JP2003500546A - 銅スパッター用ターゲットアセンブリー及びその製造方法 - Google Patents

銅スパッター用ターゲットアセンブリー及びその製造方法

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JP2003500546A JP2001500014A JP2001500014A JP2003500546A JP 2003500546 A JP2003500546 A JP 2003500546A JP 2001500014 A JP2001500014 A JP 2001500014A JP 2001500014 A JP2001500014 A JP 2001500014A JP 2003500546 A JP2003500546 A JP 2003500546A
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カードカス,ジャニン・ケイ
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パーフェニウク,クリストファー・エル
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ジョンソン・マッセイ・エレクトロニクス・インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 記載されるものは、析出硬化されたアルミニウムアロイの支持板に、CuCrアロイの中間層を経由して拡散結合された高純度銅のスパッター用ターゲットアセンブリーであり、そしてここにおいて銅は、Ag、Su、Te、In、Mg、B、Bi、Sb及び/又はPの少なくとも一種のマイクロアロイ添加物を含む。更に開示されるもには、高純度銅に添加するためのマスターアロイの調製、並びに安定な微細粒子のターゲットのマイクロ構造を持つ、スパッター用ターゲットアセンブリーを製造するための、製作、熱処理及び拡散結合の工程を含む方法である

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
集積回路において使用される相互接合体(interconnects) は、一般的にアルミ
ニウムで製造されているが、しかしアルミニウムは高速半導体装置には不充分で
ある。アルミニウムの抵抗率並びにその電子移動性は、このような適用における
その使用を限定しかつ制約する。本発明は、約0.18μm又はそれ未満の配線
幅の要求値を有しかつ1200MHzの時計速度 (clock speeds) で半導体装置
に使用される集積回路に使用される相互接続体として、高純度銅を使用すること
を企図している。相互接続配線は、スパッター用ターゲットアセンブリーから高
純度銅をスパッターすることによって製造される。 先に記載したように、非常に小さい配線幅を製造するために、スパッター用タ
ーゲットは、高純度銅、即ち少なくとも99.999重量%の純度(5N銅と呼
ばれる)、そして好ましくは99.9999重量%の銅(6N銅と呼ばれる)で
なければならないことが分かった。純度は、高速度の目的を達成することができ
るように銅配線の低い抵抗率を維持するのに重要である。更に、純度は、電子移
動の抵抗にも影響し得る。
【0002】 スパッター用ターゲットが、微小で実質的に均一な粒度、好ましくは約50μ
m又はそれ未満の粒度を有することが好ましいことが分かった。微小な粒度は、
堆積中に均一な膜厚を達成する助けとなり、ターゲットをより早くスパッターす
ることを可能にし、そして基板、即ちウェハー上の粒子の問題がより少なくする
ように見受けられる。本発明によれば、ターゲットが、軽量で高強度の支持板に
拡散結合 (diffusion bond) されることも重要である。ターゲットが大きくなる
と、特に直径300mmのシリコンウェハーのために設計されるものは、ターゲ
ットの重量が、有意な操作上の因子となる。技術的には、ターゲットの一部が消
費されるだけであるために、スパッター用ターゲットの表面の厚みを減少させる
