JPH1137024A - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JPH1137024A
JPH1137024A JP19677397A JP19677397A JPH1137024A JP H1137024 A JPH1137024 A JP H1137024A JP 19677397 A JP19677397 A JP 19677397A JP 19677397 A JP19677397 A JP 19677397A JP H1137024 A JPH1137024 A JP H1137024A
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JP
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ignition
capacitor
voltage
coil
circuit
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Application number
JP19677397A
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English (en)
Inventor
Atsufumi Kinoshita
敦文 木下
Masakazu Tsukada
賢和 塚田
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エキサイタコイルの巻数を従来よりも少なくす
ることができるコンデンサ放電式内燃機関用点火装置を
提供する。 【解決手段】エキサイタコイル3の正の半サイクルの誘
起電圧でトランジスタTR1 を通して一方向に充電され
る電源コンデンサC1 と、電源コンデンサC1 両端の電
圧が設定値に達したときにトランジスタTR1 を遮断状
態にする遮断制御回路4Aと、電源コンデンサC1 の両
端の電圧を昇圧するDC−DCコンバータ6とを設け
て、トランジスタTR1 が遮断したときにエキサイタコ
イル3に誘起する昇圧された電圧と、電源コンデンサC
1 の両端の電圧をDC−DCコンバータ6により昇圧し
て得た電圧とで点火用コンデンサCi を充電する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンデンサ放電式の
内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車、船外機、スノーモビル等の
内燃機関を点火する点火装置として、交流発電機に設け
られたエキサイタコイルを電源として用いて、該エキサ
イタコイルの出力で点火用コンデンサを充電するように
したコンデンサ放電式の点火装置が用いられている。
【0003】この種の点火装置は、点火コイルと、点火
コイルの1次側に設けられて点火電源部の出力により一
方の極性に充電される点火用コンデンサと、点火信号が
与えられたときに導通して点火用コンデンサの電荷を点
火コイルの1次コイルを通して放電させるように設けら
れた放電用サイリスタと、内燃機関の点火時期にサイリ
スタに点火信号を与える点火時期制御装置とを備えてい
て、機関の点火時期に点火用コンデンサの電荷をサイリ
スタと点火コイルの1次コイルとを通して放電させるこ
とにより点火コイルの2次コイルに点火用の高電圧を誘
起させるようになっている。
【0004】この種の点火装置において、交流発電機内
に設けられたエキサイタコイルの出力で直接点火用コン
デンサを充電するようにした場合には、機関の低速時か
ら高速時まで点火用コンデンサを十分高い電圧まで充電
して所定の点火性能を得ようとすると、巻数が多い低速
用のエキサイタコイルと、巻数が比較的少ない高速用の
エキサイタコイルとを用いる必要があるため、磁石発電
機内でエキサイタコイルが占めるスペースが大きくなっ
て他の発電コイルを設けるスペースが少なくなるという
問題があった。また巻数が多い低速用のエキサイタコイ
ルは細い線を用いて多数回巻回する必要があるため、巻
線の作業性が悪い上に、断線等の事故が発生し易いとい
う問題もあった。
【0005】そこで、上記のような問題を解決するた
め、図2に示す点火装置(特開平3−164568号)
が提案されている。図2において、1は点火コイルIG
と、点火コイルIGの1次側に設けられた点火用コンデ
ンサCi と、導通した際に点火用コンデンサCi の電荷
を点火コイルIGの1次コイルL1 を通して放電させる
ように設けられた放電用サイリスタThi とを備えた点
火回路、2´は内燃機関の点火時期に放電用サイリスタ
Thi に点火信号Vi を与える点火時期制御装置、3は
内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられたエ
キサイタコイル、4はエキサイタコイル3の誘起電圧を
昇圧する昇圧回路と点火時期制御装置に電源電圧を供給
する電源回路とを構成する昇圧電源回路、5は内燃機関
に取り付けられた信号発電機内に設けられて、機関の所
定の回転角度位置で点火時期制御装置2´にパルス信号
を与えるパルサコイルである。
【0006】昇圧電源回路4は、ダイオードD1 及びD
2 と、抵抗R1 ないしR4 と、トランジスタTR1 と、
電源コンデンサC1 と、サイリスタTh1 と、ツェナー
ダイオードZD1 とからなっていて、トランジスタTR
1 によりエキサイタ出力昇圧用スイッチが構成され、抵
