JP2004002778A - アルカリ洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ成分(A)と、窒素原子を含有しない分子量62〜250のジオール(B1)、窒素原子を含有しない分子量92〜400の3〜8価の多価アルコール(B2)および数平均分子量150〜500のポリオキシアルキレングリコール(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有成分(B)からなることを特徴とするアルカリ洗浄剤;該洗浄剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬および浸漬揺動から選ばれる1種以上の方法で洗浄することを特徴とするアルミ使用部材の洗浄方法;並びに、該洗浄方法で洗浄し、リンスした後、乾燥して得られる電子部品である。
【選択図】 なし
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、電子部品、金属部品、セラミック部品などに付着している油脂類、樹脂、パーティクルなどを除去するのに使用されるアルカリ洗浄剤、更に詳しくは液晶パネルの垂直配向ポリイミド膜(とくに半焼成膜)の剥離液として使用されるアルカリ洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アルカリ洗浄剤は中性洗浄剤に比べて、油脂類、樹脂、パーティクルなどを除去する能力にすぐれているので、電子部品、金属部品、セラミック部品などの生産現場において幅広く使用されている。しかしながら、アルカリ洗浄剤はアルミなどの非鉄金属を容易に腐蝕させるので、アルミが部品の一部または全部に使用されている電子部品などの洗浄には使用できないのが現状であった。例えば、電子部品とくに液晶パネルのポリイミド配向膜はこれまで水平配向タイプであったが、広視野角の液晶パネルの要望が強くなるにつれて垂直配向タイプのポリイミド配向膜が増える趨勢にある。水平配向タイプのポリイミド配向膜ガラス基板は完全焼成(焼成温度:約180℃)前の半焼成状態(約80℃で脱溶剤した半硬化膜)であれば、その不具合品はN−メチルピロリドンなどの溶剤でアルミ薄膜(配線)を腐蝕することなく配向膜を剥離できるが、垂直配向タイプのポリイミド配向膜の場合には、該半焼成状態であっても溶剤ではポリイミド配向膜(半焼成)を剥離できないので、アルカリ洗浄剤を使用して配向膜剥離を行っている。その際、ガラス基板のアルミ薄膜(配線)は腐蝕するのでアルミ薄膜部分をワックスなどで保護して洗浄し、次に炭化水素などの溶剤でワックス除去して基板を再生させるか、配向膜と同時にアルミ薄膜を完全に剥離・溶解させてからガラス基板だけを再生させる方法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐アルミ腐蝕性に優れた新規な洗浄剤、洗浄方法および洗浄された電子部品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明はアルカリ成分(A)と、窒素原子を含有しない分子量62〜250のジオール(B1)、窒素原子を含有しない分子量92〜400の3〜8価の多価アルコール(B2)および数平均分子量150〜500のポリオキシアルキレングリコール(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有成分(B)からなることを特徴とするアルカリ洗浄剤;該洗浄剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬および浸漬揺動から選ばれる1種以上の方法で洗浄することを特徴とするアルミ使用部材の洗浄方法;並びに、該洗浄方法で洗浄し、リンスした後、乾燥して得られる電子部品である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明における(A)としては、(A1)金属水酸化物[アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、アルカリ土類金属水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウムなど)]、(A2)炭酸塩[アルカリ金属塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属塩(炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなど)]、(A3)リン酸塩[アルカリ金属塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムなど)、アルカリ土類金属塩(ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸バリウム、トリポリリン酸カルシウム、トリポリリン酸マグネシウム、トリポリリン酸バリウムなど)]、(A4)ケイ酸塩[アルカリ金属塩(ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなど)、アルカリ土類金属塩(ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸バリウムなど)]、(A5)アンモニア、(A6)ヒドロキシルアミン、(A7)下記一般式(1)で表される有機アルカリおよびこれらの混合物などが挙げられる。
【0006】
【化3】
【化4】
〔式中、R1は炭素数1〜24の炭化水素基、R2、R3およびR4は、それぞれH、炭素数1〜24の炭化水素基または一般式(2)で表される基であり、R5は炭素数2〜4のアルキレン基、pは1〜6の整数を表す。〕
