JP2003245289A

JP2003245289A - 歯科用インプラント施術支援装置

Info

Publication number: JP2003245289A
Application number: JP2002046312A
Authority: JP
Inventors: Yoshinori Arai; 嘉則新井; Kunihiko Sawada; 久仁彦澤田; Masakazu Suzuki; 正和鈴木; Hidemoto Yoshikawa; 英基吉川
Original assignee: Nihon University; J Morita Manufaturing Corp
Current assignee: Nihon University; J Morita Manufaturing Corp
Priority date: 2002-02-22
Filing date: 2002-02-22
Publication date: 2003-09-02

Abstract

(57)【要約】【課題】余分な手間や介在部品を必要とすることなく、
精密にインプラントの埋入位置方向を決めることを可能
とする歯科用インプラント施術支援装置を提供する。【解決手段】３点以上の３次元位置決め用マーカ７ａを
設けたステント７を装着して撮影した顎部Ｘ線ＣＴ画像
ＩＧと、歯科用インプラント画像ＩＩとを重畳表示し、
歯科用インプラント画像ＩＩの埋入位置方向を決める画
像表示操作装置１と、埋入位置方向データからインプラ
ント埋入ガイド穴加工データをマーカ７ａの位置を基準
として作成するデータ処理装置２とから構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、患者の歯牙の欠損
部分について取得した印象を基に作成され、この欠損部
位を含む歯牙列に冠せて用いられるステントに、この欠
損部位に植え立てる義歯を固定するためのインプラント
埋入ガイド穴を加工する歯科用インプラント施術支援装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、歯科の分野では、歯牙の欠損部分
に確実、強固に義歯を植え立てる方法として、歯科用イ
ンプラントが広く用いられているが、このインプラント
が成功するには、インプラントを埋入する位置と方向が
重要であり、このインプラントの埋入位置方向を正確に
決定するために、特開２００１−１７００８０号公報、
欧州特許１０４３９６０号公報などに種々の方法、装置
が提案されている。

【０００３】特開２００１−１７００８０号公報に記載
された方法は、インプラントの埋入穴をガイドする穿孔
補助手段を特徴とするものであるが、このものは欠損部
分の両側の歯牙に冠せて用いられるものではなく、これ
らの歯牙の上面から突出して、歯の噛み合わせの支障に
ならないように、歯牙の側面から側面へと橋渡しをする
程度のテンプレートであり、両側の歯牙との嵌合の程度
が低いので、わずかな力でテンプレートが動いたりする
ので、精度が悪いと施術中に修正しにくいという問題が
あった。

【０００４】欧州特許１０４３９６０号公報に記載され
た歯科用インプラントドリルガイドでについては、図１
１、図１２、図１３を用いてより詳しく説明する。

【０００５】このドリルガイド（図１３の符号１６１）
は、総入れ歯の取付のためのインプラント埋入穴を加工
するためのもので、このガイド１６１を製作するため
に、まず、患者の印象を取り、これを基にして、図１１
に示すような下顎模型１２１、上顎模型１２２、これら
の顎模型１２１、１２２に装着される下総入歯モデル１
２３、上総入歯モデル１２４を作成する必要がある。

【０００６】こうして作成した下総入歯モデル１２３を
下顎模型１２１に、上総入歯モデル１２４を上顎模型１
２２にそれぞれ装着し、これらの下顎模型１２１と上顎
模型１２２とを顎関節モデル１２５に取り付けて、図１
１（ａ）に示すように咬合調整を行うことができる。

【０００７】こうして咬合調整が済むと、下総入歯モデ
ル１２３、上総入歯モデル１２４を取り外し、これらの
替わりになるガイドボテイ１２７を作成し、これを図１
１（ｂ）に示すように、下顎模型１２１と上顎模型１２
２との間に挟み込んで、下総入歯モデル１２３、上総入
歯モデル１２４を装着した場合と同じような状態となる
ように調整する。

【０００８】このガイドボテイ１２７には、図１２
（ａ）にも示すように、Ｘ線不透過性のマーカ１２８を
３点設けておく。

【０００９】次に、このガイドボテイ１２７を患者の上
顎と下顎の間に挟んだ状態で、Ｘ線撮影を行って、図１
２（ｂ）に示すような、Ｘ線吸収係数データによる患者
の下顎モデル１２９を作成する。

【００１０】下顎モデル１２９には、マーカ１２８のマ
ーカ画像１３３、顎骨内の神経画像１３７が含まれ、こ
のモデル１２９のデータを基に、マーカ画像１３３から
ｘｙｚ軸を定め、インプラント埋入穴１３４の位置や深
さ１３６を算出する。

【００１１】こうして算出された下顎モデル１２９とこ
れに加工すべきインプラント埋入穴１３４のデータを用
いて、数値制御穴加工機によって、先に作成した下顎模
型１２１にインプラント埋入穴１５８を加工し、図１３
（ａ）に示すように、この下顎模型１２１をドリルガイ
ド作成台１５９に固定する。

【００１２】次に、図１３（ｂ）に示すように、下顎模
型１２１のインプラント埋入穴１５８にガイドピン１６
２を立て、このガイドピン１６２にガイドスリーブ１６
３を嵌めた状態で、硬化性樹脂を材料とするドリルガイ
ド１６１を冠せ硬化させる。

【００１３】図１３（ｃ）は、こうして作成された歯科
用インプラントドリルガイド１６１の外観を示すもの
で、ここでは、硬化時に用いられたガイドスリーブ１６
３に替えて、外形はこのガイドスリーブ１６３と同じ
で、内径は、加工すべきインプラント埋入穴１３４の下
穴のガイド穴用の内径となっているガイドスリーブ１６
６が嵌め込まれている。

【００１４】このドリルガイド１６１は、図１３（ｄ）
に示すように、患者の下顎骨１４１に、総入歯用ゴム体
１４６？？を介挿して冠せ、このガイドスリーブ１６６
で、ストッパ１６９を設置したドリル１７１をガイドさ
せることによって、適切な位置と方向で、適切な深さで
インプラント埋入穴を加工することができるものであっ
た。

