JP2000323433A - スパッタターゲット、配線膜および電子部品 - Google Patents
スパッタターゲット、配線膜および電子部品Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Cu配線のバリア層などとして用いられるT
aN膜において、膜厚の面内均一性を例えば5%以下とす
ることが望まれており、そのようなTaN膜を再現性よ
く得ることを可能にしたスパッタターゲットが求められ
ている。 【解決手段】 高純度TaNからなるスパッタターゲッ
トであって、ターゲット表面においてX線回折法で測定
された (101)面のピーク強度と (110)面のピーク強度の
比((101)/(110))が0.49±30% 以内である。ターゲット
表面全体における(101)/(110)ピーク強度比のバラツキ
は±30% 以内とされている。配線膜はこのようなスパッ
タターゲットを用いて成膜したTaN膜を具備し、具体
的にはTaN膜からなるバリア層とその上に形成された
Cu膜とを有する。
aN膜において、膜厚の面内均一性を例えば5%以下とす
ることが望まれており、そのようなTaN膜を再現性よ
く得ることを可能にしたスパッタターゲットが求められ
ている。 【解決手段】 高純度TaNからなるスパッタターゲッ
トであって、ターゲット表面においてX線回折法で測定
された (101)面のピーク強度と (110)面のピーク強度の
比((101)/(110))が0.49±30% 以内である。ターゲット
表面全体における(101)/(110)ピーク強度比のバラツキ
は±30% 以内とされている。配線膜はこのようなスパッ
タターゲットを用いて成膜したTaN膜を具備し、具体
的にはTaN膜からなるバリア層とその上に形成された
Cu膜とを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Cu配線のバリア
材などの形成に好適なスパッタターゲットと、それを用
いた配線膜および電子部品に関する。
材などの形成に好適なスパッタターゲットと、それを用
いた配線膜および電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIに代表される半導体工業は
急速に進捗しつつある。高速ロジックなどの半導体素子
においては、高集積化、高信頼性化、高機能化が進むに
つれて、微細加工技術に要求される精度も益々高まって
きている。このような集積回路の高密度化や高速化など
に伴って、AlやCuを主成分として形成される金属配
線の幅は 1/4μm 以下になりつつある。
急速に進捗しつつある。高速ロジックなどの半導体素子
においては、高集積化、高信頼性化、高機能化が進むに
つれて、微細加工技術に要求される精度も益々高まって
きている。このような集積回路の高密度化や高速化など
に伴って、AlやCuを主成分として形成される金属配
線の幅は 1/4μm 以下になりつつある。
【0003】一方、集積回路を高速で動作させるために
は、Al配線やCu配線の抵抗を低減することが必須と
なる。従来の配線構造では、配線の高さを厚くすること
で配線抵抗を低減することが一般的であった。しかし、
さらなる高集積化・高密度化された半導体デバイスなど
では、これまでの積層構造を用いた際に配線上に形成さ
れる絶縁膜のカバレッジ性が悪くなり、当然歩留まりも
低下するため、デバイスの配線技術そのものを改良する
ことが求められている。
は、Al配線やCu配線の抵抗を低減することが必須と
なる。従来の配線構造では、配線の高さを厚くすること
で配線抵抗を低減することが一般的であった。しかし、
さらなる高集積化・高密度化された半導体デバイスなど
では、これまでの積層構造を用いた際に配線上に形成さ
れる絶縁膜のカバレッジ性が悪くなり、当然歩留まりも
低下するため、デバイスの配線技術そのものを改良する
ことが求められている。
【0004】そこで、従来の配線技術とは異なる、デュ
アルダマシン(DD)配線技術を適用することが検討さ
れている。DD技術とは、予め下地膜に形成した配線溝
上に、配線材となるAlやCuを主成分とする金属をス
パッタリング法やCVD法などを用いて成膜し、熱処理
(リフロー)によって溝へ流し込み、CMP(Chemical
Mechanical Polishing) 法などにより余剰の配線金属を
除去する技術である。
アルダマシン(DD)配線技術を適用することが検討さ
れている。DD技術とは、予め下地膜に形成した配線溝
上に、配線材となるAlやCuを主成分とする金属をス
