JP2800483B2 - コンデンサ放電式内燃機関点火方法及び装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関点火方法及び装置

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JP2800483B2 JP18638891A JP18638891A JP2800483B2 JP 2800483 B2 JP2800483 B2 JP 2800483B2 JP 18638891 A JP18638891 A JP 18638891A JP 18638891 A JP18638891 A JP 18638891A JP 2800483 B2 JP2800483 B2 JP 2800483B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリを電源として
用いるコンデンサ放電式の内燃機関点火方法及び該方法
を実施するために用いる点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を点火する方法として、コンデ
ンサ放電式の点火方法が知られている。この点火方法で
は、点火コイルの1次側に設けた点火エネルギー蓄積用
コンデンサを一方の極性に充電し、内燃機関の点火時期
に点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を点火コイル
の1次コイルを通して放電させて点火コイルの2次コイ
ルに点火用の高電圧を誘起させる。点火エネルギー蓄積
用コンデンサの充電電源としては、磁石発電機内に設け
られたエキサイタコイル、またはバッテリの電圧を昇圧
する昇圧回路(DC−DCコンバータ)が用いられる。
【0003】点火エネルギー蓄積用コンデンサの充電電
圧は200V程度必要であるため、エキサイタコイルに
よりコンデンサを充電する場合には、該エキサイタコイ
ルの巻数が相当に多くなる。巻数が多いエキサイタコイ
ルを磁石発電機内に設けると、バッテリ充電回路等の点
火装置以外の負荷に電力を供給する他の発電コイルを設
けるスペースが少なくなり、点火装置以外の負荷に供給
する電力が不足する場合がある。また磁石発電機を小形
に構成することが要求される場合には、発電機内にエキ
サイタコイルを設けることが困難になることがある。そ
こで最近では、バッテリの電圧を昇圧回路で昇圧して点
火エネルギー蓄積用コンデンサを充電するバッテリ式の
コンデンサ放電式点火装置が多く用いられるようになっ
た。
【0004】図4は、従来のバッテリ式のコンデンサ放
電式内燃機関点火装置を示したもので、同図において、
1は点火コイル、2は点火コイルの1次側に設けられた
点火エネルギー蓄積用コンデンサ、3はコンデンサ2の
電荷を点火コイル1の1次コイルに放電させる放電用ス
イッチを構成するサイリスタ、4は機関の気筒に取付け
られ、点火コイル1の2次コイルに接続された点火プラ
グである。5はバッテリ、6はバッテリ5の出力電圧を
昇圧する昇圧回路(DC−DCコンバータ)である。昇
圧回路6は、バッテリ5により駆動されて矩形波状のパ
ルスを発生するパルス発振回路601と、トランス60
2と、ドレイン・ソース間回路がトランス602の1次
コイルに直列に接続された電界効果トランジスタ(FE
T)603とを備え、トランス602の1次コイルとF
ET603との直列回路の両端にバッテリ5の電圧が印
加されている。発振回路601の出力が抵抗604を通
してFETのゲートに供給され、発振回路601の発振
出力によりFETがオンオフ制御される。トランス60
2の出力電圧がダイオード7を介してコンデンサ2と点
火コイルの1次コイルとの直列回路の両端に印加され、
トランス602の2次コイル→ダイオード7→コンデン
サ2→点火コイル1の1次コイル→トランス602の2
次コイルの回路により、コンデンサ充電回路が構成され
ている。
【0005】8は機関の点火時期を決定するための情報
を含む信号Vs を出力する信号源で、この信号源として
は、内燃機関に取り付けられた磁石発電機内に設けられ
た発電コイルや、機関と同期して信号を出力する信号発
生装置内に設けられた信号コイル等が用いられる。
【0006】尚信号発生装置は、多くの場合、信号コイ
ルと該信号コイルに鎖交する磁束を発生する永久磁石と
を内蔵した信号発電子と、磁石回転子の回転子ヨークの
外周部またはボス部等に設けられて、信号発電子に対向
した際に信号コイルに鎖交する磁束を変化させて該信号
コイルに信号電圧を誘起させるリラクタ(誘導子)とに
より構成されるが、磁石発電機とはまったく別個に設け
られた信号発電機が用いられる場合もある。また最近で
は、信号コイルに代えてホールICを用いて、該ホール
