JP2007242951A - 半導体配線用バリア膜、半導体用銅配線、同配線の製造方法及び半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents
半導体配線用バリア膜、半導体用銅配線、同配線の製造方法及び半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット Download PDFInfo
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Abstract
【課題】近接する高密度銅配線への銅の拡散を抑制するに際し、膜剥離を生じさせない程度の薄い膜厚で、また近接する狭い配線幅でも十分なバリア効果を得ることができ、さらに熱処理等により温度上昇があっても、バリア特性に変化がない高密度銅配線半導体用バリア膜及びバリア膜形成用スパッタリングターゲットの提供。
【解決手段】Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜からなり、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする高密度銅配線半導体用バリア膜。Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金であって、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下であることを特徴とするバリア膜形成用スパッタリングターゲット。
【選択図】図1
【解決手段】Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜からなり、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする高密度銅配線半導体用バリア膜。Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金であって、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下であることを特徴とするバリア膜形成用スパッタリングターゲット。
【選択図】図1
Description
本発明は、銅の拡散を効果的に抑制することのできる半導体配線用バリア膜、半導体用銅配線、同配線の製造方法及び半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲットに関する。
従来、半導体ウエハー上に形成する高密度集積回路の微細な配線材料として、アルミニウム系合金に代わり高速化が可能な銅が用いられるようになってきた。銅は、比抵抗が1.8μWcmと低くエレクトロマイグレーション耐性がアルミニウム合金系と比較して一桁高いという特徴を有している。
ところで、半導体装置には素子間を接続するトレンチやビアが多数形成されており、これらは層間絶縁層に開口部を形成し、そこに導電性材料を埋め込むことにより形成される。近年、その層間絶縁層に溝部を形成し、銅で溝部を埋め込むことで溝配線を形成するシングルダマシン法、あるいは銅で溝部および溝部の底部に設けられた開口部を埋め込むことで、トレンチとビアホールを一体に形成するデュアルダマシン法による配線形成が実用化されつつある。
集積回路の内部では、金属配線が何層にも張り巡らされて信号を伝送しているが、高密度化に伴い配線間の距離が近くなるに伴い、前記トレンチやビア内に形成した銅が容易に拡散し(マイグレーション)、回路配線が短絡するという問題が発生するようになった。
ところで、半導体装置には素子間を接続するトレンチやビアが多数形成されており、これらは層間絶縁層に開口部を形成し、そこに導電性材料を埋め込むことにより形成される。近年、その層間絶縁層に溝部を形成し、銅で溝部を埋め込むことで溝配線を形成するシングルダマシン法、あるいは銅で溝部および溝部の底部に設けられた開口部を埋め込むことで、トレンチとビアホールを一体に形成するデュアルダマシン法による配線形成が実用化されつつある。
集積回路の内部では、金属配線が何層にも張り巡らされて信号を伝送しているが、高密度化に伴い配線間の距離が近くなるに伴い、前記トレンチやビア内に形成した銅が容易に拡散し(マイグレーション)、回路配線が短絡するという問題が発生するようになった。
このようなCuの拡散を抑制するために、トレンチやビアの下に予めCuの拡散を防止するためのバリア層を形成し、その上にCuのシード層及びCuの厚付けめっき層を形成することが提案されている。
その代表的なものとして、Ni−Cr合金のバリア層を形成したものがある(特許文献1参照)。
しかし、200〜300°C程度の温度上昇があると、依然としてCuの拡散が認められる。また、特に配線幅が狭くなると、従来のバリア層では銅の拡散を防ぐことができず、必ずしも効果的でないことが分かった。
その代表的なものとして、Ni−Cr合金のバリア層を形成したものがある(特許文献1参照)。
しかし、200〜300°C程度の温度上昇があると、依然としてCuの拡散が認められる。また、特に配線幅が狭くなると、従来のバリア層では銅の拡散を防ぐことができず、必ずしも効果的でないことが分かった。
これを防ぐ手段として、従来のバリア層の厚さを厚くすることで、バリア特性を向上させることも考えられる。しかし、一定値以上に厚さを厚くすると、配線幅を狭くできないという問題が発生した。したがって、これも根本的な解決手段とは言えなかった。
本技術に近いものとしてポリイミドのフレキシブル回路基板への応用例があり、Ni、Cr、Co、Moから選んだ少なくとも1種の金属からなるバリアメタルを被覆し、熱可塑性樹脂を加熱して流動化させ、熱可塑性ポリイミドとバリアメタルとの結合力を増加させるという提案もある(特許文献2参照)。
しかし、この場合は、バリアメタルの拡散というものの根本的なものを解決するものではないので、依然として問題は残っている。
特開2002−252257号公報