パッタリング法やCVD法などを用いて成膜し、熱処理
(リフロー)によって溝へ流し込み、CMP(Chemical
Mechanical Polishing) 法などにより余剰の配線金属を
除去する技術である。
【0005】上述したような半導体デバイスなどに用い
られる配線材料としては、抵抗率がAlに比べて低いC
uが主流となりつつあり、ロジックなどの半導体デバイ
スではおおよそCu配線が使用されている。Cu配線が
有利な点としては、Al配線に比べて耐エレクトロマイ
グレーション性に優れていることも挙げられる。しかし
一方で、CuやAu、Feといった金属は、シリコン内
を格子拡散することから拡散速度が速く、シリコン内に
入ると少数キャリアの寿命を短くすることが懸念されて
いる。
られる配線材料としては、抵抗率がAlに比べて低いC
uが主流となりつつあり、ロジックなどの半導体デバイ
スではおおよそCu配線が使用されている。Cu配線が
有利な点としては、Al配線に比べて耐エレクトロマイ
グレーション性に優れていることも挙げられる。しかし
一方で、CuやAu、Feといった金属は、シリコン内
を格子拡散することから拡散速度が速く、シリコン内に
入ると少数キャリアの寿命を短くすることが懸念されて
いる。
【0006】このようなことから、Cu配線を適用する
場合には、CuのSi中への拡散防止を目的としたバリ
アメタル層を設けることが必須である。ここで、半導体
素子用のバリアメタルとしてはTiNが使用されてきた
が、最近Cu配線用のバリア材料としてTaNが提案さ
れ、CuのSi中への拡散防止に対してはTaNが有効
であることが明らかとなりつつある。
場合には、CuのSi中への拡散防止を目的としたバリ
アメタル層を設けることが必須である。ここで、半導体
素子用のバリアメタルとしてはTiNが使用されてきた
が、最近Cu配線用のバリア材料としてTaNが提案さ
れ、CuのSi中への拡散防止に対してはTaNが有効
であることが明らかとなりつつある。
【0007】そこで、Cu配線用のバリア層にはTaN
を適用する方向に進んでいる。このようなバリア層とし
てのTaN膜の形成方法としては、従来のTiN膜と同
様に、Taターゲットを用いたArとN2 の混合ガスに
よる化相スパッタ、すなわちArと共にN2 + イオンで
Taターゲット表面を衝撃し、TaとN2 イオンの化合
物(TaN)として飛翔させる化学スパッタリングが主
に適用されている。
を適用する方向に進んでいる。このようなバリア層とし
てのTaN膜の形成方法としては、従来のTiN膜と同
様に、Taターゲットを用いたArとN2 の混合ガスに
よる化相スパッタ、すなわちArと共にN2 + イオンで
Taターゲット表面を衝撃し、TaとN2 イオンの化合
物(TaN)として飛翔させる化学スパッタリングが主
に適用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Taターゲットを用いた化相スパッタで得られるTaN
膜では、上述したようなDD配線を適用し、その際の配
線溝のアスペクト比も1/4以上になることが予想される
次世代のロジックなどに求められる膜の均質性を満足さ
せることが非常に困難な状況にあり、既に限界となりつ
つある。
Taターゲットを用いた化相スパッタで得られるTaN
膜では、上述したようなDD配線を適用し、その際の配
線溝のアスペクト比も1/4以上になることが予想される
次世代のロジックなどに求められる膜の均質性を満足さ
せることが非常に困難な状況にあり、既に限界となりつ
つある。
【0009】例えば、 8インチサイズのSiウエハで膜
の面内均一性を5%以下に制御することが求められている
が、従来のTaターゲットを用いた化相スパッタでは、
そのような条件を満足するTaN膜を再現性よく得るこ
とはできない。
の面内均一性を5%以下に制御することが求められている
が、従来のTaターゲットを用いた化相スパッタでは、
そのような条件を満足するTaN膜を再現性よく得るこ
とはできない。
【0010】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、半導体素子のバリア層などとして用い
られるTaN膜の面内均一性を例えば5%以下に再現性よ
く低減することを可能にしたスパッタターゲットを提供
することを目的としており、またそのようなスパッタタ
ーゲットを用いることによって、次世代のロジックなど
に求められる高精細および高信頼性を満足する配線膜、
およびそのような配線膜を用いた電子部品を提供するこ
とを目的としている。
