JP2018529019A - 金属及び金属合金の作製のための熱処理方法 - Google Patents

金属及び金属合金の作製のための熱処理方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、スパッタリングターゲットと共に用いるための高強度バッキングプレートを形成する方法を含み、第一の金属材料を溶体化すること;第一の金属材料を等チャンネル角押出しに掛けること;及び第一の金属材料を時効することを含む。
【選択図】図5

Description

本開示は、高強度バッキングプレート、ターゲットアセンブリ、高強度バッキングプレートを形成する方法、及びターゲットアセンブリを形成する方法に関する。
物理蒸着法は、様々な基材上に物質の薄膜を形成するために広く用いられている。そのような蒸着技術における1つの重要な分野は、半導体製造である。例示的な物理蒸着装置10の一部の模式図を図1に示す。物理蒸着(「PVD」)装置10は、スパッタリングターゲット14がボンディングされたバッキングプレート12を備えている。半導電性材料ウェハ18は、装置10内にあり、ターゲット14から間隔を空けて提供される。ターゲット14の面16は、スパッタリング面である。運転時、スパッタリングされた材料22は、ターゲット14の面16から移動され、ウェハ18上にコーティング(又は薄膜)20を形成するために用いられる。
いくつかのスパッタリング用途では、モノリシックなターゲットが利用可能であるが(ここで、モノリシックとは、材料の単一片から形成され、バッキングプレートなしで用いられるターゲットを意味する)、ほとんどのターゲットは、図1に示されるように、バッキングプレートと接合されている。図1に示されるターゲットとバッキングプレートとのアセンブリは、ターゲット及びバッキングプレートがいずれも、当業者であれば理解されるように、数多くのサイズ又は形状のいずれであってもよいことから、例としての構成であることは理解されるべきである。
金属及び合金を含むがこれらに限定されない様々な材料が、PVDを用いて蒸着される。一般的なターゲット材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、銅、タンタル、ニッケル、モリブデン、金、銀、白金、並びにこれらの合金及び組み合わせが挙げられる。バッキングプレートは、スパッタリングシステムへの搭載が容易であり、特に冷却システムによって引き起こされる圧力下においてターゲットを支持するための強度を提供可能であることから、これらの材料が関与するほとんどの用途において一般的に用いられる。ターゲットバッキングプレートアセンブリはまた、対応するモノリシックターゲットより安価でもあり得る。
従来のバッキングプレートは、銅、銅合金(例:CuCr、CuZn)、又はアルミニウム合金(例:Al6061、Al2024)から形成される場合が多い。これらの材料は、熱的、電気的、及び/又は磁気的特性によって選択され得る。アルミニウム合金は、銅合金よりも最大で3倍低い密度を有し得るが、より弱いヤング率も有し得る。従来のアルミニウム又は銅含有バッキングプレートの製造は、例えば、非常に微細な第二相析出物の分散及び析出を利用した合金強化を含み得る。しかし、このような従来のバッキングプレート材料は、典型的には、かなり大きい結晶粒サイズを有し、一貫して10ミクロンを優に超えている。
半導体ウェハ製造技術の進歩により、ますます大きいターゲットが、特に300mmから450mmサイズのウェハを製造するために求められてきている。ターゲットのサイズが大きくなると、今度はターゲットの反りを最小限に抑えるか又は回避するために、より高強度のバッキングプレート材料が必要となる。バッキングプレート材料において多くの改善が成されてはきたが、特に、膜の品質及び均一性を改善するためにますます高いスパッタリング出力が用いられていることを考えると、より大きい寸法のターゲットを支持するのに充分な強度を提供するために、ますます高強度の材料が求められている。
従来のバッキングプレート材料は、多くの場合、大きいターゲットのための強度が不充分であり、それによって、高品質ターゲットのサイズが制限されている。比較的大きいターゲットを支持するのに充分に厚い従来から形成されているバッキングプレートは、非常に重い。このようなバッキングプレートの重量は、ターゲット/バッキングプレートの組み立て及び搭載を困難とし得る。そして、従来のバッキングプレート材料では、多くの場合、ターゲットがバッキングプレートとボンディングされた場合に得られるボンディング強度が弱い。
改善された機械的強度及びボンディング特性を、ボンディング強度、熱伝導性、電気抵抗性、耐渦電流性(eddy current resistance)、及び熱安定性などの他の物理的特性を損なうことなく有するバッキングプレート及びバッキングプレート材料を開発することが望ましい。
ある実施形態では、本開示は、スパッタリングターゲットと共に用いるための高強度バッキングプレートを形成する方法を含み、第一の金属材料を摂氏約850から950度の温度で溶体化すること;第一の金属材料を等チャンネル角押出し(equal channel angular extrusion)に掛けること;及び第一の金属材料を摂氏約400から約550度の温度で時効することを含む。
ある実施形態では、本開示は、スパッタリングターゲットバッキングプレート構造を作製する方法を含み、第一の金属化合物を、摂氏約800から950度の温度で少なくとも1時間にわたって溶体化に掛けること;第一の金属化合物を等チャンネル角押出しすること;及び第一の金属化合物を摂氏約300から550度で少なくとも30分間にわたって時効することを含む。
ある実施形態では、本開示は、少なくとも摂氏425度の温度までで82.5ksiよりも大きい0.2%オフセット降伏強度、及び90ksiよりも大きい引張強度を有する第一の金属材料を含むスパッタリングターゲットバッキングプレート組成物を含む。
ある実施形態では、本開示は、10ミクロン未満の平均結晶粒サイズを有し、少なくとも80ksiの降伏強度を有する高強度バッキングプレートを包含する。
ある実施形態では、本開示は、ターゲットバッキングプレートを作製する方法を包含する。この方法は、熱間鍛造、溶体化、並びに等チャンネル角押出し(ECAE)、捻り、累積ロールボンディング(accumulative roll bonding)(ARB)、繰り返しプレス若しくは押出し(cyclic pressing or extrusion)、摩擦撹拌溶接、波形絞り(corrugative drawing)、極低温圧延若しくはプレス、及びハンマー鍛造のうちの少なくとも1つを用いた強塑性変形加工(severe plastic deformation processing)を含む加工を行うことを含む。この方法は、所望に応じて、アニーリングなどの熱処理、並びに圧延及び鍛造のうちの少なくとも1つを用いる変形後加工を行うことを含む。ターゲットバッキングプレートは、10ミクロン未満の平均結晶粒サイズで作製することができ、85ksiよりも大きい0.2%オフセット降伏強度、及び90ksiよりも大きい引張強度を有する。パーセントオフセット降伏強度及び測定方法は、ASTM E8−01のセクション7.7.1に記載されている。
ある実施形態では、本開示は、ターゲット及びバッキングプレートを含むターゲットアセンブリを包含する。ターゲットは、約10ミクロン未満の平均結晶粒サイズを有する第一の材料を含む。バッキングプレートは、やはり約10ミクロン未満の平均結晶粒サイズを有する第二の材料を含む。ターゲットとバッキングプレートとは、少なくとも10ksiのボンディング強度を有するボンドで互いにボンディングされる。
ある実施形態では、本開示は、ターゲットアセンブリを形成する方法を包含する。この方法は、ターゲット及び高強度バッキングプレートを提供すること、並びにターゲットをバッキングプレートに接合することを含む。ターゲットは、第一の材料を含み、バッキングプレートは、約10ミクロン未満の平均結晶粒サイズを有する第二の材料を含む。バッキングプレートは、少なくとも85ksiの0.2%オフセット降伏強度を有し得るものであり、90ksi超であり得る。最大引張強度は、90ksi超であり得るものであり、96ksi超であり得る。これらの特性は、400℃から450℃もの高さの材料温度でも有効に維持される。
複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、当業者であれば、本出願の例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な記述から明らかとなるであろう。したがって、図面及び詳細な記述は、限定的ではなく例示的な性質として見なされるべきである。
