JP3555635B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関の点火プラグに高電圧を供給する内燃機関用点火装置として、磁石発電機により発生した高電圧を点火用コンデンサに充電した後、クランク回転位置信号により所定タイミングで点火プラグに火花放電させる方式(以下、「AC−CDI方式」という。)が知られており、特に火花放電をコンデンサと点火コイルのインダクタンスとの共振による交流電流により火花放電を生ずるものを交流アーク方式という。
【0003】
その一方で、バッテリからコンデンサに充電する方式(以下、「DC−CDI方式」という。)があり、これを用いたものとして、例えば特開平3−85370号公報に内燃機関用自励発振式無接点点火装置が開示されている。
この内燃機関用自励発振式無接点点火装置は、直流昇圧回路により昇圧した高電圧を複数回に分けて主放電コンデンサに充電し、点火時期になるとタイミングセンサに発生する信号によりSCRのゲートをトリガすることで主放電コンデンサに蓄えられた電荷をイグニッションコイルに1回だけ火花放電している。このように点火用コンデンサに蓄えた電荷をイグニッションコイルに1回だけ火花放電させるものを直流アーク方式という。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平3−85370号公報に開示されるものによると、直流アーク方式を採用していることからイグニッションコイルに生ずる火花放電が1回で終了するため放電時間が短くなるため、混合気への着火を良好に行えないことがあった。
【0005】
そこで、上記公報の点火コイルの一次巻線に並列接続されたフライホイールダイオードに代えて、SCRと逆方向に並列のダイオードを設けて交流アーク放電可能な回路にすることが考えられるが、点火用コンデンサと点火コイルとからなる直列LC回路が形成され発振を生じ易くなる。そして、この直列LC回路によって発振を生じた場合、発振によるエネルギーがSCR、DC−DCコンバータ等に回り込むため、点火用コンデンサの安定した充電を妨げ、例えば図4に示すようなスパイク状のノイズを含んだ充電波形になる。そのため、点火用コンデンサの充電電圧が所定電位(図4の例では150V)に達しないという新たな問題を生ずる。
【0006】
また、上記のようにDC−CDI方式の回路を単に交流アーク放電可能な回路にするだけでは、フライホールダイオードがないために、点火用コンデンサに充電するための電流がイグニッションコイルに流れ、点火回路に電源を供給するだけでイグニッションコイルの二次側に高電圧が発生するという問題点があった。本発明の目的は、DC−CDI方式により安定した交流アークを発生する内燃機関用点火装置を提供することである。
【0007】
本発明は上記目的に加えて、点火用コンデンサの充電中に二次側に高電圧が現れることを防止した内燃機関用点火装置を提供することでを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために本発明は、請求項1記載の手段を採用する。
この手段によると、コンデンサに蓄えられる電荷の極性の反転を繰返しながらコンデンサの充放電を繰返すため、点火プラグに繰返して火花放電を生じさせることができる。したがって、従来、DC−CDI方式では困難だった長い火花を交流アークにより得られる効果がある。
【0009】
また、第1閉回路と第2閉回路とに分離されているため、第2閉回路内の回路素子が昇圧回路による充電電流に影響を与えることを防止でき、昇圧回路によるコンデンサの充電を安定に行うことができる。これにより、所定電圧までの充電を確実に可能にする効果がある。
請求項2記載の手段を採用することにより、コンデンサの他端側端子は基準電位に接続されるコンデンサを充電する通電閉回路と、コンデンサからイグニッションコイルへ放電する通電閉回路とに分離されるため、例えばコンデンサに電荷が蓄えられていない場合、直流電源と昇圧回路とのオンオフ動作によって生ずる昇圧回路の出力電圧を基準電位に逃がすことができる。これにより、直流電源と昇圧回路とを接続するスイッチ等がオンオフされても点火コイルには二次電圧が生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の内燃機関用点火装置を自動二輪車用点火コイルに適用した一実施例を図1〜図3に示す。