【００１５】しかしながら、このドリルガイド１６１
は、その製作のために、ガイドボテイを作り下顎模型に
インプラント埋入穴を加工したりと、余分の手間やガイ
ドボテイのような介在部品が必要とされるものであっ
た。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】本願発明は、このよう
な問題を解決しようとするもので、余分な手間や介在部
品を必要とすることなく、精密にインプラントの埋入位
置方向を決めることを可能とする歯科用インプラント施
術支援装置を提供することを目的とする。

【００１７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の歯科用
インプラント施術支援装置は、患者の歯牙の欠損部分に
ついて取得した印象を基に作成され、少なくとも３点以
上の３次元位置決め用マーカを設けたステントを装着し
て撮影した前記患者の顎部Ｘ線ＣＴ画像と、前記欠損部
分について用いるべき歯科用インプラント画像とを重畳
表示し、前記顎部Ｘ線ＣＴ画像上での前記歯科用インプ
ラント画像の埋入位置方向を決めることができるように
した画像表示操作装置と、こうして決められた埋入位置
方向データから前記ステントにインプラント埋入ガイド
穴を加工するためのガイド穴加工データを前記位置決め
用マーカの位置を基準として作成するデータ処理装置と
から構成されることを特徴とする。

【００１８】この装置は、通常歯牙の欠損部分に植え立
てる義歯の製作・位置決めなどに用いられるステントに
３次元位置決め用マーカ（Ｘ線不透過性）を設け、この
位置決め用マーカを、画像表示操作装置でのインプラン
トの埋入位置方向の決定、データ処理装置でのガイド穴
加工データの作成の基準として共用しているので、この
位置決め用マーカが、それぞれの処理での座標基準とな
り、正しいインプラント埋入穴のガイド穴加工データを
得ることができる。

【００１９】また、義歯製作用に従来より用いられてい
たステントを活用しているので、余分な介在部品を必要
とせず、手間も省かれる。

【００２０】請求項２に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１に記載の歯科用インプラント施術
支援装置において、更に、前記ステントに設けられた前
記位置決め用マーカの位置から、前記ガイド孔加工デー
タを基にして、このステントにインプラント埋入ガイド
穴を加工するガイド穴加工装置を備えたことを特徴とす
る。

【００２１】この装置は、ガイド穴加工装置を備え、こ
の加工装置でも、ステントの３次元位置決め用マーカを
基準として、インプラント埋入ガイド穴の加工が正確に
行われる。

【００２２】また、このステントは、欠損部分を含む歯
牙列にピッタリ被せて用いられるので、歯牙との相対的
な位置決めが非常に精密に行われるので狂いが少なく、
このステントに設けられたインプラント埋入ガイド穴を
用いて、実際にインプラント埋入穴を加工する場合、こ
のステントがしっかり、確実に歯牙列に位置決め固定さ
れているので、埋入穴の加工も精度良く行うことができ
る。

【００２３】請求項３に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１または２のいずれかに記載の歯科
用インプラント施術支援装置において、上記画像表示操
作装置は、前記顎部Ｘ線ＣＴ画像を、予め準備された、
相互に直交するＸ断層面、Ｙ断層面、Ｚ断層面の３つの
スライス断層面画像の組み合わせ画像である３次元スラ
イス画像として前記データ記憶装置に記憶し、カーソル
の操作に応じて選択された所望の組み合わせのスライス
断層面画像を３面表示することを特徴とする。

【００２４】この装置は、画像表示操作装置で表示され
る顎部Ｘ線ＣＴ画像を予め準備された３次元スライス画
像としたもので、カーソルを移動することによって、所
望のスライス断層面画像が表示され、つまり、より適切
な画面上で歯科用インプラント画像の埋入位置方向を決
めることができる。

【００２５】請求項４に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１から３のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記画像表示操作
装置には、データ記憶装置が接続され、このデータ記憶
装置には既存の歯科用インプラントの形状データとこれ
に対応したインプラントアイコンが記憶され、前記画像
表示操作装置では、複数のインプラントアイコンが表示
され、このインプラントアイコンから所望のインプラン
トアイコンを選択操作することにより、前記欠損部分に
ついて用いるべき前記歯科用インプラント画像が選択で
きるようにしたことを特徴とする。

【００２６】この装置では、画像表示操作装置で、イン
プラントアイコンで所望のインプラントを選択できるの
で、便利である。

【００２７】請求項５に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１から４のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記歯科用インプ
ラントの形状データおよび前記顎部Ｘ線ＣＴ画像を構成
する画像データは３次元データであり、前記画像表示操
作装置には前記歯科用インプラント画像と前記顎部Ｘ線
ＣＴ画像とを３次元的に表示できるようにしたことを特
徴とする。

【００２８】この装置は、画像表示操作装置で、歯科用
インプラント画像と顎部Ｘ線ＣＴ画像とが３次元的に表
示されるので、歯科用インプラント画像の埋入位置方向
をより実感的に決めることができる。

【００２９】請求項６に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１から５のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記ガイド穴加工
装置に、前記ステントに設けた３次元位置決め用マーカ
の位置測定手段として、レーザ光を使用して測定する光
学的測定手段、あるいは、接触子により機械的に測定す
る接触式機械的測定手段を設けたことを特徴とする。

【００３０】この装置は、位置決め用マーカの位置測定
手段として、光学的測定手段、あるいは、接触式機械的
測定手段とを規定したので、この位置測定手段を容易に
構成することができる。

【００３１】請求項７に記載の歯科用インプラント施術
支援装置は、請求項１から６のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記３次元位置決
め用マーカは、前記ステントの外縁に設けられた微小鋼
球で構成されていることを特徴とする。

【００３２】この装置は、位置決め用マーカの内容を規
定したもので、微小鋼球をステントの外縁に設けるの
で、ステント自体からのマーカの突起が少なく、口腔内
の狭い場所でのステントの取扱に支障とならず、マーカ
としての役割も果たすことができる。