抗R2 ないしR4 と、サイリスタTh1 と、ツェナーダ
イオードZD1 とにより、電源コンデンサC1 の両端の
電圧が設定値以上になったときにエキサイタ出力昇圧用
スイッチを遮断状態にするように制御する遮断制御回路
4Aが構成されている。ダイオードD1 のカソードとト
ランジスタTR1 のコレクタとの接続点が昇圧電源回路
4の昇圧電圧出力端子となっていて、この出力端子がダ
イオードD3 を通して点火用コンデンサCi のサイリス
タThi側の端子に接続されている。
【0007】図2に示した点火装置において、エキサイ
タコイル3は、機関の回転に同期して交流電圧を発生す
る。エキサイタコイル3が図示の矢印方向の正の半サイ
クルの電圧を誘起すると、トランジスタTR1 が導通し
てエキサイタコイル3からダイオードD1 とトランジス
タTR1 とダイオードD2 と電源コンデンサC1 とを通
して電流が流れ、電源コンデンサC1 が図示の極性に充
電される。電源コンデンサC1 の端子電圧が設定値に達
するとサイリスタTh1 が導通するためトランジスタT
R1 が遮断状態になる。これによりエキサイタコイル3
に高い電圧が誘起し、この電圧により点火用コンデンサ
Ci が図示の極性に充電される。電源コンデンサC1 の
両端に得られる一定の電圧は点火時期制御装置2´の電
源端子に与えられる。
【0008】点火時期制御装置2´が内燃機関の点火時
期に点火信号Vi を発生すると、点火回路1のサイリス
タThi が導通するため、点火用コンデンサCi に蓄積
された電荷がサイリスタThi と点火コイルIGの一次
コイルL1 とを通して放電する。この放電により点火コ
イルの鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、該点火コ
イルの二次コイルL2 に点火用高電圧が誘起する。この
高電圧は機関の気筒に取り付けられた点火プラグPに印
加されるため、該点火プラグPに火花が生じ、機関が点
火される。
【0009】図2の点火装置のように、昇圧電源回路4
を設けて、エキサイタコイル3の誘起電圧を昇圧するよ
うにすると、エキサイタコイル3として巻数の少ないも
のを用いて、点火用コンデンサCi を充電するための高
い電圧を得ることができるため、エキサイタコイル3を
従来よりも太い導体を用いて巻回することができる。従
って、エキサイタコイルの巻線作業を容易にすることが
できるだけでなく、エキサイタコイルの断線事故が生じ
るのを防ぐことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図2に示した従来の点
火装置においては、エキサイタコイル3の誘起電圧が、
ツェナーダイオードZD1 のツェナー電圧により決まる
設定値より低いときに、エキサイタコイル3からダイオ
ードD1 とトランジスタTR1 とダイオードD2とを通
して電源コンデンサC1 に充電電流が流れるため、エキ
サイタコイル3の誘起電圧が設定値より低いときに点火
用コンデンサCi を充電することができなかった。その
ため、点火動作が開始される回転数をできるだけ低くし
て機関の始動を容易にするためには、機関の回転数が低
いときでも、エキサイタコイル3が設定値以上の電圧を
誘起するようにしておく必要があった。
【0011】上記のように、図2に示した従来の点火装
置では、機関の回転数が低いときにエキサイタコイルが
ある程度高い電圧を誘起するようにしておく必要がある
ため、エキサイタコイル3の巻数を余り少なくすること
ができないという問題があった。
【0012】本発明の目的は、エキサイタコイルの巻数
を極力少なくして、機関の低速時に点火用コンデンサを
十分高い電圧まで充電することができるようにしたコン
デンサ放電式の内燃機関用点火装置を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、点火コイル
と、該点火コイルの1次側に設けられた点火用コンデン
サと、点火信号が与えられたときに導通して点火用コン
デンサの電荷を点火コイルの1次コイルを通して放電さ
せるように設けられた放電用サイリスタと、内燃機関の
点火時期に放電用サイリスタに点火信号を与える点火時
期制御装置とを備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火
装置に係わるものである。
【0014】本発明においては、内燃機関と同期回転す
る磁石式交流発電機内に設けられて正負の半サイクルの
電圧を誘起するエキサイタコイルと、該エキサイタコイ
ルが正の半サイクルの電圧を誘起したときに導通するエ
キサイタ出力昇圧用スイッチと、エキサイタコイルの正
の半サイクルの誘起電圧でエキサイタ出力昇圧用スイッ
チを通して一方向に充電される電源コンデンサと、電源
コンデンサの両端の電圧が設定値に達したときにエキサ
イタ出力昇圧用スイッチを遮断状態にする遮断制御回路
と、電源コンデンサの両端の電圧を昇圧するDC−DC
コンバータと、エキサイタ出力昇圧用スイッチが遮断し
たときにエキサイタコイルに誘起する電圧で点火エネル
ギー蓄積用コンデンサを一方の極性に充電する第1のコ
ンデンサ充電回路と、DC−DCコンバータの出力で点
火用コンデンサを充電する第2のコンデンサ充電回路と
を設けた。
【0015】上記DC−DCコンバータとしては、例え
ば、電源コンデンサの両端の電圧で一次電流が供給され
る昇圧トランスと、該昇圧トランスの一次コイルに対し
