JP3376811B2 - コンデンサ放電式内燃機関点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関点火装置

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JP3376811B2 JP08131996A JP8131996A JP3376811B2 JP 3376811 B2 JP3376811 B2 JP 3376811B2 JP 08131996 A JP08131996 A JP 08131996A JP 8131996 A JP8131996 A JP 8131996A JP 3376811 B2 JP3376811 B2 JP 3376811B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バッテリ等の直流
電源の出力電圧を昇圧するDC−DCコンバータをコン
デンサ充電用の電源として用いるコンデンサ放電式内燃
機関点火装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】コンデンサ放電式内燃機関点火装置は、
点火コイルと、該点火コイルの一次側に設けられて電源
部の出力により一方の極性に充電される点火エネルギ蓄
積用コンデンサと、導通した際に該コンデンサの電荷を
点火コイルの一次コイルに放電させるように設けられた
放電用サイリスタとを有する点火回路と、点火エネルギ
蓄積用コンデンサを充電するための電圧を発生する電源
部と、内燃機関の点火位置で放電用サイリスタに点火ト
リガ信号を与える点火位置制御装置とにより構成され
る。 【0003】この種の点火装置に用いる点火回路として
は、機関の点火時に点火プラグにDC放電が生じるDC
放電方式とAC放電が生じるAC放電方式との2つの形
式の回路が用いられている。 【0004】図3はDC放電式の点火回路を用いたコン
デンサ放電式内燃機関点火装置の構成例を示したもの
で、同図において1は点火回路、2´は電源部、3は点
火位置制御装置である。図示の点火回路1は、一端が共
通に接続された一次コイルL1及び二次コイルL2 を有
して一次コイルの他端が接地された点火コイルIGと、
該点火コイルの一次コイルの一端(非接地側端子)に一
端が接続された点火エネルギ蓄積用コンデンサCi と、
該コンデンサの他端と接地間にアノードをコンデンサ側
に向けて接続された放電用サイリスタSi1と、点火コイ
ルの一次コイルL1 の両端に並列接続されたダンパダイ
オードDi1とにより構成され、点火コイルの二次コイル
L2 には、内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグ
Pが接続されている。 【0005】電源部2´は、内燃機関に取り付けられた
磁石発電機に設けられて一端が接地されたエキサイタコ
イルEXと、該エキサイタコイルの非接地側端子と点火
エネルギ蓄積用コンデンサCi の他端との間に接続され
た整流用ダイオードD1 とにより構成されている。 【0006】また点火位置制御装置3は、内燃機関の最
大進角位置及び最小進角位置でそれぞれ第1の信号Vs1
及び第2の信号Vs2を発生するパルサコイル3Aと、第
1の信号Vs1及び第2の信号Vs2から得た回転角度情報
及び回転数情報に基づいて内燃機関の点火位置を演算し
て、演算した点火位置てサイリスタS1 に点火トリガ信
号Vi を与える演算装置3Bとにより構成されている。 【0007】図3に示した点火装置においては、機関の
回転に同期してエキサイタコイルEXに誘起する交流電
圧の正の半サイクルにおいて、エキサイタコイルEXか
らダイオードD1 と点火エネルギ蓄積用コンデンサCi
とダンパダイオードDi1及び点火コイルの一次コイルL
1 とを通して電流が流れてコンデンサCi が図示の極性
に充電される。次いで機関の点火位置において、演算装
置3Bが点火トリガ信号Vi を発生すると、サイリスタ
Si1が導通するため、コンデンサCi の電荷がサイリス
タSi1と点火コイルの一次コイルL1 とを通して放電
し、この放電により点火コイルの一次コイルに高い電圧
が誘起する。この一次コイルの誘起電圧が更に昇圧され
て点火コイルの二次コイルL2 から点火用の高電圧が出
力されるため、点火プラグPに火花が生じて機関が点火
される。 【0008】コンデンサCi の電荷が零になると、サイ
リスタSi1には電流が流れなくなるが、点火コイルの一
次コイルL1 のインダクタンスにより、該一次コイルに
電流を流し続けようとする向きの電圧が誘起する。この
誘起電圧はダンパダイオードDi1により短絡される。従
って、図3に示した点火装置では、点火コイルの一次コ
イルL1 に一方向の電流しか流れず、該点火コイルの二
次コイルL2 にも一方向の電流しか流れないため、点火
プラグPで生じる放電はDC放電となる。 【0009】図4はAC放電方式の点火回路を用いたコ
ンデンサ放電式内燃機関点火装置の構成例を示したもの
で、この例では、図3の装置で設けられていたダンパダ
イオードDi1が取り外され、放電用サイリスタSi1に逆
方向電流通電用ダイオードDi2が逆並列接続されて、点
火エネルギ蓄積用コンデンサCi と放電用サイリスタS
i1及びダイオードDi2と点火コイルの一次コイルL1 と
により、LC共振回路が構成されている。その他の構成
は図3に示した点火装置と同様である。 【0010】なお本明細書において、「逆並列接続」と
は、電流を一方向にのみ流す特性を有する2つの素子
(図4の例ではサイリスタSi1とダイオードDi2)を、
それぞれの電流の通電方向を互いに逆にして並列接続す
ることを意味する。 【0011】図4の点火装置においては、放電用サイリ
スタSi1に点火トリガ信号Vi が与えられて該サイリス
タが導通したときに、先ずコンデンサCi →サイリスタ
Si1→一次コイルL1 →コンデンサCi の経路で電流が