【００３３】

【発明の実施の形態】本発明の歯科用インプラント施術
支援装置の実施の形態について、添付図面を参照しなが
ら説明する。

【００３４】図１は、本発明の歯科用インプラント施術
支援装置の一例を示す全体構成図である。

【００３５】歯科用インプラント施術支援装置１０は、
種々の入力のためのマウス１ａとキーボード１ｂと表示
画面１ｃとを備えた画像表示操作装置１、ＣＰＵを備え
種々のデータ処理・制御を行うデータ処理装置２、ＸＹ
Ｚの三方向に移動位置決め可能で加工物取付面が回転傾
斜可能なテーブル３ｇを備え、切削具Ｔを着脱可能に取
り付けて加工物を所定範囲内で傾けた状態でも正確な穴
加工ができるガイド穴加工装置３、加工物に設けられた
所定マーカの位置を測定する加工物位置測定手段４、加
工に必要な種々のデータを記憶保存するデータ記憶装置
５を備えている。

【００３６】ガイド穴加工装置３は、一般の工作機械で
あるフライス盤と同様の構成であって、装置全体の基盤
となるベース部３ａ、このベース部３ａに立設された支
柱３ｂ、この支柱３ｂの上部から、ベース部３ａと同じ
方向に伸び出している上フレーム３ｃ、この上フレーム
３ｃに対して水平運動可能に支承された主軸体３ｄ、こ
の主軸体３ｄから下方に伸び出し回転駆動された主軸３
ｅ、この主軸３ｅの先端に設けられた工具チャック３ｆ
を備えている。

【００３７】この工具チャック３ｆに加工に合わせた工
具Ｔを着脱交換可能に取り付けることができる。主軸３
ｅは、主軸体３ｄから下方への伸び出し量、回転速度の
制御可能となっている。

【００３８】ベース部３ａには、テーブル３ｇが設置さ
れており、このテーブル３ｇの加工物取付面にステント
７を、取付治具３ｈを介して設置できるようになってい
る。

【００３９】また、ガイド穴加工装置の他の例として
は、装置に固定したステントに対して、レーザ光を用い
て加工をするものであってもよい。

【００４０】ガイド穴加工装置３に設けられた加工物位
置測定手段４は、この場合、レーザ光を照射して、所定
のマーカの位置を測定する光学的測定手段４である。こ
の光学的測定手段４は、ガイド穴加工装置３に一体的に
取り付けてあってもよく、別体であって、着脱可能にな
っているものであってもよい。

【００４１】歯科用インプラント施術支援装置１０の処
理対象であるステント７は、患者の歯牙の欠損部分につ
いて取得した印象（不図示、雌型）から一旦この患者の
歯列弓の石膏模型を作成し、この石膏模型の欠損部位を
含む歯牙列に透明アクリル樹脂等を冠せ硬化させること
で、製作される。また、ステント７は、既存の光学的あ
るいは機械的なＣＡＤ／ＣＡＭシステムを利用して製作
してもよい。

【００４２】この場合、ステント７の大きさとしては、
欠損部位が歯牙一本でステントをその両隣りの歯牙にだ
け及ぼす場合から、歯列弓全体を覆うようにする場合ま
で、多用な種類がある。

【００４３】また、このステント７には、図８の外観斜
視図で解るように、その外縁にＸ線不透過性の材料で製
された３次元位置決め用マーカ７ａを少なくとも３カ所
設けているが、この図１では、そのうち２個だけが見え
ている。このマーカ７ａは、より具体的には、微小鋼球
とするのが、コスト面、Ｘ線不透過性の点でもよい。ま
た、このような微小球を図のような外縁配置にすると、
ステントの取扱にも支障とならない。

【００４４】画像表示操作装置１は、その表示画面１ｃ
に、マーカ７ａ（表示画面１ｃ上では、マーカ像Ｉ７
ａ）を設けたままステント７（表示画面１ｃ上では、ス
テント像Ｉ７）を装着して撮影した患者の顎部Ｘ線ＣＴ
画像ＩＧと、この欠損部分について用いるべき歯科用イ
ンプラント画像ＩＩとを重畳表示し、マウス１ａやキー
ボード１ｂを操作することで、顎部Ｘ線ＣＴ画像ＩＧ上
で歯科用インプラント画像ＩＩの位置と向きを自由に変
えることができ、最終的に、この歯科用インプラント画
像ＩＩの最適な埋入位置方向を決めることができるよう
になっている。

【００４５】例えば、この図では、表示画面１ｃで点線
で表示された位置方向ＩＩ（０）から、最終的に、実線
で表示された位置方向ＩＩ（１）に決められている。こ
の場合、位置方向決めをするための顎部Ｘ線ＣＴ画像Ｉ
Ｇは、そのために、最適のものを選ぶことができる。

【００４６】データ処理装置２は、こうして決められた
歯科用インプラント画像ＩＩ（その必要データは、装置
２に記憶されている。）の埋入位置方向データからステ
ント７にインプラント埋入ガイド穴７ｈを加工するため
のガイド穴加工データを位置決め用マーカ７ａの位置を
基準として作成する。

【００４７】患者から取り外したステント７がガイド穴
加工装置３のテーブル３ｇに設置されると、このステン
ト７に設けられた位置決め用マーカ７ａの位置が光学的
測定手段４で測定され、このデータからステント７の位
置と方向とが算出される。つまり、ステント７がテーブ
ル３ｇのどの位置にどの様な向きで設置されたかが、算
出される。

【００４８】そして、ガイド穴加工装置３は、データ処
理装置２から与えられたガイド孔加工データを基にし
て、このステント７にインプラント埋入ガイド穴７ｈを
加工する。なお、この図では、このガイド穴７ｈは、ま
だ、加工前の状態であって、二点鎖線の想像線で示され
ている。

【００４９】この際、ガイド穴７ｈの位置決めはテーブ
ル３ｇの位置を水平移動させることで、ガイド穴７ｈの
方向決めはテーブル３ｇを回転傾斜させることで、ガイ
ド穴７ｈの深さは、工具Ｔの下降量を調整することで対
応することができる。