て直列に接続されたスイッチ素子を有して該スイッチ素
子のオンオフ動作により昇圧トランスの一次電流を断続
させるチョッパ用スイッチ回路と、該チョッパ用スイッ
チ回路をオンオフさせるチョッパ用スイッチ駆動回路と
を有して、チョッパ用スイッチのオンオフにより昇圧ト
ランスの二次コイルに昇圧された電圧を出力するように
したものを用いることができる。
【0016】上記のように、エキサイタコイルの正の半
サイクルの誘起電圧でエキサイタ出力昇圧用スイッチを
通して一方向に充電される電源コンデンサと、電源コン
デンサの両端の電圧が設定値に達したときにエキサイタ
出力昇圧用スイッチを遮断状態にする遮断制御回路と、
電源コンデンサの両端の電圧を昇圧するDC−DCコン
バータとを設けて、エキサイタ出力昇圧用スイッチが遮
断したときにエキサイタコイルに誘起する昇圧された電
圧と、電源コンデンサの両端の電圧をDC−DCコンバ
ータにより昇圧して得た電圧とで点火用コンデンサを充
電するようにすると、エキサイタコイルの誘起電圧が電
源コンデンサの両端の電圧の設定値よりも低いときで
も、DC−DCコンバータの出力電圧により点火用コン
デンサを十分に高い電圧まで充電することができるた
め、機関の回転数が低いときに、エキサイタコイルの誘
起電圧が設定値以上になることができなくても、点火動
作を行わせることができる。そのため、エキサイタコイ
ルを通して流しておいた電流を遮断することによりエキ
サイタコイルの誘起電圧を昇圧する回路のみを設けてい
た従来の点火装置よりも、エキサイタコイルの巻数を少
なくすることができ、エキサイタコイルを従来より更に
太い導体を用いて巻回することができる。
【0017】上記のように構成すると、機関の回転数が
高くなったときに、点火用コンデンサの充電電圧が過大
になるおそれがある。また放電用サイリスタに点火信号
が与えられて該サイリスタが導通する点火動作時に、D
C−DCコンバータが電圧を出力していると、放電用サ
イリスタの転流ができなくなるおそれがある。従って、
点火用コンデンサの充電電圧が過大になるのを防ぎ、か
つ放電用サイリスタの転流が失敗するのを防ぐために、
点火用コンデンサの充電電圧が制限値を超えたとき、及
び放電用サイリスタが点火信号によりトリガされて導通
する期間昇圧停止指令信号を発生する昇圧停止指令発生
手段と、昇圧停止指令信号が発生したときにDC−DC
コンバータの動作を停止させるコンバータ動作停止回路
とを設けておくのが好ましい。
【0018】上記コンバータ動作停止回路は、放電用サ
イリスタが点火信号によりトリガされて導通する期間、
及び内燃機関の回転数が設定値を超えたときに昇圧停止
指令信号を発生する昇圧停止指令発生手段と、該昇圧停
止指令信号が発生したときにDC−DCコンバータの動
作を停止させるコンバータ動作停止回路とにより構成し
てもよい。
【0019】なお本明細書においては、エキサイタコイ
ルの出力について「正の半サイクル」及び「負の半サイ
クル」の語を用いているが、エキサイタコイルの正負の
半サイクルは相対的なものであって、エキサイタコイル
に誘起する両半サイクルの電圧のうち、いずれの半サイ
クルを正の半サイクルとするかは任意である。本発明に
おいては、エキサイタコイルに誘起する両半サイクルの
電圧のうち、点火用コンデンサを充電する極性の電圧が
誘起する半サイクルを正の半サイクルとしている。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるコンデンサ
放電式内燃機関用点火装置の構成例を示したものであ
る。この点火装置は、点火回路1と、制御装置2と、機
関により駆動される磁石発電機内に設けられたエキサイ
タコイル3と、昇圧電源回路4と、機関に取り付けられ
た信号発電機内に設けられたパルサコイル5と、DC−
DCコンバータ6と、点火用コンデンサの充電電圧を検
出する電圧検出回路7と、コンバータ動作停止回路8と
を備えており、エキサイタコイル3の昇圧された誘起電
圧及びDC−DCコンバータ6の出力電圧がそれぞれダ
イオードD3 及びD4 を通して点火回路1に与えられて
いる。
【0021】点火回路1は、点火コイルIGと、点火用
コンデンサCi と、放電用サイリスタThi と、ダンパ
ダイオードDi とにより構成されている。図示の例で
は、点火コイルIGの一次コイルL1 及び二次コイルL
2 の一端が共通接続され、一次コイルの他端が接地され
ている。点火コイルIGの一次コイルの非接地側の端子
に点火用コンデンサCi の一端が接続され、該点火用コ
ンデンサCi の他端と接地間に放電用サイリスタThi
が、そのカソードを接地側に向けた状態で接続されてい
る。ダンパダイオードDi は点火コイルの一次コイルL
1 の両端に、そのカソードを接地側に向けた状態で接続
され、サイリスタThi のゲートカソード間には抵抗R
i が接続されている。また点火コイルの二次コイルL2
の他端は、機関の気筒に取り付けられた点火プラグPの
非接地側の端子に高圧コードを通して接続されている。
【0022】エキサイタコイル3の一端は接地され、該
エキサイタコイルの非接地側端子にダイオードD1 を通
してNPNトランジスタTR1 のコレクタが接続されて
いる。トランジスタTR1 のベースエミッタ間には抵抗
R1 が接続され、トランジスタTR1 のエミッタにはダ
イオードD2 のアノードが接続されている。ダイオード
D2 のカソードと接地間に電源コンデンサC1 が接続さ
れ、トランジスタTR1 のベースと接地間にカソードを