図1に示すように、内燃機関用点火装置は点火回路10、DC−DCコンバータ20、点火時期制御回路32、電圧検出回路36等から構成されるDC−CDI方式の点火装置であり、直流電源としてのバッテリ1から供給される直流電圧をスイッチ2によって接続または切断している。このバッテリ1から供給される直流電圧を入力電圧とする昇圧回路としてのDC−DCコンバータ20では、後述するトランス21、スイッチングトランジスタ23、電流検出回路24等により入力電圧を数百ボルトの直流電圧に昇圧している。そして、このDC−DCコンバータ20により昇圧された直流電圧を点火回路10の点火電源として使用することで点火コイル15によりさらに昇圧され、火花放電可能な高電圧が点火プラグ16に供給される。
【0011】
DC−DCコンバータ20は、トランス21、ダイオード22、スイッチングトランジスタ23、電流検出回路24、ツェナーダイオード25等により構成されている。トランス21の一次コイル21aの始端には、エミッタが電流検出回路24を介してアース側に接続されたスイッチングトランジスタ23のコレクタが接続され、終端にはスイッチ2に接続されたダイオード31のカソードが接続されている。これにより、ベースに印加される電圧値によりオンされるスイッチングトランジスタ23によってトランス21の一次コイル21aに電流を通電させている。そして、この一次コイル21aに流れる電流(以下、「一次電流」という。)を電流検出回路24により検出しており、この一次電流が所定電流値に達したときスイッチングトランジスタ23をオフさせるように電流検出回路24が作動する。
【0012】
またトランス21の三次コイル21cの始端には後述するトランス21の二次コイル21bの終端が接続されるとともにアースにも接続されている。一方、三次コイル21cの終端は、抵抗を介してスイッチングトランジスタ23のベースに接続されており、一次電流が流れる際に三次コイル21cに発生する電流がスイッチングトランジスタ23のベースに帰還可能に構成されている。これにより、一次電流が流れ始めると、トランス21の三次コイル21cにはスイッチングトランジスタ23のベース電流を増加させる方向に電流が発生する。そして、この電流が所定値に達したとき、前述した電流検出回路24によってベース電流がアース側に流され、スイッチングトランジスタ23をオンからオフに移行させる。
【0013】
このスイッチングトランジスタ23のオフと同時に、三次コイル21cに発生する電圧も極性が反転し、ベース電流が三次コイル21cを介してアース側に流れる。そのため、スイッチングトランジスタ23は急速にオフする。これにより、一次電流によって発生する電磁エネルギーが二次コイル21bからダイオード22を介してコンデンサとしての点火用コンデンサ12に転送される。
【0014】
電磁エネルギーの転送が終わると、再び一次コイル21aに一次電流が流れ始め前述した作動を点火用コンデンサ12の充電電圧が所定電圧に達するまで繰返す。このようにしてDC−DCコンバータ20の発振が行われ昇圧された交流電圧が発生する。そして、この交流電圧をトランス21の二次コイル21bの始端に接続されたダイオード22によって整流することで昇圧された直流電圧が点火用コンデンサ12に充電される。なお、スイッチングトランジスタ23のベース、コレクタ間にはスイッチングトランジスタ23を保護するツェナーダイオード25が挿入されている。
【0015】
ここで、DC−DCコンバータ20からダイオード22を介して点火用コンデンサ12に電流を流す通電閉回路が、特許請求の範囲に記載の「第1閉回路」に相当する。
スイッチングトランジスタ23のベースに接続される発振停止回路27は、DC−DCコンバータ20の出力電圧、点火用コンデンサ12の充電電圧を検出する電圧検出回路36から出力される電圧検出信号が入力される。そして、点火用コンデンサ12の充電電圧が所定電圧に達するとDC−DCコンバータ20の発振が停止するように、発振停止回路27がスイッチングトランジスタ23のベースを制御する。これにより、DC−DCコンバータ20の発振が停止される。
【0016】
点火回路10は点火用コンデンサ12、サイリスタ13、ダイオード14、点火コイル15、点火プラグ16等により構成されている。
点火用コンデンサ12の一端側端子には前述したDC−DCコンバータ20の出力端子が接続されており、他端側端子にはアースが接続されている。このようにDC−DCコンバータ20の出力端子とアースとの間に点火用コンデンサ12が挿入されることで、DC−DCコンバータ20によって昇圧された直流電圧が点火用コンデンサ12に蓄えられる。そして、この点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷を所定時期に点火コイル15の一次コイル15aを経由してアース側に逃がす目的で、点火用コンデンサ12と点火コイル15との間にはスイッチング素子としてのサイリスタ13が点火コイル15側に向かって順方向接続されている。つまり、サイリスタ13の入力端子としてのアノードには点火用コンデンサ12の一端側端子が接続され、出力端子としてのカソードには点火コイル15の一次コイル15aの一端が接続されている。