なされたもので、半導体素子のバリア層などとして用い
られるTaN膜の面内均一性を例えば5%以下に再現性よ
く低減することを可能にしたスパッタターゲットを提供
することを目的としており、またそのようなスパッタタ
ーゲットを用いることによって、次世代のロジックなど
に求められる高精細および高信頼性を満足する配線膜、
およびそのような配線膜を用いた電子部品を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために種々検討した結果、TaNターゲットを
用いることが有効であることを見出した。さらに、Ta
Nターゲット表面の結晶方位について調査した結果、タ
ーゲット表面の (101)面のピーク強度と (110)面のピー
ク強度の比((101)/(110) ピーク強度比)を0.49±30%
以内に制御することによって、従来達成することができ
なかったTaN膜の面内均一性が実現可能であることを
見出した。
解決するために種々検討した結果、TaNターゲットを
用いることが有効であることを見出した。さらに、Ta
Nターゲット表面の結晶方位について調査した結果、タ
ーゲット表面の (101)面のピーク強度と (110)面のピー
ク強度の比((101)/(110) ピーク強度比)を0.49±30%
以内に制御することによって、従来達成することができ
なかったTaN膜の面内均一性が実現可能であることを
見出した。
【0012】本発明はこのような知見に基づいて成され
たものであり、本発明のスパッタターゲットは、請求項
1に記載したように、高純度TaNからなるスパッタタ
ーゲットであって、ターゲット表面においてX線回折法
で測定された (101)面のピーク強度と (110)面のピーク
強度の比((101)/(110))が0.49±30% 以内であることを
ことを特徴としている。
たものであり、本発明のスパッタターゲットは、請求項
1に記載したように、高純度TaNからなるスパッタタ
ーゲットであって、ターゲット表面においてX線回折法
で測定された (101)面のピーク強度と (110)面のピーク
強度の比((101)/(110))が0.49±30% 以内であることを
ことを特徴としている。
【0013】本発明のスパッタターゲットは、さらに請
求項2に記載したように、前記ターゲット表面全体にお
ける前記 (101)/(110)ピーク強度比のバラツキが±30%
以内であることを特徴としている。
求項2に記載したように、前記ターゲット表面全体にお
ける前記 (101)/(110)ピーク強度比のバラツキが±30%
以内であることを特徴としている。
【0014】本発明のスパッタターゲットは、例えば請
求項3に記載したように、バッキングプレートと接合し
て用いられる。この際のスパッタターゲットとバッキン
グプレートとの接合には、請求項4に記載したソルダー
接合、あるいは請求項5に記載した拡散接合などが用い
られる。
求項3に記載したように、バッキングプレートと接合し
て用いられる。この際のスパッタターゲットとバッキン
グプレートとの接合には、請求項4に記載したソルダー
接合、あるいは請求項5に記載した拡散接合などが用い
られる。
【0015】本発明の配線膜は、請求項6に記載したよ
うに、上記した本発明のスパッタターゲットを用いて成
膜してなるTaN膜を具備することを特徴としている。
本発明の配線膜において、例えば請求項7に記載したよ
うに、TaN膜はCu膜に対するバリア材として用いら
れる。
うに、上記した本発明のスパッタターゲットを用いて成
膜してなるTaN膜を具備することを特徴としている。
本発明の配線膜において、例えば請求項7に記載したよ
うに、TaN膜はCu膜に対するバリア材として用いら
れる。
【0016】本発明の電子部品は、請求項8に記載した
ように、上記した本発明の配線膜を有することを特徴と
している。本発明の電子部品において、前記配線膜は例
えば請求項9に記載したように、TaN膜とその上に存
在するCu膜とを有することを特徴としている。本発明
の電子部品は、請求項10に記載したように、例えば半
導体素子である。
ように、上記した本発明の配線膜を有することを特徴と
している。本発明の電子部品において、前記配線膜は例
えば請求項9に記載したように、TaN膜とその上に存
在するCu膜とを有することを特徴としている。本発明
の電子部品は、請求項10に記載したように、例えば半
導体素子である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