接地側に向けたサイリスタTh1 が接続されている。コ
ンデンサC1 の両端には、該コンデンサC1 の両端の電
圧を検出して電圧検出信号を出力する抵抗分圧回路40
1を構成する抵抗R2 及びR3 の直列回路が接続され、
該抵抗R1 及びR3 の接続点(分圧回路の分圧出力端
子)とサイリスタTh1 のゲートとの間にツェナーダイ
オードZD1 がそのアノードをサイリスタTh1 のゲー
ト側に向けた状態で接続されている。サイリスタTh1
のゲートカソード間には抵抗R4 が接続されている。
【0023】この例では、ダイオードD1 及びD2 と、
抵抗R1 ないしR4 と、トランジスタTR1 と、電源コ
ンデンサC1 と、サイリスタTh1 と、ツェナーダイオ
ードZD1 とにより、昇圧電源回路4が構成されてい
る。この昇圧電源回路においては、トランジスタTR1
によりエキサイタ出力昇圧用スイッチが構成され、抵抗
R2 及びR3 からなる抵抗分圧回路401と、サイリス
タTh1 と、ツェナーダイオードZD1 とにより、電源
コンデンサC1 の両端の電圧が設定値以上になったとき
にエキサイタ出力昇圧用スイッチを遮断状態にするよう
に制御する遮断制御回路4Aが構成されている。図示の
例では、ダイオードD1 のカソードとトランジスタTR
1 のコレクタとの接続点がダイオードD3 のアノードに
接続され、該ダイオードD3 のカソードが点火用コンデ
ンサCi のサイリスタThi 側の端子に接続されてい
る。
【0024】図示の昇圧電源回路4は、図2に示したも
のと同様のもので、エキサイタコイル3が図示の矢印方
向の正の半サイクルの電圧を誘起したときにトランジス
タTR1 が導通し、エキサイタコイル3からダイオード
D1 とトランジスタTR1 とダイオードD2 とを通して
電源コンデンサC1 が図示の極性に充電される。電源コ
ンデンサC1 の両端の電圧が設定値以上になると、抵抗
R3 の両端に得られる電圧検出信号がツェナーダイオー
ドZD1 をブレークダウンする値に達するため、サイリ
スタTh1 に点火信号が与えられて該サイリスタが導通
する。これによりトランジスタTR1 のベース電流が該
トランジスタから側路されるため、トランジスタTR1
が遮断状態になる。トランジスタTR1 が遮断状態にな
ると、エキサイタコイル3を流れていた電流が遮断され
るため、該エキサイタコイルにそれまで流れていた電流
を流し続けようとする向きの高い電圧が誘起する。この
電圧はダイオードD1 及びD3 とダイオードDi とを通
して点火用コンデンサCiに印加されるため、点火用コ
ンデンサCi が図示の極性に充電される。また電源コン
デンサC1 の両端には設定値以下に保たれた直流電圧が
得られる。電源コンデンサC1 の両端の電圧は、DC−
DCコンバータ6と制御装置2の電源端子に与えられて
いる。
【0025】DC−DCコンバータ6は、昇圧トランス
6A及びチョッパ用スイッチ回路6Bからなる昇圧回路
6Cと、チョッパ駆動指令信号発生回路6Dと、微分制
御回路6Eと、微分回路6Fと、反転回路6Gとを備え
た回路からなっている。
【0026】昇圧トランス6Aは、フェライトコアに一
次コイルW1 及び二次コイルW2 を巻装したもので、そ
の一次コイルW1 の一端は電源コンデンサC1 の非接地
側端子に接続されている。一次コイルW1 の他端にはチ
ョッパ用スイッチ素子を構成するFET(電界効果トラ
ンジスタ)F1 のドレインが接続され、該FETのソー
スは接地されている。Df はFETのドレインソース間
に存在する寄生ダイオードである。
【0027】FET F1 のゲートには抵抗R5 の一端
が接続され、該抵抗の他端はNPNトランジスタTR2
のエミッタとPNPトランジスタTR3 のエミッタとの
共通接続点に接続されている。トランジスタTR2 のコ
レクタは電源コンデンサC1の非接地側端子に接続さ
れ、トランジスタTR3 のコレクタは接地されている。
トランジスタTR2 及びTR3 のベースは共通に接続さ
れ、両トランジスタのベースの共通接続点とトランジス
タTR2 のコレクタとの間に抵抗R6 が接続されてい
る。トランジスタTR2 及びTR3 と抵抗R5 及びR6
とによりFET F1 を駆動する駆動回路が構成され、
該駆動回路とFET F1 とによりチョッパ用スイッチ
回路6Bが構成されている。
【0028】このチョッパ用スイッチ回路6Bにおいて
は、トランジスタTR2 及びTR3のベースの共通接続
点が駆動パルス入力端子となっていて、該入力端子に正
極性の(接地に対して正電位に立ち上がる)駆動パルス
Vd が与えられたときにトランジスタTR3 が遮断状態
になり、これによりトランジスタTR2 が導通状態にな
って、電源コンデンサC1 からトランジスタTR2 のコ
レクタエミッタ間と抵抗R5 とを通してFET F1 の
ゲートに駆動信号が与えられるようになっている。FE
T F1 は駆動信号が与えられている間(駆動パルスV
d が発生している間)導通して昇圧トランス6Aに一次
電流を流す。
【0029】昇圧トランス6Aの二次コイルW2 の一端
はダイオードD4 を通して点火用コンデンサCi とサイ
リスタThi のアノードとの接続点に接続されている。
昇圧トランスの二次コイルW2 の他端側にはアノードが
接地された充電電流検出用ダイオードD5 が設けられ
て、該ダイオードD5 が二次コイルW2 に直列に接続さ
れ、エミッタが接地された駆動指令信号発生用トランジ