【0017】
また、このサイリスタ13と並列にサイリスタ13の極性と逆方向に逆方向通電回路としてのダイオード14が接続されている。つまり、サイリスタ13のアノードにダイオード14のカソードが接続され、サイリスタ13のカソードにダイオード14のアノードが接続されている。そして、サイリスタ13のゲートには後述する点火時期制御回路32からの点火信号がダイオード33および抵抗34を経由して入力され、この点火信号によってサイリスタ13のアノード側とカソード側とが低抵抗で接続される状態(以下、「オン状態」という。)または電気的に切断される状態(以下、「オフ状態」という。)に移行する。
【0018】
サイリスタ13のカソードとダイオード14のアノードとには、点火コイル15の一次コイル15aの一次コイル15aが接続され、またこの点火コイル15の二次コイル15bには他端側がアースに接続された点火プラグ16の一端側が接続されている。これにより、点火時期制御回路32から出力される点火信号によってサイリスタ13のゲートに所定電圧が印加されるとサイリスタ13はオン状態となるため、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷がサイリスタ13および点火コイル15の一次コイル15aを経由してアースに逃げる。つまり、点火コイル15の一次コイル15aに電流が流れるため高電圧が発生し、この発生した高電圧が点火プラグ16のギャップに印加される。そして、点火プラグ16では火花放電される。
【0019】
このとき、点火コイル15の一次コイル15aに流れる電流がピークを超えると一次コイル15aには反転した極性を有する電圧、すなわち自己誘導によって生ずる起電力が現れる。すると、この逆極性を有する電圧がアース接続を経由して点火用コンデンサ12に充電され、この充電により点火用コンデンサ12に蓄えられる電荷の極性は前述したDC−DCコンバータ20によって蓄えられる電荷と逆極性を有する。ここで、サイリスタ13にはサイリスタ13の順方向にして逆方向にダイオード14が並列接続されていることから、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷を点火プラグ16、点火コイル15、ダイオード14の順に電位の低い側、すなわち点火用コンデンサ12の一端側に逃がすことができる。これにより、DC−DCコンバータ20によって蓄えられる電荷によって点火プラグ16が一旦火花放電した後、一次コイル15aの自己誘導によって生ずる起電力の電荷により点火プラグ16をさらに火花放電させることができる。
【0020】
そして、この2回目の火花放電時に流れる一次コイル15aの電流がピークを超えると一次コイル15aにはさらに反転した極性を有する電圧が現れるため、再び点火用コンデンサ12が充電され、DC−DCコンバータ20によって蓄えられる電荷の移動経路と同様に点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷がアースに逃げる。これにより、3回目の火花放電を点火プラグ16に発生させることができる。このように、点火コイル15の一次コイル15aには、流れる方向が交互に切替わりながら徐々に減衰する電流が流れるため、一次コイル15aには図3に示す一次電圧VOUT が現れ、二次コイル15bにはこの一次電圧VOUT に対応して昇圧された二次電圧が発生する。したがって、点火プラグ16のギャップには複数回の火花放電が生ずることから交流アークを実現することができる。
【0021】
ここで、点火用コンデンサ12からSCR13を介して点火コイル15に電流を流し、かつ点火コイル15からダイオード14を介して点火用コンデンサ12に電流を流す通電閉回路が、特許請求の範囲に記載の「第2閉回路」に相当する。
点火時期制御回路32は、タイミングセンサ5により得られるクランク回転位置信号によって点火プラグ16の点火時期を制御している。つまり、図示しないクランクシャフトに取付けられたフライホイールの磁石の位置によりクランクシャフトの回転位置を検出するタイミングセンサ5の信号によって、DC−DCコンバータ20の発振停止回路27に出力する休止信号および点火回路10のサイリスタ13のゲートに出力する点火信号をそれぞれの所定タイミングで出力している。これにより、DC−DCコンバータ20および点火回路10を後述するように制御している。なおここで、点火時期制御回路32とサイリスタ13のゲートとの間に接続されるダイオード33は、点火コイル15に印加された高電圧が点火時期制御回路32側に流れることを防止する保護ダイオードである。また点火時期制御回路32とアースとの間に並列に挿入されるダイオード35は、点火時期制御回路32の保護ダイオードである。