図1は、物理蒸着装置の一部の模式図である。 図2は、高強度バッキングプレートを形成する方法を示すフローチャートである。 図3は、等チャンネル角押出し装置で処理された材料の断面図である。 図4は、本発明の方法で材料を処理した結果のグラフであり、アニーリング温度と硬度との関係を示している。 図5は、本発明の方法で処理された後に撮影した銅合金サンプルの光学顕微鏡画像である。 図6は、本発明の方法で材料を処理した結果のグラフであり、引張強度に対する効果を示している。 図7は、本発明の方法で材料を処理した結果のグラフであり、加工温度の引張強度に対する効果を示している。 図8は、銅合金の初期溶体化温度と最終引張強度との関係を示すグラフである。 図9は、銅合金のアニーリング温度と最終引張強度との関係を示すグラフである。 図10は、銅合金のECAEのパス数と最終引張強度との関係を示すグラフである。 図11A、図11B、図11C、及び図11Dは、銅合金の光学顕微鏡写真であり、本発明の方法での処理後の結晶粒サイズを示している。 図11A、図11B、図11C、及び図11Dは、銅合金の光学顕微鏡写真であり、本発明の方法での処理後の結晶粒サイズを示している。 図12A及び図12Bは、光学顕微鏡で撮影した銅合金の写真であり、本発明の方法での処理後の結晶粒サイズを示している。 図13は、本発明の方法で処理した銅合金における結晶粒サイズ分布のグラフ及びリストである。 図14は、本発明の方法で処理した銅合金における結晶粒サイズ分布のグラフ及びリストである。 図15A及び図15Bは、本発明の方法で処理した銅合金における結晶方位差(misorientation angles)を示すグラフである。 図15A及び図15Bは、本発明の方法で処理した銅合金における結晶方位差(misorientation angles)を示すグラフである。
本発明の方法は、改善された強度及びボンディング特性を有する高強度バッキングプレート材料及びバッキングプレートの作製を提供する。本開示に従う高強度バッキングプレート材料、高強度バッキングプレート、及びターゲット/バッキングプレートアセンブリを作製する方法も記載される。
ターゲットとバッキングプレートとのボンディング及びボンディング強度に関連する問題を解消するために特定の場合で用いることのできる高強度のモノリシックターゲットは開発されてきたが、最近の電子デバイス製造に用いられる高純度ターゲット材料の強度が比較的低いことから、モノリシックターゲットの有用性は、限定され得る。さらに、モノリシックターゲットは、より軽く及び/又は強いバッキングプレート材料とのボンディングが可能であるターゲットと比較して、比較的重く、高価であり得る。
従来のバッキングプレート材料は、一部の用途では満足のいくものであり得るが、大きいターゲットが所望される場合及び/又は高いスパッタリング出力が用いられることになる場合は、高強度バッキングプレート材料を用いることで、反りを回避し、大サイズのターゲットを支持するのに適切な強度を得ることができる。さらに、本開示の高強度バッキングプレート材料は、ターゲットとバッキングプレートとの間のより高いボンディング強度を提供することもできる。
一般的に、先進のスパッタリングシステム用途に用いるための最近のバッキングプレートに適する品質としては:スパッタリング時のターゲットアセンブリの変形及び反りに影響を与えるヤング率及び降伏強度を含む高い機械的強度;比較的容易な取り扱い及び搭載を可能とする軽量性;スパッタリング時の剥離を最小限に抑えるか又は回避するための特定のターゲット材料と同等又は適合する熱膨張係数;冷却効率の向上又は最適化のための高い熱伝導性;好ましくは10ksi超のボンディング強度を得ることができる高強度の接合及びボンディングを可能とする組成及び物理的冶金学的特性;並びにスパッタリング時の磁束及び電束の向上又は最適化のための特定のターゲット材料に類似する電気的及び磁気的特性が挙げられる。
アルミニウム合金、チタン合金、又はスチールに加えて、300mmのバッキングプレートを作製するために銅合金が多くの場合用いられる。CuCr、CuCrNiSi(C18000グレード)、及びCuZnなどの合金が知られているが、300mmのターゲットに機械的限界を有し得るものであり、450mmなどのより大きいバッキングプレートではさらに厳しくなる。
標準的なCu合金バッキングプレートの考え得る問題は、高温での不充分な強度である。高温での機械的特性が必要であるのにはいくつかの理由がある。例えば、ターゲット材料に応じて(例:Ti又はTaの場合)、スパッタリング中の温度は非常に高くなり得る。さらに、充分なボンディング強度を得るには、より高い温度がボンディングで必要とされる。材料によっては、製品仕様を満たすボンディング強度を得るために、450℃〜500℃もの高い温度が必要であり得る。別の例では、C18000バッキングプレートを有する拡散ボンディングされたターゲットは、逆歪み(inverse deflection)を起こして、ターゲット裏面のマグネットへの接触、さらには電源故障の問題を引き起こし得る。他の重要な物理的特性に悪影響を及ぼすことなく、バッキングプレートの強度を大きく高めることが望ましい。選択された組成はまた、特に耐渦電流性に関連して、熱的及び電気的特性の良好な組み合わせも付与し得る。
一般的に、バッキングプレートは、以下の特性のうちの1つ以上を有し得る:ヤング率(「E」)及び降伏強度(「YS」)を含む高い機械的強度;スパッタリング時のミスマッチ又は剥離を回避するためのターゲット材料と同等である熱膨張係数;最適な冷却効率のための良好な熱伝導性;並びにスパッタリング時のアセンブリを通しての磁束及び電束の最適化のためのターゲット材料に類似することが好ましい許容される電気的及び磁気的特性。
本出願に従うバッキングプレート材料及びバッキングプレートは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金を含み得る。これらの材料は、適切な熱及び電気伝導性、磁気的特性、並びに熱膨張係数を与え得る。本開示はまた、別の選択肢としてのバッキングプレート材料及び合金元素も包含し、これらに限定されないが、Ag、Al、As、Au、B、Be、Ca、Cd、Co、Cr、Fe、Ga、Ge、Hf、Hg、Ir、In、Li、Mg、Mn、Mo、Ni、O、P、Pd、Sb、Sc、Si、Sn、Ta、Te、Ti、V、W、Zn、Zr、並びにこれらの合金及び組み合わせが挙げられる。ある実施形態では、分散された酸化物及び炭素を添加することも可能であり、例えばカーボンナノチューブの形態である。バッキングプレートの形成に用いられる銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金は、微量の不純物又は他の微量物質も含有していてよい。
適切なバッキングプレート材料は、バッキングプレートが最終的に接合されることになるスパッタリングターゲットの材料に基づいて選択されてよい。本開示に従うターゲット/バッキングプレートアセンブリのための典型的なスパッタリングターゲットとしては、Ag、Al、Be、Co、Cr、Cu、Fe、In、Mg、Mn、Mo、Ni、Sc、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Zn、Zr、並びにこれらの合金及び組み合わせを含むターゲットが挙げられる。本開示のバッキングプレートとターゲットとの接合は、はんだ付け、ろう付け、固相拡散ボンディング、ヒップ処理、爆着、熱間圧延、及び機械的接合が挙げられるがこれらに限定されないいかなるボンディング技術を用いて行われてもよい。
本開示に従うバッキングプレートに用いられてもよい材料は、熱処理材料及び非熱処理材料を含み、ここで、熱処理材料とは、熱処理によって硬化可能である材料であり、非熱処理材料とは、熱処理によって硬化することができない、及び/又は強度を喪失し得る材料である。本出願に従う一般的な方法及び加工は、バッキングプレート用に用いられるべき特定の材料の熱処理性に基づいて改変及び適合されてもよい。
本明細書で述べる方法は、例えばC18000組成物(Weldaloy,Products Co.,Warren,MI;Nonferrous Products Inc.,Franklin,IN;又はMaterion,Corp,Tuscon,AZから入手可能)から作製されたものなどの既存の銅合金バッキングプレートの強度を大きく改善することが見出された。バッキングプレート材料にこれらの方法が施された場合、例えば、ターゲットの歪みを支配する降伏強度が大きく向上することが見出された。
本開示は、強塑性変形と組み合わされた特定の熱処理手順を提供する。ある実施形態では、熱処理手順は、すべての可溶性析出物を溶体化するための溶体化及び焼き入れ工程、最適な強化を得るための時効硬化工程、並びに熱伝導性及び電気抵抗性などの物理的特性を強度に悪影響を与えることなく最大化するための低温回復アニーリング(low temperature recovery annealing)を含み得る。