スタTR4 のベースが抵抗R7 を通してダイオードD5
のカソードに接続されている。トランジスタTR4 のコ
レクタと電源コンデンサの非接地側端子との間、及びト
ランジスタTR4のベースと電源コンデンサC1 の非接
地側端子との間にそれぞれ抵抗R8 及びR9 が接続さ
れ、トランジスタTR4 のベース接地間に抵抗R10が接
続されている。この例では、ダイオードD5 と、トラン
ジスタTR4 と、抵抗R7 〜R10とにより、チョッパ駆
動指令信号発生回路6Dが構成されている。
【0030】トランジスタTR4 のコレクタには微分制
御用トランジスタTR5 のベースが接続され、トランジ
スタTR5 のベースエミッタ間に抵抗R11が接続されて
いる。この例では、トランジスタTR5 と抵抗R11とに
より微分制御回路6Eが構成されている。
【0031】微分制御用トランジスタTR5 のコレクタ
は微分コンデンサC2 の一端に接続され、該コンデンサ
C2 の他端は、エミッタが接地された微分パルス発生用
トランジスタTR6 のベースに接続されている。トラン
ジスタTR6 のベースエミッタ間にはアノードを接地側
に向けたダイオードD6 が接続され、微分コンデンサC
2 の一端と図示しない電源回路の出力端子との間に抵抗
R12が接続されている。この例では、微分コンデンサC
2 と、微分パルス発生用トランジスタTR6 と、ダイオ
ードD6 と、抵抗R12とにより、微分回路6Fが構成さ
れている。
【0032】反転回路6Gは、エミッタが接地されたN
PNトランジスタTR7 と該トランジスタのベースに一
端が接続された抵抗R13びR14とからなり、抵抗R13の
他端は電源コンデンサC1 の非接地側端子に接続されて
いる。抵抗R14の他端は接地され、トランジスタTR7
のベースにトランジスタTR6 のコレクタが接続されて
いる。トランジスタTR7 のコレクタはチョッパ用スイ
ッチ回路6Bの駆動パルス入力端子(トランジスタTR
2 及びTR3 のベース)に接続されている。この例で
は、微分制御回路6Eと、微分回路6Fと、反転回路6
Gとにより、チョッパ駆動指令信号が発生したときにト
リガされて所定の時間幅のパルスを駆動パルスVd とし
て発生するパルス発生回路が構成され、このパルス発生
回路と、チョッパ駆動指令信号発生回路6Dとにより、
チョッパ用スイッチ駆動回路が構成されている。
【0033】制御装置2は、マイクロコンピュータから
なっていて、この制御装置には、パルサコイル5の出力
と、充電電圧検出回路7が出力する充電電圧検出信号と
が入力されている。
【0034】パルサコイル5は、機関に取り付けられた
誘導子形の信号発電機に設けられていて、機関の特定の
回転角度位置、例えば、機関の最大進角位置または該最
大進角位置よりも僅かに進んだ位置に設定された基準位
置で第1のパルス信号を発生し、該基準位置よりも遅
れ、機関の上死点よりは進んだ位置で、第1のパルス信
号と極性が異なる第2のパルス信号を発生する。これら
第1のパルス信号及び第2のパルス信号は、機関の回転
角度位置情報及び回転数情報を得るための信号として用
いられる。
【0035】図示の充電電圧検出回路7は、点火用コン
デンサCi とサイリスタThi のアノードとの接続点と
接地間に接続された抵抗R15及びR16の直列回路からな
っていて、点火用コンデンサCi とダイオードDi との
直列回路の両端の電圧を分圧して、抵抗R16の両端に充
電電圧検出信号を出力する。
【0036】制御装置2を構成するマイクロコンピュー
タは、所定のプログラムを実行することにより、点火時
期制御手段2Aと、昇圧停止指令発生手段2Bとを実現
する。点火時期制御手段2Aは、例えば、パルサコイル
5が出力するパルス信号の発生間隔から機関の回転数を
検出する回転数検出手段と、検出された回転数に対して
機関の点火時期を演算する点火時期演算手段と、パルサ
コイル5が基準位置で第1のパルス信号を発生したこと
が検出されたときに演算された点火時期の計測を開始し
て、該点火時期が計測されたときに、点火回路1のサイ
リスタThi に点火信号Vi を与える点火信号発生手段
とにより構成される。
【0037】また昇圧停止指令発生手段は、充電電圧検
出回路7が出力する充電電圧検出信号を所定のサンプリ
ング周期でサンプリングして、サンプリングした充電電
圧検出信号から得られる点火用コンデンサの充電電圧
(端子電圧)を制限値と比較し、充電電圧が制限値を超
えたときに昇圧停止指令信号を発生する。昇圧停止指令
発生手段2Bはまた、点火動作時にサイリスタThi が
転流することができなくなるのを防ぐために、放電用サ
イリスタThi が点火信号Vi によりトリガされて導通
する期間昇圧停止指令信号Vaを発生する。
【0038】この昇圧停止指令信号Vaは、コンバータ
動作停止回路8に与えられている。コンバータ動作停止
回路8は、エミッタが接地され、コレクタが微分コンデ
ンサC2 の一端に接続されたNPNトランジスタTR8
と、該トランジスタTR8 のベースエミッタ間に接続さ
れた抵抗R17と、トランジスタTR8 のベースに一端が
接続された抵抗R18とからなり、抵抗R18の他端は制御
装置2の出力ポートに接続されている。
【0039】なお放電用サイリスタの転流の失敗を防止
するために発生させる昇圧停止指令信号Va は、点火動
作のために放電用サイリスタが導通している期間発生し
ている信号であればよく、例えば、機関の最大進角位置
よりも僅かに位相が進んだ位置で発生し、最小進角位置
