一次電流が遮断されるため、昇圧トランス12の二次コイル12bに二百数十ボルトまで昇圧された電圧が誘起する。この電圧はダイオードD2を通して点火用コンデンサCiに印加されるため、昇圧トランス12の二次コイル12bからダイオードD2と点火用コンデンサCiとダイオードD1とを通して電流が流れ、点火用コンデンサCiが図示の極性に充電される。
昇圧トランス12の二次コイルを通して流れる電流が零またはしきい値以下になると、スイッチ制御回路14が再びトランジスタTR1のベースに駆動パルスを与えるため、トランジスタTR1がオン状態になり、再び電源コンデンサC1から昇圧トランスの一次コイル12aとトランジスタTR1とシャント抵抗器R1とを通して一次電流が流れる。トランジスタTR1に与えられていた駆動パルスが消滅し、トランジスタTR1がオフ状態になると、昇圧トランスの一次電流が遮断されるため、昇圧トランス12の二次コイル12bに二百数十ボルトの電圧が誘起する。以下同様の動作が繰り返され、昇圧トランス12の一次電流が遮断される毎に該昇圧トランスの二次コイル12bに二百数十ボルトの電圧が誘起する。マイクロプロセッサは、点火用コンデンサCiの充電電圧を検出して、検出した電圧が規定値Vcsに達したときに昇圧指令の出力を停止してDC−DCコンバータ11の昇圧動作を停止させる。従って点火用コンデンサCiは規定値Vcsまで充電される。
マイクロプロセッサ4は、パルサ5が出力するパルスの発生間隔から機関の回転速度を演算し、この回転速度に対して機関の点火時期を演算する。この点火時期は、第1気筒用の基準パルス及び第2気筒用の基準パルスがそれぞれ発生するクランク角位置から点火時期に相当するクランク角位置までクランク軸が回転する間に点火タイマに計測させる計時データの形で演算される。マイクロプロセッサ4は、パルサ5がリラクタの回転方向の前端エッジを検出して第1の基準パルスを発生する毎に、演算された点火時期を計測するための計時データを点火タイマにセットしてその計測を開始させる。マイクロプロセッサは点火タイマが計時データの計測を完了する前にポートA4からの昇圧指令の出力を停止する。昇圧指令の出力が停止している間は、スイッチ制御回路14がトランジスタTR1をオフ状態に保ち、DC−DCコンバータの昇圧動作を停止させる。
マイクロプロセッサ4は、点火タイマがセットされた計時データの計測を完了したとき(点火時期が検出されたとき)にポートA5から点火指令を発生させる。これにより点火信号出力回路10からサイリスタThiに点火信号が与えられるため、サイリスタThiがオン状態になり、点火用コンデンサCiに蓄積されていた電荷を点火コイル2の一次コイル2aを通して放電させる。このとき点火コイルの一次コイルには一次電流が流れるのを妨げる方向の高い電圧が誘起する。この電圧は点火コイルの一次、二次間の昇圧比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイル2bに30[kV]程度の点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は点火プラグPL1及びPL2に印加されるため、両点火プラグで同時に火花放電が生じ、機関の2つの気筒のうち、点火時期にある方の気筒で点火動作が行われる。点火時期にない方の気筒に取付けられた点火プラグで発生した火花は捨て火とされる。
図1に示した点火装置においては、発電機1が12極に構成されていて、整流電源回路6が発電機1の出力電圧を全波整流するため、点火用コンデンサCiの充電は、クランク軸が1回転する間に12回行われることになる。
また内燃機関が2つの気筒を有していて、点火コイル2が、2つの気筒の点火プラグで同時に火花を発生させる同時発火コイルの構成をとっているため、クランク軸が180度回転する毎にサイリスタThiに点火信号を与えて点火動作を行わせる必要がある。
ここで、機関の最高回転速度が10,000[r/min]であるとすると、機関の回転速度が最高回転速度に達したときの点火間隔は3[msec]となる。機関の回転速度が最高回転速度に達したときには、上記の点火間隔(3msec)内に点火用コンデンサCiの充電を完了すればよいが、サイリスタThiの転流に要する時間の間は点火用コンデンサの充電を行うことができないため、余裕を見て、2.5[msec]の時間内に点火用コンデンサCiの充電を完了させるものとする。即ち、機関の高速回転時には、昇圧期間を2.5msecとして、該昇圧期間内に点火用コンデンサCiの充電電圧Vcを規定値まで上昇させることができるように、昇圧トランス12に流す一次電流の大きさを設定する。
機関の回転速度が10,000[r/min]に達したときには、電源コンデンサC1が0.5[msec]の周期Toで充電されるため、2.5[msec]の昇圧期間内に発電コイルW1の出力で電源コンデンサC1を4〜5回充電することができる。このときの電源コンデンサC1の両端の電圧(電源電圧)の変化は図4に示した通りである。図4に示した例では、時刻t1からt2までの2.5[msec]の昇圧期間Tcの間DC−DCコンバータに昇圧動作を行わせて点火用コンデンサCiの充電を行わせている。電源コンデンサC1の両端の電圧は、該電源コンデンサからDC−DCコンバータの昇圧トランス12に一次電流が流れる毎に低下し、発電コイルW1の誘起電圧が電源コンデンサC1の両端の電圧を超えて整流電源回路6の出力で電源コンデンサC1が充電された際に上昇していく。従って電源コンデンサC1の両端の電圧はほぼ鋸歯状のリップル波形を呈する。このように、機関の高速回転時には、DC−DCコンバータが昇圧動作を行っている間に、電源コンデンサC1が何度も充電されるため、電源コンデンサC1の両端の電圧の落ち込みは少ない。