特開2002−280684号公報
本技術に近いものとしてポリイミドのフレキシブル回路基板への応用例があり、Ni、Cr、Co、Moから選んだ少なくとも1種の金属からなるバリアメタルを被覆し、熱可塑性樹脂を加熱して流動化させ、熱可塑性ポリイミドとバリアメタルとの結合力を増加させるという提案もある(特許文献2参照)。
しかし、この場合は、バリアメタルの拡散というものの根本的なものを解決するものではないので、依然として問題は残っている。
以上の従来技術の問題点から、トレンチやビアを埋め込んで形成された銅の拡散を抑制するに際し、膜剥離を生じさせない程度の薄い膜厚で、また狭い配線幅でも十分なバリア効果を得ることができ、さらに熱処理等により温度上昇があっても、バリア特性に変化がない半導体回路形成用バリア膜及びバリア膜形成用スパッタリングターゲットを得ることを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、効果的なバリア特性を有する合金を使用し、バリア膜をできる限り薄くして剥離を防止すると共に、成膜した膜の均一性を高めることにより、上記の課題を解決することができるとの知見を得た。
本発明はこの知見に基づき、
1. Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜からなり、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする半導体配線用バリア膜
2. 半導体基板上に、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であるCo−Cr合金からなるバリア膜、及び該バリア膜上に形成された銅被覆層を備えていることを特徴とする半導体用銅配線
3. Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする上記2記載の半導体用銅配線
4. バリア膜上に形成された銅被覆層が、無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする上記2又は3記載の半導体用銅配線
5. バリア膜上に形成された銅被覆層が、銅スパッタ膜又は銅スパッタ膜からなるシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする上記2又は3記載の半導体用銅配線、を提供する。
1. Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜からなり、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする半導体配線用バリア膜
2. 半導体基板上に、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であるCo−Cr合金からなるバリア膜、及び該バリア膜上に形成された銅被覆層を備えていることを特徴とする半導体用銅配線
3. Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする上記2記載の半導体用銅配線
4. バリア膜上に形成された銅被覆層が、無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする上記2又は3記載の半導体用銅配線
5. バリア膜上に形成された銅被覆層が、銅スパッタ膜又は銅スパッタ膜からなるシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする上記2又は3記載の半導体用銅配線、を提供する。
本発明は、また
6. 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上に無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法
7. 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上にスパッタ銅被覆層又はスパッタ膜からなる銅シード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法
8. Co−Cr合金からなるバリア膜は、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする上記6又は7記載の半導体用銅配線の製造方法
9. Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする上記6〜8のいずれかに記載の半導体用銅配線の製造方法
10.Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金であって、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下であることを特徴とする半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット、を提供する。
6. 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上に無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法
7. 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上にスパッタ銅被覆層又はスパッタ膜からなる銅シード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法
8. Co−Cr合金からなるバリア膜は、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする上記6又は7記載の半導体用銅配線の製造方法
9. Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする上記6〜8のいずれかに記載の半導体用銅配線の製造方法