ICにより磁束変化を検出することにより信号を発生す
るようにしたものもある。
【0007】図5(A)は、信号源8が出力する信号の
機関の回転角θに対する波形の一例を示したもので、同
図に示した信号は、機関の最大進角位置で所定のレベル
に達する信号Vs1と最小進角位置で所定のレベルに達す
る信号Vs2とからなっている。信号源8の出力は点火時
期制御装置9に入力され、点火時期制御装置9の出力が
サイリスタ3のゲートに入力されている。点火時期制御
装置9は信号源8の出力により与えられる情報に基づい
て機関の各回転数における点火時期を定める点火信号V
i を出力する。点火信号Vi の出力は例えば図5(B)
に示す通りで、この信号Vi の立上がりが点火時期とな
る。信号源8と点火時期制御装置9とにより点火信号発
生装置10が構成されている。
【0008】尚点火時期制御装置9は、電子回路により
構成される場合もあり、マイクロコンピュータにより構
成される場合もある。また点火時期制御装置9が省略さ
れて、信号源8のみにより点火信号発生装置10が構成
される場合もある。
【0009】図4の点火装置においては、昇圧回路6の
FET603が発振回路601の出力パルスに同期して
オンオフを繰り返し、バッテリ5からトランス602の
1次コイルに流れる電流を発振回路601の出力パルス
の周波数で断続させる。この1次電流の断続によりトラ
ンス602の2次コイルに発振回路601の出力周波数
に等しい周波数でパルス状の高電圧が誘起し、この電圧
がダイオード7を通してコンデンサ2に印加される。図
5(C)に示したように、コンデンサ2はトランス60
2からパルス状の電圧が出力される毎に充電されてい
き、最終的にはトランス602のパルス状出力電圧の波
高値(この例では200V)まで充電される。
【0010】点火時期制御装置9が点火信号Vi を出力
すると、サイリスタ3が導通してコンデンサ2の電荷を
点火コイル1の1次コイルに放電させる。これにより点
火コイル1の2次コイルに高電圧が誘起し、点火プラグ
4に火花が生じて機関が点火される。
【0011】上記のように、バッテリの出力を昇圧回路
により昇圧して点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電
する方式を採用した場合、機関の高速時に大きな点火エ
ネルギーを得ようとすると、高速時に昇圧回路のトラン
ス602に流れる電流が大きくなり、該トランスからの
発熱が多くなる。
【0012】発振回路601の出力周波数は通常100
〜150KHzであり、トランス602の巻数比は、バ
ッテリ電圧を12Vとしたときに2次無負荷電圧が20
0Vとなるように設定されている。
【0013】図4の回路において、トランス602の2
次負荷電流が小さく、その2次電圧が高いときには、該
トランスの1次電流が小さいが、トランス602の2次
負荷電流が大きくなり、その2次電圧が低くなると、ト
ランスの1次電流は大きくなる。従ってコンデンサ2の
充電が完了し、トランス602の負荷電流が零の時(無
負荷時)には、トランス602の出力電圧は200Vで
あり、トランス602の1次電流は最小である。これに
対し、サイリスタ3が導通してコンデンサ2の電荷が全
て放電すると、トランス602の2次電圧が零になり、
トランス602の1次電流は最大になる。コンデンサ2
の充電が進み、トランス602の2次電圧が高くなって
いくと、1次電流が減少していき、コンデンサ2の充電
が完了すると1次電流が最小になる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した点火装置
では、点火エネルギー蓄積用コンデンサ2の放電が完了
してその両端の電圧が零になる毎にトランス602の1
次電流が最大になるため、機関の回転数が上昇するに従
ってトランス602及びFET603に流れる電流の平
均値が高くなり、発熱が多くなるという問題があった。
この発熱に対処するため、トランスを大形に構成して放
熱を良好にしたり、FETに大きな放熱フィンを取り付
けたりすることが行われているが、大形のトランスを用
いたり、FETに大形の放熱フィンを取り付けたりする
と、点火装置が大形化するという問題があった。また点
火装置からの発熱が多くなるため、その取付けに当たっ
ては冷却を考慮する必要があり、取付け箇所が制限され
るという問題もあった。本発明の目的は、昇圧回路のト
ランス及び該トランスの1次電流の制御回路での発熱を
少なくして、しかも十分な点火性能を得ることができる
ようにしたバッテリ式のコンデンサ放電式内燃機関点火
方法及び装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、バッテ
リの出力電圧を昇圧する昇圧回路の出力で点火エネルギ