態について説明する。
【0018】本発明のスパッタターゲットは、高純度T
aNからなるスパッタターゲットであって、ターゲット
表面においてX線回折法で測定された (101)面のピーク
強度と (110)面のピーク強度の比((101)/(110)ピーク強
度比) が0.49±30% 以内である。ここで言うピーク強度
比とはX線回折法により得られる最大強度の比を指すも
のである。なお、本発明で言うTaN(窒化タンタル)
とは、Ta1 N1-x(x= 0.9〜1.0)である。
aNからなるスパッタターゲットであって、ターゲット
表面においてX線回折法で測定された (101)面のピーク
強度と (110)面のピーク強度の比((101)/(110)ピーク強
度比) が0.49±30% 以内である。ここで言うピーク強度
比とはX線回折法により得られる最大強度の比を指すも
のである。なお、本発明で言うTaN(窒化タンタル)
とは、Ta1 N1-x(x= 0.9〜1.0)である。
【0019】ここで、TaNターゲットの表面(ターゲ
ット面)において、X線回折法で測定される結晶方位は
多数存在する。それらの中で、 (101)面と (110)面がス
パッタされて飛翔する原子の放射角が狭いことが判明し
た。そこで、ターゲット面の(101)/(110)ピーク強度比
を変化させた複数のTaNターゲットを用いて評価した
結果、ターゲット表面の (101)/(110)ピーク強度比が0.
49±30% 以内であるときに、それを用いて形成したTa
N膜の膜厚分布を大幅に高めることが可能であることを
見出した。
ット面)において、X線回折法で測定される結晶方位は
多数存在する。それらの中で、 (101)面と (110)面がス
パッタされて飛翔する原子の放射角が狭いことが判明し
た。そこで、ターゲット面の(101)/(110)ピーク強度比
を変化させた複数のTaNターゲットを用いて評価した
結果、ターゲット表面の (101)/(110)ピーク強度比が0.
49±30% 以内であるときに、それを用いて形成したTa
N膜の膜厚分布を大幅に高めることが可能であることを
見出した。
【0020】TaNターゲットの表面において、X線回
折法で測定された (101)ピーク強度と (110)ピーク強度
の比が0.49±30% 以内である場合には、特にスパッタ粒
子の放射角度を例えば20°以下とすることができ、これ
により垂直成分を有するスパッタ粒子のみを基板上に被
着させることができる。従って、得られるTaN膜の膜
厚の均一性を高めることができる。
折法で測定された (101)ピーク強度と (110)ピーク強度
の比が0.49±30% 以内である場合には、特にスパッタ粒
子の放射角度を例えば20°以下とすることができ、これ
により垂直成分を有するスパッタ粒子のみを基板上に被
着させることができる。従って、得られるTaN膜の膜
厚の均一性を高めることができる。
【0021】このようなことから、本発明のスパッタタ
ーゲットにおいては、ターゲット表面においてX線回折
法で測定された (101)面のピーク強度と (110)面のピー
ク強度の比((101)/(110)ピーク強度比)を0.49±30% 以
内としている。TaNターゲット表面の (101)/(110)ピ
ーク強度比が0.49±30% の範囲を超えると、スパッタ粒
子の放射角度が例えば20°以上となり、スパッタ粒子の
垂直成分が損われることから、膜厚分布が低下する。ま
た、基板周辺部にスパッタ粒子が多数飛散することにな
るため、ダストの発生が増加する。TaNスパッタター
ゲットのターゲット面における (101)/(110)ピーク強度
比は0.49±15% 以内とすることがさらに好ましい。
ーゲットにおいては、ターゲット表面においてX線回折
法で測定された (101)面のピーク強度と (110)面のピー
ク強度の比((101)/(110)ピーク強度比)を0.49±30% 以
内としている。TaNターゲット表面の (101)/(110)ピ
ーク強度比が0.49±30% の範囲を超えると、スパッタ粒
子の放射角度が例えば20°以上となり、スパッタ粒子の
垂直成分が損われることから、膜厚分布が低下する。ま
た、基板周辺部にスパッタ粒子が多数飛散することにな
るため、ダストの発生が増加する。TaNスパッタター
ゲットのターゲット面における (101)/(110)ピーク強度
比は0.49±15% 以内とすることがさらに好ましい。
【0022】また、本発明のスパッタターゲットにおけ
るターゲット面の (101)/(110)ピーク強度比は、ターゲ
