JPH1122576A - 燃料ポンプ制御装置 - Google Patents

燃料ポンプ制御装置

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Publication number
JPH1122576A
JPH1122576A JP9183336A JP18333697A JPH1122576A JP H1122576 A JPH1122576 A JP H1122576A JP 9183336 A JP9183336 A JP 9183336A JP 18333697 A JP18333697 A JP 18333697A JP H1122576 A JPH1122576 A JP H1122576A
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JP
Japan
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fuel
control
pressure
fuel pressure
fuel pump
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Application number
JP9183336A
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English (en)
Inventor
Masayuki Hirano
雅之 平野
Mikio Hamada
幹生 浜田
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Aisan Industry Co Ltd
Original Assignee
Aisan Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストアップを伴わずにエンジンの始動時に
おける燃料供給を運転状態に応じて効率よく行い円滑に
始動できるように、燃料ポンプの出力を制御する燃料ポ
ンプ制御装置を提供すること。 【解決手段】 始動時制御フラグにより燃料ポンプ30
の制御が始動時制御であるか否かが判定され(S6)、
始動時制御にある場合に、始動制御手段によりエンジン
2の冷却水温度に基づき始動時の目標燃料圧力が決定さ
れて(S7)、最大駆動信号設定部によりデューティ比
100%で燃料ポンプ30が駆動され(S8)、供給燃
料の燃料圧力が所定の圧力に達すると、オーバーシュー
ト防止カウンタのカウンタ値が所定値になるまで(S1
1)、デューティ比100%での燃料ポンプ30が駆動
される(S12)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンへ燃料を
供給するために燃料ポンプの出力を制御する燃料ポンプ
制御装置に関する。さらに詳細には、エンジンの始動時
における燃料供給を効率よく行うことができるように燃
料ポンプの出力を制御する燃料ポンプ制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンへの燃料供給は、吸
入空気流量を測定して、測定した吸入空気流量に基づき
エンジンが必要とする燃料流量を演算し、燃料タンク内
の燃料を燃料ポンプにて供給することにより行ってい
る。このときの吸入空気量の測定には、熱線の損失流量
と空気流量との間の非線形関係を利用した熱線式空気流
量センサが用いられることがある。しかし、この熱線式
空気流量センサは、熱線が一定値まで加熱された状態で
ないと正常なセンサとしての機能を発揮しないため、特
に始動時には正確な吸入空気流量を計測することができ
ない。従って、正確にエンジンが必要とする燃料流量を
演算することができないために、適切な燃料供給を行う
ことができない。また、始動時には気化した燃料と空気
の混合比(以下、単に「混合比」という。)が希薄にな
るので円滑な始動を得るためには、供給燃料の増量を行
う必要がある。始動時において混合比が希薄になるの
は、低温時には吸気管の壁面等に付着する燃料が多いこ
と、逆に高温時には燃料系に燃料蒸気が発生すること等
によるためである。
【0003】そこで、このような熱線式空気流量センサ
を用い、始動時においても最適な燃料をエンジンに供給
するための技術が、例えば特開昭57−181938号
公報に掲載されている。このような燃料供給システム
は、始動時からあらかじめ設定した設定時間(一定時
間)は熱線式空気流量センサによって測定した吸入空気
流量に拘わらず、冷却水温度によってエンジンに供給す
る燃料流量を演算するようになっている。このとき演算