ことは可能である。然しながら、この可能性の利益を利用するためには、スパッ
ター用ターゲット表面の薄さが、ターゲットアセンブリーを使用中に歪ませない
ことを条件として、より薄いターゲットブランクを軽量の支持板に結合すること
が必要である。ターゲットの歪みは、一貫しない堆積並びに粒子発生をもたらし
得る。従って、支持板は、軽量であることに加えて、強固かつ強靭であることが
重要である。本発明は、これらの目的を、析出硬化された (precipitation hard
ened) アルミニウム支持板に拡散結合された高純度銅ターゲットを含んでなるス
パッター用ターゲットアセンブリーを提供することによって達成する。ターゲッ
トを支持板に結合するために拡散結合を使用することによって、望ましくないは
んだ付けの必要を回避することが可能である。はんだ付けが望ましくないのは、
スパッターに必要な温度がしばしばターゲットのはんだ付け部分を溶融するほど
に充分に高くなり、更には、発生する熱が、長期間の使用後にターゲット中の粒
子成長を継続させる可能性を有するからである。
【0003】
【発明の要旨】
本発明によれば、高純度銅ターゲット、析出硬化されたアルミニウムアロイの
支持板、並びにそのターゲットとその支持板に拡散結合されたCuCrの中間層
を含んでなるスパッター用ターゲットアセンブリーが提供される。望ましくは、
そのアルミニウムは、完全硬化のT6状態であり、そしてそのスパッター用ター
ゲットは、少なくとも約99.999重量%の純度の銅を含んでなる。スパッタ
ー用ターゲットは、更に、Ag、Sn、Te、In、Mg、B、Bi、Sb、及
びPの少なくとも一種を含んでなるマイクロアロイ粒子安定剤を含有する。その
安定剤は、好ましくは約0.3ppm〜10ppmの量で存在する。中間CuC
rは、銅及び約0.5〜1.5重量%、好ましくは約1%のCrを含んでなる。
この高純度銅ターゲットは、約50μm以下の実質的に均一な粒度を有する。
【0004】 本発明の別の態様において、少なくとも約99.999重量%の純度の高純度
銅ターゲットを提供することを含んでなるスパッター用ターゲットアセンブリー
を製造する方法が提供される。銅と約10ppm以下の先に記載した少なくとも
一種のマイクロアロイ粒子安定剤とのマスターアロイを調製し、その高純度銅と
そのマスターアロイの溶融混合物を調製し、そしてその溶融混合物を固化して、
鋳造ビレットを製造し;その鋳造ビレットを各軸方向に合計で少なくとも約50
%の変形のために熱変形してから、その変形されたビレットを好ましくは水中で
急冷し;その急冷されたビレットをそのビレットの開始時の長さの約70%まで
高温で無摩擦鍛造して、好ましくは水中で急冷し;合計で約90%の変形まで冷
間圧延し;拡散結合されたCuCrの予備被着性表面を有するアルミニウムアロ
イの支持板を製造し;高純度銅ターゲットをその予備被着CuCrの表面に拡散
結合し;そしてそのアルミニウムアロイ支持板を完全硬化のT6状態まで析出硬
化させる。
【0005】 好ましくはマスターアロイは、主となる量の高純度銅と、微量のマイクロアロ
イ安定剤であるAg、Sn、Te、In、Mg、B、Bi、Sb、及びPの少な
くとも一種とを混合し、その混合物を溶融し、そして鋳造してマスターアロイを
製造することによって調製される。好ましい態様において、マスターアロイは、
高純度銅とマイクロアロイ安定剤の少なくとも一種とを、約1,000対1の比
で混合することによって形成される。
【0006】 拡散結合されたCuCrの予備被着表面を有する支持板は、好ましくは、Cu
とCrとのアロイをアルミニウム又はアルミニウムアロイエンベロープ中に埋封
し、そして真空環境中で閉じたエンベロープを電子ビーム溶接し;その閉じられ
たエンベロープを熱処理し、そしてそのCuCrをアルミニウムアロイと緊密に
接触するように鍛造し、次いで熱処理してそのアルミニウムアロイ中の硬化性元
素を拡散アニーリングして溶体化し、急冷し、そしてその後、そのアルミニウム
アロイエンベロープを除去して、そのCuCr表面を露出し、そしてそのアルミ
