JP3303532B2 - 内燃機関用電源装置 - Google Patents

内燃機関用電源装置

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JP3303532B2 JP16157194A JP16157194A JP3303532B2 JP 3303532 B2 JP3303532 B2 JP 3303532B2 JP 16157194 A JP16157194 A JP 16157194A JP 16157194 A JP16157194 A JP 16157194A JP 3303532 B2 JP3303532 B2 JP 3303532B2
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  • Control Of Charge By Means Of Generators (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に取り付けら
れた磁石発電機を電源として直流出力を発生する内燃機
関用電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関に搭載される発電機としては、
機関の出力軸に取り付けられる磁石回転子と、機関のケ
ースやカバーに固定される固定子とを備えた磁石発電機
が多く用いられている。磁石発電機は交流出力を発生す
るため、直流により駆動することが必要とされる電装品
がある場合には、磁石発電機の交流出力を直流出力に変
換する回路が必要になる。
【0003】内燃機関により駆動される車両や作業機等
にバッテリが搭載される場合には、該バッテリと直流負
荷とを発電機の出力端子間に並列に接続して、機関の回
転数が低く発電機の出力電圧がバッテリの端子電圧より
も低い間はバッテリから負荷に電力を供給し、機関の回
転数が上昇して発電機の出力電圧がバッテリの端子電圧
を超えた状態では発電機から負荷に電力を供給するよう
にしている。このように磁石発電機の出力端子間にバッ
テリと負荷とを並列に接続する場合、磁石発電機には図
18及び図19に示したような特性が要求される。図1
8は発電機の出力電圧Vo と出力電流Io との関係を、
回転数Nをパラメータとして示したもので、同図におい
て、VB はバッテリ電圧、Ni はアイドル回転数[rpm
]を示し、Ni <N1 <N2 の関係がある。また図1
9は、バッテリの充電電流Ichと機関の回転数Nとの関
係を示したものである。
【0004】図18に示すように、磁石発電機の出力端
子間にバッテリが接続される場合には、機関のアイドル
回転数Ni からバッテリの充電が開始されることが必要
とされ、アイドル回転数Ni における磁石発電機の無負
荷電圧がバッテリ電圧VB 以上であることが必要とされ
る。また図19に示すように、アイドル回転数Ni を超
える領域では、回転数の上昇に伴って充電電流を増大さ
せて、定常運転時にできるだけ大きな充電電流Ichを流
すようにすることが必要とされる。
【0005】定常運転時に磁石発電機からバッテリに大
きい充電電流を流すためには、磁石発電機の発電コイル
のインピーダンスを低くすることが必要であるが、アイ
ドル回転数での無負荷電圧をバッテリ電圧以上とするた
めには、発電コイルの巻数を多くする必要がある。発電
コイルの巻数を多くするとインダクタンスが増加する上
に巻線抵抗が増加するため、発電コイルのインピーダン
スは増加する。特に発電コイルを巻回するスペースに制
約がある場合には、発電コイルの巻数を多くしようとす
ると、コイル導体として線径が細いものを使用する必要
があるため巻線抵抗の増大が顕著になる。
【0006】このように、アイドル回転数において発生
する無負荷電圧を高めるという要求と、バッテリに流す
充電電流をできるだけ大きくするという要求は、磁石発
電機にとって相反するものであるため、両者を満足する
電源装置を得ることはなかなか困難であった。
【0007】そこで、特開昭59−35538号に見ら
れるように、巻数を少なくしてインピーダンスを低くし
た発電コイルにスイッチング素子としてトランジスタを
接続して昇圧回路を構成した電源装置が提案された。こ
の電源装置では、トランジスタを導通させることにより
発電コイルに短絡電流を流して該発電コイルにエネルギ
ーを蓄積し、短絡電流が所定の値に達したときにトラン
ジスタを遮断状態にして発電コイルに蓄積されていたエ
ネルギー(Li 2 )/2[Lは巻線のインダクタンス,
iは短絡電流]を放出させることにより、発電コイルに
高い電圧を誘起させる。
【0008】この電源装置によれば、発電コイルのイン
ピーダンスを低くして中高速時に大きな充電電流を確保
しつつ、アイドル回転数付近の比較的低い回転速度領域
では、発電機の無負荷出力電圧がバッテリの電圧VB に
達しない状態でも、短絡電流を遮断した際に発生する高
い誘起電圧によってバッテリに充電電流を流すことがで
きる。
【0009】ところが、特開昭59−35538号の電
源装置では、昇圧回路を構成するトランジスタが発電コ
イルの出力の各半波において1回だけしか短絡電流の遮
断を行わないため、機関の回転速度が低いときには、各
半波において短絡電流の遮断により誘起したパルス状の
電圧が消滅した後次の半波で短絡電流の遮断が行われる
までの間充電電流を流し得る大きさの電圧を発生させる
ことができず、機関の低速時にバッテリの充電を十分に
行うことができないという問題があった。
【0010】そこで、特開平5−344798号及び特
開平5−344799号に示されているように、昇圧回
路を構成する発電コイル短絡用のスイッチング素子とし
てバイポーラトランジスタを用い、該トランジスタを発
電コイルの誘起電圧の位相と無関係に短い周期で繰り返
しオンオフさせて、該トランジスタのオフ時に発電コイ
ルに蓄積されたエネルギー(Li2 )/2を放出させ、
そのときに発電コイルに誘起する高い電圧をダイオード
ブリッジ全波整流回路を通して負荷に供給するようにし
た電源装置が提案された。この電源装置において構成さ
れる発電コイルW1 の短絡回路は図17(B)に示す通
りであり、該短絡回路には整流回路の1つのダイオード
Do とトランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路と
が直列に接続された状態で存在する。
【0011】このような構成によれば、磁石発電機の出
力の各半波において、発電コイルの短絡及び遮断が多数
回繰り返されるため、機関の低速時にバッテリに充電電
流が流れる回数を増加させることができ、充電電流の総
量を増加させることができる。
【0012】ところが特開平5−344798号及び特
開平5−344799号に示された電源装置では、図1
7(B)に示したように、磁石発電機の発電コイルW1
の短絡回路が構成される際に、該短絡回路に整流回路の
1つのダイオードDo とトランジスタTRo のコレクタ
エミッタ間回路とが直列に接続された状態で存在するた
め、磁石発電機の出力電圧がトランジスタTRo のコレ
クタエミッタ間飽和電圧VCEとダイオードDo の順方向
電圧降下VF との和VCE+VF に相当するしきい値電圧
Vt を超えないと短絡電流が流れないという問題があ
り、機関の回転速度がきわめて低い領域で短絡電流を流
すことができないという問題があった。
【0013】例えば、図17(B)において、ダイオー
ドDo として株式会社東芝の製造になる20DL2C4
1Aを用い、バイポーラトランジスタTRo として同じ
く株式会社東芝の製造になる2SC3710を用いるも
のとする。この場合ダイオードDo の順方向電流iF と
順方向電圧VF との関係を示す特性曲線は図20の通り
であり、25℃の温度では、VF >0.6[V]とな
る。またトランジスタTRo のエミッタ接地におけるコ
レクタエミッタ間飽和電圧VCE対コレクタ電流Ic 特性
を示すと図21の通りであり、温度が25℃のときに
は、VCE≧0.04[V]となる。
【0014】ここで磁石発電機の低速時(100[rpm]
〜300[rpm])の出力電圧Vo に対する出力電流Io
の特性を見ると、例えば図16に示す通りであり、これ
に上記のトランジスタTRo 及びダイオードDo を用い
た場合の負荷線を書き込むと図16の直線ロのようにな