【００５０】こうして、この歯科用インプラント施術支
援装置１０によれば、ステント７に３次元位置決め用マ
ーカ７ａを設け、この位置決め用マーカ７ａを、画像表
示操作装置１でのインプラント画像ＩＩの埋入位置方向
の決定、データ処理装置２でのガイド穴加工データの作
成の基準として共用しているので、この位置決め用マー
カが、それぞれの処理での座標基準となり、正しいイン
プラント埋入穴のガイド穴加工データを得ることができ
る。

【００５１】また、位置決め用マーカ７ａは、ガイド穴
加工装置３でのインプラント埋入ガイド穴７ｈの加工の
基準としても共用しているので、この位置決め用マーカ
７ａが、ここでも座標基準となり、最終のインプラント
埋入ガイド穴７ｈの加工が正確に行われる。

【００５２】なお、このガイド穴７ｈには、ステンレス
筒を嵌め込んで、ガイド穴としての強度を増すようにし
てもよい。

【００５３】データ記憶装置５には、既存の歯科用イン
プラントの形状データとこれに対応したインプラントア
イコンＩｉのデータが記憶され、画像表示操作装置１で
は、その表示画面１ｃに、複数のインプラントアイコン
Ｉｉが表示され、このインプラントアイコンＩｉから所
望のインプラントアイコンＩｉを選択操作することによ
り、歯牙の欠損部分について用いるべき歯科用インプラ
ント画像ＩＩが選択できるようになっているので、便利
である。

【００５４】このようなアイコンをスーパーイポーズで
表示する替わりに、インプラントの径や全長のデータを
入力すれば、これに合致する歯科用インプラント画像Ｉ
Ｉを呼び出せるようにしてもよく、一覧表形式で、径や
全長順にインプラントの寸法、種類をスクロール表示
し、ここから選択できるようにしてもよい。

【００５５】なお、歯科用インプラント施術支援装置１
０にガイド穴加工装置３がなく、画像表示操作装置１と
データ処理装置２だけで構成されている場合でも、マー
カ７ａを設けたステント７を介在させることにより、支
援装置１０は、正しいインプラント埋入穴のガイド穴加
工データを得ることができ、これを基に、一般のフライ
ス盤で、位置決めを正確に行えば、このステント７にイ
ンプラント埋入ガイド穴を正確に加工することができ
る。

【００５６】図２は、本発明の歯科用インプラント施術
支援装置によって製作されたステントを用いたインプラ
ント埋入穴の加工状態を示す図である。

【００５７】インプラント埋入ガイド穴７ｈの加工が済
んだステント７は、図示するように患者の歯牙にピッタ
リ嵌め込まれ、この状態では、ほとんどがたつきのない
状態となる。

【００５８】この状態で、専用の工具Ｔ′を取り付けた
ハンドピースＨＰを操作して、ステント７のガイド穴７
ｈに工具Ｔ′が真っ直ぐ入るようにするだけで、インプ
ラント埋入穴Ｇｈの位置と方向が規制され、目標とする
埋入穴Ｇｈを加工することができる。

【００５９】なお、このガイド穴７ｈには、ステンレス
鋼などで製されたガイドスリーブ（従来例の図１３のガ
イドスリーブ１６６と同様なもの）を内装するようにす
ると、穴を補強することができ、また、このガイドスリ
ーブの内径を小さなものから大きなものに順次取り替え
可能として、インプラント埋入穴Ｇｈを切削する際に、
徐々に大きな穴を切削するようにして、より安全、確実
に埋入穴Ｇｈを形成することができる。

【００６０】こうして、ガイド穴７ｈをステント７に設
けるようにしたので、このステント７は、欠損部分を含
む歯牙列にピッタリ被せて用いられるので、歯牙との相
対的な位置決めが非常に精密に行われるので狂いが少な
い。また、このステントに設けられたインプラント埋入
ガイド穴を用いて、実際にインプラント埋入穴を加工す
る場合、このステントがしっかり、確実に歯牙列に位置
決め固定されているので、加工中のぶれも少なく、埋入
穴の加工も精度良く行うことができる。具体的には、１
００μｍの精度が得られる。

【００６１】また、このように、義歯製作用に従来より
用いられていたステントを活用し、位置決め用マーカの
坦体、インプラント埋入ガイド穴の被加工体としての役
割も担わせているので、余分な中間部品を必要とせず、
手間も省かれる。

【００６２】ここで、図３に示すフローチャートで、図
１、２を用いてこれまでに説明した、本発明のステント
を用いたインプラント埋入穴の加工手順を整理する。

【００６３】ステップ１）まず、インプラント施術の対
象とする患者の歯牙列の印象を作成する。この場合、手
作業で印象材を用いて作成する方法と、レーザ光を用い
た光学的測定または機械的測定を基に作成する方法とが
ある。

【００６４】ステップ２）印象から患者の歯牙列の石膏
模型を作成し、これに透明アクリル樹脂等を冠せてステ
ントを作成する。

【００６５】ステップ３）ステントに３次元位置決め用
マーカを設置する。これらステップ１、２、３は一度に
行ってもよい。

【００６６】ステップ４）マーカ付きステントを患者に
装着した状態で顎部をＸ線ＣＴ撮影する。

【００６７】ステップ５）顎部Ｘ線ＣＴ画像を表示し、
インプラント埋入位置方向を決定する。

【００６８】ステップ６）ステントにインプラント埋入
ガイド穴を加工するためのガイド穴加工データを算出す
る。

【００６９】ステップ７）ステントにインプラント埋入
ガイド穴を加工する。

【００７０】ステップ８）ステントを患部に装着し、イ
ンプラント埋入ガイド穴を用いて、顎部にインプラント
埋入穴を加工する。この際、ドリリング用長尺バーや深
さ目盛り付きバーを用いる。