ニウムアロイを完全硬化のT6状態まで析出硬化することを含んでなる方法によ
って製造される。 本発明によるスパッター用ターゲットは、0.18ミクロン又はそれ未満の幅
を有し、そして少なくとも約99.999重量%の純度の銅、好ましくは少なく
とも約99.9999重量%の純度の銅を含んでなる集積回路で使用するための
相互接続体を製造するために使用することができる。
【0007】
【詳しい説明】
先に説明したように、例えば少なくとも99.999重量%の純度の高純度銅
は、集積回路で使用するための高純度銅の相互接続体を製造するのに特に有用で
ある。粒度及び粒子成長の制御は、99.999重量%を超える純度水準及び非
アロイ化物質を含有するものについては非常に難しい。更に、銅は、材料全体に
散在する少数の粒子が母材よりかなり速く成長する、異常粒子成長効果を受け易
い。粒子が成長するにつれて、これらは、その全体構造が非常に大きい粒度、し
ばしば250μmを超える粒度になるまで、より小さい母材粒子を消費する。異
常粒子成長の開始についての臨界温度はあるが、不運にも、この臨界温度は拡散
結合に必要とされる最低温度より高いことが多い。
【0008】 目標とする粒子構造を不安定化しないように、低い拡散結合温度を使用するこ
とが好ましいかも知れないが、高純度銅は、これら状態を生き残らせるだけの固
有の温度安定性を持っていないので、使用された場合、弱い結合強さ、即ち、約
280kg/cm3 (4000psi)より低い結合強さとなる。また、低温結
合技術は、スパッター工程中に発っせられる熱の中でターゲットのマイクロ構造
を安定化することに何の役にも立たない。 選択されたアロイ化元素をppm及びppm以下の濃度で使用することで、高
純度銅ターゲットのマイクロ構造を充分に安定化し、大量の熱を発生する高電力
スパッター条件下でも拡散結合を可能にしかつ粒子の成長を防止することができ
ることが見出された。然しながら、ppm及びppm以下の濃度で制御しながら
アロイ化することは難しい。本発明は、マイクロアロイ化安定剤の量を正確に制
御しながらマスターアロイを使用することでこの問題を解決する。アロイ化元素
の量は、銅の全体抵抗率と干渉しないように充分に低い濃度にされる。構造の安
定化は、拡散結合工程中の温度パラメーターにある程度の許容範囲を与え、これ
によって、例えば、約280kg/cm3 (4000psi)より大きい機械的
に強い結合と共に高い剛性の支持板を提供するのに充分な温度窓を可能にする。
【0009】 ターゲットを製造するために使用される熱機械的加工は、最終的な粒度及び均
一さに大きい影響を有する。変形工程は、存在する粒子をその大きさ及び方向性
に関わらず破砕することが可能でなければならない。鋳造ビレットの三つの軸方
向の全てにおいて、大きい変形が必要である。不十分な変形を起こす正しくない
変形工程は、ある程度の鋳造されたばかりの粒子構造を、部分的に又は完全に再
結晶化されたより大きい粒子として最終構造中に残すことになる。このような大
粒子域は、ターゲットのスパッター性能を阻害することがある。正しい変形手順
は、ターゲット中に微細な粒子と実質的に均一な構造をもたらすことになる。
【0010】 本発明のスパッター用ターゲットアセンブリーを製造するために、高純度銅タ
ーゲットが、析出硬化されたアルミニウムアロイの支持板に、高純度銅ターゲッ
トとアルミニウムの支持板の間の中間CuCr中間層の使用によって拡散結合さ
れる。これは、いくつかの独特の特性を持つ最終的な結合されたターゲットアセ
ンブリーを提供する。第1に、高純度銅ターゲットの粒子の大きさは小さい、例
えば約50μm未満のままであり、そして実質的に均一である。即ち、異常な粒
子の成長がない。第2に、析出硬化された支持板の強度は、完全硬化のT6状態
であり、これは大きくて薄い平面状スパッター用ターゲットにとって重要な要件
である。この技術は、2000、6000又は7000シリーズのアロイのよう
な析出硬化可能なAlアロイで使用されることができる。5000シリーズのよ
うな析出硬化不能なアロイに拡散を達成することも可能であるが、その支持板は