る。即ち、トランジスタTRo を導通させて短絡電流を
流すためには、発電機がしきい値電圧Vt =0.64
[V]を超える電圧を誘起する必要があり、発電機の出
力電圧が0.64[V]に達しない回転数では短絡電流
を流すことができないため昇圧回路は無効になる。
【0015】またトランジスタTRo としてダーリント
ン接続された複合トランジスタを用いることも考えられ
るが、ダーリントン接続されたトランジスタでは、図2
2に示したように、更にコレクタエミッタ間飽和電圧が
高くなるため、しきい値電圧は更に高くなる。なお図2
2は、株式会社東芝製のダーリントン接続トランジスタ
2SD1525のエミッタ接地の場合のコレクタエミッ
タ間飽和電圧VCE対コレクタ電流Ic 特性を示してい
る。
【0016】負荷側にバッテリが設けられていて、該バ
ッテリが十分に充電されている場合には、機関の回転数
が低い領域でバッテリ側から電装品負荷に電力を供給で
きるため、低速時に昇圧回路が働かない上記のような電
源装置を用いても、始動時から高速時まで機関を満足に
動作させることができる。
【0017】しかしながら上記の電源装置を用いると、
バッテリが設けられていても、該バッテリが過放電状態
になった場合(上がってしまった場合)には、機関の低
速時に負荷に満足に電力を供給することができなくなる
ため、負荷の中に機関の始動に必要不可欠な電装品、例
えば、燃料ポンプやインジェクタ(燃料噴射器)、或い
はこれらの制御装置等が含まれている場合には、機関の
始動を行うことが困難になる。
【0018】即ち、バッテリが役に立たない状態では、
人力を利用してロープスタート等により機関のクランキ
ング(機関のクランク軸を外力により回転させること)
を行う必要があるが、人力によるクランキングでは、機
関の回転数を高くすることが困難であり、始動操作時に
発電コイルに前記のしきい値電圧Vt を超える電圧を発
生させて短絡電流を流し、昇圧動作を行わせることは容
易でないため、燃料ポンプやインジェクタ等を駆動する
ために必要な電圧を発生させることが難しく、機関を始
動させることができない場合がある。
【0019】また最近、バッテリを搭載しない車両や作
業機等に用いる内燃機関において、機関に取り付けられ
た磁石発電機を電源として燃料ポンプ、インジェクタ及
びこれらを制御するマイクロコンピュータを駆動するこ
とが検討されている。この場合にも、磁石発電機の発電
コイルの巻数を少なくすることによりそのインピーダン
スを低くするとともに、該発電コイルの短絡及び遮断を
行う昇圧回路を設けることにより、アイドリング回転数
以上の領域で電源装置から取り出し得る負荷電流を大き
くすることが考えられる。ところがこの場合も、機関の
始動は人力により行う必要があるため、前述した理由と
同じ理由で機関の始動が困難になるのを避けられない。
【0020】バッテリを用いずに、磁石発電機の出力で
燃料ポンプやインジェクタ等の負荷を駆動する場合に、
発電コイルの巻数を十分に多くしておけば、人力による
機関の始動時に燃料ポンプやインジェクタを駆動するた
めに必要な電圧を得ることができるが、発電コイルの巻
数を多くすると発電コイルのインピーダンスが大きくな
るため、アイドリング回転数以上の定常運転領域で大き
な負荷電流を取り出すことが困難になり、定常運転時に
動作させる負荷が制限されるという問題が生じる。
【0021】そこで本出願人は先に、図11に示した電
源装置を提案した。図11において1は内燃機関に取り
付けられた磁石発電機で、この磁石発電機1は2つの出
力端子1a,1b間に図12(A)に示すような単相交
流電圧Vuを出力する。2つの出力端子1a,1bには
それぞれNチェンネル形のMOSFET F1 及びF2
のドレインが接続され、MOSFT F1 及びF2 のソ
ースは共通に接続されている。また発電機の出力端子1
a,1bにはそれぞれ整流用ダイオードD1 及びD2 の
アノードが接続され、これらのダイオードのカソードは
共通に接続されている。この例では、MOSFET F
1 及びF2 により、発電機1の出力端子1a,1b間を
短絡するスイッチ回路2が構成され、MOSFET F
1 及びF2 のドレインソース間に存在する寄生ダイオー
ドDf1及びDf2と整流用ダイオードD1 及びD2 とによ
り、ダイオードブリッジ全波整流回路3が構成されてい
る。整流回路3の出力端子3a,3b間にはコンデンサ
Co が接続され、該整流回路3の出力端子3a,3bか
らそれぞれ負荷接続端子4a及び4bが引き出されてい
る。また整流回路3の出力電圧により電源端子5a,5
bに直流電源電圧が与えられて動作するFET制御回路
5が設けられ、該FET制御回路5の出力端子5cから
MOSFET F1 及びF2 のゲートに駆動信号VGSが
与えられている。
【0022】FET制御回路5は例えば直流電源電圧が
印加されたときに発振して図12(B)に示すような矩
形波信号を発生する発振器からなっていて、該制御回路
5から出力される矩形波信号が駆動信号VGSとして第1
及び第2のMOSFETのゲートソース間に印加されて
いる。
【0023】なお本明細書において、MOSFETの
「駆動信号」とは、MOSFETをオンオフさせるため
にMOSFETのゲートソース間に印加する信号を意味
する。この駆動信号はMOSFETをオン状態(導通状
態)にする際にとるオンレベルと、MOSFETをオフ
状態にする際にとるオフレベルとを有する信号である。
図11に示すようにMOSFETがNチャンネル形のも
のである場合、駆動信号のオンレベルはMOSFETの
ゲートをソースに対して所定のレベルだけ正電位にする
レベルであり、オフレベルはMOSFETのゲートをソ
ースに対して零電位または僅かに負電位にするレベルで
ある。図12(B)に示した駆動信号では、オンレベル
が10[V]であり、オフレベルが0[V]である。
【0024】負荷接続端子4a,4b間には負荷RL が
接続されている。この負荷は、例えば、電子燃料噴射装
置のインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプを駆動す
るモータである。また負荷RL の両端にバッテリが接続
される場合もある。
【0025】図11の電源装置において、FET制御回
路5が発生する矩形波状の駆動信号VGSの周波数は、磁
石発電機1の出力周波数よりも十分に高く設定され、こ
の駆動信号によりMOSFET F1 及びF2 が同時に
駆動される。MOSFETF1 及びF2 は双方向性を有
していて、それぞれのゲートソース間にオンレベルの駆
動信号が与えられると、両MOSFETF1 及びF2 が
導通し得る状態になり、それぞれのドレインソース間に
僅かでも電圧が印加されると両MOSFETに同時にド
レイン電流または逆ドレイン電流が流れて磁石発電機1
の発電コイルW1 に短絡電流が流れる。駆動信号VGSの
レベルがオフレベルになると、MOSFET F1 及び
F2 が遮断状態になるため、発電コイルW1 を流れてい
た短絡電流が遮断され、該発電コイルW1 にそれまで流
れていた短絡電流を流し続けようとする向きの昇圧され
た電圧が誘起する。この電圧により発電コイルW1 に電
流が流れ、ダイオードD1 及びD2 と寄生ダイオードD
f1及びDf2とにより構成される全波整流回路を通して負
荷RL に負荷電流が流れる。
【0026】オンレベルの駆動信号が与えられているM
OSFETは抵抗と同じように作用し、ソースドレイン
間に僅かでも電圧VDSが与えられるとドレイン電流ID
または逆ドレイン電流IDRが流れる。例えば各MOSF
ETとして、株式会社日立製の2SK1911を用いる
ものとすると、その導通時のドレインソース間抵抗RDS
対ドレイン電流ID 特性は図23に示す通りであり、逆
ドレイン電流IDR対ソースドレイン間電圧VSD特性は図
24に示す通りである。これらより、MOSFETのゲ
ートソース間にオンレベルの駆動信号VGSが印加されて
いる状態では、ドレインソース間抵抗が広い範囲で一定
値を示し、ドレイン電流とソースドレイン間電圧VSDと
の間にはほぼ比例関係があること、即ち、MOSFET
をほぼ抵抗と見做し得ることが分かる。
【0027】そのため、発電コイルW1 の両端をオンレ
ベルの駆動信号が与えられている2つのMOSFET
F1 及びF2 の直列回路を通して接続した回路は、発電
