JP5429390B2 - ゲージ本体及びサージカルガイドの作製方法 - Google Patents

Description

本発明は、歯科用インプラントを所定の位置に植立する際に用いるサージカルガイドを作製するために用いられるゲージ本体及びサージカルガイドの作製方法に関する。

近年、歯の欠損部分にインプラント（人工歯根）を埋設して義歯を製作するという歯科療法が行われている。この療法は、ハンドピース等の穿孔装置に装着したドリルを用いて、歯の欠損部分にインプラントの挿入孔を開けるものであり、その際に、挿入孔が所定の位置及び方向になるようにドリルを案内するために、通常はサージカルガイドを用いて穿孔している。
このサージカルガイドには、顎骨等に支持するサージカルガイドにドリルを案内するための金属製のガイドリング（ガイドチューブ）が嵌入されている。
ドリルをガイドリングに案内して穿孔する場合には、インプラントの挿入孔を形成する部分に十分な骨量が存在し、またその部分に神経や血管が存在していないことが必要である。
そこで、これらの条件を満たすように、一般にはサージカルガイド（診断用ステント）を患者の歯に装着した状態でＸ線ＣＴ装置（Ｃｏｍｐｕｔｅｄ Ｔｏｍｏｇｒａｐｈｙ）を用いてＣＴ撮影し、そのＣＴ画像による検査結果に基づいてインプラントの挿入方向を決定している。

インプラントの挿入方向を決定する方法として種々の方法が考えられている。
例えば、欧州特許第１０４３９６０号明細書に記載されているように、Ｘ線ＣＴ装置と、このＣＴに連動する数値制御穴加工機を備え、この数値制御穴加工機によってインプラントの挿入孔を加工する方法である。
この方法は、このように別途、数値制御穴加工機を用いるものであるから、装置全体が大掛かりとなり、作業に熟練を要する上にコスト高になっている。
また、特開２００６−１４１５６１号公報に示すように、歯の欠損部分の顎骨区帯のＣＴ画像を印刷し、この印刷部分より歯の欠損部分を切り抜き、この切抜き部分を歯型模型に貼着した後に、貼着した切抜き部分にインプラントの挿入位置及び方向を示すマークを付し、このマークに沿ってインプラントの挿入孔を加工する方法が考えられている。
しかし、この方法は、上記のように多くの手間を要するものであり、また、そのマークを目視しながらインプラントの挿入孔を加工するようにしたものであるから、インプラントの挿入孔を正確に加工することができないおそれがある。

欧州特許第１０４３９６０号明細書 特開２００６−１４１５６１号公報

本発明は、これらの問題点を解消し、インプラントの挿入孔を所定の位置に正確にかつ簡便に形成することが可能な低コストのサージカルガイドを作製するために用いられるゲージ本体及びサージカルガイドの作製方法を提供するものである。

本発明の第１の発明は、歯科インプラント用のサージカルガイドの作製に用いられるゲージ本体であって、サージカルガイド本体の欠損する歯に相当する位置に画像で認識可能な人工歯を装着しうる空間を保って対向して装着される一対の表示部材を有し、当該表示部材の対向面に画像によって認識される目印を設けたことを特徴とするゲージ本体である。

本発明での第２の発明は、本発明の第１の発明のゲージ本体において上記一対の表示部材を所定の間隔で連結する支持部材が設けられたゲージ本体である。また、本発明での第３の発明は、第２の発明のゲージ本体において、上記支持部材の端部から上記表示部材の延出する方向に延びる支持枠を設け、当該支持枠に上記表示部材を案内し支持する案内溝を設けたゲージ本体である。更に、本発明の第４の発明は、本発明の第１ないし第３の発明のいずれか１つのゲージ本体において、上記一対の表示部材の目印は画像で認識可能な孔または格子状線としたゲージ本体である。

