JP2001342560A - スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット

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JP2001342560A JP2000163759A JP2000163759A JP2001342560A JP 2001342560 A JP2001342560 A JP 2001342560A JP 2000163759 A JP2000163759 A JP 2000163759A JP 2000163759 A JP2000163759 A JP 2000163759A JP 2001342560 A JP2001342560 A JP 2001342560A
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Naomi Fujioka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Cuのセルフイオンスパッタ法を適用する場
合において、プラズマ状態を安定させて長時間にわたっ
て自己維持放電を持続させることを可能にしたCuスパ
ッタリングターゲットが求められている。 【解決手段】 高純度Cuからなるスパッタリングター
ゲットである。このCuスパッタリングターゲットを構
成する高純度Cuは、AgおよびAuから選ばれる少な
くとも1種の元素を含有し、かつAgおよびAuの合計
含有量が0.005〜500ppmの範囲とされている。さらに、
AgやAuの含有量のバラツキは、ターゲット全体とし
て±30%以内とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスな
どに用いられるCu配線の形成に好適なスパッタリング
ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIに代表される半導体工業は
急速に進捗しつつある。64MビットDRAMやロジック
素子、さらにはそれ以降の半導体素子では、高集積化、
高信頼性化、高機能化が進むにつれて、微細加工技術に
要求される精度も益々高まってきている。このような集
積回路の高密度化や高速化などに伴って、AlやCuを
主成分として形成される金属配線の幅は1/4μm以下にな
りつつある。このような配線に対応するために、配線技
術の改良が進められている。
【0003】すなわち、従来の配線技術とは異なる、デ
ュアルダマシン(DD)配線技術を適用することが検討
されている。DD技術とは、予め下地膜に形成した配線
溝上に、配線材となるAlやCuを主成分とする金属を
スパッタリング法、CVD法、メッキ法などを用いて成
膜し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法な
どで余剰の配線金属を除去する技術である。
【0004】上述したような配線材料としては、抵抗率
がAlより低いCuが主流となりつつあり、ロジックな
どの半導体デバイスではおおよそCu配線が使用されて
いる。Cu配線が有利な点としては、Al配線に比べて
耐エレクトロマイグレーション性に優れていることも挙
げられる。Cu配線を適用する場合には、CuのSi中
への拡散防止を目的としたバリアメタル層を設けること
が必須である。
【0005】半導体素子用のバリアメタルとしては、一
般的にTiNが使用されてきたが、最近Cu配線用のバ
リア材料としてTaNが提案され、CuのSi中への拡
散防止に対してはTaNが有効であることが明らかにな
りつつある。そこで、Cu配線用のバリア層にはTaN
膜を適用する方向に進んでいる。Cu配線はメッキ法で
形成することが主流であるため、具体的なCu配線の形
成工程は以下のようになる。すなわち、配線溝やホール
内にバリア層としてTaN膜を形成し、その上にCuメ
ッキのシード層(Cu膜)をスパッタ法などで形成した
後に、配線を構成するCuをメッキにより形成する。
【0006】上述したCuシード層の状態、言い換えれ
ばシード層形成時のCuのスパッタ状態は、Cuメッキ
に対して大きな影響を及ぼす。すなわち、Cuシード層
が溝やホール内に完全な連続膜として形成されないとメ
ッキ液にエッチングされてしまい、メッキ時にCuを良
好に成長させることができなくなってしまう。また、連
続していないCuシード層では、メッキ時に電流が流れ
ないために化学反応が促進されず、Cuが充填されない
こともある。
【0007】半導体デバイスの設計ルールは益々微細化
しており、アスペクト比が4を超えるような溝やホール
も一般化しつつある。このようなデバイスに対応するた
めには、従来のコリメーションスパッタ法、長距離スパ
ッタ法、低圧スパッタ法などでは限界があり、新たなス
パッタ技術の開発が必須となっている。そこで、Cuシ
ード層を形成するための新たなスパッタ法として、Cu
のセルフイオンスパッタ法が注目されている。
【0008】セルフイオンスパッタ法とはCu自身をイ
