JP3000241U - 内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路 - Google Patents
内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】内燃機関により駆動される磁石発電機を電源と
して直流電動機を駆動する場合に、その起動を確実に、
かつ滑らかに行わせる。 【構成】直流電動機4の電機子巻線4aに直列に通電制
御用スイッチ14を接続する。運転指令信号を発生する
接点15aが閉じた時から所定の傾きで上昇するスロー
プ信号Vb を発生する回路17と、三角波信号Va を発
生する回路18と、スロープ信号Vb と三角波信号Va
とを比較してデューティ比が徐々に変化する矩形波信号
Vq を発生する回路19とを設ける。矩形波信号Vq を
スイッチ14にトリガ信号として与えることにより、ス
イッチ14のオンデューティ比を徐々に増加させ、電動
機を滑らかに起動させる。
して直流電動機を駆動する場合に、その起動を確実に、
かつ滑らかに行わせる。 【構成】直流電動機4の電機子巻線4aに直列に通電制
御用スイッチ14を接続する。運転指令信号を発生する
接点15aが閉じた時から所定の傾きで上昇するスロー
プ信号Vb を発生する回路17と、三角波信号Va を発
生する回路18と、スロープ信号Vb と三角波信号Va
とを比較してデューティ比が徐々に変化する矩形波信号
Vq を発生する回路19とを設ける。矩形波信号Vq を
スイッチ14にトリガ信号として与えることにより、ス
イッチ14のオンデューティ比を徐々に増加させ、電動
機を滑らかに起動させる。
Description
【0001】
本考案は、内燃機関により駆動される磁石発電機を電源として直流電動機を駆 動する直流電動機駆動回路に関するものである。
【0002】
近年農薬散布機、自走式灌水機、茶刈機等の農業機械の分野においては、複雑 な機構を駆動することが必要になるために、直流電動機が駆動源として広く利用 されるようになっている。この種の用途に用いられる直流電動機は、内燃機関を 原動機とした磁石発電機の整流出力により駆動される。磁石発電機は、永久磁石 からなる界磁を有する回転子と、電機子鉄心に電機子コイルを巻回してなる固定 子とにより構成される交流発電機で回転子が内燃機関の出力軸に取り付けられる 。
【0003】 図5は直流電動機を駆動源とした農業機械の構造例を示したものである。同図 において1は駆動車輪2と従動車輪3とを備えた車体、4は直流電動機、5は駆 動車輪2に出力軸が連結されたギアボックスで、直流電動機4の出力軸に取付け られたプーリ6とギアボックス5の入力軸に取付けられたプーリ7とがベルト8 により結合されている。また、9は内燃機関と該内燃機関により駆動される磁石 発電機とからなる発動発電機で、この発動発電機9の出力が整流されて直流電動 機4に供給されている。10は作業機で、電動機4の出力はギアボックス5を介 してこの作業機10にも伝達されている。作業機10は、例えば農薬を収容する タンクと該タンク内の農薬を送給するポンプとからなる農薬散布機である。
【0004】 図6は農業機械の分野で使用されていた従来の直流電動機駆動回路の構成を示 したもので、同図において11は磁石発電機の発電コイル、12はダイオードD 1 ないしD4 をブリッジ接続してなる全波整流回路、C1 は整流回路12の出力 端に接続された平滑用コンデンサであり、コンデンサC1 の両端に得られる直流 電圧が直流電動機4の電機子巻線の両端にスイッチ18を介して印加されている 。尚通常は、直流電動機4に与える駆動電流の大きさを調整して電動機の回転速 度を調整する回路が設けられるが、この回路の図示は省略されている。
【0005】
直流電動機は、起動トルクが大きいという特徴を有するが、起動時に大きな起 動電流を必要とし、起動直後に大きな突入電流が流れる。そのため、直流電動機 の起動時に発電機の原動機である内燃機関がアイドリング状態にあったり、内燃 機関により駆動さる作業機の負荷が大きくなっている場合には、内燃機関の負荷 が過大になって該内燃機関が停止し、直流電動機を起動させることができなくな るといという問題が生じる。