また、本発明の第５の発明は、本発明の第１ないし第４の発明のいずれかの上記ゲージ本体を用いてサージカルガイドを作製するサージカルガイド作製方法であって、上記ゲージ本体がサージカルガイド本体の欠損する歯に相当する位置に装着され、上記ゲージ本体の上記空間に画像で認識可能な人工歯が装着され、ついで上記サージカルガイド本体を歯に装着した状態で得られる画像の解析によって求められたインプラントの挿入方向を示す位置が、上記ゲージ本体の前記目印を利用して示され、これによって上記インプラントの挿入方向が決定され、サージカルガイド本体に装着されるガイドリングが上記ゲージ本体の空間に挿入される際に上記人工歯が除去されることを特徴とするサージカルガイドの作製方法である。更に、第６の発明は、上記第５の発明のサージカルガイド作製方法において、上記ガイドリングの内側にポジショナーが挿入され、当該ポジショナーの軸心とインプラントの挿入方向に相当する上記各表示部材上の位置とを結ぶ方向にピンが挿入され、当該ピンの挿入方向に上記ガイドリングが上記サージカルガイド本体に取り付けられることを特徴とするサージカルガイドの作製方法である。

また、本発明の第７の発明は、本発明の第５または第６の発明のサージカルガイドの作製方法において、顎骨穿孔用のドリルの刃部が側面より挿入可能なようにガイドリングにスリットが形成され、当該スリットに対応する上記サージカルガイド本体の位置に上記スリットとほぼ同幅または上記スリットの幅より外方に向けて広がる幅の開口部が形成されることを特徴とするサージカルガイドの作製方法である。

上記サージカルガイドは、ガイドリングを備えた支持体であり、顎骨に支持するようにしたものと、歯肉に支持するようにしたもの及び歯に支持するようにしたものがある。これらのタイプのサージカルガイドは、いずれも従来品のように一般にはプラスチック材で製作されている。なお、サージカルガイドを透明な材料で製作すると、作業個所が見易くなる。

サージカルガイドに装着されるガイドリングは、チタンやアルミニウムその他の金属や硬質のプラスチック材によって、ドリルの案内部材の径に対応するように内径が約４ｍｍ〜９ｍｍほどに、外径が約５ｍｍ〜１０ｍｍほどに製作されるが、これらの寸法のみに限定されるものではない。
ガイドリングの側面には、ドリルの刃部やインプラント、インプラント挿入用アダプター等のインプラント医療用器具の先端部が側方より挿入できるようにスリットが設けられており、このスリット部に対応するサージカルガイド本体の位置にも、スリットの幅にほぼ相当する幅またはスリットより外方に向けて広がる幅の開口部が設けられている。
スリットの幅は、一般的にはインプラントの径に合わせてドリルの刃部の径が約２ｍｍ〜５ｍｍほどに製作されているので、これに相応して使用されるインプラントの最大径より少し大きな径である４ｍｍ〜６ｍｍ程度に製作されている。しかし、このスリットの幅は、この寸法のみに限定されるものではない。
なお、ガイドリングの上部をテーパー上に外方に広げておくと、ドリルが案内し易くなる。

サージカルガイド本体にはゲージ本体が装着される。ゲージ本体は、対向する一対の表示部材を有し、その表示部材の表面形状は、四角形、長方形、円形、楕円形、台形、その他の形状とすることができる。ゲージ本体の大きさは、１歯欠損用であれば、縦横の幅が約１０〜２０ｍｍ、高さが約１０〜３０ｍｍ、厚さが約１〜２ｍｍであるが、これらの寸法に限定されるものではない。隣接する複数の歯の欠損用であれば、当然その歯数に応じて適当な幅とされる。

ゲージ本体の一対の表示部材の表面には、それぞれＣＴ画像で認識可能である等間隔で縦横に配置する目印が設けられている。この目印は表示部材の側面にも設けるようにしてもよい。
一対の表示部材は、これをＸ線透過性の部材、例えばＸ線透過性のプラスチック材で作製した場合、これらの表示部材の表面にＸ線不透過性の材料（例えば硫酸バリウム、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス等）を塗布して格子状の線や溝を形成し、これらの線や溝の交点を目印としたり、表示部材の表面にＸ線不透過性の材料を格子状や点状に埋設しその格子の交点や点を目印としたりする。この場合、上記Ｘ線不透過性の材料に顔料や塗料等を混合して着色させておくと一層見易くなる。