【0022】
次に、内燃機関用点火装置の作動について説明する。ここで、図2に示す特性図は、点火回路10を構成するサイリスタ13のゲート電圧VSGおよび点火用コンデンサ12の端子間電圧Vのそれぞれの時間変化をオシロスコープで観測したもので、クランク回転位置信号の時間変化に対応するように表されている。そして、このサイリスタ13のゲート電圧VSGおよび点火用コンデンサの端子間電圧Vを観測したときにオシロスコープの各測定レンジ設定は、縦軸である電圧軸がVSGについて2V/div に、Vについて50V/div にそれぞれ設定されており、横軸である時間軸がVSGおよびVともに1mS/div に設定されている。
【0023】
図1に示すように、タイミングセンサ5より出力されるクランク位置回転信号がプラス側に振れると、クランク回転位置信号に示される図2で上向き矢印、すなわち立上りエッジによって点火時期制御回路32からサイリスタ13のゲートに点火信号が出力される。すると、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷によってオフ状態、すなわちアノード側にプラス、カソード側にマイナスの電圧が印加された状態にあるサイリスタ13のゲート電圧が所定電位より高くなるため、サイリスタ13がオフ状態からオン状態に移行する。これにより、サイリスタ13のアノード側とカソード側とが電気的に低抵抗で接続された導電状態になるため、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷がサイリスタ13を経由して点火コイル15の一次コイル15aに達する。そしてこの電荷の移動、すなわち点火コイル15の一次コイル15aに流れる電流によって点火コイル15の二次コイル15bには所定の高電圧が発生し、点火プラグ16のギャップに火花放電を生ずる。
【0024】
このとき、点火コイル15の一次コイル15aに流れる電流、すなわち一次側電流が所定のピークを超えると一次コイル15aの両端に発生する電圧の極性が反転し、点火用コンデンサ12に逆極性を有する電荷となって蓄えられる。そして、点火用コンデンサ12の逆極性を有する電荷がダイオード14を経由して放電されるため点火プラグ16が火花放電を生ずる。さらに逆極性の電荷によって点火コイル15の一次電流が所定のピークを超えるとき、逆極性に対して反転する極性、つまりDC−DCコンバータ20によって蓄えられた電荷と同じ極性を有する電荷が点火用コンデンサ12に蓄えられる。このとき、サイリスタ13はまたオン状態を維持していることから、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷は再びサイリスタ13を経由して放電され点火プラグ16には火花放電を生ずる。このように点火用コンデンサ12に蓄えられる電荷の極性の反転を繰返しながら点火用コンデンサ12の充放電を繰返すことで、点火プラグ16に連続的に火花放電を生じさせることができるため、DC−CDI方式による安定した交流アークが実現できる。
【0025】
図2に示すように、この点火用コンデンサ12の端子電圧Vcは交流的に徐々に減少し、放電開始から期間tを経過するとほぼ0ボルトに収束する。このtが点火プラグ16の火花放電時間に相当する。なお、図2はオシロスコープによる観測波形を示しており、サイリスタ13のゲート端子電圧と点火用コンデンサ12の端子間電圧とがほぼ期間tの間に交流的に振動しながら減衰していることが観測されている。ここで、図2に表されている期間tはサイリスタ13のゲートに点火信号による電圧が印加されている期間を示している。
【0026】
ところで、前述したクランク回転位置信号の立上りエッジによって点火時期制御回路32からはサイリスタ13のゲートに対し点火信号を出力するのと同時に発振停止回路27に対しDC−DCコンバータ20の休止信号も出力される。この休止信号を受けた発振停止回路27は、スイッチングトランジスタ23のベースを制御しDC−DCコンバータ20の発振を停止させる。これにより、トランス21の二次コイル21bには昇圧された電圧が現れず、DC−DCコンバータ20が休止する。このDC−DCコンバータ20の休止期間は図2でtによって表されており、休止期間tは発振停止回路27を構成する抵抗、コンデンサ等により構成されるタイマ回路の設定時間により決められている。つまり、点火時期制御回路32から休止信号が出力されるとタイマ回路のカウントが開始され所定時間が経過するまで、発振停止回路27によってスイッチングトランジスタ23のベースが制御され続ける。そして、この休止期間tは前述した放電時間tおよび休止時間tに対しt<t<tの関係を有している。