10.Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金であって、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下であることを特徴とする半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット、を提供する。
本発明の半導体銅配線用バリア膜は、膜剥離を生じさせない程度の薄い膜厚とし、また狭い配線幅でも十分なバリア効果を得ることができ、さらに熱処理等により温度上昇があっても、バリア特性に変化がないという優れた特徴を有している。本発明は、半導体銅配線材料において銅の拡散を効果的に抑制する著しい特性を有する。
本発明の半導体銅配線材料用バリア膜は、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜である。
膜組成において、Crが5wt%に満たない場合はバリア性が十分でなく、従来のバリア膜に比べ優位性が無い。また、Crが30wt%を超えると、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)加工する際、このバリア膜がポリッシングを阻害するので、除去するのに非常に時間がかかり過ぎ、実用に向かない。したがって、上記のCrの範囲とする。
膜組成において、Crが5wt%に満たない場合はバリア性が十分でなく、従来のバリア膜に比べ優位性が無い。また、Crが30wt%を超えると、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)加工する際、このバリア膜がポリッシングを阻害するので、除去するのに非常に時間がかかり過ぎ、実用に向かない。したがって、上記のCrの範囲とする。
本発明の半導体銅配線材料用バリア膜の膜厚は、3〜150nmとする。膜厚が3nm未満の場合:充分なバリア性を持たない。また、膜厚が150nmを超えると膜剥がれを生じ易くなるので、上記の範囲とする。
本発明の半導体銅配線材料用バリア膜の膜厚は、膜厚均一性が1σで10%以下とする。膜厚均一性(1σ)が、10%を超えると、バリア膜上に形成する銅膜が不均一となり、半導体の伝送特性に支障をきたすという問題がある。このことにより、実デバイスの耐久性が低下する。したがって、上記の膜厚均一性(1σ)を10%以下とする。
本発明の半導体銅配線材料用バリア膜の膜厚は、膜厚均一性が1σで10%以下とする。膜厚均一性(1σ)が、10%を超えると、バリア膜上に形成する銅膜が不均一となり、半導体の伝送特性に支障をきたすという問題がある。このことにより、実デバイスの耐久性が低下する。したがって、上記の膜厚均一性(1σ)を10%以下とする。
本発明のバリア膜形成用スパッタリングターゲットについては、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金ターゲットを用いる。本発明のCo−Cr合金ターゲットの組成は、バリア膜の組成に直接反映される。すなわち、ターゲット組成のCrが5wt%に満たない場合、5wt%Cr以上のCo合金膜が成膜できない。
一方Crが30wt%を超えると、Cr30%以下Co合金の膜が成膜できない。したがって、Co−Cr合金ターゲットの組成は、上記の範囲とする。
また、本発明のバリア膜形成用スパッタリングターゲットの、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下とする。比透磁率が100を超えると、スパッタ膜の膜厚均一性が1σで10%を超えてしまうからである。
一方Crが30wt%を超えると、Cr30%以下Co合金の膜が成膜できない。したがって、Co−Cr合金ターゲットの組成は、上記の範囲とする。
また、本発明のバリア膜形成用スパッタリングターゲットの、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下とする。比透磁率が100を超えると、スパッタ膜の膜厚均一性が1σで10%を超えてしまうからである。
本発明のCo−Cr合金ターゲットは、平均結晶粒径が500μm以下、特に100μm以下が望ましい。平均結晶粒径が500μmを超えると、パーティクル発生量多くなり、ピンホールと呼ばれる膜欠陥が増加し、製品収率が低下するからである。
また、本発明のCo−Cr合金ターゲットは、ターゲット内の平均結晶粒径のバラツキが30%以内のものが望ましい。平均粒径のばらつきが30%を超えると、スパッタ成膜した膜の膜厚均一性が1σで10%を超えるおそれがあるからである。
また、本発明のCo−Cr合金ターゲットは、ターゲット内の平均結晶粒径のバラツキが30%以内のものが望ましい。平均粒径のばらつきが30%を超えると、スパッタ成膜した膜の膜厚均一性が1σで10%を超えるおそれがあるからである。
本発明のターゲットを製造するに際しては、800〜1370°Cの熱間における鍛造と、圧延の組み合わせにより、ターゲット板に加工するのが望ましい。
さらに、前記熱間鍛造・圧延後、大気中、真空中又は不活性ガス雰囲気中で、保持温度:300〜960°Cの熱処理を行うのが良い。
これによって得た熱処理板をターゲット形状に加工し、スパッタリングされる面の平均粗さ (Ra) を、0.01〜5μmとする。
また、ターゲットやバッキングプレートの側面などの非スパッタ面、すなわちスパッタされた物質が付着する部分を、サンドブラスト処理、エッチング処理又は溶射被膜層の形成等によって、表面の平均粗さ (Ra)を1〜50μmに表面粗化して、付着した被膜が再剥離するのを防止することが望ましい。再剥離してスパッタ雰囲気中に浮遊する物質は、基板へのパーティクル発生の原因となるからである。
さらに、前記熱間鍛造・圧延後、大気中、真空中又は不活性ガス雰囲気中で、保持温度:300〜960°Cの熱処理を行うのが良い。