【００７１】図４は、本発明の画像表示操作装置での３
次元スライス画像表示の一例を示す図である。

【００７２】図１に比べ、ここでは、表示画面１ｃに表
示された３次元スライス画像ＩＳは、顎部Ｘ線ＣＴ画像
ＩＧを、相互に直交するＸ断層面、Ｙ断層面、Ｚ断層面
についてのスライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺとして
予め複数枚準備しておき、これらを３つ組み合わた画像
であり、データ記憶装置５に記憶保存されており、カー
ソルＣＸ，ＣＹ，ＣＺの操作に応じて選択された所望の
組み合わせのスライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺが図
のように３面表示されている。

【００７３】スライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺに
は、ステント７の画像Ｉ７が、また、スライス断層面画
像ＩＸ、ＩＹは、このステント７に設置された３次元位
置決め用マーカ７ａの画像が点線で示されている。

【００７４】この３次元スライス画像ＩＳは、ステント
７を装着した状態の顎部をＸ線ＣＴ撮影し、下顎のＸ線
吸収係数の３次元データを得、この３次元データを、Ｘ
断層面、Ｙ断層面、Ｚ断層面に平行な断面で、細かいピ
ッチ、例えば、０．１ミリピッチで、スライス断層面画
像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺとして８０枚から１００枚用意され
たものである。

【００７５】ここで、一つのスライス断層面画像上（Ｉ
Ｘ、ＩＹ、ＩＺのいずれか）で、その画像に表示された
カーソル（ＣＸ、ＣＹ、ＣＺのうち表示されたもののい
ずれか）を移動することによって、これに対応して他の
スライス断層面画像が連動して次々と表示されるので、
インプラントを埋め込むのに適切なスライス画像を簡単
に見つけ出すことができる。

【００７６】こうして、所望の位置の３次元スライス画
像ＩＳが表示され、つまり、より適切なスライス断層面
画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺが表示されるので、この最適画面
上で歯科用インプラント画像Ｉの埋入位置方向を決める
ことができ、便利がよい。

【００７７】また、この画面上では、一点をクリックす
ることで、その点のｘｙｚ座標を知ることが出来、二点
をクリックすることで、二点間の距離も簡単に知ること
ができるので、これらを利用して、決められたインプラ
ント埋入位置の上端、下端、埋入の方向などを簡単かつ
正確にデータとして得ることができる。

【００７８】特に、この歯科用インプラント施術支援装
置１０では、顎部Ｘ線ＣＴ画像ＩＧ、３次元スライス画
像ＩＳの基礎となる歯牙列の３次元的なＸ線吸収係数
を、局所照射Ｘ線ＣＴ撮影装置によって算出しているの
で、スライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺのいずれの方
向でも、非常に高い精度の画像が得られ、これを積極的
に利用することで、高い精度でインプラント埋入位置と
方向を決めることができる。

【００７９】なお、図の「再スライス」は、この装置で
は、ＸＹＺ軸の座標軸の回転をすることができるが、そ
の場合に、回転後の座標軸について、スライス断層面画
像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺを改めて作成させるためのアイコ
ン、「ＲＯＩ設定」は、輪郭線上の点を画面上でマウス
クリックすることにより、画面上の所望の部分を抽出さ
せるためのアイコン、「スライス角度設定」は、座標軸
回転のための角度を設定するためのアイコン、「カーソ
ル表示」は、カーソルＣＸ，ＣＹ，ＣＺを画面上に表示
させるかどうかの指示をするためのアイコン、「インプ
ラント選択」は、所望のインプラントアイコンＩｉの選
択が可能であることを示す表示である。

【００８０】これらの機能のうち、この３次元スライス
画像表示ＩＳを用いて、インプラント埋入位置を決める
際に、便利なのは、「スライス角度設定」、「再スライ
ス」のアイコンである。例えば、これらを用いて、イン
プラントを埋入しようとする部分が、ＸＹＺ軸に対して
傾いている場合には、その角度を「スライス角度設定」
アイコンをクリックして設定し、「再スライス」アイコ
ンをクリックして、回転した座標軸について、改めてス
ライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺを作成して、保存さ
せることができる。

【００８１】具体的には、この図では、スライス断層面
画像ＩＸで、顎骨の断面がカーソルＣＹ，ＣＺに対して
傾いているが、この場合には、「スライス角度設定」ア
イコンをクリックして、この顎骨の傾斜を示す二点をク
リックすることで、顎骨がカーソルＣＹに平行になるよ
うに座標軸の角度を設定でき、「再スライス」アイコン
をクリックするとその回転後の座標軸について、再スラ
イスされ、新たなスライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺ
が表示され、スライス断層面画像ＩＸでも、顎骨、イン
プラントが垂直となって表示され、便利がよい。

【００８２】ここで、この３次元スライス画像ＩＳにつ
いて、より詳しく説明する。

【００８３】図５（ａ）、（ｂ）は、図４の３次元スラ
イス画像の作成についての説明図であり、より詳しく
は、図５（ａ）は、スライス断層面画像の切り出し方法
を示す概念図、（ｂ）はこれらの断層面画像の表示方法
の一例を示す概念図である。

【００８４】なお、これより図７までは、３次元スライ
ス画像表示の一般的な例について説明するものである
が、このような３次元スライス画像表示は、後述するよ
うに、本発明のようにインプラント埋入位置を決める場
合にも有効である。

【００８５】図５（ａ）に示す３次元領域Ｓは、歯牙列
の一部を一般的な例としたもので、この３次元領域Ｓに
ついては、その３次元領域Ｓを構成する各点について３
次元ＣＴデータが得られており、この３次元領域Ｓにつ
いて、図のようにｘｙｚ座標系を設定すると、このｘｙ
ｚ座標系において、ある点（ｘ，ｙ，ｚ）のボクセル値
Ｖ（ｘ，ｙ，ｚ）が決まる。

【００８６】ここで、エックス軸ｘに垂直な面、つま
り、Ｘ断層面についてのスライス断層面画像ＩＸの切り
出しは、ｘ座標（ｘ＝ｘｍ）を決めて、このｘ座標を持
つＸ断層面上のボクセル値Ｖ（ｘｍ，ｙ，ｚ）を２次元
平面状に並べれば良い。こうして得られたスライス断層
面画像をＩＸ（ｙ，ｚ）ｘｍと記述する。