コイルの両端を抵抗を介して接続した回路と等価にな
り、2つのMOSFETにオンレベルの駆動信号が与え
られている状態での発電機の負荷線は図16のイのよう
に原点を通る直線になる。従って、MOSFETを導通
させるために必要なソースドレイン間電圧のしきい値は
実質的に零になり、磁石発電機の発電コイルに僅かでも
電圧が誘起すると2つのMOSFET F1 及びF2 を
通して発電コイルW1 に短絡電流が流れることになる。
そのため機関をロープスタートする場合のように、機関
の回転数がきわめて低い場合でも、発電コイルに僅かで
も電圧が誘起すればMOSFET F1 及びF2 を導通
させて該発電コイルに短絡電流を流すことができ、MO
SFET F1 及びF2 の駆動信号が消滅して該短絡電
流が遮断されたときに発電コイルに電圧を誘起させるこ
とができる。
【0028】今磁石発電機1が図13に示すような無負
荷電圧波形を有する交流電圧Ve を発生するものとす
る。図14(A)は図13の時間軸を拡大して発電機の
出力電圧の零点付近(図11のA部)の波形を示したも
のであり、同図(B)はMOSFETのゲートに与えら
れる駆動信号VGSの波形を示している。また図14
(C)は発電コイルW1 に流れる電流Ie の波形を示し
ており、本発明によれば、電圧Ve がほとんど零に近く
なった状態でも電流Ie が流れる。従って、発電コイル
W1 の誘起電圧がきわめて低い状態から該発電コイルに
短絡電流を流すことができ、機関の回転速度が低い状態
でも該短絡電流の遮断により電圧を誘起させて負荷を駆
動することができる。
【0029】これに対し、図17(B)に示したよう
に、発電コイルW1 の両端にダイオードDo を介してト
ランジスタTRo のコレクタエミッタ間回路を接続して
短絡回路を構成する従来の電源装置では、図14(D)
に示したように、発電機の出力電圧Ve がしきい値電圧
Vt を下回ると発電コイルに電流Ie ´を流すことがで
きなくなるため、短絡電流を流すことができる期間が短
くなり、機関をロープスタートする際等の極低速時に負
荷に供給できる直流電流の総量が減少する。
【0030】図15に示した曲線は、機関をロープスタ
ートするためにロープを引いた際の機関のクランキング
回転数Nの時間tに対する変化を示したものである。短
絡回路が図17(B)で表される従来の電源装置を用い
た場合には、図15のT1 の期間しか負荷に直流電流を
供給することができず、期間T1 におけるクランキング
回転数の平均値はn2 となる。即ち、バッテリが設けら
れていない場合には、ロープを引くことによりクランキ
ング回転数の平均値をn2 にすることができないと負荷
に電力を供給することができない。これに対し、短絡回
路が図17(A)で表される図11の電源装置によれ
ば、図15のTo ,T1 及びT2 の全期間負荷に電力を
供給することができ、負荷に電力を供給するために必要
なクランキング回転数の平均値(To 〜T2 の期間にお
ける平均回転数)をn1 (<n2 )に引き下げることが
できるため、機関の始動を容易にすることができる。
【0031】なお図11に示した電源装置では、MOS
FET F1 及びF2 を同時に導通させることが重要で
ある。一方のMOSFETの導通が遅れると、導通が遅
れた方のMOSFETの寄生ダイオードの順方向電圧降
下が短絡回路のしきい値電圧となるため、上記のような
効果を得ることができなくなる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】図11に示した既提案
の電源装置において、MOSFET F1 ,F2 に与え
る駆動信号を同時にオフレベルにして発電コイルW1 の
短絡電流を遮断すると、発電コイルW1 に誘起した電圧
により、発電コイルW1 →整流回路3のダイオードD2
→FET制御回路5、コンデンサCo 及び負荷RL の並
列回路→MOSFET F1 の寄生ダイオードDf1→発
電コイルW1 の経路、または発電コイルW1 →整流回路
3のダイオードD1 →FET制御回路5、コンデンサC
o 及び負荷RL の並列回路→MOSFET F2 の寄生
ダイオードDf2→発電コイルW1 の経路で電流が流れ、
MOSFET F1 またはF2 にはそのソース側からド
レイン側に向かう極性の電流(逆ドレイン電流)が流れ
る。
【0033】ところがNチャンネル形のMOSFETに
おいては、そのドレインソース間の電圧が寄生ダイオー
ドに順方向電圧が印加される極性であるときに(逆ドレ
イン電流が流れるときに)駆動信号がオフレベルの状態
にあると、そのチャンネル損失Pchが大きくなるため、
上記のようにMOSFET F1 及びF2 の駆動信号を
同時にオフレベルにすると、スイッチ回路での損失が増
大し、MOSFETからの発熱が多くなる。
【0034】例えば、図24に示したMOSFETの場
合、ゲートソース間にオンレベルの駆動信号VGS=10
[V]が与えられている状態で流れる逆ドレイン電流I
DRが20[A]であるとすると、ソースドレイン間電圧
VSDは0.27[V]であるため、チャンネル損失Pch
は、 Pch=VSD×IDR=0.27×20=5.4[W] である。
【0035】これに対し、駆動信号がオフレベルの状態
(VGS=0の状態)にあるMOSFETに20[A]の
逆ドレイン電流が流れた場合には、そのソースドレイン
間電圧VSDが0.91[V]になるため、チャンネル損
失Pchは、 Pch=0.91×20=18.2[W] となり、駆動信号がオフレベルの状態にあるときの逆ド
レイン電流によるチャンネル損失は、駆動信号がオンレ
ベルの状態にある場合のチャンネル損失の3倍以上に達
する。
【0036】図11に示した電源装置において、MOS
FET F1 のチャンネル損失に着目して動作波形を示
すと図12(C)〜(E)に示すようになる。図12
(C)は、MOSFET F1 のドレインソース間電圧
VDSを示し、図12(D)はMOSFET F1 のドレ
イン電流ID を示している。また図12(E)はMOS
FET F1 のチャンネル損失Pchを示している。図1
2(E)に見られるように、逆ドレイン電流が流れてい
るときに駆動信号VGSがオフレベルの状態にあると、チ
ャンネル損失Pchが突出して多くなることが分かる。
【0037】このようにチャンネル損失が多くなると、
MOSFETからの発熱が多くなり、MOSFETのヒ
ートシングとして大形のものを用いることが必要になっ
て電源装置の大形化を招くという問題が生じる。
【0038】上記の説明ではNチャンネル形のMOSF
ETを例にとったが、Pチャンネル形のMOSFETの
場合にも、そのドレインソース間の電圧が寄生ダイオー
ドに順方向電圧が印加される極性であるとき(ドレイン
側からソース側に電流が流れる期間)に駆動信号がオフ
レベルの状態にあるとチャンネル損失が増大する。従っ
て、Pチャンネル形のMOSFETを用いる場合にも、
スイッチ回路を構成する複数のMOSFETの駆動信号
を同時にオフレベルにすると各MOSFETでのチャン
ネル損失が増大し、MOSFETからの発熱が増大す
る。
【0039】本発明の目的は、磁石発電機を電源として
機関の極低速時から高速時まで負荷を満足に駆動し得る
ようにした内燃機関用電源装置を提供することにある。
【0040】本発明の他の目的は、磁石発電機の出力を
昇圧するためのスイッチ回路を構成するMOSFETの
逆ドレイン電流によるチャンネル損失の低減を図ってM
OSFETからの発熱を少なくすることができるように
した内燃機関用電源装置を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関によ
り駆動されてn個(nは2以上の整数)の出力端子間に
単相または多相の交流電圧を発生する磁石発電機と、前
記磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧を
昇圧して整流する昇圧整流回路とを備えた内燃機関用電
源装置で、昇圧整流回路の構成にその特徴がある。
【0042】本発明において用いる昇圧整流回路は、ソ
ースが共通に接続され、ドレインが磁石発電機の異なる
出力端子に接続された複数のMOSFETを備えたスイ
ッチ回路と、スイッチ回路を構成する複数のMOSFE
Tの寄生ダイオードと更に他のダイオードとにより構成