これによって得た熱処理板をターゲット形状に加工し、スパッタリングされる面の平均粗さ (Ra) を、0.01〜5μmとする。
また、ターゲットやバッキングプレートの側面などの非スパッタ面、すなわちスパッタされた物質が付着する部分を、サンドブラスト処理、エッチング処理又は溶射被膜層の形成等によって、表面の平均粗さ (Ra)を1〜50μmに表面粗化して、付着した被膜が再剥離するのを防止することが望ましい。再剥離してスパッタ雰囲気中に浮遊する物質は、基板へのパーティクル発生の原因となるからである。
本発明のターゲットは、高出力スパッタに耐えられるように、Al合金、Cu、 Cu合金、Ti、Ti合金などのバッキングプレートへ、ロウ付け若しくは、拡散接合法や摩擦圧接法などの金属結合によってボンディングすることが望ましい。
また、ターゲットに含有される不純物として、Na、Kの濃度がそれぞれ5ppm以下(以降ppmは、wtppmを示す)、U、Thの濃度がそれぞれ0.05ppm以下、さらには主元素、添加元素以外の金属元素の総計が0.5wt%以下、かつ酸素濃度が0.5%以下であることが望ましい。
また、ターゲットに含有される不純物として、Na、Kの濃度がそれぞれ5ppm以下(以降ppmは、wtppmを示す)、U、Thの濃度がそれぞれ0.05ppm以下、さらには主元素、添加元素以外の金属元素の総計が0.5wt%以下、かつ酸素濃度が0.5%以下であることが望ましい。
本発明の半導体用配線の製造に際しては、半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上に無電解めっき層又は無電解めっきシード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成して高密度の半導体用配線を形成することができる。本発明のバリア膜は、このような集積度の高い配線膜においても、半導体基板への銅の拡散を効果的に抑制できる。
上記のCo−Cr合金からなるバリア膜を形成した後、さらにその上にスパッタ銅被覆層又はスパッタ膜からなる銅シード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することもできる。これは製造工程に応じて、適宜選択できる。
前記Co−Cr合金からなるバリア膜を形成する場合には、いずれも膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることが必要である。また、このバリア膜はCrを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることが望ましい。
以上のCo−Cr合金のバリア膜はスパッタリングにより形成するが、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下である半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲットを使用することが望ましい。
上記のCo−Cr合金からなるバリア膜を形成した後、さらにその上にスパッタ銅被覆層又はスパッタ膜からなる銅シード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することもできる。これは製造工程に応じて、適宜選択できる。
前記Co−Cr合金からなるバリア膜を形成する場合には、いずれも膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることが必要である。また、このバリア膜はCrを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることが望ましい。
以上のCo−Cr合金のバリア膜はスパッタリングにより形成するが、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下である半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲットを使用することが望ましい。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。以下に示す実施例は、理解を容易にするためのものであり、これらの実施例によって本発明を制限するものではない。本発明の技術思想に基づく変形及び他の実施例は、当然本発明に含まれる。すなわち、以下に示す実施例は、好適な実施例の一部を示しているだけで、以下の実施例だけに本発明が限定される必要がないことは容易に理解されるべきものである。
(実施例1)
Co−20wt%Crの組成を溶解・鋳造し、Co−Crインゴットを作製した。これを、1100°Cで熱間鍛造・熱間圧延し、冷却後500°Cで2時間熱処理を行い、ターゲットに加工した。このターゲットの結晶粒径は280μmであった。これを、さらに表面の平均粗さ:Raを0.14μmに仕上げた。
ターゲット中のCr濃度は19.1wt%で、不純物成分は、Na:0.2ppm、K:0.1ppm、U:0.02ppm、Th:0.03ppm、 金属成分の総計が470ppm、 酸素が10ppmであった。
このターゲットをバッキングプレートにインジウムでボンディングして、ターゲットの側面とターゲット近傍のバッキングプレート部をサンドブラストで、Ra=7.5μmに粗化した。
Co−20wt%Crの組成を溶解・鋳造し、Co−Crインゴットを作製した。これを、1100°Cで熱間鍛造・熱間圧延し、冷却後500°Cで2時間熱処理を行い、ターゲットに加工した。このターゲットの結晶粒径は280μmであった。これを、さらに表面の平均粗さ:Raを0.14μmに仕上げた。
ターゲット中のCr濃度は19.1wt%で、不純物成分は、Na:0.2ppm、K:0.1ppm、U:0.02ppm、Th:0.03ppm、 金属成分の総計が470ppm、 酸素が10ppmであった。
このターゲットをバッキングプレートにインジウムでボンディングして、ターゲットの側面とターゲット近傍のバッキングプレート部をサンドブラストで、Ra=7.5μmに粗化した。