よりも所定の角度遅れた位置で消滅する信号であっても
よい。
【0040】次に図1に示した内燃機関用点火装置の動
作を説明する。図1の点火装置において、最初微分コン
デンサC2 の電荷が零であるとする。電源コンデンサC
1 の両端に電圧が発生していない状態では、トランジス
タTR2 〜TR7 が遮断状態にあり、FET F1 は遮
断状態にあるため、昇圧トランス6Aは電圧の発生を停
止している。
【0041】機関のクランク軸が回転させられてエキサ
イタコイル3が電圧を誘起すると、エキサイタコイル3
からダイオードD1 とトランジスタTR1 とダイオード
D2とを通して電源コンデンサC1 が図示の極性に充電
される。このコンデンサC1の両端の電圧が設定値以上
になるとサイリスタTh1 が導通してトランジスタTR
1 を遮断状態にするため、エキサイタコイル3の誘起電
圧が昇圧される。この昇圧された誘起電圧でダイオード
D3 とDi とを通して点火用コンデンサCi が図示の極
性に充電される。
【0042】また電源コンデンサC1 の両端に電圧が現
れると、該電圧がチョッパ駆動指令信号発生回路6Dに
印加される。このとき昇圧トランスの二次コイルW2 に
は電流が流れておらず、ダイオードD5 の両端には順方
向電圧降下が発生していないため、トランジスタTR4
が導通し、トランジスタTR5 は遮断状態にある。また
このとき電源コンデンサの両端の電圧が抵抗R12を通し
て微分コンデンサC2に印加されるため、微分コンデン
サC2 に充電電流が流れる。この充電電流が流れている
間だけトランジスタTR6 が導通するため、該トランジ
スタTR6 のコレクタエミッタ間に高電位からほぼ零電
位まで立ち下がるパルス信号Vd ´が発生する。パルス
信号Vd ´が発生している間(トランジスタTR6 が導
通している間)だけトランジスタTR7 が遮断状態にな
るため、該トランジスタTR7 のコレクタエミッタ間に
パルス信号Vd ´を反転させたものに相当する駆動パル
スVd が発生する。駆動パルスVd が発生している間
(トランジスタTR7 が遮断している間)トランジスタ
TR3 が遮断状態になるため、トランジスタTR2 と抵
抗R5 とを通してFET F1 に駆動信号が与えられ
る。これによりFETF1 が導通状態になり、昇圧トラ
ンス6Aに一次電流が流れる。
【0043】図1の点火装置においては、昇圧トランス
6Aに一次電流が流れた場合に、トランス6Aのコアを
流れる磁束が飽和値に近い大きさになるように(飽和は
しないように)、駆動パルスVd のパルス幅が設定され
る。駆動パルスVd のパルス幅は、微分回路6Fの抵抗
R12の抵抗値と微分コンデンサC2 の静電容量とにより
決まる時定数を調整することにより適宜に設定すること
ができる。
【0044】駆動パルスVd が消滅すると、FET F
1 への駆動信号の供給が停止するため、該FETが遮断
状態になり、昇圧トランス6Aの一次電流が遮断され
る。これにより昇圧トランス6Aの二次コイルW2 に2
00[V]以上の立ち上がりが速い電圧が誘起し、この
電圧により、ダイオードD4 及びDi を通して点火用コ
ンデンサCi が図示の極性に充電される。
【0045】点火用コンデンサCi の充電電流が流れて
いるときには、充電電流検出用ダイオードD5 の両端に
順方向電圧降下(最大で約0.6ボルト)が生じ、この
電圧降下によりトランジスタTR4 のベースエミッタ間
が逆バイアスされるため、該トランジスタTR4 が遮断
状態になり、トランジスタTR5 が導通する。トランジ
スタTR5 が導通すると、微分コンデンサC2 →トラン
ジスタTR5 のコレクタエミッタ間→ダイオードD6 →
微分コンデンサC2 の経路で微分コンデンサC2 の電荷
が放電する。昇圧トランスの二次コイルW2 から点火用
コンデンサCiに流れていた充電電流が所定のしきい値
未満になり(ほぼ零になり)、ダイオードD5 の両端の
順方向電圧降下が所定レベル未満になると、トランジス
タTR4が導通状態になるため、トランジスタTR5 が
遮断状態になる。トランジスタTR5 が遮断状態になる
と同時に微分コンデンサC2 に充電電流が流れるため、
微分回路6Fからパルス信号Vd ´が発生し、反転回路
2Hから駆動パルスVd が発生する。
【0046】駆動パルスVd が発生すると、FET F
1 に駆動信号が与えられて該FETが導通させられるた
め、昇圧トランス6Aに一次電流が流れる。駆動パルス
Vdが消滅してFETが遮断状態になったときに昇圧ト
ランスの一次電流が遮断し、該トランスの二次コイルW
2 に電圧が誘起する。
【0047】以下同様の動作が繰り返され、点火用コン
デンサCi の充電電流(昇圧トランスの二次電流)が所
定のしきい値未満(または零)になる毎に一定の時間幅
の駆動パルスVd が発生する。各駆動パルスが零に立ち
下がる際に昇圧トランスの一次電流が遮断されて、該ト
ランスの二次コイルに電圧が誘起し、該電圧により点火
用コンデンサCi が段階的に充電されていく。
【0048】点火用コンデンサCi の充電が進んでいく
と、該コンデンサCi に充電電流が流れる時間が短くな
っていくため、FET F1 の駆動信号の発生間隔が短
くなっていく。従って、点火用コンデンサCi の充電間
隔は、充電が進むに従って短くなっていき、該コンデン
サCi の両端の電圧(充電電圧)が上昇していく。
【0049】点火用コンデンサCi の充電電圧Vciが制
限値に達すると、制御装置2が昇圧停止指令信号Va を