【００８７】この方法で、ＩＸ（ｙ，ｚ）ｘ０、ＩＸ
（ｙ，ｚ）ｘ１、・・・、ＩＸ（ｙ，ｚ）ｘｍ、ＩＸ
（ｙ，ｚ）ｘｍ＋１、ＩＸ（ｙ，ｚ）ｘｍ＋２、ＩＸ
（ｙ，ｚ）ｘｍ＋３、・・・、ＩＸ（ｙ，ｚ）ｘｎを得
る。

【００８８】同様にして、ワイ軸ｙに垂直な面、つま
り、Ｙ断層面についてのスライス断層面画像、ＩＹ
（ｚ，ｘ）ｙ０、ＩＹ（ｚ，ｘ）ｙ１、・・・、ＩＹ
（ｚ，ｘ）ｙｍ、ＩＹ（ｚ，ｘ）ｙｍ＋１、ＩＹ（ｚ，
ｘ）ｙｍ＋２、ＩＹ（ｚ，ｘ）ｙｍ＋３、・・・、ＩＹ
（ｚ，ｘ）ｙｎを得、ゼット軸ｚに垂直な面、つまり、
Ｚ断層面についてのスライス断層面画像、ＩＺ（ｘ，
ｙ）ｚ０、ＩＺ（ｘ，ｙ）ｚ１、・・・、ＩＺ（ｘ，
ｙ）ｚｍ、ＩＺ（ｘ，ｙ）ｚｍ＋１、ＩＺ（ｘ，ｙ）ｚ
ｍ＋２、Ｚ（ｘ，ｙ）ｚｍ＋３、・・・、ＩＺ（ｘ，
ｙ）ｚｎを得る。

【００８９】こうして得られたスライス断層面画像Ｉ
Ｘ，ＩＹ，ＩＺの内、３次元領域Ｓ内の任意の一点Ｐを
含むものを取り出し、更に、Ｘカーソルｃｘ、Ｙカーソ
ルｃｙ、Ｚカーソルｃｚと共に表示した画面の概要が図
５（ｂ）であり、それを具体的に、インプラント画像Ｉ
Ｉの埋設位置を点Ｐとして適用したのが図４に示したも
のである。

【００９０】図６は、本発明の３次元スライス画像表示
の一覧表示を示す図、図７は、図６の画面で選択された
断層面画像を含んだ３次元スライス断層面画像表示の一
例を示す図である。

【００９１】図４ような３次元スライス画像表示におい
て、所定の切替操作、例えば、スライス断層面画像ＩＺ
をダブルクリック、あるいは、スライス断層面画像ＩＺ
を選択した後に、マウスの左ボタンをクリックしてプル
ダウンメニューを表示させ、その中から「一覧表示」を
選択するなどすると、図６に示すように、スライス断層
面画像一覧表示がなされる。

【００９２】この図では、３次元領域Ｓをゼット軸方向
に所定の間隔で切り出したスライス断層面画像ＩＺ
（１）〜ＩＺ（４０）が、一つの画面に納まるように、
それぞれ縮小されて一覧表示されている。

【００９３】この例では、３次元領域Ｓをゼット軸方向
に４０等分して、ゼット軸の正方向、つまり上方から見
たスライス断層面画像ＩＺが、左から右、上から下へ順
に４０枚並べられており、スライス断層面画像ＩＺ
（１）が最も下の断層面の画像で、順にカッコ内数字が
増えるほど、上層の断層面の画像であり、スライス断層
面画像ＩＺ（４０）が最も上の断層面の画像となってい
る。

【００９４】術者は、このような一覧表示を見ること
に、診療目的に合わせて、パッと希望するスライス断層
面画像ＩＺを選ぶことができる。

【００９５】例えば、ここで、スライス断層面画像ＩＺ
（１０）を選択し、所定の切替操作、スライス断層面画
像ＩＺ（１０）をダブルクリック、あるいは、スライス
断層面画像ＩＺ（１０）を選択した後に、マウスの左ボ
タンをクリックしてプルダウンメニューを表示させ、そ
の中から「３次元スライス表示」を選択するなどする
と、図７の３次元スライス画像表示がされ、選択したス
ライス断層面画像ＩＺ（１０）が拡大表示されると共
に、他のスライス断層面画像ＩＹ、ＩＺも合わせて表示
されているのが解る。

【００９６】また、図７に示す画面では、図５の場合と
全く同様に、Ｘ、Ｙ、Ｚカーソルｃｘ、ｃｙ、ｃｚを移
動させてスライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺを順次表
示させることができる。

【００９７】こうして、図６でだいたいの見当をつけた
所望部分のより詳しいスライス断層面画像を見ることが
できるので、縮小表示の問題も解消され、また、スライ
ス断層面画像が３次元表示されるので、直感的に理解し
やすく、カーソル移動によってスライス断層面画像が順
次表示されるので、希望部位の立体的な画像がより見つ
け易い。

【００９８】なお、この図７において、画像ＩＣは、３
次元スライス画像表示の基となるＸ、Ｙ、Ｚ断層面が、
３次元領域Ｓに対してどのような関係にあるのかを立体
的に示すガイド画像である。このようがガイド画像ＩＣ
を参照することによって、スライス断層面画像ＩＸ、Ｉ
Ｙ、ＩＺが３次元領域Ｓをどのように切り出した画像で
あるかを、より明確に把握することができる。

【００９９】図７は、上述したように、図５のような画
面から切り替えて表示するようにしてもよいが、スライ
ス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺの切り出しが終了した後
に、まず、図７のような一覧表示をさせるようにして、
先に、おおざっぱな見当をつけて選択しておいてから、
その選択した断層面画像について、図５のような３次元
スライス断層面画像表示をさせるようにしてもよい。

【０１００】また、スライス断層面画像の選択後に、単
に、選択した断層面画像の拡大表示や、また、Ｘ、Ｙ、
Ｚカーソルのない単なる３次元スライス画像表示をさせ
るようにしてもよい。