ット表面全体として±30% 以内とすることが好ましい。
このように、ターゲット表面全体として上記したピーク
強度比を一定範囲内に制御することによって、それを用
いて形成したTaN膜全体としての膜厚や膜特性などを
向上させることができる。ターゲット表面全体としての
(101)/(110)ピーク強度比のバラツキは±15% 以内とす
ることがさらに好ましい。
るターゲット面の (101)/(110)ピーク強度比は、ターゲ
ット表面全体として±30% 以内とすることが好ましい。
このように、ターゲット表面全体として上記したピーク
強度比を一定範囲内に制御することによって、それを用
いて形成したTaN膜全体としての膜厚や膜特性などを
向上させることができる。ターゲット表面全体としての
(101)/(110)ピーク強度比のバラツキは±15% 以内とす
ることがさらに好ましい。
【0023】すなわち、TaNターゲット表面全体とし
てのピーク強度比のバラツキが±30% の範囲を超える
と、それを用いて形成したTaN膜を使用した半導体デ
バイスなどの均一性に悪影響を及ぼすことになる。現在
の半導体デバイスは、 8インチSiウエハから数万個単
位で生産されるため、TaNターゲット表面のピーク強
度比のバラツキがそのままSiウエハの配線膜に影響を
及ぼし、各半導体デバイスの信頼性にバラツキを生じさ
せる結果となる。例えば、Siウエハの端部から生産し
たデバイスは信頼性が良好であるが、中央から生産した
デバイスは信頼性が低いといった問題が発生してしま
う。
てのピーク強度比のバラツキが±30% の範囲を超える
と、それを用いて形成したTaN膜を使用した半導体デ
バイスなどの均一性に悪影響を及ぼすことになる。現在
の半導体デバイスは、 8インチSiウエハから数万個単
位で生産されるため、TaNターゲット表面のピーク強
度比のバラツキがそのままSiウエハの配線膜に影響を
及ぼし、各半導体デバイスの信頼性にバラツキを生じさ
せる結果となる。例えば、Siウエハの端部から生産し
たデバイスは信頼性が良好であるが、中央から生産した
デバイスは信頼性が低いといった問題が発生してしま
う。
【0024】なお、本発明のスパッタターゲットは、高
純度TaNにより構成されるものであるが、例えば一般
的な高純度金属材のレベル程度であれば多少の不純物元
素を含んでいてもよい。ただし、例えば配線抵抗の低減
などを図る上で不純物元素量は低減することが好まし
い。
純度TaNにより構成されるものであるが、例えば一般
的な高純度金属材のレベル程度であれば多少の不純物元
素を含んでいてもよい。ただし、例えば配線抵抗の低減
などを図る上で不純物元素量は低減することが好まし
い。
【0025】本発明のスパッタターゲットは、例えば以
下のようにして作製される。
下のようにして作製される。
【0026】例えば、純度2N程度のTaN粉末を用い
て、HIP法やホットプレス(HP)法などの公知の焼
結法を適用して焼結体を作製する。焼結雰囲気はN2 雰
囲気とすることが好ましい。焼結体のサイズは直径 100
〜 400mm程度とすることが好ましい。ターゲット中の窒
素含有量を変化させる場合には、混合比を適宜調整した
TaN粉末とTa粉末との混合粉末を出発原料として用
いてもよい。
て、HIP法やホットプレス(HP)法などの公知の焼
結法を適用して焼結体を作製する。焼結雰囲気はN2 雰
囲気とすることが好ましい。焼結体のサイズは直径 100
〜 400mm程度とすることが好ましい。ターゲット中の窒
素含有量を変化させる場合には、混合比を適宜調整した
TaN粉末とTa粉末との混合粉末を出発原料として用
いてもよい。
【0027】次に、上記した焼結体に対して再度真空中
で 500〜1300℃程度の温度で熱処理を施す。このような
熱処理によって、ターゲット面における (101)/(110)ピ
ーク強度比を0.49±15% 以内に制御すると共に、ターゲ
ット表面全体としての (101)/(110)ピーク強度比のバラ
ツキを±15% 以内とする。このようにして得られる高純
度TaN素材を機械加工し、例えばCuやAlからなる
バッキングプレートと接合する。
で 500〜1300℃程度の温度で熱処理を施す。このような
熱処理によって、ターゲット面における (101)/(110)ピ
ーク強度比を0.49±15% 以内に制御すると共に、ターゲ
ット表面全体としての (101)/(110)ピーク強度比のバラ
ツキを±15% 以内とする。このようにして得られる高純
度TaN素材を機械加工し、例えばCuやAlからなる
バッキングプレートと接合する。