特定の場合では、本開示のバッキングプレートは、等チャンネル角押出し(「ECAE」)又は他の強塑性変形技術を用いて形成されたものなどの高強度スパッタリングターゲットと共に用いられてもよい。ECAEを用いて作製されたターゲットが比較的小さい結晶粒サイズを有することにより、本開示の高強度バッキングプレート材料をECAEターゲットと組み合わせた場合、別の選択肢としてのターゲット材料及び/又はバッキングプレート材料と比較して、ボンディング強度を高めることができる。
溶体化温度及び時効温度の両方が重要であることが見出された。特に、強塑性変形は、熱処理工程の工程間で、又は熱処理工程の最後に、等チャンネル角押出し(「ECAE」)によって行われてもよい。ECAEは、他の物理的特性に有害な影響を及ぼすことなく、転位を加え、微細構造を微細化することによって強化に寄与する。あるCu合金において最終製品の強度を高め、追加の有益性に寄与するために熱処理と組み合わせることができるECAEの従来とは異なる最適なパス数が存在することが見出された。加えて、ECAEを圧延などの追加の従来の加工熱処理と組み合わせて、より優れた機械的特性を有する製品を作製することができることも見出された。
ある実施形態では、本開示で述べる方法はまた、適切な熱処理及び加工を提供することにより、バッキングプレートにおける熱伝導性、電気伝導性、及び耐渦電流性も最適化する。塑性変形及び/又は合金元素は、電気抵抗性及び耐渦電流特性の向上に寄与する。この方法を用いて、2.5から6μΩ−cm(マイクロオーム−cm)の電気抵抗率を有するバッキングプレート材料を作製することができ、これは、電気的特性と熱的特性とのより優れた組み合わせをもたらす。CuCrNiSi合金が、スパッタリングターゲット用途において特に興味深い。既に述べたように、C18000は、そのような合金の例であり、約1.8から3.5%の典型的な範囲のNiを含有する。この適度な量が、許容される約3から4μΩ−cmの範囲まで電気抵抗率を上昇させる。
本開示で述べる方法を受ける材料は、適切な高い熱安定性及び/又は高い強度について選択されてもよい。例えば、開示される方法を用いて銅バッキングプレートを形成することが望まれる場合、銅合金が初期合金材料を形成してよく、追加元素がその銅合金に添加されて、最終銅バッキングプレートに熱安定性が付与されてもよい。銅に添加されてもよい元素の例は、Ti、Ni、及びCoであり、これらは、銅合金の熱安定性の改善に用いられてきたものである。
銅合金を選択する際の追加の戦略は、強度を追加する目的で、特定の元素を添加することである。バッキングプレートのための銅合金は、合金に強度を追加する合金元素を含んでいてよい。例えば、銅合金バッキングプレートは、Ni、Cr、Si、Fe、Be、Zr、Ag、Mg、Mn、Nb、V、Co、Sc、Sn、Al、Zn、W、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含んでいてよい。Zr、Fe、Be、Mg、Sn、Nb、Sc、Ag、Mn、V、Co、Zn、Zr、Be、Cr、W、及びNiが、析出物を形成することができることから特に興味深い。また、分散された酸化物及び炭素(例:カーボンナノチューブ)を添加することも可能である。典型的な量は、重量パーセントで、低くは0.1%、0.25%、若しくは0.5%、又は高くは1%、2%、若しくは5%であってよく、又は0.1%から5%、0.25%から2%、若しくは0.5%から1%など、前述の値の対によって境界が定められる範囲内であってもよい。ある実施形態では、銅バッキングプレートは、約1.5重量%から6.0重量%のニッケル、約0.25重量%から2.0重量%のケイ素、約0.10重量%から2.0重量%のクロム、及び残量の銅を含んでいてもよい。例えば、銅バッキングプレートは、重量パーセントで、約1.5重量%から6.0重量%、約1.75%から約4.5%、約2.0%から約3.0%、又は約2.5%のニッケルを含んでよい。本明細書で開示されるバッキングプレートの形成に用いられる銅又は銅合金はまた、不純物及び/又は微量物質を含んでいてもよい。
いくつかの元素は、銅中において様々な度合いの可溶性を有し、温度の上昇と共に変化する。このことにより、本明細書で述べる溶体化工程を用いて、いわゆる時効硬化合金又は析出硬化合金を形成することが可能となる。具体的には、いくつかの合金元素は、固体銅中において、低温時よりも高温時の方が高い可溶性を示す。
一般的に、本開示に従う熱処理材料及び非熱処理材料の加工方法は、典型的には、材料のインゴットの鋳造、予備熱加工、及び等チャンネル角押出しを用いた押出しを含んでよい。一般的な加工では、場合によっては、材料の1つ以上の加工段階でアニーリングも用いてよい。記載した方法は、本開示に従う高強度バッキングプレート、高強度バッキングプレート材料、及びバッキングプレート/ターゲットアセンブリの形成に用いることができる。
プロセスの方法が、図2を参照して概略的に記載される。アルミニウム合金、銅、又は銅合金を処理するための例示的な加工スキームが示される。図2に示される概略的なプロセスは、熱処理合金及び非熱処理合金の両方に用いることができる。熱処理合金は、所望に応じて、さらなる加工処理を受けてもよい。
ある実施形態では、合金材料は、本発明の方法で用いるための粒子サイズ又は形状などの所望される形態である出発材料を作製するために、初期加工工程110を受けてもよい。初期加工工程110は、例えば、熱間鍛造などの鋳造又は鍛造の1つ以上を含んでよい。熱間鍛造は、単一の加熱を含んでよく、又は初期加熱及び1つ以上の続いての再加熱イベントを含んでもよい。初期加熱と各続いての再加熱との間の各鍛造イベントで得られる高さ圧下率は、特定の組成及び用いられる鍛造温度などの因子に応じて様々となり得る。本開示の初期加工工程110は、特定の均質化処理及び/若しくは熱間鍛造処理、又は処理手順に限定されない。特定の態様では、初期加工工程110は、鋳造された材料の均質化、及び続いての熱間鍛造を含んでもよい。
初期加工工程110に続いて、出発材料は、次に、図2にプロセス104として示される最適化熱処理プロセスを受ける。最適化熱処理プロセス104は、初期合金材料に適用されて初期材料内の析出物を均質化するための溶体化工程112から開始する。溶体化112は、処理される特定の組成物中に溶体化及び均質化を誘発するのに充分な温度で行われ得る。溶体化112の温度は、好ましくは、組成物の溶体化を最大とするのに充分な時間にわたって維持されてよい。溶体化112の過程では、高い温度での可溶性がより高い合金元素が、初期材料の主マトリックス中に溶解され、固溶体中に移行される。これらの元素が析出物中に存在する場合、これは、これらの析出物も初期材料の主マトリックス中に拡散し、溶解することを意味する。
ある実施形態では、アルミニウム材料の溶体化112は、約400℃超の温度で、1時間までの、又は少なくとも約1時間の時間にわたる溶体化112を含む。熱処理アルミニウム合金の場合、溶体化112は、450℃から650℃、約500℃から650℃、及び約550℃から650℃の温度で、1時間までの、又は1時間を超える時間にわたって行われてもよい。ある実施形態では、溶体化112は、1から8時間にわたって、又は8時間超から24時間までにわたって行われてもよい。
材料が熱処理銅又は銅合金である場合、溶体化112は、約500℃から950℃の温度で、1時間までの、又は1時間を超える時間にわたって行われてよい。ある実施形態では、熱処理銅合金の場合、溶体化は、所望に応じて、500℃から950℃、約600℃から950℃、約700℃から950℃の温度、約800℃から950℃、又は約850℃から950℃の温度で、1時間までの、又は1時間を超える時間にわたって行われてもよい。ある実施形態では、熱処理銅合金の場合、溶体化は、所望に応じて、約875℃から約950℃、約890℃から約950℃、又は約900℃から940℃の温度で行われてもよい。ある実施形態では、銅材料の溶体化112は、約850℃超の温度で、少なくとも約1時間にわたる溶体化112を含む。ある実施形態では、溶体化112は、1から8時間にわたって行われてもよい。ある実施形態では、溶体化112は、8時間超から24時間までにわたって行われてもよい。
ある実施形態では、溶体化112に続いて、水又は油中での焼き入れ工程114が行われる。焼き入れ工程114では、溶体化材料が、溶体化温度から、材料の塑性変形温度未満まで急冷される。本明細書で用いられる場合、「急冷される」の用語は、材料が所望されないサイズの結晶粒を再形成する時間を有することなく過飽和固溶体を作り出すのに充分に速い速度での冷却として定義される。
溶体化又は均質化工程112にとって充分な温度は、バッキングプレート材料に所望される最終的な結晶粒サイズよりも大きい結晶粒サイズを生成する結晶粒成長をもたらし得ることには留意されたい。したがって、より小さい結晶粒サイズの実現を試みる従来の方法では、溶体化又は均質化処理を最小限に抑える傾向にある。しかし、本開示に従う方法では、溶体化後の結晶粒サイズ低下が可能であり、それによって、溶体化処理及び小結晶粒サイズの両方の有益性を得ることができる。溶体化112を行って、初期材料中に存在するいずれの析出物及び/又は粒子も溶解することが有利であり得る。溶体化112は、さらに、加工される材料中での化学的偏析を低減又は解消することもできる。
