JPH11173248A - 内燃機関用回転数制御方法及び内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用回転数制御方法及び内燃機関用点火装置

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JPH11173248A
JPH11173248A JP34013097A JP34013097A JPH11173248A JP H11173248 A JPH11173248 A JP H11173248A JP 34013097 A JP34013097 A JP 34013097A JP 34013097 A JP34013097 A JP 34013097A JP H11173248 A JPH11173248 A JP H11173248A
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JP
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ignition
coil
internal combustion
combustion engine
exciter
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JP34013097A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Ogawa
知之 小川
Hiroyuki Horibe
浩之 堀部
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の回転数を設定値以下に制限する制御
を安定に行わせることができるパルサレス方式のコンデ
ンサ放電式の内燃機関用点火装置を提供する。 【解決手段】内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力
するエキサイタコイル1と、エキサイタコイル1を点火
コンデンサC1 の充電電源と点火信号を得るための信号
源として用いる点火ユニット2とを備えたパルサレス方
式の点火装置に、回転数制御ユニット3を接続する。回
転数制御ユニット3は、エキサイタコイルの出力電圧か
ら機関の回転数を検出して、検出した回転数が設定値を
超えたときに、エキサイタコイルを短絡して機関を失火
させる失火期間と、エキサイタコイルの短絡を解除して
点火動作を回復させるとともに回転数の検出を可能にす
る点火期間とを交互に生じさせて、機関の回転数を設定
値以下に低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の回転数
を設定値以下に保つように制御する内燃機関用回転数制
御方法、及び該回転数制御方法を用いて機関の回転数を
設定値以下に保つ機能を有するコンデンサ放電式の内燃
機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を点火するために用いるコンデ
ンサ放電式の点火装置として、点火時期を定めるための
信号を発生するパルサコイルを持たないパルサレス方式
の点火装置が知られている。パルサレス方式の点火装置
は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられ
て内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力するエキサ
イタコイルと、点火コイルと、該点火コイルの一次側に
設けられてエキサイタコイルの一方の半サイクルの出力
電圧により一方の極性に充電される点火コンデンサと、
点火信号が与えられた時に導通して点火コンデンサに蓄
積された電荷を点火コイルの一次コイルを通して放電さ
せるように設けられた放電用スイッチと、エキサイタコ
イルの出力電圧を入力として点火信号を発生する点火信
号発生回路とを備えていて、点火コンデンサに蓄積され
た電荷の放電により点火コイルの二次コイルに点火用高
電圧を発生させ、該点火用高電圧を機関の気筒に取り付
けられた点火プラグに印加して該点火プラグに火花を生
じさせることにより、機関を点火するようになってい
る。
【0003】またコンデンサ放電式の点火装置により点
火される内燃機関においては、その回転数が過大になる
のを防ぐために、機関の回転数を検出して、検出された
回転数が設定値を超えたときに、エキサイタコイルの一
方の半サイクルの出力電圧を短絡して点火動作を停止さ
せることにより機関を失火させて、回転数を設定値以下
に制限することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、内燃機
関の回転数を設定値以下に制限する制御を行わせる場合
には、機関の回転数に比例した大きさまたは周波数を有