流れる。コンデンサCi の電荷が零になっても、一次コ
イルL1 には電流を流し続けようとする向きの電圧が誘
起するため、更に電流が流れ続けてコンデンサCi が図
示の極性と反対の極性に充電される。一次コイルL1 の
誘起電圧が零になると、今度はコンデンサCi→一次コ
イルL1 →逆方向電流通電用ダイオードDi2→コンデン
サCi の経路で逆方向の電流が流れ、コンデンサCi が
再度図示の極性に充電される。このときサイリスタSi1
に点火トリガ信号が与えられていると、該サイリスタS
i1が再び導通してコンデンサCi の電荷を放電させる。
従って、図4の点火装置では、サイリスタSi1に与える
点火トリガ信号Vi の信号幅を十分に大きくしておくこ
とにより、点火エネルギ蓄積用コンデンサCi と放電用
サイリスタSi1及びダイオードDi2と点火コイルの一次
コイルL1 とにより構成されたLC共振回路にAC振動
電流(1サイクル以上の交流振動電流)を流すことがで
きる。従って、この点火装置によれば、点火プラグPに
AC放電を生じさせて、火花放電の持続時間を長くする
ことができ、内燃機関において稀薄燃料を用いる場合で
も点火を良好に行わせることができる。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】図3及び図4に示した
点火装置においては、磁石発電機に設けられたエキサイ
タコイルEXの出力により点火エネルギ蓄積用コンデン
サCi を充電しているが、エキサイタコイルEXは20
0[V]以上の高い電圧を誘起する必要があるため、そ
の巻数を多くする必要があり、該エキサイタコイルを設
けると磁石発電機が大形になるのを避けられない。その
ため、最近では、バッテリ等の直流電源の出力電圧を昇
圧するDC−DCコンバータを用いて、該DC−DCコ
ンバータの出力電圧で点火エネルギ蓄積用コンデンサC
i を充電するようにした点火装置が多く用いられるよう
になった。DC−DCコンバータは、直流電源から一次
電流が供給される昇圧トランスと、該昇圧トランスの一
次電流をオンオフするチョッパ用スイッチと、該チョッ
パ用スイッチを高い周波数でオンオフさせるチョッパ用
スイッチ制御回路とを備えているが、最近、高い周波数
に応答し得る小形のフェライトコアが出現したことか
ら、昇圧トランスを小形に構成することができるように
なり、小形のDC−DCコンバータを点火装置の電源と
して用いることができるようになった。 【0013】そこで、図4に示したAC放電式のコンデ
ンサ放電式内燃機関点火装置において、電源部2´をD
C−DCコンバータで置き換えることが考えられるが、
DC−DCコンバータの昇圧トランスに誘起する出力電
圧は立上りが早い断続波形を呈するため、以下に示すよ
うな問題が生じる。 【0014】即ち、図4の点火装置の電源部2´をDC
−DCコンバータで置き換えた場合には、コンバータか
ら点火エネルギ蓄積用コンデンサCi に充電電流を流す
際に、該充電電流が必ず点火コイルの一次コイルL1 を
通るため、DC−DCコンバータからコンデンサCi を
充電する方向の立上りが早い電圧が出力される毎に、一
次コイルL1 のインダクタンスにより、コンデンサCi
のサイリスタSi1側の端子と接地間に立上りの早いスパ
イク電圧が発生し、このスパイク電圧がサイリスタSi1
のアノードカソード間に印加される。このスパイク電圧
の立上りの時間的変化率dV/dtが、サイリスタSi1
のdV/dt耐量を超えると、点火トリガ信号Vi が与
えられていなくてもサイリスタSi1が導通して、コンデ
ンサCiの充電を行うことができなくなることがある。 【0015】なお図4に示したように、エキサイタコイ
ルEXを電源とした場合には、点火エネルギ蓄積用コン
デンサを充電する際に、エキサイタコイルの誘起電圧が
ゆっくりと立上るため、サイリスタSi1のアノードカソ
ード間に印加される電圧の時間的変化率dV/dtはそ
れ程大きくならず、問題は生じない。 【0016】上記のように、AC放電式のコンデンサ放
電式内燃機関点火装置の電源としてDC−DCコンバー
タを用いた場合には、点火エネルギ蓄積用コンデンサC
i を充電する際に放電用サイリスタSi1のアノードカソ
ード間に加わる電圧の時間的変化率dV/dtが大きく
なって、該サイリスタが導通してしまうことがあるた
め、AC放電式の点火装置の電源としてDC−DCコン
バータを用いることは行われておらず、DC−DCコン
バータを電源として放電持続時間が長いコンデンサ放電
式の内燃機関点火装置を得ることはできなかった。 【0017】本発明の目的は、DC−DCコンバータを
コンデンサ充電用の電源として用いて、コンデンサの充
電時に放電用サイリスタの誤動作を生じさせることな
く、放電持続時間が長い火花を発生させることができる
ようにしたコンデンサ放電式内燃機関点火装置を提供す
ることにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明は、直流電源の出
力電圧を昇圧するDC−DCコンバータと、点火コイル
と、該点火コイルの一次コイルの一端に一端が接続され
てコンバータの出力により一方の極性に充電される点火
エネルギ蓄積用コンデンサと、該点火エネルギ蓄積用コ
ンデンサの他端と一次コイルの他端との間に接続されて
導通した際に点火エネルギ蓄積用コンデンサの電荷を点
火コイルの一次コイルを通して放電させる放電用サイリ
スタと、該放電用サイリスタの両端に逆並列接続された
逆方向電流通電用ダイオードとを有して、点火エネルギ
蓄積用コンデンサと放電用サイリスタ及び逆方向電流通
電用ダイオードと点火コイルの一次コイルとによりLC
共振回路が構成されている点火回路と、放電用サイリス
タが導通した際に共振回路にAC振動電流(少なくとも
1サイクルの交流振動電流)を流すために必要な信号幅
を有する点火トリガ信号を内燃機関の点火位置で放電用
サイリスタのゲートに与える点火位置制御装置と、少な