ある実施形態では、溶体化112及び焼き入れ114の後、熱間鍛造された材料は、続いて、強塑性変形加工116を受けてよい。好ましい実施形態では、強塑性変形116は、等チャンネル角押出し(ECAE)を用いる。図3を参照すると、例示的なECAE装置40は、交差する1対のチャンネル44及び46を定める金型アセンブリ42を含む。交差するチャンネル44及び46は、断面積が同一であるか又は少なくとも実質的に同一であり、「実質的に同一である」という用語は、チャンネルがECAE装置の許容されるサイズ誤差の範囲内で同一であることを示す。運転時は、予備処理された材料(上述した溶体化材料であってよい)が、チャンネル24及び26を通して押出される。そのような押出しの結果、チャンネルの交差面に位置する薄いゾーンにおいて層から層へと起こる単純なせん断によって、材料の塑性変形116がもたらされる。チャンネル44及び46は、約90°の角度で交差することが好ましいものであり得るが、別の選択肢としての工具系角(tool angle)が用いられてもよいことは理解されたい(図示せず)。典型的には、約90°の工具系角(チャンネル交差角)を用いて、最適な変形(真せん断歪み)が得られる。
ECAEは、溶体化された材料に強塑性変形を導入することができる一方で、材料ブロックの寸法は変化せずに残される。ECAEは、ECAEを低い荷重及び圧力で用いて厳密に均一で均質である歪みを導入することができるという点で、金属材料に強い歪みを導入するための好ましい方法であり得る。加えて、ECAEは、1パスあたりの高い変形を実現することができ(真歪みε=1.17)、ECAE装置を通しての複数パスによって高い累積歪みを実現することができ(n=4パスで、ε=4.64)、及び異なる変形経路を用いることによって(すなわち、ECAE装置を通してのパスの間で鍛造されたブロックの配向を変化させることによって)、材料内に様々な組織/微細構造を作り出すために用いることができる。
ECAEによって加工される材料は、ECAE装置を複数回、数多くの経路で通されてよい。材料がECAE装置40を通して複数パスを受ける場合に用いられる好ましい経路は、「経路D」であってよい。経路Dとは、連続する各パスの間で、材料のブロックを同じ方向に一貫して90°回転させる方法を意味する。したがって、経路Dを用いることにより、正方形の断面領域を有するブロックは、例えば、各パスにおいて同じ配向を用いてブロックを挿入すること、又は連続する各パスにおいてブロックを180°回転させることとは対照的に、連続する4回のパスの後、ちょうど1回転することになる。
ある実施形態では、本開示に従うECAE加工は、1回のパスに限定される。他の実施形態では、ECAE加工は、好ましくは、サブミクロン構造を生成させるために、少なくとも1又は2回のパスを含み、この場合、サブミクロン構造とは、1ミクロン未満の平均結晶粒サイズを有する構造を意味する。ある実施形態では、ECAE加工は、4から6回のパスを含む。
ECAE加工の過程では、押出しは、冷間加工温度又は熱間加工温度のいずれかで行われてよい。加工温度は、ECAE加工の過程でECAEダイを加熱することによって達成されてよい。別の選択肢として、又はダイの加熱に加えて、押出される材料は、各連続するパスの間でのアニーリング工程時に加熱されてもよい。パス間でアニーリング工程が用いられる場合、又はECAEダイがECAEのために加熱される場合、用いられるアニーリング温度又はダイ温度は、好ましくは、加工される特定の材料において結晶粒サイズを1ミクロンを超えて増加させることになる温度よりも低い。温度と結晶粒サイズとの間のこの関係は、以下でさらに考察される。
銅又は銅合金において、ECAEパス時に、及び/又は1つ以上の中間アニーリング工程時に加熱が行われる場合、加熱温度は、低くは25℃若しくは200℃、又は高くは450℃若しくは550℃であってよく、又は、25℃から550℃、200℃から500℃、若しくは200℃から450℃など、前述の値の対によって境界が定められる範囲内であってもよい。
ECAEプロセスを、記載した加工熱処理と共に用いて、バッキングプレート材料の微細構造を微細化し、約10ミクロン以下の平均結晶粒サイズを生成することができ、特定の場合では、約1ミクロン未満の平均結晶粒サイズを生成することができる。このような極めて小さい結晶粒サイズは、10ミクロンを優に超える結晶粒サイズを典型的には有する従来のバッキングプレート材料と比較して、材料の降伏強度を劇的に高めることができる。本開示に従って加工された材料の降伏強度の典型的な増加量は、従来の方法によって加工された同じ材料の降伏強度の少なくとも1.5倍である。特定の場合では、降伏強度の増加量は、従来の材料の降伏強度と比較して、約2倍から約5倍であり得る。本明細書で開示される方法に従って作製されたバッキングプレートの強度の増加により、あるターゲットを支持するためのバッキングプレートを、従来のバッキングプレートと比較してより薄く作製することも可能とすることができる。高強度バッキングプレート材料は、ターゲットの反りを阻止又は防止することができ、さらにバッキングプレートとターゲットとの間の固相拡散ボンディングを補助することもできる。
バッキングプレート材料を強化することに加えて、等チャンネル角押出し又は別の選択肢としての強塑性変形技術は、従来のように加工された材料と比較して、結晶粒界に沿った拡散係数を大きく高めることもできる。拡散特性の向上は、従来のように加工された材料と比較して、ある一式の条件(温度、時間、及び圧力)におけるボンディング効率の上昇に等しい。したがって、同等のボンディング強度を実現することができながら、従来の材料のボンディングに必要とされるよりも低いボンディング温度を用いることができる。このボンディング温度の低下により、ボンディング加工時のターゲット及びバッキングプレートの両方における結晶粒成長を制限することができる。したがって、ターゲット及びバッキングプレートの材料は、特に、ECAE法によって生成可能であるバッキングプレート材料及びターゲット材料の両方が10ミクロン未満の結晶粒サイズを有する場合に、及び1ミクロン未満である特定の場合に、材料の微細な結晶粒サイズによって付与された強度をより良好に維持することができる。
溶体化112をECAEと組み合わせて用いて本開示に従ってターゲットバッキングプレートを作製することは、非熱処理合金(時効などの熱処理によって強度が増加されない合金)の場合に特に有利であり得る。非熱処理合金のECAE塑性変形は、結晶粒の微細化によってそのような材料を強化して、時効の必要性なしに充分に高い強度を得ることができる(以下で考察)。同様に、ECAEを含む本開示の方法を用いることにより、より高い純度の材料をバッキングプレートに用いることを可能とすることができ、それは、記載した加工が、バッキングプレートとして用いられるこのような高純度の材料の場合でも、充分な強度を付与することができるからである。本明細書で述べる方法の以前は、典型的には、バッキングプレート用途において高純度材料は避けられており、それは、合金元素が存在しないこと、又は低レベルであることによって、バッキングプレート用途のための充分な分散強化又は析出強化が得られなかったからである。
強塑性変形工程116は、等チャンネル角押出しを含むとして記載されるが、別の選択肢としての塑性変形技術が、個別に、又は等チャンネル角押出しに加えて用いられてもよい。例示的な別の選択肢としての塑性変形技術としては、捻り、累積ロールボンディング(ARB)、繰り返しプレス若しくは押出し、摩擦撹拌溶接、波形絞り、極低温圧延若しくはプレス、ハンマー鍛造、及び関連する技術が挙げられる。
ある実施形態では、強塑性変形116の後、塑性変形後加工106が行われてもよい。塑性変形後加工106は、所望に応じて、圧延及び鍛造118のうちの一方又は両方を含んでよい。鍛造及び/又は圧延118は、一般的に、最終バッキングプレート厚さを実現するために、合わせて約50%から90%未満の圧下率が得られるように行われる。例えば、鍛造及び/又は圧延118は、最終バッキングプレート厚さを実現するために、合わせて約80%から90%未満の圧下率が得られるように行われてよい。機械加工及び 又は他の成形技術が、単独で、又は鍛造及び/若しくは圧延118と組み合わせて用いられてもよい。
塑性変形後加工106は、所望に応じて、追加の熱処理工程120を含んでもよい。例えば、時効120などの追加の熱処理工程が用いられてもよい。非熱処理合金の場合に用いられる加工に加えて、本開示に従う熱処理合金の加工も、さらに、1つ以上の時効工程120を含んでよい。時効工程120は、ECAEの前、ECAEの後、及び/又はECAEパス間に行われてもよい。圧延及び/又は鍛造118が用いられる場合、時効工程120は、そのような圧延/鍛造118プロセスの前又は後のいずれで行われてもよい。
