JP2558351Y2 - コンデンサ放電式内燃機関用点火装置 - Google Patents

コンデンサ放電式内燃機関用点火装置

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JP2558351Y2
JP2558351Y2 JP1991078937U JP7893791U JP2558351Y2 JP 2558351 Y2 JP2558351 Y2 JP 2558351Y2 JP 1991078937 U JP1991078937 U JP 1991078937U JP 7893791 U JP7893791 U JP 7893791U JP 2558351 Y2 JP2558351 Y2 JP 2558351Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、コンデンサ放電式の内
燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】数百ボルトの直流高電圧で点火エネルギ蓄
積用コンデンサを充電し、該コンデンサの蓄積エネルギ
を機関の点火時期に点火コイルの1次コイルに放電させ
てその際に点火コイルの2次コイルに誘起する高電圧で
点火プラグに火花を飛ばすようにしたコンデンサ放電式
内燃機関用点火装置は、一般に点火プラグにおける放電
電流の持続時間が短く点火性能が劣るという欠点があ
る。これを改善するために、点火コイルの鉄心を大きく
したり、巻線の巻回数を多くしたりすることや、あるい
は点火エネルギ蓄積用コンデンサの容量を大きくした
り、該コンデンサの充電電圧を高くして点火コイルの2
次放電電流の持続時間を長くしたりすることが考えられ
ている。しかし点火コイルの鉄心を大きくしたり、巻線
の巻回数を多くしたりすると、点火コイルが大形にな
り、また点火コイルエネルギー蓄積用コンデンサの容量
を大きくしたり、その充電電圧を高くしたりすると、点
火エネルギ蓄積用コンデンサを充電するための電源装置
が大形になって点火装置が高価になるという問題があっ
た。
【0003】そこで、機関の正規の点火時期に最初の火
花を飛ばした後、引き続いて所定期間の間に複数回の火
花放電を生起させて、実質的に放電時間が長くするよう
にした多重放電方式の点火装置が提案された。この種の
多重放電方式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置で
は、例えば特公昭45−26525号に見られるよう
に、マルチバイブレー形のDC−DCコンバータによっ
て得られる昇圧電圧で充電される点火エネルギ蓄積用コ
ンデンサの電荷を、機関の点火時期に生ずる最初のパル
ス信号と、それに引続いて所定期間の間パルストランス
から出力されるパルス信号とをトリガ信号としてサイリ
スタを断続的に導通さることによりコンデンサの電荷を
点火コイルの1次コイルに放電させ、点火プラグに連続
する複数回の火花放電を生起させるようにしていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
の多重放電式のコンデンサ放電式内燃機関用点火装置で
は、DC−DCコンバータ用の昇圧トランスのほかにサ
イリスタに断続的にトリガ信号を与えて多重放電を生じ
させるためのパルス信号発生用のトランスを必要とし、
装置が複雑になるのを避けられなかった。
【0005】また従来のこの種の点火装置では、多重放
電の際に点火エネルギ蓄積用コンデンサの放電を制御す
るサイリスタの転流を失敗させないようにするために、
DC−DCコンバータの発振周波数をあまり高く設定す
ることができないので、該コンバータの昇圧トランスの
変換効率が悪く、該昇圧トランスを大形化せざるを得な
いという問題があった。
【0006】本考案の目的は、サイリスタをトリガする
ためのパルス信号用トランスを別に設ける必要がなく、