このターゲットを使って、8インチのSiO2基板上に、膜厚:140nmのバリア層を作製した。このバリア層の各添加成分の組成を分析したところ、Cr:18.3wt%と、若干Crが少ない組成と一致した。このバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚均一性を調べたところ、1σで7.2%であった。
このバリア層の上に、スパッタリングにより200nmのCuを成膜した。
このCu/Co−Cr積層膜について、成膜したままの試料と、真空中で 300°C×2時間の熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、Cuのバリア層への拡散を評価した。
図1に、AESの結果を示す。Co−Crをバリア膜としたものでは、 300°Cで熱処理したものでも、Cuのプロファイルは熱処理を行わなかったものと同様のプロファイルを示しており、バリア層への拡散が認められなかった。
このバリア層の上に、スパッタリングにより200nmのCuを成膜した。
このCu/Co−Cr積層膜について、成膜したままの試料と、真空中で 300°C×2時間の熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、Cuのバリア層への拡散を評価した。
図1に、AESの結果を示す。Co−Crをバリア膜としたものでは、 300°Cで熱処理したものでも、Cuのプロファイルは熱処理を行わなかったものと同様のプロファイルを示しており、バリア層への拡散が認められなかった。
(比較例1)
従来のバリア材であるNi−20wt%Crの組成を有する材料を、溶解・鋳造し、Ni−Crインゴットを作製した。これを、1100°Cで熱間鍛造・熱間圧延し、冷却後500°Cで2時間の熱処理を行い、ターゲットに加工した。
このターゲットの結晶粒径は300μmで、表面粗さをRaで0.15μmに仕上げた。ターゲット中のCr濃度は19.7wt%、不純物成分は、Na: 0.1ppm、K:0.3ppm、U:0.02ppm、Th:0.04ppm、 不純物金属成分の総計が510ppm、 酸素が10ppmであった。
従来のバリア材であるNi−20wt%Crの組成を有する材料を、溶解・鋳造し、Ni−Crインゴットを作製した。これを、1100°Cで熱間鍛造・熱間圧延し、冷却後500°Cで2時間の熱処理を行い、ターゲットに加工した。
このターゲットの結晶粒径は300μmで、表面粗さをRaで0.15μmに仕上げた。ターゲット中のCr濃度は19.7wt%、不純物成分は、Na: 0.1ppm、K:0.3ppm、U:0.02ppm、Th:0.04ppm、 不純物金属成分の総計が510ppm、 酸素が10ppmであった。
ターゲットをバッキングプレートにインジウムでボンディングして、ターゲットの側面とターゲット近傍のバッキングプレート部をサンドブラストで、Ra=7.0μmに粗化した。ターゲットの面内方向の比透磁率は130であった。
このターゲットを使って、SiO2基板上に膜厚:140nmのバリア層を作製した。
このバリア層の各添加成分の組成を分析したところ、Cr:18.5wt%と、若干Crが少ない組成となった。このバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚均一性を調べたところ、1σで7.4%であった。
このターゲットを使って、SiO2基板上に膜厚:140nmのバリア層を作製した。
このバリア層の各添加成分の組成を分析したところ、Cr:18.5wt%と、若干Crが少ない組成となった。このバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚均一性を調べたところ、1σで7.4%であった。
このバリア層の上にスパッタ法でCu膜を200nm成膜した。このCu/ Ni−Cr膜について、成膜したままの試料と、真空中で300°C×2時間の熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、Cuのバリア層への拡散を評価した。図2にAESの結果を示す。
300°Cで熱処理したもののCuのプロファイルが、熱処理していないものよりも、バリア層に入り込んでいる。すなわち、バリア層としての機能が低いことが分かった。
300°Cで熱処理したもののCuのプロファイルが、熱処理していないものよりも、バリア層に入り込んでいる。すなわち、バリア層としての機能が低いことが分かった。
(実施例2〜8)
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明の範囲にある合金組成及び比透磁率のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。実施例2〜8のバリア膜の膜組成(wt%)、膜厚(nm)、膜厚の均一性(%)はいずれも、本願発明の範囲に入るものである。
さらに、このバリア層の上にスパッタ法でCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400℃30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散は認められなかった。これらの結果を同様に、表1に示す。
以上の結果、実施例2〜8は、いずれも銅のマイグレーションは見られなかった。
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明の範囲にある合金組成及び比透磁率のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。実施例2〜8のバリア膜の膜組成(wt%)、膜厚(nm)、膜厚の均一性(%)はいずれも、本願発明の範囲に入るものである。