、完全硬化の状態を達成しないものであり、6061アロイが最も普通のグレー
ドである。 記載されたCuCrアロイに加えて、本発明の方法に使用することができる多
くの商業的なCuアロイがある。これらのアロイは、以下の表に含まれる:
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】 本発明による高純度スパッター用ターゲットアセンブリーの製造方法の一つの
例において、少なくとも約99.999重量%の純度、好ましくは少なくとも約
99.9999重量%の高純度銅ターゲットが提供される。高純度Cuターゲッ
トは、超高純度の電解精製銅カソード電極板の固化を含む鋳造工程によって製造
されることができる。カソード電極板は、精製工程からの残留化学薬品を燃焼さ
せるために溶融される。周囲からの表面の水分も更に溶融中に除去され、そして
溶融物は充分に高い温度に保持されて、金属中に捕獲された酸素及び硫黄のよう
なガス及び揮発性物質の大部分が金属から除去されることを可能にする。次いで
金属は、坩堝中で固化させられる。
【0014】 銅鋳造の重要な工程は、マスターアロイを調製することである。純粋な銅の再
結晶化温度を上げる能力を有する多くのアロイ化元素があるが、必要とするアロ
イ化の水準は、典型的には1000ppmより高いと考えられてきた。然しなが
ら、本発明によれば、再結晶化温度の有意な増加が、より少ない量、即ち約10
ppm未満、又は更にppm以下の濃度の選択されたアロイ化元素の添加で達成
できることが見出されたが、可能性のあるアロイ化元素は、金属の抵抗率に干渉
しないように選択されなければならない。この規準に合致するアロイ化元素は、
制約されるものではないが、Ag、Sn、Te、In、Mg、B、Bi、Sb、
及びPを含む。例として、銀は、拡散結合の間の粒子構造の安定剤として作用す
るために、約0.3ppm〜10ppmの範囲で添加されることができると同時
に、依然として最低99.999重量%純度グレードの規格に合致した銅ターゲ
ットを可能にする。この文脈では、銀の好ましい量は、約2.5ppmである。
然しながら、銀と、又は他のマイクロアロイ元素のいずれかとでマスターアロイ
を製造するために、純粋な形の元素を銅に単純に加えることは避けなければなら
ない。というのは、典型的に銅を溶融するために使用される温度において、これ
らの蒸気圧が1気圧を超えることができるという事実のために、有意な量の元素
の損失をもたらすためである。蒸気圧が高いために、アロイ化添加物、例えば銀
は、蒸発して、そのアロイ化添加物のppm又はppm以下の水準の制御を困難
にする。アロイ化水準を正確に制御するために、例えば少なくとも100ppm
の銀を伴なうマスターアロイが使用される。このマスターアロイを製造するため
に、約1000対1の銅とアロイ化添加物の比が好ましい。例えば、2000グ
ラムの高純度銅カソード電極板が、2グラムの銀と溶融される。その金属は、大
気中での誘導加熱で溶融されることができる。金属が溶融したら、その溶融物は
、約2.5cm(1インチ)直径のビレットに鋳造される。ビレットのサンプル
が切り取られ、そしてGDMS(グロー放電質量分析器)分析法によって分析さ
れる。次いで、そのマスターアロイの小直径ビレットは、アロイ化添加物として
添加するために都合のよい大きさに切断されることができる。
【0015】 マスターアロイが製造された後、これは、鋳造ビレットを形成するために純粋
な高純度銅と適当な量で混合されて溶融されることができる。この操作は、酸化
の可能性を最小にするために、都合よくは真空炉中で行われる。予備固化された
カソード電極板は、所望する大きさのビレットを製造する量を提供するために秤
量され、次いで、マスターアロイは、例えば、2.5ppmの銀の望まれるアロ
イ化レベルに切断されて秤量される。次いで、予備固化された銅及びマスターア
ロイを、真空室中の溶融坩堝中に入れる。好ましい態様において、材料は、溶融
するために約1200℃に達するまで加熱されるものであり、この温度で約10
分間保持され、次いで約1038℃まで冷却される。このサイクルを更に2回繰