上記交点の部分には、小孔を設け、また、この小孔の一部（表示部材の中央にある小孔や端にある小孔）にこれより大きな孔を設け、これを基準の孔とすることができる。小孔の大きさは、直径約１ｍｍほどであるが、その他の直径のものを用いてもよい。
一方、一対の表示部材としてＸ線不透過性の材料、例えば金属材やＸ線不透過性材を混入したプラスチック材を用いた場合は、格子状の線の交点となる位置に上記のように小孔や基準の孔を設けてこれらの孔を目印とする。この場合、上記格子状の線が目視できるように、一対の表示部材の表面に格子状の線を表示しておくとよい。

目印の位置は、格子状の線上とは限らず、その位置がＣＴ画像で認識可能であれば、蜘蛛の巣状や波紋状など適宜の形状の線の交点とすることができる。また、表示部材として金属製のメッシュ材を用いることができ、この場合、メッシュの孔が目印の位置となる。
目印の間隔は、約１〜２ｍｍに形成されるが、それ以外の間隔としてもよく、また、目印の深さは約０．５〜１ｍｍに形成されるが、それ以外の深さにしてもよい。

上記ゲージ本体の内側は空間になっているので、この空間に歯の欠損部に相当する人工歯を挿入することができる。この人工歯は、ゲージ本体の下方の表示部材や支持部材等に重合レジン等で一時的に固定される。また、人工歯は、その表面にＸ線不透過性材を塗布したり、Ｘ線不透過性材で一体的に作製したりして、人工歯の表面がＣＴ画像で認識できるようになっている。このようにゲージ本体の内側に人工歯を設けることによって、インプラントの挿入方向において歯の噛み合い状態を知ることができ、人工歯を所定の位置及び方向に取り付けることができる。なお、この人工歯は省略する場合がある。

ゲージ本体をサージカルガイド本体に装着したサージカルガイド作製具、あるいは人工歯を有するゲージ本体をサージカルガイド本体に装着したサージカルガイド作製具は、患者の欠損歯に相当する部分に装着され、Ｘ線ＣＴ装置を用いてＣＴ撮影しＣＴ画像を得る。このＣＴ画像をコンピュータに取り込み、ＣＴ画像解析用ソフト（例えば、Ｏｎｅ Ｖｏｌｕｍｅ Ｖｉｅｗｅｒ：Ｊ．ＭＯＲＩＴＡ ＭＦＧ．ＣＯＲＰ．等のソフト）を用いて解析し、ゲージ本体の各表示部材の目印及び人工歯の位置を確認しながら、インプラントの挿入位置及び方向に対応する目印の位置を決定する。なお、上記ＣＴ画像は、一旦ＣＤやＤＶＤ等の記録媒体に保存し、これを後にコンピュータで読み取ったり、Ｘ線ＣＴ装置とコンピュータを連結しておき、そのＣＴ画像をコンピュータで直接読み取ったりする。

ＣＴ撮影後、患者よりサージカルガイド作製具を外し、上記のようにして決定した各表示部材の目印の小孔にステンレススチールやその他の金属や丈夫なプラスチックで製作されたピンを通す。小孔が開いていない場合は、先鋭のピンで開けるようにする。このピンの方向がインプラントの所定の挿入方向となる。
ここで、一旦ピンを抜き、ポジショナーをガイドリング内に挿入し、このガイドリングをゲージ本体の内部空間に挿入して、再度、ピンを上記目印の小孔と上記ポジショナーの中心の孔に通す。この状態でガイドリングの周囲に重合レジン等の固定材を充填してガイドリングをサージカルガイド本体に固定する。
固定材の硬化後に、ピンを抜き、ゲージ本体及びポジショナーを除去または削除すると、サージカルガイドが完成する。なお、上記ポジショナーは、通常、プラスチック材（発泡材を含む）で製作されるが、その他の材料で製作してもよい。