ー蓄積用コンデンサを一方の極性に充電し、内燃機関の
点火時期に点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を点
火コイルの1次コイルを通して放電させて点火コイルの
2次コイルに点火用の高電圧を誘起させるコンデンサ放
電式内燃機関点火方法で、本発明においては、点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサの放電を開始した後、該コンデ
ンサの放電が完了する前に該コンデンサの放電を停止さ
せ、コンデンサの放電を停止させた際に点火コイルの1
次コイルに誘起する電圧を直ちに短絡して該1次コイル
に放電停止前に流れていた電流と同方向の電流を流すよ
うにした。
【0016】上記の方法を実施する点火装置は、点火コ
イルの1次側に設けられた点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサと、バッテリの出力電圧を昇圧する昇圧回路と、昇
圧回路の出力で点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電
するコンデンサ充電回路と、内燃機関の点火時期に点火
信号を発生する点火信号発生装置と、点火信号が与えら
れたときに導通して点火エネルギー蓄積用コンデンサの
電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる放電用スイ
ッチと、点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電途中で
放電停止指令信号を出力する放電停止指令回路と、放電
停止指令信号が発生したときに放電用スイッチを強制的
に遮断状態にする放電用スイッチ遮断回路と、放電用ス
イッチが遮断した際に点火コイルの1次コイルに誘起す
る電圧が順方向に印加される向きにして点火コイルの1
次コイルに対して並列に接続されたダイオードとにより
構成できる。上記放電用スイッチとしては、制御端子に
点火信号が与えられている間だけ導通するスイッチ素子
を用いるのが好ましく、この場合、放電用スイッチ遮断
回路は、放電停止指令信号が与えられたときに放電用ス
イッチの制御端子に点火信号が与えられるのを阻止する
回路により構成できる。上記放電停止指令回路は、点火
エネルギー蓄積用コンデンサの放電電流を検出して、該
放電電流がピークに達したときに放電停止指令信号を出
力するように構成できる。また上記のように放電停止指
令回路及び放電用スイッチ遮断開路を設ける代りに、点
火信号発生装置に、点火信号の時間幅を点火エネルギー
蓄積用コンデンサの放電に要する時間よりも短い時間に
制限する手段を設けるようにしてもよい。
【0017】
【作用】上記のように、点火エネルギー蓄積用コンデン
サの放電が完了する前にその放電を停止させると、コン
デンサの端子電圧が零にならないため、昇圧回路のトラ
ンスの2次電圧は零にならない。そのため、トランスの
1次側に流れる電流を制限することができ、トランス及
びその1次電流の制御回路での発熱を抑制することがで
きる。
【0018】上記の方法を実施する場合、点火エネルギ
ー蓄積用コンデンサの放電の停止は、その放電電流がピ
ークに達した時点で行わせることが望ましい。即ち、点
火エネルギー蓄積用コンデンサの放電電流がピークに達
するまでの間は放電電流の時間的変化率の増大に伴って
点火コイルの2次起電力が増大していくが、ピークを過
ぎた後の放電電流の変化は2次起電力にほとんど寄与し
ないため、点火コイルの放電は放電電流がピークに達す
るまで行わせれば十分である。
【0019】また点火エネルギー蓄積用コンデンサの放
電を途中で停止させると、点火コイルの1次コイルにそ
れまで流れていた電流を流し続けようとする方向の起電
力が生じるが、この起電力は点火コイルの1次コイルに
並列に接続されているダイオードを通して直ちに短絡さ
れるため、コンデンサの放電が停止させられても点火コ
イルの1次電流は遮断されることなく、コンデンサの放
電を停止させなかった場合と同様に1次電流が流れ続け
る。このように、本発明においては、コンデンサの放電
を停止させたときに、直ちに点火コイルの1次コイルの
誘起電圧を短絡して、点火コイルの1次電流に新たな変
化を生じさせないようにしているため、点火動作そのも
のは従来のコンデンサ放電式点火装置の動作と変わると
ころがない。従って、コンデンサの放電を途中で停止さ
せても、点火性能は従来のものとなんら変りがない。
【0020】以上の理由から、コンデンサの放電電流が
ピークに達した時点で点火エネルギー蓄積用コンデンサ
の放電を停止させるようにするのが最も良い。
【0021】
【実施例】図1は本発明の実施例を示したもので、同図