また高い発振周波数で作動させることができる小形のコ
ンバータ用トランスを使用してもサイリスタの転流の失
敗が生じないようにした多重放電方式のコンデンサ放電
式内燃機関用点火装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、その実施例を
示す図1及び図2に見られるように、直流電源16の出
力を昇圧して直流高電圧を出力する昇圧回路8と、点火
コイル1と、該点火コイル1の1次側に設けられて昇圧
回路8の出力により充電される点火エネルギ蓄積用コン
デンサ4と、導通した際に前記点火エネルギ蓄積用コン
デンサ4の電荷を前記点火コイルの1次コイル1aに放
電させるように設けられたサイリスタ5と、内燃機関の
点火時期にサイリスタ5にトリガ信号を与える点火時期
制御回路18と、サイリスタ5のゲートカソード間電圧
を設定電圧と比較して該ゲートカソード間電圧が設定電
圧以上になっている期間低レベルになり、該ゲートカソ
ード間電圧が設定電圧未満になっている期間高レベルに
なる昇圧動作制御信号Vspを出力する比較回路31を有
する転流失敗防止回路19とを備えて、前記昇圧動作制
御信号Vspが低レベルになっている期間前記昇圧回路8
の出力を停止させるようにしたコンデンサ放電式内燃機
関用点火装置に係わるものである。
【0008】本考案においては、上記転流失敗防止回路
19が、比較回路31の出力端子間に抵抗33を介して
接続されて前記昇圧動作制御信号Vspが高レベルになっ
ているときに一定の時定数で充電され、昇圧動作制御信
号Vspが低レベルになっているときに一定の時定数で放
電させられる第1のトリガ制御信号発生用コンデンサ3
4と、該コンデンサ34の端子電圧V3 がバッファ回路
35を介して印加されて該コンデンサ34の端子電圧が
バッファ回路34の入力しきい値VBT以上ある ときに該
バッファ回路の出力で一定の時定数で充電され、昇圧動
作制御信号Vspが入力しきい値VBT未満になったときに
瞬時に放電させられる第2のトリガ制御信号発生用コン
デンサ37とを有して該コンデンサ37の両端にトリガ
制御信号Vstを発生するトリガ制御信号発生回路を更に
備えている。
【0009】本考案においてはまた、上サイリスタ5
のゲートカソード間に抵抗6及びコンデンサ7を並列に
接続しておく。
【0010】また上記点火時期制御回路は、内燃機関の
正規の点火時期を演算して演算した正規の点火時期に矩
形波信号電圧V1 を発生する点火時期演算回路23と、
矩形波信号電圧V1 とトリガ制御信号Vstとを入力とし
て、矩形波信号電圧V1 及びトリガ制御信号Vstがとも
に入力しきい値VNT以上になっている状態が生じたとき
に出力が低レベルになり矩形波信号電圧V1 及びトリガ
制御信号Vstの少くとも一方が入力しきい値VNT未満の
ときに出力が高レベルになるナンド回路24と、ナンド
回路24の出力端子間に接続されて該ナンド回路の出力
が高レベルの状態にあるときに一定の時定数で充電さ
れ、ナンド回路24の出力が低レベルになったときに瞬
時に放電させられるトリガ信号発生用コンデンサ27
と、トリガ信号発生用コンデンサ27の端子電圧V2 を
入力として該端子電圧V2 が入力しきい値VIT未満にな
ったときにサイリスタにトリガ信号を与えるインバータ
回路25とを備えている。
【0011】そして本考案においては、点火時期制御回
路18が正規の点火時期に正規のトリガ信号を発生した
後所定の時間間隔をおいて少くとも1つの追加のトリガ
信号を発生するように、矩形波信号電圧V1 の信号幅が
設定される。また正規のトリガ信号と追加トリガ信号と
の発生間隔をサイリスタの転流に要する時間よりも僅か
に長くするように、コンデンサ34の充放電の時定数及
びコンデンサ37の充電時定数が設定される。
【0012】
【作用】上記のように構成すると、内燃機関の正規の点
火時期に正規のトリガ信号を発生させた後に所定の時間