【0007】
一般式(1)において、R1としては、直鎖もしくは分岐の飽和または不飽和炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香環含有炭化水素基などが挙げられる。直鎖もしくは分岐の飽和炭化水素基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、n−、i−、sec−およびt−ブチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、オクタデシル基など);直鎖もしくは分岐の不飽和炭化水素基としては、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基など);脂環式炭化水素基としては、シクロアルキル基(シクロヘキシル基など)など;芳香環含有炭化水素基としては、アリール基(フェニル基、ナフチル基など);アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基など);アルキルアリール基(メチルフェニル基、エチルフェニル基、ノニルフェニル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基など)等が挙げられる。これらの炭化水素基の中では、洗浄性の観点から好ましいのはアルキル基、アルケニル基である。
【0008】
R1の炭素数は、通常1〜24であり、好ましくは1〜14である。R1の炭素数が24を超えると洗浄性(または剥離性、以下同じ)が悪くなる。R2、R3およびR4は、Hまたは炭素数1〜24の炭化水素基であり、炭化水素基としては、R1と同じものが挙げられる。R2、R3およびR4の炭素数が24を超えると洗浄性が悪くなる。
一般式(2)において、R5としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数2〜4のアルキレン基が挙げられる。R5の炭素数が4を超えると洗浄性が悪くなる。pは1〜6(好ましくは1〜3)の整数であり、pが6を超えると洗浄性が悪くなる。
【0009】
(A7)有機アルカリの具体例としては、少なくとも1個の炭化水素基が窒素原子に結合した下記▲1▼〜▲5▼のカチオンと、ハイドロオキサイドアニオンとの塩およびこれらの混合物が挙げられる。
【0010】
▲1▼炭化水素基を4個含む4級アンモニウムカチオン
炭素数1〜6のアルキル基を4個含むテトラハイドロカルビルアンモニウム[例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n−またはi−)プロピルアンモニウム、テトラ(n−、i−またはt−)ブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウムなど];炭素数1〜6のアルキル基を3個含むテトラハイドロカルビルアンモニウム[例えば、トリメチルへプチルアンモニウム、トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルへキシルアンモニウム、トリエチルオクチルアンモニウム、トリエチルステアリルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリブチルオクチルアンモニウム、トリへキシルステアリルアンモニウムなど];炭素数1〜6のアルキル基を2個含むテトラハイドロカルビルアンモニウム[例えば、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジエチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジベンジルアンモニウムなど]、炭素数1〜6のアルキル基を1個含むテトラハイドロカルビルアンモニウム[例えば、メチルトリオクチルアンモニウム、エチルトリオクチルアンモニウム、メチルオクチルジベンジルアンモニウムなど]など
【0011】
▲2▼炭化水素基を3個含む3級アミンカチオン
炭素数1〜6のアルキル基を3個含むトリハイドロカルビルアミンカチオン[例えば、トリメチルアミンカチオン、トリエチルアミンカチオン、トリブチルアミンカチオンなど];炭素数1〜6のアルキル基を2個含むトリハイドロカルビルアミンカチオン[例えば、ジメチルオクチルアミンカチオン、ジメチルステアリルアミンカチオン、ジエチルオクチルアミンカチオン、ジブチルオクチルアミンカチオン、ジメチルベンジルアミンカチオンなど];炭素数1〜6のアルキル基を1個含むトリハイドロカルビルアミンカチオン[例えば、メチルジオクチルアミンカチオン、エチルジオクチルアミンカチオン、メチルオクチルベンジルアミンカチオンなど]など
【0012】
▲3▼炭化水素基を2個含む2級アミンカチオン
炭素数1〜6のアルキル基を2個含むジハイドロカルビルアミンカチオン[例えば、ジメチルアミンカチオン、ジエチルアミンカチオン、ジブチルアミンカチオン、ジへキシルアミンカチオンなど];炭素数1〜6のアルキル基を1個含むジハイドロカルビルアミンカチオン[例えば、メチルオクチルアミンカチオン、エチルオクチルアミンカチオン、ブチルオクチルアミンカチオン、へキシルオクチルアミンカチオン、メチルステアリルアミンカチオン、メチルベンジルアミンカチオン、エチルベンジルアミンカチオンなど]など
▲4▼炭化水素基を1個含む1級アミンカチオン
モノハイドロカルビル(炭素数1〜6)アミンカチオン、例えばメチルアミンカチオン、エチルアミンカチオン、ブチルアミンカチオン、ヘキシルアミンカチオンなど
【0013】
▲5▼オキシアルキレン基を含むカチオン