オン化し、この生成したCu+イオンにより放電を自己
的に維持する、つまり自己維持放電させる方法である。
Cuを自己維持放電させるセルフイオンスパッタ法で
は、通常のスパッタ法で用いられるArやKrといった
希ガスが必要ないため、Cu原子、Cu+イオン、中性
粒子などは飛行方向を曲げられずに、基板へ直進性を維
持しながら進んでいく。つまり、指向性が従来のスパッ
タ法に比べて優れていると共に、ArイオンやKrイオ
ンによるエッチング作用もないため、アスペクト比が大
きい溝やホール内にも良好にCu膜を形成することがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セルフイオ
ンスパッタ法を適用したCuのスパッタリングにおいて
は、Cu+イオンの直進性を高めるために、基板側にバ
イアス電圧を印加することが一般的である。すなわち、
まずチャンバ内を高真空にしてターゲット側に負電圧を
印加し、ArやKrなどの希ガスを流しながら初期のプ
ラズマを発生させる。同時に基板側にも負電圧を印加す
る。次に、希ガスを止めて、Cu+イオン自身で放電を
維持させる。
【0010】しかしながら、従来のCuターゲットを用
いて自己維持放電を発生させた場合、基板側へのバイア
ス電圧を上げた際に、ターゲット−基板間のバランスが
くずれ、長時間成膜しているとプラズマが不安定な状態
になって、結果的に放電が切れてしまうという問題が発
生する。このような問題が半導体デバイスの量産ライン
で発生すると、多量の不良品を生じさせることになり、
半導体デバイスの製造歩留りを大幅に低下させることに
なってしまう。
【0011】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、Cuのセルフイオンスパッタ法を適用
する場合に、プラズマ状態を安定させて長時間にわたっ
て自己維持放電を持続させることを可能にしたスパッタ
リングターゲットを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタリング
ターゲットは、請求項1に記載したように、高純度Cu
からなるスパッタリングターゲットであって、前記高純
度CuはAgおよびAuから選ばれる少なくとも1種の
元素を含有し、かつ前記AgおよびAuの合計含有量が
0.005〜500ppmの範囲であることを特徴としている。
【0013】本発明のスパッタリングターゲットにおけ
るAgおよびAuの合計含有量は、さらに請求項2に記
載したように0.01〜100ppmの範囲とすることが好まし
い。また、本発明のスパッタリングターゲットは、請求
項3に記載したように、さらにAgおよびAuから選ば
れる少なくとも1種の元素の含有量のバラツキがターゲ
ット全体として±30%以内であることを特徴としてい
る。
【0014】本発明のスパッタリングターゲットの構成
材料である高純度Cuは、請求項4に記載したように、
不純物元素としてのFe、Ni、Cr、Ti、Al、N
aおよびKの合計含有量が10ppm以下であることが好ま
しい。
【0015】本発明のスパッタリングターゲットは、請
求項6に記載したように、例えばCu配線の形成用とし
て用いられるものであり、さらには請求項7に記載した
ように、Cuメッキ配線のCuシード層の形成用として
好適である。また、本発明のスパッタリングターゲット
は、請求項8に記載したように、Cuのセルフイオンス
パッタ法を適用してスパッタリングを実施する際に好適
に用いられる。
【0016】Cuはイオン化効率が大きいために、Cu
+イオンにより放電を自己的に維持する(自己維持放電
する)ことができる。ただし、Cu+イオンによる自己
維持放電だけでは、長時間放電を持続させた際にプラズ
マ状態が不安定になってしまう。特に、基板側に大きな
バイアス電圧を印加すると、Cu+イオンによる自己維
持放電が不安定な状態になりやすい。
【0017】そこで、本発明のスパッタリングターゲッ
ト(Cuターゲット)においては、それを構成する高純
度Cu中に、Cuよりもイオン化効率が高いAgやAu
を0.005〜500ppmの範囲(AgとAuの合計含有量とし
て)で含有させている。AgやAuはCuのイオン化効
率を促進させる、言い換えるとCuの自己維持放電を補
う役割を果たすため、Cuの自己維持放電を長時間にわ
たって安定に維持することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0019】本発明のスパッタリングターゲットは、A
gおよびAuから選ばれる少なくとも1種の元素を、質
量比でAgおよびAuの合計量として0.005〜500ppmの
範囲で含有する高純度Cuからなるものであり、このよ
うな量範囲のAgやAuを高純度Cu中に含有させるこ
とによって、Cuのセルフイオンスパッタにおける自己
維持放電の持続性を大幅に向上させることが可能とな
る。
【0020】本発明において、高純度Cuからなるスパ
ッタリングターゲット(Cuターゲット)中のAgおよ