される燃料流量は、円滑な始動を得るために、吸入空気
流量に基づき演算される燃料流量よりも多めに設定され
ている。そして、前記設定時間が経過した後は、熱線が
充分に加熱されているから熱線式空気流量センサによっ
て測定した吸入空気流量に基づきエンジンに供給する燃
料流量を演算するようになっている。このように、熱線
式空気流量センサが正常に作動するまでは、冷却水温度
によってエンジンに供給する燃料流量を決定することに
より、エンジンへの燃料供給を適切に行って、円滑な始
動を得ようとしている。
【0004】また、例えば特開平1−208561号公
報に記載されているもののように、始動時に用いる燃料
増量装置を設けて、スタータスイッチのオン・オフ状態
の信号及びエンジンもしくは大気の温度に基づき燃料増
量装置の制御を行い、始動時の燃料供給を最適に行うこ
とができるようにして、円滑な始動を得ようとしている
ものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たエンジンの始動時における燃料供給に関する技術に
は、次のような問題点があった。すなわち、特開昭57
−181938号公報に記載されているようなものは、
エンジンが始動したか否か拘わらずにあらかじめ設定し
た一定の設定時間が経過するまでは、エンジンに供給す
る燃料流量は冷却水温度に基づき決定される。また、こ
のとき決定される燃料流量は、円滑な始動を得るため
に、吸入空気流量に基づき決定される場合よりも多くな
っている。従って、設定時間内に熱線式空気流量センサ
が活性状態になると、その後設定時間が経過するまでは
燃料を過剰に供給することになる。また、逆に設定時間
が経過しても熱線式空気流量センサが活性状態になって
いないと燃料不足の状態になり始動できないことにな
る。このように、始動時に適切な燃料供給を行うことが
できない場合があった。
【0006】また、特開平1−208561号公報のよ
うに、スタータスイッチのオン・オフ状態の信号及びエ
ンジンもしくは大気の温度に基づき燃料増量装置の制御
を行うことにより、始動時の燃料供給を最適に行うこと
はできるが、新たに燃料増量装置を設ける必要があるた
め、燃料供給システムの構造及び制御が複雑になり、コ
ストアップを招いてしまう。
【0007】そこで、本発明は上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、コストアップを伴わずに
エンジンの始動時における燃料供給を運転状態に応じて
効率よく行い円滑な始動を得ることができるように、燃
料ポンプの出力を制御する燃料ポンプ制御装置を提供す
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1の発明によれば、エンジンの運転状態に
関する信号と前記エンジンへの供給燃料の燃料圧力に関
する信号とに基づき、前記供給燃料の燃料圧力を目標燃
料圧力に一致させるように燃料ポンプの出力を制御する
燃料ポンプ制御装置において、前記燃料ポンプの制御が
始動時制御の状態にあることを判定する始動時制御判定
手段と、前記始動時制御判定手段により前記燃料ポンプ
の制御が始動時制御であると判定された場合に、始動時
特有の前記燃料ポンプの制御を実行する始動制御手段と
を有し、前記始動制御手段は、前記燃料ポンプの駆動信
号を最大値に設定する最大駆動信号設定部と、前記エン
ジンの温度に基づき始動時の目標燃料圧力を演算する始
動時目標燃圧演算部と、前記供給燃料の燃料圧力が前記
始動時の目標燃料圧力より低い所定の圧力に達するとゼ
ロからカウントアップを始めるオーバーシュート防止カ
ウンタとを備え、前記オーバーシュート防止カウンタの
カウンタ値が所定値になるまで、前記最大駆動信号設定
部により設定された駆動信号によって前記燃料ポンプを
駆動することを特徴とする。
【0009】この燃料ポンプ制御装置では、始動時制御
判定手段により燃料ポンプの制御が始動時制御であるか
否かが判定される。この判定の結果、始動時制御である
と判定されると、始動制御手段により次に示すように燃
料ポンプが駆動される。すなわち、始動時目標燃圧演算
部によりエンジンの温度に基づき始動時の目標燃料圧力
が決定される。そして、最大駆動信号設定部により設定
された駆動信号によって燃料ポンプが最大出力で駆動さ
れる。続いて、供給燃料の燃料圧力が所定の圧力に達し
ているか否かが判別される。そして、供給燃料の燃料圧
力が所定の圧力に達していると、オーバーシュート防止
カウンタのカウントアップがゼロから開始される。この
ためには、供給燃料の燃料圧力が所定の圧力に達してい
ないときにはオーバーシュート防止カウンタをゼロクリ
アし、所定の圧力に達したらゼロクリア処理を解除して