(i)オキシアルキレン基を1個有するカチオン[例えば、ヒドロキシエチルトリメチルアミンカチオン、ヒドロキシエチルトリエチルアミンカチオン、ヒドロキシプロピルトリメチルアミンカチオン、ヒドロキシプロピルトリエチルアミンカチオン、ヒドロキシエチルジメチルエチルアミンカチオン、ヒドロキシエチルジメチルオクチルアミンカチオンなど]
(ii)オキシアルキレン基を2個有するカチオン[例えば、ジヒドロキシエチルジメチルアミンカチオン、ジヒドロキシエチルジエチルアミンカチオン、ジヒドロキシプロピルジメチルアミンカチオン、ジヒドロキシプロピルジエチルアミンカチオン、ジヒドロキシエチルメチルエチルアミンカチオン、ジヒドロキシエチルメチルオクチルアミンカチオン、ビス(2−ヒドロキシエトキシエチル)オクチルアミンカチオンなど]
(iii)オキシアルキレン基を3個有するカチオン[例えば、トリヒドロキシエチルメチルアミンカチオン、トリヒドロキシエチルエチルアミンカチオン、トリヒドロキシエチルブチルアミンカチオン、トリヒドロキシプロピルメチルアミンカチオン、トリヒドロキシプロピルエチルアミンカチオン、トリヒドロキシエチルオクチルアミンカチオンなど]
【0014】
アルカリ成分(A)のうち、洗浄性とリンス性の観点から、好ましいのは(A1)および(A7)である。
(A1)のうち洗浄性の観点から好ましいのは、アルカリ金属水酸化物、更に好ましいのは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。
(A7)のうち、洗浄性とリンス性の観点から好ましいのは、上記▲1▼および▲2▼の塩、さらに好ましいのは▲1▼の塩、特に好ましいのは炭素数1〜6のアルキル基を4個含むテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、最も好ましいのはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドである。
上記化合物は、混合物として使用することもできる。
【0015】
本発明における(B)としては、窒素原子を含有しない分子量62〜250、のジオール(B1)、窒素原子を含有しない分子量92〜400の3〜8価の多価アルコール(B2)、分子中にオキシアルキレン基(炭素数2〜3)を2個以上有する数平均分子量[以下Mnと略記、測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による]150〜500のポリオキシアルキレングリコール(B3)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】
(B1)としては、アルカンジオール(炭素数2〜8のアルカンジオール:エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、脂環式ジオール(炭素数6〜15のジオール:シクロヘキサン−1,2−、1,3−および1,4−ジオール、シクロペンタン−1,2−および1,3−ジオール、水素添加ビスフェノールAなど)、並びに分子中にエーテル基を1個有するジオール(ジエチレングリコールおよびジプロピレングリコールなど)が挙げられる。(B1)の分子量は好ましくは62以上150未満である。
【0017】
(B2)としては、3〜8価の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、キシリトール、ソルビトール、シュークロースなど)、並びにこれらのアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加物(付加モル数1〜7モル)などが挙げられる。
【0018】
(B3)としては、(B1)のアルキレンオキシド(炭素数2〜3)付加物(付加モル数1〜10モル)、例えばトリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール(数平均分子量400)、ポリオキシエチレン/プロピレン(ランダム付加および/またはブロック付加)グリコールなどが挙げられる。
【0019】
(B)の中では、洗浄性と耐腐蝕性の観点から好ましいのは、(B1)のうちのアルカンジオールおよび分子中にエーテル基を1個有するジオール、(B2)のうちの3〜8価の脂肪族多価アルコール、並びに(B3)のうちのトリエチレングリコールおよびテトラエチレングリコールであり、さらに好ましいのはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンおよびトリエチレングリコールである。
【0020】
本発明の洗浄剤における(A)および(B)の含有量は、洗浄性と耐腐蝕性の観点から、洗浄剤の全重量に基づいて、(A)は好ましくは0.2〜20%、さらに好ましくは0.5〜10%であり、(B)は好ましくは5〜99.8%、さらに好ましくは20〜85%である。また、(A)と(B)の重量比は洗浄性と耐腐蝕性の観点から好ましくは1/99〜50/50、さらに好ましくは2/98〜30/70である。
【0021】
本発明の洗浄剤には、必要によりさらに界面活性剤(C)、親水性溶剤(D)、他の添加剤(E)および/または水を加えることができる。
界面活性剤(C)としては、非イオン界面活性剤(C1)、アニオン界面活性剤(C2)、カチオン界面活性剤(C3)、両性界面活性剤(C4)およびこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