びAuの合計含有量を上記した範囲に規定した理由は、
以下の通りである。
【0021】Cuはイオン化効率が非常に大きいため、
Cu自身がイオン化してターゲットに戻って自己維持ス
パッタする、言い換えると自己維持放電を維持してCu
のスパッタが継続される特性を有している。このような
セルフイオンスパッタ法に基づくCuのスパッタリング
によれば、放電空間にArやKrなどの希ガスが存在し
ないため、スパッタされたCu原子、Cu+イオン、中
性粒子などは飛行方向を曲げられずに、基板へ直進性を
有しながら進んでいく。つまり、従来のスパッタ法に比
べて非常に優れた指向性が得られる。さらに、基板側に
マイナスの電荷(バイアス電圧)を印加することによっ
て、より多くのCu+イオンが直進の方向性を有しなが
ら基板に到達する。
【0022】ただし、従来の高純度Cuターゲットを用
いた場合には、長時間放電を持続させるとプラズマが非
常に不安定な状態に陥り、最終的に放電が切れてしま
う。このような自己維持放電の消滅を回避するために
は、Cuターゲットから放出されるCu+イオンの数を
増加させることが有効である。この点について種々検討
した結果、イオン化効率が高いAgやAuが、Cu+
オンの発生数の増加に対して有効に作用することを見出
した。
【0023】すなわち、AgやAuはCuよりもイオン
化効率が高いため、Cuのイオン化効率を促進させるこ
とができる。言い換えると、AgやAuはCuの自己維
持放電を補う役割を果たす。これによって、Cuの自己
維持放電を長時間にわたって安定に維持することが可能
となる。特に、Cu+イオンの直進性を高める上で、基
板側にマイナスの電荷(バイアス電圧)を印加した場合
においても、イオン化効率の高いAgやAuでCuの自
己維持放電を補うことによって、Cuの自己維持放電を
長時間にわたって安定に維持することができる。
【0024】ただし、高純度Cu中のAgやAuの含有
量がこれらの合計量として500ppmを超えると、CuとA
gもしくはCuとAuの化合物が形成され、Cuターゲ
ットを用いて形成したCu膜の比抵抗が増大してしま
う。一方、AgとAuの合計含有量が0.005ppm未満であ
ると、Cuのイオン化効率を促進する効果を有効に得る
ことができない。高純度Cu中のAgとAuの合計含有
量は0.01〜100ppmの範囲とすることがより好ましく、さ
らには0.5〜50ppmの範囲とすることが望ましい。
【0025】また、本発明のスパッタリングターゲット
において、AgやAuの含有量のバラツキは、ターゲッ
ト全体として±30%以内とすることが好ましい。このよ
うに、ターゲット全体に対するAgやAuの含有量のバ
ラツキを低く抑えることによって、ターゲット全体とし
てCuのイオン化効率を促進させることができるため、
Cuの自己維持放電をより一層安定に維持することが可
能となる。Cuターゲット中のAg含有量もしくはAu
含有量のバラツキは、±15%以内とすることがさらに好
ましく、より望ましくは±10%以内である。
【0026】ここで、本発明のスパッタリングターゲッ
トにおけるAg含有量もしくはAu含有量は、以下に示
す方法により測定された値とする。すなわち、図1に示
すように、例えば円板状ターゲットの中心部(位置1)
と、中心部を通り円周を均等に分割した4本の直線上の
外周近傍位置(位置2〜9)およびその1/2の距離の位
置(位置10〜17)とから、それぞれ長さ10mm、幅10
mmの試験片を採取し、これら17点の試験片中のAg量も
しくはAu量を測定し、これらの測定値を平均した値
を、ターゲットのAg含有量もしくはAu含有量とす
る。Ag量もしくはAu量はICP−MASS法に基づ
いて測定するものとする。
【0027】さらに、ターゲット全体のAg含有量もし
くはAu含有量のバラツキは、上記した17点の試験片か
ら求めたAg含有量もしくはAu含有量の最大値および
最小値から、{(最大値−最小値)/(最大値+最小
値)}×100の式に基づいて求めた値を示すものとす
る。
【0028】本発明のスパッタリングターゲットは、上
述したように高純度Cu中のAgおよびAuの合計含有
量を0.005〜500ppmの範囲としたことに特徴を有するも
のである。ターゲットを構成する高純度Cu中のAgお
よびAuを除く不純物元素量については、一般的な高純
度金属材のレベル程度であれば多少含んでいてもよい。
【0029】ただし、配線抵抗の低減などを図る上で、
本発明においては不純物元素としてのFe、Ni、C
r、Ti、Al、NaおよびKの合計含有量が10ppm以
下の高純度Cuを用いることが好ましい。言い換える
と、Fe、Ni、Cr、Ti、Al、NaおよびKの各
含有量(質量%)の合計量を100%から引いた値[100−(F
e%+Ni%+Cr%+Ti%+Al%+Na%+K%)]が99.999%以上というよ
うな高純度Cuを用いることが好ましい。
【0030】本発明のスパッタリングターゲットは、例
えば以下のようにして作製することができる。すなわ
ち、まずCuスパッタリングターゲットの形成原料とな