【0006】 このような問題が生じないようにするために、電動機の起動時に内燃機関のス ロットルバルブを余分に開いて内燃機関の出力に余裕を持たせることが考えられ るが、このようにした場合には、起動が完了した直後に電動機の回転速度が急上 昇するため、電動機の負荷が急激に駆動されて負荷に無理な力が加わったり、危 険な状態が生じたりする恐れがある。特に電動機により走行する作業機を駆動す る場合には、その走行速度が急上昇して運転者に危険を及ぼす恐れがある。
【0007】 また起動時に電動機の回転速度が急激に上昇すると、電動機に作用する負荷ト ルクが急激に変化するため、該負荷トルクの急激な変化に耐えるために動力伝達 機構の強度を高くしておく必要があり、動力伝達機構のコストが高くなるという 問題があった。
【0008】 本考案の目的は、内燃機関の回転数が低く、磁石発電機の出力が低い場合でも 直流電動機の起動を行わせることができるようにした、内燃機関駆動磁石発電機 を電源とした直流電動機駆動回路を提供することにある。
【0009】 本考案の他の目的は、電動機の起動時の回転数の上昇を緩やかにして、電動機 から負荷に動力を伝達する動力伝達機構に無理な力が加わらないようにするとと もに、起動時に負荷が急激に駆動されるのを防止して安全性を向上させた、内燃 機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路を提供することにある。
【0010】
本考案は、内燃機関により駆動される磁石発電機の出力を整流回路により整流 して得た直流電圧で直流電動機を駆動する直流電動機駆動回路に係わるもので、 本考案においては、直流電動機の電機子電流をオンオフするように設けられた通 電制御用スイッチ手段と、直流電動機を運転することを指令する運転指令信号及 び該電動機を停止させることを指令する停止指令信号を発生する指令信号発生手 段と、指令信号発生手段が運転指令信号を発生した時からスイッチ手段のオンデ ューティ比を徐々に増加させるようにスイッチ手段を制御するスイッチ制御回路 とが設けられる。
【0011】 上記スイッチ制御回路は、積分コンデンサと該積分コンデンサの充放電を制御 する回路とを備えて、運転指令信号が発生した時から積分コンデンサを一定の時 定数で充電して該積分コンデンサの両端に所定の傾きで上昇するスロープ信号を 発生させ、停止指令信号が発生したときに該積分コンデンサをほぼ瞬時に放電さ せるスロープ信号発生回路と、所定の周波数の三角波信号を発生する三角波信号 発生回路と、積分コンデンサの両端の電圧を三角波信号と比較して信号幅が徐々 に長くなる一連の矩形波信号を発生する矩形波信号発生回路とにより構成できる 。この場合、矩形波信号発生回路から得られる矩形波信号をスイッチ手段を導通 させるトリガ信号として該スイッチ手段に与える。
【0012】 上記積分コンデンサの充放電を制御する回路は、積分コンデンサに抵抗を通し て充電電流を供給する回路と、積分コンデンサに対して並列に接続されて停止指 令信号が発生しているときに導通状態を保持し、運転指令信号が発生したときに 遮断状態になるリセット用スイッチとにより構成できる。
【0013】 上記積分コンデンサの充放電を制御する回路はまた、積分コンデンサに一定の 基準電圧を印加して該積分コンデンサを基準電圧まで瞬時に充電する第1の充電 回路と、積分コンデンサに抵抗を通して充電電流を供給して該積分コンデンサを 所定の時定数で追加充電する第2の充電回路と、積分コンデンサに対して並列に 接続されて停止指令信号が発生しているときに導通状態を保持し、運転指令信号 が発生したときに遮断状態になるリセット用スイッチとにより構成することもで きる。
【0014】 上記スロープ信号発生回路はまた、積分コンデンサと、直流電源電圧を分圧し て基準電圧を得る分圧回路の出力でダイオードを通して積分コンデンサを瞬時に 充電する第1の充電回路と、積分コンデンサに抵抗を通して直流電源電圧を印加 して該積分コンデンサを所定の時定数で充電する第2の充電回路と、積分コンデ ンサに対してコレクタエミッタ間回路が並列に接続されて直流電源からベース電 流が与えられて導通するトランジスタとにより構成できる。