なお図4において、昇圧動作が行われる2.5[msec]の期間の前後に現れている落ち込みが少ないリップル波形は、DC−DCコンバータが昇圧動作を行っていないときに、電源コンデンサC1の電荷が定電圧電源回路7側に放電することにより生じるリップル波形を示している。
一方機関の低速回転時(例えば1,000[r/min]の時)には、発電機1から大きな出力を得ることができず、電源コンデンサC1に一度の充電で蓄積することができるエネルギが少ない上に、電源コンデンサC1の充電周期が長くなり、DC−DCコンバータが昇圧動作を行う期間に電源コンデンサC1が充電される回数が少なくなるため、機関の低速回転時にDC−DCコンバータの昇圧トランスに高速回転時と同じ大きな一次電流を流すようにした場合には、最初の昇圧動作が行われることにより電源コンデンサの両端の電圧が大きく落ち込み、DC−DCコンバータの昇圧トランスに流すことができる一次電流が小さくなって、DC−DCコンバータの昇圧性能が低下してしまう。
機関の回転速度が1000[r/min]の時の電源コンデンサの充電周期Toは、図5に示すように、5[msec]となる。従来の点火装置では、コンバータ昇圧性能切換制御部15が設けられておらず、機関の低速回転時においても、高速回転時と同じように、昇圧期間Tcを2.5[msec]として、この昇圧期間内に点火用コンデンサの充電電圧Vcを規定値まで上昇させるように、DC−DCコンバータの昇圧トランスに流す一次電流を設定していたため、昇圧期間Tc(2.5[msec])内では、5[msec]間隔で行われる電源コンデンサC1の充電がうまくいって1回しか行われず、場合によっては電源コンデンサの充電が一度も行われない状態が生じる。そのため、図5に示したように、昇圧期間Tcにおいて電源コンデンサの両端の電圧Vbが大きく落ち込んで、昇圧トランス12に流すことができる一次電流が小さくなり、DC−DCコンバータ11の出力電圧が大きく低下してしまう。
なお図5において符号a及びbを付して示した電源電圧の立ち上がりは、電源コンデンサC1が発電機1の出力で整流電源回路6を通して充電されることにより生じる立ち上がりである。
上記のように、電源コンデンサの両端の電圧が大きく落ち込むと、DC−DCコンバータの出力電圧が低下し、点火用コンデンサの充電が満足に行われなくなるため、点火用コンデンサに蓄積されるエネルギが不足して、機関の低速時の点火性能が低下する。
そこで本発明においては、コンバータ昇圧性能切換制御部15を設けて、機関の回転速度が設定値(本実施形態では2500[r/min])未満のときに、電源コンデンサC1からDC−DCコンバータの昇圧トランスの一次コイルに流れ込む電流(一次電流)を機関の高速回転時の制限値よりも小さい第1の制限値以下に制限して昇圧期間Tcを高速回転時よりも長くし、DC−DCコンバータの昇圧性能を抑制する。
即ち、機関の低速回転時においては、例えば図6に示すように、昇圧期間Tcを10[msec]まで延長するように、第1の基準信号Vr1の値(昇圧トランスの一次電流の制限値)を設定して、この延長された昇圧期間Tc内に点火用コンデンサCiの充電電圧Vcを規定値まで上昇させるようにする。このように昇圧トランスの一次電流の制限値を設定すると、昇圧期間Tc中に電源コンデンサC1の充電が必ず行われるため、電源コンデンサC1の両端の電圧の落ち込みを少なくして、DC−DCコンバータの昇圧トランスに流れる一次電流が大きく減少するのを防ぐことができ、DC−DCコンバータ出力電圧が大きく落ち込んで、点火用コンデンサに蓄積されるエネルギが不足する状態が生じるのを防ぐことができる。
また図1に示した点火装置において、機関の回転速度が設定値以上(本実施形態では2500r/min以上)になったときには、トランジスタTR2がオン状態にされることにより、昇圧トランスに流れる一次電流の制限値が第1の制限値よりも大きい第2の制限値まで上昇させられる。この第2の制限値は、機関の回転速度が最高回転速度に達したときに確保し得る充電期間(2.5msec)内に点火用コンデンサの充電電圧を規定値まで上昇させるために必要な大きさに設定されている。従って、図1に示した点火装置によれば、機関の低速回転時から最高速回転時まで、点火用コンデンサの充電を満足に行わせて、高い点火性能を得ることができる。
本実施形態において、回転速度の設定値(上記の例では2500[r/min])は、DC−DCコンバータの昇圧期間Tcを、機関の最高回転速度において許容される昇圧期間(上記の例では2.5[msec])に等しくしても電源コンデンサの両端の電圧を大きく低下させることなく、点火用コンデンサの充電を支障なく行わせることができる回転速度の下限値に設定する。