る高純度Cuを作製する。高純度Cuは、例えば自然銅
を電解精錬し、さらに真空誘導溶解法により精製してイ
ンゴットとする。ビレットのサイズは、例えば直径100
〜500mmとする。この際、目的とするターゲットのAg
含有量もしくはAu含有量に基づいて、AgやAuを添
加する。AgやAuを添加するにあたっては、Cu原料
中のAg量やAu量を考慮して添加量を設定するものと
する。
【0031】次に、得られたCuインゴットに対して鍛
造、圧延による塑性加工を施す。この塑性加工時の加工
率は例えば50〜98%とする。このような加工率の塑性加
工によれば、インゴットに適当な熱エネルギーを与える
ことができ、この熱エネルギーによってAgやAuの均
質化(バラツキの減少)を図ることができる。また、こ
の加工時の熱エネルギーは、結晶格子の配列を整合させ
る役割を果たすことから、微小内部欠陥の除去などに対
しても有効に作用する。塑性加工工程においては、必要
に応じて中間熱処理を実施してもよい。この後、200〜5
00℃の範囲の温度で1時間以上の熱処理を施す。この熱
処理によって、ターゲット材中のAgやAuのバラツキ
をさらに減少させることができる。
【0032】このようにして得られる高純度Cu材を所
望の円板状などに機械加工し、これを例えばAlからな
るバッキングプレートと接合する。バッキングプレート
との接合には、拡散接合やろう付け接合などが適用され
る。拡散接合時の温度は600℃以下とすることが好まし
い。また、ろう付け接合は公知のIn系やSn系の接合
材を使用して実施する。ここで得られたターゲット素材
を所定サイズに機械加工することによって、本発明のス
パッタリングターゲットが得られる。
【0033】本発明のスパッタリングターゲットは、各
種電子デバイスの配線膜形成用として用いることができ
るが、特にCuのセルフイオンスパッタ法を適用して、
Cuメッキ配線のCuシード層を形成する際に好適に用
いられる。本発明のスパッタリングターゲットを用い、
かつCuのセルフイオンスパッタ法を適用して形成した
Cu膜は、スパッタ粒子の直進性に優れることから、ア
スペクト比が大きい溝やホール内にも良好に形成するこ
とができる。また、Cuのセルフイオンスパッタ法に基
づくスパッタリング工程の安定性を大幅に高めることが
可能となることから、デバイス製造工程の信頼性を向上
させることができると共に、デバイスの製造歩留りの向
上などを図ることができる。
【0034】上述した本発明に基づく技術は、DD配線
などにより高集積化や高密度化が急速に進められている
半導体デバイスなどに対して極めて有効であり、高密度
配線を高信頼性の下で再現性よく実現することが可能と
なる。これは超高集積タイプの半導体デバイスの製造歩
留りの向上、製造工程の安定化などに大きく貢献する。
また、本発明のスパッタリングターゲットにより成膜し
たCu膜は半導体デバイスに限らず、SAWデバイス、
TPH、LCDデバイスなどの各種の電子部品に適用す
ることができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0036】実施例1、比較例1 まず、Ag、Au、Fe、Ni、Cr、Nb、Ta、C
oおよびAlの各元素の含有量を変化させた16種類のC
uインゴットを作製した。これらCuインゴットに冷間
鍛造および冷間圧延を施し、さらに250℃×120minの条
件で熱処理した。この後、それぞれろう付け接合を適用
してAlバッキングプレートと接合し、さらに機械加工
を施して直径320mm×厚さ10mmの11種類のCuスパッタ
リングターゲットを得た。なお、各元素の含有量につい
ては、ICP(発光分光分析装置:セイコーインスツル
メンツ社製・SPS 1200A)によって分析した。
【0037】このようにして得た16種類のCuスパッタ
リングターゲットを用いて、スパッタ方式:セルフイオ
ンスパッタ、基板−ターゲット間距離:300mm、背圧:1
×10 -5Pa、出力DC:25kW、Ar:2sccm(放電を発生
させるために1sec添加)、スパッタ時間:10min、基板
バイアス:-15V、の条件下で、Cuイオンによる自己放
電の持続性を調べた。これら各Cuスパッタリングター
ゲットの放電持続時間を、ターゲットの各元素の含有量
と共に表1に示す。
【0038】
【表1】 表1から明らかなように、AgやAuを所定の範囲で含
有させたCuスパッタリングターゲット(実施例1)に
よれば、比較例1の各Cuターゲットに対して、数倍以
上の自己維持放電の持続性が得られることが分かる。
【0039】実施例2、比較例2 まず、AgおよびAuの含有量を変化させた10種類のC
uインゴットを作製した。これら各Cuインゴットに対
して、種々の条件下で冷間鍛造および冷間圧延を施し、
さらに250〜400℃×120minの条件で熱処理した。この
後、それぞれろう付け接合を適用してAlバッキングプ
レートと接合し、さらに機械加工を施して直径320mm×
厚さ10mmのCuスパッタリングターゲットをそれぞれ得
た。なお、各元素の含有量は実施例1と同様にして測定