間隔をおいて少なくとも1つの追加トリガ信号を発生さ
せることができるため、正規の点火時期に点火火花を生
じさせた後、所定の時間間隔をおいて追加の点火火花を
生じさせることができ、パルス信号用トランスを用いる
ことなく多重点火を行わせることができる。
【0013】また本考案においては、点火時期制御回路
が発生する正規トリガ信号と追加トリガ信号との発生間
隔を、サイリスタの転流に要する時間よりも僅かに長く
設定したので、サイリスタの導通期間中継続して昇圧回
路の出力電流がサイリスタに流れるのを防いで、サイリ
スタの転流を確実に行わせることができる。
【0014】特に本考案においては、コンデンサの充放
電を利用して追加トリガ信号を発生させるようにしたの
で、マイクロコンピュータ等を用いることなく、簡単な
回路構成で多重点火を行わせることができる。また点火
時期演算回路が発生する矩形波信号電圧の信号幅を調整
することにより、多重点火の点火回数を容易に設定する
ことができる。
【0015】
【実施例】図1は本考案の一実施例の全体の構成を示し
た回路図である。同図において、1は一端がそれぞれ接
地された1次コイル1a及び及び2次コイル1bを有す
る点火コイル、2は図示しない機関の気筒に取付けられ
た点火プラグで、この点火プラグ2には点火コイルの2
次コイル1bの出力電圧が印加される。1次コイル1a
の両端にはカソードを接地側に向けたダイオード3が並
列接続され、1次コイル1aの非接地側端子に点火エネ
ルギ蓄積用コンデンサ4の一端が接続されている。コン
デンサ4の他端と接地間にはサイリスタ5がそのカソー
ドを接地側に向けて接続され、該サイリスタ5のゲーカ
ソード間には抵抗6とコンデンサ7とが並列に接続され
ている。
【0016】点火エネルギ蓄積用コンデンサ4を充電す
るため、昇圧回路8が設けられている。この昇圧回路8
は、昇圧トランス9と、トランジスタ10と、発振回路
12と、アンド回路13と、ダイオード14とからなっ
ている。トランス9の2次コイルの一端は接地され、他
端はアノードを該トランス側に向けたダイオード14を
介して点火エネルギ蓄積用コンデンサの他端に接続され
ている。トランス9の1次コイルの一端は負極を接地し
たバッテリ15からなる直流電源16の正極に電源スイ
ッチ17を介して接続され、他端はエミッタを接地した
トランジスタ10のコレクタに接続されている。
【0017】この例ではトランジスタ10が昇圧回路の
スイッチング素子11を構成しているが、スイッチング
素子11として電界効果トランジスタ等の他の素子を用
いてもよい。スイッチング素子11として電界効果トラ
ンジスタを用いる場合には、トランス9の1次コイルの
他端を電界効果トランジスタのドレンに接続し、電界効
果トランジスタのソースを接地する。
【0018】発振回路12はスイッチング素子11(ト
ランジスタ10)をオンオフさせるためのパルスを発生
するもので、例えば演算増増幅器と抵抗及びコンデンサ
とで構成された公知の非安定マルチバイブレータからな
る。この発振回路は、例えば100kHz 程度の高い周
波数のパルスVp ´(図3H参照)を連続的に出力す
る。この発振回路の出力パルスVp ´はアンド回路13
を通してトランシジスタ10のベース(スイッチング素
子が電界効果トランジスタの場合にはそのゲート)に駆
動パルスVp (図3I参照)として供給されている。ト
ランジスタ10はこの駆動パルスによりオンオフされ、
該トランジスタのオンオフによりトランス9の1次電流
が断続させられる。トランス9の1次電流が断続させら
れると、その2次コイルに高い電圧が誘起し、この電圧
がダイオード14により整流されて点火エネルギ蓄積用
コンデンサ4に印加される。これによりコンデンサ4が
図示極性に充電される。
【0019】機関の点火時期にサイリスタ5にトリガ信
号Vt を与えるために点火時期制御回路18が設けら