【0015】 この場合、指令信号発生手段としては、運転指令信号を発生するときと停止指 令信号を発生するときとで異なる状態(オン状態またはオフ状態)に保たれる有 接点スイッチを用い、運転指令信号が発生したときにトランジスタへのベース電 流の供給を阻止して該トランジスタを遮断状態にし、停止指令信号が発生したと きに該トランジスタへのベース電流の供給を許容して該トランジスタを導通状態 にするように指令信号発生手段を構成するスイッチをトランジスタのベース回路 に接続する。このように構成すると、トランジスタが遮断状態になった時から積 分コンデンサが一定の時定数で充電されて該積分コンデンサの両端に所定の傾き で上昇するスロープ信号が得られ、トランジスタが導通したときに該積分コンデ ンサが放電してスロープ信号が消滅する。
【0016】
上記のように構成すると、運転指令信号が与えられたときに、通電制御用スイ ッチ手段のオンデューティ比が徐々に増加していくため、直流電動機を起動させ る際に流れる起動電流が抑制される。したがって内燃機関がアイドリング状態に ある場合や、内燃機関の負荷が大きい状態にある場合でも、電動機の起動時に内 燃機関が停止するのを防ぐことができ、電動機を支障なく起動させることができ る。
【0017】 更に上記のように電動機の起動時に通電制御用スイッチ手段のオンデューティ 比を徐々に増加させると、起動時に電動機の回転数が急上昇することがないため 、電動機に接続されている負荷が急激に駆動されることがなく、安全性を高める ことができる。また上記のように電動機を徐々に起動させると起動時に電動機に 作用する負荷トルクが急激に変化することがないため、動力伝達機構等に無理な 力が加わるのを防ぐことができ、動力伝達機構等の構成部品として安価なものを 用いることができる。
【0018】
図1は本考案の実施例を示したもので、同図において11は内燃機関により駆 動される磁石発電機の発電コイル、12はダイオードD1 ないしD4 をブリッジ 接続してなる全波整流回路、C1 は平滑用コンデンサ、4は電機子巻線4aを有 する直流電動機であり、これらは図6に示したものと同様である。13はコンデ ンサC1 の両端の電圧を入力とする3端子レギュレータ等の定電圧電源、C2 は 定電圧電源13の出力端子間に接続された電源コンデンサで、電源コンデンサC 2 の両端に得られる直流定電圧VD が後述する制御回路の電源電圧として用いら れる。
【0019】 本考案においては、直流電動機4の電機子巻線4aに対して直列に接続されて 直流電動機の駆動電流をオンオフする通電制御用スイッチ14と、直流電動機を 運転することを指令する運転指令信号及び電動機を停止させることを指令する停 止指令信号を発生する指令信号発生手段15と、指令信号発生手段15が運転指 令信号を発生した時からスイッチ手段14のオンデューティ比を徐々に増加させ るようにスイッチ手段14を制御するスイッチ制御回路16とが設けられる。
【0020】 通電制御用スイッチ14はソースが接地された電界効果トランジスタFETか らなり、該FETのゲートに所定のレベル以上の電圧が印加されたときに該FE Tが導通状態になって電機子巻線4aに駆動電流を流すようになっている。尚D 5 は後述する接点15bを介して電機子巻線4の両端に接続されたフライホイー ルダイオードである。
【0021】 指令信号発生手段15は、2つの接点15a及び15bを有する2極単投式の 手動スイッチからなっていて、図示しないレバーを操作することにより接点15 a及び15bを同時に開閉操作することができるようになっている。この例では 、接点15aを指令信号発生用のスイッチ手段として用いて、該接点15aが閉 じている状態を運転指令信号が発生している状態とし、接点15aが開いている 状態を停止指令信号が発生している状態とする。他の接点15bは整流回路12 の出力端子と電機子巻線4aとの間に挿入されて、停止指令が発生している状態 で電動機を確実に停止状態に保持するために電機子巻線4aを整流回路12から 切り離すスイッチとして用いられている。