本発明は、上記のようにサージカルガイドに装着したガイドリングの位置及び方向をインプラントの挿入位置及び方向に正確に一致させることができるので、インプラント治療の精度を高めることができ、しかも低コストで提供することができる。また、本発明の作製具及び作製方法を用いることにより、インプラント手術の安全性の向上と手術時間の短縮が可能となり、患者、執刀医、医療スタッフの精神的負担の軽減、治療成績の向上、患者及び診療所の経済的負担を軽減することができる。

本発明の実施例を示すサージカルガイドの斜面図である。 サージカルガイド作製具の斜面図である。 下顎歯型模型の斜面図である。 サージカルガイド本体の斜面図である。 ゲージ本体の斜面図である。 サージカルガイド作製具を下顎歯型模型に装着した状態を示す斜面図である。 サージカルガイド作製具を患者の歯に装着して撮影したＣＴ画像を示す概略図である。 ゲージ本体の内部空間にガイドリングを挿入した状態を示す斜面図である。 ポジショナーの拡大斜面図である。 ガイドリングの拡大斜面図である。 他の実施例を示す組立式ゲージ本体の分解斜面図である。 更に他の実施例を示す組立式ゲージ本体の分解斜面図である。 他の実施例を示すゲージ本体の分解斜面図である。 ドリルの斜面図である。 ＣＴ画像を解析するコンピュータシステムの概略図である。

以下、サージカルガイド作製具及びサージカルガイドの作製方法について説明する。
図１に示すサージカルガイド１は、図１４に示すドリル２の案内部材３を案内するガイドリング４を有する。このガイドリング４は、その取り付け位置及び方向がインプラントの挿入位置及び方向に一致するように、サージカルガイド本体６に装着される。その装着は、以下に示すように、ゲージ本体５（図２に示す）をサージカルガイド本体６（図４に示す）に取り付けたサージカルガイド作製具７を用いて行われる。

図３に示すように、先ず、患者の下顎歯型模型８と、欠損歯に相当する人工歯９を作製し、この人工歯９の中心の穴６７を通って適切と思われる位置、方向に開けられた下顎歯型模型８の穴６８にピン１０を通すことによって、人工歯９を下顎歯型模型８に仮に固定しておく。なお、人工歯９の表面にはＸ線不透過性材が塗布されている。
次に、下顎歯型模型８を用いてサージカルガイド本体６を作製する。このサージカルガイド本体６の欠損歯に相当する部分には、図４に示すように、人工歯９の上部の一部が現われるように穴１１が形成されている。

ゲージ本体５は、図５に示すように、上部表示部材１２と、下部表示部材１３と、これらの一対の表示部材を連結する支持部材１４を備えている。このゲージ本体５は、一般的にはＸ線不透過性を有するプラスチック材で一体的に作製される。
この一対の表示部材１２、１３の表面には、格子状の線１５が表示されており、この線の交点に小孔１６が開けられる。表示部材の中央部にある小孔は、上記小孔１６より大きい径の孔に形成されていて基準の孔１７とされる。

ここで、図６に示すように、下顎歯型模型８より人工歯９とピン１０を外し、この人工歯９をゲージ本体５の内部空間１８に挿入して下部表示部材１３上に載置する。そして、このゲージ本体５の基準の孔１７、人工歯の中心の穴６７、下顎歯型模型８の穴６８にピン３５を通すことによって、ゲージ本体５の位置を決定する。なお、サージカルガイド本体６の側面にゲージ本体５の支持部材１４が当る場合は、サージカルガイド本体６の側面部分を一部削除する。
この場合、ゲージ本体５の下部表示部材１３がサージカルガイド本体６の下側に挿入できるように、人工歯９の下部を下部表示部材１３の厚み分ほど予め削除して人工歯９の取り付け高さを調整し、人工歯９を所定の位置に重合レジンや接着剤等用いて仮固定する。その後に、サージカルガイド本体６とゲージ本体５を重合レジン等の固定材３８で固定し、ピン３５を引き抜くことによってサージカルガイド作製具７が完成する。