れ、またサイリスタ5の転流が失敗するのを防ぐため
に、転流失敗防止回路19が設けられている。
【0020】転流失敗防止回路19は、サイリスタ5の
アノード電流によりゲートカソード間に生ずるゲートカ
ソード間電圧VG を検出して該ゲートカソード間電圧が
設定値以上になっている期間低レベルとなる昇圧動作制
御信号Vspを出力し、該信号Vspを昇圧回路8のアンド
回路13に入力して、ゲートカソード間電圧VG が設定
値以上になっている期間昇圧回路8の出力を停止させる
ように構成されている。転流失敗防止回路19はまた
リガ制御信号Vstを出力して該信号Vstを点火時期制御
回路18に与える。点火時期制御回路18はこのトリガ
制御信号Vstにより制御されて機関の正規の点火時期に
正規のトリガ信号を発生した後、サイリスタ5の転流に
要する時間より僅かに長く設定された所定の時間間隔を
おいて少なくとも1つの追加のトリガ信号を発生するよ
うに構成されている。
【0021】20は公知の安定化電源回路で、バッテリ
15の出力電圧を入力として出力端子Bから出力される
定電圧を点火時期制御回路18及び転流失敗防止回路1
9の回路の電源端子に供給している。
【0022】点火時期制御回路18及び転流失敗防止回
路19の具体的な構成例を図2に示した。点火時期制御
回路18において、21は内燃機関の回転に同期するリ
ラクタ、22は該リラクタ21の回転に伴って生じさせ
られる磁束の変化により電圧を誘起する信号コイルで、
リラクタ21と信号コイル22とにより信号発電機が構
成されている。23は公知の電子回路あるいはマイクロ
コンピュータからなる点火時期演算回路で、この点火時
期演算回路は、信号コイル22から回転角度情報と速度
情報とを得て機関の各回転速度における正規の点火時期
を演算し、該正規の点火時期に電圧が立上り多重点火を
行わせる所望の期間の終りに電圧が立下がる矩形波信号
電圧V1 (図3A参照)を出力する。
【0023】24はナンド(NAND)回路で、このナ
ンド回路は、点火時期演算回路23の出力信号V1 と転
流失敗防止回路19から出力されるトリガ制御信号Vst
とを入力として、両入力信号V1 及びVstが同時にナン
ド回路24の入力しきい値VNT以上になっているときに
その出力が低レベルになり、両入力信号V1 及びVstの
少なくとも一方が入力しきい値VNT未満になっている時
にその出力が高レベルになる。
【0024】25は入力端子がナンド回路24の出力端
子に接続されたインバータ回路で、このインバータ回路
では、入力電圧が該インバータ回路の入力しきい値VIT
以上になるとその出力が低レベルになり入力電圧が入力
しきい値VIT未満に低下すると出力が高レベルになる。
インバータ回路25の入力端子と安定化電源回路20の
出力端子との間及び接地との間にはそれぞれ抵抗26及
トリガ信号発生用コンデンサ27が接続されている。
インバータ回路25の出力端子にはダイオード28のア
ノードが接続され、該ダイオード28のカソードがサイ
リスタ5のゲートに接続されている。
【0025】転流失敗防止回路19において31は比較
回路で、該比較回路の非反転入力端子には、抵抗29及
び30の直列回路からなる分圧器の分圧電圧により得ら
れる設定電圧Vr が入力されている。比較回路31の反
転入力端子にはサイリスタ5のゲートカソード間電圧V
G が入力されていて、比較回路31の出力電圧VspはV
G ≧Vr の時に低レベルになり、VG <Vr の時に高レ
ベルになる。この出力電圧Vspは昇圧動作制御信号Vsp
として昇圧回路8のアンド回路13に入力されている。
比較回路31の出力端子には抵抗32と抵抗33との各
一端が共通に接続されており、抵抗32の他端は安定化
電源回路20の出力端子に接続され、抵抗33の他端は
一端を接地した第1のトリガ制御信号発生用コンデンサ
34の他端に接続されている。35は入力端子がコンデ
ンサ34の非接地側端子に接続されたバッファ回路で、