(C1)としては、例えば、アルキレンオキシド付加型非イオン界面活性剤[高級アルコール(炭素数8〜18)、アルキルフェノール(炭素数10〜24)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド[炭素数2〜4、例えばエチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、以下同じ]を付加させたもの(分子量158〜Mn200,000);ポリオキシアルキレングリコール(分子量150〜Mn6,000)に高級脂肪酸(炭素数12〜24)などを反応させたもの;ジオール[前記(B1)として例示したもの]または多価アルコール[前記(B2)として例示したもの]などの水酸基含有化合物に高級脂肪酸(炭素数12〜24)を反応させて得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量250〜Mn30,000)、高級脂肪酸(炭素数8〜24)アミドにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量200〜Mn30,000)、多価アルコール(前記のもの)アルキル(炭素数8〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量120〜Mn30,000)など]、および多価アルコール(炭素数3〜20)型非イオン界面活性剤[多価アルコール脂肪酸(炭素数8〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数8〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数8〜60)アルカノールアミドなど]などが挙げられる。
【0023】
(C2)としては、例えば、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩など]、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステル塩など)など]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪族アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。
上記の塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20)塩およびアルカノールアミン(炭素数2〜12、例えばモノー、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
【0024】
(C3)としては、第4級アンモニウム塩型[テトラアルキル(炭素数4〜100)アンモニウム塩、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド;トリアルキル(炭素数3〜80)ベンジルアンモニウム塩、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム);アルキル(炭素数2〜60)ピリジニウム塩、例えばセチルピリジニウムクロライド;ポリオキシアルキレン(炭素数2〜4)トリアルキルアンモニウム塩、例えばポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド;サパミン型第4級アンモニウム塩、例えばステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェート]、アミン塩型[脂肪族高級アミン(炭素数12〜60、例えばラウリルアミン、ステアリルアミン、セチルアミン、硬化牛脂アミン、ロジンアミンなど)の無機酸(塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸など)塩または有機酸(炭素数2〜22、例えば酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、オレイン酸、安息香酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸)塩;低級アミン(炭素数1〜11)の高級脂肪酸(炭素数12〜24、例えばステアリン酸、オレイン酸)塩;脂肪族アミン(炭素数1〜30)のEO付加物などの無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩;3級アミン類(トリエタノールアミンモノステアレート、ステアラミドエチルジエチルメチルエタノールアミンなど)の無機酸(前記のもの)塩または有機酸(前記のもの)塩など]などが挙げられる。
【0025】
(C4)としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸ナトリウムなど]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど]、硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステルナトリウム塩、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルナトリウム塩など]、スルホン酸塩型両性界面活性剤(ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸など)、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。
【0026】
(C1)〜(C4)の中では、洗浄性と耐腐蝕性の観点から好ましいのは(C1)、(C2)、さらに好ましいのは(C1)である。(C)の使用量は、洗浄剤の全重量に基づいて、通常30%以下、好ましくは1〜20%である。
【0027】
親水性溶剤(D)としては、20℃における水に対する溶解度(g/100gH2O)が3以上であって、分子中に水酸基を1個有するもしくは水酸基を有しない水溶性グリコールエーテル類(D1)、および水溶性アミド(D2)が挙げられる。