【0022】 スイッチ制御回路16は、スロープ信号発生回路17と、三角波信号発生回路 18と、矩形波信号発生回路19とにより構成される。
【0023】 スロープ信号発生回路17は、積分コンデンサC3 と、抵抗R1 ないしR7 と 、トランジスタTr1と、ダイオードD6 とにより構成され、積分コンデンサC3 以外の構成部品により、積分コンデンサC3 の充放電を制御する回路が構成され ている。
【0024】 更に詳細に説明すると、抵抗R1 及びR2 は互いに直列に接続されて定電圧電 源13の出力端子間に接続され、直流定電圧VD を分圧して抵抗R2 の両端に基 準電圧Vc を発生する。抵抗R2 の両端にダイオードD6 を介して積分コンデン サC3 が接続され、基準電圧Vc によりダイオードD6 を通して積分コンデンサ C3 がほぼ瞬時に充電されるようになっている。また積分コンデンサC3 の非接 地側端子が抵抗R3 を通して定電圧電源13の出力端子に接続され、積分コンデ ンサC3 が基準電圧Vc まで充電された後、更に抵抗R3 を通して積分コンデン サC3 が所定の時定数で追加充電されるようになっている。
【0025】 積分コンデンサC3 の非接地側端子には抵抗R4 を通してNPNトランジスタ Tr1のコレクタが接続され、トランジスタTr1のエミッタは接地されている。ト ランジスタTr1のベースは抵抗R5 を通して接地されるとともに、抵抗R6 を通 して接点15aの一端に接続され、接点15aの他端は接地されている。接点1 5aと抵抗R6 との接続点は抵抗R7 を通して定電圧電源13の出力端子に接続 されている。
【0026】 この例では、抵抗R1 及びR2 とダイオードD6 とにより、積分コンデンサC 3 に一定の基準電圧Vc を印加して該積分コンデンサを基準電圧Vc まで瞬時に 充電する第1の充電回路が構成され、抵抗R3 により、積分コンデンサC3 を所 定の時定数で追加充電する第2の充電回路が構成されている。
【0027】 またトランジスタTr1により、積分コンデンサC3 に対して並列に接続されて 停止指令信号が発生しているときに導通状態を保持し、運転指令信号が発生した ときに遮断状態になるリセット用スイッチが構成されている。
【0028】 上記のスロープ信号発生回路17においては、抵抗R3 の値が抵抗R1 及びR 2 の値に比べて十分に大きく設定され、抵抗R4 の値が抵抗R1 及びR2 に比べ て十分に小さく設定されている。
【0029】 上記のスロープ信号発生回路において、接点15aが開いているとき(停止指 令信号が発生しているとき)には、定電圧電源13から抵抗R7 とR6 とを通し てスロープ信号発生回路17のトランジスタTr1にベース電流が供給されるため 、該トランジスタTr1が導通状態に保持される。そのため、積分コンデンサC3 の両端の電圧Vb は抵抗R4 の両端の電圧降下とトランジスタTr1のコレクタエ ミッタ間の電圧降下との和に相当するきわめて低いレベルに保たれている。図4 (A)に示したように、時刻T1 において接点15aが閉じられると(運転指令 信号が与えられると)、トランジスタTr1へのベース電流の供給が停止されて該 トランジスタが遮断状態になるため、先ず抵抗R2 の両端の基準電圧Vc まで積 分コンデンサC3 が瞬時に充電され、次いで定電圧電源13から抵抗R3 を通し て積分コンデンサC3 が一定の時定数で追加充電される。したがって、積分コン デンサC3 の両端には、図4(A)に示すように所定の傾きで上昇していき、電 源電圧VD で飽和するスロープ信号電圧Vb が得られる。