入力電圧V3 が該バッファ回路の入力しきい値VBT以上
になると出力が高レベルになり、入力電圧V3 が入力し
きい値VBT未満に低下すると出力が低レベルになる。バ
ッファ回路35の出力端子には一端が安定化電源回路2
0の出力端子に接続された抵抗36の他端と、一端が接
地された第2のトリガ制御信号発生用コンデンサ37の
他端とが共通に接続されていて、コンデンサ37の端子
電圧Vstがトリガ制御信号として点火時期制御回路18
のナンド回路24に入力されている。この例では、抵抗
33と第1のトリガ制御信号発生用コンデンサ34と、
バッファ回路35と、第2のトリガ制御信号発生用コン
デンサ37とにより、トリガ制御信号発生回路が構成さ
れている。
【0026】次に図3を参照して上記実施例の動作を説
明する。図1において電源スイッチ17が閉じられる
と、発振回路12が連続パルスVp ´(図3H参照)を
出力する。サイリスタ5にトリガ信号Vt が与えられて
いない時は、比較回路31の2つの入力電圧の関係はV
G <Vr であるので、比較回路31の出力端子に生ずる
昇圧動作制御信号Vsp(図3G参照)は高レベルの状態
にあり、またコンデンサ34は抵抗32及び33を通し
て充電されていてバッファ回路35の入力電圧V3 (図
3D参照)はV3 >VBTとなっているので、該バッファ
回路35の出力端子に生ずるトリガ制御信号Vst(図3
B参照)も高レベルの状態にある。このとき、発振回路
12がパルスを発生する毎にアンド回路13のアンド条
件が成立するため、該アンド回路13を通してトランジ
スタ10のベースに駆動パルスVp(図3I参照)が与
えられ、該トランジスタがオンオフを繰返して昇圧トラ
ンス9の2次コイルに高電圧を誘起する。この電圧がダ
イオード14を通して点火エネルギ蓄積用コンデンサ4
に印加されるため、該コンデンサ4が図示の極性に充電
されてその端子電圧Vc が図3(J)に示すように時刻
t0 から上昇していく。
【0027】時刻t1 で内燃機関の回転位置が正規の点
火位置に達すると、点火時期演算回路23から出力され
る矩形波信号電圧V1 (図3A参照)が立上ってナンド
回路24の入力しきい値VNT以上の高レベルになる。こ
れによりナンド回路24の出力電圧が低レベル(接地電
位)になるので、コンデンサ27が放電してその端子電
圧V2 (図3C参照)が零になる。従ってインバータ回
路25の入力電圧が該インバータ回路の入力しきい値V
IT未満になるので、インバータ回路25の出力電圧が高
レベルになり、この出力電圧が正規のトリガ信号Vt
(図3E参照)としてダイオード28を通してサイリス
タ5のゲートに与えられる。時刻t1 で正規のトリガ信
号がVt が立上ると該トリガ信号によりサイリスタ5が
導通させられて、充電されていたコンデンサ4の電荷が
サイリスタ5を通して点火コイルの1次コイル1aに放
電し、この時点火コイルの2次コイル1bに高電圧が誘
起して点火プラグ2に火花放電が生じ、該点火プラグ2
には図3(K)に示すように放電電流i2 が流れる。ま
たコンデンサ4の放電によりサイリスタ5にアノード電
流が流れると該サイリスタ5のゲートカソード間に電圧
降下が生じ、このゲートカソード間電圧VG (図3F参
照)が設定電圧Vr 以上になると比較回路31の出力端
子の電圧Vspが低レベルになる。そのためアンド回路1
3のアンド条件が成立しなくなって発振回路12の出力
パルスVp ´の通過を阻止する。従ってトランジスタ1
0のベースには駆動パルスVp が与えられなくなるので
昇圧回路8の出力は停止させられる。
【0028】時刻t1 で比較回路31の出力端子の電圧
Vspが低レベル(接地電位)になると、充電されていた
コンデンサ34が抵抗33を通して放電を開始し、該コ
ンデンサ34の端子電圧V3 が一定の時定数で低下して
いく。コンデンサ34の端子電圧V3 が低下して時刻t