【0028】
(D1)としては、
(D11);エチレングリコールのアルキル(炭素数1〜4)エーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノエチルエーテル、
(D12);ジエチレングリコールのアルキル(炭素数1〜4)エーテル、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテル、
(D13);モノもしくはジプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールのアルキル(炭素数1〜4)エーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテル、
(D14);その他のグリコールエーテル類、例えば3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、
(D15);(D11)のアルキル(炭素数1〜4)エステル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
(D16);(D12)のアルキル(炭素数1〜4)エステル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、
(D17);(D13)のアルキル(炭素数1〜4)エステル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートおよびトリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、
(D18);(D14)のアルキル(炭素数1〜4)エステル、例えば3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノールアセテート、が挙げられる。
(D1)の中では、洗浄性、リンス性および耐腐蝕性の観点から、好ましいのは(D12)、(D13)、(D14)および(D18)である。さらに好ましいのは、(D12)のうちのジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテル、(D14)並びに(D18)である。
【0029】
(D2)としては、2−ピロリドンおよびN−アルキル(炭素数1〜3)−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらのうち、洗浄性とリンス性の観点から好ましいのはN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−n−プロピル−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、および更に好ましいのはN−メチル−2−ピロリドンである。(D1)、(D2)は1種または2種以上の併用の何れでもよい。(D)のうち好ましいのは(D2)である。
(D)の使用量は、洗浄剤の全重量に基づいて、洗浄性、リンス性および耐腐蝕性の観点から、好ましくは30%以下、さらに好ましくは1〜20%である。
【0030】
水の使用量は、洗浄剤の全重量に基づいて、洗浄性、リンス性および耐腐蝕性の観点から、好ましくは94.8重量%以下、さらに好ましくは1〜60重量%、特に好ましくは2〜30重量%である。
【0031】
(E)としては、防錆剤[アミン(炭素数6〜30、例えばシクロヘキシルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミンなど)のEO(2〜10モル)付加物、クロム酸塩、亜硝酸塩、アミン(炭素数6〜30)の高級脂肪酸(炭素数8〜30)塩、ジカルボン酸(炭素数12〜24)のアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、ジカルボン酸(炭素数12〜24)のアルカノールアミド(例えば、ドデセニルコハク酸ジエタノールアミド)、ジカルボン酸(炭素数12〜24)のアルカノールアミドアルカリ金属塩(例えば、ドデセニルコハク酸ジエタノールアミドナトリウム塩)など]、酸化防止剤[フェノール化合物(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなど)、含硫化合物(ジラウリルチオジプロピオネートなど)、アミン化合物(オクチル化ジフェニルアミンなど)、リン化合物(トリフェニルホスファイトなど)など]、金属イオン封鎖剤(エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなど)などが挙げられる。(E)の使用量は、洗浄剤の全重量に基づいて、防錆剤は通常20%以下、好ましくは0.5〜10%、酸化防止剤は通常5%以下、好ましくは0.1〜1%、金属イオン封鎖剤は通常20%以下、好ましくは0.5〜10%である。
【0032】
本発明の洗浄剤の25℃における粘度は、通常2〜300mm2/s、洗浄性およびリンス性の観点から、好ましくは3〜100mm2/s、更に好ましくは4〜50mm2/sである。粘度はオストワルド、ウベローデなどの粘度計にて測定できる。
本発明の洗浄剤のpH(10%水溶液)は通常10〜14、洗浄性および耐腐蝕性の観点から、好ましくは10.5〜13.5である。
【0033】