り返して、金属中のいかなる残留ガスも真空中で除去される。次いで、金属を鋳
造温度まで加熱して黒鉛の鋳型中に注ぎ、そして冷却する。上部の約7.5cm
(3インチ)及び下部の約5cm(2インチ)は、鋳造ビレットから切断され、
ビレット上部でのいかなる収縮又は固化空隙及びビレット下部の低温かぶりも除
去することができる。次いで、このビレットは、変形のための準備が整う。 ビレットは、変形されて、鋳造したばかりの粒子構造が除去される。この変形
工程は、ビレットの“熱処理ブレークダウン (hot work breakdown) ”と呼ばれ
る。
【0016】 再び好ましい態様において、ビレットは次のように加工される:最初にビレッ
トを約343℃に加熱し、次いで三方向の各々の軸で合計50%の変形となるよ
うに変形する。図1は、変形工程の方向及び熱処理変形の計画を示す。ビレット
は、6回目の熱処理ブレークダウン工程後、水で急冷される。 次の工程は、無摩擦鍛造加工である。ビレットは、約343℃に加熱され、そ
して摩擦のない条件で、第1回目の熱処理ブレークダウン工程と同一の軸を使用
して、開始時の高さの70%に鍛造される。次いで試料は、水で冷却される。次
に、材料は、冷間圧延されて、合計90%の変形(無摩擦鍛造加工+冷間圧延)
を与えられる。材料は、このようにして拡散結合に対する準備が整う。
【0017】 拡散結合法の工程を一般的に図2に示す。 拡散結合法の第1工程は、CuCrの、析出硬化可能なアルミニウムアロイと
の拡散結合及びアルミニウムアロイの溶液化を同時に含む。約0.5〜1.5重
量%のクロムを含む銅の薄いアロイの板を、まず図2に示すようにアルミニウム
アロイのエンベロープの内部に埋封する。次いでこのアセンブリーを、真空の環
境に閉じ込めて、電子ビーム溶接する。密封されたアセンブリーは、真空環境か
ら取り出され、そして汚染又は酸化の恐れなく自由に取り扱うことができる。ア
センブリーを、338℃に加熱し、そしてこの温度で30分間平衡させる。
【0018】 338℃で30分後、アセンブリーを300℃で鍛造して、CuCr及びアル
ミニウムアロイ6061を緊密に接触させる。次いでアセンブリーを、338℃
における1時間の拡散アニーリングのために、迅速に炉に戻す。338℃で1時
間後、次いで炉の温度を徐々に529℃まで段階的に上昇し、そしてこの温度で
90分間保持して、6061アロイ中の全ての硬化性元素を溶液にする。この溶
液化工程に続いて、直ちに例えば水中で急冷する。急冷は、その後の析出硬化に
対して、溶液中の硬化元素を保持するために臨界的である。この急冷は、この方
法を、HIP又は真空ホットプレスと区別する。というのは、後者の二種類の場
合に急冷が可能ではないからである。急冷後、アセンブリーの被覆を切削除去し
てCuCrの表面を露出させる。
【0019】 予備被着された支持板は、これでCuスパッター用ターゲットブランクへの拡
散結合に対する準備が整う。清浄にされたCuブランクは、清浄にされたCuC
rの表面に積み重ねられ、その積重体は、真空ホットプレス中に置かれ、約60
0kg/cm2 (8,500psi)の圧力下で、約250℃及び300℃で2
時間ホットプレスされ、そして炉が室温まで冷却される。この工程中に、本ター
ゲット製造方法のいくつかの臨界的変態が起こる。まず、Cuブランクは、再結
晶化して、微細に粒子化した均一で安定なマイクロ構造を形成する。第2に、C
uブランクとCuCr中間層の間に拡散結合が形成される。最後に、6061ア
ルミニウムアロイ支持板は、完全硬化T6状態に析出硬化される。
【0020】 使用される熱機械的加工は、最終的な粒度及び均一性に影響を有するものであ
る。正しくない変形法は、鋳造されたままの粒子構造を、部分的に又は完全に再
結晶化されたより大きい粒子として最終的な構造に残す。熱処理ブレークダウン
工程中の30%及び40%変形間の、最終的な冶金学的な差を解明するために、
実験的母材を設定した。試料は二種類の出発試料間の直接比較の確保が可能なよ
うに選択された。 鋳造ビレットは、ビレットの中心に走る垂直線に概略対照である。図3を参照