くとも点火トリガ信号が発生している間コンバータの出
力を停止させるようにコンバータを制御するコンバータ
制御装置とを備えたコンデンサ放電式内燃機関点火装置
に係わるものである。 【0019】少なくとも点火トリガ信号が発生している
間コンバータの出力を停止させるのは、コンバータから
放電用サイリスタに順方向電圧が継続的に印加されて該
サイリスタが転流することができなくなるのを防ぐため
である。 【0020】本発明においては、コンバータの出力によ
り点火エネルギ蓄積用コンデンサが充電される際に流れ
る充電電流が順方向に流れる向きのダンパ用サイリスタ
を点火コイルの一次コイルに対して並列に接続し、少な
くとも点火トリガ信号が発生している間ダンパ用サイリ
スタを遮断状態に保持し、点火エネルギ蓄積用コンデン
サが充電される際にダンパ用サイリスタを導通させるよ
うに、ダンパ用サイリスタをオンオフ制御するダンパ用
サイリスタ制御装置を設けた。 【0021】DC−DCコンバータは、直流電源から与
えられる昇圧トランスの一次電流をチョッパ用スイッチ
によってオンオフさせることにより昇圧された電圧を得
て、該昇圧された電圧をダイオードを通して出力するよ
うになっているため、該コンバータの出力電圧は断続波
形となる。 【0022】本発明において、点火エネルギ蓄積用コン
デンサが充電される際にダンパ用サイリスタを導通させ
るには、DC−DCコンバータの昇圧トランスに点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサを充電する極性の出力電圧が発
生する毎に、ダンパ用サイリスタにトリガ信号を与えて
該ダンパ用サイリスタを導通させるようにしてもよく、
点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電を行わせる期間の
全期間に亘って、ダンパ用サイリスタにトリガ信号を与
え続けるようにしてもよい。 【0023】上記コンバータ制御装置は、内燃機関の点
火位置の最大進角位置または該最大進角位置よりも僅か
に位相が進んだ位置で発生し、最小進角位置よりも位相
が遅れた位置で消滅するコンバータ出力停止指令信号を
発生する停止指令信号発生手段を有して、コンバータ出
力停止指令信号が発生している期間コンバータの出力を
停止させるように構成される。 【0024】この場合、ダンパ用サイリスタ制御装置
は、コンバータ出力停止指令信号が発生している期間ダ
ンパ用サイリスタを遮断状態に保持し、点火エネルギ蓄
積用コンデンサが充電される際にダンパ用サイリスタを
導通させるように構成する。 【0025】上記点火位置制御装置は、多くの場合、内
燃機関の点火位置の最大進角位置及び最小進角位置でそ
れぞれ第1の信号及び第2の信号を発生する信号発生器
と、第1の信号及び第2の信号を入力として内燃機関の
点火位置を演算する演算装置とを有して、演算した点火
位置で、共振回路に所定時間の間(機関を確実に点火す
るために必要な時間の間)AC振動電流を流すために必
要な信号幅を有する点火トリガ信号を放電用サイリスタ
のゲートに与えるように構成される。 【0026】上記のように、コンバータの出力により点
火エネルギ蓄積用コンデンサが充電される際に流れる充
電電流が順方向に流れる向きのダンパ用サイリスタを点
火コイルの一次コイルに対して並列に接続して、少なく
とも点火トリガ信号が発生している間ダンパ用サイリス
タを遮断状態に保持し、点火エネルギ蓄積用コンデンサ
が充電される際にダンパ用サイリスタを導通させるよう
に、ダンパ用サイリスタをオンオフ制御するようにする
と、点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電電流は、その
大部分がダンパ用サイリスタを通して流れ、点火コイル
の一次コイルには殆ど流れないため、DC−DCコンバ
ータから立上りの早い電圧が出力されたときに、点火コ
イルの一次コイルのインダクタンスにより高いスパイク
電圧が発生して放電用サイリスタにdV/dtが大きい
電圧が印加されるのを防ぐことができる。 【0027】従って、本発明によれば、点火エネルギ蓄
積用コンデンサを充電する電源としてDC−DCコンバ
ータを用いて、放電用サイリスタの誤動作を生じさせる
ことなく、点火エネルギ蓄積用コンデンサを充電するこ
とができる。また放電用サイリスタに点火トリガ信号を
与える際には、ダンパ用サイリスタが遮断状態に保持さ
れるため、放電用サイリスタが導通した際にLC共振回
路にAC振動電流を流すことができる。従って、点火プ
ラグに持続時間が長い火花を生じさせることができ、稀
薄燃料を用いる場合でも機関の点火を良好に行わせるこ
とができる。 【0028】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係わるコンデンサ
放電式内燃機関点火装置の構成例を示したものである。 【0029】図1において、1は点火回路、2はDC−
DCコンバータを用いた電源部、3は点火位置制御装
置、4は充電電圧検出回路、5は点火回路のコンデンサ
の充電電圧が制限値を超えたとき及び点火動作が行われ
るときにDC−DCコンバータの出力を停止させるコン
バータ出力停止回路、6はダンパ用サイリスタ制御回路
の一部をなすダンパ用サイリスタトリガ信号供給回路で
ある。以下各部の構成につき説明する。 【0030】点火回路1は、一端が共通接続された一次
コイルL1 及び二次コイルL2 を有して一次コイルL1
の他端が接地された点火コイルIGと、点火コイルの一
次コイルL1 の一端に一端が接続された点火エネルギ蓄
積用コンデンサCi と、該点火エネルギ蓄積用コンデン
サの他端と一次コイルの他端(接地)との間に、アノー
ドをコンデンサCi 側に向けた状態で接続されて導通し
た際に点火エネルギ蓄積用コンデンサCi の電荷を点火
コイルの一次コイルを通して放電させる放電用サイリス
タSi1とを備えており、サイリスタSi1のゲートカソー