発生するため、トランジスタTR8 が導通し、微分コン
デンサC2 の一端をほぼ接地電位に保つ。そのため微分
回路6Fがパルス信号Vd ´を発生しなくなり、昇圧回
路6Cの昇圧動作が停止する。これにより点火用コンデ
ンサCi の充電が停止し、該コンデンサCi の充電電圧
が制限値を超えるのが防止される。
【0050】内燃機関の点火時期に点火時期制御手段2
Aが点火信号Vi を発生すると、放電用サイリスタTh
i が導通するため、点火用コンデンサCi の電荷がサイ
リスタThi と点火コイルIGの一次コイルとを通して
放電する。これにより点火コイルIGの二次コイルに点
火用の高電圧が発生し、点火プラグPに火花が生じて機
関が点火される。
【0051】点火動作が行われる区間においては、制御
装置2がが昇圧停止指令信号Va を発生するため、昇圧
動作停止回路8のトランジスタTR8 が導通して微分回
路6Fの動作を停止させる。これにより、昇圧回路6C
の動作を停止させて、該昇圧回路から点火用コンデンサ
Ci に電圧が印加されるのを防ぐため、サイリスタTh
i のターンオフは確実に行なわれる。
【0052】上記のように、エキサイタコイル3の正の
半サイクルの誘起電圧でエキサイタ出力昇圧用スイッチ
(図示の例ではトランジスタTR1 )を通して一方向に
充電される電源コンデンサC1 と、電源コンデンサC1
の両端の電圧が設定値に達したときにエキサイタ出力昇
圧用スイッチを遮断状態にする遮断制御回路4Aと、電
源コンデンサC1 の両端の電圧を昇圧するDC−DCコ
ンバータ6とを設けて、エキサイタ出力昇圧用スイッチ
が遮断したときにエキサイタコイル3に誘起する昇圧さ
れた電圧と、電源コンデンサC1 の両端の電圧をDC−
DCコンバータ6により昇圧して得た電圧とで点火用コ
ンデンサCi を充電するようにすると、エキサイタコイ
ルの誘起電圧が電源コンデンサC1 の両端の電圧の設定
値よりも低いときでも、DC−DCコンバータ6の出力
電圧により点火用コンデンサCiを十分に高い電圧まで
充電することができるため、機関の回転数が低いとき
に、エキサイタコイルの誘起電圧が設定値を超えること
ができなくても、点火動作を行わせることができる。
【0053】図3は点火用コンデンサCi の充電電圧の
回転数[rpm]に対する特性を、本発明に係わる点火
装置と図2に示した従来の点火装置とについて示したも
ので、図3において、曲線aは図2に示した従来の点火
相における充電電圧と回転数との関係を示し、曲線bは
図1に示した本発明に係わる点火装置の充電電圧と回転
数との関係を示している。図3の例では、従来の点火装
置及び本発明に係わる点火装置でそれぞれ用いるエキサ
イタコイルの巻数を同一としている。
【0054】図3から明らかなように、本発明によれ
ば、機関の回転数が低い領域で、点火用コンデンサの充
電電圧を大幅に高めることができるため、図2に示した
従来の点火装置よりも線径が大きい導体を用いて、エキ
サイタコイルを少ない巻数で巻回しても、点火動作が開
始される回転数を低くすることができる。
【0055】上記のように、昇圧トランス6Aの二次電
流を検出して該二次電流が所定のしきい値未満であるこ
と(または該二次電流が零であること)が検出されたと
きにチョッパ用スイッチ回路6Bに所定の時間幅の駆動
パルスVd を与えて昇圧トランス6Aに一次電流を流す
過程と、駆動パルスVd の消滅により昇圧トランスの一
次電流が遮断したときに昇圧トランスの二次コイルに誘
起する電圧で点火用コンデンサCi を一方の極性に充電
する過程とを繰り返すことにより、点火用コンデンサC
i を充電する電圧を発生させるようにDC−DCコンバ
ータ6を構成すると、昇圧トランス6Aに二次電流が流
れているとき、即ち昇圧トランス6Aの鉄心に磁束が流
れているときに一次電流が流れないため、昇圧トランス
の一次電流が大きくなって該トランスでの消費電力が増
大するのを防いで昇圧回路の効率を高くすることがで
き、昇圧トランスの発熱が増大したり、チョッパ用スイ
ッチ回路6Bでの発熱が増大したりするのを防ぐことが
できる。
【0056】上記の例では、微分回路6Fを用いて駆動
パルスVd を発生させるようにしたが、駆動パルスを発
生する回路の構成は上記の例に限定されない。例えば、
昇圧トランスの二次電流がしきい値未満になって、チョ
ッパ駆動指令信号発生回路6Dがチョッパ駆動指令信号
を発生したときに単安定マルチバイブレータをトリガす
ることにより駆動パルスを発生させる構成をとることも
できる。
【0057】更に上記のように構成すると、昇圧トラン
ス6Aの二次電流が零になった後直ちに一次電流が流れ
るため、昇圧トランスの負荷が小さくなる(点火用コン
デンサの充電が進んで充電電流が流れる時間が短くな
る)につれて、チョッパ用スイッチ素子(FET)のオ
ンオフの周波数が高くなっていく。従って機関の高速時
に点火用コンデンサの両端の電圧をほぼ直線的に上昇さ
せることができ、点火用コンデンサの充電効率を向上さ
せることができる。
【0058】上記の例では、チョッパ用スイッチ回路2
Bを、FETを主のスイッチ素子(昇圧トランスの一次
電流をオンオフするスイッチ素子)として構成したが、
トランジスタ等の他のオンオフ制御が可能なスイッチ素
子を主のスイッチ素子としてチョッパ用スイッチ回路を
構成できるのはもちろんである。
【0059】上記の例では、遮断制御回路4Aのスイッ
チとして、サイリスタTh1 を用いているが、この遮断
制御回路4Aに用いるスイッチはトランジスタ等の他の