さらに、このバリア層の上にスパッタ法でCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400℃30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散は認められなかった。これらの結果を同様に、表1に示す。
以上の結果、実施例2〜8は、いずれも銅のマイグレーションは見られなかった。
(比較例2)
表1に示す上記比較例1と同一のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのNi−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。比較例2のバリア膜の合金成分(Ni−Cr)は、本願発明と異なるものである。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
表1に示す上記比較例1と同一のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのNi−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。比較例2のバリア膜の合金成分(Ni−Cr)は、本願発明と異なるものである。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
(比較例3)
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明外の範囲にある合金組成(Cr量が本願発明よりも少ない)のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(Cr3.5wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
比較例3のバリア膜の膜組成(Cr3.5wt%)は、本願発明の膜のCr含有量(5〜30wt%)よりも少ない。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明外の範囲にある合金組成(Cr量が本願発明よりも少ない)のターゲットを用いて、8インチのSiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(Cr3.5wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
比較例3のバリア膜の膜組成(Cr3.5wt%)は、本願発明の膜のCr含有量(5〜30wt%)よりも少ない。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
(比較例4)
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明外の範囲にある合金組成(Cr量が本願発明よりも多い)のターゲットを用いて、SiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(Cr33.1wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
比較例3のバリア膜の膜組成(Cr33.1wt%)は、本願発明の膜のCr含有量(5〜30wt%)よりも多い。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、CMPによるポリッシングを試みたが均一性に問題があった。これらの結果を同様に、表1に示す。
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す本発明外の範囲にある合金組成(Cr量が本願発明よりも多い)のターゲットを用いて、SiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成(Cr33.1wt%)、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
比較例3のバリア膜の膜組成(Cr33.1wt%)は、本願発明の膜のCr含有量(5〜30wt%)よりも多い。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、CMPによるポリッシングを試みたが均一性に問題があった。これらの結果を同様に、表1に示す。
(比較例5)
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す通りターゲットの比透磁率が本発明外にあるターゲットを用いて、SiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示す通りターゲットの比透磁率が本発明外にあるターゲットを用いて、SiO2基板上に、膜厚10nmのCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成、バリア層の膜厚(nm)及びバリア層の膜厚を49点測定し、その膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。
(比較例6)
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示すターゲットを用いてスパッタリングし、SiO2基板上に、膜厚が本発明外にある 2.5nm(本願発明より薄い)のCo−Crバリア層を形成した。
このバリア層の各添加成分の組成、ターゲットの比透磁率、膜組成及びバリア層の膜厚を49点測定し、膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。バリア層の膜厚が十分でない場合にはCuの拡散が起り、耐久性がないことが分かった。
上記実施例1と同様の製造方法を用いてターゲットを製造し、下記表1に示すターゲットを用いてスパッタリングし、SiO2基板上に、膜厚が本発明外にある 2.5nm(本願発明より薄い)のCo−Crバリア層を形成した。