ド間には抵抗Ri1が接続されている。点火コイルの二次
コイルL2 の他端と接地間に図示しない機関の気筒に取
り付けられた点火プラグPが接続されている。点火回路
1のここまでの構成はAC放電式を採用した従来のコン
デンサ放電式点火装置の点火回路の構成と同様である
が、本発明においては、点火エネルギ蓄積用コンデンサ
Ciが充電される際に流れる充電電流に対して順方向の
ダンパ用サイリスタSi2が点火コイルの一次コイルL1
に対して並列に接続され、サイリスタSi2のゲートカソ
ード間には抵抗Ri2が接続されている。 【0031】図示の点火回路1においては、ダンパ用サ
イリスタSi2が遮断状態にあるときに、コンデンサCi
と放電用サイリスタSi1とダイオードDi2と点火コイル
の一次コイルL1 とにより、LC共振回路が構成され
る。 【0032】電源部2は、負極が接地された直流電源と
してのバッテリ2Aと、昇圧トランス2B及びチョッパ
用スイッチ回路2Cからなる昇圧回路2Dと、チョッパ
駆動指令信号発生回路2Eと、微分制御回路2Fと、微
分回路2Gと、反転回路2Hとを備えており、昇圧回路
2Dとチョッパ駆動指令信号発生回路2Eと微分制御回
路2Fと微分回路2Gと反転回路2HとダイオードD1
とにより、DC−DCコンバータが構成されている。 【0033】図示してないが、バッテリ2Aの両端の電
圧(例えば14.5[V])が電源スイッチSWを通し
て定電圧電源回路に入力され、該定電圧電源回路から得
られるほぼ一定の直流電圧Vccが後述する回路の電源端
子に印加される。 【0034】バッテリ2Aは内燃機関に取り付けられた
図示しない磁石発電機内に設けられたバッテリ充電用コ
イルの出力により所定の充電回路を通して充電されるよ
うになっている。 【0035】昇圧トランス2Bは、フェライトコアに一
次コイルW1 及び二次コイルW2 を巻装したもので、そ
の一次コイルW1 の一端は電源スイッチSWを通してバ
ッテリ2Aの正極端子に接続されている。一次コイルW
1 の他端にはFET(電界効果トランジスタ)F1 のド
レインが接続され、該FETのソースは接地されてい
る。Df はFETのドレインソース間に存在する寄生ダ
イオードである。 【0036】FET F1 のゲートには抵抗R1 の一端
が接続され、該抵抗の他端はNPNトランジスタTR1
のエミッタとPNPトランジスタTR2 のエミッタとの
共通接続点に接続されている。トランジスタTR1 のコ
レクタは電源スイッチSWを通してバッテリ2Aの正極
端子に接続され、トランジスタTR2 のコレクタは接地
されている。トランジスタTR1 及びTR2 のベースは
共通に接続され、両トランジスタのベースの共通接続点
とトランジスタTR1 のコレクタとの間に抵抗R2 が接
続されている。トランジスタTR1 及びTR2 と抵抗R
1 及びR2 とによりFET F1 を駆動する駆動回路が
構成され、該駆動回路とFET F1 とによりチョッパ
用スイッチ回路2Cが構成されている。このチョッパ用
スイッチ回路2Cにおいては、トランジスタTR1 及び
TR2 のベースの共通接続点が駆動パルス入力端子とな
っていて、該入力端子に正極性の(接地に対して正電位
に立ち上がる)駆動パルスVd が与えられたときにトラ
ンジスタTR2 が遮断状態になり、トランジスタTR1
が導通状態になって、バッテリ2A側からスイッチSW
とトランジスタTR1 のコレクタエミッタ間と抵抗R1
とを通してFETF1 に駆動信号が与えられるようにな
っている。FET F1 は駆動信号が与えられている間
(駆動パルスVd が発生している間)導通して昇圧トラ
ンス2Bに一次電流を流す。 【0037】昇圧トランス2Bの二次コイルW2 の一端
はダイオードD1 を通して点火エネルギ蓄積用コンデン
サCi とサイリスタSi1のアノードとの接続点に接続さ
れている。昇圧トランスの二次コイルW2 の他端側には
アノードが接地された充電電流検出用ダイオードD2 が
設けられて、該ダイオードD2 が二次コイルW2 に直列
に接続され、エミッタが接地された駆動指令信号発生用
トランジスタTR3 のベースが抵抗R3 を通してダイオ
ードD2 のカソードに接続されている。トランジスタT
R3 のコレクタと図示しない定電圧電源回路の出力端子
との間、及びトランジスタTR3 のベースと図示しない
定電圧電源回路の出力端子との間にそれぞれ抵抗R4 及
びR5 が接続され、トランジスタTR3 のベース接地間
に抵抗R6 が接続されている。この例では、ダイオード
D2 と、トランジスタTR3 と、抵抗R3 〜R6 とによ
り、チョッパ駆動指令信号発生回路2Eが構成されてい
る。 【0038】トランジスタTR3 のコレクタには微分制
御用トランジスタTR4 のベースが接続され、トランジ
スタTR4 のベースエミッタ間に抵抗R7 が接続されて
いる。この例では、トランジスタTR4 と抵抗R7 とに
より微分制御回路2Fが構成されている。 【0039】微分制御用トランジスタTR4 のコレクタ
は微分コンデンサC1 の一端に接続され、該コンデンサ
C1 の他端は、エミッタが接地された微分パルス発生用
トランジスタTR5 のベースに接続されている。トラン
ジスタTR5 のベースエミッタ間にはアノードを接地側
に向けたダイオードD3 が接続され、微分コンデンサC
1 の一端と図示しない電源回路の出力端子との間、及び
トランジスタTR5 のベースエミッタ間にそれぞれ抵抗
R8 及びR9 が接続されている。この例では、微分コン
デンサC1 と、微分パルス発生用トランジスタTR5
と、ダイオードD3 と、抵抗R8 及びR9 とにより、微
分回路2Gが構成されている。 【0040】反転回路2Hは、エミッタが接地されたN
PNトランジスタTR6 と該トランジスタのベースに一
端が接続された抵抗R10及びR11とからなり、抵抗R10
の他端は電源スイッチSWを通してバッテリ2Aの正極
端子に接続されている。抵抗R11の他端は接地され、ト