【0030】 三角波信号発生回路18は、電圧を比較する比較器CP1 と、抵抗R8 ないし R12と、ダイオードD7 とコンデンサC4 とからなっていて、コンデンサC4 の 両端に、図4(A)に示すごとく上限レベルV+Hと下限レベルV+Lとの間を変化 する一定周波数の三角波信号Va を発生する。この三角波信号発生回路18にお いて、比較器CP1 の出力端子の電位が高レベルになっているときには、比較器 CP1 の非反転入力端子の電圧V+ が電源電圧VD を抵抗R8 とR9 とにより分 圧した値V+H[=R9 ・VD /(R8 +R9 )]になり、その間コンデンサC4 は抵抗RR12とR11とを通して充電され、その両端の電圧Va が一定の傾きで上 昇していく。コンデンサC4 の両端の電圧Va がV+ よりも高く(Va >V+ ) なると、比較器CP1 の出力が低レベルになるため、該比較器の非反転入力端子 の電圧V+ は、VD を抵抗R8 と抵抗R9 及びR10の並列合成抵抗とにより分圧 した値V+L[=R10・R9 ・VD /{R10・R9 +R8 (R10+R9 )}]まで 低下し、コンデンサC4 の電荷は抵抗R11と比較器CP1 の出力段とを通して放 電する。これによりコンデンサC4 の両端の電圧Va は一定の傾きで低下してい く。コンデンサC4 の両端の電圧Va がV+Lよりも低く(Va <V+L)なると、 比較器CP1 の出力が再び高レベルになるため、コンデンサC4 の充電が再開さ れる。これらの動作が繰り返されるため、コンデンサC4 の両端の電圧Va は図 4(A)に示すような三角波波形の電圧となる。
【0031】 矩形波信号発生回路19は、比較器CP2 と、抵抗R13及びR14とにより構成 されている。比較器CP2 は、三角波信号電圧Va とスロープ信号電圧Vb とを 比較して、Va ≦Vb となっている期間高レベルの状態を保持し、Va >Vb と なっている期間低レベルの状態を保持する矩形波信号Vq [図4(B)]を出力 する。前述のようにスロープ信号電圧Vb が所定の傾きで上昇していくため、一 連の矩形波信号Vq は、それぞれの信号幅(高レベルになっている期間)が徐々 に長くなっていく波形となる。矩形波信号Vq は、電界効果トランジスタFET のゲートにトリガ信号として与えられている。電界効果トランジスタFETは、 一連の矩形波信号Vq が高レベルになっている期間導通して電動機4に駆動電流 を流す。ここで、矩形波信号Vq が低レベルの状態にある期間(スイッチ手段が オフしている期間)をt1 とし、高レベルになっている期間(スイッチ手段がオ ンしている期間)をt2 とすると、スイッチ手段14のオンデューティ比τは、 次式で与えられる。
【0032】 τ=t2 /(t1 +t2) …(1) スロープ信号Vb は運転指令信号が発生した時(接点15aが閉じた時)から 徐々に上昇していくため、スイッチ手段14のオンデューティ比τは、運転指令 信号が発生した時点から徐々に増大していき、電動機4に与えられる電機子電流 が徐々に増加していく。
【0033】 このように、本考案においては、運転指令信号が与えられたときに、通電制御 用スイッチ手段のオンデューティ比が徐々に増加していくため、直流電動機を起 動させる際に流れる起動電流を抑制することができる。したがって内燃機関がア イドリング状態にある場合や、内燃機関の負荷が大きい状態にある場合でも、電 動機の起動時に内燃機関が停止するのを防ぐことができ、電動機を支障なく起動 させることができる。
【0034】 また上記のように電動機の起動時に通電制御用スイッチ手段のオンデューティ 比を徐々に増加させると、起動時に電動機の回転数が急上昇することがないため 、電動機に接続されている負荷が急激に駆動されることがなく、安全性を高める ことができるだけでなく、動力伝達機構に無理な力が加わるのを防ぐことができ る。
【0035】 上記の実施例では、通電制御用スイッチ手段14を構成するスイッチ素子とし て電界効果トランジスタを用いたが、このスイッチ素子はオンオフ制御が可能で 、所定のトリガ信号が与えられている間だけ導通するスイッチ素子であればよく 、バイポーラトランジスタ等の他のスイッチ機能を有する素子を通電制御用スイ ッチ手段14を構成するスイッチ素子として用いることもできる。
【0036】 上記の実施例では、指令信号発生手段15として2極単投式のスイッチを用い たが、図2に示したように、3つの単位切替スイッチ15A,15B及び15C を同時に操作できる3極双投式のスイッチを用いて、切替スイッチ15Aを指令 信号発生用のスイッチ手段として用い、他の切替スイッチ15B及び15Cをブ リッジ接続して電機子4aと整流回路12及びスイッチ手段14との間に挿入す ることにより、電動機4の電機子電流の極性を切り替え得るように(電動機の回 転方向を切替得るように)してもよい。