する信号から機関の回転数を検出する必要がある。回転
数検出用の信号を発生する手段としては、種々のものが
考えれるが、構成を簡単にするためには、点火装置に付
属する信号源を回転数検出用の信号を得るための信号源
として用いるのが望ましい。
【0005】内燃機関の点火時期を定めるための信号を
発生するパルサコイルが設けられている場合には、該パ
ルサコイルの出力から機関の回転数を検出することが可
能である。
【0006】ところが、前述のパルサレス方式の点火装
置が用いられる場合には、パルサコイルが設けられない
ため、パルサコイルを回転数検出用信号の信号源として
用いることができない。そこで、エキサイタコイルの出
力から機関の回転数を検出することが考えられるが、エ
キサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧は、機関
の回転数が設定値を超えたときに短絡されるため、回転
数の検出に用いることができない。機関の回転数が設定
値を超えたときに短絡されることがないエキサイタコイ
ルの他方の半サイクルの出力電圧を機関の回転数の検出
に用いることも考えられるが、エキサイタコイルの他方
の半サイクルの出力電圧は、一方の半サイクルの出力電
圧を短絡した際に流れる短絡電流により生じる電機子反
作用の影響を受けて大幅に歪むため、機関の回転数を安
定に検出することができない。
【0007】またパルサレス方式の点火装置により点火
される内燃機関の過回転を防止する場合に、回転数検出
用のセンサを特別に設けることも考えられるが、回転数
検出用センサを設けたのでは、パルサコイルを省略して
構成の簡素化を図ることを狙ったパルサレス方式の点火
装置の特長を活かすことができなくなる。
【0008】またパルサレス方式の点火装置を備えた既
存の内燃機関に過回転防止機能を持たせる場合には、機
関の構造上回転数検出用センサを設けることが困難な場
合があり、回転数検出用センサを設けることができる場
合でも機関の改造が必要になるため、コストが高くなる
のを避けられない。
【0009】本発明の目的は、磁石発電機内に設けられ
たエキサイタコイルの出力から機関の回転数を検出し
て、パルサレス方式のコンデンサ放電式の点火装置によ
り点火される内燃機関の回転数を設定値以下に保つ制御
を安定に行わせることができる内燃機関用回転数制御方
法、及び該回転数制御方法を用いて機関の回転数を設定
値以下に保つ機能を有するパルサレス方式の内燃機関用
点火装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
り駆動される磁石発電機内に設けられて内燃機関の回転
に同期して交流電圧を出力するエキサイタコイルと、点
火コイルと、点火コイルの一次側に設けられてエキサイ
タコイルの一方の半サイクルの出力電圧により一方の極
性に充電される点火コンデンサと、点火信号が与えられ
た時に導通して点火コンデンサに蓄積された電荷を点火
コイルの一次コイルを通して放電させるように設けられ
た放電用スイッチと、エキサイタコイルの出力電圧を入
力として点火信号を発生する点火信号発生回路とを備え
たコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置により点火さ
れる内燃機関の回転数を設定値以下に保つように制御す
る内燃機関用回転数制御方法に係わるものである。
【0011】本発明においては、エキサイタコイルの一
方の半サイクルの出力電圧の大きさから内燃機関の回転
数を検出して、検出された回転数が前記設定値以下のと
き及び該設定値を超えているときにそれぞれ制御モード
を定常時制御モード及び過回転防止制御モードとする。
【0012】定常時制御モードでは、エキサイタコイル
が一方の半サイクルの出力電圧を発生するごとに点火コ
ンデンサの充電を行わせて、内燃機関の点火を正常に行
わせる。
【0013】過回転防止制御モードでは、設定した失火
期間の間エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電
圧を短絡して点火装置による点火動作を停止させる失火
制御と、設定した点火期間の間前記エキサイタコイルの
出力電圧の短絡を解除して点火装置による点火動作を復
帰させるとともにエキサイタコイルの一方の半サイクル
の出力電圧の大きさから内燃機関の回転数を検出する点
火復帰制御とを交互に行わせ、点火期間の間に検出され
る回転数が前記設定値以下になった時に制御モードを定
常時制御モードに復帰させる。
【0014】上記失火期間及び点火期間の長さは、回転
数が設定値を超えているときの回転数の大きさに応じて
設定するのが好ましい。例えば、検出された回転数Nと
その設定値(制限値)Nsとの偏差N−Nsが大きい場
合ほど失火期間を長くして点火期間を短くし、回転数と
その設定値との偏差N−Nsが小さい場合ほど失火期間
を短くして点火期間を長くするように、回転数に応じて