【0028】ここで、バッキングプレートとの接合に
は、例えばソルダー接合や拡散接合を適用する。拡散接
合を適用する場合には、接合時の温度を 600℃以下とす
ることが好ましい。これはバッキングプレートの塑性変
形を防止するためである。ここで得られた素材を所定サ
イズに機械加工することによって、本発明のスパッタリ
ングターゲットが得られる。
は、例えばソルダー接合や拡散接合を適用する。拡散接
合を適用する場合には、接合時の温度を 600℃以下とす
ることが好ましい。これはバッキングプレートの塑性変
形を防止するためである。ここで得られた素材を所定サ
イズに機械加工することによって、本発明のスパッタリ
ングターゲットが得られる。
【0029】本発明の配線膜は、前述した本発明のスパ
ッタターゲットを用いて、スパッタ成膜してなるTaN
膜を具備するものである。このようにして得られるTa
N膜は膜厚や膜特性の均一性に優れ、例えば膜面内の膜
厚分布を5%以下とすることができる。
ッタターゲットを用いて、スパッタ成膜してなるTaN
膜を具備するものである。このようにして得られるTa
N膜は膜厚や膜特性の均一性に優れ、例えば膜面内の膜
厚分布を5%以下とすることができる。
【0030】このようなTaN膜は、例えばCu配線
(Cu膜またはCu合金膜)のバリア材に好適であり、
本発明の配線膜は例えば上記したTaN膜上にCu膜を
存在させて構成されるものである。このような配線膜
は、例えばDD配線技術を適用する際に、配線膜に求め
られる均質性を十分に満足するものである。
(Cu膜またはCu合金膜)のバリア材に好適であり、
本発明の配線膜は例えば上記したTaN膜上にCu膜を
存在させて構成されるものである。このような配線膜
は、例えばDD配線技術を適用する際に、配線膜に求め
られる均質性を十分に満足するものである。
【0031】上記した本発明の配線膜は、半導体素子に
代表される各種の電子部品に使用することができる。具
体的には、本発明の配線膜を用いたULSIやVLSI
などの半導体素子、さらにはSAWデバイスやTPHな
どの電子部品が挙げられる。本発明の電子部品は、この
ような半導体素子、SAWデバイス、TPHなどを含む
ものである。
代表される各種の電子部品に使用することができる。具
体的には、本発明の配線膜を用いたULSIやVLSI
などの半導体素子、さらにはSAWデバイスやTPHな
どの電子部品が挙げられる。本発明の電子部品は、この
ような半導体素子、SAWデバイス、TPHなどを含む
ものである。
【0032】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
価結果について述べる。
【0033】実施例1 まず、純度2NのTaN粉末、またはTaN粉末とTa粉
末をボールミルで真空中にて24時間混合した後、ホット
プレス(HP)法により 6個の焼結体を作製した。HP
処理条件は、温度1500℃、保持時間 5時間、面圧 25MPa
とした。これら焼結体に1000℃×10hrの条件で熱処理を
施した。
末をボールミルで真空中にて24時間混合した後、ホット
プレス(HP)法により 6個の焼結体を作製した。HP
処理条件は、温度1500℃、保持時間 5時間、面圧 25MPa
とした。これら焼結体に1000℃×10hrの条件で熱処理を
施した。
【0034】次に、各焼結体を機械加工により直径 320
mm×厚さ10mmに加工してTaN材を作製した。この後、
これら各TaN材をCuバッキングプレートとソルダー
接合して、 6種類のTaNスパッタターゲットを得た。
これら 6種類のTaNターゲットは熱処理温度と時間を
制御することにより、ターゲット表面の (101)/(110)ピ
ーク強度比を変化させたものである。
mm×厚さ10mmに加工してTaN材を作製した。この後、
これら各TaN材をCuバッキングプレートとソルダー
接合して、 6種類のTaNスパッタターゲットを得た。
これら 6種類のTaNターゲットは熱処理温度と時間を
制御することにより、ターゲット表面の (101)/(110)ピ
ーク強度比を変化させたものである。
【0035】なお、ターゲット表面のX線回折は理学社
製のXRD装置を用いて実施し、その際に測定された
(101)面ピークと (110)面ピークの最大強度値を用いて
(101)/(110)ピーク強度比を求めた。
製のXRD装置を用いて実施し、その際に測定された
(101)面ピークと (110)面ピークの最大強度値を用いて
(101)/(110)ピーク強度比を求めた。