2 でバッファ回路35の入力しきい値VBTを越えると、
該バッファ回路35から出力されるトリガ制御信号Vst
が低レベルになる。これによりナンド回路24の出力が
高レベルに転じてコンデンサ27が抵抗26を通して充
電されるので、該コンデンサ27の端子電圧V2 が一定
の時定数で上昇していく。コンデンサ27の端子電圧V
2 が端子電圧V2 が上昇していって、時刻t3 でインバ
ータ25の入力しきい値VITに達すると該インバータ2
5の出力電圧が低レベルになり、サイリスタ5に与えら
れていた正規のトリガ信号Vt は零になる。
【0029】サイリスタ5が導通している時には、該サ
イリスタのゲートカソード間に生ずる電圧降下によりコ
ンデンサ7が充電されるためサイリスタ5のゲートカソ
ード間電圧VG は設定電圧Vr 以上に保たれる。サイリ
スタ5のアノード電流が消滅してもコンデンサ7の電荷
は直ぐには放電せず、抵抗6を通して一定の時定数で放
電してコンデンサ7の端子間に現われるゲートカソード
間電圧VG が低下していく。このため、サイリスタ5に
アノード電流が流れている間はもちろん、該サイリスタ
のアノード電流が零になった後も一定時間比較回路31
から出力される昇圧動作制御信号Vspは低レベルになっ
ていて、この間アンド回路13はトランジスタ10への
駆動パルスVp の供給を停止して昇圧回路8の作動を停
止させたままとする。従ってサイリスタ5のアノード電
流が消滅する前に昇圧回路8の作動が再開されて該昇圧
回路の出力電流がサイリスタ5に流れることがないの
で、サイリスタ5の転流を確実に行わせることができ
る。
【0030】サイリスタ5のゲートカソード間電圧VG
が低下して時刻t4 で設定値Vr 未満になると、比較回
路31の出力端子に生ずる昇圧動作制御信号Vspが再び
高レベルになってアンド回路13がトランジスタ10へ
の駆動パルスVp の供給を再開し、昇圧回路8の出力に
よるコンデンサ4の充電が再び行われて該コンデンサ4
の端子電圧は図3(J)にVc ´で示すように上昇して
いく。また比較回路31の出力電圧が高レベルになる
と、コンデンサ34が抵抗32及び33を通して充電さ
れて該コンデンサ34の端子電圧V3 が一定の時定数で
上昇していく。コンデンサ34の端子電圧V3 が時刻t
5 でバッファ回路35の入力しきい値VBTに達すると、
該バッファ回路の出力電圧が高レベルに転じてコンデン
サ37が抵抗36を通して充電され、該コンデンサ37
の端子電圧により得られるトリガ制御信号Vstが一定の
時定数で上昇していく。時刻t6 でトリガ制御信号Vst
がナンド回路24の入力しきい値VNTに達すると、該ナ
ンド回路24の出力電圧が低レベルになってコンデンサ
27が放電するのでその端子電圧V2 が零になる。従っ
てインバータ25の出力電圧が立上って高レベルにな
り、この出力電圧が追加のトリガ信号Vt ´(図3E参
照)としてダイオード28を通してサイリスタ5のゲー
トに与えられる。これによりサイリスタ5が再び導通し
てそれまでに充電されていたコンデンサ4の電荷がサイ
リスタ5を通して点火コイルの1次コイル1aに放電す
るので、点火コイルの2次コイル1bに再び高電圧が誘
起して点火プラグ2に火花放電が生じ、該点火プラグ2
には図3(K)にi2 ´で示すように放電電流が流れ
る。
【0031】時刻t6 以後は時刻t1 以降と同様な動作
が行われ、点火時期演算回路23から出力される矩形波
信号電圧V1 が時刻ts で終るまでの期間中この動作が
繰返される。本実施例では、図3のように追加のトリガ
信号Vt ´が発生した後更にインバータ25から1個の
追加のトリガ信号Vt ″が生じ、これにより点火プラグ
に更に放電電流i2 ″が流れる場合が示されている。
このため図3(K)に示したように点火プラグ2に生じ
る放電の持続時間TD は、正規のトリガ信号のみによっ
て得られる放電の持続時間TD ´よりも長くなってい
る。