失火期間及び点火期間の長さを設定する。
【0015】上記のように、過回転防止制御モードにお
いて、設定された失火期間の間エキサイタコイルの一方
の半サイクルの出力電圧を短絡して点火装置による点火
動作を停止させる失火制御と、設定した点火期間の間エ
キサイタコイルの出力電圧の短絡を解除して点火装置に
よる点火動作を復帰させるとともにエキサイタコイルの
一方の半サイクルの出力電圧の大きさから内燃機関の回
転数を検出する点火復帰制御とを交互に行わせるように
すると、点火期間の間に電機子反作用の影響を受けない
エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧から機
関の回転数を安定に検出することができるため、機関の
回転数を設定値以下に保つ制御を安定に行わせることが
できる。
【0016】また上記の方法によると、機関の回転数を
検出するためのセンサを特別に設ける必要がないため、
構成の簡素化を図ることができるというパルサレス方式
の点火装置の特長が損なわれることがない。
【0017】上記の回転数制御方法により機関の回転数
を制御する機能を備えた本発明に係わる内燃機関用点火
装置は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設け
られて内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力するエ
キサイタコイルと、該エキサイタコイルに接続された点
火ユニットと、回転数制御ユニットとを備えている。上
記点火ユニットは、点火コイルと、点火コイルの一次側
に設けられてエキサイタコイルの一方の半サイクルの出
力電圧により一方の極性に充電される点火コンデンサ
と、点火信号が与えられた時に導通して点火コンデンサ
に蓄積された電荷を前記点火コイルの一次コイルを通し
て放電させるように設けられた放電用スイッチと、エキ
サイタコイルの出力電圧を入力として点火信号を発生す
る点火信号発生回路とを備えて、点火コンデンサに蓄積
された電荷の放電により点火コイルの二次コイルに点火
用高電圧を発生させて内燃機関を点火する点火動作を行
うように構成される。
【0018】また上記回転数制御ユニットは、エキサイ
タコイルの一方の半サイクルの出力電圧の大きさから内
燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、導通した
際にエキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧を
短絡するエキサイタ短絡用スイッチと、回転数検出手段
により検出された回転数が設定値を超えているときに、
設定された失火期間の間エキサイタ短絡用スイッチを導
通させて点火ユニットが点火動作を行うの阻止する失火
制御と、設定された点火期間の間エキサイタ短絡用スイ
ッチの導通を阻止して点火ユニットの点火動作を許容す
るとともに回転数検出手段による回転数の検出を可能に
する点火復帰制御とを交互に行わせる短絡用スイッチ制
御手段とを備えることにより構成される。
【0019】上記のように構成すると、既存の点火装置
のエキサイタコイルに回転数制御ユニットを接続するだ
けで機関の回転数を設定値以下に保つ機能を持たせるこ
とができ、既存の点火装置の点火ユニットを改造するこ
となく、また機関に改造を加えることなく本発明の制御
方法を実施することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる内燃機関用
回転数制御方法を適用する内燃機関用点火装置の構成例
を示したものである。図1において、1はエキサイタコ
イル、2はエキサイタコイル1に接続された点火ユニッ
ト、3は同じくエキサイタコイルに接続された回転数制
御ユニットである。
【0021】エキサイタコイル1は、内燃機関により駆
動される磁石発電機内に設けられてその一端が接地さ
れ、図2(A)に示すように、内燃機関の回転に同期し
て交流電圧Veを出力する。この例では、磁石発電機の
回転子が4極に構成されていて、エキサイタコイル1が
機関の1回転当り2サイクルの交流電圧を出力するもの
とする。
【0022】点火ユニット2は、点火コイルIGと、点
火コイルIGの一次側に設けられてエキサイタコイル1
の図示の矢印方向の極性の一方の半サイクル(以下図示
の矢印方向の半サイクルを正の半サイクルとし、図示の
矢印と反対方向の半サイクルを負の半サイクルとす
る。)の出力電圧Veにより一方の極性に充電される点
火コンデンサC1 と、点火信号Vi が与えられた時に導
通して点火コンデンサC1に蓄積された電荷を点火コイ
ルIGの一次コイルW1 を通して放電させるように設け
られた放電用スイッチとしてのサイリスタTh1と、エキ
サイタコイル1の出力電圧を入力として点火信号Vi を
発生する点火信号発生回路2Aとを備えたパルサレス方