されたい。インゴットの上部から切断され、そしてそれぞれの軸に対して異なっ
た量で熱加工された2個のサンプルは、異なった粒度をもたらす。図4に示すよ
うに、サンプルA及びBは、等軸最大粒子が存在する鋳造物の領域からのもので
ある。サンプルAは、各軸方向で40%の変形を得るように熱間加工され;サン
プルBは、各軸方向で30%で熱間加工されている。熱処理ブレークダウン計画
は図5に記載されている。
【0021】 研磨及びエッチングされたサンプルは、40%変形サンプルのマイクロ構造が
小さい粒子で均一であったことを明らかにする。30%変形サンプルは、非均一
な粒子構造を有する。図6及び7、並びに図8及び9を参照されたい。 分かるように、一方向に圧延又は鍛造された熱処理サンプルは、熱処理された
ままの粒子に依存する粒子構造及び粒度を有するものである。図6及び7に示す
ように一方向に70%無摩擦鍛造されたサンプルA及びBのマイクロ構造は、研
磨及びエッチングされた状態である。熱処理ブレークダウン中に行われた変形の
量は、図8及び9の顕微鏡写真に示すように、最終の粒子の大きさに影響を有す
る。明らかなように、図8の粒子の大きさは、有意に微小である。図10及び1
1は、Cuターゲット、Al支持板及び中間のCuCr中間層のアセンブリーを
示す。図12は、高純度銅ターゲットの微小な粒子の大きさを示す。
【0022】 推奨するアロイ化元素は、Ag、Sn、Te、In、Mg、B、Bi、Sb、
及びPを含む。銀は、材料の全体の抵抗率を最小にし、一方粒子の安定化効果を
最大にするために好ましい。アロイ化元素の濃度の範囲は、ある程度までグレー
ドによって規定される。推奨する最小及び最大濃度は、表1に記載されている。
最小アロイ化濃度より低い場合、粒子構造は安定化することができなく、そして
ターゲットが拡散結合温度にさらされた場合、異常粒子成長を起こすことができ
る。最大アロイ濃度より高い場合、マイクロアロイ化元素が全体の金属不純物と
して考慮される場合、材料は、グレードの純度の必要値に合致することがもはや
できないものである。
【0023】
【表3】
【0024】 変形の最適範囲は、一般的に均一な構造を達成するために必要な変形の量によ
って規定される。Cu変形工程の熱処理ブレークダウン工程において、鍛造後の
全歪みは、都合よくはビレットの面当たり30%及び60%の鍛造高さの減少に
対応する、2.14及び5.49の範囲であるべきである。最小の歪み値より低
い場合、構造は不充分に加工されることができ、そして均一な粒子は達成される
ことが可能ではないことがあり得る。鍛造中のすべりのために好ましくない方向
に置かれたために起こる、隔離された大きい粒子の不充分な変形のために、材料
中に異常粒子をもたらす危険性がある。最大歪み値より上では、縮れを起こすこ
とができる。縮れ中に折り畳まれた材料は、高度に非均一な構造を作り出すもの
であり、そして材料中に大きい空隙を形成するものである。この方法における最
適な変形は、面当たり平均約50%の減少を伴なう、合計約4.15の歪みを使
用する。
【0025】
【表4】
【0026】 熱処理ブレークダウン後の冷間変形は、これが鍛造、圧延、別種の変形法、又
は各種の冷間変形技術のいくつかの組み合せによって行われようとも、約84%
及び93%の範囲、最適には約90%の合計の高さの減少をもたらさなければな
らない。この範囲より下では、充分な粒子の精製は行うことができず、そして最
終製品の粒度は、大きすぎることになる。この範囲より上では、過剰の歪みは、
再結晶化温度及び異常粒子成長開始温度が、拡散結合温度より下に低下すること
を惹き起こす。 上記の説明から、各種の変更及び改変が、本発明から逸脱することなく行うこ
とができることは明白である。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によっ
てのみ特許請求されているのが何かが判断されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、鋳造銅ビレットの熱処理ブレークダウン中の変形工程の方向を示す概