【0037】 図2において、切替スイッチ15A〜15Cはそれぞれの可動接触子ma 〜m c をそれぞれ固定接触子15a1,15b1及び15c1に接触させた第1のオン状態 と、固定接触子15a2,15b2及び15c2に接触させた第2のオン状態と、いず れの固定接触子にも接触させないオフ状態との3つの状態に切り替えることがで きるようになっている。この例では、切替スイッチ15Aのオフ状態を停止指令 信号が発生している状態とし、該切替スイッチの第1のオン状態及び第2のオン 状態を運転指令信号が発生している状態としている。図2の実施例の他の構成は 図1の実施例のそれと同様である。
【0038】 図1の実施例において、運転指令信号が与えられていない状態でスロープ信号 発生回路17の出力電圧Vb が三角波信号Va の下限レベルV+Lよりも低い値を 保つように設定しておけば、運転指令信号が発生していない状態で比較器CP2 の出力が低レベルに保持されてFETが遮断状態に保たれるため、接点15bを 省略しても電動機を停止状態に保持することができる。この場合、図3に示した ように接点15aを有する単極単投式のスイッチにより指令信号発生手段15を 構成して、直流電動機の電機子4aを整流回路12の出力端子に直結するように しても、図1の実施例と同様の動作を行わせることができる。図3の実施例にお いて、指令信号発生手段15以外の構成は図1の実施例と同様である。
【0039】 上記の各実施例では、スロープ信号発生回路17に電源電圧を抵抗R1 及びR 2 により分圧して基準電圧Vc を発生する回路を設けて、運転指令信号が与えら れたときに積分コンデンサC3 が三角波信号の下限レベルV+Lよりも高い基準電 圧Vc まで瞬時に充電されるようにしている。このように構成した場合には、運 転指令信号が与えられた瞬間からスイッチ手段14にトリガ信号を与えることが できるため、電動機が起動を開始する時刻を運転指令信号が与えられた時刻に一 致させることができ、電動機の起動を明確に行わせることができる。しかしなが ら、運転指令信号を与えてから電動機が実際に起動するまでに多少の遅れが生じ ることが許容される場合には、基準電圧Vc を発生する回路を省略して、運転指 令信号が与えられたときに積分コンデンサC3 が最初から所定の時定数で徐々に 充電されるようにしてもよい。
【0040】 上記の実施例では、磁石発電機として単相出力を発生するものを用いたが、多 相交流出力を発生する磁石発電機を用いる場合にも同様に本考案を適用すること ができる。
【0041】 上記の実施例では、指令信号発生手段を構成するスイッチのオン状態を運転指 令信号が発生している状態としたが、本考案において、このスイッチのオン状態 を運転指令信号が発生している状態とするか、オフ状態を運転指令信号が発生し ている状態とするかは任意である。例えば、図1の実施例において、接点15a がオン状態にあるときに接点15bがオフ状態にあるスイッチを指令信号発生手 段15として用いて、接点15aをトランジスタTr1のベース電流供給回路に直 列に挿入するようにすれば、接点15aのオフ状態を運転指令信号が発生してい る状態とすることができる。
【0042】
以上のように、本考案によれば、運転指令信号が与えられたときに、電動機の 電機子電流をオンオフ制御する通電制御用スイッチ手段のオンデューティ比を徐 々に増加させるようにしたため、直流電動機の起動電流を抑制して突入電流が流 れるのを防ぐことができる。したがって内燃機関がアイドリング状態にある場合 や、内燃機関の負荷が大きい状態にある場合でも、電動機の起動時に内燃機関が 停止するのを防ぐことができ、電動機を支障なく起動させることができる。
【0043】 また本考案によれば、電動機の起動時に通電制御用スイッチ手段のオンデュー ティ比を徐々に増加させるようにしたので、起動時に電動機の回転数が急上昇す るのを防ぐことができ、電動機に接続されている負荷が急激に駆動されるのを防 いで安全性を高めることができる。