式の回路からなっている。
【0023】更に詳細に説明すると、図示の例では、点
火コイルIGの一次コイルW1 の一端がアノードを該一
次コイル側に向けたダイオードD1 を通して接地され、
一次コイルW1 の他端に点火コンデンサC1 の一端が接
続されている。点火コンデンサC1 の他端はカソードを
該点火コンデンサ側に向けたダイオードD2 を通してエ
キサイタコイル1の非接地側の端子に接続されている。
点火コンデンサC1 とダイオードD2 との接続点と点火
コイルの一次コイルW1 の一端との間にアノードを点火
コンデンサ側に向けたサイリスタTh1が接続されてい
る。
【0024】サイリスタTh1のゲートと接地間にカソー
ドを接地側に向けたツェナーダイオードZD1 が接続さ
れ、サイリスタTh1のゲートカソード間、及びツェナー
ダイオードZD1 のカソードとサイリスタTh1のカソー
ドとの間にそれぞれ抵抗R1及びR2 が接続されてい
る。
【0025】サイリスタTh1のカソードとエキサイタコ
イル1の非接地側端子との間にカソードをエキサイタコ
イル側に向けたダイオードD3 が接続され、ツェナーダ
イオードZD1 のカソードとダイオードD2 のカソード
との間にアノードをツェナーダイオードZD1 側に向け
たダイオードD4 が接続されている。
【0026】ツェナーダイオードZD1 と、ダイオード
D3 及びD4 と、抵抗R1 及びR2とにより、エキサイ
タコイル1の負の半サイクルの出力電圧が設定値に達し
たときにサイリスタTh1に点火信号Vi を与える点火信
号発生回路2Aが構成されている。
【0027】点火コイルIGの二次コイルW2 の一端は
接地され、該二次コイルの他端は機関の気筒に取り付け
られた点火プラグPの非接地側端子に高圧コードを通し
て接続されている。
【0028】点火ユニット2の構成要素は、合成樹脂製
のケース内に収納されて該ケース内に注型された樹脂に
よりモールドされて一体化され、接地電位部に接続され
る接地線2aと、エキサイタコイル1の非接地側に端子
に接続されるリード線2bと、高圧コード2cとがモー
ルド部から導出されている。
【0029】回転数制御ユニット3は、エキサイタコイ
ル1の正の半サイクルの出力電圧の大きさから内燃機関
の回転数を検出する回転数検出手段3Aと、導通した際
にエキサイタコイル1の正の半サイクルの出力電圧を短
絡するエキサイタ短絡用スイッチ3Bと、回転数検出手
段3Aにより検出された回転数が設定値を超えていると
きに、図2(C)に示すように、失火期間と点火期間と
を交互に生じさせるようにエキサイタ短絡用スイッチ3
Bを制御する短絡用スイッチ制御手段3Cとからなって
いる。
【0030】回転数検出手段3Aは、エキサイタコイル
1の正の半サイクルの出力電圧の波高値を検出すること
により、内燃機関の回転数に比例した回転数検出信号を
出力する。
【0031】エキサイタ短絡用スイッチ3Bは、サイリ
スタやトランジスタなどのオンオフ制御が可能なスイッ
チ素子からなっていて、エキサイタコイル1の両端に並
列に接続されている。
【0032】短絡用スイッチ制御手段3Cは、回転数検
出手段3Aにより検出された回転数が設定値を超えてい
るときに、設定した失火期間の間エキサイタコイル短絡
用スイッチ3Bを導通させて点火ユニット2が点火動作
を行うの阻止する失火制御と、設定した点火期間の間エ
キサイタコイル短絡用スイッチ3Bの導通を阻止して点
火ユニット2の点火動作を許容するとともに回転数検出
手段3Aによる回転数の検出を可能にする点火復帰制御
とを交互に行わせる。この短絡用スイッチ制御手段3C
はマイクロコンピュータに所定のプログラムを実行させ
ることにより実現することができる。
【0033】回転数制御ユニット3からは、接地電位部
に接続される接地線3aと、エキサイタ短絡用スイッチ
3Bの非接地側の端子につながるリード線3bと、回転
数検出手段3Aにエキサイタコイル1の正の半サイクル
の出力電圧を与えるリード線3cとが引き出されてい
て、接地線3aを接地回路に接続し、リード線3b及び
3cをエキサイタコイル1の非接地側端子に接続するこ
とによりエキサイタコイル1及び点火ユニット2に接続
される。
【0034】本発明においては、エキサイタコイル1の
一方の半サイクルの出力電圧の大きさから内燃機関の回
転数を検出して、検出された回転数が設定値以下のとき
及び該設定値を超えているときにそれぞれ制御モードを
定常時制御モード及び過回転防止制御モードとする。
【0035】図1に示した例では、回転数制御ユニット
3の回転数検出手段3Aが検出している機関の回転数が
設定値以下であるときに、短絡用スイッチ制御手段3C
がエキサイタ短絡用スイッチ3Bを遮断状態に保つこと
により、制御モードを定常時制御モードとする。定常時
制御モードでは、エキサイタコイル1が一方の半サイク
ルの出力電圧を発生するごとに点火コンデンサC1 の充