【0027】
前述した休止時間tを経過すると、発振停止回路27による制御が解除されるためDC−DCコンバータ20の発振が再開される。これにより、DC−DCコンバータ20の出力側に昇圧された電圧が現れる。すると、図2に示すように、この昇圧された電圧が点火用コンデンサ12に徐々に充電され、電圧検出回路36による検出電圧が所定電圧に達するまで充電を継続する。つまり、電圧検出回路36では点火用コンデンサ12の端子間電圧Vを監視しており、所定電圧にVが達した時点で発振停止回路27に休止信号を出力する。すると、休止信号を受けた発振停止回路27は点火時期制御回路32から休止信号を受けたときと同様、DC−DCコンバータ20の発振が停止するようにスイッチングトランジスタ23のベースに対し制御を行う。これにより、DC−DCコンバータ20の発振が停止される。したがってDC−DCコンバータ20の出力にはトランス21の昇圧された電圧はそれ以上供給されない。ところが、トランス21の二次コイル21bと点火用コンデンサ12との間にはトランス21から点火用コンデンサ12側に向かって順方向に接続されるダイオード22が挿入されていることから、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷がトランス21側に向かって移動するのを抑制している。これにより、サイリスタ13がオフ状態からオン状態に移行するまで点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷が保持される。
【0028】
ここで、図2には、前述したDC−DCコンバータ20の発振再開から電圧検出回路36による発振停止までを期間tによって表しており、この充電期間tにおいては点火用コンデンサ12の端子間電圧Vが徐々に上昇していく様子が表されている。
点火用コンデンサ12の端子間電圧Vが所定電圧に達した後、DC−DCコンバータ20からの電圧供給が断たれると、点火用コンデンサ12は所定電圧を維持しながら次回の点火時期が到来するまで待機する(図2に示す待機期間t)。そして、前回の点火時期から図示しないクランクが360°CA回転するとクランク回転位置信号がプラス方向に振れ立上り信号を発生させる。この立上り信号により点火時期制御回路32から点火回路10のサイリスタ13に点火信号が出力され、また同時に点火時期制御回路32から発振停止回路27に休止信号が出力される。すると、前述したように、サイリスタ13がオフ状態からオン状態に移行するとともにDC−DCコンバータ20の発振が休止するため、点火用コンデンサ12に蓄えられた電荷が点火コイル15の一次コイル15aのアースに逃げ点火プラグ16に火花放電を生じさせる。
【0029】
以上説明したように本実施例によると、点火コイル15に接続されるサイリスタ13のアノードに点火用コンデンサ12の一端側端子を接続しアースに点火用コンデンサ12の他端側端子を接続し、かつサイリスタ13のアノードにダイオード14のカソードを接続しサイリスタ13のカソードにダイオード14のアノードを接続することで、点火用コンデンサ12に蓄えられる電荷の極性の反転を繰返しながら点火用コンデンサ12の充放電を繰返す。これにより、点火プラグ16に連続的に火花放電を生じさせることができるためDC−CDI方式により安定した交流アークを実現できる効果がある。したがって、従来、DC−CDI方式では困難であった交流アークによる長い火花を得ることができ、混合気への着火を良好に行うことができる。
【0030】
また、本実施例によると、DC−DCコンバータ20およびダイオード22により点火用コンデンサ12を充電する第1閉回路と、SCR13およびダイオード14により点火用コンデンサ12が充放電を繰返すように点火用コンデンサ12および点火コイル15の間で電荷が移動する第2閉回路とを分離したことから、点火用コンデンサ12と点火コイル15とからなる直列LC回路が形成されない。これにより、DC−DCコンバータ20による点火用コンデンサ12の充電を安定に行うことができ、所定電圧までの充電を可能にする効果がある。
【0031】
さらに、本実施例によると、点火用コンデンサ12の他端側端子はアースに接続されていることから、例えば点火用コンデンサ12に電荷が蓄えられていない場合、スイッチ2のオンオフ動作によって生ずるDC−DCコンバータ20の出力電圧はSCR13のゲートに点火信号が入力されない限り点火コイル15に電流が流れることがない。
【0032】