ランジスタTR6 のベースにトランジスタTR5 のコレ
クタが接続されている。トランジスタTR6 のコレクタ
はチョッパ用スイッチ回路2Cの駆動パルス入力端子
(トランジスタTR1 及びTR2 のベース)に接続され
ている。この例では、微分制御回路2Fと、微分回路2
Gと、反転回路2Hとにより、チョッパ駆動指令信号が
発生したときにトリガされて所定の時間幅のパルスを駆
動パルスVd として発生するパルス発生回路が構成され
ている。 【0041】点火位置制御装置3は、パルサコイル3A
と、該パルサコイル3Aの出力を入力として点火位置を
演算する演算装置3Bと、点火トリガ信号出力回路3C
とからなっている。 【0042】パルサコイル3Aは、機関に取り付けられ
た信号発電機に設けられていて、図2(A)に示したよ
うに、機関の一定の回転角度位置、例えば最大進角位置
θ1及び最小進角位置θ2 でそれぞれ第1の信号Vs1及
び第2の信号Vs2を発生する。 【0043】なお本明細書では信号が所定のしきい値レ
ベル(回路が認識し得るレベル)Vt に達する位置を信
号の発生位置としている。 【0044】演算装置3Bは、信号Vs1及びVs2から得
られる回転角度情報と、回転速度情報とを用いて各回転
速度における点火位置を演算し、演算した点火位置で出
力ポートB1 から点火位置信号Vipを出力する。この点
火位置信号Vipは、点火トリガ信号出力回路3Cの構成
に応じて適宜の形をとるが、図示の例では、点火位置で
高レベルから低レベル(接地電位)に立ち下がる信号か
らなっている。 【0045】演算装置3Bとしては、アナログ演算によ
り点火位置を演算するアナログ式のものもあるが、図示
の例では、CPUを用いて点火位置を演算するデジタル
式のものが用いられている。なお本発明において、演算
装置3Bとしていかなる構成のものを用いるかは任意で
ある。 【0046】点火トリガ信号出力回路3Cは、図示しな
い定電圧電源回路の出力端子にエミッタが接続され、ベ
ースが抵抗R14を通して演算装置3Bを構成するCPU
の出力ポートB1 に接続されたPNPトランジスタTR
8 と、トランジスタTR8 のベースコレクタ間に接続さ
れた抵抗R15と、トランジスタTR8 のコレクタに一端
が接続された抵抗R16と、抵抗R16の他端にアノードが
接続されたダイオードD4 とからなっている。この例で
は、ダイオードD4 のカソードが点火トリガ信号出力端
子となっていて、該ダイオードD4 のカソードが点火回
路1の放電用サイリスタSi1のゲート(点火回路の点火
トリガ信号入力端子)に接続されている。 【0047】図示の点火トリガ信号出力回路3Cにおい
ては、点火位置信号Vipが与えられたときにトランジス
タTR8 が導通して、該トランジスタTR8 のエミッタ
コレクタ間と抵抗R16とダイオードD4 とを通して点火
トリガ信号Vi [図2(B)]を出力する。この点火ト
リガ信号Vi の立上り位置が内燃機関の点火位置とな
る。点火トリガ信号Vi の信号幅(時間)は、点火動作
時に点火プラグPで生じさせる火花放電の継続時間に等
しく設定しておく。 【0048】充電電圧検出回路4は、点火エネルギ蓄積
用コンデンサCi とサイリスタSi1のアノードとの接続
点と接地間に接続された抵抗R18及びR19の直列回路か
らなる分圧回路と、抵抗R18及びR19の接続点に一端が
接続された抵抗R20とからなり、抵抗R20の他端は演算
装置3Bを構成するCPUの入力ポートA2 に入力され
ている。充電電圧検出回路4は、点火エネルギ蓄積用コ
ンデンサCi の端子電圧Vciに比例した検出信号をCP
Uに与える。 【0049】コンバータ出力停止回路5は、点火エネル
ギ蓄積用コンデンサCi の端子電圧が制限値を超えたと
き、及び点火動作が行われるときにDC−DCコンバー
タの出力を停止させるために設けられている。このコン
バータ出力停止回路は、エミッタが接地され、コレクタ
が微分コンデンサC1 の一端に接続されたNPNトラン
ジスタTR7 と、該トランジスタTR7 のベースエミッ
タ間に接続された抵抗R12と、トランジスタTR7 のベ
ースに一端が接続された抵抗R13とからなり、トランジ
スタTR7 のベースは、抵抗R13を通して演算装置3B
を構成するCPUの出力ポートB2 に接続されている。 【0050】ダンパ用サイリスタトリガ信号供給回路6
は、図示しない定電圧電源回路の出力端子にエミッタが
接続されたPNPトランジスタTR9 と、トランジスタ
TR9 のベースエミッタ間に接続された抵抗R21と、ト
ランジスタTR9 のベースと演算装置3Bを構成するC
PUの出力ポートB2 との間に接続された抵抗R22と、
トランジスタTR9 のコレクタとダンパ用サイリスタS
i2のゲートとの間に接続された抵抗R23とからなってい
る。 【0051】演算装置3Bを構成するCPUは、所定の
プログラムを実行することにより、停止指令信号発生手
段を実現する。この停止指令信号発生手段は、図2
(C)に示すように、最大進角位置θ1 で立ち上がり、
最小進角位置θ2 よりも所定の角度だけ位相が遅れた位
置θ3 で消滅するコンバータ出力停止指令信号Va を出
力ポートB2 から発生する。最小進角位置θ2 と信号V
a の消滅位置θ3 との間の角度は、低速時に最小進角位
置θ2 で点火動作が行われた際の点火火花の継続時間に
相当する角度よりも僅かに大きく設定しておく。上記停
止指令信号発生手段はまた、充電電圧検出回路4により
検出された点火エネルギ蓄積用コンデンサの充電電圧
(端子電圧)Vciが制限値を超えているときにコンバー
タ停止指令信号Va を発生する。 【0052】コンバータ出力停止指令信号Va は、コン
デンサCi の充電電圧を制限値以下に保ち、かつ点火動
作時にサイリスタSi1が転流することができなくなるの
を防ぐために、コンデンサCi の充電電圧が制限値を超
えたとき、及び点火動作が行われるときに昇圧回路の昇
圧動作を停止させるための信号で、コンバータ出力停止