熱処理材料の時効工程120は、典型的には、適切な温度に材料を加熱すること、及びある時間にわたって材料をその温度に保持することを含む。時効工程120は、単一の加熱処理、又は複数の処理で行われてもよい。本開示の銅又は銅合金の時効工程120は、典型的には、低くは100℃、200℃、若しくは300℃、又は高くは500℃若しくは550℃、又は100℃から550℃、300℃から550℃、若しくは400℃から500℃など、前述の値の対によって境界が定められる範囲内であってもよい温度での1つ以上の時効処理を含んでもよい。ある実施形態では、時効工程120は、約430℃から約470℃、約440℃から約460℃、又は約445℃から約455℃の温度で行われてもよい。加工される材料及び所望される結果に応じて、時効工程120は、30分間まで、少なくとも30分間、1時間以上、1から8時間、又は別の選択肢として、24時間までの時間にわたって行われてもよい。
本開示に従う熱処理材料の時効は、ピーク時効又は過時効条件のいずれかを含んでよく、この場合、ピーク時効とは、非常に小さい析出物の生成を最大化する温度及び時間にわたる時効を意味する。ピーク時効の達成後、加工されている材料は、好ましくは過時効を防止するために冷却され、それは、過時効が、析出物の凝集又は拡大をもたらすことによって材料の強度を低下させる可能性があるからである。典型的には、ピーク時効が好ましい実施形態であるが、過時効も、いくつかの方法では考慮される。
時効を用いて、均一に分散された微細な析出物を生成することができ、ピーク時効が形成された場合、析出物は、好ましくは、1ミクロン未満、又は0.5ミクロン未満の最大径を有して、最適な強化を実現することができる。熱処理材料において、等チャンネル角押出しによる結晶粒の微細化と時効による極めて微細な析出物の形成との組み合わせは、累積的な強化効果を有し得る。加えて、時効120は、サブミクロン結晶粒の結晶粒界に存在する微細な析出物のピンニング効果により、サブミクロン結晶粒構造の熱安定性も向上し得る。
別の選択肢として、又は時効工程120による熱処理に加えて、例えば回復アニーリングなどのアニーリング処理が含まれてもよい。回復アニーリングが加工に含まれる場合、回復アニーリングは、好ましくは、10ミクロンを超える結晶粒の成長を誘発するには不充分である温度及び時間で行われる。しかし、特定の場合では、回復アニーリングは、結晶粒サイズを1ミクロン以下に維持することが好ましい。言い換えると、塑性変形後アニーリングは、好ましくは、対応する材料の静的再結晶をもたらすには不充分である条件下で行われる。塑性変形工程116後に回復アニーリングを含むことで、特にサブミクロン結晶粒サイズを有する材料において、結晶粒界に存在する欠陥及び自由エネルギーを低減することは有利であり得る。回復アニーリングは、内部応力の開放、並びに延性及び/又は伝導性などの特性の最適化のために用いられ得る。
アニーリング及び時効はいずれも熱処理であることには留意されたい。アニーリングは、析出物のサイズ及び分布の最適化を特に目的としている時効よりも全体的な熱処理である。しかし、本開示の状況において、典型的には、時効処理がまず行われ、追加のアニーリングは、析出物のサイズ及び分布に影響を与えることなく結晶粒サイズを変化させることによって応力の開放又はいくつかの電気的特性を改変するために、ピーク時効条件よりも低い温度で行われ得る。アニーリング条件は、最大強度を維持するために、ピーク時効の条件よりも低く維持されるように制御されてもよい。
銅及び銅合金材料の回復アニーリングは、典型的には、低くは100℃、200℃、若しくは300℃、又は高くは500℃若しくは550℃、又は100℃から550℃、300℃から550℃、若しくは400℃から500℃など、前述の値の対によって境界が定められる範囲内の温度を、少なくとも1時間にわたって用いてよい。本発明の実施形態で用いられてよい追加のアニーリングのパラメータは、以下に記載される。
塑性変形加工106の完了後、方法は、得られたバッキングプレートの前処理、及びスパッタリングターゲットへのボンディングによるターゲット/バッキングプレートアセンブリの作製に進んでよい。ボンディング工程122は、洗浄、機械加工、及び/又は電気メッキなどの予備的な表面前処理を含んでよい。予備的な表面処理が機械加工を含む場合、機械加工は、例えば、最終的にターゲットにボンディングされることになるバッキングプレートの面に機械加工で溝を形成することを含んでよい。そのような機械加工による溝は、ターゲット−バッキングプレート接合時における拡散プロセスを補助し得る。加えて、特定の場合では、ボンディング122の前の予備的な表面処理は、インサートを提供して、バッキングプレートアセンブリのボンディング性及び/又はボンディング強度を高めることを含んでもよい。インサート材料は、例えば、Ag、Al、Ni、又はCuを含み得る。
いずれの予備的な表面処理も完了した後、得られたバッキングプレートは、数多くのボンディング技術のいずれを用いてターゲットとボンディングされてもよい122。ボンディング122は、特定のバッキングプレート材料、及びバッキングプレートがボンディングされることになるターゲット材料に応じて、低温ボンディング又は高温ボンディングを含んでよい。バッキングプレート材料のボンディング122に用いられてよい例示的なボンディング技術としては、これらに限定されないが、はんだ付け、ろう付け、固相ボンディング、熱間圧延、機械的接合、圧延クラッド、摩擦撹拌溶接、熱間等方圧プレス、爆着、及び機械的接合技術が挙げられる。特定の場合では、固相ボンディングが用いられてよく、この場合、固相ボンディングとは、ターゲット材料及びバッキングプレート材料の両方がそれらの固相状態を維持した状態で、ターゲットとバッキングプレートとをボンディングすることを意味する。固相ボンディングは、ターゲット材料及びバッキングプレート材料の微細構造及び析出物に影響を与えることなく、ボンディング界面に沿って拡散ボンディングを行うことができる。固相ボンディングは、上述したように、インサート材料を用いて行われてもよい。別の選択肢として、拡散ボンディングプロセスを促進し、得られるボンディングの強度を高めるために、電気メッキ、イオン化、又は表面機械加工のうちの1つ以上が用いられてもよい。
本開示の方法に従って作製されるターゲット/バッキングプレートアセンブリは、典型的には、少なくとも約10ksiのボンディング強度を有し得る。ある実施形態では、本開示のバッキングプレートとスパッタリングターゲットとの間のボンディング強度は、30ksiを超える場合もあり、最も強いボンディングは、ターゲット及びバッキングプレートの両方がサブミクロン結晶粒サイズを有する場合に形成される。
本明細書で述べる方法では、10ミクロン未満の平均結晶粒サイズ、82.5ksi超の0.2%オフセット降伏強度、及び90ksi超の最大引張強度を有するバッキングプレート材料が得られることが示された。ある実施形態では、本明細書で開示される方法は、少なくとも80ksiの0.2%オフセット降伏強度を有するバッキングプレートを提供することができ、90ksiを超える場合もある。ある実施形態では、最大降伏強度は、約82.5ksiから約105ksi、約85ksiから約100ksi、又は約90ksiから約95ksiであり得る。
ある実施形態では、本明細書で開示される方法は、80ksiを超える最大引張強度を有するバッキングプレートを提供することができ、95ksiを超える場合もある。ある実施形態では、最大引張強度は、約80ksiから約105ksi、約85ksiから約100ksi、又は約90ksiから約95ksiであり得る。本発明の方法を用いて、これらの機械的特性を有し、少なくとも425℃から500℃の温度まで安定であるバッキングプレートを形成することができる。これらの特性を有する材料により、広範なスパッタリングターゲット用途のための材料の高温ボンディングが可能となる。
また、本開示の方法を用いて、従来の方法によって作製されたバッキングプレートと比較して強度及びボンディング特性が高められたバッキングプレートを、熱処理材料から作製することもできる。これらの実施形態に従う熱処理材料の加工は、一般的に、図2を参照して上記で考察された加工工程のすべてを含んでよい。これらの実施形態に従う熱処理アルミニウム合金、銅、及び銅合金の加工が、典型的には、初期加工工程110において溶体化処理を含むことには留意されたい。
記載される方法は、所望されるいかなる熱処理又は非熱処理バッキングプレート材料からバッキングプレートを作製するためにも用いることができる。特定の場合では、バッキングプレート材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金材料であってもよい。これらのアルミニウム及び銅材料は、それらの熱伝導性及び電気伝導性、並びに磁気特性のために、バッキングプレート材料として特に有用であり得る。加工して本出願に従う高強度バッキングプレートを作製することができる例示的なバッキングプレート材料としては、主成分としてアルミニウム又は銅を、並びに約0.05質量%から約15質量%のCd、Ca、Au、Ag、Be、Li、Mg、Cu、Pd、Hg、Ni、In、Zn、B、Ga、Mn、Sn、Ge、W、Cr、O、Sb、Ir、P、As、Co、Te、Fe、S、Ti、Zr、Sc、及びHfから選択される1つ以上の合金元素を含むアルミニウム合金又は銅合金が挙げられる。特定の場合では、好ましい合金元素は、Si、Mn、Mg、Fe、Li、Cu、Zr、Zn、V、Sc、Ti、及びCrから選択されてもよい。アルミニウム合金又は銅合金は、主成分としてアルミニウム又は銅を、並びにこれらの合金元素の1つ以上及び/又は微量不純物を有していてもよい。