されて磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電
圧を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、
スイッチ回路を構成する複数のMOSFETの内、ドレ
インソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印加さ
れているMOSFETのゲートソース間には該MOSF
ETをオン状態にするオンレベルと該MOSFETをオ
フ状態にするオフレベルとの間を前記磁石発電機の出力
周波数よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動信号
を与え、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されている
MOSFETのゲートソース間には該順方向電圧が印加
されている間オンレベルの状態を保持する駆動信号を与
えるFET制御回路とにより構成される。
【0043】なお駆動信号のオンレベルは、MOSFE
Tをオン状態にするために該MOSFETのゲートソー
ス間に与える電圧のレベルであり、駆動信号のオフレベ
ルはMOSFETをオフ状態にするために該MOSFE
Tのゲートソース間に与える電圧のレベルである。
【0044】Nチャンネル形のMOSFETの場合、駆
動信号のオンレベルは、該MOSFETのドレインをソ
ースに対して所定のレベルだけ正電位にするレベルであ
り、オフレベルは該MOSFETのドレインをソースに
対して零電位または僅かに負電位にするレベルである。
【0045】またPチャンネル形のMOSFETの場
合、駆動信号のオンレベルは、Pチャンネル形のMOS
FETの駆動信号のオンレベルは、ゲートの電位をソー
ス電位に対して所定のレベルVg (例えば10[V])
だけ低くするレベルであり、駆動信号のオフレベルは、
ゲートの電位をソース電位に等しくするかまたは該ソー
ス電位よりも僅かに高くするレベルである。
【0046】本発明においては磁石発電機の出力電圧を
整流して直流電圧に変換して負荷に供給するので、昇圧
された磁石発電機の出力電圧は非対称でもよい。従っ
て、スイッチ回路は必ずしも磁石発電機の全ての出力端
子間を短絡する必要はなく、磁石発電機の少なくとも2
つの出力端子間を短絡するように構成すればよい。即
ち、出力端子が3以上設けられている場合、該出力端子
の内の2つの出力端子の間のみを短絡するようにスイッ
チ回路を構成してもよく、全ての出力端子間を短絡する
ようにスイッチ回路を構成してもよい。磁石発電機の2
つの出力端子間を短絡するスイッチ回路は、該2つの出
力端子にそれぞれドレインが接続されソースが共通に接
続された2つのMOSFETにより構成される。従っ
て、本発明においては、スイッチ回路を構成するために
少なくとも2つのMOSFETを必要とする。
【0047】磁石発電機の全ての出力端子間を短絡する
ようにスイッチ回路を構成する場合、該スイッチ回路
は、ソースが共通に接続され、ドレインが磁石発電機の
n個の出力端子にそれぞれ接続されたn個のNチャンネ
ル形のMOSFETにより構成できる。この場合ダイオ
ードブリッジ全波整流回路は、磁石発電機のn個の出力
端子にそれぞれアノードが接続されカソードが共通接続
されたn個の整流用ダイオードとn個のMOSFETの
寄生ダイオードとにより構成される。FET制御回路
は、スイッチ回路を構成するn個のMOSFETの内、
ドレインソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印
加されているMOSFETのゲートソース間に該MOS
FETをオン状態にするオンレベルと該MOSFETを
オフ状態にするオフレベルとの間を磁石発電機の出力周
波数よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動信号を
与え、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているM
OSFETのゲートソース間には該順方向電圧が印加さ
れている間オンレベルの状態を保持する駆動信号を与え
るように構成される。
【0048】また磁石発電機の全ての出力端子間を短絡
するようにスイッチ回路を構成する場合、該スイッチ回
路は、ソースが共通に接続され、ドレインが磁石発電機
のn個の出力端子にそれぞれ接続されたn個のPチャン
ネル形のMOSFETにより構成できる。この場合全波
整流回路は、n個の出力端子にそれぞれカソードが接続
されアノードが共通接続されたn個の整流用ダイオード
とn個のMOSFETの寄生ダイオードとにより構成さ
れる。
【0049】上記FET制御回路は、磁石発電機を電源
として動作するように設けることが好ましい。
【0050】
【作用】上記のように、ソースが共通に接続され、ドレ
インが磁石発電機の異なる出力端子に接続された複数の
MOSFETからなるスイッチ回路を設けて、寄生ダイ
オードに逆方向電圧が印加されているMOSFETに磁
石発電機の出力周波数よりも高い周波数でオンレベルと
オフレベルとの間を変化する矩形波状の駆動信号を与
え、寄生ダイオードに順方向電圧が印加されているMO
SFETにオンレベルを保持する駆動信号を与えると、
矩形波状の駆動信号が与えられているMOSFETによ
り磁石発電機の発電コイルを流れる電流を断続させて磁
石発電機の出力を昇圧することができる。
【0051】即ち、寄生ダイオードに逆方向電圧が印加
されているMOSFETに与えられている駆動信号がオ
ンレベルの状態になっている間に磁石発電機の発電コイ
ルに短絡電流が流れ、該発電コイルに(Li2 )/2の
磁気エネルギーが蓄積される。寄生ダイオードに逆方向
電圧が印加されているMOSFETに供給される駆動信
号がオフレベルになると、該MOSFETがオフ状態に
なるため、発電コイルを流れていた短絡電流が遮断され
る。このとき今まで流れていた短絡電流を流し続けよう
とする向きの高い電圧が発電コイルに誘起する。この昇
圧動作により、負荷に与えられる電圧が上昇させられ
る。
【0052】オンレベルの駆動信号が与えられているM
OSFETは抵抗と同じように動作し、そのドレインソ
ース間電圧とドレイン電流とが比例関係を有する領域で
は、ドレインソース間の抵抗値がほぼ一定値を示す。そ
のため、オンレベルの駆動信号が与えられているMOS
FETを発電コイルの両端に接続した回路は、発電コイ
ルの両端に抵抗を接続した回路と等価になり、MOSF
ETに駆動信号が与えられている状態での発電機の負荷
線は、図16のイのように原点を通る直線になる。従っ
てMOSFETを導通させるために必要なしきい値電圧
は実質的に零になり、磁石発電機に僅かでも電圧が誘起
すればMOSFETを通して発電コイルに短絡電流が流
れることになる。そのため、機関をロープスタートする
場合のように、始動操作時の機関の回転数が極めて低い
場合でも、発電コイルに僅かでも電圧が誘起すればMO
SFETを通して電流を流して昇圧動作を開始させるこ
とができる。
【0053】従って、機関の極低速時にも負荷に比較的
高い電圧を印加することができ、機関の極低速時から負
荷を駆動することができる。
【0054】特に電子燃料噴射装置のインジェクタに燃
料を供給する燃料ポンプのモータを駆動する電源装置と
して本発明の電源装置を用いると、バッテリが過放電状
態になった際に機関を手動スタートする場合や、バッテ
リを用いずに磁石発電機の出力だけでインジェクタや燃
料ポンプを駆動する場合でも、機関を支障なく起動する
ことができる。
【0055】また上記のように、寄生ダイオードに順方
向電圧が印加されているMOSFETに与える駆動信号
のレベルをオンレベルに保持するようにすると、該MO
SFETのドレイン電流によるチャンネル損失Pchを少
なくすることができるため、スイッチ回路を構成するM
OSFETからの発熱を少なくすることができ、ヒート
シンクを小形にして電源装置の小形化を図ることができ
る。
【0056】
【実施例】図1は本発明の実施例を示したもので、同図
において1は内燃機関に取り付けられた磁石発電機であ
る。この実施例の磁石発電機1は、内燃機関の出力軸に
取り付けられた磁石回転子と、機関のケースやカバーに
設けられた固定子取付部に固定された固定子とからなる