カウントアップを開始することとすればよい。その後、
オーバーシュート防止カウンタのカウンタ値が所定値に
なると、始動制御手段による燃料ポンプの駆動を終了す
る。その後は、エンジンの運転状態に関する信号と供給
燃料の燃料圧力に関する信号とに基づき、燃料圧力が目
標燃料圧力に一致するように燃料ポンプの出力が制御さ
れる。
【0010】ここで、始動時の目標燃料圧力より低い所
定の圧力として、始動時の目標燃料圧力の約95%程度
に設定するのが望ましい。また、駆動信号の最大値によ
る燃料ポンプの駆動を終了させるオーバーシュート防止
カウンタの所定値は、燃料ポンプを駆動信号の最大値に
より駆動させた状態で、燃料圧力が前記所定の圧力から
始動時の目標燃料圧力に達するまでの時間をカウンタ値
として設定するが、その値は燃料ポンプの燃料供給能力
等により変化するため燃料ポンプの仕様により異なる。
【0011】このように請求項1の発明では、燃料ポン
プの制御が始動時制御であるときには、エンジンの温度
に基づき始動時の目標燃料圧力が設定され、さらに燃料
圧力が始動時の目標燃料圧力になるまで燃料ポンプを駆
動信号の最大値により駆動するので、始動時に必要とさ
れる燃料圧力で、しかも必要とされる燃料流量にてエン
ジンの状態に応じて素早く供給することができる。さら
に、オーバーシュート防止カウンタを有していることに
より、燃料圧力が始動時の目標燃料圧力を超えないよう
に燃料ポンプの出力を制御しているので、過剰に燃料を
供給することを防止することができる。従って、燃料ポ
ンプの出力制御のみによってエンジンの状態に応じて効
率よく燃料を供給することができる。また、燃料増量装
置を設ける必要もなくコストアップを招くこともない。
【0012】請求項2の発明によれば、請求項1に記載
する燃料ポンプ制御装置において、前記始動時目標燃圧
部による前記始動時の目標燃料圧力の演算要素が前記エ
ンジンの冷却水温度であって、前記始動時目標燃圧演算
部は、冷却水温度が常温にあるときには前記始動時の目
標燃料圧力を低く、冷却水温度が高温あるいは低温であ
るときには前記始動時の目標燃料圧力を高く設定するこ
とを特徴とする。
【0013】この燃料ポンプ制御装置では、始動時制御
判定手段により燃料ポンプの制御が始動時制御であるか
否かが判定される。この判定の結果、始動時制御である
と判定されると、始動制御手段により燃料ポンプの駆動
が制御され、始動時目標燃圧演算部によりエンジンの冷
却水温度に基づき始動時の目標燃料圧力が決定される。
このとき、始動時の目標燃料圧力は、図3に示すよう
に、冷却水温度が高温あるいは低温であるときには常温
時のときよりも高く設定される。そして、駆動信号の最
大値により燃料ポンプが駆動される。続いて、供給燃料
の燃料圧力が所定圧に達するとオーバーシュート防止カ
ウンタのカウントアップが開始され、そのカウンタ値が
所定値になると、始動制御手段による燃料ポンプの駆動
が終了する。その後は、エンジンの運転状態に関する信
号と供給燃料の燃料圧力に関する信号とに基づき、燃料
圧力が目標燃料圧力に一致するように燃料ポンプの出力
が制御される。
【0014】このように請求項2の発明では、始動時の
目標燃料圧力の演算要素としてエンジンの冷却水温度を
用い、冷却水温度が高温あるいは低温であるときには、
常温のときよりも始動時の目標燃料圧力を高く設定する
ことにより、低温時には燃料のうち吸気管壁面に付着す
る分を補うことができ、また高温時には燃料系に存在す
る燃料蒸気を液化することができ、低温始動時及び高温
始動時ともに円滑な始動を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の最適な実施の形態
として、本発明を適用した電子制御式ガソリンエンジン
の燃料系について添付図面に基づき説明する。
【0016】まず、燃料ポンプ制御装置が使用されてい
るエンジン2の燃料系の概略構成について、図1を参照
して説明していく。燃料が貯留された燃料タンク32に
は、燃料ポンプ30が付設されている。また、吸気管4
には燃料噴射弁6が設けられ、燃料噴射弁6が開弁する
ことによりエンジン2内に燃料が噴射されるようになっ
ている。さらに、吸気管4には吸気管内圧力を測定する
ための吸気圧センサ5が設置されている。また、燃料噴
射弁6への供給燃料の圧力を計測するための燃圧センサ
3が燃料レール34aに設置されている。この燃料レー
ル34aは、エンジン2の各気筒ごとに設置されている
燃料噴射弁6へ供給燃料を分配するものである。
【0017】燃料タンク32から燃料噴射弁6へ燃料を
供給するための燃料配管として、燃料ポンプ30から燃
料噴射弁6に至るまでの間に燃料供給管34と燃料レー