【0036】このようにして得た 6種類のTaNスパッ
タターゲットをそれぞれ用いて、スパッタ方式:LTS
スパッタ、背圧: 1×10-5Pa、スパッタガス:Ar、出
力DC:15kW、スパッタ時間:1minの条件下で、予め配
線溝を形成したSiウエハ(8インチ)上にTaN膜を成
膜し、配線溝内を含めて厚さ 0.5μm のバリア層を形成
した。その後、Cuターゲットを用いて、上記した条件
と同様な条件下でスパッタを実施し、厚さ 1μm 程度の
Cu膜を形成した。これをリフロー処理によって配線溝
に充填した後、CMPによって配線を形成した。
タターゲットをそれぞれ用いて、スパッタ方式:LTS
スパッタ、背圧: 1×10-5Pa、スパッタガス:Ar、出
力DC:15kW、スパッタ時間:1minの条件下で、予め配
線溝を形成したSiウエハ(8インチ)上にTaN膜を成
膜し、配線溝内を含めて厚さ 0.5μm のバリア層を形成
した。その後、Cuターゲットを用いて、上記した条件
と同様な条件下でスパッタを実施し、厚さ 1μm 程度の
Cu膜を形成した。これをリフロー処理によって配線溝
に充填した後、CMPによって配線を形成した。
【0037】これらの配線について、各バリア層の膜厚
の面内均一性を測定した。その結果をTaNターゲット
表面の (101)/(110)ピーク強度比およびそのバラツキと
共に表1に示す。
の面内均一性を測定した。その結果をTaNターゲット
表面の (101)/(110)ピーク強度比およびそのバラツキと
共に表1に示す。
【0038】
【表1】 表1から明らかなように、試料1 〜4 の本発明のTaN
ターゲットを用いて成膜したTaN膜からなるバリア層
は、膜の均一性に優れ、試料5 〜6 のTaNターゲット
を用いて成膜したTaN膜と比べて、膜の均一性が5%以
下と向上させることが可能であることが判明した。この
ようなTaNバリア層を有する配線膜を適用することに
よって、製品歩留まりも大幅に向上させることが可能と
なる。
ターゲットを用いて成膜したTaN膜からなるバリア層
は、膜の均一性に優れ、試料5 〜6 のTaNターゲット
を用いて成膜したTaN膜と比べて、膜の均一性が5%以
下と向上させることが可能であることが判明した。この
ようなTaNバリア層を有する配線膜を適用することに
よって、製品歩留まりも大幅に向上させることが可能と
なる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のTaNス
パッタターゲットによれば、膜厚や膜特性の均一性に優
れるTaN膜を得ることができる。従って、このような
スパッタターゲットを用いて成膜したTaN膜を有する
本発明の配線膜、およびそれを用いた電子部品によれ
ば、信頼性や製品歩留まりを大幅に向上させることが可
能となる。
パッタターゲットによれば、膜厚や膜特性の均一性に優
れるTaN膜を得ることができる。従って、このような
スパッタターゲットを用いて成膜したTaN膜を有する
本発明の配線膜、およびそれを用いた電子部品によれ
ば、信頼性や製品歩留まりを大幅に向上させることが可
能となる。
【0040】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤岡 直美 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 石上 隆 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 4K029 BA08 BA58 BB02 BD02 DC05 DC22 DC24 4M104 BB32 DD40 FF18 HH20
Claims (10)
- 【請求項1】 高純度TaNからなるスパッタターゲッ
トであって、ターゲット表面においてX線回折法で測定
された (101)面のピーク強度と (110)面のピーク強度の
比((101)/(110))が0.49±30% 以内であることを特徴と
するスパッタターゲット。 - 【請求項2】 請求項1記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記ターゲット表面全体における前記 (101)/(110)ピー
ク強度比のバラツキが±30% 以内であることを特徴とす
るスパッタターゲット。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のスパッタ
ターゲットにおいて、 前記スパッタターゲットはバッキングプレートと接合さ