周知のものである。この例では固定子側に設けられた発
電コイルW1 が図2(A)に示すような単相の交流電圧
Vuを発生するように結線されて、該発電コイルの両端
から出力端子1a,1bが引き出されている。機関の高
速時にも発電コイルW1 から大きな電流を取り出すこと
ができるようにするため、発電コイルW1 としては、そ
の巻数が少なく、インピーダンスが低いものを用いる。
【0057】なお図1の実施例では、磁石発電機1が出
力する交流電圧の両半サイクルの内、図示の実線矢印方
向の極性(出力端子1a側が1bに対して高電位になる
極性)の半サイクルを正の半サイクルとし、破線矢印方
向の極性の半サイクルを負の半サイクルとしている。
【0058】磁石発電機の出力端子1a及び1bにそれ
ぞれソースが共通に接続されたNチャンネル形のパワー
MOSFET F1 及びF2 のドレインが接続され、M
OSFET F1 及びF2 のゲートソース間にはそれぞ
れ抵抗Rgs1 及びRgs2 が接続されている。MOSFE
T F1 及びF2 と抵抗Rgs1 及びRgs2 とによりスイ
ッチ回路2が構成されている。
【0059】磁石発電機の出力端子1a及び1bにはま
たカソードが共通に接続された整流用ダイオードD1 及
びD2 のアノードが接続され、これらのダイオードD1
及びD2 と、MOSFET F1 及びF2 のドレインソ
ース間に存在する寄生ダイオードDf1及びDf2とにより
ダイオードブリッジ単相全波整流回路3が構成されてい
る。整流回路3の出力端子間には平滑用コンデンサCo
が接続されている。
【0060】整流回路3の正極性側の直流出力端子3a
は正極性側の負荷接続端子4aに接続され、該整流回路
3の負極側の直流出力端子3bは負極側の負荷接続端子
4bに接続されている。整流回路3の正極側直流出力端
子3a及び負荷接続端子4aにそれぞれ駆動信号発生回
路5Aの電源端子5a及び5bが接続され、駆動信号発
生回路5Aの出力端子5cがアノードを該出力端子側に
向けたダイオードDa及びDbを通してMOSFET
F1 及びF2 のゲートにそれぞれ接続されている。
【0061】また発電コイルW1 の出力端子1bとMO
SFET F1 のゲートとの間がアノードを該出力端子
1b側に向けたダイオードDcを通して接続され、出力
端子1aとMOSFET F2 のゲートとの間がアノー
ドを該出力端子1a側に向けたダイオードDdを通して
接続されている。この例では駆動信号発生回路5Aとダ
イオードDa〜DdとによりFET制御回路5が構成さ
れている。
【0062】駆動信号発生回路は無安定マルチバイブレ
ータ等の矩形波信号を発生する発振器からなり、図2
(B)に示すように、磁石発電機の出力周波数よりも十
分に高い周波数の矩形波信号Vqを発生する。
【0063】負荷接続端子4a,4b間には、負荷RL
が接続されている。この負荷は例えば、電子燃料噴射装
置のインジェクタに燃料を供給する燃料ポンプを駆動す
るモータ(ポンプモータ)や、電子燃料噴射装置を制御
するCPU等である。
【0064】図1に示した実施例において、駆動信号発
生回路5Aは、図2(B)に示したようにオンレベル
(図示の例では10[V])の状態とオフレベル(図示
の例では0[V])の状態とを交互に生じる矩形波信号
Vqを発生する。この矩形波信号の周波数は磁石発電機
の出力周波数よりも十分に高く設定されている。矩形波
信号VqはダイオードDa及びDbを通してMOSFE
T F1 及びF2 のゲートソース間にそれぞれ駆動信号
VGS1 及びVGS2 として与えられる。MOSFET F
1 及びF2 にオンレベルの駆動信号が与えられると、正
極性(ドレインがソースに対して高電位になる極性)の
ドレインソース間電圧が印加されている方のMOSFE
Tが導通して該MOSFETにドレイン電流が流れ、他
方のMOSFETには逆ドレイン電流が流れて発電コイ
ルW1 が短絡される。
【0065】例えば、発電コイルW1 に図示の実線矢印
方向の正の半サイクルの電圧が誘起している期間におい
ては、駆動信号がオンレベルの状態にある期間MOSF
ETF1 にドレイン側からソース側に向う順方向のドレ
イン電流が流れ、MOSFET F2 にソース側からド
レイン側に向う逆ドレイン電流が流れて発電コイルが短
絡される。この状態で駆動信号がオフレベルになると、
MOSFE F1 がオフ状態になるため、発電コイルW
1 を流れていた短絡電流が遮断され、発電コイルW1 に
それまで流れていた短絡電流を流し続けようとする向き
(図示の実線矢印方向)の昇圧された電圧が誘起する。
この電圧によりダイオードDdを通してMOSFET
F1 のゲートソース間にオンレベルの駆動信号が与えら
れる。従って、発電コイルW1 に誘起した電圧により発
電コイルW1 →ダイオードD1 →負荷RL →MOSFE
T F2 →発電コイルW1 の経路でMOSFET F2
に逆ドレイン電流が流れるとき(寄生ダイオードDf2に
順方向電圧が印加されるとき)に該MOSFET F2
の駆動信号をオンレベルの状態に保持することができ、
該MOSFET F2 のチャンネル損失Pchを少なくす
ることができる。
【0066】また発電コイルW1 が図示の破線矢印方向
の負の半サイクルの電圧を誘起している期間において
は、駆動信号のレベルがオンレベルの状態にある期間M
OSFET F2 に順方向のドレイン電流が流れ、MO
SFET F1 に逆ドレイン電流が流れて発電コイルW
1 が短絡される。この状態で駆動信号がオフレベルにな
ると、MOSFET F2 がオフ状態になるため、発電
コイルW1 を流れていた短絡電流が遮断され、発電コイ
ルW1 にそれまで流れていた短絡電流を流し続けようと
する向き(図示の破線矢印方向)の昇圧された電圧が誘
起する。この電圧によりダイオードDcを通してMOS
FET F1 のゲートソース間にオンレベルの駆動信号
が与えられる。従って、発電コイルW1 に誘起した電圧
により発電コイルW1 →ダイオードD2 →負荷RL →M
OSFET F1 →発電コイルW1の経路でMOSFE
T F1 に逆ドレイン電流が流れるとき(MOSFET
F1 の寄生ダイオードDf1に順方向電圧が印加されて
いるとき)に該MOSFETF1 にオンレベルの駆動信
号を与えた状態に保持することができ、該MOSFET
のチャンネル損失を少なくすることができる。
【0067】図2(C)は、図1のMOSFET F1
のゲートソース間に与えられる駆動信号VGS1 の波形を
示し、同図(D)はMOSFET F1 のドレインソー
ス間電圧VDS1 の波形を示している。磁石発電機の出力
の負の半サイクルの期間におけるMOSFET F1 の
ドレインソース間電圧波形は、該MOSFET F1の
寄生ダイオードDf1の順方向電圧降下である。
【0068】また図2(E)はMOSFET F1 のド
レイン電流ID1を示し、同図(F)はMOSFET F
1 のチャンネル損失Pchを示している。なおMOSFE
TF2 についての動作波形及びチャンネル損失はその図
示を省略している。
【0069】図2(F)から明らかなように、本発明に
よれば、発電コイルW1 の短絡電流が遮断された際に誘
起する電圧により、寄生ダイオードに順方向電圧が印加
されているMOSFETにオンレベルの駆動信号を与え
るようにしたことにより、図11に示した既提案の電源
装置による場合のように逆ドレイン電流によるチャンネ
ル損失が突出して増大する[図12(D)参照]のを防
ぐことができるため、MOSFETの発熱を抑えること
ができる。図24の特性を有するMOSFETを用いる
ものとし、逆ドレイン電流を20[A]とした場合、本
発明によれば、既提案の電源装置による場合に比べて逆
ドレイン電流によるチャンネル損失を1/3以下に抑え
ることができる。
【0070】図1の電源装置において、MOSFET
F1 及びF2 からなる発電コイルW1 の短絡回路は、図
17(A)に示す回路で表される。MOSFET F1
及びF2 は双方向性を有していて、トリガ信号が与えら
れている状態では抵抗と同じように作用し、ソースドレ
イン間に僅かでも電圧VSDが与えられるとドレイン電流
ID が流れるため、発電コイルの両端をトリガ信号が与
えられている2つのMOSFET F1 及びF2 の直列
回路を通して接続した回路は、発電コイルの両端を抵抗
を介して接続した回路と等価になり、2つのMOSFE