ル34aとが配置されている。すなわち、燃料を燃料タ
ンク32に戻すためのリターン通路、及び燃料圧力を一
定に保つプレッシャレギュレータがないリターンレス構
成になっている。そして、燃料タンク32内の燃料が燃
料ポンプ30により吸い出され、燃料供給管34に供給
される。次いで、燃料供給管34に供給された燃料は、
燃料レール34aへ供給され、ここからエンジン2の各
気筒へ分配されて燃料噴射弁6に圧送されるようになっ
ている。
【0018】そして、燃料ポンプ30の出力を制御する
ための燃料ポンプ制御装置は、エンジンコントロールユ
ニット(ECU)20内に組み込まれている。このエン
ジンコントロールユニット(ECU)20は公知のCP
UにROMやRAMが付設されたものである。このRO
Mには、CPUでの演算処理に必要なプログラム等があ
らかじめ格納されている。例えば、目標燃圧の演算に使
用するプログラム等がこの中に格納されている。一方、
RAMは、CPUで実行された演算処理の結果を一時的
に記憶し、随時読み出すためのものである。なお、燃料
ポンプ制御装置とエンジンコントロールユニット(EC
U)を別々の構成にしても良い。
【0019】また、エンジン2に取り付けられた燃圧セ
ンサ3、吸気圧センサ5、水温センサ7等の各種センサ
からの出力信号は、エンジンコントロールユニット(E
CU)20に取り込まれる。そして、エンジン2の運転
状態と運転者からの要求とから、エンジンコントロール
ユニット(ECU)20により各種の信号処理が行わ
れ、燃料噴射弁6への開弁信号や燃料ポンプ30の駆動
信号等を出力しエンジン2の燃料系における燃料圧力
(燃料流量)の制御を行っている。なお、燃料噴射弁6
への開弁信号や燃料ポンプ30の駆動信号は従来から使
用されている制御信号と同じものである。
【0020】このような構成からなる燃料系に使用され
ている燃料ポンプ制御装置における制御の処理ルーチン
について図2のフローチャートを参照しながら説明して
いく。ここに示すフローチャートでの演算処理は所定時
間ごとに繰り返し実行されている。
【0021】(ステップ(以下、「S」と記す。)1〜
S3)S1においては、エンジンコントロールユニット
(ECU)20のマイコン初期設定が行われる。これに
より、各種の演算処理に使用される数値があらかじめ設
定された初期値に設定される。S2においては、最大駆
動信号設定部により燃料ポンプ30の駆動デューティ比
が100%に設定される。S3においては、始動時の制
御状態にあることを示す始動時制御フラグがオンされ
る。すなわち、この始動時制御フラグが請求項にいう始
動時制御判定手段に相当する。なお、フローチャートで
はS1〜S3を別々の処理として表しているが、S2及
びS3の処理も初期設定の一部としてもよい。
【0022】(S4)S4においては、入力情報として
各センサやスイッチ等の信号がエンジンコントロールユ
ニット(ECU)20に取り込まれる。これらの入力情
報の取り込みは、A/D変換処理と同様に割り込み処理
により実行される。
【0023】(S5)S5においては、S4で取り込ま
れた入力情報から演算されて点火プラグに与えられる点
火信号等に基づき、エンジン2の回転数が算出される。
【0024】(S6)S6においては、燃料ポンプの制
御が始動時制御の状態にあるか否かが、始動時制御フラ
グの状態(オンかオフか)によって判定される。そし
て、始動時制御フラグがオンであれば(S6:Ye
s)、S8に進み始動時制御が実行される。一方、始動
時制御フラグがオフであれば(S6:No)、S13に
進み定常時制御が実行される。この定常時制御について
は後述するが、従来より行われている燃料ポンプの駆動
制御と同じである。なお、初回のサイクルでは、S3に
おいて始動時制御フラグはオンになっているから必ずS
6ではYesと判定されS7に進む。
【0025】(S7,S8)S7においては、冷却水温
度に基づき始動時目標燃圧が演算される。すなわち、S
4でエンジンコントロールユニット(ECU)20に取
り込まれた水温センサ7の信号から、エンジンコントロ
ールユニット(ECU)20のROMに格納された図3
に示すようなマップに基づき始動時の目標燃料圧力が演
算される。このS7の処理は、請求項にいう始動時目標
燃圧演算部の処理に相当する。そして、S8において
は、デューティ比100%に対応するポンプ電圧が燃料
ポンプ30に印加され、燃料ポンプ30が最大出力で駆
動される。これにより、燃料圧力を素早く始動時の目標
燃料圧力にすることができる。
【0026】ここで、始動時の目標燃料圧力のマップに
ついて説明する。通常の運転時における目標燃料圧力
(供給燃料流量)は、吸気管圧力とエンジン回転数とを