れていることを特徴とするスパッタターゲット。 - 【請求項4】 請求項3記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記スパッタターゲットと前記バッキングプレートと
は、ソルダー接合により接合されていることを特徴とす
るスパッタターゲット。 - 【請求項5】 請求項3記載のスパッタターゲットにお
いて、 前記スパッタターゲットと前記バッキングプレートと
は、拡散接合により接合されていることを特徴とするス
パッタターゲット。 - 【請求項6】 請求項1記載のスパッタターゲットを用
いて成膜してなるTaN膜を具備することを特徴とする
配線膜。 - 【請求項7】 請求項6記載の配線膜において、 前記TaN膜はCu膜に対するバリア材であることを特
徴とする配線膜。 - 【請求項8】 請求項6記載の配線膜を有することを特
徴とする電子部品。 - 【請求項9】 請求項8記載の電子部品において、 前記配線膜は、前記TaN膜と、前記TaN膜上に存在
するCu膜とを有することを特徴とする電子部品。 - 【請求項10】 請求項8または請求項9記載の電子部
品において、 半導体素子であることを特徴とする電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13022999A JP2000323433A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | スパッタターゲット、配線膜および電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13022999A JP2000323433A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | スパッタターゲット、配線膜および電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000323433A true JP2000323433A (ja) | 2000-11-24 |
Family
ID=15029199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13022999A Withdrawn JP2000323433A (ja) | 1999-05-11 | 1999-05-11 | スパッタターゲット、配線膜および電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000323433A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002363736A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-18 | Toshiba Corp | スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 |
WO2005045090A1 (ja) * | 2003-11-06 | 2005-05-19 | Nikko Materials Co., Ltd. | タンタルスパッタリングターゲット |
JP2007073980A (ja) * | 2006-10-30 | 2007-03-22 | Toshiba Corp | 半導体デバイス用TaN膜とそれを用いた半導体デバイス |
-
1999
- 1999-05-11 JP JP13022999A patent/JP2000323433A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002363736A (ja) * | 2001-06-06 | 2002-12-18 | Toshiba Corp | スパッタターゲット、バリア膜および電子部品 |
WO2005045090A1 (ja) * | 2003-11-06 | 2005-05-19 | Nikko Materials Co., Ltd. | タンタルスパッタリングターゲット |
JP2007073980A (ja) * | 2006-10-30 | 2007-03-22 | Toshiba Corp | 半導体デバイス用TaN膜とそれを用いた半導体デバイス |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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