図7は、図1に示された点火装置の点火用コンデンサCiの充電特性を示したもので、機関の回転速度が設定値未満のときには、曲線aのように、点火用コンデンサCiの充電電圧Vcが、充電開始後10[msec]で規定値Vcsに達する。また機関の回転速度が設定値以上であるときには、曲線bに示すように、点火用コンデンサCiの充電電圧が、充電開始後2.5[msec]で規定値Vcsに達する。
図1に示した実施形態においては、2つの比較器CM1及びCM2を設けて、機関の回転速度に応じてDC−DCコンバータの昇圧トランスに流す一次電流の制限値を切り換える制御を行わせているが、本発明はこのように構成する場合に限定されるものではなく、図2に示すように、一つの比較器CMを用いてコンバータ昇圧性能切換制御部15を構成することもできる。
図2に示した例では、抵抗R2,R3及びR6´の直列回路により電圧Vccを分圧する分圧回路が構成され、抵抗R6´と抵抗R3との接続点にエミッタが接地されたNPNトランジスタTR3のコレクタが接続されている。またトランジスタTR3のベースに、エミッタが接地されたNPNトランジスタTR4のコレクタが接続され、トランジスタTR4のベースが抵抗R4を通してマイクロプロセッサのポートA3に接続されている。そして、抵抗R3とR6´との直列回路の両端に得られる電圧が基準信号Vrとして比較器CMの非反転入力端子に入力され、一次電流検出信号Viが比較器CMの反転入力端子に入力されている。比較器CMの出力端子はチョッパ用スイッチを構成するトランジスタTR1のベースに接続されている。トランジスタTR3のベースは抵抗R8を通して定電圧電源回路7の正極側出力端子に接続されている。その他の点は、図1に示した実施形態と同様に構成されている。
図2に示した例では、抵抗R2,R3,R4,R6´及びR8と、トランジスタTR3及びTR4とにより、内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときに内燃機関の高速回転時における昇圧トランスの一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を基準信号Vrとして発生し、回転速度が設定値以上であるときには該回転速度が設定値以上であるときに昇圧トランスに流す一次電流の制限値である第2の制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生する基準信号発生回路が構成されている。また、比較器CMにより、一次電流検出信号Viを基準信号Vrと比較して、一次電流検出信号Viが基準信号Vrを超えたときにチョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にするスイッチ遮断回路が構成されている。
図2に示した点火装置においては、機関の回転速度が設定値未満であるときに、マイクロプロセッサがトランジスタTR4をオフ状態に保つ。このときトランジスタTR3がオン状態に保たれ、抵抗R6´がトランジスタTR3により短絡されるため、電圧Vccを抵抗R2とR3とにより分圧して得た電圧が比較器CMに基準信号Vrとして与えられる。この基準信号の値は、図1の実施形態において比較器CM1に与えられた第1の基準電圧の値に等しい。従って、機関の回転速度が設定値未満のときには、電源コンデンサC1からDC−DCコンバータの昇圧トランス12に与えられる一次電流が、機関の高速回転時に(回転速度が設定値以上であるときに)昇圧トランスに与えられる一次電流の最大値よりも十分に小さく設定された第1の制限値以下に制限される。
また機関の回転速度が設定値以上であるときには、マイクロプロセッサ4がトランジスタTR4をオン状態に保つ。トランジスタTR4がオン状態になると、トランジスタTR3がオフ状態になるため、抵抗R6´の短絡が解除され、抵抗R3とR6´との直列回路の両端の電圧が基準信号Vrとして比較器CMに入力される。このときの基準信号Vrの大きさは、図1の実施形態における第2の基準信号Vr2の大きさに等しく設定されている。従って機関の回転速度が設定値以上であるときには、電源コンデンサC1からDC−DCコンバータ11の昇圧トランス12に与えられる一次電流が、機関の高速回転時に昇圧トランスに与えられる一次電流の最大値に等しい第2の制限値まで増大するのが許容される。
上記の各実施形態では、機関の回転速度が設定値以上になったときに電源コンデンサからDC−DCコンバータの昇圧トランスに供給される一次電流を第2の制限値以下に制限するようにしているが、コンバータ昇圧性能切換制御部15では、機関の回転速度が設定値未満のときにのみ昇圧トランスに供給される一次電流を第1の制限値以下に制限する制御を行い、機関の回転速度が設定値以上になっている高速回転時には、昇圧トランスの一次電流を制限する制御を行わないようにすることもできる。点火用コンデンサの充電電圧が規定値に達したときにマイクロプロセッサが昇圧指令を停止するように構成しておけば、上記のように、コンバータ昇圧性能切換制御部15において、機関の回転速度が設定値未満のときにのみ昇圧トランスに供給する一次電流を制限する制御を行うようにしても、機関の高速回転時に点火用コンデンサの充電電圧が過大になることはない。