回路5は、コンバータ出力停止指令信号Va が発生して
いる間昇圧回路2Dの昇圧動作を停止させる。 【0053】なお点火動作が行われる際に発生させるコ
ンバータ出力停止指令信号Va は、点火動作が行われる
ことが許容される回転角度範囲で発生している信号であ
ればよく、最大進角位置θ1 よりも僅かに位相が進んだ
位置で発生し、最小進角位置θ2 よりも所定の角度遅れ
た位置で消滅する信号であってもよい。 【0054】ダンパ用サイリスタトリガ信号供給回路6
は、コンバータ出力停止指令信号Va 発生していないと
きにトランジスタTR9 を導通させて、ダンパ用サイリ
スタSi2にトリガ信号Vf を与え、コンバータ出力停止
指令信号Va が発生しているときにトランジスタTR9
を遮断状態に保持してサイリスタSi2へのトリガ信号の
供給を停止する。従って、ダンパ用サイリスタSi2は、
機関のクランク軸の回転角度が最大進角位置θ1 から最
小進角位置よりも位相が遅れた位置θ3 までの範囲にあ
るとき、及びコンデンサCi の充電電圧が制限値を超え
ているときにトリガ信号が与えられない状態にあり、そ
れ以外のときにはトリガ信号が与えられた状態にある。
図示の例では、停止指令信号発生手段を実現するCPU
と、ダンパ用サイリスタトリガ信号供給回路5とによ
り、ダンパ用サイリスタ制御回路が構成されている。 【0055】次に図1に示した点火装置の動作を説明す
る。図1の点火装置において、電源スイッチSWが開い
ている状態で微分コンデンサC1 の電荷が零であるとす
る。電源スイッチSWが開いている状態では、トランジ
スタTR1 〜TR6 が遮断状態にあり、FET F1 は
遮断状態にあるため、昇圧トランス2Bは電圧の発生を
停止している。電源スイッチSWが投入されると、図示
ない定電圧電源回路が電源電圧Vccを発生し、該電圧V
ccがチョッパ駆動指令信号発生回路2Eに印加される。
このとき昇圧トランスの二次コイルW2 には電流が流れ
ておらず、ダイオードD2 の両端には順方向電圧降下が
発生していないため、トランジスタTR3 が導通し、ト
ランジスタTR4 は遮断状態にある。またこのとき電源
電圧Vccが抵抗R8 を通して微分コンデンサC1 に印加
されるため、微分コンデンサC1に充電電流が流れる。
この充電電流が流れている間だけトランジスタTR5 が
導通するため、該トランジスタTR5 のコレクタエミッ
タ間に高電位からほぼ零電位まで立ち下がるパルス信号
Vd ´が発生する。パルス信号Vd ´が発生している間
(トランジスタTR5 が導通している間)だけトランジ
スタTR6 が遮断状態になるため、該トランジスタTR
6 のコレクタエミッタ間にパルス信号Vd ´を反転させ
たものに相当する駆動パルスVd が発生する。駆動パル
スVd が発生している間(トランジスタTR6 が遮断し
ている間)トランジスタTR2 が遮断状態になるため、
トランジスタTR1 と抵抗R1 とを通してFET F1
に駆動信号Vg [図2(D)]が与えられる。これによ
りFET F1 が導通状態になり、昇圧トランス2Bに
一次電流が流れる。 【0056】図1の点火装置においては、昇圧トランス
2Bに一次電流が流れた場合に、トランス2Bのコアを
流れる磁束が飽和値に近い大きさになるように(飽和は
しないように)、駆動パルスVd のパルス幅が設定され
る。駆動パルスVd のパルス幅は、微分回路2Gの抵抗
R8 の抵抗値とコンデンサC1 の静電容量とにより決ま
る時定数を調整することにより適宜に設定することがで
きる。 【0057】駆動パルスVd が消滅すると、FET F
1 への駆動信号Vg の供給が停止するため、該FETが
遮断状態になり、昇圧トランス2Bの一次電流が遮断さ
れる。これにより昇圧トランス2Bの二次コイルW2 に
200[V]以上の立ち上がりが速い電圧が誘起し、こ
の電圧がダイオードD1 を通して点火回路1に与えられ
る。このときダンパ用サイリスタSi2にトリガ信号が与
えられているため、該サイリスタSi2が導通し、二次コ
イルW2 →ダイオードD1 →コンデンサCi →ダンパ用
サイリスタSi2→ダイオードD2 →二次コイルW2 の経
路で点火エネルギ蓄積用コンデンサCi に充電電流が流
れ、該コンデンサCi が図示の極性に充電される。この
ように、本発明においては、点火エネルギ蓄積用コンデ
ンサCiを充電する際にダンパ用ダイオードSi2を通し
て充電電流が流れ、点火コイルの一次コイルL1 には殆
ど電流が流れないため、一次コイルL1 のインダクタン
スにより立上りが速いスパイク電圧が発生するのが防止
される。従って、放電用サイリスタSi1を導通させるこ
となく、コンデンサCi の充電を行わせることができ
る。 【0058】点火エネルギ蓄積用コンデンサCi の充電
電流が流れているときには、充電電流検出用ダイオード
D2 の両端に図2(E)に示すように順方向電圧降下
(最大で約0.6ボルト)Vakが生じ、この電圧降下に
よりトランジスタTR3 のベースエミッタ間が逆バイア
スされるため、該トランジスタTR3 が遮断状態にな
り、トランジスタTR4 が導通する。トランジスタTR
4 が導通すると、微分コンデンサC1 →トランジスタT
R4 のコレクタエミッタ間→ダイオードD3 →微分コン
デンサC1 の経路で微分コンデンサC1 の電荷が放電す
る。昇圧トランスの二次コイルW2 から点火エネルギ蓄
積用コンデンサCi に流れていた充電電流が所定のしき
い値未満になり(ほぼ零になり)、ダイオードD2 の両
端の順方向電圧降下が所定レベル未満になると、トラン
ジスタTR3 が導通状態になるため、トランジスタTR
4 が遮断状態になる。トランジスタTR4 が遮断状態に
なると同時に微分コンデンサC1 に充電電流が流れるた
め、微分回路2Gからパルス信号Vd ´が発生し、反転
回路2Hから駆動パルスVd が発生する。 【0059】駆動パルスVd が発生すると、FET F