略図である。
【図2】 図2は、高純度銅ターゲットの拡散結合に対する概略線図である。
【図3】 図3は、銅の鋳造物の断面の顕微鏡写真である。
【図4】 図4は、変形の実験用母材のためのCu鋳造物のサンプル採取場所を説明する
略図である。
【図5】 図5は、変形計画の熱処理ブレークダウンを説明する概略線図である。
【図6】 図6は、40%の変形にかけられたサンプルの顕微鏡写真である。
【図7】 図7は、30%の変形にかけられたサンプルの顕微鏡写真である。
【図8】 図8は、図6に示したような40%の変形、及び70%の無摩擦鍛造加工にか
けられたサンプルの顕微鏡写真である。
【図9】 図9は、図7に示したような30%の変形、及び70%の無摩擦鍛造加工にか
けられたサンプルの顕微鏡写真である。
【図10】 図10は、Cuターゲット、CuCr中間層及びAl支持板の顕微鏡写真であ
る。
【図11】 図11は、Cuターゲット、CuCr中間層及びAl支持板の顕微鏡写真であ
る。
【図12】 図12は、200×倍率のCuターゲットの顕微鏡写真であり、約30μmの
粒子の大きさを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,GH,GM,HU,ID,IL,IN,IS,JP, KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,L S,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW ,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD, SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,T T,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ウー,チ・セ アメリカ合衆国 ワシントン州99037,ヴ ェラデイル,イースト・ベラ・ヴィスタ・ ドライブ 14825 (72)発明者 パーフェニウク,クリストファー・エル アメリカ合衆国ワシントン州99212,スポ ケイン,イースト・エルデ・ドライブ 8107 (72)発明者 ビューラー,ジェーン・イー アメリカ合衆国ワシントン州99217,スポ ケイン,イースト・ノーマン・リッジ・レ イン 18517 Fターム(参考) 4K029 BA08 BD02 DC03 DC07 DC08 DC21 DC22 4M104 BB04 DD40

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度銅ターゲット、析出硬化アルミニウムアロイ支持板並
    びに該ターゲットと該支持板に拡散結合したCuCrの中間層を含んでなるスパ
    ッター用ターゲットアセンブリー。
  2. 【請求項2】 前記支持板が、完全硬化のT6状態である、請求項1に記載
    のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  3. 【請求項3】 前記高純度銅ターゲットが、少なくとも約99.999重量
    %の純度の銅を含んでなる、請求項1に記載のスパッター用ターゲットアセンブ
    リー。
  4. 【請求項4】 前記高純度銅ターゲットが、少なくとも約99.995重量
    %の純度の銅を含んでなる、請求項1に記載のスパッター用ターゲットアセンブ
    リー。
  5. 【請求項5】 前記スパッター用ターゲットが、Ag、Sn、Te、In、
    Mg、B、Bi、Sb、及びPの少なくとも一種を含んでなるマイクロアロイ粒
    子安定剤を含む、請求項3に記載のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  6. 【請求項6】 前記マイクロアロイ粒子安定剤が約0.3ppm〜10pp
    mの量で存在する、請求項4に記載のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  7. 【請求項7】 前記マイクロアロイ粒子安定剤がAgを含んでなる、請求項