電を行わせて内燃機関の点火を正常に行わせる。
【0036】また回転数制御ユニット3の回転数検出手
段3Aが検出している機関の回転数が設定値を超える
と、短絡用スイッチ制御手段3Cが制御モードを過回転
防止制御モードとして、設定した失火期間の間エキサイ
タ短絡用スイッチ3Bを導通させることによりエキサイ
タコイル1の一方の半サイクルの出力電圧を短絡して点
火装置による点火動作を停止させる失火制御と、設定し
た点火期間の間エキサイタ短絡用スイッチ3Bを遮断状
態に保つことによりエキサイタコイル1の出力電圧の短
絡を解除して点火装置による点火動作を復帰させるとと
もにエキサイタコイル1の一方の半サイクルの出力電圧
の大きさから内燃機関の回転数を検出する点火復帰制御
とを交互に行わせ、点火期間の間に検出される回転数が
設定値以下になった時に制御モードを定常時制御モード
に復帰させる。
【0037】図1に示した内燃機関用点火装置におい
て、機関のクランク軸が回転させられると、エキサイタ
コイル1が交流電圧を発生する。エキサイタコイル1が
図示の矢印方向の正の半サイクルの出力電圧を発生する
と、エキサイタコイル1−ダイオードD2 −点火コンデ
ンサC1 −点火コイルIGの一次コイルW1 −ダイオー
ドD1 −エキサイタコイル1の経路で電流が流れて点火
コンデンサC1 が図示の極性に充電される。
【0038】エキサイタコイル1が負の半サイクルの出
力電圧を発生すると、該エキサイタコイル1から接地回
路とツェナーダイオードZD1 とを通してサイリスタT
h1のゲートカソード間に電圧が加わる。エキサイタコイ
ル1の負の半サイクルの出力電圧が設定値を超えると、
ツェナーダイオードZD1 が導通するためサイリスタT
h1に点火信号が与えられて、該サイリスタTh1が導通す
る。サイリスタTh1が導通すると、点火コンデンサC1
に蓄積された電荷がサイリスタTh1と点火コイルIGの
一次コイルW1 とを通して放電する。この放電により点
火コイルの鉄心中で大きな磁束変化が生じるため、該点
火コイルの二次コイルW2 に点火用高電圧が発生する。
この高電圧は点火プラグPに印加されるため、該点火プ
ラグで火花放電が生じ、機関が点火される。
【0039】またサイリスタTh1が導通すると、エキサ
イタコイル1−ダイオードD4 −サイリスタTh1−ダイ
オードD3 −エキサイタコイル1の経路で電流が流れて
エキサイタコイル1が実質的に短絡される。これによ
り、サイリスタTh1への点火信号の供給が停止する。
【0040】内燃機関の回転数Nが設定値Ns(制限
値)以下で、制御モードが定常時制御モードであるとき
には、上記の点火動作が反復されて機関が運転される。
機関の回転数が設定値以下のときの点火コンデンサC1
の両端の電圧(充電電圧)Vcの波形を示すと図2
(B)の通りである。
【0041】機関の回転数が設定値を超えると、短絡用
スイッチ制御手段3Cが、制御モードを過回転防止制御
モードとして、失火期間と点火期間とを交互に生じさせ
る。失火期間ではエキサイタ短絡用スイッチ3Bを導通
させてエキサイタコイル1を短絡し、点火期間ではエキ
サイタ短絡用スイッチ3Bを遮断状態に保持してエキサ
イタコイル1の短絡を解除するように、エキサイタ短絡
用スイッチ3Bを制御する。
【0042】図2(C)は機関の回転数Nが設定値Ns
を超えているときの点火コンデンサC1 の充電電圧Vc
´の波形を示している。同図において、T11,T12,…
は点火期間を示し、T21,T22,…は失火期間を示して
いる。点火期間及び失火期間の長さはそれぞれ一定でも
よいが、回転数が設定値を超えたときに、速やかに、か
つスムーズに回転数を制限値以下に低下させる制御を行
わせるためには、機関の回転数の大きさに応じて点火期
間及び失火期間を変化させるようにするのが好ましい。
図示の例では、機関の回転数Nと設定値Nsとの偏差N
−Nsが大きい場合ほど失火期間を長くして点火期間を
短くし、該偏差N−Nsが小さい場合ほど失火期間を短
くして点火期間を長くするように、回転数が設定値を超
えているときの該回転数の大きさに応じて失火期間及び
点火期間を変化させるようにしている。
【0043】失火期間T21,T22,…においては、短絡
用スイッチ制御手段3Cがエキサイタ短絡用スイッチ3
Bに駆動信号を与えて該短絡用スイッチを導通させるた
め、エキサイタコイル1の正の半サイクルの出力電圧が
短絡され、点火コンデンサC1 が充電されなくなる。従
って内燃機関は失火状態になり、その回転数が低下す
る。点火期間T11,T12,…においては、短絡用スイッ
チ制御手段3Cがエキサイタ短絡用スイッチ3Bに駆動
信号を与えないため、エキサイタ短絡用スイッチ3Bが
導通せず、エキサイタコイル1の正の半サイクルの出力
電圧は短絡されない。従って、点火コンデンサC1 が充
電され、点火動作は支障なく行われる。またこのときエ
キサイタコイル1の正の半サイクルの出力電圧の大きさ