1 に駆動信号Vg が与えられて該FETが導通させられ
るため、昇圧トランス2Bに一次電流が流れる。駆動パ
ルスVd が消滅してFETが遮断状態になったときに昇
圧トランスの一次電流が遮断し、該トランスの二次コイ
ルW2 に電圧が誘起する。 【0060】以下同様の動作が繰り返され、点火エネル
ギ蓄積用コンデンサCi の充電電流(昇圧トランスの二
次電流)が所定のしきい値未満(または零)になる毎に
一定の時間幅の駆動パルスVd が発生する。各駆動パル
スが零に立ち下がる際に昇圧トランスの一次電流が遮断
されて、該トランスの二次コイルに電圧が誘起し、該電
圧により点火エネルギ蓄積用コンデンサCi が充電され
ていく。 【0061】コンデンサCi の充電が進んでいくと、該
コンデンサCi に充電電流が流れる時間が短くなってい
くため、図2(D)に見られるように、駆動信号Vg の
発生間隔が短くなっていく。従って、点火エネルギ蓄積
用コンデンサCi の充電間隔は、充電が進むに従って短
くなっていき、該コンデンサCi の両端の電圧(充電電
圧)Vciは、図2(F)に示したように上昇していく。 【0062】点火エネルギ蓄積用コンデンサCi の充電
電圧Vciが制限値に達すると、CPUがコンバータ出力
停止指令信号Va を発生するため、トランジスタTR7
が導通し、微分コンデンサC1 の一端をほぼ接地電位に
保つ。そのため微分回路2Gがパルス信号Vd ´を発生
しなくなり、昇圧回路2Dの昇圧動作が停止する。これ
により点火エネルギ蓄積用コンデンサCi の充電が停止
し、該コンデンサCiの充電電圧が制限値を超えるのが
防止される。 【0063】内燃機関の点火位置で点火位置演算装置3
が点火位置信号Vipを発生すると、点火トリガ信号出力
回路3Cが点火トリガ信号Vi を出力する。この点火ト
リガ信号はサイリスタSi1に与えられるため、該サイリ
スタSi1が導通してコンデンサCi の電荷を点火コイル
IGの一次コイルを通して放電させる。これにより点火
コイルIGの二次コイルに点火用の高電圧が発生し、点
火プラグPに火花が生じて機関が点火される。 【0064】点火動作が行われる区間においては、CP
Uがコンバータ出力停止指令信号Va を発生するため、
コンバータ出力停止回路5のトランジスタTR7 が導通
して微分回路2Gの動作を停止させる。これにより、昇
圧回路2Dの動作を停止させて、該昇圧回路からコンデ
ンサCi に電圧が印加されるのを防ぐため、サイリスタ
Si1のターンオフは確実に行なわれる。 【0065】また点火動作が行われる際には、コンバー
タ出力定指令信号Va が発生することによりダンパ用サ
イリスタトリガ信号供給回路6のトランジスタTR9 が
遮断状態に保たれるため、ダンパ用サイリスタSi2への
トリガ信号の供給が停止される。そのため、点火回路1
においては、コンデンサCi と放電用サイリスタSi1と
ダイオードDi2と点火コイルの一次コイルL1 とによ
り、LC共振回路が構成され、該共振回路にAC振動電
流が流れる。従って、点火コイルの二次コイルL2 にも
AC電流が流れ、点火プラグPにAC放電が生じる。 【0066】上記のように、本発明の点火装置において
は、DC−DCコンバータが発生する立上りが速い電圧
により点火エネルギ蓄積用コンデンサCi を充電する際
にダンパ用サイリスタSi2をオン状態に保持して、点火
コイルの一次コイルのインダクタンスによりコンデンサ
Ci のサイリスタSi1側の端子にスパイク電圧が発生す
るのを防止するので、放電用サイリスタSi1のアノード
カソード間に印加される電圧の時間的変化率dV/dt
が過大になってサイリスタSi1が導通するのを防ぐこと
ができ、コンデンサCi の充電を支障なく行わせること
ができる。 【0067】また点火動作を行わせる際には、ダンパ用
サイリスタSi2を遮断状態に保持するため、点火エネル
ギ蓄積用コンデンサCi と放電用サイリスタSi1及び逆
電流通電用ダイオードDi2と点火コイルの一次コイルL
1 とにより構成される共振回路にAC振動電流を流し
て、点火プラグPでAC放電を行わせることができる。
従って継続時間が長い火花を発生させることができ、稀
薄燃料が用いられる場合でも、機関の点火を良好に行わ
せることができる。 【0068】上記のように、昇圧トランス2Bの二次電
流を検出して該二次電流が所定のしきい値未満であるこ
と(または該二次電流が零であること)が検出されたと
きにチョッパ用スイッチ回路2Cに所定の時間幅の駆動
パルスVd を与えて昇圧トランス2Bに一次電流を流す
過程と、駆動パルスVd の消滅により昇圧トランスの一
次電流が遮断したときに昇圧トランスの二次コイルに誘
起する電圧で点火エネルギ蓄積用コンデンサCi を一方
の極性に充電する過程とを繰り返すことにより、点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサCi を充電するように構成する
と、昇圧トランス2Bに二次電流が流れているとき、即
ち昇圧トランス2Bの鉄心に磁束が流れているときに一
次電流が流れないため、昇圧トランスの一次電流が大き
くなって該トランスでの消費電力が増大するのを防いで
昇圧回路の効率を高くすることができ、昇圧トランスの
発熱が増大したり、チョッパ用スイッチでの発熱が増大
したりするのを防ぐことができる。 【0069】更に上記のように構成すると、昇圧トラン
ス2Bの二次電流が零になった後直に一次電流が流れる
ため、昇圧トランスの負荷が小さくなる(点火エネルギ
蓄積用コンデンサの充電が進んで充電電流が流れる時間
が短くなる)につれて、チョッパ用スイッチのオンオフ
の周波数が高くなっていく。従って機関の高速時に点火
エネルギ蓄積用コンデンサの両端の電圧をほぼ直線的に
上昇させることができ、点火エネルギ蓄積用コンデンサ
の充電効率を向上させることができる。 【0070】上記の例では、コンバータ出力停止指令信
号Va が発生しているときにダンパ用サイリスタSi2を