このようにして製作したサージカルガイド作製具７を患者の歯に装着し、Ｘ線ＣＴ装置１９を用いてＣＴ撮影しＣＴ画像２０を得る。
図１５に示すように、このＣＴ画像２０をコンピュータ２１（モニター２２、キーボード２３、マウス２４を備えている）に取り込み、コンピュータ２１に格納されたＣＴ画像解析用ソフトを用いて画像解析し、インプラントの挿入方向に相当する一対の表示部材１２、１３の目印の位置を読み取る。
即ち、図７に示すように、コンピュータ２１操作により、ゲージ本体５部分のアキシャル断面２５、パノラマ断面２６及びオルソラジアル断面２７を表示し、そのゲージ本体の各表示部材の位置を確認しながら、これらの断面にそれぞれインプラントを挿入しようとする方向にパノラマ切断線２９及びオルソラジアル切断線３０を移動する。そしてこのパノラマ断面２６及びオルソラジアル断面２７におけるパノラマ切断線２９及びオルソラジアル切断線３０の方向に十分な顎骨が存在し、かつその個所に神経及び血管３１、３２が存在していないことを確認し、この方向をインプラントの挿入方向と決定する。
この決定された方向において、アキシャル切断線２８を移動することによって上記各切断線の交点に位置する各表示部材の目印３３、３４をインプラントの挿入方向に相当する目印として読み取る。その際、これらの目印３３、３４の位置は、上記基準の孔１７からの距離をＣＴ画面上の小孔または目盛りにより読み取ることができる。

次に、図８に示すように、サージカルガイド作製具７の一部を削除して人工歯９を取り出してから、読み取った各表示部材の目印３３、３４に形成される二つの孔にピン３５を挿入する。ピンを挿入する際に、図１０に示すガイドリング４内に、図９に示すポジショナー３６を挿入し、このガイドリング４をゲージ本体５の内部空間１８に挿入する。そして、上記ピン３５をポジショナー３６の中心の孔３７に通す。なお、ポジショナー３６の両端面またはその一方の面には、漏斗状の凹面６９が形成されており、この凹面６９によってピン３５の先端部分が案内されポジショナー３６の中心の孔３７に入り易くなっている。

この状態で、ガイドリング４の周囲に重合レジン等の固形材３８を充填し、ガイドリング４をサージカルガイド本体６に連結して一体化する。その後に、上記ピン３５、ポジショナー３６及びゲージ本体５を除去または削除して、図１に示すようにサージカルガイド１を完成する。なお、ゲージ本体５等を除去した後に、必要に応じて上記ガイドリング４とサージカルガイド本体６の連結部に重合レジン等の固形材を補充する。
上記ガイドリング４の周囲には、凹部３９や凸部が設けられており、これによってガイドリングの回動が阻止される。

このサージカルガイド１には、図１に示すように、ガイドリングのスリット４０の幅より大きな幅を有するように外方に広がる開口部４１が形成されている。スリット４０の幅は、図１４に示す歯科用の刃部５９が通過できるほどの幅であり、またガイドリングの内径は、上記ドリル２の案内部材３が摺動可能に案内されるほどの径である。

図１１に示すゲージ本体５は、組立形式のものであり、上部表示部材１２と支持部材１４が一体に形成された上方部材４２と、支持板４３付きの下部表示部材１３と、人工歯９を支持する台板４４を有する。上方部材４２は、その下端部より支持枠４５が延出しており、この支持枠４５が、下部表示部材１３上に設けた突条４６によって形成される蟻溝４７に係合している。また、台板４４は、下部表示部材１３上に設けられた突条４６の蟻溝４８に係合している。これらの上部表示部材１２及び下部表示部材１３の表面には、Ｘ線不透過性の材料で格子状に描かれた目印４９が表示されている。なお、この例では、台板４４が設けられているが、人工歯９を直接下部表示部材１３で支持した場合には、台板４４は省略される。