    5に記載のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  8. 【請求項8】 前記中間層が、銅及び約0.5〜1.5重量%のCrを含ん
    でなる、請求項1に記載のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  9. 【請求項9】 前記銅ターゲットが、約50μm以下を含んでなる実質的に
    均一な粒度を有する、請求項1に記載のスパッター用ターゲットアセンブリー。
  10. 【請求項10】 スパッター用ターゲットアセンブリーを製造する方法であ
    って: a)少なくとも約99.999重量%の純度の高純度銅ターゲットを提供し; b)銅と約10ppm以下のAg、Sn、Te、In、Mg、B、Bi、Sb
    、及びPの少なくとも一種とのマスターアロイを調製し; c)銅とマスターアロイとの溶融混合物を調製し、そして前記溶融混合物を固
    化して、鋳造ビレットを製造し; d)前記鋳造ビレットを各軸方向で合計少なくとも約50%の変形のために熱
    変形させてから、該変形されたビレットを好ましくは水中で急冷し; e)前記急冷されたビレットを高温でビレットの開始時の長さの約70%まで
    無摩擦鍛造し、そして好ましくは水中で急冷し; f)合計で約90%の変形まで冷間圧延し; g)拡散結合されたCuCrの予備被着性表面を有するアルミニウムアロイ支
    持板を提供し; h)前記高純度銅ターゲットを該予備被着CuCr表面に拡散結合し;そして i)前記アルミニウムアロイ支持板を完全硬化のT6状態まで析出硬化させる
    こと; を含んでなる方法。
  11. 【請求項11】 前記マスターアロイが、主たる量の高純度銅と微量のAg
    、Sn、Ti、In、Mg、B、Bi、Sb、及びPの少なくとも一種とを混合
    し、該混合物を溶融し、そして鋳造してマスターアロイを製造することによって
    調製される、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 高純度銅が、Ag、Sn、Ti、In、Mg、B、Bi、
    Sb、及び/又はPの少なくとも一種と、約1000対1の比で混合される、請
    求項10に記載の方法。
  13. 【請求項13】 拡散結合されたCuCrの予備被着表面を有する該アルミ
    ニウムアロイ支持板が使用される請求項9に記載の方法であって、該支持板が、
    CuとCrのアロイをアルミニウム又はアルミニウムアロイエンベロープ中に埋
    封し、そして封をした該エンベロープを真空環境中で電子ビーム溶接し;該封さ
    れたエンベロープを熱処理し、そして該CuCrを、支持板として使用される該
    アルミニウムアロイと緊密に接触するように鍛造し、急冷し、該アルミニウムア
    ロイエンベロープを除去して該CuCr表面を露出させて該アルミニウムアロイ
    を完全硬化のT6状態まで析出硬化させることを含んでなる方法によって製造さ
    れる、請求項9に記載の方法。
  14. 【請求項14】 約0.18μm又はそれ未満の幅を有し、少なくとも99
    .999%銅とAg、Sn、Tr、In、Mg、B、Bi、Sb、及び/又はP
    の少なくとも一種のマイクロアロイ安定剤とを含んでなる、集積回路中で使用さ
    れる相互接続体。
  15. 【請求項15】 少なくとも99.9999%の純度を含んでなる、請求項
    13に記載の集積回路中で使用される相互接続体。
  16. 【請求項16】 マイクロアロイ安定剤の量が約0.3〜10ppmである
    、請求項14に記載の相互接続体。
  17. 【請求項17】 マイクロアロイ安定剤の量が約0.3〜10ppmである
    、請求項15に記載の相互接続体。
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