遮断状態に保持し、該停止指令信号が発生していないと
き(コンデンサCi の充電を行うとき)にダンパ用サイ
リスタSi2を導通させるようにしたが、点火トリガ信号
Vi が発生している間(点火回路のLC共振回路にAC
振動電流を流す期間)ダンパ用サイリスタSi2を遮断状
態に保持し、点火エネルギ蓄積用コンデンサCi を充電
する際にダンパ用サイリスタSi2を導通させるようにし
てもよい。 【0071】上記の例では、微分回路2Gを用いて駆動
パルスVd を発生させるようにしたが、駆動パルスを発
生する回路の構成は上記の例に限定されない。例えば、
昇圧トランスの二次電流がしきい値未満になって、チョ
ッパ駆動指令信号発生回路2Eがチョッパ駆動指令信号
を発生したときに単安定マルチバイブレータをトリガす
ることにより駆動パルスを発生させる構成をとることも
できる。 【0072】上記の例では、チョッパ用スイッチ回路2
CをFETを主のスイッチ素子(昇圧トランスの一次電
流をオンオフするスイッチ素子)として構成したが、ト
ランジスタ等の他のオンオフ制御が可能なスイッチ素子
を主のスイッチ素子としてチョッパ用スイッチ回路を構
成できるのはもちろんである。 【0073】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火エ
ネルギ蓄積用コンデンサを充電する際に点火コイルの一
次コイルに対して並列に接続したダンパ用サイリスタを
導通させることによって、電源部からdV/dtが大き
い電圧が印加されたときに点火コイルの一次コイルのイ
ンダクタンスによりスパイク電圧が発生して放電用サイ
リスタが導通するのを防止したので、電源部にDC−D
Cコンバータを用いて点火エネルギ蓄積用コンデンサの
充電を支障なく行わせることができる。また、点火動作
を行わせる際にはダンパ用サイリスタを遮断状態に保つ
ようにしたので、点火回路の一次側に構成されたLC共
振回路にAC振動電流を流して、点火プラグでAC放電
を行わせることができ、持続時間が長い火花放電を得て
点火性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係わる点火装置の一構成例を示した回
路図である。 【図2】図1の点火装置の各部の信号波形及び電圧波形
を示した波形図である。 【図3】磁石発電機を電源として用いたコンデンサ放電
式内燃機関点火装置の構成例を示した回路図である。 【図4】磁石発電機を電源として用いたコンデンサ放電
式内燃機関点火装置の他の構成例を示した回路図であ
る。 【符号の説明】 1 点火回路 IG 点火コイル Ci 点火エネルギ蓄積用コンデンサ Si1 放電用サイリスタ Si2 ダンパ用サイリスタ Di2 逆電流通電用ダイオード P 点火プラグ 2 電源部 2A バッテリ 2B 昇圧トランス 2C チョッパ用スイッチ回路 2D 昇圧回路 2E チョッパ駆動指令信号発生回路 2F 微分制御回路 2G 微分回路 2H 反転回路 3 点火位置制御装置 3B 演算装置 3C 点火トリガ信号出力回路 4 充電電圧検出回路 5 コンバータ出力停止回路 6 ダンパ用サイリスタトリガ信号供給回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 3/08 - 3/09

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 直流電源の出力電圧を昇圧するDC−D
    Cコンバータと、 点火コイルと、該点火コイルの一次コイルの一端に一端
    が接続されて前記コンバータの出力により一方の極性に
    充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサと、該点火エ
    ネルギ蓄積用コンデンサの他端と一次コイルの他端との
    間に接続されて導通した際に点火エネルギ蓄積用コンデ
    ンサの電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電させ
    る放電用サイリスタと、該放電用サイリスタの両端に逆
    並列接続された逆方向電流通電用ダイオードとを有し
    て、前記点火エネルギ蓄積用コンデンサと放電用サイリ
    スタ及び逆方向電流通電用ダイオードと点火コイルの一
    次コイルとによりLC共振回路が構成されている点火回
    路と、 前記放電用サイリスタが導通した際に前記共振回路にA
    C振動電流を流すために必要な信号幅を有する点火トリ
    ガ信号を内燃機関の点火位置で前記放電用サイリスタの
    ゲートに与える点火位置制御装置と、 内燃機関の点火位置の最大進角位置または該最大進角位
    置よりも僅かに位相が進んだ位置で発生し、最小進角位
    置よりも位相が遅れた位置で消滅するコンバータ出力停
    止指令信号を発生する停止指令信号発生手段を有して、
    前記コンバータ出力停止指令信号が発生している期間前
    記コンバータの出力を停止させるようにコンバータを制
    御するコンバータ制御装置とを備えたコンデンサ放電式
    内燃機関点火装置において、 前記コンバータの出力により点火エネルギ蓄積用コンデ
    ンサが充電される際に流れる充電電流が順方向に流れる
    向きにして前記点火コイルの一次コイルに対して並列に
    接続されたダンパ用サイリスタと、 前記コンバータ出力停止指令信号が発生している期間前
    記ダンパ用サイリスタを遮断状態に保持し、前記点火エ
    ネルギ蓄積用コンデンサが充電される際に前記ダンパ用
    サイリスタを導通させるように、前記ダンパ用サイリス
    タをオンオフ制御するダンパ用サイリスタ制御装置とを
    具備してなるコンデンサ放電式内燃機関点火装置。
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