において1は1次コイル1aの一端が接地された点火コ
イル、2は点火コイルの1次コイル1aの非接地側端子
に一端が接続された点火エネルギー蓄積用コンデンサ、
4は図示しない機関の気筒に取付けられて点火コイルの
2次コイル1bに接続された点火プラグである。
【0022】コンデンサ2の他端には放電用スイッチを
構成するFET11のドレインが接続され、該FETの
ソースは抵抗値が十分小さい電流検出用抵抗12を通し
て接地されている。電流検出用抵抗12の非接地側端子
にはPNPトランジスタ13及び14のエミッタが共通
接続され、トランジスタ13のエミッタベース間にカソ
ードを該トランジスタのエミッタ側に向けたダイオード
15が接続されている。トランジスタ13のベースと接
地間にピーク検出用コンデンサ16が接続され、トラン
ジスタ13のコレクタと接地間には抵抗17が接続され
ている。トランジスタ14のベースはトランジスタ13
のコレクタに接続され、トランジスタ14のコレクタは
抵抗18の一端に接続されている。抵抗12,17,1
8とトランジスタ13,14と、ダイオード15と、コ
ンデンサ16とにより点火エネルギー蓄積用コンデンサ
2の放電電流がピークに達したときに放電停止指令信号
を出力する放電停止指令回路20が構成されている。
【0023】FET11のゲートと接地間には抵抗21
とサイリスタ22とが並列に接続され、サイリスタ22
のゲートカソード間には、抵抗23が接続されている。
サイリスタ22のゲートはまた放電停止指令回路20の
抵抗18の他端に接続され、放電停止指令回路のトラン
ジスタ14が導通したときにサイリスタ22にトリガ信
号が与えられるようになっている。サイリスタ22及び
抵抗23により、放電停止指令回路20が放電停止指令
信号を発生したときにFET11(放電用スイッチ)を
強制的に遮断状態にする放電用スイッチ遮断回路25が
構成されている。
【0024】点火信号発生装置10は従来の装置と同様
に信号源8と点火時期制御装置9とから成り、点火時期
制御装置9から出力される点火信号Vi が抵抗24を通
してFET11のゲートに供給されている。
【0025】本発明においてはまた、点火コイル1の1
次コイル1aの両端に、ダイオード26が接続されてい
る。このダイオードは、放電用スイッチとしてのFET
11が強制的に遮断状態にされたときに1次コイル1a
に誘起する起電力が順方向に印加される向きで接続され
ている。
【0026】バッテリ5の電圧を昇圧する昇圧回路6の
構成は従来のものと同様であり、発振回路601と、ト
ランス602と、FET603と、抵抗604とからな
っている。
【0027】上記の実施例において、点火エネルギー蓄
積用コンデンサ2は、昇圧回路6の出力電圧で図示の極
性に充電される。信号源8は図3(A)に示すように点
火時期を定めるための情報を含む信号Vs を出力する。
点火時期制御装置9はこの信号を入力として機関の点火
時期に図3(B)に示すように点火信号Vi を出力す
る。この点火信号Vi の立上がりでFET11が導通
し、コンデンサ2の電荷を放電させる。コンデンサ2が
放電すると、図3(C)に示したように抵抗12の両端
に放電電流に比例した検出電圧Vd (1〜4V程度)が
現われる。この検出電圧Vd によりトランジスタ13の
エミッタからベースを通してピーク検出用コンデンサ1
6に電流が流れ、トランジスタ13が導通する。トラン
ジスタ13が導通している間トランジスタ14は遮断状
態に保持されている。放電開始後、所定の時間(約5μ
sec)が経過すると放電電流がピークに達する。放電
電流がピークに達するとコンデンサ16の充電が停止す
る。このときトランジスタ13のベースの電位がエミッ
タの電位とほぼ等しくなるため、トランジスタ13のベ
ース電流が零になり、トランジスタ13が遮断状態にな
る。これによりトランジスタ14が導通し、抵抗18を
通して放電停止指令信号が出力される。この放電停止指
令信号はサイリスタ22にトリガ信号として与えられ
る。これによりサイリスタ22が導通してFET11の
ゲートを接地するため、FET11が遮断状態になり、
コンデンサ2の放電が停止する。FET11が遮断状態
になると、コンデンサ16の電荷はダイオード15と抵
抗12とを通して放電する。
【0028】上記のように点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサ2の放電は、放電電流がピークに達したときに中断
されるため、コンデンサ2とFET11との接続点の電
位Vc は、機関の回転角θに対して図3(D)のように
変化する。即ち、コンデンサ2の充電完了時のVc を約
200Vとすると、FET11が導通している期間Vc
はほぼ零になり、FET11が遮断状態になると約15