機関の回転速度が設定値未満のときにのみ昇圧トランスに供給される一次電流を制限値以下に制限する制御を行うように、コンバータ昇圧性能切換制御部15を構成するには、例えば、図1において比較器CM2と、抵抗R5及びR6とを取り除けばよい。
上記の実施形態では、チョッパ用スイッチ13としてバイポーラトランジスタを用いたが、MOSFETなどの他のオンオフ制御が可能なスイッチ素子をチョッパ用スイッチとして用いることもできる。
本発明の実施形態の第1の構成例を示す回路図である。 本発明の実施形態の第2の構成例を示す回路図である。 機関が1回転する間に交流発電機から出力される交流電圧の波形を示した波形図である。 機関の高速回転時に電源コンデンサの両端に得られる電圧の波形を示した波形図である。 従来の点火装置において機関の低速回転時にDC−DCコンバータにより昇圧動作が行われたときの電源コンデンサの両端の電圧の波形を模式的に示した波形図である。 本発明に係わる点火装置において機関の低速回転時にDC−DCコンバータにより昇圧動作が行われたときの電源コンデンサの両端の電圧の波形を模式的に示した波形図である。 本発明に係わる点火装置において、機関の低速回転時の点火用コンデンサの両端の電圧の時間的な変化と、機関の低速回転時の点火用コンデンサの両端の電圧の時間的な変化とを比較して示したグラフである。 本発明に係わる点火装置においてマイクロプロセッサに実行させるプログラムの要部のアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
1 交流発電機
2 点火コイル
3 ECU
4 マイクロプロセッサ
6 整流電源回路
11 DC−DCコンバータ
12 昇圧トランス
13 チョッパ用スイッチ
14 スイッチ制御回路
15 コンバータ昇圧性能切換制御部
Ci 点火用コンデンサ
C1 電源コンデンサ
TR1 トランジスタ

Claims (6)

  1. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧を昇圧するDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、前記電源コンデンサから前記DC−DCコンバータに流す電流を、前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記電源コンデンサから前記DC−DCコンバータに流す電流の最大値よりも小さく設定された制限値を超えないように制御して前記DC−DCコンバータの昇圧性能を抑制し、前記回転速度が前記設定値以上であるときには、前記電源コンデンサから前記DC−DCコンバータに流す電流が前記制限値を超えるのを許容して前記DC−DCコンバータの昇圧性能の抑制を解除するように、前記内燃機関の回転速度に応じて前記電源コンデンサからDC−DCコンバータに流れる電流を制御して前記DC−DCコンバータの昇圧性能を切り換えるコンバータ昇圧性能切換制御部を備えたこと、
    を特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  2. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えて前記昇圧トランスの一次電流を遮断した際に前記昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、前記昇圧トランスの一次電流を前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも低く設定された制限値以下に制限するように制御して前記DC−DCコンバータの昇圧性能を抑制し、前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次電流が前記制限値を超えるのを許容して前記DC−DCコンバータの昇圧性能の抑制を解除するように、前記内燃機関の回転速度に応じて前記昇圧トランスの一次電流を制御して前記DC−DCコンバータの昇圧性能を切り換えるコンバータ昇圧性能切換制御部を具備したこと、
    を特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  3. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えて前記昇圧トランスの一次電流を遮断した際に前記昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記昇圧トランスの一次電流を検出する一次電流検出回路と、
    前記内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、前記一次電流検出回路により検出された一次電流が、前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも低く設定された第1の制限値を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にすることにより前記昇圧トランスの一次電流を前記第1の制限値以下に制限し、前記内燃機関の回転速度が前記設定値を超えているときには前記一次電流検出回路により検出された一次電流が前記第1の制限値よりも大きい値に設定された第2の制限値を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にして前記昇圧トランスに流れる一次電流を前記第2の制限値以下に制限する昇圧トランス一次電流制御回路と、