【0044】 更に本考案によれば、電動機を徐々に起動させるので、起動時に電動機に作用 する負荷トルクが急激に変化するのを防ぐことができ、動力伝達機構等に無理な 力が加わるのを防止することができる。
【図1】本考案の実施例の構成を示した回路図である。
【図2】本考案の他の実施例の要部を示した回路図であ
る。
る。
【図3】本考案の更に他の実施例の要部を示した回路図
である。
である。
【図4】図1の実施例の各部の信号波形を示した波形図
である。
である。
【図5】本考案の保護装置を適用する直流電動機の用途
の一例として、農業機械の一構成例を示した概略構成図
である。
の一例として、農業機械の一構成例を示した概略構成図
である。
【図6】従来の直流電動機の駆動回路を示した回路図で
ある。
ある。
4 直流電動機 4a 電機子巻線 14 通電制御用スイッチ 15 指令信号発生手段 16 スイッチ制御回路 17 スロープ信号発生回路 18 三角波信号発生回路 19 矩形波信号発生回路
Claims (5)
- 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機の
出力を整流回路により整流して得た直流電圧で直流電動
機を駆動する直流電動機駆動回路において、 前記直流電動機の電機子電流をオンオフするように設け
られた通電制御用スイッチ手段と、 直流電動機を運転することを指令する運転指令信号及び
該電動機を停止させることを指令する停止指令信号を発
生する指令信号発生手段と、 前記指令信号発生手段が運転指令信号を発生した時から
前記スイッチ手段のオンデューティ比を徐々に増加させ
るように前記スイッチ手段を制御するスイッチ制御回路
とを備えたことを特徴とする内燃機関駆動磁石発電機を
電源とした直流電動機駆動回路。 - 【請求項2】 前記スイッチ制御回路は、 積分コンデンサと、該積分コンデンサの充放電を制御す
る回路とを備えて、前記運転指令信号が発生した時から
積分コンデンサを一定の時定数で充電して該積分コンデ
ンサの両端に所定の傾きで上昇するスロープ信号を発生
させ、停止指令信号が発生したときに該積分コンデンサ
をほぼ瞬時に放電させるスロープ信号発生回路と、 所定の周波数の三角波信号を発生する三角波信号発生回
路と、 前記積分コンデンサの両端の電圧を三角波信号と比較し
て信号幅が徐々に長くなる一連の矩形波信号を発生する
矩形波信号発生回路とを備えてなり、 前記矩形波信号が前記スイッチ手段を導通させるトリガ
信号として該スイッチ手段に与えられていることを特徴
とする請求項1に記載の内燃機関駆動磁石発電機を電源
とした直流電動機駆動回路。 - 【請求項3】 前記積分コンデンサの充放電を制御する
回路は、前記積分コンデンサに抵抗を通して充電電流を
供給する回路と、前記積分コンデンサに対して並列に接
続されて前記停止指令信号が発生しているときに導通状
態を保持し、運転指令信号が発生したときに遮断状態に
なるリセット用スイッチとを備えていることを特徴とす
る請求項2に記載の内燃機関駆動磁石発電機を電源とし
た直流電動機駆動回路。 - 【請求項4】 前記積分コンデンサの充放電を制御する
回路は、前記積分コンデンサに一定の基準電圧を印加し
て該積分コンデンサを基準電圧まで瞬時に充電する第1
の充電回路と、前記積分コンデンサに抵抗を通して充電
電流を供給して該積分コンデンサを所定の時定数で追加
充電する第2の充電回路と、前記積分コンデンサに対し
て並列に接続されて前記停止指令信号が発生していると
きに導通状態を保持し、運転指令信号が発生したときに
遮断状態になるリセット用スイッチとを備えていること
を特徴とする請求項2に記載の内燃機関駆動磁石発電機
を電源とした直流電動機駆動回路。 - 【請求項5】 内燃機関により駆動される磁石発電機の
出力を整流回路により整流して得た直流電圧で直流電動
機を駆動する直流電動機駆動回路において、 前記直流電動機の電機子電流をオンオフするように設け
られた通電制御用スイッチ手段と、 有接点スイッチからなっていて直流電動機を運転するこ
とを指令する運転指令信号を発生するときと該電動機を
停止させることを指令する停止指令信号を発生するとき