【０１０１】さらに、一覧表示は、一種類の断層面画
像、例えば、Ｚ断層面のスライス断層面画像ＩＺだけの
ものに限られず、画面が許す限りは、二種類、三種類同
時、例えば、スライス断層面画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺの
内、適宜選んだ二者、あるいは、三者の同時一覧表示を
させるようにしてもよい。このように、複数種類同時一
覧表示させた場合には、スライス断層面画像の選択も複
数行い、その選択された複数種類の断層面画像を含んだ
３次元スライス画像表示をさせるようにもできる。

【０１０２】このような一覧表示と３次元スライス画像
表示とを組み合わせると、インプラントを植え立てる部
分の断層面画像の選択が容易になる。

【０１０３】図８は、本発明の画像表示操作装置での３
次元的表示の一例を示す図である。

【０１０４】図１では、顎部Ｘ線ＣＴ画像ＩＧ、歯科用
インプラント画像ＩＩは平面的な画像として表示されて
いたが、この表示画面１ｃでは、それぞれ、３次元的に
表示されている。

【０１０５】したがって、歯科用インプラント画像の埋
入位置方向をより実感的に決めることができる。また、
条件がよければ、一度に、ＸＹＺ三方向の位置と方向を
決めることができる。

【０１０６】図９は、本発明のガイド穴加工装置の他例
を示す外観図である。

【０１０７】このガイド穴加工装置３Ａは、図１のガイ
ド穴加工装置３に比べ、ステント７の３次元位置決め用
マーカ７ａの位置測定手段が、光学的なものではなく、
接触子４ａを備え、この接触子４ａにより機械的にマー
カ７ａの位置を測定する接触式機械的測定手段４Ａとな
っている点が異なっている。

【０１０８】この場合、主軸体３ｄを水平移動させ、接
触子４ａの高さを調節して、接触子４ａがマーカ７ａに
接触した際の接触子４ａの水平位置、高さを測定するこ
とにより、マーカ７ａの位置を測定するもので、これを
３つのマーカ７ａについて繰り返すようになっている。

【０１０９】このような方法でも、３次元位置決め用マ
ーカ７ａの位置測定が可能である。また、この接触式機
械的測定手段４Ａも、ガイド穴加工装置３に一体的に取
り付けてあってもよく、別体であって、着脱可能になっ
ているものであってもよい。

【０１１０】図１０は、本発明で用いるステントの他例
を示す外観図である。

【０１１１】このステント７Ａは、図１、２のステント
７に比べ、３次元位置決め用マーカ７ｂが、一か所に集
中して、また、ステント７の外縁の一部に埋め込まれ、
３つの相互に直交する方向に伸び出した等しい長さのマ
ーカ棒７ｂとして構成されている点で異なっている。

【０１１２】これらの３つのマーカ７ｂは、空間内で正
三角形に近く配置され、最も空間的に位置計算がしやす
い配置となっているので、それぞれのマーカ７ｂの位置
から、ステント７の位置方向の算出がしやすい。また、
ステント７からはみ出していないので、患者の口腔内に
ステント７を装着する場合に、人体を傷つけたり、邪魔
になったりすることがない。

【０１１３】なお、マーカの態様としては、ここに挙げ
たものだけに限定されず、３次元的な位置方向の決定可
能なものであれば、どのようなものであってもよく、Ｘ
線不透過性のマーカ体の内部に、それぞれ直交するｘ、
ｙ、ｚ軸方向に貫通穴が設けられているようなものであ
ってもよい。

【０１１４】また、ステント自体を、所定形状の金属片
をベースとして作成し、この金属片を雄型として嵌め込
むことのできる雌型を、ガイド穴加工装置３の取付治具
３ｈに設けておくと、これらの雄雌型が嵌まりあうよう
にステントをガイド穴加工装置３の取付治具３ｈに設置
するだけで、ステントについてガイド穴加工装置３のテ
ーブル３ｇに対する取付位置方向が規定でき、マーカ位
置測定手段４、４Ａを不要とすることができる。

【０１１５】

【発明の効果】請求項１に記載の歯科用インプラント施
術支援装置によれば、通常歯牙の欠損部分に植え立てる
義歯の製作・位置決めなどに用いられるステントに３次
元位置決め用マーカ（Ｘ線不透過性）を設け、この位置
決め用マーカを、画像表示操作装置でのインプラントの
埋入位置方向の決定、データ処理装置でのガイド穴加工
データの作成の基準として共用しているので、この位置
決め用マーカが、それぞれの処理での座標基準となり、
正しいインプラント埋入穴のガイド穴加工データを得る
ことができる。

【０１１６】また、義歯製作用に従来より用いられてい
たステントを活用しているので、余分な介在部品を必要
とせず、手間も省かれる。

【０１１７】請求項２に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１の効果に加え、ガイド穴加
工装置を備え、この加工装置でも、ステントの３次元位
置決め用マーカを基準として、インプラント埋入ガイド
穴の加工が正確に行われる。

【０１１８】また、このステントは、欠損部分を含む歯
牙列にピッタリ被せて用いられるので、歯牙との相対的
な位置決めが非常に精密に行われるので狂いが少なく、
このステントに設けられたインプラント埋入ガイド穴を
用いて、実際にインプラント埋入穴を加工する場合、こ
のステントがしっかり、確実に歯牙列に位置決め固定さ
れているので、埋入穴の加工も精度良く行うことができ
る。

【０１１９】請求項３に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１または２のいずれかの効果
に加え、画像表示操作装置で表示される顎部Ｘ線ＣＴ画
像を予め準備された３次元スライス画像としたもので、
カーソルを移動することによって、所望のスライス断層
面画像が表示され、つまり、より適切な画面上で歯科用
インプラント画像の埋入位置方向を決めることができ
る。

【０１２０】請求項４に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１から３のいずれかの効果に
加え、画像表示操作装置で、インプラントアイコンで所
望のインプラントを選択できるので、便利である。

【０１２１】請求項５に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１から４のいずれかの効果に
加え、画像表示操作装置で、歯科用インプラント画像と
顎部Ｘ線ＣＴ画像とが３次元的に表示されるので、歯科
用インプラント画像の埋入位置方向をより実感的に決め
ることができる。