オンオフ制御が可能なスイッチ素子で構成してもよい。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、エキサ
イタコイルの正の半サイクルの誘起電圧でエキサイタ出
力昇圧用スイッチを通して一方向に充電される電源コン
デンサと、該電源コンデンサの両端の電圧が設定値に達
したときにエキサイタ出力昇圧用スイッチを遮断状態に
する遮断制御回路と、電源コンデンサの両端の電圧を昇
圧するDC−DCコンバータとを設けて、エキサイタ出
力昇圧用スイッチが遮断したときにエキサイタコイルに
誘起する昇圧された電圧と、電源コンデンサの両端の電
圧をDC−DCコンバータにより昇圧して得た電圧とで
点火用コンデンサを充電するようにしたので、エキサイ
タコイルの誘起電圧が電源コンデンサの両端の電圧の設
定値よりも低いときでも、DC−DCコンバータの出力
電圧により点火用コンデンサを十分に高い電圧まで充電
することができる。従って、エキサイタコイルを通して
流しておいた電流を遮断することによりエキサイタコイ
ルの誘起電圧を昇圧する回路のみを設けていた従来の点
火装置よりも、エキサイタコイルの巻数を少なくするこ
とができ、エキサイタコイルを従来より更に太い導体を
用いて巻回することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる点火装置の一構成例を示した回
路図である。
【図2】従来の点火装置の構成を示した回路図である。
【図3】本発明に係わる点火装置と従来の点火装置とに
ついて、点火用コンデンサの充電電圧の回転数に対する
特性を比較して示した線図である。
【符号の説明】
1…点火回路、2…制御装置、3…エキサイタコイル、
4…昇圧電源回路、4A…遮断制御回路、5…パルサコ
イル、6…DC−DCコンバータ、6A…昇圧トラン
ス、6B…チョッパ用スイッチ回路、6C…昇圧回路、
6D…チョッパ駆動指令信号発生回路、6E…微分制御
回路、6F…微分回路、6G…反転回路、7…充電電圧
検出回路、IG…点火コイル、Ci …点火用コンデン
サ、Thi …放電用サイリスタ、TR1 …トランジスタ
(エキサイタ出力昇圧用スイッチ)、F1 …FET(チ
ョッパ用スイッチ素子)、C1 …電源コンデンサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火コイルと、前記点火コイルの1次側
    に設けられた点火用コンデンサと、点火信号が与えられ
    たときに導通して前記点火用コンデンサの電荷を前記点
    火コイルの1次コイルを通して放電させるように設けら
    れた放電用サイリスタと、内燃機関の点火時期に前記放
    電用サイリスタに点火信号を与える点火時期制御装置と
    を備えたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置におい
    て、 内燃機関と同期回転する磁石式交流発電機内に設けられ
    て正負の半サイクルの電圧を誘起するエキサイタコイル
    と、 前記エキサイタコイルが正の半サイクルの電圧を誘起し
    たときに導通するエキサイタ出力昇圧用スイッチと、 前記エキサイタコイルの正の半サイクルの誘起電圧で前
    記エキサイタ出力昇圧用スイッチを通して一方向に充電
    される電源コンデンサと、 前記電源コンデンサの両端の電圧が設定値に達したとき
    に前記エキサイタ出力昇圧用スイッチを遮断状態にする
    遮断制御回路と、 前記電源コンデンサの両端の電圧を昇圧するDC−DC
    コンバータと、 前記エキサイタ出力昇圧用スイッチが遮断したときに前
    記エキサイタコイルに誘起する電圧で前記点火エネルギ
    ー蓄積用コンデンサを一方の極性に充電する第1のコン
    デンサ充電回路と、 前記DC−DCコンバータの出力で前記点火用コンデン
    サを充電する第2のコンデンサ充電回路と、 を具備したことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関
    用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記点火用コンデンサの充電電圧が制限
    値を超えたとき、及び前記放電用サイリスタが点火信号
    によりトリガされて導通する期間昇圧停止指令信号を発
    生する昇圧停止指令発生手段と、前記昇圧停止指令信号
    が発生したときに前記DC−DCコンバータの動作を停
    止させるコンバータ動作停止回路とを更に備えているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ放電式内燃
    機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記放電用サイリスタが点火信号により
    トリガされて導通する期間及び前記内燃機関の回転数が
    設定値に達したときに昇圧停止指令信号を発生する昇圧
    停止指令発生手段と、前記昇圧停止指令信号が発生した
    ときに前記DC−DCコンバータの動作を停止させるコ
    ンバータ動作停止回路とを更に備えていることを特徴と
    する請求項1に記載のコンデンサ放電式内燃機関点火装
    置。
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