0V程度に回復する。その後200Vまで段階的に上昇
していく。
【0029】上記のように、放電用スイッチ(FET1
1)が遮断状態になると、コンデンサ2と放電用スイッ
チとの接続点の電位Vc は高い値(上記の例では約15
0V)になっているので、昇圧回路のトランス602に
流れる1次電流は相当に小さくなり、トランス602及
びFET603での発熱は大幅に抑制される。
【0030】実験によると、図4に示した従来の点火装
置では、トランス602及びFET603の温度が最大
100℃程度まで達することがあったが、本発明によれ
ば、50℃以下に制限された。また従来の点火装置で
は、昇圧回路6のトランスの1次電流の平均値が1.5
Aであったが、本発明によると0.8A程度まで低下し
た。
【0031】また上記実施例のように点火エネルギー蓄
積用コンデンサの放電を途中で停止させても、点火動作
は従来のコンデンサ放電式点火装置となんら変らない。
以下この点を図6を用いて説明する。
【0032】図6(A)ないし(C)はそれぞれ、従来
の点火装置と本発明の実施例とについて行った実験にお
ける観測結果に基いて作成した電流の波形図で、(A)
ないし(C)はそれぞれ、点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサの放電電流Ic 、ダイオード26に流れる電流Id
及び点火コイルの2次短絡電流(点火プラグに火花が生
じている時に点火コイルの2次コイルに流れる電流)I
2 の波形を示したものである。図6(A),(B)にお
いて実線は点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電を完
全に行わせるようにした従来の点火装置による場合を示
し、破線は点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電電流
がピークに達したときにコンデンサの放電を停止させる
本発明の実施例による場合を示している。図6(C)に
示した点火コイルの2次短絡電流I2 は、従来の点火装
置でも本発明の実施例の点火装置でも同様であった。尚
この実験で用いた従来の点火装置では、点火コイルの1
次コイルと並列に、本発明のダイオード26と同じ向き
のダイオードを接続した。従来の点火装置では、図6
(A)に示したように、点火エネルギー蓄積用コンデン
サ2の放電電流Ic が約30μsecの間流れる。この
放電電流Ic がピークから立ち下がる過程で点火コイル
の1次コイルに、1次電流の減少を妨げようとする極性
の起電力が生じ、この起電力により、図6(B)に実線
で示したようにダイオード26を通して電流が流れる。
この電流は約170μsec継続した。
【0033】また点火エネルギー蓄積用コンデンサの放
電が開始すると、点火コイルの2次コイルに高電圧が誘
起し、この高電圧により点火プラグに火花が生じる。点
火プラグに火花が生じると、点火コイルの2次コイルが
アークを通して短絡された状態になるため、図6(C)
のように2次コイルに2次短絡電流I2が流れる。この
2次短絡電流I2 は、ダイオード26を通して電流が流
れている間持続する。2次短絡電流I2 が流れている時
間(約200μsec)は放電持続時間に相当してい
る。
【0034】本発明の実施例では、点火エネルギー蓄積
用コンデンサの放電開始後、約5μsecが経過して放
電電流がピークに達したときに図6(A)に破線で示し
たように、コンデンサの放電を停止させた。コンデンサ
の放電が停止すると同時に、点火コイルの1次コイルに
それまで流れていた1次電流を流し続けようとする高い
起電力が生じるため、図6(B)に破線で示したよう
に、直ちにダイオード26を通して電流が流れる。従っ
て点火コイルの1次電流はほとんど変化しないため、点
火エネルギー蓄積用コンデンサの放電を停止させたとき
に点火コイルの2次コイルに高い起電力が生じることは
なく、点火動作は従来のものとなんら変らない。図6
(C)に示したように、放電持続時間は、従来の点火装
置でも本発明の実施例でもなんら変りがなかった。
【0035】尚点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電
により点火コイルの2次コイルに誘起した起電力は、従
来の装置による場合も、本発明の実施例による場合も、
30KVで変りがなく、点火性能に差は見られなかっ
た。
【0036】上記実施例では、放電電流がピークに達し
たときに放電停止指令信号を出力するように放電停止指
令回路20を構成しているが、放電電流のピークを検出
して放電停止指令信号を出力し得る回路は、上記の実施
例に示したものに限られるものではなく、本発明におい
ては、電流のピークを検出して信号を出力する種々の回