従来の材料、並びに本開示のアルミニウム、銅、及び銅合金材料の結晶粒界拡散における活性化エネルギー値を、表1に示す。表1に示されるように、本開示に従うECAE処理を受けた銅材料及び銅合金材料は、従来の材料と比較して、およそ1.5分の1に低下した活性化エネルギーを有する。ECAEを含む本発明の実施形態に従って加工されたアルミニウム合金は、従来のアルミニウム又は純アルミニウムと比較して、活性化エネルギーの約2〜3分の1への低下を示している。表1に提示されるものに類似の結果が、上記で述べた方法に従って加工されたさらなる銅合金及びアルミニウム合金でも得られた。低い活性化エネルギーは、およそ1.5〜6倍のオーダーでの拡散係数の増加に対応している。このことは、等チャンネル角押出しを用いて加工された材料の非平衡結晶粒界の高い原子移動度を示している。
Figure 2018529019
例示的なプロセスでは、列挙した材料は、850℃から950℃までの溶体化処理を1時間以上にわたって受け、場合によっては、8時間以上が好ましい。溶体化後、材料は、油中又は水中で急速に焼き入れされる。
焼き入れされた材料は、ECAEを、最良の強度のために、好ましくは1パス又は2パスに限定して受ける。4パスを超えないことが好ましい。過剰に多いパス数は、第二相の分解を促進して固溶状態に戻すことが見出されており、これは材料の最終的な強度にとって有害である。ECAEの後、特に、ECAEの1パスが完了した後に、圧延を行うことが好ましい。圧延時、圧延における最適な変形範囲は、50%から95%までの高さ圧下率である。圧延における実用上の最良範囲は、60%から90%の圧下率であることが見出された。時効処理は、ECAE工程の後、又はECAE及び溶体化熱処理工程の後のいずれかで行われてよい。時効工程における最適な温度範囲は、少なくとも30分間にわたる400℃から550℃までであることが見出されており、1から8時間であってもよい。より長い時効時間は、特に厚板(すなわち、0.5インチよりも厚い)の場合に用いられる。
出来上がったバッキングプレート材料は、スパッタリングターゲットにボンディングされてよい。ボンディングは、好ましくは、バッキングプレートの材料強度に有害な影響を与えることのない温度で行われてよい。適切な温度は、550℃未満、好ましくは、500℃未満であってよい。ある実施形態では、ボンディングは、時効工程と置き換えられてもよく、又は時効工程と同時に行われてもよい。例えば、拡散ボンディングが用いられる場合、ボンディングに用いられる時間及び温度は、適切な時効時間及び温度から選択されてもよい。このプロセスを用いることにより、サブミクロンサイズ及び微細な析出物によってピンニングされた複数の転位を有する非常に微細な微細構造、並びに最適な角度の粒界を含む材料が作製された。
実施例
以下の限定されない例は、本開示の様々な特徴及び特性を例示するものであるが、本開示はそれらに限定されるものとして解釈されてはならない。
例1−C18000における析出硬化及び低温時効と組み合わせたECAEの効果
C18000材料のビレットを出発材料として用いた。これは、Warren,MIに位置する供給業者Weldaloy,Products Co.,が、標準的な熱処理、鍛造、及び圧延技術を用いて加工した。主要な元素の組成は、表2に示すように、96.94%のCu、2.20%のNi、0.48%のSi、0.37%のCr、0.01%未満のFe、及び残り0.004%の構成微量元素(constituted trace elements)であった。元の結晶粒サイズは、相当に不均一であり、端部の33.75〜52.5μmから材料中心部近辺の67.5〜90μmの範囲であった。これらのデータは、以下の表3に含まれる。受け入れたままの状態での機械的データは、以下の表4に示す。出発材料の平均降伏強度(「YS」)は、75.3ksiと測定され、最大引張強度(「UTS」)は、90.9ksiと測定された。ヤング率(「E」)は、17.75Msiであり、パーセント伸びは、16.5%であった。
Figure 2018529019
Figure 2018529019
材料を、900℃で8時間にわたって溶体化熱処理に掛け、続いて水中で急速な焼き入れを行った。溶体化熱処理後、出発材料の強度は、すべての可溶性析出物がマトリックス中に溶解することによって大きく低下した。表4に示されるように、引張強度は、最初の90.9ksiから39.4ksiに低下し、降伏強は、75.3ksiから18.8ksiに低下した。溶体化熱処理及び焼き入れ後のこの材料の対応するブリネル硬度は、53.4BHNであった。次に、この材料を200℃で1パスのECAEに通した。図4は、900℃で8時間の溶体化及びECAE単一パスの後の、用いたアニーリング温度に対するC18000合金の硬度の変化を示す。図4の最初の点が示すように、ECAE後、ブリネル硬度は、53.4BHNから約138BHNに上昇した。この硬度は、温度を25℃又は室温とする図4の最初の点のx軸の値から示されるように、ECAE後アニーリングを受けなかった材料で測定したものである。
Figure 2018529019
ブリネル硬度によって測定される所望される析出硬化を得るための最適温度を見出すために、ECAE後アニーリング(すなわち、時効硬化)を行った。図4の曲線上の最も高い点によって示されるように、1時間にわたる時効工程の場合、得られる硬度は、200℃から出発して、1時間にわたる時効硬化温度が450℃から500℃となるまで上昇し、その後、硬度は、温度のさらなる上昇に伴って低下を開始した。
アニーリング温度が550℃を超えると、硬度は大きく低下し始める。図5は、900℃で8時間の溶体化、1パスのECAE、及び500℃で1時間のアニーリング後におけるC18000サンプルの倍率100倍での光学顕微鏡写真を示す。図5に示されるように、光学顕微鏡観察から、500℃までのアニーリング後に微細構造が変形したことが示された。結晶粒成長の最初の徴候は、550℃で視認可能であり、図4に示されるこの温度での硬度の低下は、このことによって説明され得る。さらなる分析から、この混合物中の主たる可溶性析出物が、ケイ化クロム(CrSi又はCrSi)及びケイ化ニッケル(NiSi)であることが示される。
450℃及び500℃でのECAE後アニーリングを受けた後の材料に対して、引張試験を行った。上記表4に含まれるデータ及び図6に示されるデータから、このプロセスが、降伏強度及び最大引張強度を良好に上昇させたことが示される。例えば、900℃で1時間の溶体化、並びに続いての焼き入れ及び1パスのECAEを受けたサンプルでは、最大引張強度は、受け入れたままの状態の材料における90.9ksiから、450℃の時効後は94.8ksiに、500℃での時効後は97.7ksiに上昇した。この同じ材料において、降伏強度は、受け入れたままの状態の材料における75.3ksiから、450℃の時効後は87.35ksiに、500℃での時効後は89.0ksiに上昇した。
このプロセスを用いて処理した材料は、450℃から500℃を例とする高い温度でこの強度レベルを維持することが見出され、このことにより、この材料は、高出力スパッタリング及び高温ボンディングに特に適する。ECAE後熱時効又はアニーリング工程を、450℃から500℃でのボンディング工程と組み合わせるか又は置き換えることによって置き換えて、同じ結果を得ることも可能である。いくつかの場合では、このことは、必要な合計加工時間を短縮し得る。
例2−初期溶体化温度及びアニーリング温度の効果
例1で用いた同じC18000出発材料から成る同じ出発ビレットからの材料を用いた。この例では、3つの異なるECAE前溶体化熱処理温度を用いて、ECAE及び時効硬化後のC18000バッキングプレートの機械的特性に対する溶体化温度の効果を比較した。3つの溶体化サンプルは、900℃、750℃、及び650℃を各々8時間にわたって受け、続いて水による焼き入れを受けた。次に、3つのサンプルはすべて、200℃での単一パスのECAEを受け、さらにアニーリングして強度を最適化した。結果のグラフを図7に示し、データを表5に示す。図7に示されるように、最も高い引張強度(89ksiのYS;97.7ksiのUTS)は、900℃のECAE前溶体化温度を用いた場合に得られた。
Figure 2018529019