【0032】上記の動作において、正規のトリガ信号V
t と追加のトリガ信号Vt ´との間の時間間隔TはT=
t6 −t1 =(t4 −t1 )+(t5 −t4 )+(t6
−t5 )である。ここで(t4 −t1 )はサイリスタ5
のゲートカソード間電圧VGが設定値Vr 以上になって
いる期間であり、(t5 −t4 )はコンデンサ34が抵
抗32及び33を通して充電されるときの時定数とバッ
ファ回路35の入力しきい値VBTとで定まる時間であ
る。また(t6 −t5 )はコンデンサ37が抵抗36を
通して充電される時の時定数とナンド回路24の入力し
きい値VNTとによって定まる時間である。従って、トリ
ガ信号Vt とVt ´との間の時間間隔Tは、サイリスタ
5が導通した後転流するまでに要する時間(t4 −t1
にほぼ等しい。)よりは長くなるので、追加のトリガ信
号が生ずることによってサイリスタ5の転流が失敗する
ことはない。また本考案においては、点火時期演算回路
23から出力される矩形波信号電圧V1 の信号幅(ts
−t1 )がトリガ信号Vt とVt ´との間の時間間隔T
よりは大きく選定されていて、正規のトリガ信号が発生
した後少なくとも1つの追加のトリガ信号が発生するよ
うに構成されている。
【0033】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、サイリ
スタのゲートカソード間電圧が設定値以上になっている
期間昇圧回路の出力を停止させるようにするとともに、
正規トリガ信号と追加トリガ信号との発生間隔を、サイ
リスタの転流に要する時間よりも僅かに長く設定したの
で、昇圧回路の発振周波数の如何にかかわらずサイリス
タの転流を確実に行わせることができる。従って昇圧回
路の発振周波数を高い値に設定することができ、昇圧ト
ランスを小形化することができる。
【0034】また本考案においては、正規のトリガ信号
を発生した後、所定の時間間隔をおいて少なくとも1つ
の追加トリガ信号が発生するように点火時期制御回路を
構成したので、パルス信号用トランスを別に設けること
なく多重点火のための複数のサイリスタトリガ信号を発
生させることができる。
【0035】特に本考案によれば、コンデンサの充放電
を利用して追加トリガ信号を発生させるようにしたの
で、マイクロコンピュータ等を用いることなく、簡単な
回路構成で多重点火を行わせることができる。また本考
案によれば、点火時期演算回路が発生する矩形波信号電
圧の信号幅を調整することにより、多重点火の点火回数
を設定することができるため、多重点火の点火回数の設
定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の全体の構成を示す回路図であ
る。
【図2】図1の実施例で用いる点火時期制御回路及び転
流失敗防止回路の具体的実施例を示す回路図である。
【図3】(A)ないし(K)は図1及び図2の回路の各
部の波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1…点火コイル、2…点火プラグ、4…点火エネルギ蓄
積用コンデンサ、5…サイリスタ、8…昇圧回路、9…
昇圧トランス、10…トランジスタ、13…アンド回
路、15…バッテリ(直流電源)、18…点火時期制御
回路、19…転流失敗防止回路、24…ナンド回路、2
5…インバータ回路、31…比較回路、35…バッファ
回路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の出力を昇圧して直流高電圧を
    出力する昇圧回路(8)と、点火コイル(1)と、前記
    点火コイルの1次側に設けられて前記昇圧回路の出力に
    より充電される点火エネルギ蓄積用コンデンサ(4)
    と、導通した際に前記点火エネルギ蓄積用コンデンサの
    電荷を前記点火コイルの1次コイル(1a)に放電させ