路を放電停止指令回路として用いることができる。例え
ば図2に示したような放電停止指令回路20´を用いる
こともできる。この放電停止指令回路においては、検出
抵抗12の両端に検出電圧Vd が生じたときに、ピーク
検出用コンデンサ16´を通してトランジスタ13´に
ベース電流が流れ、トランジスタ13´が導通する。ト
ランジスタ13´が導通している間トランジスタ14´
は遮断状態に保持されるため、放電停止指令信号は出力
されない。
【0037】コンデンサの放電電流がピークに達し、検
出抵抗12の両端の電圧もピークに達すると、コンデン
サ16´の充電が停止し、トランジスタ13´のベース
電流が零になる。これによりトランジスタ13´が遮断
状態になり、トランジスタ14´が導通状態になって抵
抗18´を通して放電停止指令信号が出力される。
【0038】また放電停止指令回路は必ずしも放電電流
がピークに達したときに放電停止指令信号を発生する回
路である必要はなく、放電電流が予め定めた値に達した
とき放電停止指令信号を発生する回路であっても良い。
【0039】更に上記の実施例では、放電停止指令回路
20と、放電用スイッチ遮断回路25とを設けて、放電
電流を検出することにより、放電用スイッチの遮断時期
を定めるようにしているが、点火信号発生装置10に、
点火信号の信号幅を制限する手段を設けて、放電用スイ
ッチに与える点火信号の時間幅を制限することにより点
火エネルギー蓄積用コンデンサの放電を途中で停止させ
るようにしても良い。上記の実施例においては、放電開
始後放電電流がピークに達するまでに要する時間が約5
μsecで一定であるため、点火信号の時間幅を5μs
ecまたは5μsecよりも僅かに長い程度に設定して
おくことにより、上記と同様の動作を行わせることがで
きる。
【0040】上記の実施例では、放電用スイッチをFE
T11により構成したが、トランジスタ等の他のスイッ
チ素子(制御端子に所定の信号を与えることにより、強
制的に遮断状態にし得るもの。)を用いても良い。
【0041】上記の実施例では、昇圧回路6の1次電流
をオンオフするスイッチ素子としてFET603を用い
ているが、これスイッチはトランスの1次電流をオンオ
フし得るものであれば良く、トランジスタ等の他のスイ
ッチ素子で置き換えることもできる。
【0042】上記の実施例では、点火信号発生装置10
が信号源8と点火時期制御装置9とにより構成されてい
るが、この点火信号発生装置の構成は任意である。例え
ば信号源8から直接または波形整形回路を通して点火信
号を出力するように構成しても良い。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサの放電を途中で停止させるよ
うにしたので、昇圧回路のトランス及び該トランスの1
次電流を制御する回路素子での発熱を少なくすることが
できる利点がある。また本発明においては、点火エネル
ギー蓄積用コンデンサの放電を停止させた際に点火コイ
ルの1次コイルに誘起する起電力を直ちに短絡して点火
コイルの1次電流を引き続き流すようにしたので、点火
エネルギー蓄積用コンデンサを完全に放電させるように
した場合と同等の点火性能を得ることができる。従って
本発明によれば、点火性能をなんら犠牲にすることな
く、昇圧回路での発熱を少なくして、点火装置の小形化
とコストの低減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す回路図である。
【図2】本発明で用いる放電停止指令回路の変形例を示
す回路図である。
【図3】(A)ないし(D)は図1の実施例の各部の電
圧波形を示す波形図である。
【図4】従来の点火装置の構成を示した回路図である。
【図5】(A)ないし(C)は図4の装置の各部の電圧
波形を示す波形図である。
【図6】(A)ないし(C)はそれぞれ、点火エネルギ
ー蓄積用コンデンサの放電電流波形、点火コイルの1次
コイルに並列接続されたダイオードを流れる電流の波
形、及び点火コイルの2次短絡電流の波形を本発明の実
施例の装置と従来の装置とについて示した波形図であ
る。
【符号の説明】
1…点火コイル、2…点火エネルギー蓄積用コンデン
サ、4…点火プラグ、5…バッテリ、6…昇圧回路、7
…ダイオード、8…信号源、9…点火時期制御装置、1
0…点火信号発生装置、11…FET(放電用スイッ
チ)、20…放電停止指令回路、22…サイリスタ、2
5…放電用スイッチ遮断回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02P 3/09 F02P 3/08 301 F02P 3/08 302

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バッテリの出力電圧を昇圧する昇圧回路