から、機関の回転数を検出することができる。これらの
動作の繰り返しにより、機関の回転数が設定値以下に低
下させられる。
【0044】図2(C)に示した例では、失火期間T21
において、機関が失火させられることにより、その回転
数Nが低下して、回転数Nと設定値Nsとの偏差が小さ
くなったため、点火期間T12が点火期間T11よりも長く
されている。
【0045】図1に示したように構成すると、回転数制
御ユニット3から引き出された接地線3aを、内燃機関
用点火装置の接地回路に接続し、リード線3b及び3c
をエキサイタコイル1の非接地側端子に接続するだけ
で、点火ユニットを改造することなく、点火装置に機関
の回転数を制限値以下に制限する機能を持たせることが
できるため、既存の点火装置にも容易に本発明の回転数
制御方法を適用することができる。
【0046】なお図1に示した例では、回転数制御ユニ
ット3から接地線3aの外に、2本のリード線3b及び
3cを引出しているが、リード線3b及び3cはともに
エキサイタコイル1の非接地側端子に接続されるので、
回転数制御ユニット3内でリード線3b及び3cを相互
に接続して、回転数制御ユニット3からエキサイタコイ
ル1の非接地側端子に接続されるリード線を1本だけ引
出すようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、過回転
防止制御モードにおいて、設定された失火期間の間エキ
サイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧を短絡して
点火装置による点火動作を停止させる失火制御と、設定
した点火期間の間エキサイタコイルの出力電圧の短絡を
解除して点火装置による点火動作を復帰させるとともに
エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧の大き
さから内燃機関の回転数を検出する点火復帰制御とを交
互に行わせるようにしたので、点火期間の間に電機子反
作用の影響を受けないエキサイタコイルの一方の半サイ
クルの出力電圧から機関の回転数を安定に検出して、機
関の回転数を設定値以下に保つ制御を安定に行わせるこ
とができる利点がある。
【0048】また本発明によれば、機関の回転数を検出
するためのセンサを特別に設ける必要がないため、構成
の簡素化を図ることができるというパルサレス方式の点
火装置の特長を損なうことなく、点火装置に機関の回転
数を制限値以下に制限する機能を持たせることができ
る。
【0049】更に本発明のように点火装置を構成する
と、回転数制御ユニットをエキサイタコイルの非接地側
端子と接地間に接続するだけで回転数を設定値以下に制
限する機能を点火装置にもたせることができるので、既
存のパルサレス方式の点火装置にも容易に過回転防止機
能をもたせることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を
示した回路図である。
【図2】図1の各部の電圧波形を示した波形図である。
【符号の説明】
1 エキサイタコイル 2 点火ユニット 2A 点火信号発生回路 IG 点火コイル C1 点火コンデンサ Th1 放電用スイッチを構成するサイリスタ D1 〜D4 ダイオード ZD1 ツェナーダイオード 3 回転数制御ユニット 3A 回転数検出手段 3B エキサイタ短絡用スイッチ 3C 短絡用スイッチ制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられて内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力
    するエキサイタコイルと、点火コイルと、前記点火コイ
    ルの一次側に設けられて前記エキサイタコイルの一方の
    半サイクルの出力電圧により一方の極性に充電される点
    火コンデンサと、点火信号が与えられた時に導通して前
    記点火コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの
    一次コイルを通して放電させるように設けられた放電用
    スイッチと、前記エキサイタコイルの出力電圧を入力と
    して前記点火信号を発生する点火信号発生回路とを備え
    たコンデンサ放電式の内燃機関用点火装置により点火さ
    れる内燃機関の回転数を設定値以下に保つように制御す
    る内燃機関用回転数制御方法において、 前記エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧の
    大きさから前記内燃機関の回転数を検出して、検出され
    た回転数が前記設定値以下のとき及び該設定値を超えて
    いるときにそれぞれ制御モードを定常時制御モード及び
    過回転防止制御モードとし、 前記定常時制御モードでは、前記エキサイタコイルが一