さたにまた、例えば図1において、並列接続されているサイリスタ13およびダイオード14と直列関係に接続されている点火コイル15および点火プラグ16との接続位置を入替えた回路構成にした場合でも上述したような交流アークを得ることができるが、この回路構成では次の2つの問題を生ずる。▲1▼点火用コンデンサと点火コイルとが電気的に常に接続されているため、本実施例による回路構成と比較すると点火用コンデンサによる数百ボルトの高電圧を受ける時間が長くなる。そのため、点火コイルの電気的絶縁特性の劣化を速める。▲2▼一次コイルと二次コイルとの接続点がアース接続されることなくサイリスタおよびダイオードの並列回路に接続されるため、このサイリスタおよびダイオードの並列回路に接続するための新たな端子を設ける必要がある。これにより、この端子に接続する配線も必要となり、部品点数の増加による製品コストの増大を招く。したがって、本実施例による回路構成をとることにより、上述した▲1▼および▲2▼の問題を回避できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による内燃機関用点火装置の回路図である。
【図2】実施例の内燃機関用点火装置を構成するサイリスタのゲートおよび点火用コンデンサに印加される電圧をクランク回転位置信号に対して表した特性図である。
【図3】実施例の内燃機関用点火装置を構成する点火コイルの一次電圧の時間変化を表した特性図である。
【図4】従来の内燃機関用点火装置を構成するコンデンサに印加される電圧の時間変化を表した特性図である。
【符号の説明】
1 バッテリ (直流電源)
2 電源スイッチ
5 タイミングセンサ
10 点火回路
12 点火用コンデンサ (コンデンサ)
13 サイリスタ (スイッチング素子)
14 ダイオード (逆方向通電回路)
15 点火コイル
15a 一次コイル
15b 二次コイル
16 点火プラグ
20 DC−DCコンバータ(昇圧回路)
21 トランス
23 スイッチングトランジスタ

Claims (2)

  1. DC−CDI方式の内燃機関用点火装置において、
    直流電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記昇圧回路の出力電圧を充電するコンデンサと、
    前記コンデンサより流込む電流を一次電流とする一次コイルとこの一次電流により二次電圧を誘起可能な二次コイルとを有する点火コイルと、
    前記二次電圧により火花放電可能な点火プラグと、
    前記コンデンサから前記点火コイルに向かう電流を所定時期に許容し、かつ前記点火コイルから前記コンデンサに向かう電流を阻止するスイッチング素子と、
    前記点火コイルから前記コンデンサに向かう電流を許容し前記コンデンサから前記点火コイルに向かう電流を阻止する逆方向通電回路とを備え、
    前記昇圧回路と前記コンデンサとによって前記点火コイルを含まない第1閉回路を構成し、前記コンデンサと前記スイッチング素子と前記逆方向通電回路と前記点火コイルとによって前記昇圧回路を含まない第2閉回路を構成するとともに、前記コンデンサに蓄えられる電荷の極性の反転を繰返しながら前記コンデンサの充放電を繰返し、前記点火プラグに交流アークの火花を発生させることを特徴とする内燃機関用点火装置。
  2. DC−CDI方式の内燃機関用点火装置において、
    直流電源の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記昇圧回路の出力に一端側端子が接続され前記直流電源の基準電位に他端側端子が接続されるコンデンサと、
    前記コンデンサの一端側端子に入力端子が接続され、この入力端子から出力端子に向かう順方向電流を所定時期に許容し前記出力端子から前記入力端子に向かう逆方向電流を阻止するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子に並列接続され、前記スイッチング素子の前記出力端子から前記入力端子方向に向かう電流を許容し前記入力端子から前記出力端子方向に向かう電流を阻止する逆方向通電回路と、
    前記スイッチング素子の前記出力端子に一端側が接続され前記基準電位に他端側が接続される一次コイルと、この一次コイルに流れる電流により二次電圧を誘起可能な二次コイルとを有する点火コイルと、
    前記二次コイルの一端側と前記基準電位との間に接続される点火プラグとを備え
    前記コンデンサに蓄えられる電荷の極性の反転を繰返しながら前記コンデンサの充放電を繰返し、前記点火プラグに交流アークの火花を発生させることを特徴とする内燃機関用点火装置。
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