溶体化温度及びアニーリング温度の両方の関数としての硬度を、25℃から500℃までの範囲内の様々な温度でのアニーリング工程も行うことによって、各サンプルについて特定した。硬度試験の結果を、C18000材料の硬度に対する溶体化温度及びアニーリング温度の両方の効果を同時に比較している図8に示す。これらのデータは、最も高く達成された硬度及び強度が、8時間にわたる900℃の初期溶体化温度、並びに続いての単一パスのECAE及び500℃でのアニーリングで得られていることを示している。
図8に示されるように、初期溶体化処理は、最終製品の強度及び硬度を制御するのに重要なパラメータである。この例から、溶体化における推奨範囲は、850℃から980℃であり、好ましい範囲は、900℃から950℃であることが分かった。合計溶体化時間は、少なくとも30分間であってよいが、24時間を大きく超えず、好ましい値は、1から10時間であってよい。より高い温度及びより長い時間では、すべての可溶性合金元素及び析出物が溶解して固溶状態に戻り、続いてのECAE及びアニーリングの過程での最大数の析出物の形成に利用可能となる。しかし、950℃より高い場合は、特に滞留時間がより長い場合、Cu合金が融解するリスクが存在することも観察された。
例3−ECAEパス数の効果
例1及び2で用いた同じC18000出発材料から成る同じ出発ビレットからの材料を用いた。最初の処理は、材料を900℃で8時間にわたって溶体化し、続いて水での焼き入れを行うことを含んでいた。この例では、4つの異なるサンプルを用い、2つのサンプルには1パスのECAEを施し、各々1つずつには、2パス及び4パスのECAEを施した。すべての場合において、押出しダイ及びCu合金を、各ECAEパスの前に200℃に予備加熱した。
続いてのアニーリング後における4つのサンプルのブリネル硬度試験結果のグラフを図9に示す。データから示されるように、ECAEパス数の関数としての硬度の初期上昇が見られるが、この傾向は、続いてのアニーリングに影響を受けている。例えば、アニーリングが用いられなかった場合、ブリネル硬度は、1パス後は138BHNに、2パス後は150BHNに、及び4パス後は163BHNに上昇した。この傾向は、非常に強い歪みによって付与される進行する構造の微細化及び転位の増加の結果である。200℃での低温ECAEも、微細粒子のある程度の動的析出が、これらの析出物の複数の結晶粒界及び転位との絡み合いと共に発生することを促進することは言及されるべきである。硬度の最も大きい上昇は、1パス及び2パスを受けたサンプルの場合であり、最大硬度は、これら2つのサンプルを450℃から500℃で1時間にわたってアニーリングした後に到達した。
しかし、図9に示されるように、追加のアニーリングでは、1パス及び2パスの場合に最も高い硬度が得られるが、4パスでは得られないことが示された。4パスのECAEを用いた場合、アニーリングが用いられる前に最も高い硬度が得られるが、材料が450℃から500℃のアニーリングを受けると、硬度はそれ以上上昇せず、500℃超では硬度は低下している。
1パスのECAEと450℃及び500℃でのアニーリング、2パスのECAEと450℃でのアニーリング、並びに4パスのECAEと475℃でのアニーリングの場合における引張データを、図10及び表6に示す。これらのデータから、1パス及び2パスのECAEの場合の値は類似しているが、この高い温度範囲での4パスの場合は、YS、UTS、及びεの値に明らかな低下傾向が存在することが示される。
Figure 2018529019
光学顕微鏡観察を用いて、上記方法によって加工された材料を分析し、結晶粒組織を評価した。結果を図11Aから11Dに示す。図11Aは、1パスのECAE及び500℃で1時間のアニーリング後の材料を、100倍の倍率で示す。図11Bは、2パスのECAE及び500℃で1時間のアニーリング後の材料を、100倍の倍率で示す。図11Cは、4パスのECAE及び450℃で1時間のアニーリング後の材料を、1000倍の倍率で示す。図11Dは、4パスのECAE及び500℃で1時間のアニーリング後の材料を、1000倍の倍率で示す。
図11C及び11Dに示されるように、4パス後のサブミクロン構造は、500℃で1パス及び2パスの場合ほど安定ではない。図11Dは、4パスサンプルの領域の約25%において、結晶粒が極めて微細な1〜2ミクロン構造に成長を開始したことを示している。これらの構造は、結晶粒サイズ硬化の寄与を低下させる。対照的に、1パス及び2パスのECAEの場合の構造は、500℃までであっても、結晶粒成長のいかなる徴候も示していない。このことは、1又は2パスの代わりに4パスを用いた場合の強度の低下を説明し得る。
また、より多くの析出物が、強度にとって最適ではないサイズへとより速く成長することができ、例えば結晶粒界での結晶粒間のスペースの場合のように、利用可能な自由体積が増加すると、溶解を開始する可能性があると考えられる。材料に4パスのECAEを施すと、1パス及び2パスの場合よりも微細化された構造が生成されることによって、析出物の成長及び溶解の速度を速めることを促進する結晶粒界体積が増加し、したがって、あまり望ましくない高温特性が得られる結果となる。実際には、これらの知見は、高温での最良の特性を得るために、ECAEのパス数を1又は2に制限することが多くの場合有利であることを示唆している。
例4−ECAE後の材料に対する圧延の効果
例1〜3に類似の組成を有するC18000ブランクを用いた。表6から、この例の組成物は、例1〜3の組成物よりも僅かに高いレベルのNi及びSiを有していることには留意されたい。材料は、Franklin,INに位置するNonferrous Products Inc.から提供された。
Figure 2018529019
出発材料を900℃で8時間にわたって溶体化し、次に水中で急速に焼き入れを行った。測定したブリネル硬度は、49.5BHNであった。次に、ブランクを小片に切断し、これを200℃での1パス又は2パスでECAE押出しした。両サンプルを、ECAEの直後に同じ圧延プロセスを用いて圧延した。ロールも合金材料も加熱しない状態で、総圧下率は、60%であった。このような圧延は、バッキングプレートの最終形状を得るために、ECAE後によく用いられる。
これまでの例の場合と同様に、異なる温度でアニーリング実験を行い、最適な強度及び硬度を特定した。最も高い強度を得るためのピーク時効における最適温度範囲は、圧延なしの1パス及び圧延ありの1パスのいずれにおいても、425℃から500℃であることが見出された。圧延なしの2パス及び圧延ありの2パスでは、最良範囲は、僅かに下方にシフトし、425℃から450℃であった。表8は、この実験の結果を含む。このデータは、1パスのECAE、及び続いての500℃でのアニーリング、1パスのECAE及び圧下率60%の圧延、並びに続いての450℃でのアニーリング;2パスのECAE、及び続いての450℃でのアニーリング、2パスのECAE及び圧下率60%の圧延、並びに続いての425℃でのアニーリングの4つのケースにおける主要な引張試験結果を示す。
1パスのECAE及び圧延、並びに続いての450℃でのアニーリングを用いたサンプル2が、最も高い特性を示し、100.25ksiの降伏強度及び107.45ksiのUTSであった。他の3つのサンプルも、91.4から93.1ksiの高い降伏強度、及び101から103.1ksiの引張強度を示している。
Figure 2018529019
これらのデータは、1パスのECAE後のECAE後圧延が最も有益であることを示している。2パスのECAE後に圧延が有する効果は、あまりはっきりしない。圧延は、ECAE後にさらなる転位を導入し、この転位は、転位が時効の過程で析出物によってピンニングされることから、強化を追加する。この効果は、低パス数のECAE(例:3パス未満)及び中間レベルの圧延の場合に最適である。これは、高パス数対低パス数ECAEの場合に見られた効果に類似している(例3参照)。
典型的な微細構造の詳細なEBSD分析
図12A、12B、13、及び14は、例4のサンプル2及び4に対するEBSD顕微鏡観察による分析後の典型的な微細構造及び結晶粒サイズ分布データを示す。測定された平均結晶粒サイズは、サンプル2では0.428ミクロンであり、サンプル4では0.383ミクロンである。表9は、図13に示すグラフの構築に用いた結晶粒サイズデータを含む。表10は、図14に示すグラフの構築に用いた結晶粒サイズデータを含む。
Figure 2018529019
Figure 2018529019
表9及び10、並びに図13及び14は、装置の解像度と同じオーダー(EBSD装置のステップサイズは0.05ミクロンである)の0.1ミクロン未満である結晶粒又は亜結晶粒が数多く存在することを示している。実験したスケールでは、図12A及び12B中にいくつかの微細な暗点を識別することができ、それらは、析出物に対応している。それらのほとんどは、0.5ミクロン未満のサイズである。結晶粒サイズ及び析出物分布はいずれも均一である。