した。また、AgおよびAu含有量のバラツキは前述し
た方法に基づいて測定した。
【0040】このようにして得た10種類のCuスパッタ
リングターゲットを用いて、スパッタ方式:セルフイオ
ンスパッタ、基板−ターゲット間距離:300mm、背圧:1
×10 -5Pa、出力DC:25kW、Ar:2sccm(放電を発生
させるために1sec添加)、スパッタ時間:10min、基板
バイアス:-15V、の条件下で、Cuイオンによる自己放
電の持続性を調べた。また、上記したスパッタリングに
より得たCu膜の比抵抗を測定した。これら各Cuスパ
ッタリングターゲットの放電持続時間およびCu膜の比
抵抗を、ターゲットの各元素の含有量およびそのバラツ
キと共に表2に示す。
【0041】
【表2】 表2から明らかなように、AgやAuを所定の範囲で含
有させ、かつそれらのバラツキを低減したCuスパッタ
リングターゲット(実施例2)によれば、比較例2の各
Cuターゲットに対して、数倍以上の自己維持放電の持
続性が得られ、さらに得られるCu膜の比抵抗も小さい
ことが分かる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
リングターゲットによれば、Cuのセルフイオンスパッ
タ法を適用する際に、プラズマ状態を安定させて長時間
にわたって自己維持放電を持続させることが可能とな
る。これはCu配線の製造歩留りや信頼性の向上などに
大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタリングターゲットにおける
AgおよびAu含有量とそのバラツキの測定方法を説明
するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石上 隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 渡辺 高志 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 鈴木 幸伸 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 藤岡 直美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 矢部 洋一郎 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K029 BA21 BD02 CA05 DC04 DC08 DC21 4M104 BB04 DD40 HH20 5F103 AA08 BB22 DD28 NN06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度Cuからなるスパッタリングター
    ゲットであって、前記高純度CuはAgおよびAuから
    選ばれる少なくとも1種の元素を含有し、かつ前記Ag
    およびAuの合計含有量が0.005〜500ppmの範囲である
    ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスパッタリングターゲッ
    トにおいて、 前記AgおよびAuの合計含有量は0.01〜100ppmの範囲
    であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のスパッタ
    リングターゲットにおいて、 前記AgおよびAuから選ばれる少なくとも1種の元素
    の含有量のバラツキがターゲット全体として±30%以内
    であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記高純度Cuは、不純物元素としてのFe、Ni、C
    r、Ti、Al、NaおよびKの合計含有量が10ppm以
    下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲットはバッキングプレートと接合されている
    ことを特徴とするスパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲットはCu配線を形成する際に用いられるこ
    とを特徴とするスパッタリングターゲット。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲットはCuメッキ配線のCuシード層を形成
    する際に用いられることを特徴とするスパッタリングタ
    ーゲット。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれか1項
    記載のスパッタリングターゲットにおいて、 前記ターゲットはCuのセルフイオンスパッタ法を適用
    してスパッタリングを実施する際に用いられることを特
    徴とするスパッタリングターゲット。
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