このバリア層の各添加成分の組成、ターゲットの比透磁率、膜組成及びバリア層の膜厚を49点測定し、膜厚の均一性(%)を調べた。その結果を表1に示す。
さらに、このバリア層の上にCuシード層を20nm成膜後、電気めっきにより200nmのCu層を形成した。そして、2%水素/98%ヘリウムガス雰囲気において400°C30分間のアニール処理を行った。熱処理を行った試料について、AES(オージェ電子分光法)で深さ方向にプロファイルをとり、熱処理前後の比較により、Cuバリア層への拡散を評価した。この結果、銅の拡散が認められた。これらの結果を同様に、表1に示す。バリア層の膜厚が十分でない場合にはCuの拡散が起り、耐久性がないことが分かった。
(比較例7)
上記実施例1と同様の製造方法を用いて表1に示すターゲットを製造し、下記表1に示す通りバリア層の膜厚が本発明外にある条件で、8インチのSiO2基板上に、膜厚が本発明外にある180nm(本願発明より厚い)のCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成及びバリア層の膜厚(nm)を、同様に表1に示す。しかし、このバリア層は剥離したため、その後の測定は不能となった。以上から、バリア層の過剰な膜厚は、適切でないことが分かった。
上記実施例1と同様の製造方法を用いて表1に示すターゲットを製造し、下記表1に示す通りバリア層の膜厚が本発明外にある条件で、8インチのSiO2基板上に、膜厚が本発明外にある180nm(本願発明より厚い)のCo−Crバリア層を形成した。
さらに、このバリア層の各添加成分の組成及びバリア層の膜厚(nm)を、同様に表1に示す。しかし、このバリア層は剥離したため、その後の測定は不能となった。以上から、バリア層の過剰な膜厚は、適切でないことが分かった。
本発明は、狭い配線幅の銅回路でも十分なバリア効果を得ることができ、さらに熱処理等による温度上昇があっても、バリア特性に変化がないという優れた特徴を有している。このように、銅の拡散を効果的に抑制する著しい特性を有するので、高密度銅配線半導体用バリア膜として有用である。
Claims (10)
- Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜からなり、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする半導体配線用バリア膜。
- 半導体基板上に、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であるCo−Cr合金からなるバリア膜、及び該バリア膜上に形成された銅被覆層を備えていることを特徴とする半導体用銅配線。
- Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする請求項2記載の半導体用銅配線。
- バリア膜上に形成された銅被覆層が、無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする請求項2又は3記載の半導体用銅配線。
- バリア膜上に形成された銅被覆層が、銅スパッタ膜又は銅スパッタ膜からなるシード層とその上に形成された電気銅めっき層であることを特徴とする請求項2又は3記載の半導体用銅配線。
- 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上に無電解銅めっき層又は無電解銅めっきシード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法。
- 半導体基板上に、スパッタリングによりCo−Cr合金からなるバリア膜を形成し、さらにその上にスパッタ銅被覆層又はスパッタ膜からなる銅シード層と電気銅めっきによる銅被覆層を形成することを特徴とする半導体用配線の製造方法。
- Co−Cr合金からなるバリア膜は、膜厚が3〜150nm、膜厚均一性が1σで10%以下であることを特徴とする請求項6又は7記載の半導体用銅配線の製造方法。
- Co−Cr合金からなるバリア膜が、Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金膜であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の半導体用銅配線の製造方法。
- Crを5〜30wt%含有し、残部が不可避的不純物及びCoからなるCo−Cr合金であって、スパッタ面の面内方向の比透磁率が100以下であることを特徴とする半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット。
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JP2006064343A JP2007242951A (ja) | 2006-03-09 | 2006-03-09 | 半導体配線用バリア膜、半導体用銅配線、同配線の製造方法及び半導体バリア膜形成用スパッタリングターゲット |
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Cited By (2)
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JP2011214039A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Sanyo Special Steel Co Ltd | スパッタリングターゲット材の製造方法 |
JP4961023B2 (ja) * | 2007-12-21 | 2012-06-27 | Jx日鉱日石金属株式会社 | プリント配線板用銅箔 |
-
2006
- 2006-03-09 JP JP2006064343A patent/JP2007242951A/ja not_active Withdrawn
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