Tにトリガ信号が与えられている状態での発電機の負荷
線は図16のイのように原点を通る直線になる。従っ
て、MOSFETを導通させるために必要なしきい値電
圧は実質的に零になり、磁石発電機1の発電コイルW1
に僅かでも電圧が誘起すると2つのMOSFET F1
及びF2 を通して発電コイルW1 に短絡電流が流れる。
そのため機関をロープスタートする場合のように、機関
の始動回転数がきわめて低い場合でも、発電コイルに僅
かでも電圧が誘起すればMOSFET F1 及びF2を
導通させて該発電コイルに短絡電流を流すことができ、
MOSFET F1 及びF2 の駆動信号が消滅して該短
絡電流が遮断されたときに発電コイルW1 に高い電圧を
誘起させることができる。
【0071】図1に示した実施例では、MOSFETの
寄生ダイオードに順方向電圧が印加されている期間該M
OSFETに磁石発電機側からダイオードを通してオン
レベルの駆動信号を与えるようにしたが、駆動信号発生
回路5AからMOSFETに全ての駆動信号を与えるよ
うにすることもできる。図3は駆動信号発生回路5Aか
ら各MOSFETに全ての駆動信号を与えるようにした
本発明の実施例を示したもので、この実施例では、磁石
発電機1の2つの出力端子1a,1bがそれぞれ抵抗R
a及びRbを通して比較器CM1 の非反転入力端子(+
端子)及び反転入力端子(−端子)に接続され、比較器
CM1 の出力端子は抵抗R1 を通して整流回路3の正極
性側の直流出力端子(ダイオードD1 ,D2 のカソード
の共通接続点)3aに接続されている。この例では、磁
石発電機の出力端子1aが出力端子1bに対して正電位
になる図示の実線矢印方向の極性の半サイクルの出力電
圧を正の半サイクルの出力電圧としている。磁石発電機
の出力電圧Vuの波形は図4(A)に示す通りである。
【0072】比較器CM1 は図4(B)に示したような
制御信号Vsを出力する。この制御信号Vsは、磁石発
電機1が図示の実線矢印方向の正の半サイクルの出力電
圧を発生している期間高レベルの状態を保持し、磁石発
電機1が破線矢印方向の負の半サイクルの電圧を発生し
ている期間零レベルの状態を保持する。
【0073】駆動信号発生回路5Aは整流回路3の出力
端子3a,3bにそれぞれ接続された電源端子5a,5
bと、駆動信号VGS1 及びVGS2 をそれぞれ発生する出
力端子5c1,5c2と、制御端子5dとを有していて、制
御端子5dに比較器CM1 が出力する制御信号Vsが入
力されている。駆動信号発生回路5Aはその制御端子5
dに高レベルの制御信号Vsが与えられているときに、
出力端子5c1から磁石発電機の出力周波数よりも高い周
波数でオンレベルとオフレベルとの間を変化する矩形波
状の駆動信号VGS1 (図4D)を出力し、出力端子5c2
からオンレベルの状態を保持する駆動信号VGS2 (図4
C)を出力する。また制御端子5dに与えられる制御信
号Vsが零レベルの期間は、出力端子5c1からオンレベ
ルの状態を保持する駆動信号VGS1 を出力し、出力端子
5c2から磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数でオ
ンレベルとオフレベルとの間を変化する矩形波状の駆動
信号VGS2 を出力する。これらの駆動信号VGG1 及びV
GS2 がそれぞれMOSFET F1 及びF2 のゲートソ
ース間に与えられている。この実施例では、駆動信号発
生回路5Aと比較器CM1 と抵抗R1 ,Ra 及びRb と
によりFET制御回路5が構成されている。その他の構
成は図1の実施例と同様であり、図1の実施例と同様の
動作を行う。
【0074】上記の実施例では、磁石発電機が単相の交
流出力を発生するように構成されているが、磁石発電機
が多相交流出力を発生するように構成されている場合に
も本発明を適用することができる。図5は磁石発電機が
3相交流出力を発生するように構成されている場合の実
施例を示したもので、この実施例では発電機の3相の発
電コイルW1 〜W3 がスター結線されている。発電機1
は3つの出力端子1u〜1wを有していて、出力端子1
u,1v間、1v,1w間及び1w,1v間にそれぞれ
図6(A)に示すような3相交流電圧Vu,Vv,Vw
を出力する。
【0075】発電機の出力端子1u〜1wにはそれぞれ
ソースが共通に接続されたNチャンネル形のMOSFE
T F1 〜F3 のドレインが接続され、これらのMOS
FETにより昇圧用のスイッチ回路2が構成されてい
る。発電機1の出力端子1u〜1wにまた、カソードが
共通に接続された整流用ダイオードD1 〜D3 のアノー
ドが接続され、MOSFET F1 〜F3 の寄生ダイオ
ードDf1〜Df3とダイオードD1 〜D3 とによりダイオ
ードブリッジ3相全波整流回路3が構成されている。
【0076】FET制御回路5は、駆動信号発生回路5
Aと、比較器CM1 〜CM3 と、抵抗Ru〜Rw及びR
1 〜R3 とにより構成されている。この例では、発電機
1のU相の出力端子1aが抵抗Ruを通して比較器CM
1 の非反転入力端子と比較器CM3 の反転入力端子とに
接続され、V相の出力端子1bが抵抗Rvを通して比較
器CM1 の反転入力端子と比較器CM2 の非反転入力端
子とに接続されている。またW相の出力端子1wは、抵
抗Rwを通して比較器CM2 の反転入力端子と比較器C
M3 の非反転入力端子とに接続されている。比較器CM
1 〜CM3 の出力端子はそれぞれ抵抗R1 〜R3 を通し
て整流回路3の正極性側の出力端子3aに接続されてい
る。
【0077】駆動信号発生回路5Aは、整流回路3の出
力端子3a,3bにそれぞれ接続された電源端子5a,
5bと、MOSFET F1 〜F3 のゲートにそれぞれ
接続された出力端子5c1〜5c3と、比較器CM1 〜CM
3 の出力端子にそれぞれ接続された制御端子5d1〜5d3
とを有している。駆動信号発生回路5Aの出力端子5c1
〜5c3から出力される駆動信号VGS1 〜VGS3 がそれぞ
れMOSFET F1〜F3 のゲートに与えられてい
る。
【0078】比較器CM1 は出力端子1uの電位と1v
の電位とを比較して、U相の電圧Vuの正の半サイクル
の期間高レベルの状態を保持する制御信号Vs1を出力す
る。また比較器CM2 は出力端子1vの電位と出力端子
1wの電位とを比較して、V相の電圧Vvの正の半サイ
クルの期間高レベルの状態を保持する制御信号Vs2を出
力し、比較器CM3 は、出力端子1wの電位と出力端子
1uの電位とを比較して、W相の電圧Vwの正の半サイ
クルの期間高レベルの状態を保持する制御信号Vs3を出
力する。駆動信号発生回路5Aは、制御信号Vs1〜Vs3
に応じてその出力端子5c1〜5c3から駆動信号VGS1 〜
VGS3 を出力する。駆動信号VGS1 は、図6(B)に示
したように、制御信号Vs1が高レベルの状態にある期間
(U相の電圧Vuの正の半サイクルの期間)磁石発電機
の出力周波数よりも高い周波数でオンレベルとオフレベ
ルとの間を矩形波状に変化し、制御信号Vs1が零レベル
の状態にある期間(U相の電圧の負の半サイクルの期
間)オンレベルの状態を保持する。また駆動信号VGS2
は、図6(C)に示したように、制御信号Vs2が高レベ
ルの状態にある期間(V相の電圧Vvの正の半サイクル
の期間)磁石発電機の出力周波数よりも高い周波数でオ
ンレベルとオフレベルとの間を矩形波状に変化し、制御
信号Vs2が零レベルの状態にある期間(V相の電圧Vv
の負の半サイクルの期間)オンレベルの状態を保持す
る。更に駆動信号VGS3 は、図6(D)に示したよう
に、制御信号Vs3が高レベルの状態にある期間(W相の
電圧Vwの正の半サイクルの期間)磁石発電機の出力周
波数よりも高い周波数でオンレベルとオフレベルとの間
を矩形波状に変化し、制御信号Vs3が零レベルの状態に
ある期間(W相の電圧Vwの負の半サイクルの期間)オ
ンレベルの状態を保持する。
【0079】整流回路3の直流出力端子3a,3b間に
は平滑用コンデンサCo が接続され、直流出力端子3
a,3bにそれぞれ接続された負荷接続端子4a,4b
間には負荷RL が接続されている。
【0080】図5の実施例においても、寄生ダイオード
に逆方向電圧が印加されるMOSFETには矩形波状の
駆動信号が与えられ、寄生ダイオードに順方向電圧が印
加されるMOSFETにはオンレベルの状態を保持する