主とする各種センサ情報に基づき決定される。しかし、
始動時には前記したように正確な吸入空気流量を測定す
ることができないこと、及び低温時には吸気管4の壁面
等に付着する燃料が多く燃料の気化が遅れること、逆に
高温時には燃料系に燃料蒸気が発生すること等により混
合比が希薄となって始動しにくくなるために、燃料圧力
を高く(噴射量を増量)する必要がある。
【0027】そこで、本実施の形態では、始動時にエン
ジン2の状態に応じて適切な燃料を供給することができ
るように、エンジン2の冷却水温度に基づき目標燃料圧
力を演算することとしている。また、冷却水温度が低い
ときには燃料の気化を促進するために、冷却水温度が高
いときには燃料系に存在する燃料蒸気を液化するために
目標燃料圧力を高く設定している。さらに、燃料ポンプ
30を最大出力で駆動することにより、エンジン2の状
態に応じた適切な燃料圧力(供給燃料流量)を素早く得
ることができるので、非常に良好な始動を得ることがで
きる。なお、図3に示すマップにおいて始動時の目標燃
料圧力が変化する際の勾配は垂直になる場合もある。
【0028】(S9〜S11)ところで、燃料ポンプ3
0を目標燃料圧力に到達するまで最大出力で駆動して、
その後すぐに定常時制御に移行しても、実際の燃料圧力
は目標燃料圧力よりも高くなりオーバーシュートを起こ
してしまう。また、始動直後はエンジン2の運転状態が
安定していない。このため、このオーバーシュートによ
り燃料圧力に余計な変動が起こると適切な燃料供給が行
えないから、さらにエンジン2の運転状態は不安定なも
のとなり振動が大きくなるなどの問題が生じてしまう。
そこで、この問題を解決するために、オーバーシュート
防止カウンタを設けている。そして、このオーバーシュ
ート防止カウンタの処理がS9〜S11になる。
【0029】そこで、このオーバーシュート防止カウン
タについて図4を参照して説明する。図4に示すように
オーバーシュート防止カウンタは、オーバーフローガー
ド付のインクリメントカウンタである。このオーバーシ
ュート防止カウンタの加算処理は、割り込み処理により
実行される。そうすると、カウンタ値が1だけ加算され
(S20)、カウンタ値がオーバーフローしたか否かが
判定される(S21)。この判定の結果、カウンタ値が
オーバーフローしていなければ(S21:No)、1加
算した値が保持される。一方、カウンタ値がオーバーフ
ローしていれば(S21:Yes)、カウンタ値が1だ
け減算され、加算前の値が保持される(S22)。この
ようにして、カウンタ値が一定値以上にカウントアップ
されることがないようにしている。なお、本実施の形態
では、オーバーシュート防止カウンタのカウンタ値は割
込処理にて1msecごとに1回カウントアップされる
ように設定されている。
【0030】このようなオーバーシュート防止カウンタ
は、燃料ポンプ制御においては次に示すように作動す
る。S9においては、現在の燃料圧力が始動時燃料圧力
の95%に達したか否かが判定されている。そして、現
在の燃料圧力が未だ始動時燃料圧力の95%に達してい
ないと(S9:No)、オーバーシュート防止カウンタ
がゼロクリアされて(S10)、再びS4に戻りS4〜
S9までの処理が実行される。一方、現在の燃料圧力が
始動時燃料圧力の95%に達していると(S9:Ye
s)、S11においてそのカウンタ値が40msecに
達したか否かが判定される。そして、カウンタ値が未だ
40msecに達していないと(S11:No)、再び
S4に戻りS4〜S9までの処理が実行される。一方、
カウンタ値が40msecに達していると(S11:Y
es)、S12に進み始動時制御フラグがオフされる。
これにより始動時制御が終了する。
【0031】そして、S13に進み定常時制御が行われ
る。この定常時制御とは、各種センサ情報から算出した
目標燃料圧力と現在の燃料圧力(燃圧センサ3により検
出)とに基づき、燃料ポンプ30の駆動デューティ比を
算出して、このデューティ比に対応するポンプ電圧を燃
料ポンプ30に印加することにより燃料ポンプ30の出
力を調整する制御である。また、この定常時制御は、始
動時制御フラグがオフの状態に実行される燃料ポンプ3
0の駆動制御である。具体的には、現在の燃料圧力が目
標燃料圧力に一致するように、燃料ポンプ30への印加
電圧をフィードバック制御することにより燃料ポンプ3
0の出力を制御している。このようにして、定常時にお
いては、エンジン2の運転状態に見合った燃料圧力を得
ることができるので、燃料噴射弁6へ適切に燃料を供給
することができる。
【0032】以上詳細に説明したように本実施の形態の
燃料ポンプ制御装置によれば、始動時制御フラグにより