本発明の洗浄剤が適用できる用途は特に限定はなく、アルミが部品の一部または全部に使用されている電子部品などの洗浄用として幅広く用いることができる。例えば液晶パネル用ガラス基板(配向膜パターン化の前の洗浄、不具合配向膜の剥離洗浄)、プリント基盤、プラズマディスプレイガラス基板、サーマルヘッドなどの電子部品、エアコン冷却フィン、空気清浄機アルミ電極板、電気カミソリ刃などの電気部品、アルミ建材等が挙げられる。また、洗浄の対象物(汚れ)は、油分、指紋、樹脂、有機パーティクルなどの有機物、無機パーティクル(例えば、ガラス粉、セラミック粉、金属粉など)などの無機物が挙げられる。本発明の洗浄剤はこれらのうち、とくに、液晶パネル用ガラス基板の洗浄(配向膜を薄膜化する前のガラス基板の洗浄、配向膜が不具合となったガラス基板の洗浄)に好適に用いることができる。
【0034】
本発明の洗浄剤を用いて、例えば液晶パネル用ガラス基板の配向膜を剥離洗浄する方法としては、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬、浸漬揺動およびこれらの組み合わせによる洗浄方法が適用できる。洗浄温度は、通常10〜70℃、好ましくは15〜60℃程度である。洗浄時間は通常0.2〜120分、好ましくは0.5〜30分である。水によるリンス温度は、通常5〜90℃、好ましくは10〜70℃であり、リンス方法としては上記洗浄方法と同じ方法が適用できる。リンス後通常50〜150℃、好ましくは60〜100℃で通常1〜120分間、好ましくは3〜60分間加熱乾燥することにより清浄な液晶パネル用ガラス基板が得られ、再生使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下において部および%は重量部および重量%を示す。
はじめに、実施例および比較例で用いた洗浄剤成分の組成、洗浄試験、並びに腐蝕試験方法を示す。
【0036】
1.洗浄剤成分の組成
【0037】
2.配向膜剥離性
ガラス基板上に予め形成されたITO膜(インジウム・スズ酸化膜)の上にポリイミド樹脂を塗布し、80℃で焼き付けることにより半焼性の垂直配向ポリイミド膜(膜厚1μm)が密着したガラス基板試験片(25×25mm、厚さ0.75mm)を作成し、洗浄剤(25℃)に所定時間浸漬後、試験片をステンレス網かごの上に置きイオン交換水で1分間シャワーリンスし、さらに裏側の面についても同様にリンスした。次に、試験片を70℃の循風乾燥機中で10分間乾燥後、顕微鏡で観察して配向膜剥離性を次の5段階で評価した。
【0038】
3.腐蝕性
アルミ薄膜(膜厚0.1μm)が密着したガラス基板試験片(25×25mm、厚さ0.75mm)を洗浄剤(25℃)に所定時間浸漬し、アルミ薄膜が完全になくなり試験片が透明になるまでの時間を測定して腐蝕時間とした。腐蝕時間が長いほど耐腐蝕性がよい。
【0039】
実施例1〜13、比較例1〜3
表1、2に洗浄剤の配合処方と性能評価結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
表1の比較例1に示されるように、剥離溶剤(N−メチル−2−ピロリドン:半焼成水平配向ポリイミド膜用剥離溶剤)だけでは半焼成垂直配向ポリイミド膜は剥離できない。また、比較例2に示したように本溶剤にアルカリ剤を併用すれば配向膜剥離性は良好となるが、耐腐蝕性は極端に悪くなり(腐蝕時間は3分)、防錆剤を加えても耐腐蝕性はそれほど改善されず(比較例3)、実使用に耐えない。
表1、2に記載の本発明の洗浄剤(実施例1〜13)は、1〜2分で半焼成垂直配向ポリイミド膜が剥離でき、しかも腐蝕時間が2時間以上と耐腐蝕性が非常に良好であり、問題なく実使用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の洗浄剤は、耐アルミ腐蝕性に優れているため、例えば液晶パネル用ガラス基板のアルミ配線、カラーフィルター部材にダメージを与えずに半焼成垂直配向ポリイミド膜を短時間に剥離・洗浄できる。したがって、配向膜剥離洗浄工程(ガラス基板再生工程)において従来のガラス基板の再生だけでなく、アルミ配線、カラーフィルター部材も同時に再生使用できる。
また、本発明の洗浄剤は、油分、指紋、樹脂およびパーティクルを除去する能力にも優れているので、液晶パネル用ガラス基板などの電子部品用途だけでなく、電気部品、金属部品、建材等の用途に適用が可能であり極めて有用性が高い。
Claims (9)
- アルカリ成分(A)と、窒素原子を含有しない分子量62〜250のジオール(B1)、窒素原子を含有しない分子量92〜400の3〜8価の多価アルコール(B2)および数平均分子量150〜500のポリオキシアルキレングリコール(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有成分(B)からなることを特徴とするアルカリ洗浄剤。
- (A)が、テトラアルキル(炭素数1〜4)アンモニウムハイドロオキサイドである請求項1記載の洗浄剤。
- (B)が、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリンおよびトリエチレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種の水酸基含有成分である請求項1〜3いずれか記載の洗浄剤。
- さらに、界面活性剤(C)、親水性溶剤(D)、その他の添加剤(E)および/または水を加えてなる請求項1〜4いずれか記載の洗浄剤。
- 洗浄剤の全重量に基づく水の量が2〜30%である請求項1〜5いずれか記載の洗浄剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の洗浄剤を用いて、超音波洗浄、シャワー洗浄、スプレー洗浄、浸漬および浸漬揺動から選ばれる1種以上の方法で洗浄することを特徴とするアルミ使用部材の洗浄方法。
- アルミ使用部材が電子部品である請求項7記載の洗浄方法。
- 請求項7記載の洗浄方法で洗浄し、リンスした後、乾燥して得られる電子部品。
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