駆動信号が与えられて、MOSFETのチャンネル損失
の低減が図られる。
【0081】図5の実施例では、3相交流出力を発生す
る磁石発電機の全ての出力端子間を短絡するようにスイ
ッチ回路2を構成しているが、一部の出力端子間のみを
短絡するようにスイッチ回路を構成することができる。
図7は3相交流出力を発生する磁石発電機1の3つの出
力端子1u〜1wの内の2つの出力端子1u,1v間の
みを短絡するようにスイッチ回路を構成した実施例を示
したもので、この実施例では、磁石発電機の出力端子1
u及び1vにそれぞれソースが共通に接続されたNチャ
ンネル形のMOSFET F1 及びF2 のドレインが接
続され、出力端子1wにアノードをMOSFET F1
及びF2 のソースに接続したダイオードD3 ´のカソー
ドが接続されている。出力端子1u〜1wにはまたカソ
ードを共通接続したダイオードD1 〜D3 のアノードが
接続されている。
【0082】磁石発電機1の出力端子1u及び1vはそ
れぞれ抵抗Ra及びRbを通して比較器CM1 の非反転
入力端子及び反転入力端子に接続され、比較器CM1 の
出力端子は抵抗R1 を通して整流回路3の正極性側の出
力端子3aに接続されるとともに、駆動信号発生回路5
の制御端子5dに接続されている。
【0083】比較器CM1 は、U相の電圧Vuの正の半
サイクルの期間高レベルの状態を保持し、負の半サイク
ルの期間零レベルの状態を保持する駆動信号Vsを発生
する。
【0084】駆動信号発生回路5Aは図3の実施例で用
いたものと同様のもので、図8(B)及び(C)に示し
たように、U相の電圧Vuの正の半サイクルの期間(制
御信号Vsが高レベルの状態にある期間)矩形波状の駆
動信号VGS1 及びオンレベルを保持する駆動信号VGS2
を発生し、該電圧Vuの負の半サイクルの期間(制御信
号Vsが零レベルの状態にある期間)オンレベルを保持
する駆動信号VGS1 及び矩形波状の駆動信号VGS2 を発
生する。これらの駆動信号VGS1 及びVGS2 はそれぞれ
MOSFET F1 及びF2 のゲートに与えられてい
る。
【0085】図7の実施例では、磁石発電機1が発生す
る3相交流出力の1相の出力のみを断続して磁石発電機
の出力を昇圧するため、磁石発電機の出力電圧波形が非
対称な波形になるが、負荷RL には磁石発電機の整流出
力が供給されるため、負荷の駆動に支障を来すことはな
い。
【0086】一般に、磁石発電機がn個の(nは2以上
の整数)出力端子を有して単相または多相の交流電圧を
発生するように構成されている場合、少なくとも2つの
出力端子間を短絡するようにスイッチ回路2を構成すれ
ばよい。
【0087】上記の実施例では、MOSFETとしてN
チャンネル形のものを用いたが、Pチャンネル形のMO
SFETを用いることもできる。図9はPチャンネル形
のMOSFETを用いた実施例を示したもので、この例
では、単相交流出力を発生するように構成された磁石発
電機の出力端子1a,1bにそれぞれソースが共通に接
続されたPチャンネル形のMOSFET F1 及びF2
のドレインが接続され、これらのMOSFETによりス
イッチ回路2が構成されている。出力端子1a,1bに
はまたアノードを共通に接続した整流用ダイオードD1
及びD2 のカソードが接続され、ダイオードD1 及びD
2 とMOSFET F1 及びF2 の寄生ダイオードDf1
及びDf2とによりダイオードブリッジ単相全波整流回路
3が構成されている。
【0088】磁石発電機1の出力端子1a,1bはそれ
ぞれ抵抗Ra及びRbを通して比較器CM1 の非反転入
力端子及び反転入力端子に接続され、比較器CM1 の出
力端子は抵抗R1 を通して整流回路3の出力端子3aに
接続されている。比較器CM1 は、出力端子1a,1b
の電位を比較して、図10(B)に示すような制御信号
Vsを出力する。
【0089】駆動信号発生回路5Aは、整流回路3の出
力端子3a及び3bにそれぞれ接続された電源端子5a
及び5bと、MOSFET F1 及びF2 のゲートに接
続された出力端子5c1及び5c2と、比較器CM1 の出力
端子に接続された制御端子5dとを有していて、出力端
子5c1及び5c2からそれぞれ図10(C)及び(D)に
示すような駆動信号VGS1 及びVGS2 を出力する。
【0090】なお図10(C)及び(D)においては、
MOSFET F1 及びF2 のソースの電位を0レベル
としている。Pチャンネル形のMOSFETの駆動信号
のオンレベルは、ゲートの電位をソース電位に対して所
定のレベルVg (例えば10[V])だけ低くするレベ
ルであり、駆動信号のオフレベルは、ゲートの電位をソ
ース電位に等しくするかまたは該ソース電位よりも僅か
に高くするレベルである。
【0091】本実施例の駆動信号発生回路5Aは、比較
器CM1 が高レベルの制御信号Vsを発生している期間
(磁石発電機1の出力電圧の正の半サイクルの期間)オ
ンレベルの状態を保持する駆動信号VGS1 とオンレベル
とオフレベルとの間を変化する矩形波状の駆動信号VGS
2 とを出力し、比較器CM1 が零レベルの制御信号Vs
を発生している期間(磁石発電機の出力電圧の負の半サ
イクルの期間)オンレベルとオフレベルとの間を変化す
る矩形波状の駆動信号VGS1 とオンレベルの状態を保持
する駆動信号VGS2 とを出力する。
【0092】Pチャンネル形のMOSFETの場合に
は、ドレイン側からソース側に向う方向のドレイン電流
が流れる期間(ドレインソース間の寄生ダイオードに順
方向電圧が印加されている期間)に駆動信号がオフレベ
ルであるとドレイン電流によるチャンネル損失が増大す
る。図9の実施例では、MOSFET F1 及びF2 の
それぞれの寄生ダイオードに順方向電圧が印加される期
間それぞれのMOSFETのゲートソース間に与えられ
る駆動信号がオンレベルの状態に保持されるため、チャ
ンネル損失の低減を図ることができ、MOSFETから
の発熱を少なくすることができる。
【0093】上記の各実施例においては、各MOSFE
Tの寄生ダイオードに逆方向電圧が印加される期間該M
OSFETに一定の周波数の矩形波状の駆動信号を与え
るとしたが、整流回路3の出力電圧に応じてMOSFE
Tに与える矩形波状の駆動信号のデューティサイクルを
制御することにより、負荷に供給される電圧を設定値以
下に保つように制御する電圧調整機能をFET制御回路
5に持たせることもできる。
【0094】また負荷に過大な電圧が印加されるのを防
ぐため、磁石発電機の出力電圧を調整値以下に保つよう
に制御する電圧調整機能を備えた整流電源回路を別途設
けて、負荷に供給される電圧が該整流電源回路の調整値
よりも僅かに低く設定された設定値に達したときにMO
SFETのオンオフ動作による昇圧動作を停止させる機
能をFET制御回路5に持たせるようにすることもでき
る。
【0095】更にFET制御回路と各MOSFETのゲ
ートとの間にスイッチを介在させて、内燃機関の始動時
に該スイッチを閉じることによりFET制御回路から各
MOSFETに駆動信号を与えて昇圧動作を行なわせ、
機関が始動した後に該スイッチを開いて昇圧動作を停止
させるように構成することもできる。
【0096】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、抵抗と
同じように働くMOSFETからなるスイッチ回路によ
り磁石発電機の発電コイルを流れる短絡電流を断続させ
て該発電機の出力電圧を昇圧するようにしたので、磁石
発電機の出力電圧が極めて低い状態でもMOSFETを
通して発電コイルに短絡電流を流して昇圧動作を開始さ
せることができ、機関の極低速時にも負荷に電力を供給
することができる利点がある。
【0097】また本発明によれば、スイッチ回路を構成
する各MOSFETの寄生ダイオードに逆方向電圧が印
加される期間該MOSFETの駆動信号を矩形波状に変
化させ、各MOSFETの寄生ダイオードに順方向電圧
が印加される期間は、該MOSFETの駆動信号をオン
レベルの状態に保持するようにしたので、MOSFET
の寄生ダイオードに順方向電圧が印加される期間に生じ
るMOSFETのチャンネル損失の低減を図ることがで
きる。従って、MOSFETからの発熱を少なくするこ
とができ、MOSFETのヒートシンクとして小形のも