図１２に示すゲージ本体５は、他の組立形式のものを示し、上部表示部材１２と、この上部表示部材１２を支持する上部枠５０と一方の支持部材５１を一体に構成した上方枠部材５２と、下部表示部材１３と、この下部表示部材１３を支持する下部枠５３と他方の支持部材５４を一体に構成した下方枠部材５５と、人工歯９を備える。上記上部表示部材１２は、上部枠５０に設けた蟻溝６０に係合しており、また、下部表示部材１３は、下方枠部材５５に設けた蟻溝６１に係合している。上方枠部材５２の一方の支持部材５１と下方枠部材５５の他方の支持部材５４は、これらの支持部材に形成された凸条５６と凹溝５７を係合させることによって結合されている。この例では、上方枠部材５２と下方枠部材５５を透明な材料で製作し、上部枠５０と下部枠５３上にＣＴ画像の解析によって得られる目印５８の位置にマークを付け、この上方枠部材５２と下方枠部材５５が消耗品として使用され、上部表示部材１２と下部表示部材１３がマスターピースとして再利用される。

図１３に示すゲージ本体５は、上部表示部材１２と、支持部６２を有し上記上部表示部材１２を支持する上方枠６３と、下部表示部材１３と、この下部表示部材１３を支持する下方枠６４と、人工歯９を備える。上記上部表示部材１２は上方枠６３の支持部６２に設けた蟻溝６５に係合しており、また、下部表示部材１３は、下方枠６４に設けた蟻溝６１に係合している。

１ サージカルガイド
４ ガイドリング
５ ゲージ本体
６ サージカルガイド本体
８ 下顎歯型模型
９ 人工歯
１２ 上部表示部材
１３ 下部表示部材
１４ 支持部材
１６ 小孔
１７ 基準の孔
１９ Ｘ線ＣＴ装置
２０ ＣＴ画像
２１ コンピュータ
３３、３４、４９、５８ 目印
３５ ピン
３６ ポジショナー
４０ スリット
４１ 開口部

Claims (7)

1. 歯科インプラントの治療に使用されるサージカルガイドの作製に用いられるゲージ本体であって、サージカルガイド本体の欠損する歯に相当する位置に画像で認識可能な人工歯を装着しうる空間を保って対向して装着される一対の表示部材を有し、当該表示部材の対向面に画像によって認識される目印を設けたことを特徴とするゲージ本体。
2. 前記一対の表示部材を所定の間隔で連結する支持部材を設けた請求項１に記載のゲージ本体。
3. 前記支持部材の端部から前記表示部材の延出する方向に延びる支持枠を設け、当該支持枠に前記表示部材を案内し支持する案内溝を設けた請求項２に記載のゲージ本体。
4. 前記目印は、画像で認識可能な孔または格子状線とした請求項１から３のいずれかに記載のゲージ本体。
5. 請求項１から４のいずれかに記載されたゲージ本体を用いてサージカルガイドを作製するサージカルガイド作製方法であって、前記ゲージ本体がサージカルガイド本体の欠損する歯に相当する位置に装着され、前記ゲージ本体の前記空間に画像で認識可能な人工歯が装着され、ついで前記サージカルガイド本体を歯に装着した状態で得られる画像の解析によって求められたインプラントの挿入方向を示す位置が前記ゲージ本体の前記目印を利用して示され、これによって前記インプラントの挿入方向が決定され、前記サージカルガイド本体に装着されるガイドリングが前記ゲージ本体の空間に挿入される際に前記人工歯が除去されることを特徴とするサージカルガイドの作製方法。
6. 前記ガイドリングの内側にポジショナーが挿入され、当該ポジショナーの軸心と前記インプラントの挿入方向に相当する前記各表示部材上の位置とを結ぶ方向にピンが挿入され、当該ピンの挿入方向に前記ガイドリングが前記サージカルガイド本体に取り付けられることを特徴とする請求項５に記載のサージカルガイドの作製方法。
7. 顎骨穿孔用のドリルの刃部が側面より挿入可能なようにガイドリングにスリットが形成され、当該スリットに対応する前記サージカルガイド本体の位置に前記スリットとほぼ同幅または前記スリットの幅より外方に向けて広がる幅の開口部が形成されることを特徴とする請求項５または６に記載のサージカルガイドの作製方法。

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