    を具備したことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  4. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えて前記昇圧トランスの一次電流を遮断した際に前記昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、
    前記内燃機関の回転速度が設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも小さく設定された制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生する基準信号発生回路と、
    前記内燃機関が前記設定値未満の低い回転速度で回転しているときに前記一次電流検出信号を前記基準信号と比較して該一次電流検出信号が前記基準信号を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にするスイッチ遮断回路と、
    を具備したことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  5. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えて前記昇圧トランスの一次電流を遮断した際に前記昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、
    前記内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を第1の基準信号として発生し、前記回転速度が前記設定値以上であるときには該回転速度が設定値以上であるときに前記昇圧トランスに流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさよりも更に大きいの信号を第1の基準信号として発生する第1の基準信号発生回路と、
    前記一次電流検出信号を前記第1の基準信号と比較して該一次電流検出信号が前記第1の基準信号を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第1のスイッチ遮断回路と、
    前記第2の制限値に相応する大きさの信号を第2の基準信号として発生する第2の基準信号発生回路と、
    前記一次電流検出信号を前記第2の基準信号と比較して該一次電流検出信号が前記第2の基準信号を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にする第2のスイッチ遮断回路と、
    を具備したことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
  6. 内燃機関により駆動される交流発電機の整流出力で充電される電源コンデンサと、前記電源コンデンサの両端の電圧が一次コイルに印加される昇圧トランスと該昇圧トランスの一次電流を断続させるように設けられたチョッパ用スイッチと該チョッパ用スイッチをオンオフさせるスイッチ制御回路とを備えて前記昇圧トランスの一次電流を遮断した際に前記昇圧トランスの二次コイルから昇圧された電圧を出力させるDC−DCコンバータと、点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて前記DC−DCコンバータの出力電圧により充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用スイッチとを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置において、
    前記昇圧トランスの一次電流を検出して一次電流検出信号を出力する一次電流検出回路と、
    前記内燃機関が設定値未満の低い回転速度で回転しているときには、前記内燃機関の回転速度が前記設定値以上であるときに前記昇圧トランスの一次コイルを流れる一次電流の最大値よりも小さく設定された第1の制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生し、前記回転速度が前記設定値以上であるときには該回転速度が設定値以上であるときに前記昇圧トランスに流す一次電流の最大値である第2の制限値に相応する大きさの信号を基準信号として発生する基準信号発生回路と、
    前記一次電流検出信号を前記基準信号と比較して該一次電流検出信号が前記基準信号を超えたときに前記チョッパ用スイッチを強制的にオフ状態にするスイッチ遮断回路と、
    を具備したことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装置。
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