    るように設けられたサイリスタ(5)と、内燃機関の点
    火時期に前記サイリスタにトリガ信号を与える点火時期
    制御回路(18)、前記サイリスタ(5)のゲートカ
    ソード間電圧を設定電圧と比較して前記ゲートカソード
    間電圧が設定電圧以上になっている期間低レベルにな
    り、前記ゲートカソード間電圧が設定電圧未満になって
    いる期間高レベルになる昇圧動作制御信号(Vsp)を出
    力する比較回路(31)を有する転流失敗防止回路(1
    9)とを備えて、前記昇圧動作制御信号(Vsp)が低レ
    ベルになっている期間前記昇圧回路(8)の出力を停止
    させるようにしたコンデンサ放電式内燃機関用点火装置
    において、前記転流失敗防止回路(19)は、前記比較回路(3
    1)の出力端子間に抵抗(33)を介して接続されて前
    記昇圧動作制御信号(Vsp)が高レベルになっていると
    きに一定の時定数で充電され、前記昇圧動作制御信号
    (Vsp)が低レベルになっているときに一定の時定数で
    放電させられる第1のトリガ制御信号発生用コンデンサ
    (34)と、該コンデンサ(34)の端子電圧(V3 )
    がバッファ回路(35)を介して印加されて該コンデン
    サ(34)の端子電圧がバッファ回路(34)の入力し
    きい値(VBT)以上あるときに該バッファ回路の出力で
    一定の時定数で充電され、前記昇圧動作制御信号(Vs
    p)が前記入力しきい値(VBT)未満になったときに瞬
    時に放電させられる第2のトリガ制御信号発生用コンデ
    ンサ(37)とを有して該コンデンサ(37)の両端に
    トリガ制御信号(Vst)を発生するトリガ制御信号発生
    回路を更に備え、 前記サイリスタ(5)のゲートカソード間には抵抗
    (6)及びコンデンサ(7)が並列に接続され、 前記点火時期制御回路は、内燃機関の正規の点火時期を
    演算して演算した正規 の点火時期に矩形波信号電圧(V
    1 )を発生する点火時期演算回路(23)と、前記矩形
    波信号電圧(V1 )とトリガ制御信号(Vst)とを入力
    として、前記矩形波信号電圧(V1 )及びトリガ制御信
    号(Vst)がともに入力しきい値(VNT)以上になって
    いる状態が生じたときに出力が低レベルになり前記矩形
    波信号電圧(V1 )及びトリガ制御信号(Vst)の少く
    とも一方が入力しきい値(VNT)未満のときに出力が高
    レベルになるナンド回路(24)と、前記ナンド回路の
    出力端子間に接続されて前記ナンド回路の出力が高レベ
    ルの状態にあるときに一定の時定数で充電され、前記ナ
    ンド回路の出力が低レベルになったときに瞬時に放電さ
    せられるトリガ信号発生用コンデンサ(27)と、前記
    トリガ信号発生用コンデンサ(27)の端子電圧(V2
    )を入力として該端子電圧(V2 )が入力しきい値
    (VIT)未満になったときに前記サイリスタにトリガ信
    号を与えるインバータ回路(25)とを備えてなり、 前記点火時期制御回路(18)が前記正規の点火時期に
    正規のトリガ信号を発生した後所定の時間間隔をおいて
    少くとも1つの追加のトリガ信号を発生するように、前
    記矩形波信号電圧(V1 )の信号幅が設定され、 前記正規のトリガ信号と追加トリガ信号との発生間隔を
    前記サイリスタの転流に要する時間よりも僅かに長くす
    るように、前記コンデンサ(34)の充放電の時定数及
    び前記コンデンサ(37)の充電時定数が設定されてい
    ことを特徴とするコンデンサ放電式内燃機関用点火装
    置。
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