燃料ポンプ30の出力制御を始動時と通常時とを判別す
る。そして、始動時の場合には、始動時目標燃圧演算部
によりエンジン2の冷却水温度に基づき始動時の目標燃
料圧力を演算し、燃料ポンプ30を最大出力で駆動す
る。また、始動時の目標燃料圧力は冷却水温度が低いと
きには燃料の吸気管付着分を補うために、冷却水温度が
高いときには燃料系に存在する燃料蒸気を液化するため
に目標燃料圧力を高く設定している。さらに、オーバー
シュート防止カウンタを有していることにより、燃料圧
力が始動時の目標燃料圧力を超えないように燃料ポンプ
の駆動を制御している。従って、エンジン2の状態に応
じた燃料圧力を迅速かつ安定して得ることができるの
で、エンジン2の状態に応じて効率よく燃料を供給する
ことができる。よって、燃料増量装置を使用しなくて
も、エンジンを円滑に始動することが可能となる。
【0033】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が
可能であることはもちろんである。例えば、上記の実施
の形態では燃料ポンプの駆動をデューティ比によって制
御しているが、DC−DCコンバータにより燃料ポンプ
への印加電圧を調整することにより制御することも可能
である。また、エンジン回転数を点火信号から算出せず
に、クランク角センサを用いて算出することも可能であ
る。なお、目標燃料圧力に対して設定する所定値(目標
燃料圧力の95%)やカウンタ値(40msec)等に
ついて示した具体的数値は、単なる例示にすぎない。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
燃料ポンプ制御装置によれば、燃料増量装置を使用せず
にエンジンの始動時における燃料供給を運転状態に応じ
て効率よく行うことができる。すなわち、コストアップ
を伴うことなくエンジンを円滑に始動できるように燃料
ポンプの出力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料ポンプ制御装置を適用したエンジンの燃料
系の構成図である。
【図2】燃料ポンプ制御装置における制御の処理ルーチ
ンを示したフローチャートである。
【図3】始動時の目標燃料圧力のマップである。
【図4】オーバーシュート防止用カウンタにおける処理
ルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 エンジン 3 燃圧センサ 4 吸気管 5 吸気圧センサ 6 燃料噴射弁 7 水温センサ 20 エンジンコントロールユニット(燃料ポンプ制
御装置を含む) 30 燃料ポンプ 32 燃料タンク 34 燃料供給管 34a 燃料レール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの運転状態に関する信号と前記
    エンジンへの供給燃料の燃料圧力に関する信号とに基づ
    き、前記供給燃料の燃料圧力を目標燃料圧力に一致させ
    るように燃料ポンプの出力を制御する燃料ポンプ制御装
    置において、 前記燃料ポンプの制御が始動時制御の状態にあることを
    判定する始動時制御判定手段と、 前記始動時制御判定手段により前記燃料ポンプの制御が
    始動時制御であると判定された場合に、始動時特有の前
    記燃料ポンプの制御を実行する始動制御手段とを有し、 前記始動制御手段は、 前記燃料ポンプの駆動信号を最大値に設定する最大駆動
    信号設定部と、 前記エンジンの温度に基づき始動時の目標燃料圧力を演
    算する始動時目標燃圧演算部と、 前記供給燃料の燃料圧力が前記始動時の目標燃料圧力よ
    り低い所定の圧力に達するとゼロからカウントアップを
    始めるオーバーシュート防止カウンタとを備え、 前記オーバーシュート防止カウンタのカウンタ値が所定
    値になるまで、前記最大駆動信号設定部により設定され
    た駆動信号によって前記燃料ポンプを駆動することを特
    徴とする燃料ポンプ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する燃料ポンプ制御装置
    において、 前記始動時目標燃圧部による前記始動時の目標燃料圧力
    の演算要素が前記エンジンの冷却水温度であって、 前記始動時目標燃圧演算部は、冷却水温度が常温にある
    ときには前記始動時の目標燃料圧力を低く、冷却水温度
    が高温あるいは低温であるときには前記始動時の目標燃
    料圧力を高く設定することを特徴とする燃料ポンプ制御
    装置。
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