    の出力で点火エネルギー蓄積用コンデンサを一方の極性
    に充電し、内燃機関の点火時期に前記点火エネルギー蓄
    積用コンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルを通し
    て放電させて点火コイルの2次コイルに点火用の高電圧
    を誘起させるコンデンサ放電式内燃機関点火方法におい
    て、 前記点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電を開始した
    後、該コンデンサの放電が完了する前に該コンデンサの
    放電を停止させ、 前記コンデンサの放電を停止させた際に前記点火コイル
    の1次コイルに誘起する電圧を直ちに短絡して該1次コ
    イルに放電停止前に流れていた電流と同方向の電流を流
    すことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関点火方
    法。
  2. 【請求項2】 点火コイルの1次側に設けられた点火エ
    ネルギー蓄積用コンデンサと、バッテリの出力電圧を昇
    圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力で前記点火エネ
    ルギー蓄積用コンデンサを充電するコンデンサ充電回路
    と、内燃機関の点火時期に点火信号を発生する点火信号
    発生装置と、前記点火信号が与えられたときに導通して
    前記点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を前記点火
    コイルの1次コイルに放電させる放電用スイッチとを備
    えたコンデンサ放電式内燃機関点火装置において、 前記点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電途中で放電
    停止指令信号を出力する放電停止指令回路と、 前記放電停止指令信号が発生したときに前記放電用スイ
    ッチを強制的に遮断状態にする放電用スイッチ遮断回路
    と、 前記放電用スイッチが遮断した際に前記点火コイルの1
    次コイルに誘起する電圧が順方向に印加される向きにし
    て前記点火コイルの1次コイルに対して並列に接続され
    たダイオードとを具備したことを特徴とするコンデンサ
    放電式内燃機関点火装置。
  3. 【請求項3】 前記放電用スイッチは、制御端子に前記
    点火信号が与えられている間だけ導通するスイッチ素子
    からなり、 前記放電用スイッチ遮断回路は、前記放電停止指令信号
    が与えられたときに前記放電用スイッチの制御端子に点
    火信号が与えられるのを阻止する回路からなっているこ
    とを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ放電式内燃
    機関点火装置。
  4. 【請求項4】 前記放電停止指令回路は、前記点火エネ
    ルギー蓄積用コンデンサの放電電流を検出して、該放電
    電流がピークに達したときに前記放電停止指令信号を出
    力することを特徴とする請求項2または3に記載のコン
    デンサ放電式内燃機関点火装置。
  5. 【請求項5】 点火コイルの1次側に設けられた点火エ
    ネルギー蓄積用コンデンサと、バッテリの出力電圧を昇
    圧する昇圧回路と、前記昇圧回路の出力で前記点火エネ
    ルギー蓄積用コンデンサを充電するコンデンサ充電回路
    と、内燃機関の点火時期に点火信号を発生する点火信号
    発生装置と、前記点火信号が発生したときに導通して前
    記点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を前記点火コ
    イルの1次コイルに放電させる放電用スイッチとを備え
    たコンデンサ放電式内燃機関点火装置において、 前記放電用スイッチは、制御端子に前記点火信号が与え
    られている間だけ導通するスイッチ素子からなり、 前記点火信号発生装置は、前記点火信号の時間幅を前記
    点火エネルギー蓄積用コンデンサの放電に要する時間よ
    りも短い時間に制限する手段を備え、 前記放電用スイッチが遮断した際に前記点火コイルの1
    次コイルに誘起する電圧が順方向に印加される向きのダ
    イオードが前記点火コイルの1次コイルに対して並列に
    接続されていることを特徴とするコンデンサ放電式内燃
    機関点火装置。
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