    方の半サイクルの出力電圧を発生するごとに前記点火コ
    ンデンサの充電を行わせて前記内燃機関の点火を正常に
    行わせ、 前記過回転防止制御モードでは、設定した失火期間の間
    前記エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧を
    短絡して前記点火装置による点火動作を停止させる失火
    制御と、設定した点火期間の間前記エキサイタコイルの
    出力電圧の短絡を解除して前記点火装置による点火動作
    を復帰させるとともに前記エキサイタコイルの一方の半
    サイクルの出力電圧の大きさから内燃機関の回転数を検
    出する点火復帰制御とを交互に行わせ、前記点火期間の
    間に検出される回転数が前記設定値以下になった時に制
    御モードを定常時制御モードに復帰させることを特徴と
    する内燃機関用回転数制御方法。
  2. 【請求項2】 前記過回転防止制御モードでは、回転数
    が設定値を超えているときの回転数の大きさに応じて前
    記失火期間及び点火期間の長さを設定することを特徴と
    する請求項1に記載の内燃機関用回転数制御方法。
  3. 【請求項3】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられて内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力
    するエキサイタコイルと、前記エキサイタコイルに接続
    された点火ユニット及び回転数制御ユニットとを備え、 前記点火ユニットは、点火コイルと、前記点火コイルの
    一次側に設けられて前記エキサイタコイルの一方の半サ
    イクルの出力電圧により一方の極性に充電される点火コ
    ンデンサと、点火信号が与えられた時に導通して前記点
    火コンデンサに蓄積された電荷を前記点火コイルの一次
    コイルを通して放電させるように設けられた放電用スイ
    ッチと、前記エキサイタコイルの出力電圧を入力として
    前記点火信号を発生する点火信号発生回路とを備えて、
    前記点火コンデンサに蓄積された電荷の放電により前記
    点火コイルの二次コイルに点火用高電圧を発生させて前
    記内燃機関を点火する点火動作を行うように構成され、 前記回転数制御ユニットは、 前記エキサイタコイルの一方の半サイクルの出力電圧の
    大きさから前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出
    手段と、 導通した際に前記エキサイタコイルの一方の半サイクル
    の出力電圧を短絡するエキサイタ短絡用スイッチと、 前記回転数検出手段により検出された回転数が前記設定
    値を超えているときに、設定された失火期間の間前記エ
    キサイタ短絡用スイッチを導通させて前記点火ユニット
    が点火動作を行うの阻止する失火制御と、設定された点
    火期間の間前記エキサイタ短絡用スイッチの導通を阻止
    して前記点火ユニットの点火動作を許容するとともに前
    記回転数検出手段による回転数の検出を可能にする点火
    復帰制御とを交互に行わせる短絡用スイッチ制御手段と
    を備えていることを特徴とする内燃機関用点火装置。
JP34013097A 1997-12-10 1997-12-10 内燃機関用回転数制御方法及び内燃機関用点火装置 Withdrawn JPH11173248A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6973911B2 (en) 2002-04-12 2005-12-13 Iida Denki Kogyo Co., Ltd. Method and device for controlling ignition timing of ignition device for internal combustion engine
US7395794B2 (en) * 2003-11-21 2008-07-08 Honda Motor Co., Ltd. Engine starting apparatus

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6973911B2 (en) 2002-04-12 2005-12-13 Iida Denki Kogyo Co., Ltd. Method and device for controlling ignition timing of ignition device for internal combustion engine
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