のを用いて、電源装置の小形化を図ることができる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示した回路図である。
【図2】図1の実施例の各部の電圧、電流及びチャンネ
ル損失を示した波形図である。
【図3】本発明の他の実施例を示した回路図である。
【図4】図3の実施例の各部の電圧波形を示した波形図
である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図6】図5の実施例の各部の電圧波形を示した波形図
である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図8】図7の実施例の各部の電圧波形を示した波形図
である。
【図9】本発明の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【図10】図9の実施例の各部の電圧波形を示した波形
図である。
【図11】既提案の電源装置の構成を示した回路図であ
る。
【図12】図11の電源装置の各部の電圧,電流及びチ
ャンネル損失を示した波形図である。
【図13】磁石発電機の無負荷出力電圧波形の一例を示
した波形図である。
【図14】発電コイルを短絡するスイッチング素子とし
てMOSFETを用いた場合とバイポーラトランジスタ
を用いた場合の動作の相違を説明するための波形図であ
る。
【図15】機関を手動スタートさせた場合のクランキン
グ回転数の変化を示した線図である。
【図16】磁石発電機の出力電圧対出力電流特性を負荷
線とともに示した線図である。
【図17】(A)は本発明の実施例における発電コイル
の短絡回路を示した回路図である。(B)は従来の電源
装置における発電コイルの短絡回路を示した回路図であ
る。
【図18】バッテリが搭載されている内燃機関に取り付
ける磁石発電機に要求される特性を示した出力電圧対出
力電流特性を示した線図である。
【図19】バッテリの充電電流と機関の回転数との望ま
しい関係を示した線図である。
【図20】ダイオードの順方向電流対順方向電圧特性の
例を示した線図である。
【図21】或トランジスタのコレクタエミッタ間飽和電
圧対コレクタ電流特性を示した線図である。
【図22】他のトランジスタのコレクタエミッタ間飽和
電圧対するコレクタ電流特性を示した線図である。
【図23】MOSFETの導通時のドレインソース間抵
抗対ドレイン電流特性の例を示した線図である。
【図24】図23と同じMOSFETの逆ドレイン電流
対ソースドレイン間電圧特性を示した線図である。
【符号の説明】
1 磁石発電機 W1 〜W3 発電コイル 2 スイッチ回路 3 整流回路 4a,4b 負荷接続端子 5 FET制御回路 5A 駆動信号発生回路 D1 〜D3 ,Da〜Dd ダイオード F1 〜F3 MOSFET Df1〜Df3 寄生ダイオード

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を昇圧して整流する昇圧整流
    回路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記昇圧整流回路は、 ソースが共通に接続され、ドレインが前記磁石発電機の
    異なる出力端子に接続された複数のMOSFETを備え
    たスイッチ回路と、 前記スイッチ回路を構成する複数のMOSFETの寄生
    ダイオードと更に他のダイオードとにより構成されて前
    記磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧を
    全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、 前記スイッチ回路を構成する複数のMOSFETの内、
    ドレインソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印
    加されているMOSFETのゲートソース間には該MO
    SFETをオン状態にするオンレベルと該MOSFET
    をオフ状態にするオフレベルとの間を前記磁石発電機の
    出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動
    信号を与え、前記寄生ダイオードに順方向電圧が印加さ
    れているMOSFETのゲートソース間には該順方向電
    圧が印加されている間オンレベルの状態を保持する駆動
    信号を与えるFET制御回路とを具備したとを特徴と
    する内燃機関用電源装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を昇圧して整流する昇圧整流
    回路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記昇圧整流回路は、 ソースが共通に接続され、ドレインが前記磁石発電機の
    n個の出力端子にそれぞれ接続されたn個のNチャンネ
    ル形のMOSFETを備えたスイッチ回路と、 前記n個の出力端子にそれぞれアノードが接続されカソ
    ードが共通接続されたn個の整流用ダイオードと前記n
    個のMOSFETの寄生ダイオードとにより構成されて
    前記磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧
    を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、 前記スイッチ回路を構成するn個のMOSFETの内、
    ドレインソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印
    加されているMOSFETのゲートソース間には該MO
    SFETをオン状態にするオンレベルと該MOSFET
    をオフ状態にするオフレベルとの間を前記磁石発電機の
    出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動
    信号を与え、前記寄生ダイオードに順方向電圧が印加さ
    れているMOSFETのゲートソース間には該順方向電
    圧が印加されている間オンレベルの状態を保持する駆動
    信号を与えるFET制御回路とを具備したとを特徴と
    する内燃機関用電源装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関により駆動されてn個(nは2
    以上の整数)の出力端子間に単相または多相の交流電圧
    を発生する磁石発電機と、前記磁石発電機のn個の出力
    端子間に得られる交流電圧を昇圧して整流する昇圧整流
    回路とを備えた内燃機関用電源装置において、 前記昇圧整流回路は、 ソースが共通に接続され、ドレインが前記磁石発電機の
    n個の出力端子にそれぞれ接続されたn個のPチャンネ
    ル形のMOSFETを備えたスイッチ回路と、 前記n個の出力端子にそれぞれカソードが接続されアノ
    ードが共通接続されたn個の整流用ダイオードと前記n
    個のMOSFETの寄生ダイオードとにより構成されて
    前記磁石発電機のn個の出力端子間に得られる交流電圧
    を全波整流するダイオードブリッジ全波整流回路と、 前記スイッチ回路を構成するn個のMOSFETの内、
    ドレインソース間の寄生ダイオードに逆方向の電圧が印
    加されているMOSFETのゲートソース間には該MO
    SFETをオン状態にするオンレベルと該MOSFET
    をオフ状態にするオフレベルとの間を前記磁石発電機の
    出力周波数よりも高い周波数で変化する矩形波状の駆動
    信号を与え、前記寄生ダイオードに順方向電圧が印加さ
    れているMOSFETのゲートソース間には該順方向電
    圧が印加されている間オンレベルの状態を保持する駆動
    信号を与えるFET制御回路とを具備したとを特徴と
    する内燃機関用電源装置。
  4. 【請求項4】 前記FET制御回路は、前記磁石発電機
    を電源として動作するように設けられている請求項1,
    2または3のいずれかに記載の内燃機関用電源装置。
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