とで異なる状態に保持される指令信号発生用スイッチ
と、 積分コンデンサと、直流電源電圧を分圧して基準電圧を
得る分圧回路の出力でダイオードを通して積分コンデン
サを瞬時に充電する第1の充電回路と、前記積分コンデ
ンサに抵抗を通して直流電源電圧を印加して該積分コン
デンサを所定の時定数で充電する第2の充電回路と、前
記積分コンデンサに対してコレクタエミッタ間回路が並
列に接続されて直流電源からベース電流が与えられて導
通するトランジスタとを備えていて、トランジスタが遮
断状態になった時から積分コンデンサを一定の時定数で
充電して該積分コンデンサの両端に所定の傾きで上昇す
るスロープ信号を発生させ、トランジスタが導通したと
きに該積分コンデンサを放電させるスロープ信号発生回
路と、 所定の周波数の三角波信号を発生する三角波信号発生回
路と、 前記積分コンデンサの両端の電圧を三角波信号と比較し
て信号幅が徐々に長くなる一連の矩形波信号を発生する
矩形波信号発生回路とを備えてなり、 運転指令信号が発生したときに前記トランジスタへのベ
ース電流の供給を阻止して該トランジスタを遮断状態に
し、停止指令信号が発生したときに該トランジスタへの
ベース電流の供給を許容して該トランジスタを導通状態
にするように前記指令信号発生手段を構成するスイッチ
が前記トランジスタのベース回路に接続され、 前記矩形波信号が前記スイッチ手段を導通させるトリガ
信号として該スイッチ手段に与えられていることを特徴
とする内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機
駆動回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10894U JP3000241U (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | 内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10894U JP3000241U (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | 内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3000241U true JP3000241U (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=43136257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10894U Expired - Lifetime JP3000241U (ja) | 1994-01-18 | 1994-01-18 | 内燃機関駆動磁石発電機を電源とした直流電動機駆動回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3000241U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3509821B2 (ja) | 1994-12-07 | 2004-03-22 | 国産電機株式会社 | 作業機械用直流電動機の駆動装置 |
JP3528525B2 (ja) | 1997-07-28 | 2004-05-17 | 松下電工株式会社 | モータの回転速度制御回路 |
-
1994
- 1994-01-18 JP JP10894U patent/JP3000241U/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3509821B2 (ja) | 1994-12-07 | 2004-03-22 | 国産電機株式会社 | 作業機械用直流電動機の駆動装置 |
JP3528525B2 (ja) | 1997-07-28 | 2004-05-17 | 松下電工株式会社 | モータの回転速度制御回路 |
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