【０１２２】請求項６に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１から５のいずれかの効果に
加え、位置決め用マーカの位置測定手段として、光学的
測定手段、あるいは、接触式機械的測定手段とを規定し
たので、この位置測定手段を容易に構成することができ
る。

【０１２３】請求項７に記載の歯科用インプラント施術
支援装置によれば、請求項１から６のいずれかの効果に
加え、位置決め用マーカの内容を規定したもので、微小
金属球をステントの外縁に設けるので、ステントの取扱
に支障とならず、マーカとしての役割も果たすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の歯科用インプラント施術支援装置の一
例を示す全体構成図

【図２】本発明の歯科用インプラント施術支援装置によ
って製作されたステントを用いたインプラント埋入穴の
加工状態を示す図

【図３】図１、２を用いてこれまでに説明した、本発明
のステントを用いたインプラント埋入穴の加工手順を示
すフローチャート

【図４】本発明の画像表示操作装置での３次元スライス
画像表示の一例を示す図

【図５】（ａ）、（ｂ）は、図４の３次元スライス画像
の作成についての説明図

【図６】本発明の３次元スライス画像表示の他例を示す
図

【図７】本発明の３次元スライス画像表示の他例を示す
図

【図８】本発明の画像表示操作装置での３次元的表示の
一例を示す図

【図９】本発明のガイド穴加工装置の他例を示す外観図

【図１０】本発明で用いるステントの他例を示す外観図

【図１１】従来のインプラント埋入穴の加工方法の説明
図

【図１２】従来のインプラント埋入穴の加工方法の説明
図

【図１３】従来のインプラント埋入穴の加工方法の説明
図

【符号の説明】

１画像表示操作装置２データ処理装置３ガイド穴加工装置４光学的測定手段４Ａ接触式機械的測定手段５データ記憶装置７ステント７ａ、７ｂ３次元位置決め用マーカ（微小金属球）７ｈインプラント埋入ガイド穴１０歯科用インプラント施術支援装置ＩｉインプラントアイコンＩＧ顎部Ｘ線ＣＴ画像ＩＩ歯科用インプラント画像ＩＳ３次元スライス画像ＩＸ、ＩＹ、ＩＺスライス断層面画像

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ａ６１Ｃ 13/38 Ａ６１Ｃ 13/00 Ｎ 19/04 19/04 Ｚ (72)発明者澤田久仁彦東京都千代田区九段南四丁目８番24号学校法人日本大学内 (72)発明者鈴木正和京都府京都市伏見区東浜南町680番地株式会社モリタ製作所内 (72)発明者吉川英基京都府京都市伏見区東浜南町680番地株式会社モリタ製作所内Ｆターム(参考） 4C052 FF10 NN01 NN16 4C093 AA22 AA25 CA17 CA32 DA05 EE01 EE30 FF12 FF21 FF22 FF28 FF32 FF35 FF45 FG05 FG13

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】患者の歯牙の欠損部分について取得した印
象を基に作成され、少なくとも３点以上の３次元位置決
め用マーカを設けたステントを装着して撮影した前記患
者の顎部Ｘ線ＣＴ画像と、前記欠損部分について用いる
べき歯科用インプラント画像とを重畳表示し、前記顎部
Ｘ線ＣＴ画像上での前記歯科用インプラント画像の埋入
位置方向を決めることができるようにした画像表示操作
装置と、こうして決められた埋入位置方向データから前記ステン
トにインプラント埋入ガイド穴を加工するためのガイド
穴加工データを前記位置決め用マーカの位置を基準とし
て作成するデータ処理装置とから構成されることを特徴
とする歯科用インプラント施術支援装置。
【請求項２】請求項１に記載の歯科用インプラント施術
支援装置において、更に、前記ステントに設けられた前記位置決め用マーカ
の位置から、前記ガイド孔加工データを基にして、この
ステントにインプラント埋入ガイド穴を加工するガイド
穴加工装置を備えたことを特徴とする歯科用インプラン
ト施術支援装置。
【請求項３】請求項１または２のいずれかに記載の歯科
用インプラント施術支援装置において、上記画像表示操作装置は、前記顎部Ｘ線ＣＴ画像を、予
め準備された、相互に直交するＸ断層面、Ｙ断層面、Ｚ
断層面の３つのスライス断層面画像の組み合わせ画像で
ある３次元スライス画像として前記データ記憶装置に記
憶し、カーソルの操作に応じて選択された所望の組み合
わせのスライス断層面画像を３面表示することを特徴と
する歯科用インプラント施術支援装置。
【請求項４】請求項１から３のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記画像表示操作装置には、データ記憶装置が接続さ
れ、このデータ記憶装置には既存の歯科用インプラント
の形状データとこれに対応したインプラントアイコンが
記憶され、前記画像表示操作装置では、複数のインプラントアイコ
ンが表示され、このインプラントアイコンから所望のイ
ンプラントアイコンを選択操作することにより、前記欠
損部分について用いるべき前記歯科用インプラント画像
が選択できるようにしたことを特徴とする歯科用インプ
ラント施術支援装置。
【請求項５】請求項１から４のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記歯科用インプラントの形状データおよび前記顎部Ｘ
線ＣＴ画像を構成する画像データは３次元データであ
り、前記画像表示操作装置には前記歯科用インプラント
画像と前記顎部Ｘ線ＣＴ画像とを３次元的に表示できる
ようにしたことを特徴とする歯科用インプラント施術支
援装置。
【請求項６】請求項１から５のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記ガイド穴加工装置に、前記ステントに設けた３次元
位置決め用マーカの位置測定手段として、レーザ光を使
用して測定する光学的測定手段、あるいは、接触子によ
り機械的に測定する接触式機械的測定手段を設けたこと
を特徴とする歯科用インプラント施術支援装置。
【請求項７】請求項１から６のいずれかに記載の歯科用
インプラント施術支援装置において、前記３次元位置決め用マーカは、前記ステントの外縁に
設けられた微小鋼球で構成されていることを特徴とする
歯科用インプラント施術支援装置。