図15A及び15Bに示されるように、EBSDによって結晶粒間の平均結晶方位差に関するさらなるデータが入手可能である。図15Aは、例4のサンプル2からの平均結晶方位差を示し、図15Bは、例4のサンプル4からの平均結晶方位差を示す。表11は、図15Aに示されるグラフを構築するために用いた結晶方位差データを含む。表12は、図15Bに示されるグラフを構築するために用いた結晶方位差データを含む。
Figure 2018529019
Figure 2018529019
表13は、例4のサンプル2及び4における値を比較している。表13に示されるように、サンプル2は、サンプル4よりも低い平均結晶方位差を有する。サンプル2は、少ないECAEパス数に対応する。このことは、サンプル2において、エネルギーが少なく、結晶粒界に沿って存在する自由体積も少ないことを意味し、そしてこれは、析出動態に影響を与える。例えば、結晶粒界に存在する体積が少なく、析出物の成長に利用可能であるエネルギーが少ない場合、析出物が成長することは、最適な機械的特性を有するピーク時効条件と比較した強度の低下に対応することから、ピーク時効条件での材料の熱安定性が向上する。このことは、より少ないパス数がより安定な特性を促進する理由を説明し得る。
Figure 2018529019
例5−本発明の方法の電気的特性に対する効果
例4からの同じ初期材料を、900℃で8時間にわたって溶体化に掛け、焼き入れし、次に1パスのECAEに通し、続いて60%圧延、及び450℃で1時間の追加のアニーリング工程を行った。表14に示されるように、電気抵抗率は、4.35μΩ−cmであり、これは、初期の受け入れたままの市販の状態における44%IACSと比較して、39.6%IACSの電気伝導度に等しい。このことから、加工後の材料は、僅かに導電性が低下し、スパッタリング時に環状磁場(magnetic field ring)によって発生する渦電流を起こしにくくなることが示された。渦電流は、DC電源故障の発生率を高めることにより、ターゲットの性能にとって有害であり得る。
Figure 2018529019
例6−高アニーリング温度での強度の比較
表15は、本開示の方法を用いて作製した材料と比較するためにいくつかの市販の合金を含む複数の合金における3つのアニーリング温度の効果の比較を含む。表15は、250℃、350℃、及び450℃でのアニーリング後の引張強度についてのデータを比較している。
Figure 2018529019
1パス又は2パスのECAEを用いた本開示の方法に従って加工された銅合金組成物が、与えられた温度範囲において最良の高温特性を有することが示され得る。この効果は、350℃、さらには450℃で最も劇的である。例4に示されるように、これらの特性の一部は、500℃まで有効であった。また、C18000での熱的特性を改善するNi、Si、Zr、又はBeを例とする元素をさらに添加することによって、結果がさらに改善され得る可能性が高い。
本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示的な実施形態に対して様々な改変及び追加が行われてもよい。例えば、上記で述べた実施形態は、特定の特徴に関するものであるが、本開示の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び上記で述べた特徴のすべてを含むわけではない実施形態も含む。
本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示的な実施形態に対して様々な改変及び追加が行われてもよい。例えば、上記で述べた実施形態は、特定の特徴に関するものであるが、本開示の範囲は、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び上記で述べた特徴のすべてを含むわけではない実施形態も含む。
[1]スパッタリングターゲットと共に用いるための高強度バッキングプレートを形成する方法であって、第一の金属材料を、摂氏約850から950度の温度で溶体化すること、前記第一の金属材料を、等チャンネル角押出しに掛けること、及び、前記第一の金属材料を、摂氏約400から約550度の温度で時効すること、を含む方法。
[2]前記溶体化が、1から8時間にわたって行われる、[1]に記載の方法。
[3]前記溶体化が、少なくとも8時間、及び24時間以下にわたって行われる、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記第一の金属材料を等チャンネル角押出しに掛けることが、1パスの押出しを含む、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の方法。
[5]前記第一の金属材料を等チャンネル角押出しに掛けることが、少なくとも2パスの押出しを含む、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の方法。
[6]前記第一の金属材料を時効することが、少なくとも30分間にわたって時効することを含む、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の方法。
[7]前記第一の金属材料が、約1.5重量%から6.0重量%のニッケル、約0.25重量%から2.0重量%のケイ素、約0.10重量%から2.0重量%のクロム、及び残量の銅を含む、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の方法。
[8]前記第一の金属材料が、銅、クロム、ケイ素、ニッケル、銀、マンガン、バナジウム、鉄、ジルコニウム、ベリリウム、マグネシウム、スズ、スカンジウム、チタン、コバルト、ニオブ、タングステン、亜鉛、分散された酸化物、炭素、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、[1]〜[7]のいずれか一つに記載の方法。
[9]少なくとも摂氏425度の温度まで、82.5ksiよりも大きい0.2%オフセット降伏強度、及び、90ksiよりも大きい引張強度、を有する第一の金属材料を含む、スパッタリングターゲットバッキングプレート組成物。
[10]前記第一の金属材料が、約1.5重量%から6.0重量%のニッケル、約0.25重量%から2.0重量%のケイ素、約0.10重量%から2.0重量%のクロム、及び残量の銅を含む、[9]に記載のバッキングプレート組成物。

Claims (10)

  1. スパッタリングターゲットと共に用いるための高強度バッキングプレートを形成する方法であって、
    第一の金属材料を、摂氏約850から950度の温度で溶体化すること、
    前記第一の金属材料を、等チャンネル角押出しに掛けること、及び
    前記第一の金属材料を、摂氏約400から約550度の温度で時効すること、
    を含む方法。
  2. 前記溶体化が、1から8時間にわたって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶体化が、少なくとも8時間、及び24時間以下にわたって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第一の金属材料を等チャンネル角押出しに掛けることが、1パスの押出しを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第一の金属材料を等チャンネル角押出しに掛けることが、少なくとも2パスの押出しを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第一の金属材料を時効することが、少なくとも30分間にわたって時効することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第一の金属材料が、約1.5重量%から6.0重量%のニッケル、約0.25重量%から2.0重量%のケイ素、約0.10重量%から2.0重量%のクロム、及び残量の銅を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第一の金属材料が、銅、クロム、ケイ素、ニッケル、銀、マンガン、バナジウム、鉄、ジルコニウム、ベリリウム、マグネシウム、スズ、スカンジウム、チタン、コバルト、ニオブ、タングステン、亜鉛、分散された酸化物、炭素、及びこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも摂氏425度の温度まで、
    82.5ksiよりも大きい0.2%オフセット降伏強度、及び
    90ksiよりも大きい引張強度、
    を有する第一の金属材料を含む、スパッタリングターゲットバッキングプレート組成物。
  10. 前記第一の金属材料が、約1.5重量%から6.0重量%のニッケル、約0.25重量%から2.0重量%のケイ素、約0.10重量%から2.0重量%のクロム、及び残量の銅を含む、請求項9に記載のバッキングプレート組成物。
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